(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152743
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241018BHJP
F21V 9/14 20060101ALI20241018BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20241018BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20241018BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241018BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20241018BHJP
【FI】
F21S2/00 441
F21S2/00 311
F21V9/14
F21V5/00 510
F21S2/00 435
F21S2/00 436
F21S2/00 439
F21V7/28 240
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024125672
(22)【出願日】2024-08-01
(62)【分割の表示】P 2021055038の分割
【原出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】杉山 寿紀
(72)【発明者】
【氏名】國井 康彦
(57)【要約】
【課題】小型でかつ低コストで製造可能で、HUDや空間浮遊映像表示装置などの電子装置の表示デバイスの照明用光源として好適な光源装置を提供する。
【解決手段】光源装置は、固体光源から出射された光を蛍光体に照射して白色光を生成する光源と、光源から出射された白色光の発散光束を平行光に変換するコリメート光学系と、コリメート光学系から出射された光を入射光として入射し、入射光を入射方向とは異なる方向に出射する導光体と、を備え、コリメート光学系は、平行光の青色領域の光を反射して蛍光体を照射するように構成されたフィルターを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源装置であって、
固体光源から出射された光を蛍光体に照射して白色光を生成する光源と、
前記光源から出射された白色光の発散光束を平行光に変換するコリメート光学系と、
前記コリメート光学系から出射された光を入射光として入射し、前記入射光を入射方向とは異なる方向に出射する導光体と、を備え、
前記コリメート光学系は、前記平行光の青色領域の光を反射して前記蛍光体を照射するように構成されたフィルターを有する、
光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光源装置において、
前記フィルターによって反射される前記平行光の青色領域の光は、前記平行光の短波長の青色領域の光である、
光源装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光源装置において、
前記フィルターは、前記コリメート光学系の出射面に設けられる、
光源装置。
【請求項4】
請求項1に記載の光源装置において、
前記コリメート光学系と前記導光体との間に前記平行光を拡散させる拡散ブロックを備え、
前記フィルターは、前記拡散ブロックの入射面に設けられる、
光源装置。
【請求項5】
請求項4に記載の光源装置において、
前記フィルターは、前記コリメート光学系の出射面および前記拡散ブロックの入射面にそれぞれ設けられる、
光源装置。
【請求項6】
請求項1に記載の光源装置において、
前記固体光源から出射された光を蛍光体に照射して白色光を生成する光源から出射される光源の発散角が80度以上である、
光源装置。
【請求項7】
請求項1に記載の光源装置において、
前記フィルターは、反射率が50%となるカットオフ波長が435(nm)以下である、
光源装置。
【請求項8】
請求項1に記載の光源装置において、
前記コリメート光学系と前記導光体との間に、光の偏光方向を一方向に揃える偏光変換素子を備えている、
光源装置。
【請求項9】
請求項1に記載の光源装置において、
前記導光体は、前記入射光を入射する入射部、前記入射光を反射する反射部、前記反射部で反射した光を出射する出射部を有しており、
前記反射部は、前記入射光を反射する複数の反射面と前記複数の反射面間を連接する複数の連接面からなり、前記入射部は、前記反射部の反射面に入射する前記入射光の入射角が大きくなる方向に、光を偏向させる構造を有している、
光源装置。
【請求項10】
請求項9に記載の光源装置において、
前記コリメート光学系と前記導光体との間に散乱体を備え、
前記連接面は、前記散乱体の半値角の範囲内で影が形成される角度で前記入射光に対して傾斜している、
光源装置。
【請求項11】
請求項9に記載の光源装置において、
前記入射部の入射面は、前記入射光に対して斜めに配置された傾斜面である、
光源装置。
【請求項12】
請求項11に記載の光源装置において、
前記入射面の少なくとも一部が曲面である、
光源装置。
【請求項13】
請求項10に記載の光源装置において、
前記反射面の仰角は場所によって異なり、互いに隣接する前記反射面と前記連接面との相対角度が90度以上である、
光源装置。
【請求項14】
請求項13に記載の光源装置において、
前記相対角度は、場所によらず一定値である、
光源装置。
【請求項15】
請求項9に記載した光源装置において、
前記コリメート光学系の出射面には、光を拡散させる構造が形成されている、
光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状の光源として利用可能な光源装置に関し、特に、小型化を目指した画像表示デバイスを備えた電子装置に用いるのに適した面状の光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Head Up Display(以下、「HUD」)や超小型プロジェクタの表示デバイスの照明用光源として、小型で、かつ、高効率の光源装置が望まれている。
【0003】
なお、従来、小型かつ高効率の光源装置を実現する上で、透明樹脂上に所定のテクスチャーを形成した導光体を活用した光源装置が、以下の特許文献1により、既に知られている。この特許文献に記載の導光体照明装置は、導光体端部より光を入射し、導光体表面に形成されたテクスチャーにより入射した光を散乱させることにより、薄型の高効率光源装置を実現できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、固体光源であるLEDの発光効率の向上に伴い、光源装置の発光源としてLEDを用いることが有効である。しかしながら、LEDおよびその光を略平行光に変換するLEDコリメータを用いた光学系では、特許文献1において開示された光学系の形状では、その光利用効率特性や均一照明特性において、未だ不十分であることが分かった。
【0006】
そこで、本発明では、具体的には、LED光源からのレーザ光の光利用効率特性や均一照明特性をより向上することにより光源装置の小型化を達成すると共に、低コストで製造可能な、もって、HUDや空間浮遊映像表示装置などの電子装置の表示デバイスにおける照明用光源として好適な光源装置を提供し、更には、それを利用した画像表示デバイスを備えた電子装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための一実施の態様として、光源装置であって、固体光源から出射された光を蛍光体に照射して白色光を生成する光源と、前記光源から出射された白色光の発散光束を平行光に変換するコリメート光学系と、前記コリメート光学系から出射された光を入射光として入射し、前記入射光を入射方向とは異なる方向に出射する導光体と、を備え、前記コリメート光学系は、前記平行光の青色領域の光を反射して前記蛍光体を照射するように構成されたフィルターを有する、光源装置が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、前記の光源装置を画像表示デバイスとして利用した電子装置は、HUDや空間浮遊映像表示装置を含んでいる。
【発明の効果】
【0009】
上述した本発明によれば、低コストで製造可能、かつ、小型化、高効率、高信頼性な光源装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例1に係る光源装置の全体概観を示す展開斜視図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る光源装置における光学系の内部構成の概観を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る光源装置における導光体の詳細について説明する斜視図や一部拡大断面を含む図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る光源装置における導光体の動作の詳細について説明する側面図である。
【
図5】本発明の実施例1に係る光源装置における導光体の動作の詳細について説明する上面および側面図である。
【
図6】本発明の実施例1に係る光源装置における導光体の動作を説明するための比較例を示す図である。
【
図7】本発明の実施例1に係る光源装置におけるコリメータや合成拡散ブロックの詳細について説明する斜視図である。
【
図8】本発明の実施例1に係る光源装置における合成拡散ブロックの詳細について説明する一部拡大断面図である。
【
図9】本発明の実施例1に係る光源装置の光学系の構成部品である導光体を成形するために用いる金型の加工方法を説明する図である。
【
図10】本発明の実施例1に係る光源装置の変形例である光源装置の全体概観を示す外観斜視図である。
【
図11】本発明の実施例1に係る光源装置の変形例である光源装置の光学系の内部構成の概観を示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施例1に係る光源装置の他の変形例である光源装置の全体概観を示す外観斜視図である。
【
図13】本発明の実施例1に係る光源装置におけるコリメータの別形態と合成拡散ブロックの形状を示す斜視図である。
【
図14】本発明の実施例1に係る光源装置を、その表示デバイスの照明用光源として利用したHUDの構成を示す図である。
【
図15】本発明の実施例2に係る光源装置の光学系の構造の一例を示す斜視図である。
【
図16】本発明の実施例2に係る光源装置の光学系における動作を示す側面図である。
【
図17】本発明の実施例2に係る光源装置における導光体の動作の詳細について説明する上面および側面図である。
【
図18】本発明の実施例2に係る光源装置の光学系の構成部品であるLEDコリメータと合成拡散ブロックの構造の一例を示す斜視図である。
【
図19】本発明の実施例2に係る光源装置の光学系の構成部品である合成拡散ブロックの構造の一例を示す斜視図である。
【
図20】本発明の実施例2に係る光源装置における合成拡散ブロックの詳細について説明する断面とその一部拡大断面図である。
【
図21】高輝度LED光源の実施例1に係る波長別放射エネルギー強度を相対的に示す特性図である。
【
図22】高輝度LED光源の実施例1に係る放射エネルギー発散強度を相対的に示す特性図である。
【
図23】高輝度LED光源の実施例2に係る波長別放射エネルギー強度を相対的に示す特性図である。
【
図24】高輝度LED光源の実施例2に係る放射エネルギー発散強度を相対的に示す特性図である。
【
図25】LCD-TV用途のLED光源の波長別放射エネルギー強度を相対的に示す特性図である。
【
図26】LCD-TV用途のLED光源の放射エネルギー発散強度を相対的に示す特性図である。
【
図27】実施例に係るフィルターの分光透過率を示した特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係る光源装置の概観を示す展開斜視図である。図からも明らかなように、光源装置(本体)10は、例えば、プラスチックなどにより形成され、その内部に、後にも詳述するLED、コリメータ、合成拡散ブロック(拡散ブロック)、導光体等を収納してなる光源装置ケース11から構成されている。その上面には、液晶表示素子50が取り付けられており、また、その一の側面には、半導体光源であるLED(Light Emitting Diode)素子やその制御回路を実装したLED基板12が取り付けられていると共に、当該LED基板12の外側面には、上記LED素子および制御回路で発生する熱を冷却するためのヒートシンク13が取り付けられている。
【0013】
更に、光源装置ケース11の上面に取り付けられた液晶表示素子50は、液晶表示パネルフレーム51と、当該フレームに取り付けられた液晶表示パネル52と、更に、当該パネルに電気的に接続されたFPC(フレキシブル配線基板)53とから構成されている。即ち、液晶表示パネル52は、後にも詳細に説明するが、電子装置を構成する制御回路(ここでは図示せず)からの制御信号によって制御される。
【0014】
図2は、上記光源装置10の内部、即ち、光源装置ケース11内に収納されている光学系の構成を示す。
【0015】
光源を構成する複数(本例では、4個)のLED14a~14d(
図2においては、LED14a、14bの2個のみを示す)が、略放物断線を回転して得られる円錐凸形状の外形を有するLEDコリメータ15のそれぞれの底部に取り付けられており、当該LEDコリメータの光の出射側には、矩形状の合成拡散ブロック16が設けられている。即ち、LED14aまたは14bから射出されたレーザ光は、LEDコリメータ15の放物線の境界面により反射され、平行光となって合成拡散ブロック16へ入射する。
【0016】
更に、上記合成拡散ブロック16の出射面側には、第1の拡散板18aを介して、断面略三角形の棒状の導光体17が設けられており、その上面には、第2の拡散板18bが取り付けられている。これにより、上記LEDコリメータ15の水平光は、当該導光体17の働きにより図の上方に反射されて、上記液晶表示素子50の入射面に導かれる。なお、その際、上記第1および第2の拡散板18a、18bによって、その強度が均一化される。
【0017】
〈高輝度LED光源の使いこなし〉
本実施例では、LED光源は、高出力タイプのものを用いるがその基本構成は青色LEDにより蛍光体を励起して励起光の青色と蛍光光(緑色成分と赤色成分を含む)を混色して発散させる構成となっている。
図21は、HUDバックライト用高輝度LED:A社のX製品の分光放射エネルギーを相対値として示した特性図である。入力電流1000(mA)で224~355(lm)の放射光束を出力する。出力光として緑色成分と赤色成分を含んだ蛍光体を励起する高輝度青色LEDとしては、ピーク波長が440(nm)で、ピーク輝度の10%となる短波長側の波長は420(nm)、カットオフの波長が360(nm)で、エネルギーの大きい紫外線領域から青色の短波長領域(図中で高エネルギー領域と表示)に属する光が発散される。また、他のバックライト用高輝度LEDとしては、例えば、B社のY製品がある。
図23に、この分光放射エネルギーを相対値とした特性が示される。入力電流650(mA)で168(lm)の光束を出力する。出力光として緑色成分と赤色成分を含んだ蛍光体を励起する高輝度青色LEDとしては、ピーク波長が445(nm)で、ピーク輝度の10%となる短波長側の波長は423(nm)、カットオフの波長が400(nm)である。
図21のHUDバックライト用高輝度LEDからの光源光の発散特性は、
図22に示す通りである。
【0018】
これに対して、液晶TV用のバックライト光源として使用される代表例としてのLEDとして、例えば、B社のZ製品がある。
図25に、この分光放射エネルギーを相対値とした特性が示される。入力電流650(mA)で168(lm)の光束を出力する。出力光として緑色成分と赤色成分を含んだ蛍光体を励起する高輝度青色LEDとしては、ピーク波長が450(nm)で、ピーク輝度の10%となる短波長側の波長は430(nm)、カットオフの波長が420(nm)であり、高輝度LEDのピーク波長とカットオフ波長が長波長側にシフトした特性となっている。
【0019】
このため、高輝度LEDを用いた光源装置では、エネルギーの高い青色光(青色領域の光)が液晶パネルと偏光板に入射する光量を制限する必要がある。このため、本実施例では、例えば
図27に示す透過特性を有する光学フィルターFILを、光源であるLEDと映像源であるLCD及び偏光板との間に配置した構成とした。
図27に示した金属多層膜をスパッタした特性A及び蒸着した特性Bのフィルターを光学素子の光源光(平行光)通過面に設けると良い。光源であるLEDにより近い場所に特性Aのフィルターを設け、特性Aのフィルターにより高エネルギー領域の光を完全に遮光する。併せて、特性Bのフィルターをその他の光学素子の光源光通過面に併設するとさらに良い。上述したフィルター特性を得るためには、光源光がフィルター設置面に垂直に入射することが必須となる。
【0020】
しかしながら、LEDからの光源光の発散特性は、
図22、
図24、
図26にそれぞれ示す通りである。
図22、
図24、
図26には、LEDの出射面に垂直な方向(発散角0度)を100%とした相対輝度が示されている。発散角40度では相対輝度が80%、発散角60度では相対輝度が55%から50%であり、上記LEDをそのまま使用した場合には上述したフィルター設置面に光源光が斜めから入射する。その結果、カット波長が短波長側にシフトするため偏光板とLCDパネルの信頼性に影響を与える。
【0021】
この対策として、本実施例では、
図4、
図5に示すように、LEDからの発散光をLEDコリメータ15で略平行光としたのち、LEDコリメータ15の出射面152または合成拡散ブロック16の入射面162、あるいはその両面に
図27で示した特性のフィルターFILを設ける。これにより、エネルギーの大きな短波長の青色光と紫外線をカットすることができ、高輝度な光源光に対する耐性を向上させることができる。
【0022】
また、後述の実施例2では、
図16、
図17に示すように、LEDからの発散光をLEDコリメータ15で略平行光としたのち出射面152または偏光変換素子21の入射面214、あるいはその両面に
図27で示した特性のフィルターを設ける。これにより。実施例1と同様に、エネルギーの大きな短波長の青色光と紫外線をカットすることができ、高輝度な光源光に対する耐性を大幅に向上させることができる。
【0023】
図27に示した特性AのフィルターをLEDコリメータの出射面152に設けることで、特性Aのフィルターで反射した高エネルギー領域の光(例えば青色光)が高輝度LEDの蛍光体を再度励起するため光出力が増加した。
図27に示したフィルター特性Aを基準(カット波長435nm)にした場合、光出力が約15%向上した。またカット波長を430(nm)とすると光出力は12%、420(nm)では4%向上するなど光出力向上効果が確認できた。
【0024】
<導光体の詳細構造>
続いて、上記光源装置10を構成する導光体17の詳細について、以下に、図面を参照しながら説明する。なお、
図3(a)は、当該導光体17の全体を示す斜視図を、
図3(b)は、その断面を、そして、
図3(c)および(d)は、断面の詳細を示す一部拡大断面図である。
【0025】
導光体17は、例えば、アクリル等の透光性の樹脂により断面略三角形(
図3(b)参照)の棒状に形成された部材である。導光体17は、
図3(a)に示すように、上記合成拡散ブロック16の出射面に第1の拡散板18aを介して対向する導光体光入射部(面)171と、斜面を形成する導光体光反射部(面)172と、第2の拡散板18bを介して上記液晶表示素子50の液晶表示パネル52と対向する導光体光出射部(面)173とを備えている。
【0026】
この導光体17の導光体光反射部(面)172は、その一部拡大図である
図3(c)および(d)に示すように、多数の反射面172aと連接面172bとが交互に鋸歯状に形成されている。そして、反射面172a(図では右上がりの線分)は、図において一点鎖線で示す水平面に対してαn(n:自然数であり、本例では、例えば、1~130である)を形成しており、その一例として、ここでは、αnを52度以下(但し、44度以上)に設定している。
【0027】
他方、連接面172b(図では右下がりの線分)は、反射面172aに対してβn(n:自然数であり、本例では、例えば、1~130である)なる角度を形成している。即ち、反射部の連接面172bは、入射光に対して、後に述べる散乱体の半値角の範囲で影になる角度に傾斜されている。後にも詳述するが、α1、α2、α3、α4…は反射面仰角を形成し、β1、β2、β3、β4…は反射面と連接面との相対角度を形成しており、その一例として、90度以上(但し、180度以下)に設定されている。なお、本例では、β1=β2=β3=β4= …=β122=…β130である。
【0028】
図4および
図5に、説明のために、導光体17に対して反射面172aと連接面172bの大きさを相対的に大きくした模式図を示す。導光体17の導光体入射部(面)171では、主たる光線が、反射面172aに対して入射角が大きくなる方向にδだけ偏向されている(
図5(b)参照)。即ち、導光体入射部(面)171は、光源側に傾斜した湾曲の凸形状に形成されている。これによれば、合成拡散ブロック16の出射面からの平行光は、第1の拡散板18aを介して拡散されて入射し、図からも明らかなように、導光体入射部(面)171により上方に僅かに屈曲(偏向)しながら導光体光反射部(面)172に達する(
図6の比較例を参照)。
【0029】
なお、この導光体光反射部(面)172には、多数の反射面172aと連接面172bとが交互に鋸歯状に形成されており、拡散光は、各々の反射面172a上で全反射されて上方に向かい、更には、導光体光出射部(面)173や第2の拡散板18bを介して、平行な拡散光として液晶表示パネル52へ入射する。そのため、反射面仰角α1、α2、α3、α4…は、各々の反射面172aが前記拡散光に対して臨界角以上の角度となるように設定されており、他方、反射面172aと連接面172bとの相対角度β1、β2、β3、β4…は、上述したように一定の角度、その理由は後にも述べるが、より好ましくは、90度以上の角度(βn≧90°)に設定されている。
【0030】
上述した構成により、各反射面172aが前記拡散光に対して常に臨界角以上の角度となるような構成になっているので、反射部172に金属等の反射膜を形成しなくても、全反射が可能となり、低コストの光源装置を実現できる。一方、比較例となる
図6に示した様に、導光体17の導光体入射部で、主たる光線の屈曲(偏光)が無い場合は、拡散光の一部31bが反射面172aに対して、臨界角以下になってしまい、十分な反射率が確保できないので、特性の良い(明るい)光源装置が実現できない。
【0031】
また、反射面仰角α1、α2、α3、α4…は、導光体光反射部(面)172の下部から上部に移動するに従って僅からに増加する値となっている。これは、液晶表示素子50の液晶表示パネル52を透過した光はある程度の発散角を有しているため、特に液晶表示パネル52の周辺部を透過した光の一部が、下流に配置されたミラーの周縁でけられるいわゆる周辺減光の生を防止する目的で、
図4の光線30に示す様に、周辺部の光線がやや中心軸方向に偏向させた構成を実現するためである。
【0032】
上記でも述べたように、β1=β2=β3=β4…βn≧90°としたが、これは、
図9にも示すように、導光体17を射出成形で作製するための金型40の加工において、底面と側面の相対角度がβのエンドミル35によって、反射面172aと連接面172bとが、同時に、加工できるためである。また、反射面172aと連接面172bに対し、相対的に太い工具で加工が可能であることから、加工時間が大幅に短縮でき加工費の大幅な低減が可能となる。また、反射面172aと連接面172bとの境界エッジが精度良く加工可能でき、導光体17の導光特性の向上を図ることができる。
【0033】
また、
図4中のLr1、Lr2、Lr3、Lr4…は反射面172aの水平面に対する投影長さを、そして、Lc1、Lc2、Lc3、Lc4…は、連接面172bの水平面に対する投影長さをそれぞれ表しており、Lr/Lc、即ち反射面172aと連接面172bとの比率は、場所により変更可能な構成とした。導光体17に入射する主たる光線30の強度分布は、必ずしも液晶表示パネル入射面で望まれる強度分布と一致しない。そこで、反射面172aと連接面172bとの比率Lr/Lcにより、強度分布を調整する構成を採用した。なお、この比率を高めるほど、その部分の反射光の平均的な強度を高めることができる。一般的に、導光体に入射する光線30は、中央部が強くなりがちなので、それを補正するのに、前記比率Lr/Lcは、場所により異なる構成とし、特に、中央部が小さくなるようにした。前記比率Lr/Lcが場所により異なる構成および前述した反射面仰角α1、α2、α3、α4…が場所により異なる構成であるため、反射部172の概形状を表す包絡線172cは、
図4に示す様に曲線形状を示す。
【0034】
更に、Lr1+Lc1=Lr2+Lc2= Lr3+Lc3= Lr4+Lc4…=Lr+Lc≦0.6mmとした。かかる構成を採用することによれば、導光体17の光出射面173から見た反射面の繰り返しピッチを同一とすることができる。また、そのピッチは、0.6mm以下であることから、拡散板18a,18bの作用・効果と相まって、液晶表示パネル52越しで見た場合、個々の出射面が分離せず、連続面として見えることから、液晶表示パネル52越しの空間輝度の均一化が図れ、もって、表示特性が向上する。即ち、本構成により、液晶表示パネル52上での入射光強度分布を均一化することが可能となる。他方、Lr+Lcの値が0.2mmより小さいと、加工時間がかかるばかりではなく、各反射面172aを精度良く加工するのが困難となるので0.2mm以上が望ましい。
【0035】
更に、ここでは図示はしないが、上述したLr+Lcの値(長さの和)は、全体またはその一部において、Lr1+Lc1>Lr2+Lc2>Lr3+Lc3>Lr4+Lc4…と、または、Lr1+Lc1=Lr2+Lc2=Lr3+Lc3=Lr4+Lc4.....= Lr90+Lc90> Lr91+Lc91= Lr92+Lc92> Lr93+Lc93...> Lr130+Lc130と、または、Lr1+Lc1≧Lr2+Lc2≧ Lr3+Lc3≧ Lr4+Lc4…Lr1+Lc1>Lr130+Lc130のようにした構成でも良い。かかる構成を採用することによれば、導光体17の出射面173から見た反射面172aの繰り返しピッチが、出射面173に近づくに従い細かくなる。ひいては本構成により、導光体17の拡散板18bから見た反射面172aの繰り返しピッチが、拡散板18bに近づくに従い細かくなる。反射面172aの繰り返し構造は、拡散板18bに近づくほど視認性が増し光強度の均一性を損ねるため、拡散板18bの拡散性はある程度必要であるが、本構成を採用することにより、拡散板18bに近い位置に配置される反射面の繰り返しピッチが細かくなるため、散乱板の拡散性が小さくとも光強度の均一性が確保でき、ひいては光利用効率の向上を図れる。また、Lr+Lcの値は、上述したように0.2mm以上、かつ、0.6mm以下の範囲内に設定することが望ましい。
【0036】
上述した導光体17の導光体光反射部(面)172の形状によれば、主たる光の全反射条件を満たすことができ、反射部172にアルミ等の反射膜を設ける必要がなく、光を効率的に反射することが可能となり、製造コストの上昇を伴うアルミニウム薄膜の蒸着作業なども必要なく、より低コストで、明るい光源が実現できる。また、各相対角βは、連接面172bが主たる光線30が合成拡散ブロック16および拡散板18aで拡散した光に対して影になるような角度に設定した。これにより、連接面172bへの不要な光の入射を抑制することで、不要な光の反射を低減でき、特性が良好な光源装置を実現することが可能となる。
【0037】
液晶表示パネルに入射する主たる光線の傾きは、一般的には、垂直に近い方が望ましいが、しかしながら、液晶表示パネルの特性によっては、
図5(b)に示した様に、角度ηだけ傾けることも可能である。即ち、市販されている液晶表示パネルの中には、入射角を5~10°程度傾けた方が、特性が良い物があるが、その場合には、上記ηをその特性に応じて5°~10°とすることが望ましい。
【0038】
また、パネルをη傾ける代わりに、反射面172aの角度を調整することにより、液晶表示パネルへの主たる光線の傾きを傾けることも可能である。更に、前記光線の傾きを導光体の側面方向に傾ける必要がある場合には、前記合成拡散ブロック16の出射面に形成された三角形状のテクスチャー161の斜面傾きを左右非対称にするか、反射面172a、172bで構成されるテクスチャーの形成方向を変更することにより、実現可能であろう。
【0039】
続いて、光源装置10の他の構成要素である、合成拡散ブロック16について、
図7および
図8を参照しながら説明する。なお、
図7は、上記LEDコリメータ15と一体化された合成拡散ブロック16を示しており、
図8(a)および(b)は、合成拡散ブロック16の一部拡大断面が示されている。
【0040】
図8(a)からも明らかなように、合成拡散ブロック16の出射面には、多数の断面略三角形状のテクスチャー161が形成されており、当該テクスチャー161の働きにより、LEDコリメータ15から出射する光が、上記導光体17の入射部(面)171の図示紙面の鉛直方向に拡散される。そして、上記略三角形状のテクスチャー161と拡散板18a、18bの相互作用により、LEDコリメータ15が離散的に配置されていても、導光体17の出射部173から出射する光の個強度分布を均一化することが可能となる。特に、テクスチャー161により、拡散方向を導光体側面方向に限定すること、更には、側面方向の拡散性の制御が可能となることから、上記第1および第2の拡散板18a、18bの等方拡散性を弱くすることが可能となり、その結果、光利用効率が向上し、特性の良い光源装置が実現できることとなる。なお、本例では、略三角形状のテクスチャー161の一例として、角度γ=30度、その形成ピッチa=0.5mmとした。
【0041】
以上にも詳述したように、本発明になる光源装置10によれば、LED光源からのレーザ光の光利用効率やその均一な照明特性をより向上すると同時に、光源装置を小型化し、低コストで製造可能であることから、特に、HUDや超小型プロジェクタなどの電子装置の表示デバイスにおける照明用光源として好適な光源装置を提供することができる。
【0042】
<光源装置の変形例>
また、
図10および
図11は、本発明の実施例1に係る光源装置の変形例を示しており、変形例として、光源装置10bの全体の外観斜視図とその内部構成が示されている。この変形例では、断面略台形状の合成拡散ブロック16bを利用することにより、LEDが取り付けられる複数の円錐凸形状を有するLEDコリメータ15が、装置下方の傾斜した位置に取り付けられている。なお、図中の符号13bは、LED素子および制御回路で発生する熱を冷却するためのヒートシンクである。
【0043】
<光源装置の他の変形例>
更に、
図12は、本発明の実施例1に係る光源装置の他の変形例を示しており、他の変形例として、光源装置10cの全体外観斜視図が示されている。この他の変形例では、詳細は示さないが、LED基板12で発生した熱は伝熱プレート13dを通じて装置下部に配置されたヒートシンク13cで冷却する構造となっている。本構成により、全長の短い光源装置が実現できる。
【0044】
<光源装置におけるコリメータの別形態>
更に、
図13は、本発明の実施例1に係る光源装置におけるコリメータ15bの別形態を示しており、前述した合成拡散ブロック16を合わせた形状例で示している。
図7および
図8に示したコリメータ形状は、略放物断線を回転して得られる円錐凸形状の外形であったが、本形状は、略四角錐凸形状を基本とし、角部を面取りや曲面形状とした。LEDから出射した光を導光体17から出射させる光の効率を考えると、
図7、
図8に示した回転放物面形状が適切であるが、本構成の方が各略四角錐凸形状の境界がなめらかに連接されているので、より均一性の高い光強度分布が実現できる。
【0045】
なお、上述した本発明の光源装置の変形例である光源装置10b、10cも、上記
図1に示した光源装置10と同様の作用・効果を奏する。なお、これらの光源装置10、10b、10cを適宜、選択することによれば、種々の形状・形態を有するHUDや超小型プロジェクタなどの電子装置においても、その内部の収納空間に適合して確実に取り付けることが可能となる。
【0046】
<光源装置の適用例>
加えて、以下には、上述した本発明の光源装置10を、その表示デバイスの光源として利用する電子装置の代表的な一例として、HUDおよび超小型プロジェクタに搭載した例を以下に示す。
【0047】
図14(a)は、上述した本発明の実施例1に係る光源装置をHUDに適応した例を示している。なお、この図において、ヘッドアップディスプレイ装置100では、プロジェクタやLCD(Liquid Crystal Display)などからなる映像表示装置300に表示された映像を、ミラー131やその他のミラー132(例えば、自由曲面ミラーや光軸非対称の形状を有するミラー等)により反射させて、車両2のウィンドシールド3に投射する。一方、運転者105は、ウィンドシールド103に投射された映像を見ることで、透明のウィンドシールド103を通してその前方に虚像として上記映像を視認する。
【0048】
図14(b)は、上記ヘッドアップディスプレイ装置100、特に、その映像表示装置300の内部構成の一例を示している。この図からも明らかなように、映像表示装置300がプロジェクタである場合を示しており、映像表示装置300は、例えば、光源301、照明光学系302、および表示素子303などの各部を有する。なお、当該光源301として、上述した本発明の光源装置10を採用することによれば、投射用の良好な照明光を発生することが可能となる。
【0049】
なお、この例では、更に、光源301で発生した照明光を集光し、より均一化して表示素子303に照射する光学系である照明光学系302を、加えて、投射する映像を生成する素子である表示素子303を含んでいる。しかしながら、これらの素子は、上記の実施例においては、既に、合成拡散ブロック16、第1の拡散板18a、導光体17、第2の拡散板18bとして、更には、液晶表示パネル52として、本発明の光源装置10内に含まれている。そのため、本発明の光源装置10は、そのまま、ヘッドアップディスプレイ装置100の映像表示装置300とすることも可能である。このことによれば、特に、自動車内のダッシュボードのような狭い空間に容易に取り付けることが可能なヘッドアップディスプレイ装置100を実現することが可能となる。
【0050】
なお、上記の映像表示装置300から射出した光は、更に、表示距離調整機構400やミラー駆動部500を介して車両102のウィンドシールド103に投射されることは、当業者であれば明らかであろう。
【0051】
以上に詳細に述べたように、本発明の光源装置10を、表示デバイスの照明用光源として利用することによれば、狭い空間にも容易に取り付けることが可能で、かつ、より小型で安価な電子装置を実現することが可能となる。
【0052】
(実施例2)
続いて、以下には、本発明の第2の実施例(実施例2)について、詳細に説明する。なお、この実施例2では、上記実施例1とは異なり、光源装置からの照明光を入射する液晶表示素子50を構成する液晶表示パネル52の偏光波に対する透過率の着目し、更に、コリメート光学系から出射した光の偏光方向を一方向にそろえる偏光変換素子を設けることにより、より小型化、高効率の光源装置を実現するものである。
【0053】
図15~
図17は、本発明の実施例2に係る光源装置の、特に、その特徴となる光学系の構成を示す。即ち、実施例2では、上述した実施例1の構成において、光源を構成するLED14a、14bの数を実施例1の半分の2個で構成すると共に、各々のLEDコリメータ15と合成拡散ブロック16との間には、偏光変換素子21を設ける。なお、図中のその他の構成については、上記実施例1のそれと同様であり、同じ参照符号を付して示されており、ここでは、重複を避けるため、その詳細な説明は省略する。
【0054】
また、これらの図、特に、
図17(a)から明らかなように、偏光変換素子21は、図の紙面に垂直な方向に沿って伸びた、断面が平行四辺形である柱状(以下、平行四辺形柱)の透光性部材と、断面が三角形である柱状(以下、三角形柱)の透光性部材とを組み合わせ、LEDコリメータ15からの平行光の光軸に対して直交する面に平行に(本例では、図の紙面上の垂直方向)、複数、アレイ状に配列して構成されている。更に、これらアレイ状に配列された隣接する透光性部材間の界面には、交互に、偏光ビームスプリッタ(以下、「PBS」と省略する)膜211と反射膜212とが設けられており、また、偏光変換素子21へ入射してPBS膜211を透過した光が出射する出射面には、1/2λ位相板213が備えられている。
【0055】
このように、上記偏光変換素子21は、LEDコリメータ15からの平行光の光軸と平行四辺形柱の透光性部材の延伸方向とで形成される面(図の紙面上、垂直に伸びた垂直面)、いわゆる、平行光の光軸面に対して、対称に構成されており、また、その構成要素である透光性部材の平行四辺形柱や三角形柱の傾きは、当該光軸面に対して45度となっている。そして、この偏光変換素子21は、2個のLEDコリメータ15からの平行光に対して、図の垂直方向に2組に分かれた、それぞれの偏光変換素子を構成している。
【0056】
以上のように構成された偏光変換素子21によれば、
図17(a)に示すように、例えば、LED14aから出射してLEDコリメータ15で平行光となった入射光のうち、S偏光波(図中の記号(×)を参照)は、PBS膜211により反射され、その後、更に、反射膜212により反射されて合成拡散ブロック16の入射面に到る。他方、P偏光波(図中の上下の矢印を参照)は、PBS膜211を透過した後、1/2λ位相板213によりS偏光波となって、合成拡散ブロック16の入射面に到ることとなる。
【0057】
このように、偏光変換素子21によれば、(複数の)LEDから出射してLEDコリメータ15により平行光となった光は、その全てがS偏光波となって、合成拡散ブロック16の入射面に入射することとなる。その後、当該合成拡散ブロック16の出射面から射出した光が、上記の第1の拡散板18aを介して、既に上記に詳述した導光体17に入射し、更に、当該導光体17の働きにより図の上方に反射されて、上記液晶表示素子50の入射面に導かれることは、上記実施例1におけると同様である。即ち、当該導光体17の働きについては、既に上記でも詳述しており、重複を避けるため、ここではその説明を省略する。
【0058】
なお、
図18は、上述した2個のLEDコリメータ15を上記偏光変換素子21に取り付けた様子を示す斜視図である。また、
図19は、偏光変換素子の出射面側に取り付けられる合成拡散ブロック16の外観構成を示す斜視図であり、
図20は、上記成拡散ブロック16の詳細構造を示す側面図とその一部拡大断面図である。これらの図からも明らかなように、この実施例2においても、同様に、合成拡散ブロック16の出射面には、多数の断面略三角形状のテクスチャー161が形成されている。しかしながら、その詳細については既に上述しており、ここでは省略する。
【0059】
即ち、上述した実施例2になる光源装置によれば、液晶表示素子50を構成する液晶表示パネル52に入射する光を、上記の偏光変換素子21によってS偏光波にすることから、当該光の液晶表示パネルでの透過率を向上することが可能となることから、より少ない発光源(LED)によって、より小型でかつ高効率の光源装置を、より安価に実現することが可能となる。なお、上記では、偏光変換素子21をLEDコリメータ15の後に取り付けるものとして説明したが、しかしながら、本発明はそれに限定されることなく、液晶表示素子に到る光路中に設けることによっても同様な同様の作用・効果が得られることは、当業者であれば明らかであろう。
【0060】
更には、液晶表示パネルはS偏光波に対する透過率が優れているとして説明したが、しかしながら、P偏光波に対する透過率が優れている場合にも、上記と同様の構成を有する偏光変換素子によれば、やはり同様の作用・効果が得られることは、当業者であれば明らかであろう。また、上述した実施例2になる光源装置も、上記実施例1の光源装置と同様に、ヘッドアップディスプレイ装置やプロジェクタなどの電子装置において、その光源装置として利用可能であることも、当業者であれば明らかであろう。
【0061】
以上、本発明の種々の実施例になる画像表示デバイスを備えた電子装置に用いるのに適した面状の光源装置について述べた。しかしながら、本発明は、上述した実施例のみに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するためにシステム全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0062】
10…光源装置(本体)、11…ケース、50…液晶表示素子、12…LED基板、13…ヒートシンク、14a、14b…LED、15…LEDコリメータ、16…合成拡散ブロック、17…導光体、171…導光体光入射部(面)、172…導光体光反射部(面)、172a…反射面、172b…連接面、173…導光体光出射部(面)、21…偏光変換素子、211…PBS膜、212…反射膜、213…1/2λ位相板。