(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152692
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】配送システムおよび同包箱
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20241018BHJP
G06Q 10/047 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
G06Q10/083
G06Q10/047
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024064063
(22)【出願日】2024-04-11
(31)【優先権主張番号】P 2023064942
(32)【優先日】2023-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】597098590
【氏名又は名称】宮脇 一美
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 一美
【テーマコード(参考)】
5L010
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L010AA16
(57)【要約】
【課題】配送にかかる仕分けや手続きの手間を削減して、安価な配送料金で荷物を送ることを可能とする技術の提供。
【解決手段】配送管理部301は、クライアント端末5aから受信した荷物2の配送依頼に応じて、該荷物2と対応する荷物レコード7を荷物管理データベース700に生成するとともに、該荷物レコード7に、該荷物2が経由する出発拠点1aと到着拠点1bとを登録し、さらに、出発拠点1aが互いに同じであり、かつ、到着拠点1bが互いに同じである荷物2が同じグループに属するように荷物レコード7をグループ分けする。組み合わせ決定部302は、同じグループに属する荷物レコード7の中から、1つの同包箱20に同包させる荷物2の組み合わせに相当する荷物レコード7の組み合わせを決定する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、前記サーバ装置とネットワークを介して接続されたクライアント端末とを備える配送システムであって、
前記サーバ装置が、
複数の拠点の位置が登録されたマップ情報と、各々が1つの荷物と対応する荷物レコードを有する荷物管理データベースと、を記憶する記憶部と、
前記クライアント端末から受信した荷物の配送依頼に応じて、該荷物と対応する荷物レコードを前記荷物管理データベースに生成するとともに、該荷物レコードに、該荷物が経由する出発拠点と到着拠点とを登録し、さらに、前記出発拠点が互いに同じであり、かつ、前記到着拠点が互いに同じである荷物が同じグループに属するように前記荷物レコードをグループ分けする配送管理部と、
同じグループに属する荷物レコードの中から、1つの同包箱に同包させる荷物の組み合わせに相当する前記荷物レコードの組み合わせを決定する組み合わせ決定部と、
を備え、
前記出発拠点と前記到着拠点の間において、該組み合わされた荷物が1つの同包箱に同包されて1つの荷物として運ばれる、
ことを特徴とする、配送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の配送システムであって、
予め前記クライアント端末から定期配送の申込を受け付けた場合には、
所定のタイミングで配送依頼を自動生成し、
これをクライアント端末から受信した荷物の配送依頼として扱う、
ことを特徴とする、配送システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の配送システムであって、
同じサイズタイプの同包箱について、該同包箱に同包される荷物の数に応じて該荷物のサイズタイプと個数が同包条件として規定されており、前記同包条件を満たすように前記荷物レコードの組み合わせが決定される、
ことを特徴とする、配送システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の配送システムであって、
サイズタイプが異なる2種類以上の箱が、使用可能な同包箱として規定されるとともに、各サイズタイプの同包箱について、該同包箱に同包される荷物のサイズタイプと個数が同包条件として規定されており、前記同包条件を満たすように前記荷物レコードの組み合わせが決定される、
ことを特徴とする、配送システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の配送システムであって、
前記配送管理部が、
前記出発拠点が互いに同じであり、前記到着拠点が互いに同じであり、かつ、前記到着拠点への到着期限が互いに同じである荷物が同じグループに属するように前記荷物レコードをグループ分けし、
前記組み合わせ決定部が、
同じグループに属する全ての荷物レコードを勘案して、グループ全体で使用する前記同包箱の総数と、各同包箱のサイズタイプと、各同包箱に同包させる荷物の組み合わせに相当する前記荷物レコードの組み合わせとを規定する組み合わせパターンを、決定する、
ことを特徴とする、配送システム。
【請求項6】
請求項5に記載の配送システムであって、
前記組み合わせ決定部が、
サンプルとなる複数の荷物レコードと、それらから決定されるべき組み合わせパターンとを、教師データとして用いて、機械学習により生成された、組み合わせパターン決定モデルを用いて、前記組み合わせパターンを決定する、
ことを特徴とする、配送システム。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の配送システムであって、
前記配送管理部が、発送期限及び/又は到着期限を管理し、
発送期限及び/又は到着期限に基づいて予め同包期限が設定されて、
前記同包期限の到来までに同包が成立した場合はその時または同包期限到来時に、
前記同包期限の到来までに同包が成立しなかったときは同包期限到来時に、
同包成立後の処理に移行する、
ことを特徴とする、配送システム。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の配送システムであって、
前記配送管理部が、
前記荷物レコードに登録された連絡先から特定される前記クライアント端末に、荷物を受け取る際の認証に必要な荷受情報を通知する、
ことを特徴とする、配送システム。
【請求項9】
出発拠点と到着拠点が同じで依頼者が同じ若しくは異なる複数の荷物を同包して前記出発拠点と前記到着拠点の間を1つの荷物として取り扱い得るものであって、
箱の内部を仕切って複数の収容空間を形成する仕切り部と、
前記複数の収容空間の各々を開閉する個別の蓋と、
を備え、
各蓋で収容空間が閉止され、その上から荷出人及び荷受人の情報を詳細表示する伝票が貼り付けられる、
ことを特徴とする、同包箱。
【請求項10】
出発拠点と到着拠点が同じで依頼者が同じ若しくは異なる複数の荷物を同包して前記出発拠点と前記到着拠点の間を1つの荷物として取り扱い得るものであって、
同包箱である外箱と、前記外箱の内部に荷物として同包される複数の内箱とを備え、
前記外箱と前記各内箱の外面に同一の同包箱番号を付している
ことを特徴とする、同包箱。
【請求項11】
請求項10に記載の同包箱であって、
前記外箱の外面に、外箱表示として荷出人及び荷受人の情報を簡易表示するとともに、
前記内箱の外面に、内箱表示として荷出人及び荷受人の情報を詳細表示し、
更に前記内箱表示として、権限のある者のみが荷出人及び荷受人の情報にアクセス可能なアクセスコードを表示している
ことを特徴とする、同包箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送システムおよび同包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物の配送に係る料金は、一般に、荷物が大きいほど高くなる。例えば、運送会社などが、予め、いくつかのサイズ区分を規定するとともに、サイズ区分ごとの価格を設定しており、荷物が属するサイズ区分の価格が、その荷物の配送料金とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷物が大きいほど配送料金が高くなる理由の1つは、荷物が大きいほど運搬車両などにおいて占有する領域が大きくなり、配送のコストが高くなるためである。その一方で、荷物の配送にかかる仕分けや手続きの手間は、荷物のサイズに関係なく、全ての荷物に一律に生じる。つまり、配送料金の中には、荷物のサイズに応じてかかるコストに加え、各荷物に一律にかかるコスト、つまりは、荷物の個数に応じてかかるコストが、含まれている。後者のコストを抑えることができれば、配送料金をより安価なものとできる可能性がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、配送にかかる仕分けや手続きの手間を削減して、安価な配送料金で荷物を送ることを可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、サーバ装置と、前記サーバ装置とネットワークを介して接続されたクライアント端末とを備える配送システムであって、前記サーバ装置が、複数の拠点の位置が登録されたマップ情報と、各々が1つの荷物と対応する荷物レコードを有する荷物管理データベースと、を記憶する記憶部と、前記クライアント端末から受信した荷物の配送依頼に応じて、該荷物と対応する荷物レコードを前記荷物管理データベースに生成するとともに、該荷物レコードに、該荷物が経由する出発拠点と到着拠点とを登録し、さらに、前記出発拠点が互いに同じであり、かつ、前記到着拠点が互いに同じである荷物が同じグループに属するように前記荷物レコードをグループ分けする配送管理部と、同じグループに属する荷物レコードの中から、1つの同包箱に同包させる荷物の組み合わせに相当する前記荷物レコードの組み合わせを決定する組み合わせ決定部と、を備え、前記出発拠点と前記到着拠点の間において、該組み合わされた荷物が1つの同包箱に同包されて1つの荷物として運ばれる、ことを特徴とする。
【0008】
この場合、出発拠点は、多数のトラックの集荷拠点となる配送センター(サポートセンター)に限らず、集荷経路上にある拠点、例えば最寄りの宅配営業所や郵便局、コンビニ、ガソリンスタンド、新聞配達所等も含まれる。
【0009】
同様に、到着拠点は、多数のトラックの配達拠点となる配送センター(サポートセンター)に限らず、配達経路上にある拠点、例えば最寄りの宅配営業所や郵便局、コンビニ、ガソリンスタンド、新聞配達所等も含まれる。
【0010】
この構成によると、拠点間では、組み合わされた荷物が1つの同包箱に同包されて1つの荷物として運ばれるので、拠点間において、配送にかかる仕分けや手続きの手間が削減され、安価な配送料金で荷物を送ることが可能となる。
【0011】
上記において、予め前記クライアント端末から定期配送の申込を受け付けた場合には、所定のタイミングで配送依頼を自動生成し、これをクライアント端末から受信した荷物の配送依頼として扱うことが好ましい。
【0012】
この構成によると、定期的に本配送システムを利用する者が逐一配送依頼を行う手間を省き、依頼者の便に供することができる。
【0013】
好ましくは、前記配送システムにおいて、同じサイズタイプの同包箱について、該同包箱に同包される荷物の数に応じて該荷物のサイズタイプと個数が同包条件として規定されており、前記同包条件を満たすように前記荷物レコードの組み合わせが決定される、ことを特徴とする。
【0014】
この構成によると、同じサイズタイプの同包箱を用いつつ、同包する荷物の数や大きさにバリエーションを持たせることができる。また、同じ同包箱を内分する数の違いだけであるから、利用者はサイズを選び易く、運用側は配送コストが算出し易く、明確な表示を行うことができる。
【0015】
好ましくは、前記配送システムにおいて、サイズタイプが異なる2種類以上の箱が、使用可能な同包箱として規定されるとともに、各サイズタイプの同包箱について、該同包箱に同包される荷物のサイズタイプと個数が同包条件として規定されており、前記同包条件を満たすように前記荷物レコードの組み合わせが決定される、ことを特徴とする。
【0016】
この構成によると、同包させる荷物の組み合わせが簡易に決定される。また、荷物のサイズタイプおよび同包箱のサイズタイプが、いずれも、予め規定されたいずれかのサイズタイプに合致することになるので、配送に係る作業が効率化される。
【0017】
好ましくは、前記配送システムにおいて、前記配送管理部が、前記クライアント端末からの空き状況の問い合わせに応じて、前記同包箱における空きスペースを検索し、検索結果を該クライアント端末に通知する、ことを特徴とする。
【0018】
この構成によると、荷物の配送依頼を検討する者が、空きスペースの有無を確認した上で、配送依頼を行うことができる。
【0019】
好ましくは、前記配送システムにおいて、前記配送管理部が、前記出発拠点が互いに同じであり、前記到着拠点が互いに同じであり、かつ、前記到着拠点への到着期限が互いに同じである荷物が同じグループに属するように前記荷物レコードをグループ分けし、前記組み合わせ決定部が、同じグループに属する全ての荷物レコードを勘案して、グループ全体で使用する前記同包箱の総数と、各同包箱のサイズタイプと、各同包箱に同包させる荷物の組み合わせに相当する前記荷物レコードの組み合わせとを規定する組み合わせパターンを、決定する、ことを特徴とする。
【0020】
この構成によると、同じグループに属する全ての荷物レコードを勘案して組み合わせパターンが決定されるので、最適な組み合わせパターンを作ることができる。
【0021】
好ましくは、前記配送システムにおいて、前記組み合わせ決定部が、サンプルとなる複数の荷物レコードと、それらから決定されるべき組み合わせパターンとを、教師データとして用いて、機械学習により生成された、組み合わせパターン決定モデルを用いて、前記組み合わせパターンを決定する、ことを特徴とする。
【0022】
この構成によると、機械学習により生成された組み合わせパターン決定モデルを用いて組み合わせパターンが決定されるので、適切な組み合わせパターンを迅速に決定することができる。
【0023】
好ましくは、前記配送システムにおいて、前記配送管理部が、発送期限及び/又は到着期限を管理し、発送期限及び/又は到着期限に基づいて予め同包期限が設定されて、前記同包期限の到来までに同包が成立した場合はその時または同包期限到来時に、前記同包期限の到来までに同包が成立しなかったときは同包期限到来時に、同包成立後の処理に移行する、ことを特徴とする。
【0024】
この構成によると、同包が成立した場合のみならず、同包が成立しない場合にも期限を切って発送処理に移行することができる。
【0025】
好ましくは、前記配送システムにおいて、前記配送管理部が、前記荷物レコードに登録された連絡先から特定される前記クライアント端末に、荷物を受け取る際の認証に必要な荷受情報を通知する、ことを特徴とする。
【0026】
この構成によると、荷物の受け渡しの際に、荷受情報を用いて荷受人の認証を行うことができる。したがって、荷物が指定された荷受人に確実に受け取られるように担保される。
【0027】
また、本発明は、出発拠点と到着拠点が同じで依頼者が同じ若しくは異なる複数の荷物を同包して前記出発拠点と前記到着拠点の間を1つの荷物として取り扱い得る同包箱であって、箱の内部を仕切って複数の収容空間を形成する仕切り部と、前記複数の収容空間の各々を開閉する個別の蓋と、を備え、各蓋で収容空間が閉止され、その上から荷出人及び荷受人の情報を詳細表示する伝票が貼り付けられることを特徴とする。
【0028】
この構成によると、仕切り部によって形成される各収容空間に荷物を収容することができる。したがって、荷出人は、配送したい荷物を必ずしも予め箱などに入れておかなくともよい。また、配送途中などに同包箱の中で荷物が動いて荷物同士がぶつかる、といった事態が発生しにくい。さらに、荷受人が、いずれかの収容空間の蓋を開いて荷物を取り出す際に、別の収容空間に収容されている荷物が該荷受人などの目に触れることがなく、プライバシーが十分に保護される。
【0029】
また、本発明は、出発拠点と到着拠点が同じで依頼者が同じ若しくは異なる複数の荷物を同包して前記出発拠点と前記到着拠点の間を1つの荷物として取り扱い得る同包箱であって、同包箱である外箱と、前記外箱の内部に荷物として同包される複数の内箱とを備え、前記外箱と前記各内箱の外面に同一の同包箱番号を付している、ことを特徴とする。
【0030】
この構成によると、同包箱を外箱とし、配送対象物を入れた内箱を荷物として取り扱うことができるので、外箱から出した荷物を取り扱い易いものになる。また、外箱と内箱に同じ同包箱番号が付されるので、混載作業時の確認が容易となる。
【0031】
好ましくは、前記同包箱において、前記外箱の外面に、外箱表示として荷出人及び荷受人の情報を簡易表示するとともに、前記内箱の外面に、内箱表示として荷出人及び荷受人の情報を詳細表示し、更に前記内箱表示として、権限のある者のみが荷出人及び荷受人の情報にアクセス可能なアクセスコードを表示している、ことを特徴とする。
【0032】
この構成によると、外箱には簡易表示がされるだけであり、詳細表示をした内箱は荷受人の手に渡る。また、アクセスコードを通じたアクセスは権限のある者のみが可能である。このため、個人情報を保護できて安全である。
【発明の効果】
【0033】
本発明によると、配送にかかる仕分けや手続きの手間を削減して、安価な配送料金で荷物を送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の配送システムの概要を説明するための図。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る荷物管理データベースの構成例を示す図。
【
図8】配送依頼の受け付けに係る処理の流れを示す図。
【
図9】クライアント端末に表示される画面の構成例を示す図。
【
図14】本発明の第2実施形態に係る荷物管理データベースの構成例を示す図。
【
図15】同包管理データベースを説明するための図。
【
図16】同包管理データベースを説明するための図。
【
図17】同包管理データベースを説明するための図。
【
図18】配送依頼の受け付けに係る処理の流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0036】
<1.第1実施形態>
<1-1.配送システム100の概要>
配送システム100の概要について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、配送システム100の概要を説明するための図である。
【0037】
配送システム100では、複数の拠点1が設定される。また、配送システム100では、各拠点1が管轄するエリア10が規定される。拠点1として、荷物2を一時的に保管できるような施設などが選定される。例えば、新聞販売店、コンビニエンスストア、などが、拠点1とされてもよい。新聞販売店が拠点1とされる場合、その配達エリアが、該拠点1が管轄するエリア10として規定されてもよい。各拠点1の位置および各拠点1が管轄するエリア10の区画は、配送システム100の管理者などによって、マップ情報600(
図3)に登録されている。
【0038】
配送システム100では、配送依頼された荷物2が、いずれかの拠点1(出発拠点1a)に集められる。荷物2は、荷出人Paによって拠点1に持ち込まれてもよい。この場合、荷出人Paが荷物2を持ち込んだ拠点1が、出発拠点1aとなる。あるいは、荷物2は、集配者Pcによって荷出人Paの元から回収されて拠点1に運び込まれてもよい。この場合、荷物2は、その回収先の住所(典型的には、荷出人Paの住所)が属するエリア10を管轄する拠点1に運び込まれ、該拠点1が出発拠点1aとなる。
【0039】
配送システム100では、配送依頼された荷物2は、いずれかの拠点1(到着拠点1b)を経由して、指定された荷受人Pbに受け取られる。荷物2は、いずれかの拠点1で荷受人Pbに受け取られてもよい。この場合、荷受人Pbが荷物2を受け取りに来る拠点1が、到着拠点1bとなる。あるいは、荷物2は、集配者Pcによって荷受人Pbの元まで個別に配送されてもよい。この場合、荷物2の個別配送先の住所(典型的には、荷受人Pbの住所)が属するエリア10を管轄する拠点1が、到着拠点1bとなる。
【0040】
配送システム100では、出発拠点1aが同じであり、かつ、到着拠点1bが同じであるような荷物2の中から、荷物2の組み合わせが決定される。そして、組み合わされた荷物2が1つの箱(同包箱)20に同包された状態で、出発拠点1aから到着拠点1bまで運ばれる。つまり、出発拠点1aと到着拠点1bとの間において、組み合わされた荷物2が、1つの同包箱20に同包されて、1つの荷物として運ばれる。このため、拠点間での配送コスト(特に、仕分けや手続きの手間といった、荷物の個数に応じてかかるコスト)が抑えられる。ここでは、同包箱20は外箱であり、荷物2は該外箱に入る内箱である。内箱の内容物が実質的な配送対象物である。
【0041】
<1-2.配送システム100の構成>
次に、配送システム100の構成について、
図2、
図3を参照しながら説明する。
図2は、配送システム100の構成例を示す図である。
図3は、サーバ装置3の構成例を示す図である。
【0042】
配送システム100は、これを運営する者が管理するサーバ装置(管理サーバ)3、各拠点1に配置される拠点端末4、荷出人Paのクライアント端末5a、および、荷受人Pbのクライアント端末5bを含んで構成される。サーバ装置3、拠点端末4、荷出人Paのクライアント端末5a、および、荷受人Pbのクライアント端末5bは、インターネットなどのネットワーク(通信ネットワーク)Nを介して通信可能に接続される。
【0043】
サーバ装置3の実体は、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ、あるいは、一般的なパーソナルコンピュータよりも高性能なコンピュータであるワークステーションである。サーバ装置3は、例えば、CPU31、メモリ32、通信部33、記憶部34、表示部35、操作部36、などを含んで構成される。CPU31は、例えば、サーバ装置3の全体の制御を、プログラムに記述された手順に沿って行なう。メモリ32は、例えば、RAMなどの揮発性記憶装置を含んで構成される。メモリ32には、例えば、各クライアント端末5a,5bからのデータなどが、一時的に格納される。通信部33は、無線通信などを介して外部機器(拠点端末4、各クライアント端末5a,5b、など)と通信を行うためのネットワークインターフェースである。記憶部34は、例えば、ROMなどの不揮発性記憶装置を含んで構成される。記憶部34には、動作手順が記述されたプログラムが格納される。また、記憶部34には、複数の拠点1の各位置および各拠点1が管轄するエリア10の区画が登録されたマップ情報600が格納される。さらに、記憶部34には、荷物管理データベース700、および、同包管理データベース800が格納される。表示部35は、各種の情報を表示するための要素であり、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、などを用いて構成される。操作部36は、各種の入力を受け付けるための要素であり、キーボード、マウス、スキャナー、CD-ROMやDVDなどのドライブ装置、などを用いて構成される。また、サーバ装置3には、配送システム100の動作を実現するための機能部である配送管理部301および組み合わせ決定部302が実現される。配送管理部301および組み合わせ決定部302は、例えば、サーバ装置3に所定のアプリケーションソフトウェアがインストールされることによって実現される。
【0044】
拠点端末4、荷出人Paのクライアント端末5a、および、荷受人Pbのクライアント端末5bの各々は、一般的な情報処理機能を実現できる通信端末装置であり、CPU、メモリ、通信部、記憶部、表示部、操作部、などを含んで構成される。これらの端末4,5a,5bとして、例えば、スマートフォン、タブレット型の通信端末、携帯電話、ノートパソコン、一般的なパーソナルコンピュータ、などが想定される。拠点端末4、荷出人Paのクライアント端末5a、および、荷受人Pbのクライアント端末5bのうちの少なくとも1つに、配送システム100の動作を実現するための機能部が実現されてもよい。この場合、各機能部は、例えば、該端末4,5a,5bに、所定のアプリケーションソフトウェアがインストールされることによって実現される。
【0045】
<1-3.荷物管理データベース>
荷物管理データベース700について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、荷物管理データベース700の構成例を示す図である。
【0046】
荷物管理データベース700は、配送依頼された荷物2に関する情報を管理するためのデータベースであり、一般的な機能を備えたデータベースマネジメントシステム(DBMS)によって管理される。荷物管理データベース700では、各レコード7が、配送を依頼された1つの荷物2と対応付けられている。以下において、荷物管理データベース700の各レコード7を「荷物レコード7」ともいう。各荷物レコード7には、レコード番号(荷物番号)70が付与される。この荷物番号70は受付順に機械的に付与される。
【0047】
各荷物レコード7には、荷物(内箱)2のサイズ71が登録される。配送システム100では、取り扱い可能な同包箱(外箱)20として、所定のサイズタイプF1を用意しており、この同包箱(外箱)20に同包して配送可能な荷物(内箱)2のサイズが、何種類かに分類されて規定されている。つまり、配送可能な荷物(内箱)2のサイズとして、予め2以上のサイズタイプE11,E12,・・・が規定されている。そして、各荷物レコード7において、荷物(内箱)2のサイズ71として、規定された2以上のサイズタイプE11,E12,・・・のいずれかが、選択指定される。ここでは、サイズタイプF1の外箱20はミカン箱サイズ(120)の大きさであり、E11はその外箱20内に2つ入る内箱サイズ、E12は外箱20内に3つ入る内箱サイズ、E13は外箱20内に4つ入る内箱サイズである(
図7)。
【0048】
各荷物レコード7には、出発拠点1aを特定する情報(出発拠点情報)72a、および、到着拠点1bを特定する情報(到着拠点情報)72bが登録される。例えば、各拠点1に付与された識別情報(例えば、拠点コード、拠点番号、拠点名称、など)が、拠点情報72a,72bとして登録される。
【0049】
各荷物レコード7には、例えば、荷出人Paの氏名73a、住所74a、および、連絡先75a(電話番号、メールアドレス、など)、荷受人Pbの氏名73b、住所74b、および、連絡先75b(電話番号、メールアドレス、など)が登録される。
【0050】
各荷物レコード7には、出発拠点1aまでの荷物2の持ち込みの有無の選択76aが登録される。また、各荷物レコード7には、到着拠点1bからの個別配送の有無の選択76bが登録される。
【0051】
各荷物レコード7には、荷物2が属するグループを特定する情報(グループ情報)77が登録される。ここでは、荷物管理データベース700に登録された各荷物レコード7は、出発拠点1aが互いに同じであり、かつ、到着拠点1bが互いに同じである荷物2が、同じグループに属するようにグループ分けされ、各グループに付与された識別情報(例えば、グループコード、グループ番号、グループ名称、など)が、グループ情報77として登録される。例えば、出発拠点K2と到着拠点D1の条件を満たす荷物レコード7(図では、荷物番号「02」)は、グループ「K2D1」として扱われる。
【0052】
<1-4.同包管理データベース>
同包管理データベース800について、
図5、
図6を参照しながら説明する。
図5は、同包管理データベース800の構成例を示す図であり、一般的な機能を備えたデータベースマネジメントシステム(DBMS)によって管理される。
図6は、本実施形態で使用される同包箱(外箱)20と同包管理データベース800との関係を説明するための図である。
【0053】
同包管理データベース800は、同包箱(外箱)20に同包させる荷物(内箱)2の組み合わせを管理するためのデータベースである。上記のとおり、荷物管理データベース700に登録された各荷物レコード7は、出発拠点1aが互いに同じであり、かつ、到着拠点1bが互いに同じである内箱2が同じグループに属するように、グループ分けされている。同包管理データベース800では、同じグループに属する内箱2が抽出されてグループ単位で管理される。例えば、グループ(A5L7、M3P9、K2D1)毎に、個別の同包管理データベース800が作成される。つまり、記憶部34には、グループと同数個の同包管理データベース800が記憶されており、各同包管理データベース800は、同じグループに属する荷物レコード7の組み合わせが、同包箱(外箱)20の単位で管理される。つまり、同じグループ(例えばK2D1)に属する荷物レコード7の中から、1つの同包箱(外箱)20に同包させる荷物(内箱)2の組み合わせに相当する荷物レコード7の組み合わせが決定されて同包管理データベース800で管理される。
【0054】
同包管理データベース800では、各レコード8が1つの同包箱(外箱)20と対応付けられている。以下において、同包管理データベース800の各レコード8を「同包箱レコード8」あるいは「外箱レコード8」という。各同包箱レコード8には、同包箱番号(BOX番号)(A5589、A5590、・・・)が付与される。同包箱番号(BOX番号)は英数字の文字列から構成される。
【0055】
各同包箱レコード8には、同包箱(外箱)20のサイズ81が登録される。例えば、この実施形態ではサイズタイプF1の外箱を用いているが、サイズタイプE11~E13の内箱2の何れを入れるかによって、
図6及び
図7に示すようにサイズタイプF1の外箱は更に内分タイプF11、F12、F13、F14(混成)に分類され、内分タイプごとに管理される。配送システム100では、
図6においてサイズタイプF1以外に例示するように、サイズタイプが異なる1種類以上の箱が、使用可能な同包箱(外箱)20として選定されてもよい。つまり、使用可能な同包箱(外箱)20のサイズとして、予め2以上のサイズタイプF1,F2,・・・が規定されている場合には、各同包箱レコード8において、同包箱(外箱)20のサイズ81として、規定された1以上のサイズタイプF1,F2,・・・のいずれかが、選択指定可能とされる。各サイズタイプF1,F2,・・・は、例えば、箱の3辺(長さ、幅、および、深さ)の各寸法から規定される。一例として、汎用的な規格サイズのダンボール箱が、使用可能な同包箱(外箱)20として選定されてもよく、この場合、各サイズタイプF1,F2,・・・は、汎用的な規格サイズに相当するものとなる。
図6では、サイズタイプF1は上述したように3辺の合計が120、サイズタイプF2は3辺の合計が100、サイズタイプF3は3辺の合計が80、サイズタイプF4は3辺の合計が60、サイズタイプF5は3辺の合計が40の例である。そして、サイズタイプF1と同様、サイズタイプF2~F5についてもそれらに入る内箱2のサイズ(E21、E22、・・・)に応じて、サイズを更に内分タイプ(F21、F22、・・・)に分類した内箱2を用意しておくことができる。
【0056】
各同包箱レコード8の各セル82には、荷物レコード7(具体的には、荷物レコード7を特定する情報であり、例えばレコード番号(荷物番号)70)が登録される。1つの同包箱レコード8の各セル82に登録された荷物レコード7と対応する荷物(内箱)2が、該同包箱レコード8と対応する同包箱(外箱)20に同包されることになる。つまり、1つの同包箱レコード8に登録された荷物レコード7の組み合わせが、1つの同包箱(外箱)20に同包される荷物(内箱)2の組み合わせとなる。例えば、荷物レコード02と05の内箱2が同包される荷物として管理される。
【0057】
ここでは、同包箱(外箱)20のサイズタイプF1,F2,・・・毎に、該同包箱(外箱)20に同包される荷物(内箱)2のサイズタイプE11,E12,E21,E22・・・と個数が、予め規定されている(これを「同包条件」ともいう)。また、一つのサイズタイプF1に複数の内分タイプF11,F12,・・・が規定されている場合は、各内分タイプF11,F12,・・・毎に同包条件が規定される。例えば、
図7に例示されるように、「サイズタイプF1」の同包箱(外箱)20の同包条件には、「サイズタイプE11の荷物(内箱)2が2つ」のもの、「サイズタイプE12が3つ」のもの、「サイズタイプE13が4つ」のもの、「サイズタイプE14がE3とE1の混載タイプ」のもの、といった具合に、同包箱(外箱)20を内分する数に応じて、同包条件が規定されている。つまり、「サイズタイプF1」の同包箱20について、該同包箱20に同包される荷物2の数に応じて、該荷物2のサイズタイプE11,E12,・・・と個数が、同包条件として規定されている。また、「サイズタイプF2」の同包箱(外箱)20の同包条件もこれに準じて、サイズタイプE21、E22、・・・といった形で、同包箱(外箱)20を内分する数に応じて同包条件が規定されている。サイズタイプF3~F5についても同様である。
【0058】
各同包箱レコード8では、同包箱のサイズ81として選択されたサイズタイプF1,F2,・・・について規定された同包条件と合致するように、該同包箱レコード8の各セル82に、登録条件が付与される。例えば、
図5に示すスプレッド形式の外箱レコード8と
図7の同包条件を参照すると、同包箱番号(BOX番号)A5589ではサイズタイプE11を受け付ける2つのセル82が、同包箱番号(BOX番号)A5590ではサイズタイプE12を受け付ける3つのセル82が、同包箱番号(BOX番号)A5591ではサイズタイプE13を受け付ける4つのセルが、それぞれ入力可能な状態で有効化されており、ブランクの箇所に登録可能となる。
【0059】
各同包箱レコード8には、ここに付与された登録条件にしたがって、荷物レコード7が登録されていく。つまり、有効化されたセル82に、該セル82の登録可能条件を満たすサイズタイプの荷物レコード7が、登録されていく。これによって、同包条件を満たすように、荷物レコード7の組み合わせが決定される。
【0060】
同包箱レコード8において有効化されている横方向に沿った全てのセル82に荷物レコード7が登録されるということは、同包条件を満たす荷物レコード7の組み合わせが完成したこと(すなわち、同包が成立したこと)を意味する。逆に言うと、同包箱レコード8に、有効化されているにもかかわらず、荷物レコード7が登録されていないセル82qがある状態では、組み合わせが完成していない(同包が成立していない)。このような状態において、荷物レコード7が登録されていないセル82qは、該同包箱(外箱)20における「空きスペースQ」に相当する。例えば、
図5に例示される登録状況の場合、「同包箱番号(BOX番号)A5589」の同包箱レコード8では、有効化されている全てのセル82に荷物レコード7が登録されているので、同包が成立している。つまり、この同包箱レコード8に相当する同包箱(外箱)20には、空きスペースQがない。一方、「同包箱番号(BOX番号)5591」の同包箱レコード8では、有効化されているにもかかわらず、荷物レコード7が登録されていないセル82qがあり、同包が成立していない。つまり、この同包箱レコード8に相当する同包箱(外箱)20には、空きスペースQがある。
【0061】
<1-5.処理の流れ>
配送システム100で行われる処理の流れについて説明する。配送システム100では、配送依頼の受け付けに係る処理と、配送に係る処理とが、並行して行われる。
【0062】
(a)配送依頼の受け付けに係る処理
配送依頼の受け付けに係る処理の流れについて、
図8を参照しながら説明する。
図8は、該処理の流れを示す図である。
【0063】
サーバ装置3において、クライアント端末5aから送信された空き状況の問い合わせが受信されると(ステップS1)、配送管理部301は、問合せ人に、空き状況の確認に必要な情報(基本情報)を、クライアント端末5aを通じて入力するように要求する(ステップS2)。問合せ人が、クライアント端末5aを通じて基本情報を入力すると、該入力された基本情報がサーバ装置3に送信される(ステップS3)。サーバ装置3において基本情報が受信されると、配送管理部301が該基本情報を受け付ける。基本情報として、例えば、荷物(内箱)2のサイズタイプ(E11~E13)、荷物(内箱)2の出発拠点1a、および、荷物(内箱)2の到着拠点1bが受け付けられる。問合せ人に基本情報を入力させる態様はどのようなものであってもよい。例えば、問合せ人に、荷出人Pa(あるいは、荷受人Pb)の住所の入力を要求し、配送管理部301が、マップ情報600から該入力された住所が属するエリア10を特定して、該エリア10の拠点1を出発拠点1a(あるいは、到着拠点1b)として受け付けてもよい。
【0064】
基本情報が受け付けられると、配送管理部301は、同包管理データベース800を参照して、空きスペースQ、具体的には、空きスペースQに相当するセル82qを、検索する(ステップS4)。具体的には、配送管理部301は、まず、受け付けられた基本情報に含まれる出発拠点1aおよび到着拠点1bの組み合わせに相当するグループを特定し、該グループの同包管理データベース800を読み出す。そして、該読み出された同包管理データベース800から、空きスペースQに相当するセル(すなわち、有効化されており、かつ、荷物レコード7が登録されていないセル)82qであって、サイズタイプ(E11~E13)が適合するもの(すなわち、登録可能な荷物(内箱)2のサイズタイプ(E11~E13)が、基本情報として受け付けられた荷物(内箱)2のサイズタイプ(E11~E13)と合致するもの)を、検索する。そのようなセル82qが見つかった場合、配送管理部301は、該セル82qの状態を「仮押さえ」として、一時的に、荷物レコード7を登録できない状態とする。
【0065】
続いて、配送管理部301は、問合せ人のクライアント端末5aに、空きスペースQの検索結果を通知するとともに、問合せ人に、配送依頼に進むか否かの選択をクライアント端末5aを通じて入力するように要求する(ステップS5)。具体的には例えば、配送管理部301は、ステップS4で、空きスペースQに相当するセル82qであってサイズタイプが適合するものが見つかった場合、「空きスペースが見つかりました。配送を依頼しますか。」といったメッセージを、問合せ人のクライアント端末5aの表示部に表示させる(
図9(b))。また、配送管理部301は、ステップS4で、空きスペースQに相当するセル82qであってサイズタイプが適合するものが見つからなかった場合、「空きスペースが見つかりません。配送を依頼して、同包相手を募集しますか。」といったメッセージを、問合せ人のクライアント端末5aの表示部に表示させる(
図9(c))。
【0066】
問合せ人が、クライアント端末5aを通じて、配送依頼に進まない旨の選択を入力した場合、該選択入力がサーバ装置3に送信され、配送管理部301が該選択入力を受け付ける。配送依頼に進まない旨の選択を受け付けた場合、配送管理部301は、処理を終了する。なお、ステップS4で「仮押さえ」としたセル82qがある場合、配送管理部301は、該セル82qを、再び、荷物レコード7を登録できる状態に戻した上で、処理を終了する。
【0067】
一方、問合せ人が、クライアント端末5aを通じて、配送依頼に進む旨の選択を入力した場合も、該選択入力がサーバ装置3に送信され、配送管理部301が該選択入力を受け付ける(ステップS6)。配送依頼に進む旨の選択を受け付けた場合、配送管理部301は、問合せ人(この時点では、配送依頼人)に、配送依頼に必要な情報(依頼情報)を、クライアント端末5aを通じて入力するように要求する(ステップS7)。配送依頼人が、クライアント端末5aを通じて依頼情報を入力すると、該入力された依頼情報がサーバ装置3に送信される(ステップS8)。サーバ装置3において依頼情報が受信されると、配送管理部301が該依頼情報を受け付ける。依頼情報として、例えば、荷出人Paの氏名、住所、および、連絡先(電話番号、メールアドレス、など)、荷受人Pbの氏名、住所、および、連絡先(電話番号、メールアドレス、など)、出発拠点1aまでの荷物(内箱)2の持ち込みの有無、到着拠点1bからの個別配送の有無、が受け付けられる。
【0068】
依頼情報が受け付けられると、配送管理部301は、該受け付けられた依頼情報を、先に受け付けられていた基本情報と併せて、荷物管理データベース700に登録する(ステップS9)。具体的には、配送管理部301は、荷物管理データベース700に新たな荷物レコード7を作成し、その各項目に、基本情報および依頼情報として受け付けた各内容を登録する。また、配送管理部301は、荷物レコード7に登録された出発拠点1aおよび到着拠点1bに基づいて、該荷物レコード7が属するべきグループを特定し、該グループの識別情報を、グループ情報77として登録する。
【0069】
続いて、組み合わせ決定部302が、ステップS9で作成された荷物レコード7(具体的には例えば、該荷物レコード7のレコード番号(荷物番号)70)を、同包管理データベース800に登録する(ステップS10)。組み合わせ決定部302が荷物レコード7を登録する態様は、配送依頼が、空きスペースQが見つかっている状況で受け付けられている場合と、空きスペースQが見つかっていない状況で受け付けられている場合とで異なる。
【0070】
すなわち、空きスペースQが見つかっている状況で配送依頼が受け付けられている場合、組み合わせ決定部302は、ステップS9で作成された荷物レコード7を、ステップS4で「仮押さえ」とされているセル82qに、登録する。
【0071】
一方、空きスペースQが見つかっていない状況で配送依頼が受け付けられている場合、組み合わせ決定部302は、同包管理データベース800に新たな同包箱レコード8を作成し、該新たな同包箱レコード8のセル82に、ステップS9で作成された荷物レコード7を登録する。具体的には、組み合わせ決定部302は、まず、作成された荷物レコード7が属するグループの同包管理データベース800を読み出す。そして、組み合わせ決定部302は、該読み出された同包管理データベース800に、新たな同包箱レコード8を作成する。さらに、組み合わせ決定部302は、基本情報として受け付けられた荷物(内箱)2のサイズタイプに基づいて、同包箱(外箱)20の適切なサイズタイプを特定するとともに適切な内分タイプをさらに特定し、これを、新たな同包箱レコード8のサイズ81として選択する。同包箱(外箱)20の適切なサイズタイプとは、該サイズタイプの同包条件において規定される荷物(内箱)2のサイズタイプに、基本情報として受け付けられた荷物(内箱)2のサイズタイプが含まれるものである。同様に、適切な内分タイプとは、該内分タイプの同包条件において規定される荷物(内箱)2のサイズタイプに、基本情報として受け付けられた荷物(内箱)2のサイズタイプが含まれるものである。そして、組み合わせ決定部302は、新たな同包箱レコード8のセル(いうまでもなく、有効化されたセルであって、荷物(内箱)2のサイズタイプが適合するもの)82に、ステップS9で作成された荷物レコード7を登録する。
【0072】
(b)配送に係る処理
配送に係る処理の流れについて、
図10、
図11を参照しながら説明する。
図10は、該処理の流れを示す図である。
図11は、同包ファイル80の構成例を示す図である。
【0073】
配送管理部301は、各同包管理データベース800において、同包が成立した同包箱レコード8(すなわち、有効化されている全てのセル82に荷物レコード7が登録された同包箱レコード8)が発生したか否かを監視しており、同包が成立した同包箱レコード8が発生すると(ステップS101でYES)、同包成立後の処理として以下の処理を開始する。同包が成立するとはマッチングが成立することである。
【0074】
なお、ここでは、同包が成立した同包箱レコード8が発生したときに、同包成立後の処理に移行するものとしているが、後記第2実施形態のように、配送管理部301が、荷物管理データベース700において、各荷物レコード7の発送期限および到着期限の少なくとも一方を管理してもよい。この場合は、これらの期限に基づいて各同包箱レコード8の同包期限を設定し、同包期限までに同包が成立したときは該成立時又は同包期限時に、同包期限までに同包が成立しないときは同包期限が到来した時点で同包が成立(マッチングが成立)したものとみなして同包期限時に、同包成立後の処理に移行してもよい。
【0075】
(同包ファイルの作成工程)
配送管理部301は、まず、同包が成立した同包箱レコード(以下、「対象同包箱レコード」ともいう)8と対応する同包箱(外箱)20に同包されるべき荷物(内箱)2に関する情報を記述した
図11のファイル(同包ファイル)80を作成する(ステップS102)。具体的には例えば、配送管理部301は、荷物管理データベース700から、対象同包箱レコード8の各セル82に登録されている荷物レコード7(すなわち、対象同包箱レコード8で組み合わされている各荷物レコード7)の登録内容(各項目に登録されている内容)を読み出して、これらを一覧にして同包ファイル80に記述する。さらに、配送管理部301は、対象同包箱レコード8においてサイズ81として登録されている内容(すなわち、対象同包箱レコード8と対応する同包箱(外箱)20のサイズタイプ)を同包ファイル80に記述する。この同包ファイル80は、外箱20と内箱2を関連づける外箱情報や内箱情報の基礎データになる。
【0076】
(荷出人への通知工程)
続いて、配送管理部301は、対象同包箱レコード8と対応する同包箱(外箱)20に同包される各荷物(内箱)2の荷出人Pa(具体的には、対象同包箱レコード8で組み合わされていた各荷物レコード7に登録されている荷出人Paの連絡先75aから特定されるクライアント端末5a)に、荷物(内箱)2が発送される旨を通知する(ステップS103)。具体的には例えば、配送管理部301は、該クライアント端末5aに、「依頼された荷物を配送します。」といったメッセージを含むメールを送信する。このメールには、様々な情報が含められてもよい。例えば、出発拠点1aまでの荷物(内箱)2の持ち込みが「有」とされている場合には、荷出人Paのクライアント端末5aに送信されるメールに、「○月○日○時までに、住所○○○に、荷物を持ってきてください。」といったメッセージが含まれてもよい。このとき、
図12に示すように、荷出人Paのクライアント端末5a(スマホ)には荷出情報およびBOX番号が送信される。
【0077】
また、配送管理部301は、対象同包箱レコード8と対応する同包箱(外箱)20の出発拠点1a(すなわち、対象同包箱レコード8で組み合わされていた各荷物レコード7に登録されている出発拠点1a)の拠点端末4に、ステップS102で作成された同包ファイル80を送信する(ステップS104)。
【0078】
(荷出工程)
上記により、
図12に示すように、配送依頼された荷物(内箱)2は、各々の出発拠点1aに集まってくる。出発拠点1aまでの荷物(内箱)2の持ち込みが「有」とされている荷物(内箱)2は、荷出人Paによって出発拠点1aまで持ち込まれる。そこで、店頭にて荷出情報およびBOX番号が確認され、配達用伝票2Xがプリントされて、荷物(内箱)2の外面に貼り付けられる。決済はオンライン決済でもよいが、この時に店頭決済してもよい。配達用伝票2Xには内箱情報(内箱表示)として、各荷物(内箱)2の荷出人Paおよび荷受人Pbの氏名、住所、電話番号などの詳細情報、BOX番号が表示されるほか、アクセスコードAC(QRコード(登録商標)やバーコードなど)が表示される。このアクセスコードACは主として同包ファイル80にアクセスして荷受人Pbの詳細情報から受取時の本人確認をするためのものであるが、ここでも同包ファイル80にアクセスして荷出人Paの決済処理に利用することができる。このアクセスコードACへのアクセスは、権限のある者のみに許容され、一般のスマホ等からは読み込みできないか、あるいは読み込んでも権限に必要な情報を備えないことでアクセスできないように構成されている。また、持ち込みが「無」とされている荷物(内箱)2は、集配者Pc(担当者)によって荷出人Paの元から回収されて出発拠点1aに運び込まれる。この場合は担当者が集荷に出向く。センターより荷出情報及びBOX番号を受信し、荷出人Paのスマホの荷出情報及びBOX番号と照合させて、荷物(内箱)2を受け取る。その後、上記と同じ配達用伝票2Xを出力して集荷した荷物(内箱)2に貼る。決済はオンライン決済でもよいが、この時に現地決済してもよい。荷物(内箱)2を受け取ったことは、アクセスコードACを通じたアクセスにより同包ファイル80に反映される。
【0079】
(荷受人への通知工程)
決済が完了するまでは、配送工程に入らない。ここでは例えば、決済が完了してから、荷受人Pbへの通知工程に入る。すなわち、決済が完了すると、先ず、決算完了後の適宜のタイミングで、配送管理部301は、対象同包箱レコード8と対応する同包箱(外箱)20に同包される各荷物(内箱)2の荷受人Pb(具体的には、対象同包箱レコード8で組み合わされていた各荷物レコード7に登録されている荷受人Pbの連絡先75bから特定されるクライアント端末5b)に、荷物(内箱)2が発送される旨を通知する(ステップS105)。具体的には例えば、配送管理部301は、該クライアント端末5bに、「依頼された荷物を配送します。」といったメッセージを含むメールを送信する。このメールには、様々な情報が含められてもよい。到着拠点1bからの個別配送が「無」とされている場合には、荷受人Pbのクライアント端末5bに送信されるメールに、「○月○日○時以降に、住所○○まで、荷物を取りにきてください。」といったメッセージが含まれてもよい。このとき、
図13に示すように、荷受人Pbのクライアント端末5b(スマホ)には、荷物2を受け取る際の認証に必要な荷受情報が送信される。
【0080】
また、配送管理部301は、対象同包箱レコード8と対応する同包箱(外箱)20の到着拠点1b(すなわち、対象同包箱レコード8で組み合わされていた各荷物レコード7に登録されている到着拠点1b)の拠点端末4に、ステップS102で作成された同包ファイル80を送信する(ステップS106)。
【0081】
(混載工程)
出発拠点1aの管理者は、予め拠点端末4で受信された同包ファイル80より、外箱情報(外箱表示)として、BOX番号と荷物(内箱)2ごとの氏名(荷出人Pa、荷受人Pb)をプリントし、外箱20の外面にラベル20Xとして貼り付けておく。ここでの情報は荷物(内箱)2との関連づけに必要な最小限の簡易表示とされる。外箱20は配達後にセンター(到着拠点1b)に残るためである。そして、集荷した複数の荷物(内箱)2と外箱20を、BOX番号と氏名(荷出人Pa、荷受人Pb)を照合しながら、対応する1つの同包箱(外箱)20に入れていく。氏名は同姓同名があり得るので、精度を高めるためにはBOX番号の確認を併せて行うことが望ましい。外箱20と内箱2にBOX番号照合用のバーコードを付けておけば、読み取り機で読み取って目視で、あるいは機械的に判別、照合させることができるので、大量の荷物を扱う場合に効果的である。指定されている荷物(内箱)2の全てが同包箱(外箱)20に同包(混載)されると、管理者は、同包箱(外箱)20を封止する。いうまでもなく、指定されている内箱2の全てが外箱20に同包された状態において、外箱20とここに入っている各内箱2の外面には、同一のBOX番号が付されている。
【0082】
(配送工程)
同包箱(外箱)20は、出発拠点1aから対象となる到着拠点1bまで運ばれる。つまり、出発拠点1aと到着拠点1bの間において、組み合わされた荷物2が1つの同包箱(外箱)20に同包されて1つの荷物として運ばれる。拠点間の同包箱(外箱)20の配送は、配送システム100の管理下で行われてもよいし、別の配送業者(既存の配送業者など)の管理下で行われてもよい。
【0083】
(荷受工程)
図13に示すように、到着拠点1bに到着した同包箱(外箱)20は、まずは、到着拠点1bの管理者によって受け取られる。その後、管理者によって同包箱(外箱)20の封止が解かれ、同包箱(外箱)20に同包されている各荷物(内箱)2が、各々の荷受人Pbに受け取られる。到着拠点1bからの個別配送が「無」とされている荷物2は、到着拠点1bまで受け取りに来た荷受人Pbに渡される。また、これが「有」とされている荷物2は、集配者Pc(担当者)によって、到着拠点1bから荷受人Pbの元まで個別に配送される。個別配送される場合は、荷物(内箱)2に貼られた配達用伝票2Xに荷受人Pbの詳細情報が表示されているので、担当者はこれを頼りに直接荷受人Pbに配送する。この場合、本人確認は不要であるため、荷受人Pbは配達用伝票2Xに受け取りサインをするだけで完結する。勿論、サインは省略してもよいし、置き配でもよい。一方、荷受人Pbがセンターまで受け取りに来る場合は、本人確認が必要となる。この場合は、荷物(内箱)2を引き渡す前に、予めセンターから荷受人Pbに発行した荷受情報の提示を求めるか、荷物(内箱)2に表示されている電話番号と荷受人Pbの電話番号が合致しているかを確認するか、或いは、アクセスコードACからアクセスした同包ファイル80で本人確認できる他の認証情報を通じて本人確認を行う。
【0084】
<1-6.効果>
上記の実施形態に係る配送システム100は、サーバ装置3と、サーバ装置3とネットワークNを介して接続されたクライアント端末5aとを備える。そして、サーバ装置3が、複数の拠点1の位置が登録されたマップ情報600と、各々が1つの荷物(内箱)2と対応する荷物レコード7を有する荷物管理データベース700と、を記憶する記憶部34と、クライアント端末5aから受信した荷物(内箱)2の配送依頼に応じて、該荷物(内箱)2と対応する荷物レコード7を荷物管理データベース700に生成するとともに、該荷物レコード7に、該荷物(内箱)2が経由する出発拠点1aと到着拠点1bとを登録し、さらに、出発拠点1aが互いに同じであり、かつ、到着拠点1bが互いに同じである荷物(内箱)2が同じグループに属するように荷物レコード7をグループ分けする配送管理部301と、同じグループに属する荷物レコード7の中から、1つの同包箱(外箱)20に同包させる荷物(内箱)2の組み合わせに相当する荷物レコード7の組み合わせを決定する組み合わせ決定部302と、を備える。そして、出発拠点1aと到着拠点1bの間において、該組み合わされた荷物(内箱)2が1つの同包箱(外箱)20に同包されて1つの荷物として運ばれる。
【0085】
この構成によると、拠点間では、組み合わされた荷物(内箱)2が1つの同包箱(外箱)20に同包されて1つの荷物として運ばれるので、拠点間において、配送にかかる仕分けや手続きの手間が削減され、安価な配送料金で荷物を送ることが可能となる。
【0086】
一例として、1台の4tトラックを用いて、東京から大阪まで、「120サイズ(外形3辺の合計が、120cm以内)」の荷物を配送する場合を考える。いま、「120サイズ」の荷物が、「長さ60cm、幅35cm、深さ22cm」であるとすると、これを、4tトラック(荷台寸法:220cm×820cm×268cm)に、828個、積むことができる(3列×23列×12段)。東京から大阪までの4tトラックのチャーター代が仮に10万円であるとすると、これを積載されるダンボール箱の個数で割ると、約120円となる。つまり、「120サイズ」のダンボール箱を、約120円のコストで、東京から大阪まで運ぶことができる。この「120サイズ」のダンボール箱が、同包箱(外箱)20として用いられ、ここに、「長さ28cm、幅30cm、深さ20cm」の荷物、つまり「80サイズ(外形3辺の合計が、80cm以内)」の荷物(内箱)2が、2つ、同包されるとする。この場合、「80サイズ」の荷物を、1つあたり約60円で、東京から大阪まで運ぶことができることになる。(参考として、一般に、「120サイズ」のダンボール箱を、東京から大阪まで送る場合、配送料は約1700円程度である。また、「80サイズ」のダンボール箱を、東京から大阪まで送る場合、配送料は約1200円程度である。)
【0087】
また、配送システム100では、同じサイズタイプF1の同包箱20について、該同包箱20に同包される荷物2の数に応じて該荷物2のサイズタイプE11,E12,・・・と個数が同包条件として規定されており、同包条件を満たすように荷物レコード7の組み合わせが決定される。
【0088】
この構成によると、同じサイズタイプF1の同包箱(外箱)20を用いつつ、同包する荷物(内箱)2の数や大きさにバリエーションを持たせることができる。また、同じ同包箱(外箱)20を内分する数の違いだけであるから、利用者はサイズを選び易く、運用側は配送コストが算出し易く、明確な表示を行うことができる。
【0089】
また、配送システム100では、サイズタイプF1,F2,・・・が異なる2種類以上の箱が、使用可能な同包箱(外箱)20として規定されるとともに、各サイズタイプF1,F2,・・・の同包箱(外箱)20について、該同包箱(外箱)20に同包される荷物(内箱)2のサイズタイプと個数が同包条件として規定されており、同包条件を満たすように荷物レコード7の組み合わせが決定される。
【0090】
この構成によると、同包させる荷物2の組み合わせが簡易に決定される。また、荷物2のサイズタイプおよび同包箱20のサイズタイプが、いずれも、予め規定されたいずれかのサイズタイプに合致することになるので、配送に係る作業が効率化される。
【0091】
また、配送システム100では、配送管理部301が、クライアント端末5aからの空き状況の問い合わせに応じて、同包箱20における空きスペースQを検索し、検索結果を該クライアント端末5aに通知する。
【0092】
この構成によると、荷物2の配送依頼を検討する者が、空きスペースQの有無を確認した上で、配送依頼を行うことができる。
【0093】
また、配送システム100において、配送管理部301が、後述する発送期限及び/又は到着期限を管理し、発送期限及び/又は到着期限に基づいて予め同包期限が設定されて、該同包期限の到来までに同包が成立した場合はその時または同包期限到来時に、該同包期限の到来までに同包が成立しなかったときは同包期限到来時に、同包成立後の処理に移行することもできる。
【0094】
この構成によると、同包が成立した場合のみならず、同包が成立しない場合にも期限を切って発送処理に移行することができる。
【0095】
また、配送システム100において、配送管理部301が、荷物レコード7に登録された連絡先から特定されるクライアント端末5bに、荷物2を受け取る際の認証に必要な荷受情報を通知する。
【0096】
この構成によると、荷物2の受け渡しの際に、荷受情報を用いて荷受人Pbの認証を行うことができる。したがって、荷物2が指定された荷受人Pbに確実に受け取られるように担保される。
【0097】
また、上記の実施形態に係る同包箱20は、出発拠点1aと到着拠点1bが同じで依頼者が同じ若しくは異なる複数の荷物2を同包して出発拠点1aと到着拠点1bの間を1つの荷物2として取り扱い得る同包箱20であって、同包箱20である外箱と、外箱の内部に荷物2として同包される複数の内箱とを備え、外箱と各内箱の外面に同一の同包箱番号(BOX番号)を付している。
【0098】
この構成によると、同包箱20を外箱とし、配送対象物を入れた内箱を荷物2として取り扱うことができるので、外箱から出した荷物を取り扱い易いものになる。また、外箱と内箱に同じ同包箱番号が付されるので、混載作業時の確認が容易となる。
【0099】
また、同包箱20において、外箱20の外面に、外箱表示として荷出人Pa及び荷受人Pbの情報を簡易表示するとともに、内箱2の外面に、内箱表示として荷出人Pa及び荷受人Pbの情報を詳細表示し、更に内箱表示として、権限のある者のみが荷出人Pa及び荷受人Pbの情報にアクセス可能なアクセスコードACを表示している。
【0100】
この構成によると、外箱20には簡易表示がされるだけであり、詳細表示をした内箱2は荷受人Pbの手に渡る。また、アクセスコードACを通じたアクセスは権限のある者のみが可能である。このため、個人情報を保護できて安全である。
【0101】
<2.第2実施形態>
第2実施形態に係る配送システム100tについて説明する。以下においては、第1実施形態と相違する点を説明する。また、第1実施形態と相違しない要素については、同じ符号を付すとともに、説明を省略する。
【0102】
<2-1.荷物管理データベース>
第2実施形態に係る荷物管理データベース700tについて、
図14を参照しながら説明する。
図14は、荷物管理データベース700tの構成例を示す図である。
【0103】
荷物管理データベース700tは、配送依頼された荷物2に関する情報を管理するためのデータベースである。荷物管理データベース700では、各レコード(荷物レコード)7が、配送を依頼された1つの荷物2と対応付けられている。各荷物レコード7には、レコード番号(荷物番号)70が付与される。
【0104】
各荷物レコード7には、荷物2のサイズ71が登録される。また、各荷物レコード7には、出発拠点1aを特定する情報(出発拠点情報)72a、および、到着拠点1bを特定する情報(到着拠点情報)72bが登録される。また、各荷物レコード7には、荷出人Paの氏名73a、住所74a、および、連絡先75a、荷受人Pbの氏名73b、住所74b、および連絡先75bが登録される。また、各荷物レコード7には、出発拠点1aまでの荷物2の持ち込みの有無の選択76aが登録される。また、各荷物レコード7には、到着拠点1bからの個別配送の有無の選択76bが登録される。
【0105】
各荷物レコード7には、荷物2が到着拠点1bに到着するべき期限(到着期限)78が登録される。ここでは、荷物2が到着拠点1bに到着するべき日付と時間区分(例えば、9~12時の第1時間区分、12時~18時の第2時間区分、18以降の第3時間区分、など)が、到着期限78として登録される。なお、荷物レコード7には、到着期限78に代えて、あるいは、到着期限78に加えて、到着期限78から逆算して算出される発送期限(出発拠点1aから同包箱20を出発させるべき期限)が登録されてもよい。
【0106】
各荷物レコード7には、荷物2が属するグループを特定する情報(グループ情報)77が登録される。ここでは、荷物管理データベース700tに登録された各荷物レコード7は、出発拠点1aが互いに同じであり、到着拠点1bが互いに同じであり、かつ、到着期限78が互いに同じである荷物2が、同じグループに属するようにグループ分けされ、各グループに付与された識別情報が、グループ情報77として登録される。
【0107】
<2-2.同包管理データベース>
第2実施形態に係る同包管理データベース800tについて、
図15~
図17を参照しながら説明する。
図15~
図17は、同包管理データベース800tを説明するための図である。
【0108】
同包管理データベース800tは、同包箱20に同包させる荷物2の組み合わせを管理するためのデータベースである。上記のとおり、荷物管理データベース700tに登録された各荷物レコード7は、出発拠点1aが互いに同じであり、到着拠点1bが互いに同じであり、かつ、到着期限78が互いに同じである荷物2が同じグループに属するように、グループ分けされている。ここでも、グループ毎に、個別の同包管理データベース800tが作成され、各同包管理データベース800tでは、これと対応するグループに属する荷物レコード7の組み合わせが、管理される。つまり、同じグループに属する荷物レコード7の中から、1つの同包箱20に同包させる荷物2の組み合わせに相当する荷物レコード7の組み合わせが決定されて、該グループと対応付けられた同包管理データベース800tで管理される。
【0109】
同包管理データベース800tでは、各レコード(同包箱レコード)8が1つの同包箱20と対応付けられている。各同包箱レコード8には、同包箱番号(BOX番号)(A5589、A5590、・・・)が付与される。
【0110】
各同包箱レコード8には、同包箱20のサイズ81が登録される。ここでも、サイズタイプが異なる1種類以上の箱が、使用可能な同包箱20として選定されており、各同包箱レコード8において、同包箱20のサイズ81として、規定された1以上のサイズタイプF1,F2,・・・のいずれかが、選択指定される。
【0111】
各同包箱レコード8の各セル82には、荷物レコード7(具体的には、荷物レコード7を特定する情報であり、例えばレコード番号(荷物番号)70)が登録される。1つの同包箱レコード8の各セル82に登録された荷物レコード7と対応する荷物2が、該同包箱レコード8と対応する同包箱20に同包されることになる。つまり、1つの同包箱レコード8に登録された荷物レコード7の組み合わせが、1つの同包箱20に同包される荷物2の組み合わせとなる。
【0112】
ここでは、同じグループに属する全ての荷物レコード7を勘案して、組み合わせパターン(具体的には、グループ全体で使用する同包箱20の総数、各同包箱20のサイズタイプ、および、各同包箱20に同包させる荷物2の組み合わせに相当する荷物レコード7の組み合わせ)が決定される。ここで、「グループ全体で使用する同包箱20の総数」は、同包管理データベース800tに作成される同包箱レコード8の総数に相当する。また、「各同包箱20のサイズタイプ」は、各同包箱レコード8において同包箱20のサイズ81として登録される内容に相当する。また、「各同包箱20に同包させる荷物2の組み合わせに相当する荷物レコード7の組み合わせ」は、上記のとおり、各同包箱レコード8に登録される荷物レコード7の組み合わせに相当する。
【0113】
一例として、同じグループに属する全ての荷物レコード7のサイズ71を勘案して、これらが最も効率的に同包されるような組み合わせパターン(例えば、グループ全体で使用する同包箱20の総数ができるだけ少なく、各同包箱20に荷物2が同包された状態において同包箱20内に生じるデッドスペースができるだけ小さくなるような組み合わせパターン)が決定される。
【0114】
同じグループに属する全ての荷物レコード7を勘案して組み合わせパターンが決定されるため、ここでは、グループに属する新たな荷物レコード7が発生する度に、組み合わせパターンが再決定されて、組み合わせパターンの最適化がなされる。
【0115】
例えば、あるグループに、荷物番号70が「02」、サイズ71が「サイズタイプE1」である第1荷物レコード7と、荷物番号70が「05」、サイズ71が「サイズタイプE1」である第2荷物レコード7とが、属しているとする。この場合、各荷物レコード7のサイズ71を勘案して決定される最適な組み合わせパターン(例えば、これらが最も効率的に同包されるような組み合わせパターン)が、「サイズタイプF1」の同包箱20に、第1荷物レコード7に相当する第1荷物2aおよび第2荷物レコード7に相当する第2荷物2bを同包させる、というものであるとする(
図15(a))。このとき、同包管理データベース800tには、1つの同包箱レコード8が作成され、該同包箱レコード8には、同包箱20のサイズ81として「サイズタイプF1」が登録され、該同包箱レコード8の2つのセル82の各々に、第1荷物レコード7(具体的には例えば、荷物番号70「02」)、および、第2荷物レコード7(具体的には例えば、荷物番号70「05」)が登録される(
図15(b))。
【0116】
その後、該グループに属する新たな荷物レコード7として、荷物番号70が「08」、サイズ71が「サイズタイプE3」である第3荷物レコード7が発生したとする。この場合、各荷物レコード7のサイズ71を勘案して決定される最適な組み合わせパターンが、「サイズタイプF3」の同包箱20に、第1荷物レコード7に相当する第1荷物2a、第2荷物レコード7に相当する第2荷物2b、および、第3荷物レコード7に相当する第3荷物2cの全てを同包させる、というものであったとする(
図16(a))。このとき、同包管理データベース800tの内容が更新され、更新後の同包管理データベース800tには、1つの同包箱レコード8が作成され、該同包箱レコード8には、同包箱20のサイズ81として「サイズタイプF3」が登録され、該同包箱レコード8の3つのセル82の各々に、第1荷物レコード7(具体的には例えば、荷物番号70「02」)、第2荷物レコード7(具体的には例えば、荷物番号70「05」)、および、第3荷物レコード7(具体的には例えば、荷物番号70「08」)が登録される(
図16(b))。
【0117】
さらにその後、該グループに属する新たな荷物レコード7として、荷物番号70が「09」、サイズ71が「サイズタイプE3」である第4荷物レコード7が発生したとする。この場合、各荷物レコード7のサイズ71を勘案して決定される最適な組み合わせパターンが、「サイズタイプF1」の同包箱20に、第1荷物レコード7に相当する第1荷物2aおよび第2荷物レコード7に相当する第2荷物2bを同包させ、「サイズタイプF4」の同包箱20に、第3荷物レコード7に相当する第3荷物2cおよび第4荷物レコード7に相当する第4荷物2dを同包させる、というものであったとする(
図17(a))。このとき、同包管理データベース800tの内容が更新され、更新後の同包管理データベース800tには、2つの同包箱レコード8が作成される(
図17(b))。そして、一方の同包箱レコード8には、同包箱20のサイズ81として「サイズタイプF1」が登録され、該同包箱レコード8の2つのセル82の各々に、第1荷物レコード7(具体的には例えば、荷物番号70「02」)、および、第2荷物レコード7(具体的には例えば、荷物番号70「05」)が登録される。また、他方の同包箱レコード8には、同包箱20のサイズ81として「サイズタイプF4」が登録され、該同包箱レコード8の2つのセル82の各々に、第3荷物レコード7(具体的には例えば、荷物番号70「08」)、および、第4荷物レコード7(具体的には例えば、荷物番号70「09」)が登録される。
【0118】
<2-3.処理の流れ>
配送システム100tで行われる処理の流れについて説明する。配送システム100tでも、配送依頼の受け付けに係る処理と、配送に係る処理とが、並行して行われる。
【0119】
(a)配送依頼の受け付けに係る処理
配送依頼の受け付けに係る処理の流れについて、
図18を参照しながら説明する。
図18は、該処理の流れを示す図である。
【0120】
サーバ装置3において、クライアント端末5aから送信された配送依頼の申込みが受信されると(ステップS1a)、配送管理部301は、配送依頼人に、配送依頼に必要な情報(依頼情報)を、クライアント端末5aを通じて入力するように要求する(ステップS2a)。配送依頼人が、クライアント端末5aを通じて依頼情報を入力すると、該入力された依頼情報がサーバ装置3に送信される(ステップS3a)。サーバ装置3において依頼情報が受信されると、配送管理部301が該依頼情報を受け付ける。依頼情報として、例えば、荷物2のサイズタイプ、荷物2の出発拠点1a、荷物2の到着拠点1b、荷出人Paの氏名、住所、および、連絡先、荷受人Pbの氏名、住所、および連絡先、出発拠点1aまでの荷物2の持ち込みの有無、到着拠点1bからの個別配送の有無、が受け付けられる。また、依頼情報として、荷物2が到着拠点1bに到着するべき到着期限78が受け付けられる。配送依頼人に依頼情報を入力させる態様はどのようなものであってもよい。例えば、到着拠点1bからの個別配送が「有」と選択された場合に、配送依頼人に、荷受人Pbの元へ荷物2が個別配送される期限(配送期限)の入力を要求し、配送管理部301が、入力された配送期限から、個別配送に要する時間を差し引いた時刻を、到着期限78として受け付けてもよい。
【0121】
依頼情報が受け付けられると、配送管理部301は、該受け付けられた依頼情報を、荷物管理データベース700tに登録する(ステップS4a)。具体的には、配送管理部301は、荷物管理データベース700tに新たな荷物レコード7を作成し、その各項目に、依頼情報として受け付けた各内容を登録する。また、配送管理部301は、荷物レコード7に登録された出発拠点1a、到着拠点1b、および、到着期限78に基づいて、該荷物レコード7が属するべきグループを特定し、該グループの識別情報を、グループ情報77として登録する。
【0122】
続いて、組み合わせ決定部302が、ステップS4aで作成された新たな荷物レコード7(具体的には例えば、該荷物レコード7のレコード番号(荷物番号)70)を、同包管理データベース800tに登録する(ステップS5a)。具体的には、組み合わせ決定部302は、まず、新たな荷物レコード7が属するグループの同包管理データベース800tを読み出す。そして、組み合わせ決定部302は、該読み出された同包管理データベース800tに既に登録されている荷物レコード7と、新たな荷物レコード7とを勘案して(例えば、これら全ての荷物レコード7のサイズ71を勘案して)、組み合わせパターンを決定し、同包管理データベース800tの内容を更新する。当然のことながら、更新後の同包管理データベース800tでは、ステップS4aで作成された新たな荷物レコード7が、いずれかのセル82に登録されている。なお、読み出された同包管理データベース800tに既に登録されている荷物レコード7がない場合、組み合わせ決定部302は、新たな荷物レコード7だけを勘案して、組み合わせパターンを決定し、同包管理データベース800tの内容を更新する。
【0123】
(b)配送に係る処理
配送に係る処理の流れについて、
図19、
図20を参照しながら説明する。
図19は、該処理の流れを示す図である。
図20は、同包ファイル群801の構成例を示す図である。
【0124】
ここでは、各グループの到着期限78に基づいて、該グループの同包管理データベース800tの確定期限(同包期限)が設定されている。例えば、到着期限78から逆算して算出される発送期限(出発拠点1aから同包箱20を出発させるべき期限)から、所定時間(例えば、出発拠点1aで荷物2を同包箱20にまとめる作業に必要な時間)を遡った時刻が、確定期限として設定される。そして、配送管理部301は、各グループの同包管理データベース800tについて、確定期限が到来したか否かを監視しており、確定期限が到来した同包管理データベース800tが発生すると(ステップS101aでYES)、同包成立後の処理として以下の処理を開始する。
【0125】
同包管理データベース800tの確定期限が到来すると、その時点で、該同包管理データベース800tの内容が確定される。つまり、組み合わせパターンが確定される。配送管理部301は、内容が確定された同包管理データベース800tに作成されている1以上の同包箱レコード(対象同包箱レコード)8の各々について、同包ファイル80を作成する。つまり、ここでは、同包管理データベース800tに作成されている同包箱レコード8と同数個の同包ファイル80が作成される。配送管理部301は、作成された1以上の同包ファイル80を、同包ファイル群801としてひとまとめにする(ステップS102a)。上記のとおり、各同包ファイル80には、各対象同包箱レコード8と対応する同包箱20に同包されるべき荷物2に関する情報と、該同包箱20サイズタイプとが記述される。
【0126】
続いて、配送管理部301は、各対象同包箱レコード8と対応する同包箱20に同包される各荷物2の荷出人Pa(具体的には、各対象同包箱レコード8で組み合わされていた各荷物レコード7に登録されている荷出人Paの各連絡先75aから特定されるクライアント端末5a)に、荷物2が発送される旨を通知する(ステップS103a)。このとき、荷出人Paのクライアント端末5a(スマホ)には荷出情報およびBOX番号が送信される。
【0127】
また、配送管理部301は、各対象同包箱レコード8と対応する同包箱20の出発拠点1a(すなわち、各対象同包箱レコード8で組み合わされていた各荷物レコード7に登録されている出発拠点1a)の拠点端末4に、ステップS102aで作成された同包ファイル群801を送信する(ステップS104a)
【0128】
その後、荷出工程(
図12参照)が行われ、決済が完了すると、配送管理部301は、各対象同包箱レコード8と対応する同包箱20に同包される各荷物2の荷受人Pb(具体的には、各対象同包箱レコード8で組み合わされていた各荷物レコード7に登録されている荷受人Pbの各連絡先75bから特定されるクライアント端末5b)に、荷物2が発送される旨を通知する(ステップS105a)。このとき、荷受人Pbのクライアント端末5b(スマホ)には、荷物2を受け取る際の認証に必要な荷受情報が送信される。
【0129】
また、配送管理部301は、各対象同包箱レコード8と対応する同包箱20の到着拠点1b(すなわち、各対象同包箱レコード8で組み合わされていた各荷物レコード7に登録されている到着拠点1b)の拠点端末4に、ステップS102aで作成された同包ファイル群801を送信する(ステップS106a)
【0130】
その後、第1実施形態と同様に、混載工程、配送工程、および、荷受工程(
図13参照)がこの順に行われる。
【0131】
<2-4.効果>
上記の実施形態に係る配送システム100tでは、配送管理部301が、出発拠点1aが互いに同じであり、到着拠点1bが互いに同じであり、かつ、到着拠点1bへの到着期限78が互いに同じである荷物2が同じグループに属するように荷物レコード7をグループ分けし、組み合わせ決定部302が、同じグループに属する全ての荷物レコード7を勘案して、グループ全体で使用する同包箱20の総数と、各同包箱20のサイズタイプと、各同包箱20に同包させる荷物2の組み合わせに相当する荷物レコード7の組み合わせとを規定する組み合わせパターンを、決定する。
【0132】
この構成によると、同じグループに属する全ての荷物レコード7を勘案して組み合わせパターンが決定されるので、最適な組み合わせパターンを作ることができる。このため、同包が成立し易く、到着期限78ごとのグループを作り易いという利点が得られる。勿論、取り扱う数が多くなれば、第1実施形態の場合でも到着期限78(或いは発送期限)を加えてグループを構成することも可能である。
【0133】
<3.同包箱>
配送システム100,100tで用いられる同包箱20の構成例について説明する。以下においては、1枚のダンボール板が組み立てられることで箱状をなすダンボール箱M(すなわち、4つの側面31と、上側の開口および下側の開口の各々を塞ぐ一対の内フラップ32,32と一対の外フラップ33,33とを備えるダンボール箱M)を基本形態として、これと相違する点を説明する。なお、以下においては、説明の便宜上、図面にしたがって、上下、左右、手前側、あるいは、奥側を規定しているが、これは説明の便宜のためのものであり、同包箱20を使用する際の向きを限定するものではない。
【0134】
上記実施形態では、荷物2を内箱とし、内箱2の外面に配達用伝票2Xが貼り付けられて、内箱情報が表示されたが、内箱に内箱情報を表示しない場合、或いは荷物2を内箱に入れず直接同包箱20に入れる場合は、以下に述べるように、箱の内部を仕切って複数の収容空間Vを形成し、同包箱20における各収容空間Vと対応する位置に、該収容空間Vに収容されている荷物2と対応する配達用伝票2Xを貼り付けて、内箱情報を表示してもよい。
【0135】
(第1の形態)
第1の形態に係る同包箱20(20A)について、
図21~
図24を参照しながら説明する。
図21は、展開状態の同包箱20Aを示す図である。
図22は、組み立て状態の同包箱20Aを示す図である。
図23および
図24は、同包箱20Aの使用の態様を示す図である。
【0136】
同包箱20Aでは、ダンボール箱Mの内部が仕切り部42a,42bで仕切られることによって、2つの収容空間V1,V2が形成され、各収容空間V1,V2に荷物2が収容される。また、第3内フラップ40cが一方の収容空間V1の蓋を形成し、第4内フラップ40dが他方の収容空間V2の蓋を形成している。つまり、複数の収容空間V1,V2の各々を開閉する個別の蓋が設けられている。このような構成において、各収容空間V1,V2を閉止する蓋の上から、該収容空間V1,V2に収容されている荷物2と対応する配達用伝票2Xが貼り付けられてもよい。
【0137】
例えば、同包箱20Aが閉じられている最初の状態(
図23(a))から、上側の外フラップ33が開かれると、第3内フラップ40cの把持片43cが現れる(
図23(b))。この把持片43cが引っ張られて、第3内フラップ40cが開かれると(
図23(c))、第1収容空間V1が現れて(
図24(a))、ここに収容されている荷物2を取り出すことができる(
図24(b))。荷物2を取り出すために、荷物2に把持ベルト200などが巻き付けられていてもよい。また、最初の状態(
図23(a))から、同包箱20Aの上下(天地)が逆転されて、上側に来た外フラップ33が開かれると、第4内フラップ40dの把持片43dが現れる。この把持片43dが引っ張られて、第4内フラップ40dが開かれると、第2収容空間V2が現れて、ここに収容されている荷物2を取り出すことができる。
【0138】
ダンボール箱Mの内部が仕切り部42a,42bで仕切られることによって、2つの収容空間V1,V2が形成される構成によると、仕切り部42a,42bによって形成される各収容空間V1,V2に荷物2を収容することができるので、荷出人Paは、配送したい荷物2を必ずしも箱などに入れておかなくともよい。また、配送途中などに同包箱20Aの中で荷物2が動いて荷物2同士がぶつかる、といった事態も発生しにくい。また、各収容空間V1,V2を開閉する個別の蓋が設けられる構成によると、荷受人Pbが、いずれかの収容空間V1の蓋を開いて荷物2を取り出す際に、別の収容空間V2に収容されている荷物2が該荷受人Pbなどの目に触れることがなく、プライバシーが十分に保護される。
【0139】
(第2の形態)
第2の形態に係る同包箱20(20B)20について、
図25を参照しながら説明する。
図25は、組み立て状態の同包箱20Bを示す図である。
【0140】
同包箱20Bは、第1の形態に係る同包箱20Aとほぼ同様の構成を備えているが、第3内フラップ40cおよび第4内フラップ40dの形状が、通常のダンボール箱が備える内フラップ32と同様である点において、第1の形態に係る同包箱20Aと相違する。すなわち、同包箱20Bでは、ダンボール箱Mの上側の開口に一方側(図の例では左側)から張り出す第3内フラップ40cは、左の側面31の上縁から、ダンボール箱Mの上側の開口の左半分のさらに半分程度を塞ぐ。また、ダンボール箱Mの下側の開口に他方側(図の例では右側)から張り出す第4内フラップ40dは、右の側面31の下縁から、ダンボール箱Mの下側の開口の右半分のさらに半分程度を塞ぐ。
【0141】
同包箱20Bでも、ダンボール箱Mの内部が仕切り部42a,42bで仕切られることによって、2つの収容空間V1,V2が形成され、各収容空間V1,V2に荷物2が収容される。また、同包箱20Bでは、ダンボール箱Mの上側の開口を塞ぐ一対の外フラップ33,33が一方の収容空間V1の蓋を形成し、ダンボール箱Mの下側の開口を塞ぐ一対の外フラップ33,33が他方の収容空間V2の蓋を形成している。つまり、複数の収容空間V1,V2の各々を開閉する個別の蓋が設けられている。
【0142】
例えば、同包箱20Bが閉じられている最初の状態から、上側の外フラップ33が開かれると、第1収容空間V1が現れて、ここに収容されている荷物2を取り出すことができる。また、最初の状態から、同包箱20Bの上下(天地)が逆転されて、上側に来た外フラップ33が開かれると、第2収容空間V2が現れて、ここに収容されている荷物2を取り出すことができる。
【0143】
(第3の形態)
第3の形態に係る同包箱20(20C)について、
図26および
図27を参照しながら説明する。
図26は、展開状態の同包箱20Cを示す図である。
図27は、組み立て状態の同包箱20Cを示す図である。
【0144】
同包箱20Cでは、ダンボール箱Mの内部が仕切り部42e,42fで仕切られることによって、2つの収容空間V1,V2が形成され、各収容空間V1,V2に荷物2が収容される。また、第1内フラップ40eの中央フラップ部43eとダンボール箱Mの上側の開口に一方側(図の例では右側)から張り出す内フラップ(第3内フラップ)40gとが、一方の収容空間V1の蓋を形成する。同様に、第2内フラップ40fの中央フラップ部43fとダンボール箱Mの上側の開口に他方側(図の例では左側)から張り出す内フラップ(第4内フラップ)40hとが、他方の収容空間V2の蓋を形成する。つまり、複数の収容空間V1,V2の各々を開閉する個別の蓋が設けられている。
【0145】
また、同包箱20Cでは、ダンボール箱Mの上側の開口に一方側(図の例では手前側)から張り出す外フラップ(第1外フラップ)50aが、切り込みによって第1部分51と第2部分52に2等分されており、第1部分51が、ダンボール箱Mの上側の開口の右半分を塞ぎ、第2部分52が、ダンボール箱Mの上側の開口の左半分を塞ぐ。第1部分51は、中央フラップ部43eおよび第3内フラップ40gの下側に配設される。同様に、第2部分52は、中央フラップ部43fおよび第4内フラップ40hの下側に配設される。また、ダンボール箱Mの上側の開口に他方側(図の例では奥側)から張り出す外フラップ(第2外フラップ)50bは、中央フラップ部43e、第3内フラップ40g、中央フラップ部43f、および、第4内フラップ40hの上側に、これらを全体的に覆うように、重ねられる。
【0146】
例えば、同包箱20Cが閉じられている最初の状態から、第2外フラップ50bが開かれると、右側に、互いに封止された中央フラップ部43eおよび第3内フラップ40gが現れ、左側に、互いに封止された中央フラップ部43fおよび第4内フラップ40hが現れる。右側にある中央フラップ部43eおよび第3内フラップ40gが開かれると、第1外フラップ50aの第1部分51が現れる。これが開かれると、第1収容空間V1が現れて、ここに収容されている荷物2を取り出すことができる。同様に、左側にある中央フラップ部43fおよび第4内フラップ40hが開かれると、第1外フラップ50aの第2部分52が現れる。これが開かれると、第2収容空間V2が現れて、ここに収容されている荷物2を取り出すことができる。
【0147】
(第4の形態)
第4の形態に係る同包箱20(20D)について、
図28を参照しながら説明する。
図28は、組み立て状態の同包箱20Dを示す図である。
【0148】
同包箱20Dでは、ダンボール箱Mの内部が仕切り部611で仕切られることによって、2つの収容空間V1,V2が形成され、各収容空間V1,V2に荷物2が収容される。また、一方の仕切り部材61の中央フラップ612とこれに対向する内フラップ32とが、一方の収容空間V1の蓋を形成し、他方の仕切り部材61の中央フラップ612とこれに対向する内フラップ32とが、他方の収容空間V2の蓋を形成する。つまり、複数の収容空間V1,V2の各々を開閉する個別の蓋が設けられている。
【0149】
例えば、同包箱20Dが閉じられている最初の状態から、外フラップ33が開かれると、右側と左側の各々に、互いに封止された中央フラップ612と内フラップ32とが現れる。右側の中央フラップ612と内フラップ32とが開かれると、第1収容空間V1が現れて、ここに収容されている荷物2を取り出すことができる。同様に、左側の中央フラップ612と内フラップ32とが開かれると、第2収容空間V2が現れて、ここに収容されている荷物2を取り出すことができる。
【0150】
(第5の形態)
第5の形態に係る同包箱20(20E)20について、
図29を参照しながら説明する。
図29は、組み立て状態の同包箱20Eを示す図である。
【0151】
同包箱20Eは、ダンボール箱Mの内部に仕切り部材62が配置された構成を備える。仕切り部材62は、仕切り部621と、仕切り部621の上辺に設けられた上フラップ622と、仕切り部621の下辺に設けられた下フラップ623と、を備える。ただし、上フラップ622の各部分622a,622bと下フラップ623の各部分623a,623bとは、互い違いになるように(上から見て重ならないように)、折り曲げられる。
【0152】
同包箱20Eでは、ダンボール箱Mの内部が仕切り部621で仕切られることによって、2つの収容空間V1,V2が形成され、各収容空間V1,V2に荷物2が収容される。
【0153】
<4.他の実施形態>
(機械学習)
第2実施形態において、組み合わせパターンが、機械学習により生成された組み合わせパターン決定モデル900を用いて決定されてもよい。すなわち、記憶部34に、組み合わせパターン決定モデル900が格納されており、これを用いて組み合わせパターンが決定されてもよい(
図30)。
【0154】
組み合わせパターン決定モデル900は、例えば、複数の荷物レコード7(具体的には、各荷物レコード7において登録される情報の少なくとも1つであり、例えば、サイズ71)から、組み合わせパターンを出力するモデルである。このような組み合わせパターン決定モデル900は、例えば、サンプルとなる複数の荷物レコード7(具体的には、各荷物レコード7において登録される情報の少なくとも1つ)と、それらから決定されるべき組み合わせパターンとを、教師データとして用いて、ニューラルネットワークなど公知の機械学習アルゴリズムを用いた機械学習により、生成される。なお、組み合わせパターン決定モデル900は、予め生成されて記憶部34に格納されてもよいし、サーバ装置3において生成されて記憶部34に格納されてもよい。
【0155】
組み合わせパターン決定モデル900を用いて組み合わせパターンを決定する場合、組み合わせ決定部302は、ステップS4aで作成された新たな荷物レコード7を同包管理データベース800tに登録するにあたって(ステップS5a)、同包管理データベース800t(新たな荷物レコード7が属するグループの同包管理データベース800t)に既に登録されている荷物レコード7と新たな荷物レコード7とを(具体的には例えば、これら全ての荷物レコード7のサイズ71を)、組み合わせパターン決定モデル900に入力する。組み合わせパターン決定モデル900からは、該入力に応じて、組み合わせパターンが出力されるので、組み合わせ決定部302は、該出力された内容で同包管理データベース800tを更新する。
【0156】
この構成によると、機械学習により生成された組み合わせパターン決定モデル900を用いて組み合わせパターンが決定されるので、適切な組み合わせパターンを迅速に決定することができる。
【0157】
(荷受情報)
上記の各実施形態においては、配送管理部301が、荷受人Pbのクライアント端末5bに、荷物2を受け取る際の認証に必要な荷受情報を送信するものとしたが、配送管理部301が、荷出人Paのクライアント端末5aに荷受情報を送信し、該荷受情報が荷出人Paを通じて荷受人Pbに通知されてもよい。
【0158】
上記の各実施形態において、荷受情報を用いた認証は例えば次のように行うことができる。まず、荷物2を受け取るにあたって、荷受人Pbは、例えば、クライアント端末5bを通じて取得したメールに含められている荷受情報(例えば、認証コード)を、該クライアント端末5bの表示部に表示させる。そして、荷物2を渡す者(例えば、到着拠点1bの管理者)が、クライアント端末5bの表示部に表示された認証コードを通信端末装置で読み取る。読み取られた認証コードが同包ファイル80に登録されている認証コードと一致することが該通信端末装置において確認されると、認証がなされたとして、該荷受人Pbに荷物2が渡される。
【0159】
この構成によると、荷物2の受け渡しの際に、認証コードを用いて、荷受人Pbの認証を行うことができる。したがって、荷物2が指定された荷受人Pbに確実に受け取られるように担保される。上記のとおり、配送システム100,100tでは、荷物2は、同包箱20に同包された状態で到着拠点1bに到着する。このため、同包されている荷物2の間に混同が生じて、荷物2の取り違えなどが生じる可能性もゼロではない。荷物2の受け私の際に認証コードを用いて荷受人Pbの認証を行うようにしておけば、このような事態の発生を未然に回避することができる。
【0160】
(配送料の算出)
上記の実施形態においては、同包箱20に同包される荷物2の個数が多いほど、配送コストが抑えられる。この点を加味して、同包される荷物2の個数に応じて、配送料金が算定されてもよい。同包される荷物2の個数に応じて配送料金が変動する場合、実際に荷物2が配送される前の適宜のタイミングで、荷受人Pbあるいは荷出人Pa(配送料金の負担者)に、クライアント端末5a,5bを通じて、算定された配送料金が通知されることが好ましい。また、該通知を受けた配送料金の負担者が、配送料金に合意する旨をクライアント端末5a,5bを通じて入力したことが確認された後に、荷物2の配送が行われることが好ましい。
【0161】
また、出発拠点1aまでの荷物2の持ち込みの有無、および、到着拠点1bからの個別配送の有無に応じて、配送料金を変えてもよい。例えば、出発拠点1aまでの荷物2の持ち込みが「有」とされる場合に、配送料金が基準料金よりも割安とされてよい。同様に、到着拠点1bからの個別配送が「無」とされる場合に、配送料金が基準料金よりも割安とされてよい。
【0162】
また、指定される到着期限78に応じて、配送料金を変えてもよい。例えば、指定される到着期限78が遅いほど、配送料金が割安とされてよい。
【0163】
(その他)
上記の各実施形態において、配送可能な荷物2のサイズが、何種類かに制限されているものとしたが、このような制限が設けられなくともよい。この場合、例えば依頼情報として荷物2の個別サイズ(例えば、荷物2の3辺(長さ、幅、および、深さ)の各寸法)が受け付けられて、これが各荷物レコード7に登録されてもよい。
【0164】
また、上記の各実施形態において、使用可能な同包箱20のサイズが、何種類かに制限されているものとしたが、このような制限が設けられなくともよい。この場合、各同包箱レコード8において、同包箱20の個別サイズ(例えば、同包箱20の3辺(長さ、幅、および、深さ)の各寸法)が登録されてもよい。
【0165】
例えば、荷物2のサイズおよび同包箱20のサイズの両方に制限が設けられない場合、組み合わせ決定部302が、同じグループに属する全ての荷物レコード7の個別サイズを加味して、グループ全体で使用する同包箱20の総数、各同包箱20の個別サイズ、および、各同包箱20に同包させる荷物2の組み合わせに相当する荷物レコード7の組み合わせを、決定してもよい。また、この場合、決定された個別サイズに合致するような同包箱20を、出発拠点1aの管理者が作成してもよい。すなわち、決定された個別サイズに応じてダンボール板を切り出し、これを箱状に組み立てて、同包箱20を作成してもよい。
【0166】
上記の実施形態において、例えば依頼情報として荷物2の重さが受け付けられて、これが各荷物レコード7に登録されてもよい。この場合、同包箱20に同包させる荷物2の組み合わせに相当する荷物レコード7の組み合わせ(あるいは組み合わせパターン)を決定するにあたって、荷物2の重さが加味されてもよい。例えば、組み合わされた荷物2が同包された同包箱20の総重量が、同包箱20のサイズに応じて規定された上限重量以下となるように、組み合わせ(あるいは組み合わせパターン)が決定されてもよい。
【0167】
上記の実施形態において、配送管理部301が、荷物2が同包される同包箱20の同包箱番号(BOX番号)を、該荷物2の荷出人Pa(具体的には、該荷物2と対応する荷物レコード7に登録されている荷出人Paの連絡先75aから特定されるクライアント端末5a)、または(および)、該荷物2の荷受人Pb(具体的には、該荷物2と対応する荷物レコード7に登録されている荷受人Pbの連絡先75bから特定されるクライアント端末5b)に、通知してもよい。また、配送管理部301が、荷出人Paに同包箱番号(BOX番号)を通知し、荷出人Paが通知された同包箱番号(BOX番号)を荷受人Pbに通知してもよい。荷出人Paに同包箱番号(BOX番号)が通知される場合、荷物2を出発拠点1aまで持ち込んだ荷出人Paが、自身で、荷物2を、通知された同包箱番号(BOX番号)の同包箱20に入れるようにしてもよい。また、荷受人Pbに同包箱番号(BOX番号)が通知される場合、荷物2を到着拠点1bまで取りに来た荷受人Pbが、自身で、荷物2を、通知された同包箱番号(BOX番号)の同包箱20から取り出すようにしてもよい。これらの構成によると、拠点1の管理者の手間を削減することができる。
【0168】
上記の実施形態において、サーバ装置3は、その少なくとも一部が、クラウド環境に構築されたもの(いわゆる、クラウドサーバ)であってもよい。この場合、配送管理部301および組み合わせ決定部302が、クラウドサーバ上で実現されてもよい。
【0169】
上記第1実施形態では外箱に内箱を入れる形態について説明したが、大箱に中箱を入れ、中箱に小箱を入れるという具合に、多段の入れ子状態にすれば、本発明の効果を更に高めることができる。
【0170】
また、上記第2実施形態では、荷物が増えたときに順次外箱を大きいものに変更する態様について説明したが、同包期間が経過したときに同包条件を満たさないか、あるいは途中でキャンセルがあった場合等は、大箱をダウンサイズして荷物を入れるようにしてもよい。
【0171】
上記の実施形態および上記の各変形例に係る構成は、互いに組み合わせることが可能である。その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0172】
図31は
図8の変形例を示している。
図8では、配送依頼の受け付けに係る処理の流れとして、クライアント端末5aから逐次サーバー装置3に空き状況を問い合わせ(ステップS1~S4)、空きがあれば配送依頼に進む手順(ステップS5~S8)であったが、定期的に荷物の配送依頼を受ける場合がある。
【0173】
例えば、道路沿線に設置された地域振興施設(例えば道の駅(登録商標))等に農家等の事業者が野菜や果物を持ち込む場合は、毎営業日、或いは毎金曜日などといった定期的なタイミングで、どの事業者が、どの方面に出荷するかが、ある程度固定化されることが考えられる。その場合、大口事業者であれば一事業者だけで複数個の混載が成立し、小口事業者であれば複数事業者が寄り合って1つの混載が成立することが考えられる。
【0174】
そのような場合は、逐一配送依頼をするのは手間である。そこで、定期的な配送依頼を受け付け、事前登録しておくことも望ましい。
【0175】
例えば、
図31では、クライアント端末5aからサーバー装置3に事前申込(ステップS1a)を行う際は、
図8における基本情報の入力要求(ステップS2)、基本情報の入力(ステップS3)、依頼情報(ステップS6~S8)と同様の内容を事前登録しておく(ステップS1b)。
【0176】
次に、例えば配送依頼を配送希望日前の所定期間(例えば配送希望日の1週間前から前日まで)受け付けるとすると、配送管理部301はその間の適宜のタイミングで、事前登録内容に基づいて配送依頼を自動生成する(ステップS1c)。すると、
図8のステップS4と同様の空きスペースの検索を行い(ステップS1d)、空きスペースがあれば
図8のステップS10と同様に荷物レコードを同包箱データベースに登録する(ステップS1e)。
【0177】
その後は、
図10の手順に沿って、ステップS101で同包(マッチング)が成立した場合、ステップS103で通知を受けた荷出人は、通知で指定された日時に荷物を持ち込む。通知で指定される日時は事前登録で入力した希望日時となるが、マッチングの確率を高めるために、希望日時を優先度の高い順から複数登録しておいてもよい。この場合、依頼者が複数登録のうちの最も早く到来する日時までに荷物を出発拠点に持ち込んでも出荷が期待できる。
【0178】
野菜や果物などは、最終的にマッチングが成立しなかった場合でも、賞味期限や到着期限等の関係から出荷が必要になる場合がある。このような場合は、同包期限の到来までに同包が成立しなかったときは同包期限到来時に、ステップS101から強制的にステップS102以降の同包成立後の処理に移行することで、持ち込んだ荷物を確実に出荷することができる。定期配送の場合は必ず出荷することを前提とするのであれば、配送前提で荷物を持ち込み、マッチング成立の通知は不要にしてもよい。この場合の料金は、同包が成立したと同等にすることが望ましい。
【0179】
定期配送の依頼者が変わらなければマッチングは同じ結果になることが予想される。出荷依頼者が出荷の無い場合があるときは、システム上「〇月〇日は出荷なし」等を選択、送信できるようにしておき、配送管理部301がこれを受け付けて一時的に同包(マッチング)の対象から外すようにすれば、配送依頼状況の変更にも弾力的に対応することができる。
【0180】
以下は一連の流れの簡単な説明である。
<事前登録>
予めマッチングサイトにログイン→出発拠点として道の駅Aを選択→荷物の持ち込みを選択→到着拠点を選択→荷物の配送を選択→日時を指定(毎日、毎週、毎月など)→ユーザー登録+配達依頼(リピート)…(A)
<マッチングを待って荷物を持ち込み>
(A)に引き続き、毎回、登録内容に基づいてサーバー内で自動的に配送依頼を生成→登録した条件でマッチング待ち→マッチング成立→依頼者に持ち込み日時を連絡→依頼者はサーバから連絡を受けた日時に合わせて道の駅Aに荷物を持ち込む
<マッチングを待たずに荷物を持ち込み>
(A)に引き続き、マッチング成否に拘わらず依頼者は指定日時に合わせて道の駅Aに荷物を持ち込む→その間にサーバーはマッチングをトライ→マッチング成立ならそれに沿って混載→マッチング不成立でも、希望日時に(最悪混載せずに)発送
【0181】
勿論、事前登録時は持ち込みではなく集荷を選んでも良く、到着時は配送ではなく受取を選んでもよい。
【0182】
図32は
図12の変形例を示している。
図12では、出荷拠点と到着拠点の間で同包(マッチング)が成立すると、担当者が集荷に出向いて荷物2を持ち帰り、または依頼者による荷物2の持込を受けて、サポートセンター1aにて同包箱20に混載し出荷したが、予め集荷経路上を移動する間に少なくとも一部の同包箱20が満載になるような配送スケジュールとなる場合がある。このような場合は、サポートセンター1aまで荷物2を持ち帰って混載作業を行うのではなく、
図32に示すように集荷経路上にある営業所1a´で同包箱20に混載して出荷してもよい。この場合、到着拠点ごとに色分けしたボックスをトラックに搭載しておき、荷物2を集めながら同包箱20である青のボックス(東京方面)や赤のボックス(名古屋方面)が満載になったら、最寄りの営業所1a´から出荷する対応が好適な一例として挙げられる。最寄りの営業所としては、本配送システムの直営店である必要はなく、宅配営業所や郵便局、コンビニ、ガソリンスタンド、新聞配達所のような各種営業所(他業種営業所)であっても構わない。この場合は、配送依頼人が最寄りの出発拠点1a´に荷物2を持ち込んでも良い。
【0183】
このようにすれば、出発拠点であるサポートセンター1aが縮小できるので、大掛かりな設備を軽減することができ、運送の時短にも繋げることができる。
【0184】
図33は
図13の変形例を示している。
図13では、同包箱20が到着拠点であるサポートセンター1bに到着すると、サポートセンター1bで開封し、担当者が荷物2を配達、若しくは荷受人がサポートセンタ1bで荷物2を受け取る態様であったが、到着拠点は必ずしもサポートセンター1bである必要はなく、
図32に示すように、配達経路上にある拠点、宅配営業所や郵便局、コンビニ、ガソリンスタンド、新聞配達所のような各種営業所(他業種営業所)1b´も、梱包箱20の開封を行える到着拠点としてもよい。受取も、荷受人が直接宅配営業所や郵便局、コンビニ、ガソリンスタンド、新聞配達所等の各種営業所(他業種営業所)1b´にて荷受2する態様で実施することもできる。
【0185】
このようにすれば、到着拠点であるサポートセンター1bが縮小できるので、大掛かりな設備を軽減することができ、運送の時短にも繋げることができる。
【0186】
以上において、箱の概念としては、中に縦横寸法が所定の関係を有する小箱を詰めて収容する狭義の意味においては、ボックス状が起想されるが、荷物を入れる広義の意味においては、「紙袋」なども含まれる。例えば、
図34に示すように、梱包箱(外箱)に想到する紙袋20Yの中に荷物2Yを混載して配送することは、本発明の実施態様に含まれ、これによっても上記に準じた作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0187】
100,100t 配送システム
1 拠点
1a 出発拠点
1b 到着拠点
10 エリア
2 荷物
20 同包箱
3 サーバ装置
301 配送管理部
302 組み合わせ決定部
4 拠点端末
5a,5b クライアント端末
600 マップ情報
700,700t 荷物管理データベース
7 荷物レコード
800,800t 同包管理データベース
8 同包箱レコード
80 同包ファイル
900組み合わせパターン決定モデル