(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152700
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】複合アブレーションモダリティのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20241018BHJP
A61N 1/32 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A61B18/12
A61N1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024064532
(22)【出願日】2024-04-12
(31)【優先権主張番号】63/496,218
(32)【優先日】2023-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/597,410
(32)【優先日】2024-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MATLAB
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トゥーシャー・シャルマ
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
【テーマコード(参考)】
4C053
4C160
【Fターム(参考)】
4C053JJ01
4C053JJ23
4C160KK03
4C160KK13
4C160KK22
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】心臓内又は心臓付近でパルスフィールドアブレーションを実行するデバイス及び方法を提供すること。
【解決手段】開示された技術は、予め決定された包含基準及び除外基準を満たす予め決定された患者群における心房細動を治療する方法であって、予め決定された患者群の各患者の肺静脈内にカテーテルを送達することと、カテーテルを使用して肺静脈の標的組織の1つ以上の位置をアブレーションすることと、パルス電界アブレーションからの1つ以上の位置のうちの各位置に対する測定された接触力及びパルス電界印加の回数の関数としてアブレーション指標を決定することと、有効性評価期間内に患者群における肺静脈隔離の予め決定された有効性率を達成することと、を含む、方法を含む。カテーテルは、パルス電界又は高周波信号のいずれかを心臓組織に放出し、パルス電界アブレーション中に先端電極が心臓組織に接して受ける接触力を測定するように構成された先端電極を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者群の心房細動を治療するためにパルスフィールドアブレーションを適用するためのシステムであって、
パルス電界又は高周波信号のいずれかを心臓組織に放出し、前記肺静脈の心臓組織の1つ以上の位置をアブレーションするように構成された先端電極を備えるカテーテル、及び、
プロセッサ、を備え、前記プロセッサが、
パルス電界アブレーション中に心臓組織に接して前記先端電極が受ける接触力を測定し、
前記1つ以上の位置のうちの各位置について、前記測定された接触力及びパルス電界印加の回数の関数として、パルスフィールドアブレーション指標を決定するように構成され、
前記システムが、有効性評価期間内に前記患者群における肺静脈隔離の予め決定された有効性率を達成するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記プロセッサが、前記計算されたパルスフィールドアブレーション指標が予め指定された目標アブレーション指標値に達することに応答して、前記パルスフィールドアブレーション適用の適用を停止するように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、
高出力で高周波信号を提供するように構成された交流(AC)信号発生器と、
高電圧パルスを提供するように構成された直流(DC)信号発生器と、を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記高周波信号及び前記高電圧パルスが、順次又は同時のいずれかで前記器官組織に印加される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記高周波信号が、およそ5グラム以上の接触力で印加される、請求項4に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2023年4月14日に出願された先に出願された米国仮特許出願第63/496,218号(代理人整理番号:BIO6845USPSP 1-253757.000392)に対する米国特許法第119条の下での優先権の利益を主張し、その全内容は、本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、心臓内又は心臓付近でパルスフィールドアブレーションを実行するデバイス及び方法に関する。デバイス及び方法は、高周波電気信号を使用するマッピング及び/又は熱アブレーションにも有用であり得る。
【背景技術】
【0003】
心房細動(AF)などの心不整脈は、心臓組織の諸領域が、隣り合う組織に電気信号を異常に伝導することによって正常な心周期を妨害し、非同期的な律動を引き起こす場合に発生する。望ましくない信号源は、典型的には、心房及び心室の組織に位置する。発信源にかかわらず、望ましくない信号は、心臓組織を通って他の位置に伝わり、不整脈を引き起こすか、又は不整脈を継続させる場合がある。
【0004】
心不整脈の治療は、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正するために、整脈を引き起こす電気信号の電動経路を遮断することができる。このような処置は典型的に、(1)マッピング、及び(2)アブレーションの2段階プロセスを含む。マッピング中、好ましくは高密度の電極を備えたエンドエフェクタを有するカテーテルが標的組織を横切って移動し、電気信号が各電極から取得され、取得された信号に基づいてマップが生成される。アブレーション中、非導電性の損傷がマップに基づいて選択された領域に形成され、これらの領域を介して電気信号を破壊する。現在、最も一般的なアブレーション技術は、電極を介して無線周波数(radio frequency、RF)電気信号を組織に印加して熱を発生させることを含む。組織全体に短時間の高電圧パルスを印加して細胞死を引き起こすことを含む不可逆的エレクトロポレーション(IRE)アブレーションは、より最近開発された技術であり、パルスフィールドアブレーション(PFA)と呼ばれることもある。典型的には、RF及びPFAは、別個の異なる技術として適用される。PFAアブレーションによって形成される損傷は、パルスのパラメータ、PFA印加の回数、並びにアブレーション電極が組織壁に押し付けられる接触力に関連する。典型的には、パルスのパラメータ、例えば、振幅、持続時間、列内のパルス数などが事前設定され、PFA印加の回数並びに接触力は、ユーザによって操作されることができ、しかしながら、ユーザは、所望の損傷深さを得るために、どの程度の接触力及び/又は印加回数が必要とされるかを確信しない場合がある。
【0005】
以前の解決方法は、2つ以上の別個のカテーテル(例えば、1つは電極電位及び温度測定用であり、別のカテーテルはアブレーション用である)を使用しており、所望の損傷深さの指標はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書に開示される実施形態は、2つの測定を容易にし、単一のカテーテルを使用して高周波電磁エネルギーを使用するアブレーションを可能にし、加えて、アブレーションが開始される前にPFAアブレーション指標を予測する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概して、本明細書に提示される例は、心房細動を治療する方法を含むことができる。この方法は、予め決定された包含基準及び除外基準を満たす予め決定された患者群における心房細動を治療する方法であって、予め決定された患者群の各患者の肺静脈内にカテーテルを送達することと、カテーテルを使用して肺静脈の標的組織の1つ以上の位置をアブレーションすることと、パルス電界アブレーションから1つ以上の位置のうちの各位置について測定された接触力及びパルス電界印加の回数の関数としてアブレーション指標を決定することと、有効性評価期間内に患者群における肺静脈隔離の予め決定された有効性率を達成することと、を含む、方法を含むことができる。カテーテルは、パルス電界又は高周波信号のいずれかを心臓組織に放出し、パルス電界アブレーション中に先端電極が心臓組織に接して受ける接触力を測定するように構成された先端電極を含むことができる。
【0008】
本開示の例示的な実施形態は、患者群における心房細動を治療するためにパルスフィールドアブレーションを適用するシステムを含む。システムは、カテーテル及びプロセッサを含むことができる。カテーテルは、パルス電界又は高周波信号のいずれかを心臓組織に放出し、肺静脈の心臓組織の1つ以上の位置をアブレーションするように構成された先端電極を含むことができる。プロセッサは、パルス電界アブレーション中に先端電極が心臓組織に接して受ける接触力を測定し、損傷が十分に耐久性があるか否かを決定することができるように、1つ以上の位置のうちの各位置について、測定された接触力及びパルス電界印加の回数の関数としてパルスフィールドアブレーション指標を決定するように構成することができる。システムは、有効性評価期間内に患者群において肺静脈隔離の予め決定された有効性率を達成するように構成することができる。
【0009】
本開示の例示的な実施形態は、焦点アブレーションカテーテルを含む。焦点アブレーションカテーテルは、ハンドルと、接触力センサと、管状部材の遠位端にある先端電極との間で長手方向軸に沿って延在する管状部材を含むことができる。先端電極は、心臓組織をアブレーションするために、プロセッサの制御下で、心臓組織の1つ以上の位置で先端電極を介して心臓組織にパルス電界又は高周波信号のいずれかを放出するように構成されたエネルギー発生器に電気的に接続することができる。接触力センサは、先端電極に物理的に接続され、プロセッサに電気的に接続されて、パルス電界アブレーション中に心臓組織に接して先端電極が受ける接触力の指標を提供することができ、それにより、アブレーション指標が、心臓内の1つ以上の位置のうちの各位置について、測定された先端電極の接触力と、パルス電界印加の回数との関数として決定される。
【0010】
上記の目的及び関連する目的の実現のために、特定の例示的な態様について、以下の説明及び添付の図面に関連して本明細書に説明する。しかし、これらの態様は、特許請求の範囲の主題の原理を用いることができる様々な方法のいくつかだけを示しており、特許請求の範囲の主題は、全てのそのような態様及びその均等物を包含することを意図したものである。他の利点及び新規な特徴は、図面に関連して考慮したとき、以下の詳細な説明から明らかになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例解として、本発明のデバイスの1つ以上の実装形態を描写している。
【
図1】開示された技術による、使用することができる例示的な医療用プローブを含む医療システムの概略描画図である。
【
図2A】開示された技術による、
図1のシステムとともに使用するためのカテーテルの側面図である。
【
図2B】開示された技術による、
図1のシステムとともに使用するためのカテーテルの斜視図である。
【
図3A】接触力センサ、三軸位置センサ、及びカテーテルシャフトに結合された先端電極を有するカテーテル遠位端の拡大斜視図である。
【
図3B】開示された技術による、
図3Aのカテーテルが心腔内の心臓壁と接触している心腔の概略断面図である。
【
図4A】開示された技術による、正面図(
図4A)及び背面図(
図4B)を含む、システムセットアップのための接続図である。
【
図4B】開示された技術による、正面図(
図4A)及び背面図(
図4B)を含む、システムセットアップのための接続図である。
【
図5】開示された技術による、必要な試験デバイス及び機能を要約する表である。
【
図6A】開示された技術による、試験のための包含基準を要約するフローチャートである。
【
図6B】開示された技術による、試験のための除外基準を要約するフローチャートである。
【
図6C】開示された技術による、試験のための除外基準を要約するフローチャートである。
【
図7】開示された技術による、分類に従って評価された各AEの強度又は重症度を要約した表を示す。
【
図8】開示された技術による、カテーテルのための推奨動作フロー設定を要約する表である。
【
図9】開示された技術、本試験のための被験者治療及び経過観察スケジュールを要約する表である。
【
図10】開示された技術による、本試験のためのPV耐久性、内視鏡検査、及び神経学的サブセットについての被験者治療及び経過観察スケジュールを要約する表である。
【
図11】開示された技術による、試験の処置中に左心房をセグメント化するためのVISITAG(商標)設定の概略図を提供する。
【
図12】開示された技術による、RFエネルギー及びPFAエネルギーを使用して患者群の心房細動を治療する方法のフローチャートを示す。
【
図13】開示された技術による、
図12のフローチャートに利用されるようなPFAのアブレーション指標の全体的なフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
参照により本明細書に組み込まれる文書は本出願の一体部と見なされるべきであり、いかなる用語も、それらの組み込まれた文書内で、本明細書で明示的又は暗示的に行われる定義と相反するように定義される場合を除き、本明細書における定義のみが考慮されるべきである。
【0013】
開示された技術の例示的な実施形態が本明細書に詳述されるが、他の実施形態が企図されることを理解すべきである。したがって、以下の説明に記載される又は図面に示される構成要素の構造及び配置の詳細に開示された技術の範囲が限定されることを意図するものではない。開示した技術は、他の実施形態が可能であり、様々な方式で実施又は実行されることが可能である。優先権出願米国特許第63/496,218号の付録に開示されたものを含む本明細書に開示される実施形態の特徴は、本明細書の教示に従って、関連技術の当業者によって理解されるように組み合わせることができる。
【0014】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に説明される意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指すことができ、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指すことができる。
【0015】
本明細書で述べる「被験者」又は「患者」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であってよい。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むが、これらに限定されない、様々な任意の適用可能なタイプのものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。対象は、例えば、任意の適用可能なヒト患者であり得ることを理解するべきである。
【0016】
本明細書で述べる「操作者」は、薬剤抵抗性心房細動の治療のための多電極RFバルーンカテーテルの被験者への送達に関連する、医師、内科医、外科医、又は任意の他の個人若しくは送達器具を含み得る。
【0017】
本明細書で考察されるように、「NIHSSスコア」は、米国国立衛生研究所の脳卒中スケール、又はNIH脳卒中スケール(NIHSS)を意味し、脳卒中によって引き起こされる障害を客観的に定量化するために医療提供者が使用するツールである。NIHSSは11項目で構成され、各項目は0から4までの特定の能力を表す。各項目について、スコア0は、典型的には、その特定の能力の正常な機能を示し、一方、より高いスコアは、ある程度の障害があることを示す。各項目の個々のスコアを合計して、患者の合計NIHSSスコアを計算する。最大可能スコアは42であり、最小スコアは0である。
【0018】
本明細書で考察されるように、「mRS」は、脳卒中又は他の神経障害の原因を患っている患者の日常活動における障害又は依存の程度を測定するために一般に使用されるスケールである修正ランキンスケール(mRS)を意味する。mRSスケールは、症状のない完全な健康から死までの0~6になる。mRSスコア0は、観察されている症状はないと理解される。mRSスコア1は、重大な障害が観察されないと理解され、また患者は、いくつかの症状にもかかわらず、全ての通常の活動を行うことができる。mRSスコア2は、わずかな障害であると理解され、また患者は、支援を伴わずに自身の世話をすることができるが、以前の全ての活動を実行することはできない。mRSスコア3は、中等度の障害があると理解され、患者はそのために何らかの介助を必要とする場合があるが、支援なしで歩行することができる。mRSスコア4は、中等度から重度の障害があると理解され、患者は、支援なく自身の身体的な要求に対処すること又は支援なく歩行することができない。mRSスコア5は、重度の障害があると理解され、患者は、一定の介護及び世話を必要とし、寝たきりで失禁状態にある。mRSスコア6は、患者が死亡したと理解される。
【0019】
本明細書で心臓組織のアブレーションに使用されるデバイス、関連する送達システム、又は治療の方法に関して述べる用語「安全性」は、有害な出血事象、注入又は過敏反応を含む、有害事象の比較的低い重症度を指す。有害な出血事象が一次安全性エンドポイントであってもよく、例えば、大出血、軽度の出血、及び任意の出血事象の複合エンドポイントの個々の要素を含む。
【0020】
本明細書で考察されるように、特に断りがない限り、「臨床的に有効な」(独立して、又は「有効」という用語を修正するために使用される)という用語は、臨床試験によって証明されており、臨床試験が、米国食品医薬品局、EMEA、又は対応する国家規制機関の承認基準を満たしていることを意味し得る。例えば、臨床試験は、本開示の心臓アブレーション装置及び関連システムの効果を臨床的に証明するために使用される、適切なサイズのランダム化された二重盲検対照試験であってもよい。最も好ましくは、例えば、患者の臨床的に有効な結果を達成するため、及び/又はこれらの罹患した静脈における肺静脈隔離を達成するために、全ての標的肺静脈に対する装置の効果を臨床的に証明することが最も好ましい。
【0021】
本明細書で論じられるように、「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関するものであり、不規則な心臓信号の発生を低減又は防止するように構成されている構成要素及び構造的特徴を指す。非熱的アブレーションには、本開示全体を通して、パルス電界(pulsed electric field、PEF)及びパルスフィールドアブレーション(pulsed field ablation、PFA)と交換可能に称される細胞死を引き起こすための不可逆的エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)の使用が含まれる。熱アブレーションには、細胞死を引き起こすための極端な温度の使用が含まれ、RFアブレーションが含まれる。本開示のデバイス及び対応するシステムに関するアブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むがこれらに限定されない特定の状態の心臓組織のアブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語は、概して、既知の方法、デバイス、及びシステムに関するものであり、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを含む。
【0022】
本明細書で考察されるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に位置付けされた2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々でほぼ等しい。「単極」とは、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、ここで、高電流密度及び高電束密度を有する1つの電極が治療部位に位置付けられ、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を有する第2の電極が、治療部位から遠隔に位置付けられる。
【0023】
本明細書で考察されるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称される)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称される)を有する電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを有する電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(direct current voltage、DC)の患者への印加を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に説明されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分中に本質的に一定の電圧振幅を有する正方形形状を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間にほぼ等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0024】
本明細書で考察されるように、「管状」及び「管」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、管状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、管状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、先細状又は湾曲した外面を有し得る。
【0025】
従来の解決方法は、(例えば、電極電位及び温度測定に1つ、アブレーションに別の1つなどの)2つ以上の別個の指示を使用してきたが、本明細書に開示される実施形態により、それらの2つの測定が容易になり、更に、高周波電磁エネルギーを使用し、単一のバルーンカテーテルを使用するアブレーションが可能になる。カテーテルは、ルーメンを有し、バルーンは、カテーテルのルーメンを通って配備される(バルーンは、ルーメンを通って、折り畳まれた、非膨張の形態に移行し、バルーンはルーメンを出ると膨張する)。バルーンは、外壁又は膜を有し、ルーメンが延在する長手方向軸を画定する遠位端及び近位端を有する。
【0026】
例示的なカテーテルベースの電気生理学マッピング及びアブレーションシステム10を示す
図1を参照する。アブレーションを実行するために、操作者24は、送達シースカテーテル14を、患者の血管系を通して心臓12の心腔又は血管構造内に挿入する。典型的には、送達シースカテーテル14は、心臓12の所望の位置付近の左心房又は右心房内に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテルに挿入して、所望の位置に到達させることができる。複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、及び/又は感知、IRE、及びアブレーション専用のカテーテルを含み得る。操作者24は、心臓12における標的部位を感知するために、カテーテル14の遠位先端部28を心臓壁と接触させて位置付けることができる。アブレーション/IREのために、操作者24は、同様に、カテーテルの遠位端を標的部位に運ぶ。アブレーション/IREカテーテル14は、心房の肺静脈の心臓電気生理学的アブレーションのための多電極高周波バルーンカテーテルであってもよく、以下により詳細に記載するように、多チャネル発生器と組み合わせて使用される場合に、薬剤抵抗性再発性症候性PAFの治療用であり得る。このようなカテーテル24は、大腿動脈、手首動脈(橈骨アクセス)を通して、又は頸動脈を通して直接に導入可能であることに留意されたい。橈骨経由及び頸動脈経由の両方のアクセスは大動脈弓を回避するが、他の欠点がある。しかしながら、3つの手法は全て、当業者には既知であると考えられる。
【0027】
カテーテル14は、遠位先端部28に複数のスパイン(
図5A及び
図5Cに示すように)にわたって任意選択的に分布し、IEGM信号を感知するように構成された、1つ、好ましくは複数の電極26を含む例示的なカテーテルである。カテーテル14は、遠位先端部28の位置及び配向を追跡するために、遠位先端部28内又はその近くに埋め込まれた位置センサ29を更に含むことができる。任意選択的にかつ好ましくは、位置センサ29は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び配向を感知するための3つの磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサである。
【0028】
磁気ベースの位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の外部磁気コイル32を含む位置パッド25とともに動作し得る。カテーテル14の遠位先端部28のリアルタイム位置は、位置パッド25によって生成され、磁気ベースの位置センサ29によって感知される磁場に基づいて追跡され得る。磁気ベースの位置感知技術の詳細は、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、及び、同第6,892,091号に記載されている。
【0029】
システム10は、位置パッド25の位置基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために配置された1つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に方向付けられ、電極皮膚パッチ38において感知され、それにより、各電極の位置を、電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの位置追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されている。
【0030】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位
図21と、カテーテル14の電極26で捕捉された心内電位図(IEGM)と、を表示する。レコーダ11は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含み得、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続され得る。
【0031】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部にある1つ以上の電極にアブレーションエネルギーを伝達するように適合されたアブレーションエネルギー発生器50を含み得る。アブレーションエネルギー発生器50によって生成されるエネルギーは、不可逆エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得るような単極性若しくは双極性高電圧直流パルスを含む、高周波(RF)エネルギー若しくはパルス場アブレーション(PFA)エネルギー、又はそれらの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。発生器50は、ワークステーション55内に設けられたプロセッサを介して制御され、予め決定された持続時間(60秒未満)にわたって事前設定電力レベル(ワット単位)でRFエネルギー(例えば、正弦波)を放出する。同様に、発生器50は、ワークステーション55内のプロセッサによって制御され、様々なパルスにおいて超短持続時間でパルスフィールドエネルギー(例えば、方形波)を放出することができる。
【0032】
発生器50は、カテーテル14を通して高周波(RF)又はパルスフィールド(PF)エネルギーを送達するための専用デバイスを含むことができる。RFエネルギーは、試験カテーテルを介して心臓内の部位に、選択された電力設定で電力制御アブレーションモードで送達される。PFエネルギーは、試験カテーテル14を介して心臓内の部位に印加される一連の短い持続時間、高電圧、高周波、単極、二相性パルス(又はパルスの「列」)からなる。発生器50は、心臓組織を標的とし、耐久性のある損傷を生成するために前臨床試験において最適化された所定の電圧、パルス長、及びパルス数でPFエネルギーを送達する。発生器50は、Biosense Webster CARTO(商標)3システム、nGEN(商標)ポンプ、及び標準的な電気生理学(EP)実験室用機器と互換性がある。発生器50は、心臓アブレーション処置中にRF又はPFエネルギーを送達するための適合性心臓アブレーションカテーテルと併せて使用するために示されている。
【0033】
患者インターフェースユニット(patient interface unit、PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム10の動作を制御するワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、位置パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50、及びレコーダ11を含み得る。任意選択的に、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの位置のリアルタイム計算を実装し、ECG計算を実行するための処理能力を追加的に含む。
【0034】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能と、を含む。ワークステーション55は、任意選択的に、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデルリングし、モデル又は解剖学的マップ20をディスプレイデバイス27上に表示するためにレンダリングすることと、(2)記録された電位
図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的指標又は画像でディスプレイデバイス27上に表示することと、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイム位置及び配向を表示することと、(5)アブレーションエネルギーが印加された位置などの関心部位をディスプレイデバイス27上に表示することと、を含む、複数の機能を提供し得る。システム10の各要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.31A Technology Drive,Irvine,CA,92618、から市販されている、CARTO(登録商標)3システムとして入手可能である。
【0035】
図2Aに示されるように、カテーテル14は、細長いカテーテル本体17と、偏向可能な中間部分19と、その遠位先端部28に少なくとも先端電極15を担持する遠位部分13と、制御ハンドル16とを含むことができる。カテーテル14は、心臓12の電気生理学的マッピングを容易にするように、またアブレーション目的のために先端電極15に高周波(RF)及びパルスフィールド(PF)電流を送信するように設計された偏向可能な先端を有する、操縦可能な多電極管腔カテーテルとすることができる。心臓専門医などの操作者24は、カテーテルの遠位部分13が患者の心臓12の心腔に入るように、患者23の血管系を通してカテーテル14を挿入することができる。操作者24は、カテーテルの遠位先端部28が所望の位置又は複数位置で心内膜組織と係合するようにカテーテルを前進させる。カテーテル14は、その近位端の好適なコネクタによって、コンソール55に接続される。コンソール55は、遠位部分13によって係合される位置において、心臓12内の組織をアブレーションするためにカテーテル14を介して高周波電気エネルギーを供給するアブレーションエネルギー発生器50を含んでもよい。アブレーションのために、カテーテル14は、分散パッド(例えば、不関電極)と併せて使用され得る。この点において、カテーテル14は、8Fのリング電極を用いて7.5Fを測定するシャフトを含むことができる。カテーテル14はまた、カテーテル先端部と心臓12壁との間の接触力のリアルタイム測定を提供する力感知システムを有し得る。
【0036】
図2Bに示されるように、遠位先端部13は、電極アセンブリと、標的組織との直接的な接触に適合された非外傷性遠位端を有する少なくとも1つの微小要素とを含むことができる。カテーテル本体17は、長手方向軸と、カテーテル本体12から軸外に一方向又は二方向に偏向可能となり得る、カテーテル本体17の遠位側の中間部分19と、を有することができる。中間部分19の遠位側には、少なくとも1つの微小要素を担持する電極アセンブリがある。カテーテル本体の近位側には、中間部分14の偏向を含む、操作者によるカテーテルの操作を可能とする制御ハンドル16がある。
【0037】
長尺のカテーテル本体は、遠位先端部13が偏向可能な中間部分19に取り付けられ、電極のアレイを有する電極アセンブリ15を含む、比較的高トルク可能なシャフトとすることができる。例えば、遠位先端部13は、3つの微小電極を有する3.5mmの先端ドームを含むことができる。これらの電極の全てが、記録及び刺激の目的で使用され得る。遠位先端部13を偏向させるために、ロッカーレバー34を使用することができる。高トルクシャフトはまた、湾曲した先端部の平面を回転させて、所望の部位へのカテーテル先端の正確な位置決めを容易にする。「D」、「F」、及び「J」と指定される3つの曲線型構成が利用可能である。電極アセンブリ15は、アブレーション発生器50から所望のアブレーション部位にアブレーションエネルギーを送達する役割を果たす。電極アセンブリ15及びリング電極は、貴金属から作製することができる。いくつかの例では、カテーテル14はまた、3.5mmの先端電極に埋め込まれた6つの熱電対温度センサを含み得る。
【0038】
図3Aは、磁気位置センサ29、接触力センサCF、及び先端電極15に結合されたカテーテルシャフト19を有するカテーテル14の例示的なエンドエフェクタを示す。先端電極15は、先端電極15上の力が先端部28を通してCFセンサのばね28Bを圧縮する可撓性結合28Aに送達されるように、先端部28のための可撓性結合28Aを介してCFセンサに結合される。すなわち、先端電極15を介して接触力センサCFに力が印加されると、CF内に配置された磁場センサは、CFセンサ内に設けられた別個の磁場発生器コイルによって生成された磁場の力の大きさの変化を検出することができる。ばね28Bのばね定数Kを予め決定することができ、磁場発生器と磁場センサとの間の距離を検出することができるので、先端電極15に印加される力を(例えば、フックの法則、又は式F=d
*Kを使用することによって)決定することができる。CFセンサに関する詳細は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,357,152号及び第10,688,278号、並びに優先権出願である米国特許出願第63/496,218号に含まれる付録に含まれるコピーに示され、説明されている。
【0039】
図3Bは、心臓12の心腔の概略断面図であり、心臓12内のカテーテル14の可撓性の偏向可能な中間部分19を示す。カテーテル14は、典型的には、大静脈又は大動脈などの血管を通って経皮的に心臓に挿入される。カテーテルの遠位先端部28の電極15は、心内膜組織31と係合する。心内膜に接触している遠位先端により加えられる圧力が心内膜組織を局所的に変形させ、その結果、電極15は、比較的大きな面積にわたって組織と接触する。図示された例では、電極15は、正面ではなく、ある角度で心内膜と係合する。したがって、遠位先端部28は、カテーテルの偏向可能な中間部分19に対して弾性接続部33で屈曲する。この屈曲は、電極と心内膜組織との間の最適な接触を促進する。
【0040】
接続部33の弾力的な性質のため、接続部の屈曲の角度は、典型的には、組織30によって遠位先端部28に対して加えられる圧力(又は遠位先端部によって組織に対して加えられる圧力と同等である)に比例する。このように、屈曲角度の測定は、この圧力の指標となる。接触力センサCFを介した圧力の指標は、確実に、所望の治療的又は診断的結果を得るのに十分な程度堅固であるが、望ましくない組織損傷を引き起こすほどは強くなく、遠位先端部が心内膜を押圧することを保証するために、カテーテル14の操作者によって使用され得る。米国特許第8,357,152号、同第9,492,639号及び同第10,688,278号(これらの開示内容は、優先権出願である米国特許出願第63/496,218号に含まれる付録のコピーとともに参照により本明細書に組み込まれる)は、このように圧力感知カテーテルを使用するシステムを記載している。カテーテル14は、このようなシステムにおいて使用されてもよい。
【0041】
アブレーションエネルギー発生器50は、高出力RF発生器を開示する米国特許第5,906,614号及び同第10,869,713号に開示されるような既知のRF発生器に従って、高周波(RF)電流を発生させることができ、両開示は、優先権出願米国特許63/496,218の付録に提供されるコピーとともに、参照することによって本明細書に組み込まれる。RF電流は、熱プロセスによってアブレーション損傷を形成する。RFアブレーションは、組織温度を上昇させ、加熱を通じて細胞を破壊する。更に、アブレーションエネルギー発生器50はまた、不可逆的エレクトロポレーション(IRE)を使用して損傷を形成するために、パルスフィールド(PF)電流も発生させることができる。IREは、細胞膜を破壊することによって細胞を破壊する、主に非熱的なプロセスである。RF及びPF信号の両方を生成することが可能なデュアルモードアブレーションエネルギー発生器50の議論は、米国特許第11,540,877号に見出すことができ、PF及びRFアブレーションを組み合わせて使用することを更に議論し、優先権出願米国特許第63/496,218号の付録に提供されるコピーとともに、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0042】
システム構成要素、セットアップ、及び接続性
本開示の電気生理学的処置を行うために、カテーテル14は、THERMOCOOL SMARTTOUCH(商標)SF Bi-Directional Navigation Catheter(Biosense Webster,Inc.(Irvine,California)から入手可能)を含むことができ、発生器50は、TRUPULSE(商標)発生器(Biosense Webster,Inc.(Irvine,California)から入手可能)を、Biosense Webster,Inc.(Irvine,California)から入手可能な以下のCEマーク付きデバイスのうちの1つ以上と組み合わせて含むことができる。
-nGEN(商標)ポンプ(D139701)
-SmartAblate灌注チューブセット(SAT001)
-CARTO(商標)3システムの患者インターフェースユニット(PIU)
-CARTO(商標)3システム及びCARTO(商標)V7.9ワークステーション
-滅菌カテーテル接続ケーブル(CR3434CT)
-多電極マッピングカテーテル
-≧8.5Fr適合性シース
【0043】
他の会社によってCEマークされた以下のデバイスも、この処置のために必要である。
-≧8.5Fr適合性シース
-電気生理学(EP)記録システム
-刺激装置
-体表面心電図(ECG)パッチ及びリード
-不関電極パッチ
-蛍光透視/X線システム
-心臓除細動器
-心臓内超音波(治験責任医師の好み、必須ではない)
【0044】
試験のために、各部位は、試験参加に必要なデバイスを指定する臨床治験計画を有する。更に、デバイスのセットアップは、使用説明書及びユーザマニュアルに従って完了されなければならない。
図4A及び
図4Bは、システム400のシステムセットアップ及び接続性についての正面図(
図4A)及び背面図(
図4B)からの接続図を示す。正面図に示されるように、システム400Aは、モニタ41と、カテーテル14と、コンソール相互通信ユニット(CIU)45と、インターフェースボックス46と、CARTO(商標)リレーボックス47と、コンソール48と、不関電極49と、CARTO(商標)コネクタ用安全プラグ51と、ECGコネクタ用安全プラグ52とを含む。背面図では、システム400Bは、モニタ41、CIU 45、インターフェースボックス46、CARTO(商標)リレーボックス47、コンソール48、不関電極49、CARTO(商標)システムPIU 54、CARTO(商標)3ワークステーション55、nGEN(商標)ポンプ60、及びペダル61を含む。CARTO(商標)システムPIUは、患者へのケーブル接続がなされる位置である。発生器50システムは、コンソール、モニタ、ペダル、接続インターフェースユニット(CIU)及びケーブルを備える。コンソールは、エネルギーの送達を制御するハードウェアを含む。モニタは、タッチ画面ユーザインターフェースを含む。それはまた、発生器及び外部デバイスと通信するソフトウェアを含む。モニタは、ユーザが、発生器のパラメータを設定し、エネルギーが送達されるときを制御することを可能にする。モニタはコンソールに直接接続されている。ペダルは、アブレーションを開始及び停止するための代替方法である。CIUは、カテーテルと不関電極とを接続し、CARTO(商標)システムへのインターフェースを可能にする。発生器の構成要素を互いに接続し、他のデバイスに接続するケーブルも存在する。必要なデバイス及び機能の概要を
図5に示す。
【0045】
典型的なRFアブレーションは、約3mmから約5mmの深さ/サイズを有する損傷を形成する。RFアブレーション損傷を形成するために使用されるパラメータの一例は、RF信号の出力を約1ワットから約400ワットに設定することである。更に、RF信号は、約1秒から約60秒にわたって維持される。RFアブレーションが組織を損傷するために熱を使用すると考えると、RF信号は典型的に、約20℃から約70℃の温度変化を組織内に生じる。この温度変化は、典型的な体温を超える温度上昇である。
【0046】
典型的なPFAは、少なくともPF信号が数度の温度変化しか生じないという点で、RFアブレーションとは異なっている。PFAは、典型的に、約4mmから約6mmのサイズの損傷を患者の組織内に形成する。損傷を形成するために、PF信号の電圧は、約900ボルトから約3000ボルトに設定される。更に、PF信号は、典型的に、特定の波形を使用して生成される。
【0047】
典型的には、PF信号送達中、ECGラインは、切断されたラインからのノイズのみが示されるように、CARTO(商標)システムPIUから一時的に切断される。このノイズは、ECGウィンドウを覆い、内科医の注意をそらし、切断前に収集されたECGが見られるのを防止する可能性がある。CARTO(商標)システムは、PF信号送達がいつ行われるかを通知され、同様に、ECGライン切断がいつ行われるかを通知されるので、CARTO(商標)システムは、操作者が注意をそらされないように、切断期間中にECGを暗くすることができる。ECGが再接続されると、CARTO(商標)システムは、ECG信号をその最大輝度に戻すことができる。代替として、又はそれに加えて、ECG信号は、0Vとして示される、又は背景ディスプレイに送信されることができる。
【0048】
試験の概要
本開示は、発作性心房細動(PAF)などの治療に関してより詳細に後述する対応する試験でより明確に理解される。この試験の目的は、PF/RFエネルギーを使用した薬剤抵抗性、症候性、発作性心房細動の被験者の治療における心房肺静脈の隔離のための、発生器50と併せたカテーテル14の全体的な安全性及び有効性を確立することであった。
【0049】
臨床治験の主な目的は、発作性心房細動(PAF)を有する被験者の治療において肺静脈隔離(PVI)のための発生器50と併せて使用されるときのSTSFカテーテルの安全性及び有効性を実証することである。特に、第1の目的は、(1)早期発症一次有害事象(PAE)(アブレーション処置後7日以内)に基づいて安全性を実証すること、及び(2)有効性評価期間(91日目~365日目)の間の心電図データ(不整脈監視デバイス上で≧30秒)に基づいて、確認された(症候性及び無症候性)心房性不整脈(心房細動(AF)、心房頻拍(AT)、又は心房粗動(AFL))エピソードの不在に基づいて、12ヶ月有効性を実証することである。
【0050】
安全性及び急性有効性は、仮定された一次エンドポイントを通して評価され、長期(12ヶ月又は「12M」)有効性は、仮定された二次エンドポイントを通して評価される。この試験の結果は、これらのデバイスのCEマーク登録を支持する証拠を提供する。急性有効性は、指標アブレーション処置の終わりにアデノシン/イソプロテレノールチャレンジ後の臨床的に関連する標的PVの電気的隔離(入口ブロックによって確認される)として定義される、急性処置成功を有する被験者のパーセンテージを意味する。PVIを達成するための非試験デバイスの使用は、急性処置失敗と見なされる。加えて、カテーテル14が挿入されているが、試験デバイス(カテーテル14及び発生器50)に関連する理由によりアブレーションを受けていない被験者は、急性有効性失敗と見なされ、非試験デバイス関連理由(例えば、ポンプ、カテーテル14及び発生器50又は市販のデバイスによる治療を排除する他の機器又は解剖学的構造)のために中断される被験者は、急性有効性失敗と見なされないであろう。
【0051】
一次安全性エンドポイントは、一次有害事象(PAE)の発生率である(カテーテル14及び発生器50が臨床治験計画毎に使用される指標アブレーション処置の7日以内)。PAEは、心房食道瘻、横隔神経麻痺(永久)、心タンポナーデ/穿孔、肺静脈狭窄、デバイス又は処置に関連する死、脳卒中/脳血管障害(CVA)、主要血管アクセス合併症/出血、血栓塞栓症、心筋梗塞、一過性脳虚血発作(TIA)、心膜炎、房室ブロック、肺水腫(呼吸不全)、及び迷走神経損傷/胃不全麻痺を含む。処置後1週間(7日)を超え、90日以下に起こるデバイス又は処置に関連する死亡、肺静脈狭窄、及び心房食道瘻は、PAEと見なされ、分析される。
【0052】
この試験の更なる目的は、処置データ、生活の質、並びに12ヶ月までの処置中及び処置後の(処置及び/又はデバイスに関連する)重篤な有害事象の発生率を評価することである。
【0053】
本試験は、発生器50と併せてカテーテル14を使用して、介入的、前向き、多施設、単一アーム安全性及び有効性評価として行われるであろう。
【0054】
本試験は、カテーテルアブレーションの候補である、薬剤抵抗性症候性PAFを有する被験者を登録する。インフォームドコンセント用紙(ICF)に署名し、全ての適格基準を満たす被験者を登録し、STSFカテーテル及びTRUPULSE(商標)発生器で治療する。135人の評価可能な被験者の最大サンプルサイズが試験において計画される。試験結果の一般化可能性を確実にするために、試験への全登録の25%以下が、単一部位で許可される。全ての試験被験者は、試験処置後12ヶ月間経過観察される。
【0055】
安全性の特徴付けの目的のために、及び治験アブレーションシステムの損傷耐久性の評価を提供するために、4つのサブセットが試験に埋め込まれる。神経学的評価(NA)、心臓コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴血管造影図(MRA)撮像(CT/MRA)、食道内視鏡検査評価(EE)、及びPVI耐久性サブセットを予測的に含む、方法。各サブセットは、30人の被験者からなり、これらの被験者は、指標アブレーション処置並びに追加の神経学的、PV、食道及びPVI耐久性評価を受ける。同じ被験者が4つ全てのサブセットに参加する。
【0056】
全ての被験者を、処置前、退院前、及び処置の7日(7~9日)後、1ヶ月(23~37日)後、3ヶ月(76~104日)後、6ヶ月(166~194日)後、及び12ヶ月(335~379日)後に評価してもよい。
【0057】
この臨床治験計画のエンドポイント及び分析集団の計画された統計分析は、(1)一次安全性エンドポイント、(2)一次有効性エンドポイント、及び(3)二次有効性エンドポイントを含む。主要有害事象率は、5%の仮定された真のPAE複合率とともに、12%の予め指定された閾値と比較される。
H0:PS≧0.12対HA:PS<0.12、
ここで、PSは一次有害事象の比率を示す。
【0058】
PAE率を12%の性能目標に対して比較する正確な二項検定を、修正された包括解析(mITT)分析セットにおいて行う。
【0059】
指標アブレーション処置の終了時における全ての標的PVの入口ブロックの確認の一次有効性率は、97%の仮定された真の急性有効性率を伴う90%の予め指定された閾値と比較されるであろう。
H0:PE≦0.90対HA:PE>0.90
ここで、PEは急性有効性成功率を示す。
【0060】
90%の性能目標に対して急性有効性成功を比較するための正確な二項検定を、プロトコル毎(PP)の分析セットにおいて行う。
【0061】
12ヶ月での有効性成功率は、65%の仮定された真の有効性率を有する50%の予め指定された閾値と比較される。
H0:P1≦0.50対HA:P1>0.50
ここで、P1は二次有効性成功率を示す。
【0062】
50%の性能目標に対して12ヶ月の有効性成功を比較する正確な二項検定を、PP分析セットにおいて行う。
【0063】
試験の成功が両方の一次エンドポイントについて満たされる場合、次いで、12ヶ月有効性成功率を50%の性能目標(65%の予測無再発率を有する)と比較するための二次仮説が試験される。
【0064】
一次エンドポイント分析は、全ての被験者が3ヶ月の経過観察を完了したときに行われる。この一次エンドポイント分析レポートは、CEマーク適用書類の一部となる。
【0065】
データ監視委員会(DMC)は、定期的な間隔で臨床安全性データを評価し、臨床安全性データを評価し、試験適応に関する推奨を行うために設立され、一方、臨床事象委員会(Clinical Events Committee)(CEC)は、一次安全性エンドポイント事象を判断する。
【0066】
独立したコア研究所は、心房性不整脈の存在について遠隔不整脈監視及びECGトレーシングの客観的評価を行い、安全性の評価のために収集画像(脳MRI、内視鏡検査、CT/MRA)の独立した分析を行う。
【0067】
試験期間は、およそ17~19ヶ月である:登録段階については5~7ヶ月、一次エンドポイント評価については3ヶ月、及び有効性評価については更に12ヶ月。データは、例示の目的で本明細書に提示されるものとして理解されるべきであり、開示された技術の範囲を任意の方法で限定するものとして、又は任意の代替的若しくは追加的な実施形態を除外するものとして解釈されるべきではない。
【0068】
被験者は、アブレーション処置のために電気生理学(EP)検査室に到着し、病院の標準プロトコル(治験責任医師の裁量)に従って処置のための準備を受ける。AFアブレーション処置は、(1)左心房(LA)の解剖学的マッピング、(2)カテーテル14及び発生器50を使用したPF/RFエネルギーによる肺静脈(PV)隔離、(3)アデノシン/イソプロテレノールチャレンジによるPV隔離(入口ブロック)の確認、(4)必要に応じて、PF/RFエネルギーの追加印加による急性再接続の治療、及び(5)処置の終了時の全ての標的PVの入口ブロックの確認を含む。
【0069】
この臨床治験計画では、PFモダリティは、PVIを達成するための主要モードとして使用される。電力制御された灌注式RFは、臨床判断及び治験責任医師の裁量により、前壁及び隆線に使用することができる。全ての被験者は、PVIが達成され、入口ブロックによって隔離が確認されるまで、治験デバイスを用いてPVアブレーションを受ける。治験デバイスでPVIを達成することができない場合、本試験で使用されるRFシステムを含む市販の(RF)システムを使用して処置を完了することができる。
【0070】
右心房噴門三尖弁峡部(CTI)線形アブレーションは、指標アブレーション処置の前又は間のいずれかに、確認された典型的心房粗動(AFL)を伴う場合にのみ許容される。CTIラインは治験デバイスでは達成できず、市販の(RF)システムを使用して処置を完了することができる。
【0071】
発生器50を有するカテーテル14の安全性及び急性有効性は、一次エンドポイントを通して評価され、12ヶ月有効性は、二次エンドポイントを通して評価されるであろう。本試験の一次エンドポイントは、(1)指標アブレーション処置の7日以内に安全性を実証すること、及び(2)指標アブレーション処置の終了時にアデノシン/イソプロテレノールチャレンジ後に臨床的に関連する標的PVの電気的隔離(入口ブロックによって確認される)として定義される急性有効性(処置成功)を実証することを含む。二次エンドポイントは、処置後91~365日目の間の心電図データ(不整脈監視デバイスで30秒以上)に基づいて、確認された(症候的及び無症候的)心房性不整脈エピソード(心房細動(AF)、心房頻拍(AT)、又は心房粗動(AFL)を含む)の不在によって定義される12ヶ月有効性を実証することを含む。急性処置失敗(すなわち、臨床的に関連する標的PVのいずれかにおいてカテーテル14及び発生器50を用いて入口ブロックを達成することの失敗)は、12ヶ月有効性失敗と見なされる。
【0072】
更なる有効性エンドポイントとしては、PVI耐久率、1回の処置の成功、確認された症候性心房性不整脈がないこと、確認された症候性及び無症候性心房性不整脈の不在、非試験デバイスの使用、急性再接続、反復アブレーション処置、生活の質(QoL)、及び心血管事象のための入院が挙げられる。
【0073】
PVI耐久率に関して、本試験は、(1)指標アブレーション処置後75日(+/-15日)の電気解剖学的マッピングによって確認されるように、耐久的に隔離されている指標アブレーション処置における標的PVのパーセンテージ、及び(2)指標アブレーション処置後75日(+/-15日)の電気解剖学的マッピングによって確認されるように、耐久的に隔離された標的PVを有する被験者のパーセンテージを評価する。
【0074】
単一処置の成功については、本試験は、単一指標アブレーション処置に続く有効性評価期間(91日目~365日目)日目)の間の心電図データ(不整脈監視デバイスで≧30秒)に基づいて、確認された症候性心房性不整脈(AF、AT又はAFLの原因不明*)エピソードの不在として成功を定義する。
【0075】
確認された症候性心房性不整脈(原因不明のAF、AT又はAFL*)の不在について、本試験は、有効性評価期間(91日目~365日目)中の心電図データ(不整脈監視デバイスで≧30秒)に基づいてエピソードを評価する。急性処置の失敗もまた、12ヶ月の症候性再発のないエンドポイントの失敗と考えられる。
【0076】
確認された(症候性及び無症候性)心房性不整脈(原因不明のAF、AT又はAFL)エピソードの不在については、有効性評価期間(91日目~365日目)中の心電図データ(不整脈監視デバイスで≧30秒)に基づいて、追加の失敗モードで評価される。以下の基準のいずれかを満たす被験者もまた、有効性失敗と見なされる。
-急性の処置成功を達成できないこと。
-有効性評価期間(3ヶ月来院日-365日目)の間に、心房性頻脈性不整脈(AF、AT、若しくは原因不明のAFL*)のために新しい抗不整脈薬(AAD)(クラスI/クラスIII)を服用すること、又は以前に失敗したクラスI/III AADを、AF/AFL/ATのための最高無効履歴用量よりも多い用量で服用すること。
-ブランク期間における原因不明のAF/AT若しくはAFLについての1回より多い反復アブレーション、又は有効性評価期間中の原因不明のAF/AT若しくはAFLについての任意の反復アブレーション*。
【0077】
この試験はまた、(1)全ての臨床的に関連する標的PVの間の、及び被験者によるPVI(すなわち、タッチアップ)、又は(2)指標アブレーション処置中の左心房非PV AF標的(すなわち、後壁)アブレーション、又はブランク期間中の反復処置の目的のための非試験デバイスの使用を評価する。「指標アブレーション処置」という用語は、本明細書では、アブレーション中にアブレーション指標(AI)が得られるアブレーション処置の略語として使用される。アブレーションは、以下でより詳細に説明するように、パルス列の反復印加によって実行される。手短に言えば、アブレーション処置は、各反復印加の間におよそ1秒を有し得る。各印加は、AIを計算して表示することができる。いくつかの実施形態では、AIは、計算されたΔAIに従って、各印加後に徐々に増加することができる。
【0078】
急性再接続は、全ての臨床的に関連する標的PVの間のアデノシン/イソプロテレノールチャレンジによって、及び被験者によって同定される。
【0079】
本試験は、12ヶ月のFU期間内の左心房不整脈(原因不明のAF、AT又はAFL*)のための反復アブレーション処置を評価して、(1)ブランク期間(指標アブレーション処置後≦90日)中に反復アブレーションを有する被験者のパーセンテージ、(2)ブランク期間(指標アブレーション処置後91~365日目)後の反復アブレーションを有する被験者のパーセンテージ、(3)指標アブレーション処置で治療された標的PVによる、及び被験者による、反復アブレーション処置の間に観察されたPV再接続率、並びに(4)非PV標的による反復アブレーションを伴う被験者の率を決定する。
【0080】
生活の質(QoL)評価は、アブレーション処置の前と、アブレーション処置の3ヶ月後、6ヶ月後及び12ヶ月後の、生活の質(Quality-of-Life)(AFEQT(商標))スコアに対する心房細動効果を比較する。12ヶ月の経過観察を通じた心血管事象のための入院は、ベースラインの12ヶ月前と比較される。
【0081】
安全性に関する試験の一次エンドポイントには、早期発症一次有害事象(PAE)の発生率(1つ以上の治験デバイスを使用したアブレーション処置の7日以内)が含まれる。本開示全体を通して、有害事象(AE)は、治験中の医療デバイスに関連しているか否かにかかわらず、被験者における任意の有害な医学的発生であることが理解される。
図7は、分類に従って評価された各AEの強度又は重症度を要約した表を示す。本開示の目的のために、AEは、デバイス又は処置に関連しているか否かにかかわらず、試験中に被験者に生じるいかなる望ましくない経験(徴候、症状、病気、異常な検査値、又は他の医療的事象)であり得る。経過観察で観察された身体的所見(バイタルサインを含む)、又はベースラインと比較して悪化した既存の身体的所見は、治験責任医師が臨床的に重要であると判断した場合には有害事象である。試験に関しては、被験者がスクリーニングされた時点で存在する医学的状態はベースラインと見なされ、AEとして報告されない。このような条件は、以前に報告されていない場合には、背景の病歴に追加する必要がある。しかしながら、試験中に被験者の状態が悪化した場合は、そのような状態はAEとして記録することができる。
【0082】
同様に、事象が心血管性である場合、事象が重篤な有害事象である場合、原因作用が治験デバイスに関連する、アブレーション処置に関連する、又は不明である場合のいずれかに該当する場合には、有害事象と見なすことができる。対照的に、以下の臨床事象は、この試験では有害事象とは見なされなかった:心膜摩擦音及びECG変化の有無にかかわらず、胸膜の不快感として定義されるアブレーション処置に起因する軽微な心膜炎、指標アブレーション処置のための入院中又は試験期間全体を通して、薬理学的又は同期電気心臓除細動を必要とするAF/AFL/ATの再発。しかしながら、アブレーション後に生じる左心房粗動の新たな発症はAEであり、AF又は既存のAFL/AT自体のための再アブレーションはAEではないが、処置合併症はAEと見なされ、対応可能な時間帯内で報告されなければならない。
【0083】
本開示における重篤な有害事象(SAE)は、以下の基準のうちの1つ以上を満たす事象である:死につながる事象、生命を脅かす病気又は負傷、身体構造若しくは身体機能の恒久的な障害、患者内入院又は既存の入院の延長、生命を脅かす病気又は負傷或いは身体構造若しくは身体機能の恒久的な障害を防止するための医学的介入をもたらす被験者の健康の重篤な悪化につながる事象、胎児仮死、胎児死、又は先天性異常若しくは先天性欠損症をもたらす事象。試験への被験者の登録前から存在する状態のための計画された入院は、SAEの定義を満たすことができないことが理解される。AEは、事象が医療施設への(例えば一泊などの)滞在を必要とする場合に「入院」の基準を満たす。病院への滞在に至らない緊急治療室への訪問は、他の重篤な結果のうちの1つとして評価した。更なる参照のために、
図15に各AEの強度又は重症度の分類を要約したものを示す。
【0084】
試験の追加の安全性エンドポイントは、深刻な有害デバイス効果(SADEs)の発生率、予期しない(深刻な)有害デバイス効果(UADE及びUSADE)の発生率、指標アブレーション処置の7日以内(早期発症)、8~30日以内(周術期)及び>30日以内(遅発性)の深刻な有害事象(SAE)の発生率、並びに非深刻な有害事象(非SAE)の発生率を含む。
【0085】
神経学的評価(NA)のために、被験者のサブセットは、神経学的評価(NA)サブグループを表す。被験者は、神経学的症状の不在(無症候性)又は存在(症候性)のいずれかを有するアブレーション後脳塞栓の発生率について評価される。特に、無症候性脳塞栓症は、急性臨床症状を全くもたらさない塞栓による脳内の血管閉塞として定義される。神経学的症状の存在(症候性)又は不在(無症候性)は、参加病院の現場神経内科医によって決定される。脳MRIデータは、独立したコア研究所によって分析される。
【0086】
合計30人の被験者が、アクセス可能なMRI能力を有し、試験に参加するために利用可能な認定された神経内科医を有する施設において、このサブセットに予め含まれる。NAサブセットに登録された全ての被験者は、NAサブセットに特異的な追加の除外基準を含む、全ての包含基準及び除外基準を満たす。
【0087】
NAサブセット被験者は、一般的な経過観察スケジュールに加えて、脳MRI、国立衛生研究所脳卒中スケール(NIHSS)、修正ランキンスケール(mRS)、ミニメンタルステート検査(MMSE)及び神経学的発生の評価のための一般的な神経学的評価を含む追加の評価を受けるであろう。
【0088】
神経学的評価サブセットのための更なる安全性エンドポイントとしては、磁気共鳴画像法(MRI)評価によって決定される、アブレーション後に観察される新たなアブレーション後無症候性及び症候性脳塞栓の発生、解剖学的位置及びサイズ、ベースラインと比較した、アブレーション後及び経過観察時の新たな又は悪化する神経学的欠損の発生率、並びにベースライン、アブレーション後及び経過観察時(損傷が以前の評価において同定された場合)のミニメンタルステート検査(MMSE)、国立衛生研究所脳卒中スケール(NIHSS)及び修正ランキンスケール(mRS)の概要が挙げられる。
【0089】
食道内視鏡検査(EE)のために、試験被験者のサブセットは、食道とLAとの間の接触領域の領域における内視鏡的に検出された熱的食道損傷(EDEL)の存在を評価するために、一般的な経過観察スケジュールに加えて、アブレーション処置後1~3日以内に食道内視鏡検査を受ける。アブレーション後のEDELの有無は、コア研究所の独立した胃腸科医によって決定される。
【0090】
これらの30人の被験者は、アクセス可能な内視鏡検査能力を有する施設及び試験に参加するために利用可能な認定された消化器内科医によって、将来的に含まれる。EEサブセットに登録される全ての被験者は、EEサブセットに特異的な追加の除外基準を含む、全ての包含基準及び除外基準を満たす。
【0091】
食道内視鏡検査サブセットについての更なる安全性エンドポイントは、処置後内視鏡検査によって決定される食道と左心房(LA)との間の接触領域の領域における内視鏡的に検出された食道熱損傷の発生を実証する。
【0092】
試験被験者の更なるサブセットを心臓CT/MRAサブセットに登録し、ベースラインCT/MRAに加えて3ヶ月のCT/MRAを行い(全ての被験者はベースラインCT/MRAを有する)、アブレーション後PV狭窄の発生率を評価する。合計30人の被験者が、CT/MRA画像化のための適切な機器を有する位置でCT/MRAサブセットに含まれる。
【0093】
このサブセットに加えて、PV狭窄の徴候又は症状を有する任意の被験者は、アブレーション後CT/MRAを受ける。これらの被験者は、CT/MRAサブセット分析に含まれない。重度のPV狭窄が存在する場合、それは有害事象として報告される。CT/MRAデータは、独立したコア研究所によってPV狭窄について分析される。
【0094】
このサブセットの更なる安全性エンドポイントは、コンピュータ断層撮影(CT)/磁気共鳴血管造影(MRA)評価によって決定されるように、アブレーション後3ヶ月までのPV狭窄の発生を実証する。
【0095】
30人の試験被験者のサブセットが、PVI耐久性サブセットに登録され、指標アブレーション処置及び一般的経過観察スケジュールに加えて、指標アブレーション処置後75日(+/-15日)に電気解剖学的再マッピング処置を受ける。再マッピングは、指標アブレーション処置において生成された肺静脈隔離の耐久性を評価することを目的とする。損傷耐久性の評価は、参加部位でアブレーション内科医によって行われる。
【0096】
追加の処置エンドポイントは、総処置時間、PVI時間、PF/RF適用時間及びマッピング時間、左及び右PVによる、並びに被験者によるPF/RF適用の回数、総蛍光透視時間、全試験カテーテル左心房滞留時間、使用されるアブレーション設定;及び麻痺の使用及び麻酔のタイプを含むがこれらに限定されないデータを評価する。
【0097】
患者選択
本試験で指定された患者選択、方法、人員、施設、及び訓練に関する基準は、この処置を受けている被験者に対するリスクを最小限に抑えることを目的とした。
【0098】
図6A~
図6Cに示すように、試験への登録前に患者を慎重に事前スクリーニングして、包含基準及び除外基準の遵守を確実にした。合計135人の被験者が試験に参加した。4つのサブセット(NA、CT/MRA、EE及びPVI耐久性)の各々は、30人の被験者からなり、主試験内に統合される。
【0099】
包含基準には、(1)自発的に又は発症の7日以内に介入して終了するAFとして定義される症候性発作性AFと診断された患者、(2)PVIによってAFアブレーション処置のために選択された患者、(3)再発性症候性AFによって証明されるように、少なくとも1つのAAD(クラスI~IV)に失敗したか、又はAADに対して耐えられない若しくは禁忌であった患者、(4)18~75歳の患者、(5)同意を提供する意思があり、かつ提供することが可能である患者、並びに(6)全ての事前、事後、及び経過観察検査及び要件に従うことが可能であり、かつ従う意思がある患者が含まれた。除外基準は以下を含む。
1.電解質平衡異常、甲状腺疾患、又は可逆性若しくは非心臓性の原因(例えば、確認された閉塞型睡眠無呼吸、急性アルコール中毒、病的肥満(肥満度指数>40kg/m2)、腎機能不全(推定クレアチニンクリアランス<30mL/分/1.73m2))に続発する既知のAF。
2.以前のLAアブレーション又は手術
3.PV領域外のアブレーションを必要とすることが知られている患者(例えば、房室リエントリー性頻脈、房室結節リエントリー性頻脈、心房頻拍、心室性頻脈、及びウォルフ-パーキンソン-ホワイト)。
4.以前に持続性AFと診断された(持続時間>7日)
5.LAの重度の拡張(経胸腔心エコー検査(TTE)の場合、LAD>50 mm前後径)。
6.LA血栓の存在。
7.重度に損なわれた左心室駆出率(LVEF<40%)
8.制御不能な心不全又はニューヨーク心臓協会(NYHA)機能クラスIII若しくはIV
9.血液凝固、出血異常又は抗凝固(ヘパリン、ワルファリン、又はダビガトラン)に対する禁忌の病歴
10.過去6ヶ月以内の確認された血栓塞栓性事象(TIAを含む)の病歴
11.過去2ヶ月以内の以前の経皮冠動脈インターベンション(PCI)/心筋梗塞(MI)
12.弁手術、心臓手術(例えば、脳室切開、心房切開術)又は心臓弁(外科的又は経皮的)処置と組み合わせた以前の冠状動脈バイパス移植(CABG)
13.過去6ヶ月以内の不安定狭心症
14.今後12ヶ月以内に予測される心臓移植、心臓手術、又は他の大手術。
15.慢性症状を引き起こす重度の肺疾患(例えば、拘束性肺疾患、収縮性又は慢性閉塞性肺疾患など)又はその他の肺若しくは呼吸器系の疾患若しくは機能不全
16.治験責任医師の意見では、この試験への登録を妨げるであろう既知の有意なPV異常。
17.肺静脈狭窄の事前診断
18.既存の半横隔膜麻痺
19.急性疾患又は活動性の全身感染若しくは敗血症
20.心臓内血栓症、粘液腫、腫瘍、心房間バッフル若しくはパッチ、又はカテーテルの導入若しくは操作を妨げる他の異常の存在
21.重度の僧帽弁逆流
22.パルス電界エネルギーに干渉する可能性がある埋め込み型ペースメーカー又は埋め込み型除細動器(ICD)又は他の埋め込み型金属心臓デバイスの存在
23.血管アクセスを妨げる状態(下大静脈(IVC)フィルタなど)の存在
24.重度の先天性異常又は治験責任医師の意見においてこの試験への登録を妨げる医学的問題
25.脆弱な集団として分類され、幸福の保護に関して特別な治療を必要とする
26.別のデバイス、又は薬剤を評価する治験試験への現在の登録
27.妊娠中(閉経前の場合は妊娠検査で証明される)、授乳中の女性、又は出産可能年齢であり、臨床治験の過程で妊娠を計画している女性
28.12ヶ月未満の可能性が高い平均余命
29.それぞれの使用説明書(IFU)に示されるように、試験で使用されたデバイスの禁忌を提示する
【0100】
神経学的評価(NA)被験者についての追加の除外基準は、(1)進行した腎臓疾患、閉所恐怖症などに起因する造影剤の使用などのMRI検査についての禁忌(PI裁量で)を有する患者、(2)体内の鉄含有金属断片の存在を有する患者、及び(3)未解決の既存の神経学的欠損を有する患者を含んだ。食道内視鏡検査(EE)被験者の更なる除外基準には、制御されていない重度の胃食道逆流疾患(GERD)を有する患者が含まれた。
【0101】
登録前の注意深いスクリーニングに加えて、被験者は、血栓塞栓性合併症の可能性を減少させることを意図したLA血栓の存在についてスクリーニングするために、前処置の経食道心エコー図(TEE)又は他の撮像技術を有しなければならない。2020 ESC AF Management Guidelinesに従って、全ての被験者は、処置後少なくとも2ヶ月間、全身性経口抗凝固療法を維持することが推奨される。処置から2ヶ月後に、全身抗凝固剤の継続に関する決定は、患者の血栓塞栓症リスクに基づくであろう。全身性経口抗凝固は、CHA2DS2-VAScスコア≧2を有する患者において、アブレーション後2ヶ月を超えて継続されることが推奨される。
【0102】
加えて、処置の前に、抗凝固療法は、処置の前に中断又は停止されるべきではなく(これは、用量が見逃されるべきではないことを意味する)、毎日のレジメンが継続されるべきである。1回の投与は、標準治療に従って、処置の前日の夕方に省略することができる。AAD療法及びプロトンポンプ阻害剤(PPI)の投与は、施設の標準治療に従って管理されるべきである。
【0103】
処置後、抗凝固療法は、アブレーション後少なくとも2ヶ月間強く推奨される。アブレーション後2ヶ月を超える全身性抗凝固の継続に関する決定は、被験者の脳卒中リスクプロファイルに基づくべきである。ガイダンスによれば、全身抗凝固は、≧2のCHA2DS2-VAScスコアを有する被験者において処置後2ヶ月を超えて継続されることが推奨される(臨床的考慮に基づいて禁忌と見なされない限り)。内視鏡検査が処置後に行われる場合、処置後少なくとも6週間のPPI投与が必須である。試験中のAAD管理は、治験責任医師の裁量による。臨床徴候を治療するために必要とされる更なる投薬は、治験責任医師の裁量による。
【0104】
試験アブレーション処置ガイドライン
発生器50は、カテーテル14へのRF及びPFエネルギーの送達を制御することが可能である。発生器50は、ユーザがエネルギータイプを選択し、アブレーションを印加することを可能にするタッチ画面を含む。エネルギー送達の前に、アブレーション画面上でRF又はPFが選択されているか否かを検証する必要がある。開始ボタンはドラッグ機能を含む。開始ボタンがドラッグされるか又はペダルが押された後、アブレーションが開始するまでカウントダウンが行われる。停止ボタンが押されるか、又はペダルが解放されると、エネルギーの送達が終了する。RFアブレーションを実行するために、ユーザは、アブレーション画面から標的電力及び時間を選択する。ユーザは、セットアップ画面からカットオフ温度及び警告温度を設定し得る。
【0105】
カテーテル14とともに使用されるとき、蠕動灌注ポンプ(例えば、nGEN(商標)ポンプ60)は、カテーテル14が体内にあるとき、室温のヘパリン化生理食塩水(1uヘパリン/1mL生理食塩水)の2mL/分の連続注入を送達する。カテーテル14の推奨動作フロー設定を
図8に示す。
【0106】
図9及び10は、PV耐久性、内視鏡検査、及び神経学的サブセットを含む、試験のための被験者治療及び経過観察スケジュールを要約する。患者のインフォームドコンセントを収集するための処置は、同意の60日以内に行われなければならない。病歴は、前処置に収集及び確認されなければならず、不整脈、AAD療法の失敗、心疾患(NYHA)、バイタルサイン、CHA
2DS
2-VAScスコア及び血栓塞栓性事象を含まなければならないが、これらに限定されない。妊娠検査は、妊娠可能年齢及び可能性のある全ての女性に対して行われなければならず、アブレーション処置の前72時間以内に完了されなければならない。左心房(LA)及び左心室駆出率(LVEF)評価のために、イメージングは、LA及びLVEFを評価するために処置前の6ヶ月以内に行われなければならず、イメージング評価が6ヶ月より古い場合、LA/LVEF寸法は、試験カテーテルの挿入前の指標アブレーション処置中に再測定されるものとする。左心房血栓検出は、以下のモダリティTEE、ICE、CT検査、MRI検査のうちの1つを使用して心房血栓の存在を除外するために、処置の前日又はアブレーション処置の日に行われなければならない。12誘導ECG記録からのデータを収集する(前処置のために、ICFシグネチャーの前に実施することができる)。遠隔監視による不整脈監視は、1ヶ月の経過観察来院から5ヶ月の経過観察の終わりまで週1回、6ヶ月の経過観察来院から月1回、被験者が症状を感じたときはいつでも行われる。24Hホルターを介した不整脈監視を、被験者に接触する部位に対して行い、誘導ホルター心電図中に何らかの症状を経験したかどうかを検証する。指標アブレーション処置後の任意の反復アブレーションに関する情報が収集される。併用薬は、心臓(すなわち、抗不整脈薬、抗凝固療法)及び指標アブレーション処置関連(すなわち、アデノシン、抗凝固(すなわち、ヘパリン、鎮痛剤))を含んでもよい。有害事象は、被験者がインフォームドコンセントに署名した時点から先に収集しなければならない。患者の質問票は、検証された言語を有する国においてのみ使用される。全ての被験者について:CT/MRAは、指標アブレーション処置の前の6ヶ月以内に完了される。処置後:CT/MRAサブセットについては、3ヶ月の経過観察で反復され、全ての被験者については、被験者がPV狭窄症状を示す場合に処置後にCT/MRAが反復される。PV耐久性サブセットについて:電気解剖学的マップ、活性化及び電圧再マッピングは、処置の前及び後に行われ、処置の75日後(+/-15日)に反復される。内視鏡検査サブセットについて:内視鏡検査は、好ましくは処置後1日~3日(72時間)である。金曜日の処置については、最大96時間のウィンドウが正当化される。処置後MRIで観察が記録された場合、被験者は、観察が解決されるまで、次の経過観察来院時に経過観察MRIを受けなければならない。認定された/資格のある医師の専門家は、マイクロ塞栓/神経学的欠損の以前の所見を待って、アブレーションの前及び後に、並びに場合によっては他の経過観察来院時に神経学的検査を実施しなければならない。神経学的サブセット被験者については、脳MRI、神経学的検査、NIH脳卒中スケール、mRS、及びMMSEは、処置前72時間以内に完了しなければならない。月曜日の処置については、最大96時間のウィンドウが正当化される。脳MRI、神経学的検査、及びNIH脳卒中スケール前退院は、処置後72時間以内に完了しなければならない。金曜日の処置については、最大96時間のウィンドウが正当化される。神経学的症状及び/又は脳虚血損傷が以前の評価において、具体的には1ヶ月目、3ヶ月目、6ヶ月目、及び12ヶ月目に同定された場合、完全な神経学的経過観察が行われる。被験者が、治験責任医師の裁量により必要とされると見なされるCIP定義の来院スケジュール外の潜在的な試験関連心血管又は神経学的来院に戻る場合。評価は、CIPで規定された時間制限内に標準治療毎に既に行われている場合、試験のために反復されるべきではない。
【0107】
アブレーション治療を予測及び制御するために、損傷サイズに対応する普遍的かつ線形のPFAスケールを有することが望ましいと思われる。RFアブレーションについて、可能なスケールは、カテーテルによって組織に印加される力Fと、アブレーション処置中に散逸する電力Pと、処置の時間Tとの積に比例すると仮定される損傷サイズSに対応し得る。RFアブレーション指標は、米国特許第7,306,593号、同第10,517,670号、及び同第11,096,741号に記載され、示されており、優先権出願米国特許63/496,218に含まれる付録に提供されているコピーとともに組み込まれる。このRFアブレーション指標を利用するソフトウェア製品は、Biosense Websterカテーテル及びシステムとともに使用するためのVisitag SurpointソフトウェアモジュールとしてBiosense Websterによって提供されている。PFAを介したアブレーション指標は、米国特許出願公開第2021/0186604号に記載され、示されており、優先権出願米国特許出願公開第63/496,218の付録に提供されるコピーとともに参照により組み込まれる。
【0108】
RFアブレーションの可能なスケールは、電力Pを伴うが、電力は、デバイス毎のプロトコル毎に固定される。PFAの損傷サイズとの関係は、主に、以下の式:P=HI2におけるパルス発生器RMS出力電流Iを介したパルス及びパルス列の反復の数に基づいており、式中、Hは定数である。この式は、以下のPFAアブレーション指標に関する議論の全てに適用される。
【0109】
したがって、この仮定による損傷サイズSを推定するためのスケールは、式1のSを使用して得ることができる。
S=K・F・P・T (式1)
式中、Kは、比例定数であり、P=H・Vp
2であり、式中、Vpは、PFAパルス発生器のピーク出力電圧であり、組織内のピーク電界Epは、Vpに比例する。比例定数は、電極間の間隔を含むカテーテルのタイプに依存する。
【0110】
式1から明らかなように、式によって得られる損傷サイズの推定値がF、P、及びTに線形比例するのは、式中でこれらの変数の各々が1でべき乗されているためである。すなわち、式1サイズSは、F、P、及びTの線形関数である。実際には、損傷サイズの推定値は、PFAの各印加i後に、各組織位置におけるPFA印加の「i」回としてカウントされる印加(好ましくは、i=24 PFA印加)の最大数まで増分される。
【0111】
実際には、損傷サイズと、F、P、及びTとの関係は、非線形であることが証明されており、したがって、PFAスケールも非線形になるであろう。この観察に続いて、開示された発明の例示的な実施形態は、F、P、及びTの値から損傷サイズのより正確な推定を提供し、損傷サイズのより正確な推定は、F、P、及びTの非線形関数を含む式の時間に対する積分を求めることによって得られる。この推定は、組織内に生成される損傷の体積、損傷の深さ、及び/又は損傷の直径を推定することとは別に、所望のサイズに達したときにPFAを停止するように、組織のPFA中に印加され得る。
【0112】
本発明の例示的な実施形態では、ユニバーサルPFA線形スケール(以下、「アブレーション指標」、AIPFA又は「PFA AI」と称する)は、接触力と反復の数との積の期間にわたる合計を計算することによって導出される。
【0113】
いくつかの例示的な実施形態では、印加された力とPFAパルスの印加回数との合計であるPFA AIが提供される。PFA AIの値(損傷の異なるサイズ/体積に対する)は実験的に決定され、較正される。所与のタイプの心構造、及び所与の組織特性について、アブレーション指標の値は、損傷サイズの反復可能な予測因子であると予想される。更に、PFA AIの所与の値の損傷サイズは、異なる構造及び組織特性によって異なり得る。
【0114】
PFAにおける電力は一定である。いくつかの実施形態では、アブレーションのための電力の1つの設定があり、ユーザは電力パラメータを調整しなくてもよい。パルスフィールドアブレーションは、非常に短いパルス列(例えば、<0.5秒)で出力を送達しており、米国特許出願におけるように、優先権出願米国特許63/496,218の付録に提供されるコピーとともに参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2021/0186604号時間の関数として定義される力率に部分的に指標を基づかせるのではなく、印加の回数nに基づく個別のアブレーション指標が提供されている。したがって、パルスフィールドアブレーション指標(AIPFA)は、式2の式によって定義され:
【0115】
【数1】
式中、nは、PFAパルスの印加の回数に等しく(以下、「PFA印加」と呼ぶ)、パルスの最大数に等しい最大値24を有し、パルスの各印加に対するアブレーション指標AI
nは、係数Aを乗じた深さに等しく、深さは、各印加に対する力の対数関数(力
n)であり:
AI
n=A
*(B
n
*ln(力
n)+C
n) (式3)
式中、Aは90~130の範囲の数、好ましくは110に等しい数であり、B
nは次式によって決定されるパラメータであり:
B
n=B
0
*ln(n)+B
1 (式4)
式中、B
0は、およそ0.2653に等しく、B
1は、およそ0.1623に等しく、C
nは式によって決定されるパラメータであり:
C
n=C
0
*exp(C
1
*n) (式5)
式中、C
0は、およそ0.6862に等しく、C
1は、およそ0.0867に等しい。
【0116】
いくつかの実施形態では、Bn及び/又はCnは、各々独立して、PFAパルスの全ての印加に対して一定値に設定され得る。
【0117】
式2からのアブレーション指標は、損傷の推定体積、損傷の推定深さ、又は損傷の推定直径のうちの1つに対応する。好ましい実施形態では、アブレーション指標は、理想的なアブレーション及び理想的な損傷未満であるアブレーションを表す最小値と最大値との間の無次元数又は無次元数の範囲としてユーザに提供される。いくつかの例では、アブレーション指標は、0~1000の無次元スケールである。いくつかの例では、アブレーション指標は、250~850の無次元スケールである。
【0118】
アブレーション指標は、RFからのアブレーション指標がPFAから得られるアブレーション指標と実質的に同等であり、逆もまた同様であるように、RFアブレーション指標計算又はPFAアブレーション指標計算を介して得られるか否かにかかわらず、同じ参照スケールを有することが意図される。PFAのためにカテーテル14を使用するとき、アブレーション指標は、アブレーション損傷深さを推定し、予測されたアブレーション指標数を出力するために、接触力及び(パルスフィールドエネルギー又はPFA印加の)反復の数を重み付けされた式に組み込む。PFA又はRFによる実際のアブレーション中に得られた実際のアブレーション指標(RFアブレーション指標計算を介して、又はPFAアブレーション指標計算を介して決定される)を使用して、予測されたアブレーション指標(RF又はPFAについて)と比較することができる。予測されたアブレーション指標、及び実際のアブレーション指標との相関がどれだけ近いかに基づいて、内科医は、特定の位置でのアブレーションを行うか否か、又はアブレーションを反復するかを決定し得る。加えて、予測されたアブレーション指標に基づいて、内科医は、アブレーション中により多くの又はより少ない接触力が所望されるか否かを決定することができる。RFエネルギー又はPFAパルス、パルス列、若しくはPFA印加を制御するためのエネルギー発生器及び関連付けられたコントローラは、米国特許出願公開第2021/0186604号に示され、説明されており、優先権出願米国特許第63/496,218号の付録に提供されるコピーとともに、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0119】
各組織位置におけるPFAのアブレーション指標(AI)の決定は、
図13に示されるフローチャートを介して得ることができる。
図13は、AIを決定するための高レベルブロック図である。PFAのアブレーション指標(以下、「AI」)は、発生器モニタからのアブレーション開始コマンド1300で始まる。クエリ1302からアブレーションが実行されていない場合、システムは1500で待機状態に移動する。一方、ステップ1302においてアブレーションが実行中であると決定された場合、プロセッサは、モニタからPFA印加の現在のカウント又はi回などの必要な入力データを受信する。ステップ1302において、プロセッサは、PFAによるアブレーションが先端電極15を介して組織位置に現在印加されているか否かを決定する。はいの場合、プロセッサは、1304で、この特定の組織位置において先端電極15を介して印加されているPFA印加の現在のカウント(カウンタ「i」を有する)に関してクエリする。ステップ1307において、プロセッサは、i回のPFA印加がこの位置において4以上であるか否かをクエリする。カウントi回のPFA印加がこの位置で4以上である場合、ステップ1308において、このカウントiのアブレーションに対するアブレーション指標AI
i回が計算される。ステップ1310において、現在のAIを前のAIと比較するためにクエリが行われる。クエリ1310において、現在のAIが以前よりも大きい場合、プロセッサは、ステップ1312において、PFA印加の現在のカウントiからのAIとしてユーザに提示されるようにAIを設定する。すなわち、PFA印加毎に、アルゴリズムは、クエリ1310において、AIの現在の結果を前のPFA印加のAIと比較し、より高い値を選択する(一実施形態では、それに係数110を乗算する)。次いで、アブレーション指標(AI)は、ユーザに提示され、AI
iとしてシステム内に記憶される。AI
iが前のAI以下であるという1310におけるクエリの場合、1つ前の(i-1)アブレーションAI
i-1において計算されたAIが、ステップ1314において設定され、ステップ1400において、現在のAI
iとしてユーザに提示される。AI出力は文書ファイルに記憶され、システムは1500で待機状態に戻る。
【0120】
図13のクエリ1304に戻ると、各組織位置におけるアブレーション中のPFA印加の現在のカウントiが4未満である場合、ステップ1307において、プロセッサは、AIを、現在のi回のPFA印加から計算されたAI
iと同じであるとして設定し、ステップ1400に進んで、現在のAIを、現在のi回のPFA印加からのAIとして表示する。PFA印加の現在のi回が各位置で4未満である場合、そのようなPFA印加の現在のカウントi回のAI
iは、一実施形態では、指定された低アブレーション指標数又はゼロにさえ設定されることに留意されたい。また、MatLab実装で使用される変数AI
iは、上記の式3で説明した変数AI
nと同じであることに留意されたい。
【0121】
図11は、アブレーション指標処置中に観察さされた伝導ギャップのセグメントの図を提供する。第1の包囲アブレーションライン1100は、太い実線及び太い破線の両方によって表される。実線は、アブレーション指標目標値≧550を有するアブレーション損傷を表し、破線は、アブレーション指標目標値≧400であるがアブレーション指標目標値<550を表す。伝導ギャップは、それらのタイミング及び特性に基づいて、「残留ギャップ」及び「再接続ギャップ」に分割することができる。最初の解剖学的熱傷の後に残る肺静脈電気伝導は、「残留ギャップ」と呼ばれる。処置の残りの間に検出された急性再接続(残留ギャップ又は他の位置に位置するか否かにかかわらず)は、「再接続ギャップ」と呼ばれる。追加のRFエネルギーがタッチアップのために印加される場合、「成功タグ」は、局所PV電位が消失することが確認された最後のタグに割り当てられる。成功タグに関連付けられた2つの隣り合うタグは、「ギャップ関連タグ」と呼ばれる。第1の包囲1100からの残りのタグは、「非ギャップタグ」と呼ばれる。各PVは、その後の分析のために6つのセグメント(すなわち、ルーフ、上前部、下前部、上後部、下後部、及び下部)に分割される。食道付近の2つの追加領域及び他の未分類領域を含めて、以下、合計16個のセグメントがCARTO(商標)操作者によって割り当てられた。
・LRF、左ルーフ1101
・LSPST、左上後部1102
・LIPST、左下後部1103
・LINF、左下部1104
・LIANT、左前部1105
・LSANT、左上前部1106
・LSPV、左上肺静脈1107
・LIPV、左下肺静脈1108
・RRF、右ルーフ1111
・RSPST、右上後部1112
・RIPST、右下後部1113
・RINF、右下部1114
・RIANT、右前部1115
・RSANT、右上前部1116
・RSPV、右上肺静脈1117
・RIPV、右下肺静脈1118
【0122】
被験者は、アブレーション処置のために電気生理学(EP)検査室に到着し、以下を含む病院の標準プロトコル(治験責任医師の裁量)に従って処置の準備を行う。
・麻酔又は鎮静は、標準的なEP実験室処置に従って送達されるべきである。処置中に麻酔医の存在を確実にすることが強く推奨される。
・マッピング前の患者への2つの不関電極の配置。
・CARTOSOUND(登録商標)及び/又はICE、バリウム嚥下又は温度プローブを用いた食道監視/位置特定(治験責任医師の裁量)。
・CARTO(商標)呼吸ゲーティングが推奨された(Jet Ventilationを使用しない限り)。
・心内エコー(ICE)プローブを導入して、LAの解剖学的構造及びPVを(治験責任医師の裁量で)レビューする。
・診断カテーテルの配置は、(1)ペーシング目的のためのCS内の冠状静脈洞カテーテルが推奨されるか、又は(2)他のカテーテルが治験責任医師の裁量で配置されてもよい。
・経中隔穿刺前又は直後のヘパリンボーラスの投与。
・二重又は単一の経中隔穿刺は、標準的なEP研究室に従って実施されるべきである治験責任医師の裁量で)。
・被験者がAFである場合の心臓除細動(治験責任医師の裁量))。
【0123】
調製後、被験者は、アブレーション処置の前にマッピングを受ける。マッピングは以下のものを含む。
・多電極マッピングカテーテルを利用した、アブレーション前のPV生体構造を含む左心房解剖学的マップの作成。
・3D回転血管造影法(治験責任医師の裁量で)又はCT統合などの追加の撮像技術を使用して、マップを補足することができる。
・アブレーション前のペーシング後活性化及び双極電圧マップは、内科医の裁量で、及びSOCの場合に形成され得る。
・PVI耐久性サブセットに参加している被験者については、多電極マッピングカテーテルを利用して、ペーシングされた活性化マップ及び双極電圧マップを作成する。
・近接性を評価するために、右側PVの領域におけるアブレーションの前に横隔神経をペーシングする。注:深い鎮静の場合、横隔膜の蛍光透視評価が使用され得る。
【0124】
アブレーション処置は、以下のステップを含む。
・治験カテーテルでアブレーションを開始する前のACT≧300秒の確認及びヘパリンでの系統的抗凝固が投与されるべきである。ACTは、アブレーション全体を通して≧300秒維持されることを目標としなければならない。ACTレベルは、治験デバイスが左心房にある間、定期的にチェックされなければならない。ACTが300秒未満である場合、ヘパリンによる系統的抗凝固は、アブレーション処置を休止することなく300秒のACT標的を確実にするように投与されるべきである。
・マッピングに使用されない場合、互換性のある8.5Fr以上のシースを導入する。シースを患者に挿入する前に、ヘパリン化生理食塩水でシースを洗い流して、気泡を除去する。
・使用説明書(IFU)に従ってカテーテル14を導入する。
・位置が満足のいくものである場合、推奨されるワークフローに従って治験カテーテルを用いてエネルギー送達を開始する。
【0125】
肺静脈隔離を受けている被験者については、処置は更に以下を必要とし得る。
・は、同側性PV隔離のための連続した損傷セットを得るためにポイントバイポイントアブレーションを使用する。
・
図11の画像に従って処置中に左心房をセグメント化するためにVISITAG(商標)設定を形成する。
・IFUによって推奨され、内科医の訓練に従って、アブレーションパラメータ及びVISITAG(商標)標的を使用する。
・は、VISITAG(商標)モジュール距離ツールを使用してタグ間距離(ITD)を評価する。6mm以下のITDが推奨される。
・冠状動脈付近をアブレーションする場合、冠状動脈痙攣を制限/低減するために、静脈内又は冠状動脈内投与のいずれかのために1~2mgのニトログリセリンを調製する。
・全ての被験者は、PVIが以下を含む全ての標的PVにおいて達成されるまで、治験デバイスを用いてPVアブレーションを受ける。
・PFは、PVIを達成するための一次アブレーションモダリティとして使用されることが推奨される。
・電力制御された灌注式RFは、臨床判断及び治験責任医師の裁量により、前壁及び隆線に使用することができる。
・治験責任医師が治験デバイスでPVIを達成することができないと判断した後にのみ、商用(RF)システムを使用して処置(PVIのみ)を完了することができる。
・全ての臨床的に関連する標的PVの入口ブロック(出口ブロックは任意選択である)(PVI)の確認
・入口ブロックを検証するために、冠状静脈洞及び/又は心房ペーシング律動における電位図を分析して、PV電位が存在しないことを確認する。
【0126】
肺静脈隔離後、処置は以下のステップを含むことができる。
・休止状態の伝導を除外するために、臨床的に関連する標的PV毎にアデノシン/イソプロテレノールを投与する。
・もしあれば、再接続位置上の残りの信号を検討することによって再接続されたPV領域を治療し、対応する位置にエネルギーを送達する。上記の推奨によれば、PFは一次モダリティであるが、RFは臨床判断に基づいて使用することができる。
・全ての臨床的に関連する標的PVの最終入口ブロック(出口ブロックは任意選択である)(PVI)の確認及び文書
・入口ブロックを検証するために、冠状静脈洞及び/又は心房ペーシング律動における電位図を分析して、PV電位が存在しないことを確認する。
・治験責任医師の選択毎に確認のために多電極マッピングカテーテルを使用する。
・アブレーション処置は、全ての臨床的に関連する標的PVにおける入口ブロックの確認が確認されたときに完了したと考えられる。
・右側PVでの最後の印加又は最終入口ブロック(出口ブロックは任意選択である)の確認後、横隔神経をペーシングしながら横隔膜捕捉を評価する。注:深い鎮静の場合、横隔膜の蛍光透視評価が使用され得る。
・ペーシング後活性化及び双極電圧マップは、内科医の裁量で、及びSOCの場合に形成され得る。
・PVI耐久性サブセットに参加している被験者について:
・前処置と同じ多電極マッピングカテーテルを利用して、ペーシングされた活性化マップ及び双極電圧マップを形成する。
【0127】
PV領域外のアブレーションの場合、右心房CTI線形アブレーションは、処置前又は処置中のいずれかに識別された典型的な心房粗動が記録されている場合にのみ許可される。治験システム、RF及び/又はPFモードの発生器50を有するカテーテル14は、治験責任医師の決定に基づいて使用されるべきである。CTIラインの遮断が治験システムで達成できない場合、互換性のある市販のRF発生器を有する市販の承認されたRFカテーテルを使用し得る。PV領域(例えば、SVC、PW、ルーフライン)の外側の予防的アブレーションは、本試験では許容されない。
【0128】
不整脈がPV線又はCTIラインの外側でアブレーションを必要とする場合、操作者は以下を完了しなければならない。
・カテーテル14の挿入の前に(除外基準と一致する)、治験責任医師は、市販のRF発生器とともに使用される市販のカテーテルを使用して、市販の設定に切り替えることを要求される。被験者は、スクリーニング失敗(<ICFシグネチャー)と見なされるか、又は試験から除外される(>ICFシグネチャー)。
・カテーテル14の挿入後、被験者は、試験セットアップを伴うPVI及び/又はCTIラインを受け、続いて、処置を完了するために商用RF療法を受けるPV領域外の不整脈の治療)。被験者は、急性成功について評価可能であるが、12ヶ月有効性コホートから除外され、処置後3ヶ月まで追跡される。3ヶ月目の進行中のAE(複数可)は、消散(続発症を伴う又は伴わない)まで経過観察されるものとする。
【0129】
試験結果
試験の間、治験責任医師らは、PF/RF適用の回数、送達されたエネルギー、PF/RF適用時間、使用されたアブレーション設定、接触力値、実際のアブレーション指標、予測されたアブレーション指標、損傷サイズ、損傷体積、予測された損傷と各患者(及び患者群)の肺静脈隔離の有効性率との間の相関、並びにPVIのための非試験カテーテルの使用、左及び右PV毎の左及び右PV毎のPF/RF適用の回数、標的PV毎及び被験者毎のPF/RF適用の回数、非試験カテーテルで必要とされるPF/RF適用の回数、多電極マッピングカテーテルで確認されたPVI、PV急性再接続(早期又は休止)、処置時間(最初の大腿部穿刺から最後のカテーテルアウトまで)、マッピング時間(開始マッピング-終了マッピング)、総蛍光透視時間、全試験カテーテルLA滞留時間(最初の試験カテーテルのLAへの挿入から試験カテーテルのLAからの除去まで)、ECGデータ、試験カテーテルを介して送達された全流体、静脈ラインを介して送達された全流体(捕捉された場合)、流体出力(捕捉された場合)、デバイス欠陥情報(該当する場合)、処置薬(麻痺薬)、麻痺薬の使用及び麻酔のタイプなどを含むがこれらに限定されないデータを収集した。
【0130】
図12は、予め決定された包含基準及び除外基準を満たす予め決定された患者群において心房細動を治療する方法1200の一例を示す。方法1200は、カテーテル14を予め決定された患者群の各患者の肺静脈内に送達することを含むことができ、カテーテル14は、パルス電界又は高周波信号を心臓組織に放出し、パルス電界アブレーション中に心臓組織に接して先端電極が受ける接触力を測定するように構成された先端電極を有する(ステップ1202)。いったん接触すると、方法1200は、カテーテル14を使用して、肺静脈の標的組織の1つ以上の位置をアブレーションすることを含むことができる(ステップ1204)。標的組織をアブレーションした後、方法1200は、パルス電界アブレーションのための1つ以上の位置のうちの各位置について、測定された接触力及びパルス電界印加の回数の関数として、アブレーションからのアブレーション指標AI(
図13から)を決定することを含むことができる(ステップ1206)。標的組織をアブレーションした後、方法1200は、有効性評価期間内に患者群における肺静脈隔離の予め決定された有効性率を達成することを更に含むことができる(ステップ1208)。
【0131】
いくつかの例では、方法1200は、標的組織の温度の第1の温度変化がほとんど又は全くない第1のサイズを含む第1の損傷を形成することを含む第1のアブレーション信号を標的組織に印加することを更に含むことができる。一例では、第1のアブレーション信号は、RFアブレーション信号とすることができる。しかしながら、別の例では、PFアブレーション信号を第1のアブレーション信号とすることもできる。第1のアブレーション信号は、第1のサイズを含む第1の損傷を形成し、組織内に第1の温度変化を生成することができる。第2のアブレーション信号は、組織内に第2の損傷を形成するために、電極を用いて組織に印加することができる。この例では、第2のアブレーション信号は、第1のアブレーション信号とは異なり得る。第2の損傷は、第2のサイズで形成することができる。第2のアブレーション信号は、第1の温度変化と少なくとも10℃異なる組織内の第2の温度変化を生じることができる。このように、RF信号が第1の信号であれば、PFA信号を第2の信号とすることができる。RFアブレーションが20℃を超える組織の温度変化を引き起こす場合、PFAは、わずか数度の温度変化を引き起こす。
【0132】
或いは、第1の損傷は、組織の温度において第1の温度変化をほとんど又は全く伴わずに形成することができ、第2の損傷は、第1の温度変化と少なくとも10℃異なる組織内の第2の温度変化を生じることによって形成することができる。
【0133】
図示されていないが、方法1200は、第1のアブレーション信号及び第2のアブレーション信号を印加することから生じ得る複合損傷を形成することを含むことができる。複合サイズを有する第1の損傷及び第2の損傷の組み合わせから、より深い/大きい複合損傷を形成することができる。複合サイズは、第1のサイズ及び第2のサイズのいずれかよりも約20%から約40%大きくすることができる。アブレーション信号は順次印加することができる。これは、最初にRF信号を印加し、次いでPF信号を印加すること、又はその逆を含むことができる。しかしながら、交流(AC)を使用してRF信号を生成することができ、直流(DC)の非常に短いパルスを使用してPF信号を生成することができると考えると、別の例は、両方の信号が同時に生成されるか、又は少なくともRF信号及びPF信号の印加のいくらかの重複を有する、両方の信号を有することができる。加えて、組織と電極との間の接触力は、損傷を形成する有効性の要因であることが知られている。一例では、接触力は、約5グラムから約40グラムの間とすることができる。
【0134】
電気生理学用途のためのアブレーションシステムは、高出力で高周波信号を提供するように構成される交流(AC)信号発生器と、高電圧パルスを用いて非常に短い持続時間を提供するように構成される直流(DC)信号発生器とを有することができる。システムは、AC信号発生器及びDC信号発生器に電気的に結合されたエンドエフェクタを有するカテーテルも含むことができる。エンドエフェクタは、電極が、少なくとも1つの電極から患者の体内の器官組織に、そして患者の体外に結合された第1のリターン電極及び第2のリターン電極に高電圧パルスを送達し、少なくとも1つの電極と第1のリターン電極及び第2のリターン電極の一方との間でRF信号を送達するように、エンドエフェクタ上に設けられた少なくとも1つの電極を有することができる。RF信号及び高電圧パルスは、順次又は同時のいずれかで器官組織に印加することができる。
【0135】
一例では、エンドエフェクタは、遠位先端電極と、遠位先端電極に近接して灌注流体を提供するために円筒形部材上に設けられた灌注ポートとを有する円筒形部材を有することができる。
【0136】
別の例は、力センサに結合された遠位先端電極を有することができる。更に、高周波信号は、およそ5グラム以上の接触力で印加することができる。また、少なくとも25ワットの出力を有する高周波信号を提供することができる。高周波信号はまた、350kHzから約500kHzの周波数を含むことができ、高周波信号は、少なくとも1秒の持続時間にわたって提供することができる。
【0137】
他の例では、高電圧パルスは、少なくとも800Vの振幅を含むことができる。加えて、高電圧パルスの各々の持続時間は、20マイクロ秒未満であり得、およそ100マイクロ秒のパルス列を提供し得る。隣り合うパルス列の間には、0.3から1000ミリ秒から選択された任意の値の時間差を設けることができる。これらのパルス列は、PFAバーストを提供することができる。PFAバーストは、ゼロから500ミリ秒から選択された任意の値を含むPFAバーストの持続時間を有する2から100の任意の値のパルス列を含むことができる。更に、高電圧パルスは、およそ60ジュール以下を提供することができる。
【0138】
理解されるように、本明細書に記載される方法1200は、本明細書に記載される様々な要素及び例に従って変更することができる。すなわち、開示された技術による方法は、上述の工程の全部若しくは一部を含むことができ、及び/又は上記で明示的に開示されていない追加の工程を含むことができる。更に、開示された技術による方法は、上述の特定の工程の全てではなく一部を含むことができる。更にまた、本明細書に記載される様々な方法は、完全に又は部分的に組み合わせることができる。
【0139】
本開示は、様々な図に示され、上記で論じられたように、複数の例示的な態様に関連して記載されてきたが、他の態様を私用することができること、又は本開示から逸脱することなく本開示と同じ機能を実行するように、記載された態様に対して修正又は追加が行われ得ることとが理解される。例えば、本開示の様々な態様では、方法及び構成は、現在開示されている主題の態様に従って記載された。しかし、これらの記載された態様と同等の他の方法又は構成もまた、本明細書の教示によって企図される。したがって、本開示は、いずれの単一の態様にも限定されるべきではなく、むしろ添付の特許請求の範囲による広がり及び範囲内で解釈されるべきである。
【0140】
本明細書に説明される本開示の技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
【0141】
条項1:予め決定された包含基準及び除外基準を満たす予め決定された患者群における心房細動を治療する方法であって、カテーテルを予め決定された患者群の各患者の肺静脈内に送達することであって、カテーテルが先端電極を有し、先端電極は、パルス電界又は高周波信号のいずれかを心臓組織に放出し、パルス電界アブレーション中に先端電極が心臓組織に接して受ける接触力を測定するように構成されている、ことと、カテーテルを使用して、肺静脈の標的組織の1つ以上の位置をアブレーションすることと、パルス電界アブレーションからの1つ以上の位置のうちの各位置について、測定された接触力及びパルス電界印加の回数の関数として、アブレーション指標を決定することと、有効性評価期間内に患者群における肺静脈隔離の予め決定された有効性率を達成することと、を含む、方法。
【0142】
条項2:パルスフィールドアブレーションのためのアブレーション指標を決定することが、
【0143】
【数2】
によってパルスフィールドアブレーション指標AI
PFAを計算することを含み、式中、nは、パルス電界印加の印加回数であり、AI
nは、パルスの各印加に対する指標であり、式AI
n=A
*(B
n
*ln(力
n)+C
n)によって定義され、式中、Aは、90~130の範囲の数であり、B
nは、式B
n=B
0
*ln(n)+B
1によって決定されるパラメータであり、C
nは、式C
n=C
0
*exp(C
1
*n)によって決定されるパラメータである、条項1に記載の方法。
【0144】
条項3:B0は、およそ0.2653に等しく、B1は、およそ0.1623に等しく、C0は、およそ0.6862に等しく、C1は、およそ0.0867に等しい、条項2に記載の方法。
【0145】
条項4:アブレーション指標が、損傷の推定体積に対応する、条項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0146】
条項5:アブレーション指標が、損傷の推定深さに対応する、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【0147】
条項6:アブレーション指標が損傷の推定直径に対応する、条項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【0148】
条項7:予め決定された有効性率は、有効性評価期間を通した心電図データに基づく、確認された心房細動、心房頻拍、又は非定型心房粗動エピソードの不在によって定義される、条項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【0149】
条項8:予め決定された有効性率は、患者当たりのパルス電界(PF)印加の平均数及び全ての肺静脈を隔離するのに必要な接触力によって定義される、条項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【0150】
条項9:予め決定された有効性率は、10%以下の合併症率を含み、退院時の磁気共鳴撮像(MRI)における無症候性脳塞栓病変の存在又は不在によって定義される、条項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0151】
条項10:予め決定された有効性率は、8%以下の合併症率を含み、退院時の磁気共鳴撮像(MRI)における無症候性脳塞栓病変の存在又は不在によって定義される、条項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0152】
条項11:予め決定された有効性率は、6%以下の合併症率を含み、退院時の磁気共鳴撮像(MRI)における無症候性脳塞栓病変の存在又は不在によって定義される、条項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0153】
条項12:予め決定された有効性率は、5%以下の合併症率を含み、退院時の磁気共鳴撮像(MRI)における無症候性脳塞栓病変の存在又は不在によって定義される、条項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0154】
条項13:予め決定された有効性率は、約10%~約1%の範囲の合併症率を含み、退院時の磁気共鳴撮像(MRI)における無症候性脳塞栓病変の存在又は不在によって定義される、条項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0155】
条項14:予め決定された有効性率は、およそ0%の合併症率を含み、食道損傷性紅斑の存在又は不在によって定義される、条項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【0156】
条項15:予め決定された有効性率がおよそ100%であり、焦点アブレーションカテーテルを使用せずに全ての標的肺静脈を電気的に隔離することによって定義される、条項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【0157】
条項16:予め決定された有効性率がおよそ98%であり、焦点アブレーションカテーテルを使用せずに全ての標的肺静脈を電気的に隔離することによって定義される、条項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【0158】
条項17:予め決定された有効性率はおよそ96%であり、焦点アブレーションカテーテルを使用せずに全ての標的肺静脈を電気的に隔離することによって定義される、条項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【0159】
条項18:予め決定された有効性率はおよそ94%であり、焦点アブレーションカテーテルを使用せずに全ての標的肺静脈を電気的に隔離することによって定義される、条項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【0160】
条項19:予め決定された有効性率はおよそ92%であり、焦点アブレーションカテーテルを使用せずに全ての標的肺静脈を電気的に隔離することによって定義される、条項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【0161】
条項20:予め決定された有効性率は、全ての標的肺静脈間での焦点カテーテルによる肺静脈隔離タッチアップによって定義される、条項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【0162】
条項21:予め決定された有効性率は、肺静脈隔離中に非PVトリガのための焦点カテーテルアブレーションを使用することによって定義される、条項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【0163】
条項22:予め決定された有効性率が長期有効性率を含む、条項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【0164】
条項23:予め決定された有効性率は、静脈当たりの高周波(RF)適用の平均数及び全ての肺静脈を隔離するのに必要なRF時間によって定義される、条項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【0165】
条項24:予め決定された有効性率は、静脈当たりのRF適用の平均数及び一般的な肺静脈を隔離するのに必要なRF時間によって定義される、条項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【0166】
条項25:予め決定された有効性率は、患者当たりのRF適用の平均数及び一般的な肺静脈を隔離するのに必要なRF時間によって定義される、条項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【0167】
条項26:予め決定された有効性率は、合併症率の発生率が、アブレーション前と比較して、アブレーション後の症候性及び無症候性脳塞栓の10%以下であると決定することによって定義される、条項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【0168】
条項27:予め決定された有効性率は、合併症率の発生率が、アブレーション前と比較して、アブレーション後の症候性及び無症候性脳塞栓の8%以下であると決定することによって定義される、条項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【0169】
条項28:予め決定された有効性率は、合併症率の発生率が、アブレーション前と比較して、アブレーション後の症候性及び無症候性脳塞栓の5%以下であると決定することによって定義される、条項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【0170】
条項29:予め決定された有効性率は、アブレーション前と比較して、アブレーション後の症候性及び無症候性脳塞栓の約8%~約1%の範囲の合併症率の発生率を決定することによって定義される、条項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【0171】
条項30:有効性評価期間がおよそ7日である、条項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【0172】
条項31:有効性評価期間がおよそ3ヶ月である、条項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【0173】
条項32:有効性評価期間がおよそ12ヶ月である、条項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【0174】
条項33:カテーテルによって、肺静脈隔離が成功してから7日以内に、患者群の被験者のおよそ97%において肺静脈隔離の有効性率を達成することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0175】
条項34:カテーテルによって、肺静脈隔離が成功してから7日以内に、患者群の被験者のおよそ96%において肺静脈隔離の有効性率を達成することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0176】
条項35:カテーテルによって、肺静脈隔離が成功してから7日以内に、患者群の被験者のおよそ95%において肺静脈隔離の有効性率を達成することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0177】
条項36:カテーテルによって、肺静脈隔離が成功してから7日以内に、患者群の被験者のおよそ94%において肺静脈隔離の有効性率を達成することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0178】
条項37:カテーテルによって、心房細動後12ヶ月以内に、患者群の被験者のおよそ65%において肺静脈隔離の有効性率を達成することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0179】
条項38:カテーテルによって、肺静脈隔離が成功してから7日以内に、肺静脈隔離及び少なくとも97%の安全性エンドポイントを達成することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0180】
条項39:カテーテルによって、肺静脈隔離が成功してから7日以内に、肺静脈隔離及び少なくとも96%の安全性エンドポイントを達成することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0181】
条項40:カテーテルによって、肺静脈隔離が成功してから7日以内に、肺静脈隔離及び少なくとも95%の安全性エンドポイントを達成することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0182】
条項41:カテーテルによって、肺静脈隔離が成功してから7日以内に、肺静脈隔離及び少なくとも94%の安全性エンドポイントを達成することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0183】
条項42:送達するステップが、1つ以上の標的組織とカテーテルとの間に約5グラムから約40グラムの接触力を印加することを含む、条項1から41のいずれか一項に記載の方法。
【0184】
条項43:RF信号の出力を約1ワットから約400ワットに設定することと、RF信号を約1秒から約60秒維持することと、標的組織の1つ以上の位置で、約20℃から約70℃の温度変化を生じることと、を更に含む、条項1から42のいずれか一項に記載の方法。
【0185】
条項44:PF信号の電圧を約900ボルトから約3000ボルトに設定することを更に含む、条項1~43のいずれか一項に記載の方法。
【0186】
条項45:RF信号が、約3mmから約5mmのサイズを含む損傷を形成する、条項1から44のいずれか一項に記載の方法。
【0187】
条項46:PF信号が、約4mmから約6mmのサイズを含む損傷を形成する、条項1から45のいずれか一項に記載の方法。
【0188】
条項47:パルス電界アブレーション中に、患者群のそれぞれの身体から放出される組織信号の視覚表現の輝度レベルを第1の輝度レベルから第2の輝度レベルに一時的に減光することと、パルス電界アブレーションの後に、患者群のそれぞれの身体から放出される信号の視覚表現を第1の輝度レベルに戻すことと、を更に含む、条項1から46のいずれか一項に記載の方法。
【0189】
条項48:パルス電界アブレーション中に、患者群のそれぞれの身体から放出された信号を、パルス電界アブレーション中の0Vを表す指標として一時的に表示することを更に含む、条項1から46のいずれか一項に記載の方法。
【0190】
条項49:患者群の心房細動を治療するためにパルスフィールドアブレーションを適用するためのシステムであって、パルス電界又は高周波信号のいずれかを心臓組織に放出し、肺静脈の心臓組織の1つ以上の位置をアブレーションするように構成された先端電極を備えるカテーテル、及び、パルス電界アブレーション中に心臓組織に接して先端電極が受ける接触力を測定し、1つ以上の位置のうちの各位置について、測定された接触力及びパルス電界印加の回数の関数としてパルスフィールドアブレーション指標を決定し、それにより、損傷が十分に耐久性があるか否かを決定することができるように構成されたプロセッサを備え、システムが、有効性評価期間内に患者群における肺静脈隔離の予め決定された有効性率を達成するように構成されている、システム。
【0191】
条項50:プロセッサが、式
【0192】
【数3】
によって定義されるパルスフィールドアブレーション指標を計算するように更に構成され、式中、nは、パルス電界印加の印加回数であり、AI
nは、パルスの各印加に対する指標であり、式AI
n=A
*(B
n
*ln(力
n)+C
n)によって定義され、式中Aは、90~130の範囲の数であり、B
nは、式B
n=B
0
*ln(n)+B
1によって決定されるパラメータであり、C
nは、式C
n=C
0
*exp(C
1
*n)によって決定されるパラメータである、条項49に記載のシステム。
【0193】
条項51:B0は、およそ0.2653に等しく、B1は、およそ0.1623に等しく、C0は、およそ0.6862に等しく、C1は、およそ0.0867に等しい、条項50に記載のシステム。
【0194】
条項52:プロセッサは、計算されたパルスフィールドアブレーション指標が予め指定された目標アブレーション指標値に達することに応答して、パルスフィールドアブレーション適用の適用を停止するように更に構成されている、条項49から51のいずれか一項に記載のシステム。
【0195】
条項53:プロセッサは、パルスフィールドアブレーション指標及び予め指定された目標アブレーション指標値をユーザに提示するように更に構成されている、条項52に記載のシステム。
【0196】
条項54:アブレーション指標は、損傷の推定体積に対応する、条項49から53のいずれか一項に記載のシステム。
【0197】
条項55:アブレーション指標が、損傷の推定深さに対応する、条項49から54のいずれか一項に記載のシステム。
【0198】
条項56:アブレーション指標が、損傷の推定直径に対応する、条項49から55のいずれか一項に記載のシステム。
【0199】
条項57:高出力で高周波信号を提供するように構成された交流(AC)信号発生器と、高電圧パルスを提供するように構成された直流(DC)信号発生器とを更に備える、条項49から56のいずれか一項に記載のシステム。
【0200】
条項58:高周波信号及び高電圧パルスが、順次又は同時のいずれかで器官組織に印加される、条項57に記載のシステム。
【0201】
条項59:高周波信号が、およそ5グラム以上の接触力で印加される、条項57又は58に記載のシステム。
【0202】
条項60:高周波信号が、少なくとも25ワットの出力を供給される、条項57から59のいずれか一項に記載のシステム。
【0203】
条項61:高周波信号が、350kHzから約500kHzの周波数を含み、高周波信号が、少なくとも1秒の持続時間にわたって提供される、条項57から60のいずれか一項に記載のシステム。
【0204】
条項62:高電圧パルスが少なくとも800Vの振幅を含む、条項57から61のいずれか一項に記載のシステム。
【0205】
条項63:高電圧パルスの各々の持続時間が20マイクロ秒未満である、条項57から62のいずれか一項に記載のシステム。
【0206】
条項64:複数の高電圧パルスがおよそ100マイクロ秒のパルス列を提供する、条項57から63のいずれか一項に記載のシステム。
【0207】
条項65:隣り合うパルス列の間に、0.3から1000ミリ秒から選択された任意の値の時間差が提供される、条項57から64のいずれか一項に記載のシステム。
【0208】
条項66:複数のパルス列がPFAバーストを提供する、条項57から65のいずれか一項に記載のシステム。
【0209】
条項67:PFAバーストが、ゼロから500ミリ秒から選択された任意の値を含むPFAバーストの持続時間を有する2から100の任意の値のパルス列を含む、条項57から65のいずれか一項に記載のシステム。
【0210】
条項68:高電圧パルスがおよそ60ジュール以下を提供する、条項57から66のいずれか一項に記載のシステム。
【0211】
条項69:予め決定された有効性率は、10%以下の合併症率を含み、退院時の磁気共鳴撮像(MRI)における無症候性脳塞栓病変の存在又は不在によって定義される、条項49から68のいずれか一項に記載のシステム。
【0212】
条項70:予め決定された有効性率は、8%以下の合併症率を含み、退院時の磁気共鳴撮像(MRI)における無症候性脳塞栓病変の存在又は不在によって定義される、条項49から68のいずれか一項に記載のシステム。
【0213】
条項71:予め決定された有効性率は、6%以下の合併症率を含み、退院時の磁気共鳴撮像(MRI)における無症候性脳塞栓病変の存在又は不在によって定義される、条項49から68のいずれか一項に記載のシステム。
【0214】
条項72:予め決定された有効性率は、5%以下の合併症率を含み、退院時の磁気共鳴撮像(MRI)における無症候性脳塞栓病変の存在又は不在によって定義される、条項49から68のいずれか一項に記載のシステム。
【0215】
条項73:予め決定された有効性率は、約10%~約1%の範囲の合併症率を含み、退院時の磁気共鳴撮像(MRI)における無症候性脳塞栓病変の存在又は不在によって定義される、条項49から68のいずれか一項に記載のシステム。
【0216】
条項74:予め決定された有効性率は、およそ0%の合併症率を含み、食道損傷性紅斑の存在又は不在によって定義される、条項49から73のいずれか一項に記載のシステム。
【0217】
条項75:予め決定された有効性率はおよそ100%であり、焦点アブレーションカテーテルを使用せずに全ての標的肺静脈を電気的に隔離することによって定義される、条項49から74のいずれか一項に記載のシステム。
【0218】
条項76:予め決定された有効性率はおよそ98%であり、焦点アブレーションカテーテルを使用せずに全ての標的肺静脈を電気的に隔離することによって定義される、条項49から74のいずれか一項に記載のシステム。
【0219】
条項77:予め決定された有効性率はおよそ96%であり、焦点アブレーションカテーテルを使用せずに全ての標的肺静脈を電気的に隔離することによって定義される、条項49から74のいずれか一項に記載のシステム。
【0220】
条項78:予め決定された有効性率はおよそ94%であり、焦点アブレーションカテーテルを使用せずに全ての標的肺静脈を電気的に隔離することによって定義される、条項49から74のいずれか一項に記載のシステム。
【0221】
条項79:予め決定された有効性率がおよそ92%であり、焦点アブレーションカテーテルを使用せずに全ての標的肺静脈を電気的に隔離することによって定義される、条項49から74のいずれか一項に記載のシステム。
【0222】
条項80:予め決定された有効性率は、全ての標的肺静脈間での焦点カテーテルによる肺静脈隔離タッチアップによって定義される、条項49から79のいずれか一項に記載のシステム。
【0223】
条項81:予め決定された有効性率は、肺静脈隔離中に非PVトリガについて焦点カテーテルアブレーションを使用することによって定義される、条項49から80のいずれか一項に記載のシステム。
【0224】
条項82:予め決定された有効性率が長期有効性率を含む、条項49から81のいずれか一項に記載のシステム。
【0225】
条項83:予め決定された有効性率は、静脈当たりの高周波(RF)適用の平均数及び全ての肺静脈を隔離するのに必要なRF時間によって定義される、条項49から82のいずれか一項に記載のシステム。
【0226】
条項84:予め決定された有効性率は、静脈当たりのRF適用の平均数及び一般的な肺静脈を隔離するのに必要なRF時間によって定義される、条項49から83のいずれか一項に記載のシステム。
【0227】
条項85:予め決定された有効性率は、患者当たりのRF適用の平均数及び一般的な肺静脈を隔離するのに必要なRF時間によって定義される、条項49から84のいずれか一項に記載のシステム。
【0228】
条項86:予め決定された有効性率は、合併症率の発生率が、アブレーション前と比較して、アブレーション後の症候性及び無症候性脳塞栓の10%以下であると決定することによって定義される、条項49から85のいずれか一項に記載のシステム。
【0229】
条項87:予め決定された有効性率は、合併症率の発生率が、アブレーション前と比較して、アブレーション後の症候性及び無症候性脳塞栓の8%以下であると決定することによって定義される、条項49から85のいずれか一項に記載のシステム。
【0230】
条項88:予め決定された有効性率は、合併症率の発生率が、アブレーション前と比較して、アブレーション後の症候性及び無症候性脳塞栓の5%以下であると決定することによって定義される、条項49から85のいずれか一項に記載のシステム。
【0231】
条項89:予め決定された有効性率は、アブレーション前と比較して、アブレーション後の症候性及び無症候性脳塞栓の約8%~約1%の範囲の合併症率の発生率を決定することによって定義される、条項49から85のいずれか一項に記載のシステム。
【0232】
条項90:有効性評価期間がおよそ7日である、条項49から89のいずれか一項に記載のシステム。
【0233】
条項91:有効性評価期間がおよそ3ヶ月である、条項49から89のいずれか一項に記載のシステム。
【0234】
条項92:有効性評価期間がおよそ12ヶ月である、条項49から89のいずれか一項に記載のシステム。
【0235】
条項93:肺静脈隔離が成功してから7日以内に、患者群の被験者のおよそ97%において肺静脈隔離の有効性率を達成することを更に含む、条項49に記載のシステム。
【0236】
条項94:肺静脈隔離が成功してから7日以内に、患者群の被験者のおよそ96%において肺静脈隔離の有効性率を達成することを更に含む、条項49に記載のシステム。
【0237】
条項95:肺静脈隔離が成功してから7日以内に、患者群の被験者のおよそ95%において肺静脈隔離の有効性率を達成することを更に含む、条項49に記載のシステム。
【0238】
条項96:肺静脈隔離が成功してから7日以内に、患者群の被験者のおよそ94%において肺静脈隔離の有効性率を達成することを更に含む、条項49に記載のシステム。
【0239】
条項97:心房細動後12ヶ月以内に、患者群の被験者のおよそ65%において肺静脈隔離の有効性率を達成することを更に含む、条項49に記載のシステム。
【0240】
条項98:肺静脈隔離が成功してから7日以内に、肺静脈隔離及び少なくとも97%の安全性エンドポイントを達成することを更に含む、条項49に記載のシステム。
【0241】
条項99:肺静脈隔離が成功してから7日以内に、肺静脈隔離及び少なくとも96%の安全性エンドポイントを達成することを更に含む、条項49に記載のシステム。
【0242】
条項100:肺静脈隔離が成功してから7日以内に、肺静脈隔離及び少なくとも95%の安全性エンドポイントを達成することを更に含む、条項49に記載のシステム。
【0243】
条項101:肺静脈隔離が成功してから7日以内に、肺静脈隔離及び少なくとも94%の安全性エンドポイントを達成することを更に含む、条項49に記載のシステム。
【0244】
条項102:プロセッサは、損傷の計画深さを推定するために、パルスフィールドアブレーションによって生成された電界をシミュレートするように更に構成されている、条項49から101のいずれか一項に記載のシステム。
【0245】
条項103:焦点アブレーションカテーテルであって、管状部材を備え、管状部材は、ハンドルと、接触力センサと、管状部材の遠位端にある先端電極との間で長手方向軸に沿って延在し、先端電極は、エネルギー発生器に電気的に接続され、エネルギー発生器は、プロセッサの制御下で、心臓組織の1つ以上の位置において、先端電極を介して心臓組織にパルス電界又は高周波信号のいずれかを放出して、心臓組織をアブレーションするように制御されるように構成され、接触力センサは、先端電極に物理的に結合され、プロセッサに電気的に接続されて、パルス電界アブレーション中に心臓組織に接して先端電極が受ける接触力の指標を提供して、アブレーション指標が、心臓内の1つ以上の位置のうちの各位置について、測定された先端電極の接触力とパルス電界印加回数との関数として決定される、焦点アブレーションカテーテル。
【0246】
条項104:パルスフィールドアブレーション指標は、式
【0247】
【数4】
によって決定され、式中、nは、パルス電界印加の印加回数であり、AI
nは、パルスの各印加に対する指標であり、式AI
n=A
*(B
n
*ln(力
n)+C
n)によって定義され、式中、Aは、90~130の範囲の数であり、B
nは、式B
n=B
0
*ln(n)+B
1によって決定されるパラメータであり、C
nは、式C
n=C
0
*exp(C
1
*n)によって決定されるパラメータである、条項103に焦点アブレーションカテーテル。
【0248】
条項105:B0は、およそ0.2653に等しく、B1は、およそ0.1623に等しく、C0は、およそ0.6862に等しく、C1は、およそ0.0867に等しい、条項104に記載のカテーテル。
【0249】
条項106:患者群における心房細動を治療するためにパルスフィールドアブレーションを適用するためのシステムであって、パルス電界又は高周波信号のいずれかを心臓組織に放出し、肺静脈の心臓組織の1つ以上の位置をアブレーションするように構成された先端電極を備えるカテーテル、及び、パルス電界アブレーション中に心臓組織に接して先端電極が受ける接触力を測定し、1つ以上の位置のうちの各位置について、測定された接触力及びパルス電界印加の回数の関数としてパルスフィールドアブレーション指標を決定し、それにより、損傷が十分に耐久性があるか否かを決定することができるように構成されたプロセッサを備える、システム。
【0250】
条項107:プロセッサが、式
【0251】
【数5】
によって定義されるパルスフィールドアブレーション指標を計算するように更に構成され、式中、nは、パルス電界印加の印加回数であり、AI
nは、パルスの各印加に対する指標であり、式AI
n=A
*(B
n
*ln(力
n)+C
n)。によって定義され、式中Aは、90~130の範囲の数であり、B
nは、式B
n=B
0
*ln(n)+B
1によって決定されるパラメータであり、C
nは、式C
n=C
0
*exp(C
1
*n)によって決定されるパラメータである、条項106に記載のシステム。
【0252】
条項108:B0がおよそ0.2653に等しく、B1がおよそ0.1623に等しく、C0がおよそ0.6862に等しく、C1がおよそ0.0867に等しい、条項107に記載のシステム。
【0253】
条項109:プロセッサは、計算されたパルスフィールドアブレーション指標が予め指定された目標アブレーション指標値に達することに応答して、パルスフィールドアブレーション適用の適用を停止するように更に構成されている、条項107に記載のシステム。
【0254】
条項110:プロセッサは、パルスフィールドアブレーション指標及び予め指定された目標アブレーション指標値をユーザに提示するように更に構成されている、条項107に記載のシステム。
【0255】
条項111:アブレーション指標は、損傷の推定体積に対応する、条項107に記載のシステム。
【0256】
条項112:アブレーション指標は、損傷の推定深さに対応する、条項107に記載のシステム。
【0257】
条項113:上記アブレーション指標は、上記損傷の推定直径に対応する、条項107に記載のシステム。
【0258】
条項114:高出力で高周波信号を提供するように構成された交流(AC)信号発生器と、高電圧パルスを提供するように構成された直流(DC)信号発生器とを更に備える、条項107に記載のシステム。
【0259】
条項115:高周波信号及び高電圧パルスが、順次又は同時のいずれかで器官組織に印加される、条項107に記載のシステム。
【0260】
条項116:高周波信号が、およそ5グラム以上の接触力で印加される、条項115に記載のシステム。
【0261】
条項117:高周波信号が、少なくとも25ワットの出力を供給される、条項115に記載のシステム。
【0262】
条項118:高周波信号が、350kHzから約500kHzの周波数を含み、高周波信号が、少なくとも1秒の持続時間にわたって提供される、条項115に記載のシステム。
【0263】
条項119:高電圧パルスが少なくとも800Vの振幅を含む、条項115に記載のシステム。
【0264】
条項120:高電圧パルスの各々の持続時間が20マイクロ秒未満である、条項115に記載のシステム。
【0265】
条項121:複数の高電圧パルスがおよそ100マイクロ秒のパルス列を提供する、条項115に記載のシステム。
【0266】
条項122:隣り合うパルス列の間に、0.3から1000ミリ秒から選択された任意の値の時間差が提供される、条項115に記載のシステム。
【0267】
条項123:複数のパルス列がPFAバーストを提供する、条項115に記載のシステム。
【0268】
条項124:PFAバーストが、ゼロから500ミリ秒から選択された任意の値を含むPFAバーストの持続時間を有する2から100の任意の値のパルス列を含む、条項115に記載のシステム。
【0269】
条項125:高電圧パルスがおよそ60ジュール以下を提供する、条項115に記載のシステム。
【0270】
上に記載される実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示及び記載されるものに限られるものではない。むしろ、本発明の範囲は、上記に説明及び例解される様々な特徴の組み合わせ及び副次的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むと当業者に想起されるであろう、先行技術で開示されていないそれらの変形例及び修正を含む。
【0271】
〔実施の態様〕
(1) 患者群の心房細動を治療するためにパルスフィールドアブレーションを適用するためのシステムであって、
パルス電界又は高周波信号のいずれかを心臓組織に放出し、前記肺静脈の心臓組織の1つ以上の位置をアブレーションするように構成された先端電極を備えるカテーテル、及び、
プロセッサ、を備え、前記プロセッサが、
パルス電界アブレーション中に心臓組織に接して前記先端電極が受ける接触力を測定し、
前記1つ以上の位置のうちの各位置について、前記測定された接触力及びパルス電界印加の回数の関数として、パルスフィールドアブレーション指標を決定するように構成され、
前記システムが、有効性評価期間内に前記患者群における肺静脈隔離の予め決定された有効性率を達成するように構成されている、システム。
(2) 前記プロセッサが、前記計算されたパルスフィールドアブレーション指標が予め指定された目標アブレーション指標値に達することに応答して、前記パルスフィールドアブレーション適用の適用を停止するように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記システムは、
高出力で高周波信号を提供するように構成された交流(AC)信号発生器と、
高電圧パルスを提供するように構成された直流(DC)信号発生器と、を更に備える、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記高周波信号及び前記高電圧パルスが、順次又は同時のいずれかで前記器官組織に印加される、実施態様3に記載のシステム。
(5) 前記高周波信号が、およそ5グラム以上の接触力で印加される、実施態様4に記載のシステム。
【外国語明細書】