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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152698
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】半導体エピタキシャル構造
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/183 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H01S5/183
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024064526
(22)【出願日】2024-04-12
(31)【優先権主張番号】112114075
(32)【優先日】2023-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】112123310
(32)【優先日】2023-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】598077750
【氏名又は名称】全新光電科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VISUAL PHOTONICS EPITAXY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 16, Gongye 1st Rd., Pingzhen Dist., Taoyuan City 324, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】戴文長
(72)【発明者】
【氏名】金宇中
(72)【発明者】
【氏名】▲ファン▼朝興
(72)【発明者】
【氏名】▲グエン▼凡健
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AC02
5F173AC12
5F173AC34
5F173AC35
5F173AC36
5F173AC42
5F173AC46
5F173AC52
5F173AC53
5F173AG20
5F173AH12
5F173AR55
(57)【要約】
【課題】半導体エピタキシャル構造を提供することを課題とする。
【解決手段】半導体エピタキシャル構造であって、基板と、下部ブラッグ反射鏡(DBR)層と、活性領域と、上部ブラッグ反射鏡(DBR)層と、光閉じ込め層とを含む。下DBR層は、基板上に位置する。活性領域は、下DBR層上に位置する。上DBR層は、活性領域上に位置する。光閉じ込め層は、活性領域の内又は活性領域の外に位置し、光閉じ込め層の材料はリン(P)含有化合物を含む。光閉じ込め層は、絶縁領域と、非絶縁領域とを具備し、絶縁領域は非絶縁領域を取り囲んでいる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
該基板上に位置する下DBR層と、
該下DBR層上に位置し、2つの活性層を含む活性領域と、
該活性領域上に位置する上DBR層と、
2つの前記活性層の間に位置し、リン(P)含有化合物を含み、絶縁領域と、非絶縁領域とを具備し、前記絶縁領域は前記非絶縁領域を取り囲んでいる光閉じ込め層とを含む、半導体エピタキシャル構造。
【請求項2】
前記リン含有化合物のリン成分のモル百分率は、0%よりも大きく30%以下である、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項3】
前記リン含有化合物のリン成分のモル百分率は、0%よりも大きく20%以下である、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項4】
前記リン含有化合物のリン成分のモル百分率は、0%よりも大きく15%以下である、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項5】
前記光閉じ込め層の材料は、AlAsP化合物又はAlGaAsP化合物を含む、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項6】
前記活性領域は、2つの前記活性層間に位置するトンネル接合層を含み、
前記光閉じ込め層位は2つの前記活性層のうちのいずれかの活性層と前記トンネル接合層との間に位置する、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項7】
前記活性領域の外に位置する別の光閉じ込め層をさらに含み、
前記別の光閉じ込め層の材料は前記リン含有化合物を含み、前記絶縁領域と、前記非絶縁領域とを具備し、前記別の光閉じ込め層の前記絶縁領域は前記別の光閉じ込め層の前記非絶縁領域を取り囲んでいる、請求項6に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項8】
前記別の光閉じ込め層は、前記上DBR層の下又は前記下DBR層の上に位置する、請求項7に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項9】
前記光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積は、前記別の光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積と同じである、請求項7に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項10】
前記光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積は、前記別の光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積と異なる、請求項7に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項11】
前記別の光閉じ込め層の材料は、AlAsP化合物又はAlGaAsP化合物を含む、請求項7に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項12】
前記基板は、GaAs基板或いはGe基板である、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項13】
基板と、
該基板上に位置する下DBR層と、
該下DBR層上に位置する活性領域と、
該活性領域上に位置する上DBR層と、
活性層の外に位置し、その材料にはリン含有化合物が含まれ、絶縁領域と、非絶縁領域とを具備し、前記絶縁領域は前記非絶縁領域を取り囲んでいる光閉じ込め層と、を含む、半導体エピタキシャル構造。
【請求項14】
前記リン含有化合物のリン成分のモル百分率は、0%よりも大きく30%以下である、請求項13に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項15】
前記リン含有化合物のリン成分のモル百分率は、0%よりも大きく20%以下である、請求項13に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項16】
前記リン含有化合物のリン成分のモル百分率は、0%よりも大きく15%以下である、請求項13に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項17】
前記光閉じ込め層の材料は、AlAsP化合物又はAlGaAsP化合物を含む、請求項13に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項18】
前記光閉じ込め層は、前記上DBR層の下又は前記下DBR層の上に位置する、請求項13に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項19】
前記活性領域は、2つの前記活性層を含み、
2つの前記活性領域の間に位置する別の光閉じ込め層をさらに含み、
該別の光閉じ込め層の材料はリン含有化合物を含み、前記絶縁領域と、前記非絶縁領域とを具備し、前記別の光閉じ込め層の前記絶縁領域は前記別の光閉じ込め層の前記非絶縁領域を取り囲んでいる、請求項13に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項20】
前記活性領域は、2つの前記活性層間に位置するトンネル接合層を含み、
前記別の光閉じ込め層位は2つの前記活性層のうちのいずれか活性層と前記トンネル接合層との間に位置する、請求項19に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項21】
前記光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積は、前記別の光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積と同じである、請求項19に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項22】
前記光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積は、前記別の光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積と異なる、請求項19に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項23】
前記別の光閉じ込め層の材料は、AlAsP化合物又はAlGaAsP化合物を含む、請求項19に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項24】
前記基板は、GaAs基板或いはGe基板である、請求項13に記載の半導体エピタキシャル構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体エピタキシャル構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願発明者が以前に特許を取得し、発明の名称が電流狭窄層を有する垂直共振器型面発光型半導体レーザ(VCSEL)である特許文献1を参照されたい。特許文献1は、電力変換効率(PCE)及び光出力の改善を目指し、技術的手段は少なくとも2層の電流狭窄層を介するものであり、多接合VCSELのPCEを向上させるという目的を達成するため、少なくとも2層の電流狭窄層上の光学的な開口面積は不等であることに加えて、特定の光学的な開口面積比以下に制御しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾特許第738388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の内容から、本件発明者は約4年前(2020年)、主に多活性層VCSELの光出力向上と省エネルギー化の面に着眼していたことが分かる。換言すれば、当時の要求は、「多活性層のVCSEL」の検出距離(光出力)とPCEの向上であった。ただし、多活性層のVCSELが光通信或いは光センシングのスキームに幅広く使用できるかどうかは、VCSELの発散角の大きさによって決まり、すなわち、VCSELの発散角が小さいほど優れる。
【0005】
特許文献1は、当時少なくとも2層の電流狭窄層で、光学的な開口の面積が不等である技術手段を採用し、特許文献1内のいくつかのスキームの発散角が大きすぎる(例えばAlGaAs電流狭窄層)で、他のいくつかのスキームの発散角が大きすぎない(例えばAlAs電流狭窄層)が、これらのスキームはいくつかの必要な制限条件を受け、例えば多層活性層のVCSELは少なくとも2層の電流狭窄層を使用しなければならず、且つこの少なくとも2層の電流狭窄層の光学的な開口のサイズも異なっていなければならない。異なった(ロット)VCSEL内の少なくとも2層の電流狭窄層の光学的な開口のサイズの差は理想的には一致しているべきである。
【0006】
本願が属する技術分野において、2層の電流狭窄層の光学的な開口のサイズを明らかに異ならせる方法は、酸化処理時に2層の電流狭窄層を異なる酸化速度で酸化することであり、例えば2層の電流狭窄層には、異なる化合物、又は材料成分比が異なる同じ化合物を使用することである。実際、2層の電流狭窄層の実際の酸化速度は、必然的に所定の酸化速度とは異なり、且つ同じマシン上で異なるロットのVCSELに酸化処理を連続的に施した場合でも、異なるロットのVCSELの酸化速度は異なるため各(ロット)VCSELの光学的な開口のサイズ又は形状は必然的に互いに異なる。特に、一部の化合物の酸化速度が速すぎるため、各(ロット)VCSELの光学的な開口のサイズ又は形状が互いに大きく異なり、均一性が低くなる。
【0007】
しかしながら本明細書に列挙されているいくつかの実施形態及び実験結果からも分かるように、本明細書は実際に単層の光閉じ込め層のみ(少なくとも2層の光閉じ込め層が不要)を使用して、多活性層VCSELに小さい発散角を有させ、各(ロット)VCSELの光学的な開口のサイズ又は形状を一致させることができる。
【0008】
より具体的に言えば、特許文献1の実際に解決しようとする技術的課題及び要求は、光学的な開口形状の均一性或いはライトフィールド制御とは無関係であるため、特許文献1には各VCSELの光学的な開口のサイズ又は形状の均一性が悪いという問題は開示されておらず、各VCSELの光学的な開口のサイズ又は形状のばらつき問題を解決するための特定の方法及び特定の化合物の組み合わせという技術的手段も開示されていない。
【0009】
なお、特許文献1にも、特定化合物の特定元素を特定の含有量範囲に制御する技術的手段は開示されていない。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態は、この技術的手段により各VCSELの酸化速度が速すぎるのを防ぎ、光学的な開口のサイズ又は光学的な開口の形状を一致させるだけでなく、単層の光閉じ込め層のみを使用した時、VCSELの発散角を狭くなることができる。
【0010】
さらに、特許文献1には、どのように特定の方法及び特定の化合物の組み合わせにより2層の電流狭窄層の光学的な開口を実質的に同じサイズにするかを開示していないが、これも実現可能な解決策となり得る。具体的に言えば、本願発明者は、2層の光閉じ込め層が特定の及び/又は同じ化合物からなる場合、2層の光閉じ込め層の光学的な開口のサイズが実際に同じサイズとなり得ることを見出した。光閉じ込め層の光学的な開口のサイズは、同じであれば、2層の光閉じ込め層の化合物成分及び/又は絶縁工程が全く同じ条件に設定されていれば、半導体エピタキシャル構造の光学的な開口のサイズ又は形状をより一致することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これ故に、本発明の一実施形態は、基板と、下部ブラッグ反射鏡(DBR)層(以下、「下DBR層」という。)と、活性領域(active region)、上部ブラッグ反射鏡(DBR)層(以下、「上DBR層」という。)と、光閉じ込め層とを含む半導体エピタキシャル構造を提供する。前記下DBR層は、前記基板上に位置する。前記活性領域は、前記下DBR層上に位置し、2つの活性層を含む。前記上DBR層は、前記活性領域上に位置する。前記光閉じ込め層は、2つの前記活性層の間に位置し、前記光閉じ込め層の材料はリン(P)含有化合物を含む。前記光閉じ込め層は、絶縁領域と、非絶縁領域とを具備し、前記絶縁領域は前記非絶縁領域を取り囲んでいる。
【0012】
また、本発明の他の実施形態として、基板と、下DBR層と、活性領域と、上DBR層と、光閉じ込め層とを含む半導体エピタキシャル構造を提供する。前記下DBR層は、前記基板上に位置する。前記活性領域は、前記下DBR層上に位置する。前記光閉じ込め層は、前記活性領域の外に位置し、前記光閉じ込め層の材料はリン(P)含有化合物を含む。前記光閉じ込め層は、絶縁領域と、非絶縁領域とを具備し、前記絶縁領域は前記非絶縁領域を取り囲んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体エピタキシャル構造を示す概略構成図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係る半導体エピタキシャル構造を示す概略構成図である。
図3】本発明の第3の実施形態に係る半導体エピタキシャル構造を示す概略構成図である。
図4】本発明の第4の実施形態に係る半導体エピタキシャル構造を示す概略構成図である。
図5】本発明の第5の実施形態に係る半導体エピタキシャル構造を示す概略構成図である。
図6】本発明の第6の実施形態に係る半導体エピタキシャル構造を示す概略構成図である。
図7図1の光閉じ込め層(AlAs1-x化合物を含有する)及び従来の電流狭窄層(AlAs化合物を含む)の酸化速度を示す図である。
図8図1に示される半導体エピタキシャル構造による従来の構造(電流狭窄層はAlGaAs化合物を含有する)の遠視野分布を示す図である。
図9A図1に示される半導体エピタキシャル構造(光閉じ込め層はAlAs1-x化合物を含有し、xは0.02である)の遠視野分布である。
図9B図1に示される半導体エピタキシャル構造(光閉じ込め層はAlAs1-x化合物を含有し、xは0.04である)の遠視野分布である。
図9C図1に示される半導体エピタキシャル構造(光閉じ込め層はAlAs1-x化合物を含有し、xは0.06である)の遠視野分布を示す図である。
図9D図1に示される半導体エピタキシャル構造(光閉じ込め層はAlAs1-x化合物を含有し、xは0.08である)の遠視野分布を示す図である。
図9E図1に示される半導体エピタキシャル構造(光閉じ込め層はAlAs1-x化合物を含有し、xは0.10である)の遠視野分布を示す図である。
図9F図1に示される半導体エピタキシャル構造(光閉じ込め層はAlAs1-x化合物を含有し、xは0.12である)の遠視野分布を示す図である。
図10図1に示される半導体エピタキシャル構造による従来の構造(電流狭窄層はAlAs化合物を含有する)の遠視野分布を示す図である。
図11図4に示される半導体エピタキシャル構造による従来の構造(電流狭窄層はAlGaAs化合物(例えばAl1-yGaAs化合物で、yは0.02である)を含有する)の遠視野分布を示す図である。
図12図4に示される半導体エピタキシャル構造(光閉じ込め層は均しくAlAs1-x化合物を含有し、xは0.04である)の遠視野分布を示す図である。
図13図6に示される半導体エピタキシャル構造による従来の構造(電流狭窄層はAlGaAs化合物(例えばAl1-yGaAs化合物で、yは0.02である)を含有する)の遠視野分布を示す図である。
図14図6に示される半導体エピタキシャル構造(光閉じ込め層は均しくAlAs1-x化合物を含有し、xは0.04である)の遠視野分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、当業者が本明細書を読んだ後に実施できるように、図面及び符号を参照しつつ本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0015】
また本明細書において、「~の下方に」、「~の真下に」、「下方」、「~の下に」、「より低い」、「~上方に」、「~の真上に」、「上方」、「~の上に」、「より高い」、「~の内に」、「~の内部に」、「~の外に」、「~の外部に」などの空間に関連する用語が、図面に示す1つ(複数)の要素又は特徴部分と1つ(複数)の他の要素又は特徴部分との関係についての説明を容易にするために用いられる。空間に関連する用語は、図面に描かれている方位に加えて、使用時又は操作時における装置の別の方位も含むものである。
【0016】
本発明の明細書は、異なる実施形態の技術的特徴を説明するために異なる実施例を提供する。例えば、本明細書全体を通じて「いくつかの実施形態」への言及は、実施形態で記載される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じて異なる場所に現れる「いくつかの実施形態において」という語句は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。なお、特定の特徴、構造或いは特性は、任意の適切な方法により1つ以上の実施形態で実装され得る。
【0017】
さらに、本明細書において用いられるところ、用語「含む」、「備える」、「有する」、「ここで」又はこれらの変換について、これらの語意は用語「含む」に類似して対応する特徴を含む。また、「層」は単層であっても複数層であってもよく、エピタキシャル層の「一部」とはエピタキシャル層のうちの1層であってもよいし、隣り合う複数の層であってもよい。
【0018】
なお、いわゆる三元化合物は、三元素に加えて、微量に存在する三元素以外の他の元素を含む場合がある。例えばAlAsP半導体層がAlGaAs半導体層と隣り合う場合、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectrometer、SIMS)の分析結果において、AlAsP半導体層中にGaの微量元素が現れることが多い。同様に、AlAsP半導体層の隣り合い層にIn、Sb等の他元素が含まれる場合、SIMSの分析結果において、AlAsP半導体層にもIn、Sb等の元素が含まれる可能性がある。また、AlAsP半導体層は、隣り合う半導体層の影響を受けるだけでなく、AlAsP半導体層が薄いと、SIMSの定量分析(自身の測定誤差)により、AlAsP半導体層のリン(P)成分も実際のリン含有量と大きく異なる場合があり、例えば実際のリン含有量よりも少ない場合がある。
【0019】
図面を簡略化するため、ほとんどの図面では、活性層、トンネル接合層と光閉じ込め層等のみを示し、スペーサ層、オーミック接触層などのエピタキシャル層は特別に示さない、或いはこれらのエピタキシャル層はVCSELにとって必要又は好ましい構造であっても、描画されない。スペーサ層は、一般に活性層、光閉じ込め層、トンネル接合層或いはその他のエピタキシャル層の上及び/又は下に形成される。スペーサ層は実際のニーズに応じて選択的に設けることができ、各スペーサ層の材料、成分、厚さ、ドーピング及びドーピング濃度も実際のニーズに応じて適切に調整することができる。
【0020】
図1及び図2を参照すると、図1及び図2は、それぞれ本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る半導体エピタキシャル構造100a,100bを示す概略構成図である。図1及び図2において、半導体エピタキシャル構造100aは、基板10と、下DBR層12と、活性領域Aと、上DBR層14と、光閉じ込め層16(図1又は図2に示す第1光閉じ込め層161)とを含む。言及すべき点は、異なる実施形態において、上記光閉じ込め層16は、一層の光閉じ込め層又は多層の光閉じ込め層であり得、これに限定されない。説明の便宜上、異なる実施形態において対応する符号で説明する。例えば、図1及び図2は、一層の光閉じ込め層の実施形態を示し、すなわち、第1光閉じ込め層161を例として、上記光閉じ込め層を説明する。図4は、多層の光閉じ込め層の実施形態であり、すなわち、それぞれ第1光閉じ込め層161及び第2光閉じ込め層164を例として上記光閉じ込め層及び別の光閉じ込め層(詳細は後述する)を説明し、いずれも当業者であれば理解できるであろう。
【0021】
図1及び図2において、下DBR層12は、基板10上に位置する。下DBR層12は、基板10に直接接触していてもよく、又は例えば半導体層或いはスペーサ層を介して間接的に基板10上に位置してもよい。活性領域Aは、下DBR層12上に位置する。活性領域Aは、下DBR層12に直接接触していてもよく、又は例えば半導体層或いはスペーサ層を介して間接的に下DBR層12上に位置してもよい。活性領域Aは、単層の活性層(図1に示す第1活性層a1)又は複数層の活性層(図4に示す第1活性層a1及び第2活性層a2で、詳細は後述する)を含み得る。上DBR層14は、活性領域A上に位置する。上記基板10、下DBR層12、活性領域Aの活性層(例えば図3に示す第1活性層a1及び第2活性層a2で、詳細は後述する)及び上DBR層14の材料及び仕様は、属する技術分野で一般的に使用されている、若しくは周知しているものを使用することができ、特に限定されない。例えば、上記基板10は、ガリウムヒ素(GaAs)基板又はゲルマニウム(Ge)基板であってもよい。
【0022】
半導体エピタキシャル構造100aは、互いに離れた対向二側面を有し、対向二側面内のいずれかが光出射面、例えば図1に示す第1光出射面S1又は第2光出射面S2であり、第1光出射面S1は半導体エピタキシャル構造100aの基板10から離れた側であり、第2光出射面S2は半導体エピタキシャル構造100aの基板10に近い側である。光出射面は、原則的にエピタキシャルの平面或いは基板10の平面と平行である。いくつかの実施形態において、レーザ光の出射方向によれば、半導体エピタキシャル構造100aは、表面出射型又は裏面出射型に分類することができる。上DBR層14の総反射率が下DBR層12の総反射率よりも小さい場合、半導体エピタキシャル構造100aから構成されるVCSELは、表面出射型VCSELと呼ばれる。上DBR層14の総反射率が下DBR層12の総反射率よりも大きい場合、半導体エピタキシャル構造100aから構成されるVCSELは、裏面出射型VCSELと呼ばれる。
【0023】
いくつかの実施形態において、光閉じ込め層16は、活性領域Aと光出射面との間に位置する。例えば図1では第1光閉じ込め層161は、活性領域Aと第1光出射面S1との間に位置し、また、例えば図1では、第1光閉じ込め層161は、上DBR層14の下(例えば上DBR層14と活性領域Aとの間に位置する)に位置する。若しくは例えば図2では、第1光閉じ込め層161は、活性領域Aと第2光出射面S2との間に位置し、また例えば図2では第1光閉じ込め層161は、下DBR層12の上(例えば下DBR層12と活性領域Aとの間に位置する)に位置する。上記光閉じ込め層16(例えば第1光閉じ込め層161、第2光閉じ込め層164又はその両方)は、リン(P)含有化合物を含む。好ましくは、リン含有化合物は三元化合物或いは四元化合物であり、その後一部の光閉じ込め層16への絶縁処理を容易にするため、三元化合物或いは四元化合物は少なくともリン(P)元素を含む。例えば、三元化合物は、AlAsP化合物又はAlAsP化合物含有化合物で、四元化合物はAlGaAsP化合物である。したがって、光閉じ込め層16の一部に絶縁処理を施した後、光閉じ込め層16(例えば第1光閉じ込め層161)は絶縁処理された絶縁領域(例えば第1絶縁領域162)及び絶縁処理されていない非絶縁領域(例えば第1非絶縁領域163)を有してもよい。上記絶縁処理としては、例えば酸化処理、イオン注入処理若しくはエッチング工程などの適宜の絶縁処理方法が挙げられる(ただし、これらに限定されない)。本明細書に記載の絶縁領域(例えば図1に示す第1絶縁領域162)は、光閉じ込め層16(例えば第1光閉じ込め層161)の抵抗値が高い(非絶縁領域(例えば第1非絶縁領域163)の抵抗値より明らかに高い)領域であることが理解されるべきである。非絶縁領域(例えば第1非絶縁領域163)の抵抗値が低いため、非絶縁領域は光学的な開口(optical aperture、OA)として使用することができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、光閉じ込め層16は、AlAsP化合物(又はAlGaAsP化合物)を含む。これらの実施形態において、光閉じ込め層16(例えば図1に示す第1光閉じ込め層161)は、AlAsP化合物(又はAlGaAsP化合物)を含み、光閉じ込め層16の作製過程中により安定(AlAsした酸化速度に比べると、AlAsP(或いはAlGaAsP)の酸化速度が遅い)し、制御し易いため各VCSELの光学的な開口の面積或いは形状がより一致する。特に、光閉じ込め層16(例えば第1光閉じ込め層161)がAlAsP化合物(又はAlGaAsP化合物)を含み、単層の光閉じ込め層16を活性領域Aと光出射面(例えば第1光出射面S1或いは第2光出射面S2)との間に配置された場合、単層の光閉じ込め層16(例えば第1光閉じ込め層161)のみでVCSELに小さい発散角を有させることができる。活性領域Aは、一層以上の活性層(例えば第1活性層a1及び第2活性層a2で、詳細は後述する)を含むことに限定されない。好ましくは、AlAsP化合物(或いはAlGaAsP化合物)のリン含有量が適切な範囲にある場合、光閉じ込め層16の作製過程がより安定又は制御可能となり、発散角も小さくなることができ、VCSELの応力も低減されることができる。したがって、多層の光閉じ込め層(例えば図4の第1光閉じ込め層161及び第2光閉じ込め層164で、詳細は後述する)の場合、同じVCSEL内の各光学的な開口(例えば図4の第1非絶縁領域163と第2非絶縁領域166)間の形状類似性がより高くなり得る。なお、VCSELとVCSELの各光学的な開口との間の形状類似性もより高くなり得る。同時に多層の光閉じ込め層を含む半導体エピタキシャル構造(例えば図4の半導体エピタキシャル構造100dで、詳細は後述する)も、よりも小さい発散角を有することができる。
【0025】
上述したように、従来のVCSEL又は他の材料で作製された電流狭窄層を含むVCSELの発散角(例えば20度よりも大きい)と比較して、本発明のいくつかの実施形態の半導体エピタキシャル構造(例えば図1及び図2の半導体エピタキシャル構造100a、100b)は、よりも小さい発散角(例えば13.297度で、以下の表1及び表2に詳述)を有してもよい。半導体エピタキシャル構造(例えば100a、100b)は、よりも小さい発散角を有するため、より幅広い応用が可能である。
【0026】
制御可能な又は安定した酸化速度を伴ういくつかの実施形態において、リン含有化合物のリン成分のモル百分率は、0%よりも大きく30%以下であり、若しくは0%よりも大きく20%以下であり、或いは0%よりも大きく15%以下である。例えば、いくつかの実施形態において、光閉じ込め層16(例えば第1光閉じ込め層161)は、AlAsP化合物を含有し、AlAsP化合物は例えばAlAs1-xで表すことができ、AsとPのモル比が(1-x):xであり、例えば0<x≦0.3(又は0<x≦0.20、或いは0<x≦0.15、若しくは0<x≦0.12、又は0<x≦0.10、或いは0<x≦0.10、0<x≦0.08若しくは0<x≦0.06)であり得る。上記範囲内では、AlAs1-xの酸化速度がAlGaAsの酸化速度に近いだけでなく、AlAs1-xの発散角が小さくなり、応力が大きくなりすぎない。例えば、図1の第1光閉じ込め層161(または例えば図4の第2光閉じ込め層164)は、AlAs1-x化合物を含有し、xは約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、或いは0よりも大きいその他の値若しくは0.3以下の間の数値である。xが上記範囲(例えば0.3より(明らかに)大きい場合)にない場合、AlAs1-x化合物に含まれるリン元素の含有量が顕著な効果を生む出すことのできる含有量範囲に入っていないことを示している。
【0027】
いくつかの実施形態において、上記光閉じ込め層16(例えば第1光閉じ込め層161)は、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)化合物を含まない。本願発明者は、光閉じ込め層(例えば16)内にAlGaAs化合物が含まれている場合、半導体エピタキシャル構造(例えば100a或いは100b)はよりも大きな発散角を有することを見出した。換言すれば、半導体エピタキシャル構造は、上記AlGaAs化合物を含有する光閉じ込め層を含む場合、本発明のいくつかの実施形態の小さい発散角の提供である発明の目的を達成できない。
【0028】
上述から分かるように、いくつかの実施形態において、例えば図1及び図2に示す単層の光閉じ込め層(例えば第1光閉じ込め層161)と、単層の活性層(例えば第1活性層a1)とを含む半導体エピタキシャル構造100a,100bの光閉じ込め層16はより安定で容易に制御可能な酸化速度を有することができ、得られた半導体エピタキシャル構造(例えば100a或いは100b)もよりも小さい発散角を提供することができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、光閉じ込め層16(例えば図3に示す第2光閉じ込め層164)は、活性領域A内に位置する。図3を参照すると、図3は、本発明の第3の実施形態の半導体エピタキシャル構造100cを示す概略構成図である。図1及び図2に示す光閉じ込め層16(すなわち、第1光閉じ込め層161)との相違点は、図3において活性領域Aが少なくとも2層の活性層(例えば第1活性層a1及び第2活性層a2)を含むことである。図3に示す光閉じ込め層16(すなわち、第2光閉じ込め層164)は活性領域A内に位置し、少なくとも2層の活性層a1,a2の間に配置される。なお、図3において、活性領域Aは、少なくとも1層のトンネル接合層17をさらに含み、トンネル接合層17(例えば第1トンネル接合層170)は2つの活性層a1,a2の間に位置する。トンネル接合層17の数は、活性層a1,a2の数に応じて増加することができる。第2光閉じ込め層164は、例えば第2活性層a2とトンネル接合層17(例えば第1トンネル接合層170)との間に位置する。2つの活性層a1,a2の間にトンネル接合層17(逆バイアス下で動作する必要がある)を設けたことにより、キャリアはトンネル接合層17のトンネル効果(キャリア再利用とも呼ばれる)により次の活性層に注入される。第2光閉じ込め層164も第2絶縁領域165及び第2非絶縁領域166を具備し得る。具体的な実施態様は前述の光閉じ込め層16(第1光閉じ込め層161、第1絶縁領域162及び第1非絶縁領域163を含む)の実施態様を参照でき、ここでその詳細な説明を省略する。
【0030】
上述から分かるように、いくつかの実施形態において、例えば、図3に示す単層の光閉じ込め層(例えば第2光閉じ込め層164)と、複数層の活性層(例えば第1活性層a1及び第2活性層a2)とを含む半導体エピタキシャル構造100cの光閉じ込め層16もより安定で容易に制御可能な酸化速度を有することができ、得られた半導体エピタキシャル構造100cはよりも小さい発散角を提供することができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、半導体エピタキシャル構造(例えば図4の半導体エピタキシャル構造100d)は、別の光閉じ込め層をさらに含み、半導体エピタキシャル構造は少なくとも2層の光閉じ込め層を含み得る。少なくとも2層の光閉じ込め層内の少なくとも1層の光閉じ込め層(例えば図4の第1光閉じ込め層161)は、活性領域Aの外(例えば第1光出射面S1と活性領域Aとの間に位置する)に位置し、少なくとも2層の光閉じ込め層内の別の少なくとも1層の光閉じ込め層(例えば図4の第2光閉じ込め層164)は、活性領域Aの内(例えば第1トンネル接合層170と第2活性層a2との間に位置する)に位置する。
【0032】
図4及び図5を参照すると、図4及び図5は、本発明の第4の実施形態及び第5の実施形態に係る半導体エピタキシャル構造100d,100eを示す概略構成図である。図1図2及び図3に示す半導体エピタキシャル構造100a,100b,100cとの相違点は、図4及び図5に示す半導体エピタキシャル構造100d,100eの光閉じ込め層16が第1光閉じ込め層161と、第2光閉じ込め層164とを含むことである。第1光閉じ込め層161は、活性領域Aの外に位置し、例えば活性領域Aと光出射面(例えば第1光出射面S1或いは第2光出射面S2)との間に位置する。図4において、第1光閉じ込め層161は、上DBR層14の下(例えば上DBR層14と活性領域Aの間に位置する)に位置する。図5において、第1光閉じ込め層161は、下DBR層12の上(例えば下DBR層12と活性領域Aとの間に位置する)に位置する。第2光閉じ込め層164は、活性領域Aの内に位置し、例えば2つの活性層a1,a2の間に位置する。上記活性領域Aの外に位置する第1光閉じ込め層161及び活性領域Aの内に位置する第2光閉じ込め層164の具体的な実施態様は、前述の第1光閉じ込め層161及び第2光閉じ込め層164に関する実施態様を参照することができ、ここでその詳細な説明を省略する。
【0033】
いくつかの実施形態において、上記少なくとも2層の光閉じ込め層(例えば図4の第1光閉じ込め層161及び第2光閉じ込め層164)の材料仕様は、実質的に同じ材料仕様である。例えば、少なくとも2層の光閉じ込め層の材料は、いずれも含有する成分及び配合比が実質的に同じAlAsP化合物(或いはAlGaAsP化合物)であり、例えばAlAs1-xで表され、0<x≦0.3(又は0<x≦0.20、0<x≦0.15、或いは0<x≦0.12、若しくは0<x≦0.10、又は0<x≦0.10、0<x≦0.08或いは0<x≦0.06)である。上記光閉じ込め層16の材料の具体的な実施態様は、前述の第1光閉じ込め層161及び第2光閉じ込め層164の材料に関する実施態様を参照することができ、ここでその詳細な説明を省略する。
【0034】
いくつかの実施形態において、第1非絶縁領域163及び第2非絶縁領域166は、それぞれ略円形で、投影面(例えば図4或いは図5のXY平面)上で同心円を形成する。
【0035】
いくつかの実施形態において、第1非絶縁領域163及び第2非絶縁領域166は、それぞれ略円形であり、第1非絶縁領域163の平均直径dと第2非絶縁領域166の平均直径d’は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第1非絶縁領域163の面積及び第2非絶縁領域166の面積は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第1非絶縁領域163の面積は、第2非絶縁領域166の面積よりも小さい、等しい、又は大きい場合がある。いくつかの実施形態において、少なくとも2層の光閉じ込め層(例えば図4の第1光閉じ込め層161及び第2光閉じ込め層164)の材料は、それぞれAlAsP化合物(或いはAlGaAsP化合物)を含有する化合物を含み、少なくとも2層の光閉じ込め層の非絶縁領域の面積は、同じであっても異なっていてもよい。
【0036】
上述から分かるように、いくつかの実施形態において、例えば図4及び図5に示す複数層の光閉じ込め層(例えば第1光閉じ込め層161及び第2光閉じ込め層164)と、複数層の活性層(例えば第1活性層a1及び第2活性層a2)とを含む半導体エピタキシャル構造100d,100eの複数層の光閉じ込め層はいずれもより安定で容易に制御可能な酸化速度を有することができるため、複数層の光閉じ込め層と複数層の活性層を組み合わせたとしても、得られる半導体エピタキシャル構造100d,100eは依然としてよりも小さい発散角を提供することができる。
【0037】
以下、さらに実験例を通じて上述の技術的効果を説明する。実験例1から実験例4において、本発明のいくつかの実施形態におけるAlAs1-x化合物を含む光閉じ込め層と従来の電流狭窄層の絶縁処理は、いずれも酸化処理である。
【0038】
(実験例1:発散角の比較─単層の活性層と単層の光閉じ込め層とを含む半導体エピタキシャル構造(従来のAlGaAsの電流狭窄層を含む半導体エピタキシャル構造との比較)
図1図8図9Aから図9Fを参考すると、図8図1に示される半導体エピタキシャル構造100aによる従来の構造(電流狭窄層は、AlGaAs化合物を含有)の遠視野分布(far field profile)を示す。図9Aから図9Fは、それぞれ図1に示される半導体エピタキシャル構造100a(光閉じ込め層は、AlAs1-x化合物を含有し、xはそれぞれ0.02、0.04、0.06、0.08、0.10及び0.12である)の遠視野分布を示す。図8の電流狭窄層の光学的な開口の直径、図9Aから図9Fの第1非絶縁領域163の平均直径d(図1)は、両方とも約8μmで、これらの遠視野分布は連続波(CW)のバイアス電流10mA下で測定して得られたものである。図8図9Aから図9Fに示す遠視野分布によれば、各半導体エピタキシャル構造の1/e2幅(1/e2 width)にそれぞれ対応する発散角を表1に整理した。
【0039】
【表1】
【0040】
上記の表1、図8図9Aから図9Fから分かるように、単層の活性層及び単層の光閉じ込め層を含む半導体エピタキシャル構造の場合、AlGaAs化合物(例えばAl1-yGaAs化合物で、yは0.02である)を含有する従来の半導体エピタキシャル構造の発散角は、約20.985度であり、本発明のいくつかの実施形態と比較すると、AlAs0.980.02化合物(すなわち、xが0.02)を、AlAs0.960.04化合物(すなわち、xが0.04)を、AlAs0.940.06化合物(すなわち、xが0.06)を、AlAs0.920.08化合物(すなわち、xが0.08)を、AlAs0.900.10化合物(すなわち、xが0.10)を、AlAs0.880.12化合物(すなわち、xが0.12)を含有する6種の半導体エピタキシャル構造100aの発散角は、それぞれ約13.297度、13.814度、14.728度、15.263度、17.744度及び18.770度であり、従来のAlGaAs化合物(例えばAl1-yGaAs化合物で、yは0.02)を含有する半導体エピタキシャル構造の発散角より明らかに小さい。このことから分かるように、本発明のいくつかの実施形態は、光閉じ込め層16(例えば第1光閉じ込め層161)が特定のAlAsP化合物(或いはAlGaAsP化合物)を含有することで、AlGaAs化合物(例えばAl0.98Ga0.02As化合物)を含有する従来のものに比べてよりも小さい発散角を有することができる。
【0041】
これに基づいて、従来の半導体エピタキシャル構造(電流狭窄層はAlGaAs化合物を含有する)と比較して、本発明のいくつかの実施形態は、単層の性層(例えばa1)と単層の閉じ込め層(例えば161)とを含んでも、得られた半導体エピタキシャル構造(例えば100a)は、確実よりも小さい発散角を提供することができる。
【0042】
(実験例2:酸化速度及び発散角の比較─単層の活性層と単層の光閉じ込め層とを含む半導体エピタキシャル構造(従来のAlAsの電流狭窄層を含む半導体エピタキシャル構造との比較)
図1及び図7を参照すると、図7図1の第1光閉じ込め層161(AlAs1-x化合物を含有する)及び従来の電流狭窄層(AlAs化合物を含有する)の酸化速度を示す。図1に示すように、半導体エピタキシャル構造100aは、単層の活性層(すなわち、第1活性層a1)と、単層の光閉じ込め層(すなわち、第1光閉じ込め層161)とを含み、第1光閉じ込め層161は上DBR層14と活性領域Aとの間に位置する。第1光閉じ込め層161は、AlAs1-x化合物を含有し、xはそれぞれ0、0.02、0.04、0.08、0.10及び0.12である。ここで、xが0の場合、第1光閉じ込め層161が従来のAlAs化合物(すなわち、xは0.0)を含有する電流狭窄層を含むことを示している。次に、従来のAlAs化合物(すなわち、xは0.0)を含有する電流狭窄層の酸化速度を標準酸化速度(すなわち、100%で、この酸化速度は速すぎる酸化速度と考えられる)とし、各酸化速度のデータを標準化した後で下記の表2に整理した。得られた酸化速度(標準化)は、標準酸化速度(100%)より低い限り、本発明のいくつかの実施形態に対応する酸化速度(標準化)が従来のAlAs化合物(xは0.0の場合)を含有する電流狭窄層の酸化速度より低いことを示し、従来のAlAsの酸化速度より遅い。
【0043】
【表2】
【0044】
上記の表2及び図7から分かるように、AlAs1-xのx(すなわち、リン(P)含有量)が徐々に増加し、それぞれ0.02、0.04、0.08、0.10及び0.12である場合、得られた酸化速度(標準化)は89、59、37、27及び21で、酸化速度は徐々に遅くなり、制御しやすくなる傾向を示す。これは、AlAs1-x内のリン含有量が酸化速度に確実に影響を及ぼし、少なくとも上記リン含有量の特定の範囲内において、本発明のいくつかの実施形態は、より安定で容易に制御可能な酸化速度を提供できることを示す。
【0045】
次に、図1図9Aから図9F図10を参考すると、図10は、図1に示される半導体エピタキシャル構造100aによる従来の構造(電流狭窄層はAlAs化合物を含有する)の遠視野分布を示す。図9Aから図9Fの第1非絶縁領域163の平均直径d(図1)と同じように、図10の電流狭窄層の光学的な開口の直径も約8μmで、遠視野分布は連続波のバイアス電流10mAで測定して得られたものである。図9Aから図9F及び図10に示す遠視野分布によれば、各半導体エピタキシャル構造の1/e幅にそれぞれ対応する発散角が上記の表2に示される。
【0046】
上記の表2、図9Aから図9F図10から分かるように、単層の活性層及び単層の光閉じ込め層を含む半導体エピタキシャル構造の場合、AlAs化合物を含有する従来の半導体エピタキシャル構造の発散角は、約14.380度であり、本発明のいくつかの実施形態と比較すると、AlAs0.980.02化合物(すなわち、xが0.02)を、AlAs0.960.04化合物(すなわち、xが0.04)を、AlAs0.940.06化合物(すなわち、xが0.06)を、AlAs0.920.08化合物(すなわち、xが0.08)を、AlAs0.900.10化合物(すなわち、xが0.10)を、AlAs0.880.12化合物(すなわち、xが0.12)を含有する6種の半導体エピタキシャル構造100aの発散角は、それぞれ約13.297度、13.814度、14.728度、15.263度、17.744度及び18.770度であった。このことから分かるように、本発明のいくつかの実施形態は、光閉じ込め層16(例えば第1光閉じ込め層161)が特定のAlAsP化合物(或いはAlGaAsP化合物)を含有することで、AlAs化合物を含有する従来のものの発散角に似ている小さな発散角を有することができる。
【0047】
これに基づいて、従来の半導体エピタキシャル構造(電流狭窄層はAlAs化合物を含有する)と比較して、本発明のいくつかの実施形態は、単層の性層(例えばa1)と単層の閉じ込め層(例えば161)とを含んでも、得られた半導体エピタキシャル構造(例えば100a)は、確実よりも小さい発散角を提供することができる。
【0048】
(実験例3:複数層の活性層と、単層の光閉じ込め層とを含む半導体エピタキシャル構造の発散角(AlGaAsを含む従来の電流狭窄層との比較))
図4図11及び図12を参照すると、図11は、図4に示される半導体エピタキシャル構造100dによる従来の構造(電流狭窄層はAlGaAs化合物(例えばAl1-yGaAs化合物で、yは0.02である)を含有する)の遠視野分布を示す。図12は、図4に示される半導体エピタキシャル構造100d(光閉じ込め層はいずれもAlAs1-x化合物を含有し、xは0.04である)の遠視野分布を示す。図11の電流狭窄層の光学的な開口の直径、図12の第1非絶縁領域163の平均直径d(図4)及び第2非絶縁領域166の平均直径d’(図4)はいずれも約10μmであり、これらの遠視野分布は連続波のバイアス電流7mAで測定して得られたものである。図11及び図12に示す遠視野分布によれば、各半導体エピタキシャル構造の1/e幅にそれぞれ対応する発散角を下記の表3に整理した。
【0049】
【表3】
【0050】
上記の表3、図11及び図12から分かるように、複数層の活性層及び複数層の光閉じ込め層(2層の光閉じ込め層)を含む半導体エピタキシャル構造の場合、AlGaAs化合物(例えばAl1-yGaAs化合物で、yは0.02である)を含有する従来の半導体エピタキシャル構造の発散角は約26.257度であり、本発明のいくつかの実施形態と比較して、AlAs0.960.04化合物(すなわち、xが0.04)を含有する半導体エピタキシャル構造100dの発散角は約14.786度であり、AlGaAs化合物(例えばAl1-yGaAs化合物で、yが0.02)を含有する従来の半導体エピタキシャル構造の発散角よりも明らかに小さかった。このことから、本発明のいくつかの実施形態は、光閉じ込め層16(例えば第1光閉じ込め層161及び第2光閉じ込め層164)が特定のAlAsP化合物(或いはAlGaAsP化合物)を含有することで、AlGaAs化合物(例えばAl0.98Ga0.02As化合物)を含有する従来のものよりも明らかに小さい発散角を有することができる。
【0051】
これに基づいて、従来の半導体エピタキシャル構造(電流狭窄層はAlGaAs化合物を含有する)と比較して、本発明のいくつかの実施形態は、複数層の性層(例えばa1,a2)と複数層の閉じ込め層(例えば161,164)とを含んでも、得られた半導体エピタキシャル構造(例えば100d)は、確実よりも小さい発散角を提供することができる。
【0052】
(実験例4:発散角の比較─複数層の活性層と、複数層の光閉じ込め層(6層の光閉じ込め層)とを含む半導体エピタキシャル構造(AlGaAsを含有する従来の電流狭窄層の半導体エピタキシャル構造))
図6を参照すると、図6は本発明の第6の実施形態に係る半導体エピタキシャル構造100fを示す概略構成図である。図6では、半導体エピタキシャル構造100fは、6層の活性層と、6層の光閉じ込め層とを含み、このうちの5層の光閉じ込め層(すなわち、第2光閉じ込め層164、第3光閉じ込め層167、第4光閉じ込め層168、第5光閉じ込め層169及び第6光閉じ込め層160)は、活性領域Aの内に位置し、それぞれ任意の2層の活性層の間に位置し、残りの1層の光閉じ込め層(すなわち、第1光閉じ込め層161)は、上DBR層14と活性領域Aの間に位置する。各光閉じ込め層160,161,164,167,168,169に酸化処理を施した後、各光閉じ込め層160,161,164,167,168,169は、対応する絶縁領域及び非絶縁領域をそれぞれ形成し、具体的な実施態様は、前述を参照することができ、ここでその詳細な説明を省略する。いくつかの実施形態において、半導体エピタキシャル構造100fは、多層のトンネル接合層17(例えば第1トンネル接合層170、第2トンネル接合層171、第3トンネル接合層172、第4トンネル接合層173及び第5トンネル接合層174を含む)を含み、各トンネル接合層170から174はそれぞれ任意の2層の活性層a1からa6の間に位置することができる。また、各光閉じ込め層160,161,164,167,168,169、各トンネル接合層170から174及び残りの構成要素の実施態様もそれぞれ前述の各光閉じ込め層16、トンネル接合層17及び残りの構成要素の実施態様を参照することができ、ここでその詳細な説明を省略する。
【0053】
図6図13及び図14を参照すると、図13は、図6に示される半導体エピタキシャル構造100fによる従来の構造(電流狭窄層はAlGaAs化合物(例えばAl1-yGaAs化合物で、yは0.02である)を含有する)の遠視野分布を示す。図14は、図6に示される半導体エピタキシャル構造100f(光閉じ込め層160,161,164,167,168,169はいずれもAlAs1-x化合物を含有し、xは0.04である)の遠視野分布を示す。図13の電流狭窄層の光学的な開口の直径、図14の各非絶縁領域(例えば163,166)の平均直径d,d’(図6)はいずれも約20μmであり、これらの遠視野分布は連続波のバイアス電流7mAで測定して得られたものである。図13及び図14に示す遠視野分布によれば、各半導体エピタキシャル構造の1/e幅にそれぞれ対応する発散角を下記の表4に整理した。
【0054】
【表4】
【0055】
表4から分かるように、複数層の活性層及び複数層の光閉じ込め層(6層の光閉じ込め層)を含む半導体エピタキシャル構造の場合、AlGaAs化合物(例えばAl1-yGaAs化合物で、yは0.02である)を含有する従来の半導体エピタキシャル構造の発散角は約29.986度であり、本発明のいくつかの実施形態と比較して、AlAs0.960.04化合物(すなわち、xが0.04)を含有する半導体エピタキシャル構造100fの発散角は約12.264度であり、AlGaAs化合物(例えばAl1-yGaAs化合物で、yが0.02)を含有する従来の半導体エピタキシャル構造の発散角より明らかに小さかった。このことから、本発明のいくつかの実施形態は、光閉じ込め層16(例えば光閉じ込め層160,161,164,167,168,169)が特定のAlAsP化合物(或いはAlGaAsP化合物)を含有することで、AlGaAs化合物(例えばAl0.98Ga0.02As化合物)を含有する従来のものよりも明らかに小さい発散角を有することができる。
【0056】
これに基づいて、従来の半導体エピタキシャル構造(電流狭窄層はAlGaAs化合物を含有する)と比較して、本発明のいくつかの実施形態は、複数層の性層(例えばa1からa6)と複数層の閉じ込め層(例えば、160,161,164,167,168,169)とを含んでも、得られた半導体エピタキシャル構造(例えば100f)は、確実よりも小さい発散角を提供することができる。
【0057】
要するに、本発明のいくつかの実施形態において、光閉じ込め層を通じて、従来の電流狭窄層の絶縁処理(酸化処理など)速度が不安定で制御が難しいという技術的課題を解決することで、上記光閉じ込め層を含む半導体エピタキシャル構造(例:VCSEL)に発散角がよりも小さいという利点と特性を有させ、幅広い科学技術の応用に役立つ。本発明の他の実施形態において、特定の成分(例えばAlAsP化合物(又はAlGaAsP化合物))を含有する光閉じ込め層を通じて、従来の電流狭窄層の絶縁処理(酸化処理など)速度が不安定で制御が難しいという技術的課題を解決することで、光閉じ込め層を含む半導体エピタキシャル構造(例:VCSEL)に発散角がよりも小さいという利点と特性を有させ、幅広い科学技術の応用に役立つ。なお、上記の利点及び特性を組み合わせ、本発明のいくつかの実施形態において、単層の光閉じ込め層或いは複数層の光閉じ込め層を含む半導体エピタキシャル構造を問わず、より最適化した製造方法により製造されることができ、製造された半導体エピタキシャル構造(例えばVCSEL)には発散角がよりも小さいという利点及び特性も備わっている。
【0058】
本発明では好ましい実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、本明細書に添付する特許請求の範囲で画定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0059】
100a,100b,100c,100d,100e,100f 半導体エピタキシャル構造
10 基板
12 下DBR層
14 上DBR層
16 光閉じ込め層
160 第6光閉じ込め層
161 第1光閉じ込め層
162 第1絶縁領域
163 第1非絶縁領域
164 第2光閉じ込め層
165 第2絶縁領域
166 第2非絶縁領域
167 第3光閉じ込め層
168 第4光閉じ込め層
169 第5光閉じ込め層
17 トンネル接合層
170 第1トンネル接合層
171 第2トンネル接合層
172 第3トンネル接合層
173 第4トンネル接合層
174 第5トンネル接合層
A 活性領域
S1 第1光出射面
S2 第2光出射面
X 座標のX軸
Y 座標のY軸
Z 座標のZ軸
a1 第1活性層
a2 第2活性層
a3,a4,a5,a6 活性層
d,d’ 平均直径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
該基板上に位置する下DBR層と、
該下DBR層上に位置し、2つの活性層を含む活性領域と、
該活性領域上に位置する上DBR層と、
2つの前記活性層の間に位置し、AlAsP化合物又はAlGaAsP化合物を含み、前記AlAsP化合物又は前記AlGaAsP化合物のリン(P)成分のモル百分率は0%よりも大きく30%以下であり、絶縁領域と、非絶縁領域とを具備し、前記絶縁領域は前記非絶縁領域を取り囲んでいる光閉じ込め層とを含む、半導体エピタキシャル構造。
【請求項2】
前記AlAsP化合物又は前記AlGaAsP化合物のリン成分のモル百分率は、0%よりも大きく20%以下である、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項3】
前記AlAsP化合物又は前記AlGaAsP化合物のリン成分のモル百分率は、0%よりも大きく15%以下である、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項4】
前記活性領域は、2つの前記活性層間に位置するトンネル接合層を含み、
前記光閉じ込め層位は2つの前記活性層のうちのいずれかの活性層と前記トンネル接合層との間に位置する、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項5】
前記活性領域の外に位置する別の光閉じ込め層をさらに含み、
前記別の光閉じ込め層の材料は前記AlAsP化合物又は前記AlGaAsP化合物を含み、前記絶縁領域と、前記非絶縁領域とを具備し、前記別の光閉じ込め層の前記絶縁領域は前記別の光閉じ込め層の前記非絶縁領域を取り囲んでいる、請求項に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項6】
前記別の光閉じ込め層は、前記上DBR層の下又は前記下DBR層の上に位置する、請求項に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項7】
前記光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積は、前記別の光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積と同じである、請求項に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項8】
前記光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積は、前記別の光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積と異なる、請求項に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項9】
前記基板は、GaAs基板或いはGe基板である、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項10】
基板と、
該基板上に位置する下DBR層と、
該下DBR層上に位置する活性領域と、
該活性領域上に位置する上DBR層と、
活性層の外に位置し、その材料にはAlAsP化合物又はAlGaAsP化合物が含まれ、前記AlAsP化合物又は前記AlGaAsP化合物のリン成分(P)のモル百分率は0%よりも大きく30%以下であり、絶縁領域と、非絶縁領域とを具備し、前記絶縁領域は前記非絶縁領域を取り囲んでいる光閉じ込め層と、を含む、半導体エピタキシャル構造。
【請求項11】
前記AlAsP化合物又は前記AlGaAsP化合物のリン成分のモル百分率は、0%よりも大きく20%以下である、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項12】
前記AlAsP化合物又は前記AlGaAsP化合物のリン成分のモル百分率は、0%よりも大きく15%以下である、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項13】
前記光閉じ込め層は、前記上DBR層の下又は前記下DBR層の上に位置する、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項14】
前記活性領域は、2つの前記活性層を含み、
2つの前記活性領域の間に位置する別の光閉じ込め層をさらに含み、
該別の光閉じ込め層の材料は前記AlAsP化合物又は前記AlGaAsP化合物を含み、前記絶縁領域と、前記非絶縁領域とを具備し、前記別の光閉じ込め層の前記絶縁領域は前記別の光閉じ込め層の前記非絶縁領域を取り囲んでいる、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項15】
前記活性領域は、2つの前記活性層間に位置するトンネル接合層を含み、
前記別の光閉じ込め層位は2つの前記活性層のうちのいずれか活性層と前記トンネル接合層との間に位置する、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項16】
前記光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積は、前記別の光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積と同じである、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項17】
前記光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積は、前記別の光閉じ込め層の前記非絶縁領域の面積と異なる、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【請求項18】
前記基板は、GaAs基板或いはGe基板である、請求項1に記載の半導体エピタキシャル構造。
【外国語明細書】