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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152829
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】徐放性製剤送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/00 20060101AFI20241018BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20241018BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20241018BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241018BHJP
   A61K 38/28 20060101ALI20241018BHJP
   A61K 38/02 20060101ALI20241018BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20241018BHJP
   A61J 3/07 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A61K9/00
A61K47/34
A61P3/10
A61K45/00
A61K38/28
A61K38/02
A61K47/02
A61J3/07 E
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024131919
(22)【出願日】2024-08-08
(62)【分割の表示】P 2022521129の分割
【原出願日】2020-10-07
(31)【優先権主張番号】62/912,581
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511227440
【氏名又は名称】インキューブ ラブズ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミル エー. イムラン
(57)【要約】
【課題】好適な徐放性製剤送達デバイスを提供すること。
【解決手段】所望の溶出プロファイルが、識別され、送達デバイスが、送達デバイスの構成部品のための材料を選択し、送達デバイスの構造およびその構成部品を設計し、製剤の含有量を選択し、特定の予期される条件において、または特定の時間において、もしくは両方において、設計された溶出プロファイルを提供すること等によって、所望の溶出プロファイルをもたらすように設計されることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その出願が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年10月8日に出願された、米国仮特許出願第62/912,581号の優先権の利益を主張する。
【0002】
多くの製剤は、ある量の製剤の繰り返される複数回の適用を用いて、または製剤が環境の天然プロセスによって別の場所に搬送されることの意図を伴って、1つの場所に治療を提供することによって、送達される。例えば、療法用治療処方計画に関して、多くの療法用製剤が、繰り返される注射(例えば、筋内、皮下、または静脈内注射)を用いて送達され、これは、疼痛をもたらす、および/または不便であり得る。繰り返される注射はまた、直接身体内の意図される標的場所にではなく、製剤を身体全体を通して分散させ、それによって、身体のはるかに多くを製剤に暴露させ、また、製剤が標的場所に進行するにつれた身体内での損失を考慮するために、標的場所において必要とされるものより高い投薬量の製剤を注射部位において要求し得る。
【0003】
製剤をより少ない適用量において送達し、製剤をより直接標的送達部位に送達する能力を有することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
所望の溶出プロファイルが、識別され、送達デバイスが、送達デバイスの構成部品のための材料を選択し、送達デバイスの構造およびその構成部品を設計し、製剤の含有量を選択し、特定の予期される条件において、または特定の時間において、もしくは両方において、設計された溶出プロファイルを提供すること等によって、所望の溶出プロファイルをもたらすように設計されることができる。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
送達デバイスであって、
事前に定義された第1の量の療法用作用物質と、
事前に定義された第2の量の遅延作用物質と、
前記第2の量の遅延作用物質と混在される前記第1の量の療法用作用物質を備える製剤であって、前記製剤は、事前に定義された分解率を有する、製剤と、
前記製剤をカプセル化するシェルであって、前記シェルは、空洞を画定し、前記製剤は、前記空洞の中に配置され、前記シェルは、前記空洞と連通するオリフィスをさらに画定する、シェルと、
前記オリフィスに配置されるプラグと
を備える、送達デバイス。
(項目2)
前記シェルは、ポリ(グリコール酸)(PGA)またはポリ(乳酸)(PLA)、またはPGAとPLAとの組み合わせを備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目3)
前記シェルは、ポリ(ラクチド-co-グリコール酸)(PLGA)を備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目4)
前記シェルの分解率が前記製剤の分解率より低速であるように構造化される、項目1に記載の送達デバイス。
(項目5)
前記シェルは、マグネシウムを備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目6)
前記シェルは、2つまたはそれを上回る層内に構造化され、前記層のうちの少なくとも1つは、マグネシウムを備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目7)
前記プラグの分解率が前記シェルの分解率より高速であるように構造化される、項目1に記載の送達デバイス。
(項目8)
前記プラグは、マグネシウムを備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目9)
前記プラグは、前記オリフィス内に配置される第1の部分と、前記オリフィスから暴露される第2の部分とを備え、前記第2の部分は、先鋭端を備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目10)
前記先鋭端によって包囲される分解性金属部分をさらに備える、項目9に記載の送達デバイス。
(項目11)
前記療法用作用物質は、基礎インスリンを備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目12)
前記療法用作用物質は、ペプチドを備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目13)
前記遅延作用物質は、PGAまたはPLAのうちの1つを備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目14)
前記遅延作用物質は、PGAおよびPLAを備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目15)
前記遅延作用物質は、ポリ(エチレングリコール)(PEG)を備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目16)
前記遅延作用物質は、ヒドロゲルおよびポリ(エチレンオキシド)(PEO)を備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目17)
追跡構成要素をさらに備える、項目1に記載の送達デバイス。
(項目18)
前記追跡構成要素は、電子回路であり、前記電子回路は、情報を収集し、前記収集された情報を遠隔受信機に無線で伝送するように構造化される、項目17に記載の送達デバイス。
(項目19)
前記追跡構成要素は、放射線不透過性物質である、項目17に記載の送達デバイス。
(項目20)
療法用物質の送達プロファイルを制御するための送達デバイスであって、前記送達デバイスは、
シェルであって、前記シェルは、前記シェルの外部から前記シェルの内部まで延在するオリフィスを画定し、前記シェルは、前記オリフィスと連通する空洞をさらに画定する、シェルと、
前記オリフィスに配置されるプラグであって、前記プラグは、事前に定義された条件が生じるまで流体が前記空洞に進入することを防止するように構造化される、プラグと、
前記空洞内に配置される製剤であって、前記製剤は、前記療法用物質を備える、製剤と
を備える、送達デバイス。
(項目21)
前記事前に定義された条件は、時間、温度、またはpHの事前に定義された閾値または範囲である、項目20に記載の送達デバイス。
(項目22)
前記事前に定義された条件は、事前に定義された値の組み合わせであり、各事前に定義された値は、時間、温度、またはpHの閾値または範囲である、項目20に記載の送達デバイス。
(項目23)
前記プラグは、ヒドロゲルを備える、項目20に記載の送達デバイス。
(項目24)
前記プラグは、前記オリフィスにわたって配置される、項目20に記載の送達デバイス。
(項目25)
前記プラグは、前記オリフィス内に配置される、項目20に記載の送達デバイス。
(項目26)
前記プラグは、前記空洞の内側に配置される、項目20に記載の送達デバイス。
(項目27)
前記プラグの一部は、前記オリフィス内に配置され、前記プラグの一部は、前記シェルの外側に延在する、項目20に記載の送達デバイス。
(項目28)
前記オリフィスは、第1のオリフィスであり、前記プラグは、第1のプラグであり、前記シェルは、前記第1のオリフィスを含む2つまたはそれを上回るオリフィスを画定し、前記送達デバイスは、前記第1のプラグを含む2つまたはそれを上回るプラグを備える、項目20に記載の送達デバイス。
(項目29)
前記第1のプラグは、前記第1のプラグが、第2のプラグが分解するように構造化されるより少なくとも1時間高速で分解するように構造化されるように、前記2つまたはそれを上回るプラグの前記第2のプラグの分解率を上回る分解率を有するように構造化される、項目28に記載の送達デバイス。
(項目30)
前記第1のプラグは、前記第1のプラグおよび第2のプラグが相互の数分以内に分解するように、前記2つまたはそれを上回るプラグの前記第2のプラグの分解率にほぼ等しい分解率を有するように構造化される、項目28に記載の送達デバイス。
(項目31)
前記第1のプラグおよび前記第2のプラグは、異なる形状を有するように構造化される、項目30に記載の送達デバイス。
(項目32)
複数のチャンバをさらに備え、前記空洞は、前記複数のチャンバのうちの少なくとも1つと連通する、項目20に記載の送達デバイス。
(項目33)
前記製剤は、第1の療法用製剤であり、前記第1の療法用製剤を含む複数の療法用製剤をさらに備え、前記複数のチャンバはそれぞれ、前記複数の療法用製剤のうちの異なる1つまたはそれを上回るものを含有する、項目32に記載の送達デバイス。
(項目34)
前記チャンバはそれぞれ、前記製剤の体積を含有する、項目32に記載の送達デバイス。
(項目35)
サンプル収集器と、電子回路網とをさらに備え、前記電子回路網は、流体を検出し、前記流体を検出することに基づいて、サンプルを前記サンプル収集器内に収集させるように構造化される、項目20に記載の送達デバイス。
(項目36)
流体を検出し、前記流体を検出することに基づいて、バイオマーカを前記送達デバイスの外部に配置させるように構造化される電子回路網をさらに備える、項目20に記載の送達デバイス。
(項目37)
流体を検出し、前記流体を検出することに基づいて、メッセージを前記送達デバイスの外部に伝送するように構造化される電子回路網をさらに備える、項目20に記載の送達デバイス。
(項目38)
前記送達デバイスおよび前記製剤は、予期される環境条件下で前記送達デバイスから拡散されるように、前記療法用物質のために事前に定義された溶出プロファイルを提供するように構造化される、項目20に記載の送達デバイス。
(項目39)
送達デバイスであって、
浸透圧ポンプであって、前記浸透圧ポンプは、
流体の存在下で拡張するように構造化される、ヒドロゲルと塩との乾燥組み合わせを備える拡張体と、
前記拡張体に隣接するピストンであって、前記ピストンは、前記拡張体の拡張によって前記ピストン上に付与される力に応答して移動するように構造化される、ピストンと
を備える、浸透圧ポンプと、
空洞を画定し、前記空洞と連通する2つのオリフィスをさらに画定するシェルであって、前記浸透圧ポンプは、前記空洞内に配置され、前記シェルは、流体が前記2つのオリフィスの第1のものを通して前記空洞に進入し、前記拡張体と接触することを可能にするように構造化され、前記シェルは、流体が前記2つのオリフィスの第2のものを通して前記空洞に進入することを可能にするようにさらに構造化される、シェルと、
前記空洞内の前記ピストンに隣接して配置される製剤であって、前記製剤は、前記2つのオリフィスの第2のものを通して前記空洞に進入する流体の存在下で分解し、それによって、流体化された製剤を形成するように構造化される製剤であって、前記シェルは、前記ピストンの移動が、前記流体化された製剤を前記2つのオリフィスの第2のものを通して前記シェルから外に押進させるように、構造化される、製剤と
を備える、送達デバイス。
(項目40)
送達デバイスを形成する方法であって、前記方法は、
事前に定義された分解率を有するシェル材料を提供することと、
前記シェル材料を、空洞を画定しかつオリフィスをさらに画定するシェルの中に形成することと、
前記空洞の中に製剤を配置することと、
前記オリフィスに、前記オリフィスを遮断するように構造化されるプラグを位置付けることと、
ヒトまたは他の動物の中への摂取または埋込のために、前記送達デバイスを提供することと
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1A図1B図1C図1D、および図1Eは、送達デバイスのシェルの実施形態のための形状の実施例を図示する。
【0006】
図2図2A図2B図2C、および図2Dは、送達デバイスのシェルの実施形態のための形状の実施例を図示する。
【0007】
図3図3A図3B図3C図3D図3E図3F図3G図3H図3I、および図3Jは、送達デバイスのシェルおよびそのオリフィスの実施形態のための形状の実施例を図示する。
【0008】
図4図4A図4B図4C、および図4Dは、送達デバイスのプラグの実施形態のための形状の実施例を図示する。
【0009】
図5図5A図5B図5C、および図5Dは、送達デバイスのプラグの実施形態のための形状の実施例を図示する。
【0010】
図6図6A図6B、および図6Cは、複数のチャンバを含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0011】
図7図7A図7B図7C、および図7Dは、複数のチャンバと、複数のプラグとを含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0012】
図8図8Aおよび図8Bは、製剤が送達デバイスのチャンバ内に配置される、実施形態の実施例を図示する。
【0013】
図9図9は、複数の内壁を含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0014】
図10図10は、チャンバ構造を含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0015】
図11図11図12図13図14図15図16、および図17は、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
図12図11図12図13図14図15図16、および図17は、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
図13図11図12図13図14図15図16、および図17は、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
図14図11図12図13図14図15図16、および図17は、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
図15図11図12図13図14図15図16、および図17は、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
図16図11図12図13図14図15図16、および図17は、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
図17図11図12図13図14図15図16、および図17は、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0016】
図18図18および図19は、プラグによって画定された先鋭端を有する、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
図19図18および図19は、プラグによって画定された先鋭端を有する、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0017】
図20図20は、シェルによって画定された先鋭端を有する、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0018】
図21図21図22、および図23は、先端構成要素を含む、先鋭端を有する、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
図22図21図22、および図23は、先端構成要素を含む、先鋭端を有する、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
図23図21図22、および図23は、先端構成要素を含む、先鋭端を有する、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0019】
図24図24A図24B図24C、および図24Dは、先端構成要素を含む、送達デバイスの実施形態を形成するためのプロセスの実施例を図示する。
【0020】
図25図25Aおよび図25Bは、穿刺機構を含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0021】
図26図26Aおよび図26Bは、電子機器を含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0022】
図27図27Aおよび図27Bは、浸透圧ポンプを含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0023】
図28図28Aおよび図28Bは、浸透圧ポンプを含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0024】
図29図29Aおよび図29Bは、浸透圧ポンプを含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0025】
図30図30Aおよび図30Bは、浸透圧ポンプを含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0026】
図31図31Aおよび図31Bは、浸透圧ポンプを含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0027】
図32図32Aおよび図32Bは、浸透圧ポンプを含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0028】
図33A図33Aは、送達デバイスの2つの端部内にオリフィスを含む、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。
【0029】
図33B図33B図33C、および図33Dは、図33Aに図示される送達デバイス等の送達デバイスのオリフィスにおいて使用され得るようなプラグの実施形態の実施例を図示する。
図33C図33B図33C、および図33Dは、図33Aに図示される送達デバイス等の送達デバイスのオリフィスにおいて使用され得るようなプラグの実施形態の実施例を図示する。
図33D図33B図33C、および図33Dは、図33Aに図示される送達デバイス等の送達デバイスのオリフィスにおいて使用され得るようなプラグの実施形態の実施例を図示する。
【0030】
図34図34は、本開示の概念に従って構造化される、送達デバイスのプロトタイプ設計を図示する。
【0031】
図35図35は、本開示の概念に従って構造化される、送達デバイスのプロトタイプ設計を図示する。
【0032】
図36図36は、本開示の概念に従って構造化される、浸透圧ポンプを含む、送達デバイスのプロトタイプ設計を図示する。
【0033】
図37図37は、送達デバイスのシェルの実施形態の実施例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
詳細な説明
本開示で使用されるとき、用語「例えば(e.g.)」、「~等の(such as)」「例えば(for example)」、「~の実施例(examples of)」、および「一例として(by way of example)」は、1つまたはそれを上回る非限定的実施例のリストが先行する、または続くことを示す。列挙されていない他の実施例もまた、本開示の範囲内であることを理解されたい。
【0035】
用語「生物学的物質」は、本明細書では、身体の血液、組織、流体、酵素、および他の分泌物を指す。用語「消化物質」は、本明細書では、GI管に沿った生物学的物質、およびGI管を横断する他の物質(例えば、未消化または消化形態における食品)を指す。
【0036】
用語「分解する」、「分解している」、「分解される」、および「分解」は、本明細書では、溶解、化学分解、腐敗、化学修飾、機械的分解、または離解等による、弱化、部分的分解、もしくは完全分解を指し、これはまた、限定ではないが、溶解、崩壊、変形、または萎縮を包含する。用語「非分解性」は、分解が、予期される持続時間にわたって、予期される環境内において、最小限またはある容認可能パーセンテージ内であろうことの期待を指す。
【0037】
用語「分解率」(または「分解の率」もしくは同等物)は、本明細書では、材料が分解する、率を指す。材料の設計される分解率は、特定の実装では、材料が、予期される条件下で(例えば、生理学的条件下で)、標的送達場所において、分解することが予期される、率によって定義されることができる。ある実装のために設計される分解時間は、完全な分解に対して設計される時間または設計目的(例えば、破壊)を遂行するために十分な部分的分解に対して設計される時間を指し得る。故に、設計される分解時間は、送達デバイスに特有である、および/または標的送達場所において予期される条件に特有であり得る。設計される分解時間は、短時間または長時間であることができ、近似時間、最大時間、または最小時間の観点から定義されることができる。例えば、ある構成要素のための設計される分解時間は、分に関しては、約1分、1分未満、1分を上回る、約5分、5分未満、5分を上回る、約30分、30分未満、30分を上回る等であって、または時間に関しては、約1時間、1時間未満、1時間を上回る、約2時間、2時間未満、2時間を上回る等であって、または日に関しては、約1日、1日未満、1日を上回る、約1.5日、1.5日未満、1.5日を上回る、約2日、2日未満、2日を上回る等であって、または週に関しては、約1週間、1週間未満、1週間を上回る、約2週間、2週間未満、2週間を上回る、約3週間、3週間未満、3週間を上回る等であって、または月に関しては、約1ヶ月、1ヶ月未満、1ヶ月を上回る、約2ヶ月、2ヶ月未満、2ヶ月を上回る、約6ヶ月、6ヶ月未満、6ヶ月を上回る等であって、または年に関しては、約1年、1年未満、1年を上回る、約2年、2年未満、2年を上回る、約5年、5年未満、5年を上回る、約10年、10年未満、10年を上回る等であって、または他の設計される分解近似時間、最小時間、または最大時間であることができる。設計される分解時間は、限定された範囲の観点から定義されることができる。例えば、設計される分解時間は、約12~24時間、約1~6ヶ月、約1~2年の範囲、または他の範囲の観点からのものであることができる。任意の特定の理論によって拘束されることを所望するわけではないが、制御された分解は、装填物の持続的かつ徐放性の放出を促進することができる。
【0038】
用語「設計」、「設計する」、および「設計される」は、本明細書では、設計に関連する公差(例えば、構成要素公差および/または製造公差)の推定値および設計によって遭遇されることが予期される環境条件の推定値(例えば、温度、湿度、外部または内部周囲圧力、外部または内部機械的圧力もしくは応力、製品の使用年数、生理学、身体の化学的性質、流体および組織の生物学的組成および/または化学組成、pH、種、食物、健康、性別、年齢、祖先、疾患、組織損傷、またはその組み合わせ)に基づいて設計の中に意図的に組み込まれる、特性を指す。摂取前および/または後の実際の公差ならびに環境条件は、同一設計を伴う異なる摂取可能デバイスが、それらの設計される特性に対して異なる実際の値を有し得るように、そのような設計される特性に影響を及ぼし得ることを理解されたい。用語「設計」、「設計する」、および「設計される」の使用は、本明細書ではまた、設計に対する変動または修正、設計に従って構造化された構成要素(下記に定義される)、および製造された後の構成要素上に実装される設計上の修正(下記に定義される)を包含する。
【0039】
用語「流体」は、本明細書では、ガスまたは液体もしくはそれらの組み合わせを指し、湿気および湿度を包含する。用語「流体環境」は、本明細書では、その中に1つまたはそれを上回る流体が存在する、環境を指す。1つまたはそれを上回る実施形態では、本開示による、送達デバイスが、身体内に配置されるように構造化され、したがって、生物学的物質または消化物質が、流体環境をもたらす。
【0040】
用語「摂取する」、「摂取している」、および「摂取される」は、本明細書では、嚥下によって、または胃の中に取り込む他の手段によって(例えば、内視鏡によって、胃の中に取り込む、またはポートを介して、胃の中に取り込むことによって)かどうかにかかわらず、胃の中に服用することを指す。
【0041】
構成要素に関するような用語「製造する」、「製造している」、および「製造される」は、本明細書では、全体的または部分的に、手によって作製される、もしくは全体的または部分的に、自動化された方式において作製されるかどうかにかかわらず、構成要素を作製することを指す。
【0042】
用語「構造化される」は、本明細書では、そのような概念または設計が書面で捕捉されるかどうかにかかわらず、概念または設計もしくはその変動またはそれへの修正に従って(そのような変動または修正が製造の前、間、もしくは後に生じるかどうかにかかわらず)製造される、構成要素またはシステムを指す。
【0043】
用語「実質的に」および「約」は、わずかな変動を説明および考慮するために本明細書で使用される。例えば、数値と併せて使用されるとき、本用語は、±5%未満またはそれと等しい、±4%未満またはそれと等しい、±3%未満またはそれと等しい、±2%未満またはそれと等しい、±1%未満またはそれと等しい、±0.5%未満またはそれと等しい、±0.1%未満またはそれと等しい、もしくは±0.05%未満またはそれと等しい等の±10%未満またはそれと等しい値の変動を指し得る。
【0044】
本明細書で使用されるように、数の範囲は、範囲内の任意の数、または部分範囲内の最小および最大数が範囲内に該当する場合、任意の部分範囲を含む。したがって、例えば、「<9」は、9未満の任意の数、または部分範囲の最小値がゼロを上回るもしくはそれと等しく、部分範囲の最大値が9未満である、数の任意の部分範囲を指し得る。
【0045】
本明細書に説明されるような送達デバイスは、ある装填物を身体(例えば、ヒトまたは他の動物身体)内の部位等の部位に送達する。装填物は、製剤、電子機器、別の送達デバイス、または前述のうちの2つまたはそれを上回るものの組み合わせである、もしくは含むことができる。
【0046】
本開示の1つまたはそれを上回る実施形態によると、製剤が、送達デバイスの投与または埋込後の送達のための1つまたはそれを上回る作用物質を含むことができる。製剤は、粉末形態またはタブレットもしくはマイクロタブレット等の凝縮または統合された形態であってもよい。送達デバイスは、1つまたはそれを上回る製剤を含むことができる。広範囲の作用物質が、使用されることができる。例えば、作用物質は、任意の薬理学的に活性の作用物質(例えば、抗生物質、NSAID、血管新生阻害薬、神経保護剤、化学療法剤)、DNAまたはSiRNAトランスクリプト(例えば、遺伝子異常、条件、または障害を修正するため)、細胞(例えば、生体生物によって、またはそこから生産される、もしくは生体生物の構成要素を含有する)、細胞毒性剤、診断剤(例えば、検出薬、造影剤、放射性同位体、蛍光性部分、発光性部分、磁気部分)、予防薬(例えば、ワクチン)、栄養剤(例えば、ビタミン、ミネラル、植物性補助剤)、送達増強作用物質、遅延作用物質、賦形剤、審美的増強のための物質、別の物質、または前述のうちの2つまたはそれを上回るものの任意の組み合わせであることができる、またはそれを含むことができる。身体内の送達部位において、作用物質は、生物学的組織への導入のために好適であり得る。
【0047】
薬理学的に活性の作用物質の実施例は、ペプチド、タンパク質、免疫グロブリン(例えば、抗体)、大分子、小分子、ホルモン、ならびに前述のいずれかの生物学的に活性のバリアントおよび誘導体を含む。
【0048】
作用物質は、免疫グロブリンG(例えば、アダリムマブ等のTNF-アルファ抗体)、インターロイキンのIL-17系内のインターロイキン(例えば、ブロダルマブ、セクキヌマブ、イキセキズマブ)、抗好酸球抗体等の抗体のクラス、または任意の他のクラスであることができ、ヒト化される可能性とそうではない可能性がある。
【0049】
栄養剤の実施例は、ビタミンA、チアミン、ナイアシン、リボフラビン、ビタミンB-6、ビタミンB-12、他のB-ビタミン、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、リン、鉄、カルシウム、およびマグネシウムを含む。
【0050】
細胞の実施例は、幹細胞、赤血球、白血球、ニューロン、および他の生細胞を含む。
【0051】
ワクチンの実施例は、種々の細菌ならびにウイルスまたはそのタンパク質(例えば、インフルエンザ、髄膜炎、ヒトパピローマウイルス(HPV)、または水疱瘡)に対するワクチンを含む。ウイルスに対するワクチンの種々の実施形態では、ワクチンは、種々の減衰されたウイルスに対応し得る。
【0052】
送達増強作用物質の実施例は、浸透増強剤、酵素遮断薬、粘膜を通して浸透する、ペプチド、プロテアーゼ阻害薬等の抗ウイルス性薬物、崩壊剤またはスーパー崩壊剤、もしくはpH修正剤を含む。送達増強作用物質は、例えば、1つまたはそれを上回る作用物質(例えば、療法用作用物質)の送達のための送達媒体としての役割を果たす、または身体の中への1つまたはそれを上回る作用物質の吸収を改善する役割を果たすことができる。1つまたはそれを上回る実施形態では、送達増強作用物質は、腸の上皮細胞をプライミングし(例えば、細胞の外側層を流体化し)、送達デバイス内に含まれる、1つまたはそれを上回る他の作用物質の吸収および/または生物学的利用能を改善する。
【0053】
送達増強作用物質は、例えば、界面活性剤、胆汁酸塩、脂肪酸、キレート剤、キトサン、および前述のいずれかの誘導体を含む。送達増強作用物質の具体的実施例は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ポリソルベート、グリコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、ジヒドロフシジン酸ナトリウム、グリコジヒドロフシジン酸ナトリウム、オレイン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ノニルフェノキシポリオキシエチレン、TWEEN(登録商標) 80、中鎖脂肪酸系カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、8-(N-2-ヒドロキシ-5-クロロ-ベンゾイル)-アミノ-カプリル酸(5-CNAC)、ナトリウムN-[8-(2-ヒドロキシルベンゾイル)アミノ]カプリル酸(SNAC)、オメガ3脂肪酸アシルカルニチン、アシルコリン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、サリチル酸、N-硫酸塩-N, O-カルボキシメチルキトサン、N-トリメチル化塩化物、グルタミン酸キトサン、アルキルグリコシド、脂質ポリマー、閉鎖帯毒素、ポリカルボフィル-システイン複合体、および前述のいずれかの誘導体を含む。
【0054】
1つまたはそれを上回る実施形態では、製剤は、1つまたはそれを上回る血管拡張薬(例えば、l-アルギニン、シルデナフィル、硝酸塩(例えば、ニトログリセリン)、エピネフリン)、または血管収縮薬(例えば、刺激薬、アンフェタミン、抗ヒスタミン薬、エピネフリン、コカイン)を含むことができる。
【0055】
製剤はまた、1つまたはそれを上回る賦形剤を含み、1つまたはそれを上回る作用物質が製剤のある実施形態内に含まれるために適切な媒体を提供する(例えば、製造を補助するため)、または製剤内に含まれる1つまたはそれを上回る作用物質の完全性を保存する(例えば、製造の間、保管の間、または身体内への分散に先立った摂取後)ことができる。
【0056】
賦形剤の実施例は、結合剤、崩壊剤およびスーパー崩壊剤、緩衝剤、酸化防止剤、ならびに防腐剤を含む。
【0057】
遅延作用物質は、製剤内の1つまたはそれを上回る他の作用物質とともに含まれ(例えば、それと混合される、または構造を周囲に提供する)、製剤からの他の作用物質の放出率を減速させることができる。遅延作用物質の実施例は、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ(l-乳酸)(PLLA)、ポリ(D-乳酸)(PDLA)、他のポリマー、ヒドロゲル、および前述のうちの2つまたはそれを上回るものの組み合わせを含む。
【0058】
上記に述べられたように、各製剤は、1つまたはそれを上回る作用物質を含むことができ、送達デバイスは、1つまたはそれを上回る製剤を含むことができる。故に、送達デバイスの実施形態は、1つの作用物質または複数の作用物質を含むことができる。
【0059】
本開示による、送達デバイスの実施形態は、事前に定義された送達タイムラインおよびプロファイルに従って、装填物を提供するように構造化される。そのようなタイムラインは、秒、分、時間、日、週、月、または年の観点からのものであることができる。
【0060】
送達デバイスが概説されたので、種々の実施形態が、次に、図を参照して議論されるであろう。
【0061】
図1A-1Eは、送達デバイスのシェルの実施形態のための形状の実施例を図示する。図1Aは、x-y-z定義域におけるシェル105の斜視図を表し、図1Bは、z=0時の(すなわち、中心軸に沿った)x-y-z定義域のx-y平面におけるシェル105のスライス図を表す。シェル105は、略円筒形であって、内側半径「r」を有する、半球または半半球形状を伴う、閉鎖端106を有する。別の端部107は、オリフィス108を画定し、これは、本実施例では、完全に開放し、端部107の全体を横断して延在する。シェル105は、オリフィス108と連通する、空洞110を画定する。
【0062】
図1Cおよび図1Dは、z方向のある点でのx-y-z定義域のx-y平面におけるスライス図に示される、送達デバイスのシェルの実施形態のための形状の付加的実施例を図示する。図1Cおよび図1Dでは、シェルの閉鎖端は、図1A、1Bにおけるシェル105の端部106と比較して、略平坦(ほぼ無曲率)である。図1Cでは、シェル125は、略平坦である、端部126と、シェル125によって画定された空洞130と連通する、完全に開放したオリフィス128を画定する、端部127とを有する。図1Dでは、シェル145は、略平坦である、端部146と、シェル145によって画定された空洞150と連通する、完全に開放したオリフィス148を画定する、端部147とを有する。比較として、シェル145は、シェル125より長くかつより狭く、種々の絶対および相対的シェル寸法が本開示の範囲内であることを図示する。例えば、シェルは、標的送達場所におけるその嵌合のために設計される、および/または標的場所における送達の容易性のために設計される、ならびに/もしくは製造の便宜上のために設計されることができる。図1Cおよび図1Dでは、角(例えば、角129)は、若干丸みを帯びて示され、角設計、円弧、および/または製造が、シェル125またはシェル145を含む、任意のシェルのための種々の角形状をもたらし得ることを図示する。
【0063】
図1Eは、z方向のある点でのx-y-z定義域のx-y平面におけるスライス図に示される、送達デバイスのシェルの実施形態のための形状の別の実施例を図示する。図1Eの実施例では、シェル165は、端部166を有し、これは、端部166上のある場所において先鋭化する。先鋭端166は、3次元で視認されると、円錐を画定することができる、または、別の形状(例えば、羽根ペンの先端の形状)を画定することができる。代替実施形態では、端部166の一部は、先鋭形状を有し、端部166の残部は、異なる形状(例えば、端部166の円筒形または多角形形状の基部部分上の針形状部分)を有する。シェル165は、シェル165によって画定された空洞170と連通する、完全に開放したオリフィス168を画定する、端部167を有する。
【0064】
図1A-1Eでは、シェル105、125、145、165はそれぞれ、オリフィス(それぞれ、オリフィス108、128、148、168)のサイズが、個別の端部を横断した個別のシェルの壁の材料厚によって画定されるように、完全開放端(それぞれ、端部107、127、147、167)を有し、他の実施形態では、シェル端部によって画定されたオリフィスは、シェル端部の全体を横断して延在しない(例えば、図3Bの議論と比較した図3Aの議論参照)。
【0065】
図2A-2Cは、部分的閉鎖端を有することを除き、図1A、1Bにおけるシェル105に類似する、シェルの実施例を図示する。図2Aを参照すると、シェル205は、閉鎖端206と、シェル205によって画定された空洞210と連通する、オリフィス208を画定する、端部207とを有する。オリフィス208は、端部207の一部を通して延在する。図2Bを参照すると、図2Aと同様に、シェル225は、閉鎖端226と、シェル225によって画定された空洞230と連通する、オリフィス228を画定する、端部227とを有し、オリフィス228は、端部227の一部を通して延在する。図2Bのオリフィス228は、図2Aのオリフィス208の寸法「w1」と比較して、より大きいオリフィス寸法「w2」を有し、オリフィスが所望の寸法で設計されることができることを図示する。図2Cを参照すると、図2Aと同様に、シェル245は、閉鎖端246と、シェル245によって画定された空洞250と連通する、オリフィス248を画定する、端部247とを有し、オリフィス248は、端部247の一部を通して延在する。図2Cのオリフィス248は、シェル245の長手方向中心線からオフセットされ、オリフィスがシェル上の所望の位置に設計されることができることを図示する。
【0066】
図2Dは、図1Eにおけるシェル165の完全開放オリフィス168ではなく、シェル265によって画定された空洞270と連通する、オリフィス268を画定する、部分的閉鎖端267を有することを除き、図1Eにおけるシェル165に類似する、シェル265の実施例を図示し、オリフィスがシェルの任意の形状のために所望のサイズを有するように設計されることができることを図示する。
【0067】
1つまたはそれを上回る実施形態では、シェル(例えば、シェル105、125、145、165、205、225、245、または265、もしくは他のシェル実施形態のいずれか)は、一体的に構築され、シェル全体がユニットとして形成されることを意味する。1つまたはそれを上回る他の実施形態では、シェル(例えば、シェル105、125、145、165、205、225、245、または265、もしくは他のシェル実施形態のいずれか)は、2つまたはそれを上回る構成要素を使用して構築され、これは、次いで、ともに組み立てられ、完成したシェルを形成する。そのような実施形態では、構成要素は、半恒久的または非恒久的構造において、接続機構を用いて(例えば、スナップ特徴、フックおよびループ特徴、接着剤、接着剤テープを使用して)、相互に取り付けられる、またはより恒久的方式において(例えば、熱かしめ、振動溶接、圧縮溶接を使用して)、相互に取り付けられる、もしくはそれらの組み合わせであることができる。複数の構成要素を組み込む、シェルの実施例は、所望の長さに切断された管であって、閉鎖構成要素が一端において取り付けられ、オリフィスを伴う構成要素が他端において取り付けられる。複数の構成要素を組み込む、シェルの別の実施例は、長手方向に2つの半体に成型され、成型後、ともに取り付けられる、シェル(例えば、シェル105、125、145、165、205、225、245、または265、もしくは他のシェル実施形態のいずれか)である。
【0068】
図1A-1Eおよび図2A-2Dでは、シェル105、125、145、165、205、225、245、265のそれぞれの材料の厚さ(例えば、図2Dにおける厚さ「t」)は、製造公差内において、シェル全体を通して一貫するように図示される。他の実施形態では、シェルの一部は、特定の部分における壁強度等のために、または全般的壁強度等のために(例えば、襞状または繁雑なパターンを使用することによって)、もしくは療法用作用物質の送達率を制御する等のために、より厚い厚さを有することができる。1つまたはそれを上回る実施形態では、シェルの端部(例えば、端部106、126、146、166、206、226、246、266)の材料厚は、シェルの他の部分よりはるかに厚く、したがって、送達デバイスのシェルの空洞(例えば、個別の空洞110、130、150、170、210、230、250、270)は、個別の図に図示されるように、シェルのその端部の中に延在し得ない、またはシェルの端部の中に深くまで延在し得ない。
【0069】
図1A-1E(シェル105、125、145、165)および図2A-2D(シェル205、225、245、265)に示されるシェルは、ほぼ均一断面寸法(例えば、図2Dにおける寸法「s」)を有するように図示されるが、シェルの他の実施形態は、非均一断面寸法を有する。例えば、シェルは、シェルの長手方向(x-軸)中央の近傍の点において、シェルの端部のうちの1つに向かったある点より広くなることができる。別の実施例に関して、シェルの端部のうちの1つに向かったある点は、シェルに沿った他の点より広くなることができる。
【0070】
加えて、断面形状は、シェルの長さに沿って変動してもよい、またはシェルの長さの一部もしくは全体に沿って一貫することができる。図3A図3Jは、断面形状のいくつかの実施例を提供する。
【0071】
図3Aは、シェル305の端部に向かって視認される際の例示的シェル305(例えば、図1Aのシェル105の実施形態)の図を図示する。シェル305は、オリフィス306を本端部に画定し、これは、シェル305を完全に横断して延在する。シェル305の本端部は、略円形であって、オリフィス306は、したがって、略円形であって、シェル305の本端部における材料厚「m1」によって画定される。
【0072】
図3Bは、シェル310の端部に向かって視認される際の例示的シェル310を図示する。シェル310は、シェル310の本端部によって画定されたオリフィス311が、シェル305を完全に横断して延在する、図3Aにおけるオリフィス306と比較して、シェル310を部分的に横断して延在することを除き、図3Aのシェル305に類似する。図3Bでは、点線は、シェル310の材料厚「m2」を図示し、これは、本実施例では、オリフィス311のサイズまたは形状を画定しない。
【0073】
図3Cは、シェル315の端部に向かって視認される際の例示的シェル315を図示する。シェル315は、シェル315の本端部によって画定されたオリフィス316が、シェル310のその端部の外周に対してほぼ心合される、図3Bにおけるオリフィス311と比較して、シェル315の中心線からオフセットされる(例えば、x-軸からオフセットされる)ことを除き、図3Bのシェル310に類似する。
【0074】
図3Dは、シェル320の端部に向かって視認される際の例示的シェル320を図示する。シェル320は、シェル320の本端部によって画定されたオリフィス321が、図3Cにおけるオリフィス316の円形形状ではなく、楕円形形状を有することを除き、図3Cのシェル315に類似する。
【0075】
図3Eは、シェル325の端部に向かって視認される際の例示的シェル325を図示する。シェル325は、シェル325の本端部が、図3Dに図示されるように、シェル320の端部の円形形状ではなく、楕円形形状を有することを除き、図3Dのシェル320に類似する。さらに、シェル325は、楕円形状のオリフィス326を本端部に画定し、オリフィス326は、楕円形の長軸に沿って、シェル325を実質的に横断して、および楕円形の短軸に沿って、シェル325の一部を横断して、延在する。
【0076】
図3Fは、シェル330の端部に向かって視認される際の例示的シェル330を図示する。シェル330は、シェル330が、図3Eに図示されるように、シェル325の端部の楕円形形状ではなく、多角形形状の(ここでは、長方形形状の)オリフィス331を画定することを除き、図3Eのシェル325に類似する。さらに、オリフィス331は、任意の方向に、シェル330の本端部を完全に横断して延在しない。
【0077】
図3Gおよび3Hは、シェルの端部に向かって視認される際の多角形形状の(特に、長方形形状の)シェルを図示する。図3Gにおけるシェル335は、シェル335の本端部の中心からオフセットされ、楕円形の長軸がシェル335の本端部の長または短軸と整合しないように回転される、楕円形状のオリフィス336を画定する。図3Hにおけるシェル340は、シェル340の本端部の中心からオフセットされる、多角形形状の(ここでは、正方形形状の)オリフィス341を画定する。
【0078】
図3Iおよび3Jは、シェルの端部に向かって視認される際の付加的多角形形状のシェルを図示する。図3Iは、シェル345の本端部にほぼ心合される、円形オリフィス346を画定する、多角形形状のシェル345を図示する。図3Jは、2つの円形オリフィス351、352を画定する、多角形形状のシェル350を図示する。シェル内の複数のオリフィス(例えば、シェル350内のオリフィス351、352)は、例えば、シェルによって画定された空洞と連通する、2つのオリフィスからの製剤の拡散、または下記に議論されるように、シェルの2つのチャンバからの拡散、もしくは下記に議論されるように、段階における累進的拡散、または他の拡散プロファイルを可能にすることができる。本明細書で使用されるような用語「拡散する」、「拡散」、および「拡散している」は、空間を横断した、表面に沿った、またはオリフィスを通した、移動を示し、低速または高速移動を包含する(例えば、浸出、散水、押出、点滴、滴下、流動、放水、分泌、漏出、排出、発散、溶脱、濾出、滲出、噴出、飛散、噴射、噴霧、溢出、傾注、突散、吐出、および他の配給を包含する)。
【0079】
シェル内の複数のオリフィスは、加えて、または代替として、製造の容易性を提供する、および/または複数のオリフィスにわたる総所望の断面オリフィス面積を設計することによって、シェルの強度を増加させることができる。
【0080】
図3A-3Jは、シェルの開放端に向かって視認される際の断面形状を図示する。1つまたはそれを上回る実施形態では、(例えば、y-z平面における)そのような断面形状は、シェルの長さに沿って(例えば、x-軸に沿って)一貫する。1つまたはそれを上回る他の実施形態では、(例えば、y-z平面における)シェルの断面形状は、その長さに沿って(例えば、x-軸に沿って)変動する。
【0081】
送達デバイスの全ての構成要素は、標的環境が生物学的(例えば、ヒトまたは他の動物)である、用途のために実装されるように設計されることができる。故に、送達デバイスの構成要素(シェルを含む)は、生体適合性材料を使用した実装のために設計されることができ、いくつかの実施形態では、材料はまた、分解性であって、さらに、生体分解性であることができる。そのような材料は、ポリマー(例えば、PLA、PGA、ポリ(ラクチド-co-グリコール酸)(PLGA)、PLLA、ポリグリコール酸-co-l-乳酸(PGLA)、PEG、ポリカプロラクトン(PCL)、ジポリマーPLGA-PEG、またはトリポリマーPLGA-PEG-PLGAもしくはPEG-PLGA-PEG等の前述のポリマーのいずれかのコポリマー、前述のいずれかのポリマーと別の材料または複数の材料の組み合わせ、前述のうちの任意の2つまたはそれを上回るものの組み合わせ)、金属(例えば、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、タングステン(W)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)、ジルコニウム(Zr)、パラジウム(Pd)、マンガン(Mn)、前述のいずれかの金属と別の材料または複数の材料の組み合わせ、任意の前述の金属の合金、前述のいずれかのうちの2つまたはそれを上回るものの組み合わせ)、金属ガラス(例えば、ストロンチウム(Sr)またはカルシウム(Ca)に基づくもの)、澱粉、糖、他の生体分解性材料、または前述のうちの任意の2つまたはそれを上回るものの組み合わせを含む。そのような材料はさらに、ヒドロゲル(親水性ポリマー鎖)を含む。生体分解性材料は、分解率、分解に先立った、またはその間の剪断強度、脆性、引張強度、耐久性、屈曲性、生体分解性材料を組み込む構成要素の製造性、構成要素において使用される他の材料との適合性、材料安定性(例えば、保存期間)、温度制約、酸性制約等の所望の性質に基づいて、送達デバイスの特定の構成要素のために選択されることができる。
【0082】
1つまたはそれを上回る実施形態では、送達デバイスのシェルは、PGAから形成され、1つまたはそれを上回る実施形態では、送達デバイスのシェルは、PLAから形成される。PGAおよびPLAは、異なる分解率を有する。1つまたはそれを上回る実施形態では、送達デバイスのシェルは、PLA-PGA混成物から形成され、PGAまたはPLAのみと比較して、異なる分解時間を選択する。他の分解時間も、加えて、または代替として、異なる材料を使用することによって、達成されることができる。
【0083】
本開示の送達デバイスの実施形態は、送達デバイスからの製剤の長期拡散を提供する。本開示による、送達デバイスの多くの実施形態に関して、送達デバイスは、標的場所に展開され、標的場所は、流体環境である。流体環境では、流体が、送達デバイスに進入し、分解性製剤に遭遇する場合、あるプロセス(例えば、溶出プロセスまたは他の分解プロセス、概して、本明細書では、便宜上、溶出プロセスと称され、分解の機構を無視する)が、開始し得、それによって、製剤は、流体の存在下で分解し、本明細書では、流体化された製剤と称される、流体化された流体と製剤の組み合わせ(例えば、化学的組み合わせまたは流体担体内の粒子のスラリー)をもたらす。
【0084】
溶出プロセスが、開始し、流体化された製剤が、送達デバイスから拡散し始めると、溶出プロセスが完了し、流体化された製剤の多くまたは全てが、環境の流体の中に拡散するまで、送達デバイスの外部より高い濃度の流体化された製剤が、送達デバイス内に存在するであろう。溶出プロセス(単独で、または他のプロセスと組み合わせて)を用いた、送達デバイスから外への流体化された製剤の拡散のプロファイルは、本明細書では、便宜上、溶出プロファイルと称される。送達デバイスは、製剤または製剤内の作用物質の事前に定義された溶出プロファイルを提供するように設計されることができる。事前に定義された溶出プロファイルは、一般的プロファイルであることができる、または具体的環境条件(例えば、予期される温度、pH、湿度、運動等、または特定の流体タイプ、タンパク質、もしくは他の分子の予期される存在、および/またはその濃度)のために設計されることができる。
【0085】
所与の溶出プロファイルを提供するための送達デバイスの設計は、限定ではないが、シェルの構成要素部分の材料の選択、シェルサイズおよび形状の設計、シェル空洞サイズおよび形状の設計、シェルオリフィスサイズ、形状、および位置の設計、ならびに、該当する場合、オリフィスを充填、被覆、または遮断する、もしくは別様に、部分的または完全に、オリフィスを通した材料(例えば、流体、半固体材料、微粒子)の通過を防止または最小限にするためのプラグまたはカバー(そのいずれも、以降、議論を容易にするために、プラグと称される)の設計を含む。プラグは、分解性または非分解性であることができる。
【0086】
1つまたはそれを上回る実施形態では、プラグは、シェルに取り付けられることができる(例えば、熱かしめ、圧縮、接着剤によって)。1つまたはそれを上回る実施形態では、プラグは、シェルのオリフィス内に配置されることができる。
【0087】
1つまたはそれを上回る実施形態では、プラグは、ある材料の通過を可能にしながら、他の材料の通過を最小限にまたは防止するための形態にあることができる。そのようなプラグ内で使用され得る、材料の実施例は、メッシュおよび膜である。
【0088】
1つまたはそれを上回る実施形態では、膜等のプラグは、1つの方向において、ある材料の通過を可能にしながら、対向方向において、そのような材料の通過を最小限にまたは防止することができる。
【0089】
1つまたはそれを上回る実施形態では、分解性プラグは、特定の溶出プロファイルのために所望されるとき、時間遅延を提供することができる。そのようなプラグの材料選択、厚さ、および形状は、プラグが所与の環境内で分解する、様式および率を定義する。
【0090】
1つまたはそれを上回る実施形態では、分解性プラグまたは非分解性プラグが、シェルのオリフィスにおいて使用されることができる。1つまたはそれを上回る実施形態では、分解性と非分解性のプラグの組み合わせが、シェルの同一オリフィスにおいて使用されることができる。1つまたはそれを上回る実施形態では、プラグは、分解性および非分解性材料の両方から形成され、異なるプラグ特性を溶出プロファイルの異なる時間に提供することができる。
【0091】
図4A-4Dは、シェル405の端部407を完全に横断して延在する、オリフィス408のためのプラグの実施形態の実施例を図示する(図1Aにおけるシェル105のオリフィス108に類似する)。図4Aは、シェル405によって画定された空洞410内に配置される、プラグ415を図示する。図4Bは、プラグ420を定位置に保持する(例えば、圧縮力によって、シェル405の辺縁にわたるスナップ嵌合によって)、またはプラグ420によって形成される障壁を延在させる等のために、シェル405の端部407にわたって配置され、シェル405の外側の周囲に巻着する、プラグ420を図示する。図4Cは、部分的に、空洞410内に、部分的に、シェル405の外部に配置される、プラグ425を図示する。図4Dは、完全に、シェル405の外部に配置されるが、図4Bに図示されるプラグ420または図4Cに図示されるプラグ425のように、シェル405の周囲に巻着するように設計されない、プラグ430を図示する。
【0092】
図5A-5Dは、シェル505の端部507を部分的に横断して延在する、オリフィス508のためのプラグの実施形態の実施例を図示する(図2Aにおけるシェル205のオリフィス208に類似する)。図5Aは、シェル505によって画定された空洞510内に配置される、プラグ515を図示する。図5Bは、シェル505の端部507にわたって配置され、シェル505の外側の周囲に巻着する、プラグ520を図示する。図5Cは、部分的に、空洞510内に、部分的に、シェル505の外部に配置される、プラグ525を図示する。図5Dは、完全に、シェル505の外部に配置されるが、図5Bに図示されるプラグ520または図5Cに図示されるプラグ525のように、シェル505の周囲に巻着するように設計されない、プラグ530を図示する。
【0093】
接着剤材料(図示せず)が、プラグ415、420、425、430のいずれかをシェル405に、またはプラグ515、520、525、530のいずれかをシェル505に取り付けるために使用されることができる。代替として、または加えて、プラグ415、420、425、430、515、520、525、530のいずれかは、シェル405または505(該当する場合)に対して押圧されると、設計された時間周期にわたって、シェル405または505に取り付けられたままであるように、シェル405または505に共形化する、もしくはそれに接着する、材料から形成されることができる。
【0094】
プラグ(例えば、415、420、425、430、515、520、525、530)は、一体的に形成されることができる、または複数の層内に形成されることができる。プラグまたはその1つまたはそれを上回る層は、1つまたはそれを上回る分解性材料を含むことができる。したがって、例えば、図4Cにおけるプラグ425および図5Cにおけるプラグ525は、それぞれ、2つの層を有するように図示されるが、プラグ425、525の一方または両方は、一体的に形成されることができる。
【0095】
プラグは、生物学的環境内に実装されるように設計されることができる。故に、プラグは、生体適合性材料を使用した実装のために設計されることができ、いくつかの実施形態では、材料はまた、分解性であることができ、さらに、生体分解性であることができる。そのような材料は、ポリマー(例えば、PLA、PGA、PLGA、PLLA、PGLA、PEG、PCL、前述のいずれかのポリマーと別の材料または複数の材料の組み合わせ、前述のうちの任意の2つまたはそれを上回るものの組み合わせ)、金属(例えば、Mg、Fe、W、Zn、Y、Nd、Zr、Pd、Mn、前述のいずれかの金属と別の材料または複数の材料の組み合わせ、任意の前述の金属の合金、前述のいずれかのうちの2つまたはそれを上回るものの組み合わせ)、金属ガラス(例えば、SrまたはCaに基づくもの)、澱粉、糖、他の生体分解性材料、または前述のうちの任意の2つまたはそれを上回るものの組み合わせを含む。そのような材料はさらに、ヒドロゲル(親水性ポリマー鎖)を含む。生体分解性材料は、分解率、分解に先立った、またはその間の剪断強度、脆性、引張強度、耐久性、屈曲性、生体分解性材料を組み込むプラグの製造性、プラグ(または送達デバイスの他の構成要素)において使用される他の材料との適合性、材料安定性(例えば、保存期間)、温度制約、酸性制約等の特定のプラグのための所望の性質に基づいて、選択されることができる。
【0096】
1つまたはそれを上回る実施形態では、送達デバイスのプラグは、PGAから形成され、1つまたはそれを上回る実施形態では、送達デバイスのプラグは、PLAから形成される。PGAおよびPLAは、異なる分解率を有する。1つまたはそれを上回る実施形態では、送達デバイスのプラグは、PLA-PGA混成物から形成され、PGAまたはPLAのみと比較して、異なる分解時間を選択する。他の分解時間も、加えて、または代替として、異なる材料を使用することによって、達成されることができる。例えば、プラグは、PLAおよびMgを含むことができる。
【0097】
図3Jの説明に関して上記に導入されるように、送達デバイスは、複数のチャンバを含有することができ、送達デバイスのシェルの空洞が、異なるチャンバの中に分離されることを意味する。チャンバへの分離は、例えば、複数のチャンバをシェルの中に成型することによって、または構造をシェル内に追加し、空洞を分割することによって、行われることができる。チャンバは、必ずしもではないが、相互から完全に隔離されることができ、1つまたはそれを上回る実施形態では、チャンバは、相互から完全に隔離されず、1つのチャンバ内の材料が近隣チャンバに流動することを可能にされ得ることを意味する。1つまたはそれを上回る実施形態では、2つのチャンバ間の壁は、オリフィスを画定し、チャンバのうちの1つから他のチャンバに一方向性に、またはチャンバ間で双方向に、材料の制御された分散を可能にするように設計されることができる。そのような実装は、例えば、材料の制御された混合を提供する、または送達デバイスの外部へのオリフィスと連通するチャンバへの材料の徐放性の放出を提供する、もしくは他の目的のために有用であり得る。1つまたはそれを上回る実施形態では、2つのチャンバ間のオリフィスは、プラグ(例えば、図4A-4D、5A-5Dに関して説明されるプラグのうちの1つに類似する)によって遮断され、プラグは、分解性材料、非分解性材料、または分解性と非分解性材料の組み合わせから成ることができる。非分解性プラグは、シェルのチャンバ間で使用され、例えば、複数の構成における単一シェル設計の使用を可能にすることができる(例えば、チャンバが完全に分離される、構成に対して、チャンバが相互に開放する、またはその間のオリフィス内のプラグの分解後、相互に開放した状態になる、構成)。分解性プラグは、チャンバ間で使用され、例えば、事前に定義された溶出プロファイルを実装することに関して、設計遅延を追加することができる(例えば、図7C図7D図8A図8B、およびその説明参照)。
【0098】
図6Aは、シェル605が、空洞610内に配置される(例えば、シェル605と一体型、またはその中に位置付けられる)壁615によって2つのチャンバ611、612に分割される、空洞610を画定することを除き、図1Aにおけるシェル105に類似する、シェル605の実施例を断面図において図示する。図6Bは、シェル605の実施形態を斜視図において図示し、壁615が、空洞610内に延在し、チャンバ611、612を形成することを示す。図6Cは、シェル605の実施形態の開放端に面して見られる際のシェル605を図示する。壁615およびチャンバ611、612の実施例は、シェル605に関して、例証として提供され、他のシェル設計(例えば、シェル125、145、165、205、225、245、265、または他のシェル)にも適用可能である。さらに、壁の他の位置および形状、したがって、チャンバの他の形状および相対的サイズも、本開示の範囲内であって、複数の壁が、3つまたはそれを上回るチャンバを画定することができる。
【0099】
図7Aは、チャンバ611を遮断するためのプラグ705と、チャンバ612を遮断するためのプラグ710とを組み込む、シェル605の実施例を図示する。プラグ705、710は、図示される設計に限定されず、シェル605および壁615の設計に適用可能な多くの異なる形態のいずれかをとることができることを理解されたい。さらに、付加的または代替プラグも、図4A-4Dに図示されるプラグのうちの1つまたはそれを上回るもの等、シェル605に対して使用されることができる。
【0100】
図7Bは、プラグ705が省略され、プラグ715が空洞610を遮断するために追加されている、図7Aの構成におけるシェル605の実施例を図示する。
【0101】
1つまたはそれを上回るプラグが、チャンバの任意の壁を通して、材料の流動を遮断するために使用されることができる。
【0102】
図7Cは、付加的プラグ720が、チャンバ611、612間の壁615によって画定されたオリフィス725内に配置される、図7Aの構成におけるシェル605の実施例を図示する。
【0103】
図7Dは、付加的プラグ735が、チャンバ611、612間の壁615によって画定されたオリフィス730内に配置される、図7Bの構成におけるシェル605の実施例を図示する。
【0104】
本開示の実施形態による、送達デバイスが、所望の溶出プロファイルを実装するように設計され得る方法を図示するために、実施例が、次に、図8A、8Bに関して説明されるであろう。
【0105】
図8Aは、図7Cのシェル605構成を含み、第1の製剤805が、チャンバ611内に配置され、第2の製剤810が、チャンバ612内に配置される、送達デバイス800を図示する。
【0106】
図8Aにおける送達デバイス800に関する第1の実施例では、第1の製剤805は、調製用製剤であって、第2の製剤810は、療法用製剤であって、送達デバイス800を囲繞する環境は、流体(例えば、生物学的物質、消化物質)である。本実施例では、プラグ705の分解率は、プラグ705が流体がシェル605を囲繞する環境からチャンバ611の中に通過しないように遮断するより長く、プラグ710が流体がシェル605を囲繞する環境からチャンバ612の中に通過しないように遮断するように、プラグ710の分解率より高速であるように設計される。身体内への(例えば、標的場所における)設置後、送達デバイス800は、流体に暴露される。プラグ705は、標的場所における流体への暴露後、分解し始めるように設計される(例えば、実質的に直ちに、または流体のpHが、事前に定義された範囲内になる、もしくは事前に定義された閾値を超えると、または事前に定義された時間周期後、もしくは別の定義された条件が生じた後)。プラグ705の分解率に応じて、流体は、最終的に、プラグ705を破壊し、チャンバ611に進入するであろう。調製用製剤(第1の製剤805)は、チャンバ611から環境に破壊されたプラグ705を通して拡散し、療法用製剤の送達のための環境を調製する(第2の製剤810)。
【0107】
調製用製剤は、例えば、浸透増強剤、酵素遮断薬、粘膜を通して浸透する、ペプチド、プロテアーゼ阻害薬等の抗ウイルス性薬物、崩壊剤またはスーパー崩壊剤、pH修正剤、血管拡張剤、または他の製剤であることができる、もしくはそれを含むことができる。
【0108】
図8Aに関する第1の実施例を継続すると、流体が、チャンバ611に進入すると、プラグ720は、分解し始める(例えば、実質的に直ちに、または流体のpHが、事前に定義された範囲内になる、もしくは事前に定義された閾値を超えると、または事前に定義された時間周期後、もしくは別の定義された条件が生じた後)。プラグ720の分解率に応じて、流体は、最終的に、プラグ720を破壊し、チャンバ612に進入するであろう。続いて、療法用製剤(第2の製剤810)が、チャンバ612からチャンバ611に、次いで、環境に拡散する。オリフィス725は、チャンバ611とチャンバ612との間の任意の場所に位置付けられることができることに留意されたい。したがって、例えば、オリフィス725(したがって、プラグ720)は、調製用製剤が、療法用製剤が環境内に存在する前に、環境内で最大作用時間を有することが好ましい、場合等において、プラグ705から最も遠い壁615の一部に位置付けられ、第1の製剤805の実質的パーセンテージが、破壊されたプラグ705を通して環境に拡散するまで、プラグ720の分解を遅延させることができる。別の実施例に関して、調製用製剤が療法用製剤と並行して環境内に存在することが好ましい、場合では、オリフィス725(したがって、プラグ720)は、プラグ705のより近くに位置付けられることができる。
【0109】
図8Aにおける送達デバイス800に関する第1の実施例では、プラグ710の分解率は、その間、(a)プラグ705が、流体がチャンバ611の中に通過することを可能にするために十分に分解し、(b)プラグ720が、続いて(流体がチャンバ611の中に通過した後)、流体がチャンバ612の中に通過することを可能にするために十分に分解する、時間周期より低速であるように設計される。プラグ710が、破壊された後、療法用製剤(第2の製剤810)は、チャンバ611を通して、次いで、破壊されたプラグ705を通して通過することによって、また、破壊されたプラグ710を通して通過することによって、拡散する。送達デバイス800に関する第1の実施例のための溶出プロファイルグラフの実施例は、以下の通りである(グラフ1)。
【表1】
【0110】
図8Aにおける送達デバイス800に関する第2の実施例では、プラグ710は、非分解性である、または(環境から、および/またはチャンバ612からの)流体への暴露に起因した、プラグ710の破壊に対する時間周期が、療法用製剤(第2の製剤810)が、チャンバ612からチャンバ611を通して環境に実質的に拡散した後であるように設計されるような分解率を有する。送達デバイス800に関する第2の実施例のための溶出プロファイルグラフの実施例は、以下の通りである(グラフ2)。
【表2】
【0111】
図8Aにおける送達デバイス800に関する第3の実施例では、プラグ710は、数分、数時間、数日、数週間、数ヶ月、またはより長く等、プラグ705の破壊に対して予期される時間より長い時間周期にわたって、分解からの破壊に抵抗するように設計され、プラグ720は、非分解性である、またはプラグ710より低速な率で分解する。本実施例では、第1の製剤805および第2の製剤810は、実質的に同一成分材料を含むことができる、または異なる材料を含むことができる。例えば、第2の製剤810は、第1の製剤805の後続用量であることができる(例えば、免疫化ブースタのため、または単一送達デバイスを用いた複数回の投薬のため)、第1の製剤805内の1つまたはそれを上回る作用物質によって治療される条件の異なる側面を治療するための異なる作用物質を含むことができる、第1の製剤805内の作用物質と異なる目的のための、または第1の製剤805内の作用物質と異なる条件を治療するための異なる作用物質であることができる、もしくは他の作用物質とともに、第1の製剤805を含む、製剤であることができる。送達デバイス800に関する第3の実施例のための溶出プロファイルグラフの実施例は、以下の通りであって(グラフ3)、第2の製剤810の拡散は、約プラグ705の破壊時(例えば、A)またはプラグ705の破壊後(例えば、B、例えば、C))のいずれかにおける、プラグ710の破壊に関する異なる時間に対応して示される。
【表3】
【0112】
図8Bは、図7Dのシェル605構成を含み、第3の製剤815が、チャンバ611内に配置され、第4の製剤820が、チャンバ612内に配置される、送達デバイス850を図示する。プラグ715は、流体への暴露後、分解するように設計されることができる(例えば、実質的に直ちに、または流体のpHが、事前に定義された範囲内になる、もしくは事前に定義された閾値を超えると、または事前に定義された時間周期後、もしくは別の誘因条件が生じた後)。そのような場合では、プラグ715の分解率に応じて、流体は、最終的に、プラグ715を破壊し、チャンバ611に進入するであろう。第3の製剤815は、チャンバ611から環境に破壊されたプラグ715を通して拡散する。
【0113】
図8Bに関する第1の実施例では、プラグ735は、非分解性であって、流体が、破壊されたプラグ715を通して、チャンバ611に進入すると、プラグ710は、分解し始める(例えば、実質的に直ちに、または流体のpHが、事前に定義された範囲内になる、もしくは事前に定義された閾値を超えると、または事前に定義された時間周期後、もしくは別の誘因条件が生じた後)。プラグ710の分解率に応じて、流体は、最終的に、プラグ710を破壊し、チャンバ612に進入するであろう。第4の製剤820は、チャンバ612から空洞610に、次いで、環境に、破壊されたプラグ715を通して拡散する。
【0114】
図8Bに関する第2の実施例では、プラグ735は、分解性であって、流体が、破壊されたプラグ715を通して、チャンバ611に進入すると、プラグ735は、分解し始める(例えば、実質的に直ちに、または流体のpHが、事前に定義された範囲内になる、または事前に定義された閾値を超えると、または事前に定義された時間周期後、もしくは別の誘因条件が生じた後)。プラグ735の分解率に応じて、流体は、最終的に、プラグ735を破壊し、チャンバ612に進入するであろう。第4の製剤820は、チャンバ612からチャンバ611に、次いで、環境に、破壊されたプラグ735を通して、可能性として、また、図8Bに関する第1の実施例に関して説明されるように、破壊されたプラグ710を通して、拡散する。オリフィス730(図7D)は、チャンバ611とチャンバ612との間の任意の場所に位置付けられることができることに留意されたい。したがって、例えば、オリフィス730(したがって、プラグ735)は、プラグ705から最も遠い壁615の一部に位置付けられ、第3の製剤815の実質的パーセンテージが、破壊されたプラグ715を通して環境に拡散するまで、プラグ735の分解を遅延させることができる。別の実施例に関して、オリフィス730(したがって、プラグ735)は、プラグ715のより近くに位置付けられることができる。
【0115】
図8Aの他の実施形態では、シェル605またはその一部も、プラグ705、710、720の代替として、もしくは加えて、分解性であることができる。図8Bの他の実施形態では、シェル605またはその一部も、プラグ710、715、735の代替として、または加えて、分解性であることができる。さらに、前述の実施形態または他の実施形態のいずれかでは、壁615またはその一部も、分解性であることができる。故に、所望の溶出プロファイルが、判定され、次いで、分解性構成要素(例えば、シェル、壁、および/またはプラグ)の組み合わせを使用して、実装されることができる。
【0116】
図8Aおよび8Bならびにその説明から分かるように、本明細書に説明されるような送達デバイスは、ワクチン接種のために、複数の投薬、単一デバイスを用いて異なる時間に複数の作用物質を送達するために、投薬量を経時的に増加させるために、療法用計画に従って作用物質を経時的に変化させるために等において、提供されることができる。
【0117】
上記に記載されるように、空洞内に複数のチャンバを画定する、壁(例えば、壁615)自体も、分解性であることができる。したがって、分解性材料は、壁内にプラグを使用することに加えて、またはその代替として、壁を構築するためにも使用されることができる。例えば、プラグを含む、壁に関して、プラグは、壁が分解する(破壊される)ように設計されるより迅速に分解する(破壊される)ように設計され、溶出プロファイルが、プラグが分解し始め、次いで、実質的に完全に分解するにつれて、少量の製剤がチャンバから拡散され、その後、壁が分解し始め、次いで、実質的に完全に分解するにつれて、チャンバからの製剤の拡散の増加量が続くように設計されることを可能にすることができる。
【0118】
図9は、2つの壁910、915が、シェル905によって画定された空洞を3つのチャンバ920、921、922に分割する、シェル905の実施例を図示し、壁が、シェル内の任意の点および任意の配向において位置付けられることができることを図示する。分解性プラグおよび/または分解性壁材料が、上記に議論されるように、所望の溶出プロファイルに従って、チャンバ920、921、922のうちの1つまたはそれを上回るものからの製剤の拡散を防止する、最小限にする、可能にする、もしくは助長するために使用されることができる。
【0119】
図10は、構造1010がシェル1005によって画定された空洞1020の中に設置され得るように、相互から独立して製造される、シェル1005と、壁およびチャンバ構造1010とを組み込む、送達デバイス1000の実施例を図示する。構造1010は、空洞1020内で移動可能であることができる、または、概して、その中で移動可能ではないように、空洞1020内に嵌合されることができる。分解性プラグおよび/または分解性壁材料が、上記に議論されるように、所望の溶出プロファイルに従って、シェル1005から、および構造1010によって画定された1つまたはそれを上回るチャンバ(例えば、チャンバ1030、1031、1032)からの製剤の拡散を防止する、最小限にする、可能にする、または助長するために使用されることができる。さらに、空洞1020内への構造1010の位置付けは、空洞1020内の構造1010のサイズ、形状、および設置に応じて、空洞1020内の付加的チャンバ(例えば、チャンバ1040、1050)を構造1010の周囲に画定することができる。
【0120】
図11-15は、複数のオリフィスを含む、送達デバイスの実施形態のいくつかの実施例を図示し、それぞれ、スライス図に示される(例えば、送達デバイスのシェルの長手方向軸(x-軸)に沿って、x-y-z定義域のx-y平面において)。
【0121】
図11は、シェル1105を図示し、これは、両端において完全に開放し、プラグ1110が、シェル1105の一端の中に嵌合され、プラグ1115が、シェル1105の別の端部にわたって嵌合される。図12は、シェル1205を図示し、これは、一端において完全に開放し、プラグ1210が、完全開放端の中に嵌合される。シェル1205は、別の端部において部分的に開放し、部分的開放端の中に嵌合される、プラグ1215を有する。図13は、シェル1305を図示し、これは、一端において完全に開放し、プラグ1310が、完全開放端の中に嵌合され、別の端部において部分的に開放し、プラグ1315が、部分的開放端の中に嵌合され、プラグ1320が、プラグ1315にわたって、およびシェル1305の部分的開放端にわたって、配置される。
【0122】
図14は、シェル1405を図示し、これは、一端において完全に開放し、プラグ1410が、完全開放端の中に嵌合され、別の端部において部分的に開放し、プラグ1415が、部分的開放端の中に嵌合される。コーティング1420が、シェル1405およびプラグ1410、1415の外部全体を被覆する。コーティングは、下記に詳細に議論される。
【0123】
図15は、シェル1505を図示し、これは、2つの端部において完全に開放し、2つのプラグ1510、1515が1つずつ、各端部の中に嵌合される。シェル1505は、壁1520をシェル1505によって画定された空洞内に含む。
【0124】
図16は、シェル1605の外側から視認される(すなわち、断面ではない)、シェル1605を図示する。シェル1605は、同一視点から視認可能である(例えば、同一面に沿って、同一平面に沿って、または異なる平面もしくは表面にあるが、その両方とも、シェル1605の外部の同一点から視認可能である)、2つのオリフィス1610、1615を画定する。プラグ1620が、オリフィス1610内に配置され、オリフィス1615は、開放されたままである。壁1625が、シェル1605の内部に配置される。
【0125】
図17は、シェル1705の外側から視認される、シェル1705を図示する。シェル1705は、その中にプラグ1715が配置される、オリフィス1710を画定する。シェル1705の内部に配置される、壁1720は、その中にプラグ1730が配置される、オリフィス1725を画定する。
【0126】
図1A-1E、2A-2D、3A-3J、4A-4D、5A-5D、6A-6C、7A-7D、8A、8B、9-17に関して図示および上記に説明される実施例ならびに後続議論から、送達デバイスは、本開示の実施形態によると、所望の溶出プロファイルに従って、製剤(またはその作用物質)を送達するように設計されることができ、さらに、特定の標的部位における送達のために設計されることができることが理解され得る。これらの図は、本開示によって包含される、シェル、壁、およびプラグの多くの組み合わせのうちのいくつかを図示する。送達デバイスは、任意の方向から視認される際、任意の断面形状を有することができ、断面形状は、送達デバイスの長さに沿って変動し得ることに留意されたい。図3A-3Jは、送達デバイスの端部から視認される際の形状のいくつかの実施例を提供し、任意の他の形状もまた、本開示の範囲内である。
【0127】
図1Eに関して導入されるように、送達デバイスは、標的送達部位において、材料を通して穿通する等のために、先鋭部分を装備することができる。
【0128】
図18-23は、送達デバイスが先鋭を含む、付加的実施例の例証を提供し、それぞれ、スライス図に示される(例えば、送達デバイスのシェルの長手方向軸(x-軸)に沿ったx-y-z定義域のx-y平面において)。
【0129】
図18-20におけるプラグはそれぞれ、プラグが、少なくとも、標的送達部位における物質を通した対応する送達デバイスの横断の第1の部分の間、その形状を実質的に留保し得るような材料から構築される。例えば、送達デバイスは、膜を通して、器官(例えば、心臓、腸、胃、脳、生殖器官、または他の器官)の壁の中にまたはそれを通して、筋肉の中にまたはそれを通して、もしくは結合組織の中にまたはそれを通して等、身体内の組織を通して送達されることができ、プラグは、組織の中へのおよび/またはそれを通した運動を助長する様式において、かつそのための材料を用いて、構築される。
【0130】
図18は、その中にプラグ1810が配置される、完全開放端を有する、シェル1805を含む、送達デバイス1800を図示する。
【0131】
図19は、その中にプラグ1910が配置される、完全開放端を有する、シェル1905を含む、送達デバイス1900を図示する。
【0132】
図20は、その中にプラグ2010が配置される、完全開放端を有する、シェル2005を含む、送達デバイス2000を図示する。本実施例では、シェル2005は、例えば、図1Eに関して説明されるような先鋭端を有する。シェル2005の先鋭端は、先鋭端が、少なくとも、標的送達部位における物質を通した送達デバイス2000の横断の第1の部分の間、その形状を実質的に留保し得るような材料から構築される。例えば、送達デバイス2000は、膜を通して、器官(例えば、心臓、腸、胃、脳、生殖器官、または他の器官)の壁の中にまたはそれを通して、筋肉の中にまたはそれを通して、もしくは結合組織の中にまたはそれを通して等、身体内の組織を通して、送達されることができ、シェル2005は、組織の中へのおよび/またはそれを通した運動を助長する様式において、かつそのための材料を用いて、構築される。シェル2005の先鋭端は、破壊に対する先鋭端の抵抗を増加させる等のために、シェル2005の他の部分と異なる材料から構築されることができる、またはシェル2005は、先鋭端を含む、シェル2005の全体を通して、同一材料または材料の組み合わせから構築されることができる。1つまたはそれを上回る実施形態では、シェル2005の先鋭端における破壊に対する抵抗は、先鋭端における材料の厚さを増加させることによって、増加される。1つまたはそれを上回る実施形態では、シェル2005の先鋭端における破壊に対する抵抗は、金属または炭素フィルムコーティングを先鋭端にわたって追加すること等によって、コーティングを先鋭端にわたって追加することによって、増加される。
【0133】
図21-23は、金属、炭素、複合材、または他の硬質材料等の硬質材料から構築される、先端を追加することによって、シェル(例えば、シェル2005)の先鋭端における破壊に対する抵抗の増加を図示する。そのような先端は、薄平坦部片であることができる、または、概して、軸の周囲に一貫したプロファイルを有することができる、もしくは軸の周囲に変動プロファイルを有することができる。
【0134】
図21は、その中で先端2120が、シェル2105の端部における材料を補強する等のために、シェル2105の端部における材料内に埋設される、シェル2105を図示する。
【0135】
図22は、その中で先端2220が、シェル2205の端部における材料内に埋設され、それを通して突出する、シェル2205を図示する。
【0136】
図23は、その中で先端2320が、シェル2305の端部における材料内に埋設され、それを通して突出する、シェル2305を図示する。先端2320は、先端2320を空洞2330内のある配向および/またはある位置に安定させる等のために、シェル2305によって形成される、空洞2330を完全に横断して延在し、空洞2330内のシェル2305の少なくとも一部に触れる。
【0137】
図24A-24Cは、送達デバイス2400(例えば、図21のシェル2105の実施形態)を形成するための技法の実施例を図示する。図24Aは、その中に先端2410が位置付けられる、シェル金型2405(例えば、射出金型)を図示する。図24Bは、シェル金型2405内に成型される、シェルフレーム2415と、シェルフレーム2415内に埋設される、先端2410とを図示する。シェルフレーム2415は、空洞2420を画定する。図24Cは、空洞2420内に配置される、丸薬形状の製剤2425と、製剤2425にわたって配置される、断熱材料2430の随意の層とを図示する。断熱材料2430の実施例は、スクロース、マルトース、PEO、およびポリビニルアルコール(PVA)を含む。
【0138】
図24Dは、シェルフレーム2415がシールされた(例えば、熱かしめまたは別様に熱シールされた)後の送達デバイス2400を図示する。結果として生じるシールは、空洞2420を閉鎖し、送達デバイス2400のシェル2450の端部を横断して形成される、プラグ2455を残す。
【0139】
送達デバイス自体が、別の送達デバイスのための装填物であることができる。例えば、送達デバイス2400は、カプセルの内側に、または送達デバイス2400を筐体から外に(例えば、ヒト組織の中に)駆出する機構である、筐体内のばね荷重もしくは他の機械的機構の内側に含有されることができる。
【0140】
図25A、25Bは、それ自体が自給式容器の形態における送達デバイスである、装填物を図示する。
【0141】
図25Aは、シェル2510を含み、プラグ2520が、シェル2510の端部を閉鎖する、送達デバイス2500を図示する。装填物2530が、シェル2510内に配置され、プラグ2520がプラグ2520の破壊を可能にするために十分に分解するまで、シェル2510の外側の環境から保護される。装填物2530は、自給式容器であって、これは、流体を含むことができる。シールキャップ2540が、装填物2530にわたって配置され、装填物2530によって、緊張構成に維持される。例えば、シールキャップ2540は、アルミニウム箔またはポリマー材料であることができ、これは、接着剤によって、または熱かしめによって、もしくは振動かしめによって、装填物2530の本体部分に接着される。シールキャップ2540は、流体が装填物2530に進入しないように阻止する、最小限にする、または防止する。
【0142】
送達デバイス2500はさらに、図25A、25Bに描写される穿刺機構2550等の穿刺機構を含む。穿刺機構2550は、分解性オーバーモールド2560によって、予解放形態に保持される。例えば、オーバーモールド2560は、糖組成物、PEO組成物、または別の物質もしくは組成物から形成されることができ、これは、概して、流体の存在下において、または具体的化学組成物の存在下において、分解する。
【0143】
プラグ2520が、破壊されると、流体が、プラグ2520を通して通過し、シェル2510の内部に到達する。シールキャップ2540が、流体を防ぐ。オーバーモールド2560が、流体の存在下で分解し、最終的には、十分に分解され、穿刺機構2550が解放することを可能にする。図25Bに図示されるように、穿刺機構2550は、いったん解放されると、装填物2530のシールキャップ2540を穿刺し、流体が装填物2530に進入する(またはそこから退出する)ことを可能にする。装填物2530はまた、随意に、設計された分解プロファイルを有することができる。設計された分解プロファイルの実施例は、本開示全体を通して見出される。例えば、装填物2530自体が、いくつかの実施形態では、本開示の送達デバイスの実施形態等の送達デバイスであることができる。
【0144】
オーバーモールド2560は、ある時間周期にわたって、分解に耐えるように設計されることができる。例えば、オーバーモールド2560の厚さまたは組成は、数秒または数分もしくは数時間の分解の設計時間周期を提供するように調節されることができる。
【0145】
図26A、26Bは、電子機器を含有する、送達デバイスの実施形態の実施例を図示する。種々の実施形態によると、本開示のある実施形態における、電子機器とともに含まれる、またはそれと関連付けられる、構成要素は、受信機、送信機、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、電力管理回路網、バッテリ、および/または遠隔で充電するためのバッテリ充電器インターフェース、もしくは他の回路網のうちの1つまたはそれを上回るものに対応し得る。プロセッサおよび種々の回路網は、プロセッサまたは回路網を所望の方式において制御するためのハードウェアに組み込みの命令、ファームウェア、またはソフトウェア等の命令を含んでもよいことを理解されたい。
【0146】
図26Aは、シェル2610を含み、プラグ2620が、シェル2610の端部を閉鎖する、送達デバイス2600Aを図示する。送達デバイス2600Aは、随意に、装填物(例えば、療法用製剤、対応する穿刺機構が送達デバイス2600Aとともに組み込まれる、図26A、26Bにおける装填物2530、または他の装填物)を含むことができる。プラグ2620は、標的環境内で、プラグ2620の破壊を可能にするために十分に分解し、流体が、次いで、送達デバイス2600Aに進入することができる。送達デバイス2600Aは、電子機器2630と、電子機器2630に電気的に結合される、アンテナ2640とを含む。電子機器2630は、2つの電極間の抵抗または静電容量の変化を検出すること等によって、流体の存在を検出し、アンテナ2640を用いて、信号を外部デバイスに伝送する等のタスクを実施することができる。ある実施形態では、送達デバイス2600Aは、腫瘍部位を検出する、出血している面積を検出する、またはその時点で、それを上回ると、もしくはそれを下回ると、プラグ2620が分解するように設計される、pHレベルを有する、場所における送達デバイス2600Aの到着を示す等のために、プラグ2620を分解する、化学組成物の存在を検出するために使用されることができる。
【0147】
図26Bは、送達デバイス2600Bが、図26Bに図示されるように、プラグ2620の近傍に位置付けられる電子機器2630と比較して、プラグ2620から離れるように送達デバイス2600Bの端部に位置付けられる電子機器2630を含むことを除き、図26Aに類似する。図26Bでは、製剤(図示せず)が、送達デバイス2600B内に配置されることができ、プラグ2620が、破壊された後、製剤は、送達破壊されたプラグ2620を通してデバイス2600Bに進入する流体への暴露に応じて、分解し始めることができる。最終的に、電子機器2630は、製剤の分解によって流体に暴露され、電子機器2630は、流体を検出することができ、アンテナ2640を通して、流体が検出されたことを示す、信号を伝送することができる。そのような構成は、例えば、製剤が、概ね、送達デバイス2600Bから外に拡散したことを信号伝達するために使用されることができる。図26A、26Bに図示される実施形態に類似する、ある実施形態では、電子機器2630は、それぞれ、製剤の一部が拡散したとき(例えば、約30%が、拡散したとき、または約50%が、拡散したとき、もしくは約75%が、拡散したとき)、信号を提供し、対象の外部に、薬物が送達されていること、または新しい用量の時間であることの情報を提供する等のために、送達デバイス2600Aまたは2600Bの端部間のある点に位置付けられることができる。
【0148】
センサが、流体を検出し、送達デバイス内に含まれる電子機器内の回路をトリガし、電子機器をウェイクアップ(例えば、低電力状態からより高い電力状態に遷移)させ、環境条件のログを記録する、製剤の送達を始動させる、または信号を伝送する等の機能を実施するために使用されることができる。
【0149】
上記に説明される送達デバイスは、送達デバイスの含有量を環境に受動的に拡散することを可能にする。ある場合には、含有量を圧力下に強いること等を通して、拡散率を増加させることが望ましい。例えば、送達デバイスは、送達デバイスの含有量が、圧力下で、送達デバイスから外に押動または圧搾されるように、送達デバイスの内部の圧力が送達デバイスの外部の圧力を上回る、技法を組み込むことができる。図27A、27B、28A、28B、29A、29B、30A、30B、31A、31B、32A、32Bは、ポンプを含む、送達デバイスの実施例を図示する。
【0150】
図27A、27Bでは、送達デバイス2700は、シェル2710と、シェル2710によって画定されたオリフィス2725内のプラグ2720と、プラグ2730と、ピストン2740と、拡張体2750とを含む。本実施形態では、プラグ2720は、流体への暴露または特定の化学組成物もしくは化学組成物系への暴露、またはある閾値の範囲内もしくはそれを上回るまたは下回るpH値を有する、環境への暴露等の定義された環境条件への暴露に応じて、分解するように設計される。プラグ2730は、その中でプラグ2720が分解する、定義された環境条件下では、分解に耐えるように設計される。プラグ2730は、プラグ2730を通した流体の通過を可能にするように設計される。1つまたはそれを上回る実施形態では、プラグ2730は、複数のオリフィスを画定する。1つまたはそれを上回る実施形態では、プラグ2730は、メッシュまたは膜である、もしくはそれを含む。
【0151】
ピストン2740(および本開示の他の実施形態におけるピストン)は、分解性または非分解性であることができる。しかしながら、概して、本開示による、ピストンは、送達デバイス内に配置される製剤が、所望の溶出プロファイルに従って、送達デバイスから外に完全に拡散することを可能にするために十分な時間にわたって、分解に耐えるように構造化される。ピストン内で使用され得る、分解性材料の実施例は、PLA、PLGA、Mg、または前述のうちの2つまたはそれを上回るものの組み合わせを含む。
【0152】
拡張体2750は、ヒドロゲルおよび塩である、またはそれを含む。ヒドロゲルの実施例は、塩を装填されたPEOおよび/またはポリアクリルアミドである。送達デバイス2700内のその初期状態では、拡張体2750は、乾燥(例えば、脱水)しており、シェル2710、ピストン2740、およびプラグ2730によって画定された空洞2760内に着座し、ピストン2740に対して殆どまたは全く力を付与しない。送達デバイス2700が、流体に暴露されると、流体が、プラグ2730を経由して、送達デバイス2700に進入し、拡張体2750に到達し、これは、拡張し始め、したがって、ピストン2740に対して力を付与する。一方、プラグ2720が、分解し始め、最終的に、破壊され、流体が破壊されたプラグ2720を通して送達デバイス2700に進入することを可能にする。
【0153】
製剤2770が、シェル2710およびピストン2740によって画定された空洞2780内に配置される。流体が、破壊されたプラグ2720を通して、送達デバイス2700に進入するにつれて、流体が、空洞2780に進入し、製剤2770を分解し始める。流体化された製剤2790(図27B)が、製剤2770が分解するにつれて、空洞2780内に形成される。流体化された製剤2790は、製剤2770の構成に応じて、種々の稠度を有することができる。例えば、流体化された製剤2790は、高流体含有量または低流体含有量を有することができる。別の実施例に関して、流体化された製剤2790は、大粒子、小粒子、または種々の粒子サイズを含むことができる。さらなる実施例に関して、流体化された製剤2790は、疎水性または親水性であることができる。
【0154】
図27Bは、矢印によって示されるように、流体化された製剤2790がオリフィス2725を通して拡散することを図示する。プラグ2720が完全に分解された状態で、オリフィス2725を通して拡散するように図示されるが、拡散は、プラグ2720の完全な分解前に、プラグ2720が破壊された後、開始することができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、送達デバイス2700は、拡張体2750が、拡張し、力をピストン2740に付与し、ピストン2740に力を製剤2770に付与させ、したがって、流体化された製剤2790をオリフィス2725を通して押進させるまで、流体化された製剤2790が、最初に、空洞2780から受動的に拡散するように、拡張体2750が拡張し始める前に、プラグ2720が標的場所において破壊されるために設計される、(例えば、製剤2770に関する拡散を図示する、溶出プロファイルグラフ4参照)。他の実施形態では、送達デバイス2700は、プラグ2720が破壊されるまで、ピストン2740が、圧力を製剤2770に付与し、したがって、流体化された製剤2790をオリフィス2725を通して押進させるように、拡張体2750が拡張し始めた後に、プラグ2720が標的場所において破壊されるために設計される(例えば、製剤2770に関する拡散を図示する、溶出プロファイルグラフ5参照)。いずれの場合でも、ある時点において、流体化された製剤2790が、ピストン2740に対する拡張体2750の力および製剤2770に対するピストン2740の結果として生じる力に起因する圧力下において、オリフィス2725を通して、シェル2710から外に押進される。
【表4】

【表5】
【0156】
1つまたはそれを上回る実施形態では、送達デバイス2700が、プラグ2720の完全分解および拡張体2750の拡張が開始した後、ピストン2740がさらに移動することができなくなるまで、半一定率において、流体化された製剤2790を拡散させる。
【0157】
流体化された製剤が拡散される、率は、拡張体の材料の選択によって設計されることができる。例えば、拡張体2750の塩含有量は、ピストン2740に対する力を増加させるために増加されることができる。
【0158】
図28A、28Bでは、送達デバイス2800は、シェル2810と、プラグ2820と、シェル2810、プラグ2830、ピストン2840によって画定されたオリフィス2825と、拡張体2850と、シェル2810、プラグ2820、およびピストン2840によって画定された空洞2880内に配置される、製剤2870とを含む。本実施形態では、プラグ2820は、最初に、送達デバイス2800内に配置されるとき、乾燥ヒドロゲルである。送達デバイス2800が、流体に暴露された後、流体が、オリフィス2825を通して進入し、プラグ2820によって徐々に吸収され、これは、吸収に起因して、拡張する。ヒドロゲル内の流体は、プラグ2820と製剤2870との間の界面を横断して、製剤2870を分解し、流体化された製剤2890を形成し(図28B)、これは、部分的に、プラグ2820のヒドロゲル内に含有される。ピストン2840が、移動し始めるまで、流体化された製剤2890は、プラグ2820内に含有されない、またはプラグ2820によって遮断されない程度において、オリフィス2825を通して、送達デバイス2800から外に受動的に拡散する。
【0159】
プラグ2830は、標的環境における環境条件下、分解に耐えるように設計され、さらに、流体の通過を可能にするように設計される。1つまたはそれを上回る実施形態では、プラグ2830が、複数のオリフィスを画定し、流体の通過を可能にする。1つまたはそれを上回る実施形態では、プラグ2830は、メッシュまたは膜であって、もしくはそれを含み、流体の通過を可能にする。
【0160】
拡張体2850は、ヒドロゲルおよび塩である、またはそれを含む。送達デバイス2800内のその初期状態では、拡張体2850は、乾燥しており、ピストン2840およびプラグ2830によって画定された空洞2860内に着座し、ピストン2840に対して力を殆どまたは全く付与しない。送達デバイス2800が、流体に暴露されると、流体が、プラグ2830を経由して、送達デバイス2800に進入し、拡張体2850に到達し、これは、拡張し始め、したがって、ピストン2840に対して力を付与する。ピストン2840が、それに対して付与される力に起因して、移動するにつれて、ピストン2840が、ひいては、製剤2870に対して力を付与し、製剤2870が、ひいては、プラグ2820に対して力を付与する。プラグ2820に対する力は、流体(例えば、環境および流体化された製剤2890からの流体)をプラグ2820内のヒドロゲルから外に圧搾し、流体は、圧力下、オリフィス2825を通して拡散される。流体化された製剤が拡散される、率は、プラグ2820の材料および拡張体2850の材料の選択によって設計されることができる。例えば、拡張体2850の塩含有量は、ピストン2840に対する力を増加させ、プラグ2820のヒドロゲルの抵抗を克服するために増加されることができる。
【0161】
図29A、29Bでは、送達デバイス2900は、シェル2910と、シェル2910によって画定されたオリフィス2925および2926と、オリフィス2925に配置される、プラグ2920と、オリフィス2926に配置される、プラグ2921と、プラグ2930と、2つのピストン2940、2941と、拡張体2950と、壁2955とを含む。送達デバイス2900は、2つの製剤、すなわち、シェル2910、ピストン2940、壁2955、およびプラグ2920によって形成される空洞2980内に配置される、製剤2970と、シェル2910、ピストン2941、および壁2955によって形成される空洞2981内に配置される、製剤2971とを含有する。
【0162】
プラグ2920は、プラグ2921の材料に類似する材料またはプラグ2921の材料と異なる材料を含むことができる。プラグ2920、2921の一方または両方は、分解性であることができる(例えば、図27Aのプラグ2720と材料および/または機能が類似する)。プラグ2920、2921の一方または両方は、ヒドロゲルであることができる、またはそれを含むことができる(例えば、図28Aのプラグ2820と材料および/または機能が類似する)。プラグ2920、2921の一方または両方は、1つまたはそれを上回る分解性材料と、ヒドロゲルまたはヒドロゲル層とを含むことができる。
【0163】
プラグ2930は、標的環境における環境条件下で分解に耐えるように設計され、さらに、流体の通過を可能にするように設計される。1つまたはそれを上回る実施形態では、プラグ2930は、複数のオリフィスを画定し、流体の通過を可能にする。1つまたはそれを上回る実施形態では、プラグ2930は、メッシュまたは膜であって、もしくはそれを含み、流体の通過を可能にする。
【0164】
拡張体2950は、ヒドロゲルおよび塩である、またはそれを含む。送達デバイス2900内のその初期状態では、拡張体2950は、シェル2910、ピストン2940、2941、およびプラグ2930によって画定された空洞2960内に着座し、ピストン2940、2941に対して殆どまたは全く力を付与しない。送達デバイス2900が、流体に暴露されると、流体が、プラグ2930を経由して、送達デバイス2900に進入し、拡張体2950に到達し、これは、拡張し始め、したがって、ピストン2940、2941に対して力を付与する。
【0165】
ピストン2940が、拡張体2950によって、それに対して付与される力に起因して、移動するにつれて、ピストン2940が、ひいては、製剤2970に対して力を付与し、製剤2970が、ひいては、プラグ2920に対して力を付与し、流体および製剤2970の溶出から生じる流体化された製剤が、圧力下、オリフィス2925を通して拡散される。一方、ピストン2941が、拡張体2950によって、それに対して付与される力に起因して、移動するにつれて、ピストン2941が、ひいては、製剤2971に対して力を付与し、流体および製剤2971の溶出から生じる流体化された製剤が、圧力下、オリフィス2926を通して拡散される。
【0166】
拡張体2950は、図29Bに図示されるように、製剤2970、2971が、異なる率で分解する場合でも、力が、相互と比較して、ピストン2940、2941に対して略均一に印加されるような様式において、拡張することができる。
【0167】
図30A、30Bでは、送達デバイス3000が、2つの製剤3070、3071が、シェル3010、ピストン3040、およびプラグ3020によって画定された空洞内に配置されることを除き、図28Aにおける送達デバイス2800に類似する様式において構築される。本実施形態では、プラグ3020は、ヒドロゲルである。他の実施形態では、プラグ3020は、本明細書に説明される他のプラグのいずれかに類似することができる。図28Aにおける拡張体2850に関して上記に説明されるように、拡張体3050は、流体に暴露されると、拡張し、ピストン3040に対して力を付与し、これは、ひいては、製剤3070に対して力を付与する。製剤3070に対する力は、製剤3071に対する製剤3070による力をもたらし、環境からの流体とともに製剤3071(および製剤3070)の溶出によって形成される流体化された製剤を、圧力下、送達デバイス3000から拡散させる。図示されるように配列される、2つの製剤3070、3071の使用は、例えば、同一の調合されたタブレットサイズおよび要素構成を使用して、増加された投薬、または異なる製剤の交互投薬を可能にする。
【0168】
図31A、31Bでは、送達デバイス3100が、シェル3110が、1つまたはそれを上回るチャネル3115を組み込み、これが、空洞3160から、送達デバイス3100に沿って長手方向に、オリフィス3125内に配置されるプラグ3120を含む、シェル3110の端部に向かって延在することを除き、図27Aにおける送達デバイス2700に類似する様式において構築される。送達デバイス3100はさらに、シェル3110およびピストン3140によって画定された空洞3180内に相互に並んで配置される、2つの製剤3170、3171を含む。シェル3110、ピストン3140、およびプラグ3130は、空洞3160を画定する。
【0169】
図31Aの例証では、チャネル3115が、空洞3160の約全長および空洞3180の約全長に沿って延在する。1つまたはそれを上回る実施形態では、チャネル3115のうちの1つまたはそれを上回るものは、図示されるほど空洞3160および/または空洞3180に沿って延在しない。空洞3160内に配置される、拡張体3150(例えば、ヒドロゲル+塩)が、プラグ3130および/またはオリフィス3125を通して進入する流体への暴露に応じて、拡張し、ピストン3140に対して力を付与する。プラグ3130を経由して進入する、流体は、部分的に、拡張体3150によって吸収され、また、チャネル3115を通して、空洞3180の中に伝送される(例えば、毛細管現象によって、または拡張体3150の拡張に起因した押動によって)。溶出が、チャネル3115からの流体と製剤3170、3171との間ならびに製剤3170、3171とオリフィス3125を通して空洞3180に進入する流体との間で生じる。したがって、図31Bに図示されるように、製剤3170、3171は、チャネル3115からの流体およびオリフィス3125を通して進入する流体とともに流体化された製剤3190を形成することができ、流体化された製剤は、チャネル3115を伴わない場合に起こり得るであろうものより多く製剤3170、3171の長さに沿って接触することができ、したがって、製剤3170、3171と流体との間の溶出プロセスは、より比較的に急速に生じ得る。
【0170】
図32A、32Bでは、送達デバイス3200が、シェル3210を含み、随意に、1つまたはそれを上回るチャネル3215を画定する。送達デバイス3200は、製剤3270、3271を含有する、容器3275を含む。図32Aにおける線A-A’に沿った容器3275の断面図に図示されるように、製剤3270、3271は、容器3275によって円周方向に封入される。容器3275は、一端または両端(例えば、端部3276および端部3277の一方または両方)において、閉鎖もしくはシールされることができる、および/または一端または両端は、部分的に、開放されて残されることができる、ならびに/もしくは一端または両端は、完全に開放されることができる。ある実施形態では、容器3275は、流体に暴露されると、容器3275が、最初に、分解し、次いで、流体が容器3275を破壊後、製剤3270、3271が、分解するように、分解性であって、両端において閉鎖される。図32Bは、製剤3270、3271が、部分的に分解しており、容器3275が、実質的に分解され、流体化された製剤3290を製剤3270、3271の周囲に形成している、実施例を図示する。流体化された製剤3290は、プラグ3230を越えた流体と接触した後の拡張体3250の拡張に起因して、ピストン3240によって付与される圧力下、送達デバイス3200から外に拡散する。
【0171】
(例えば、図27A、27B、28A、28B、29A、29B、30A、30B、31A、31B、32A、32Bに関して)上記に議論されるように、プラグ(例えば、それぞれ、プラグ2730、2830、2930、3030、3130、3230)は、流体がプラグを通して通過することを可能にするように設計される、複数の孔を含むことができる。いくつかの実施例は、穿設される孔、自然発生孔、メッシュ構造によって形成される孔、および膜によって画定された孔である。
【0172】
図33Aは、端部部分3320と、端部部分3330とを含む、シェル3310を図示する。シェル3310の部分は、一体的に形成されることができる。例えば、端部部分3320および/または端部部分3330は、シェル3310の別の部分と一体的に形成されることができる、または別個に形成され、次いで、シェル3310の別の部分に添着されることができる。別の実施例に関して、シェル3310は、2つの部分に形成されることができ、これは、次いで、相互に添着される(例えば、2つの部分は、線B-B’に沿って、または線C-C’に沿って、相互に添着される)。
【0173】
端部3320、3330の一方または両方は、流体がプラグを通して通過することを可能にするように設計される、孔を有する、プラグを含むことができる。図33B、33C、33Dは、端部3330に示される、そのようなプラグの実施例を図示する。端部3320は、同様に、または異なるように、構造化されることができる。図33Bは、プラグ3340を通した小孔のパターンを図示し、図33Cは、プラグ3341を通した孔のメッシュを図示し、図33Dは、プラグ3342を通した孔の無作為位置を図示する。プラグ3340、3341、3342は、種々の孔サイズおよびパターンのいくつかの実施例を図示する。加えて、プラグ3340、3341、3342は、端部3330の小面積内に配置されるように図示されるが、他の実施形態では、プラグは、送達デバイスの端部のより大きい面積を横断して、さらには、送達デバイスの端部を完全に横断して、延在することができる(例えば、図27A、27B、28A、28B、29A、29B、30A、30B、31A、31B、32A、32Bに関して図示されるように)。したがって、送達デバイスは、ヒドロゲルの中への流体の低速または高速吸収もしくは製剤との低速または高速溶出のために設計されることができる。
【0174】
上記に説明されるように、ヒドロゲルが、流体(例えば、図27A、27B、28A、28B、29A、29B、30A、30B、31A、31B、32A、32B、33A、33B、33C、33Dに図示されるプラグ、または他のプラグ等のプラグを通して通過する、流体)を吸収し、それによって、拡張し、ピストンに対して圧力を付与するために、浸透圧作用によって、流体の存在下で使用されることができる。故に、本開示の実施形態は、ヒドロゲル拡張体の追加によって、浸透圧ポンプを形成するように適合されることができる。図27A、27B、28A、28B、29A、29B、30A、30B、31A、31B、32A、32Bは、そのような実施形態のいくつかの実施例を提供し、多くの他の実施形態も、本明細書の図および説明から明白となるであろうように、本開示の範囲内である。
【0175】
図34、35、36は、本開示による、送達デバイスの実施形態の例示的設計を図示する。図34、35は、受動拡散デバイスの実施例を図示する一方、図36は、浸透圧ポンプ送達デバイスの実施例を図示する。
【0176】
図34では、送達デバイス3400が、シェル3410と、オリフィス3430または複数のオリフィス3430(またはオリフィス3430として図示される、空間内の複数のオリフィス)を画定する、プラグ3420とを含む。製剤3440が、シェル3410内に配置される。プラグ3450が、製剤3440とプラグ3420との間のシェル3410内に配置される。プラグ3450は、最初に、シェル3410内に配置されるとき、成型された乾燥(例えば、脱水)ヒドロゲルである、またはそれを含む。ヒドロゲルは、例えば、PEOまたはポリアクリルアミドのうちの1つもしくはそれらの組み合わせを含むことができる。送達デバイス3400から外への製剤3440の経時的拡散率は、ヒドロゲルプラグ3450の容量およびプラグ3420内のオリフィス3430の総断面積とともに、送達デバイス3400に進入する流体との製剤3440の溶出率に関連する。例えば、ヒドロゲルプラグ3450が、水和された後、送達デバイス3400から外への製剤3440の拡散率は、送達デバイス3400に進入する流体との製剤3440の溶出率に類似することができ(例えば、5%以内、10%以内、または20%以内)、拡散率および溶出率は両方とも、プラグ3420内のオリフィス3430の総断面積にほぼ比例することができる。
【0177】
図34の実施形態の第1の実施例では、シェル3410は、非分解性である。シェル3410は、例えば、金属(例えば、ステンレス鋼、チタン)、プラスチック、ポリマー、またはそれらの組み合わせから構築されることができる。図34の実施形態の本第1の実施例では、プラグ3420もまた、非分解性である。プラグ3420は、例えば、金属(例えば、ステンレス鋼、チタン)、プラスチック、ポリマー、またはそれらの組み合わせから構築されることができる。図34の実施形態の本第1の実施例では、オリフィス3430の総断面積(単一オリフィスまたは複数のオリフィスもしくは膜またはメッシュを通した通過の有効断面積かどうかにかかわらず)が、製剤3440が送達デバイス3400から外に拡散する、率を定義する。製剤3440は、オリフィス3430の断面積が大きい実施形態では、オリフィス3430の断面積がはるかに小さい実施形態と比較して、比較的に迅速に、送達デバイス3400から外に拡散するであろう(例えば、一連のA-B-Cに示されるように、より大きい断面からより小さい断面を伴い、Aが、3つのうち最大を表す、オリフィス3430の異なる相対的断面積の溶出プロファイルを比較する、溶出プロファイルグラフ6参照)。曲線下面積(AUC)は、オリフィス3430の断面積毎に、実質的に同一であろうが、総拡散時間は、オリフィス3430の断面積の減少に伴って増加し、ピークに達するまでの時間は、オリフィス3430の断面積の増加に伴って減少する。所望の溶出プロファイルを設計するためのオリフィスサイズの調節はまた、本開示の任意の他の実施形態に適用可能である。
【表6】
【0178】
図34の実施形態の第2の実施例では、シェル3410は、分解性である。例えば、シェル3410は、Mg、PLA、またはPLGA、または前述のうちの2つまたはそれを上回るものの組み合わせから構築される。1つまたはそれを上回る実施形態では、標的環境内におけるシェル3410の分解のために設計される時間は、製剤3440がオリフィス3430を経由して送達デバイス3400から外に拡散するために設計される時間を上回る。1つまたはそれを上回る他の実施形態では、標的環境内におけるシェル3410の分解のために設計される時間は、製剤3440が送達デバイス3400から外に拡散するために設計される時間にほぼ等しいまたはそれを上回る。図34の第2の実施例では、プラグ3420もまた、分解性である。例えば、プラグ3420は、Mg、PLA、またはPLGA、または前述のうちの2つまたはそれを上回るものの組み合わせから構築される。
【0179】
図34の実施形態の第3の実施例では、シェル3410は、分解性であって、プラグ3420は、非分解性である。
【0180】
図34の実施形態の第4の実施例では、シェル3410は、非分解性であって、プラグ3420は、分解性である。
【0181】
図34の実施形態の第5の実施例では、送達デバイス3400は、膜がオリフィス3430内に配置されることを除き、図34の実施形態の第2の実施例に関して説明されるものに類似する。
【0182】
図35では、送達デバイス3500が、シェル3510と、オリフィス3530(またはオリフィス3530として図示される、空間内の複数のオリフィス)を画定する、プラグ3520と、オリフィス3535(またはオリフィス3535として図示される、空間内の複数のオリフィス)を画定する、プラグ3525と、製剤3540と、製剤3540とプラグ3520との間に配置される、ヒドロゲルプラグ3550と、製剤3540とプラグ3525との間に配置される、ヒドロゲルプラグ3555とを含む。送達デバイス3500は、流体が、オリフィス3530、3535を経由して、シェル3510に進入すると、溶出および拡散が、送達デバイス3500の両端において、並行して生じることを除き、図34の送達デバイス3400に類似する方式で動作する。
【0183】
1つまたはそれを上回る実施形態では、膜が、図35のオリフィス3530またはオリフィス3535内に配置される。
【0184】
図36では、送達デバイス3600が、シェル3610と、オリフィス3630(またはオリフィス3630として図示される、空間内の複数のオリフィス)を画定する、プラグ3620と、オリフィス3635(またはオリフィス3635として図示される、空間内の複数のオリフィス)を画定する、プラグ3625と、製剤3640と、製剤3640とプラグ3620との間に配置される、ヒドロゲルプラグ3650と、ピストン3670と、ピストン3670とプラグ3625との間に配置される、拡張体3655とを含む。オリフィス3630を通した溶出および拡散は、図34におけるオリフィス3430に関して説明されるものに類似する。拡張体3655は、拡張体3655が吸収し得る、流体の体積を増加させ、したがって、拡張体3655がその周囲に対して付与する、力を増加させるために、塩を装填された、成型された乾燥(例えば、脱水)ヒドロゲルである。製剤3640が、分解するにつれて、拡張体3655は、ピストン3670に対して力を付与し、したがって、可能性として、製剤3640の分解率を増加させ、対応して、分解を増加させ、オリフィス3630を通した溶出された製剤3640の流動を増加させる。
【0185】
1つまたはそれを上回る実施形態では、膜が、図36のオリフィス3635内に配置される。
【0186】
本開示に図示および説明される種々の実施形態の側面は、組み合わせられることができる。例えば、本開示に説明される概念に従って設計される、任意のシェルまたは送達デバイスに関して、電子機器が、アンテナの有無にかかわらず、シェルまたは送達デバイス内に含まれることができる、製剤が、直接、シェルまたは送達デバイス内に配置されることができる、製剤が、シェルまたは送達デバイス内に配置されることに先立って、タブレットもしくは丸薬形態において、別個に構築されることができる、または容器もしくは第1の送達デバイス内に配置され、次いで、容器または第1の送達デバイスが、第2の送達デバイス内に配置されることができる、複数のチャンバが、使用されることができる、1つまたはそれを上回る壁が、使用されることができる、異なる材料が、使用されることができる等である。
【0187】
上記に議論されるように、シェルを構築するために使用される材料は、分解性材料であることができる、またはそれを含むことができる。したがって、所望の溶出プロファイルを実装するための様式において、プラグ、オリフィスのサイズおよび形状、ならびに壁を設計することに加え、シェルの材料もまた、所望の溶出プロファイルの実装に寄与するように設計されることができる。第1の実施例では、シェル全体が、設計される分解率で分解性である。第2の実施例では、シェルの異なる部分が、異なる設計される分解率で分解性である。第3の実施例では、シェルの1つまたはそれを上回る部分が、非分解性であって、シェルの1つまたはそれを上回る部分が、分解性である。分解性シェルまたはシェル部分を使用することによって、溶出プロファイルは、溶出プロファイル内の特定の時間において拡散を増加させる、または1つの製剤の拡散を増加させ、別の製剤の拡散を増加させない等のために、改変されることができる。分解性シェルもまた、シェルが、最終的には、身体の天然洗浄または排泄プロセスによって除去されるように、拡散が完了することが予期された後、分解するように設計されることができる。1つまたはそれを上回る実施形態では、シェルは、吸収可能、生体分解性、または生体再吸収性である。
【0188】
コーティング
コーティング(例えば、図14におけるコーティング1420)が、溶出プロファイルをさらに定義するための本明細書で議論される特徴のいずれかを組み込む、送達デバイス等の送達デバイスの全てまたは一部にわたって配置されることができる。
【0189】
コーティングの実施形態は、分解性コーティングである。分解率が、化学組成物の選択または分解性コーティングの厚さ等によって、標的送達場所の予期される環境のための分解性コーティングのために設計されることができる。
【0190】
コーティングの実施形態は、送達デバイスの一部が組織または流体(例えば、生物学的組織または流体)と接触しないように保護する、保護コーティング等の保護コーティングである。1つのそのような保護コーティングは、蜜ろうまたは他のろう等のろうである。第1の実施例では、保護コーティングは、プラグのみが流体に暴露されるように、プラグが位置付けられるべき場所を除き、シェルを被覆するために使用されることができる。第2の実施例では、保護コーティングは、プラグの暴露される表面を横断してより均一な分解のために、プラグの分解を集中させる等のために、またはコーティングによって暴露されるプラグ表面の量を調整することによって、同一シェル/プラグ設計を使用して、複数の溶出プロファイルを実装する等のために、シェルを被覆し、また、プラグの一部を被覆するために使用されることができる。
【0191】
コーティング(またはコーティング層)の他の実施例は、乳白剤、マーカ、放射線不透過性マーカ、および顔料を含む。1つまたはそれを上回る実施形態では、コーティングは、P15またはP15(e)等の免疫抑制剤であって、もしくはそれを含み、身体の中に導入される物体(例えば、本開示のある実施形態による送達デバイス)に対する身体の「異物反応」免疫応答を抑制する。
【0192】
コーティングは、単一層として、または複数の層として、構築されることができる。複数の層が、使用される場合、同一または類似材料が、異なる層のために使用されることができる、または1つまたはそれを上回る層が、層のその他と異なる材料であることができる。異なる材料の層の第1の実施例では、保護コーティングが、内側層として提供され、送達デバイスの一部を暴露し、分解性コーティングが、外側層として提供され、内側保護コーティング層によって暴露される送達デバイスの部分を含む、内側保護コーティング層の一部を被覆する。異なる材料の層の本第1の実施例では、外側分解性コーティング層は、標的送達部位において環境に暴露され、内側保護コーティング層によって暴露される送達デバイスの部分を暴露するとき、分解するように構造化される。異なる材料の層の第2の実施例では、分解性コーティングは、内側層として提供され、送達デバイスを被覆し、保護コーティングは、コーティングの外側層として提供され、内側分解性コーティング層の一部を暴露する。異なる材料の層の本第2の実施例では、流体が、最初に、内側分解性コーティング層の暴露される部分に到達し、分解し始め、次いで、外側保護コーティング層下から内側分解性コーティング層を分解し始める。第3の実施例では、疎水性外側層が、ある条件下で分解性であって、外側層に隣接する内側層が、親水性である。本第3の実施例では、外側層は、環境への暴露に起因して、分解し、内側層は、外側層が破壊された後、環境からの流体を吸収し、内側層は、次いで、外側層の分解に寄与し、破壊された後、外側層の分解率を増加させる。
【0193】
コーティングの実施例は、PLA-Mg-PLAの3層コーティング、PLA-PLAの2層コーティング、Mgの1層コーティング、PLAの1層コーティング、Mg-PLA-乳白剤の3層コーティング(乳白剤は、外側層内にあって、また、着色剤を含むことができる)、PLA-Mg-放射線不透過性マーカ-乳白剤の4層コーティング(乳白剤は、外側層内にあって、また、着色剤を含むことができる)を含む。多くの他の実施例が、存在する。
【0194】
1つまたはそれを上回る溶解ゾーンが、コーティングによって画定されることができる。本明細書で使用されるように、用語「溶解ゾーン」は、その中で分解が生じるように設計される、ゾーンを指す。ある実施形態では、単一の画定された溶解ゾーンが存在し、その中にコーティングが、送達デバイスの均一被覆のために設計される(但し、製造上の分散が、生じ得る)。複数の溶解ゾーンが、画定されるとき、溶解ゾーン毎に、分解率設計値が存在する。分解率設計値は、例えば、異なるコーティングを異なる溶解ゾーン内で使用することによって、異なる厚さのコーティングを異なる溶解ゾーン内で使用することによって、異なる数の層のコーティングを異なる溶解ゾーン内で使用することによって、異なる層のコーティング中の異なる材料を異なる溶解ゾーン内で使用することによって、1つまたはそれを上回る溶解ゾーン内のコーティングに刻み目を入れる(例えば、その中に線を切り込む)ことによって、孔または孔の列を1つまたはそれを上回る溶解ゾーン内のコーティング中に形成することによって、別の技法によって、もしくは2つまたはそれを上回る技法の組み合わせによって、実装されることができる。
【0195】
1つまたはそれを上回る実施形態では、保護コーティング層は、送達デバイスの一部および/または分解性コーティング層の一部を被覆し、1つまたはそれを上回る溶解ゾーンを画定するためのろう(例えば、密ろう)を含む。ろうは、身体の多くの部分において、長持続時間にわたって、著しく分解せず、故に、ろうは、1つまたはそれを上回る溶解ゾーンを画定するために使用されることができ、その中では、送達デバイスまたは分解性コーティング層の分解は、生じ、その外側では、分解は、回避される(ろうが適用される場所)。
【0196】
ろうが、溶解ゾーンを画定する際に使用するために議論されるが、他の材料が、代わりに、使用されることができることを理解されたい。例えば、シリコン油またはろうの乳剤(例えば、植物油、パーム油、またはひまわり油との乳剤)が、溶解ゾーンを画定するために使用されることができる。溶解ゾーンを画定するために使用される材料は、非分解性であることができる、または、該当する場合、送達デバイスまたは分解性コーティング層の暴露される部分のために使用される材料より低い分解率を有することができる。さらに、異なる溶解ゾーンが、異なる分解率を提供するために画定されることができることを理解されたい。
【0197】
図37は、複数の層を有する、コーティングを含む、送達デバイスのシェル3710の実施形態の実施例を図示する。コーティングは、最内層3720と、保護層3730と、最外層3740とを含む。1つまたはそれを上回る実施形態では、コーティングは、コーティングを制御された様式で分解させ得る、1つまたはそれを上回る構造機構を含むことができる。例えば、コーティングの構造は、保護層3730を部分的に通して延在し、コーティングの特定の面積におけるコーティングの分解を助長するための1つまたはそれを上回る断絶3750(例えば、切断線またはピンホール)、および/またはコーティングの特定の面積におけるコーティングの分解を阻止する、最小限にする、もしくは防止するように位置付けられる、1つまたはそれを上回る制御区画3760(実施形態は、保護層3730の面積を被覆する、制御区画3760a、最内層3720の面積を被覆する、制御区画3760b、および最外層3740の面積を被覆する、制御区画3760cとして図示される)を含むことができる。制御区画3760のために使用される材料の実施例は、ろうである。
【0198】
1つまたはそれを上回る実施形態では、コーティングは、ペプチド層を含む。ペプチド(例えば、P15)は、身体内の天然起源物質(例えば、コラーゲン)として身体に現れ、したがって、身体の天然免疫抑制機構は、回避され、送達デバイスの身体の拒絶を抑えることができる。
【0199】
コーティングの所望の特性が、コーティングの厚さ、プラグおよびコーティングの相互に対する相対的場所、それぞれ、選択された性質を有する、分解性コーティングの1つまたはそれを上回る層の選択、分解性コーティングまたはその層の化学組成物の選択、保護コーティングの位置および範囲、および多くの他の属性の設計等の設計によって組み込まれることができる。
【0200】
実装の実施例
本開示による、送達デバイスは、種々の技法を使用して、標的部位に位置付けられることができる。例えば、身体内で使用されるための実施形態に関して、送達デバイスは、切開を通して、または注射によって、もしくは経真皮的設置(例えば、皮膚を裂き、その下に留まる、経真皮的に刺された針)によって、皮下または筋内に設置されることができる、内視鏡下で設置されることができる、経口デバイス内で送達されることができる(これは、消化管を通して進行し、送達デバイスを経口デバイスから消化管内に駆出するための機構をトリガする)、外科手術の間、位置付けられることができる等である。身体以外の環境において使用されるための実施形態では、送達デバイスは、手によって、または機械的デバイスによって、設置されることができる。
【0201】
種々の実施形態では、送達デバイスは、根管手技によって形成される、または抜歯手技によって形成される、歯腔内に位置付けられる。歯腔は、次いで、恒久的または一時的に、被覆される(例えば、根管手技に関しては、グッタペルカおよび歯の詰め物またはクラウンで、もしくは抜歯手技に関しては、骨移植材料および/または皮膚カバーによって)。歯腔実施形態の第1の実施例では、送達デバイスは、細菌性感染症に好ましい環境(例えば、5.0を下回るpHレベルまたは高硫化物濃度)を示す、歯腔内の条件に暴露されると、分解し始め、抗生物質または他の治療を送達すること等によって、生じる前に、または進行する前に、感染症に対抗する、コーティングを含む。歯腔実施形態の第2の実施例では、送達デバイスは、歯腔内の生物学的物質に暴露されると、分解し始める、コーティングを含み、コーティングの分解率は、送達デバイスが暴露される前に、根管手技または抜歯手技のいずれかの完了を可能にするために十分である。本第2の実施例では、送達デバイスは、腫脹を低減させる、または温度を低減させる等のための製剤、もしくは抗生物質を含む、製剤、または他の治療のための製剤を含有することができる。
【0202】
種々の実施形態では、送達デバイスは、神経膠腫内に位置付けられる。送達デバイス内の製剤は、化学療法剤(例えば、トポテカン)を含む。例えば、送達デバイスは、初期用量に続き、1つまたはそれを上回る後の用量を含む、設計された溶出プロファイル、もしくは化学療法剤の持続的送達を含む、溶出プロファイルに従って、化学療法剤を提供するように構造化される。
【0203】
種々の実施形態では、送達デバイスは、癌腫に隣接して、またはその中に位置付けられる。例えば、送達デバイスは、初期用量に続き、1つまたはそれを上回る後の用量を含む、設計された溶出プロファイル、もしくは化学療法剤または放射線治療薬の持続的送達を含む、溶出プロファイルに従って、化学療法剤または放射線治療薬を提供するように構造化される。
【0204】
種々の実施形態では、送達デバイスは、身体内に位置付けられ、設計された溶出プロファイルに従って、プロゲスチン等の避妊ホルモンの持続的または周期的用量を送達するように構造化される。
【0205】
種々の実施形態では、送達デバイスは、身体内に位置付けられ、設計された溶出プロファイルに従って、1つまたはそれを上回るワクチンの周期的用量を送達するように構造化される。
【0206】
種々の実施形態では、送達デバイスは、膀胱に隣接して位置付けられ、設計された溶出プロファイルに従って、抗コリン薬(例えば、トルテロジン酒石酸塩(Detrol LA)、塩化オキシブチニン(Ditropan)、ダリフェナシン(Enablex)、ミラベグロン(Myrbetriq)、オキシブチニン(Oxytrol)、塩化トロスピウム(Sanctura XR)、ソリフェナシン(Vesicare))の持続的用量または周期的用量を送達し、膀胱を弛緩する、および/または膀胱の攣縮を防止もしくは最小限にするように構造化される。
【0207】
種々の実施形態では、送達デバイスは、感染した面積内に位置付けられ、設計された溶出プロファイルに従って、治療(例えば、抗真菌治療または抗生物質治療)を直接面積に提供するように構造化される。
【0208】
種々の実施形態では、送達デバイスは、身体内の炎症を起こした部位(例えば、関節、足首、関節炎面積)に位置付けられ、設計された溶出プロファイルに従って、関節疼痛、痛風、または関節炎を治療する等のために、抗炎症性作用物質を炎症を起こした部位に提供するように構造化される。
【0209】
種々の実施形態では、送達デバイスは、外科手術用部位に位置付けられ、設計された溶出プロファイルに従って、疼痛緩和投薬療法(例えば、リドカイン)または外科手術跡治療(例えば、抗生物質、抗真菌、血管拡張剤)を部位に送達する等のために、治療を外科手術用部位外科手術跡に提供する。
【0210】
種々の実施形態では、送達デバイスは、インプラントが身体内に位置付けられている、部位に位置付けられる。送達デバイスは、設計された溶出プロファイルに従って送達されると、ペプチドがインプラントの少なくとも一部を囲繞するように、ペプチドをインプラントに隣接して提供するように構造化される(複数の送達デバイスが、インプラントにわたるペプチドの被覆を増加させるために使用されることができる)。ペプチド(例えば、P15)は、身体内の天然起源物質(例えば、コラーゲン)として身体に現れ、したがって、身体の天然免疫抑制機構は、回避され、インプラントの身体の拒絶を抑えることができる。
【0211】
種々の実施形態では、送達デバイスは、脳内に位置付けられ、設計された溶出プロファイルに従って、抗てんかん療法(例えば、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン、ラモトリギン、レベチラセタム)を特定の部位に提供し、てんかん条件を治療するように構造化される。
【0212】
種々の実施形態では、送達デバイスは、神経腫に隣接して位置付けられ、設計された溶出プロファイルに従って、抗炎症性作用物質(例えば、副腎皮質ホルモン)を神経腫に提供するように構造化される。
【0213】
種々の実施形態では、送達デバイスは、肺、肺動脈、または大静脈内に位置付けられ、設計された溶出プロファイルに従って、抗高血圧剤(例えば、サイアザイド系利尿薬、カルシウムチャネル遮断薬、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(ARB)、ベータ遮断薬)を送達し、肺高血圧症を治療するように構造化される。
【0214】
種々の実施形態では、送達デバイスは、副腎皮質ホルモン(例えば、ベンラリズマブ)を提供するように構造化され、食道壁に沿った好酸球の濃度または密度を低減させるために、食道に沿って、もしくは肺内の好酸球の濃度または密度を低減させるために、肺内に位置付けられる。
【0215】
種々の実施形態では、送達デバイスは、眼の背後に位置付けられ、設計された溶出プロファイルに従って、緑内障のための治療を提供するように構造化される(例えば、アルファアドレナリン作動薬、例えば、アプラクロニジン、ブリモニジン、エピネフリン、またはジピベフリン、ベータ遮断薬、例えば、チモロール、レボブノロール、カルテオロール、メチプラノロール、またはベータトキソール、炭酸脱水酵素阻害薬、例えば、ドルゾラミド、ブリンゾラミド、アセタゾラミド、またはメタゾラミド、縮瞳薬、例えば、ピロカルピンまたはエコチオフェート、プロスタグランジン類似体、例えば、タプロス点眼液、ラタノプロスト、ビマトプロスト、トラボプロスト、ウノプロストンイソプロピル点眼液、またはラタノプロステンブノド点眼液、Rhoキナーゼ阻害薬、例えば、ネタルスジル点眼液のうちの1つまたはそれを上回るものを送達する)。
【0216】
任意の実施形態では、送達デバイスは、上記に説明されるような浸透圧ポンプを含むことができる。
【0217】
送達デバイスの実施形態は、注射または経口送達を要求するのではなく、局所治療を提供することができる。高投薬量が、容認可能量の投薬量が標的場所に到達し得るように、そのような技法を通した低生物学的利用能に起因して、または身体の他の部分(標的場所以外)によって吸収もしくは濾過される投薬量に起因して、注射および経口送達治療のために要求され得る。そのような高用量治療は、ひいては、治療の高全身性濃度をもたらし、前縁、例えば、心臓または腎不全につながり得る。そのような治療を直接標的場所に送達することによって、高全身性濃度は、回避されることができる。
【0218】
送達デバイスの実施形態は、設計された溶出プロファイルに従って、長期送達周期を提供することができる。
【0219】
1つまたはそれを上回る実施形態では、インスリンが、本開示による送達デバイスを使用して送達され、インスリンは、数時間、数日、または数週間にわたって、送達される。送達デバイスは、標的送達部位におけるインスリンの所望の溶出プロファイルのために十分な数量のインスリンを含有するように定寸される。例えば、送達デバイスは、腸管の壁(例えば、胃壁、腸壁)内または腹膜腔内に位置付けられ(手動で、または送達デバイスを消化管を通して進行する容器から駆出する、機構等を用いて、機械的手段を通して)、数日(例えば、2~3日)にわたって、インスリンを直接身体の血管化部分の中に送達することができる。本実施例では、インスリンは、複数回の毎日の基礎インスリン注射(例えば、1日2回)の代替治療に取って代わるために使用される。故に、患者コンプライアンスは、注射では低い可能性があるため、本開示による送達デバイスを使用したコンプライアンスは、より有意に高くなることが予期される。さらに、数日または数週間にわたって、実質的に安定して、基礎インスリン送達を維持することによって、食事時間ボーラスインスリンの必要性は、低減されることができ、そのようなボーラスインスリンもまた、本開示による送達デバイスを用いて、送達されることができる。
【0220】
インスリンの前述の実施例と同様に、1つまたはそれを上回る実施形態では、インクレチンミメティクス(例えば、エキセナチド)が、本開示による送達デバイスを使用して送達され、インクレチンミメティクスは、数時間、数日、または数週間にわたって、送達される。例えば、インクレチンミメティクスの繰り返される4時間半減期注射は、数日または数週間にわたって、実質的に安定して、インクレチンミメティクスを提供する、単一送達デバイスによって取って代われることができる。
【0221】
インスリンの前述の実施例と同様に、1つまたはそれを上回る実施形態では、GLP-1受容体作動薬が、本開示による送達デバイスを使用して送達され、GLP-1受容体作動薬は、数時間、数日、または数週間にわたって、送達される。例えば、GLP-1受容体作動薬の繰り返される4時間半減期注射は、数日または数週間にわたって、実質的に安定して、GLP-1受容体作動薬を提供する、単一送達デバイスによって取って代われることができる。
【0222】
インスリンの前述の実施例と同様に、1つまたはそれを上回る実施形態では、ソマトスタチンまたはその類似体もしくは模倣物が、数時間、数日、または数週間にわたって、送達される。例えば、ソマトスタチンまたはその類似体もしくは模倣物の繰り返される5時間半減期注射は、数日または数週間にわたって、実質的に安定して、ソマトスタチンまたはその類似体もしくは模倣物を提供する、単一送達デバイスによって取って代われることができる。
【0223】
要するに、本開示による送達デバイスは、事実上、多くの療法用作用物質の半減期を延長させながら、介護者のコンプライアンス懸念を低減させることができる。
【0224】
本明細書の多くの事例では、種々の送達デバイス実施形態およびその構成部品は、溶出プロファイルに従って、生物学的物質への暴露に応じて分解されるものとして説明されているが、他の実施形態では、分解は、他の環境条件下で生じるように設計される。1つまたはそれを上回る実施形態では、送達デバイスの溶出プロファイルは、生物学的物質ではなく、具体的化学物質、化学化合物、または化学物質および/または化学化合物の組み合わせへの暴露に対して設計される。例えば、微生物が、油越流を清浄する等のために、油を検出後、放出されることができる。別の実施例に関して、酸化コバルトナノ粒子リガンドが、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する等のために、一酸化炭素を検出後、放出されることができる。さらなる実施例に関して、処置化学物質が、塩素の過剰または欠如を検出後、プールの中に放出されることができる。これらの実施例から分かるように、本開示の技法は、様々な環境および技術分野に適用可能である。
【0225】
送達デバイスの種々の用途が、複数の送達デバイスを使用することができる。そのような複数の送達デバイスは、相互に類似することができる、または1つまたはそれを上回るものは、その他と異なることができる。例えば、異なる作用物質および/または異なる溶出プロファイルを伴う、複数の送達デバイスが、腫瘍全体を通して、癌性組織を囲繞して、肺または他の器官内に、神経に沿って、関節に隣接して、消化管(例えば、食道、胃、腸)内の長さに沿って等、身体内に配置されることができる。別の実施例に関して、複数の送達デバイスが、リザーバ、流れ、または他の水体、もしくは廃水保持タンクの中に配置され、清浄または栄養素を追加する等のために(例えば、水生動物または植物のために)、処置を水に送達することができる。上記に説明される、油越流、一酸化炭素、および塩素のための処置等、他の実施例も多く存在する。
【0226】
本開示による送達デバイスは、送達デバイスからの製剤の設計された溶出プロファイルを提供する。送達デバイスおよびその構成部品が、個別の分解率を有するように設計されることに加え、製剤は、流体環境に暴露されると、所望の分解率を達成するために、構造内に形成される、および/または種々の賦形剤を含むことができる。1つまたはそれを上回る実施形態では、製剤は、PLGAと作用物質の組み合わせを含み、作用物質は、PLGA基質内に含有され、PLGA基質が分解すると、放出される。送達デバイスは、複数の製剤を含むことができ、そのうちの1つまたはそれを上回るものは、そのようなPLGA基質および作用物質を含む。PLGA基質以外の基質も、加えて、または代替として、設計された溶出プロファイルのために、送達デバイス内に組み込まれることができる。
【0227】
本開示による送達デバイスは、送達デバイスの意図される使用に従って、定寸されることができる。送達デバイスは、送達デバイスを位置付けるための技法に適応するように定寸される、および/または所望の量の製剤を含有する、ならびに/もしくは別の設計標的を満たすように定寸されることができる。例えば、送達デバイスが、外科的に設置される場合、その周囲に及ぼされる送達デバイスの影響および骨、筋肉、軟骨、神経、脈管、器官壁に起因した場所に設置される空間制約を考慮して、また、外科手術用部位(例えば、腫瘍の周囲またはインプラントの周囲)に設置される送達デバイスの数を考慮して、外科手術用部位のために適切な寸法を有することができる。故に、外科的に設置される送達デバイスの寸法は、ミリメートル(mm)(例えば、1mm~10mmの範囲内、5mm~10mmの範囲内、10mm~20mmの範囲内、20mm~50mmの範囲内、5mmを上回る、15mm未満、35mm未満の幅、長さ、または直径、100mmまたはそれ未満、20mm~60mmの範囲内の円周)の観点から、またはセンチメートル(cm)(例えば、10cm未満、1cm~1.5cmの範囲内、1cm~5cmの範囲内、1cmを上回るまたはそれに等しい幅、長さ、または直径、4cm未満、0.5cm~1cmの範囲内の円周)の観点からであることができる。送達デバイスが、別のデバイスの内側(例えば、カプセルの内側または別のデバイス内の自動化された送達システムの内側)での経口送達のために提供される場合、送達デバイスは、その他のデバイスの内側に嵌合するために適切に定寸される。
【0228】
送達デバイス内に配置される製剤量は、送達デバイスの空洞またはチャンバサイズ、および/または送達されるべき製剤の量、ならびに/もしくは他の設計標的に従って、判定されることができる。例えば、嚥下デバイスから消化管の壁の中への送達デバイスの自動展開のために構成される、送達デバイスは、ミリグラム(mg)(例えば、約1mg、5mg未満、約8mg、9mg~10mgの範囲内)の観点から、製剤量を含有することができる。別の実施例に関して、送達デバイスは、大量の製剤を標的場所(例えば、水体)に提供する、または長時間周期(例えば、数ヶ月または数年)にわたって、製剤を提供する等のために、大量(例えば、数十または数百グラムもしくはそれを上回る観点から)の製剤を含有するように定寸されることができる。
【0229】
1つまたはそれを上回る実施形態では、送達デバイスは、第2の量の遅延作用物質と混在される、第1の量の療法用作用物質を含む、製剤を含み、製剤は、事前に定義された分解率を有する。送達デバイスはさらに、製剤をカプセル化する、シェルと、シェルによって画定されたオリフィスに配置される、プラグとを含む。
【0230】
1つまたはそれを上回る実施形態では、療法用物質の送達プロファイルを制御するためのデバイスは、シェルと、プラグと、製剤とを含む。シェルは、シェルの外部からシェルの内部まで延在する、オリフィスを画定し、シェルはさらに、オリフィスと連通する、空洞を画定する。プラグは、オリフィスに配置され、流体が事前に定義された条件が生じるまで、空洞に進入しないように防止するように構造化される。製剤は、空洞内に配置され、製剤は、療法用物質を含む。
【0231】
1つまたはそれを上回る実施形態では、送達デバイスは、浸透圧ポンプと、シェルと、製剤とを含む。浸透圧ポンプは、流体の存在下で拡張するように構造化される、ヒドロゲルと塩の乾燥組み合わせを備える、拡張体と、拡張体に隣接し、拡張体の拡張によってピストン上に付与される力に応答して、移動するように構造化される、ピストンとを含む。シェルは、空洞を画定し、オリフィスと連通する、2つの空洞をさらに画定する。浸透圧ポンプは、空洞内に配置され、シェルは、流体が2つのオリフィスの第1のものを通して空洞に進入し、拡張体と接触することを可能にするように構造化され、シェルはさらに、流体が2つのオリフィスの第2のものを通して空洞に進入することを可能にするように構造化される。製剤は、ピストンに隣接して空洞内に配置され、2つのオリフィスの第2のものを通して空洞に進入する流体の存在下、分解し、それによって、流体化された製剤を形成するように構造化され、シェルは、ピストンの移動が、流体化された製剤をシェルから外に2つのオリフィスの第2のものを通して押進させるように構造化される。
【0232】
1つまたはそれを上回る実施形態では、送達デバイスを形成する方法は、事前に定義された分解率を有する、シェル材料を提供するステップと、シェル材料を、空洞を画定し、さらに、オリフィスを画定する、シェルの中に形成するステップと、空洞の中に、製剤を配置するステップと、オリフィスに、オリフィスを遮断するように構造化される、プラグを位置付けるステップと、ヒトまたは他の動物の中への摂取または埋込のために、送達デバイスを提供するステップとを含む。
【0233】
前述の実施形態のいずれかでは、シェルは、PGA、PLA、PLGA、または前述のうちの2つまたはそれを上回るものの組み合わせを含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、シェルは、マグネシウムを含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、シェルは、2つまたはそれを上回る層内に構造化されることができる。
【0234】
前述の実施形態のいずれかでは、送達デバイスは、シェルの分解率が製剤の分解率より低速であるように構造化されることができる。
【0235】
前述の実施形態のいずれかでは、送達デバイスは、シェルの分解率が送達デバイスのプラグの分解率より低速であるように構造化されることができる。前述の実施形態のいずれかでは、送達デバイスのプラグは、マグネシウムを含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、送達デバイスのプラグは、シェルのオリフィス内に配置される、第1の部分と、オリフィスから暴露される、第2の部分とを有するように構造化されることができる。第2の部分は、先鋭端を含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、送達デバイスのプラグは、プラグによって包囲される分解性金属部分を含むように構造化されることができる。
【0236】
前述の実施形態のいずれかでは、療法用作用物質は、基礎インスリンを含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、療法用作用物質は、ペプチドを含むことができる。
【0237】
前述の実施形態のいずれかでは、製剤は、遅延作用物質を含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、遅延作用物質は、PGAおよびPLAの一方または両方を含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、遅延作用物質は、PEG、ヒドロゲル、PEO、または前述のうちの2つまたはそれを上回るものの組み合わせを含むことができる。
【0238】
前述の実施形態のいずれかでは、送達デバイスは、追跡構成要素を含むことができる。追跡構成要素は、情報を収集し、収集された情報を遠隔受信機に無線で伝送するように構造化される、電子回路であることができる。追跡構成要素は、放射線不透過性物質であることができる。
【0239】
前述の実施形態のいずれかでは、送達デバイスは、シェル内のオリフィスに配置され、事前に定義された条件が生じるまで、流体がシェルの空洞またはチャンバに進入しないように防止するように構造化される、プラグを含むことができる。事前に定義された条件は、時間、温度、またはpHの事前に定義された閾値または範囲であることができる。事前に定義された条件は、事前に定義された値の組み合わせであることができ、各事前に定義された値は、時間、温度、またはpHの閾値または範囲である。
【0240】
前述の実施形態のいずれかでは、送達デバイスは、シェル内のオリフィスに配置される、プラグを含むことができる。プラグは、オリフィスにわたって配置される、オリフィス内に配置される、および/またはシェルの空洞の内側に配置されることができる。前述の実施形態のいずれかでは、送達デバイスは、単一オリフィス内に配置される、複数のプラグ、またはそれぞれ、別個のオリフィス内に配置される、複数のプラグ、もしくは単一オリフィス内に配置される、複数のプラグと、別個のオリフィス内に配置される、少なくとも1つのプラグとを含むことができる。複数のプラグを伴う実施形態では、プラグは、同一または類似時間周期内で分解する、もしくは異なる分解率で分解するように構造化されることができる。故に、第1のプラグは、第2のプラグの数分以内に、分解するように構造化されることができる、または第1のプラグは、第2のプラグが破壊後、数分、数時間、数日、数週間、数ヶ月、または数年にわたって、分解に耐えるように構造化されることができる。複数のプラグを伴う実施形態では、プラグは、類似形状を有するように構造化されることができる、またはプラグは、1つまたはそれを上回る他のプラグと異なるように構造化された形状を有することができる。前述の実施形態のいずれかでは、プラグは、ヒドロゲルを含むことができる。
【0241】
前述の実施形態のいずれかでは、複数の製剤が、送達デバイス内に配置されることができ、各製剤は、1つまたはそれを上回る作用物質を含むことができる。前述の実施形態のいずれかでは、送達デバイスは、複数のチャンバを含むことができる。複数のチャンバを伴う実施形態では、複数の製剤は、複数のチャンバのうちの1つまたはそれを上回るもの内に配置されることができる、複数のチャンバの異なるものはそれぞれ、異なる1つまたはそれを上回る製剤を含有することができる、もしくは複数のチャンバの異なるものはそれぞれ、同一体積または投薬量もしくは異なる体積または投薬量のいずれかにおいて、同一製剤を含有することができる。チャンバは、空のままであることができる。
【0242】
前述の実施形態のいずれかでは、送達デバイスは、電子回路網を含むことができる。電子回路網は、流体を検出し、流体を検出することに基づいて、サンプルを送達デバイス内のサンプル収集器内に収集させるように構造化されることができる。電子回路網は、流体を検出し、流体を検出することに基づいて、バイオマーカを送達デバイスの外部に配置させるように構造化されることができる。電子回路網は、流体を検出し、流体を検出することに基づいて、メッセージを送達デバイスの外部に伝送するように構造化されることができる。
【0243】
前述の実施形態のいずれかでは、送達デバイスおよび製剤は、製剤が予期される環境条件下で送達デバイスから拡散されるにつれて、療法用作用物質のための事前に定義された溶出プロファイルを提供するように構造化されることができる。
【0244】
結論
要するに、所望の溶出プロファイルが、識別されることができ、本開示による送達デバイスは、送達デバイスの構成部品のための材料を選択し、送達デバイスの構造およびその構成部品を設計し、/または製剤の含有量を選択し、特定の予期される条件において、または特定の時間において、もしくは両方において、設計された分解(または設計された分解の欠如)を提供すること等によって、所望の溶出プロファイルをもたらすように設計されることができる。
【0245】
本開示は、その具体的実施形態を参照して説明および図示されているが、これらの説明および例証は、本開示を限定するものではない。種々の変更が、行われることができ、均等構成要素が、添付の請求項によって定義されるような本開示の真精神および範囲から逸脱することなく、実施形態で代用されることができることを明確に理解されたい。また、一実施形態からの要素、特性、または行為は、容易に、他の実施形態からの1つまたはそれを上回る要素、特性または行為と組み変えられ、もしくはそれで代用され、本発明の範囲内の多数の付加的実施形態を形成することができる。さらに、他の要素と組み合わせられるように図示または説明される、要素は、種々の実施形態では、独立要素として存在することができる。さらに、要素、特性、成分、特徴、ステップ、または同等物の任意の建設的列挙に関して、本発明の実施形態は、その要素、値、特性、成分、特徴、ステップ、または同等物の除外も具体的に検討する。例証は、必ずしも、正確な縮尺で描かれるとは限らない。本開示における想像画と実際の装置との間には、製造プロセスにおける変数等に起因して、違いが存在する。具体的に図示されない、本開示の他の実施形態も、存在し得る。明細書および図面は、制限的ではなく、例証的と見なされるべきである。修正が、特定の状況、材料、物質の組成、方法、またはプロセスを本開示の目的、精神、および範囲に適合させるように行われることができる。全てのそのような修正は、本明細書に添付の請求項の範囲内であるように意図される。本明細書に開示される方法は、特定の順序で実施される特定の動作を参照して説明されているが、これらの動作は、組み合わせられ、細分割され、または並べ替えられ、本開示の教示から逸脱することなく、均等物方法を形成することができることを理解されたい。したがって、本明細書に具体的に示されない限り、動作の順序および群化は、本開示の限定ではない。
図1
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【外国語明細書】