(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152675
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター
(51)【国際特許分類】
B64C 27/30 20060101AFI20241018BHJP
B64U 10/17 20230101ALI20241018BHJP
B64U 30/24 20230101ALI20241018BHJP
B64C 27/10 20230101ALI20241018BHJP
B64C 27/06 20060101ALI20241018BHJP
B64U 30/296 20230101ALI20241018BHJP
B64C 27/26 20060101ALI20241018BHJP
B64U 30/10 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
B64C27/30
B64U10/17
B64U30/24
B64C27/10
B64C27/06
B64U30/296
B64C27/26
B64U30/10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024063377
(22)【出願日】2024-04-10
(31)【優先権主張番号】202310398908.1
(32)【優先日】2023-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519291342
【氏名又は名称】南京航空航天大学
(74)【代理人】
【識別番号】100205693
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 協一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100207620
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 なつき
(72)【発明者】
【氏名】趙国慶
(72)【発明者】
【氏名】邵永生
(72)【発明者】
【氏名】招啓軍
(72)【発明者】
【氏名】廖庭漢
(72)【発明者】
【氏名】陳希
(72)【発明者】
【氏名】王博
(72)【発明者】
【氏名】高遠
(57)【要約】 (修正有)
【課題】収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターを開示する。
【解決手段】航空機の機体を含み、前記機体にそれぞれ主翼及び尾翼が設置され、前記機体の末端に、尾押しプロペラが設置され、前記機体の頂部に回転翼機構が設置される。前記回転翼機構は回転翼を含み、前記回転翼機構は、回転翼を、前記機体の回転翼収納室内に収納するように駆動することができる。ヘリコプターが高速飛行する時、回転翼が動作を停止し、尾押しプロペラによって推進力を提供し、主翼によって揚力を提供する。それらにより高速飛行中の回転翼の空力特性の欠陥を避け、また、回転翼は収納して、機体内に収納でき、さらに抗力を減少させ、最大飛行速度を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターであって、機体を含み、前記機体にそれぞれ主翼及び尾翼が設置され、前記機体の末端に、尾押しプロペラが設置され、前記機体の頂部に回転翼機構が設置され、前記回転翼機構は回転翼を含み、前記回転翼機構は、回転翼を、前記機体の回転翼収納室内に収納するように駆動することができることを特徴とする収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項2】
前記回転翼機構は、回転翼収納機構及び同軸反転プロペラ機構を含み、前記回転翼は、前記同軸反転プロペラ機構に設置され、前記同軸反転プロペラ機構は、前記回転翼収納機構に設置され、前記回転翼収納機構は、前記同軸反転プロペラ機構及び回転翼を、前記回転翼収納室内で昇降させるように駆動することができることを特徴とする請求項1に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項3】
前記回転翼収納機構は、前記回転翼収納室内に固定設置されたベースを含み、前記ベースに、2つの対称的に配置された回転翼収納ガイドレールが固定設置され、2つの前記回転翼収納ガイドレールの間に同軸反転プロペラ機構ブラケットが設置され、前記同軸反転プロペラ機構ブラケットの両端は、2つの前記回転翼収納ガイドレールに摺動的に套設され、前記同軸反転プロペラ機構ブラケットの片側に、垂直に配置された回転翼収納ラックが設置され、前記回転翼収納ラックには、回転翼収納歯車が噛み合って接続され、前記回転翼収納歯車は、回転翼収納歯車ブラケットを介して、前記ベースに取り付けられ、前記回転翼収納歯車ブラケットの前記回転翼収納ラックから遠く離れる片側に、関節が設置され、前記関節にL型溝が開けられ、前記L型溝内にウォームが設置され、前記ウォームは、前記L型溝に沿って水平状態から垂直状態まで切り替えることができ、前記ウォームは、垂直状態に切り替える時、前記回転翼収納歯車の、回転翼収納ラックから遠く離れる片側に噛み合って伝動接続されることを特徴とする請求項2に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項4】
前記同軸反転プロペラ機構は、前記同軸反転プロペラ機構ブラケットに設置された2つの左クランク及び2つの右クランクを含み、2つの前記左クランクと2つの前記右クランクとの間にサポートロッドを介して伝動接続され、2つの前記左クランクの底部にウォームギアが固定して接続され、前記ウォームが水平状態に切り替える時、前記ウォームギアに伝動接続され、2つの前記左クランクの頂部に、第1歯車が固定して接続され、前記第1歯車に、第2歯車が噛み合われ、前記第2歯車は、第1回転翼の回転軸に固定的に套設され、前記第1回転翼の回転軸内に、第2回転翼の回転軸が可動穿設され、前記第2回転翼の回転軸の底部は、前記右クランクの頂部に固定接続され、前記回転翼はそれぞれ、前記第1回転翼の回転軸及び第2回転翼の回転軸に設置されることを特徴とする請求項3に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項5】
回転翼は、上下に配置された上部単一回転翼及び下部単一回転翼を含み、前記上部単一回転翼は、プロペラハブを介して前記第2回転翼の回転軸に設置され、前記下部単一回転翼は、プロペラハブを介して前記第1回転翼の回転軸に設置されることを特徴とする請求項4に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項6】
前記回転翼収納室の頂部開口部に、開閉できる回転翼収納室ドアが設置されることを特徴とする請求項1に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項7】
前記主翼は、前記機体の両側に対称的に設置され、前記主翼に、副翼が設置されることを特徴とする請求項1に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項8】
前記尾翼は、V型構造で前記機体の両側に設置されたV型尾翼であり、前記V型尾翼に舵面が設置されることを特徴とする請求項1に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項9】
前記ベースに、円形貫通孔が開けられ、前記円形貫通孔は、前記ウォームギアの底部にあり、且つ前記円形貫通孔の内径サイズは、前記ウォームギアの外径サイズより大きいことを特徴とする請求項4に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は航空機の技術分野に関し、特に収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘリコプターは、垂直離着陸能力及びより高い空中静止効率を有するため、多くの態様でその独特な応用価値があるが、飛行機に比べて、ヘリコプターの飛行速度が小さいことは、その不足である。
【0003】
回転翼の空力特性は、ヘリコプターの高速飛行を制限する主な理由であり、即ち前に飛行する中に、飛行速度が上がると、前進側ブレードに衝撃波が現れやすく、抗力を激増させ、また、後退側ブレードに、気流分離が現れやすく、且つ飛行速度の増加につれて気流分離領域が徐々に広くなり、ブレードは、回転中に該領域に入ったり、離れたりする時、ピッチモーメントが大きく変化し、それにより振動を引き起こして早期構造疲労破壊をもたらし、且つヘリコプターの安定な操作特性が悪くなる。従来技術では、ヘリコプターの高速飛行に対する回転翼の影響を解決することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術が存在する問題を解決して、ヘリコプターが高速飛行する時、回転翼が動作を停止し、尾押しプロペラによって推進力を提供し、主翼によって揚力を提供し、それにより高速飛行中の回転翼の空力特性の欠陥を避け、また、回転翼が収納され、機体内に収納することができ、さらに抗力を減少させ、最大飛行速度を向上させる、収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は以下の解決手段を提供する:
本発明は、機体を含み、前記機体にそれぞれ主翼及び尾翼が設置され、前記機体の末端に、尾押しプロペラが設置され、回転翼が収納室に収納された後、航空機の推進力が、尾押しプロペラによって提供され、揚力が、主翼によって提供され、航空機がプロペラ飛行機モードに変えて高速飛行を実現し、前記機体の頂部に回転翼機構が設置され、前記回転翼機構が回転翼を含み、前記回転翼機構が、回転翼を、前記機体内部の回転翼収納室内に収納するように駆動することができる収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターを提供する。
【0006】
任意選択的に、前記回転翼機構は、回転翼収納機構及び同軸反転プロペラ機構を含み、前記回転翼は、前記同軸反転プロペラ機構に設置され、前記同軸反転プロペラ機構は、前記回転翼収納機構に設置され、前記回転翼収納機構は、前記同軸反転プロペラ機構及び回転翼を、前記回転翼収納室内で昇降させるように駆動することができる。
【0007】
任意選択的に、前記回転翼収納機構は、前記回転翼収納室内に固定設置されたベースを含み、前記ベースに、2つの対称的に配置された回転翼収納ガイドレールが固定設置され、2つの前記回転翼収納ガイドレールの間に同軸反転プロペラ機構ブラケットが設置され、前記同軸反転プロペラ機構ブラケットの両端は、2つの前記回転翼収納ガイドレールに摺動可能に套設され、前記同軸反転プロペラ機構ブラケットの片側に、垂直に配置された回転翼収納ラックが設置され、前記回転翼収納ラックには、回転翼収納歯車が噛み合って接続され、前記回転翼収納歯車は、回転翼収納歯車ブラケットを介して前記ベースに取り付けられ、前記回転翼収納歯車ブラケットの前記回転翼収納ラックから遠く離れる片側に、関節が設置され、前記関節にL型溝が開けられ、前記L型溝内にウォームが設置され、前記ウォームは、前記L型溝に沿って水平状態から垂直状態まで切り替えることができ、前記ウォームは、垂直状態に切り替える時、前記回転翼収納歯車の、回転翼収納ラックから遠く離れる片側に噛み合って伝動接続される。
【0008】
任意選択的に、前記同軸反転プロペラ機構は、前記同軸反転プロペラ機構ブラケットに設置された2つの左クランク及び2つの右クランクを含み、2つの前記左クランクと2つの前記右クランクとの間にサポートロッドを介して伝動接続され、2つの前記左クランクの底部にウォームギアが固定して接続され、前記ウォームが水平状態に切り替える時、前記ウォームギアに伝動接続され、2つの前記左クランクの頂部に、第1歯車が固定して接続され、前記第1歯車に、第2歯車が噛み合われ、前記第2歯車は、第1回転翼の回転軸に固定的に套設され、前記第1回転翼の回転軸内に、第2回転翼の回転軸が可動穿設され、前記第2回転翼の回転軸の底部は、前記右クランクの頂部に固定接続され、前記回転翼はそれぞれ、前記第1回転翼の回転軸及び第2回転翼の回転軸に設置される。
【0009】
任意選択的に、回転翼は、上下に配置された上部単一回転翼及び下部単一回転翼を含み、上部単一回転翼及び下部単一回転はすべてそれぞれ1枚のブレードを含み、前記上部単一回転翼は、プロペラハブを介して前記第2回転翼の回転軸に設置され、前記下部単一回転翼は、プロペラハブを介して前記第1回転翼の回転軸に設置される。
【0010】
任意選択的に、前記回転翼収納室の頂部開口部に、開閉できる回転翼収納室ドアが設置され、回転翼収納室ドアは、開閉できるように制御され、それにより回転翼の収納及び展開が完了する。
【0011】
任意選択的に、前記主翼は、前記機体の両側に対称的に設置され、回転翼が機体に収納された後、航空機の揚力は、主翼によって提供され、主翼に、副翼が設置され、航空機のロール運動のためにロールモーメントを提供する。
【0012】
任意選択的に、前記尾翼は、V型構造で前記機体の両側に設置されたV型尾翼であり、前記V型尾翼に舵面が設置され、V型尾翼は、左右2つの翼面から「V」型を構成し、V型尾翼は、少ない部品総数で尾翼間及び尾翼と機体との間の干渉抗力を減少することができ、プロペラによって駆動される飛行機の飛行速度を向上させることができる。V形を呈する2つの尾面は、上面視及び側面視方向にすべて一定の投影面積があるため、同時に縦方向(ピッチ)及び航行の方向を安定させる役割を果たすことができ、V型尾翼は同時に垂直尾翼と水平尾翼の機能を有し、両側舵面が同じ方向へ偏向する場合、昇降舵の役割を果たし、異なる方向へ偏向(差動)する場合、方向舵の役割を果たす。
【0013】
任意選択的に、前記ベースに、円形貫通孔が開けられ、前記円形貫通孔は、前記ウォームギアの底部にあり、且つ前記円形貫通孔の内径サイズは、前記ウォームギアの外径サイズより大きい。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比較して、本発明は以下の技術的効果を達成した。
本発明により提供される収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターは、高速飛行時、回転翼が動作を停止し、尾押しプロペラによって推進力を提供し、主翼によって揚力を提供し、それにより高速飛行中の回転翼の空力特性の欠陥を避ける。また、回転翼は収納して機体内に収納でき、さらに抗力を減少させ、最大飛行速度を向上させる。さらに、上部単一回転翼と下部単一回転翼の2層ブレードの回転軸が同軸に配置され、両者の回転方向が反対であり、単方向回転の偏向モーメントを相殺し、次に、ブレードが前進側まで回転する場合、回転速度を低減でき、後退側まで回転する場合、回転速度を高めることができ、それにより前進側の衝撃波及び後退側の気流分離による影響をある程度まで緩和する。また、該回転翼システムは、従来の複数ブレード回転翼システムと異なり、その各ディスクの平面には1枚だけのブレードがあり、2枚のブレードはそれぞれ、高さが異なる2つのディスクの平面に存在する。それにより、上下2つのディスク平面のブレードは、同時に同じ位相まで回転することができ、例えば、回転翼収納室の上方が位相に対応して、次に回転翼を上下に移動させるように駆動し、それにより回転翼収納室の回転翼システムへの収納が完了する。回転翼システムが機体に収納すると、飛行抗力を極めて減少させ、それにより飛行速度を大幅に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、次に実施例に使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかに、次の説明における図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的努力をすることなく、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0016】
【
図1】本発明による収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターの構造概略図である。
【
図2】本発明による収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターの正面図である。
【
図3】本発明による収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターの側面図である。
【
図4】本発明による収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターの上面図である。
【
図5】本発明による収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターの回転翼が回転翼収納室に収納された後の状態概略図である。
【
図6】本発明による回転翼が回転翼収納室に収納される、及び回転翼が展開する変換過程概略図である。
【
図7】本発明による同軸反転プロペラ機構の原理模式図である。
【
図8】本発明による回転翼収納機構の原理模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確で、完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者は創造的な努力をすることなく取得されたすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0018】
本発明は、上記従来技術が存在する問題を解決するために、ヘリコプターが高速飛行する時、回転翼が動作を停止し、尾押しプロペラによって推進力を提供し、主翼によって揚力を提供し、それにより高速飛行中の回転翼の空力特性の欠陥を避け、また、回転翼が収納して機体内に収納でき、さらに抗力を減少させ、最大飛行速度を向上させる収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターを提供することを目的とする。
【0019】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより顕著で分かりやすくするために、以下に図面及び発明を実施するための形態を参照しながら本発明をより詳しく説明する。
【0020】
ヘリコプターは、特別な航空機として、その垂直離着陸能力及びより高い空中静止効率のため、多くの場合、代替不可能である。しかしながら、従来のヘリコプターは、その回転翼の空気力学の特性によって制限されるため、飛行速度をさらに大幅に高めにくく、速度の不足のため、ヘリコプターの使用場面が大幅に制限される。上記問題を解決するために、本発明は、「収納可能式の同軸単一ブレード+高揚力主翼+尾押しプロペラ」の新しい構成である高速ヘリコプターの解決手段を提供し、該解決手段は、従来のヘリコプターの速度の不足するところを補うだけでなく、ヘリコプターの垂直離着陸及び空中静止の利点を保持し、ヘリコプターのミッションプロファイル及び使用場面を大幅に豊かにし、具体的には
図1、
図2、
図3及び
図4に示すように、本発明により提供される収納式の単プロペラ同軸回転翼の超高速ヘリコプターは、超高速飛行に適用し、機体1を含み、機体1にそれぞれ主翼2及び尾翼が設置され、機体1の末端に、尾押しプロペラ7が設置され、回転翼が収納室に収納された後、ヘリコプターの推進力は、尾押しプロペラ7によって提供され、揚力は、主翼2によって提供され、ヘリコプターがプロペラ飛行機モードに変えて高速飛行を実現し、機体1の頂部に回転翼機構が設置され、回転翼機構は回転翼を含み、
図5及び
図6に示すように、機体1の内部に、回転翼収納室が設置され、回転翼収納室ドア8は、開閉できるように制御され、それにより回転翼機構は、回転翼を、機体内部の回転翼収納室内に収納するように駆動することができ、回転翼の収納及び展開を実現し、即ち収納式回転翼である。機体1の両側にある主翼2では、回転翼が機体に収納された後、航空機の揚力は、主翼2によって提供され、主翼に、副翼3が設置され、ヘリコプターのロール運動のためにロールモーメントを提供する。機体1に設置された尾翼は、V型尾翼5であり、且つV型尾翼5に舵面6が設置される。V型尾翼5は、左右2つの翼面から構成され、「V型」になり、V型尾翼5は、少ない部品総数で尾翼間及び尾翼と機体との間の干渉抗力を減少することができ、プロペラによって駆動される飛行機の飛行速度を向上させることができる。V形を呈する2つの尾面は、上面視及び側面視方向にすべて一定の投影面積があるため、同時に縦方向(ピッチ)及び航行の方向を安定させる役割を果たすことができ、V型尾翼は同時に垂直尾翼と水平尾翼の機能を有し、両側舵面が同じ方向へ偏向する場合、昇降舵の役割を果たし、異なる方向へ偏向(差動)する場合、方向舵の役割を果たす。
【0021】
具体的には、回転翼機構は、回転翼収納機構及び同軸反転プロペラ機構を含み、
図7及び
図8に示すように、回転翼は、同軸反転プロペラ機構に設置され、同軸反転プロペラ機構は、回転翼収納機構に設置され、回転翼収納機構は、同軸反転プロペラ機構及び回転翼を、前記回転翼収納室内で昇降させるように駆動することができる。回転翼収納機構は、回転翼収納室内に固定設置されたベース11を含み、ベース11に、2つの対称的に配置された回転翼収納ガイドレール13が固定設置され、2つの回転翼収納ガイドレール13の間に同軸反転プロペラ機構ブラケット14が設置され、同軸反転プロペラ機構ブラケット14の両端は、2つの回転翼収納ガイドレール13に摺動的に套設され、同軸反転プロペラ機構は、回転翼収納ガイドレール13に沿って上下に移動でき、同軸反転プロペラ機構ブラケット14の片側に、垂直に配置された回転翼収納ラック18が設置され、回転翼収納ラック18には、回転翼収納歯車17が噛み合って接続され、回転翼収納歯車17は、回転翼収納歯車ブラケット12を介して、ベース11に取り付けられ、回転翼収納歯車ブラケット12の、回転翼収納ラック18から遠く離れる片側に、関節25が設置され、関節25にL型溝が開けられ、L型溝内にウォーム15が設置され、ウォーム15に動力システムが外部接続され、それは動力入力端としてL型溝に沿って水平状態から垂直状態まで切り替えることができ、ウォーム15は、垂直状態に切り替える時、回転翼収納歯車17の、回転翼収納ラック18から遠く離れる片側に噛み合って伝動接続される。回転翼が収納される場合、ウォーム15が垂直な状態にあり、この時、ウォーム15が回転して、回転翼収納歯車17を回転させるように駆動し、回転翼収納歯車17は、回転翼収納ラック18と噛み合い、回転翼収納ラック18は、駆動力入力ポイントとして同軸反転プロペラ機構全体を、回転翼収納ガイドレール13に沿って上下に移動させるように駆動して回転翼システムの収納及び展開が完了する。
【0022】
同軸反転プロペラ機構は、同軸反転プロペラ機構ブラケット14に設置された2つの左クランク24及び2つの右クランク26を含み、2つの左クランク24と2つの右クランク26との間にサポートロッド21を介して伝動接続され、2つの左クランク24の底部にウォームギア16が固定して接続され、ウォーム15が水平状態に切り替える時、ウォームギア16に伝動接続され、ベース11に、円形貫通孔が開けられ、円形貫通孔は、ウォームギア16の底部にあり、且つ回転翼が収納される時、ウォームギア16が円形貫通孔内から下向きに従って移動することを容易にし、ベース11と衝突・干渉せず、全体を回転翼収納室内に収納することにより役立つように、円形貫通孔の内径サイズが、ウォームギア16の外径サイズより大きくとし、2つの左クランク24の頂部に、第1歯車19が固定して接続され、第1歯車19に、第2歯車20が噛み合われ、第2歯車20は、第1回転翼の回転軸22に固定的に套設され、第1回転翼の回転軸22内に、第2回転翼の回転軸23が可動穿設され、両者は同軸に配置され、2つの回転翼の同軸を実現し、第2回転翼の回転軸23の底部は、右クランク26の頂部に固定接続され、同軸反転プロペラ機構が動作する時、ウォーム15は、水平状態にあり、この時、ウォーム15が回転して、ウォームギア16を回転させるように駆動し、ウォームギア16は、左クランク24、第1歯車19に固定接続され、3つの回転方向が一致する。クランクは共に、4つがあり、同側にある上下2つは、一組を構成し、左右が共に2組であり、即ち一組の2つのクランクは、左クランクとして、別の組の2つのクランクは、右クランクとして、2組間に、サポートロッド21で接続され、右クランクは、左クランクによってサポートロッドで駆動されるため、2組のクランクのステアリングが一致し、同時に、右クランク26は、第2回転翼の回転軸23に固定接続され、両者の回転方向が一致し、即ち2組のクランク、第2回転翼の回転軸23、ウォームギア16、第1歯車19のステアリングが一致する。第1歯車19は、第2歯車20と噛み合って、第2歯車20を回転させるように駆動し、第2歯車20は、第1歯車19の回転方向と反対である。第2歯車20は、第1回転翼の回転軸22に固定接続されるため、両者のステアリングが一致する。したがって、第2歯車20、第1回転翼の回転軸22のステアリングは、2組のクランク、第2回転翼の回転軸23、ウォームギア16、第1歯車19のステアリングと反対であり、即ち第2回転翼の回転軸23は、第1回転翼の回転軸22のステアリングと反対であり、両者にそれぞれ設置された回転翼のステアリングが反対であり、同軸反転プロペラを実現する。
【0023】
さらに、好ましくは、回転翼は、上下に配置された上部単一回転翼9及び下部単一回転翼4を含み、上部単一回転翼9及び下部単一回転翼4はすべてそれぞれ1枚のブレードを含み、単一ブレード構造であり、単一ブレード同軸回転翼を実現し、即ち上部単一回転翼9は、プロペラハブ10を介して第2回転翼の回転軸23に設置され、下部単一回転翼4は、プロペラハブ10を介して第1回転翼の回転軸22に設置され、両者の回転方向が反対であり、単方向回転の偏向モーメントを相殺し(ここでは、従来の同軸反転プロペラヘリコプターの技術的解決手段と一致する)、次に、ブレードが前進側まで回転する場合、回転速度を低減でき、後退側まで回転する場合、回転速度を高めることができ、それにより前進側の衝撃波及び後退側の気流分離による影響をある程度まで緩和し、上下2層の単一ブレードの配置設置により、回転翼システム全体を、機体内に収納することができ、飛行抗力を大幅に減少させ、極限飛行速度をさらに向上させ、高速ないし超高速飛行でき、該ヘリコプターには、ヘリコプターの垂直離着陸、効率的な空中静止及びプロペラ航空機の高速巡航能力を兼備させる。
【0024】
本発明の動作過程は、以下を含む:
(1)垂直離陸段階:ヘリコプターは、艦船デッキ又は空港から垂直離陸でき、単一ブレード同軸回転翼の揚力を利用して巡航高度まで上昇する。
(2)垂直離陸から高速巡航まで変換する段階:巡航高度まで垂直に上昇した後、尾押しプロペラ7が起動して推進力を提供し、回転翼収納室ドア8が開き、単一ブレード同軸回転翼が回転翼収納室の上方に回転すると停止し、昇降可能プロペラハブは、回転翼が回転翼収納室内に収納されるまで、単一ブレード同軸回転翼を、降下させるように駆動し、回転翼収納室ドアがすぐに閉じて飛行モードの変換が完了して高速巡航モードに入る。
(3)高速巡航段階:ヘリコプターは、尾押しプロペラ7によって推進力を提供し、主翼2によって揚力を提供し、回転翼は、機体内に収納され、プロペラ航空機の形態で高速高効率巡航を行う。
(4)固定高度で空中静止を実施する作業段階:ヘリコプターは、高速高効率巡航状態で行先の近くに接近し、回転翼収納室ドアが開き、昇降可能プロペラハブは、回転翼を室外に伸びさせるように駆動し、回転翼収納室ドア8が閉じ、回転翼が起動して回転を開始してヘリコプターモードに入って目標である上空まで低速で前へ飛行して空中静止作業を行う。
【0025】
本発明の説明において、説明する必要があるのは、用語「中心」、「頂」、「底」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などで示されている方向または位置関係が、図面に基づく方向または位置関係であり、本発明を説明することを容易にして説明を簡略化するために過ぎず、装置又は要素には特定の方向性を持ち、特定の方向性で構築して動作する必要があると指示するか又は暗示せず、したがって本発明への制限として理解できないことである。また、用語「第1」、「第2」は、説明の目的だけであり、相対重要性を指示するか又は暗示すると理解できない。
【0026】
本発明では、本発明の原理および実施形態を説明するために具体的な例を使用し、上記の実施例の説明は、本発明の方法およびコアアイデアを理解するのを助けるためにのみ使用され、同時に、当業者にとって、本発明のアイデアに応じて、発明を実施するための形態および応用範囲にすべて変更がある。以上より、本明細書の内容は本発明への制限であると理解すべきではない。
【符号の説明】
【0027】
1-機体
2-主翼
3-副翼
4-下部単一回転翼
5-V型尾翼
6-舵面
7-尾押しプロペラ
8-回転翼収納室ドア
9-上部単一回転翼
10-プロペラハブ
11-ベース
12-回転翼収納歯車ブラケット
13-回転翼収納ガイドレール
14-同軸反転プロペラ機構ブラケット
15-ウォーム
16-ウォームギア
17-回転翼収納歯車
18-回転翼収納ラック
19-第1歯車
20-第2歯車
21-サポートロッド
22-第1回転翼の回転軸
23-第2回転翼の回転軸
24-左クランク
25-関節
26-右クランク
【手続補正書】
【提出日】2024-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプターであって、機体を含み、前記機体にそれぞれ主翼及び尾翼が設置され、前記機体の末端に、尾押しプロペラが設置され、前記機体の頂部に回転翼機構が設置され、前記回転翼機構は回転翼を含み、前記回転翼機構は、回転翼を、前記機体の回転翼収納室内に収納するように駆動することができ、前記回転翼機構は、回転翼収納機構及び同軸反転プロペラ機構を含み、前記回転翼は、前記同軸反転プロペラ機構に設置され、前記同軸反転プロペラ機構は、前記回転翼収納機構に設置され、前記回転翼収納機構は、前記同軸反転プロペラ機構及び回転翼を、前記回転翼収納室内で昇降させるように駆動することができ、前記回転翼収納機構は、前記回転翼収納室内に固定設置されたベースを含み、前記ベースに、2つの対称的に配置された回転翼収納ガイドレールが固定設置され、2つの前記回転翼収納ガイドレールの間に同軸反転プロペラ機構ブラケットが設置され、前記同軸反転プロペラ機構ブラケットの両端は、2つの前記回転翼収納ガイドレールに摺動的に套設され、前記同軸反転プロペラ機構ブラケットの片側に、垂直に配置された回転翼収納ラックが設置され、前記回転翼収納ラックには、回転翼収納歯車が噛み合って接続され、前記回転翼収納歯車は、回転翼収納歯車ブラケットを介して、前記ベースに取り付けられ、前記回転翼収納歯車ブラケットの前記回転翼収納ラックから遠く離れる片側に、関節が設置され、前記関節にL型溝が開けられ、前記L型溝内にウォームが設置され、前記ウォームは、前記L型溝に沿って水平状態から垂直状態まで切り替えることができ、前記ウォームは、垂直状態に切り替える時、前記回転翼収納歯車の、回転翼収納ラックから遠く離れる片側に噛み合って伝動接続されることを特徴とする収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項2】
前記同軸反転プロペラ機構は、前記同軸反転プロペラ機構ブラケットに設置された2つの左クランク及び2つの右クランクを含み、2つの前記左クランクと2つの前記右クランクとの間にサポートロッドを介して伝動接続され、2つの前記左クランクの底部にウォームギアが固定して接続され、前記ウォームが水平状態に切り替える時、前記ウォームギアに伝動接続され、2つの前記左クランクの頂部に、第1歯車が固定して接続され、前記第1歯車に、第2歯車が噛み合われ、前記第2歯車は、第1回転翼の回転軸に固定的に套設され、前記第1回転翼の回転軸内に、第2回転翼の回転軸が可動穿設され、前記第2回転翼の回転軸の底部は、前記右クランクの頂部に固定接続され、前記回転翼はそれぞれ、前記第1回転翼の回転軸及び第2回転翼の回転軸に設置されることを特徴とする請求項1に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項3】
回転翼は、上下に配置された上部単一回転翼及び下部単一回転翼を含み、前記上部単一回転翼は、プロペラハブを介して前記第2回転翼の回転軸に設置され、前記下部単一回転翼は、プロペラハブを介して前記第1回転翼の回転軸に設置されることを特徴とする請求項2に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項4】
前記回転翼収納室の頂部開口部に、開閉できる回転翼収納室ドアが設置されることを特徴とする請求項1に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項5】
前記主翼は、前記機体の両側に対称的に設置され、前記主翼に、副翼が設置されることを特徴とする請求項1に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項6】
前記尾翼は、V型構造で前記機体の両側に設置されたV型尾翼であり、前記V型尾翼に舵面が設置されることを特徴とする請求項1に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。
【請求項7】
前記ベースに、円形貫通孔が開けられ、前記円形貫通孔は、前記ウォームギアの底部にあり、且つ前記円形貫通孔の内径サイズは、前記ウォームギアの外径サイズより大きいことを特徴とする請求項2に記載の収納式の単一ブレード同軸回転翼の超高速ヘリコプター。