(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152896
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】医療器具、ネーザルアダプタ、およびバイトブロック
(51)【国際特許分類】
A61M 16/06 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A61M16/06 C
A61M16/06 D
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024139544
(22)【出願日】2024-08-21
(62)【分割の表示】P 2020200259の分割
【原出願日】2020-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】株本 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】鷹取 文彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 正行
(57)【要約】
【課題】ネーザルアダプタとバイトブロックを備えた医療器具の利便性を高める。
【解決手段】ネーザルアダプタ11は、装着時に被検者20の鼻孔と対向するように配置される通気部、および当該通気部と連通する第一通気路112を区画する。バイトブロック12は、装着時に被検者20の口腔内に配置される中空部材121、および中空部材121と連通している第二通気路122を区画する。ジョイント13は、ネーザルアダプタ11とバイトブロック12を連結し、第一通気路112と第二通気路122を連通する第三通気路133を区画する。ジョイント13は、可撓性が相違する複数の部分を有している。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者に装着される医療器具であって、
装着時に前記被検者の鼻孔と対向するように配置される通気部、および当該通気部と連通する第一通気路を区画するネーザルアダプタと、
装着時に前記被検者の口腔内に配置される中空部材、および当該中空部材と連通している第二通気路を区画するバイトブロックと、
前記ネーザルアダプタと前記バイトブロックを連結し、前記第一通気路と前記第二通気路を連通する第三通気路を区画するジョイントと、
を備えており、
前記ジョイントは、可撓性が相違する複数の部分を有している、
医療器具。
【請求項2】
被検者に装着される医療器具であって、
装着時に前記被検者の鼻孔と対向するように配置される通気部、および当該通気部と連通する第一通気路を区画するネーザルアダプタと、
装着時に前記被検者の口腔内に配置される中空部材、および当該中空部材と連通している第二通気路を区画するバイトブロックと、
前記ネーザルアダプタと前記バイトブロックを連結し、前記第一通気路と前記第二通気路を連通する第三通気路を区画するジョイントと、
を備えており、
前記ジョイントは、装着時に前記被検者の顔面と対向する側が開放されている、
医療器具。
【請求項3】
前記ネーザルアダプタは、前記第一通気路内のガスを検出するためのセンサが装着される支持部を備えている、
請求項1または2に記載の医療器具。
【請求項4】
前記ジョイントは、前記バイトブロックに対して着脱可能である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の医療器具。
【請求項5】
被検者に装着されるネーザルアダプタであって、
装着時に前記被検者の鼻孔と対向するように配置される通気部と、
前記被検者の口腔内に配置される中空部材を有しているバイトブロックを前記ネーザルアダプタに連結し、前記通気部と連通する通気路を区画するジョイントと、
を備えており、
前記ジョイントは、可撓性が相違する複数の部分を有している、
ネーザルアダプタ。
【請求項6】
被検者に装着されるバイトブロックであって、
装着時に前記被検者の口腔内に配置される中空部材と、
前記被検者の鼻孔と対向するように配置される通気部を有しているネーザルアダプタを前記バイトブロックに連結し、前記通気部と連通する通気路を区画するジョイントと、
を備えており、
前記ジョイントは、可撓性が相違する複数の部分を有している、
バイトブロック。
【請求項7】
被検者に装着されるネーザルアダプタであって、
装着時に前記被検者の鼻孔と対向するように配置される通気部と、
前記被検者の口腔内に配置される中空部材を有しているバイトブロックを前記ネーザルアダプタに連結し、前記通気部と連通する通気路を区画するジョイントと、
を備えており、
前記ジョイントは、装着時に前記被検者の顔面と対向する側が開放されている、
ネーザルアダプタ。
【請求項8】
被検者に装着されるバイトブロックであって、
装着時に前記被検者の口腔内に配置される中空部材と、
前記被検者の鼻孔と対向するように配置される通気部を有しているネーザルアダプタを前記バイトブロックに連結し、前記通気部と連通する通気路を区画するジョイントと、
を備えており、
前記ジョイントは、装着時に前記被検者の顔面と対向する側が開放されている、
バイトブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療目的で被検者に装着される医療器具に関連している。当該医療器具は、ネーザルアダプタとバイトブロックを備えている。ネーザルアダプタは、装着時に被検者の鼻孔と対向するように配置される通気部を有している。バイトブロックは、装着時に被検者の口腔内に配置される中空部材を有している。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、上記のようにネーザルアダプタとバイトブロックを備えた医療器具を開示している。当該器具は、呼吸センサと内視鏡による被検者の生体情報の取得を支援するために使用される。ネーザルアダプタは、カニューラを有している。当該器具が被検者に装着されると、カニューラは被検者の鼻孔に挿入される。カニューラを通じて鼻孔から導出される呼気は、呼吸センサによる検出に供される。内視鏡は、中空部材内を挿通されることにより、被検者の歯などから保護される。ネーザルアダプタとバイトブロックは、ジョイントによって連結されている。これにより、生体情報の取得中における両者の相対位置の変化が抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ネーザルアダプタとバイトブロックを備えた医療器具の利便性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための一態様は、被検者に装着される医療器具であって、
装着時に前記被検者の鼻孔と対向するように配置される通気部を有しているネーザルアダプタと、
装着時に前記被検者の口腔内に配置される中空部材を有しているバイトブロックと、
前記ネーザルアダプタと前記バイトブロックを連結しているジョイントと、
を備えており、
前記ジョイントは可撓性を有している。
【0006】
上記の目的を達成するための一態様は、被検者に装着されるネーザルアダプタであって、
装着時に前記被検者の鼻孔と対向するように配置される通気部と、
前記被検者の口腔内に配置される中空部材を有しているバイトブロックを前記ネーザルアダプタに連結するジョイントと、
を備えており、
前記ジョイントは、可撓性を有している。
【0007】
上記の目的を達成するための一態様は、被検者に装着されるバイトブロックであって、
装着時に前記被検者の口腔内に配置される中空部材と、
前記被検者の鼻孔と対向するように配置される通気部を有しているネーザルアダプタを前記バイトブロックに連結するジョイントと、
を備えており、
前記ジョイントは、可撓性を有している。
【0008】
医療器具が被検者に装着された後、被検者の体動や中空部材を通じて被検者の口腔内に挿入された医療機器の操作などにより、ネーザルアダプタとバイトブロックの相対位置を変化させるような外力が作用する場合がある。上記の各態様に係る構成によれば、ジョイントの可撓性によりネーザルアダプタとバイトブロックの相対位置が積極的に変化し、当該外力を吸収あるいは散逸させることができる。これにより、当該外力に起因するネーザルアダプタの通気部の位置ずれを抑制できる。したがって、ネーザルアダプタとバイトブロックを備えた医療器具の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る医療器具が被検者に装着された状態を例示している。
【
図2】
図1の医療器具を前方から見た外観を例示している。
【
図3】
図1の医療器具のジョイントが変形した状態の一例を示している。
【
図4】
図1の医療器具のジョイントが変形した状態の別例を示している。
【
図5】
図1の医療器具を左方から見た外観を例示している。
【
図6】
図1の医療器具のジョイントが変形した状態の別例を示している。
【
図7】
図2における線VII-VIIに沿って矢印方向から見た断面を例示している。
【
図8】
図1の医療器具を後方から見た外観を例示している。
【
図9】
図1の医療器具に装着される光センサを例示している。
【
図10】
図1の医療器具を上方から見た外観を例示している。
【
図11】
図1の医療器具のジョイントが変形した状態の別例を示している。
【
図12】
図1のネーザルアダプタとバイトブロックが分離された状態を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例を以下詳細に説明する。添付の図面において、矢印Fは、図示された構造の前方向を示している。矢印Bは、図示された構造の後方向を示している。矢印Uは、図示された構造の上方向を示している。矢印Dは、図示された構造の下方向を示している。矢印Lは、図示された構造の左方向を示している。矢印Rは、図示された構造の右方向を示している。
【0011】
図1は、一実施形態に係る医療器具10が被検者20に装着されている状態を例示している。
図2は、医療器具10を前方から見た外観を例示している。
【0012】
以降の説明に用いられる「左」および「右」は、被検者20から見た左右の方向を示している。医療器具10が被検者20に装着された状態において、医療器具10の左右方向は、被検者20の頭の左右方向に対応している。同様に、医療器具10の上下方向と前後方向は、被検者20の頭の上下方向と前後方向にそれぞれ対応している。
【0013】
医療器具10は、ネーザルアダプタ11、バイトブロック12、およびジョイント13を備えている。
【0014】
ネーザルアダプタ11は、一対のカニューラ111を備えている。各カニューラ111は、中空の筒形状を有している。各カニューラ111は、医療器具10の被検者20への装着時において被検者20の鼻孔に挿入され、鼻孔の内壁に対向するように配置されている。各カニューラ111は、通気部の一例である。
【0015】
バイトブロック12は、中空の中空部材121を備えている。中空部材121は、医療器具10の被検者20への装着時において被検者20の口腔内に位置するように配置されている。中空部材121の中空部は、内視鏡などの医療機器の挿通を許容するように構成されている。中空部材121は、被検者の歯などから当該医療機器を保護する。
【0016】
ジョイント13は、ネーザルアダプタ11とバイトブロック12を連結している。具体的には、ジョイント13は、第一接続部131と第二接続部132を有している。第一接続部131は、ジョイント13の上端部に位置しており、ネーザルアダプタ11に接続される。第二接続部132は、ジョイント13の下端部に位置しており、バイトブロック12に接続される。
【0017】
ジョイント13は、例えば軟質のポリ塩化ビニル樹脂、熱可塑性エラストマー、シリコンなどにより成形されている。ジョイント13は、可撓性を有している。
【0018】
図2から
図4に例示されるように、ジョイント13の可撓性により、ネーザルアダプタ11とバイトブロック12の相対位置は、医療器具10の上下方向に変化しうるだけでなく、医療器具10の上下方向と左右方向を含む平面内においても変化しうる。
【0019】
これに加えてあるいは代えて、
図5と
図6に例示されるように、ジョイント13の可撓性により、ネーザルアダプタ11とバイトブロック12の相対位置は、医療器具10の上下方向と前後方向を含む平面内においても変化しうる。図示を省略するが、ジョイント13の可撓性により、ネーザルアダプタ11とバイトブロック12の相対位置は、医療器具10の左右方向と前後方向を含む平面内においても変化しうる。
【0020】
医療器具10が被検者20に装着された後、被検者20の体動や中空部材121を通じて被検者20の口腔内に挿入された医療機器の操作などにより、ネーザルアダプタ11とバイトブロック12の相対位置を変化させるような外力が作用する場合がある。本実施形態に係る構成によれば、ジョイント13の可撓性によりネーザルアダプタ11とバイトブロック12の相対位置が積極的に変化し、当該外力を吸収あるいは散逸させることができる。これにより、当該外力に起因するネーザルアダプタ11のカニューラ111の位置ずれを抑制できる。したがって、ネーザルアダプタ11とバイトブロック12を備えた医療器具10の利便性を高めることができる。
【0021】
図7は、
図2における線VII-VIIに沿って矢印方向から見た医療器具10の断面を例示している。
図8は、被検者20の顔側から見た医療器具10の外観を例示している。
【0022】
ネーザルアダプタ11は、第一通気路112を区画する筐体を備えている。第一通気路112は、各カニューラ111と連通している。当該筐体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂により成形されている。これらの材料は、ジョイント13よりも相対的に硬質である材料として選定される。
【0023】
バイトブロック12は、第二通気路122を区画する筐体を備えている。第二通気路122は、中空部材121と連通している。当該筐体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂により成形されている。これらの材料は、ジョイント13よりも相対的に硬質である材料として選定される。
【0024】
ジョイント13は、第三通気路133を形成している。第三通気路133は、第一通気路112と第二通気路122を連通している。すなわち、第一通気路112、第二通気路122、および第三通気路133を介して被検者20の鼻孔と口腔が連通されうる。
【0025】
このような構成によれば、被検者20への医療器具10の装着後におけるネーザルアダプタ11とバイトブロック12の相対位置変化を許容するジョイント13を、被検者20の鼻孔と口腔を連通するための通気路として利用できる。このように構成された通気路の利用例について説明する。
【0026】
図1と
図5に例示されるように、ネーザルアダプタ11は、センサ支持部113を備えている。センサ支持部113は、一対の窓113aが形成された凸部113bを備えている。
図7から明らかなように、一対の窓113aは、第一通気路112を挟んで対向している。
【0027】
図9に例示される光センサ30が、センサ支持部113に装着されうる。光センサ30は、筐体31を備えている。筐体31は、凹部31aを有している。筐体31は、発光素子32と受光素子33を収容している。発光素子32と受光素子33は、凹部31aを挟んで対向するように配置されている。
【0028】
光センサ30は、リード線34を備えている。リード線34は、不図示の測定装置からの駆動信号を発光素子32へ伝達する信号線を含んでいる。当該駆動信号に基づいて発光素子32から出射された光は、凹部31aを通過して受光素子33に入射する。受光素子33は、入射光強度に応じた検出信号を出力する。リード線34は、検出信号を当該測定装置へ伝達する信号線も含んでいる。
【0029】
光センサ30がセンサ支持部113に装着されると、凸部113bが凹部31aに嵌入される。これにより、光センサ30は、センサ支持部113に支持される。このとき、発光素子32から出射された光は、凸部113bに設けられた一対の窓113aの一方を通じて第一通気路112に進入する。第一通気路112を通過した光は、一対の窓113aの他方を通じて受光素子33に入射する。
【0030】
光センサ30は、被検者20の呼気に含まれる特定のガス成分の濃度を特定するために用いられる。発光素子32から出射される光の波長は、当該特定のガス成分により有意な吸収を受ける波長として定められる。特定のガス成分の例としては、二酸化炭素や麻酔ガスなどが挙げられる。
【0031】
被検者20の鼻孔からの呼気は、カニューラ111を通じて第一通気路112に導かれる。バイトブロック12の第二通気路122は、ジョイント13の第三通気路133を通じて第一通気路112と連通しているので、中空部材121が挿入された被検者20の口腔からの呼気もまた、第一通気路112に導かれうる。
【0032】
被検者20の呼吸に応じて、光センサ30の発光素子32と受光素子33の間に位置する第一通気路112における特定のガス成分の濃度が変化するので、受光素子33における受光強度が変化する。これにより、被検者20の呼吸気中における当該ガス成分濃度の経時変化を測定できる。
【0033】
図1に例示されるように、本実施形態においては、ネーザルアダプタ11は、チューブ接続部114を備えている。チューブ接続部114には、ガス供給チューブ40が接続される。ガス供給チューブ40は、不図示のガス供給源からのガスを被検者20へ供給するために用いられる。当該ガスの例としては、酸素や麻酔ガスが挙げられる。
【0034】
図10に例示されるように、ネーザルアダプタ11は、一対のガス供給孔115を備えている。各ガス供給孔115は、チューブ接続部114に接続されたガス供給チューブ40と連通している。各ガス供給孔115は、医療器具10の被検者20への装着時において被検者20の鼻孔に対向するように配置されている。各ガス供給孔115は、通気部の一例である。
【0035】
ガス供給チューブ40を通じて供給されたガスは、ガス供給孔115を通じて被検者20の鼻孔へ導入されるとともに、ネーザルアダプタ11の第一通気路112、ジョイント13の第三通気路133、およびバイトブロック12の第二通気路122を通じて被検者20の口腔にも導入されうる。
【0036】
本実施形態に係るネーザルアダプタ11は、センサ支持部113とガス供給孔115の双方を備えている。しかしながら、ネーザルアダプタ11は、センサ支持部113とガス供給孔115のいずれか一方のみを備える構成とされうる。
【0037】
図2から
図8に例示されるように、医療器具10は、第一部分101と第二部分102を備えうる。第一部分101は、第三通気路133の一部を含んでいる。第二部分102は、第三通気路133の別の一部を含んでいる。第二部分102は、第一部分101よりも高い可撓性を有している。
【0038】
具体的には、
図7に例示されるように、第一部分101は、第三通気路133のうち、ジョイント13の第一接続部131に対応する部分と第二接続部132に対応する部分を含んでいる。第二部分102は、第三通気路133のうち、第一接続部131と第二接続部132の間に位置する中間部134に対応している。本例においては、第一接続部131、第二接続部132、および中間部134は、同一の材料により形成されている。しかしながら、第一接続部131および第二接続部132は、それぞれ接続相手であるネーザルアダプタ11およびバイトブロック12に支持されることにより、中間部134よりも相対的に高い剛性を有する。結果として、第二部分102は、第一部分101よりも高い可撓性を有する。
【0039】
このような構成によれば、
図3、
図4、および
図6に例示されるように第二部分102が変形することによってネーザルアダプタ11とバイトブロック12の相対位置を積極的に変化させた場合においても、相対的に剛性が高い第一部分101の変形が抑制されることにより、ジョイント13の変形に起因して第三通気路133が閉塞されにくくできる。したがって、医療器具10が被検者20に装着された後に加わる外力によるカニューラ111やガス供給孔115の位置ずれを抑制しつつ、被検者20の鼻孔と口腔を連通する通気路の機能を維持できる。特に光センサ30がネーザルアダプタ11に支持される構成においては、カニューラ111の位置ずれや第三通気路133の閉塞が光センサ30を用いた測定に影響を及ぼすことを抑制できる。
【0040】
図5に例示されるように、第一接続部131は、医療器具10の前後方向において第二接続部132よりも寸法が大きい部分を有している。
【0041】
このような構成によれば、
図3や
図11に例示されるようにネーザルアダプタ11とバイトブロック12の相対位置が医療器具10の上下方向に変化した場合において、第二接続部132の一部が第一接続部131の一部に収容されるように中間部134を変形させることができ、医療器具10の上下方向におけるネーザルアダプタ11とバイトブロック12の変位自由度を高めることができる。
【0042】
当該効果を得るために、第二接続部132が医療器具10の前後方向において第一接続部131よりも寸法が大きい部分を有する構成も採用されうる。これに加えてあるいは代えて、第一接続部131と第二接続部132の一方が、医療器具10の左右方向において他方よりも寸法が大きい部分を有する構成も採用されうる。
【0043】
しかしながら、ネーザルアダプタ11において光センサ30が支持されたりガス供給チューブ40が接続されたりする本実施形態のような構成の場合、第三通気路133のうちこれらの要素のより近くに位置する部分の形状が維持されることが好ましい。したがって、医療器具10の前後方向と左右方向の少なくとも一方について第一接続部131が第二接続部132よりも寸法が大きい部分を有することが好ましい。
【0044】
図7と
図8に例示されるように、ジョイント13は、幅狭部135を備えている。幅狭部135は、医療器具10の前後方向と左右方向において、第三通気路133の幅が狭められた部分である。
【0045】
このような構成によれば、第三通気路133における気流の発生を促進できるので、ネーザルアダプタ11とバイトブロック12の間でのガス流通性を高めることができる。
【0046】
なお、幅狭部135は、医療器具10の前後方向と左右方向のいずれか一方において第三通気路133の幅が狭められている構成も採用されうる。
【0047】
本実施形態においては、医療器具10の第二部分102に対応するジョイント13の中間部134に幅狭部135が形成されている。この場合、気流の発生を促進可能な構成をジョイント13の変形促進に寄与させることができる。
【0048】
本実施形態においては、幅狭部135は、複数の屈曲部を含む蛇腹形状を有している。具体的には、医療器具10の左右方向と前後方向の双方について蛇腹形状を呈している。この場合、
図4と
図6に例示されるような医療器具10の左右方向および前後方向へのジョイント13の変形を促進できるだけでなく、
図3と
図11に例示されるような医療器具10の上下方向へのジョイント13の変形も促進できる。
【0049】
図12に例示されるように、ネーザルアダプタ11とバイトブロック12は、分離可能とされうる。本例においては、ジョイント13がバイトブロック12に対して着脱可能とされている。
【0050】
このような構成によれば、必要に応じてネーザルアダプタ11とバイトブロック12の一方のみを交換できる。
【0051】
ジョイント13は、ネーザルアダプタ11に対して着脱可能とされてもよいし、ネーザルアダプタ11とバイトブロック12の双方に対して着脱可能とされてもよい。
【0052】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0053】
上記の実施形態においては、ジョイント13の中間部134がより高い可撓性を有する医療器具10の第二部分102に対応している。このような構成によれば、ジョイント13の上端部に位置する第一接続部131をネーザルアダプタ11に接続し、ジョイント13の下端部に位置する第二接続部132をバイトブロック12に接続すれば、特別な構成を必要とすることなく中間部134に相対的に高い可撓性を付与することができる。
【0054】
しかしながら、第三通気路133の閉塞を避けるために可撓性が相違する複数の部分がジョイント13に設けられるのであれば、第二部分102の位置は特に限定されない。
【0055】
また、ジョイント13を剛性の異なる複数の材料で成形することによって可撓性が相違する複数の部分を設けてもよい。あるいは、同一材料で成形されたジョイント13の厚みを変化させることによって可撓性が相違する複数の部分を設けてもよい。
【0056】
上記の実施形態においては、被検者20の鼻孔からの呼気を第一通気路112へ導くために、鼻孔に挿入されるカニューラ111がネーザルアダプタ11に設けられている。しかしながら、鼻孔に対向する空間を区画するカップ形状の部材を用いて鼻孔からの呼気を第一通気路112へ導いてもよい。あるいは、ガス供給孔115から供給されるガスを鼻孔へ導くために当該空間が利用されてもよい。当該空間もまた、通気部の一例である。
【符号の説明】
【0057】
10:医療器具、101:第一部分、102:第二部分、11:ネーザルアダプタ、111:カニューラ、112:第一通気路、113:センサ支持部、115:ガス供給孔、12:バイトブロック、121:中空部材、122:第二通気路、13:ジョイント、131:第一接続部、132:第二接続部、133:第三通気路、134:中間部、135:幅狭部、20:被検者