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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152812
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024131189
(22)【出願日】2024-08-07
(62)【分割の表示】P 2023097253の分割
【原出願日】2019-05-13
(31)【優先権主張番号】P 2018122085
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019049057
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004303
【氏名又は名称】弁理士法人三協国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西川 由理
(72)【発明者】
【氏名】小澤 順
(57)【要約】
【課題】ユーザが現在地から配達先に戻る到着予想時刻を精度良く算出し、再配達を効果的に防止する。
【解決手段】第1現在地に対応する滞在時間を決定し(S3)、第1現在地及び配達先に基づいて、ユーザが第1現在地から配達先へ移動するのに要する第1移動時間を算出し(S4)、第1時刻、第1現在地に対応する滞在時間及び、第1移動時間に基づいて、第1到着予想時刻を算出し(S5)、第1配達予定時刻及び第1到着予想時刻に基づいて、第1差分を算出し(S6)、第1差分に応じた第1メッセージを前記ユーザの第1情報端末に送信し(S7)、前記第1情報端末に前記第1メッセージを表示させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を提供する情報提供システムにおける情報提供方法であって、
前記情報提供システムのコンピュータが
荷物の受取人の第1現在地を取得し、
前記受取人の前記第1現在地に対応する滞在時間及び前記荷物の配達先への第1配達予定時刻を取得し、
前記第1現在地に対応する滞在時間から算出される前記受取人の第1到着予想時刻と前記第1配達予定時刻との第1差分に応じて、前記第1到着予想時刻を含むメッセージを前記受取人又は配達員の情報端末に送信する、
情報提供方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供方法であって、
前記第1到着予想時刻が、前記第1配達予定時刻よりも前であるか後であるかに応じて前記メッセージを変更し、前記受取人又は前記配達員の情報端末に送信する、
情報提供方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報提供方法であって、
前記第1現在地を検出した第1時刻を更に取得し、
前記第1時刻と前記第1現在地に対応する滞在時間から算出される前記受取人の第1到着予想時刻と前記第1配達予定時刻との第1差分に応じて、前記第1到着予想時刻を含むメッセージを前記受取人又は前記配達員の情報端末に送信する、
情報提供方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報提供方法であって、
前記受取人が前記第1現在地から前記配達先に到着するまでの経路を示す移動経路を取得し、
前記移動経路に基づいて、前記受取人が前記第1現在地から前記配達先へ移動するのに要する第1移動時間を算出し、
前記第1時刻、前記第1現在地に対応する滞在時間、及び前記第1移動時間に基づいて、前記受取人の第1到着予想時刻を算出し、
前記第1到着予想時刻と前記第1配達予定時刻との第1差分に応じて、前記第1到着予想時刻を含むメッセージを前記受取人又は前記配達員の情報端末に送信する、
情報提供方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報提供方法であって、
前記移動経路に基づいて、前記受取人が前記第1現在地から前記配達先に到着するまでに間に経由する可能性のある第1地点及び前記第1地点に対応する滞在時間を取得し、
前記第1時刻、前記第1現在地に対応する前記滞在時間、前記第1地点に対応する滞在時間及び前記第1移動時間に基づいて、第1到着予想時刻を算出する、
情報提供方法。
【請求項6】
請求項4に記載の情報提供方法であって、
前記受取人の現在地と前記現在地を検出した時刻とを記憶する移動履歴を更に取得し、
前記移動履歴に基づいて、前記移動経路を特定する、
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザに情報に対して荷物の配達に関する情報を提供する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、各種センサデバイスのセンシングデータからユーザの行動ログを蓄積し、ユーザの現在地と行動ログとに基づいてユーザの行動を予測し、予測したユーザの行動の経路上において、配送する商品の配送場所と配送時間とを決定し、配送場所と配送時間とにおいて配送車に商品を配送させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/182200号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1は、ユーザの都合に適した配送場所と配送時間とに商品を配送することが目的であり、配送場所へ戻るようにユーザに促すことを目的とするものではないため、本開示とは立場が異なる。
【0005】
本開示は、ユーザが現在地から配達先に戻る到着予想時刻を精度良く算出し、再配達を効果的に防止する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報提供方法は、ユーザに情報を提供する情報提供システム
における情報提供方法であって、
前記情報提供システムのコンピュータが
前記ユーザの第1現在地及び前記第1現在地を検出した第1時刻を、ネットワークを介して取得し、
メモリから前記ユーザ宛ての荷物の配達先、前記第1現在地の種類を示す種別情報、前記種別情報に対応づけられた滞在時間、及び第1配達予定時刻を読み出し、
前記種別情報及び前記滞在時間に基づいて、前記第1現在地に対応する前記滞在時間を決定し、
前記第1現在地及び前記配達先に基づいて、前記ユーザが前記第1現在地から前記配達先へ移動するのに要する第1移動時間を算出し、
前記第1時刻、前記第1現在地に対応する前記滞在時間、及び前記第1移動時間に基づいて、第1到着予想時刻を算出し、
前記第1配達予定時刻及び前記第1到着予想時刻に基づいて、第1差分を算出し、
前記第1差分に応じた前記第1メッセージを前記ユーザの第1情報端末に送信し、前記第1情報端末に前記第1メッセージを表示させる。
【0007】
尚、この包括的又は具体的な態様は、装置、システム、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の不揮発性の記録媒体を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザが現在地から配達先に戻る到着予想時刻を精度良く算出し、再配達を効果的に防止することができる。本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態1に係る情報提供システムのネットワーク構成の一例を示す図
図2図1に示す情報提供システムの構成の一例を示すブロック図
図3】サーバのメモリが記憶する現在地DB及び種別DBのデータ構成の一例を示す図
図4】サーバのメモリが記憶する滞在時間DB、配送先DB、及び荷物DBのデータ構成の一例を示す図
図5】サーバのメモリが記憶する顧客メッセージDB及び配達員メッセージDBのデータ構成の一例を示す図
図6図1に示す情報提供システムにおいてユーザ端末及びサーバ間におけるデータの送受の一例を示すシーケンス図
図7図1の情報提供システムにおいて配達員端末及びサーバ間におけるデータの送受の一例を示すシーケンス図
図8】実施の形態1に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図9】実施の形態1に係る情報提供システムの処理の別の一例を示すフローチャート
図10】荷物の受け取りの可否の回答を要求するメッセージを表示するメッセージ表示画面の一例を示す図
図11】配達員メッセージを表示するメッセージ表示画面の一例を示す図
図12】実施の形態2における荷物DBのデータ構成の一例を示す図
図13】実施の形態2に係る処理の一例を示すフローチャート
図14】実施の形態3における荷物DBのデータ構成の一例を示す図
図15】実施の形態3に係る処理の一例を示すフローチャート
図16】実施の形態4に係る配送先DB及びユーザDBのデータ構成の一例を示す図
図17】実施の形態4に係る荷物DBのデータ構成の一例を示す図
図18】実施の形態4に係る処理の一例を示すフローチャート
図19】実施の形態5に係る滞在時間DBのデータ構成の一例を示す図
図20】実施の形態5に係る情報提供システムの処理の第1例を示すフローチャート
図21】実施の形態5に係る情報提供システムの処理の第2例を示すフローチャート
図22】実施の形態5に係る情報提供システムの処理の第3例を示すフローチャート
図23】実施の形態6に係るメッセージ送信履歴DB及び閾値DBのデータ構成の一例を示す図
図24】実施の形態7に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図25】実施の形態7に係るアドレス帳DB及び閾値DBのデータ構成の一例を示す図
図26】実施の形態7に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図27】実施の形態8に係る情報提供システムの荷物DB及び閾値DBのデータ構成の一例を示す図
図28】実施の形態8に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図29】実施の形態9に係る荷物DB及び閾値DBのデータ構成の一例を示す図
図30】実施の形態9に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図31】実施の形態10に係る荷物DB及び閾値DBのデータ構成の一例を示す図
図32】実施の形態10の変形例に係る荷物DB及び閾値DBのデータ構成の一例を示す図
図33】実施の形態10に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図34】実施の形態11に係る滞在時間DBのデータ構成の一例を示す図
図35】実施の形態11に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図36】実施の形態12に係る滞在時間DBのデータ構成の一例を示す図
図37】実施の形態13に係る滞在時間DBのデータ構成の一例を示す図
図38】ユーザの現在地を蓄積する現在地DBのデータ構成の一例を示す図
図39】実施の形態14に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図40】実施の形態15においてユーザに通知される工程リストの表示画面の一例を示す図
図41】実施の形態15に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図42】工程リスト生成ルーチンの詳細を示すフローチャート
図43】実施の形態16においてユーザに通知される工程リストの表示画面の一例を示す図
図44】実施の形態16に係る駅情報DBのデータ構成の一例を示す図
図45】実施の形態16に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図46】実施の形態17に係る種別DBのデータ構成の一例を示す図
図47】実施の形態17に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図48】実施の形態18に係る種別DBのデータ構成の一例を示す図
図49】実施の形態18に係る情報処理システムの処理の一例を示すフローチャート
図50】実施の形態19に係る種別DBのデータ構成の一例を示す図
図51】実施の形態19に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図52】実施の形態21に係る滞在履歴DBのデータ構成の一例を示す図
図53】滞在履歴DBを用いて算出されたヒストグラムを示す図
図54】移動経路DBにおいて2行目に登録された移動経路をノードとエッジとを用いてグラフ化して示す図
図55】実施の形態22に係る移動経路DBのデータ構成の一例を示す図
図56】あるユーザの移動履歴を記憶する移動履歴DBのデータ構成の一例を示す図
図57】実施の形態22に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
図58】受取人であるユーザの到着予想時間と配達人の配達予想時間とを示した図
図59】実施の形態23に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に至る経緯)
近年、物流業界では、ユーザの不在により配達できなかった荷物の増大が問題視されている。そこで、国土交通省が2016年に宅配の再配達に関するユーザのアンケート調査を行ったところ、荷物の配達があることを知りながら不在にする確信犯が40%近くも占めていることが分かった。
【0011】
このような確信犯が生じる背後には、(1)宅配業者に荷物を受け取れなくなったことをわざわざ自分から連絡をするのが面倒、(2)配達予定時刻の直前まで実際に不在になるか否かの予測が困難、(3)受け取れなくなった理由を聞かれても知らないふりをすれば済み、再配達料も無料なため、不在に対する罪悪感が少ないといった心理が働いていることが推測される。
【0012】
ところで、宅配の再配達の削減に向けた検討会(平成27年9月)の報告書によれば、事前通知があれば配達予定時刻に在宅して荷物を受け取れるという声が一定数あることが報告されている。
【0013】
したがって、配達前に宅配に関するメッセージを通知し、ユーザにうまくプレッシャーをかければ、再配達を防止できると考えられる。この場合、単に、メッセージを通知するだけではなく、ユーザに対して受け取ることができるか否かの回答をさせれば、「約束を守らなければ」という心理効果をユーザに与えることができ、再配達の防止が期待できる。
【0014】
しかし、このような回答を要求するメッセージを全ユーザに対して一律に通知すると、中には煩わしさを感じるユーザも存在し、好ましくない。例えば、現在地から配達先に戻る到着予想時刻が配達予定時刻より大幅に遅れてしまうユーザに対して、そのような回答を要求するメッセージを送付しても、却って煩わしさを与えるだけであり、再配達の防止効果は期待できない。また、配達予定時刻までに配達先まで十分な余裕をもって戻る予定にあるユーザにとってもそのようなメッセージは煩わしさを与えてしまう。
【0015】
そこで、本発明者は、配達予定時刻近辺、すなわち、配達時刻ちょうどに、または、配達時刻直前に、または、配達時刻直後に配達先に戻る顧客であるボータライン顧客をピックアップし、そのボーダーライン顧客に対して荷物を受け取ることができるか否かの回答を要するメッセージを通知すれば、再配達を効果的に防止できるとの知見を得た。
【0016】
但し、これを実現するには、顧客が現在地から配達先に戻る到着予想時刻を精度良く算出するという技術的な課題が発生する。
【0017】
特許文献1は、ユーザの行動に合わせて荷物を配達する技術であり、ボーダーライン顧客をピックアップする技術ではないため、配達先への到着予想時刻を精度良く算出するとの課題を解決できない。
【0018】
本開示の目的は、ユーザが現在地から配達先に戻る到着予想時刻を精度良く算出し、再配達を効果的に防止することができる技術を提供することである。
【0019】
本開示の一態様に係る情報提供方法は、ユーザに情報を提供する情報提供システムにおける情報提供方法であって、
前記情報提供システムのコンピュータが
前記ユーザの第1現在地及び前記第1現在地を検出した第1時刻を、ネットワークを介して取得し、
メモリから前記ユーザ宛ての荷物の配達先、前記第1現在地の種類を示す種別情報、前記種別情報に対応づけられた滞在時間、及び第1配達予定時刻を読み出し、
前記種別情報及び前記滞在時間に基づいて、前記第1現在地に対応する前記滞在時間を決定し、
前記第1現在地及び前記配達先に基づいて、前記ユーザが前記第1現在地から前記配達先へ移動するのに要する第1移動時間を算出し、
前記第1時刻、前記第1現在地に対応する前記滞在時間、及び前記第1移動時間に基づいて、第1到着予想時刻を算出し、
前記第1配達予定時刻及び前記第1到着予想時刻に基づいて、第1差分を算出し、
前記第1差分に応じた前記第1メッセージを前記ユーザの第1情報端末に送信し、前記第1情報端末に前記第1メッセージを表示させる。
【0020】
本構成によれば、ユーザの第1現在地の種別(例えば、スーパーマーケット及び職場等)からユーザの滞在時間が特定され、その滞在時間を考慮に入れて配達先への第1到着予想時刻が算出されているため、第1到着予想時刻を精度良く算出できる。
【0021】
そして、第1到着予想時刻とメモリから読み出した第1配達予定時刻との第1差分に基づいて各種の第1メッセージが選択され、ユーザの第1情報端末に送信されている。そのため、第1差分に応じて適切なメッセージをユーザに通知して、再配達を効果的に防止できる。
【0022】
上記態様において、前記第1差分が第1閾値以下であるかを判定し、
前記第1差分が前記第1閾値以下である場合、前記第1情報端末に前記荷物の受け取りに関する前記第1メッセージを送信し、
前記第1情報端末において前記第1メッセージが表示されてもよい。
【0023】
本構成によれば、第1差分が第1閾値以下のユーザ、すなわち、第1配達予定時刻及び第1到着予想時刻の差分が小さい顧客であるボーダーライン顧客を抽出し、そのボーダーライン顧客に対して荷物の受け取りに関するメッセージが送信されている。そのため、全ユーザに一律に同じメッセージを通知する態様を採用した場合に比べて、効率良く在宅へのプレッシャーをユーザに与えることができる。
【0024】
上記態様において、前記メモリから前記配達先と前記配達先に居住する前記ユーザの同居人と対応付けて記憶する顧客リストを読みだし、
前記同居人の第2現在地、及び前記第2現在地を検出した時の第2時刻を、前記ネットワークを介して取得し、
前記種別情報及び前記滞在時間に基づいて、前記第2現在地に対応する前記滞在時間を決定し、
前記第2現在地及び前記配達先に基づいて、前記同居人が前記第2現在地から前記配達先へ移動するのに要する第2移動時間を算出し、
前記第2時刻、前記第2現在地に対応する前記滞在時間、及び前記第2移動時間に基づいて、第2到着予想時刻を算出し、
前記第1配達予定時刻及び前記第2到着予想時刻に基づいて、第2差分を算出し、
前記第2差分が前記第1閾値以下であるかを判定し、
前記第2差分が前記第1閾値以下である場合、前記同居人の第2情報端末に前記荷物の受け取りに関する前記第1メッセージを送信し、
前記第2情報端末において前記第1メッセージが表示させてもよい。
【0025】
本構成によれば、荷物の受取人であるユーザの同居人についても受取人と同様、第2現在地の滞在時間を考慮に入れて配達先への第2到着予想時刻が算出されている。そのため、同居人についての到着予想時刻も精度良く算出できる。また、第2到着予想時刻と第1配達予定時刻との第2差分が算出され、第2差分が第1閾値以下であれば、荷物の受け取りに関する第1メッセージが送信されている。そのため、受取人が荷物を受け取れない状況下にあったとしても、同居人がボーダーライン顧客に該当すれば、その同居人にうまくプレッシャーをかけて在宅を促すことができるため、再配達の抑制効果を高めることができる。
【0026】
上記態様において、前記滞在時間は、前記滞在時間の調整の可否を示す可否情報が対応付けられ、
前記可否情報に基づいて、前記第1現在地に対応する前記滞在時間が調整可能かを判断し、
前記第1現在地に対応する前記滞在時間が調整可能である場合は、前記第1到着予想時刻が前記第1配達予定時刻よりも遅いかを判断し、
前記第1到着予想時刻が前記第1配達予定時刻よりも遅い場合、
前記第1現在地に対応する前記滞在時間を0と仮定して、前記第1到着予想時刻を算出し、
前記滞在時間を0と仮定して算出された前記第1到着予想時刻及び前記第1配達予定時刻に基づいて算出された前記第1差分が0以下であるかを判定し、
前記第1差分が0以下である場合において、
前記ユーザが前記第1現在地をすぐに出発することが可能かを確認する第2メッセージを前記第1情報端末に送信し、
前記ユーザが前記第1現在地をすぐに出発することが可能との旨を示す情報を、前記第1情報端末から前記ネットワークを介して取得した場合、前記滞在時間を0として、前記第1到着予想時刻を算出してもよい。
【0027】
本構成によれば、当初の滞在時間を用いて算出した第1到着予想時刻では、第1配達予定時刻までに配達先に戻ることができないと判断されたユーザであっても、滞在時間を0と仮定すれば、第1差分が0以下となるユーザに対しては、第1現在地をすぐに出発可能か否かの第2メッセージが送信される。そして、そのユーザからすぐに出発可能であることを示す回答がされた場合、滞在時間を0として算出された第1到着予想時刻がそのユーザの到着予想時刻とされる。このように、本構成は、滞在時間を調整すれば、第1差分を0以下にできる、すなわち、第1配達予定時刻までに配達先に戻ることができるユーザに対しては、滞在時間の調整を促すことで、再配達の可能性を低減することができる。
【0028】
上記態様において、前記滞在時間は、前記滞在時間の調整の可否を示す可否情報が対応付けられ、
前記可否情報に基づいて、前記第1現在地に対応する前記滞在時間が調整可能かを判断し、
前記第1現在地に対応する前記滞在時間が調整可能である場合は、前記第1到着予想時刻が前記第1配達予定時刻よりも遅いかを判断し、
前記第1到着予想時刻が前記第1配達予定時刻よりも遅い場合、
前記第1移動時間及び前記第1配達予定時刻に基づいて、前記第1差分を0以下にするために、前記ユーザが前記第1現在地を出発しなければならない出発時刻を算出し、
前記ユーザが前記第1現在地を前記出発時刻までに出発することが可能かを確認する第2メッセージを前記第1情報端末に送信し、
前記ユーザが前記第1現在地を前記出発時刻までに出発することが可能との旨を示す出発可能情報を、前記第1情報端末から前記ネットワークを介して取得した場合、前記出発時刻、及び前記出発可能情報を取得した第2時刻の第2差分を前記滞在時間として、前記第1到着予想時刻を算出してもよい。
【0029】
本構成によれば、当初の滞在時間を用いて算出した第1到着予想時刻では、第1配達予定時刻までに配達先に戻ることができないと判断されたユーザについては、第1差分を0以下にするために第1現在地を出発しなければならない出発時刻が算出され、その出発時刻までに第1現在地を出発可能か否かの第2メッセージが送信される。そして、そのユーザからその出発時刻までに出発可能であることを示す回答がされた場合、その出発時刻とその回答をした第2時刻との第2差分が滞在時間として設定され、第1到着予想時刻が算出される。このように、本構成は、滞在時間を調整すれば、第1差分を0以下にできる、すなわち、第1配達予定時刻までに配達先に戻ることができるユーザに対しては、滞在時間の調整を促すことで、再配達の可能性を低減することができる。
【0030】
上記態様において、前記滞在時間は、前記滞在時間の調整の可否を示す可否情報が対応付けられ、
前記可否情報に基づいて、前記第1現在地に対応する前記滞在時間の調整が可能と判断される場合は、前記第1到着予想時刻が前記第1配達予定時刻より遅いかを判断し、
前記第1到着予想時刻が前記第1配達予定時刻よりも遅い場合、
前記第1移動時間及び前記第1配達予定時刻に基づいて、前記第1差分を0以下にするために、前記ユーザが前記第1現在地を出発しなければならない出発時刻を算出し、
前記第1時刻及び前記出発時刻の第2差分を算出し、
前記第2差分に基づいて、前記ユーザが前記第1現在地に滞在することができる残り時間を算出し、前記第1情報端末に送信してもよい。
【0031】
本構成によれば、当初の滞在時間を用いて算出した第1到着予想時刻では、第1配達予定時刻までに配達先に戻ることができないと判断されたユーザについては、第1差分を0以下にするために第1現在地を出発しなければならない出発時刻が算出され、その出発時刻と第1時刻との第2差分に基づいて、ユーザが第1現在地に滞在可能な残り時間が算出されてユーザに通知される。このように、本構成は、滞在時間を調整すれば、第1差分を0以下にできる、すなわち、第1配達予定時刻までに配達先に戻ることができるユーザに対しては、滞在時間の調整を促すことで、再配達の可能性を低減することができる。
【0032】
上記態様において、前記第1配達予定時刻よりも前に前記第1配達予定時刻を通知する第2メッセージを前記ユーザが読んだことを示す情報を、前記ネットワークを介して受信した場合は、前記第1閾値の値を小さくしてもよい。
【0033】
本構成によれば、事前に第1配達予定時刻を通知する第2メッセージが送信され、その第2メッセージを読んだユーザについては、第1配達予定時刻を認識しており、荷物を受け取る可能性が高いユーザとして取り扱われ、第1閾値が小さく設定される。これにより、このユーザがボーダーライン顧客として取り扱われる可能性を低減でき、このユーザに対して、受け取りに関する第1メッセージが通知される可能性が低減される。そのため、このユーザに対して、第1メッセージの確認の手間を省かせることができる。
【0034】
上記態様において、前記メモリから前記荷物の発送者を示す情報、及び、過去の顧客リストを前記メモリから読み出し、
前記発送者が前記過去の顧客リストに含まれているかを判断し、
前記発送者が前記過去の顧客リストに含まれている場合は、前記第1閾値を大きくしてもよい。
【0035】
本構成によれば、荷物の発送者がユーザの顧客リストに含まれている場合、その発送者はユーザの知り合いとして取り扱われ、第1閾値が大きく設定される。そのため、知り合いからの荷物を受け取るユーザがボーダーライン顧客として取り扱われる可能性が高められ、荷物の受け取りに関する第1メッセージが送信される可能性が高められる。これにより、ユーザに対して、知り合いからの重要な荷物の受け取りを促し、この重要な荷物が再配達荷物として取り扱われる可能性を低減できる。
【0036】
上記態様において、前記メモリから前記荷物の種別情報を読み出し、前記種別情報に応じて前記第1閾値を変更してもよい。
【0037】
本構成によれば、荷物の種別に応じて第1閾値が変更される。そのため、荷物の種別に応じて適切な第1閾値を設定できる。これにより、例えば、荷物が生鮮食料品であるような受け取りの重要度が高い荷物である場合、受取人であるユーザがボーダーライン顧客として取り扱われる可能性が高められ、荷物の受け取りに関する第1メッセージが送信される可能性が高められる。これにより、ユーザに対して、受け取りの重要度が高い荷物の受け取りを促し、再配達の可能性を低減できる。
【0038】
上記態様において、前記メモリから大きさに関する第2閾値、又は重さに関する第3閾値を読み出し、
前記荷物の大きさが前記第2閾値を超えているか、又は前記荷物の重さが前記第3閾値を超えているか、を判断し、
前記荷物の大きさが前記第2閾値を超えている場合、又は前記荷物の重さが前記第3閾値を超えている場合、前記第1閾値を大きくしてもよい。
【0039】
本構成によれば、大きさが第2閾値を超える荷物、又は重さが第3閾値を超える荷物については、第1閾値が大きく設定される。そのため、このような再配達のコストが高い荷物の受取人であるユーザがボーダーライン顧客として取り扱われる可能性を高め、このユーザに対して荷物の受け取りを促すことができる。その結果、再配達のコストが高い荷物が再配達される可能性を低減できる。
【0040】
上記態様において、前記メモリから距離に関する第4閾値、又は時間に関する第5閾値を読み出し、
前記荷物の配達距離が前記第4閾値を超えているか、又は前記荷物の配達の所要時間が前記第5閾値を超えているか、を判断し、
前記配達距離が前記第4閾値を超えている場合、または、前記所要時間が前記第5閾値を超えている場合、前記第1閾値を大きくしてもよい。
【0041】
本構成によれば、荷物の配達距離が第4閾値を超えている、又は、荷物の配達に要する所要時間が第5閾値を超えている荷物については、第1閾値が大きく設定される。そのため、このような再配達のコストが高い荷物の受取人であるユーザがボーダーライン顧客として取り扱われる可能性を高め、このユーザに対して荷物の受け取りを促すことができる。その結果、再配達のコストが高い荷物が再配達される可能性を低減できる。
【0042】
上記態様において、前記滞在時間は、1以上の時間帯及び1以上の曜日の少なくともいずれか一方毎に決定され、
前記第1移動時間は、前記第1時刻に対応する前記滞在時間を用いて算出されてもよい。
【0043】
一般的に同一の場所であっても時間帯及び曜日のいずれか一方によって滞在時間は異なると考えられる。本構成によれば、時間帯及び曜日毎に決定された滞在時間が用いられているため、第1到着予想時刻をより高精度に算出できる。この結果、荷物の再配達の可能性をより低減できる。
【0044】
上記態様において、前記滞在時間は、1以上の第1ユーザ毎に決定され、
前記第1移動時間は、前記1ユーザに対応する前記滞在時間を用いて算出されてもよい。
【0045】
一般的に同一の場所であってもユーザによって滞在時間は異なると考えられる。本構成によれば、第1ユーザ毎に決定された滞在時間が用いられているため、第1到着予想時刻をより高精度に算出できる。この結果、荷物の再配達の可能性をより低減できる。
【0046】
上記態様において、前記滞在時間は、前記ユーザの過去の移動履歴に基づいて、滞在場所、前記滞在場所に滞在した時間帯、及び前記滞在場所に滞在した曜日に応じて決定され、
前記第1時刻は、曜日を示す情報を含み、
前記第1移動時間は、前記第1時刻に対応する前記滞在時間を用いて算出されてもよい。
【0047】
本構成では、全てのユーザに共通する滞在時間を用いるのではなく、ユーザの移動履歴を考慮に入れて決定された滞在時間が用いられているため、第1到着予想時刻をより高精度に算出できる。この結果、荷物の再配達の可能性をより低減できる。
【0048】
上記態様において、前記メモリから前記ユーザがいる場所を示す時系列情報を読み出し、
前記滞在時間及び前記時系列情報に基づいて、前記ユーザが前記第1現在地に滞在する残り時間を算出し、
前記第1到着予想時刻は、前記残り時間を前記滞在時間として用いて算出されてもよい。
【0049】
本構成によれば、第1時刻までの第1現在地におけるユーザの滞在時間が時系列情報から把握され、第1現在地における残りの滞在時間(すなわち、残り時間)が算出され、この残り時間を用いて第1到着予想時刻が算出されている。そのため、第1到着予想時刻をより高精度で算出することができる。この結果、再配達の可能性を低減できる。
【0050】
上記態様において、前記第1現在地の最寄り駅を示す情報を取得し、
前記最寄り駅を示す情報に基づいて、前記最寄り駅から前記配達先までの公共交通機関の工程情報であって、前記配達先への第3到着予想時刻が前記第1配達予定時刻より前となる前記工程情報を取得し、
前記工程情報を含む前記第1メッセージを送信してもよい。
【0051】
本構成によれば、最寄り駅から配達先までの公共交通機関の工程情報であって、配達先への第3到着予想時刻が第1配達予定時刻より前となる前記工程情報がユーザに通知される。そのため、本構成は、第1現在地にあとどのくらいの時間、滞在可能であるかの判断材料をユーザに提示でき、再配達をより確実に防止できる。
【0052】
上記態様において、前記メモリから複数の駅の位置及び各駅における公共交通機関の発車時刻を示す駅情報を読み出し、
前記第1現在地及び前記駅情報に基づいて、前記第1現在地の第1最寄り駅を特定し、
前記ユーザが前記第1現在地から前記第1最寄り駅に移動するのに要する第2移動時間を算出し、
前記第1時刻及び前記第2移動時間に基づいて、前記第1最寄り駅に到着する第2時刻を算出し、
前記配達先及び前記駅情報に基づいて、前記配達先の第2最寄り駅を特定し、
前記第2最寄り駅から前記配達先までの第3移動時間を算出し、
前記第3移動時間及び前記第1配達予定時刻に基づいて、前記ユーザが前記第2最寄り駅に遅くとも到着しなければならない第3時刻を算出し、
前記駅情報に基づいて、前記第2時刻以降に前記第1最寄り駅を出発してから前記第3時刻までに、前記第2最寄り駅に到着可能な前記公共交通機関の工程情報であって少なくとも前記第1最寄り駅の発車時刻を含む前記工程情報を特定し、
前記工程情報を示す第2メッセージを、前記第2時刻よりも前に前記第1情報端末に送信してもよい。
【0053】
本構成によれば、第1現在地の第1最寄り駅に到着する第2時刻以降に前記第1最寄り駅を出発してから、ユーザが配達先の第2最寄り駅に遅くとも到着しなければならない第3時刻までに第2最寄り駅に到着可能な公共交通機関の工程情報であって少なくとも第1最寄り駅の発車時刻を含む工程情報がユーザに通知される。そのため、本構成は、第1最寄り駅に何時に到着すればよいかの判断材料をユーザに提示でき、再配達をより確実に防止できる。
【0054】
上記態様において、前記工程情報は、前記第2最寄り駅の到着時刻を更に含んでもよい。
【0055】
本構成によれば、第2最寄り駅の到着時刻もユーザに通知できる。
【0056】
上記態様において、前記工程情報は、前記公共交通機関の乗り換え駅が含まれる場合、前記乗り換え駅の到着時刻及び発車時刻少なくとも一方を更に含んでもよい。
【0057】
本構成によれば、第1最寄り駅から第2最寄り駅までの経路上に乗り換え駅があればその乗り換え駅の到着時刻及び発車時刻の少なくとも一方をユーザに通知できる。
【0058】
上記態様において、前記荷物は、複数の第1荷物を含み、
前記ユーザは、前記複数の第1荷物に対応する複数の第1ユーザを含み、
前記第1荷物の全てが配送車に積み込まれた第1タイミングを検出し、
前記第1タイミングにおいて、前記複数の第1ユーザのそれぞれの前記第1現在地及び前記第1時刻を取得し、
前記第1到着予想時刻は、前記第1タイミングにおいて前記第1荷物のそれぞれについて算出されてもよい。
【0059】
本構成によれば、配送車に配達対象となる全ての荷物が積み込まれた第1タイミングにおいて、各第1ユーザの第1現在地及び第1時刻が取得されて各第1ユーザの第1到着予想時刻が算出される。そのため、配送車へ全ての第1荷物の積み込みが完了する前に1到着予想時刻を算出する態様に比べ、第1配達予定時刻により近いタイミングで第1配達予定時刻を算出でき、配送車への荷物の積み込みに時間がかかったとしても、第1特着予定時刻をより精度良く算出できる。
【0060】
上記態様において、前記配達先は、前記複数の第1荷物に対応する1以上の第1配達先を含み、
前記複数の第1荷物のそれぞれについて前記第1配達先で配達されたことを示す第2タイミングを検出し、
前記第2タイミングのそれぞれにおいて、配達順序が次の第1荷物の第1ユーザの前記第1現在地及び前記第1時刻を取得して、前記第1到着予想時刻及び前記第1差分を算出し、
前記第1メッセージは、前記第2タイミングにおいて、前記次の第1荷物の前記第1ユーザの前記第1情報端末に送信されてもよい。
【0061】
本構成によれば、第1荷物が配達される都度、次の第1荷物の第1ユーザの第1到着予想時刻及び第1差分が算出され、第1差分に応じた第1メッセージが当該第1ユーザの第1情報端末に送信される。そのため、第1配達予定時刻により近いタイミングで各第1ユーザの第1到着予想時刻を算出でき、第1到着予想時刻をより高精度に算出できる。
【0062】
本開示の別の一態様は、ユーザに情報を提供する情報提供システムにおける情報提供方法であって、
前記情報提供システムのコンピュータが
前記ユーザの現在地及び前記現在地を検出した第1時刻を、ネットワークを介して取得し、
メモリから前記ユーザ宛ての荷物の配達先、前記現在地の種類を示す種別情報、前記種別情報に対応づけられた複数の滞在時間、及び配達予定時刻を読み出し、
前記種別情報及び前記複数の滞在時間に基づいて、前記現在地に対応する前記複数の滞在時間を決定し、
前記現在地及び前記配達先に基づいて、前記ユーザが前記現在地から前記配達先へ移動するのに要する移動時間を算出し、
前記第1時刻、前記現在地に対応する前記複数の滞在時間、及び前記移動時間に基づいて、複数の到着予想時刻を算出し、
前記配達予定時刻が前記複数の到着予想時刻の間にあるかを判断し、
前記配達予定時刻が前記複数の到着予想時刻の間にある場合、前記荷物の配達に関するメッセージを前記ユーザの情報端末に送信し、前記情報端末に前記メッセージを表示させる。
【0063】
現在地における滞在時間は一律に同じ時間ではなく、複数の滞在時間が想定される。本構成によれば、現在地の種別を示す種別情報と種別情報に対応づけられた複数の滞在時間とに基づいて、現在地に対応する複数の滞在時間が決定される。そして、複数の滞在時間と現在地から配達先へのユーザの移動時間とに基づいて、ユーザが配達先に到着する複数の到着予想時刻が算出され、荷物の配達予定時刻が複数の到着予想時刻の間にある場合、配達に関するメッセージがユーザに提示される。そのため、該当するユーザがボーダーライン顧客に該当するか否かを正確に判定することができる。さらに、ボーダーライン顧客と判定されたユーザに対して配達に関するメッセージが送信されるため、このユーザに対して配達先に戻ることを促すプレッシャーをうまく与えることができ、再配達を効果的に防止することができる。
【0064】
上記態様において、前記種別情報は、前記ユーザが前記現在地に到着した時から前記第1時刻までの経過時間に応じた、前記ユーザが前記現在地をすぐに出発できる確率を示す情報を含み、
前記ネットワークを介して、前記ユーザが前記現在地に到着した時の第2時刻を取得し、
前記第1時刻および前記第2時刻に基づいて、前記経過時間を算出し、
前記確率を示す情報および前記経過時間に基づいて、前記経過時間に対応する前記確率を特定し、
特定された前記確率が所定値以上かを判断し、
前記確率が前記所定値以上の場合、前記複数の滞在時間を0に設定してもよい。
【0065】
例えば、英会話教室においては、ユーザは、レッスンを受講せず予約を行う場合、到着後、10分程度を経過するまでに立ち去る一方、レッスンを受講する場合は、50分程度を経過しなければ立ち去らないといった傾向が現れる。したがって、このような傾向から、現在地にユーザが到着してからの経過時間に応じて、ユーザが現在地を直ぐに出発するか否かの確率を求めることができる。
【0066】
本構成によれば、ユーザが現在地に到着した第2時刻とユーザが現在地に居ることが検出された第1時刻とに基づいて、ユーザが現在地に到着した第2時刻からの経過時間が算出され、その経過時間に基づいて、ユーザが現在地をすぐに出発できる確率が特定され、その確率が所定値以上であれば、その滞在場所での滞在時間は0、すなわち、ユーザは現在地をすぐに出発できるとみなされて、到着予想時刻が算出される。このように、現在地に到着してからの経過時間に応じた現在地をすぐに出発できる確率を用いて到着予想時刻が算出されているため、ユーザの滞在特性を考慮に入れて適切な到着予想時刻を算出できる。
【0067】
上記態様において、前記種別情報は、前記ユーザが前記現在地に到着した時から前記第1時刻までの経過時間に応じた、前記ユーザが前記現在地をすぐに出発できる確率を示す情報を含み、
前記ネットワークを介して、前記ユーザが前記現在地に到着した時の第2時刻を取得し、
前記第1時刻および前記第2時刻に基づいて、前記経過時間を算出し、
前記確率を示す情報および前記経過時間に基づいて、前記経過時間に対応する前記確率を特定し、
特定された前記確率が所定値以上かを判断し、
前記確率が前記所定値以上の場合、前記複数の滞在時間のうち最も長い前記滞在時間を除く少なくとも1つの前記滞在時間を0に設定してもよい。
【0068】
本構成によれば、ユーザが現在地に到着した第2時刻とユーザが現在地に居ることが検出された第1時刻とに基づいて、ユーザが現在地に到着した第2時刻からの経過時間が算出され、その経過時間に基づいて、ユーザが現在地をすぐに出発できる確率が特定され、その確率が所定値以上であれば、複数の滞在時間のうち最も長い滞在時間を除く少なくとも1つの滞在時間が0、すなわち、ユーザは現在地をすぐに出発できるとみなされて、到着予想時刻が算出される。このように、本態様では、少なくとも現在地をすぐに出発できるとみなして算出された到着予想時刻と最も長い滞在時間とが複数の到着予想時刻として採用されているため、ユーザの滞在特性を考慮に入れてボーダーライン顧客を適切に特定できる。
【0069】
上記態様において、前記確率は、前記ユーザの過去の滞在履歴から算出されてもよい。
【0070】
本構成によれば、前記確率を算出するに際して、ユーザの過去の滞在履歴が用いられているため、前記確率を正確に算出できる。
【0071】
本開示の更に別の一態様は、ユーザに情報を提供する情報提供システムにおける情報提供方法であって、
前記情報提供システムのコンピュータが
前記ユーザの現在地及び前記現在地を検出した時刻を、ネットワークを介して取得し、
メモリから前記ユーザ宛ての荷物の配達先、前記ユーザの移動経路、前記ユーザの移動履歴、前記ユーザが前記配達先に到着するまでの間に経由する可能性がある地点の種類を示す種別情報、前記種別情報に対応づけられた複数の滞在時間、及び配達予定時刻を読み出し、
前記現在地、前記ユーザの移動経路、前記ユーザの移動履歴に基づいて、前記地点を抽出し、
前記種別情報及び前記複数の滞在時間に基づいて、抽出された前記地点に対応する前記複数の滞在時間を決定し、
前記現在地、前記地点及び前記配達先に基づいて、前記ユーザが前記地点を経由して前記現在地から前記配達先へ移動するのに要する移動時間を算出し、
前記時刻、抽出された前記地点に対応する前記複数の滞在時間、及び前記移動時間に基づいて、複数の到着予想時刻を算出し、
前記配達予定時刻が前記複数の到着予想時刻の間にあるかを判断し、
前記配達予定時刻が前記複数の到着予想時刻の間にある場合、前記荷物の配達に関するメッセージを前記ユーザの情報端末に送信し、前記情報端末に前記メッセージを表示させる。
【0072】
本構成によれば、ユーザの移動経路及び移動履歴などから、ユーザが配達先に到着するまでの間に経由する可能性のある地点が抽出され、抽出された地点における複数の滞在時間からユーザが配達先に到着する複数の到着予想時刻が算出される。そのため、ユーザが現在地から寄り道をする場合において、寄り道する地点を考慮に入れて、ユーザの配達先への複数の到着予想時刻を正確に算出できる。そして、荷物の配達予定時刻が複数の到着時刻の間にあれば、配達に関するメッセージがユーザに提示される。そのため、このような寄り道をするユーザに対して配達先に戻ることを促すプレッシャーをうまく与えることができ、再配達を効果的に防止することができる。
【0073】
本開示の更に別の一態様は、ユーザに情報を提供する情報提供システムにおける情報提供方法であって、
前記情報提供システムのコンピュータが
前記ユーザの第1現在地、前記第1現在地を検出した第1時刻、前記ユーザ宛の荷物の配達員の第2現在地、前記第2現在地を検出した第2時刻、及び交通情報を、ネットワークを介して取得し、
メモリから前記荷物の配達先、前記第1現在地の種類を示す種別情報、及び前記種別情報に対応づけられた複数の滞在時間を読み出し、
前記種別情報及び前記複数の滞在時間に基づいて、前記第1現在地に対応する前記複数の滞在時間を決定し、
前記第1現在地及び前記配達先に基づいて、前記ユーザが前記第1現在地から前記配達先へ移動するのに要する第1移動時間を算出し、
前記第1時刻、前記第1現在地に対応する前記複数の滞在時間、及び前記第1移動時間に基づいて、最も早い第1到着予想時刻および最も遅い第2到着予想時刻を算出し、
前記第2現在地、前記交通情報、前記配達先に基づいて、前記配達員が前記第2現在地から前記配達先に移動するのに要する最も短い第2移動時間および最も長い第3移動時間を算出し、
前記第2時刻および前記第2移動時間に基づいて、最も早い第1配達予想時刻を算出し、
前記第2時刻および前記第3移動時間に基づいて、最も遅い第2配達予想時刻を算出し、
前記第1配達予想時刻又は前記第2配達予想時刻が、前記第1到着予想時刻および前記第2到着予想時刻の間にあるかを判断し、
前記第1配達予想時刻又は前記第2配達予想時刻が、前記第1到着予想時刻および前記第2到着予想時刻の間にある場合、前記ユーザに前記配達先への到着を促すメッセージを前記ユーザの情報端末に送信し、前記情報端末に前記メッセージを表示させる。
【0074】
本構成によれば、第1現在地における複数の滞在時間などからユーザが配達先へ到着する最も早い第1到着予想時刻及び最も遅い第2到着予想時刻が算出される。また、第2現在地、交通情報、及び配達先に基づいて配達先に荷物が到着する最も早い第1配達予想時刻及び最も遅い第2配達予想時刻が算出される。そして、第1配達予想時刻又は第2配達予想時刻が第1到着予想時刻及び第2到着予想時刻の間にあれば、配達に関するメッセージがユーザに提示される。そのため、交通渋滞などの要因によって配達先への荷物の配達予想時刻にゆらぎが生じる場合であっても、ユーザがボーダーライン顧客であるか否かを正確に判定し、ボーダーライン顧客と判定されたユーザに対して配達先に戻るプレッシャーをうまく与えることができ、荷物の再配達を防止できる。
【0075】
本開示は、このような方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラム或いはこのコンピュータプログラムによって動作するシステムとして実現することもできる。また、このようなコンピュータプログラムを、CD-ROM等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【0076】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
【0077】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る情報提供システムのネットワーク構成の一例を示す図である。情報提供システムは、荷物の配達予定時刻において受取人であるユーザに配達先への在宅を促し、荷物の再配達を防止するためのサービスを提供するものである。情報提供システムは、サーバ1、ユーザ端末2(第1情報端末の一例)、及び配達員端末3を備えている。サーバ1~配達員端末3はネットワークNTを介して相互に通信可能に接続されている。ネットワークNTとしては、例えばインターネット通信網及び携帯電話通信網等が採用される。サーバ1は情報提供装置と呼んでもよい。
【0078】
サーバ1は、例えば、1又は複数のコンピュータから構成され、本情報提供システムの全体制御を司る。ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯可能な情報処理装置で構成され、本情報提供システムのサービスが適用されるユーザによって所持される。ユーザ端末2は、定期的に自己の位置を検出してサーバ1に送信したり、サーバ1から通知される各種メッセージを表示したりする。
【0079】
配達員端末3は、例えば、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯可能な情報処理装置で構成され、荷物を配送する配達員に対して種々のメッセージを表示する。ここで、配達員端末3は、配達員が乗る配送車に搭載された情報処理装置で構成されてもよく、例えば、配送車が備えるECU(Electronic Control Unit)又はカーナビゲーションシステムに実装されてもよい。また、配達員端末3は、荷物の配達員用に開発された専用の携帯可能な情報処理装置で構成されていてもよい。
【0080】
なお、図1では、説明の便宜上、1つのユーザ端末2しか図示されていないが、これは一例であり、複数のユーザ端末2が含まれていてもよい。この場合、これらのユーザ端末2から送信されるデータは、ユーザ端末2を所持するユーザのユーザIDを用いてユーザ別に管理される。同様に、図1では、1つの配達員端末3しか図示されていないが、複数の配達員端末3が含まれていてもよい。この場合、配達員端末3から送信されるデータは、配達員端末3に対して個別に付与された配達員IDを用いて配達員別に管理される。
【0081】
図2は、図1に示す情報提供システムの構成の一例を示すブロック図である。サーバ1は、メモリ11、移動時間算出部12、差分算出部13、差分判定部14、通信部15、滞在時間決定部16、到着予想時刻算出部17、メッセージ選択部18、及び制御部19を備える。なお、移動時間算出部12、差分算出部13、差分判定部14、滞在時間決定部16、到着予想時刻算出部17、メッセージ選択部18、及び制御部19は、例えば、CPU等のプロセッサで構成されてもよいし、専用のハードウェア回路で構成されてもよい。この場合、これらの構成要素は、それぞれ、別個のハードウェアで構成されてもよいし、1つのプロセッサが所定のプログラムを実行することで構成されていてもよい。
【0082】
メモリ11は、例えば、半導体メモリで構成され、ユーザ宛ての荷物の配達先、ユーザの現在地の種類を示す種別情報、種別情報に対応づけられた滞在時間、及び荷物の配達予定時刻を予め記憶する。
【0083】
滞在時間決定部16は、通信部15がユーザ端末2から受信したユーザの第1現在地とメモリ11に記憶された種別情報及び滞在時間とを用いて第1現在地におけるユーザの滞在時間を決定する。
【0084】
移動時間算出部12は、ユーザの第1現在地及びメモリ11に記憶された配達先を用いて、ユーザが第1現在地から配達先へ移動するのに要する第1移動時間を算出する。ここで、移動時間算出部12は、例えば、第1現在地と配達先とを繋ぐ最適経路を地図情報から経路探索アルゴリズムを用いて特定し、特定した最適経路を予め定められた移動速度で割ることで第1移動時間を算出してもよい。移動速度は、例えば、最適経路が徒歩での移動が想定される経路であれば、徒歩の速度が採用され、最適経路が車での移動が想定される経路であれば、車の移動速度が採用され、電車及びバス等の交通公共機関での移動が想定される経路であれば公共交通機関の移動速度が採用される。
【0085】
或いは、移動時間算出部12は、ルート探索アプリケーションに対して、第1現在地と配達先とを指定して移動時間の算出依頼を行い、出力された移動時間を第1移動時間として採用してもよい。なお、ルート探索アプリケーションは、例えば、インターネット上で公開されている経路探索サイトが採用される。
【0086】
到着予想時刻算出部17は、通信部15が受信した第1現在地のユーザ端末2の検出時刻である第1時刻と、滞在時間決定部16が決定した滞在時間と、移動時間算出部12が算出した第1移動時間とを用いて、第1到着予想時刻を算出する。ここで、第1到着予想時刻は、第1時刻に滞在時間及び第1移動時間を加えることで算出される。
【0087】
差分算出部13は、メモリ11に記憶された荷物の配達先への第1配達予定時刻と、到着予想時刻算出部17が算出した第1到着予想時刻との第1差分を算出する。
【0088】
差分判定部14は、差分算出部13が算出した第1差分が第1閾値以下であるかを判定し、第1差分が第1閾値以下の場合、該当するユーザを配達予定時刻近辺、すなわち、配達時刻ちょうどに、または、配達時刻直前に、または、配達時刻直後に配達先に戻る顧客であるボーダーライン顧客として特定する。ここで、差分判定部14は、第1差分の絶対値が第1閾値以下であるかを判定すればよい。これにより、第1到着予想時刻が、第1配達予定時間を基準に前後第1閾値で定まる時間帯に属するユーザがボーダーライン顧客として特定されることになる。第1閾値としては、例えば、10分が採用できる。この場合、第1配達予定時間を基準に前に10分、後に10分の期間に第1到着予想時刻が属するユーザがボーダーライン顧客として特定されることになる。但し、これは一例であり、第1閾値としては、3分、5分、15分等の10分以外の値が採用されてもよい。
【0089】
メッセージ選択部18は、差分算出部13が算出した第1差分に応じて、ユーザに通知するメッセージ(第1メッセージの一例)の種類を選択する。制御部19は、サーバ1の全体制御を司る。
【0090】
通信部15は、サーバ1をネットワークNTに接続する通信装置で構成され、例えば、ユーザ端末2から送信される第1現在地及び第1時刻を受信すると共に、メッセージ選択部18が選択したメッセージをユーザ端末2に送信する。
【0091】
ユーザ端末2は、メモリ21、時刻管理部22、GPS(グローバルポジショニングシステムセンサ)23、通信部24、表示部25、入力部26、及び制御部27を備える。メモリ21は、例えば、半導体メモリで構成され、メッセージを表示するために必要なアプリケーション等を記憶する。
【0092】
時刻管理部22は、例えば、時計で構成され、時刻を計時する。GPS23は、GPS衛星からの電波を用いてユーザ端末2の現在地を算出する。ここで、GPS23は、例えば、所定の時間間隔(例えば、1分、2分、10分等)で現在地を算出すればよい。
【0093】
通信部24は、ユーザ端末2をネットワークNTに接続する通信装置で構成され、GPS23が算出した現在地をユーザの第1現在地として、サーバ1に送信する。このとき、通信部24は、時刻管理部22が計時した第1時刻を第1現在地と対応付けてサーバ1に送信する。また、通信部24は、サーバ1から送信されたメッセージを受信する。第1時刻はGPS23がユーザ端末2の現在地を算出した時刻、すなわち、第1時刻はGPS23が第1時刻を算出した時刻である。算出した時刻は、検出した時刻と言い換えてもよい。 表示部25は、液晶ディスプレイ等の表示装置で構成され、メッセージ等を含む種々の画像を表示する。入力部26は、例えば、タッチパネルで構成され、ユーザからの種々の操作を受け付ける。制御部27は、CPU等のプロセッサで構成され、ユーザ端末2の全体制御を司る。
【0094】
配達員端末3は、メモリ31、時刻管理部32、GPS33、読取部34、通信部35、表示部36、入力部37、及び制御部38を備える。メモリ31は、例えば、半導体メモリで構成され、サーバ1から送信される種々のメッセージを表示するためのアプリケーション等を記憶する。
【0095】
時刻管理部32は、例えば、時計で構成され、時刻を計時する。GPS33は、GPS衛星からの電波を用いて配達員端末3の現在地を算出する。ここで、GPS33は、例えば、所定の時間間隔(例えば、1分、2分、10分等)で現在地を算出すればよい。
【0096】
読取部34は、例えば、荷物に貼り付けられた荷物伝票に記載されたバーコード又はQRコード(登録商標)等を読み取るバーコードリーダで構成されている。ここで、バーコード又はQRコード(登録商標)には、荷物の識別子である荷物IDが少なくとも含まれている。配達員は、配送センターにおいて配送車に荷物を積み込む際、積み込んだ荷物の荷物伝票に記載されたバーコード又はQRコード(登録商標)を読取部34に読み取らせる。これにより、配達員端末3は、読取部34が読み取った荷物IDをキーにしてサーバ1から配達先、受取人、及び配達予定時刻等の荷物情報を取得し、配達すべき荷物を管理することができる。
【0097】
通信部35は、配達員端末3をネットワークNTに接続させる通信装置で構成され、GPS33が検出した現在地及び時刻管理部32が計時した時刻を対応付けてサーバ1に送信する。
【0098】
表示部36は、液晶ディスプレイ等の表示装置で構成され、サーバ1から送信されるメッセージ等を含む種々の画像を表示する。入力部37は、例えば、タッチパネルで構成され、ユーザからの種々の操作を受け付ける。制御部38は、CPU等のプロセッサで構成され、配達員端末3の全体制御を司る。
【0099】
図3は、サーバ1のメモリ11が記憶する現在地DB31及び種別DB32のデータ構成の一例を示す図である。現在地DB31は、ユーザの第1現在地を記憶するデータベースであり、1つのレコードにはユーザ端末2が検出した第1現在地が記憶されている。
【0100】
具体的には、現在地DB31は、「時刻」、「ユーザID」、「位置情報」、及び「現在地」を対応付けて記憶する。「時刻」は、ユーザ端末2が検出した第1現在地の検出時刻を示す。ここで、「時刻」の欄には、第1現在地と対応付けて送信された時刻が記憶される。
【0101】
「ユーザID」は第1現在地が検出されたユーザの識別子を示す。ここで、「ユーザID」は、第1現在地を送信したユーザ端末2の通信アドレスに予め対応付けられたユーザIDが採用されてもよいし、ユーザ端末2から送信された第1現在地にユーザIDが含まれているのであれば、そのユーザIDが採用されてもよい。なお、ここでは、説明の便宜上、ユーザIDが「GUEST0020」であるユーザの第1現在地が示されているが、これは一例であり、サーバ1が他のユーザの第1現在地も受信しているのであれば、現在地DB31にはこの他のユーザの第1現在地も記憶される。
【0102】
「位置情報」は、第1現在地の位置情報を示す。ここでは、位置情報は、緯度及び経度の2次元データで構成されているが、これは一例であり、更に高さを含む3次元データで構成されていてもよい。「現在地」は、「大井町駅ホーム」というような、第1現在地の所在地を示す。なお、「現在地」は、例えば、ユーザ端末2から送信された第1現在地の位置情報から地図情報を参照することでサーバ1によって特定されてもよいし、第1現在地と対応付けて現在地がユーザ端末2から送信される場合は、その送信された現在地が採用されればよい。
【0103】
種別DB32は、第1現在地に対応する種別を特定するために用いられ、「現在地」と「種別」とを対応付けて記憶するデータベースであり、1つのレコードに対して1つの現在地が対応付けられている。「現在地」は、現在地DB31の「現在地」と同じである。「種別」は、「現在地」の種別を示し、例えば、現在地に位置する施設の種別を示す、ここでは、公共交通機関の駅を示す「駅」、ヨガスタジオ等のスポーツジムを示す「ジム」、及びスーパーマーケットを示す「スーパー」が「種別」の欄に記憶されている。ここで、種別DB32は、事前に作成されたものである。
【0104】
図4は、サーバ1のメモリ11が記憶する滞在時間DB41、配送先DB42、及び荷物DB43のデータ構成の一例を示す図である。滞在時間DB41は、第1現在地でのユーザの滞在時間を特定するために用いられ、「種別」と「滞在時間」とを対応付けて記憶するデータベースである。「種別」は、種別DB32の「種別」と同じである。「滞在時間」は、種別で示される現在地においてユーザが滞在することが想定される滞在時間が示されている。ここで、滞在時間は、過去の統計データを分析する又は機械学習することで算出された時間が採用されている。ここでは、「駅」であれば「5分」、「スーパー」であれば「20分」といった時間が採用されている。
【0105】
配送先DB42は、荷物の配送先を記憶するデータベースであり、1つのレコードに対して1つの配送先が割り当てられている。具体的には、配送先DB42は、「ユーザID」、「配送先住所」、及び「メッセージ送信先」を対応付けて記憶する。「ユーザID」は、荷物の受取人となるユーザの識別子である。「配送先住所」は、荷物の配送先の住所である。「メッセージ送信先」は、受取人であるユーザのユーザ端末2のメールアドレス等の通信アドレスである。
【0106】
荷物DB43は、荷物の配達先への第1配達予定時刻を決定するために用いられるデータベースであり、1つのレコードに1つの荷物が割り当てられている。具体的には、荷物DB43は、「ユーザID」、「荷物ID」、「配達予定時刻」、及び「発送者」を対応付けて記憶する。「ユーザID」は、荷物の受取人であるユーザのユーザIDを示す。「荷物ID」は、荷物を一意的に識別する識別子である荷物IDを示す。「配達予定時刻」は、荷物の配達先への第1配達予定時刻である。ここでは、「2018年1月1日13:00」というように、第1配達予定時刻は、年月日時刻で構成されている。なお、第1配達予定時刻は、ユーザの配達希望時刻、配達先、及び配送車の荷物の配送ルート等を考慮に入れて予め算出された配達予定時刻が採用されている。「発送者」は荷物の発送者(送り主)のユーザIDを示す。
【0107】
図5は、サーバ1のメモリ11が記憶する顧客メッセージDB51及び配達員メッセージDB52のデータ構成の一例を示す図である。顧客メッセージDB51は、メッセージ選択部18が選択するメッセージを記憶するデータベースであり、1つのレコードに対して1つのメッセージが割り当てられている。具体的には、顧客メッセージDB51は、「メッセージID」と「メッセージ」とを対応付けて記憶する。「メッセージID」は、メッセージの識別子を示す。「メッセージ」の欄にはメッセージの内容が記憶されている。ここで挙げられたメッセージにおいて「○○:○○」の箇所には第1配達予定時刻が記載される。
【0108】
1行目の「荷物を○○:○○頃にお届けします」のメッセージは、例えば、第1到着予想時刻が、第1配達予定時刻よりも第1閾値だけ遡った時刻よりも前のユーザ、すなわち、在宅が確実視されるユーザに対して通知されるメッセージである。
【0109】
2行目の「荷物を○○:○○頃にお届けします。ご在宅予定ですか?」のメッセージは、例えば、上述したボーダーライン顧客に該当するユーザに対して通知されるメッセージである。なお、このメッセージは、「ご在宅予定ですか?」との文言を含んでおり、ユーザからの回答を要求している。したがって、このメッセージが通知されたユーザは、ユーザ端末2を操作して、在宅の有無を示す回答を入力してサーバ1に送信する。
【0110】
3行目の「荷物を○○:○○頃にお届けします。宅配ボックスの空きがあれば入れるように致します。」のメッセージは、例えば、第1到着予想時刻が、第1配達予定時刻に第1閾値を加えた時刻よりも後のユーザ、すなわち、不在が確実視されるユーザに対して通知されるメッセージである。
【0111】
配達員メッセージDB52は、メッセージ選択部18によって選択されるメッセージを記憶するデータベースであり、1つのレコードに1つのメッセージが割り当てられている。具体的には、配達員メッセージDB52は、「メッセージID」及び「メッセージ」を対応付けて記憶する。「メッセージID」は、メッセージの識別子を示す。「メッセージ」は、メッセージの内容を示す。なお、ここで挙げられたメッセージにおいて「○○:○○」の箇所には第1到着予想時刻が記載される。
【0112】
1行目の「到着予想時間は、○○:○○です。在宅の可能性が高いです。」のメッセージは、例えば、第1配達予定時刻において在宅が確実視されるユーザの荷物を配達する配達員に通知される配達員メッセージである。
【0113】
2行目の「到着予想時間は、○○:○○です。受け取り可否を確認中です。」のメッセージは、例えば、ボーダーライン顧客の荷物を配達する配達員に通知される配達員メッセージである。
【0114】
3行目の「到着予想時間は、○○:○○です。不在の可能性が高いです。」のメッセージは、例えば、第1配達予定時刻において不在が確実視されるユーザの荷物を配達する配達員に通知される配達員メッセージである。
【0115】
図6は、図1に示す情報提供システムにおいてユーザ端末2及びサーバ1間におけるデータの送受の一例を示すシーケンス図である。
【0116】
ユーザ端末2は、GPS23が検出した第1現在地と、GPS23が第1現在地を検出した時刻である第1時刻とを対応付けてサーバ1に送信する。この送信は定期的に行われ、送信された第1現在地及び第1時刻は図3に示す現在地DB31に記憶される。
【0117】
次に、サーバ1は、所定の処理タイミングになったとき、第1到着予想時刻及び第1配達予定時刻の第1差分と第1閾値との比較結果に応じたメッセージを図5に示す顧客メッセージDB51から選択し、ユーザ端末2に送信する。
【0118】
図7は、図1の情報提供システムにおいて配達員端末3及びサーバ1間におけるデータの送受の一例を示すシーケンス図である。配達員端末3は、GPS33が検出した配達員の現在地とその検出時刻とを対応付けてサーバ1に送信する。この送信は定期的に行われ、サーバ1によって配達員の現在地が把握される。
【0119】
次に、サーバ1は、所定の処理タイミングになったとき、第1到着予想時刻及び第1配達予定時刻の第1差分と第1閾値との比較結果に応じた配達員メッセージを図5に示す配達員メッセージDB52から選択し、配達員端末3に送信する。
【0120】
図8は、実施の形態1に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S1では、通信部15は、ユーザ端末2から送信された第1現在地及び第1時刻を取得する。S2では、制御部19は、メモリ11から種別DB32、荷物DB43、配送先DB42、及び滞在時間DB41を取得する。
【0121】
S3では、滞在時間決定部16は、滞在時間を決定する。例えば、S1で取得した第1現在地が「大井町駅ホーム」だったとする。この場合、図3に示す種別DB32から種別として「駅」が特定され、図4に示す滞在時間DB41から「5分」が特定される。
【0122】
S4では、移動時間算出部12は、S1で取得した第1現在地から配達先までユーザが移動するのに要する第1移動時間を算出する。例えば、S1で取得した第1現在地に位置するユーザのユーザIDが「GUEST0020」であったとすると、配送先DB42から配送先である「横浜市神奈川区・・・」が特定される。そして、第1現在地と配送先との最適経路が特定され、想定される移動速度で割る、或いは、ルート探索アプリケーションに移動時間の算出依頼を行うことで第1移動時間が算出される。
【0123】
S5では、到着予想時刻算出部17は、S1で取得した第1時刻にS3で決定した第1現在地での滞在時間、及びS4で算出した第1移動時間を加えることでユーザの配達先への第1到着予想時刻を算出する。上述の大井町駅ホームの例において、現在時刻が18:55であり、「駅」の滞在時間は「5分」であり、大井町駅ホームから配送先までの第1移動時間が「20分」と算出されたとすると、第1到着予想時刻は、18時55分に5分及び20分を加えることで19時20分と算出される。
【0124】
S6では、差分算出部13は、S5で算出した第1到着予想時刻から、荷物DB43に記憶された該当する荷物の第1配達予定時刻を減算して第1差分を算出する。例えば、上述の大井町駅ホームの例において、第1配達予定時刻が「19時25分」であったとすると、第1到着予想時刻は「19時20分」であるため、第1差分は、「19時20分」から「19時25分」の差分である「-5分」となる。
【0125】
S7では、メッセージ選択部18は第1差分に応じたメッセージを選択し、通信部15を用いて該当するユーザのユーザ端末2に送信する。例えば、メッセージ選択部18は、第1差分の絶対値が第1閾値以下である、すなわち、該当するユーザがボーダーライン顧客の場合、顧客メッセージDB51の2行目に記載された、受け取りが可能であるか否かの回答を要求するメッセージを送信する。
【0126】
この場合、メッセージ選択部18は、まず、配達員メッセージDB52の2行目に示す受け取りの可否が確認中である旨のメッセージを配達員端末3に送信する。そして、メッセージ選択部18は、ユーザから受け取り可能である旨の回答が通知された場合、配達員端末3に対して受け取り可能である旨のメッセージを送信すればよい。一方、メッセージ選択部18は、ユーザから受け取り不可能である旨の回答が通知された場合、配達員端末3に対して受け取り不可能である旨のメッセージを送信すればよい。
【0127】
また、メッセージ選択部18は、第1差分の絶対値が第1閾値より大きく、且つ第1到着予想時刻が第1配達予定時刻よりも前であれば、顧客メッセージDB51の1行目に記載された、在宅が確実視されるユーザに対して送信されるメッセージを送信する。この場合、メッセージ選択部18は、例えば、配達員メッセージDB52の1行目に示す在宅の可能性が高いことを示すメッセージを配達員端末3に送信すればよい。これにより、配達員は再配達を懸念せずに安心して荷物を配達できる。
【0128】
また、メッセージ選択部18は、第1差分の絶対値が第1閾値より大きく、且つ第1到着予想時刻が第1配達予定時刻よりも後であれば、図5の3行目に記載された、不在が確実視されるユーザに対して送信されるメッセージを送信する。この場合、メッセージ選択部18は、例えば、配達員メッセージDB52の3行目に示す不在の可能性が高いことを示すメッセージを配達員端末3に送信すればよい。これにより、配達員は該当する荷物の配送先を飛ばして次の配送先に向かうことができ、荷物の配達を効率良く行うことができる。
【0129】
図8のフローの態様では、ボーダーライン顧客に該当するユーザ対しては回答を要求するメッセージが送信されるが、それ以外のユーザに対しては回答を要求するメッセージは送信されない。そのため、ユーザに対する煩わしさの軽減が図られている。一方、ボーダーライン顧客に該当するユーザに対しては回答を要求するメッセージが送信される。そのため、受け取り可能である旨の回答をしたユーザに対しては、「約束を守らなければ」という心理効果を与えることができ、再配達の防止が期待できる。一方、受け取り不可能である旨の回答をしたユーザに対しては、配達員に受け取り不可能であることを示すメッセージを通知することで、該当する荷物の配送先への配達を配達員に回避させることができ、配達再配達の防止を図ることができる。
【0130】
図9は、実施の形態1に係る情報提供システムの処理の別の一例を示すフローチャートである。なお、このフローでは、ボーダーライン顧客に該当するユーザに対してメッセージが送信されている。
【0131】
S11では、処理Aが実行される。処理Aは、図8のS1~S6に示す処理である。S12では、差分判定部14は、第1差分の絶対値が第1閾値以下か否かを判定する。第1差分の絶対値が第1閾値以下の場合(S12でYES)、処理はS13に進み、第1差分の絶対値が第1閾値より大きい場合(S12でNO)、処理は終了する。
【0132】
S13では、メッセージ選択部18は、顧客メッセージDB51の2行目に記載された受け取り可否の回答を促すメッセージを通信部15を用いてユーザ端末2に送信すると共に、配達員メッセージDB52に2行目に記載された受け取りの可否が確認中である旨のメッセージを通信部15を用いて配達員端末3に送信する。
【0133】
そして、ユーザから受け取り可能である回答が通知された場合、メッセージ選択部18は、受け取り可能である旨のメッセージを配達員端末3に送信する。一方、ユーザから受け取り不可能である旨の回答が通知された場合、メッセージ選択部18は、受け取り不可能である旨のメッセージを配達員端末3に送信する。
【0134】
図10は、荷物の受け取りの可否の回答を要求するメッセージを表示するメッセージ表示画面G1の一例を示す図である。メッセージ表示画面G1には、「荷物を20:05頃にお届けします。ご在宅予定ですか?」とのメッセージと、「はい」と記載されたボタンB1と、「いいえ」と記載されたボタンB2とを表示する表示欄R1を備えている。
【0135】
表示欄R1のメッセージにおける「20:05」は、第1配達予定時刻を示している。ボタンB1は第1配達予定時刻にて荷物の受け取りが可能な場合に選択されるボタンであり、ボタンB2は第1配達予定時刻にて荷物の受け取りが不可能な場合に選択されるボタンである。
【0136】
表示欄R1に記載されたメッセージを見ることで、ユーザは、20時5分にて荷物を受け取るか否かの意思を決定し、受け取る意思がある場合は、ボタンB1を選択し、受け取る意思がない場合は、ボタンB2を選択する。
【0137】
ユーザ端末2において、入力部26がユーザによるボタンB1を選択する操作を検知すると、制御部27は、受け取り可能である旨の回答を通信部24を用いてサーバ1に送信する。一方、入力部26がユーザによるボタンB2を選択する操作を検知すると、制御部27は、受け取り不可能である旨の回答を通信部24を用いてサーバ1に送信する。これにより、サーバ1は、ボーダーライン顧客について荷物の受け取りが可能か否かを判断できる。
【0138】
図11は、配達員メッセージを表示するメッセージ表示画面G2の一例を示す図である。このメッセージ表示画面G2は、ユーザが受け取り可能である旨の回答をした場合に配達員端末3に表示される画面である。メッセージ表示画面G2は、表示欄R2を備えている。表示欄R2には、「○○さんは20:05頃に配達先に到着する見込みです。」とのメッセージが表示されている。ここで、「○○さん」は受け取り可能である旨の回答をしたユーザの名前である。「20:05」は○○さんの第1到着予想時刻である。
【0139】
また、表示欄R2には、荷物IDが表示されている。この荷物IDは、荷物DB43から特定されるデータであり、サーバ1から配達員端末3に送信されるメッセージに含まれている。
【0140】
このメッセージ表示画面G2を見た配達員は、「○○さん」は受け取り可能であると判断し、安心して荷物を配達することができる。
【0141】
このように実施の形態1によれば、ユーザの第1現在地の種別(例えば、スーパーマーケット及び職場等)からユーザの滞在時間が特定され、その滞在時間を考慮に入れて配達先への第1到着予想時刻が算出されているため、到着予想時刻を精度良く算出できる。
【0142】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る情報提供システムは、配送センターにおいて配送車に対して全ての荷物の積み込みが完了した第1タイミングで実施の形態1に示す処理を開始するものである。なお、本実施の形態において実施の形態1と同一構成には同一の符号を付し、説明を省く。また、本実施の形態において、全体構成図及びブロック図は図1及び図2を採用する。このことは以下の実施の形態でも同じである。
【0143】
図12は、実施の形態2における荷物DB12のデータ構成の一例を示す図である。荷物DB12は、荷物DB43に対して、更に、「配達枠」及び「積載完了」の欄が設けられている。「配達枠」は、配送車が配送センターを出発して、積み込んだ荷物の配達をし、再び配送センターに戻ってくるまでの時間帯のことを指す。ここでは、配達枠として、「13:00-15:00」、「16:00-18:00」といった時間帯が採用されている。1行目の荷物は、配達予定時刻が13:00であるため、配達枠は13:00-15:00となり、2行目の荷物は、配達予定時刻が13:10であるため、配達枠は13:00-15:00となる。
【0144】
「積載完了」は、配送センターにおいて配送車に該当する荷物が積み込まれた場合、積み込みの完了を示す「済」が設定され、配送車に該当する荷物の積み込みが完了していない場合は、ブランクとなる。
【0145】
図12の例では、配達枠が13:00-15:00である2行目の荷物については、「積載完了」の欄がブランクであるため、この配達枠の全ての荷物の積み込みは完了していない。
【0146】
図13は、実施の形態2に係る処理の一例を示すフローチャートである。なお、図13のフローは、例えば、処理対象となる配達枠の開始時刻の一定時間前になると開始される。S21では、サーバ1の制御部19は、メモリ11から荷物DB12を取得する。
【0147】
S22では、サーバ1の制御部19は、荷物DB12から積載対象の配達枠の荷物の一覧を取得する。例えば、処理対象の配達枠が13:00-15:00であれば、荷物DB12から13:00-15:00の配達枠における荷物の一覧が取得される。
【0148】
S23では、サーバ1の制御部19は、配達員端末3の読取部34で読み取られた荷物情報を通信部15を用いて取得する。
【0149】
ここで、配送センターにおいて、配達員は、荷物に添付された荷物伝票に記載されたバーコード又はQRコード(登録商標)を読取部34に読み取らせて配達員端末3に荷物情報を取得させた後、配送車に荷物を積み込むものとする。配達員端末3により取得された荷物情報は、サーバ1に送信される。ここで、荷物情報には、少なくとも荷物IDが含まれる。
【0150】
S24では、サーバ1の制御部19は、荷物DB12において、該当する荷物の「積載完了」に「済」を設定することで、該当する荷物の「積載完了」フラグを立てる。
【0151】
S25では、サーバ1の制御部19は、該当する配達枠の全ての荷物が積み込まれたか否かを判定する。ここでは、該当する配達枠において全ての荷物の「積載完了」の欄に「済」が書き込まれた場合、全ての荷物が積み込まれたと判定される。
【0152】
全ての荷物の積み込みが完了していない場合(S25でNO)、処理はS23に戻り、配達員による荷物の積み込み作業が継続される。一方、全ての荷物の積み込みが完了した場合(S25でYES)、処理はS26に進む。S26では、対象となる配達枠に属する個々の荷物に対して処理Aが実行される。S27では、図8のS7又は図9のS13と同様、メッセージが送信される。
【0153】
このように、実施の形態2では、配送車に配達枠の全ての荷物が積み込まれた第1タイミングにおいて、処理Aが実行されて各ユーザの第1到着予想時刻が算出される。そのため、配送車への全ての荷物の積み込みが完了する前に1到着予想時刻を算出する態様に比べ、第1配達予定時刻により近いタイミングで第1配達予定時刻を算出でき、配送車への荷物の積み込みに時間がかかったとしても、第1到着予想時刻をより精度良く算出できる。
【0154】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る情報提供システムは、配送センターにおいて配送車に対して全ての荷物の積み込みが完了した第1タイミングに加えて、各荷物のユーザへの手渡しが完了する都度(第2タイミング)、実施の形態1に示す処理を開始するものである。
【0155】
図14は、実施の形態3における荷物DB14のデータ構成の一例を示す図である。荷物DB14は、荷物DB43に対して、更に、「訪問完了」の欄が設けられている。「訪問完了」は、配達員が荷物をユーザに手渡して配達先への訪問が完了した場合、訪問の完了を示す「済」が設定され、訪問が完了していない場合、ブランクとなる。
【0156】
図14の例では、1行目の荷物はユーザへの手渡しが完了しているため、「訪問完了」は「済」が設定され、2行目の荷物はユーザへの手渡しが完了していないため、「訪問完了」はブランクとなっている。図14の例では、配送車は13:00-15:00の配達枠の荷物の配達中であるため、1行目と2行目の荷物の「積載完了」は「済」が設定されている。
【0157】
図15は、実施の形態3に係る処理の一例を示すフローチャートである。なお、図14のフローは、例えば、処理対象となる配達枠の開始時刻の一定時間前になると開始される。S31では、処理Bが実行される。ここで、処理Bは、図13のS21~S25の処理である。但し、ここでは、荷物DB12ではなく荷物DB14が用いられる。
【0158】
S32では、サーバ1の制御部19は、荷物の手渡しが完了したか否かを判定する。ここで、配達員は、ユーザに荷物を手渡す際、荷物伝票に記載されたバーコード又はQRコード(登録商標)を読取部34に読み取らせて配達員端末3に荷物情報を取得させ、サーバ1に送信させる。したがって、サーバ1の制御部19は、通信部15が配達員端末3から荷物情報を受信した場合、荷物の手渡しが完了したと判定できる。
【0159】
荷物の手渡しが完了した場合(S32でYES)、処理はS33に進み、荷物の手渡しが完了していない場合(S32でNO)、処理はS37に進む。S33では、処理Aが実行される。S33では、配達順序が次の荷物のユーザが処理対象とされ処理Aが実行される。図14の例において、荷物の配達順序がGUEST0020のユーザ(以下、ユーザU1と記述する。)、GUEST0030のユーザ(以下、ユーザU2と記述する。)の順序であったとする。この場合、ユーザU1への荷物の手渡しが完了した場合、ユーザU2が処理対象とされ処理Aが実行される。なお、図14では、各荷物は配達順にソートされているものとする。
【0160】
S34では、図8のS7又は図9のS13と同様、ユーザU2に対してメッセージが送信される。S35では、サーバ1の制御部19は、荷物DB14から配達枠の荷物の一覧を取得する。ここでは、13:00-15:00の配達枠の荷物の一覧が取得されるものとする。S36では、サーバ1の制御部19は、ユーザU1の荷物の「訪問完了」に「済」を設定することで、該当する荷物の「訪問完了」フラグを立てる。
【0161】
S37では、サーバ1の制御部19は、配達枠の全ての荷物の手渡しの完了の有無を判定する。全ての荷物の手渡しが完了した場合(S37でYES)、処理は終了され、全ての荷物の配達が完了していない場合(S37でNO)、処理はS32に戻り、次のユーザに対して荷物の手渡しが完了したか否かが判定される。
【0162】
実施の形態3によれば、荷物が配達される都度、次の荷物のユーザに対して処理Aが実行されて第1到着予想時刻及び第1差分が算出され、第1差分に応じたメッセージが該当するユーザのユーザ端末2に送信される。そのため、第1配達予定時刻により近いタイミングで各ユーザの第1到着予想時刻を算出でき、第1到着予想時刻をより高精度に算出できる。
【0163】
(実施の形態4)
実施の形態4は、荷物の受取人であるユーザの同居人についてもボーダーライン顧客であるか否かの判断を適用するものである。図16は、実施の形態4に係る配送先DB161及びユーザDB162のデータ構成の一例を示す図である。配送先DB161は、配送先DB42に対して、「ユーザID」に代えて「配送先ID」、「メッセージ送信先」に代えて「ユーザリスト」を備えている。「配送先ID」は、荷物の配送先の識別子である。「ユーザリスト」は、各配送先に居住するユーザのユーザIDを記憶する。1行目の配送先の例では、ユーザリストの欄に「GUEST0020」、「GUEST0021」のユーザIDが記憶されているので、この配送先には、これらのユーザIDで示されるユーザが居住していることが分かる。
【0164】
ユーザDB162は、ユーザの個人情報を記憶するデータベースであり、1つのレコードに1人のユーザが割り当てられている。具体的には、ユーザDB162は、「ユーザID」、「氏名」、及び「メッセージ送信先」を対応付けて記憶する。なお、配送先DB161は顧客リストの一例である。
【0165】
図17は、実施の形態4に係る荷物DB17のデータ構成の一例を示す図である。荷物DB17は、荷物DB43に対して、更に「配送先ID」を備えている。荷物IDから荷物DB17を参照して荷物の配送先ID及び受取人のユーザIDが特定され、配送先IDから配送先DB161のユーザリストを参照して同居人が特定される。また、特定された受取人及び同居人のユーザIDからユーザDB162を参照して受取人及び同居人のメッセージの送信先が特定される。
【0166】
図18は、実施の形態4に係る処理の一例を示すフローチャートである。S41では、サーバ1の制御部19は、メモリ11から配送先DB161、ユーザDB162、及び荷物DB17を取得する。S42では、サーバ1の制御部19は、対象となる荷物の荷物IDから荷物DB17を参照して配送先IDを特定し、特定した配送先IDから配送先DB161を参照してユーザリストを取得する。これにより、対象となる荷物の配送先に居住する受取人及び同居人が特定される。
【0167】
S43では、サーバ1の制御部19は、S42で取得したユーザリストに含まれる受取人及び同居人を含む全てのユーザに対してS44、S45の処理を繰り返す。S44では、処理Aが実行される。処理Aは、図8のS1~S6の処理である。なお、処理Aにおいて同居人の現在地は第2現在地の一例であり、第2現在地の検出時刻は第2時刻の一例である。また、処理Aにおいて、同居人について算出される第1移動時間、第1到着予想時刻、及び第1差分は、それぞれ、第2移動時間、第2到着予想時刻、及び第2差分の一例である。
【0168】
S45では、メッセージ選択部18は、図8のS6又は図9のS13と同様、ユーザリストに含まれる個々のユーザのユーザ端末2に対して第1差分に応じたメッセージを通信部15を用いて送信する。
【0169】
このように、実施の形態4では、荷物の受取人であるユーザの同居人についても受取人と同様、現在地の滞在時間を考慮に入れて配達先への到着予想時刻が算出されている。そのため、同居人についての到着予想時刻も精度良く算出できる。また、同居人についても、第1閾値と第1差分との比較結果に応じたメッセージが送信されている。そのため、受取人が荷物を受け取れない状況下にあったとしても、同居人がボーダーライン顧客に該当すれば、その同居人にうまくプレッシャーをかけて在宅を促すことができるため、再配達の抑制効果を高めることができる。
【0170】
(実施の形態5)
実施の形態5は、当初の滞在時間を用いて算出した第1到着予想時刻では、第1配達予定時刻までに配達先に戻ることができないと判断されたユーザであっても、滞在時間を調整すればボーダーライン顧客にすることが可能である場合、そのユーザに在宅を促すメッセージを送信するものである。
【0171】
図19は、実施の形態5に係る滞在時間DB19のデータ構成の一例を示す図である。滞在時間DB19は、滞在時間DB41に対して、更に「調整可」を備えている。「調整可」は、滞在時間が調整可能か否かを示す。例えば、スーパーマーケットであれば、買い物を切り上げて直ぐに帰宅できる。そのため、ここでは、「スーパー」に対しては滞在時間が調整可能であることを示す「可」が記憶されている。一方、トレーニングジムにおいては、トレーニングを切り上げて直ぐに帰宅することは困難であると考えられる。そのため、ここでは、「ジム」に対しては滞在時間が調整不可能であることを示す「不可」が記憶されている。なお、図19で挙げた滞在時間の調整の可否は一例であり、他の態様が採用されてもよい。
【0172】
図20は、実施の形態5に係る情報提供システムの処理の第1例を示すフローチャートである。S101では、処理Aが実行される。処理Aは、図8のS1~S6の処理である。但し、ここでは、滞在時間DBとして滞在時間DB19が用いられる。
【0173】
S102では、サーバ1の制御部19は、滞在時間DB19を参照して第1現在地におけるユーザの滞在時間が調整可能か否かを決定する。調整可能な場合(S102でYES)、処理はS103に進み、調整不可能な場合(S102でNO)、処理は終了する。
【0174】
S103では、制御部19は、S101の算出結果から、第1到着予想時刻が第1配達予定時刻よりも遅いか否かを判定する。第1到着予想時刻が第1配達予定時刻よりも遅い場合(S103でYES)、処理はS104に進み、第1到着予想時刻が第1配達予定時刻よりも早い場合(S103でNO)、処理は終了する。
【0175】
S104では、制御部19は、処理Aで特定した滞在時間を0と仮定する。S105では、処理Cが実行される。処理Cは図8のS3~S6の処理である。すなわち、第1現在地から配送先までの第1移動時間が算出され、第1時刻に対して滞在時間を加えずに第1移動時間を加えることによって第1到着予想時刻が再度算出される。そして、第1到着予想時刻と第1配達予定時刻の第1差分が再度算出される。
【0176】
S106では、再算出された第1差分が0以下であるか否かが判定される。第1差分が0以下であれば(S106でYES)、処理はS107に進み、第1差分が0より大きければ(S106でNO)、処理は終了する。
【0177】
すなわち、第1現在地での滞在を切り上げて直ぐに帰宅すれば、第1到着予想時刻が第1配達予定時刻よりも早くなるユーザであれば、S106でYESと判定される。
【0178】
S107では、メッセージ選択部18は、直ぐに出発可能か否かをユーザに確認するメッセージ(第2メッセージの一例)を通信部15を用いてユーザ端末2に送信する。
【0179】
S108では、制御部19は、通信部15がユーザ端末2から直ぐに出発可能であることを示す情報を受信したか否かを判定する。出発可能であることを示す情報を受信した場合(S108でYES)、処理はS109に進み、出発可能であることを示す情報を受信しなかった場合(S108でNO)、処理を終了する。ここで、制御部19は、S107でメッセージを送信してから一定時間以内に出発不可能であることを示す情報を受信する、又は、何も情報を受信しなかった場合、S108でNOと判定すればよい。
【0180】
S109では、制御部19は処理Cで算出された第1到着予想時刻をユーザの第1到着予想時刻として設定し、メッセージ選択部18は、第1到着予想時刻に在宅可能である旨のメッセージを通信部15を用いて配達員端末3に送信する。
【0181】
図21は、実施の形態5に係る情報提供システムの処理の第2例を示すフローチャートである。S201~S203の処理は図20のS101~S103の処理と同じである。
【0182】
S204では、制御部19は、処理Aの算出結果を用いて第1差分を0以下にする出発時刻を算出する。ここで、出発時刻は、その時刻で第1現在地を出発すると第1到着予想時刻が第1配達予定時刻より前になる時刻である。したがって、出発時刻は下記の数式により算出される。
【0183】
出発時刻=第1時刻+(滞在時間-第1差分)
なお、第1時刻はユーザが第1現在地にいることを検出した時刻である。第1差分は、第1到着予想時刻-第1配達予定時刻である。このケースでは、S203でYESの判定により、第1到着予想時刻は第1配達予定時刻よりも後であるため第1差分は正である。なお、滞在時間-第1差分が負の場合、第1到着予想時刻を第1配達予定時刻にすることはできなくなる。この場合はS205以降の処理を行わず、処理を終了させればよい。
【0184】
S205では、メッセージ選択部18は、出発時刻までに第1現在地を出発可能かを確認するメッセージ(第2メッセージの一例)を通信部15を用いてユーザ端末2に送信する。
【0185】
S206では、制御部19は、通信部15がユーザ端末2から出発時刻までに出発可能であることを示す情報を受信したか否かを判定する。出発可能であることを示す情報を受信した場合(S206でYES)、処理はS207に進み、出発可能であることを示す情報を受信しなかった場合(S206でNO)、処理を終了する。ここで、制御部19は、S206でメッセージを送信してから一定時間以内に出発不可能であることを示す情報を受信する、又は、何も情報を受信しなかった場合、S206でNOと判定すればよい。
【0186】
S207では、滞在時間決定部16は、S204で算出した出発時刻-S206の情報の受信時刻を新たな滞在時間として決定する。
【0187】
S208では、S207で決定された滞在時間を用いて処理Cが実行される。処理Cは図8のS4~S6の処理である。これにより、新たな滞在時間だけ第1現在地に滞在した後に配達先へ戻る場合の第1到着予想時刻が算出される。
【0188】
S209では、制御部19は処理Cで算出された第1到着予想時刻をユーザの第1到着予想時刻として設定し、メッセージ選択部18は、第1到着予想時刻に在宅可能である旨のメッセージを通信部15を用いて配達員端末3に送信する。
【0189】
図22は、実施の形態5に係る情報提供システムの処理の第3例を示すフローチャートである。S301~S304の処理は図21のS201~S204の処理と同じである。
【0190】
S305では、制御部19は、第1現在地に滞在可能な残り時間(第2差分の一例)を算出する。ここで残り時間は、S304で算出された出発時刻-第1時刻で算出される。
【0191】
S306では、メッセージ選択部18は、残り時間を通信部15を用いてユーザ端末2に送信する。これにより、ユーザは荷物を受け取るためには、後どれくらい第1現在地に滞在可能であるかを知ることができる。
【0192】
このように、実施の形態5によれば、滞在時間を調整すれば、第1差分を0以下にできる、すなわち、第1配達予定時刻までに配達先に戻ることができるユーザに対しては、滞在時間の調整を促すことで、再配達の可能性を低減することができる。
【0193】
(実施の形態6)
実施の形態6は、第1配達予定時刻をユーザが認識している場合、第1閾値の値を小さくするものである。
【0194】
図23は、実施の形態6に係るメッセージ送信履歴DB231及び閾値DB232のデータ構成の一例を示す図である。メッセージ送信履歴DB231は、第1配達予定時刻をユーザに通知するための事前メッセージ(第2メッセージの一例)の送信履歴を記憶するデータベースである。
【0195】
メッセージ送信履歴DB231は、「ユーザID」、「送信時刻」、「メッセージID」、及び「既読か」を対応付けて記憶する。「ユーザID」は事前メッセージの送信対象となるユーザのユーザIDである。「送信時刻」は事前メッセージの送信時刻である。「メッセージID」は、ユーザに送信したメッセージの識別子である。ここでは、顧客メッセージDB51の1行目のメッセージが事前メッセージとして採用されている。「既読か」はユーザが事前メッセージの開封の有無を示す情報であり、開封済みの場合は「済」、未開封の場合はブランクが設定される。ここで、事前メッセージは、例えば、第1配達予定時刻の1日前の所定の時刻に送信される。
【0196】
閾値DB232は、事前メッセージが既読の場合と未読の場合とに応じて設定される第1閾値を記憶するデータベースである。ここでは、未読の場合は第1閾値は20分が設定され、既読(済)の場合は第1閾値は10分が設定されているがこれは一例である。
【0197】
図24は、実施の形態7に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S51では、サーバ1の制御部19は、メッセージ送信履歴DB231及び閾値DB232をメモリ11から取得する。
【0198】
S52では、制御部19は、対象となる荷物のユーザが事前メッセージが既読であるか否かをメッセージ送信履歴DB231を参照することで判定する。既読であれば(S52でYES)、処理はS53に進み、未読であれば(S52でNO)、処理はS54に進む。
【0199】
S53では、制御部19は、事前メッセージが既読であるため、閾値DB232を参照して、既読の第1閾値(=10分)を選択し、処理をS55に進める。S54では、制御部19は、事前メッセージが未読であるため、閾値DB232を参照して未読の第1閾値(=20分)を選択し、処理をS55に進める。
【0200】
S55では選択された第1閾値を用いて処理Aが実行される。処理Aは、図8のS1~S6の処理である。S56では、図8のS7又は図9のS13と同様、処理Aで算出された第1差分に応じたメッセージがユーザ端末2に送信される。
【0201】
事前メッセージを読んだユーザについては、第1配達予定時刻を認識しており、荷物を受け取る可能性が高いユーザと考えられる。そこで、本実施の形態では、事前メッセージを読んだユーザに対しては、第1閾値が小さく設定される。これにより、このユーザがボーダーライン顧客として取り扱われる可能性を低減できる。そのため、このユーザに対して、ボーダーライン顧客に対して送信されるメッセージの確認の手間を省かせることができる。
【0202】
(実施の形態7)
実施の形態7は、荷物の発送者が荷物の受取人の知り合いにあり、両者が親密な関係にある場合、第1閾値を大きく設定するものである。知り合いとは、家族、友人、親戚等である。図25は、実施の形態7に係るアドレス帳DB251及び閾値DB252のデータ構成の一例を示す図である。アドレス帳DB251は、受取人と受取人に対して過去に荷物を発送したことがある発送者とを対応付けて記憶するデータベースであり、「アドレス帳オーナーユーザID」と「登録ユーザID」とを備えている。「アドレス帳オーナーユーザID」は、受取人のユーザIDである。「登録ユーザID」は、発送者のユーザIDである。
【0203】
図25の例では、GUEST0020で示されるユーザは、過去にGUEST0050で示されるユーザから荷物が発送されており、後者は前者の知り合いと考えられる。
【0204】
閾値DB252は、発送者が受取人の知り合いでない場合と知り合いの場合とに応じて設定される第1閾値を記憶するデータベースである。ここでは、知り合いの場合は第1閾値は30分が設定され、知り合いでない場合は第1閾値は20分が設定されているがこれは一例である。
【0205】
図26は、実施の形態7に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S61では、サーバ1の制御部19は、アドレス帳DB251、閾値DB252、及び荷物DB43をメモリ11から取得する。
【0206】
S62では、制御部19は、対象となる荷物の発送者が受取人と知り合いか否かを判定する。ここでは、荷物DB43から対象となる荷物の受取人及び発送者のそれぞれのユーザIDが特定され、これらのユーザIDからアドレス帳DB251を参照し、「登録ユーザID」の欄に発送者のユーザIDが記憶されていれば、その発送者は受取人の知り合いと判定される。一方、「登録ユーザID」の欄に発送者のユーザIDが記憶されていなければ、その発送者は受取人の知り合いでないと判断される。
【0207】
発送者が受取人の知り合いと判定された場合(S62でYES)、処理はS63に進み、発送者が受取人の知り合いでないと判定された場合(S62でNO)、処理はS64に進む。
【0208】
S63では、制御部19は、発送者が受取人の知り合いであるため、閾値DB252を参照して、知り合いの第1閾値(=30分)を選択し、処理をS65に進める。S64では、制御部19は、発送者が受取人の知り合いでないため、閾値DB252を参照して知り合いでない第1閾値(=20分)を選択し、処理をS65に進める。S65は、図24のS55、S56と同じである。
【0209】
このように、本実施の形態によれば、荷物の発送者が受取人の知り合いである場合、第1閾値が知り合いでない場合と比べて大きく設定される。そのため、知り合いからの荷物を受け取るユーザがボーダーライン顧客として取り扱われる可能性が高められる。これにより、ユーザに対して、知り合いからの重要な荷物の受け取りを促し、この重要な荷物が再配達荷物として取り扱われる可能性を低減できる。
【0210】
(実施の形態8)
実施の形態8は、荷物の種別に応じて第1閾値を変更するものである。図27は、実施の形態8に係る情報提供システムの荷物DB271及び閾値DB272のデータ構成の一例を示す図である。荷物DB271は、荷物DB43に対して、「ユーザID」に代えて「配送先ID」を備えると共に、「荷物の種別」を更に備える。「荷物の種別」は、一般、クール、ゴルフといった荷物の種別を示す種別情報である。「一般」は荷物が通常の荷物であることを示す。「クール」は荷物が生鮮食料品(生もの)であることを示す。「ゴルフ」は荷物がゴルフバックであることを示す。
【0211】
閾値DB272は、荷物の種別に応じた第1閾値を記憶するデータベースである。この例では、第1閾値は受け取りの重要度が高い荷物ほど大きな値が設定されている。
【0212】
図28は、実施の形態8に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S71では、サーバ1の制御部19は、荷物DB271及び閾値DB272をメモリ11から取得する。
【0213】
S72では、制御部19は、対象となる荷物の種別を荷物DB271から取得する。S73では、制御部19は、種別に対応する第1閾値を閾値DB272から設定する。
【0214】
S74では、S73で設定した第1閾値を用いた処理Aが実行される。処理Aは、図8のS1~S6の処理である。S75は、図26のS66と同じである。
【0215】
このように、本実施の形態では、例えば、ゴルフバック及び生鮮食料品等の受け取りの重要度が高い荷物については、受取人であるユーザがボーダーライン顧客として取り扱われる可能性が高められる。これにより、ユーザに対して、受け取りの重要度の高い荷物の受け取りを促し、再配達の可能性を低減できる。
【0216】
(実施の形態9)
実施の形態9は荷物の大きさ及び重さに応じて第1閾値を変更するものである。図29は、実施の形態9に係る荷物DB291及び閾値DB292のデータ構成の一例を示す図である。荷物DB291は、荷物DB271に対して、「荷物の種別」に代えて「荷物の区分」及び「重量の区分」を備えている。「荷物の区分」は、荷物の3辺の合計値によって定められる荷物の区分を示す。荷物の3辺の合計値とは荷物の高さ、幅、及び奥行きの合計値である。例えば、四角形の箱に詰められた荷物はこの箱の高さ、幅、奥行きの合計値が3辺の合計値となる。また、四角形以外の荷物については、荷物に外接する直方体を当てはめたときのこの直方体の高さ、幅、奥行きの合計値が3辺の合計値となる。
【0217】
ここでは、荷物の区分は、3辺の合計値が60cm以下の荷物は60の値が採用され、3辺の合計値が60cmより大きく100cm以下の荷物は100の値が採用され、3辺の合計値が100cmより大きく140cm以下の荷物は140の値が採用されている。
【0218】
重量の区分は荷物の重量によって定められる荷物の区分を示す。ここでは、重量の区分は、2kg以下、2kgより大きく10kg以下、及び10kgより大きく15kg以下というように区分されている。
【0219】
閾値DB292は、「荷物の区分」(第2閾値の一例)、及び「重量の区分」(第3閾値の一例)の組み合わせに対応する第1閾値を記憶するデータベースである。ここでは、荷物の区分が大きく、重量の区分が重い荷物ほど大きな第1閾値が設定されている。
【0220】
図30は、実施の形態9に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S81では、サーバ1の制御部19は、荷物DB291及び閾値DB292をメモリ11から取得する。
【0221】
S82では、制御部19は、対象となる荷物の区分及び重量の区分を荷物DB271から取得する。S83では、制御部19は、荷物の区分及び重量の区分に対応する第1閾値を閾値DB292から設定する。例えば、荷物DB291の1行目の荷物は荷物の区分=60、重量の区分=2kg以下であるため、第1閾値=20分と設定される。
【0222】
S84では、S83で設定された第1閾値を用いて処理Aが実行される。処理Aは、図8のS1~S6の処理である。S85は、図26のS66と同じである。
【0223】
このように、本実施の形態によれば、大きさが大きく重さが大きい荷物については、第1閾値が大きく設定される。そのため、このような再配達のコストが高い荷物の受取人であるユーザがボーダーライン顧客として取り扱われる可能性を高め、このユーザに対して荷物の受け取りを促すことができる。その結果、再配達のコストが高い荷物が再配達される可能性を低減できる。
【0224】
なお、実施の形態9では、荷物の区分と重量の区分とを用いて第1閾値は決定されたが、いずれか一方の区分を用いて第1閾値は決定されてもよい。
【0225】
(実施の形態10)
実施の形態10は、荷物の配達にかかる所要時間が大きいほど、第1閾値を大きく設定するものである。図31は、実施の形態10に係る荷物DB311及び閾値DB312のデータ構成の一例を示す図である。荷物DB311は、荷物DB271に対して、「荷物の種別」に代えて「所要時間」を備えている。「所要時間」は、荷物の配達に係る時間を示し、ここでは、「所要時間」の欄には、配送センターから1つ目の荷物を配達するのに要する時間と、配達順序が前の荷物を配達してから次の荷物を配達するのに要する時間とが記憶されている。なお、所要時間は、配達枠に属している全ての荷物を配送車が配送する際に決定される配送ルートにしたがって算出される。ここで、配送ルートは、地図情報に配達枠に属する荷物の配達先を設定し、経路探索アルゴリズムを用いて算出される。
【0226】
閾値DB312は、「所要時間」(第5閾値の一例)に対応する第1閾値を記憶するデータベースである。ここでは、所要時間が増大するほど大きな第1閾値が設定されている。
【0227】
図33は、実施の形態10に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S91では、サーバ1の制御部19は、荷物DB311及び閾値DB312をメモリ11から取得する。
【0228】
S92では、制御部19は、対象となる荷物の所要時間を荷物DB311から取得する。S93では、制御部19は、荷物の所要時間に対する第1閾値を閾値DB312から設定する。例えば、荷物DB311の2行目の荷物は所要時間が10分であるため、第1閾値として30分が設定される。
【0229】
S94では、S93で設定された第1閾値を用いた処理Aが実行される。処理Aは、図8のS1~S6の処理である。S95は、図26のS66と同じである。
【0230】
なお、本実施の形態において、所要時間に代えて配達距離に応じて第1閾値は設定されてもよい。図32は、実施の形態10の変形例に係る荷物DB321及び閾値DB322のデータ構成の一例を示す図である。荷物DB321は、荷物DB311に対して、「所要時間」に代えて「配達距離」を備えている。「配達距離」は、荷物の配達距離を示し、ここでは、「配達距離」の欄には、配送センターから1つ目の荷物を配達するまでの配達距離と、配達順序が前の荷物の配達先から次の荷物の配達先までの配達距離とが記憶されている。なお、配達距離は、配達枠に属している全ての荷物を配送車が配送する際に経路探索アルゴリズムを用いて決定された配送ルートにしたがって算出される。
【0231】
閾値DB322は、「配達距離」(第4閾値の一例)に対応する第1閾値を記憶するデータベースである。ここでは、配達距離が増大するほど大きな第1閾値が設定されている。
【0232】
このように、本実施の形態によれば、配達の所要時間が大きい荷物又は配達距離が大きい荷物ほど、第1閾値が大きく設定される。そのため、このような再配達のコストが高い荷物の受取人であるユーザがボーダーライン顧客として取り扱われる可能性を高め、このユーザに対して荷物の受け取りを促すことができる。その結果、再配達のコストが高い荷物が再配達される可能性を低減できる。
【0233】
(実施の形態11)
実施の形態11は、ユーザが第1現在地に居る時間帯及び曜日に応じて滞在時間を変更するものである。図34は、実施の形態11に係る滞在時間DB34のデータ構成の一例を示す図である。
【0234】
滞在時間DB34は、第1現在地の種別ごとに、曜日及び時間帯に応じた滞在時間を記憶するデータベースである。滞在時間DB34は、「種別」、「滞在時間(平日)」、「滞在時間(土日祝~13時)」、及び「滞在時間(土日祝13時~)」を対応付けて記憶する。
【0235】
「種別」は第1現在地の種別を示す。「滞在時間(平日)」は平日における滞在時間を示す。「滞在時間(土日祝~13時)」は、土曜、日曜、及び祝日の13時までの滞在時間を示す。「滞在時間(土日祝13時~)」は、土曜、日曜、及び祝日の13時以降の滞在時間を示す。
【0236】
ここでは、土日祝日は平日よりもユーザの予定に余裕があるとの考えの下、全体的に土日祝日の滞在時間は平日の滞在時間に比べて大きな時間が設定されている。また、土日祝日の午後は午前よりもユーザの予定に余裕があるとの考えの下、全体的に、土日祝日の13時以降の滞在時間は、土日祝日の13時までの滞在時間よりも大きな時間が設定されている。但し、これは、一例であり、土日祝日よりも平日の方が滞在時間が長い傾向を示す第1現在地においては、平日の滞在時間が土日祝日の滞在時間よりも長く設定されてもよい。また、ここでは、平日については時間帯別に滞在時間が設定されていないが、時間帯別に滞在時間は設定されてもよい。また、ここでは、13時より前と13時以降との2つの時間帯別に滞在時間は設定されているが、これは一例であり、3つ以上の時間帯別に滞在時間は設定されてもよい。更に、ここでは、滞在時間は、平日と土日祝日というように大きく2つに分けられているが、月、火、水、・・・というように曜日別に分けられても良い。
【0237】
図35は、実施の形態11に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S401では、サーバ1の制御部19は、滞在時間DB34をメモリ11から取得する。S402では、制御部19は、サーバ1が備える時計を用いて、現在時刻と曜日とを取得する。
【0238】
S403では、現在時刻と曜日とに対応する滞在時間を滞在時間DB34から取得する。例えば、現在時刻が10時、曜日が土曜であれば、「滞在時間(土日祝~13時)」の列に記憶された滞在時間が取得され、曜日が平日であれば、「滞在時間(平日)」の列に記憶された滞在時間が取得される。
【0239】
S404では、S403で取得された滞在時間を用いて処理Aが実行される。処理Aは、図8のS1~S6の処理である。S405は、図26のS66と同じである。
【0240】
このように、本実施の形態によれば、時間帯及び曜日毎に決定された滞在時間が用いられているため、第1到着予想時刻をより高精度に算出できる。この結果、荷物の再配達の可能性をより低減できる。
【0241】
なお、実施の形態11では、時間帯及び曜日ごとに滞在時間は決定されているが、いずれか一方を用いて滞在時間は決定されてもよい。
【0242】
(実施の形態12)
実施の形態12は、ユーザごとに異なる滞在時間を設定するものである。図36は、実施の形態12に係る滞在時間DB36のデータ構成の一例を示す図である。滞在時間DB36は、ユーザごとに第1現在地の滞在時間を記憶するデータベースである。滞在時間DB36は、滞在時間DB41に対して、更に「ユーザID」を備えている。
【0243】
例えば、「スーパー」について、ユーザID「GUEST0020」のユーザの方がユーザID「GUEST0021」のユーザに比べて長く滞在する傾向を示すため、前者の方が後者に対して滞在時間が長く設定されている。ここで、滞在時間DB36に記憶された滞在時間は、ユーザ毎の移動履歴から算出されてもよいし、ユーザ自身が設定した値が採用されてもよい。
【0244】
なお、本実施の形態のフローは図35のフローを採用すればよい。この場合、S401において滞在時間DB41が取得され、S402において配送先のユーザのユーザIDが取得され、S403においてそのユーザの滞在時間が滞在時間DB36から取得されればよい。
【0245】
このように、本実施の形態によれば、ユーザ毎に決定された滞在時間が用いられているため、第1到着予想時刻をより高精度に算出できる。この結果、荷物の再配達の可能性をより低減できる。
【0246】
(実施の形態13)
実施の形態13は、ユーザの過去の移動履歴に基づいて第1現在地の滞在時間を決定するものである。図37は、実施の形態13に係る滞在時間DB37のデータ構成の一例を示す図である。滞在時間DB37は、滞在時間DB34に対して、更に「ユーザID」を備えており、ユーザの過去の移動履歴から算出された第1現在地ごとの滞在時間を記憶する。
【0247】
滞在時間DB37は、例えば、各ユーザの過去の移動履歴から、場所の「種別」ごとに、平日での滞在時間の平均値と、土日祝日の13時までの滞在時間の平均値と、土日祝日の13時以降の滞在時間の平均値とを算出することで決定されたものである。例えば、ユーザID「GUEST0020」のユーザは、過去の移動履歴を分析すると、種別「スーパー」の平日での滞在時間の平均値が20分であったため、滞在時間DB37の1行目には平日の滞在時間として「20分」が記憶されている。他の時間帯及び他のユーザについてもこのようにして過去の移動履歴を用いて各時間帯における滞在時間が算出される。
【0248】
なお、滞在時間DB37では、3つの時間帯別に滞在時間が算出されているが、月、火、水、・・・というように曜日別に過去の移動履歴から滞在時間は算出されていてもよいし、曜日及び4つ以上の時間帯別に過去の移動履歴から滞在時間は算出されてもよい。
【0249】
また、サーバ1の制御部19は、ユーザ端末2は定期的に送信される位置情報をユーザ別にメモリ11に蓄積することでユーザ別の移動履歴を管理すればよい。
【0250】
このように、本実施の形態によれば、ユーザの移動履歴を考慮に入れて決定された滞在時間が用いられているため、第1到着予想時刻をより高精度に算出できる。この結果、荷物の再配達の可能性をより低減できる。
【0251】
(実施の形態14)
実施の形態14は、ユーザが第1現在地に到着してからの経過時間を考慮に入れて残りの滞在時間を推定するものである。図38は、ユーザの現在地を蓄積する現在地DB39のデータ構成の一例を示す図である。現在地DB39(時系列情報の一例)は、「時刻」、「ユーザID」、「位置情報」、「現在地」、及び「経過時間」を対応付けて記憶するデータベースである。この例では、ユーザID「GUEST0020」の位置情報が1分ごとに記憶されている。そして、この例では、このユーザが19時に大井町駅ホームに到着し、19時20分に△△ヨガスタジオ大井町に到着し、20時45分に□□マート大井町店に到着したことが示されている。
【0252】
なお、「現在地」の欄には、サーバ1の制御部19がユーザ端末2から送信された位置情報を地図情報と照合することで決定された場所が記憶されている。また、「経過時間」の欄には、制御部19が「現在地」に記憶された場所にユーザが到着してからの経過時間が記憶されている。
【0253】
図39は、実施の形態14に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S501では、サーバ1の制御部19は、現在地DB39、種別DB32、荷物DB43、配送先DB42、及び滞在時間DB41をメモリ11から取得する。
【0254】
S502では、制御部19は、ユーザが第1現在地に到着してからの経過時間を現在地DB39から取得する。例えば、現在時刻が19時1分であるとすると、経過時間は1分が取得される。
【0255】
S503では、滞在時間決定部16は、種別DB32及び滞在時間DB41を参照して第1現在地の種別に応じた滞在時間を決定する。先の例ではユーザは大井町駅ホームに居るため、種別「駅」の滞在時間「5分」が滞在時間DB41から決定される。
【0256】
S504では、滞在時間決定部16は、S503で決定した滞在時間からS502で取得した経過時間を減算した値を滞在時間として更新する。先の例では、滞在時間「5分」から経過時間「1分」が減算された値「4分」が更新された滞在時間となる。
【0257】
S505では、S504で更新された滞在時間を用いて処理Cが実行される。処理Cは図8のS4~S6の処理である。S506では、図8のS7又は図9のS13と同様、処理Cで算出された第1差分に応じたメッセージがユーザ端末2に送信される。
【0258】
このように、本実施の形態によれば、ユーザが第1現在地に到着してからの経過時間が現在地DB39から取得され、第1現在地に対するデフォルトの滞在時間(滞在時間DB41に記憶された滞在時間)から経過時間が減算された値(残り時間)が算出され、この残り時間が滞在時間として採用されて第1到着予想時刻が算出されている。そのため、第1到着予想時刻をより高精度で算出することができる。この結果、再配達の可能性を低減できる。
【0259】
(実施の形態15)
実施の形態15は、ボーダーライン顧客に該当するユーザに送信されるメッセージに第1現在地の第1最寄り駅から配達先まで戻る場合の公共交通機関の工程リストを含ませるものである。工程リストとは、第1配達予定時刻までに、第1最寄り駅から公共交通機関を使って配達先に帰宅可能な公共交通機関の工程の一覧を含む情報である。公共交通機関としては、鉄道及びバス等が含まれる。
【0260】
図40は、実施の形態15においてユーザに通知される工程リストの表示画面G3の一例を示す図である。表示画面G3の例では、第1最寄り駅として「AA駅」が特定されており、「AA駅」から公共交通機関を使用して第1配達予定時間までに帰宅可能な3つの工程が、到着予想時刻が早い順に表示された工程リストが含まれている。
【0261】
例えば、1番目の工程では、19時3分に「AA駅」を出発するJ電鉄のKT線を、25分間乗車すると、配達先の最寄り駅である「BB駅」に19時28分に到着し、「BB駅」から徒歩11分で配達先である「自宅」に19時39分に到着する工程が示されている。
【0262】
また、3番目の工程では、19時13分に「AA駅」を出発するJ電鉄KT線に乗車すれば、第1配達予定時刻までに帰宅可能な工程が示されている。
【0263】
したがって、ユーザは、表示画面G3に表示された工程リストを閲覧することで、第1現在地に残りどのくらいの時間、滞在できるかを判断できる。例えば、ユーザは、重要な荷物が配達されるのであれば、余裕を見て1番目の工程で帰宅するといった判断、又は第1現在地への滞在を可能な限り優先したい場合は、ぎりぎりの3番目の工程で帰宅するといった判断を行うことができる。
【0264】
図41は、実施の形態15に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S601では、処理Aが実行される。処理Aは、図8のS1~S6の処理である。S602では、差分判定部14は、処理Aで算出された第1差分が第1閾値以下か否かを判定する。第1差分が第1閾値以下であれば(S602でYES)、処理はS603に進み、第1差分が第1閾値より大きければ(S602でNO)、処理は終了する。すなわち、ボーダーライン顧客として特定されたユーザについてS603以降の処理が適用されるのである。
【0265】
S603では、工程リスト生成ルーチンが実行される。この処理の詳細は後ほど説明する。S604では、メッセージ選択部18は、図10で説明した第1到着予想時刻に在宅する意思の有無を回答させるメッセージを通信部15を用いてユーザ端末2に送信する。S605では、メッセージ選択部18は、工程リストを通信部15を用いてユーザ端末2に送信する。
【0266】
図42は、工程リスト生成ルーチンの詳細を示すフローチャートである。S701では、制御部19は、工程リストに含める工程情報を記憶するための工程表をクリアする。S702では、制御部19は処理Aで求めた第1到着予想時刻が荷物DB43に記憶された第1配達予定時刻より前か否かを判定する。第1到着予想時刻が第1配達予定時刻より前である場合(S702でYES)、処理はS703に進み、第1到着予想時刻が第1配達予定時刻より後である場合(S702でNO)、処理はリターンする。すなわち、本フローでは、ボーダーライン顧客であっても第1到着予想時刻が第1配達予定時間より後のユーザは処理が除外されている。
【0267】
S703では、制御部19は、S704からS708までのループ回数を示す変数Nを初期値である1に設定する。
【0268】
S704では、制御部19は、出発地を第1現在地、出発時刻を第N時刻として配達先までの第N移動経路、移動時間、及び第N到着時刻を含む第N工程情報を取得する。
【0269】
具体的には、制御部19は、経路探索サイトに対して、出発地を第1現在地、出発時刻を第N時刻、及び目的地を配達先とする工程探索依頼を、通信部15を用いて送信する。そして、制御部19は、経路探索サイトから応答として送信される工程情報を受信することで、第N工程情報を取得すればよい。
【0270】
ここで、経路探索サイトからの応答には、第1現在地の第1最寄り駅と、第1最寄り駅での公共交通機関の出発時刻と、第1最寄り駅から配達先の第2最寄り駅までの公共交通機関の内容及び乗車時間と、第2最寄り駅の到着時刻と、第2最寄り駅から配達先までの移動時間と、配達先への到着時刻(第3到着予想時刻の一例)とが含まれる。
【0271】
図40の1番目の工程の例では、第1最寄り駅がAA駅、第N時刻が19時3分、移動経路がJ電鉄KT線、移動時間が25分、第2最寄り駅がBB駅、及び第N到着時刻が19時39分となる。
【0272】
なお、第1最寄り駅から第2最寄り駅までの間に公共交通機関の乗り換え駅が含まれているのであれば、経路探索サイトからの回答には、乗り換え駅と乗り換え駅の到着時刻及び出発時刻とが含まれていてもよい。この場合、表示画面G3には乗り換え駅の到着時刻及び出発時刻が含まれてもよい。
【0273】
S705では、制御部19は、第N到着時刻が第1配達予定時刻より前か否かを判定する。第N到着時刻が第1配達予定時刻より前であれば(S705でYES)、処理はS706に進む。一方、第N到着時刻が第1配達予定時刻よりも後であれば(S705でNO)、S704で取得した第N工程情報が示す工程では第1配達予定時刻までにユーザは配達先に戻ることができず、ユーザに提示しても仕方がないので、処理は終了する。
【0274】
S706では、制御部19は、第N工程情報と内容が同じ公共交通機関の移動経路を含む工程情報が未取得か否かを判定する。なお、内容が同じ公共交通機関の移動経路とは、第1最寄り駅から第2最寄り駅までに乗車する公共交通機関の路線及び時間帯が同じことを指す。
【0275】
S706でYESの場合、処理はS707に進み、S706でNOの場合、処理はS708に進む。S707では、制御部19は、第N工程情報を工程リストに追加する。S708では、制御部19は、変数Nを1インクリメントして、処理をS704に戻す。
【0276】
すなわち、本フローは、第1現在地の出発時刻である第N時刻のNを1(例えば1分)ずつインクリメントしながら(S708)、第N工程情報を取得する処理となっている(S704)。そのため、第N時刻を1つずつインクリメントしていった場合、内容が同じ公共交通機関の移動経路を含む工程情報が連続して取得されることが想定される。そこで、本フローは、S706の処理を設け、内容が同じ公共交通機関の移動経路を含む工程情報が取得済みである場合、その工程情報を破棄し(S706でNO)、内容が同じ公共交通機関の移動経路を含む複数の工程がユーザに提示されることを防止している。
【0277】
このように、図42のフローでは、最終的に第1配達予定時刻までに帰宅可能な第N工程情報が工程リストに記載されることになる。そのため、図41のS605で工程リストをユーザ端末2に送信することで、ユーザ端末2は、第1配達予定時刻までに帰宅可能な工程リストを含む表示画面G3を表示部25に表示できる。
【0278】
このように、本実施の形態によれば、第1最寄り駅から配達先までの公共交通機関の工程情報であって、配達先への到着予想時刻が第1配達予定時刻より前となる工程情報がユーザに通知される。そのため、第1現在地にあとどのくらいの時間、滞在可能であるかの判断材料をユーザに提示でき、再配達をより確実に防止できる。
【0279】
(実施の形態16)
実施の形態16は、第1配達予定時刻までに帰宅可能な公共交通機関の工程を含む工程リストをユーザに提示するものである。図43は、実施の形態16においてユーザに通知される工程リストの表示画面G4の一例を示す図である。表示画面G4において表示画面G3に対する相違点は、第1最寄り駅「AA駅」から第2最寄り駅「BB駅」までの公共交通機関の工程情報が表示され、第2最寄り駅から配達先までの移動時間が表示されていない点にある。なお、表示画面G4の工程リストでは、第1最寄り駅から第2最寄り駅までの間に乗り換え駅があれば、その乗り換え駅の到着時刻及び出発時刻が表示されてもよい。
【0280】
図44は、実施の形態16に係る駅情報DB45のデータ構成の一例を示す図である。駅情報DB45は、複数の駅の位置及び各駅における公共交通機関の発車時刻を示す駅情報を記憶するデータベースである。駅情報DB45は、「鉄道会社」、「線名」、「駅名」、「位置」、「発車時刻その1」、「発車時刻その2」・・・を対応付けて記憶する。1行目の例では、「AA駅」におけるJ電鉄のKT線の1日における複数の発車時刻が「発車時刻その1」、「発車時刻その2」、・・・というように記憶されている。また、駅情報DB45では、各駅の位置を緯度及び経度で示す位置情報も記憶されている。また、「AA駅」では、K電鉄の本線も通っているので、この路線についても、1日における発車時刻が記憶されている。
【0281】
なお、図44の例では、1行目及び2行目の「発車時刻その1」の列に連続して記載されたJ電鉄KT線は、5時3分にAA駅を出発し、5時28分にBB駅を出発する同一列車を示している。また、4行目及び5行目の「発車時刻その1」の列に連続して記載されたK電鉄の本線は、5時50分にAA駅を出発し、6時14分にCC駅を出発する同一列車を示している。このことは、他の発車時刻の列についても同じである。
【0282】
また、駅情報DB45は、本情報提供サービスが適用される範囲内の全ての駅に関する駅情報を記憶すればよい。サービスが適用される範囲は日本国内、近畿地方といった地方内、都道府県内であってもよい。
【0283】
図45は、実施の形態16に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。S801では、処理Aが実行される。処理Aは図8のS1~S6の処理である。
【0284】
S802では、差分判定部14は、処理Aで算出された第1差分が第1閾値以下か否かを判定する。第1差分が第1閾値以下であれば(S802でYES)、処理はS803に進み、第1差分が第1閾値より大きければ(S802でNO)、処理は終了する。すなわち、ボーダーライン顧客として特定されたユーザについてS803以降の処理が適用されるのである。
【0285】
S803では、制御部19は、メモリ11から駅情報DB45を取得する。S804では、移動時間算出部12は、第1現在地から第1最寄り駅までユーザが移動するのに要する第2移動時間を算出する。ここで、移動時間算出部12は、まず、第1現在地の位置情報と駅情報DB45に記憶された各駅の位置情報とを照合し、第1現在地に最も近い駅を第1最寄り駅として特定する。そして、移動時間算出部12は、第1現在地から第1最寄り駅までの最適経路を地図情報から特定し、最適経路の距離をユーザの移動速度(ここでは、歩く速度)で割ることで第2移動時間を算出する。なお、移動時間算出部12は、第1現在地から第1最寄り駅までの直線距離に所定のマージンを加えた距離を最適経路の距離と仮定して第2移動時間を算出してもよい。
【0286】
S805では、移動時間算出部12は、第1最寄り駅の到着時刻を第2時刻として算出する。ここで、移動時間算出部12は、第1時刻に第2移動時間を加えた時刻を第2時刻として算出すればよい。
【0287】
S806では、第2最寄り駅から配達先までユーザが移動するのに要する第3移動時間を算出する。ここで、移動時間算出部12は、配達先の位置情報と駅情報DB45に記憶された各駅の位置情報とを照合し、配達先に最も近い駅を第2最寄り駅として特定し、第2移動時間と同じ手法を用いて第3移動時間を算出すればよい。
【0288】
S807では、移動時間算出部12は、第3移動時間及び第1配達予定時刻を用いて、ユーザが第2最寄り駅に遅くとも到着しなければならない第3時刻を算出する。ここで、移動時間算出部12は、例えば、第1配達予定時刻から第3移動時間を引いた時刻又はその時刻に所定のマージンを引いた時刻を第3時刻として算出すればよい。
【0289】
S808では、制御部19は、駅情報DB45、第2時刻、及び第3時刻を用いて、第2時刻以降に第1最寄り駅を出発してから第3時刻までに、第2最寄り駅に到着可能な公共交通機関の工程情報を含む工程リストを生成する。
【0290】
ここで、制御部19は、駅情報DB45から、第2時刻以降に「AA駅」を出発し、第3時刻までに「BB駅」に到着する全路線を抽出する。図44の例において、第2時刻が5時、第3時刻が6時とする。この場合、5時以降にAA駅を出発し、6時までにBB駅に到着可能な列車は、1行目及び2行目の5時3分にAA駅を出発して5時28分にBB駅を出発するJ電鉄のKT線と、1行目及び2行目の5時15分にAA駅を出発して5時40分にBB駅を出発するJ電鉄のKT線とが該当する。したがって、この場合、この2本の列車をそれぞれ表す2つの工程情報を含む工程リストが生成される。
【0291】
S809では、メッセージ選択部18は、顧客メッセージDB51の2行目に記載された受け取り可否の回答を促すメッセージを通信部15を用いてユーザ端末2に送信する。
【0292】
S810では、メッセージ選択部18は、S808で生成した工程リストを通信部15を用いてユーザ端末2に送信する。これにより、表示画面G4がユーザ端末2に表示される。
【0293】
このように、本実施の形態によれば、第1最寄り駅に到着する第2時刻以降に第1最寄り駅を出発してから、第2最寄り駅に遅くとも到着しなければならない第3時刻までに第2最寄り駅に到着可能な公共交通機関の工程情報がユーザに通知される。そのため、本構成は、第1最寄り駅に何時に到着すればよいかの判断材料をユーザに提示でき、再配達をより確実に防止できる。
【0294】
なお、本実施の形態において、第1最寄り駅から第2最寄り駅まで1つの路線で行くことができないこともある。この場合、制御部19は、駅情報DB45から、第2時刻以降に第1最寄り駅を出発して第3時刻までに第2最寄り駅に到着可能、且つ乗り換え可能な複数の路線と、乗り換え駅とを抽出する。そして、制御部19は、抽出した複数の路線と、乗り換え駅と、乗り換え駅の到着時刻及び発車時刻と含む工程情報を生成すればよい。
【0295】
或いは、制御部19は、第1最寄り駅から第2最寄り駅まで1つの路線で行くことができないと判断した場合、経路探索サイトにアクセスし、出発地を第1最寄り駅、出発時刻を第2時刻とする経路探索依頼を送信し、探索された工程情報のうち、第3時刻までに第2最寄り駅に到着可能な工程情報を工程リストに含めてもよい。
【0296】
(実施の形態17)
実施の形態17は、現在地において想定されるユーザの複数の滞在時間ごとに、配達先へのユーザの複数の到着予想時刻を算出し、荷物の配達予定時刻が複数の到着予想時間の間にある場合、前記ユーザをボーダーライン顧客として取り扱うものである。
【0297】
図46は、実施の形態17に係る種別DB460のデータ構成の一例を示す図である。種別DB460は、現在地における複数の滞在時間がユーザ別に登録されたデータベースであり、1つのレコードに対して1人のユーザの1つの現在地が対応付けられてる。具体的には、種別DB460は、図3に示す種別DB32に対して、さらに「ユーザID」及び「滞在時間」を備えている。「滞在時間」の欄には、現在地におけるユーザの複数の滞在時間が記憶されている。ここでは、複数の滞在時間として、「短い場合」と「長い場合」とが含まれている。「短い場合」の欄には、現在地におけるユーザの短い場合の滞在時間が記憶されている。「長い場合」の欄には、現在地におけるユーザの長い場合の滞在時間が記憶されている。ここで、短い場合の滞在時間及び長い場合の滞在時間は、ユーザの過去の滞在履歴に基づいて予め設定された時間が採用されている。滞在履歴は、例えば、サーバ1がユーザ端末2の位置情報を随時モニタすることで作成される。例えば、短い場合の滞在時間は、現在地でのユーザの滞在履歴において最短の滞在時間であり、短い場合の滞在時間は、現在地でのユーザの滞在履歴において最長の滞在時間である。
【0298】
種別DB460の1行目の例では、ユーザID「GUEST0020」のユーザの「△△英会話教室□□駅前校」の滞在時間として、短い場合に「8分」、長い場合に「60分」が記憶されている。また、「△△英会話教室□□駅前校」の種別として「英会話教室」が記憶されている。
【0299】
図47は、実施の形態17に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、ある1人のユーザを対象とする処理が示されているものとする。また、このフローはユーザが現在地に到着したときに開始されるものとする。S4701では、通信部15は、ユーザ端末2から送信された現在地及びその現在地の検出時刻である第1時刻を取得する。
【0300】
S4702では、制御部19は、メモリ11から種別DB460、荷物DB43、配送先DB42を取得する。S4703では、滞在時間決定部16は、種別DB460を参照し、該当するユーザの現在地における短い場合の滞在時間と長い場合の滞在時間とを決定する。例えば、ユーザID「GUEST0020」のユーザの現在地が「△△英会話教室□□駅前校」であるとすると、短い場合の滞在時間として「8分」、長い場合の滞在時間として「60分」が決定される。
【0301】
S4704では、移動時間算出部12は、S4701で取得した現在地から配達先までユーザが移動するのに要する移動時間を算出する。この移動時間の算出の詳細は、図8のS4と同じである。
【0302】
S4705では、到着予想時刻算出部17は、短い場合の滞在時間に対応する到着予想時刻(短い)と長い場合の滞在時間に対応する到着予想時刻(長い)との2つの到着予想時刻を算出する。具体的には、到着予想時刻算出部17は、第1時刻にS4703で決定した短い場合の滞在時間とS4704で算出した第1移動時間とを加えることにより到着予想時刻(短い)を算出する。また、到着予想時刻算出部17は、第1時刻にS4703で決定した長い場合の滞在時間とS4704で算出した第1移動時間とを加えることにより到着予想時刻(長い)を算出する。
【0303】
S4706では、メッセージ選択部18は、荷物の配達予定時刻が2つの到着予想時刻の間、すなわち、到着予想時刻(短い)及び到着予想時刻(長い)の間にあるか否かを判定する。ここで、メッセージ選択部18は、荷物DB43の「配達予定時刻」を参照することで、該当する荷物の配達予定時刻を特定すればよい。
【0304】
配達予定時刻が2つの到着予想時刻の間にある場合(S4706でYES)、メッセージ選択部18は、該当するユーザをボーダーライン顧客として判定し、該当するユーザにメッセージを送信する(S4707)。この場合、メッセージ選択部18は、顧客メッセージDB51の2行目に記憶された、受け取りが可能であるか否かの回答を要求するメッセージを送信する。一方、配達予定時刻が2つの到着予想時刻の間にない場合(S4706でNO)、メッセージ選択部18はメッセージを送信せずに処理を終了する。
【0305】
なお、S4706でNOの場合、メッセージは送信されないとして説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、メッセージ選択部18は、配達予定時刻が、到着予想時刻(短い)の前にある場合、不在が確実視されるため、顧客メッセージDB51の3行目に記憶された不在が確実視されるユーザに対して通知されるメッセージを送信すればよい。一方、メッセージ選択部18は、配達予定時刻が、到着予想時刻(長い)の後の場合、在宅が確実視されるため、顧客メッセージDB51の1行目に記憶された在宅が確実視されるユーザに対して通知されるメッセージを送信すればよい。
【0306】
このように本実施の形態では、現在地における複数の滞在時間を考慮に入れて2つの到着予想時刻が算出され、荷物の配達予定時刻が2つの到着予想時刻の間にある場合、メッセージが送信されているため、ユーザに配達先に戻ることを促すプレッシャーをうまく与えることができ、再配達を効果的に防止することができる。また、種別DB460にはユーザ別に2つの滞在時間が記憶されているため、2つの到着予想時刻を正確に算出できる。
【0307】
(実施の形態18)
実施の形態18は、実施の形態17において、用いられる種別DBが相違するものである。図48は、実施の形態18における種別DB480のデータ構成の一例を示す図である。種別DB480は、種別DB460に対して、「滞在時間」に「平均値」が更に追加されている。「平均値」とは、滞在時間の平均値である。
【0308】
図49は、実施の形態18に係る情報処理システムの処理の一例を示すフローチャートである。S4901では、処理Eが実行される。処理Eは、図47のS4701~S4702である。但し、S4901では、種別DB460ではなく種別DB480がメモリ21から取得される。
【0309】
S4902では、滞在時間決定部16は、種別DB480を参照し、該当するユーザの短い場合、平均値、及び長い場合のそれぞれの滞在時間を決定する。S4903では、S4704と同様、移動時間算出部12は、に現在地から配達先までユーザが移動するのに要する移動時間を算出する。
【0310】
S4904では、到着予想時刻算出部17は、短い場合の滞在時間に対応する到着予想時刻(短い)と、平均値の場合の滞在時間に対応する到着予想時刻(平均値)と、遅い場合の滞在時間に対応する到着予想時刻(遅い)とのそれぞれを算出する。ここで、到着予想時刻(平均値)は、第1時刻に平均値の滞在時間とS4903で算出した移動時間とを加えることで算出される。なお、到着予想時刻(短い)及び到着予想時刻(長い)は、それぞれ、図47のS4705と同様にして算出される。
【0311】
S4905では、メッセージ選択部18は、配達予定時刻が到着予想時刻(短い)に及び平均値の間の第1期間にあるか否かを判定する。配達予定時刻が第1期間にある場合(S4905でYES)、メッセージ選択部18は、第1メッセージを該当するユーザのユーザ端末2に送信する(S4906)。一方、配達予定時刻が第1期間にない場合(S4905でNO)、処理は終了する。
【0312】
S4907では、メッセージ選択部18は、配達予定時刻が平均値及び到着予想時刻(長い)の間の第2期間にあるか否かを判定する。
【0313】
配達予定時刻が第2期間にある場合(S4907でYES)、メッセージ選択部18は、第2メッセージを該当するユーザのユーザ端末2に送信する(S4908)。一方、配達予定時刻が第2期間にない場合(S4907でNO)、処理は終了する。
【0314】
例えば、配達予定時刻が第1期間にある場合、至急帰宅しなければ荷物を受け取ることができなくなる可能性が高い。そのため、ユーザに帰宅を促すプレッシャーは高めるのがよい。一方、配達予定時刻が第2期間にある場合、至急帰宅しなくても配達先に戻ることができる可能性が高い。そのため、ユーザに帰宅を促すプレッシャーは配達予定時刻が第1期間にある場合に比べて低くしてもよい。
【0315】
そこで、本実施の形態では、メッセージ選択部18は、配達予定時刻が第1期間にある場合、配達予定時刻が第2期間にある場合とも、受け取りが可能であるか否かの回答を要求するメッセージを該当するユーザに送信するが、配達予定時刻が第1期間にある場合、配達予定時刻が第2期間にある場合に比べて、ユーザに帰宅を促すプレッシャーが高い第1メッセージを送信する。第1メッセージの一例は、「荷物を○○:○○頃にお届けします。ご在宅予定ですか。荷物を受け取るために至急帰宅する必要があります。」である。また、配達予定時刻が第2期間にある場合に送信される第2メッセージの一例は、「荷物を○○:○○頃にお届けします。ご在宅予定ですか。荷物を受け取るためには早めに帰宅する必要があります。」である。
【0316】
このように、実施の形態18では、配達予定時刻が第1期間又は第2期間にあるかに応じて帰宅を促すプレッシャーが異なる第1メッセージ又は第2メッセージが送信されるため、ユーザは現在地から配達先への緊急性を大まかに把握できる。その結果、不必要に現在地を早く出発したり、現在地を遅く出発して荷物を受け取ることができなくなったりといった事態を回避できる。
【0317】
(実施の形態19)
実施の形態19は、ユーザが現在地に到着した時刻からの経過時間に応じたユーザが現在地を直ぐに出発できるか否かの確率に基づいて、メッセージの送信の有無を判定するものである。
【0318】
図50は、実施の形態19に係る種別DB500のデータ構成の一例を示す図である。種別DB500は、種別DB460に対して「滞在時間」に代えて「経過時間に応じたすぐに出発できる確率」の欄501を備えている。種別DB500は、複数の現在地と、各現在地における経過時間に応じた前記確率とをユーザ別に対応付けて記憶する。欄501は、経過時間に応じた前記確率を10分間隔で記憶する。例えば、ユーザID「GUEST0020」のユーザは、現在地「△△英会話教室□□駅前校」に到着してからの経過時間が10分以下の場合は「60%」、10分より大きく20分以下の場合は「12%」、20分より大きく30分以下の場合は「3%」というように、欄501には経過時間に応じた前記確率が記憶されている。種別DB500は、後述の実施の形態21で示すユーザの滞在履歴に基づいて予め作成されたものである。
【0319】
図51は、実施の形態19に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、ある一人のユーザを対象とする処理が示されているものとする。S5101では、通信部15は、ユーザ端末2から送信された現在地と現在時刻を示す第1時刻とユーザが現在地に到着した時刻を示す第2時刻とを取得する。
【0320】
S5102では、滞在時間決定部16は、メモリ11から種別DB500、荷物DB43、及び配送先DB42を取得する。S5103では、第1時刻から第2時刻を減じることでユーザが現在地に到着してからの経過時間を算出する。S5104では、滞在時間決定部16は、種別DB500から経過時間に対応する確率を読み出すことで、該当するユーザが該当する現在地をすぐに出発できる確率を特定する。
【0321】
S5105では、滞在時間決定部16は、特定した確率が所定値以上か否かを判定する。所定値としては、50%、60%、70%、80%、90%等適宜の値が採用できる。確率が所定値以上の場合(S5105でYES)、滞在時間決定部16はユーザが現在地をすぐに出発できるとみなし、滞在時間を0に設定する。S5107では、処理Dが実行され、メッセージの送信の有無が判定される。処理Dは、図47のS4704~S4707と同じである。但し、処理Dで参照するS4705においては、到着予想時刻(短い)と到着予想時刻(長い)との代わりに、滞在時間を0とみなして算出された1つの到着予想時刻(0)が採用される。そして、S4706では、到着予想時刻(0)が配達予定時刻と一致するユーザがボーダーライン顧客とみなされ、そのユーザにメッセージが送信される。ここで、送信されるメッセージは、受け取りが可能であるか否かの回答を要求するメッセージである。なお、ここでは、到着予想時刻(0)が配達予定時刻と一致するユーザがボーダーライン顧客としてみなされたが、これに代えて、到着予想時刻(0)が、配達予定時刻から後の第1閾値以下の範囲内に属する、或いは、配達予定時刻を基準に前後第1閾値の範囲内に属しているユーザがボーダーライン顧客とみなされてもよい。
【0322】
また、上述した実施の形態18において、到着予想時刻(平均)に代えて本実施の形態で算出された到着予想時刻(0)が採用されて、メッセージの送信の有無が判定されてもよい。
【0323】
また、S5105において、確率が所定値より小さい場合(S5105でNO)、処理は終了されたが、本開示はこれに限定されず、処理Dが実行されてもよい。この場合、到着予想時刻(0)は用いられず、到着予想時刻(短い)及び到着予想時刻(長い)の間に配達予定時刻があれば、該当するユーザはボーダーライン顧客とみなされる。
【0324】
このように、本実施の形態によれば、現在地に到着してからの経過時間に応じた現在地をすぐに出発できる確率を用いて到着予想時刻が算出されているため、ユーザの滞在特性を考慮に入れて適切な到着予想時刻を算出できる。
【0325】
(実施の形態20)
実施の形態20は、実施の形態19に対して、ボーダーライン顧客の特定の仕方が相違していしている。すなわち、実施の形態19では、図51の処理D(S5107)で参照されるS4705において、到着予想時刻(短い)及び到着予想時刻(長い)の代わりに1つの到着予想時刻(0)が採用されている。一方、実施の形態20では、図51の処理D(S5107)で参照されるS4705において、到着予想時刻(短い)に代えて到着予想時刻(0)が採用される。すなわち、ここでは、到着予想時刻(長い)と到着予想時刻(0)との2つの到着予想時刻が採用される。
【0326】
そして、S4706では、配達予定時刻が到着予想時刻(0)と到着予想時刻(長い)との間にあれば、該当するユーザはボーダーライン顧客とみなされ、そのユーザにメッセージが送信される。ここで、送信されるメッセージは、受け取りが可能であるか否かの回答を要求するメッセージである。
【0327】
なお、実施の形態20においても、実施の形態19と同様、S5105において、確率が所定値より小さい場合(S5105でNO)、処理Dが実行されてもよい。この場合、到着予想時刻(0)は用いられず、到着予想時刻(短い)及び到着予想時刻(長い)の間に配達予定時刻があれば、該当するユーザはボーダーライン顧客とみなされる。
【0328】
このように、本実施の形態によれば、到着予想時刻(0)と到着予想時刻(長い)との間に配達予定時刻があるユーザはボーダーライン顧客とみなされるため、ユーザの滞在特性を考慮に入れてボーダーライン顧客を適切に特定できる。
【0329】
(実施の形態21)
実施の形態21は、ユーザの過去の滞在履歴を用いて種別DB500の欄501に記憶された確率を算出するものである。図52は、実施の形態21に係る滞在履歴DB520のデータ構成の一例を示す図である。滞在履歴DB520は、現在地におけるユーザの滞在履歴を時系列に記憶するデータベースであり、1つのレコードに1つの滞在履歴が記憶されている。具体的には、滞在履歴DB520は、「ユーザID」、「現在地」、「到着日時」、「種別」、「滞在時間」を対応付けて記憶する。「ユーザID」はユーザの識別子である。「現在地」はユーザが滞在した場所である。「到着日時」はユーザが現在地に到着した日時である。「種別」は現在地の種別である。「滞在時間」は現在地におけるユーザの滞在時間である。
【0330】
例えば、1行目には、ユーザID「GUEST0020」のユーザが英会話教室Aに2017年11月5日17時58分に到着し、65分滞在したことが記憶されている。
【0331】
図53は、滞在履歴DB520を用いて算出されたヒストグラムを示す図である。ここでは、ユーザID「GUEST0020」のユーザの英会話教室Aでの滞在時間のヒストグラムが示されている。このヒストグラムでは、横軸は英会話教室Aでのユーザの滞在時間を示し、縦軸は10分間隔で滞在時間を複数の階級に区分したときの滞在時間の回数を示している。このヒストグラムから、このユーザの英会話教室Aにおける滞在時間の回数は、10分で最初のピークが現れ、10分を過ぎると大きく減少し、40分を過ぎると増大に転じ、50分で再びピークを迎え、70分を過ぎると大きく減少していることが分かる。10分のピークはレッスンを予約するためにユーザが英会話教室Aを訪問するケースが現れている。50分のピークは、レッスンを受講するためにユーザが英会話教室Aを訪問するケースが現れている。このように、ユーザの滞在履歴のヒストグラムはユーザの滞在特性を示している。
【0332】
ある階級における「すぐ出発できる」確率は、「その階級の回数の総和」を「その階級以上のすべての階級の回数の総和」で割ることで求めることができる。
【0333】
例えば、滞在時間が25分のときは、階級「20-30」の回数を、階級「20-30」、「30-40」、「40-50」、・・・、「70-」の回数の総和で割ることで得られる。このようにして、各階級に対する確率が算出され、種別DB500の欄501に記憶される。
【0334】
このように、本実施の形態によれば、種別DB500の欄501の確率を算出するに際して、ユーザの過去の滞在履歴が用いられているため、前記確率を正確に算出できる。
【0335】
(実施の形態22)
実施の形態22は、ユーザの移動経路及び移動履歴などから、ユーザが配達先に到着するまでの間に経由する可能性のある経由地点を抽出し、経由地点における複数の滞在時間を考慮に入れて、複数の到着予想時刻を算出するものである。
【0336】
図55は、実施の形態22に係る移動経路DB550のデータ構成の一例を示す図である。移動経路DB550は、ユーザがよく用いる移動経路の一覧を記憶するデータベースであり、1つのレコードにあるユーザの1つの移動経路が割り当てられている。具体的には、移動経路DB550は、「ユーザID」及び「移動経路」を対応付けて記憶する。「ユーザID」はユーザの識別子である。「移動経路」はユーザの移動経路を示す。
【0337】
図54は、移動経路DB550において2行目に登録された移動経路をノードとエッジとを用いてグラフ化して示す図である。この移動経路は、ユーザID「GUEST0020」のユーザが「職場」を出発し、一号線沿いを徒歩で移動して、ショップAを経由してB駅に到着し、○○線の電車に乗ってC駅に到着し、湾岸通りをバスで移動して、自宅に到着する移動経路である。移動経路DB550に記憶された複数の移動経路は、ユーザの移動履歴をモニタすることで予め作成されたものである。本実施の形態では、図54に示すように県道40号線上にあるショップAが経由地点とされている。
【0338】
図56は、あるユーザの移動履歴を記憶する移動履歴DB560のデータ構成の一例を示す図である。移動履歴DB560は、ユーザの現在地を時系列に記憶するデータベースであり、「ユーザID」、「日時」、「現在地」を対応付けて記憶する。「ユーザID」はユーザの識別子である。「日時」はユーザが「現在地」に居た日時を示す。ここでは、10分ごとに移動履歴が蓄積されているため、「日時」には10分ごとの年/月/日/時刻が記憶されている。
【0339】
「現在地」はユーザが居た場所を示す。移動履歴DB560の例では、ユーザID「GUEST0020」のユーザが、2017年11月10日17時50分に職場に居ることを示す移動履歴、その10分後の18時00分に職場に居ることを示す移動履歴、その10分後の18時10分に県道40号線沿いに居ることを示す移動履歴が記憶されている。ここで、「現在地」は例えば、ユーザ端末2から10分おきに送信される位置情報を地図情報と照合することで決定される場所である。この場所は地図情報上で予め定められた駅、学校、職場、公民館、住宅、道路等の領域を指す。
【0340】
移動履歴DB560には、職場を出発した後、県道40号線に居ることを示す移動履歴が記憶されている。そのため、この移動履歴DB560を移動経路DBDB550と照合すると、ユーザは2行目の移動経路を辿っていることが推測される。2行目の移動経路では、県道40号線の次にショップAのノードが登録されている。したがって、この場合、ユーザはショップAに向かっていることが推測される。また、ショップAは経由地点として予め定められた場所であるため、ショップAが経由地点として抽出される。
【0341】
一方、ユーザが職場を出発した後、一号線沿いを徒歩で移動する最新の移動履歴が得られたとすると、ユーザは1行目の移動経路又は3行目の移動経路を辿っていると推測される。さらに、ユーザの移動履歴が蓄積され、C駅を出発した後、246号線をバスで移動していることを示す最新の移動履歴が得られたとすると、ユーザは3行目の移動経路を辿っていると推測される。一方、C駅を出発した後、湾岸通りをバスで移動する最新の移動履歴が得られたとすると、ユーザは1行目の移動経路を辿っていると推測される。このように、本実施の形態では、ユーザの移動履歴から移動経路DB550に記憶された移動経路を絞り込んでいくと共に、絞り込んだ移動経路において現在地よりも先の地点に予め定められた経由地点が含まれている場合、経由地点が抽出される。
【0342】
図57は、実施の形態22に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。ここではある1人のユーザを対象とする処理が示されているものとする。また、このフローは、例えば、ユーザ端末2から位置情報を取得する度に実行されるものとする。S5701では、通信部15は、ユーザ端末2から送信された現在地及び現在地の検出時刻を取得する。S5702では、制御部19は、種別DBDB460、荷物DB43、配送先DB42、移動経路DB550、及び移動履歴DB560を取得する。
【0343】
S5703では、滞在時間決定部16は、移動履歴DB560と移動経路DB550とからユーザの経由地点を抽出する。例えば、S5701で取得した現在地が県道40号線に居ることを示しているとすると、滞在時間決定部16は、そのことを示す移動履歴を移動履歴DB560に蓄積する。そして、滞在時間決定部16は、移動履歴DB560に蓄積された移動履歴から、ユーザが職場を出発して、現在、県道40号線を徒歩で移動していると判断したとする。この場合、滞在時間決定部16は、移動経路DB550の2行目の移動経路をユーザは辿っており、現在、このユーザは県道40号線沿いを徒歩で移動しているため、ショップAを経由地点として抽出する。
【0344】
S5704では、S5703で抽出した経由地点における複数の滞在時間が種別DB460を参照することで決定される。S5705では、処理Dが実行され、メッセージの送信の有無が判定される。処理Dは、図47のS4704~S4707と同じである。すなわち、経由地点(ショップA)の短い場合の滞在時間と長い場合の滞在時間とから到着予想時刻(短い)と到着予想時刻(長い)とが算出され、荷物の配達予定時刻が到着予想時刻(短い)と到着予想時刻(長い)との間にあれば、該当するユーザはボーダーライン顧客とみなされ、そのユーザにメッセージが送信される。
【0345】
到着予想時刻の算出は、例えば以下の通りである。図54の例において、現在、ユーザが職場とショップAとの間に位置しているとすると、まず、現在地からショップA、B駅、C駅を経由して自宅(配達先)までの移動時間が算出される。次に、現在時刻に前記移動時間とショップAでの短い場合の滞在時間とが加算されて到着予想時刻(短い)が算出される。また、到着予想時刻(長い)も同様に算出される。ここで、サーバ1は、例えば、外部の経路探索システムにネットワークを介して前記移動時間の算出依頼を送信することで前記移動時間を取得してもよい。あるいは、サーバ1は、自身が備える経路探索システムを用いて前記移動時間を算出してもよい。
【0346】
なお、上記説明では、1つの移動経路に少なくとも1つの経由地点があるものとして説明したが、本開示はこれに限定されず、1つの移動経路に複数の経由地点があってもよい。
【0347】
例えば、移動経路DB550の3行目の移動経路では、D病院及びE薬局が経由地点とされている。この場合、サーバ1は、現在、ユーザが246号線に居るとすると、現在地からD病院、E薬局、海岸通りを経て自宅までの移動時間を算出する。そして、サーバ1は、種別DB460を参照し、D病院及びE薬局のそれぞれの短い場合の滞在時間と長い場合の滞在時間を取得する。そして、サーバ1は、現在時刻に、前記移動時間と、D病院の短い場合の滞在時間と、E薬局の短い場合の滞在時間とを加算した時刻を、到着予想時刻(短い)として算出する。また、サーバ1は、現在時刻に、前記移動時間と、D病院の長い場合の滞在時間と、E薬局の長い場合の滞在時間とを加算した時刻を、到着予想時刻(長い)として算出すればよい。
【0348】
このように、本実施の形態によれば、ユーザが現在地から寄り道をする場合において、寄り道する地点を考慮に入れて、ユーザの配達先への複数の到着予想時刻を正確に算出できる。そして、荷物の配達予定時刻が複数の到着時刻の間にあれば、配達に関するメッセージがユーザに提示される。そのため、このような寄り道をするユーザに対して配達先に戻ることを促すプレッシャーをうまく与えることができ、再配達を効果的に防止することができる。
【0349】
(実施の形態23)
実施の形態23は、現在地において複数の滞在時間を考慮することに加えて、更に、荷物が配達される配達予想時刻に幅があることを考慮に入れて、ユーザがボーダーライン顧客であるか否かを判定するものである。
【0350】
図58は、受取人であるユーザの到着予想時間T580と配達人の配達予想時間T581とを示した図である。到着予想時間T580は、第1到着予想時刻から第2到着予想時刻までの時間を示す。ここで、第1到着予想時刻及び第2到着予想時刻はそれぞれ実施の形態17で示した到着予想時刻(短い)及び到着予想時刻(長い)である。ここでは、第1到着予想時刻が20時20分であり、第2到着予想時刻が20時40分であるため、2つの到着予想時刻の間の20分が到着予想時間T580となる。
【0351】
配達予想時間T581は、配達人の配達先への移動時間が最短であると見積もった場合の第1配達予想時刻から配達人の配達先への移動時間が最長であると見積もった場合の第2配達予想時刻までの時間を示す。第1配達予想時刻は、例えば、渋滞がないと仮定した場合の配達予想時刻である。第2配達予想時刻は例えば、渋滞があると仮定した場合の配達予想時刻である。ここでは、第1配達予想時刻は20時30分であり、第2配達予想時刻は21時00分であるため、2つの配達予想時刻の間の30分が配達予想時間T581となる。
【0352】
ここで、到着予想時間T580と配達予想時間T581とは20時30分から20時40分までの時間帯が重複区間T582となっている。このように、本実施の形態では、重複区間T582がある場合、受取人であるユーザはボーダーライン顧客と判定される。すなわち、第1配達予想時刻及び第2配達予想時刻の少なくとも一方が到着予想時間T580内にある場合、該当するユーザは、現在地の出発時刻によっては荷物を受け取ることが可能になるため、ボーダーライン顧客と判定される。
【0353】
図59は、実施の形態23に係る情報提供システムの処理の一例を示すフローチャートである。このフローは、例えば、ユーザが第1現在地に到着したときに開始されるものとする。S5901では、通信部15は、ユーザ端末2から送信された第1現在地及び第1時刻と、配達員端末3から送信された第2現在地及び第2時刻と、外部サーバから送信された交通情報とを取得する。第1現在地は、ユーザが到着した場所である。第1時刻は第1現在地の検出時刻である。第2現在地は配達員の現在地である。第2時刻は第2現在地の検出時刻である。交通情報は例えば、VICS(登録商標)情報である。
【0354】
S5902では、制御部19は、メモリから種別DB460、配送先DB42を取得する。S5903では、滞在時間決定部16は、種別DB460を参照し、該当するユーザの第1現在地における複数の滞在時間を決定する。
【0355】
S5904では、移動時間算出部12は、第1現在地から配達先までユーザが移動するのに要する第1移動時間を算出する。この第1移動時間の算出の詳細は、図8のS4と同じである。
【0356】
S5905では、受取人であるユーザの配達先への第1到着予想時刻と第2到着予想時刻とを算出する。この第1到着予想時刻と第2到着予想時刻との算出の詳細は、図47のS4705と同じである。S5906では、移動時間算出部12は、現在地から配達先までの配達人の第2移動時間と第3移動時間とを算出する。第2移動時間は、例えば、第2現在地から配達先まで渋滞がないと仮定した場合に算出される移動時間であり、第3移動時間は、例えば、第2現在地から配達先まで渋滞があると仮定した場合に算出される移動時間である。
【0357】
但し、これは一例であり、第2移動時間は、例えば、複数のナビゲーションシステムにおいて算出された第2現在地から配達先までの移動時間のうち最短の移動時間であってもよい。また、第3移動時間は、例えば、複数のナビゲーションシステムにおいて算出された第2現在地から配達先までの移動時間のうち最長の移動時間であってもよい。複数のナビゲーションシステムはサーバ1が備えていてもよいし、複数の外部サーバが備えるものであってもよい。
【0358】
S5907では、到着予想時刻算出部17は、配達人が配達先へ到着する第1配達予想時刻と第2配達予想時刻とを算出する。ここで、第1配達予想時刻は、例えば、第2時刻に第2移動時刻を加算することで算出され、第2配達予想時刻は、例えば、第2時刻に第3移動時刻を加算することで算出される。
【0359】
S5908では、メッセージ選択部18は、第1配達予想時刻又は第2配達予想時刻が第1到着予想時刻から第2到着予想時刻の間にあるか否かを判定する。すなわち、図58に示す重複区間T582があるか否かが判定される。重複区間T582がある場合(S5908でYES)、メッセージ選択部18は、該当するユーザはボーダーライン顧客であるとして、メッセージを送信する。この場合、メッセージ選択部18は、顧客メッセージDB51の2行目に記憶された、受け取りが可能であるか否かの回答を要求するメッセージを送信する。一方、重複区間T582がない場合(S5908でNO)、メッセージ選択部18はメッセージを送信せずに処理を終了する。
【0360】
なお、S5908でNOの場合、メッセージは送信されないとして説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、メッセージ選択部18は、第1到着予想時刻が第2配達予想時刻の後にある場合、不在が確実視されるため、顧客メッセージDB51の3行目に記憶された不在が確実視されるユーザに対して通知されるメッセージを送信すればよい。一方、メッセージ選択部18は、第2到着予想時刻が、第1配達予想時刻の前にある場合、在宅が確実視されるため、顧客メッセージDB51の1行目に記憶された在宅が確実視されるユーザに対して通知されるメッセージを送信すればよい。
【0361】
このように、本実施の形態によれば、交通渋滞などの要因によって配達先への荷物の配達予想時刻にゆらぎが生じる場合であっても、ユーザがボーダーライン顧客であるか否かを正確に判定し、ボーダーライン顧客と判定されたユーザに対して配達先に戻るプレッシャーをうまく与えることができ、荷物の再配達を防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0362】
本開示によれば、再配達を効果的に防止する上で有用である。
【符号の説明】
【0363】
1 :サーバ
2 :ユーザ端末
3 :配達員端末
11 :メモリ
12 :移動時間算出部
13 :差分算出部
14 :差分判定部
15 :通信部
16 :滞在時間決定部
17 :到着予想時刻算出部
18 :メッセージ選択部
19 :制御部
NT :ネットワーク
図1
図2
図3
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