(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152911
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】エアロゾル吸引器
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20241018BHJP
A24F 40/90 20200101ALI20241018BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/90
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024139840
(22)【出願日】2024-08-21
(62)【分割の表示】P 2021106806の分割
【原出願日】2020-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】北原 稔
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀二郎
(57)【要約】
【課題】エアロゾル生成装置の小型化を実現可能なエアロゾル生成装置の電源ユニットを提供する。
【解決手段】エアロゾル吸引器1の電源ユニット10は、エアロゾル源を加熱する負荷21へ電力を供給可能な電源12と、複数のピンを備えるプラグ100を挿入可能に構成され、挿入されたプラグ100から電源12を充電する電力を受け付ける充電端子43と、充電端子43が受け付けた電力による電源12の充電を制御するように構成される充電IC55と、を備える。充電端子43は、プラグ100が備える複数のピンのうちの一部のピンのみへ接続可能なピンを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル源を加熱するヒータへ電力を供給可能な電源と、
USB Type-Cのプラグを挿入可能に構成され、挿入された前記プラグから前記電源を充電する電力を受け付けるレセプタクルと、
前記レセプタクルが受け付けた電力による前記電源の充電を制御するように構成される充電器と、
を備えるエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記レセプタクルは、前記プラグが備える複数のピンのうちの一部のピンのみへ接続可能なピンを備える、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置の電源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、USB(Universal Serial Bus:ユニバーサルシリアルバス)ケーブルとコネクタ(例えばUSB2.0、3.0、3.1、USB Type-C)を介して、エアロゾル送達装置の制御本体をコンピュータと接続可能にした技術が開示されている。特許文献2、3にも、USB(例えばUSB Type-C)ケーブルを、エアロゾルを生成する機器に接続可能にした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2020-504599号公報
【特許文献2】特表2017-538410号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2019/0380388号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアロゾル生成装置は、ユーザが携行し且つ手にして用いるものであるため、できるだけ小型でありつつも、さまざまな箇所(場所)で充電できるものが望まれていた。しかしながら、従来技術にあっては、エアロゾル生成装置を充電できる機会を多く担保しつつも小型化する観点から改善の余地があった。
【0005】
本発明は、エアロゾル生成装置を充電できる機会を多く担保しつつも小型化を実現可能なエアロゾル生成装置の電源ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
エアロゾル源を加熱するヒータへ電力を供給可能な電源と、
USB Type-Cのプラグを挿入可能に構成され、挿入された前記プラグから前記電源を充電する電力を受け付けるレセプタクルと、
前記レセプタクルが受け付けた電力による前記電源の充電を制御するように構成される充電器と、
を備えるエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記レセプタクルは、前記プラグが備える複数のピンのうちの一部のピンのみへ接続可能なピンを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エアロゾル生成装置を充電できる機会を担保しつつも小型化を実現可能なエアロゾル生成装置の電源ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態のエアロゾル吸引器の斜視図である。
【
図2】
図1のエアロゾル吸引器の分解斜視図である。
【
図4】
図1のエアロゾル吸引器における電源ユニットの回路構成を示す図である。
【
図5】
図1のエアロゾル吸引器における電源ユニットのMCUの構成を示すブロック図である。
【
図6】
図1のエアロゾル吸引器が備える充電端子と、充電端子に挿入されるプラグの一例を示す図である。
【
図7】
図1のエアロゾル吸引器における回路基板の第1面を右側から見た回路構成の要部を示す概略図である。
【
図8】
図1のエアロゾル吸引器における回路基板のグランド層を右側から見た回路構成の要部を示す概略図である。
【
図9】
図1のエアロゾル吸引器における回路基板の電源層を右側から見た回路構成の要部を示す概略図である。
【
図10】
図1のエアロゾル吸引器における回路基板の第2面を右側から見た回路構成の要部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態であるエアロゾル生成装置の電源ユニットについて説明する。先ず、本実施形態の電源ユニットを備えるエアロゾル生成装置の一例であるエアロゾル吸引器について、
図1~
図3を参照しながら説明する。
【0010】
(エアロゾル吸引器)
エアロゾル吸引器1は、燃焼を伴わずに香味が付加されたエアロゾルを生成し、生成したエアロゾルを吸引するための器具であり、手中におさまるサイズであることが好ましく、略直方体形状を有する。なお、エアロゾル吸引器1は、卵型形状、楕円形状等であってもよい。以下の説明では、略直方体形状のエアロゾル吸引器において、直交する3方向のうち、長さの長い順から、上下方向、前後方向、左右方向と称する。また、以下の説明では、便宜上、
図1~
図3に記載したように、前方、後方、左方、右方、上方、下方を定義し、前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0011】
図1~
図3に示すように、エアロゾル吸引器1は、電源ユニット10と、第1カートリッジ20と、第2カートリッジ30と、を備える。第1カートリッジ20及び第2カートリッジ30は、電源ユニット10に対して着脱可能である。言い換えると、第1カートリッジ20及び第2カートリッジ30は、それぞれ交換可能である。
【0012】
(電源ユニット)
電源ユニット10は、
図1及び
図2に示すように、略直方体形状の電源ユニットケース11の内部(以下、ケース内部とも称する)に、電源12、内部ホルダ13、回路基板60、吸気センサ15等の各種センサ等を収容する。電源12や回路基板60(後述のMCU50、放電端子41、充電端子43等を含む)等がまとめて電源ユニットケース11に収容されることで、ユーザによる持ち運びを容易にし、ユーザの利便性の向上を図れる。
【0013】
電源ユニットケース11は、左右方向(厚さ方向)に着脱可能な第1ケース11A及び第2ケース11Bから構成され、これら第1ケース11Aと第2ケース11Bとが左右方向(厚さ方向)に組付けられることで、電源ユニット10の前面、後面、左面、右面、下面、が形成される。電源ユニット10の上面は、ディスプレイ16により形成される。
【0014】
電源ユニット10の上面には、ディスプレイ16の前方にマウスピース17が設けられる。マウスピース17は、吸口17aがディスプレイ16よりもさらに上方に突出する。
【0015】
電源ユニット10の上面と後面との間には、後方に向かうにしたがって下方に傾斜する傾斜面が設けられる。傾斜面には、ユーザが操作可能な操作部18が設けられる。操作部18は、ボタン式のスイッチ、タッチパネル等から構成され、ユーザの使用意思を反映してMCU50及び各種センサを起動/遮断する際等に利用される。
【0016】
電源ユニット10の下面には、電源12を充電する電力を電源ユニット10に供給可能な外部電源(図示省略)と電気的に接続可能な充電端子43が設けられる。充電端子43は、例えば、相手側となるプラグ(後述)を挿入可能なレセプタクルである。充電端子43としては、各種USB端子(プラグ)等を挿入可能なレセプタクルを用いることができる。一例として、本実施形態においては、充電端子43をUSB Type-C形状のレセプタクルとする。これにより、電源ユニット10(すなわちエアロゾル吸引器1)をさまざまな箇所(場所)で充電することを容易にし、電源ユニット10を充電できる機会を担保(確保)することができる。
【0017】
また、充電端子43は、例えば、受電コイルを備え、外部電源から送電される電力を非接触で受電可能に構成されてもよい。この場合の電力伝送(Wireless Power Transfer)の方式は、電磁誘導型でもよいし、磁気共鳴型でもよいし、電磁誘導型と磁気共鳴型を組み合わせたものでもよい。別の一例として、充電端子43は、各種USB端子等が接続可能であり、且つ上述した受電コイルを有していてもよい。
【0018】
内部ホルダ13は、電源ユニット10の後面に沿って延びる後壁13rと、ケース内部の前後方向の中央部に設けられ後壁13rと平行に延びる中央壁13cと、ディスプレイ16に沿って延び後壁13rと中央壁13cとを連結する上壁13uと、後壁13r、中央壁13c、及び上壁13uに直交しこれら後壁13r、中央壁13c、及び上壁13uによって区画形成される空間を左側空間と右側空間に分ける隔壁13dと、中央壁13cに連結され中央壁13cの前方且つ電源ユニット10の下面よりも上方に位置するカートリッジ保持部13aと、を備える。
【0019】
内部ホルダ13の左側空間には、電源12が配置される。電源12は、充電可能な二次電池、電気二重層キャパシタ等であり、好ましくは、リチウムイオン二次電池である。電源12の電解質は、ゲル状の電解質、電解液、固体電解質、イオン液体の1つ又はこれらの組合せで構成されていてもよい。
【0020】
内部ホルダ13の右側空間と、カートリッジ保持部13aと電源ユニット10の下面との間に形成された下側空間とにより形成される空間には、略L字形状の回路基板60が配置される。回路基板60を略L字形状とすることにより、その切り欠き部分に他の部品を配置することが可能となるので、電源ユニット10やエアロゾル吸引器1の小型化を図ることができる。なお、本実施形態においては、
図2及び
図3に示すように、略L字形状の回路基板60の切り欠き部分には、第1カートリッジ20(すなわち後述のエアロゾル源22や負荷21)及びこれを保持するカートリッジホルダ14等が配置されている。すなわち、電源ユニットケース11は、L字形状の回路基板60の切り欠き部分に第1カートリッジ20等が配置された状態で、これらを収容している。これにより、エアロゾル吸引器1を小型化でき、例えば、一般的な成人の手中におさまるサイズのエアロゾル吸引器1を実現できる。
【0021】
回路基板60は、複数層(本実施形態では4層)の基板が積層されて構成され、後述するMCU(Micro Controller Unit)50や充電IC55等の電子部品(素子)が搭載される。
【0022】
詳細は
図5等を用いて後述するが、MCU50は、パフ(吸気)動作を検出する吸気センサ15等の各種センサ装置、操作部18、通知部45、及びパフ動作の回数又は負荷21への通電時間等を記憶するメモリ19等に接続され、エアロゾル吸引器1の各種の制御を行う制御装置(コントローラ)である。具体的には、MCU50は、プロセッサを主体に構成されており、プロセッサの動作に必要なRAM(Random Access Memory)と各種情報を記憶するROM(Read Only Memory)等の記憶媒体をさらに含む。本明細書におけるプロセッサとは、例えば、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。なお、
図5においてMCU50に接続される要素の一部(例えば、吸気センサ15やメモリ19)は、MCU50内部にMCU50自身の機能として設けられてもよい。
【0023】
また、充電IC55は、充電端子43から入力される電力による電源12の充電制御を行ったり、電源12の電力を回路基板60の電子部品等に対して供給したりするIC(Integrated Circuit)である。
【0024】
カートリッジ保持部13aには、第1カートリッジ20を保持する円筒状のカートリッジホルダ14が配置される。
【0025】
カートリッジ保持部13aの下端部には、回路基板60から第1カートリッジ20に向かって突出するように設けられた放電端子41(
図3参照)を受け入れる貫通孔13bが設けられる。放電端子41は、第1カートリッジ20に設けられた負荷21を電気的に接続するコネクタである。また、放電端子41は、負荷21を取外し可能(あるいは取外し容易)に接続するコネクタであり、例えば、ばねが内蔵されたピン等により構成される。なお、放電端子41は、本発明における第2コネクタの一例である。
【0026】
貫通孔13bは、放電端子41よりも大きく、貫通孔13bと放電端子41との間に形成される隙間を介して第1カートリッジ20の内部に空気が流入するように構成される。
【0027】
カートリッジホルダ14の外周面14aには、回路基板60と対向する位置にパフ動作を検出する吸気センサ15が設けられている。吸気センサ15は、コンデンサマイクロフォンや圧力センサ等から構成されていてもよい。また、カートリッジホルダ14には、第1カートリッジ20の内部に貯留されるエアロゾル源22の残量を目視可能な上下方向に長い穴部14bが設けられ、電源ユニットケース11に設けられた透光性を有する残量確認窓11wから、第1カートリッジ20の穴部14bを通してユーザが第1カートリッジ20の内部に貯留されるエアロゾル源22の残量を目視できるように構成される。
【0028】
図3に示すように、カートリッジホルダ14の上端部には、マウスピース17が着脱自在に固定される。マウスピース17には、第2カートリッジ30が着脱自在に固定される。マウスピース17は、第2カートリッジ30の一部を収容するカートリッジ収容部17bと、第1カートリッジ20とカートリッジ収容部17bとを連通させる連通路17cと、を備える。
【0029】
電源ユニットケース11には、内部に外気を取り込む空気取込口11iが設けられている。空気取込口11iは、例えば、残量確認窓11wに設けられる。
【0030】
(第1カートリッジ)
第1カートリッジ20は、
図3に示すように、円筒状のカートリッジケース27の内部に、エアロゾル源22を貯留するリザーバ23と、エアロゾル源22を霧化する電気的な負荷21と、リザーバ23から負荷21へエアロゾル源を引き込むウィック24と、エアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルが第2カートリッジ30に向かって流れるエアロゾル流路25と、を備える。
【0031】
リザーバ23は、エアロゾル流路25の周囲を囲むように区画形成され、エアロゾル源22を貯留する。リザーバ23には、樹脂ウェブ又は綿等の多孔体が収容され、且つ、エアロゾル源22が多孔体に含浸されていてもよい。リザーバ23には、樹脂ウェブ又は綿上の多孔質体が収容されず、エアロゾル源22のみが貯留されていてもよい。エアロゾル源22は、グリセリン、プロピレングリコール、又は水等の液体を含む。
【0032】
ウィック24は、リザーバ23から毛管現象を利用してエアロゾル源22を負荷21へ引き込む液保持部材である。ウィック24は、例えば、ガラス繊維や多孔質セラミック等によって構成される。
【0033】
負荷21は、電源12から放電端子41を介して供給される電力によって、燃焼を伴わずにエアロゾル源22を加熱する発熱素子(すなわちヒータ)であり、例えば所定ピッチで巻き回される電熱線(コイル)によって構成される。負荷21は、エアロゾル源22を加熱することで、エアロゾル源22を霧化する。負荷21としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、誘導加熱式のヒータ等を用いることができる。なお、負荷21は、本発明におけるヒータ及び第2負荷の一例である。
【0034】
エアロゾル流路25は、負荷21の下流側であって、第1カートリッジ20の中心線上に設けられる。
【0035】
(第2カートリッジ)
第2カートリッジ30は、香味源31を貯留する。第2カートリッジ30は、マウスピース17に設けられたカートリッジ収容部17bに着脱可能に収容される。
【0036】
第2カートリッジ30は、負荷21によってエアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルを香味源31に通すことによってエアロゾルに香味を付与する。香味源31を構成する原料片としては、刻みたばこ、又は、たばこ原料を粒状に成形した成形体を用いることができる。香味源31は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、漢方、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源31には、メントール等の香料が付与されていてもよい。
【0037】
エアロゾル吸引器1は、エアロゾル源22と香味源31と負荷21とによって、香味が付加されたエアロゾルを生成する(すなわち発生させる)ことができる。つまり、エアロゾル源22と香味源31は、香味が付与されたエアロゾルを発生させるエアロゾル生成源を構成している。
【0038】
エアロゾル吸引器1に用いられるエアロゾル生成源の構成は、エアロゾル源22と香味源31とが別体になっている構成の他、エアロゾル源22と香味源31とが一体的に形成されている構成、香味源31が省略されて香味源31に含まれ得る物質がエアロゾル源22に付加された構成、香味源31の代わりに薬剤等がエアロゾル源22に付加された構成等であってもよい。
【0039】
このように構成されたエアロゾル吸引器1では、
図3中、矢印Aで示すように、電源ユニットケース11に設けられた空気取込口11iから流入した空気が、貫通孔13bと放電端子41との間に形成される隙間を介して第1カートリッジ20の負荷21付近を通過する。負荷21は、ウィック24によってリザーバ23から引き込まれたエアロゾル源22を霧化する。霧化されて発生したエアロゾルは、取込口から流入した空気と共にエアロゾル流路25を流れ、連通路17cを介して第2カートリッジ30に供給される。第2カートリッジ30に供給されたエアロゾルは、香味源31を通過することで香味が付与され、吸口32に供給される。
【0040】
また、エアロゾル吸引器1には、各種情報を通知する通知部45が設けられている(
図5参照)。通知部45は、発光素子によって構成されていてもよく、振動素子によって構成されていてもよく、音出力素子によって構成されていてもよい。また、通知部45は、発光素子、振動素子及び音出力素子のうち、2以上の素子の組合せであってもよい。通知部45は、電源ユニット10、第1カートリッジ20、及び第2カートリッジ30のいずれに設けられてもよいが、消耗品ではない電源ユニット10に設けられることが好ましい。
【0041】
本実施形態では、通知部45として、OLED(Organic Light Emitting Diode)パネル46及びバイブレータ47が設けられる。OLEDパネル46が有するOLEDが発光することで、エアロゾル吸引器1に関する各種情報がディスプレイ16を介してユーザに通知される。また、バイブレータ47が振動することで、エアロゾル吸引器1に関する各種情報が電源ユニットケース11を介してユーザに通知される。通知部45は、OLEDパネル46及びバイブレータ47のいずれか一方のみが設けられていてもよく、他の発光素子等が設けられてもよい。また、OLEDパネル46によって通知される情報とバイブレータ47によって通知される情報は、異なっていてもよく、同じでもよい。
【0042】
(電気回路)
次に、電源ユニット10の電気回路について、
図4を参照しながら説明する。
電源ユニット10は、
図4に示すように、主要な構成要素として、電源12と、充電端子43と、MCU50と、充電IC55と、保護IC61と、LDOレギュレータ(
図4中の“LDO”にて示す)62と、第1DC/DCコンバータ(
図4中の“第1DC/DC”にて示す)63と、第2DC/DCコンバータ(
図4中の“第2DC/DC”にて示す)64と、ディスプレイドライバ65と、吸気センサ15と、OLEDパネル46と、バイブレータ47と、を備える。
【0043】
充電端子43は、上述したように相手側となるプラグを挿入可能なレセプタクルであり、挿入されたプラグのピンと電気的に接続される複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、充電端子43は、A1ピン(
図4中の“A1”にて示す)、A4ピン(
図4中の“A4”にて示す)、A5ピン(
図4中の“A5”にて示す)、A6ピン(
図4中の“A6”にて示す)、A7ピン(
図4中の“A7”にて示す)、A8ピン(
図4中の“A8”にて示す)、A9ピン(
図4中の“A9”にて示す)、A12ピン(
図4中の“A12”にて示す)、B1ピン(
図4中の“B1”にて示す)、B4ピン(
図4中の“B4”にて示す)、B5ピン(
図4中の“B5”にて示す)、B6ピン(
図4中の“B6”にて示す)、B7ピン(
図4中の“B7”にて示す)、B8ピン(
図4中の“B8”にて示す)、B9ピン(
図4中の“B9”にて示す)、及びB12ピン(
図4中の“B12”にて示す)を備える。
【0044】
A1ピン、A4ピン、A5ピン、A6ピン、A7ピン、A8ピン、A9ピン及びA12ピンと、B1ピン、B4ピン、B5ピン、B6ピン、B7ピン、B8ピン、B9ピン及びB12ピンとは、充電端子43におけるプラグとの嵌合面の中心を対称点として点対称となるように配置される。これにより、プラグの上下の向きにかかわらず、プラグを充電端子43に挿入することが可能となっており、ユーザの利便性の向上を図っている。
【0045】
なお、本実施形態においては、充電端子43が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。また、本実施形態においては、充電端子43にA8ピン及びB8ピンを設けているが、後述するように、これらのピンは利用されておらず、省略することも可能である。
【0046】
保護IC61は、充電端子43を介して入力された電圧を必要に応じて所定の電圧に変換して、変換した電圧を出力する機能を有するICである。具体的に説明すると、保護IC61は、入力された電圧を、充電IC55の推奨入力電圧の最小値から最大値までの範囲に含まれる電圧に変換する。これにより、保護IC61は、充電IC55の推奨入力電圧の最大値を超えるような高電圧が充電端子43を介して入力されたとしても、この高電圧から充電IC55を保護することができる。
【0047】
一例として、本実施形態において、充電IC55の推奨入力電圧は、最小値が4.35[V]であり、最大値が6.4[V]となっている。このため、保護IC61は、入力された電圧を5.5±0.2[V]に変換し、変換した電圧を充電IC55に対して出力する。これにより、保護IC61は、充電IC55に対して適切な電圧を供給することができる。また、保護IC61は、上述した高電圧が充電端子43を介して入力された場合は、保護IC61の入力端子(
図4中、INで記載)と出力端子(
図4中、OUTで記載)を接続する回路を開くことで、充電IC55を保護してもよい。なお、保護IC61は、その他にも、電源ユニット10の電気回路を保護するための各種保護機能(例えば過電流検知機能や過電圧検知機能)も有していてもよい。
【0048】
なお、保護IC61は、充電端子43と充電IC55との間に接続される、すなわち電気的に充電端子43と充電IC55との間に設けられるようにすることが好ましい。保護IC61を充電端子43と充電IC55との間に接続することで、充電IC55を介した電源12の放電を、保護IC61を経由することなく行うことが可能となり、保護IC61を経由することによる電力損失を低減できる。
【0049】
保護IC61は、保護IC61の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、保護IC61は、INピン(
図4中の“IN”にて示す)、VSSピン(
図4中の“VSS”にて示す)、GNDピン(
図4中の“GND”にて示す)、OUTピン(
図4中の“OUT”にて示す)、VBATピン(
図4中の“VBAT”にて示す)、及びCEピン(
図4中の“CE”にて示す)を備える。
【0050】
保護IC61において、INピンは、充電端子43から供給される電力が入力されるピンである。VSSピンは、保護IC61が動作するための電力が入力されるピンである。GNDピンは、グランドされるピンである。OUTピンは、充電IC55へ電力を出力するピンである。VBATピンは、保護IC61が電源12の状態を検知するためのピンである。CEピンは、保護IC61による保護機能のオン/オフを切り替えるためのピンである。これらのピンの接続関係については後述する。なお、本実施形態においては、保護IC61が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
【0051】
充電IC55は、電源12への充電制御を行う機能、及び電源12の電力をLDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63、第2DC/DCコンバータ64等へ供給する機能を有するICである。例えば、充電IC55は、電源12の電力の供給に際し、そのときの電源12の出力に応じた標準システム電圧をLDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63、第2DC/DCコンバータ64等に対して出力する。ここで、標準システム電圧は、後述する低圧系システム電圧よりも高く、且つ第1高圧系システム電圧及び第2高圧系システム電圧よりも低い電圧である。標準システム電圧は、例えば、電源12の出力電圧そのものであり、3~4[V]程度の電圧とすることができる。
【0052】
また、充電IC55は、充電端子43を介して入力された電力をLDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63、第2DC/DCコンバータ64等へ供給するパワーパス(Power-Path)機能も有している。
【0053】
このパワーパス機能を用いれば、電源12の充電中であっても、LDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63、第2DC/DCコンバータ64等の電源ユニット10のシステムに対して、充電端子43を介して入力された電力を供給することができる。したがって、電源12の充電時にこれら電源ユニット10のシステムを利用するようにした場合に、電源12の負担を軽減(すなわち電源12の劣化を抑制)しながら、これら電源ユニット10のシステムを利用できるようにすることができる。併せて、電源12の充電速度を向上させ、充電時間を短縮することも可能となる。さらに、このパワーパス機能を用いれば、電源12が過放電に至った場合であっても、充電端子43を介して入力された電力を利用して電源ユニット10のシステムの復旧を図ることが可能となる。
【0054】
充電IC55は、充電IC55の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、充電IC55は、INピン(
図4中の“IN”にて示す)、BAT_1ピン(
図4中の“BAT_1”にて示す)、BAT_2ピン(
図4中の“BAT_2”にて示す)、ISETピン(
図4中の“ISET”にて示す)、TSピン(
図4中の“TS”にて示す)、OUT_1ピン(
図4中の“OUT_1”にて示す)、OUT_2ピン(
図4中の“OUT_2”にて示す)、ILIMピン(
図4中の“ILIM”にて示す)、及びCHGピン(
図4中の“CHG”にて示す)を備える。
【0055】
なお、本実施形態においては、充電IC55が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。また、本実施形態においては、充電IC55にBAT_1ピン及びBAT_2ピンを設けているが、これらを1つのピンとしてまとめてもよい。同様に、本実施形態においては、充電IC55にOUT_1ピン及びOUT_2ピンを設けているが、これらを1つのピンとしてまとめてもよい。
【0056】
LDOレギュレータ62は、入力された標準システム電圧から低圧系システム電圧を生成して、生成した低圧系システム電圧を出力する機能を有するICである。ここで、低圧系システム電圧は、上述したように標準システム電圧よりも低い電圧であり、例えば、MCU50や吸気センサ15等を動作させるのに適した電圧である。低圧系システム電圧の一例は2.5[V]である。
【0057】
LDOレギュレータ62は、LDOレギュレータ62の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、LDOレギュレータ62は、INピン(
図4中の“IN”にて示す)、GNDピン(
図4中の“GND”にて示す)、OUTピン(
図4中の“OUT”にて示す)、及びENピン(
図4中の“EN”にて示す)を備える。なお、本実施形態においては、LDOレギュレータ62が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
【0058】
MCU50は、入力された低圧系システム電圧を電源として利用して動作し、エアロゾル吸引器1の各種の制御を行う。例えば、MCU50は、電源ユニット10の電気回路に設けられた後述のスイッチSW4のオン/オフや第1DC/DCコンバータ63の動作を制御することにより、負荷21の加熱を制御することができる。また、MCU50は、ディスプレイドライバ65の動作を制御することにより、ディスプレイ16の表示を制御することができる。さらに、MCU50は、電源ユニット10の電気回路に設けられた後述のスイッチSW3のオン/オフを制御することにより、バイブレータ47の振動を制御することができる。
【0059】
MCU50は、MCU50の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、MCU50は、VDDピン(
図4中の“VDD”にて示す)、VDD_USBピン(
図4中の“VDD_USB”にて示す)、VSSピン(
図4中の“VSS”にて示す)、PC1ピン(
図4中の“PC1”にて示す)、PA8ピン(
図4中の“PA8”にて示す)、PB3ピン(
図4中の“PB3”にて示す)、PB15ピン(
図4中の“PB15”にて示す)、PB4ピン(
図4中の“PB4”にて示す)、PC6ピン(
図4中の“PC6”にて示す)、PA0ピン(
図4中の“PA0”にて示す)、PC5ピン(
図4中の“PC5”にて示す)、PA11ピン(
図4中の“PA11”にて示す)、PA12ピン(
図4中の“PA12”にて示す)、PC12ピン(
図4中の“PC12”にて示す)、PB8ピン(
図4中の“PB8”にて示す)、及びPB9ピン(
図4中の“PB9”にて示す)を備える。
【0060】
なお、本実施形態においては、MCU50が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。また、本実施形態においては、MCU50にVDDピン及びVDD_USBピンを設けているが、これらを1つのピンとしてまとめてもよい。
【0061】
吸気センサ15は、上述したようにパフ動作を検出するセンサ装置であり、例えば、後述するように吸口32を通じたユーザの吸引により生じた電源ユニット10内の圧力(内圧)変化の値を、検出結果として示す信号を出力するように構成されたセンサ装置である。
【0062】
吸気センサ15は、吸気センサ15の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、吸気センサ15は、VCCピン(
図4中の“VCC”にて示す)、GNDピン(
図4中の“GND”にて示す)、及びOUTピン(
図4中の“OUT”にて示す)を備える。なお、本実施形態においては、吸気センサ15が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
【0063】
バイブレータ47は、後述する電源ライン60Eに設けられた正極側端子47aと、グランドライン60Nに設けられた負極側端子47bとに接続された状態で設けられ、正極側端子47a及び負極側端子47bを介して入力された電圧に応じて回転軸を回転させるモータ(図示省略)と、モータの回転軸に取り付けられた偏心錘(図示省略)と、を備える。バイブレータ47は、正極側端子47a及び負極側端子47bを介して電圧(例えば低圧系システム電圧)が入力されることによりモータ及び偏心錘が回転し、振動を発生させる。
【0064】
なお、本明細書において「正極側」という用語は、「負極側」よりも高電位側であるという意味である。つまり以降の説明において「正極側」という用語を「高電位側」と読み替えてもよい。また、本明細書において「負極側」という用語は、「正極側」よりも低電位側であるという意味である。つまり以降の説明において「負極側」という用語を「低電位側」と読み替えてもよい。
【0065】
なお、バイブレータ47は電源ユニット10に備え付けられた状態で設けられており、正極側端子47a及び負極側端子47bは例えば半田によりバイブレータ47の端子と接続される。すなわち、正極側端子47a及び負極側端子47bは、バイブレータ47を取外し不能(あるいは取外し困難)に接続するコネクタとなっている。なお、取外し不能(あるいは取外し困難)とは、電源ユニット10の想定される用途の限りにおいて、取外しが行えないような態様を指すものとする。
【0066】
第1DC/DCコンバータ63は、入力された標準システム電圧から第1高圧系システム電圧を生成して、生成した第1高圧系システム電圧を出力する機能を有するICである。ここで、第1高圧系システム電圧は、上述したように標準システム電圧よりも高い電圧である。すなわち、第1DC/DCコンバータ63は、入力された標準システム電圧を第1高圧系システム電圧に昇圧して出力する。第1高圧系システム電圧は、例えば、負荷21を加熱するのに適した電圧であり、一例としては4.2[V]である。
【0067】
第1DC/DCコンバータ63は、第1DC/DCコンバータ63の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、第1DC/DCコンバータ63は、VINピン(
図4中の“VIN”にて示す)、SWピン(
図4中の“SW”にて示す)、GNDピン(
図4中の“GND”にて示す)、VOUTピン(
図4中の“VOUT”にて示す)、MODEピン(
図4中の“MODE”にて示す)、及びENピン(
図4中の“EN”にて示す)を備える。なお、本実施形態においては、第1DC/DCコンバータ63が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
【0068】
第2DC/DCコンバータ64は、入力された標準システム電圧から第2高圧系システム電圧を生成して、生成した第2高圧系システム電圧を出力する機能を有するICである。ここで、第2高圧系システム電圧は、上述したように標準システム電圧よりも高い電圧である。すなわち、第2DC/DCコンバータ64は、入力された標準システム電圧を第2高圧系システム電圧に昇圧して出力する。また、第2高圧系システム電圧は、第1高圧系システム電圧よりもさらに高い電圧であり、例えば、OLEDパネル46を動作させるのに適した電圧である。第2高圧系システム電圧の一例は15[V]である。
【0069】
第2DC/DCコンバータ64は、第2DC/DCコンバータ64の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、第2DC/DCコンバータ64は、VINピン(
図4中の“VIN”にて示す)、SWピン(
図4中の“SW”にて示す)、GNDピン(
図4中の“GND”にて示す)、VOUTピン(
図4中の“VOUT”にて示す)、及びENピン(
図4中の“EN”にて示す)を備える。なお、本実施形態においては、第2DC/DCコンバータ64が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
【0070】
ディスプレイドライバ65は、入力された低圧系システム電圧を電源として利用して動作し、OLEDパネル46を制御するとともにOLEDパネル46に対して第2高圧系システム電圧を供給して、ディスプレイ16の表示を制御する機能を有するICである。
【0071】
ディスプレイドライバ65は、ディスプレイドライバ65の内部と外部とを電気的に接続するための複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、ディスプレイドライバ65は、VDDピン(
図4中の“VDD”にて示す)、VSSピン(
図4中の“VSS”にて示す)、VCC_Cピン(
図4中の“VCC_C”にて示す)、SDAピン(
図4中の“SDA”にて示す)、SCLピン(
図4中の“SCL”にて示す)、及びIXSピン(
図4中の“IXS”にて示す)を備える。なお、本実施形態においては、ディスプレイドライバ65が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
【0072】
上述した電源ユニット10の各構成要素は、電源ユニット10の回路基板60に設けられた導線等により電気的に接続される。以下、電源ユニット10の各構成要素の電気的な接続について詳細に説明する。
【0073】
充電端子43のA1ピン、A12ピン、B1ピン及びB12ピンはグランドピンである。A1ピン及びB12ピンは並列に接続され、これらはグランドライン60Nによってグランドされる。同様に、A12ピン及びB1ピンも並列に接続され、これらはグランドライン60Nによってグランドされる。なお、
図4においては、グランドライン60N(すなわち電位が略0[V]のライン)を太実線により示している。
【0074】
充電端子43のA4ピン、A9ピン、B4ピン及びB9ピンは、充電端子43に挿入された外部電源のプラグから、電源ユニット10への電力の入力を受け付けるピンである。例えば、充電端子43にプラグが挿入されると、挿入されたプラグから、A4ピン及びB9ピンあるいはA9ピン及びB4ピンを介して、所定のUSBバスパワーが電源ユニット10に供給されるようになっている。また、充電端子43に挿入された外部電源のプラグから電源ユニット10に対して、USB PD(USB Power Delivery)に応じた電力が供給されてもよい。
【0075】
具体的に説明すると、A4ピン及びB9ピンは並列に接続され、これらは電源ライン60Aを介して保護IC61のINピンに接続される。保護IC61のINピンは、保護IC61における正極側の電源ピンである。また、A9ピン及びB4ピンも並列に接続され、これらは電源ライン60Aを介して保護IC61のINピンに接続される。
【0076】
また、電源ライン60Aは、バリスタ(Variable Resistor:非直線性抵抗素子)VR1を介してグランドライン60Nと接続される。ここで、バリスタは、2つの端子(電極)を有し、これら端子間の電圧が所定のバリスタ電圧(一例として、本実施形態の場合、27[V])よりも低い場合には相対的に高い電気抵抗値を持ち、これら端子間の電圧がバリスタ電圧以上に高くなった場合にはその電気抵抗値が急激に低くなる性質を持つ素子である。
【0077】
具体的に説明すると、バリスタVR1は、一端が電源ライン60Aに設けられたノードN11に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN11は、電源ライン60Aにおいて、A4ピン及びB9ピンと接続されるノード及びA9ピン及びB4ピンと接続されるノードよりも保護IC61側に設けられる。したがって、例えば、充電端子43にプラグを挿入する際にこれらが擦れることによってA4ピン、A9ピン、B4ピンあるいはB9ピンに静電気が発生しても、この静電気を、バリスタVR1を介してグランドライン60Nに逃がして保護IC61を保護することができる。
【0078】
また、電源ライン60Aは、デカップリングコンデンサ(バイパスコンデンサ、平滑コンデンサともいう)として機能するコンデンサCD1を介してグランドライン60Nと接続される。これにより、電源ライン60Aを介して保護IC61に入力される電圧の安定化を図ることができる。具体的に説明すると、コンデンサCD1は、一端が電源ライン60Aに設けられたノードN12に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN12は、電源ライン60Aにおいて、ノードN11よりも保護IC61側に設けられる。したがって、A4ピン、A9ピン、B4ピンあるいはB9ピンに静電気が発生しても、バリスタVR1により、この静電気からコンデンサCD1を保護することができる。つまり、電源ライン60Aにおいて、ノードN12をノードN11よりも保護IC61側に設けることで、保護IC61の過電圧からの保護と、保護IC61の安定した動作の両立を図ることができる。
【0079】
充電端子43のA6ピン、A7ピン、B6ピン及びB7ピンは、電源ユニット10と外部機器(例えば後述の電子機器)とが通信する信号の入出力に用いられるピンである。本実施形態において、電源ユニット10と外部機器との通信には、Dp(D+ともいう)とDn(D-ともいう)との2つの信号線により差動で信号を伝送するシリアル通信が用いられる。
【0080】
A6ピン及びB6ピンはDp側の信号線に対応するピンである。A6ピン及びB6ピンは並列に接続され、これらは抵抗器R1を介してMCU50のPA12ピンに接続される。抵抗器R1は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。また、MCU50のPA12ピンは、MCU50における信号の入出力に用いられるピンである。したがって、A6ピンあるいはB6ピンを介して、外部機器からのDp側の信号をMCU50に入力することができる。また、A6ピンあるいはB6ピンを介して、MCU50からのDp側の信号を外部機器に出力することができる。
【0081】
また、並列接続されたA6ピン及びB6ピンは、バリスタVR2を介してグランドライン60Nとも接続される。すなわち、バリスタVR2は、並列接続されたA6ピン及びB6ピンに対して並列に接続される。したがって、例えば、充電端子43にプラグを挿入する際にこれらが擦れることによりA6ピンやB6ピンに静電気が発生しても、この静電気を、バリスタVR2を介してグランドライン60Nに逃がしてMCU50を保護することができる。さらに、A6ピン及びB6ピンとMCU50との間に抵抗器R1が設けられているので、この抵抗器R1によってもMCU50へ高電圧が入力されることを抑制することができ、MCU50を保護することができる。
【0082】
A7ピン及びB7ピンはDn側の信号線に対応するピンである。A7ピン及びB7ピンは並列に接続され、これらは抵抗器R2を介してMCU50のPA11ピンに接続される。抵抗器R2は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。また、MCU50のPA11ピンは、MCU50における信号の入出力に用いられるピンである。したがって、A7ピンあるいはB7ピンを介して、外部機器からのDn側の信号をMCU50に入力することができる。また、A7ピンあるいはB7ピンを介して、MCU50からのDn側の信号を外部機器に出力することができる。
【0083】
また、並列接続されたA7ピン及びB7ピンは、バリスタVR3を介してグランドライン60Nとも接続される。すなわち、バリスタVR3は、並列接続されたA7ピン及びB7ピンに対して並列に接続される。したがって、例えば、充電端子43にプラグを挿入する際にこれらが擦れることによりA7ピンやB7ピンに静電気が発生しても、この静電気を、バリスタVR3を介してグランドライン60Nに逃がしてMCU50を保護することができる。さらに、A7ピン及びB7ピンとMCU50との間に抵抗器R2が設けられているので、この抵抗器R2によってもMCU50へ高電圧が入力されることを抑制することができ、MCU50を保護することができる。
【0084】
充電端子43のA5ピン及びB5ピンは、充電端子43に挿入されたプラグの上下の向きを検出するために利用されるピンである。例えば、A5ピン及びB5ピンは、CC(コンフィギュレーションチャンネル)ピンである。A5ピンは抵抗器R3を介してグランドライン60Nに接続され、B5ピンは抵抗器R4を介してグランドライン60Nに接続される。
【0085】
充電端子43のA8ピン及びB8ピンは、電源ユニット10の電気回路と接続されていない。したがって、A8ピン及びB8ピンは利用されておらず、省略することも可能である。
【0086】
保護IC61のINピンは、上述したように、保護IC61における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Aに接続される。保護IC61のVSSピンは、保護IC61における負極側の電源ピンであり、グランドライン60Nに接続される。また、保護IC61のGNDピンは、保護IC61におけるグランドピンであり、グランドライン60Nに接続される。これらにより、外部電源のプラグが充電端子43に挿入されると、電源ライン60Aを介して、保護IC61に電力(例えばUSBバスパワー)が供給される。
【0087】
保護IC61のOUTピンは、保護IC61のINピンに入力された電圧がそのまま又は保護IC61によって変換された電圧(例えば5.5±0.2[V])が出力されるピンであり、電源ライン60Bを介して、充電IC55のINピンに接続される。充電IC55のINピンは、充電IC55における正極側の電源ピンである。これにより、充電IC55には、保護IC61によって変換された適切な電圧が供給される。
【0088】
また、電源ライン60Bは、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD2を介してグランドライン60Nと接続される。これにより、電源ライン60Bを介して充電IC55に入力される電圧の安定化を図ることができる。
【0089】
保護IC61のVBATピンは、保護IC61による電源12の接続の有無の検出に用いられるピンであり、抵抗器R5を介して、電源12の正極側端子12aに接続される。抵抗器R5は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。保護IC61は、VBATピンに入力される電圧に基づいて電源12が接続されていることを検出することができる。
【0090】
保護IC61のCEピンは、保護IC61の動作(各種機能)をオン/オフするためのピンである。具体的に説明すると、保護IC61は、CEピンにローレベルの電圧が入力されている場合に動作し、CEピンにハイレベルの電圧が入力されている場合に動作を停止する。本実施形態において、保護IC61のCEピンは、グランドライン60Nに接続されており、ローレベルの電圧が常時入力されるようになっている。したがって、保護IC61は、電源の供給中には常時動作し、所定の電圧への変換や過電流検知や過電圧検知等を行うようになっている。
【0091】
なお、本実施形態における保護IC61に代えて、CEピンにハイレベルの電圧が入力されている場合に動作し、CEピンにローレベルの電圧が入力されている場合に動作を停止する保護ICを用いてもよい。ただし、このようにした場合は、この保護ICのCEピンを、グランドライン60Nではなく、電源ライン60Bや電源ライン60Aに接続しなければならない点に留意されたい。
【0092】
充電IC55のINピンは、上述したように、充電IC55における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Bに接続される。また、充電IC55は、例えば、不図示の負極側の電源ピンにより、グランドライン60Nに接続される。これらにより、充電IC55には、電源ライン60Bを介して、保護IC61から出力された電圧が供給される。
【0093】
充電IC55のBAT_1ピン及びBAT_2ピンは、充電IC55と電源12との間の電力の授受に用いられるピンであり、電源ライン60Cを介して、電源12の正極側端子12aに接続される。なお、電源12の負極側端子12bは、グランドライン60Nに接続されている。
【0094】
具体的に説明すると、BAT_1ピン及びBAT_2ピンは並列に接続され、これらは正極側端子12aに接続されるとともにコンデンサCD3を介してグランドライン60Nに接続される。電源12の放電時には、コンデンサCD3に電荷が溜まって電源12から出力された電圧がBAT_1ピン及びBAT_2ピンに入力されるようになっている。また、電源12の充電時には、電源12を充電するための電圧がBAT_1ピン及びBAT_2ピンから出力され、電源ライン60Cを介して、電源12の正極側端子12aに印加されるようになっている。
【0095】
また、電源ライン60Cは、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD4を介してグランドライン60Nと接続される。これにより、電源ライン60Cを介して電源12に入力される電圧の安定化を図ることができる。
【0096】
充電IC55のISETピンは、充電IC55から電源12に対して出力される電流値を設定するためのピンである。本実施形態において、ISETピンは、抵抗器R6を介してグランドライン60Nに接続される。ここで、抵抗器R6は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。
【0097】
充電IC55は、ISETピンに接続された抵抗器R6の電気抵抗値に応じた電流値を持つ電流を電源12に対して出力する。
【0098】
充電IC55のTSピンは、ここに接続された抵抗器に印加された電圧値が入力され、この電圧値からTSピンに接続された抵抗器の電気抵抗値や温度の検出に用いられるピンである。本実施形態において、TSピンは、抵抗器R7を介してグランドライン60Nに接続される。ここで、抵抗器R7は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。したがって、充電IC55は、抵抗器R7に印加された電圧値から、抵抗器R7の電気抵抗値や温度を検出することができる。
【0099】
充電IC55のCHGピンは、充電中、充電停止中、及び充電完了等、電源12の充電状態に関する情報(以下、充電状態情報ともいう)や、電源12の残容量に関する情報(以下、残容量情報ともいう)が出力されるピンである。充電IC55のCHGピンは、MCU50のPB15ピンに接続される。MCU50のPB15ピンは、MCU50における信号の入力に用いられるピンである。したがって、充電IC55は、CHGピンからMCU50に対して充電状態情報や残容量情報を出力することで、電源12の充電状態や残容量等をMCU50に通知することができる。
【0100】
充電IC55のOUT_1ピン及びOUT_2ピンは、標準システム電圧が出力されるピンであり、電源ライン60Dを介して、LDOレギュレータ62のINピン、第1DC/DCコンバータ63のVINピン、及び第2DC/DCコンバータ64のVINピンに接続される。LDOレギュレータ62のINピンは、LDOレギュレータ62における正極側の電源ピンである。また、第1DC/DCコンバータ63のVINピンは、第1DC/DCコンバータ63における正極側の電源ピンである。そして、第2DC/DCコンバータ64のVINピンは、第2DC/DCコンバータ64における正極側の電源ピンである。
【0101】
具体的に説明すると、OUT_1ピンは、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD5を介してグランドライン60Nに接続されるとともにOUT_2ピンに接続される。そして、OUT_1ピン及びOUT_2ピンは、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD6を介してグランドライン60Nに接続されるとともに、LDOレギュレータ62のINピン、第1DC/DCコンバータ63のVINピン、及び第2DC/DCコンバータ64のVINピンに接続される。これらにより、充電IC55は、LDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63、及び第2DC/DCコンバータ64に対して安定した標準システム電圧を供給することができる。
【0102】
さらに、本実施形態においては、電源ライン60Dにおける第1DC/DCコンバータ63の直前にも、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD7を設けている。これにより、第1DC/DCコンバータ63に対して安定した標準システム電圧を供給することができ、第1DC/DCコンバータ63から負荷21への電力供給の安定化を図ることができる。
【0103】
充電IC55のILIMピンは、充電IC55からLDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63及び第2DC/DCコンバータ64に対して出力される電流値の上限を設定するためのピンである。本実施形態において、ILIMピンは、抵抗器R7を介してグランドライン60Nに接続される。ここで、抵抗器R7は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。
【0104】
充電IC55は、ILIMピンに接続された抵抗器R7の電気抵抗値に応じた電流値を上限とした電流を、LDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63及び第2DC/DCコンバータ64に対して出力する。より詳述すると、充電IC55は、ISETピンに接続された抵抗器R6の電気抵抗値に応じた電流値を持つ電流をOUT_1ピン及びOUT_2ピンから出力しつつも、この電流値がILIMピンに接続された抵抗器R7の電気抵抗値に応じた電流値に達するならば、OUT_1ピン及びOUT_2ピンからの電流の出力を停止する。すなわち、エアロゾル吸引器1の製造者は、ILIMピンに接続する抵抗器R7の電気抵抗値によって、充電IC55からLDOレギュレータ62、第1DC/DCコンバータ63及び第2DC/DCコンバータ64に対して出力される電流の上限値を設定することができる。
【0105】
また、電源ライン60Dから分岐して、LED回路C1が設けられる。LED回路C1は、抵抗器R8と、LED70と、スイッチSW1と、を直列接続して構成される。ここで、抵抗器R8は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。抵抗器R8は、主に、LED70に印加される電圧、及び/又はLED70に供給される電流を制限するために用いられる。LED70は、電源ユニット10の内側において残量確認窓11wに対応する位置に設けられ、電源ユニット10の内側から残量確認窓11wを介して電源ユニット10の外側を照らすように構成された発光部である。LED70が発光することで、残量確認窓11wを介した第1カートリッジ20の残量(具体的には第1カートリッジ20に貯留されるエアロゾル源22の残量)の視認性が向上する。スイッチSW1は、例えばMOSFET等により構成されたスイッチである。
【0106】
LED回路C1の抵抗器R8側の一端、すなわち抵抗器R8の一端は、電源ライン60Dに設けられたノードN21に接続される。抵抗器R8の他端は、コネクタ70aを構成し、LED70のアノード側の端子へ接続される。スイッチSW1の一端は、コネクタ70bを構成し、LED70のカソード側の端子へ接続される。LED回路C1のスイッチSW1側の他端、すなわちスイッチSW1の他端は、グランドライン60Nに接続される。
【0107】
また、スイッチSW1は、後述するようにMCU50とも接続され、MCU50のオン指令に応じてオンとなり、MCU50のオフ指令に応じてオフとなる。LED回路C1は、スイッチSW1がオンとなることにより導通状態となる。そして、LED70は、LED回路C1が導通状態となることにより発光する。
【0108】
LDOレギュレータ62のINピンは、上述したように、LDOレギュレータ62における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Dに接続される。LDOレギュレータ62のGNDピンは、LDOレギュレータ62におけるグランドピンであり、グランドライン60Nに接続される。これらにより、LDOレギュレータ62には、電源ライン60Dを介して、充電IC55から出力された標準システム電圧が供給される。
【0109】
LDOレギュレータ62のOUTピンは、LDOレギュレータ62によって生成された低圧系システム電圧が出力されるピンであり、電源ライン60Eを介して、MCU50のVDDピン及びVDD_USBピン、吸気センサ15のVCCピン、ディスプレイドライバ65のVDDピン及びIXSピン、及びバイブレータ47へ接続される正極側端子47aに接続される。MCU50のVDDピン及びVDD_USBピンは、MCU50における正極側の電源ピンである。また、吸気センサ15のVCCピンは、吸気センサ15における正極側の電源ピンである。そして、ディスプレイドライバ65のVDDピンは、ディスプレイドライバ65における正極側の電源ピンである。これらにより、LDOレギュレータ62は、MCU50、吸気センサ15、ディスプレイドライバ65、及びバイブレータ47に対して低圧系システム電圧を供給することができる。
【0110】
LDOレギュレータ62のENピンは、LDOレギュレータ62の動作(機能)をオン/オフするためのピンである。具体的に説明すると、LDOレギュレータ62は、ENピンにハイレベルの電圧が入力されている場合に動作し、ENピンにハイレベルの電圧が入力されていない場合に動作を停止する。
【0111】
本実施形態において、LDOレギュレータ62のENピンは、電源ライン60Dに接続されるとともに、コンデンサCD8を介してグランドライン60Nに接続されている。したがって、充電IC55から標準システム電圧が出力されると、コンデンサCD8に電荷が溜まってLDOレギュレータ62のENピンにハイレベルの電圧が入力され、LDOレギュレータ62が動作し、LDOレギュレータ62から低圧系システム電圧が出力されるようになっている。
【0112】
すなわち、電源ユニット10では、LDOレギュレータ62のENピンに接続されるコンデンサCD8を充電IC55からの電力により充電して、LDOレギュレータ62のENピンにハイレベル信号を入力することができる。これにより、電源12の電力不足によりLDOレギュレータ62やMCU50が停止状態となった場合でも、外部電源からの電力によりLDOレギュレータ62を再起動させ、LDOレギュレータ62からの電力によりMCU50を再起動させることも可能となる。
【0113】
MCU50のVDDピン及びVDD_USBピンは、上述したように、MCU50における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Eに接続される。MCU50のVSSピンは、MCU50における負極側の電源ピンであり、グランドライン60Nに接続される。これらにより、MCU50には、電源ライン60Eを介して、LDOレギュレータ62から出力された低圧系システム電圧が供給される。なお、VDDピン及びVDD_USBピンをまとめて1つのピンとしてもよい。
【0114】
また、電源ライン60Eから分岐して、サーミスタ回路C2が設けられる。サーミスタ回路C2は、スイッチSW2と、抵抗器R9と、サーミスタTHと、を直列接続して構成される。サーミスタ回路C2のスイッチSW2側の一端は、電源ライン60Eに設けられたノードN31に接続される。また、サーミスタ回路C2のサーミスタTH側の他端は、グランドライン60Nに接続される。
【0115】
ここで、スイッチSW2は、例えばMOSFET等により構成されたスイッチである。スイッチSW2は、後述するようにMCU50と接続され、MCU50のオン指令に応じてオンとなり、MCU50のオフ指令に応じてオフとなる。サーミスタ回路C2は、スイッチSW2がオンとなることにより導通状態となる。
【0116】
抵抗器R9は、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。サーミスタTHは、NTC(Negative Temperature Coefficient:負の抵抗温度係数)特性あるいはPTC(Positive Temperature Coefficient:正の抵抗温度係数)特性を有する素子、すなわち、電気抵抗値と温度とに相関を持つ素子等を備えて構成される。サーミスタTHは、電源12の温度を検出可能な状態で電源12の近傍に配置される。
【0117】
MCU50のPC1ピンは、サーミスタ回路C2において抵抗器R9とサーミスタTHとの間に設けられたノードN32に接続される。PC1ピンには、サーミスタ回路C2が導通状態である場合(すなわちスイッチSW2がオンである場合)に、抵抗器R9とサーミスタTHとより分圧された電圧が入力される。MCU50は、PC1ピンに入力された電圧値からサーミスタTHの温度、すなわち電源12の温度を検出することができる。
【0118】
MCU50のPA8ピンは、スイッチSW2に接続され、スイッチSW2をオンにするオン指令やスイッチSW2をオフにするオフ指令が出力されるピンである。MCU50は、PA8ピンからオン指令を出力することで、スイッチSW2をオンにしてサーミスタ回路C2を導通状態とすることができる。また、MCU50は、PA8ピンからオフ指令を出力することで、スイッチSW2をオフにしてサーミスタ回路C2を非導通状態とすることができる。具体的な一例として、スイッチSW2がMOSFETにより構成されたスイッチである場合、MCU50のPA8ピンは、このMOSFETのゲート端子に接続される。そして、MCU50は、このゲート端子に印加するゲート電圧(すなわちPA8ピンからの出力)を制御することによって、スイッチSW2のオン/オフを制御することができる。
【0119】
また、電源ライン60Eにおいて、正極側端子47aの手前にはスイッチSW3が設けられる。ここで、スイッチSW3は、例えばMOSFET等により構成されたスイッチである。スイッチSW3は、MCU50と接続され、MCU50のオン指令に応じてオンとなり、MCU50のオフ指令に応じてオフとなる。
【0120】
具体的に説明すると、MCU50のPC6ピンは、スイッチSW3に接続され、スイッチSW3をオンにするオン指令やスイッチSW3をオフにするオフ指令が出力されるピンである。MCU50は、PC6ピンからオン指令を出力することで、スイッチSW3をオンにして電源ライン60Eによりバイブレータ47へ電力を供給し、バイブレータ47を振動させることができる。また、MCU50は、PC6ピンからオフ指令を出力することで、スイッチSW3をオフにして、電源ライン60Eによるバイブレータ47への電力の供給(すなわちバイブレータ47の振動)を停止させることができる。具体的な一例として、スイッチSW3がMOSFETにより構成されたスイッチである場合、MCU50のPC6ピンは、このMOSFETのゲート端子に接続される。そして、MCU50は、このゲート端子に印加するゲート電圧(すなわちPC6ピンからの出力)を制御することによって、スイッチSW3のオン/オフを制御することができる。
【0121】
また、電源ライン60Eには、ツェナーダイオードDが接続される。ここで、ツェナーダイオードは、アノード側とカソード側の2つの端子(電極)を有し、アノード側の端子の電圧が所定のツェナー電圧(降伏電圧ともいう。一例として、本実施形態の場合、上述したバリスタ電圧未満の電圧)を上回ると、カソード側からアノード側へ急激に電流が流れるようになるダイオードである。
【0122】
具体的に説明すると、ツェナーダイオードDは、アノード側の一端がグランドライン60Nに接続され、カソード側の他端が電源ライン60Eに設けられたノードN41に接続される。ここで、ノードN41は、電源ライン60EにおいてスイッチSW3と正極側端子47aとの間に設けられる。これにより、バイブレータ47のオン/オフ時にツェナーダイオードDのツェナー電圧よりも大きな電圧を有する逆起電力がバイブレータ47から発生したとしても、
図4中の符号C3の矢印に示すように、バイブレータ47とツェナーダイオードDとにより形成される閉回路にこの逆起電力による電流を流すことができる。したがって、この逆起電力による電流が、バイブレータ47とツェナーダイオードDとにより形成される閉回路外へ流れることを抑制して、この閉回路外に設けられた電源12やLDOレギュレータ62などの電源ユニット10の電子部品を保護することができる。
【0123】
さらに、コンデンサCD9を電源ライン60Eに接続するようにしてもよい。具体的に説明すると、この場合、コンデンサCD9は、一端が電源ライン60Eに設けられたノードN42に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN42は、電源ライン60EにおいてノードN41よりも正極側端子47a側に設けられる。このようにすれば、上述したバイブレータ47とツェナーダイオードDとにより形成される閉回路内にコンデンサCD9を配置することができ、コンデンサCD9によっても、バイブレータ47とツェナーダイオードDとにより形成される閉回路外に設けられた電源12やLDOレギュレータ62などの電源ユニット10の電子部品を保護することができる。なお、コンデンサCD9を上述した閉回路内に設けずに、閉回路の近傍に設けてもよい。具体的な一例として、コンデンサCD9をスイッチSW3とツェナーダイオードDの間に設けてもよい。このようにしても、コンデンサCD9とツェナーダイオードDにより、電源12やLDOレギュレータ62などの電源ユニット10の電子部品を保護することができる。
【0124】
MCU50のPB3ピンは、第1DC/DCコンバータ63のENピンに接続され、所定の電圧信号が出力されるピンである。MCU50は、PB3ピンから出力する電圧信号によって、第1DC/DCコンバータ63の動作をオン/オフすることができる。具体的に説明すると、MCU50は、PB3ピンからハイレベルの電圧信号を出力することにより、第1DC/DCコンバータ63を動作させること(すなわち第1DC/DCコンバータ63を有効化すること)ができる。また、MCU50は、PB3ピンからローレベルの電圧信号を出力することにより、第1DC/DCコンバータ63の動作を停止させること(すなわち第1DC/DCコンバータ63を無効化すること)ができる。
【0125】
MCU50のPB4ピンは、第1DC/DCコンバータ63と放電端子41との間に設けられる後述のスイッチSW4に接続され、スイッチSW4をオンにするオン指令やスイッチSW4をオフにするオフ指令が出力されるピンである。MCU50は、PB4ピンからオン指令を出力してスイッチSW4をオンにすることで、後述するように負荷21への電力の供給を行わせることができる。また、MCU50は、PB4ピンからオフ指令を出力してスイッチSW4をオフにすることで、負荷21への電力の供給を停止させることができる。具体的な一例として、スイッチSW4がMOSFETにより構成されたスイッチである場合、MCU50のPB4ピンは、このMOSFETのゲート端子に接続される。そして、MCU50は、このゲート端子に印加するゲート電圧(すなわちPB4ピンからの出力)を制御することによって、スイッチSW4のオン/オフを制御することができる。
【0126】
MCU50のPB15ピンは、上述したように、充電IC55のCHGピンと接続され、充電IC55によって出力された充電状態情報や残容量情報の入力を受け付けるピンである。
【0127】
MCU50のPA0ピンは、LED回路C1のスイッチSW1に接続され、スイッチSW1をオンにするオン指令やスイッチSW1をオフにするオフ指令が出力されるピンである。MCU50は、PA0ピンからオン指令を出力してスイッチSW1をオンにすることで、LED回路C1を導通状態にしてLED70を発光(点灯)させることができる。また、MCU50は、PA0ピンからオフ指令を出力してスイッチSW1をオフにすることで、LED回路C1を非導通状態にしてLED70を消灯させることができる。具体的な一例として、スイッチSW1がMOSFETにより構成されたスイッチである場合、MCU50のPA0ピンは、このMOSFETのゲート端子に接続される。そして、MCU50は、このゲート端子に印加するゲート電圧(すなわちPA0ピンからの出力)を制御することによって、スイッチSW1のオン/オフを制御することができる。また、MCU50は、PA0ピンからオン指令とオフ指令とを高速で切り替えながら出力することで、LED回路C1の導通状態と非導通状態とを高速で切り替えて、LED70を点滅させることができる。
【0128】
MCU50のPC5ピンは、吸気センサ15のOUTピンに接続され、吸気センサ15の出力(すなわち吸気センサ15の検出結果を示す信号)を受け付けるピンである。
【0129】
MCU50のPA11ピン及びPA12ピンは、電源ユニット10と外部機器とが通信する信号の入出力に用いられるピンである。具体的に説明すると、PA11ピンは、上述したように、抵抗器R2を介して充電端子43のA7ピン及びB7ピンに接続され、Dn側の信号の入出力に用いられる。また、PA12ピンは、上述したように、抵抗器R1を介して充電端子43のA6ピン及びB6ピンに接続され、Dp側の信号の入出力に用いられる。
【0130】
MCU50のPC12ピンは、第2DC/DCコンバータ64のENピンに接続され、所定の電圧信号が出力されるピンである。MCU50は、PC12ピンから出力する電圧信号によって、第2DC/DCコンバータ64の動作をオン/オフすることができる。具体的に説明すると、MCU50は、PC12ピンからハイレベルの電圧信号を出力することにより、第2DC/DCコンバータ64を動作させること(すなわち第2DC/DCコンバータ64を有効化すること)ができる。また、MCU50は、PC12ピンからローレベルの電圧信号を出力することにより、第2DC/DCコンバータ64の動作を停止させること(すなわち第2DC/DCコンバータ64を無効化すること)ができる。
【0131】
MCU50のPB8ピン及びPB9ピンは、MCU50と他のICとが通信する信号の出力に用いられるピンであり、本実施形態においてはMCU50とディスプレイドライバ65との通信に用いられる。具体的に説明すると、本実施形態において、MCU50とディスプレイドライバ65とはI2C(Inter-Integrated Circuit)通信を行う。PB8ピンはI2C通信におけるSCL側の信号の出力に用いられ、PB9ピンはI2C通信におけるSDA側の信号の出力に用いられる。MCU50は、PB8ピン及びPB9ピンから出力する信号によりディスプレイドライバ65を制御して、ディスプレイ16(OLEDパネル46)の表示内容を制御することができる。
【0132】
吸気センサ15のVCCピンは、上述したように、吸気センサ15における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Eに接続される。吸気センサ15のGNDピンは、吸気センサ15におけるグランドピンであり、グランドライン60Nに接続される。これらにより、吸気センサ15には、電源ライン60Eを介して、LDOレギュレータ62から出力された低圧系システム電圧が供給される。
【0133】
吸気センサ15のOUTピンは、上述したように、吸気センサ15の検出結果を示す信号が出力されるピンであり、MCU50のPC5ピンに接続される。これにより、吸気センサ15は、MCU50に対して検出結果を通知することができる。
【0134】
第1DC/DCコンバータ63のVINピンは、上述したように、第1DC/DCコンバータ63における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Dに接続される。また、第1DC/DCコンバータ63のVINピンは、コイルCL1を介して、第1DC/DCコンバータ63のSWピン(スイッチピン)とも接続される。第1DC/DCコンバータ63のGNDピンは、第1DC/DCコンバータ63におけるグランドピンであり、グランドライン60Nに接続される。
【0135】
第1DC/DCコンバータ63のVOUTピンは、第1DC/DCコンバータ63によって生成された第1高圧系システム電圧が出力されるピンであり、電源ライン60Fを介して、放電端子41のうちの正極側放電端子41aに接続される。なお、放電端子41のうちの負極側放電端子41bはグランドライン60Nに接続されている。
【0136】
電源ライン60Fには、スイッチSW4が設けられる。スイッチSW4は、例えば、MOSFET等により構成されたスイッチであり、より具体的にはスイッチング速度が高速なパワーMOSFETである。スイッチSW4は、上述したようにMCU50と接続され、MCU50のオン指令に応じてオンとなり、MCU50のオフ指令に応じてオフとなる。スイッチSW4がオンとなることにより電源ライン60Fは導通状態となり、電源ライン60Fを介して、第1高圧系システム電圧が負荷21に供給される。
【0137】
また、電源ライン60Fには、バリスタVR4が接続される。具体的に説明すると、バリスタVR4は、一端が電源ライン60Fに設けられたノードN51に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN51は、電源ライン60FにおいてスイッチSW4よりも正極側放電端子41a側、すなわちスイッチSW4の出力側に設けられる。換言すると、バリスタVR4は、放電端子41と電源12との間に接続されており、より詳細には放電端子41と第1DC/DCコンバータ63(より具体的にはスイッチSW4)との間に接続されている。
【0138】
したがって、例えば、第1カートリッジ20の交換時に放電端子41と負荷21とが擦れることにより放電端子41に静電気が発生しても、この静電気を、バリスタVR4を介してグランドライン60Nに逃がしてスイッチSW4や第1DC/DCコンバータ63や電源12等を保護することができる。さらに、仮にバリスタVR4が故障したとしても、スイッチSW4や第1DC/DCコンバータ63がこれらよりも電源12側にある他の素子(例えば充電IC55)に対してノイズ(この場合、放電端子41に発生した静電気)の障壁となることができ、他の素子の保護を図ることができる。
【0139】
また、電源ライン60Fには、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD10が接続される。具体的に説明すると、コンデンサCD10は、一端が電源ライン60Fに設けられたノードN52に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN52は、電源ライン60FにおいてノードN51とスイッチSW4との間に設けられる。換言すると、コンデンサCD10は、スイッチSW4の出力側に接続される。これにより、スイッチSW4から負荷21への電力供給の安定化を図ることができるとともに、放電端子41に静電気が発生しても、バリスタVR4により、この静電気からコンデンサCD10を保護することができる。
【0140】
さらに、電源ライン60Fには、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD11を接続してもよい。具体的に説明すると、この場合、コンデンサCD11は、一端が電源ライン60Fに設けられたノードN53に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN53は、電源ライン60FにおいてスイッチSW4と第1DC/DCコンバータ63との間に設けられる。換言すると、コンデンサCD11は、第1DC/DCコンバータ63の出力側に接続される。これにより、第1DC/DCコンバータ63からスイッチSW4(例えばパワーMOSFET)への電力供給の安定化を図ることができ、その結果、負荷21への電力供給の安定化を図ることができる。
【0141】
第1DC/DCコンバータ63のENピンは、上述したように、第1DC/DCコンバータ63の動作をオン/オフを設定するためのピンであり、MCU50のPB3ピンに接続される。
【0142】
第1DC/DCコンバータ63のMODEピンは、第1DC/DCコンバータ63の動作モードを設定するためのピンである。第1DC/DCコンバータ63は、例えばスイッチングレギュレータであり、動作モードとして、パルス幅変調(Pulse Width Modulation)モード(以下、PWMモードともいう)と、パルス周波数変調(Pulse Frequency Modulation)モード(以下、PFMモードともいう)と、をとり得る。本実施形態においては、MODEピンを電源ライン60Dに接続することで、第1DC/DCコンバータ63が動作し得るときにはMODEピンにハイレベルの電圧が入力されるようにし、第1DC/DCコンバータ63がPWMモードにて動作するように設定している。
【0143】
第2DC/DCコンバータ64のVINピンは、上述したように、第2DC/DCコンバータ64における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Dに接続される。また、第2DC/DCコンバータ64のVINピンは、コイルCL2を介して、第2DC/DCコンバータ64のSWピン(スイッチピン)とも接続される。第2DC/DCコンバータ64のGNDピンは、第2DC/DCコンバータ64におけるグランドピンであり、グランドライン60Nに接続される。
【0144】
第2DC/DCコンバータ64のVOUTピンは、第2DC/DCコンバータ64によって生成された第2高圧系システム電圧が出力されるピンであり、電源ライン60Gを介して、ディスプレイドライバ65のVCC_Cピンに接続される。これにより、第2DC/DCコンバータ64は、ディスプレイドライバ65に対して第2高圧系システム電圧を供給することができる。
【0145】
また、電源ライン60Gには、バリスタVR5が接続される。具体的に説明すると、バリスタVR5は、一端が電源ライン60Gに設けられたノードN61に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。換言すると、バリスタVR5は、電源ライン60Gにおいてディスプレイドライバ65のVCC_Cピンに接続されるコネクタ部分と、第2DC/DCコンバータ64の間に接続されている。
【0146】
したがって、エアロゾル吸引器1の外部に露出するディスプレイ16が何らかの物体(例えばユーザの手)と接することによりディスプレイ16に静電気が発生し、この静電気がOLEDパネル46やディスプレイドライバ65を介して第2DC/DCコンバータ64側に逆流した場合であっても、バリスタVR5を介して、この静電気をグランドライン60Nに逃がすことができ、この静電気から第2DC/DCコンバータ64等を保護することができる。さらに、仮にバリスタVR5が故障したとしても、第2DC/DCコンバータ64がこれらよりも電源12側にある他の素子(例えばLDOレギュレータ62)に対してノイズ(この場合、ディスプレイ16に発生した静電気)の障壁となることができ、他の素子の保護を図ることができる。つまり、電源ライン60Gにおいて、ノードN62をノードN61よりも第2DC/DCコンバータ側に設けることで、ディスプレイドライバ65の過電圧からの保護と、ディスプレイドライバ65の安定した動作の両立を図ることができる。
【0147】
また、同様の観点から、電源ライン60Eにも、バリスタVR6が接続される。具体的に説明すると、バリスタVR6は、一端が電源ライン60Eに設けられたノードN43に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN43は、電源ライン60EにおいてLDOレギュレータ62とスイッチSW3との間に設けられる。したがって、エアロゾル吸引器1の外部に露出するディスプレイ16が何らかの物体と接することによりディスプレイ16に静電気が発生し、この静電気がOLEDパネル46やディスプレイドライバ65を介してLDOレギュレータ62側に逆流した場合であっても、バリスタVR6を介して、この静電気をグランドライン60Nに逃がすことができ、この静電気からLDOレギュレータ62を保護することができる。
【0148】
また、電源ライン60Gには、デカップリングコンデンサとして機能するコンデンサCD12が接続される。具体的に説明すると、コンデンサCD12は、一端が電源ライン60Gに設けられたノードN62に接続され、他端がグランドライン60Nに接続される。ここで、ノードN62は、電源ライン60GにおいてノードN61よりも第2DC/DCコンバータ64側に設けられる。これにより、ディスプレイドライバ65に対して安定した第2高圧システム電圧を供給することができるとともに、ディスプレイ16に静電気が発生しても、バリスタVR5により、この静電気からコンデンサCD12を保護することができる。
【0149】
第2DC/DCコンバータ64のENピンは、第2DC/DCコンバータ64の動作をオン/オフを設定するためのピンであり、上述したように、MCU50のPC12ピンに接続される。
【0150】
ディスプレイドライバ65のVDDピンは、上述したように、ディスプレイドライバ65における正極側の電源ピンであり、電源ライン60Eに接続される。また、ディスプレイドライバ65のVSSピンは、ディスプレイドライバ65における負極側の電源ピンであり、グランドライン60Nに接続される。これらにより、ディスプレイドライバ65には、電源ライン60Eを介して、LDOレギュレータ62から出力された低圧系システム電圧が供給される。ディスプレイドライバ65に供給された低圧系システム電圧は、ディスプレイドライバ65が動作するための電源として利用される。
【0151】
ディスプレイドライバ65のVCC_Cピンは、第2高圧系システム電圧を受け付けるピンであり、上述したように、電源ライン60Gを介して、第2DC/DCコンバータ64のVOUTピンに接続される。ディスプレイドライバ65は、VCC_Cピンにより第2高圧系システム電圧を受け付けると、受け付けた第2高圧系システム電圧を、電源ライン60Hを介してOLEDパネル46に供給する。これにより、ディスプレイドライバ65は、OLEDパネル46を動作させることができる。なお、ディスプレイドライバ65とOLEDパネル46は、不図示の他のラインによっても接続されてもよい。
【0152】
ディスプレイドライバ65のSCLピンは、MCU50とディスプレイドライバ65とのI2C通信におけるSCL側の信号を受け付けるピンであり、上述したように、MCU50のPB8ピンと接続される。また、ディスプレイドライバ65のSDAピンは、MCU50とディスプレイドライバ65とのI2C通信におけるSDA側の信号を受け付けるピンであり、上述したように、MCU50のPB9ピンと接続される。
【0153】
ディスプレイドライバ65のIXSピンは、ディスプレイドライバ65と他のIC(本実施形態においてはMCU50)との通信を、I2C通信とSPI(Serial Peripheral Interface)通信とのどちらで行うかを設定するためのピンである。本実施形態においては、IXSピンを電源ライン60Eに接続することで、IXSピンにハイレベルの電圧が入力されるようにし、ディスプレイドライバ65とMCU50との通信をI2C通信により行うように設定している。なお、IXSピンにローレベルの電圧を入力することで、ディスプレイドライバ65とMCU50との通信をSPI通信により行うように設定してもよい。
【0154】
(MCU)
次に、MCU50の構成について、
図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、MCU50は、不図示のROMに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現される機能ブロックとして、エアロゾル生成要求検出部51と、温度検出部52と、電力制御部53と、通知制御部54と、を備える。
【0155】
エアロゾル生成要求検出部51は、吸気センサ15の出力結果に基づいてエアロゾル生成の要求を検出する。吸気センサ15は、吸口32を通じたユーザの吸引により生じた電源ユニット10内の圧力(内圧)変化の値を出力するよう構成されている。吸気センサ15は、例えば、不図示の取込口から吸口32に向けて吸引される空気の流量(すなわち、ユーザのパフ動作)に応じて変化する内圧に応じた出力値(例えば、電圧値又は電流値)を出力する圧力センサである。吸気センサ15は、コンデンサマイクロフォン等から構成されていてもよい。吸気センサ15は、アナログ値を出力してもよいし、アナログ値から変換したデジタル値を出力してもよい。また、吸気センサ15は、上述したI2C通信やSPI通信等を用いて、出力をエアロゾル生成要求検出部51へ伝えてもよい。
【0156】
温度検出部52は、サーミスタ回路C2からの入力に基づいて、電源12の温度を検出する。具体的に説明すると、温度検出部52は、スイッチSW2をオンにすることでサーミスタ回路C2に電圧を印加し、そのときにサーミスタ回路C2からMCU50(例えばPC1ピン)に入力された電圧値からサーミスタTHの温度、すなわち電源12の温度を検出する。また、例えば、負荷21の電気抵抗値を検出可能に構成し、温度検出部52が負荷21の温度を検出するようにしてもよい。
【0157】
電力制御部53は、エアロゾル吸引器1の各電子部品への電力の供給を制御する。例えば、電力制御部53は、エアロゾル生成要求検出部51がエアロゾル生成の要求を検出した場合に、第1DC/DCコンバータ63を動作させるとともに、スイッチSW4のスイッチングを制御することで、正極側放電端子41aを介して第1高圧系システム電圧を負荷21に供給する。これにより、MCU50は、第1高圧系システム電圧の電力を負荷21に供給して、負荷21を加熱(機能)させ、エアロゾルを生成させることができる。そして、このように充電IC55からの電力(すなわち標準システム電圧の電力)を第1DC/DCコンバータ63により第1高圧系システム電圧に昇圧して負荷21に供給することで、充電IC55からの電力を昇圧せずに負荷21に供給するようにした場合に比べて、負荷21によるエアロゾルの生成量や香喫味の向上を図れる。
【0158】
また、電力制御部53は、所定のタイミングでスイッチSW3をオンにすることで、正極側端子47aを介して標準システム電圧をバイブレータ47に供給する。これにより、MCU50は、標準システム電圧の電力をバイブレータ47に供給して、バイブレータ47を振動(機能)させることができる。
【0159】
また、電力制御部53は、所定のタイミングで第2DC/DCコンバータ64を動作させることで、ディスプレイドライバ65を介して第2高圧系システム電圧をOLEDパネル46に供給する。これにより、MCU50は、第2高圧系システム電圧の電力をOLEDパネル46に供給して、OLEDパネル46を動作(機能)させることができる。
【0160】
また、電力制御部53は、エアロゾル生成要求検出部51がエアロゾル生成の要求を検出した場合に、さらにスイッチSW1をオンとすることでLED回路C1を導通状態とし、LED70を発光(機能)させる。この場合、コネクタ70aには、充電IC55からの標準システム電圧を抵抗器R8によって降下した電圧が供給される。すなわち、電力制御部53は、スイッチSW1をオンとすることで、コネクタ70aを介して、標準システム電圧を抵抗器R8によって降下した電圧の電力をLED70に供給できる。
【0161】
なお、電力制御部53は、例えば、LED70へ供給される電力が、負荷21、OLEDパネル46、バイブレータ47等の他の電子部品に供給される電力よりも小さくなるように制御する。すなわち、電力制御部53は、コネクタ70aへ供給される電力が、正極側放電端子41aや正極側端子47a等へ供給される電力よりも小さくなるように制御する。これにより、簡易な構成でLED70に対して適切な電力を供給することを可能にし、エアロゾル吸引器1(例えば電源ユニット10)の製造コストの増加を抑制しながら、エアロゾル吸引器1の高機能化を実現できる。
【0162】
通知制御部54は、各種情報を通知するように通知部45を制御する。例えば、通知制御部54は、第2カートリッジ30の交換タイミングの検出に応じて、第2カートリッジ30の交換タイミングを報知するように通知部45を制御する。通知制御部54は、メモリ19に記憶されたパフ動作の累積回数又は負荷21への累積通電時間に基づいて、第2カートリッジ30の交換タイミングを検出し、報知する。通知制御部54は、第2カートリッジ30の交換タイミングの報知に限らず、第1カートリッジ20の交換タイミング、電源12の交換タイミング、電源12の充電タイミング等を報知してもよい。
【0163】
また、通知制御部54は、未使用の1つの第2カートリッジ30がセットされた状態にて、パフ動作が所定回数行われた場合、又は、パフ動作による負荷21への累積通電時間が所定値(例えば120秒)に達した場合に、この第2カートリッジ30を使用済み(即ち、残量がゼロ又は空である)と判定して、第2カートリッジ30の交換タイミングを通知してもよい。
【0164】
また、通知制御部54は、上記の1セットに含まれる全ての第2カートリッジ30が使用済みとなったと判定した場合に、この1セットに含まれる1つの第1カートリッジ20を使用済み(すなわち、残量がゼロ又は空である)と判定して、第1カートリッジ20の交換タイミングを通知するようにしてもよい。これらに加えて又は代えて、通知制御部54は、第1カートリッジ20の残量、第2カートリッジ30の残量や電源12の残容量等も通知するようにしてもよい。
【0165】
(充電端子に挿入されるプラグ)
次に、充電端子43に挿入されるプラグについて、
図6を参照しながら説明する。なお、
図6には、充電端子43におけるプラグとの嵌合面の一例と、プラグにおける充電端子43との嵌合面の一例とを示した。
【0166】
図6に示すプラグ100は、充電端子43に挿入されるプラグの一例であり、電源ユニット10等の外部機器に対して電力を供給する外部電源として機能し得る電子機器(図示省略。以下、単に電子機器ともいう)に接続されたケーブル(図示省略)の端部に設けられる。電子機器の一例はPC(Personal Computer)であるが、PCに限らず、電力を外部へ出力可能な端子(例えばUSBポート)を備えるものであればよい。また、プラグ100を備えるケーブルは、例えば、eMarkerと称されるICを備えるE-Markedケーブルである。
【0167】
プラグ100は、充電端子43に挿入された際に充電端子43と嵌合する形状を有する。そして、プラグ100は、充電端子43に挿入されることで電子機器からの電力(例えば電源12を充電するための電力)を電源ユニット10に供給する。プラグ100としては、各種USB端子(プラグ)等を用いることができる。一例として、本実施形態においては、プラグ100をUSB Type-Cのプラグとする。
【0168】
プラグ100は、充電端子43に挿入された際に充電端子43のピンと電気的に接続されるピンを含む複数のピン(端子)を備える。具体的に説明すると、プラグ100は、A1ピン(
図6におけるプラグ100中の“A1”にて示す)、A2ピン(
図6におけるプラグ100中の“A2”にて示す)、A3ピン(
図6におけるプラグ100中の“A3”にて示す)、A4ピン(
図6におけるプラグ100中の“A4”にて示す)、A5ピン(
図6におけるプラグ100中の“A5”にて示す)、A6ピン(
図6におけるプラグ100中の“A6”にて示す)、A7ピン(
図6におけるプラグ100中の“A7”にて示す)、A8ピン(
図6におけるプラグ100中の“A8”にて示す)、A9ピン(
図6におけるプラグ100中の“A9”にて示す)、A10ピン(
図6におけるプラグ100中の“A10”にて示す)、A11ピン(
図6におけるプラグ100中の“A11”にて示す)、及びA12ピン(
図6におけるプラグ100中の“A12”にて示す)を備える。
【0169】
さらに、プラグ100は、B1ピン(
図6におけるプラグ100中の“B1”にて示す)、B2ピン(
図6におけるプラグ100中の“B2”にて示す)、B3ピン(
図6におけるプラグ100中の“B3”にて示す)、B4ピン(
図6におけるプラグ100中の“B4”にて示す)、B5ピン(
図6におけるプラグ100中の“B5”にて示す)、B8ピン(
図6におけるプラグ100中の“B8”にて示す)、B9ピン(
図6におけるプラグ100中の“B9”にて示す)、B10ピン(
図6におけるプラグ100中の“B10”にて示す)、B11ピン(
図6におけるプラグ100中の“B11”にて示す)、及びB12ピン(
図6におけるプラグ100中の“B12”にて示す)を備える。
【0170】
プラグ100において、A1ピン、A2ピン、A3ピン、A4ピン、A5ピン、A8ピン、A9ピン、A10ピン、A11ピン及びA12ピンと、B1ピン、B2ピン、B3ピン、B4ピン、B5ピン、B8ピン、B9ピン、B10ピン、B11ピン及びB12ピンとは、充電端子43との嵌合面の中心を対称点として点対称となるように配置される。これにより、
図6に示す向きの充電端子43に対して、プラグ100を、
図6中の(A)に示すアップサイド・アップの向き、及び
図6中の(B)に示すアップサイド・ダウンの向きのいずれの向きで挿入することも可能となっている。
【0171】
ここで、アップサイド・アップの向きは、挿入方向(例えば上下方向)から見て、プラグ100のB1ピンが充電端子43のB1ピンと対向し、プラグ100のB12ピンが充電端子43のB12ピンと対向し、プラグ100のA1ピンが充電端子43のA1ピンと対向し、プラグ100のA12ピンが充電端子43のA12ピンと対向する向きである。
【0172】
また、アップサイド・ダウンの向きは、挿入方向(例えば上下方向)から見て、プラグ100のB1ピンが充電端子43のA1ピンと対向し、プラグ100のB12ピンが充電端子43のA12ピンと対向し、プラグ100のA1ピンが充電端子43のB1ピンと対向し、プラグ100のA12ピンが充電端子43のB12ピンと対向する向きである。すなわち、アップサイド・ダウンの向きは、アップサイド・アップの向きからプラグ100をローリング方向に180度回転させた向きである。
【0173】
プラグ100のA1ピン、A12ピン、B1ピン及びB12ピンは、グランドピンである。プラグ100のA4ピン、A9ピン、B4ピン及びB9ピンは、電子機器からの電力を外部機器(例えば電源ユニット10)に供給する電力線に対応するピンである。
【0174】
プラグ100のA2ピン、A3ピン、A6ピン、A7ピン、A10ピン、A11ピン、B2ピン、B3ピン、B10ピン及びB11ピンは、電子機器と外部機器とが通信する信号の入出力に用いられるピンである。
【0175】
具体的に説明すると、プラグ100のA2ピン、A3ピン、A10ピン、A11ピン、B2ピン、B3ピン、B10ピン及びB11ピンは、高速通信に用いられる高速信号線に対応するピンである。より詳細には、本実施形態において、プラグ100のA2ピン、A3ピン、A10ピン、A11ピン、B2ピン、B3ピン、B10ピン及びB11ピンは、SuperSpeed USBにおけるSuperSpeed信号線に対応するピンである。
【0176】
そして、プラグ100のA2ピンは、SuperSpeed信号線のうちのTX1p(TX1+ともいう)の信号線に対応するピンとなっている。プラグ100のA3ピンは、SuperSpeed信号線のうちのTX1n(TX1-ともいう)の信号線に対応するピンとなっている。プラグ100のA10ピンは、SuperSpeed信号線のうちのRX2n(RX2-ともいう)の信号線に対応するピンとなっている。プラグ100のA11ピンは、SuperSpeed信号線のうちのRX2p(RX2+ともいう)の信号線に対応するピンとなっている。
【0177】
また、プラグ100のB2ピンは、SuperSpeed信号線のうちのTX2p(TX2+ともいう)の信号線に対応するピンとなっている。プラグ100のB3ピンは、SuperSpeed信号線のうちのTX2n(TX2-ともいう)の信号線に対応するピンとなっている。プラグ100のB10ピンは、SuperSpeed信号線のうちのRX1n(RX1-ともいう)の信号線に対応するピンとなっている。プラグ100のB11ピンは、SuperSpeed信号線のうちのRX1p(RX1+ともいう)の信号線に対応するピンとなっている。
【0178】
一方、プラグ100のA6ピン及びA7ピンは、高速通信よりも低速な低速通信に用いられる低速信号線に対応するピンである。より詳細には、本実施形態において、電子機器は、SuperSpeed信号線を用いない低速な通信として、Dp(D+ともいう)とDn(D-ともいう)との2つの信号線により差動で信号を伝送するシリアル通信を、電源ユニット10等の外部機器と行うことが可能に構成されている。そして、プラグ100のA6ピンは、Dpの信号線に対応するピンとなっており、プラグ100のA7ピンはDnの信号線に対応するピンとなっている。
【0179】
プラグ100のA5ピンは、充電端子43等のレセプタクルに対して、プラグ100がアップサイド・アップの向きで挿入されているかアップサイド・ダウンの向きで挿入されているかを検出するために利用されるピンである。より詳細には、プラグ100のA5ピンは、CC(コンフィギュレーションチャンネル)ピンである。
【0180】
プラグ100のB5ピンは、プラグ100を備えるケーブル(例えばE-Markedケーブル)に電力を供給するために用いられるピンである。より詳細には、プラグ100のB5ピンは、Vconnピンであり、プラグ100を備えるE-MarkedケーブルのeMarkerを機能させるための電力(以下、Vconn電源ともいう)の供給に利用される。
【0181】
なお、プラグ100において、A5ピンとB5ピンとの役割(すなわちA5ピンからの出力とB5ピンからの出力と)は、電子機器によって適宜変更され得る。より詳細には、アップサイド・アップの向きでプラグ100が充電端子43等に挿入された場合、プラグ100のA5ピンはCCピンとして利用され、プラグ100のB5ピンはVconnピンとして利用される。一方、アップサイド・ダウンの向きでプラグ100が充電端子43等に挿入された場合、プラグ100のA5ピンはVconnピンとして利用され、プラグ100のB5ピンはCCピンとして利用される。
【0182】
プラグ100のA8ピン及びB8ピンは、補助信号線に対応するピンである。より詳細には、プラグ100のA8ピンは、USB Type-Cのオプション機能であるオルタネートモード時の通信に用いられるSBU1の信号線に対応するピンである。また、プラグ100のB8ピンは、オルタネートモード時の通信に用いられるSBU2の信号線に対応するピンである。
【0183】
(アップサイド・アップの向きでプラグを充電端子に挿入した場合の各ピンの接続関係) 次に、アップサイド・アップの向きでプラグ100を充電端子43に挿入した場合の、充電端子43の各ピンとプラグ100の各ピンとの接続関係について説明する。
【0184】
アップサイド・アップの場合、
図6中の符号αの矢印に示すように、充電端子43のA1ピンはプラグ100のA1ピンと接続され、充電端子43のA12ピンはプラグ100のA12ピンと接続され、充電端子43のB1ピンはプラグ100のB1ピンと接続され、充電端子43のB12ピンはプラグ100のB12ピンと接続される。
【0185】
また、アップサイド・アップの場合、充電端子43のA4ピンはプラグ100のA4ピンと接続され、充電端子43のA9ピンはプラグ100のA9ピンと接続され、充電端子43のB4ピンはプラグ100のB4ピンと接続され、充電端子43のB9ピンはプラグ100のB9ピンと接続される。したがって、電源ユニット10は、プラグ100のA4ピン、A9ピン、B4ピン及びB9ピンを介して供給されるUSBバスパワー等を、充電端子43のA4ピン、A9ピン、B4ピン及びB9ピンによって受け付けることができ、受け付けた電力によって電源12の充電等を行うことができる。
【0186】
また、アップサイド・アップの場合、充電端子43のA6ピンはプラグ100のA6ピンと接続され、充電端子43のA7ピンはプラグ100のA7ピンと接続される。したがって、電源ユニット10は、DpとDnとの2つの信号線を用いたシリアル通信、すなわち低速通信を電子機器との間で行うことができる。
【0187】
また、プラグ100は、アップサイド・アップの場合に、充電端子43のB6ピン及びB7ピンと接続されるピンを備えていない。すなわち、アップサイド・アップの場合、充電端子43のB6ピン及びB7ピンは、プラグ100におけるいずれのピンとも接続されない。したがって、
図4等に示したように充電端子43のA6ピンとB6ピンとを並列接続しても、アップサイド・アップの場合に、ノイズとなり得る信号が充電端子43のB6ピンを介して電源ユニット10(例えばMCU50)へ入力されることを抑制できる。同様に、充電端子43のA7ピンとB7ピンとを並列接続しても、アップサイド・アップの場合に、ノイズとなり得る信号が充電端子43のB7ピンを介して電源ユニット10(例えばMCU50)へ入力されることを抑制できる。
【0188】
また、アップサイド・アップの場合、充電端子43のA5ピンはプラグ100のA5ピンと接続される。したがって、電子機器あるいは電源ユニット10は、充電端子43のA5ピンとプラグ100のA5ピンとを介したCC信号の通信により、プラグ100がアップサイド・アップの向きで充電端子43に挿入されていることを検出できる。
【0189】
また、アップサイド・アップの場合、充電端子43のB5ピンはプラグ100のB5ピンと接続される。したがって、電源ユニット10は、プラグ100のB5ピンを介して供給されるVconn電源を、充電端子43のB5ピンにより受け付けることができる。
【0190】
また、アップサイド・アップの場合、充電端子43のA8ピンはプラグ100のA8ピンと接続され、充電端子43のB8ピンはプラグ100のB8ピンと接続される。しかしながら、上述したように、充電端子43のA8ピン及びB8ピンは、電源ユニット10の電気回路(例えば回路基板60の電気回路)に接続されていない。したがって、プラグ100のA8ピン及びB8ピンから出力される補助信号(例えばSBU1の信号やSBU2の信号)が、電源ユニット10に入力されることはない。
【0191】
また、充電端子43は、アップサイド・アップの場合に、プラグ100のA2ピン、A3ピン、A10ピン、A11ピン、B2ピン、B3ピン、B10ピン及びB11ピンと接続されるピンを備えていない。すなわち、アップサイド・アップの場合に、プラグ100のA2ピン、A3ピン、A10ピン、A11ピン、B2ピン、B3ピン、B10ピン及びB11ピンは、充電端子43におけるいずれのピンとも接続されない。したがって、アップサイド・ダウンの場合に、プラグ100のA2ピン、A3ピン、A10ピン、A11ピン、B2ピン、B3ピン、B10ピン及びB11ピン等を用いた高速通信用の信号が、電源ユニット10に入力されることはない。
【0192】
(アップサイド・ダウンの向きでプラグを充電端子に挿入した場合の各ピンの接続関係) 次に、アップサイド・ダウンの向きでプラグ100を充電端子43に挿入した場合の、充電端子43の各ピンとプラグ100の各ピンとの接続関係について説明する。
【0193】
アップサイド・ダウンの場合、
図6中の符号βの矢印に示すように、充電端子43のA1ピンはプラグ100のB1ピンと接続され、充電端子43のA12ピンはプラグ100のB12ピンと接続され、充電端子43のB1ピンはプラグ100のA1ピンと接続され、充電端子43のB12ピンはプラグ100のA12ピンと接続される。
【0194】
また、アップサイド・ダウンの場合、充電端子43のA4ピンはプラグ100のB4ピンと接続され、充電端子43のA9ピンはプラグ100のB9ピンと接続され、充電端子43のB4ピンはプラグ100のA4ピンと接続され、充電端子43のB9ピンはプラグ100のA9ピンと接続される。したがって、電源ユニット10は、プラグ100のA4ピン、A9ピン、B4ピン及びB9ピンを介して供給されるUSBバスパワー等を、充電端子43のB4ピン、B9ピン、A4ピン及びA9ピンによって受け付けることができ、受け付けた電力によって電源12の充電等を行うことができる。
【0195】
また、アップサイド・ダウンの場合、充電端子43のA6ピンはプラグ100のB6ピンと接続され、充電端子43のA7ピンはプラグ100のB7ピンと接続される。したがって、電源ユニット10は、DpとDnとの2つの信号線を用いたシリアル通信、すなわち低速通信を電子機器との間で行うことができる。
【0196】
また、プラグ100は、アップサイド・ダウンの場合に、充電端子43のA6ピン及びA7ピンと接続されるピンを備えていない。すなわち、アップサイド・ダウンの場合、充電端子43のA6ピン及びA7ピンは、プラグ100におけるいずれのピンとも接続されない。したがって、
図4等に示したように充電端子43のA6ピンとB6ピンとを並列接続しても、アップサイド・ダウンの場合に、ノイズとなり得る信号が充電端子43のA6ピンを介して電源ユニット10(例えばMCU50)へ入力されることを抑制できる。同様に、充電端子43のA7ピンとB7ピンとを並列接続しても、アップサイド・ダウンの場合に、ノイズとなり得る信号が充電端子43のA7ピンを介して電源ユニット10(例えばMCU50)へ入力されることを抑制できる。
【0197】
また、アップサイド・ダウンの場合、充電端子43のA5ピンはプラグ100のB5ピンと接続される。したがって、電子機器あるいは電源ユニット10は、充電端子43のA5ピンとプラグ100のB5ピンとを介したCC信号の通信により、プラグ100がアップサイド・ダウンの向きで充電端子43に挿入されていることを検出できる。
【0198】
また、アップサイド・ダウンの場合、充電端子43のB5ピンはプラグ100のA5ピンと接続される。したがって、電源ユニット10は、プラグ100のA5ピンを介して供給されるVconn電源を、充電端子43のB5ピンにより受け付けることができる。
【0199】
また、アップサイド・ダウンの場合、充電端子43のA8ピンはプラグ100のB8ピンと接続され、充電端子43のB8ピンはプラグ100のA8ピンと接続される。しかしながら、上述したように、充電端子43のA8ピン及びB8ピンは、電源ユニット10の電気回路(例えば回路基板60の電気回路)に接続されていない。したがって、プラグ100のA8ピン及びB8ピンから出力される補助信号(例えばSBU1の信号やSBU2の信号)が、電源ユニット10に入力されることはない。
【0200】
また、充電端子43は、アップサイド・ダウンの場合にも、プラグ100のA2ピン、A3ピン、A10ピン、A11ピン、B2ピン、B3ピン、B10ピン及びB11ピンと接続されるピンを備えていない。すなわち、アップサイド・ダウンの場合も、プラグ100のA2ピン、A3ピン、A10ピン、A11ピン、B2ピン、B3ピン、B10ピン及びB11ピンは、充電端子43におけるいずれのピンとも接続されない。したがって、アップサイド・ダウンの場合も、プラグ100のA2ピン、A3ピン、A10ピン、A11ピン、B2ピン、B3ピン、B10ピン及びB11ピン等を用いた高速通信用の信号が、電源ユニット10に入力されることはない。
【0201】
以上説明したように、充電端子43は、プラグ100が備える複数のピンのうち一部のピンのみへ接続可能なピンを備える。具体的には、充電端子43は、プラグ100のA1ピン、A4ピン、A5ピン、A6ピン、A7ピン、A8ピン、A9ピン、A12ピン、B1ピン、B4ピン、B5ピン、B8ピン、B9ピン及びB12ピンのそれぞれへ接続されるピンを備える一方で、プラグ100のA2ピン、A3ピン、A10ピン、A11ピン、B2ピン、B3ピン、B10ピン、及びB11ピンのそれぞれへ接続されるピンを備えない。
【0202】
仮に、プラグ100が備える各ピンのそれぞれへ接続されるピンを充電端子43が備えるように構成したとする。このようにした場合、充電端子43に多数のピンが必要になるとともに、充電端子43の各ピンと電源ユニット10の電気回路(例えば回路基板60の電気回路)とを接続するための配線(特にグランドライン60N)も多くなる。したがって、充電端子43や回路基板60の電気回路の構成が複雑になり、充電端子43の実装面積が大型化したり、電源ユニット10(すなわちエアロゾル吸引器1)の製造コストが増加したりすることが想定される。なお、ここで、充電端子43の実装面積とは、充電端子43を回路基板60に実装するために必要な面積であって、例えば、充電端子43自体を回路基板60上に実装するために必要な面積と、充電端子43の各ピンを回路基板60の電気回路に接続する配線部分の面積とを含む面積である。そして、充電端子43の実装面積の大型化は、電源ユニット10の大型化、ひいてはエアロゾル吸引器1の大型化につながる。
【0203】
そこで、本実施形態では、充電端子43が、プラグ100の一部のピンのみへ接続されるピンを備えるようにした。これにより、充電端子43や回路基板60の電気回路の構成が複雑になることを抑制して、充電端子43の実装面積の小型化を図ることができ、電源ユニット10やエアロゾル吸引器1の小型化を実現可能とする。また、充電端子43や回路基板60の電気回路の構成が複雑になることを抑制することで、電源ユニット10(すなわちエアロゾル吸引器1)の製造コストの削減も図れる。
【0204】
より詳細には、充電端子43は、プラグ100が備える電力線に対応するピンであるA4ピン、A9ピン、B4ピン及びB9ピンへ接続されるピンを備える。これにより、電源ユニット10は、プラグ100から電力の供給を充電端子43によって受け付けることができ、受け付けた電力による電源12の充電を行える。すなわち、充電端子43は、現状の電源ユニット10において必要な機能を実現するためのピンを備えるので、このようなピンを削減することによるユーザの利便性の低下を抑制できる。
【0205】
その一方で、プラグ100が備えるピンのうち高速信号線に対応するピンや補助信号線に対応するピンにより通信される信号は、少なくとも現状の電源ユニット10において利用される可能性は低い。したがって、プラグ100における高速信号線に対応するピンや補助信号線に対応するピンへ接続されるピンを充電端子43が備えないようにすることで、少なくとも現状の電源ユニット10にとっては過剰となる機能を実現するためのピンを削減できる。これにより、充電端子43の実装面積を適切に小型化できる。
【0206】
特に、プラグ100の高速信号線に対応するピンは、多数のピンにより構成される。したがって、プラグ100における高速信号線に対応するピンへ接続されるピンを充電端子43が備えないようにすることで、その分、充電端子43のピン及び充電端子43のピンと回路基板60の電気回路とを接続する配線を削減できる。したがって、充電端子43の実装面積の小型化を一層と図ることができ、電源ユニット10やエアロゾル吸引器1の小型化や製造コストの削減を実現可能とする。
【0207】
その一方で、プラグ100の低速信号線に対応するピンは、高速信号線に対応するピンよりも少ないピンにより構成される。したがって、プラグ100における低速信号線に対応するピンへ接続されるピンを充電端子43が備えることで、少ないピン及び配線により、電源ユニット10と電子機器との通信を実現できる。すなわち、充電端子43の実装面積の大型化を抑制しながら、現状の電源ユニット10において必要な機能(例えば利用される可能性がある機能)を電源ユニット10が有するように構成することができ、ユーザの利便性の向上を図ることができる。より詳細には、例えば、電源ユニット10は、低速通信により電子機器から新しいファームウェアを受信して、ファームウェアのアップデートを行うことが可能となる。これにより、電源ユニット10の性能向上や動作の安定化を図ることができ、ユーザの利便性を向上させ、エアロゾル吸引器1に対するユーザの満足度を向上できる。
【0208】
また、プラグ100の低速信号線に対応するピンへ接続され得る充電端子43のA6ピン及びB6ピンは回路基板60において並列接続されており、並列接続されたA6ピン及びB6ピンに対してバリスタVR2が並列接続されている。これにより、充電端子43のA6ピン及びB6ピンのそれぞれに個別に保護素子を接続するようにした場合に比べて、少ない保護素子によって、これらのピンを介して入力され得るノイズ(例えば静電気)から電源ユニット10のシステム(例えばMCU50)を保護することができる。すなわち、電源ユニット10のシステムを適切に保護しつつも、保護素子の数を削減して電源ユニット10やエアロゾル吸引器1の小型化や製造コストの削減を実現可能とする。
【0209】
また、同様に、プラグ100の低速信号線に対応するピンへ接続され得る充電端子43のA7ピン及びB7ピンも回路基板60において並列接続されており、並列接続されたA7ピン及びB7ピンに対してバリスタVR3が並列接続されている。したがって、電源ユニット10のシステムを適切に保護しつつも、保護素子の数を削減して電源ユニット10やエアロゾル吸引器1の小型化や製造コストの削減を実現可能とする。
【0210】
また、充電端子43は、回路基板60の電気回路、すなわち回路基板60に実装された他の素子と接続されていないA8ピンやB8ピンを備える。これにより、エアロゾル吸引器1の将来的な機能の拡張を考慮して、プラグ100のA8ピンやB8ピンと接続され得るA8ピンやB8ピンを残しつつも、現状ではこれらのピンを他の素子へ接続するための配線を削減できるので、充電端子43の実装面積の小型化を図ることができ、電源ユニット10やエアロゾル吸引器1の小型化や製造コストの削減を実現可能とする。
【0211】
以上に説明したように充電端子43の実装面積を小型化することにより、回路基板60自体も小型化することができるので、
図2に示したように、回路基板60を略L字形状に形成することが可能となる。そして、回路基板60を略L字形状に形成することにより、上述したように、一般的な成人の手中におさまるエアロゾル吸引器1、すなわちユーザが把持しやすいエアロゾル吸引器1を実現できる。以下、本実施形態の回路基板60の具体的な一例について、
図2及び
図7~
図10を参照しながら説明する。なお、
図7~
図10は、回路基板60における回路構成の要部のみを開示したものである点に留意されたい。
【0212】
(回路基板)
図2に示すように、回路基板60は、第1面71と、第1面71の裏側に位置する第2面72と、を有する。第1面71及び第2面72は、左右方向に対して略垂直な面となっている。そして、第1面71が回路基板60の右面を構成し、第2面72が回路基板60の左面を構成する。そして、第2面72は、電源12と対向する、及び/又は、第2面72は、第1面71よりも電源12の近くに配置される。本実施形態では、第2面72は、電源12と対向する。
【0213】
回路基板60の右面を構成する第1面71、及び回路基板60の左面を構成する第2面72には、複数の素子が実装される。
【0214】
図7~
図10に示すように、回路基板60はさらに、グランド層73と電源層74と、を有し、グランド層73と電源層74とは、第1面71と第2面72との間に設けられている。すなわち、本実施形態では、回路基板60は、第1面71とグランド層73と電源層74と第2面72とが積層されて構成される、4層の多層基板となっている。本実施形態では、回路基板60は、第1面71、グランド層73、電源層74、及び第2面72が、右からこの順に積層されて構成されている。本実施形態に代えて、第1面71、グランド層73、電源層74、及び第2面72の少なくとも1つを多層化することで、回路基板60を5層以上の多層基板としてもよい。また、第1面71、グランド層73、電源層74、及び第2面72を2以上のグループに分け、同一のグループの中のみで積層するようにしてもよい。なお、このようにした場合、回路基板60は物理的には2以上に分かれるものの、第1面71、グランド層73、電源層74、及び第2面72の左右方向における並ぶ順序は変わっていない点に留意されたい。
【0215】
回路基板60は、複数の素子が実装される第1面71及び第2面72に対して略垂直な左右方向から見て、全体が略L字状となっている。詳細には、回路基板60は、左右方向から見て、略四角形状の連結部分600と、連結部分600の前端面から前方に延びる第1部分601と、連結部分600の上端面から上方に延びる第2部分602と、を有する。第1面71と、グランド層73と、電源層74と、第2面72とは、略同形状であり、左右方向から見て、略L字状となっている。詳細には、第1面71は、左右方向から見て、略四角形状の連結部分710と、連結部分710の前端部から前方に延びる第1部分711と、連結部分710の上端面から上方に延びる第2部分712と、を有する。第2面72は、左右方向から見て、略四角形状の連結部分720と、連結部分720の前端部から前方に延びる第1部分721と、連結部分720の上端面から上方に延びる第2部分722と、を有する。グランド層73は、左右方向から見て、略四角形状の連結部分730と、連結部分730の前端部から前方に延びる第1部分731と、連結部分730の上端面から上方に延びる第2部分732と、を有する。電源層74は、左右方向から見て、略四角形状の連結部分740と、連結部分740の前端部から前方に延びる第1部分741と、連結部分740の上端面から上方に延びる第2部分742と、を有する。回路基板60の連結部分600は、第1面71、グランド層73、電源層74、及び第2面72それぞれの連結部分710、720、730、740によって形成されている。回路基板60の第1部分601は、第1面71、グランド層73、電源層74、及び第2面72それぞれの第1部分711、721、731、741によって形成されている。第2部分602は、第1面71、グランド層73、電源層74、及び第2面72それぞれの第2部分712、722、732、742によって形成されている。
【0216】
図7に示すように、回路基板60の第1面71には、ディスプレイドライバ65と、第2DC/DCコンバータ64と、MCU50と、充電IC55と、LDOレギュレータ62と、保護IC61と、第1DC/DCコンバータ63と、電源コネクタ81と、の各素子が実装されている。さらに、回路基板60の第1面71には、吸気センサ接続部82と、スイッチ接続部83と、バイブレータ接続部84と、が形成されている。
【0217】
ディスプレイドライバ65は、第2部分712の上下方向中央よりも上方に実装されている。回路基板60の上方には、OLEDパネル46が配置されており、ディスプレイドライバ65とOLEDパネル46とは、電源ライン60Hによって接続されている。
【0218】
第2DC/DCコンバータ64は、第2部分712の上下方向の中央よりもやや上方で、ディスプレイドライバ65の前下方に実装されている。
【0219】
MCU50は、第2部分712の下端部及び連結部分710の上端部に跨る位置に実装されている。
【0220】
充電IC55は、第1部分711の後端部に実装されている。
【0221】
このように、充電IC55は、電源12と対向する、及び/又は、電源12の近くに配置される第2面72の裏側に位置する第1面71に実装される。これにより、電源12の充電中に充電IC55から発生する熱によって電源12が加熱されることを抑制できる。
【0222】
LDOレギュレータ62は、連結部分710の上下方向略中央部分で、前後方向においてMCU50と充電IC55との間に実装されている。
【0223】
このように、LDOレギュレータ62は、電源12と対向する、及び/又は、電源12の近くに配置される第2面72の裏側に位置する第1面71に実装される。これにより、電源12の充電中にLDOレギュレータ62から発生する熱によって電源12が加熱されることを抑制できる。
【0224】
保護IC61は、充電IC55及びLDOレギュレータ62よりも下方で、連結部分710及び第1部分711に跨がる位置に実装されている。
【0225】
第1DC/DCコンバータ63は、第1部分711の前上端部に実装されている。
【0226】
このように、第1DC/DCコンバータ63は、電源12と対向する、及び/又は、電源12の近くに配置される第2面72の裏側に位置する第1面71に実装されるので、第1DC/DCコンバータ63の機能時に発生する熱によって電源12が加熱されることを抑制できる。
【0227】
電源コネクタ81は、回路基板60を電源12と電気的に接続するためのコネクタであり、第1DC/DCコンバータ63の下方で、第1部分711の下端部に実装されている。電源コネクタ81には、電源12と接続する電力線が接続される。また、電源コネクタ81と充電IC55は、回路基板60において充電端子43が実装される位置から見て左右の一方(本実施形態では右側。すなわちエアロゾル吸引器1における前方側)に実装されている。これにより、電源12を充電するための素子である電源コネクタ81と充電IC55とを集約して回路基板60に実装でき、回路基板60の小型化と充電の高効率化を図れる。
【0228】
吸気センサ接続部82は、第2部分712の前端部の上下方向略中央部分に形成されている。吸気センサ接続部82には、吸気センサ15と接続する電力線が半田付けされる。
【0229】
スイッチ接続部83は、第2部分712の後端部の上下方向略中央部分に形成されている。スイッチ接続部83には、操作部18と接続する電力線が半田付けされる。
【0230】
バイブレータ接続部84は、連結部分710の後下端部に形成されている。バイブレータ接続部84には、バイブレータ47の正極側端子47a及び負極側端子47bと接続する電力線が半田付けされる。
【0231】
したがって、第1DC/DCコンバータ63と第2DC/DCコンバータ64とは、互いに離間して回路基板60に実装される。より詳細には、第1DC/DCコンバータ63は、回路基板60の第1部分601に実装され、第2DC/DCコンバータ64は、回路基板60の第2部分602に実装される。さらに、第1DC/DCコンバータ63は回路基板60の第1部分601、第2DC/DCコンバータ64は回路基板60の第2部分602、MCU50は回路基板60の第2部分712の下端部及び連結部分710の上端部に跨る位置にそれぞれ実装されている。これにより、第1DC/DCコンバータ63と第2DC/DCコンバータ64との距離は、第1DC/DCコンバータ63とMCU50との距離よりも長く、かつ、第2DC/DCコンバータ64とMCU50との距離よりも長くなっている。なお、ここでいう「距離」とは、2つの物体を直線で結んだもののうち最短のもの(すなわち直線距離)を指す。以降の説明においても同様である。
【0232】
このように、第1DC/DCコンバータ63と第2DC/DCコンバータ64とが、互いに離間して回路基板60に実装されることによって、第1DC/DCコンバータ63及び第2DC/DCコンバータ64は、一方のDC/DCコンバータから発生する熱やスイッチングノイズが、他方のDC/DCコンバータに影響を与えることを低減できる。
【0233】
また、第1DC/DCコンバータ63及び第2DC/DCコンバータ64は、いずれも回路基板60の第1面71に実装されるので、第1DC/DCコンバータ63及び第2DC/DCコンバータ64が同一の面に配置されることによって、第1DC/DCコンバータ63及び第2DC/DCコンバータ64が実装されない第2面72を、DC/DCコンバータから発生する熱やスイッチングノイズの影響を受けにくい構成とすることができる。
【0234】
図10に示すように、回路基板60の第2面72には、LED70と、放電端子41と、パワーモジュール85と、充電端子43と、サーミスタTHと、が実装されている。
【0235】
LED70は、第2部分722の後端部の上下方向略中央部分に実装されている。
【0236】
放電端子41は、第1部分721の上端部から上方に突出するように実装されている。放電端子41は、ばねが内蔵されたピン等であり、第1カートリッジ20の負荷21に接続し、電源12の電力が放電端子41から負荷21に供給される。
【0237】
パワーモジュール85は、放電端子41の下方で第1部分721に実装されている。パワーモジュール85は、スイッチSW4と、コンデンサCD10と、バリスタVR4とを含んで構成されている。また、パワーモジュール85は、スイッチSW4を含むものの、コンデンサCD10とバリスタVR4を含まずに構成されてもよい。この場合、コンデンサCD10とバリスタVR4は、放電端子41とパワーモジュール85の間に設けられればよい。
【0238】
充電端子43は、前後方向において連結部分720及び第1部分721に跨がる位置で、第2面72の下端部から下方に突出するように実装されている。
【0239】
さらに、左右方向から見て、第2面72の裏側に位置する第1面71において、保護IC61は、少なくとも一部が、第2面72に実装された充電端子43と重なる領域に実装されている(
図7参照)。
【0240】
これにより、回路基板60に素子を高密度に実装でき、回路基板60をより一層小型化できる。
【0241】
サーミスタTHは、連結部分720の後側かつ下側の領域に実装されている。したがって、サーミスタTHは、第2面72全体の後下端部に実装されている。
【0242】
サーミスタTHは、電源12と対向する、及び/又は、第1面71よりも電源12の近くに配置される第2面72に実装されるので、サーミスタTHを、電源12と対向するように及び/又は、電源12の近くに配置できる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0243】
第2面72には、サーミスタTHと抵抗器R9によってサーミスタ回路C2が形成されている。抵抗器R9は、サーミスタTHの前方で第2面72に実装されている。サーミスタTHは、抵抗器R9から離間して配置されており、抵抗器R9からサーミスタTHまでの直線距離よりも、抵抗器R9からの直線距離が短い位置に、複数の素子の少なくとも1つが実装されている。本実施形態では、抵抗器R9からサーミスタTHまでの直線距離よりも、抵抗器R9からの直線距離が短い位置に、スイッチSW2が実装されている。
【0244】
このように、サーミスタTHは、抵抗器R9から離間して第2面72に実装されるので、サーミスタTHは、抵抗器R9から発生する熱の影響を受けにくくなる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0245】
また、MCU50が実装される第1面71とは異なる第2面72にサーミスタTHが実装されるので、サーミスタTHは、MCU50から発生する熱の影響を受けにくくなる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0246】
また、第1DC/DCコンバータ63は、サーミスタTHが実装される第2面72とは異なる第1面71に実装されるので、サーミスタTHは、第1DC/DCコンバータ63から発生する熱の影響を受けにくくなる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0247】
また、LDOレギュレータ62は、サーミスタTHが実装される第2面72とは異なる第1面71に実装されるので、サーミスタTHは、LDOレギュレータ62から発生する熱の影響を受けにくくなる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0248】
また、充電IC55は、サーミスタTHが実装される第2面72とは異なる第1面71に実装されるので、サーミスタTHは、充電IC55から発生する熱の影響を受けにくくなる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0249】
また、第1DC/DCコンバータ63と、第1DC/DCコンバータ63が出力する電力を消費して機能する負荷21に接続される放電端子41とが、いずれも回路基板60の第1部分601に実装される。さらに、第2DC/DCコンバータ64と、第2DC/DCコンバータ64が出力する電力を消費して機能するOLEDパネル46に接続されるディスプレイドライバ65とが、いずれも回路基板60の第2部分602に実装される。
【0250】
なお、放電端子41は、必ずしも回路基板60の第1部分601に実装される必要はない。例えば、放電端子41は、回路基板60における第1部分601以外の部分に実装され、第1部分601に実装された素子に接続されるようにしてもよい。また、ディスプレイドライバ65についても、必ずしも回路基板60の第2部分602に実装される必要はない。例えば、ディスプレイドライバ65は、回路基板60における第2部分602以外の部分に実装され、第2部分602に実装された素子に接続されるようにしてもよい。
【0251】
このように、放電端子41が回路基板60における第1部分601に実装又は接続され、ディスプレイドライバ65が回路基板60における第2部分602に実装又は接続されるので、放電端子41を第1DC/DCコンバータ63と近接して配置し、ディスプレイドライバ65を第2DC/DCコンバータ64と近接して配置することができる。したがって、第1DC/DCコンバータ63によって昇圧された電力を負荷21に供給する経路を短くすることができ、第2DC/DCコンバータ64によって昇圧された電力をOLEDパネル46に供給する経路を短くすることができる。これにより、第1DC/DCコンバータ63及び第2DC/DCコンバータ64によって昇圧された電力の損失を低減することができる。そして、第1DC/DCコンバータ63及び第2DC/DCコンバータ64によって昇圧された電力の損失による他の素子への影響を抑制でき、また、1回の充電で生成可能なエアロゾルの量の低下を抑制できる。
【0252】
また、第1DC/DCコンバータ63は第1面71に実装され、パワーモジュール85は第2面72に実装される。このように、第1DC/DCコンバータ63とパワーモジュール85とは、回路基板60の異なる面に実装されるので、負荷21への電力供給時に、第1DC/DCコンバータ63から発生する熱とパワーモジュール85から発生する熱とが集中することを抑制できる。
【0253】
また、パワーモジュール85と放電端子41とは、いずれも第2面72の第1部分721に実装されるので、互いに近接して実装される。これにより、電源ライン60Fのうちの、パワーモジュール85と放電端子41とを電気的に接続する部分の長さを短くすることができ、パワーモジュール85と放電端子41との間における電力損失を低減できる。また、電源ライン60Fのうちの、パワーモジュール85と放電端子41とを電気的に接続する部分には、パルス状の電流が流れる。したがって、電源ライン60Fのうちの、パワーモジュール85と放電端子41とを電気的に接続する部分の長さを短くすることによって、このパルス状の電流による他の素子への影響を抑制できる。
【0254】
また、左右方向から見て、第2面72の裏側に位置する第1面71において、第2面72に実装されたサーミスタTHと重なる領域には、どの素子も実装されない。
【0255】
したがって、サーミスタTHは、第2面72の裏側に位置する第1面71に実装される各素子から発生する熱の影響を受けにくくなる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0256】
第2面72は、多数の素子が実装され、実装される素子の実装密度が高い高密度領域72Aと、実装される素子の実装密度が高密度領域72Aよりも疎な低密度領域72Bと、を有する。本実施形態では、第1部分721、連結部分720の上側の領域、及び連結部分720と第1部分721との連結部分720の上下方向中央付近の領域が、高密度領域72Aとなっている。本実施形態では、サーミスタTHは、実装される素子の実装密度が高密度領域72Aよりも疎な低密度領域72Bの1つである連結部分720の後側かつ下側の領域に実装されている。本実施形態では、連結部分720の後側かつ下側の領域の他に、第2部分722の下側の領域、及び第2部分722の後側かつ上側の領域が、低密度領域72Bとなっている。
【0257】
したがって、サーミスタTHは、実装される素子の実装密度が疎な領域に実装されるので、回路基板60に実装される他の素子から発生する熱の影響を受けにくくなる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0258】
図8に示すように、回路基板60のグランド層73には、グランドライン60Nが形成されている。本実施形態では、グランドライン60Nは、回路基板60のグランド層73に成膜された導電性の薄膜であり、回路基板60の基準電位を有する。
【0259】
グランドライン60Nは、左右方向から見て、第2面72に実装されたサーミスタTHと重なる領域には形成されていない。したがって、サーミスタTHは、グランドライン60Nから発生する熱の影響を受けにくくなる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0260】
グランドライン60Nは、左右方向から見て、第2面72に実装されたサーミスタTHと重なる領域を含む、グランド層73の後下端の領域には形成されていない。換言すると、グランドライン60Nは、左右方向から見て、グランド層73の後下端の領域を切り欠いた形状となっている。よって、グランドライン60Nは、左右方向から見て、サーミスタTHと重なる領域には形成されておらず、かつ、サーミスタTHを包囲しないように形成されている。したがって、サーミスタTHは、グランドライン60Nから発生する熱の影響をより受けにくくなる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0261】
図9に示すように、回路基板60の電源層74には、回路基板60に実装された各素子に電力を供給する電力供給経路743が形成されている。電力供給経路743は、電源ライン60A、60B、60C、60D、60E、60G等から構成される。電力供給経路743は、回路基板60の電源層74に印刷等によって形成された導体の回路配線である。
【0262】
電力供給経路743は、左右方向から見て、第2面72に実装されたサーミスタTHと重なる領域には形成されていない。したがって、サーミスタTHは、電力供給経路743から発生する熱の影響を受けにくくなる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0263】
電力供給経路743は、左右方向から見て、第2面72に実装されたサーミスタTHと重なる領域を含む、電源層74の後下端の領域には形成されていない。さらに、電力供給経路743は、左右方向から見て、サーミスタTHを包囲しないように形成されている。したがって、サーミスタTHは、電力供給経路743から発生する熱の影響をより受けにくくなる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0264】
このように、グランド層73のグランドライン60N及び電源層74の電力供給経路743はいずれも、左右方向から見て、第2面72に実装されたサーミスタTHと重なる領域には形成されていない。したがって、サーミスタTHは、グランドライン60N及び電力供給経路743の双方から発生する熱の影響を受けにくくなる。これにより、サーミスタTHによって、より正確に電源12の温度を検出できる。
【0265】
図2に戻って、内部ホルダ13は、回路基板60を隔壁13dの右側に保持し、電源12を隔壁13dの左側に保持する。このように、回路基板60及び電源12は、いずれも内部ホルダ13に保持されるので、サーミスタTHを電源12の温度を検出するのに適した位置に維持することができる。
【0266】
なお、内部ホルダ13は、回路基板60の一部のみを隔壁13dの右側に保持し、電源12の一部のみを隔壁13dの左側に保持してもよい。より具体的には、内部ホルダ13は、サーミスタTHの左右方向において、サーミスタTHに対向する電源12の位置が内部ホルダ13から露出するように、回路基板60と電源12とを保持するようにしてもよい。このようにすれば、電源12の温度が隔壁13dを介さずにサーミスタTHに伝わるため、サーミスタTHによって、より正確かつ高速に電源12の温度を検出できる。
【0267】
上述したように、本実施形態においては、電源コネクタ81とMCU50と充電IC55と充電端子43とのうち、電源コネクタ81、MCU50及び充電IC55は回路基板60の第1面71に実装されており、充電端子43は回路基板60の第2面72に実装されている。このように、電源12を充電するための充電端子43や素子を回路基板60における第1面71と第2面72との両面に分散して実装することで、電源12を充電する際にこれらが発生させる熱を分散できる。なお、本実施形態で説明した例に限らず、電源12を充電するための充電端子43や素子を第1面71と第2面72との両面に分けて実装すれば、電源12を充電する際にこれらが発生させる熱を分散できる。すなわち、例えば、電源コネクタ81とMCU50と充電IC55と充電端子43とのうち、MCU50及び充電IC55を第1面71に実装し、電源コネクタ81及び充電端子43を第2面72に実装するようにしてもよい。
【0268】
以上に説明したように、本実施形態の電源ユニット10によれば、プラグ100の一部のピンのみへ接続されるピンを充電端子43が備えるようにすることで、充電端子43や電源ユニット10を簡易な構成とすることができ、充電端子43の実装面積を小型化でき、電源ユニット10の小型化や製造コストの削減を図ることができる。
【0269】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
【0270】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0271】
(1) エアロゾル源(エアロゾル源22)を加熱するヒータ(負荷21)へ電力を供給可能な電源(電源12)と、
複数のピンを備えるプラグ(プラグ100)を挿入可能に構成され、挿入された前記プラグから前記電源を充電する電力を受け付けるレセプタクル(充電端子43)と、
前記レセプタクルが受け付けた電力による前記電源の充電を制御するように構成される充電器(充電IC55)と、
を備えるエアロゾル生成装置(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
前記レセプタクルは、前記複数のピンのうちの一部のピンのみへ接続可能なピンを備える、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0272】
(1)によれば、レセプタクルが、プラグが備えるピンのうちの一部のピンのみへ接続可能なピンを備えるので、レセプタクルや電源ユニットの電気回路の構成が複雑になることを抑制して、レセプタクルの実装面積の小型化を図ることができ、電源ユニットの小型化、ひいてはエアロゾル生成装置の小型化を実現できる。また、普及したプラグを挿入できるようにレセプタクルを構成すれば、電源ユニット(すなわちエアロゾル生成装置)をさまざまな箇所(場所)で充電することを容易にし、電源ユニットを充電できる機会を担保することができる。
【0273】
(2) (1)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記レセプタクルは、前記プラグが備える電力線のピンへ接続可能なピン(A4ピン、A9ピン、B4ピン、B9ピン)を備えるとともに、前記プラグが備える複数の信号線のうちの第1信号線のピンへ接続不能に構成される、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0274】
(2)によれば、レセプタクルが、プラグが備える複数の信号線のうちの第1信号線のピンへ接続不能に構成されるので、電源ユニットにおいて過剰となり得る機能を実現するためのピンや配線を削減でき、レセプタクルの実装面積を適切に小型化できる。
【0275】
(3) (2)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記レセプタクルは、前記複数の信号線のうちの第2信号線のピンへ接続可能なピン(A6ピン、A7ピン、B6ピン、B7ピン)を備え、
前記第2信号線は、前記第1信号線よりも低速な通信に用いられる信号線である、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0276】
(3)によれば、レセプタクルが、第1信号線よりも低速な通信に用いられるためエアロゾル生成装置に好適な第2信号線のピンへ接続可能なピンを備えるので、電源ユニットにおいて必要な機能を電源ユニットが有するように構成でき、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0277】
(4) (3)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記レセプタクルが実装される回路基板(回路基板60)を備え、
前記レセプタクルは、
第1角度(アップサイド・アップの向き)にある前記プラグと、前記第1角度からローリング方向に180度回転させた第2角度(アップサイド・ダウンの向き)にある前記プラグと、を挿入可能に構成されるとともに、
前記第1角度で挿入された前記プラグの前記第2信号線のピンへ接続可能な第1ピン(A6ピン、A7ピン)と、
前記第2角度で挿入された前記プラグの前記第2信号線のピンへ接続可能な第2ピン(B6ピン、B7ピン)と、
を備え、
前記回路基板は、
前記第1ピン及び前記第2ピンを並列接続し、
並列接続された前記第1ピン及び前記第2ピンに対して並列接続される保護素子(バリスタVR2、VR3)を備える、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0278】
(4)によれば、回路基板において、並列接続された第1ピン及び第2ピンに対して保護素子が並列接続されているので、第1ピン及び第2ピンのそれぞれに個別に保護素子を接続するようにした場合に比べて、少ない保護素子によって、これらのピンを介して入力され得るノイズから電源ユニットのシステムを保護することができる。すなわち、電源ユニットのシステムを適切に保護しつつも、保護素子の数を削減して電源ユニットやエアロゾル生成装置の小型化や製造コストの削減を実現可能とする。
【0279】
(5) (1)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記レセプタクルが実装される回路基板(回路基板60)を備え、
前記レセプタクルは、前記プラグが備える複数の信号線のうちの一部の信号線のピンへ接続可能なピン(A8ピン、B8ピン)を備え、
前記一部の信号線のピンへ接続可能なピンは、前記回路基板に実装される他の素子と接続されない、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0280】
(5)によれば、エアロゾル生成装置の将来的な機能の拡張を考慮してプラグの一部の信号線のピンへ接続可能なピンを残しつつも、レセプタクルの実装面積の小型化を図ることができる。
【0281】
(6) (1)~(5)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記レセプタクルが実装される第1面(第1面71)と、前記第1面の裏面であり又は前記第1面の裏側に位置し且つ素子(保護IC61)が実装される第2面(第2面72)と、を有する回路基板を備える、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0282】
(6)によれば、回路基板における第1面及び第2面の両面を用いてレセプタクルや素子を実装できるため、回路基板の小型化を図れる。
【0283】
(7) (6)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記素子は、前記レセプタクルが実装される前記第1面の箇所の鉛直方向裏側に位置する前記第2面の箇所に実装される、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0284】
(7)によれば、レセプタクルが小面積で実装できることで、レセプタクルが実装される第1面の箇所の鉛直方向裏側に位置する第2面の箇所に素子が実装されるため、回路基板の小型化を図れる。
【0285】
(8) (1)~(7)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記レセプタクルが実装され、且つ、少なくとも一部がL字形状の回路基板(回路基板60)を備える、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0286】
(8)によれば、L字形状を有する回路基板の切り欠き部に他の部品を配置することが可能となるので、電源ユニットの小型化を図れる。
【0287】
(9) (8)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記電源と、前記レセプタクルと、前記充電器と、前記回路基板を収容するケース(電源ユニットケース11)を備え、
前記ケースは、前記L字形状の回路基板の切り欠き部分に、前記ヒータと前記エアロゾル源を収容可能である、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0288】
(9)によれば、電源や回路基板等を収容するケースが、L字形状の回路基板の切り欠き部分に、ヒータとエアロゾル源を収容可能であるので、エアロゾル生成装置の小型化を図れる。
【0289】
(10) (8)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記電源と前記回路基板とを電気的に接続するコネクタ(電源コネクタ81)と、
コントローラ(MCU50)と、
を備え、
前記回路基板は、第1面(第1面71)と、前記第1面の裏面である又は前記第1面の裏側に位置する第2面(第2面72)と、を有し、
前記コネクタと前記コントローラと前記充電器と前記レセプタクルとのうちの一部は、前記第1面に実装され、
前記コネクタと前記コントローラと前記充電器と前記レセプタクルとのうちの残余は、前記第2面に実装される、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0290】
(10)によれば、電源を充電するためのレセプタクルや素子が第1面と第2面との両面に分散して実装されるため、電源を充電する際にこれらが発生させる熱を分散できる。
【0291】
(11) (8)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記電源と前記回路基板とを電気的に接続するコネクタ(電源コネクタ81)を備え、
前記コネクタと前記充電器とは、前記回路基板において前記レセプタクルが実装される位置から見て左右の一方に実装される、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
【0292】
(11)によれば、コネクタと充電器を集約して回路基板に実装できるので、回路基板の小型化と充電の高効率化を図れる。
【符号の説明】
【0293】
1 エアロゾル吸引器(エアロゾル生成装置)
10 電源ユニット
12 電源
21 負荷(ヒータ)
50 MCU(コントローラ)
55 充電IC(充電器)
60 回路基板
61 保護IC(素子)
71 第1面
72 第2面
81 電源コネクタ(コネクタ)
【手続補正書】
【提出日】2024-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル吸引器であって、
全体が略L字形状になるように、短尺部分と、長尺部分と、前記短尺部分及び前記長尺部分が連結される連結部分と、を有する略L字形状の回路基板と、
前記回路基板の切り欠き部分に配置され、エアロゾル源を霧化する誘導加熱式のヒータと、
前記連結部分に実装される第1電子部品と、
前記短尺部分に実装される第2電子部品と、
前記長尺部分に実装される第3電子部品と、
前記ヒータの加熱を制御するように構成され、且つ、前記第1電子部品と前記第2電子部品と前記第3電子部品へ電気的にそれぞれ接続されるピンを備えたMCUと、を備え、
前記MCUの一部は、前記連結部分に実装される、
エアロゾル吸引器。
【請求項2】
請求項1に記載のエアロゾル吸引器であって、
前記MCUは、前記長尺部分及び前記連結部分に亘って実装される、
エアロゾル吸引器。
【請求項3】
請求項2に記載のエアロゾル吸引器であって、
前記MCUのうち前記長尺部分に実装される面積は、前記MCUのうち前記連結部分に実装される面積より小さい、
エアロゾル吸引器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のエアロゾル吸引器であって、
前記回路基板は、実装された各素子に電力を供給する電力供給経路が形成された電源層を内部に有する、
エアロゾル吸引器。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
しかしながら、従来技術にあっては、エアロゾル吸引器を小型化する観点から改善の余地があった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明は、小型化を実現可能なエアロゾル吸引器を提供する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、
エアロゾル吸引器であって、
全体が略L字形状になるように、短尺部分と、長尺部分と、前記短尺部分及び前記長尺部分が連結される連結部分と、を有する略L字形状の回路基板と、
前記回路基板の切り欠き部分に配置され、エアロゾル源を霧化する誘導加熱式のヒータと、
前記連結部分に実装される第1電子部品と、
前記短尺部分に実装される第2電子部品と、
前記長尺部分に実装される第3電子部品と、
前記ヒータの加熱を制御するように構成され、且つ、前記第1電子部品と前記第2電子部品と前記第3電子部品へ電気的にそれぞれ接続されるピンを備えたMCUと、を備え、
前記MCUの一部は、前記連結部分に実装される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明によれば、小型化を実現可能なエアロゾル吸引器を提供できる。