(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152916
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】組電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/503 20210101AFI20241018BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20241018BHJP
H01M 50/188 20210101ALI20241018BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20241018BHJP
H01M 50/553 20210101ALI20241018BHJP
【FI】
H01M50/503
H01M50/505
H01M50/188
H01M50/55 101
H01M50/553
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024139963
(22)【出願日】2024-08-21
(62)【分割の表示】P 2023503357の分割
【原出願日】2021-09-27
(31)【優先権主張番号】P 2021031787
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】505083999
【氏名又は名称】ビークルエナジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 洋昭
(72)【発明者】
【氏名】會澤 康幸
(57)【要約】
【課題】ガスケットへの熱影響を少なくしながら、端子とバスバを効率よく接合すること。
【解決手段】組電池は、充放電体が収容された容器と、前記容器の一面に設けられた電極端子と、前記容器と前記電極端子との間に設けられ前記容器と前記電極端子との間を封止する封止部材と、を備えた複数の電池と、異なる前記電池の前記電極端子にそれぞれ接合されるバスバと、を有し、前記バスバは、前記電極端子の上面の少なくとも一部を露出させるバスバ孔を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電体が収容された容器と、前記容器の一面に設けられた電極端子と、前記容器と前記電極端子との間に設けられ前記容器と前記電極端子との間を封止する封止部材と、を備えた複数の電池と、
異なる前記電池の前記電極端子にそれぞれ接合されるバスバと、を有し、
前記バスバは、前記電極端子の上面の少なくとも一部を露出させるバスバ孔を備える、
組電池。
【請求項2】
前記バスバ孔により露出された電極端子の上面は平坦であることを特徴とする請求項1に記載の組電池。
【請求項3】
前記電極端子の上面は凸部を有し、前記バスバ孔は前記凸部の周囲の全部または一部を囲うように設けられたことを特徴とする請求項1に記載の組電池。
【請求項4】
前記バスバ孔により露出された電極端子の上面は、プローブ接触面であることを特徴とする請求項1に記載の組電池。
【請求項5】
前記バスバ孔は、円形または楕円形であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の組電池。
【請求項6】
前記バスバ孔は、切り欠きを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の組電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特許第6392447号(特許文献1)がある。この公報には、「寸法誤差のある電池バスバを使用しながら、バスバを安定して確実に電極端子にレーザ溶接して、電池セルを低抵抗な状態で電気接続できる特徴がある。それは、以上のバッテリシステムが、バスバに電極端子の突出部を案内する切欠部を設けて、この切欠部と突出部との間に電極端子の溶接面を露出させる露出隙間を設け、バスバは切欠部の内縁側を隅肉溶接部で溶接面に溶接して、電極端子の溶接面との対抗面を貫通溶接部での溶接面に溶接して、隅肉溶接部と貫通溶接部の両方でもって所定の溶接幅で電極端子に溶接しているからである。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、端子溶接面とバスバ切欠部とをレーザにより隅肉溶接、貫通溶接で接合する方法を開示する。この特許文献1が開示する方法は、端子の突起部をレーザ照射の基準として可能な限り広い面積を溶接するものである。しかし、この方法では、貫通溶接により端子が溶融する範囲が多く、レーザによるガスケット(封止部材)への入熱が懸念される。ガスケットは、端子と蓋材との間にシール材として設けられており、圧縮させることによる反発力でシール性を保持し密閉している。ガスケットは材質が樹脂のため、熱により限界以上の高温になると劣化により反発力が低下し、シール性が損なわれる虞がある。レーザ溶接は金属の融点以上に熱が発生するため、金属とガスケットの接続部分は溶融しないものの、金属からガスケットへの熱伝導によりガスケットが劣化する程度にまで高温になる可能性がある。
このため本発明では、ガスケットへの熱影響を少なくしながら、端子とバスバを効率よく接合する構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例をあげるならば「充放電体が収容された容器と、前記容器の一面に設けられた電極端子と、前記容器と前記電極端子との間に設けられ前記容器と前記電極端子との間を封止する封止部材と、を備えた複数の電池と、異なる前記電池の前記電極端子にそれぞれ接合されるバスバと、を有し、前記バスバは、前記電極端子の上面の少なくとも一部を露出させるバスバ孔を備える、組電池。」である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ガスケットへの熱影響を少なくしながら、端子とバスバを効率よく接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】捲回電極群の一部を展開した状態を示す分解斜視図
【
図6】実施例1の端子とバスバとの接合後の嵌合部断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施例を、図面を用いて説明する。
【実施例0009】
本実施例では、扁平捲回形二次電池100の例を説明する。
図1は、扁平捲回形二次電池の外観斜視図である。
扁平捲回形二次電池100は、電池缶1および蓋(電池蓋)6を備える。電池缶1は、相対的に面積の大きい一対の対向する幅広側面1bと相対的に面積の小さい一対の対向する幅狭側面1cとを有する側面と底面1dを有し、その上方に開口部1aを有する。
【0010】
電池缶1内には、捲回群3が収納され、電池缶1の開口部1aが電池蓋6によって封止されている。電池蓋6は略矩形平板状であって、電池缶1の上方開口部1aを塞ぐように溶接されて電池缶1が封止されている。電池蓋6には、正極外部端子14と、負極外部端子12が設けられている。正極外部端子14と負極外部端子12を介して捲回群3に充電され、また外部負荷に電力が供給される。電池蓋6には、ガス排出弁10が一体的に設けられ、電池容器内の圧力が上昇すると、ガス排出弁10が開いて内部からガスが排出され、電池容器内の圧力が低減される。これによって、扁平捲回形二次電池100の安全性が確保される。
【0011】
図2は、角形二次電池の分解斜視図である。
扁平捲回形二次電池100の電池缶1は、矩形の底面1dと、底面1dから立ち上がる角筒構造を構成する側面1b、1cと、側面1b、1cの上端で上方に向かって開放された開口部1aとを有している。電池缶1内には、絶縁保護フィルム2を介して捲回群3が収容されている。
【0012】
捲回群3は、扁平形状に捲回されているため、断面半円形状の互いに対向する一対の半円部と、これら一対の半円部の間に連続して形成される平面部とを有している。捲回群3は、捲回軸方向が電池缶1の横幅方向に沿うように、一方の半円部から電池缶1内に挿入され、他方の半円部側が上部開口側に配置される。
【0013】
捲回群3の正極箔露出部34cは、正極集電板(集電端子)44を介して電池蓋6に設けられた正極外部端子14と電気的に接続されている。また、捲回群3の負極箔露出部32cは、負極集電板(集電端子)24を介して電池蓋6に設けられた負極外部端子12と電気的に接続されている。これにより、正極集電板44および負極集電板24を介して捲回群3から外部負荷へ電力が供給され、正極集電板44および負極集電板24を介して捲回群3へ外部発電電力が供給され充電される。
【0014】
正極外部端子14と負極外部端子12、および、正極集電板44と負極集電板24、をそれぞれ電池蓋6から電気的に絶縁するために、封止部材であるガスケット5、および、絶縁板7、が電池蓋6に設けられている。また、注液口9から電池缶1内に電解液を注入した後、電池蓋6に注液栓11をレーザ溶接により接合して注液口9を封止し、扁平捲回形二次電池100を密閉する。
【0015】
ここで、正極外部端子14および正極集電板44の形成素材としては、例えばアルミニウム合金が挙げられ、負極外部端子12および負極集電板24の形成素材としては、例えば銅合金が挙げられる。また、絶縁板7およびガスケット5の形成素材としては、例えばポリブチレンテレフタレートやポリフェニレンサルファイド、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂等の絶縁性を有する樹脂材が挙げられる。
【0016】
また、電池蓋6には、電池容器内に電解液を注入するための注液口9が穿設されており、この注液口9は、電解液を電池容器内に注入した後に注液栓11によって封止される。ここで、電池容器内に注入される電解液としては、例えばエチレンカーボネート等の炭酸エステル系の有機溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等のリチウム塩が溶解された非水電解液を適用することができる。
【0017】
正極外部端子14、負極外部端子12は、バスバ等に溶接接合される溶接接合部を有している。溶接接合部は、電池蓋6から上方に突出する直方体のブロック形状を有しており、下面が電池蓋6の表面に対向し、上面が所定高さ位置で電池蓋6と平行になる構成を有している。
【0018】
正極接続部14b、負極接続部12bは、正極外部端子14、負極外部端子12の下面からそれぞれ突出して先端が電池蓋6の正極側貫通孔46、負極側貫通孔26に挿入可能な円柱形状を有している。正極接続部14b、負極接続部12bは、電池蓋6を貫通して正極集電板44、負極集電板24の正極集電板基部41、負極集電板基部21よりも電池缶1の内部側に突出しており、先端がかしめられて、正極外部端子14、負極外部端子12と、正極集電板44、負極集電板24を電池蓋6に一体に固定している。正極外部端子14、負極外部端子12と電池蓋6との間には、ガスケット5が介在されており、正極集電板44、負極集電板24と電池蓋6との間には、絶縁板7が介在されている。
【0019】
正極集電板44、負極集電板24は、電池蓋6の下面に対向して配置される矩形板状の正極集電板基部41、負極集電板基部21と、正極集電板基部41、負極集電板基部21の側端で折曲されて、電池缶1の幅広面に沿って底面側に向かって延出し、捲回群3の正極箔露出部34c、負極箔露出部32cに対向して重ね合わされた状態で接続される正極側接続端部42、負極側接続端部22を有している。正極集電板基部41、負極集電板基部21には、正極接続部、負極接続部が挿通される正極側開口孔43、負極側開口孔23がそれぞれ形成されている。
【0020】
捲回群3の扁平面に沿い、かつ、捲回群3の捲回軸方向に直交する軸を中心軸として、前記捲回群3の周囲には絶縁保護フィルム2が巻き付けられている。絶縁保護フィルム2は、例えばポリプロピレンなどの合成樹脂製の一枚のシートまたは複数のフィルム部材からなり、捲回群3の扁平面と平行な方向でかつ捲回軸方向に直交する方向を巻き付け中心として巻き付けることができる長さを有している。さらに、絶縁保護フィルム2は、電池缶1の底面1d側において捲回群3を被覆することで、捲回群3と電池缶1との接触を防止する。
【0021】
図3は、捲回電極群の一部を展開した状態を示す分解斜視図である。
捲回群3は、負極電極32と正極電極34を間にセパレータ33、35を介して扁平状に捲回することによって構成されている。捲回群3は、最外周の電極が負極電極32であり、さらにその外側にセパレータ33、35が捲回される。セパレータ33、35は、正極電極34と負極電極32との間を絶縁する役割を有している。
【0022】
負極電極32の負極合剤層32bが塗布された部分は、正極電極34の正極合剤層34bが塗布された部分よりも幅方向に大きく、これにより正極合剤層34bが塗布された部分は、必ず負極合剤層32bが塗布された部分に挟まれるように構成されている。正極箔露出部34c、負極箔露出部32cは、それぞれが平面部分で束ねられて、溶接等により接続される。尚、セパレータ33、35は幅方向で負極合剤層32bが塗布された部分よりも広いが、正極箔露出部34c、負極箔露出部32cで端部の金属箔面が露出する位置に捲回されるため、束ねて溶接する場合の支障にはならない。
【0023】
正極電極34は、正極集電体である正極電極箔の両面に正極活物質合剤を有し、正極電極箔の幅方向一方側の端部には、正極活物質合剤を塗布しない正極箔露出部34cが設けられている。負極電極32は、負極集電体である負極電極箔の両面に負極活物質合剤を有し、正極電極箔の幅方向他方側の端部には、負極活物質合剤を塗布しない負極箔露出部32cが設けられている。正極箔露出部34cと負極箔露出部32cは、電極箔の金属面が露出した領域であり、捲回軸方向の一方側と他方側の位置に配置されるように捲回される。
【0024】
正極電極34に関しては、正極活物質としてマンガン酸リチウム(化学式LiMn2O4)100重量部に対し、導電材として10重量部の鱗片状黒鉛と結着剤として10重量部のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという。)とを添加し、これに分散溶媒としてN-メチルピロリドン(以下、NMPという。)を添加、混練した正極合剤を作製した。この正極合剤を厚さ20μmのアルミニウム箔(正極電極箔)の両面に溶接部(正極未塗工部)を残して塗布した。その後、乾燥、プレス、裁断工程を経て、アルミニウム箔を含まない正極活物質塗布部厚さ90μmの正極電極34を得た。
【0025】
また、本実施形態では、正極活物質にマンガン酸リチウムを用いる場合について例示したが、スピネル結晶構造を有する他のマンガン酸リチウムや、一部を金属元素で置換又はドープしたリチウムマンガン複合酸化物、層状結晶構造を有するコバルト酸リチウムやチタン酸リチウム、これらの一部を金属元素で置換またはドープしたリチウム-金属複合酸化物、を用いるようにしてもよい。
【0026】
負極電極32に関しては、負極活物質として非晶質炭素粉末100重量部に対して、結着剤として10重量部のPVDFを添加し、これに分散溶媒としてNMPを添加、混練した負極合剤を作製した。この負極合剤を厚さ10μmの銅箔(負極電極箔)の両面に溶接部(負極未塗工部)を残して塗布した。その後、乾燥、プレス、裁断工程を経て、銅箔を含まない負極活物質塗布部厚さ70μmの負極電極32を得た。
【0027】
尚、本実施形態では、負極活物質に非晶質炭素を用いる場合について例示したが、これに限定されるものではなく、リチウムイオンを挿入、脱離可能な天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料やSiやSnなどの化合物(例えば、SiO、TiSi2等)、またはそれの複合材料でもよい。その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。
【0028】
また、本実施形態では、正極電極、負極電極における塗工部の結着材としてPVDFを用いる場合について例示したが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂などの重合体およびこれらの混合体などを用いることができる。
【0029】
また、軸芯としては例えば、正極箔、負極箔、セパレータ33のいずれよりも曲げ剛性の高い樹脂シートを捲回して構成したものを用いることができる。
【0030】
図4は、電池モジュールの外観斜視図である。電池モジュール80は上記の扁平捲回形二次電池100を複数並べて直列に接合したものである。セル間の電気的な接合にはバスバ50を用いて、正負極端子にそれぞれレーザ溶接により接合する。正極端子と負極端子でそれぞれ材質がアルミと銅で異なることに対し、レーザ溶接は同じ金属同士で接合する必要がある。このため、バスバ部品上で材質を変換するために、バスバはアルミと銅のクラッド材を用いている。クラッド材バスバを用いて、アルミと銅それぞれ、端子と同じ金属同士でレーザ溶接して接合している。
【0031】
図5は実施例1の端子とバスバの接合部の断面図、
図6は端子とバスバの接合部を溶接した後の断面図、
図7は端子とバスバの接合部を上面からみた外観図である。端子14にはセル上面側に電極端子突起部14aを設け、バスバ50には電極端子突起部14aが嵌合するためのバスバ孔50aを設ける。実施例では正極側の構造を図示しているが、負極においても同様の構造をとることができる。電極端子突起部14aとバスバ孔50aは、それぞれΦ2mm~4mm程度の丸い形状である。実施例では端子中央部に電極端子突起部14aを1つ設けているが、複数の電極端子突起部14aを設けても構わない。電極端子突起部14aを複数設ける場合は、電極端子突起部14aの径とバスバ孔50aの径を小さくする必要がある。これは、セル充電用のプローブを接触させる面積が必要であるためである。また、バスバ孔50aが増えることで端子の加工が困難になり、またバスバ孔50aが複数になることで強度への影響も考えなくてはならなくなる。かかる加工への影響を考慮すると、電極端子突起部14aの数は1個ないし2個程度とすることが望ましい。
【0032】
バスバ50は、複数のセルを並べて配置を固定した後、バスバ孔50aを電極端子突起部14aに合わせて嵌めこまれる。このため、位置決め及び嵌め合いをよくするため、嵌合状態を緩い公差にする必要がある。具体的には、電極端子突起部14aとバスバ50孔aとの隙間が約0.1mm程度となるように電極端子突起部14a及びバスバ50孔aの寸法を決定する。さらに電極端子突起部14aの上面の外周の縁をR加工またはコーナ加工する。同様に、バスバ孔50aの電極端子突起部14aに対向する内周の縁をR加工またはコーナ加工する。電極端子突起部14aのR加工またはコーナ加工と、バスバ孔50aのR加工またはコーナ加工は、いずれも約0.1mm~0.5mm程度あれば十分に嵌合可能である。
【0033】
電極端子突起部14aとバスバ孔50aを嵌合させて、電極端子突起部14aの外側面とバスバ孔50aの内側面をレーザにより突合せ溶接する。レーザ溶接の径は約0.5mm~1.0mmとすることで、緩めの嵌合公差においても十分溶け込ませることが可能である。
【0034】
また、電極端子突起部14aの高さをバスバ50の厚みよりも高くすることで、嵌合したときにバスバ50よりも電極端子突起部14aが突き出るようにする。例えば、バスバ50の厚みを約0.8mm~1.0mmとして、電極端子突起部14aの高さを1.0mm以上とすればよい。端子の製造の公差を考慮すると、電極端子突起部14aの高さは1.2mm程度が望ましい。電極端子突起部14aの突き出た部分に、検査用のプローブを接触させる。端子とバスバの溶接状態を検査するためにセル缶の端子同士の抵抗を測定して電気的な接続を確認する。このため、突き出た電極端子突起部14aに直接プローブを接触させることができるため、プローブの位置出しが容易になり検査しやすくなる。
【0035】
また、本発明では前述の嵌合構造を、正負極両方に適用しても、正負極片側だけに適用しても、効果を得ることができる。正極は材質がアルミであり、強度を得るために溶け込み量が必要のため、突起を設けることで効率よく溶け込ませることができる。負極は材質が銅のため、反射率の影響からレーザ出力が必要であり、電極端子突起部14aの外側面とバスバ孔50aの内側面との突合せ構造にすることで、少ないレーザ出力で溶接することができる。
端子とバスバを接合する前にセルを充電する工程がある。その時、端子の上面からプローブを接触させる。電流及び電圧検出のプローブをそれぞれ接触させるために平面部が必要となる。実施例2で電極端子突起部14aの面積が多くなることで、充電用のプローブを接触させる面積が減るため、プローブの径や位置を工夫する必要がある。