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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152834
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】砲塔付玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 23/02 20060101AFI20241018BHJP
   A63H 5/00 20060101ALI20241018BHJP
   A63H 33/26 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A63H23/02 G
A63H5/00 C
A63H33/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024132058
(22)【出願日】2024-08-08
(62)【分割の表示】P 2023035190の分割
【原出願日】2018-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 聖
(72)【発明者】
【氏名】須田 慎一
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で臨場感のある砲塔の駆動を実現する砲塔付玩具を提供する。
【解決手段】戦艦10に設けられた演出音出力部23は、駆動部40が駆動状態となったときに砲塔が回転する際に発する回転音を出力し、駆動部40が停止状態となったときに回転音と異なる停止音を発する。これにより、簡単な構成で臨場感のある砲塔の駆動を実現する戦艦10を提供することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に対して駆動可能に取り付けられた砲塔部と、
前記本体部に対して前記砲塔部を駆動させるための駆動部と、
前記駆動部の駆動状態および停止状態を切り替えるスイッチ部と、
前記スイッチ部の操作に応じて演出音を出力する演出音出力部と、を備え、
前記演出音出力部は、前記駆動部が前記駆動状態となるように前記スイッチ部が操作されたときに第1演出音を出力し、前記駆動部が前記停止状態となるように前記スイッチ部が操作されたときに前記第1演出音と異なる第2演出音を出力する砲塔付玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の砲塔付玩具であって、
前記駆動状態から前記停止状態となるように前記スイッチ部が操作されたときに、所定時間が経過した後に前記駆動部を停止させる砲塔付玩具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の砲塔付玩具であって、
前記砲塔部は、少なくとも第1砲塔と第2砲塔と第3砲塔とを備え、
前記第1砲塔および前記第3砲塔は同期駆動し、前記第2砲塔は、前記第1砲塔および前記第3砲塔とは個別に駆動する砲塔付玩具。
【請求項4】
請求項3記載の砲塔付玩具であって、
前記第2砲塔は、前記第1砲塔の隣に配置され、前記第3砲塔部は、前記第2砲塔における前記第1砲塔とは反対側の隣に配置される砲塔付玩具。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の砲塔付玩具であって、
前記第1砲塔および前記第3砲塔を駆動する第1駆動部と、
前記第2砲塔を駆動する第2駆動部と、を備え、
前記第1駆動部の駆動状態および停止状態を切り替える第1スイッチ部と、
前記第2駆動部の駆動状態および停止状態を切り替える第2スイッチ部と、を備える砲塔付玩具。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載の砲塔付玩具であって、
前記本体部は船体形状であり、
前記本体部の甲板上における船首と船尾とを結ぶ線に沿って前記砲塔部が所定間隔で複数配置されている砲塔付玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砲塔付玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、砲台本体の旋回と砲身の揺動とが連動する砲台を模した模型玩具がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-306989
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の模型玩具では、砲塔の駆動状態に応じた音声等の出力はなく臨場感に欠けるものであった。
【0005】
本発明は、簡単な構成で臨場感のある砲塔の駆動を実現することが可能な砲塔付玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る砲塔付模型は、本体部と、前記本体部に対して駆動可能に取り付けられた砲塔部と、前記本体部に対して前記砲塔部を駆動させるための駆動部と、前記駆動部の駆動状態および停止状態を切り替えるスイッチ部と、前記スイッチ部の操作に応じて演出音を出力する演出音出力部と、を備え、前記演出音出力部は、前記駆動部が前記駆動状態となるように前記スイッチ部が操作されたときに第1演出音を出力し、前記駆動部が前記停止状態となるように前記スイッチ部が操作されたときに前記第1演出音と異なる第2演出音を出力する。
【0007】
また、本発明に係る砲塔付玩具において、前記駆動状態から前記停止状態となるように前記スイッチ部が操作されたときに、所定時間が経過した後に前記駆動部を停止させてもよい。
【0008】
また、本発明に係る砲塔付玩具において、少なくとも前記砲塔部は、第1砲塔と第2砲塔と第3砲塔とを備え、前記第1砲塔および前記第3砲塔は同期駆動し、前記第2砲塔は、前記第1砲塔および前記第3砲塔とは個別に駆動されてもよい。
【0009】
また、本発明に係る砲塔付玩具において、前記第2砲塔は、前記第1砲塔の隣に配置され、前記第3砲塔部は、前記第2砲塔における前記第1砲塔とは反対側の隣に配置されてもよい。
【0010】
また、本発明に係る砲塔付玩具において、前記第1砲塔および前記第3砲塔を駆動する第1駆動部と、前記第2砲塔を駆動する第2駆動部と、を備え、前記第1駆動部の駆動状態および停止状態を切り替える第1スイッチ部と、前記第2駆動部の駆動状態および停止状態を切り替える第2スイッチ部と、を備えてもよい。
【0011】
また、本発明に係る砲塔付玩具において、前記本体部は船体形状であり、前記本体部の甲板上における船首と船尾とを結ぶ線に沿って前記砲塔部が所定間隔で複数配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単な構成で臨場感ある砲塔の駆動を実現する砲塔付玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態である戦艦(砲塔付玩具)の全体を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態である戦艦の構成を示すブロック図である。
図3】スイッチ、モータ、第1演出音及び第2演出音の時間的関係を示すタイムチャートである。
図4】第1砲塔、第2砲塔及び第3砲塔を有する砲塔部の斜視図である。
図5】本発明の実施形態である戦艦の全体の動作の流れを示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態である戦艦の第1群砲塔の右回転動作の流れを示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態である戦艦の第1群砲塔の左回転動作の流れを示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態である戦艦の第2群砲塔の右回転動作の流れを示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態である戦艦の第2群砲塔の左回転動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[本発明の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態を説明するための、砲塔付玩具の全体を示す斜視図である。
なお、以下の説明においては、船首側を「前」、船尾側を「後」として説明する。
【0015】
図1に示すように、戦艦(砲塔付玩具)10は、艦体(本体部)20を有する。艦体20の上面である甲板21には、中央部に司令塔22を有しており、司令塔22を挟んで前後に砲塔部30が略一直線上に設けられている。戦艦10は、平板状のベース51の上に複数(ここでは、例えば2本)の支持脚52を有する載置台50により支持されている。砲塔部30は必ずしも略一直線上に設けられる必要はなく、例えば、ずらして配置しても良い。
【0016】
砲塔部30は、司令塔22よりも船首側に、前側から第1主砲(第1砲塔)31、第2主砲(第2砲塔)32及び第1副砲(第3砲塔)33を有し、司令塔22よりも船尾側(後方)に、後側から第3主砲34及び第2副砲35を有する。各主砲31、32、34及び各副砲33、35は、艦体20に対して回転可能に設けられている砲台36と、砲台36に設けられた上下に駆動可能な複数の砲身37をそれぞれ有する。なお、各主砲31、32、34及び各副砲33、35の配置及び順番は、これに限るものではない。また、本実施形態では、第1主砲31、第1副砲33及び第3主砲34(以下、第1群砲塔とよぶ)は同じ駆動部によって駆動され、第2主砲32及び第2副砲35(以下、第2群砲塔とよぶ)は同じ駆動部によって駆動される。
【0017】
各砲塔の回転角度は、ストッパ等により規制されており、本実施形態ではストッパとして、限界まで回転したことを検出するリミットスイッチが設けられている。ここでは、第1群砲塔が右方向(時針方向)に限界位置まで回転したことを検出する右リミットスイッチ38Rと、第1群砲塔が左方向(反時針方向)に限界位置まで回転したことを検出する左リミットスイッチ38Lと、第2群砲塔が右方向(時針方向)に限界位置まで回転したことを検出する右リミットスイッチ39Rと、第2群砲塔が左方向(反時針方向)に限界位置まで回転したことを検出する左リミットスイッチ39Lとを備える。また、各リミットスイッチは、後述する操作用リモコン(スイッチ部)60の検出部66と電気的に接続されている。
【0018】
なお、各主砲31、32、34及び各副砲33、35の砲台36を区別して表示する際には、第1主砲31の第1主砲台361、第2主砲32の第2主砲台362、第1副砲33の第1副砲台363、第3主砲34の第3主砲台364、第2副砲35の第2副砲台365と表示する。同様に、各主砲31、32、34及び各副砲33、35の砲身37を区別して表示する際には、第1主砲31の第1主砲身371、第2主砲32の第2主砲身372、第1副砲33の第1副砲身373、第3主砲34の第3主砲身374、第2副砲35の第2副砲身375と表示する。
【0019】
艦体20には、演出音を出力するスピーカ(演出音出力部)23(図2参照)が設けられている。また、艦体20の外部には、戦艦10を操作するための操作用リモコン(スイッチ部)60が設けられており、艦体20と赤外線通信で接続されている。
【0020】
図2には、戦艦10の構成が示されている。図2に示すように、艦体20の内部には、砲台36を回転させる駆動部40、駆動部40からの信号を検出する船体検出部24、船体制御部25、操作用リモコン(スイッチ部)60からの赤外線信号を受信する受信部26が設けられている。ここで、船体制御部25は、船体検出部24、受信部26、第1駆動モータ411、第2駆動モータ421、スピーカ23と接続されており、船体検出部24又は受信部26から受信した信号に応じて、第1駆動モータ411、第2駆動モータ421、スピーカ23に対して駆動状態を制御する制御信号を送信する。駆動部40は、第1主砲31、第1副砲33及び第3主砲34からなる第1群砲塔を駆動する第1駆動部41と、第2主砲32及び第2副砲35からなる第2群砲塔を駆動する第2駆動部42を有する。
【0021】
第1駆動部41は、第1駆動モータ411、第1駆動モータ411の回転軸に取り付けられた第1ピニオン412、第1ピニオン412に歯合し第1ピニオン412の回転により前後に往復移動する第1ラック413を有する。ここで、第1ラック413は、前端部に突起部413Aが設けられており、突起部413Aは、第1ラック413の移動により、左リミットスイッチ38L、または右リミットスイッチ38Rと当接する。また、第1ラック413には、第1主砲台361に取り付けられて一体的に回転する第1歯車414、第1副砲台363に取り付けられて一体的に回転する第2歯車415及び第3主砲台364に取り付けられて一体的に回転する第3歯車416が歯合している。また、左リミットスイッチ38L及び右リミットスイッチ38Rは船体検出部24に接続されており、船体検出部24に送信された検出信号は船体制御部25に送信される。
【0022】
従って、船体制御部25からの制御信号によって第1駆動モータ411が右方向(図2中矢印A1方向)へ回転すると、第1ラック413が後方(図2中矢印A2方向)へ移動するので、第1主砲31、第1副砲33及び第3主砲34が同期して右方向(図2中矢印A3~A5方向)へ回転する。そして、突起部413Aが右リミットスイッチ38Rに当接してオンすることにより、第1主砲31、第1副砲33及び第3主砲34は右方向回転限界位置に達したことが検知される。つまり、船体検出部24によって右リミットスイッチ38Rのオン状態を検知することにより、船体検出部24から船体制御部25に対して右方向回転限界位置に達した信号を送信し、船体制御部25から第1駆動モータ411の回転を停止する信号を送って回転を停止させる。
【0023】
また、船体制御部25からの制御信号によって第1駆動モータ411を左方向へ回転させると、第1ラック413が前方へ移動するので、第1主砲31、第1副砲33及び第3主砲34が同期して左方向へ回転する。そして、突起部413Aが左リミットスイッチ38Lに当接してオンすることにより、第1主砲31、第1副砲33及び第3主砲34は左方向回転限界位置に達したことが検知される。つまり、船体検出部24によって左リミットスイッチ38Lのオン状態を検知することにより、船体検出部24から船体制御部25に対して左方向回転限界位置に達した信号を送信し、船体制御部25から第1駆動モータ411の回転を停止する信号を送って回転を停止させる。
【0024】
第2駆動部42は、第2駆動モータ421、第2駆動モータ421の回転軸に取り付けられた第2ピニオン422、第2ピニオン422に歯合し第2ピニオン422の回転により前後に往復移動する第2ラック423を有する。第2ラック423は、前端部に突起部423Aが設けられており、突起部423Aは、第2ラック423が移動することにより、左リミットスイッチ39L、または右リミットスイッチ39Rと当接する。また、第2ラック423には、第2主砲台362に取り付けられて一体的に回転する第4歯車424及び第2副砲台365に取り付けられて一体的に回転する第5歯車425が歯合している。また、左リミットスイッチ39L及び右リミットスイッチ39Rは船体検出部24に接続されており、船体検出部24に送信された検出信号は船体制御部25に送信される。
【0025】
従って、船体制御部25からの制御信号によって第2駆動モータ421を右方向(図2中矢印B1方向)へ回転させると、第2ラック423が後方(図2中矢印B2方向)へ移動するので、第2主砲32及び第2副砲35が同期して右方向(図2中矢印B3、B4方向)へ回転する。そして、突起部423Aが右リミットスイッチ39Rに当接してオンすることにより、第2主砲32及び第2副砲35が右方向回転限界位置に達したことが検知される。つまり、船体検出部24によって右リミットスイッチ39Rのオン状態を検知することにより、船体検出部24から船体制御部25に対して右方向回転限界位置に達した信号を送信し、船体制御部25から第2駆動モータ421の回転を停止する信号を送って回転を停止させる。また、船体制御部25からの制御信号によって第2駆動モータ421を左方向へ回転させると、第2ラック423が前方へ移動するので、第2主砲32及び第2副砲35が同期して左方向へ回転する。そして、突起部423Aが左リミットスイッチ39Lに当接してオンすることにより、第2主砲32及び第2副砲35が左方向回転限界位置に達したことが検知される。つまり、船体検出部24によって左リミットスイッチ39Lのオン状態を検知することにより、船体検出部24から船体制御部25に対して左方向回転限界位置に達した信号を送信し、船体制御部25から第2駆動モータ421の回転を停止する信号を送って回転を停止させる。
【0026】
図2に示すように、操作用リモコン60は矩形状の筐体61を有している。筐体61には、第1駆動部41の操作を行う第1スイッチ62と、第2駆動部42の操作を行う第2スイッチ63が設けられている。本実施形態では、第1スイッチ62の操作により、第1駆動部41の駆動状態と停止状態とを切り替えることが可能であり、第2スイッチ63の操作により、第2駆動部42の駆動状態と停止状態とを切り替えることが可能である。また、第1スイッチ62には、使用者が把持して回転可能な第1操作部621が取り付けられており、第2スイッチ63には、使用者が把持して回転可能な第2操作部631が取り付けられている。第1操作部621及び第2操作部631は、筐体61の外側に露出しており、所定角度だけ回転可能に設けられている。
【0027】
第1操作部621は、所定角度離れた位置(本実施形態では180度に設定しているがこれに限られない)に第11接触部622及び第12接触部623が設けられている。本実施形態において、第11接触部622及び第12接触部623は、部分的に突出した突出部として形成されている。また、筐体61には、第1操作部621を回動させたときに、第11接触部622が接触する第11検出スイッチ641及び第12接触部623が接触する第12検出スイッチ642が設けられている。なお、第1操作部621は、回動した後に手を放すと、中立位置(図2に示す位置で、待機位置ともいう)に戻る。
【0028】
第2操作部631は、所定角度離れた位置(本実施形態では180度)に第21接触部632及び第22接触部633が設けられている。本実施形態において、第21接触部632及び第22接触部633は、部分的に突出した突出部として形成されている。また、筐体61には、第2操作部631を回動させたときに、第21接触部632が接触する第21検出スイッチ651及び第22接触部633が接触する第22検出スイッチ652が設けられている。なお、第2操作部631は、回動した後に手を放すと、自動で中立位置(図2に示す位置で、待機位置ともいう)に戻るようにしてもよい。
【0029】
また、操作用リモコン60には、リモコン検出部66、リモコン制御部67、赤外線通信用の送信部68及び乾電池等の電源部(図示省略)が設けられている。リモコン検出部66は、第1スイッチ62及び第2スイッチ63からの信号を検出する。すなわち、第1スイッチ62を操作することによる第11接触部622と第11検出スイッチ641との接触や、第12接触部623と第12検出スイッチ642との接触、あるいは第2スイッチ63を操作することによる第21接触部632と第21検出スイッチ651との接触や、第22接触部633と第22検出スイッチ652との接触を検出する。そして、当該検出結果をリモコン制御部67に伝達する。
【0030】
リモコン制御部67は、リモコン検出部66からの信号に基づいて、第1駆動モータ411及び第2駆動モータ421を、駆動状態または停止状態にするように制御する信号を送信部68から艦体20の受信部26に向けて送信する。具体的には、第1操作部621を中立位置(図2に示す位置)から右方向(時計回り)へ回転させて、第11接触部622と第11検出スイッチ641とが接触したことによる信号がリモコン検出部66から送信された場合には、リモコン制御部67は、第1駆動モータ411を右方向に回転させる信号を送信部68から艦体20の受信部26に向けて送信する。そして、受信部26から船体制御部25に対して送信された信号に基づき、船体制御部25から第1駆動モータ411に対して第1駆動モータ411を右方向に回転させる信号が送信され、第1群砲塔である第1主砲31、第1副砲33及び第3主砲34は同期して右方向へ回転する。
【0031】
また、第1操作部621を中立位置から左方向(半時計回り)へ回転させて、第12接触部623と第12検出スイッチ642とが接触したことによる信号が検出部66から送信された場合には、リモコン制御部67は、第1駆動モータ411を左方向に回転させる信号を送信部68から艦体20の受信部26に向けて送信する。そして、受信部26から船体制御部25に対して送信された信号に基づき、船体制御部25から第1駆動モータ411に対して第1駆動モータ411を左方向に回転させる信号が送信され、第1主砲31、第1副砲33及び第3主砲34は同期して左方向へ回転する。
【0032】
同様に、第2操作部631を中立位置から右方向へ回転させて、第21接触部632と第21検出スイッチ651とが接触したことによる信号がリモコン検出部66から送信された場合には、リモコン制御部67は、第2駆動モータ421を右方向に回転させる信号を送信部68から艦体20の受信部26に向けて送信する。そして、受信部26から船体制御部25に対して送信された信号に基づき、船体制御部25から第2駆動モータ421に対して第2駆動モータ421を右方向に回転させる信号が送信されて、第2群砲塔である第2主砲32及び第2副砲35は同期して右方向へ回転する。また、第2操作部631を中立位置から左方向へ回転させて、第22接触部633と第22検出スイッチ652とが接触したことのよる信号がリモコン検出部66から送信された場合には、リモコン制御部67は、第2駆動モータ421を左方向に回転させる信号を送信部68から艦体20の受信部26に向けて送信する。そして、受信部26から船体制御部25に対して送信された信号に基づき、船体制御部25から第1駆動モータ421に対して第2駆動モータ421を左方向に回転させる信号が送信されて、第2主砲32及び第2副砲35は同期して左方向へ回転する。
【0033】
また、第1駆動モータ411及び第2駆動モータ421のいずれかが駆動状態のときには、スピーカ23から砲塔の回転駆動音を再現した回転音(第1演出音)を発する。ここで、回転音とは、砲塔が回転を開始するときの回転開始音と、回転を継続している回転継続音とを含む。また、第1駆動モータ411及び第2駆動モータ421のいずれかが停止状態となるように操作部が操作されたときに、スピーカ23から停止音(第2演出音)を発する。ここで、停止音とは、砲塔の回転を停止するブレーキ音のような音である。
【0034】
次に、戦艦10の動作について説明する。図3には、戦艦10の動作を示すタイムチャートが示されている。また、図5は、戦艦10の全体の動作の流れを示すフローチャートである。図6は、戦艦10の第1群砲塔の右回転動作の流れを示すフローチャートである。図7は、戦艦10の第1群砲塔の左回転動作の流れを示すフローチャートである。図8は、戦艦10の第2群砲塔の右回転動作の流れを示すフローチャートである。図9は、戦艦10の第2群砲塔の左回転動作の流れを示すフローチャートである。
【0035】
図2及び図3に示すように、操作用リモコン60の第1操作部621を、中立位置から右方向へ回転させると、第11接触部622と第11検出スイッチ641とが接触して第1スイッチ62をオンにする。これに伴い、リモコン検出部66からリモコン制御部67に、第1操作部621が右方向へ回転された信号が送信され、リモコン制御部67から第1駆動モータ411を駆動状態にして右方向へ回転させるための信号が送信される。これにより、第1主砲31、第1副砲33及び第3主砲34が、同期して右方向へ回転する。このとき、第1スイッチ62が操作されたことを検知した信号が操作用リモコン60から艦体20に対して送信されることにより、スピーカ23から対応した音声(ここでは回転音)を発する。
【0036】
第1操作部621を左方向に回すと、第11接触部622と第11検出スイッチ641とが離間して第1スイッチ62がオフとなる。これにより、第1スイッチ62がオフとなったことを検知した信号が操作用リモコン60から艦体20に対して送信され、スピーカ23において回転音の出力が停止され、砲塔の停止音が所定時間T2だけ出力される。そして、駆動部40が停止状態となるように第1操作部621が操作されたとき(本実施形態では、第11接触部622と第11検出スイッチ641とが離間して第1スイッチ62がオフとなったとき)に、第1駆動モータ411の回転はすぐには停止せず、所定時間T1経過後に停止するので、その間、砲塔はわずかに回転を継続して停止する。そして、第1駆動モータ411の停止とともに停止音の出力も終了する。
【0037】
一方、第1操作部621を、中立位置から左方向へ回転させて、第12接触部623と第12検出スイッチ642とを接触させると、第1スイッチ62がオンとなる。これに伴い、リモコン検出部66からリモコン制御部67に、第1操作部621が左方向へ回転された信号が送信され、リモコン制御部67から第1駆動モータ411を左方向へ回転させるための信号が送信される。これにより、第1主砲31、第1副砲33及び第3主砲34が同期して左方向へ回転する。このとき、第1スイッチ62が操作されたことを検知した信号が操作用リモコン60から艦体20に対して送信されることにより、スピーカ23から対応した音声(ここでは回転音)を発する。
【0038】
第1操作部621を右方向に回すと、第11接触部622と第11検出スイッチ641とが離間して第1スイッチ62がオフとなる。これにより、スピーカ23において回転音が停止し、停止音が所定時間T2だけ出力される。そして、駆動部40が停止状態となるように第1操作部621が操作されたとき(本実施形態では、第11接触部622と第11検出スイッチ641とが離間したとき)に、第1駆動モータ411の回転はすぐには停止せず、所定時間T1経過後に停止する。この間、第1駆動モータ411は回転しているが、砲塔の回転はストッパ等に当接して停止するので、その間、砲塔はわずかに回転を継続して停止する。そして、第1駆動モータ411の停止とともに停止音の出力も終了する。
【0039】
なお、実際の砲塔の駆動としては、砲塔自身がかなりの重量であるため、砲塔の停止指示入力後もすぐには停止せず、摩擦音を響かせながら少しずつ停止するものである。本実施形態によると、このような実際の砲塔の駆動を再現することが可能である。なお、本実施形態では、第1駆動モータ411の停止とともに停止音の出力も終了する(T1=T2)ようにしているが、これに限られることはなく、第1駆動モータ411の停止後もわずかに停止音が続く(T1<T2)ような演出を行ってもよい。
【0040】
なお、第2スイッチ63及び第2駆動部42の動作は、回転する砲塔が第2主砲32及び第2副砲35となることを除いて、上述した第1スイッチ62及び第1駆動部41の動作とまったく同様である。このため、第1操作部621と第2操作部631を反対方向に回転させることにより、図4に示すように、第1主砲31と第1副砲33を同じ方向へ回転させるとともに、第2主砲32を反対方向へ回転させることが可能になる。
【0041】
次に、戦艦10の全体の動作について説明する。図5に示すように、待機状態(ステップSS)において、第1スイッチ62の第1操作部621を右方向に回して第1群砲塔を右回転させたか否かを判断して(ステップS1)、第1スイッチ62が右オンになった時はステップSAへ移る。第1スイッチ62が右オンとなっていないときは、第1スイッチ62の第1操作部621を左方向に回して第1群砲塔を左回転させたか否かを判断して(ステップS2)、第1スイッチ62が左オンになった時はステップSBへ移る。
【0042】
次いで、第1スイッチ62が左オンになっていないときは、第2スイッチ63の第2操作部631を右方向に回して第2群砲塔を右回転させたか否かを判断して(ステップS3)、第2スイッチ63が右オンになった時はステップSCへ移る。第2スイッチ63が右オンとなっていないときは、第2スイッチ63の第2操作部631を左方向に回して第2群砲塔を左回転させたか否かを判断して(ステップS4)、第2スイッチ63が左オンになった時はステップSDへ移る。第2スイッチ63が左オンになっていないときは、待機状態(ステップSS)に戻り、ステップ1から繰り返す。
【0043】
次に、図6に示すように、第1群砲塔を右回転処理(ステップSA)する場合には、第1スイッチ62を右回転させてオンとし、スピーカ23から第1演出音である回転音を出力するとともに第1駆動モータ411を正転(右回転)させて、第1群砲塔を右回転させる(ステップSA1)。そして、第1群砲塔の右リミットスイッチ38Rがオフの場合には(ステップSA2)、まだ右方向回転限界位置まで回転していないので、第1スイッチ62が右方向に回転してオンとなっているかを判断する(ステップSA3)。このとき、第1スイッチ62がオンとなっている場合には、さらに継続して第1駆動モータ411を正転させるとともに、スピーカ23から回転音を出力し、ステップSA2に戻る。
【0044】
一方、ステップSA2において第1群砲塔の右リミットスイッチ38Rがオンとなった場合には、第1群砲塔が右方向回転限界位置まで回転したことがわかるので、回転音を停止するとともに第2演出音である停止音を出力する。その後、所定時間T1経過後に第1駆動モータ411の正転を停止する(ステップSA4)。同様に、ステップSA3において第1スイッチ62が右回転されていないと判断された場合も、回転音を停止して停止音を出力した後に、第1駆動モータ411の正転を停止する(ステップSA4)。
【0045】
その後、第1スイッチ62が右方向に回転してオンとなっているかを判断する(ステップSA5)。第1スイッチ62がオンとなっている場合は、ステップSA2において右リミットスイッチ38Rがオンとなって右方向回転限界位置まで回転して停止している状態なので、第1スイッチ62がオフとなるまで待って、オフとなったら待機状態(ステップSS)に戻る。
【0046】
次に、図7に示すように、第1群砲塔を左回転処理(ステップSB)する場合には、第1スイッチ62を左回転させてオンとし、スピーカ23から第1演出音である回転音を出力するとともに第1駆動モータ411を逆転(左回転)させて、第1群砲塔を左回転させる(ステップSB1)。そして、第1群砲塔の左リミットスイッチ38Lがオフの場合には(ステップSB2)、まだ左方向回転限界位置まで回転していないので、第1スイッチ62が左方向に回転してオンとなっているかを判断する(ステップSB3)。このとき、第1スイッチ62がオンとなっている場合には、さらに継続して第1駆動モータ411を逆転させるとともに、スピーカ23から回転音を出力し、ステップSB2に戻る。
【0047】
一方、ステップSB2において第1群砲塔の左リミットスイッチ38Lがオンとなった場合には、第1群砲塔が左方向回転限界位置まで回転したことがわかるので、回転音を停止するとともに第2演出音である停止音を出力する。その後、所定時間T1経過後に第1駆動モータ411の逆転を停止する(ステップSB4)。同様に、ステップSB3において第1スイッチ62が左回転されていないと判断された場合も、回転音を停止して停止音を出力した後に、第1駆動モータ411の逆転を停止する(ステップSB4)。
【0048】
その後、第1スイッチ62が左方向に回転してオンとなっているかを判断する(ステップSB5)。第1スイッチ62がオンとなっている場合は、ステップSB2において左リミットスイッチ38Lがオンとなって左方向限界まで回転して停止している状態なので、第1スイッチ62がオフとなるまで待って、オフとなったら待機状態(ステップSS)に戻る。
【0049】
次に、図8に示すように、第2群砲塔を右回転処理する場合には、第2スイッチ63を右回転させてオンとし、スピーカ23から第1演出音である回転音を出力するとともに第2駆動モータ421を正転(右回転)させて、第2群砲塔を右回転させる(ステップSC1)。そして、第2群砲塔の右リミットスイッチ39Rがオフの場合には(ステップSC2)、まだ右方向回転限界位置まで回転していないので、第2スイッチ63が右方向に回転してオンとなっているかを判断する(ステップSC3)。このとき、第2スイッチ63がオンとなっている場合には、さらに継続して第2駆動モータ421を正転させるとともに、スピーカ23から回転音を出力し、ステップSC2に戻る。
【0050】
一方、ステップSC2において第2群砲塔の右リミットスイッチ39Rがオンとなった場合には、第2群砲塔が右方向回転限界位置まで回転したことがわかるので、回転音を停止するとともに第2演出音である停止音を出力する。その後、所定時間T1経過後に第2駆動モータ421の正転を停止する(ステップSC4)。同様に、ステップSC3において第2スイッチ63が右回転されていないと判断された場合も、第2駆動モータ421の正転を停止して、スピーカ23から停止音を出力する(ステップSC4)。
【0051】
その後、第2スイッチ63が右方向に回転してオンとなっているかを判断する(ステップSC5)。第2スイッチ63がオンとなっている場合は、ステップSC2において右リミットスイッチ39Rがオンとなって右方向限界まで回転して停止している状態なので、第2スイッチ63がオフとなるまで待って、オフとなったら待機状態(ステップSS)に戻る。
【0052】
次に、図9に示すように、第2群砲塔を左回転処理する場合には、第2スイッチ63を左回転させてオンとし、スピーカ23から第1演出音である回転音を出力するとともに第2駆動モータ421を逆転(左回転)させて、第2群砲塔を左回転させる(ステップSD1)。そして、第2群砲塔の左リミットスイッチ39Lがオフの場合には(ステップSD2)、まだ左方向回転限界位置まで回転していないので、第2スイッチ63が左方向に回転してオンとなっているかを判断する(ステップSD3)。このとき、第2スイッチ63がオンとなっている場合には、さらに継続して第2駆動モータ421を逆転させるとともに、スピーカ23から回転音を出力し、ステップSD2に戻る。
【0053】
一方、ステップSD2において第2群砲塔の左リミットスイッチ39Lがオンとなった場合には、第2群砲塔が左方向回転限界位置まで回転したことがわかるので、回転音を停止するとともに第2演出音である停止音を出力する。その後、所定時間T1経過後に第2駆動モータ421の逆転を停止する(ステップSD4)。同様に、ステップSD3において第2スイッチ63が左回転されていないと判断された場合も、回転音を停止して停止音を出力した後に、第2駆動モータ421の逆転を停止する(ステップSD4)。
【0054】
その後、第2スイッチ63が左方向に回転してオンとなっているかを判断する(ステップSD5)。第2スイッチ63がオンとなっている場合は、ステップSD2において左リミットスイッチ39Lがオンとなって左方向回転限界位置まで回転して停止している状態なので、第2スイッチ63がオフとなるまで待って、オフとなったら待機状態(ステップSS)に戻る。
【0055】
本実施形態に係る戦艦10では、スピーカ23は、駆動部40が駆動状態となるように前記スイッチ部が操作されたときに、砲塔が回転するときに発する回転音を出力し、駆動部40が停止状態となるように前記スイッチ部が操作されたときに、回転音と異なる停止音を発する。これにより、簡単な構成で臨場感のある砲塔の駆動を実現する戦艦10を提供することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る戦艦10では、駆動状態から停止状態となるように第1操作部621が操作されたときに、所定時間T1が経過した後に駆動部40を停止させる。すなわち、例えば第1スイッチ62をオフにして停止状態となるように第1操作部621が操作されても、第1駆動モータ411の回転は所定時間T1だけ継続するので、第1主砲31等の回転は急に停止せずに、徐々に停止するように制御される。このため、より一層、本物の砲塔の駆動に近い臨場感を得ることができる。なお、第2スイッチ63及び第2駆動モータ421についても同様である。
【0057】
また、本実施形態に係る戦艦10では、第1主砲31、第1副砲33及び第3主砲34は同期して同じ方向に回転し、第1主砲31と第1副砲33との間にある第2主砲32及び第1副砲33と第3主砲34との間に第2副砲35は同期して同じ方向に回転する。このため、隣接する砲塔の回転方向を反対方向とすることができ、二つの駆動部によって複数の砲塔があたかも各々個別に回転制御されているかのように感じられる砲塔付玩具を提供することができる。
【0058】
また、本実施形態に係る戦艦10では、艦体20の甲板21上における船首と船尾とを結ぶ線に沿って各砲塔部が所定間隔で複数配置されているので、戦艦10の砲塔を回転させる臨場感が得られる。
【0059】
なお、本発明の戦艦10は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。例えば、前述した実施形態においては、第1主砲31、第2主砲32、第1副砲33、第3主砲34及び第2副砲35の5個の砲塔を有する場合について例示したが、これに限るものではない。第1主砲31、第2主砲32及び第1副砲33の3個の砲塔を有する場合にも適用できる。さらに、5個以上の砲塔を有する場合にも同様に適用することができる。
【0060】
また、前述した実施形態においては、砲塔部30における各砲台36を回転させる際の演出音について説明したが、砲塔部30における砲身37の上下動に同様に適用することも可能である。
【0061】
また、前述した実施形態においては、艦体20の甲板21に複数の砲塔が設けられた砲塔部30を有する場合を例示したが、これに限るものではない。本発明はキャタピラーのような無限軌道を備えた車体に砲塔を備えた戦車のような砲塔付玩具も含むものである。また、前述した実施形態においては、戦艦20と操作用リモコン60とを赤外線通信で接続した場合について説明したが、その他、無線接続や有線接続を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 戦艦(砲塔付玩具)
20 艦体(本体部)
21 甲板
23 スピーカ(演出音出力部)
30 砲塔部
31 第1主砲(第1砲塔)
32 第2主砲(第2砲塔)
33 第1副砲(第3砲塔)
40 駆動部
60 操作用リモコン(スイッチ部)
T1 所定時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9