(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152877
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】縦型製袋充填包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/20 20120101AFI20241018BHJP
【FI】
B65B9/20
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024139047
(22)【出願日】2024-08-20
(62)【分割の表示】P 2021055154の分割
【原出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 式範
(57)【要約】
【課題】積層された状態で製品供給装置から供給された複数の製品を適切に包装する縦型製袋充填包装機を提供する。
【解決手段】縦型製袋充填包装機は、積層された状態で製品充填筒を通過した複数の製品を、受け位置の一対のシールブロックで受ける受け処理と、一対のシールブロックを開き位置に移動させると共に、筒状に成形された帯状包装材を所定の距離だけ搬送装置に搬送させる搬送処理と、筒状に成形された帯状包装材の重ね合わされた両端部を縦シール装置にシールさせると共に、一対のシールブロックをシール位置に移動させるシール処理とを実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品供給装置によって積層された状態で供給される複数の製品を、帯状包装材から成形した袋に充填する縦型製袋充填包装機であって、
上端開口及び下端開口を有する筒状の製品充填筒と、
帯状包装材を筒状に成形する製筒器と、
前記製筒器によって筒状に成形された帯状包装材を、前記製品充填筒の外面に沿って下方に搬送する搬送装置と、
前記製筒器によって筒状に成形された帯状包装材の重ね合わされた両端部をシールする縦シール装置と、
積層された状態で前記下端開口から排出される複数の製品を内包した筒状の帯状包装材のうち、袋の頂部及び底部に相当する部分をシールする横シール装置と、
前記搬送装置、前記縦シール装置、及び前記横シール装置を制御する包装機コントローラとを備え、
前記横シール装置は、水平方向に対向して配置された一対のシールブロックを、筒状に成形された帯状包装材を挟んでシールするシール位置と、製品の幅より近い距離まで離間した受け位置と、製品の幅より遠い距離まで離間した開き位置とに移動させ、
前記包装機コントローラは、
積層された状態で前記製品充填筒を通過した複数の製品を、前記受け位置の前記一対のシールブロックで受ける受け処理と、
前記一対のシールブロックを前記開き位置に移動させると共に、筒状に成形された帯状包装材を所定の距離だけ前記搬送装置に搬送させる搬送処理と、
筒状に成形された帯状包装材の重ね合わされた両端部を前記縦シール装置にシールさせると共に、前記一対のシールブロックを前記シール位置に移動させるシール処理とを実行することを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項2】
請求項1に記載の縦型製袋充填包装機において、
前記包装機コントローラは、製品の供給開始を示す供給開始信号を前記製品供給装置から受信してから予め定められた到達時間が経過したタイミングで、前記受け処理から前記搬送処理に移行することを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項3】
請求項1に記載の縦型製袋充填包装機において、
前記包装機コントローラは、製品の供給開始を要求する供給要求信号を前記製品供給装置に送信してから予め定められた到達時間が経過したタイミングで、前記受け処理から前記搬送処理に移行することを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の製品を積層した状態で供給する製品供給装置、積層された状態で製品供給装置から供給された複数の製品を包装する縦型製袋充填包装機、及びこれらを組み合わせた包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上下方向に延びる製品充填筒と、製品充填筒に沿って筒状に成形された帯状フィルムの重ね合わされた端部をシールする縦シール装置と、製品充填筒を通じて供給される製品を内包した袋の両端をシールする横シール装置とを備える縦型製袋充填包装機が知られている。
【0003】
このような縦型製品充填包装機は、例えば、カップ麺やレトルトご飯等の容器を製品充填筒内で順次自由落下させ、複数の容器を上下方向に積層した状態で纏めて包装する用途に用いられている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平03-256805号公報
【特許文献2】特開平06-032302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、容器が製品充填筒内を自由落下する過程において、容器同士が分離したり、容器の姿勢が変化(例えば、回転)することがある。その結果、複数の容器が適切に積層されていない状態で包装されるという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、積層された状態で製品供給装置から供給された複数の製品を適切に包装する縦型製袋充填包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するため、製品供給装置によって積層された状態で供給される複数の製品を、帯状包装材から成形した袋に充填する縦型製袋充填包装機であって、上端開口及び下端開口を有する筒状の製品充填筒と、帯状包装材を筒状に成形する製筒器と、前記製筒器によって筒状に成形された帯状包装材を、前記製品充填筒の外面に沿って下方に搬送する搬送装置と、前記製筒器によって筒状に成形された帯状包装材の重ね合わされた両端部をシールする縦シール装置と、積層された状態で前記下端開口から排出される複数の製品を内包した筒状の帯状包装材のうち、袋の頂部及び底部に相当する部分をシールする横シール装置と、前記搬送装置、前記縦シール装置、及び前記横シール装置を制御する包装機コントローラとを備え、前記横シール装置は、水平方向に対向して配置された一対のシールブロックを、筒状に成形された帯状包装材を挟んでシールするシール位置と、製品の幅より近い距離まで離間した受け位置と、製品の幅より遠い距離まで離間した開き位置とに移動させ、前記包装機コントローラは、積層された状態で前記製品充填筒を通過した複数の製品を、前記受け位置の前記一対のシールブロックで受ける受け処理と、前記一対のシールブロックを前記開き位置に移動させると共に、筒状に成形された帯状包装材を所定の距離だけ前記搬送装置に搬送させる搬送処理と、筒状に成形された帯状包装材の重ね合わされた両端部を前記縦シール装置にシールさせると共に、前記一対のシールブロックを前記シール位置に移動させるシール処理とを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、積層された状態で製品供給装置から供給された複数の製品を適切に包装する縦型製袋充填包装機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】実施形態に係る包装システムの動作を示すフローチャートである。
【
図5】プッシュプレートの速度及び位置と、シャッタ装置の位置と、横シール装置のシールブロックの位置とを示すタイムチャートである。
【
図6】変形例に係る包装システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る包装システム1を図面に基づいて説明する。なお、以下に記載する本発明の実施形態は、本発明を具体化する際の一例を示すものであって、本発明の範囲を実施形態の記載の範囲に限定するものではない。従って、本発明は、実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。
【0011】
図1は、包装システム1の全体斜視図である。
図2は、包装システム1の側面図である。本実施形態に係る包装システム1は、複数の製品Pを積層した状態で包装するシステムである。
図1及び
図2に示すように、包装システム1は、例えば、縦型製袋充填包装機2と、製品供給装置3と、ベルトコンベア4とで構成される。
【0012】
縦型製袋充填包装機2は、帯状フィルムFw(帯状包装材)を袋Bpに成形すると共に、積層された状態で製品供給装置3から供給された複数の製品Pを袋Bpに充填する装置である。縦型製袋充填包装機2は、フィルム供給装置10と、製品充填筒21と、フォーマ22(製筒器)と、搬送装置30と、縦シール装置40と、横シール装置50と、包装機コントローラ60(
図3参照)とを主に備える。
【0013】
帯状フィルムFwは、製品Pを包装する袋の材料となる帯状の包装材である。帯状フィルムFwは、熱を加えることによって溶着することが可能な膜状の部材であって、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、アルミ裏打紙、アルミ蒸着紙などが挙げられる。製品Pは、例えば、食品(例えば、カップ麺、レトルトご飯)などを収容した容器である。より詳細には、製品Pは、上下方向の寸法が前後方向及び左右方向の寸法より短い扁平な容器である。但し、製品Pの具体例はこれらに限定されず、袋Bpに包装されて出荷されるあらゆる物を含む。
【0014】
フィルム供給装置10は、巻取ロール11に巻き取られた帯状フィルムFwを、フォーマ22に搬送する装置である。フィルム供給装置10は、巻取ロール11と、複数の固定ガイドロール12a~12hと、テンション機構13とを主に備える。
【0015】
巻取ロール11は、モータ(図示省略)の駆動力が伝達されて、帯状フィルムFwを繰り出す向きに回転する。固定ガイドロール12a~12hは、巻取ロール11からフォーマ22に至る帯状フィルムFwの送り経路に配置されて、送り経路に沿って搬送される帯状フィルムFwを案内する。テンション機構13は、送り経路に沿って搬送される帯状フィルムFwに、適切なテンションを付与する。
【0016】
巻取ロール11からフォーマ22に至る帯状フィルムFwの送り経路に対面して、日付印字装置15及び日付検査装置16が配置されている。日付印字装置15は、フィルム供給装置10によって搬送される帯状フィルムFwの所定の位置に、日付(例えば、製造年月日、消費期限、賞味期限など)を印字する。日付検査装置16は、日付印字装置15によって日付が適切に印字されたかを検査する。
【0017】
製品充填筒21は、上端開口及び下端開口を有する筒状の部材である。また、製品充填筒21は、上下方向に延設されている。製品充填筒21の上端開口は、製品供給装置3の直下に位置している。そして、製品充填筒21は、製品供給装置3から供給された複数の製品Pを、縦シール装置40及び横シール装置50によって成形された袋Bpに充填する。
【0018】
フォーマ22は、製品充填筒21の外面に取り付けられている。フォーマ22は、フィルム供給装置10から供給された帯状フィルムFwの幅方向の両端部を重ね合わせることによって、帯状フィルムFwを製品充填筒21の外面に沿って筒状に成形する。
【0019】
搬送装置30は、フォーマ22より下方で且つ製品充填筒21の下端開口より上方において、製品充填筒21の外面に対面して配置されている。搬送装置30は、フォーマ22によって筒状に成形された帯状フィルムFwを、製品充填筒21の外面に沿って下方に搬送する。より詳細には、搬送装置30は、製品充填筒21の左右方向(幅方向)の両側に配置された一対の搬送ベルト31、32を備える。一対の搬送ベルト31、32は、モータ(図示省略)の駆動力が伝達されて、製品充填筒21の外周面を覆う帯状フィルムFwを、横シール装置50に向けて下方に送る。
【0020】
縦シール装置40は、前後方向において、製品充填筒21に対面する位置に配置されている。また、縦シール装置40は、搬送装置30による帯状フィルムFwの搬送方向において、フォーマ22より下流側で且つ横シール装置50より上流側に配置されている。
【0021】
縦シール装置40は、帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を挟むように配置された一対のシールブロック41、42を備える。一対のシールブロック41、42は、モータ(図示省略)の回転が伝達されて接離する。一対のシールブロック41、42それぞれには、ヒータが内蔵されている。そして、縦シール装置40は、一対のシールブロック41、42を、シール位置と、開き位置とに移動させる。
【0022】
シール位置は、帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を挟んで一対のシールブロック41、42が当接する位置である。これにより、帯状フィルムFwの重ね合わされた端部が長手方向に連続してシール(溶着)される。その結果、帯状フィルムFwは、筒状に成形される。開き位置は、一対のシールブロック41、42が離間した位置である。
【0023】
横シール装置50は、製品充填筒21の下端開口より下方に配置されている。また、横シール装置50は、筒状に成形された帯状フィルムFwを挟むように、水平方向に対向して配置された一対のシールブロック51、52を備える。一対のシールブロック51、52は、モータ(図示省略)の回転が伝達されて接離する。一対のシールブロック51、52それぞれには、ヒータが内蔵されている。また、シールブロック51は、連続する袋Bpの境界を切断するカッタを備える。さらに、横シール装置50は、ガセット機構を備えてもよい。そして、横シール装置50は、一対のシールブロック51、52を、シール位置と、受け位置と、開き位置とに移動させる。
【0024】
シール位置は、筒状に成形された帯状フィルムFwを挟んで一対のシールブロック51、52を当接させることによって、当接部分の帯状フィルムFwをシール(溶着)する位置である。すなわち、横シール装置50は、一対のシールブロック51、52を所定の間隔毎にシール位置に移動させることによって、袋Bpの底部に相当する部分と、袋Bpの頂部に相当する部分とをシールすると共に、連続する2つの袋の境界部分を切断する。これにより、袋Bpが生成される。
【0025】
受け位置は、一対のシールブロック51、52が製品Pの幅より近い距離まで離間した位置である。すなわち、筒状に成形された帯状フィルムFwの内部を落下する製品Pは、受け位置のシールブロック51、52の間を通過することができない。換言すれば、受け位置のシールブロック51、52は、筒状に成形された帯状フィルムFwの内部を落下する製品Pを支持する。
【0026】
開き位置は、一対のシールブロック51、52が製品Pの幅より遠い距離まで離間した位置である。すなわち、筒状に成形された帯状フィルムFwの内部の製品Pは、開き位置のシールブロック51、52の間を通過することができる。換言すれば、開き位置のシールブロック51、52は、搬送装置30によって搬送された帯状フィルムFwと共に製品Pを通過させる。
【0027】
製品供給装置3は、ベルトコンベア4を通じて順番に搬送された製品Pを上下方向に積層し、複数の製品Pを積層した状態で縦型製袋充填包装機2(より詳細には、製品充填筒21)に供給する装置である。
図1及び
図2に示すように、製品供給装置3は、シャッタ装置70(製品保持装置)と、プッシャ装置80(製品押込装置)と、供給装置コントローラ90(
図3参照)を主に備える。
【0028】
シャッタ装置70は、製品充填筒21の上方に配置されている。より詳細には、シャッタ装置70は、上下方向において、製品充填筒21の上端開口に対面する位置に配置されている。シャッタ装置70は、ベルトコンベア4を通じて順番に供給される製品Pを上下方向に積層して保持し、積層した複数の製品Pを製品充填筒21に向けて落下させる。シャッタ装置70は、一対の係止片71a、71bと、一対のエアシリンダ72a、72bとを主に備える。但し、シャッタ装置70の具体的な構成は、これに限定されない。
【0029】
一対の係止片71a、71bは、水平方向に対向して配置されている。より詳細には、一対の係止片71a、71bは、ベルトコンベア4による製品Pの搬送方向に直交する方向に対向配置されている。そして、一対の係止片71a、71bは、対応するエアシリンダ72a、72bの駆動力によって、互いに接離する方向に移動する。シャッタ装置70は、一対の係止片71a、71bを、保持位置と、解除位置とに移動させる。
【0030】
保持位置は、一対の係止片71a、71bが製品Pの幅より近い距離に近接した位置である。すなわち、ベルトコンベア4から供給される製品Pは、保持位置の係止片71a、71bの間を通過することができない。そのため、保持位置の係止片71a、71bは、ベルトコンベア4を通じて供給される製品Pを、積層した状態で保持することができる。より詳細には、保持位置の係止片71a、71bは、製品Pの外縁を係止することによって、当該製品Pを保持する。そして、係止片71a、71bに係止された製品Pの上に、ベルトコンベア4によって製品Pが順番に供給されることによって、複数の製品Pが積層される。
【0031】
解除位置は、一対の係止片71a、71bが製品Pの幅より遠い距離まで離間した位置である。すなわち、解除位置の係止片71a、71bは、積層した複数の製品Pの保持を解除する。係止片71a、71bによる保持が解除された複数の製品Pは、解除位置の係止片71a、71bの間を通過して、製品充填筒21に向けて落下する。
【0032】
プッシャ装置80は、シャッタ装置70の上方に配置されている。プッシャ装置80は、シャッタ装置70による保持が解除された複数の製品Pを、積層された状態のまま製品充填筒21(より詳細には、筒状に成形された帯状フィルムFw)に押し込む装置である。プッシャ装置80は、プッシュプレート81と、プッシュロッド82と、駆動機構83とを主に備える。但し、プッシャ装置80の具体的な構成は、これに限定されない。
【0033】
プッシュプレート81は、保持位置の係止片71a、71bに保持された一番上の製品Pの上面に当接(好ましくは、面接触)する板状の部材である。プッシュロッド82は、プッシュプレート81の上面から上方に突出している。駆動機構83は、プッシュロッド82に接続されて、プッシュプレート81及びプッシュロッド82を上下方向に移動させるための駆動力を発生させる。駆動機構83は、例えば、駆動ローラ及び従動ローラに掛け渡された環状ベルトによって構成される。
【0034】
図2に示すように、プッシュプレート81は、駆動機構83の駆動力によって、待機位置及び停止位置の間を上下方向に移動する。待機位置は、シャッタ装置70に保持された一番上の製品Pより上方の位置である。停止位置は、製品充填筒21の上端開口より下方の位置である。また、停止位置は、横シール装置50より上方であれば、製品充填筒21の下端開口より上方でもよいし、製品充填筒21の下端開口より下方でもよい。また、待機位置より下方で且つ停止位置より上方には、減速開始位置が設定されている。
【0035】
プッシュプレート81は、待機位置から減速開始位置まで、重力加速度より高い加速度で下方に移動(例えば、等加速度直線運動)する。また、プッシュプレート81は、減速開始位置で減速を開始して、停止位置で停止する。さらに、プッシュプレート81は、減速開始位置から待機位置まで、所定の速度パターンで上方に移動する。
【0036】
図3は、包装システム1のハードウェア構成図である。包装システム1は、縦型製袋充填包装機2の包装機コントローラ60と、製品供給装置3の供給装置コントローラ90とが連動して動作することによって、複数の製品Pを積層した状態で包装する。
【0037】
包装機コントローラ60及び供給装置コントローラ90は、例えば、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)61、91と、記憶手段であるメモリ62、92とを備える。メモリ62、92は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはこれらの組み合わせで構成される。そして、メモリ62、92に記憶されたプログラムをCPU61、91が読み出して実行することによって、後述する各処理が実行される。
【0038】
但し、包装機コントローラ60及び供給装置コントローラ90の具体的な構成はこれに限定されず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよい。
【0039】
また、包装機コントローラ60及び供給装置コントローラ90は、通信I/F63、93に接続されている。通信I/F63、93は、通信回線(例えば、LAN、インターネット等)を介して相互に通信可能に構成されている。すなわち、包装機コントローラ60及び供給装置コントローラ90は、通信I/F63、93を通じて情報を送受信することができる。
【0040】
また、包装機コントローラ60は、フィルム供給装置10、搬送装置30、縦シール装置40、及び横シール装置50が備えるアクチュエータ(例えば、モータ、エアシリンダ等)を駆動させることによって、各装置10、30、40、50の動作を制御する。供給装置コントローラ90は、シャッタ装置70及びプッシャ装置80が備えるアクチュエータ(例えば、モータ、エアシリンダ等)を駆動させることによって、各装置70、80の動作を制御する。
【0041】
さらに、供給装置コントローラ90は、製品検知センサ94に接続されている。製品検知センサ94は、シャッタ装置70が所定の数の製品Pを保持したことを検知し、検知結果を示す検知信号を供給装置コントローラ90に出力する。一例として、製品検知センサ94は、係止片71a、71bから所定の高さに設置されて、設置位置に製品Pが到達した(すなわち、製品Pが積み上がった)ことを検知してもよい。他の例として、製品検知センサ94は、係止片71a、71bに負荷される重量を検知してもよい。
【0042】
次に、
図4及び
図5を参照して、包装システム1の動作を説明する。
図4は、包装システム1の動作を示すフローチャートである。
図5は、プッシュプレート81の速度及び位置と、シャッタ装置70の位置と、横シール装置50のシールブロック51、52の位置とを示すタイムチャートである。なお、
図4に示す処理の開始時点(
図5の時刻t0)において、縦シール装置40のシールブロック41、42は開き位置であり、横シール装置50のシールブロック51、52は受け位置であり、シャッタ装置70は保持位置であり、プッシャ装置80のプッシュプレート81は待機位置であるものとする。
【0043】
まず、供給装置コントローラ90は、製品検知センサ94から出力される検知信号に基づいて、保持位置のシャッタ装置70にN個の製品Pが積層されるまで(S11:No)、ステップS12以降の処理の実行を待機する。なお、Nは、2以上の整数であって、
図2の例では5個である。
【0044】
次に、供給装置コントローラ90は、
図5の時刻t1において、N個の製品Pが積層されたことが製品検知センサ94によって検知されたことに応じて(S11:Yes)、通信I/F93を通じて縦型製袋充填包装機2に供給開始信号を送信する(S12)。供給開始信号は、製品充填筒21に対する製品Pの供給を開始することを示す信号である。
【0045】
また、供給装置コントローラ90は、シャッタ装置70を保持位置から解除位置に移動させる(S13)。さらに、供給装置コントローラ90は、プッシュプレート81を重力加速度より速い加速度で下降させる(S14)。より詳細には、供給装置コントローラ90は、シャッタ装置70が解除位置に移動した後に、プッシュプレート81の下降を開始する。ステップS13、S14の処理は、押込処理の一例である。また、ステップS12と、ステップS13-S14とは、逆順で実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。
【0046】
これにより、プッシュプレート81は、N個の製品Pのうちの一番上の製品Pの上面に当接した状態で、積層されたN個の製品Pと共に製品充填筒21に進入する。その結果、N個の製品Pは、プッシュプレート81によって積層された状態を維持したまま、製品充填筒21(換言すれば、筒状に成形された帯状フィルムFw)内を下方に移動する。
【0047】
次に、供給装置コントローラ90は、
図5の時刻t2において、プッシュプレート81が減速開始位置に到達したことに応じて、プッシュプレート81の減速を開始する。また、供給装置コントローラ90は、
図5の時刻t4において、プッシュプレート81を停止位置で停止させる。換言すれば、供給装置コントローラ90は、プッシュプレート81が停止位置で停止するように、減速開始位置でプッシュプレート81の減速を開始する(S15)。その結果、減速開始位置より下方では、プッシュプレート81は一番上の製品Pの上面から離間している。
【0048】
次に、供給装置コントローラ90は、
図5の時刻t4において、プッシュプレート81が停止位置に到達したことに応じて、プッシュプレート81の上昇を開始する(S16)。そして、供給装置コントローラ90は、
図5の時刻t7において、プッシュプレート81を待機位置で停止させる。さらに、供給装置コントローラ90は、シャッタ装置70を解除位置から保持位置に移動させる(S17)。より詳細には、供給装置コントローラ90は、上昇するプッシュプレート81が係止片71a、71bを通過した後に、シャッタ装置70を保持位置に移動させる。ステップS16、S17の処理は、復帰処理の一例である。
【0049】
なお、プッシュプレート81が減速開始位置、停止位置、待機位置に到達したことは、センサ(図示省略)によって検知されてもよいし、プッシュプレート81が下降または上昇を開始してからの経過時間によって検知されてもよいし、駆動機構83のモータに取り付けられたロータリエンコーダのエンコード値によって検知されてもよい。
【0050】
次に、供給装置コントローラ90は、ステップS11以降の処理を再び実行する。換言すれば、供給装置コントローラ90は、ステップS11-S17の処理を繰り返し実行する。すなわち、製品供給装置3は、積層した状態のN個の製品Pを、所定の時間間隔毎に繰り返し縦型製袋充填包装機2に供給する。
【0051】
一方、包装機コントローラ60は、通信I/F63を通じて製品供給装置3から供給開始信号を受信するまで、ステップS21以降の処理の実行を待機する。そして、包装機コントローラ60は、通信I/F63を通じて製品供給装置3から供給開始信号を受信したことに応じて、予め定められた到達時間の計測を開始する。到達時間とは、シャッタ装置70が解除位置に到達してから、積層されたN個の製品Pがシールブロック51、52の位置に到達するのに必要な時間である。到達時間は、製品充填筒21の長さと、プッシュプレート81の下降速度(加速度)との組み合わせによって事前に決定される。
【0052】
そして、包装機コントローラ60は、供給開始信号を受信してから到達時間が経過したことに応じて(S21:Yes)、受け位置のシールブロック51、52にN個の製品Pが到達したと判定する。すなわち、ステップS21の処理は、積層された状態で製品充填筒21を通過した複数の製品Pを、受け位置のシールブロック51、52で受ける受け処理の一例である。
【0053】
次に、包装機コントローラ60は、
図5の時刻t3において、N個の製品Pがシールブロック51、52の位置に到達したことに応じて、シールブロック51、52を受け位置から開き位置に移動させる(S22)。これにより、シールブロック51、52に支持されていたN個の製品Pは、直前のステップS24でシールされた袋Bpの底部に相当する部分に支持される。
【0054】
次に、包装機コントローラ60は、搬送装置30を駆動することによって、筒状に成形された帯状フィルムFwを所定の搬送量だけ下方に搬送する(S23)。これにより、帯状フィルムFwと共にN個の製品Pが下方に移動する。ステップS23における搬送量は、積層されたN個の製品Pがシールブロック51、52より下方に移動するのに必要な量である。帯状フィルムFwの搬送量は、例えば、搬送装置30のモータに取り付けられたロータリエンコーダのエンコード値によって検知される。ステップS22、S23の処理は、搬送処理の一例である。
【0055】
次に、包装機コントローラ60は、
図5の時刻t5において、帯状フィルムFwを所定の搬送量だけ搬送したことに応じて、縦シール装置40のシールブロック41、42をシール位置に移動させると共に、横シール装置50のシールブロック51、52をシール位置に移動させる(S24)。すなわち、包装機コントローラ60は、筒状に成形された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を縦シール装置40にシールさせる。また、包装機コントローラ60は、N個の製品Pを収容した袋Bpの頂部に相当する部分と、次の袋Bpの底部に相当する部分とを、横シール装置50にシールさせる。ステップS24の処理は、シール処理の一例である。さらに、横シール装置50は、ステップS24において、袋Bpの両側面にガセット(折り目)を形成してもよい。
【0056】
次に、包装機コントローラ60は、
図5の時刻t6において、縦シール装置40のシールブロック41、42を開き位置に移動させると共に、横シール装置50のシールブロック51、52を受け位置に移動させる(S25)。そして、包装機コントローラ60は、ステップS21以降の処理を再び実行する。換言すれば、包装機コントローラ60は、ステップS21-S25の処理を繰り返し実行する。すなわち、縦型製袋充填包装機2は、所定の時間間隔毎に供給されるN個の製品Pを、積層した状態で包装する。
【0057】
なお、
図5に示すタイミングは一例であって、これに限定されない。例えば、時刻t3は、時刻t2より後であれば、時刻t4より前でも後でもよい。また、時刻t5は、時刻t4より前でもよいし、時刻t7より後でもよい。さらに、時刻t6は、時刻t4より前でもよいし、時刻t7より後でもよい。
【0058】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0059】
上記の実施形態によれば、プッシュプレート81を下降させることによって、N個の製品Pを積層した状態で製品充填筒21に押し込むことができる。これにより、製品充填筒21の内部において、製品P同士が分離したり、製品Pの姿勢が変化するのを防止することができる。その結果、N個の製品Pを適切に積層して包装することができる。
【0060】
なお、N個の製品Pは、プッシュプレート81によって押されることによって、自由落下する場合より速い速度で下方に移動する。そのため、製品充填筒21を通過したN個の製品Pが袋Bpの底部に直接ぶつかると、袋Bpが破損する可能性がある。そこで上記の実施形態のように、製品充填筒21を通じて供給されるN個の製品Pを、受け位置のシールブロック51、52で受けることによって、袋Bpの破損に伴う包装不良を防止することができる。
【0061】
また、上記の実施形態によれば、一対の係止片71a、71bを接離させることによって、製品Pの保持を解除することができる。これにより、製品Pの下面を支持する1枚のプレートを水平方向に移動させる場合と比較して、ストローク量を小さくすることができる。その結果、N個の製品Pが積層されたことを検知してから、当該N個の製品Pが実際に落下を開始するまでのタイムラグを小さくすることができる。
【0062】
また、上記の実施形態によれば、包装機コントローラ60は、製品供給装置3から出力される供給開始信号を基点として、予め定められた到達時間が経過したタイミングで受け処理から搬送処理に移行する。これにより、N個の製品Pをシールブロック51、52で受けてから次の処理を実行することができる。その結果、縦型製袋充填包装機2及び製品供給装置3を適切に連動させることができる。
【0063】
[変形例]
但し、縦型製袋充填包装機2及び製品供給装置3を連動させる方法は、前述の例に限定されない。
図6は、変形例に係る包装システム1の動作を示すフローチャートである。なお、上記の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0064】
変形例に係る包装機コントローラ60は、横シール装置50のシールブロック51、52を受け位置に位置させた状態で、通信I/F63を通じて製品供給装置3に供給要求信号を送信する(S20)。供給要求信号は、N個の製品Pの供給開始を要求する信号である。そして、変形例に係る包装機コントローラ60は、供給要求信号を送信してから到達時間が経過したタイミングで(S21:Yes)、ステップS22以降の処理を実行する。
【0065】
また、変形例に係る供給装置コントローラ90は、通信I/F93を通じて縦型製袋充填包装機2から供給要求信号を受信したことに応じて(S20)、ステップS13以降の処理を実行する。なお、供給要求信号を受信する時点では、既に、N個の製品Pが保持位置のシャッタ装置70に保持されているものとする。
【0066】
上記の変形例によっても、縦型製袋充填包装機2及び製品供給装置3を適切に連動させることができる。
【0067】
また、上記の実施形態及び変形例では、縦型製袋充填包装機2が備える包装機コントローラ60と、製品供給装置3が備える供給装置コントローラ90とが、互いに情報を送受信しながら処理を進める例を説明したが、包装システム1は、縦型製袋充填包装機2及び製品供給装置3の両方を共通して制御する共通コントローラを備えていてもよい。そして、共通コントローラは、縦型製袋充填包装機2及び製品供給装置3それぞれの状態を把握して、各処理S11、S13-S17、S21-S25を実行してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…包装システム、2…縦型製袋充填包装機、3…製品供給装置、4…ベルトコンベア、10…フィルム供給装置、11…巻取ロール、12a~12h…固定ガイドロール、13…テンション機構、15…日付印字装置、16…日付検査装置、21…製品充填筒、22…フォーマ、30…搬送装置、31,32…搬送ベルト、40…縦シール装置、41,42,51,52…シールブロック、50…横シール装置、60…包装機コントローラ、61,91…CPU、62,92…メモリ、63,93…通信I/F、70…シャッタ装置、71a,71b…係止片、72a,72b…エアシリンダ、80…プッシャ装置、81…プッシュプレート、82…プッシュロッド、83…駆動機構、90…供給装置コントローラ、94…製品検知センサ