(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152719
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】ロボット、移動ロボット及びその安全制御システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/617 20240101AFI20241018BHJP
G05D 1/667 20240101ALI20241018BHJP
G05D 1/244 20240101ALI20241018BHJP
【FI】
G05D1/617
G05D1/667
G05D1/244
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024064907
(22)【出願日】2024-04-12
(31)【優先権主張番号】202310390958.5
(32)【優先日】2023-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517335189
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】524143076
【氏名又は名称】クーカ・ロボティクス・グアンドン・カンパニー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】524143087
【氏名又は名称】クーカ・ロボティクス・マニュファクチャリング・チャイナ・カンパニー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】チェンルン・ディン
(72)【発明者】
【氏名】ジュンフェン・リャオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンジエ・チェン
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301BB05
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG12
5H301HH10
5H301LL01
5H301LL08
(57)【要約】
【課題】本出願は移動ロボットの安全制御技術分野に関する。
【解決手段】前記安全制御システムは、第1監視回路と、第2監視回路と、第3監視回路と、安全制御回路と、サーボ回路と、主制御基板と、を含み、第1監視回路は移動ロボットの移動データを監視し、第2監視回路は移動ロボットが障害物に衝突するかどうかを監視し、第3監視回路は移動ロボットの予め設定された範囲内に障害物が存在するか否かを監視し、安全制御回路は、移動データに基づいて第1安全指令を生成し、衝突信号に基づいて第2安全指令を生成し、警報信号に基づいて第3安全指令を生成し、安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成し、サーボ回路は、対応する安全指令を受信して実行し、主制御基板は、駆動制御信号をサーボ回路に出力し、それによりサーボ回路が駆動制御信号に基づいて移動ロボットのモータを制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ロボットの安全制御システムであって、
前記移動ロボットに移動装置が設置され、
前記移動ロボットの安全制御システムは、第1監視回路と、第2監視回路と、第3監視回路と、安全制御回路と、サーボ回路と、主制御基板と、を含み、
前記第1監視回路は、前記移動装置の運動状態を監視して前記移動ロボットの移動データを監視するために使用され、
前記第2監視回路は、前記移動ロボットの外壁に設置され、前記移動ロボットが障害物に衝突した場合に衝突信号を生成するために使用され、
前記第3監視回路は、前記移動ロボットの予め設定された範囲内に前記障害物が存在するか否かを監視し、且つ前記障害物が存在することを監視した場合に警報信号を生成するために使用され、
前記安全制御回路は、前記第1監視回路、前記第2監視回路、前記第3監視回路及び前記移動ロボットの安全入力装置に接続され、前記移動データに基づいて第1安全指令を生成し、前記衝突信号に基づいて第2安全指令を生成し、前記警報信号に基づいて第3安全指令を生成し、前記安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成するために使用され、
前記サーボ回路は、前記安全制御回路に接続され、前記安全制御回路によって出力された前記第1安全指令、前記第2安全指令、前記第3安全指令又は前記第4安全指令を受信して実行するために使用され、
前記主制御基板は、前記サーボ回路に接続され、前記駆動制御信号を前記サーボ回路に出力するために使用され、それにより前記サーボ回路が前記駆動制御信号に基づいて前記移動ロボットのモータを制御することを特徴とする移動ロボットの安全制御システム。
【請求項2】
前記安全制御回路は、入力回路と、論理回路と、出力回路と、を含み、
前記入力回路は、前記安全入力装置に接続され、前記安全入力装置の状態情報を取得するために使用され、
前記論理回路は、前記入力回路に接続され、前記安全入力装置の状態情報に基づいて前記第4安全指令を生成するために使用され、
前記出力回路は、前記論理回路および前記サーボ回路に接続され、前記第4安全指令を前記サーボ回路に送信するために使用されることを特徴とする請求項1に記載の移動ロボットの安全制御システム。
【請求項3】
前記安全制御回路は、状態監視モジュールと、モード切替モジュールと、をさらに含み、
前記状態監視モジュールは、前記移動ロボットの動作状態を監視し、前記移動ロボットの動作状態に基づいてモード切替信号を生成するために使用され、
前記モード切替モジュールは、前記状態監視モジュール及び論理回路に接続され、前記モード切替モジュールは、前記モード切替信号に基づいてモード信号を生成するために使用される、前記論理回路は、前記モード信号及び前記安全入力装置の状態情報に基づいて前記第4安全指令をを生成するために使用されることを特徴とする請求項2に記載の移動ロボットの安全制御システム。
【請求項4】
前記移動装置は、左輪及び右輪を含み、
前記左輪及び前記右輪は、前記移動ロボットを水平方向に沿って移動させるために使用され、
前記第1監視回路は、第1エンコーダ及び第2エンコーダを含み、前記第1エンコーダ及び前記第2エンコーダは、それぞれ前記左輪及び前記右輪を監視して、前記移動ロボットの移動速度情報、位置情報、方向情報を取得するために使用されることを特徴とする請求項1に記載の移動ロボットの安全制御システム。
【請求項5】
前記安全制御回路はさらに第1診断回路を含み、
前記第1診断回路は、前記第1エンコーダおよび前記第2エンコーダに接続され、前記第1エンコーダの監視データおよび前記第2エンコーダの監視データに基づいて、前記左輪および前記右輪の運動状態を監視するために使用されることを特徴とする請求項4に記載の移動ロボットの安全制御システム。
【請求項6】
前記安全制御回路は、デコード回路と、第2診断回路と、をさらに含み、
前記デコード回路は、前記第1エンコーダ及び前記第2エンコーダに接続され、前記第1エンコーダの監視データをデコードして前記左輪の速度信号及び方向信号を取得し、前記第2エンコーダの監視データをデコードして前記右輪の速度信号及び方向信号を取得するために使用され、
前記第2診断回路は、前記デコード回路に接続され、前記左輪の速度信号および/または方向信号に基づいて前記左輪が異常であるかどうかを判断し、前記右輪の速度信号および/または方向信号に基づいて前記右輪が異常であるかどうかを判断し、前記左輪の速度信号及び前記右輪の速度信号に基づいて前記移動ロボットがオーバーランするかどうかを判断するために使用されることを特徴とする請求項4に記載の移動ロボットの安全制御システム。
【請求項7】
前記第3監視回路はレーダーを含み、
前記安全制御回路は、デコード回路と、領域判定回路と、を含み、
前記デコード回路は、前記第1エンコーダ及び前記第2エンコーダに接続され、前記第1エンコーダの監視データをデコードして前記左輪の速度信号及び方向信号を取得し、前記第2エンコーダの監視データをデコードして前記右輪の速度信号及び方向信号を取得するために使用され、
前記領域判定回路は、前記デコード回路に接続され、前記左輪の速度信号、前記左輪の方向信号、前記右輪の速度信号および前記右輪の方向信号に基づいて領域情報を生成するために使用され、
前記レーダーは、前記領域判定回路に接続され、前記領域情報に基づいて前記移動ロボットの予め設定された領域を切り替えるために使用されることを特徴とする請求項4に記載の移動ロボットの安全制御システム。
【請求項8】
前記移動装置は昇降装置を含み、前記昇降装置は前記移動ロボットを重力方向にそって移動させるために使用され、
前記第1監視回路は第3エンコーダを含み、前記第3エンコーダは、前記昇降装置を監視して前記昇降装置の昇降高さ及び回転角度を取得するために使用されることを特徴とする請求項1に記載の移動ロボットの安全制御システム。
【請求項9】
前記第2監視回路は、エッジセンサーまたは衝突防止ストリップのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の移動ロボットの安全制御システム。
【請求項10】
本体と、移動装置と、請求項1~9のいずれか一項に記載の移動ロボットの安全制御システムと、を含む移動ロボットであって、
前記移動装置は、本体の底部又は頂部に設置され、前記移動ロボットを水平方向又は重力方向に沿って移動させるために使用され、
前記移動ロボットの安全制御システムは、前記移動装置の運動状態を監視し、前記移動ロボットの移動データを監視して第1安全指令を生成し、前記移動ロボットが障害物に衝突するかどうかを監視して第2安全指令を生成し、前記移動ロボットの予め設定された範囲内に前記障害物が存在するか否かを監視して第3安全指令を生成し、及び/又は前記移動ロボットの安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成し、前記第1安全指令、前記第2安全指令、前記第3安全指令及び/又は前記第4安全指令に基づいて、対応する安全指令を実行するように前記移動ロボットのモータを制御するために使用される、移動ロボット。
【請求項11】
キャリア、本体および安全制御システムを含むロボットであって、
前記本体は、前記キャリアに取り付けられ、且つキャリアと組み合わせて運動制御を実行し、
前記安全制御システムは、第1監視回路と、第2監視回路と、第3監視回路と、安全制御回路と、サーボ回路と、主制御基板と、を含み、
前記第1監視回路は、前記本体の運動状態を監視して前記本体の運動データを監視するために使用され、
前記第2監視回路は、前記本体の外壁に設置され、前記本体が障害物に衝突した場合に衝突信号を生成するために使用され、
前記第3監視回路は、前記本体の予め設定された範囲内に前記障害物が存在するか否かを監視し、且つ前記障害物が存在することを監視した場合に警報信号を生成するために使用され、
前記安全制御回路は、前記第1監視回路、前記第2監視回路、前記第3監視回路及び前記ロボットの安全入力装置に接続され、前記運動データに基づいて第1安全指令を生成し、前記衝突信号に基づいて第2安全指令を生成し、前記警報信号に基づいて第3安全指令を生成し、前記安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成するために使用され、
前記サーボ回路は、前記安全制御回路に接続され、前記安全制御回路によって出力された前記第1安全指令、前記第2安全指令、前記第3安全指令又は前記第4安全指令を受信して実行するために使用され、
前記主制御基板は、前記サーボ回路に接続され、駆動制御信号を前記サーボ回路に出力するために使用され、それにより前記サーボ回路が前記駆動制御信号に基づいて前記ロボットのモータを制御する、ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は移動ロボットの安全制御技術分野に関し、特にロボット、移動ロボット及びその安全制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット技術の急速な発展に伴い、産業分野やサービス分野で移動ロボットの応用及び普及が進み、ロボットと人が同じ作業現場で共存する機会がますます増える。そのうち、ロボットの安全制御を実現するために、一般的にロボットの安全監視が必要である。
【0003】
従来技術では、通常、安全制御の目的を達成するには、外付けの安全PLC(Programmable Logic Controller)を使用するが、システム構築が煩雑でコストがかかる。一般的な論理回路は国際安全規格ISO-13849-1で提案されている安全要件を満たしておらず、安全回路の設計は非常に複雑かつ困難であり、安全要件を簡単に満たすことはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願はロボット、移動ロボット及びその安全制御システムを提供し、従来技術の上記問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は移動ロボット及びその安全制御システムを提供し,それにより従来技術の上記問題を解決する。
【0006】
本出願の第1態様は移動ロボットの安全制御システムを提供し、移動ロボットに複数の移動装置が設置され、移動装置は移動ロボットを水平方向または重力方向に移動させるために使用され、該安全制御システムは、第1監視回路と、第2監視回路と、第3監視回路と、安全制御回路と、サーボ回路と、主制御基板と、を含み、第1監視回路は、複数の移動装置の運動状態を監視し、移動ロボットの移動データを監視することに用いられ、第2監視回路は、移動ロボットの外壁に設置され、移動ロボットが障害物に衝突した場合に衝突信号を生成することに用いられ、第3監視回路は、移動ロボットの予め設定された範囲内に障害物が存在するか否かを監視し、且つ障害物が存在することを監視した時に警報信号を生成することに用いられ、安全制御回路は、第1監視回路、第2監視回路、第3監視回路及び移動ロボットの安全入力装置に接続され、移動データに基づいて第1安全指令を生成し、衝突信号に基づいて第2安全指令を生成し、警報信号に基づいて第3安全指令を生成し、安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成することに用いられ、サーボ回路は、安全制御回路に接続され、安全制御回路によって出力された第1安全指令、第2安全指令、第3安全指令又は第4安全指令を受信して実行することに用いられ、主制御基板は、サーボ回路に接続され、駆動制御信号をサーボ回路に出力することに用いられ、それによりサーボ回路が駆動制御信号に基づいて移動ロボットのモータを制御する。
【0007】
本出願の第2態様は移動ロボットを提供し、該移動ロボットは、本体と、複数の移動装置と、前記安全制御システムを含み、複数の移動装置は、本体の底部又は頂部に設置され、移動ロボットを水平方向又は重力方向に沿って移動させることに用いられ、上記の安全制御システムは、移動装置の運動状態を監視し、移動ロボットの移動データを監視して第1安全指令を生成し、移動ロボットが障害物と衝突するかどうかを監視して第2安全指令を生成し、移動ロボットの予め設定された範囲内に障害物が存在するか否かを監視して第3安全指令を生成し、及び/又は移動ロボットの安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成して、第1安全指令、第2安全指令、第3安全指令及び/又は第4安全指令に基づいて、対応する安全指令を実行するように移動ロボットのモータを制御するために使用される。
【0008】
本出願の第3態様はさらにロボットを提供し、前記ロボットは、キャリア、本体および安全制御システムを含み、ここで、前記本体は、前記キャリアに取り付けられ、且つキャリアと組み合わせて運動制御を実行し、前記安全制御システムは、第1監視回路と、第2監視回路と、第3監視回路と、安全制御回路と、サーボ回路と、主制御基板と、を含み、前記第1監視回路は、前記本体の運動状態を監視して前記本体の運動データを監視するために使用され、前記第2監視回路は、前記本体の外壁に設置され、前記本体が障害物に衝突した場合に衝突信号を生成するために使用され、前記第3監視回路は、前記本体の予め設定された範囲内に障害物が存在するか否かを監視し、且つ障害物が存在することを監視した場合に警報信号を生成するために使用され、前記安全制御回路は、前記第1監視回路、前記第2監視回路、前記第3監視回路及び前記ロボットの安全入力装置に接続され、前記移動データに基づいて第1安全指令を生成し、前記衝突信号に基づいて第2安全指令を生成し、前記警報信号に基づいて第3安全指令を生成し、前記安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成するために使用され、前記サーボ回路は、前記安全制御回路に接続され、前記安全制御回路によって出力された前記第1安全指令、前記第2安全指令、前記第3安全指令又は前記第4安全指令を受信して実行するために使用され、前記主制御基板は、前記サーボ回路に接続され、駆動制御信号を前記サーボ回路に出力するために使用され、それにより前記サーボ回路が前記駆動制御信号に基づいて前記ロボットのモータを制御する。
【0009】
従来技術とは異なり、本出願は複数の監視回路及び安全制御回路が設置された安全制御システムを構築し、移動ロボットの運動状態、衝突を発生するか否か及び予め設定された領域内に障害物が存在するか否か等の監視を実現することができ、多方面の監視によって移動ロボットの安全制御の信頼性を向上させ、一方で、本出願の安全制御システムにおける安全制御回路はサーボ回路に直接接続されることができ、安全制御システム全体の集積度を向上させ、安全制御システムの複雑な回路を簡略化し、生産コストを低減させることができる。
【0010】
上述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示及び説明に過ぎず、本出願を限定するものではないことが理解されるべきである。
【0011】
本出願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本出願のいくつかの実施形態にすぎない。当業者にとって創造的な努力なしにこれらの図面から他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本出願の移動ロボットの安全制御システムの第1実施形態の構造模式図である。
【
図2】本出願の移動ロボットの安全制御システムの第2実施形態の構造模式図である。
【
図3】本出願の移動ロボットの安全制御システムの第3実施形態の構造模式図である。
【
図4】本出願の移動ロボットの安全制御システムの第4実施形態の構造模式図である。
【
図5】本出願の移動ロボットの安全制御システムの第5実施形態の構造模式図である。
【
図6】本出願の移動ロボットの安全制御システムの第6実施形態の構造模式図である。
【
図7】本出願の移動ロボットの安全制御システムの第7実施形態の構造模式図である。
【
図8】本出願の移動ロボットの一実施形態の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
当業者が本出願の技術的解決策をよりよく理解できるようにするために、本出願によって提供される移動ロボットおよびその安全制御システムを、図面および特定の実施形態と併せて以下でさらに詳細に説明する。理解されるように、記載された実施形態は、本出願の実施形態の一部にすぎず、それらのすべてではない。本出願の実施形態に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに取得するすべての他の実施形態は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0014】
本明細書における「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本出願の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所でのこの語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではなく、他の実施形態と相互に排他的な独立した実施形態または代替実施形態ではない。当業者であれば、本明細書に記載の実施形態を他の実施形態と組み合わせることができることを明示的にも暗黙的にも理解するできる。
【0015】
本出願における「第1」、「第2」などの用語は、特定の順序を説明するものではなく、異なるオブジェクトを区別するために使用される。また、用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含む過程、方法、システム、製品又は装置は列挙したステップ又はユニットに限定されず、選択的に列挙しないステップ又はユニットを更に含み、又は選択的にこれらの過程、方法、製品又は装置固有の他のステップ又はユニットを更に含む。
【0016】
従来技術において一般的に安全PLCを用いてロボットの安全制御を実現すると区別して、本出願は安全制御システムを構築し、具体的には、特に本出願は移動ロボットを例として、安全制御システムがどのように移動ロボットを安全に制御するのか説明する。
【0017】
ここで、現在の移動ロボットは一般的に複数の移動装置を備える。移動装置は移動ロボットが水平方向又は重力方向に沿って移動するように駆動することに用いられる。例えば、移動ロボットに左輪及び右輪が設置され、左輪及び右輪はモータによって駆動され、具体的に左輪及び右輪の回転速度及びステアリングを調整することにより移動ロボットの移動速度及び移動方向を調整し、すなわち左輪及び右輪は移動ロボットを水平方向に沿って移動させることに用いられる。例えば、左輪の回転速度が右輪の回転速度より小さく、且つ左輪のステアリングが右輪のステアリングと一致する場合、移動ロボットは左折するように駆動される。
【0018】
他方では、移動ロボットは貨物を積み込み、且つ貨物を対応する地点に搬送し、それによりアンロードを行うために用いられる。この特性に基づき、大部分の移動ロボットに昇降装置が設置され、貨物の積み込み及び積み下ろしを補助し、昇降装置の高さ及び回転角度を調整することにより、移動ロボットが運ぶ貨物の積み込み及び積み下ろしの方向を調整することができ、即ち昇降装置は移動ロボットを重力方向に沿って移動させるために使用される。
【0019】
図1を参照すると、
図1は本出出願の移動ロボットの安全制御システムの第1実施形態の構造模式図である。
図1に示すように、本実施形態の安全制御システム1は第1監視回路11、第2監視回路12、第3監視回路13、安全制御回路14、サーボ回路15及び主制御基板16を含む。
【0020】
具体的には、主制御基板16はサーボ回路15に接続され、駆動制御信号をサーボ回路15に出力することに用いられ、それによりサーボ回路15は駆動制御信号に基づいて移動ロボットのモータを制御する。ここで、主制御基板16はロボットの動作モードに基づいて対応する駆動制御信号を生成する。任意選択的に、移動ロボットに制御パネルが設置されることができ、操作者は、制御パネルによって移動ロボットの動作モードを選択することができ、例えば移動ロボットの予め設定された移動速度、予め設定された移動距離等を選択し、それにより移動ロボットの移動軌跡を決定し、対応する動作モードを選択する。
【0021】
第1監視回路11は、複数の移動装置の運動状態を監視することに用いられ、それにより移動ロボットの移動データを監視する。例えば、移動装置が左輪及び右輪である場合、左輪の回転速度及びステアリングと、右輪の回転速度及びステアリングと、を監視する必要があり、左輪の回転速度及びステアリングと、右輪の回転速度及びステアリングによって移動ロボットの現在状態を決定することができる。あるいは、移動装置が昇降装置である場合、昇降装置の昇降高さと回転角度を監視する必要があり、昇降装置の昇降高さと回転角度によって移動ロボットの現在状態を決定することができる。
【0022】
本実施形態では、移動ロボットの移動データを監視することによって、移動移動ロボットの運動状態が異常であるか否かを判断し、すなわち移動ロボットの安全速度の監視を実現することができ、それにより移動ロボットが異常状態にある時に安全制御を行う。
【0023】
第2監視回路12は移動ロボットの外壁に設置され、本実施形態の第2監視回路12は、移動ロボットが障害物に衝突しているか否かを監視することに用いられ、移動ロボットが障害物に衝突した時に衝突信号を生成し、衝突信号によって安全制御を行い、移動ロボットと障害物との二次衝突や多重衝突を防止し、移動ロボットの安全なエッジ接触検出を実現し、移動ロボットの安全信頼性を向上させる。
【0024】
任意選択的に、本実施形態の第2監視回路12は具体的に圧力センサであってもよく、具体的にはエッジセンサ又は衝突防止ストリップのうちの少なくとも1つを含むことができる。ここで、第2監視回路12は具体的に移動ロボットのハウジング表面を囲んで設置されることができ、移動ロボットの360°空間方向の衝突検出を実現するために用いられ、移動ロボットに対する安全制御効果を向上させ、さらに移動ロボットの安全性能を向上させる。
【0025】
第3監視回路13は移動ロボットの予め設定された範囲内に障害物が存在するか否かを監視し、且つ障害物が存在することを監視した時に警告信号を生成することに用いられる。例えば、第3監視回路13は、移動ロボットの移動経路に障害物が存在するか否かを監視することに用いられ、移動ロボットの移動経路に障害物が存在したと判断し、且つ障害物と移動ロボットとの距離が予め設定された範囲より小さい場合、警報信号を生成する。
【0026】
あるいは、本実施形態における予め設定された範囲は移動ロボットの動作モードに基づいて選択されることができ、すなわち移動ロボットが移動状態にある場合に、移動ロボットの移動経路の前方に障害物が存在するか否かを判断する必要があり、且つ移動ロボットの移動速度と予め設定された範囲に正比例して設置される。移動ロボットが回転状態にある場合、移動ロボットを中心とする予め設定された範囲内に障害物が存在するかどうかを判断する必要がある。
【0027】
本実施形態では、第3監視回路13によって障害物を監視し、それにより衝突防止の効果を果たし、且つ第3監視回路13の監視領域、すなわち予め設定された範囲は切り替え可能であり、第3監視回路13の適用性を向上させる。
【0028】
安全制御回路14は、第1監視回路11及びサーボ回路15に接続され、第1監視回路11によって取得された移動データに基づいて第1安全指令を生成することに用いられ、それによりサーボ回路15は第1安全指令を受信し且つ実行し、移動ロボットのモータを駆動制御する。
【0029】
任意選択的に、第1監視回路11は、移動ロボットの現在状態を監視し、すなわち移動ロボット自体の運動を監視することに用いられる。移動ロボットが異常な運動をしていると監視した場合、例えば移動ロボットがオーバーランする場合、安全制御回路14はモータを減速または停止するように制御するための第1安全指令を出力することができ、即ち対応する安全トルクオフ制御(Safe Torque Off、STO)を実行することができる。
【0030】
安全制御回路14は、さらに第2監視回路12に接続され、第2監視回路12によって生成された衝突信号に基づいて第2安全指令を生成するために用いられ、それによりサーボ回路15が第2安全指令を受信して且つ実行し、移動ロボットのモータを駆動制御する。
【0031】
任意選択で、第2監視回路12は、移動ロボットの衝突が発生するか否かを監視することに用いられ、移動ロボットの衝突が発生したことを監視する場合、移動ロボットが直ちに移動を停止するように制御する必要があり、従って安全制御回路14はモータのモータ保持ブレーキを実現するための第2安全指令を出力する。
【0032】
安全制御回路14は、さらに第3監視回路13に接続され、第3監視回路13によって生成された警報信号に基づいて第3安全指令を生成することに用いられ、それによりサーボ回路15が第3安全指令を受信して実行し、移動ロボットのモータを駆動制御する。
【0033】
任意選択的に、第3監視回路13が予め設定された領域内に障害物が存在するか否かを監視するために用いられ、且つ予め設定された領域が動作モードに基づいて設定され、切り替えられ、すなわち異なる動作モードで安全制御回路14によって生成された第3安全指令も異なる。
【0034】
例えば、移動ロボットが移動状態にある場合、予め設定された領域内に障害物が存在すると判断した場合、移動ロボットをより小さな移動速度に減速するように制御すし、又は移動ロボットを停止状態まで減速するように制御する必要がある。該より小さな移動速度は、移動ロボットが障害物に衝突した場合に損傷しない移動速度であってもよく、又は移動ロボットが障害物に衝突した後に横転しない程度の移動速度であってもよい。
【0035】
したがって、安全制御回路14が警告信号に基づいて生成する第3安全指令は、安全トルクオフ制御または安全ブレーキ制御などを含むことができる。
【0036】
安全制御回路14はさらに安全入力装置にも接続され、安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成することに用いられ、それによりサーボ回路15が第4安全指令を受信し且つ実行し、移動ロボットのモータを駆動制御する。
【0037】
任意選択的に、本実施形態の安全入力装置は緊急停止スイッチ、安全ドア、イネーブルスイッチ、リセットボタン、スタートボタン、モード選択スイッチ、障害物検出シールドスイッチ、又は産業用ロボットの安全性能を監視するための他の入力装置を含むことができる。ここで、安全制御回路14は、異なる機能を実現するための複数の安全入力装置に接続されることができる。
【0038】
例えば、安全制御回路14が緊急停止スイッチに接続される場合、移動ロボットが障害物に衝突した場合又は緊急時に、操作者が緊急停止スイッチを押すことによって第4安全指令が生成され、安全制御回路14は第4安全指令に基づいて移動ロボットの移動を停止するように制御する。
【0039】
安全制御回路14がイネーブルスイッチ又はスタートボタンに接続される場合、操作者が関連するスイッチを押すことによって第4安全指令が生成されることができ、安全制御回路14は第4安全指令に基づいて移動ロボットの起動を制御し、又は移動ロボットのイネーブルを制御し、又は移動ロボットのイネーブル停止を制御する。
【0040】
任意選択的に、本実施形態のイネーブルスイッチは更に3ステートイネーブル操作器(3-State Enable)を選択することができ、ここで3ステートイネーブル操作器の動作を実現するために3ステートイネーブル操作器を継続的に押圧する必要があり、従って緊急時に操作者はボタンを全押しすることができ、又はボタンを放して移動ロボットを停止することができ、移動ロボットの安全制御の信頼性及び適時性を効果的に向上させることができる。
【0041】
本実施形態の安全制御システム1は異なる監視機能を有する第1監視回路11、第2監視回路12及び第3監視回路13を含み、移動ロボット自体及び運動環境のより全面的な感知及び監視を実現でき、且つ異なる監視回路が対応する監視信号を生成する場合、安全制御回路14を介して対応する安全指令を出力し、サーボ回路15が対応する安全保護動作を実行するように制御することにより、移動ロボットの安全制御の信頼性を向上させることができる。
【0042】
同時に、本実施形態の安全制御システム1は安全制御一体化を実現し、外付けの安全PLC等の機器を必要とせず、カテゴリ3(Category 3、CAT3、安全カテゴリ3)及びパフォーマンスレベルd(Performance Level d、PLD、機器安全性能レベルd)の安全規格要件を満たすことができる。また、本実施形態の安全制御システム1は、移動ロボットの制御盤に集積することができ、高集積化、小型化という利点がある。
【0043】
また、本実施形態の全ての監視回路、安全制御回路14及びサーボ回路15はいずれも純粋なハードウェア論理回路142であり、回路の応答速度を向上させることができ、且つ開発周期及び認証周期を短縮させることができる。同時に、本実施形態はプログラマブルロジックコントローラ(PLC)、マイクロプロセッサ(CPU)、マイクロコントローラ(MCU)等のデバイスを使用しなく、且つソフトウェア及び/又はファームウェアをサポートする必要がなくなり、生産コストを大幅に低減することができる。
【0044】
さらに、本実施形態の安全制御回路14は主制御基板16に直接接続されてもよい。ここで、安全制御回路14はさらに生成された第1安全指令、第2安全指令、第3安全指令及び/又は第4安全指令を主制御基板16に送信し、主制御基板16は異なる安全指令に基づいてサーボ回路15を無効にし、すなわちサーボ回路15のイネーブル出力を停止する。
【0045】
任意選択的に、第1安全指令、第2安全指令、第3安全指令及び/又は第4安全指令はSTOシャットダウン指令を含むことができ、ディセーブル指令を受信する場合とは異なり、STOシャットダウン状態におけるサーボ回路15は依然として主制御基板16のイネーブル出力を受信する。移動ロボットが安全なシャットダウンを完了し且つ故障を解決した後、サーボ回路15は移動ロボットの起動を直接制御することができ、この場合サーボ回路15が停電することなく正常に動作することができる。
【0046】
図1と併せて、さらに
図2を参照し、
図2は本出願の移動ロボットの安全制御システムの第2実施形態の構造模式図である。
図2に示すように、安全制御回路14は、入力回路141と、論理回路142と、出力回路143と、を含む。
【0047】
ここで、入力回路141は安全入力装置に接続され、安全入力装置の状態情報を取得することに用いられる。具体的には、安全入力装置の状態情報は具体的には安全入力装置の押圧状態であってもよい。
【0048】
安全入力装置の種類が異なるため、入力された信号も異なり、安全入力装置の一部は安全制御回路14が出力したテスト信号を受信する必要があり、テスト信号を基づいてフィードバック信号を生成し、該フィードバック信号は安全入力装置の状態情報を特徴付けることができる。或いは、安全入力装置の一部がそれ自体で信号を生成することができ、安全入力装置が安全制御回路14に入力する信号は安全入力装置の状態情報を特徴付けることができる。
【0049】
論理回路142は入力回路141に接続され、安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成する。任意選択的に、本実施形態において、入力回路141はデュアルチャネルを介して安全入力装置の入力信号を受信することができ、論理回路142はさらに入力回路141に接続され、デュアルチャネルの入力信号に基づいて論理比較を実行する。これにより、安全入力装置の状態判断を実現し、且つ対応する第4安全指令を生成する。
【0050】
別の実施形態では、論理回路142はさらにデュアルチャネルを介して入力回路141に接続され、入力信号の二重冗長検出を実現することができ、移動ロボットの安全制御の信頼性を向上させる。ここで、本実施形態では二重冗長構造の論理回路142を設置することにより、該安全制御システム1を応用する移動ロボットを国際安全規格ISO-13849-1に準拠させ、移動ロボットの安全レベルを向上させることができる。
【0051】
出力回路143は論理回路142及びサーボ回路15に接続され、第4安全指令をサーボ回路15に送信することに用いられる。任意選択的に、本実施形態の出力回路143はシンプルな論理回路142であってもよい。あるいは、他の実施形態では、論理回路142はサーボ回路15に直接接続されてもよい。
【0052】
さらに、本実施形態の出力回路143は、主制御基板16に接続される。論理回路142は、危険なトリガ状態、故障状態、または誤接続状態である安全入力装置の状態情報に応答して第4安全指令を生成し、且つ第4安全指令を出力回路143及び主制御基板16に送信するために使用される。
【0053】
出力回路143はさらに第4安全指令をサーボ回路15に送信し、それによりサーボ回路15は第1安全指令を実行し、さらに移動ロボットのシャットダウンを制御する。論理回路142はさらに状態情報を移動ロボットの主制御基板16に送信するためにさらに使用され、状態情報が故障状態又は誤接続状態であることに応答して、主制御基板16は警報情報を生成し、それによりユーザが警報情報に基づいて安全入力装置を確認し、且つ安全入力装置の故障問題を解決することができる。
【0054】
あるいは、論理回路142はさらに入力回路141が故障しているか否かを判断し、且つ入力回路141の故障情報を移動ロボットの主制御基板16に送信するためにさらに使用され、それにより主制御基板16は、入力回路141が故障した場合、サーボ回路15を無効にする。
【0055】
図1及び
図2と併せて、さらに
図3を参照すると、
図3は本出願の移動ロボットの安全制御システムの第3実施形態の構造模式図である。
図3に示すように、論理回路142は、一次回路1421と二次回路1422とを含む。
【0056】
具体的には、一次回路1421は入力回路141に接続され、安全入力装置の状態情報を統合処理することに用いられる。任意選択的に、一次回路1421は、デュアルチャネルを介して入力回路141に接続されてもよく、2つの入力信号を受信し、且つ2つの入力信号に対して相互検証することに用いられる。任意選択的に、一次回路1421の数は2つであってもよく、各一次回路1421は入力回路141に接続される。ここで、2つの一次回路1421は、受信した入力信号を相互検証するために相互に接続される。
【0057】
ここで、本実施形態では二重冗長構造を有する一次回路1421が設置されることにより、該安全制御システム1を応用する移動ロボットを国際安全規格ISO-13849-1に準拠させ、移動ロボットの安全レベルを向上させることができる。
【0058】
ここで、一次回路1421は複数の安全入力装置の状態情報をパラレルーシリアル変換することができる。ここで、各安全入力装置の状態情報はパルス信号であってもよく、複数のパルス信号の波形は異なり、一次回路1421は複数のパルス信号を統合し、複数のパルス信号情報を含む信号を出力する。
【0059】
二次回路1422は、一次回路1421及び出力回路143に接続され、状態情報に基づいて第4安全指令を生成し、第4安全指令を出力回路143に送信するために使用される。
【0060】
ここで、二次回路1422は一次回路1421によって出力された信号を受信し、該信号が正常状態で複数のパルス信号の統合信号と同一であるか否かを判断し、同一でない場合、少なくとも一つの安全入力装置の状態情報が変化することを証明し、同時に該判断に基づいて第4安全指令を生成する。また、二次回路1422はさらに具体的などの安全入力装置の状態情報が変化したかを判断することができる。
【0061】
図1~
図3と併せて、さらに
図4を参照し、
図4は本出願の移動ロボットの安全制御システムの第4実施形態の構造模式図である。
図4に示すように、本実施形態の二次回路1422の数は2つであり、各二次回路1422は一次回路1421及び出力回路143に接続される。ここで、2つの二次回路1422は、受信された一次回路1421の出力信号を相互検証するために互いに接続される。
【0062】
ここで、本実施例は二重冗長構造の二次回路1422を設置することにより、該安全制御システム1を応用する移動ロボットを国際安全規格ISO-13849-1に準拠させ、移動ロボットの安全レベルを向上させることができる。
【0063】
図1及び
図3と併せて、さらに
図5を参照すると、
図5は本出願の移動ロボットの安全制御システムの第5実施形態の構造模式図である。
図5に示すように、本実施形態の安全制御回路14はさらに状態監視モジュール144及びモード切替モジュール145を含む。
【0064】
ここで、状態監視モジュール144は、移動ロボットの動作状態を監視することに用いられ、移動ロボットの動作状態に基づいてモード切替信号を生成する。モード切替モジュール145は状態監視モジュール144及び論理回路142に接続され、モード切替モジュール145はモード切替信号に基づいてモード信号を生成し、論理回路142はモード信号及び安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成する。
【0065】
具体的には、移動ロボットの動作状態は静止、加速又は起動等を含むことができる。状態監視モジュール144は、移動ロボットの動作状態を監視することにより、移動ロボットが現時点でどのような状態にあるかを判断することができ、又はさらに移動ロボットが状態を切り替えようとしていることを判断し、異なる状態に基づいて切り替え及び異なる動作状態に基づいて対応するモード切替信号を生成する。
【0066】
さらに、モード切替モジュール145は、異なるモード切替信号を受信することによって、状態変化が発生したか否かを判断し、且つ同時に安全入力装置の状態情報を受信し、両方に基づいて第4安全指令を生成する。
【0067】
例えば、状態監視モジュール144は移動ロボットが現在高速移動状態にあることを監視した場合、且つ論理回路142は、安全入力装置がトリガーされたことを示す安全入力装置の状態情報を受信して、例えば緊急停止装置がトリガーされた場合、緊急停止装置のトリガーに直接基づいて緊急停止信号を生成すれば、移動ロボットが緊急停止動作を行い、横転等を引き起こす可能があり、通行する歩行者に危害を及ぼす可能性があるため、移動ロボットの現在の動作状態及び安全入力装置の状態情報を組み合わせて第4安全指令を生成する必要がある。
【0068】
図1と併せて、さらに
図6を参照して、
図6は本出願の移動ロボットの安全制御システムの第6実施形態の構造模式図である。
図6に示すように、本実施形態の第1監視回路11は第1エンコーダ111及び第2エンコーダ112を含む。
【0069】
移動ロボットが左輪及び右輪を含む場合、第1エンコーダ111及び第2エンコーダ112はそれぞれ左輪及び右輪を監視し、移動ロボットの移動速度情報、位置情報及び方向情報を取得することに用いられる。
【0070】
任意選択的に、第1監視回路11は複数のエンコーダを含み、複数のエンコーダのうちの2つのエンコーダが同じ移動装置の運動状態を監視することに用いられる。具体的には、本実施形態の第1エンコーダ111及び第2エンコーダ112の数はいずれも2つであってもよく、第1エンコーダ1111A、第1エンコーダ2111B、第2エンコーダ1112A及び第2エンコーダ2112Bを定義することができる。ここで、第1エンコーダ1111A及び第1エンコーダ2111Bはそれぞれ独立した読み取りヘッドを有し、且つ同一のPCBに設置される。同時に第2エンコーダ1112A及び第2エンコーダ2112Bはそれぞれ独立した読み取りヘッドを有し、且つ同一のPCBに設置される。本実施形態では、デュアルエンコーダがそれぞれ左輪のデータ及び右輪のデータを監視することによって、いずれかのエンコーダにエラーが発生した場合、第1監視回路11が左輪及び/又は右輪の運動情報を受信できず、さらに左輪及び/又は右輪を安全に制御できないことを防止でき、移動ロボットの安全制御の信頼性を向上させる。
【0071】
ここで、第1エンコーダ111は左輪に第1テストパルス信号を出力し、左輪は第1テストパルス信号に基づいて左輪の運動情報を返し、第2エンコーダ112は右輪に第2テストパルス信号を出力し、右輪は第2テストパルス信号に基づいて右輪の運動情報を返す。
【0072】
さらに、本実施形態の第1監視回路11は第3エンコーダ113を含む。ここで、移動ロボットが昇降装置を含む場合、第3エンコーダ113は昇降装置を監視して、昇降装置の昇降高さ及び回転角度を取得するために使用される。
【0073】
任意選択的に、第1監視回路11は複数のエンコーダを含み、複数のエンコーダのうちの2つのエンコーダが同じ移動装置の運動状態を監視するために用いられ、即ち本実施形態の第3エンコーダ113の数は2つであってもよく、第3エンコーダ1113A及び第3エンコーダ2113Bを定義することができる。ここで、第3エンコーダ1113A及び第3エンコーダ2113Bはそれぞれ独立した読み取りヘッドを有し、且つ同一のPCBに設置される。本実施形態では、デュアルエンコーダが昇降装置のデータを監視することによって、いずれかのエンコーダにエラーが発生した場合、第1監視回路11が昇降装置の運動情報を受信できず、さらに昇降装置を安全に制御でき無いことを防止でき、移動ロボットの安全制御の信頼性を向上させる。
【0074】
ここで、本実施形態では、二重冗長構造の第1監視回路11を設置することにより、該安全制御システム1の移動ロボットを国際安全規格ISO-13849-1に準拠させ、移動ロボットの安全レベルを向上させることができる。
【0075】
図6と併せて、さらに
図7を参照し、
図7は本出願の移動ロボットの安全制御システムの第7実施形態の構造模式図である。
図7に示すように、安全制御回路14は、第1診断回路146と、デコード回路147と、第2診断回路149と、領域判定回路148とをさらに含む。
【0076】
ここで、第1診断回路146は第1エンコーダ111及び第2エンコーダ112に接続され、第1エンコーダ111の監視データ及び第2エンコーダ112の監視データに基づいて、左輪及び右輪の運動状態を監視する。
【0077】
本実施形態では、第1エンコーダ1111A、第1エンコーダ2111B、第2エンコーダ1112A及び第2エンコーダ2112Bが設置され、具体的には、第1診断回路146はそれぞれ第1エンコーダ1111A、第1エンコーダ2111B、第2エンコーダ1112A及び第2エンコーダ2112Bに接続される。
【0078】
ここで、第1エンコーダ111及び第2エンコーダ112の監視データは回転速度情報及びステアリング情報を含み、従って第1診断回路146は第1エンコーダ1111A及び第1エンコーダ2111Bの監視データに基づいて左輪の第1回転角度及び第1回転速度を決定することができ、第2エンコーダ1112A及び第2エンコーダ2112Bの監視データに基づいて右輪の第2回転角度及び第2回転速度を決定することができる。
【0079】
さらに、車輪の運動は主に回転角度及び回転速度によって制御され、且つ第1診断回路146は、左輪の2つの回転角度及び回転速度をそれぞれ取得することができ、更に右輪の2つの回転角度及び回転速度をそれぞれ取得することができ、車輪の対応する回転角度および回転速度を比較することによって各車輪を監視することができる。
【0080】
具体的には、第1診断回路146は、2つの第1回転角度を比較し、且つ2つの第1回転角度が同じであることに応答して、第1エンコーダ1111A及び第1エンコーダ2111Bがいずれも正常であると判断し、第1回転角度が左輪の実際の回転角度であり、あるいは、2つの第1回転角度が異なることに応答して、第1エンコーダ1111Aまたは第1エンコーダ2111Bが異常であると判断する。
【0081】
第1診断回路146は、2つの第2回転角度を比較し、且つ2つの第2回転角度が同じであることに応答して、第2エンコーダ1112Aと第2エンコーダ2112Bが正常であると判断し、第2回転角度が右輪の実際の回転角度であり、あるいは、2つの第2の回転角度が異なることに応答して、第2エンコーダ1112Aまたは第2エンコーダ2112Bが異常であると判断する。
【0082】
第1診断回路146は、2つの第1回転速度を比較し、且つさらに2つの第1回転速度の差を計算し、2つの第1回転速度の差が予め設定された閾値より小さいことに応答して、第1エンコーダ1111A及び第1エンコーダ2111Bがいずれも正常であると判断し、あるいは、第1の回転速度と第1の回転速度との差が予め設定された閾値以上であることに応答して、第1エンコーダ1111Aまたは第1エンコーダ2111Bが異常であると判断する。
【0083】
第1診断回路146は、2つの第2回転速度を比較し、且つさらに2つの第2回転速度の差を計算し、2つの第2回転速度の差が予め設定された閾値より小さいことに応答して、第2エンコーダ1112A及び第2エンコーダ2112Bがいずれも正常であると判断し、或いは、2つの第2回転速度の差が予め設定された閾値以上であることに応答して、第2エンコーダ1112Aまたは第2エンコーダ2112Bが異常であると判断する。
【0084】
ここで、本実施形態では、左輪の回転速度差の閾値と右車輪の回転速度差の閾値がいずれも予め設定された閾値であることを設置することによって、安全監視の一貫性を向上させ、機械全体の安全監視の安全信頼性を向上させる。
【0085】
図7に示すように、デコード回路147は、第1エンコーダ1111A、第1エンコーダ2111B、第2エンコーダ1112A及び第2エンコーダ2112Bに接続され、第1エンコーダ1111A及び第1エンコーダ2111Bの監視データを復号して左輪の速度信号及び方向信号を取得するために使用され、第2エンコーダ1112A及び第2エンコーダ2112Bの監視データを復号して右輪の速度信号及び方向信号を取得するために使用される。ここで、デコード回路147は、第1エンコーダ1111Aの監視データ、第1エンコーダ2111Bの監視データ、第2エンコーダ1112Aの監視データ及び第2エンコーダ2112Bの監視データを復号処理して、対応する速度信号及び方向信号を取得するために使用される。ここで、速度信号及び方向信号の信号タイプが異なり、具体的に、速度信号はアナログ信号であり、方向信号はデジタル信号である。
【0086】
具体的には、本実施形態のデコード回路147は、第1デコード回路1471と、第2デコード回路1472と、第3デコード回路1473と、第4デコード回路1474と、を含む。第1デコード回路1471は第1エンコーダ1111Aに接続され、第2デコード回路1472は第1エンコーダ2111Bに接続され、第3デコード回路1473は第2エンコーダ1112Aに接続され、第4デコード回路1474は第2エンコーダ2112Bに接続される。
【0087】
図7に示すように、第2診断回路149は、デコード回路147に接続され、左輪の速度信号及び/又は方向信号に基づいて左輪が異常であるか否かを決定し、右輪の速度信号及び/又は方向信号に基づいて右輪が異常であるか否かを決定し、左輪の速度信号及び右輪の速度信号に基づいて移動ロボットがオーバーランするかどうかを決定することに用いられる。
【0088】
任意選択的に、一実施形態では、第2診断回路149は、左輪の方向信号に基づいて左輪の回転角度を決定し、左輪の速度信号に基づいて左輪の回転速度を決定する。
【0089】
ここで、第2診断回路149は、2つの左輪の回転角度を比較し、且つ2の左輪の回転角度が同じであることに応答して、第1エンコーダ1111A及び第1エンコーダ2111Bがいずれも正常であると決定し、回転角度が左輪の実際の回転角度であり、或いは、2つの左輪の回転角度が異なることに応答して、第1エンコーダ1111A又は第1エンコーダ2111Bが異常であると決定する。
【0090】
第2診断回路149は、2つの左輪の回転速度を比較し、且つさらに2つの左輪の回転速度の差を計算し、2つの左輪の回転速度の差が予め設定された閾値より小さいことに応答して、第1エンコーダ1111A及び第1エンコーダ2111Bがいずれも正常であると決定し、或いは、2つの左輪の回転速度の差が予め設定された閾値以上であることに応答して、第1エンコーダ1111Aまたは第1エンコーダ2111Bが異常であると決定する。
【0091】
具体的には、第2診断回路149は、右輪の方向信号に基づいて右輪の回転角度を決定し、右輪の速度信号に基づいて右輪の回転速度を決定する。
【0092】
ここで、第2診断回路149は、2つの右輪の回転角度を比較し、且つ2つの右輪の回転角度が同じであることに応答して、第2エンコーダ1112A及び第2エンコーダ2112Bがいずれも正常であると決定し、回転角度が右輪の実際の回転角度であり、あるいは、2つの右輪の回転角度が異なることに応答して、第2エンコーダ1112Aまたは第2エンコーダ2112Bが異常であると決定する。
【0093】
第2診断回路149は、2つの右輪の回転速度を比較し、且つさらに2つの右輪の回転速度の差を計算し、2つの右輪の回転速度の差が予め設定された閾値より小さいことに応答して、第2エンコーダ1112A及び第2エンコーダ2112Bがいずれも正常であると決定し、或いは、2つの右輪の回転速度の差が予め設定された閾値以上であることに応答して、第2エンコーダ1112Aまたは第2エンコーダ2112Bが異常であると決定する。
【0094】
別の実施形態では、第2診断回路149は、左輪の回転速度及び右輪の回転速度を比較し、且つ左輪の回転速度と右輪の回転速度との差を計算し、左輪の回転速度と右輪の回転速度との差が予め設定された閾値より大きいことに応答して、移動ロボットがオーバーランすると決定する。
【0095】
図7に示すように、本実施形態の第3監視回路13はレーダー131を含み、それにより障害物に対する非接触監視を実現する。任意選択的に、レーダーは、パルスレーザーを発射し、且つパルスレーザーの反射光を受信して、反射光に基づいて移動ロボットの予め設定された範囲内に障害物があるかどうかを判断することに用いられる。
【0096】
領域判定回路148は、デコード回路147に接続され、左輪の速度信号及び方向信号と、右輪の速度信号及び方向信号と、に基づいて領域情報を生成し、レーダー131は、領域判定回路148に接続され、領域情報に基づいて移動ロボットの予め設定された領域を切り替える。ここで、本実施形態に記載の予め設定された領域を切り替えることは移動ロボットの動作環境に関連することができる。
【0097】
ここで、領域判定回路148は、第1デコード回路1471、第2デコード回路1472、第3デコード回路1473及び第4デコード回路1474にそれぞれ接続される。
【0098】
移動ロボットの移動距離は移動速度及びステアリングによって決定されるため、領域判定回路148は、復号された左輪の速度信号及び方向信号と、右輪の速度信号及び方向信号と、を受信する必要がある。
【0099】
具体的には、領域判定回路148は、第1デコード回路1471、第2デコード回路1472、第3デコード回路1473及び第4デコード回路1474の出力信号に基づいて領域情報を生成する。任意選択的に、領域判定回路148内に現在の動作領域の地図が記憶されることができ、且つ地図上の異なる領域は異なる移動距離に対応し、移動距離は回転速度、ステアリング及び移動時間によって計算されて得ることができる。
【0100】
ここで、第1デコード回路1471の出力信号及び第2デコード回路1472の出力信号はいずれも移動ロボットの左輪の移動距離を特徴付けるデータであり、2者のいずれか1つのみを選択すればよい。第3デコード回路1473の出力信号と第4デコード回路1474の出力信号はいずれも移動ロボットの右輪の移動距離を特徴付けるデータであり、2者のいずれか1つのみを選択すればよい。
【0101】
また、他の実施形態では、領域判定回路148は、第1領域判定回路と第2領域判定回路とをさらに含んでもよい。
【0102】
ここで、第1領域判定回路は第1デコード回路1471及び第3デコード回路1473に接続され、復号して得られた左輪の速度信号、左輪の方向信号、右輪の速度信号及び右輪の方向信号に基づいて、第1領域情報を生成する。
【0103】
第2領域判定回路は、第2デコード回路1472及び第4デコード回路1474に接続されて、復号して得られた左輪の速度信号、左輪の方向信号、右輪の速度信号及び右輪の方向信号に基づいて、第2領域情報を生成する。
【0104】
さらに、レーダー131は、第1領域判定回路と第2領域判定回路に接続され、第1領域情報と第2領域情報に基づいて故障診断信号を生成する。
【0105】
ここで、レーダー131は第1領域情報及び第2領域情報を交差検証し、両者が一致すると判断する場合、第1領域判定回路及び第2領域判定回路の検出計算結果が一致することを証明し、即ち該第1領域情報又は第2領域情報に対応する領域が移動ロボットの現在位置する領域である。異なる領域内に異なる障害物が存在するため、移動ロボットの現在位置する領域を判断することにより、障害物検出領域の切り替えを実現することができる。
【0106】
両者が一致しないと判断する場合、第1領域判定回路及び第2領域判定回路の検出計算結果が一致しないことを証明し、このとき第1領域情報及び第2領域情報が信頼できず、第1領域判定回路及び/又は第2領域判定回路の異常である可能性があり、又は第1デコード回路1471、第2デコード回路1472、第3デコード回路1473及び第4デコード回路1474のうちの少なくとも1つが異常である。
【0107】
任意選択的に、本実施形態のレーダー131は通信バスを用いて第1領域判定回路と第2領域判定回路とを接続し、データ伝送を実現することができる。
【0108】
同時に、レーダー131は処理回路を介して第1エンコーダ111及び第2エンコーダ112に接続されることができ、処理回路によって移動ロボットの運動時間での移動距離を計算する。さらに、処理回路内に現在の作動領域の地図が記憶されることができ、且つ地図上の異なる領域は異なる移動距離に対応し、従って、現在の移動距離及び初期位置を比較することにより、移動ロボットの現在領域を決定することができ、レーダーが処理回路の出力信号に基づいて、予め設定された領域、つまり監視領域の切り替えを実現することができる。
【0109】
本出願は複数の監視回路及び安全制御回路14が設置される安全制御システム1を構築し、移動ロボットの運動状態、衝突を発生するかどうか及び予め設定された領域内に障害物があるかどうか等を監視することが実現でき、多方面の監視によって移動ロボットの安全制御の信頼性を向上させる。同時に、複数の二重冗長構造の回路を設置することにより、安全制御システム1のデータを取得および計算する精度を向上させることができ、それにより該安全制御システム1の移動ロボットを国際安全規格IOS-13849-1に準拠させ、移動ロボットの安全レベルを向上させる。
【0110】
一方、本出願の安全制御システム1における安全制御回路14は主制御基板16及びサーボ回路15に直接接続されることができ、安全制御システム1全体の集積度を向上させ、安全制御システム1の複雑な回路を簡略化し、生産コストを削減することができる。同時に、本出願の主制御基板16と安全制御回路14は通信バスを介して接続されることができ、それにより少なくとも移動ロボットの左輪及び右輪の運動情報、動作モード選択情報、監視領域切替信号、リセット情報及び起動信号を含む多くのデータ情報を送信し、及び安全制御システム1の集積を容易にし、安全制御システム1を移動ロボットの制御盤に集積し、安全制御システム1の集積度を向上させ、同時に生産コストを低減させる。
【0111】
本出願はさらに移動ロボットを提供し、
図8を参照すると、
図8は本出願の移動ロボットの一実施形態の構造模式図である。
図8に示すように、移動ロボット20は本体21、複数の移動装置22及び安全制御システム23を含み、ここで安全制御システム23は上記いずれかの実施形態に記載の安全制御システム1であり、ここでは説明を省略する。
【0112】
具体的には、複数の移動装置22は、本体21の底部及び/又は頂部に設置され、移動ロボット20を水平方向又は重力方向に沿って移動させることに用いられる。例えば、本体21の底部に設置される左輪及び右輪は、移動ロボット20を水平方向に沿って移動させることに用いられ、又は本体21の頂部に設置される昇降装置は、移動ロボット20を重力方向に沿って移動させるよことに用いられる。
【0113】
安全制御システム23は移動ロボット20のモータに接続され、移動装置22の運動状態を監視し、移動ロボット20の移動データを監視して第1安全指令を生成し、移動ロボット20が障害物に衝突するかどうかを監視して第2安全指令を生成し、移動ロボット20の予め設定された範囲内に障害物があるかどうかを監視して第3安全指令を生成し、および/または移動ロボット20の安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成し、第1安全指令、第2安全指令、第3安全指令及び/又は第4安全指令に基づいて、対応する安全指令を実行するように移動ロボット20のモータを制御するために使用される。
【0114】
本出願はさらにロボットを提供し、該ロボットは、キャリア、本体および安全制御システムを含み、ここで、安全制御システムは、第1監視回路と、第2監視回路と、第3監視回路と、安全制御回路と、サーボ回路と、主制御基板と、を含み、第1監視回路は、本体の運動状態を監視して本体の運動データを監視するために使用され、第2監視回路は、本体の外壁に設置され、本体が障害物に衝突した場合に衝突信号を生成するために使用され、第3監視回路は、本体の予め設定された範囲内に障害物が存在するか否かを監視し、且つ障害物が存在することを監視した場合に警報信号を生成するために使用され、安全制御回路は、第1監視回路、第2監視回路、第3監視回路及び移動ロボットの安全入力装置に接続され、移動データに基づいて第1安全指令を生成し、衝突信号に基づいて第2安全指令を生成し、警報信号に基づいて第3安全指令を生成し、安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成するために使用され、サーボ回路は、安全制御回路に接続され、安全制御回路によって出力された第1安全指令、第2安全指令、第3安全指令又は第4安全指令を受信して実行するために使用され、主制御基板は、サーボ回路に接続され、駆動制御信号をサーボ回路に出力するために使用され、それによりサーボ回路が駆動制御信号に基づいて移動ロボットのモータを制御する。
【0115】
ここで、本体はキャリアに取り付けられ、且つキャリアと組み合わせて運動制御を実行することができる。
【0116】
任意選択で、ロボットの制御キャビネット、主制御基板、サーボ回路、サーボ駆動コンポーネントなどのうちの少なくとも1つはキャリアに設置されることができる。
【0117】
ここで、本体または本体の一部は運動可能に設置され、本体の運動は回転および/または移動を含み、運動データは回転データおよび/または移動データなどを含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、キャリアは移動装置を含むことができ、移動装置は移動ロボットを水平方向または重力方向に沿って移動させるために使用される。本実施形態において、ロボットは全体移動可能なロボットであり、その具体的な動作構造および制御については上記実施形態を参照することができる。
【0119】
いくつかの実施形態において、キャリアはベースを含み、ロボットの動作中にベースの安定性を確保するために、ベースは作業台などに固定されることができる。この実施形態では、ロボットは部分移動可能なロボットであり、本体または本体の一部がベースに対して移動可能である。例えば、本体はロボットアームを含んでもよく、ロボットアームはベースに対して移動されてもよく、ロボットアームの関節の一部がベースに対して移動されてもよい。本体の可動部品は、伸縮式カーゴフレーム、拡張シャフト、エンドエフェクタ、モータなどのうちの少なくとも1つを含むこともできる。
【0120】
安全制御システムはロボットのモータに接続され、本体または本体に設置された可動部品の運動状態を監視し、本体または可動部品の運動データを監視して第1安全指令を生成し、本体または可動部品が障害物に衝突するかどうかを監視して第2安全指令を生成し、本体または可動部品の予め設定された範囲内に障害物があるかどうかを監視して第3安全指令を生成し、および/またはロボットの安全入力装置の状態情報に基づいて第4安全指令を生成し、第1安全指令、第2安全指令、第3安全指令及び/又は第4安全指令に基づいて、対応する安全指令を実行するようにロボットのモータを制御するために使用される。この方式により、本実施形態のロボットには複数の監視回路及び安全制御回路を備えた安全制御システムが設置されることにより、ロボットの運動状態、衝突を発生するか否か及び予め設定された領域内に障害物が存在するか否か等の監視を実現することができ、多方面の監視によってロボットの安全制御の信頼性を向上させ、一方で、安全制御システムにおける安全制御回路はサーボ回路に直接接続されることができ、安全制御システム全体の集積度を向上させ、安全制御システムの複雑な回路を簡略化し、生産コストを低減させることができる。
【0121】
以上は本出願の実施形態に過ぎず、それによって本出願の特許範囲を制限するものではなく、本出願の明細書及び図面の内容を利用して行われる等価構造又は等価プロセス変換、又は他の関連する技術分野に直接又は間接的に適用されるものは、いずれも同様に本出願の特許請求の範囲内に含まれる。