(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152830
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】タッチパネル
(51)【国際特許分類】
G06F 3/044 20060101AFI20241018BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20241018BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241018BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20241018BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20241018BHJP
H10K 59/40 20230101ALI20241018BHJP
H10K 59/82 20230101ALI20241018BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
G06F3/044 122
G06F3/041 412
G06F3/041 422
G09F9/00 366A
H05B33/14 Z
H05B33/02
H10K59/40
H10K59/82
H10K59/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024131964
(22)【出願日】2024-08-08
(62)【分割の表示】P 2023107983の分割
【原出願日】2015-10-13
(31)【優先権主張番号】P 2014212646
(32)【優先日】2014-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 博之
(57)【要約】
【課題】検知精度を高めることのできるタッチパネルを提供する。または、検出感度を高
めることのできるタッチパネルを提供する。
【解決手段】第1の導電層と、第2の導電層と、複数の表示素子と、走査線と、を有する
タッチパネルとする。第1の導電層は、平面視における輪郭の一部に、第1の方向に平行
な直線部分である第1の部分を有する。第2の導電層は、平面視における輪郭の一部に、
第1の方向に平行な直線部分である第2の部分を有する。第1の部分と、第2の部分とは
、対向して設けられている。表示素子は、第1の導電層及び第2の導電層と重ならない位
置に設けられている。また走査線は、第2の方向に延伸する部分を有する。また第1の方
向と、第2の方向との成す角を、30度以上60度以下とする。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電層と、第2の導電層と、複数の表示素子と、走査線と、を有するタッチパネルであって、
前記第1の導電層は、平面視における輪郭の一部に、第1の方向に平行な直線部分である第1の部分を有し、
前記第2の導電層は、平面視における輪郭の一部に、前記第1の方向に平行な直線部分である第2の部分を有し、
前記第1の部分と、前記第2の部分とは、対向して設けられ、
前記表示素子は、前記第1の導電層及び前記第2の導電層と重ならない位置に設けられ、
前記走査線は、第2の方向に延伸する部分を有し、
前記第1の方向と、前記第2の方向との成す角が、30度以上60度以下である、
タッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、入力装置に関する。本発明の一態様は、表示装置に関する。本発明
の一態様は、入出力装置に関する。特に、本発明の一態様は、タッチパネルに関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様の技術分野
としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置
、入力装置、入出力装置、それらの駆動方法、又は、それらの製造方法、を一例として挙
げることができる。
【0003】
なお、本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる
装置全般を指す。トランジスタなどの半導体素子をはじめ、半導体回路、演算装置、記憶
装置は、半導体装置の一態様である。撮像装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、入
力装置、入出力装置、電気光学装置、発電装置(薄膜太陽電池、有機薄膜太陽電池等を含
む)、及び電子機器は、半導体装置を有している場合がある。
【背景技術】
【0004】
近年、位置入力手段としてタッチセンサを搭載した表示装置が実用化されている。タッ
チセンサを搭載した表示装置は、タッチパネル、またはタッチスクリーンなどと呼ばれて
いる(以下、これを単に「タッチパネル」とも呼ぶ)。例えば、タッチパネルを備える携
帯情報端末としては、スマートフォン、タブレット端末などがある。
【0005】
また、表示装置としては、代表的には液晶表示装置、有機EL(Electro Lu
minescence)素子や発光ダイオード(LED:Light Emitting
Diode)等の発光素子を備える発光装置、電気泳動方式などにより表示を行う電子
ペーパなどが挙げられる。
【0006】
例えば、有機EL素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の有機化合物を含む層
を挟持したものである。この素子に電圧を印加することにより、発光性の有機化合物から
発光を得ることができる。このような有機EL素子が適用された表示装置は、液晶表示装
置等で必要であったバックライトが不要なため、薄型、軽量、高コントラストで且つ低消
費電力な表示装置を実現できる。例えば、有機EL素子を用いた表示装置の一例が、特許
文献1に記載されている。
【0007】
また、タッチパネルは、例えば表示パネル上に重なるように感圧式のセンサアレイ、あ
るいは静電容量式のセンサアレイが設けられ、センサアレイの基板に指先や入力用のペン
(スタイラスともいう)で触れることによって、触れた位置を検知する。
【0008】
特許文献2には、エレクトロルミネッセンス表示装置の表示画面上にタッチセンサを設
けたタッチパネルの構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002-324673号公報
【特許文献2】特開2000―172444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
タッチセンサ、またはタッチパネルに触れる被検知体の位置情報をより精密に取得する
ために、タッチセンサの高感度化が求められている。
【0011】
本発明の一態様は、検知精度を高めることのできる入力装置、または入出力装置を提供
することを課題の一とする。または、検出感度を高めることのできる入力装置、または入
出力装置を提供することを課題の一とする。または、新規な入力装置、または入出力装置
を提供することを課題の一とする。
【0012】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の
一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課
題は、明細書、図面、請求項などの記載から抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、第1の導電層と、第2の導電層と、複数の表示素子と、走査線と、
を有するタッチパネルである。第1の導電層は、平面視における輪郭の一部に、第1の方
向に平行な直線部分である第1の部分を有する。第2の導電層は、平面視における輪郭の
一部に、第1の方向に平行な直線部分である第2の部分を有する。第1の部分と、第2の
部分とは、対向して設けられている。表示素子は、第1の導電層及び第2の導電層と重な
らない位置に設けられている。また走査線は、第2の方向に延伸する部分を有する。また
第1の方向と、第2の方向との成す角が、30度以上60度以下であることを特徴とする
。
【0014】
また上記において、第1の導電層及び第2の導電層は、第1の方向及び第1の方向に直
交する方向に交差する格子状の形状をそれぞれ有し、格子の開口部と、表示素子とが互い
に重ねて配置されることが好ましい。
【0015】
また、上記において、表示素子は、平面視において、第1の方向に平行な2辺を有する
多角形の形状を有することが好ましい。
【0016】
また、上記において、第1の基板と、第2の基板と、を有し、第1の導電層、第2の導
電層、表示素子、及び走査線は、第1の基板と第2の基板との間に位置することが好まし
い。またこのとき、可視光を遮光する機能を有する遮光層を有し、第1の基板上に、表示
素子及び走査線が設けられ、第2の基板上に、第1の導電層、第2の導電層、及び遮光層
が設けられ、遮光層は、第1の導電層と第2の基板との間、及び第2の導電層と第2の基
板との間に位置することが好ましい。
【0017】
また上記において、第1の導電層と第2の導電層とは、同一平面上に形成されているこ
とが好ましい。
【0018】
また、上記において、第1の部分と第2の部分の距離が、1μm以上10mm以下であ
ることが好ましい。
【0019】
また、本発明の他の一態様は、上記タッチパネルと、FPCとを有するタッチパネルモ
ジュールである。
【0020】
また、本発明の他の一態様は、上記タッチパネル、またはタッチパネルモジュールと、
アンテナ、ボタン、電池、スピーカ、マイクロフォン、またはレンズの少なくとも一を有
する電子機器である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、検知精度を高めることのできる入力装置、または入出力装置
を提供できる。または、検出感度を高めることのできる入力装置、または入出力装置を提
供できる。または、新規な入力装置、または入出力装置を提供できる。
【0022】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の
一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果
は、明細書、図面、請求項などの記載から抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図10】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図11】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図12】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図13】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図14】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図15】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図16】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図17】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図18】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図19】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図20】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図21】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図22】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図23】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図24】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図25】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図26】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図27】実施の形態に係る、タッチパネルの構成例。
【
図28】実施の形態に係る、タッチセンサのブロック図及びタイミングチャート図。
【
図29】実施の形態に係る、タッチセンサの回路図。
【
図30】実施の形態に係る、タッチセンサを備える画素を説明する図。
【
図31】実施の形態に係る、タッチセンサ及び画素の動作を説明する図。
【
図32】実施の形態に係る、電子機器及び照明装置の一例を示す図。
【
図33】実施の形態に係る、電子機器の一例を示す図。
【
図34】実施の形態に係る、電子機器の一例を示す図。
【
図35】実施の形態に係る、電子機器の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定
されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更
し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態
の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0025】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には
同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様
の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0026】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、
明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されな
い。
【0027】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避ける
ために付すものであり、数的に限定するものではない。
【0028】
トランジスタは半導体素子の一種であり、電流や電圧の増幅や、導通または非導通を制
御するスイッチング動作などを実現することができる。本明細書におけるトランジスタは
、IGFET(Insulated Gate Field Effect Trans
istor)や薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor
)を含む。
【0029】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の入力装置(タッチセンサ)の構成例、及び本発明
の一態様の入力装置と表示装置(表示パネル)を備える入出力装置(タッチパネル)の構
成例について、図面を参照して説明する。
【0030】
以下では、本発明の一態様のタッチセンサとして、静電容量方式のタッチセンサを適用
した場合について説明する。
【0031】
なお、本明細書等において、タッチパネルは表示面に画像等を表示(出力)する機能と
、表示面に指やスタイラスなどの被検知体が触れる、または近接することを検出するタッ
チセンサとしての機能と、を有する。したがってタッチパネルは入出力装置の一態様であ
る。
【0032】
また、本明細書等では、タッチパネルの基板に、例えばFPC(Flexible P
rint Circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Packag
e)などのコネクターが取り付けられたもの、または基板にCOG(Chip On G
lass)方式によりIC(集積回路)が実装されたものを、タッチパネルモジュール、
または単にタッチパネルと呼ぶ場合がある。
【0033】
本発明の一態様に適用できる静電容量方式のタッチセンサは、一対の導電層を備える。
一対の導電層間には容量が形成されている。一対の導電層に被検知体が触れる、または近
接することにより一対の導電層間の容量の大きさが変化することを利用して、検出を行う
ことができる。
【0034】
静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。投影型静
電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると
、同時多点検出が可能となるため好ましい。
【0035】
一対の導電層は、平面視における輪郭の一部に、直線部分を有する。また2つの導電層
は、各々の直線部分が平行になるように対向して配置される。このような構成とすること
で、2つの導電層の間に形成される容量の大きさを大きくすることが可能となる。また、
2つの導電層が平行に対向している部分において、2つの導電層の間に電位差を与えたと
きに生じる電気力線は密度が均一に分布するため、場所によって検出感度に差が生じるこ
とを抑制することができる。そのため、検知精度が高められたタッチセンサを実現できる
。
【0036】
本発明の一態様のタッチパネルは、タッチセンサと、画像を表示する表示パネル(表示
装置)と、を有する。タッチセンサは、表示パネルの表示面側に重ねて設けられる。
【0037】
また、表示パネルが有する表示素子と、タッチセンサを構成する一対の導電層とが重な
らないように設けることが好ましい。こうすることで、タッチパネルが表示する画像の輝
度が低下することを防ぎ、視認性が高められたタッチパネルを実現できる。さらに消費電
力を低減することができる。
【0038】
一対の導電層の上記直線部分の向きは、表示パネルが表示する表示画像の水平方向また
は垂直方向に対して約45度傾いていることが好ましい。例えば、表示パネルが有する走
査線(ゲート線ともいう)の延伸方向と、上記導電層の直線部分の方向とが成す角が、4
0度以上50度以下であることが好ましい。
【0039】
また、一対の導電層が格子状(メッシュ状ともいう)の形状であると、導電層の導電性
を向上させることができるため好ましい。また、一対の導電層が格子状の形状である場合
、格子の延伸方向は、直線部分に平行な方向に延伸する部分と、直線部分に平行な方向と
交差する方向に延伸する部分と、を有することが好ましい。
【0040】
また、一対の導電層が格子状の形状である場合、格子の開口部と、表示素子とが平面視
において重なるように配置することが好ましい。このとき、表示素子の平面視における輪
郭が、格子の延伸方向と平行な辺を有する多角形であると、開口率を高めることができる
ため好ましい。または、表示素子の平面視における輪郭が、導電層の直線部分の延伸方向
と平行な2辺を有する多角形、または一部に直線部分を有する閉曲線であることが好まし
い。
【0041】
より具体的には、例えば以下のような構成とすることができる。
【0042】
[構成例]
以下では、本発明の一態様の入出力装置の例として、タッチパネルの構成例について、
図面を参照して説明する。
【0043】
〔タッチパネルの構成例〕
図1(A)は、本発明の一態様のタッチパネル100の斜視概略図である。また、
図1
(B)は、
図1(A)を展開した斜視概略図である。なお明瞭化のため、代表的な構成要
素のみを示している。また
図1(B)では、一部の構成要素(基板30、基板72等)を
破線で輪郭のみ明示している。
【0044】
タッチパネル100は、入力装置10と、表示パネル70とを有し、これらが重ねて設
けられている。
【0045】
入力装置10は、基板30を有する。基板30には、電極31、電極32、複数の配線
41、複数の配線42が設けられている。また、基板30には、複数の配線41及び複数
の配線42の各々と電気的に接続するFPC50が貼り付けられている。またここでは、
FPC50上にIC51が設けられている例を示している。
【0046】
入力装置10としては、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。以下では、
投影型容量方式のタッチセンサを適用する場合について説明する。
【0047】
なお、これに限られず、指やスタイラスなどの被検知体の近接、または接触を検知する
ことのできる様々なセンサを入力装置10に適用することもできる。
【0048】
なお、入力装置10のより具体的な構成については後述する。
【0049】
表示パネル70は、対向して設けられた基板71と基板72とを有する。また基板71
上には、表示部81、駆動回路82、配線83等が設けられている。また基板71には、
配線83と電気的に接続されるFPC73が設けられている。またここでは、FPC73
上にIC74が設けられている例を示している。
【0050】
表示部81は画像が表示される領域であり、複数の画素を有する。
図1(B)には、表
示部81の一部を拡大した概略図を示している。画素は、少なくとも一つの表示素子60
を有する。また、画素は、トランジスタ及び表示素子60を備えることが好ましい。表示
素子60としては、代表的には有機EL素子などの発光素子や、液晶素子などを用いるこ
とができる。
【0051】
駆動回路82は、走査線駆動回路や信号線駆動回路などの、表示部81が有する画素を
駆動する回路を適用することができる。ここでは、駆動回路82として走査線駆動回路を
適用した場合について説明する。
【0052】
配線83は、表示部81や駆動回路82に信号や電力を伝達する機能を有する。当該信
号や電力は、FPC73を介して外部、またはIC74から配線83に入力される。
【0053】
表示部81は、駆動回路82と電気的に接続する複数の走査線(ゲート線ともいう)8
7を有する。走査線87は、画素が有する一のトランジスタのゲートと電気的に接続する
配線である。駆動回路82は、一の走査線87に電気的に接続する複数の画素を選択する
信号を各走査線87に順次供給することができる。
【0054】
ここで
図1(B)では、走査線87の延伸方向を、方向80として矢印で示している。
図1(B)に示す構成では、表示部81の駆動回路82が設けられている側の辺(輪郭)
に直交する方向と、方向80とが平行である場合を示している。なお、表示部81の輪郭
が長方形または正方形ではない場合等では、表示部81の輪郭と方向80とが直交しない
場合がある。なお、走査線87は必ずしも直線状である必要はなく、画素の構成に応じて
部分的に湾曲、または屈曲した形状であってもよい。このとき、走査線87の2つの端点
を結ぶ直線の方向が、方向80に相当する。または、走査線87を表示部81と重なる一
部分で切り出したときの、2つの端点を結ぶ直線の方向が方向80に相当する。また、方
向80は、一の走査線87と電気的に接続する画素(または副画素)の配列方向に平行な
方向と言い換えることもできる。
【0055】
図1(A)(B)では、FPC73上にCOF(Chip On Film)方式によ
り実装されたIC74が設けられている例を示している。IC74は、例えば走査線駆動
回路、または信号線駆動回路などとして機能するICを適用できる。なお表示パネル70
が走査線駆動回路及び信号線駆動回路として機能する回路を備える場合や、走査線駆動回
路や信号線駆動回路として機能する回路を外部に設け、FPC73を介して表示パネル7
0を駆動するための信号を入力する場合などでは、IC74を設けない構成としてもよい
。また、IC74をCOG(Chip On Glass)方式等により、基板71に直
接実装してもよい。
【0056】
〔入力装置の構成例〕
図2(A)に、入力装置10の上面概略図を示す。入力装置10は、基板30上に複数
の電極31、複数の電極32、複数の配線41、複数の配線42を有する。また基板30
には、複数の配線41及び複数の配線42の各々と電気的に接続するFPC50が設けら
れている。また
図2(A)では、FPC50にIC51が実装されている例を示している
。なお、ここでは区別しやすくするため、電極32の輪郭を実線で、電極31の輪郭を破
線で、それぞれ示している。
【0057】
図2(A)では電極31は横方向に延伸するように配置されている。また、電極32は
電極31と交差する向きに延伸するように配置されている。
図2(A)に示すように、電
極31と電極32とは、直交する向きに設けられていることが好ましい。
【0058】
複数の配線41は、それぞれ1つの電極31と電気的に接続している。また複数の配線
42は、それぞれ1つの電極32と電気的に接続している。
【0059】
IC51は、入力装置10を駆動するための回路を有する。IC51は、例えば相互容
量方式や自己容量方式などの駆動方法を実現する回路を有する。
【0060】
図2(B)に、
図2(A)中の領域Pの拡大図を示す。電極31と電極32とは、交差
部90でこれらの一部が重畳し、互いに交差している。交差部90では、電極31と電極
32とが電気的に短絡(ショート)しないように、これらの間に絶縁体が挟持されている
。
【0061】
図2(B)では、電極32は、局所的には電極31を90度回転させたものと等しい形
状を有している場合を示している。
【0062】
電極31及び電極32の平面視における輪郭は、複数の菱形のパターンが横方向または
縦方向に連なって一体となった形状を有している。このとき、
図2(B)に示すように一
つの菱形のパターンが正方形であると、電極31の紙面横方向に配列する菱形のパターン
のピッチと、紙面縦方向に配列する電極32のピッチとを等間隔にすることができるため
好ましい。こうすることで、入力装置10の検知領域において、検出点を等間隔にマトリ
クス状に配置することができ、検知精度を高めることができる。
【0063】
電極31は、その輪郭の一部に直線部分21を有する。また電極32は、その輪郭の一
部に直線部分22を有する。電極31と電極32とは、直線部分21と直線部分22とが
平行に対向するように配置されている。このような構成とすることで、電極31と電極3
2との間隔が一定となり、且つこれら2つの電極が対向する長さを長くすることができる
。したがって、2つの電極の間に形成される容量の大きさを大きくすることが可能となる
。また、2つの電極が対向している部分において、2つの電極の間に電位差を与えたとき
に生じる電気力線は密度が均一に分布するため、場所によって検出感度に差が生じること
を抑制することができる。そのため、検知精度が高められたタッチセンサを実現できる。
【0064】
なお、
図3に示すように基板30には電極31または電極32の一方のみを配置する構
成としてもよい。このとき、他方の電極を表示パネル70に設ける構成とすればよい。例
えば、液晶素子のコモン電極(共通電極)を電極31または電極32として利用すればよ
い。
図3では、電極31が基板30に配置された構成を示したが、電極32が基板30に
配置された構成としてもよい。
【0065】
図2(B)には、
図1(B)で示した走査線87の延伸方向である方向80を示してい
る。直線部分21と直線部分22とが平行であるとき、方向80と直線部分21との成す
角と、方向80と直線部分22との成す角は、等しくなる。ここでは、方向80と直線部
分21または直線部分22との成す角の角度を角度θと表記する。角度θは、30度以上
60度以下、好ましくは40度以上50度以下、より好ましくは42度以上48度以下、
代表的には45度であることが好ましい。
【0066】
また、電極31と電極32との間隔をDとする。間隔Dは、小さいほど2つの電極間の
容量を高めることができるため、検出感度を向上させることができる。間隔Dの大きさと
しては、例えば0より大きく10mm以下、好ましくは1μm以上5mm以下、より好ま
しくは3μm以上1mm以下、より好ましくは5μm以上500μm以下などとすればよ
い。または、表示部81が有する画素、または副画素を配列したときのピッチ、または表
示素子60を配列したときのピッチの整数倍とすることが好ましい。
【0067】
図2(B)では、電極31と電極32がそれぞれ格子状の形状を有している例を示して
いる。電極31及び電極32の格子の間隔は、その整数倍が上記電極31と電極32の間
隔Dと等しくなるように設定することが好ましい。また、
図2(B)に示すように電極3
1及び電極32の格子を直交する格子とした場合、格子を成す2つの直線部分のうちの一
つの向きが直線部分21または直線部分22と平行になるようにすることが好ましい。こ
のとき、電極31及び電極32が有する開口部の形状は、方向80に対して角度θだけ傾
いた正方形の形状となる。
【0068】
なお、
図2(B)では、格子の開口部の形状が正方形である場合を示したが、これに限
られず円形、楕円形、角の丸い多角形など、さまざまな形状とすることもできる。
【0069】
電極31及び電極32は、使用者から視認されない程度に細く加工されていることが好
ましい。
図2(B)に示すように電極31及び電極32を格子状(メッシュ状)に加工す
ることで、高い導電性と表示装置の高い視認性を得ることができる。電極31及び電極3
2の最も細い部分の幅を、30nm以上100μm以下、好ましくは50nm以上50μ
m以下、より好ましくは50nm以上20μm以下とすることが好ましい。特に、10μ
m以下のパターン幅を有する導電膜は、使用者が視認することが極めて困難となるため好
ましい。
【0070】
また電極31及び電極32に、導電性のナノワイヤを用いてもよい。隣接するナノワイ
ヤ同士が接触するように、適当な密度で分散することにより、2次元的なネットワークが
形成され、極めて透光性の高い導電膜として機能させることができる。例えば直径の平均
値が1nm以上100nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは5
nm以上25nm以下のナノワイヤを用いることができる。ナノワイヤとしては、Agナ
ノワイヤや、Cuナノワイヤ、Alナノワイヤ等の金属ナノワイヤ、または、カーボンナ
ノチューブなどを用いることができる。例えばAgナノワイヤの場合、光透過率は89%
以上、シート抵抗値は40Ω/□以上100Ω/□以下を実現することができる。
【0071】
図4(A)に示すように、電極32が複数の電極33と、ブリッジ電極34によって構
成されていてもよい。ここで電極33やブリッジ電極34の相対位置や形状を見やすくす
るため、
図4(B)ではブリッジ電極34のみを破線で示し、
図4(C)ではブリッジ電
極34のみを実線で示している。また、ブリッジ電極34と、電極31及び電極33との
上下関係は特に限定されず、どちらが基板30側に配置されていてもよい。
【0072】
島状の電極33は、縦方向に並べて配置され、ブリッジ電極34によって隣接する2つ
の電極33が電気的に接続されている。このような構成とすることで、電極33と、電極
31とを同一の導電膜を加工することで同時に形成することができる。そのためこれらの
膜厚や線幅などのばらつきを抑制でき、それぞれの電極の抵抗値が場所によってばらつく
ことを抑制できる。また、このような構成とすることで電極33と電極31とを同一平面
上に配置することができる。したがって、電極31と電極33は高さ方向の位置のずれが
生じないため、これらの間に生じる電気力線の分布を均一なものとすることができ、入力
装置10の検出感度を向上させることができる。
【0073】
なお、ここでは電極32がブリッジ電極34を有する構成としたが、電極31がこのよ
うな構成であってもよい。このとき、ブリッジ電極34を設けることで接触抵抗の影響が
顕著となる場合には、電極31と電極32のうち短いほうにブリッジ電極34を有する構
成を適用すると、1つの電極が有するブリッジ電極34の数を減らすことができるため好
ましい。
【0074】
図5(A)には、
図2(A)中の領域Qの拡大図を示す。領域Qは、入力装置10の検
知領域の角部を含む領域である。
【0075】
図5(A)に示すように、検知領域の角部では電極31及び電極32は方向80に平行
、または垂直な方向に切り欠いたような形状とすることが好ましい。また、電極31及び
電極32の輪郭が、方向80に平行、または垂直な直線部分を有する構成とすることが好
ましい。このような構成とすることで、入力装置10と表示パネル70とを組み合わせた
タッチパネル100を狭額縁化することができる。
【0076】
図5(B)では、
図5(A)に比べて間隔Dを広げた場合の例を示している。このよう
に、電極31と電極32の間隔を広げる場合、交差部90にも格子状の形状を適用するこ
とが好ましい。
図5(B)では、電極32が格子状のブリッジ電極34を有する場合を示
している。なお、
図2(B)に示すように、ブリッジ電極34を適用しない場合では、電
極31及び電極32が、交差部90において格子状の形状を有する構成とすればよい。
【0077】
上記では、電極31と電極32が、格子状の形状を有している場合を示したが、これに
限られず、電極31と電極32が対向する直線部分を有していればよく、他の様々な形状
をとることができる。
【0078】
また、
図6(A)(B)に示すように、電極31及び電極32とは電気的に絶縁された
ダミー電極35を、電極31と電極32との間に配置する構成としてもよい。このような
構成とすることで、電極31や電極32が存在しない領域が視認されてしまうことを抑制
できる。
【0079】
図7(A)では、
図4(A)に示した電極31と電極33の菱形の電極パターンの内側
をくりぬいて、輪郭部のみ残した形状とした場合を示している。また、
図7(B)では、
電極31と電極33として、格子の一方の直線部分のみを残した場合を示している。また
、
図7(C)では、電極31と電極33の内側にジグザグ形状のパターンを有する場合を
示している。このとき当該ジグザグ形状のパターンが有する直線部分は、電極31または
電極33が有する輪郭の直線部分と平行になるように形成することが好ましい。また、図
7(C)に示すように、当該ジグザグ形状のパターンが、電極31または電極32の延伸
方向に沿って配置すると、この方向の電気抵抗を低減することができるため好ましい。
【0080】
なお、
図7(A)(B)(C)では、電極32がブリッジ電極34を有する構成の例を
示したが、
図2(B)に示すように、ブリッジ電極34を適用しない構成としてもよい。
【0081】
図2(A)等では、電極31及び電極32の上面形状として、複数の菱形が一方向に連
なった形状とした例を示したが、電極31及び電極32の形状としてはこれに限られず、
帯状(長方形状)、曲線を有する帯状、ジグザグ形状など、様々な上面形状とすることが
できる。また、上記では電極31と電極32とが直交するように配置されているように示
しているが、これらは必ずしも直交して配置される必要はなく、2つの電極の成す角が9
0度未満であってもよい。
【0082】
図8(A)では、ジグザグ状の上面形状を有する電極36及び電極37を用いた場合の
例を示している。なお明瞭化のため、
図8(A)等では、電極36を破線で、電極37を
実線で示している。このとき、
図8(A)に示すように、それぞれの直線部分の中心位置
を重ねるのではなく、相対的にずらして配置することが好ましい。これにより電極36と
電極37とが平行に対向する部分を近づけることができ、電極間の容量が高められ、検出
感度が向上するため好ましい。または、
図8(B)に示すように、電極36及び電極37
の上面形状として、ジグザグ形状の直線部分の一部が突出した形状とすると、当該直線部
分の中心位置を重ねて配置しても、対向する部分の長さを長くすることができるため電極
間の容量を高めることができる。
【0083】
図8(A)中の一点鎖線で囲った領域の拡大図を
図9(A)に、
図8(B)中の一点鎖
線で囲った領域の拡大図を
図9(D)にそれぞれ示す。また各図には電極36、電極37
、およびこれらが交差する交差部38を示している。ここで、
図9(B)、(E)に示す
ように、
図9(A)、(D)における電極36及び電極37の直線部分が、角部を有する
ように蛇行する形状であってもよいし、
図9(C)、(F)に示すように、曲線が連続す
るように蛇行する形状であってもよい。
【0084】
以上が入力装置の構成例についての説明である。
【0085】
〔画素の構成例〕
以下では、本発明の一態様のタッチパネル100が有する表示パネル70の画素の構成
例について説明する。
【0086】
上述のように、表示パネル70の表示部には、複数の画素が設けられている。また画素
は1以上の表示素子60を有する。フルカラーの画像を表示する表示パネル70とする場
合、例えば1つの画素に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の表示素子60が設
けられた構成とすることが好ましい。また一つの画素が、上記3色に加えて黄色(Y)や
白色(W)の表示素子60を有する構成とすると、消費電力を低減することが可能なため
好ましい。ここで、1つの表示素子60と、これに対応する画素回路を有する構成を、副
画素と呼ぶこともある。画素が3つの表示素子60を有する場合、画素は3つの副画素を
含む構成とすることができる。
【0087】
また、入力装置10を表示パネル70に重ねて配置する場合、入力装置10が有する電
極31及び電極32が、表示素子60の間に位置するように配置することが好ましい。こ
うすることで、表示素子60からの光が電極31及び電極32によって遮られることがな
いため、入力装置10を設けた際の表示パネル70の輝度の低下を実質的に無くす、また
は極めて小さくすることができる。したがって、視認性が高く、また消費電力が低減され
たタッチパネルを実現できる。また、電極31及び電極32が表示素子60と重ならない
ため、電極31及び電極32に比較的高抵抗な透光性の導電性材料を用いる必要がない。
そのため電極31及び電極32に低抵抗な金属や合金材料を用いることが可能で、電極3
1や電極32を肉眼で視認できない程度にまで極めて細く形成することが可能となる。し
たがって電極31や電極32が光を反射するなどして視認されてしまうことも抑制できる
ため、より視認性の高いタッチパネルを実現できる。
【0088】
図10に、
図1(A)に示すタッチパネル100の表示面側から見たときの表示部81
と、入力装置10を重ねた状態における拡大図を示す。ここでは、表示パネル70が有す
る画素40が、異なる色を呈する4つの表示素子60(表示素子60R、表示素子60G
、表示素子60B、表示素子60Y)を有する場合について示している。なお、以下では
4種類の表示素子に共通する事項などを説明するとき、表示素子60と表記して説明する
。
【0089】
図10には電極31と、各表示素子60の位置関係を示している。なおここでは電極3
1を示しているが、電極32(または電極33及びブリッジ電極34)の場合も同様であ
る。また
図10には、表示パネル70が有する走査線87の向きなどを説明するために、
3つの走査線(走査線87a、走査線87b、及び走査線87c)を破線で示し、また走
査線の延伸方向である方向80も示している。
【0090】
図10に示す構成では、電極31が有する格子の直線部分と走査線87との成す角が4
5度である場合を示している。表示素子60は、電極31が有する直線部分に沿って配列
している。ここで、
図10において斜めに配列する複数の表示素子60は、異なる2つの
色に対応する2種類の表示素子60が交互に配列している。1つの画素40は、隣接する
4つの表示素子60(表示素子60R、表示素子60G、表示素子60B、表示素子60
Y)を含んで構成されている。ここで、表示素子60Rは赤色を呈する表示素子であり、
表示素子60Gは緑色を呈する表示素子であり、表示素子60Bは青色を呈する表示素子
であり、表示素子60Yは黄色を呈する表示素子であるとする。
【0091】
一つの表示素子60は、その輪郭が電極31が有する格子の直線部分に平行な部分を有
していることが好ましい。このような形状とすることで、表示素子60を配列させるとき
の2つの表示素子60の隙間を少なくし、開口率を高めることができる。
図10では、表
示素子60の輪郭が角部の丸い四角形形状としているが、これに限られず、正方形、長方
形、多角形、楕円、円、または角部の丸い多角形などの形状としてもよい。
【0092】
図10で示す走査線87aは、例えば表示素子60Rを含む副画素を駆動する走査線に
対応する。また走査線87bは、表示素子60Gを含む副画素、及び表示素子60Yを含
む副画素を駆動する走査線に対応する。また走査線87cは、表示素子60Bを含む副画
素を駆動する走査線に対応する。各走査線は、各副画素に含まれるトランジスタのゲート
と電気的に接続している。すなわち、
図10で例示する構成では、1つの画素は3つの走
査線87によって駆動することができる。
【0093】
図10では、電極31が有する開口部の1つに、1つの画素40(すなわち4つの表示
素子60)が含まれる構成を示したが、これに限られず電極31は、隣接する表示素子6
0の間に配置されるように加工された様々な形態をとることができる。
【0094】
図11(A)には、電極31が有する格子の開口部に、ひとつの表示素子60が含まれ
るように配置した場合を示している。また、
図11(B)では、電極31がストライプ状
の形状とした場合を示している。また、
図11(C)では、電極31が有する格子の1つ
の開口部に、複数の画素40が配置されている例を示している。また、
図11(D)では
、電極31が有する格子において、直交する2つの方向の格子のピッチが異なる場合を示
している。また、
図11(E)及び
図11(F)には、
図7(C)に示したように、電極
31がジグザグ形状を有している場合の例を示している。
【0095】
また、
図10及び
図11では、1つの画素40に4色の表示素子60が設けられた例を
示しているが、これに限られず3色、または5色以上の表示素子を設けてもよい。
【0096】
図12では、1つの画素40が3色の表示素子60を有している場合の例を示している
。
図12では説明を容易にするため、画素40a、画素40b、及び画素40cを他とは
区別して示し、画素40a、画素40b、及び画素40cの各々に含まれる3つの表示素
子60に同じハッチングパターンを付している。
【0097】
図12において、縦方向に配列した画素40aと画素40bは、これに含まれる3つの
表示素子60の配列が等しい。また横方向に配列した画素40aと画素40cとは、それ
ぞれ表示素子60の配列が、上下逆転した配列となっている。
【0098】
また、
図12では、紙面縦方向に同一の色の表示素子60が配列している。このような
構成とすることで、カラーフィルタや、発光素子を異なる色の表示素子60に応じて作り
分ける際に、形成しやすくなるため好ましい。
【0099】
図13(A)には、1つの画素が3色の表示素子60を有している場合の例を示してい
る。表示素子60は、その輪郭が電極31の格子の方向に沿った直線部分を有し、角部の
丸い長方形の形状を有している例を示している。また、同じ色の表示素子60が、電極3
1の格子の方向に沿って並べられ、ストライプ配置を成している。また、
図13(B)、
(C)、(D)には、電極31を
図13(A)とは異なる形状の例を示している。
【0100】
なお、
図10乃至
図13では、説明を容易にするため複数の表示素子60のうちのいく
つかにR、G、B、Y等の符号を付しているが、この配置方法は一例であり、表示素子6
0の配置方法を限定するものではない。R、G、B、Yはそれぞれ交換可能である。また
、R、G、B、Yのいずれかに代えて白色の表示素子に対応するWを配置してもよい。
【0101】
以上が画素の構成例についての説明である。
【0102】
[断面構成例]
以下では、タッチパネル100の断面構成の例について、図面を参照して説明する。
【0103】
〔断面構成例1〕
図14は、タッチパネル100の断面概略図である。
図14では、
図1(A)における
FPC73を含む領域、駆動回路82を含む領域、表示部81を含む領域、及びFPC5
0を含む領域のそれぞれの断面を示している。
【0104】
基板71と、基板72とは、接着層151によって貼り合わされている。また基板72
と基板30とは、接着層152によって貼り合わされている。ここで、基板71と基板7
2及びその間に挟持される構成要素を含む構成が、表示パネル70に相当する。また基板
30及び基板30上に設けられた構成要素を含む構成が、入力装置10に相当する。
【0105】
〈表示パネル70〉
基板71と基板72との間には、トランジスタ201、トランジスタ202、トランジ
スタ203、表示素子60、容量素子205、接続部206、配線207等が設けられて
いる。
【0106】
基板71上には、絶縁層211、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214、絶縁層
215、スペーサ216等が設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジス
タのゲート絶縁層として機能し、また他の一部が容量素子205の誘電体としての機能を
有する。絶縁層212、絶縁層213、及び絶縁層214は、各トランジスタや、容量素
子205等を覆って設けられている。絶縁層214は平坦化層としての機能を有する。な
お、ここではトランジスタ等を覆う絶縁層として、絶縁層212、絶縁層213、及び絶
縁層214の3層を有する場合を示しているが、これに限られず4層以上であってもよい
し、単層、または2層であってもよい。また平坦化層として機能する絶縁層214は不要
であれば設けなくてもよい。
【0107】
絶縁層214上に、表示素子60が設けられている。ここでは、表示素子60として上
面射出型(トップエミッション型)の発光素子(有機EL素子)を適用した場合の例を示
している。表示素子60は、第2の電極223側に光を射出する。表示素子60の発光領
域と重ねて、トランジスタ202、トランジスタ203、容量素子205、及び配線等を
配置することで、表示部81の開口率を高めることができる。
【0108】
表示素子60は、第1の電極221と第2の電極223との間に、EL層222を有す
る。また、第1の電極221とEL層222との間には、光学調整層224が設けられて
いる。絶縁層215は、第1の電極221と光学調整層224の端部を覆って設けられて
いる。
【0109】
図14では、表示部81の例として1画素分の断面を示している。ここでは、画素が電
流制御用のトランジスタ202と、スイッチング制御用のトランジスタ203と、容量素
子205と、を有する場合を示している。トランジスタ202のソース又はドレインの一
方、及び容量素子205の一方の電極は、絶縁層212、絶縁層213及び絶縁層214
に設けられた開口部を介して第1の電極221と電気的に接続している。
【0110】
また
図14では、駆動回路82の例として、トランジスタ201が設けられている構成
を示している。
【0111】
トランジスタ201、トランジスタ202、及びトランジスタ203は、それぞれゲー
ト電極として機能する導電層241と、半導体層242と、一方がソース電極として機能
し、他方がドレイン電極として機能する一対の導電層243と、ゲート絶縁層として機能
する絶縁層211と、を有する。
【0112】
図14では、トランジスタ201及びトランジスタ202に、チャネルが形成される半
導体層を2つのゲート電極(導電層241及び導電層244)で挟持する構成を適用した
例を示している。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度
を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速動作が
可能な回路を作製することができる。さらには、回路の占有面積を縮小することが可能と
なる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示パネルを大型化、または高
精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが
可能であり、表示の輝度のばらつきを低減することが可能となる。
【0113】
なお、駆動回路82と表示部81に設けられるトランジスタは、それぞれ同じ構造のト
ランジスタとしてもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。
【0114】
各トランジスタを覆う絶縁層212、絶縁層213のうち少なくとも一方は、水は水素
などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。すなわち、絶縁層212また
は絶縁層213はバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで
、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能と
なり、信頼性の高いタッチパネルを実現できる。
【0115】
スペーサ216は、絶縁層215上に設けられ、基板71と基板72との距離を調整す
る機能を有する。
図14では、スペーサ216と遮光層232との間に隙間がある場合を
示しているが、これらが接していてもよい。またここでは、スペーサ216を基板71側
に設ける構成を示したが、基板72側(例えば遮光層232よりも基板71側)に設けて
もよい。または、スペーサ216に代えて粒状のスペーサを用いてもよい。粒状のスペー
サとしては、シリカ等の材料を用いることもできるが、有機樹脂やゴムなどの弾性を有す
る材料を用いることが好ましい。このとき、粒状のスペーサは上下方向に潰れた形状とな
る場合がある。
【0116】
基板72の基板71側には、着色層231、遮光層232等が設けられている。遮光層
232は開口を有し、当該開口が表示素子60の表示領域と重なるように配置される。着
色層231は、表示素子60と重なるように設けられている。
【0117】
遮光層232として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、金属酸化物
、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。また、遮光層232に、
着色層231の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、着色層231にア
クリル樹脂を含む材料を用い、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他
の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着
色層231と遮光層232の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡
略化できるため好ましい。
【0118】
例えば、着色層231に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料
または染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
【0119】
また、着色層231及び遮光層232を覆ってオーバーコートとして機能する絶縁層を
設けてもよい。
【0120】
基板71の端部に近い領域に、接続部206が設けられている。接続部206は、接続
層209を介してFPC73が電気的に接続されている。
図14に示す構成では、駆動回
路82と電気的に接続する配線207の一部と、第1の電極221と同一の導電膜を加工
して形成された導電層とを積層して、接続部206を構成している例を示している。この
ように、2以上の導電層を積層して接続部206を構成することで、電気抵抗を低減でき
るだけでなく、接続部206の機械的強度を高めることができる。
【0121】
また、
図14では、一例としてトランジスタのゲート電極と同一の導電膜を加工して形
成された配線と、トランジスタのソース電極及びドレイン電極と同一の導電膜を加工して
形成された配線とが交差する交差部86の断面構造を示している。
【0122】
ここでは、交差部86に、トランジスタのゲート電極と同一の導電膜を加工して形成さ
れた走査線87が設けられている場合を示している。なお、走査線87はトランジスタの
ソース電極及びドレイン電極と同一の導電膜を加工して形成された配線であってもよいし
、他の導電膜を用いてもよい。
【0123】
〈入力装置10〉
基板30の基板72側には、電極31及び電極32が設けられている。ここでは、電極
31が、電極33及びブリッジ電極34を有する場合の例を示している。
図14中の交差
部86に示すように、電極32と電極33は同一平面上に形成されている。また電極32
及び電極33を覆う絶縁層161上に、ブリッジ電極34が設けられている。ブリッジ電
極34は、絶縁層161に設けられた開口を介して、電極32を挟むように設けられる2
つの電極33と電気的に接続している。
【0124】
また
図14に示す構成では、電極33が表示素子60と重ならないように配置されてい
る例を示している。すなわち、電極33が有する開口と、表示素子60とが重なるように
、電極33が配置されている。このとき、電極33は着色層231とも重ならないように
配置することが好ましい。また、電極33は遮光層232と重なるように配置することが
好ましい。なお、ここでは電極33の例を示しているが、電極31、電極32、及びブリ
ッジ電極34も同様に、表示素子60等と重ならないように配置されていることが好まし
い。
【0125】
基板30の端部に近い領域には、接続部106が設けられている。接続部106は、接
続層109を介してFPC50が電気的に接続されている。
図14に示す構成では、配線
42の一部と、ブリッジ電極34と同一の導電膜を加工して得られた導電層とを積層して
、接続部106を構成している例を示している。
【0126】
接続層109や接続層209としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotr
opic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Ani
sotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
【0127】
ここで、基板30は、指またはスタイラスなどの被検知体が直接触れる基板としても用
いることができる。その場合、基板30上に保護層(セラミックコート等)を設けること
が好ましい。保護層は、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、イ
ットリア安定化ジルコニア(YSZ)などの無機絶縁材料を用いることができる。また、
基板30に強化ガラスを用いてもよい。強化ガラスは、イオン交換法や風冷強化法等によ
り物理的、または化学的な処理が施され、その表面に圧縮応力を加えたものを用いること
ができる。タッチセンサを強化ガラスの一面に設け、その反対側の面を例えば電子機器の
最表面に設けてタッチ面として用いることにより、機器全体の厚さを低減することができ
る。
【0128】
〈各構成要素について〉
以下では、上記に示す各構成要素について説明する。
【0129】
タッチパネルが有する基板には、平坦面を有する材料を用いることができる。表示素子
からの光を取り出す側の基板には、該光を透過する材料を用いる。例えば、ガラス、石英
、セラミック、サファイヤ、有機樹脂などの材料を用いることができる。
【0130】
厚さの薄い基板を用いることで、タッチパネルの軽量化、薄型化を図ることができる。
さらに、可撓性を有する程度の厚さの基板を用いることで、可撓性を有するタッチパネル
を実現できる。
【0131】
ガラスとしては、例えば、無アルカリガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホ
ウケイ酸ガラス等を用いることができる。
【0132】
可撓性及び可視光に対する透過性を有する材料としては、例えば、可撓性を有する程度
の厚さのガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメ
チルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PE
S)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂等が挙げら
れる。特に、熱膨張係数の低い材料を用いることが好ましく、例えば、ポリアミドイミド
樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、ガラス繊維に有機
樹脂を含浸した基板や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜて熱膨張係数を下げた基板を使用
することもできる。このような材料を用いた基板は、重量が軽いため、該基板を用いたタ
ッチパネルも軽量にすることができる。
【0133】
また、発光を取り出さない側の基板は、透光性を有していなくてもよいため、上記に挙
げた基板の他に、金属基板、セラミック基板、または半導体基板等を用いることもできる
。金属基板は熱伝導性が高く、金属基板全体に熱を容易に伝導できるため、タッチパネル
の局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。可撓性や曲げ性を得るためには、
金属基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下
であることがより好ましい。
【0134】
金属基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウム、銅、ニ
ッケル等の金属、もしくはアルミニウム合金またはステンレス等の合金などを好適に用い
ることができる。
【0135】
また、金属基板の表面を酸化する、又は表面に絶縁膜を形成するなどにより、絶縁処理
が施された基板を用いてもよい。例えば、スピンコート法やディップ法などの塗布法、電
着法、蒸着法、又はスパッタリング法などを用いて絶縁膜を形成してもよいし、酸素雰囲
気で放置する又は加熱するほか、陽極酸化法などによって、基板の表面に酸化膜を形成し
てもよい。
【0136】
可撓性を有する基板に、タッチパネルの表面を傷などから保護するハードコート層(例
えば、窒化シリコン層など)や、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラミド樹脂層な
ど)等が積層されていてもよい。また、水分等による表示素子の寿命の低下等を抑制する
ために、可撓性を有する基板に透水性の低い絶縁膜が形成されていてもよい。例えば、窒
化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜や、窒化アルミニウム膜等の
窒素とアルミニウムを含む膜等の透水性の低い絶縁膜を有していてもよい。
【0137】
基板は、複数の層を積層して用いることもできる。特に、ガラス層を有する構成とする
と、水や酸素に対するバリア性を向上させ、信頼性の高いタッチパネルとすることができ
る。
【0138】
例えば、表示素子に近い側からガラス層、接着層、及び有機樹脂層を積層した基板を用
いることができる。当該ガラス層の厚さとしては20μm以上200μm以下、好ましく
は25μm以上100μm以下とする。このような厚さのガラス層は、水や酸素に対する
高いバリア性と可撓性を同時に実現できる。また、有機樹脂層の厚さとしては、10μm
以上200μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下とする。このような有機樹脂
層をガラス層よりも外側に設けることにより、ガラス層の割れやクラックを抑制し、機械
的強度を向上させることができる。このようなガラス材料と有機樹脂の複合材料を基板に
適用することにより、極めて信頼性が高いフレキシブルなタッチパネルとすることができ
る。
【0139】
トランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、半導体層と、ソース電極として
機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する
絶縁層と、を有する。
【0140】
なお、本発明の一態様のタッチパネルが有するトランジスタの構造は特に限定されない
。例えば、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしても
よい。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよ
い。トランジスタに用いる半導体材料は特に限定されず、例えば、酸化物半導体、シリコ
ン、ゲルマニウム、有機半導体等が挙げられる。
【0141】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、
結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領
域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トラン
ジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0142】
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、例えば、14族の元素、化合物半導
体又は酸化物半導体を半導体層に用いることができる。代表的には、シリコンを含む半導
体、ガリウムヒ素を含む半導体又はインジウムを含む酸化物半導体などを適用できる。
【0143】
特に、トランジスタのチャネルが形成される半導体に、酸化物半導体を適用することが
好ましい。特にシリコンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を適用することが好
ましい。シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を
用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
【0144】
例えば、上記酸化物半導体として、少なくともインジウム(In)もしくは亜鉛(Zn
)を含むことが好ましい。より好ましくは、In-M-Zn系酸化物(MはAl、Ti、
Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)で表記される酸化物を含
む。
【0145】
特に、半導体層として、複数の結晶部を有し、当該結晶部はc軸が半導体層の被形成面
、または半導体層の上面に対し概略垂直に配向し、且つ隣接する結晶部間には粒界が観察
されない酸化物半導体膜を用いることが好ましい。
【0146】
このような酸化物半導体は、結晶粒界を有さないために表示パネルを湾曲させたときの
応力によって酸化物半導体膜にクラックが生じてしまうことが抑制される。したがって、
可撓性を有し、湾曲させて用いるタッチパネルなどに、このような酸化物半導体を好適に
用いることができる。
【0147】
また半導体層としてこのような結晶性を有する酸化物半導体を用いることで、電気特性
の変動が抑制され、信頼性の高いトランジスタを実現できる。
【0148】
また、シリコンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を用いたトランジスタは、
その低いオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間
に亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、
各表示領域に表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。
その結果、極めて消費電力の低減された表示装置を実現できる。
【0149】
または、トランジスタのチャネルが形成される半導体に、シリコンを用いることが好ま
しい。シリコンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリ
コンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコ
ンなどを用いることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温
で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備え
る。このような多結晶半導体を画素に適用することで画素の開口率を向上させることがで
きる。また極めて高精細に画素を有する場合であっても、走査線駆動回路と信号線駆動回
路を画素と同一基板上に形成することが可能となり、電子機器を構成する部品数を低減す
ることができる。
【0150】
トランジスタのゲート、ソースおよびドレインのほか、タッチパネルを構成する各種配
線および電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、
クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、また
はタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金などが挙げられる。またこれ
らの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。例えば、シリコ
ンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、
タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウ
ム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングス
テン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、その上に重ねてア
ルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成す
る三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜ま
たは銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層
構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛を含む透明導電材料を用い
てもよい。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まる
ため好ましい。
【0151】
また、タッチパネルを構成する各種配線および電極などの導電層に用いることのできる
透光性を有する材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸
化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用
いることができる。または、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、ク
ロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、またはチタンなどの金属材料や、該
金属材料を含む合金材料を用いることができる。または、該金属材料の窒化物(例えば、
窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(またはそれらの窒化物)
を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすればよい。また、上記材料の積層膜を導
電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化
物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。
【0152】
各絶縁層、オーバーコート、スペーサ等に用いることのできる絶縁材料としては、例え
ば、アクリル、エポキシなどの樹脂、シロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、
酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁
材料を用いることもできる。
【0153】
また発光素子は、一対の透水性の低い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。こ
れにより、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、装置の信頼性の低下を抑
制できる。
【0154】
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を
含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、
酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
【0155】
例えば、透水性の低い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10-5[g/(m2・day)
]以下、好ましくは1×10-6[g/(m2・day)]以下、より好ましくは1×1
0-7[g/(m2・day)]以下、さらに好ましくは1×10-8[g/(m2・d
ay)]以下とする。
【0156】
各接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接
着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤として
はエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イ
ミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、
EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿
性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等
を用いてもよい。
【0157】
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸
化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用い
ることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を
吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が機能素子に
侵入することを抑制でき、表示パネルの信頼性が向上するため好ましい。
【0158】
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、発光素子
からの光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、
ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
【0159】
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝
度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、発光ダイオード(LED)、有機
EL素子、無機EL素子等を用いることができる。
【0160】
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型
のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる
。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好まし
い。
【0161】
EL層は少なくとも発光層を有する。EL層は、発光層以外の層として、正孔注入性の
高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入
性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含
む層をさらに有していてもよい。
【0162】
EL層には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合
物を含んでいてもよい。EL層を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)
、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0163】
陰極と陽極の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層に陽極側か
ら正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層におい
て再結合し、EL層に含まれる発光物質が発光する。
【0164】
発光素子として、白色発光の発光素子を適用する場合には、EL層に2種類以上の発光
物質を含む構成とすることが好ましい。例えば2以上の発光物質の各々の発光が補色の関
係となるように、発光物質を選択することにより白色発光を得ることができる。例えば、
それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、O(橙)等の発光を示す発光物質、
またはR、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光物質のうち、
2以上を含むことが好ましい。また、発光素子からの発光のスペクトルが、可視光領域の
波長(例えば350nm~750nm)の範囲内に2以上のピークを有する発光素子を適
用することが好ましい。また、黄色の波長領域にピークを有する材料の発光スペクトルは
、緑色及び赤色の波長領域にもスペクトル成分を有する材料であることが好ましい。
【0165】
EL層は、一の色を発光する発光材料を含む発光層と、他の色を発光する発光材料を含
む発光層とが積層された構成とすることが好ましい。例えば、EL層における複数の発光
層は、互いに接して積層されていてもよいし、分離層を介して積層されていてもよい。例
えば、蛍光発光層と燐光発光層との間に分離層を設ける構成としてもよい。例えば、蛍光
発光層と燐光発光層との間に、当該蛍光発光層または燐光発光層と同一の材料(例えばホ
スト材料、アシスト材料)を含み、且ついずれの発光材料も含まない領域を設ける構成と
してもよい。これにより、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。
【0166】
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:
Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添
加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム
、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、もし
くはチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、又はこれら金属材料の窒化物(例
えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる
。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウ
ムの合金とITOの積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。
また、グラフェン等を用いてもよい。
【0167】
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タング
ステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又
はこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ラン
タン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、アルミニウムとチ
タンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金等のアルミ
ニウムを含む合金(アルミニウム合金)や、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金、
銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いて形成することができる。銀と銅を含む
合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム合金膜に接する金属膜又は金
属酸化物膜を積層することで、アルミニウム合金膜の酸化を抑制することができる。該金
属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタン、酸化チタンなどが挙げられる。また、上記
可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とITO
の積層膜、銀とマグネシウムの合金とITOの積層膜などを用いることができる。
【0168】
導電膜は、それぞれ、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成すればよい。そのほか、
インクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用いて
形成することができる。
【0169】
また、発光素子は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、複数のEL層
が電荷発生層を介して積層されたタンデム素子であってもよい。
【0170】
以上が、各構成要素についての説明である。
【0171】
以下では、上記断面構成例1とは一部の構成の異なる例について、図面を参照して説明
する。なお以下では、上記と重複する部分については説明を省略し、相違点について説明
する。
【0172】
〔断面構成例2〕
図15には、
図14とは一部の構成の異なるタッチパネル100の断面構成例を示して
いる。
【0173】
図15において、トランジスタ201及びトランジスタ202は、その第2のゲートと
して機能する導電層が、絶縁層213と絶縁層214との間に設けられている。このよう
な構成とすることで、
図14に示す構成と比べて第2のゲートにかける電圧を低減できる
ため好ましい。
【0174】
また、
図15に示す表示素子60は、塗り分け方式で形成した場合の例を示している。
具体的には、異なる色の画素毎に、異なる色を発光するEL層222が形成されている。
また表示素子60の発光領域よりも外側で、EL層222の端部が第2の電極223に覆
われた領域を有している。EL層222は、例えばメタルマスクを用いた蒸着法や、印刷
法、インクジェット法などで形成することができる。
【0175】
また、
図15では
図14で例示した光学調整層224や着色層231が設けられていな
い例を示している。
【0176】
また、
図15では、第2の電極223を覆って保護膜217が設けられている例を示し
ている。保護膜217は、表示素子60に水などの不純物が拡散しないように、バリア膜
としての機能を有する。またここでは図示しないが、保護膜217はEL層222の端部
、または第2の電極223の端部を覆って設けると、より効果的に表示素子60への水分
の侵入を抑制することができる。
【0177】
保護膜217としては、有機絶縁性材料、または無機絶縁性材料を用いることができる
。無機絶縁性材料を用いると、バリア性の高い膜を薄く形成できるため好ましい。保護膜
217に無機絶縁性材料を用いる場合、例えば窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化ア
ルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハ
フニウムなどを用いることが好ましい。特に、酸化アルミニウムはバリア性に優れている
ため好ましい。また、保護膜217の成膜方法としては、スパッタリング法、蒸着法、C
VD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomi
c Layer Deposition)法などを用いることができる。特にALD法を
用いると、成膜時における表示素子60へのダメージを抑制できるため好ましい。またA
LD法としては熱ALD法を用いることもできるが、PEALD(Plasma Enh
anced ALD)法を用いると、室温程度の低温で成膜することができるためより好
ましい。
【0178】
なお、ここで例示したトランジスタの構成、表示素子60の構成、保護膜217の構成
などは、
図14、及び以下で例示する各断面構成におけるトランジスタや表示素子等の構
成と置き換えることができる。
【0179】
〔断面構成例3〕
図16に示すタッチパネルは、基板111と基板112を有する。基板111と基板7
2とは接着層152により接着され、基板111と基板112とは、接着層153により
接着されている。
【0180】
電極32、配線42等は基板111上に形成されている。また電極31、配線41(図
示しない)等は基板112上に形成されている。
図16では、基板111上にFPC50
を設ける構成としたが、図示しない領域で、基板112にも同様にFPCが接続されてい
る。
【0181】
このように、入力装置10の構成として、2枚の基板を用いる場合、基板111と基板
112には、基板71や基板72と同等、またはこれらよりも薄い基板を用いることが好
ましい。特に、基板111や基板112として上述した可撓性を有する材料を用いること
が好ましい。こうすることで、タッチパネル100の厚さを薄くすることが可能となる。
【0182】
また、
図16に示すように基板112上に接着層154を介して保護基板130を設け
てもよい。保護基板130の基板112とは反対側の面が、タッチ面として機能する。保
護基板130の材料としては、上記基板30の記載を援用できる。
【0183】
〔断面構成例4〕
図17に示すタッチパネルは、基板113を有する。基板113と基板72とは接着層
152により接着されている。
【0184】
基板113の一方の面には、電極32、配線42等が設けられている。また基板113
の他方の面には、電極31、配線41等が設けられている。すなわち、タッチセンサを構
成する電極や配線が、基板113の表裏面に設けられた構成を有する。
【0185】
また、
図17では、配線42の一部が露出した接続部106aにおいて、FPC50a
及び接続層109aが設けられ、配線41の一部が露出した接続部106bにおいて、F
PC50b及び接続層109bが設けられた例を示している。なお、接続部106aと接
続部106bとは、平面視において互いに重なっていてもよいし、互いが重ならないよう
にずれて配置されていてもよい。
【0186】
〔断面構成例5〕
図18に示すタッチパネルは、基板72の基板71側とは反対側の面に、タッチセンサ
を構成する電極等が設けられている。具体的には、基板72上にブリッジ電極34と、ブ
リッジ電極34の一部を覆う絶縁層161と、絶縁層161上に電極31、電極32、配
線41(図示しない)、配線42等が設けられている。
【0187】
また
図18に示すように、保護基板130と基板72とを、接着層152で接着しても
よい。
【0188】
このような構成とすることで、入力装置10と表示パネル70とで基板を共有できるた
め、タッチパネルの厚さを極めて薄くすることができる。
【0189】
〔断面構成例6〕
図19には、
図18で例示したタッチセンサの構成と、
図15で例示した塗り分け方式
が適用された発光素子を表示素子60に用いたタッチパネルの構成と、を組み合わせた場
合の例を示している。また
図19では、遮光層232が設けられていない場合の例を示し
ている。
【0190】
〔断面構成例7〕
図20に示すタッチパネルは、基板72の基板71側の面に、タッチセンサを構成する
電極等が設けられている。具体的には、基板72上に電極32、電極33、配線41(図
示しない)、配線42等と、これらを覆う絶縁層161と、絶縁層161上にブリッジ電
極34等が設けられている。
【0191】
また、上記タッチセンサを構成する電極等を覆って絶縁層233が設けられている。さ
らに、絶縁層233上に着色層231、遮光層232等が設けられている。
【0192】
このような構成とすることで、入力装置10と表示パネル70とで基板を共有できるう
え、基板72の一面をタッチ面として用いることができるため、タッチパネル100の厚
さをさらに薄くすることができる。
【0193】
〔断面構成例8〕
図21には、
図20に示したタッチパネルの変形例を示す。
【0194】
図21に示すタッチパネルは、基板71に代えて、基板91、接着層92、基板93、
及び絶縁層94の積層構造を有する。また、基板72に代えて、基板191、接着層19
2、基板193、及び絶縁層194の積層構造を有する。
【0195】
絶縁層94及び絶縁層194は、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いるこ
とができる。このような構成とすることで、基板91、基板93、基板191、及び基板
193に透湿性を有する材料を用いたとしても、表示素子60や各トランジスタに対して
外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能で、信頼性の高いタッチパ
ネルを実現できる。
【0196】
基板93及び基板193は、可撓性を有する樹脂などの材料を用いることができる。基
板91及び基板191は、可撓性を有するフィルムなどを用いることが好ましい。これら
基板に可撓性を有する材料を用いることにより、曲げることのできるタッチパネルを実現
することができる。
【0197】
〔断面構成例9〕
図22に示すタッチパネルは、タッチセンサを構成する電極等と、基板72との間に遮
光層232が設けられている。具体的には、基板72上に遮光層232が設けられ、遮光
層232を覆って絶縁層234が設けられている。絶縁層234上には、電極32、電極
33、配線41(図示しない)、配線42と、これらを覆う絶縁層161と、絶縁層16
1上にブリッジ電極34等が設けられている。また、ブリッジ電極34及び絶縁層161
上に、絶縁層233が設けられ、絶縁層233上に着色層231が設けられている。
【0198】
絶縁層233及び絶縁層234は、平坦化膜としての機能を有する。なお、絶縁層23
3、絶縁層234は不要であれば設けなくてもよい。
【0199】
このような構成とすることで、タッチセンサを構成する電極等よりも視認側に設けられ
た遮光層232によって、当該電極等の外光反射を防ぐことができ、当該電極等が視認さ
れてしまうことを抑制することができる。したがって、厚さが薄いだけでなく、視認性が
さらに向上したタッチパネルを実現することができる。
【0200】
〔断面構成例10〕
図23には、
図22に示したタッチパネルの変形例を示す。
【0201】
図23に示すタッチパネルは、基板71に代えて基板91、接着層92、及び絶縁層9
4の積層構造を有する。また、基板72に代えて、基板191、接着層192、及び絶縁
層194の積層構造を有する。
【0202】
基板91及び基板191に、可撓性を有する材料を用いることにより、曲げることので
きるタッチパネルを実現することができる。
【0203】
〔断面構成例11〕
図24は、表示パネル70として液晶表示装置を適用した場合のタッチパネルの断面構
成例である。
図24に示すタッチパネルは、表示素子208として液晶素子が適用されて
いる。また、タッチパネルは、偏光板131、偏光板132、及びバックライト133を
有している。
【0204】
ここでは表示素子208として、FFS(Fringe Field Switchi
ng)モードが適用された液晶素子を適用した例を示している。表示素子208は、電極
251と、電極252と、液晶253と、を有する。電極251は、電極252上に絶縁
層254を介して設けられ、櫛状の形状、またはスリットが設けられた形状を有している
。
【0205】
また、着色層231と遮光層232を覆って、オーバーコート255が設けられている
。オーバーコート255は、着色層231や遮光層232に含まれる顔料などが液晶25
3に拡散することを抑制する機能を有する。
【0206】
また、オーバーコート255、絶縁層254、及び電極251等において、液晶253
が接する面には、液晶253の配向を制御するための配向膜が設けられていてもよい。
【0207】
図24では、偏光板131が接着層157によって基板71に接着されている。また、
バックライト133が接着層158によって偏光板131に接着されている。また、偏光
板132は、基板72と基板30の間に位置している。偏光板132は、接着層155に
よって基板72と接着され、また接着層156によって基板30(具体的には基板30上
の絶縁層161の一部)と接着されている。
【0208】
なお、上記ではFFSモードが適用された液晶素子について示したが、そのほかにもV
A(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nema
tic)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、ASM(A
xially Symmetric aligned Micro-cell)モード、
OCB(Optically Compensated Birefringence)
モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード
、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モ
ードなどを用いることができる。
【0209】
また、液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、強誘電液晶、
反強誘電液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed L
iquid Crystal)などを用いることができる。また、ブルー相を示す液晶を
使用すると、配向膜が不要であり、且つ広い視野角が得られるため好ましい。
【0210】
〔断面構成例12〕
図25は、表示パネル70として液晶表示装置を適用した場合のタッチパネルの断面構
成例である。
図25に示すタッチパネルは、偏光板132がタッチセンサを構成する電極
等よりも視認側に配置されている。具体的には、電極31、電極32等が形成された基板
114が接着層152により基板72に接着され、偏光板132が接着層155により基
板114に接着されている。また、偏光板132よりも視認側には、接着層156によっ
て偏光板132に接着された保護基板130が設けられている。
【0211】
基板114には、可撓性を有するフィルムなどを用いると、タッチパネルの厚さを低減
できるため好ましい。
【0212】
〔断面構成例13〕
図26は、表示パネルとして液晶表示装置を適用した場合のタッチパネルの断面構成例
である。
図26に示すタッチパネルは、タッチセンサを構成する電極等が基板72の基板
71側の面に形成されている例を示している。具体的には、基板72上に電極32、電極
33、配線41(図示しない)、配線42等と、これらを覆う絶縁層161と、絶縁層1
61上にブリッジ電極34等が設けられている。また、タッチセンサを構成する電極等を
覆って絶縁層233が設けられている。さらに、絶縁層233上に着色層231、遮光層
232等が設けられている。
【0213】
また、基板72の反対側の面には、接着層155により偏光板132が接着されている
。また偏光板132には、接着層156により保護基板130が接着されている。
【0214】
このような構成とすることで、入力装置と表示パネルとで基板を共有できるうえ、基板
72の一面をタッチ面として用いることができるため、タッチパネルの厚さをさらに薄く
することができる。
【0215】
〔断面構成例14〕
図27は、表示パネルとして液晶表示装置を適用した場合のタッチパネルの断面構成例
である。
図27に示すタッチパネルは、タッチセンサを構成する電極等が基板72の基板
71側の面とは反対側の面に設けられている例を示している。具体的には、基板72の着
色層231等が設けられている面とは反対側の面上に、ブリッジ電極34と、ブリッジ電
極34の一部を覆う絶縁層161と、絶縁層161上に電極31、電極32、配線41(
図示しない)、配線42等が設けられている。また、基板72上には接着層152によっ
て偏光板132が貼り付けられ、偏光板132上には接着層156によって保護基板13
0が貼り付けられている。
【0216】
以上が断面構成例についての説明である。
【0217】
〔作製方法例〕
ここで、可撓性を有するタッチパネルを作製する方法について説明する。
【0218】
ここでは便宜上、画素や回路を含む構成、カラーフィルタ等の光学部材を含む構成、タ
ッチセンサを構成する電極や配線を含む構成等を素子層と呼ぶこととする。素子層は例え
ば表示素子を含み、表示素子の他に表示素子と電気的に接続する配線、画素や回路に用い
るトランジスタなどの素子を備えていてもよい。
【0219】
またここでは、素子層が形成される絶縁表面を備える支持体(例えば
図23における基
板91または基板191)のことを、基板と呼ぶこととする。
【0220】
可撓性を有する絶縁表面を備える基板上に素子層を形成する方法としては、基板上に直
接素子層を形成する方法と、剛性を有する支持基材上に素子層を形成した後、素子層と支
持基材とを剥離して素子層を基板に転置する方法と、がある。
【0221】
基板を構成する材料が、素子層の形成工程にかかる熱に対して耐熱性を有する場合には
、基板上に直接素子層を形成すると、工程が簡略化されるため好ましい。このとき、基板
を支持基材に固定した状態で素子層を形成すると、装置内、及び装置間における搬送が容
易になるため好ましい。
【0222】
また、素子層を支持基材上に形成した後に、基板に転置する方法を用いる場合、まず支
持基材上に剥離層と絶縁層を積層し、当該絶縁層上に素子層を形成する。続いて、支持基
材と素子層を剥離し、基板に転置する。このとき、支持基材と剥離層の界面、剥離層と絶
縁層の界面、または剥離層中で剥離が生じるような材料を選択すればよい。
【0223】
例えば剥離層としてタングステンなどの高融点金属材料を含む層と当該金属材料の酸化
物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層として、窒化シリコンや酸窒化シリコンを
複数積層した層を用いることが好ましい。高融点金属材料を用いると、素子層の形成工程
の自由度が高まるため好ましい。
【0224】
剥離は、機械的な力を加えることや、剥離層をエッチングすること、または剥離界面の
一部に液体を滴下して剥離界面全体に浸透させることなどにより剥離を行ってもよい。ま
たは、熱膨張の違いを利用して剥離界面に熱を加えることにより剥離を行ってもよい。
【0225】
また、支持基材と絶縁層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。
例えば、支持基材としてガラスを用い、絶縁層としてポリイミドなどの有機樹脂を用いて
、有機樹脂の一部をレーザ光等を用いて局所的に加熱することにより剥離の起点を形成し
、ガラスと絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。または、支持基材と有機樹脂からなる絶
縁層の間に金属層を設け、当該金属層に電流を流して当該金属層を加熱することにより、
当該金属層と絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。または、支持基材と有機樹脂からなる
絶縁層の間に、光を吸収する材料(金属、半導体、絶縁体等)の層を設け、当該層にレー
ザ光等の光を照射して局所的に加熱することにより剥離の起点を形成してもよい。ここで
示した方法において、有機樹脂からなる絶縁層は基板として用いることができる。
【0226】
可撓性を有する基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
エチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエ
ーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。特に、熱膨張係数の
低い材料を用いることが好ましく、例えば、熱膨張係数が30×10-6/K以下である
ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、
繊維体に樹脂を含浸した基板(プリプレグとも記す)や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜ
て熱膨張係数を下げた基板を使用することもできる。
【0227】
上記材料中に繊維体が含まれている場合、繊維体は有機化合物または無機化合物の高強
度繊維を用いる。高強度繊維とは、具体的には引張弾性率またはヤング率の高い繊維のこ
とを言い、代表例としては、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリア
ミド系繊維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキ
サゾール繊維、ガラス繊維、または炭素繊維が挙げられる。ガラス繊維としては、Eガラ
ス、Sガラス、Dガラス、Qガラス等を用いたガラス繊維が挙げられる。これらは、織布
または不織布の状態で用い、この繊維体に樹脂を含浸させ樹脂を硬化させた構造物を可撓
性を有する基板として用いても良い。可撓性を有する基板として、繊維体と樹脂からなる
構造物を用いると、曲げや局所的押圧による破損に対する信頼性が向上するため、好まし
い。
【0228】
または、可撓性を有する程度に薄いガラス、金属などを基板に用いることもできる。ま
たは、ガラスと樹脂材料とが貼り合わされた複合材料を用いてもよい。
【0229】
例えば、
図23に示す構成の場合、第1の支持基材上に第1の剥離層、絶縁層94を順
に形成した後に、それよりも上層の構造物を形成する。またこれとは別に、第2の支持基
材上に第2の剥離層、絶縁層194を順に形成した後に、それよりも上層の構造物を形成
する。続いて、第1の支持基材と第2の支持基材を接着層151により貼り合せる。その
後、第2の剥離層と絶縁層194との界面で剥離することで第2の支持基材及び第2の剥
離層を除去し、絶縁層194と基板191とを接着層192により貼り合せる。また、第
1の剥離層と絶縁層94との界面で剥離することで第1の支持基材及び第1の剥離層を除
去し、絶縁層94と基板91とを接着層92により貼り合せる。なお、剥離及び貼り合せ
はどちら側を先に行ってもよい。
【0230】
以上が可撓性を有するタッチパネルを作製する方法についての説明である。
【0231】
なお、ここでは、表示素子として、発光素子や液晶素子を用いた場合の例を示したが、
本発明の一態様は、これに限定されない。
【0232】
例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Syste
m)素子や、電子放出素子などの表示素子を用いた表示装置を用いることができる。ME
MSを用いた表示素子としては、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のME
MS表示素子などが挙げられる。電子放出素子としては、カーボンナノチューブを用いて
もよい。また、電子ペーパを用いてもよい。電子ペーパとしては、マイクロカプセル方式
、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用
した素子を用いることができる。
【0233】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0234】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の入力装置、または入出力装置の駆動方法の例につ
いて、図面を参照して説明する。
【0235】
[センサの検知方法の例]
図28(A)は、相互容量方式のタッチセンサの構成を示すブロック図である。
図28
(A)では、パルス電圧出力回路601、電流検知回路602を示している。なお
図28
(A)では、パルス電圧が与えられる電極621、電流の変化を検知する電極622をそ
れぞれ、X1-X6、Y1-Y6のそれぞれ6本の配線として示している。また
図28(
A)は、電極621および電極622が重畳することで形成される容量603を図示して
いる。なお、電極621と電極622とはその機能を互いに置き換えてもよい。
【0236】
パルス電圧出力回路601は、X1-X6の配線に順にパルスを印加するための回路で
ある。X1-X6の配線にパルス電圧が印加されることで、容量603を形成する電極6
21および電極622には電界が生じる。この電極間に生じる電界が遮蔽等により容量6
03の相互容量に変化を生じさせることを利用して、被検知体の近接、または接触を検出
することができる。
【0237】
電流検知回路602は、容量603での容量の変化による、Y1-Y6の配線での電流
の変化を検知するための回路である。Y1-Y6の配線では、被検知体の近接、または接
触がないと検知される電流値に変化はないが、検知する被検知体の近接、または接触によ
り容量が減少する場合には電流値が減少する変化を検知する。なお電流の検知は、積分回
路等を用いて行えばよい。
【0238】
次いで
図28(B)には、
図28(A)で示す相互容量方式のタッチセンサにおける入
出力波形のタイミングチャートを示す。
図28(B)では、1フレーム期間で各行列での
被検知体の検出を行うものとする。また
図28(B)では、被検知体を検出しない場合(
非タッチ)と被検知体を検出する場合(タッチ)との2つの場合について示している。な
おY1-Y6の配線については、検知される電流値に対応する電圧値とした波形を示して
いる。
【0239】
X1-X6の配線には、順にパルス電圧が与えられ、該パルス電圧にしたがってY1-
Y6の配線での波形が変化する。被検知体の近接または接触がない場合には、X1-X6
の配線の電圧の変化に応じてY1-Y6の波形が一様に変化する。一方、被検知体が近接
または接触する箇所では、電流値が減少するため、これに対応する電圧値の波形も変化す
る。
【0240】
このように、容量の変化を検知することにより、被検知体の近接または接触を検知する
ことができる。
【0241】
またパルス電圧出力回路601及び電流検知回路602として、一体化されたICの形
態でタッチパネルに実装される、若しくは電子機器の筐体内の基板に実装されることが好
ましい。また可撓性を有するタッチパネルとする場合には、曲げた部分では寄生容量が増
大し、ノイズの影響が大きくなってしまう恐れがあるため、ノイズの影響を受けにくい駆
動方法が適用されたICを用いることが好ましい。例えばシグナル-ノイズ比(S/N比
)を高める駆動方法が適用されたICを用いることが好ましい。
【0242】
また、
図28(A)ではタッチセンサとして配線の交差部に容量603のみを設けるパ
ッシブマトリクス型のタッチセンサの構成を示したが、トランジスタと容量とを備えたア
クティブマトリクス型のタッチセンサとしてもよい。
図29にアクティブマトリクス型の
タッチセンサに含まれる一つのセンサ回路の例を示している。
【0243】
センサ回路は容量603と、トランジスタ611と、トランジスタ612と、トランジ
スタ613とを有する。トランジスタ613はゲートに信号G2が与えられ、ソース又は
ドレインの一方に電圧VRESが与えられ、他方が容量603の一方の電極およびトラン
ジスタ611のゲートと電気的に接続する。トランジスタ611はソース又はドレインの
一方がトランジスタ612のソース又はドレインの一方と電気的に接続し、他方に電圧V
SSが与えられる。トランジスタ612はゲートに信号G1が与えられ、ソース又はドレ
インの他方が配線MLと電気的に接続する。容量603の他方の電極には電圧VSSが与
えられる。
【0244】
続いて、センサ回路の動作について説明する。まず信号G2としてトランジスタ613
をオン状態とする電位が与えられることで、トランジスタ611のゲートが接続されるノ
ードnに電圧VRESに対応した電位が与えられる。次いで信号G2としてトランジスタ
613をオフ状態とする電位が与えられることで、ノードnの電位が保持される。
【0245】
続いて、指等の被検知体の近接または接触により、容量603の容量が変化することに
伴い、ノードnの電位がVRESから変化する。
【0246】
読み出し動作は、信号G1にトランジスタ612をオン状態とする電位を与える。ノー
ドnの電位に応じてトランジスタ611に流れる電流、すなわち配線MLに流れる電流が
変化する。この電流を検知することにより、被検知体の近接または接触を検出することが
できる。
【0247】
トランジスタ611、トランジスタ612、トランジスタ613としては、チャネルが
形成される半導体層に酸化物半導体を適用したトランジスタを用いることが好ましい。特
にトランジスタ613にこのようなトランジスタを適用することにより、ノードnの電位
を長期間に亘って保持することが可能となり、ノードnにVRESを供給しなおす動作(
リフレッシュ動作)の頻度を減らすことができる。
【0248】
[インセル型のタッチパネルの構成例]
上記では、タッチセンサを構成する電極を、表示素子等が設けられる基板とは異なる基
板上に形成した場合を示したが、表示素子等が設けられる基板上に、タッチセンサを構成
する一対の電極のいずれか一方、または両方を設ける構成としてもよい。
【0249】
以下では、複数の画素を有する表示部にタッチセンサを組み込んだタッチパネルの構成
例について説明する。ここでは、画素に設けられる表示素子として、液晶素子を適用した
例を示す。
【0250】
図30(A)は、本構成例で例示するタッチパネルの表示部に設けられる画素回路の一
部における等価回路図である。
【0251】
一つの画素は少なくともトランジスタ3503と液晶素子3504を有する。またトラ
ンジスタ3503のゲートに配線3501が、ソースまたはドレインの一方には配線35
02が、それぞれ電気的に接続されている。
【0252】
画素回路は、X方向に延在する複数の配線(例えば、配線3510_1、配線3510
_2)と、Y方向に延在する複数の配線(例えば、配線3511)を有し、これらは互い
に交差して設けられ、その間に容量が形成される。
【0253】
また、画素回路に設けられる画素のうち、一部の隣接する複数の画素は、それぞれに設
けられる液晶素子の一方の電極が電気的に接続され、一つのブロックを形成する。当該ブ
ロックは、島状のブロック(例えば、ブロック3515_1、ブロック3515_2)と
、Y方向に延在するライン状のブロック(例えば、ブロック3516)の、2種類に分類
される。なお、
図30では、画素回路の一部のみを示しているが、実際にはこれら2種類
のブロックがX方向及びY方向に繰り返し配置される。
【0254】
X方向に延在する配線3510_1(または3510_2)は、島状のブロック351
5_1(またはブロック3515_2)と電気的に接続される。なお、図示しないが、X
方向に延在する配線3510_1は、ライン状のブロックを介してX方向に沿って不連続
に配置される複数の島状のブロック3515_1を電気的に接続する。また、Y方向に延
在する配線3511は、ライン状のブロック3516と電気的に接続される。
【0255】
図30(B)は、X方向に延在する複数の配線3510と、Y方向に延在する複数の配
線3511の接続構成を示した等価回路図である。X方向に延在する配線3510の各々
には、入力電圧または共通電位を入力することができる。また、Y方向に延在する配線3
511の各々には接地電位を入力する、または配線3511と検知回路と電気的に接続す
ることができる。
【0256】
以下、
図31(A)(B)を用いて、上述したタッチパネルの動作について説明する。
【0257】
ここでは1フレーム期間を、書き込み期間と検知期間とに分ける。書き込み期間は画素
への画像データの書き込みを行う期間であり、配線3510(ゲート線、または走査線と
もいう)が順次選択される。一方、検知期間は、タッチセンサによるセンシングを行う期
間であり、X方向に延在する配線3510が順次選択され、入力電圧が入力される。
【0258】
図31(A)は、書き込み期間における等価回路図である。書き込み期間では、X方向
に延在する配線3510と、Y方向に延在する配線3511の両方に、共通電位が入力さ
れる。
【0259】
図31(B)は、検知期間のある時点における等価回路図である。検知期間では、Y方
向に延在する配線3511の各々は、検知回路と電気的に接続する。また、X方向に延在
する配線3510のうち、選択されたものには入力電圧が入力され、それ以外のものには
共通電位が入力される。
【0260】
なお、ここで例示した駆動方法は、インセル方式だけでなく上記で例示したタッチパネ
ルにも適用することができ、上記駆動方法例で示した方法と組み合わせて用いることがで
きる。
【0261】
このように、画像の書き込み期間とタッチセンサによるセンシングを行う期間とを、独
立して設けることが好ましい。これにより、画素の書き込み時のノイズに起因するタッチ
センサの感度の低下を抑制することができる。
【0262】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器及び照明装置について、図面を用いて説
明する。
【0263】
本発明の一態様の入力装置、表示装置、または入出力装置を用いて、電子機器や照明装
置を作製できる。本発明の一態様の入力装置、表示装置、または入出力装置を用いて、曲
面を有し、信頼性の高い電子機器や照明装置を作製できる。また、本発明の一態様の入力
装置、表示装置、または入出力装置を用いて、可撓性を有し、信頼性の高い電子機器や照
明装置を作製できる。また本発明の一態様の入力装置、または入出力装置を用いて、タッ
チセンサの検出感度や検知精度が向上した電子機器や照明装置を作製できる。
【0264】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機とも
いう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタ
ルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、
携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0265】
また、本発明の一態様の電子機器又は照明装置は可撓性を有する場合、家屋やビルの内
壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能で
ある。
【0266】
また、本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を
用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
【0267】
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイ
オンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電
池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜
鉛電池などが挙げられる。
【0268】
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信す
ることで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器が二次電池
を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
【0269】
図32(A)、(B)、(C1)、(C2)、(D)、(E)に、湾曲した表示部70
00を有する電子機器の一例を示す。表示部7000はその表示面が湾曲して設けられ、
湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。なお、表示部7000は可撓性を有し
ていてもよい。
【0270】
表示部7000は、本発明の一態様の表示装置、または入出力装置等を用いて作製され
る。本発明の一態様により、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い電子機器を提供で
きる。
【0271】
図32(A)に携帯電話機の一例を示す。携帯電話機7100は、筐体7101、表示
部7000、操作ボタン7103、外部接続ポート7104、スピーカ7105、マイク
7106等を有する。
【0272】
図32(A)に示す携帯電話機7100は、表示部7000にタッチセンサを備える。
電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示
部7000に触れることで行うことができる。
【0273】
また、操作ボタン7103の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部7000
に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メイ
ンメニュー画面に切り替えることができる。
【0274】
図32(B)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7200は、筐体7
201に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7203により筐体7
201を支持した構成を示している。
【0275】
図32(B)に示すテレビジョン装置7200の操作は、筐体7201が備える操作ス
イッチや、別体のリモコン操作機7211により行うことができる。または、表示部70
00にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることで操作して
もよい。リモコン操作機7211は、当該リモコン操作機7211から出力する情報を表
示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7211が備える操作キー又はタッチ
パネルにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される
映像を操作することができる。
【0276】
なお、テレビジョン装置7200は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機
により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線
による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向
(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0277】
図32(C1)、(C2)、(D)、(E)に携帯情報端末の一例を示す。各携帯情報
端末は、筐体7301及び表示部7000を有する。さらに、操作ボタン、外部接続ポー
ト、スピーカ、マイク、アンテナ、又はバッテリ等を有していてもよい。表示部7000
にはタッチセンサを備える。携帯情報端末の操作は、指やスタイラスなどで表示部700
0に触れることで行うことができる。
【0278】
図32(C1)は、携帯情報端末7300の斜視図であり、
図32(C2)は携帯情報
端末7300の上面図である。
図32(D)は、携帯情報端末7310の斜視図である。
図32(E)は、携帯情報端末7320の斜視図である。
【0279】
本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、電話機、手帳又は情報閲覧装置等か
ら選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとしてそれぞれ用
いることができる。本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、移動電話、電子メ
ール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種
々のアプリケーションを実行することができる。
【0280】
携帯情報端末7300、携帯情報端末7310及び携帯情報端末7320は、文字や画
像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、
図32(C1)、(D)に示す
ように、3つの操作ボタン7302を一の面に表示し、矩形で示す情報7303を他の面
に表示することができる。
図32(C1)、(C2)では、携帯情報端末の上側に情報が
表示される例を示し、
図32(D)では、携帯情報端末の横側に情報が表示される例を示
す。また、携帯情報端末の3面以上に情報を表示してもよく、
図32(E)では、情報7
304、情報7305、情報7306がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。
【0281】
なお、情報の例としては、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の通知
、電子メールや電話などの着信を知らせる表示、電子メールなどの題名もしくは送信者名
、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報が表示さ
れている位置に、情報の代わりに、操作ボタン、アイコンなどを表示してもよい。
【0282】
例えば、携帯情報端末7300の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末7300
を収納した状態で、その表示(ここでは情報7303)を確認することができる。
【0283】
具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末7300の
上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末7300をポケットから取
り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
【0284】
図32(F)~(H)に、湾曲した発光部を有する照明装置の一例を示している。
【0285】
図32(F)~(H)に示す各照明装置が有する発光部は、本発明の一態様の表示装置
、または入出力装置等を用いて作製される。本発明の一態様により、湾曲した発光部を備
え、且つ信頼性の高い照明装置を提供できる。
【0286】
図32(F)に示す照明装置7400は、波状の発光面を有する発光部7402を備え
る。したがってデザイン性の高い照明装置となっている。
【0287】
図32(G)に示す照明装置7410の備える発光部7412は、凸状に湾曲した2つ
の発光部が対称的に配置された構成となっている。したがって照明装置7410を中心に
全方位を照らすことができる。
【0288】
図32(H)に示す照明装置7420は、凹状に湾曲した発光部7422を備える。し
たがって、発光部7422からの発光を、照明装置7420の前面に集光するため、特定
の範囲を明るく照らす場合に適している。また、このような形態とすることで、影ができ
にくいという効果を奏する。
【0289】
また、照明装置7400、照明装置7410及び照明装置7420の備える各々の発光
部は可撓性を有していてもよい。発光部を可塑性の部材や可動なフレームなどの部材で固
定し、用途に合わせて発光部の発光面を自在に湾曲可能な構成としてもよい。
【0290】
照明装置7400、照明装置7410及び照明装置7420は、それぞれ、操作スイッ
チ7403を備える台部7401と、台部7401に支持される発光部を有する。
【0291】
なおここでは、台部によって発光部が支持された照明装置について例示したが、発光部
を備える筐体を天井に固定する、又は天井からつり下げるように用いることもできる。発
光面を湾曲させて用いることができるため、発光面を凹状に湾曲させて特定の領域を明る
く照らす、又は発光面を凸状に湾曲させて部屋全体を明るく照らすこともできる。
【0292】
図33(A1)、(A2)、(B)~(I)に、可撓性を有する表示部7001を有す
る携帯情報端末の一例を示す。
【0293】
表示部7001は、本発明の一態様の表示装置、または入出力装置等を用いて作製され
る。例えば、曲率半径0.01mm以上150mm以下で曲げることができる表示装置、
または入出力装置等を適用できる。また、表示部7001はタッチセンサを備えていても
よく、指等で表示部7001に触れることで携帯情報端末を操作することができる。本発
明の一態様により、可撓性を有する表示部を備え、且つ信頼性の高い電子機器を提供でき
る。
【0294】
図33(A1)は、携帯情報端末の一例を示す斜視図であり、
図33(A2)は、携帯
情報端末の一例を示す側面図である。携帯情報端末7500は、筐体7501、表示部7
001、引き出し部材7502、操作ボタン7503等を有する。
【0295】
携帯情報端末7500は、筐体7501内にロール状に巻かれた可撓性を有する表示部
7001を有する。
【0296】
また、携帯情報端末7500は内蔵された制御部によって映像信号を受信可能で、受信
した映像を表示部7001に表示することができる。また、携帯情報端末7500にはバ
ッテリが内蔵されている。また、筐体7501にコネクターを接続する端子部を備え、映
像信号や電力を有線により外部から直接供給する構成としてもよい。
【0297】
また、操作ボタン7503によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替
え等を行うことができる。なお、
図33(A1)、(A2)、(B)では、携帯情報端末
7500の側面に操作ボタン7503を配置する例を示すが、これに限られず、携帯情報
端末7500の表示面と同じ面(おもて面)や、裏面に配置してもよい。
【0298】
図33(B)には、表示部7001を引き出し部材7502により引き出した状態の携
帯情報端末7500を示す。この状態で表示部7001に映像を表示することができる。
また、表示部7001の一部がロール状に巻かれた
図33(A1)の状態と表示部700
1を引き出し部材7502により引き出した
図33(B)の状態とで、携帯情報端末75
00が異なる表示を行う構成としてもよい。例えば、
図33(A1)の状態のときに、表
示部7001のロール状に巻かれた部分を非表示とすることで、携帯情報端末7500の
消費電力を下げることができる。
【0299】
なお、表示部7001を引き出した際に表示部7001の表示面が平面状となるように
固定するため、表示部7001の側部に補強のためのフレームを設けていてもよい。
【0300】
なお、この構成以外に、筐体にスピーカを設け、映像信号と共に受信した音声信号によ
って音声を出力する構成としてもよい。
【0301】
図33(C)~(E)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。
図33(C)
では、展開した状態、
図33(D)では、展開した状態又は折りたたんだ状態の一方から
他方に変化する途中の状態、
図33(E)では、折りたたんだ状態の携帯情報端末760
0を示す。携帯情報端末7600は、折りたたんだ状態では可搬性に優れ、展開した状態
では、継ぎ目のない広い表示領域により一覧性に優れる。
【0302】
表示部7001はヒンジ7602によって連結された3つの筐体7601に支持されて
いる。ヒンジ7602を介して2つの筐体7601間を屈曲させることにより、携帯情報
端末7600を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。
【0303】
図33(F)、(G)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。
図33(F)
では、表示部7001が内側になるように折りたたんだ状態、
図33(G)では、表示部
7001が外側になるように折りたたんだ状態の携帯情報端末7650を示す。携帯情報
端末7650は表示部7001及び非表示部7651を有する。携帯情報端末7650を
使用しない際に、表示部7001が内側になるように折りたたむことで、表示部7001
の汚れや傷つきを抑制できる。
【0304】
図33(H)に、可撓性を有する携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7700は
、筐体7701及び表示部7001を有する。さらに、入力手段であるボタン7703a
、7703b、音声出力手段であるスピーカ7704a、7704b、外部接続ポート7
705、マイク7706等を有していてもよい。また、携帯情報端末7700は、可撓性
を有するバッテリ7709を搭載することができる。バッテリ7709は例えば表示部7
001と重ねて配置してもよい。
【0305】
筐体7701、表示部7001、及びバッテリ7709は可撓性を有する。そのため、
携帯情報端末7700を所望の形状に湾曲させることや、携帯情報端末7700に捻りを
加えることが容易である。例えば、携帯情報端末7700は、表示部7001が内側又は
外側になるように折り曲げて使用することができる。または、携帯情報端末7700をロ
ール状に巻いた状態で使用することもできる。このように筐体7701及び表示部700
1を自由に変形することが可能であるため、携帯情報端末7700は、落下した場合、又
は意図しない外力が加わった場合であっても、破損しにくいという利点がある。
【0306】
また、携帯情報端末7700は軽量であるため、筐体7701の上部をクリップ等で把
持してぶら下げて使用する、又は、筐体7701を磁石等で壁面に固定して使用するなど
、様々な状況において利便性良く使用することができる。
【0307】
図33(I)に腕時計型の携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7800は、バン
ド7801、表示部7001、入出力端子7802、操作ボタン7803等を有する。バ
ンド7801は、筐体としての機能を有する。また、携帯情報端末7800は、可撓性を
有するバッテリ7805を搭載することができる。バッテリ7805は例えば表示部70
01やバンド7801と重ねて配置してもよい。
【0308】
バンド7801、表示部7001、及びバッテリ7805は可撓性を有する。そのため
、携帯情報端末7800を所望の形状に湾曲させることが容易である。
【0309】
操作ボタン7803は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オ
フ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を
持たせることができる。例えば、携帯情報端末7800に組み込まれたオペレーティング
システムにより、操作ボタン7803の機能を自由に設定することもできる。
【0310】
また、表示部7001に表示されたアイコン7804に指等で触れることで、アプリケ
ーションを起動することができる。
【0311】
また、携帯情報端末7800は、通信規格に準拠した近距離無線通信を実行することが
可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフ
リーで通話することもできる。
【0312】
また、携帯情報端末7800は入出力端子7802を有していてもよい。入出力端子7
802を有する場合、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うこ
とができる。また入出力端子7802を介して充電を行うこともできる。なお、本実施の
形態で例示する携帯情報端末の充電動作は、入出力端子を介さずに非接触電力伝送により
行ってもよい。
【0313】
図34(A)に自動車9700の外観を示す。
図34(B)に自動車9700の運転席
を示す。自動車9700は、車体9701、車輪9702、ダッシュボード9703、ラ
イト9704等を有する。本発明の一態様の表示装置、または入出力装置は、自動車97
00の表示部などに用いることができる。例えば、
図34(B)に示す表示部9710乃
至表示部9715に本発明の一態様の表示装置、または入出力装置を設けることができる
。
【0314】
表示部9710と表示部9711は、自動車のフロントガラスに設けられた表示装置、
または入出力装置である。本発明の一態様の表示装置、または入出力装置は、表示装置、
または入出力装置が有する電極を、透光性を有する導電性材料で作製することによって、
反対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態の表示装置、または入出力装置とするこ
とができる。シースルー状態の表示装置、または入出力装置であれば、自動車9700の
運転時にも視界の妨げになることがない。よって、本発明の一態様の表示装置、または入
出力装置を自動車9700のフロントガラスに設置することができる。なお、表示装置、
または入出力装置に、表示装置、または入出力装置を駆動するためのトランジスタなどを
設ける場合には、有機半導体材料を用いた有機トランジスタや、酸化物半導体を用いたト
ランジスタなど、透光性を有するトランジスタを用いるとよい。
【0315】
表示部9712はピラー部分に設けられた表示装置、または入出力装置である。例えば
、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9712に映し出すことによって、ピラ
ーで遮られた視界を補完することができる。表示部9713はダッシュボード部分に設け
られた表示装置、または入出力装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映
像を表示部9713に映し出すことによって、ダッシュボードで遮られた視界を補完する
ことができる。すなわち、自動車の外側に設けられた撮像手段からの映像を映し出すこと
によって、死角を補い、安全性を高めることができる。また、見えない部分を補完する映
像を映すことによって、より自然に違和感なく安全確認を行うことができる。
【0316】
また、
図34(C)は、運転席と助手席にベンチシートを採用した自動車の室内を示し
ている。表示部9721は、ドア部に設けられた表示装置、または入出力装置である。例
えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9721に映し出すことによって、
ドアで遮られた視界を補完することができる。また、表示部9722は、ハンドルに設け
られた表示装置、または入出力装置である。表示部9723は、ベンチシートの座面の中
央部に設けられた表示装置、または入出力装置である。なお、表示装置、または入出力装
置を座面や背もたれ部分などに設置して、当該表示装置、または入出力装置を、当該表示
装置、または入出力装置の発熱を熱源としたシートヒーターとして利用することもできる
。
【0317】
表示部9714、表示部9715、または表示部9722はナビゲーション情報、スピ
ードメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その
他様々な情報を提供することができる。また、表示部に表示される表示項目やレイアウト
などは、使用者の好みに合わせて適宜変更することができる。なお、上記情報は、表示部
9710乃至表示部9713、表示部9721、表示部9723にも表示することができ
る。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は照
明装置として用いることも可能である。また、表示部9710乃至表示部9715、表示
部9721乃至表示部9723は加熱装置として用いることも可能である。
【0318】
本発明の一態様の表示装置、または入出力装置が適用される表示部は平面であってもよ
い。この場合、本発明の一態様の表示装置、または入出力装置は、曲面や可撓性を有さな
い構成であってもよい。
【0319】
図34(D)に示す携帯型ゲーム機は、筐体901、筐体902、表示部903、表示
部904、マイクロフォン905、スピーカ906、操作キー907、スタイラス908
等を有する。
【0320】
図34(D)に示す携帯型ゲーム機は、2つの表示部(表示部903と表示部904)
を有する。なお、本発明の一態様の電子機器が有する表示部の数は、2つに限定されず1
つであっても3つ以上であってもよい。電子機器が複数の表示部を有する場合、少なくと
も1つの表示部が本発明の一態様の表示装置、または入出力装置を有していればよい。
【0321】
図34(E)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体921、表示部922、
キーボード923、ポインティングデバイス924等を有する。
【0322】
表示部922に、本発明の一態様の表示装置、または入出力装置を適用することができ
る。
【0323】
図35(A)に、カメラ8000の外観を示す。カメラ8000は、筐体8001、表
示部8002、操作ボタン8003、シャッターボタン8004、結合部8005等を有
する。またカメラ8000には、レンズ8006を取り付けることができる。
【0324】
結合部8005は、電極を有し、後述するファインダー8100のほか、ストロボ装置
等を接続することができる。
【0325】
ここではカメラ8000として、レンズ8006を筐体8001から取り外して交換す
ることが可能な構成としたが、レンズ8006と筐体が一体となっていてもよい。
【0326】
シャッターボタン8004を押すことにより、撮像することができる。また、表示部8
002はタッチパネルとしての機能を有し、表示部8002をタッチすることにより撮像
することも可能である。
【0327】
表示部8002に、本発明の一態様の表示装置、または入出力装置を適用することがで
きる。
【0328】
図35(B)には、カメラ8000にファインダー8100を取り付けた場合の例を示
している。
【0329】
ファインダー8100は、筐体8101、表示部8102、ボタン8103等を有する
。
【0330】
筐体8101には、カメラ8000の結合部8005と係合する結合部を有しており、
ファインダー8100をカメラ8000に取り付けることができる。また当該結合部には
電極を有し、当該電極を介してカメラ8000から受信した映像等を表示部8102に表
示させることができる。
【0331】
ボタン8103は、電源ボタンとしての機能を有する。ボタン8103により、表示部
8102の表示のオン・オフを切り替えることができる。
【0332】
表示部8102に、本発明の一態様の表示装置、または入出力装置を適用することがで
きる。
【0333】
なお、
図35(A)(B)では、カメラ8000とファインダー8100とを別の電子
機器とし、これらを脱着可能な構成としたが、カメラ8000の筐体8001に、本発明
の一態様の表示装置、または入出力装置を備えるファインダーが内蔵されていてもよい。
【0334】
図35(C)には、ヘッドマウントディスプレイ8200の外観を示している。
【0335】
ヘッドマウントディスプレイ8200は、装着部8201、レンズ8202、本体82
03、表示部8204、ケーブル8205等を有している。また装着部8201には、バ
ッテリ8206が内蔵されている。
【0336】
ケーブル8205は、バッテリ8206から本体8203に電力を供給する。本体82
03は無線受信機等を備え、受信した画像データ等の映像情報を表示部8204に表示さ
せることができる。また、本体8203に設けられたカメラで使用者の眼球やまぶたの動
きを捉え、その情報をもとに使用者の視点の座標を算出することにより、使用者の視点を
入力手段として用いることができる。
【0337】
また、装着部8201には、使用者に触れる位置に複数の電極が設けられていてもよい
。本体8203は使用者の眼球の動きに伴って電極に流れる電流を検知することにより、
使用者の視点を認識する機能を有していてもよい。また、当該電極に流れる電流を検知す
ることにより、使用者の脈拍をモニタする機能を有していてもよい。また、装着部820
1には、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ等の各種センサを有していてもよく、使
用者の生体情報を表示部8204に表示する機能を有していてもよい。また、使用者の頭
部の動きなどを検知し、表示部8204に表示する映像をその動きに合わせて変化させて
もよい。
【0338】
表示部8204に、本発明の一態様の表示装置、または入出力装置を適用することがで
きる。
【0339】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0340】
10 入力装置
21 直線部分
22 直線部分
30 基板
31 電極
32 電極
33 電極
34 ブリッジ電極
35 ダミー電極
36 電極
37 電極
38 交差部
40 画素
40a 画素
40b 画素
40c 画素
41 配線
42 配線
50 FPC
50a FPC
50b FPC
51 IC
60 表示素子
60B 表示素子
60G 表示素子
60R 表示素子
60Y 表示素子
70 表示パネル
71 基板
72 基板
73 FPC
74 IC
80 方向
81 表示部
82 駆動回路
83 配線
86 交差部
87 走査線
87a 走査線
87b 走査線
87c 走査線
90 交差部
91 基板
92 接着層
93 基板
94 絶縁層
100 タッチパネル
106 接続部
106a 接続部
106b 接続部
109 接続層
109a 接続層
109b 接続層
111 基板
112 基板
113 基板
114 基板
130 保護基板
131 偏光板
132 偏光板
133 バックライト
151 接着層
152 接着層
153 接着層
154 接着層
155 接着層
156 接着層
157 接着層
158 接着層
161 絶縁層
191 基板
192 接着層
193 基板
194 絶縁層
201 トランジスタ
202 トランジスタ
203 トランジスタ
205 容量素子
206 接続部
207 配線
208 表示素子
209 接続層
211 絶縁層
212 絶縁層
213 絶縁層
214 絶縁層
215 絶縁層
216 スペーサ
217 保護膜
221 電極
222 EL層
223 電極
224 光学調整層
231 着色層
232 遮光層
233 絶縁層
234 絶縁層
241 導電層
242 半導体層
243 導電層
244 導電層
251 電極
252 電極
253 液晶
254 絶縁層
255 オーバーコート
601 パルス電圧出力回路
602 電流検知回路
603 容量
611 トランジスタ
612 トランジスタ
613 トランジスタ
621 電極
622 電極
901 筐体
902 筐体
903 表示部
904 表示部
905 マイクロフォン
906 スピーカ
907 操作キー
908 スタイラス
921 筐体
922 表示部
923 キーボード
924 ポインティングデバイス
3501 配線
3502 配線
3503 トランジスタ
3504 液晶素子
3510 配線
3510_1 配線
3510_2 配線
3511 配線
3515_1 ブロック
3515_2 ブロック
3516 ブロック
7000 表示部
7001 表示部
7100 携帯電話機
7101 筐体
7103 操作ボタン
7104 外部接続ポート
7105 スピーカ
7106 マイク
7200 テレビジョン装置
7201 筐体
7203 スタンド
7211 リモコン操作機
7300 携帯情報端末
7301 筐体
7302 操作ボタン
7303 情報
7304 情報
7305 情報
7306 情報
7310 携帯情報端末
7320 携帯情報端末
7400 照明装置
7401 台部
7402 発光部
7403 操作スイッチ
7410 照明装置
7412 発光部
7420 照明装置
7422 発光部
7500 携帯情報端末
7501 筐体
7502 部材
7503 操作ボタン
7600 携帯情報端末
7601 筐体
7602 ヒンジ
7650 携帯情報端末
7651 非表示部
7700 携帯情報端末
7701 筐体
7703a ボタン
7703b ボタン
7704a スピーカ
7704b スピーカ
7705 外部接続ポート
7706 マイク
7709 バッテリ
7800 携帯情報端末
7801 バンド
7802 入出力端子
7803 操作ボタン
7804 アイコン
7805 バッテリ
8000 カメラ
8001 筐体
8002 表示部
8003 操作ボタン
8004 シャッターボタン
8005 結合部
8006 レンズ
8100 ファインダー
8101 筐体
8102 表示部
8103 ボタン
8200 ヘッドマウントディスプレイ
8201 装着部
8202 レンズ
8203 本体
8204 表示部
8205 ケーブル
8206 バッテリ
9700 自動車
9701 車体
9702 車輪
9703 ダッシュボード
9704 ライト
9710 表示部
9711 表示部
9712 表示部
9713 表示部
9714 表示部
9715 表示部
9721 表示部
9722 表示部
9723 表示部