(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152921
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】文書処理プログラム、情報処理装置及び文書処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/33 20190101AFI20241018BHJP
【FI】
G06F16/33
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024140577
(22)【出願日】2024-08-22
(62)【分割の表示】P 2021011366の分割
【原出願日】2021-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】717005132
【氏名又は名称】株式会社LegalOn Technologies
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】村田 隆裕
(57)【要約】
【課題】検索対象の類型又は検索キーワードの変更による検索結果の変化を動的に出力す
る文書処理プログラム、情報処理装置及び文書処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置としての文書処理サーバ装置1は、入力された検索キーワード
に基づいて記憶部11に格納された文書情報111を検索する検索キーワード入力欄と、
文書情報111の内容に基づき定まる類型を選択可能に表示する類型表示領域と、過去の
文書情報111の検索履歴に基づく検索キーワードを当該検索キーワードで検索される文
書情報111の検索結果件数とともに表示する検索キーワード表示領域とを表示するため
の情報を出力する出力制御手段103を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
入力された検索キーワードに基づいて記憶部に格納された文書情報を検索する検索キー
ワード入力欄と、前記文書情報の内容に基づき定まる類型を選択可能に表示する類型表示
領域と、過去の前記文書情報の検索履歴に基づく検索キーワードを当該検索キーワードで
検索される前記文書情報の検索結果件数とともに表示する検索キーワード表示領域とを表
示するための情報を出力する出力制御手段として機能させる文書処理プログラム。
【請求項2】
前記出力制御手段において前記類型表示領域の類型の選択が受け付けられると、前記検
索キーワード表示領域において当該選択された類型に基づいて再計算された検索結果件数
が表示される請求項1に記載の文書処理プログラム。
【請求項3】
前記出力制御手段において前記キーワード入力欄に対する検索キーワードの入力が受け
付けられるか、又は前記検索キーワード表示領域から検索キーワードの選択が受け付けら
れ、当該検索キーワードにより前記文書情報から該当する文書情報が検索された場合、前
記類型表示領域に表示される類型のうち、検索結果の文書情報に含まれない類型は選択不
可に表示されるか又は表示しない請求項1又は2に記載の文書処理プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータは、ネットワークを通じて通信可能に1又は複数の端末と接続される
、請求項1‐3のいずれか1項に記載の文書処理プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータは、無線通信ネットワークを通じて1又は複数の端末と接続される、
請求項1‐3のいずれか1項に記載の文書処理プログラム。
【請求項6】
前記文書情報は、単数又は複数の属性情報をさらに有し、
前記検索キーワード表示の前記検索結果件数は、前記単数又は複数の属性情報とで検索
される検索結果件数が前記属性情報とともに表示される請求項1‐5のいずれか1項に記
載の文書処理プログラム。
【請求項7】
前記文書情報は、契約書及び/又は当該契約書をレビューする際の基準を定める基準文
書を含む請求項1‐6のいずれか1項に記載の文書処理プログラム。
【請求項8】
所定の指示命令に加えて、文書情報を記憶するように構成されたメモリと、
前記メモリに記憶された指示命令に基づいて、
入力された検索キーワードに基づいて記憶部に格納された文書情報を検索する検索キー
ワード入力欄と、前記文書情報の内容に基づき定まる類型を選択可能に表示する類型表示
領域と、過去の前記文書情報の検索履歴に基づく検索キーワードを当該検索キーワードで
検索される前記文書情報の検索結果件数とともに表示する検索キーワード表示領域とを表
示するための情報を出力する、
ための処理を実行するように構成されたプロセッサと、
を含む情報処理装置。
【請求項9】
入力された検索キーワードに基づいて記憶部に格納された文書情報を検索する検索キー
ワード入力欄と、前記文書情報の内容に基づき定まる類型を選択可能に表示する類型表示
領域と、過去の前記文書情報の検索履歴に基づく検索キーワードを当該検索キーワードで
検索される前記文書情報の検索結果件数とともに表示する検索キーワード表示領域とを表
示するための情報を出力する出力制御ステップを有する文書処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、文書処理プログラム、情報処理装置及び文書処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、文書の検索処理において検索結果のカテゴリを提示することで効率
的に絞込みを行う情報処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された情報処理装置は、ユーザが入力した検索条件により検索結果と
して抽出された文書集合に対してクラスタリングを行い、分類された文書が最も多い最大
クラスタを表すカテゴリ名をユーザに提示して、当該カテゴリが検索条件を検索したいカ
テゴリかユーザに選択させ、その選択結果に応じて、当該最大クラスタ内の文書集合又は
それ以外のクラスタ内の文書集合を検索結果として提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した特許文献1に開示された情報処理装置によると、ユーザが入力した検
索条件により検索結果として抽出された文書集合からカテゴリを選択させることで検索結
果を絞り込みするものの、カテゴリを選択することで検索結果がどのように変化するか動
的に確認できるものではないし、検索条件を変更することでカテゴリがどのように変化す
るか確認できるものではない、という問題があった。
【0006】
本開示の目的は、上記従来技術を踏まえ、より使い勝手のよい文書処理プログラム、情
報処理装置及び文書処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の文書処理プログラム、
情報処理装置及び文書処理方法を提供する。
【0008】
[1]コンピュータを、
入力された検索キーワードに基づいて記憶部に格納された文書情報を検索する検索キー
ワード入力欄と、前記文書情報の内容に基づき定まる類型を選択可能に表示する類型表示
領域と、過去の前記文書情報の検索履歴に基づく検索キーワードを当該検索キーワードで
検索される前記文書情報の検索結果件数とともに表示する検索キーワード表示領域とを表
示するための情報を出力する出力制御手段として機能させる文書処理プログラム。
[2]所定の指示命令に加えて、文書情報を記憶するように構成されたメモリと、
前記メモリに記憶された指示命令に基づいて、
入力された検索キーワードに基づいて記憶部に格納された文書情報を検索する検索キー
ワード入力欄と、前記文書情報の内容に基づき定まる類型を選択可能に表示する類型表示
領域と、過去の前記文書情報の検索履歴に基づく検索キーワードを当該検索キーワードで
検索される前記文書情報の検索結果件数とともに表示する検索キーワード表示領域とを表
示するための情報を出力する、
ための処理を実行するように構成されたプロセッサと、
を含む情報処理装置。
[3]入力された検索キーワードに基づいて記憶部に格納された文書情報を検索する検索
キーワード入力欄と、前記文書情報の内容に基づき定まる類型を選択可能に表示する類型
表示領域と、過去の前記文書情報の検索履歴に基づく検索キーワードを当該検索キーワー
ドで検索される前記文書情報の検索結果件数とともに表示する検索キーワード表示領域と
を表示するための情報を出力する出力制御ステップを有する文書処理方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示の様々な実施形態によれば、より使い勝手のよい文書処理プログラム、情報処理
装置及び文書処理方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る文書処理システムの構成の一例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る文書処理サーバ装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、文書情報の構成例を示す概略図である。
【
図4】
図4は、文書情報の具体的内容の構成例を示す概略図である。
【
図5】
図5は、契約類型情報の構成例を示す概略図である。
【
図6】
図6は、検索キーワード情報の構成例を示す概略図である。
【
図7】
図7は、検索画面の構成の一例を示す概略図である。
【
図8】
図8は、検索結果を示す画面の構成の一例を示す概略図である。
【
図9】
図9は、文書処理サーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
(文書処理システムの構成)
図1は、実施の形態に係る文書処理システムの構成の一例を示す概略図である。
【0012】
この文書処理システム5は、文書処理サーバ装置1と、端末2と、端末3とをネットワ
ーク4によって互いに通信可能に接続することで構成される。端末2は、例えば、文書管
理、文書作成、文書内容確認及び/又は文書レビューを希望する利用者によって操作され
、端末3は他の利用者によって操作されるが、これに限られるものではない。端末2の利
用者と、端末3の利用者とは文書情報として、例えば、契約書及び/又は契約書をレビュ
ーする際の基準を定める基準文書を扱い、契約書の内容を確認するものであり、主に、一
方又は双方の利用者の作成した文書情報を管理するとともに、管理する文書情報の検索や
絞り込みをするために文書処理システム5を利用する。
【0013】
文書処理サーバ装置1は、サーバ型の情報処理装置であり、端末2及び端末3の要求に
応じて動作するものであって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPU(Ce
ntral Processing Unit)やHDD(Hard Disk Dri
ve)、フラッシュメモリ等の電子部品を備える。なお、文書処理サーバ装置1は、必ず
しも単体の情報処理装置で構成される必要はなく、複数の情報処理装置が協働して動作す
るものであってもよいし、任意のクラウドサービスによって動作するものであってもよい
。また、文書処理サーバ装置1の機能を端末2及び/又は端末3内で実現するものであっ
てもよい。
【0014】
端末2及び端末3は、PC(Personal Computer)やタブレット端末
等の情報処理装置であって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPUやフラッ
シュメモリ等の電子部品を備える。
【0015】
ネットワーク4は、高速通信が可能な通信ネットワークであり、例えば、インターネッ
ト、イントラネットやLAN(Local Area Network)等の有線又は無
線の通信網である。
【0016】
上記構成において、一例として、文書処理サーバ装置1が処理する文書は契約書等の法
律分野の文書であり、利用者の一方又は双方は法律の専門家ではないが契約書及び/又は
契約書をレビューする際の基準を定める基準文書の作成を必要とする人物、又は弁護士等
の法律の専門家であって契約書及び/又は基準文書の作成の知識を有する人物である。ま
た、例えば、一方又は双方の利用者は社内の営業部の社員、又は社内法務部の社員である
。なお、以下において「契約書」と記載している場合、契約書及び/又基準文書を含むも
のとする。
【0017】
基本動作としては、端末2又は端末3から文書情報を文書処理サーバ装置1にアップロ
ードした後、文書処理サーバ装置1において文書情報を管理し、端末2又は端末3から文
書処理サーバ装置1にアクセスすることで文書情報の内容の確認等を行うが、多くの文書
情報が管理されている場合に利用者の検索や絞り込みに要する作業負担を減らすべく、文
書処理サーバ装置1は、文書情報111を契約類型に分類し、検索対象となる文書情報に
含まれる契約類型の一覧と、検索履歴上位の検索キーワードの一覧を表示し、検索キーワ
ードに対するヒット件数を表示し、選択された契約類型に基づいて当該ヒット件数を再算
出して、検索対象の類型又は検索キーワードの変更による検索結果の変化を動的に出力す
る。また、検索キーワードによる検索結果を表示する際に、検索結果の文書情報に含まれ
る契約類型を選択可能に表示し、検索結果に含まれる契約類型の変化を動的に出力する。
表示方法の具体例については後述する。また、以下において、条項のことを「条文」と言
うことがある。実施の形態を以下で説明する。
【0018】
また、端末2及び端末3はそれぞれ単数を図示しているが、複数台がネットワーク4に
接続されるものであってもよく、同様にこれらを操作する利用者は複数人であってもよい
。
【0019】
(文書処理サーバ装置の構成)
図2は、実施の形態に係る文書処理サーバ装置1の構成例を示すブロック図である。
【0020】
文書処理サーバ装置1は、CPU等から構成され、各部を制御するとともに、各種のプ
ログラムを実行する制御部10と、フラッシュメモリ等の記憶媒体から構成され情報を記
憶する記憶部11と、ネットワーク4を介して外部と通信するための通信インターフェイ
スとして機能する通信部12とを備える。
【0021】
制御部10は、CPU等のプロセッサから構成され、メモリから構成される記憶部11
及び通信インターフェイスとして機能する通信部12に電気的に接続される。当該制御部
10は、後述する文書処理プログラム110を実行することで、文書受付手段100、文
書分類手段101、文書検索手段102及び出力制御手段103等として機能する。
【0022】
文書受付手段100は、端末2又は端末3から、例えば、文書情報111として契約書
を受け付けて記憶部11に格納する。文書情報111は、文章がレイアウトされたPDF
等の画像情報であってもよいし、テキストデータを含むテキストファイル、ワードファイ
ル等の情報であってもよい。なお、文書受付手段100は、文書情報111がテキスト以
外の情報の場合はOCR(Optical Character Recognitio
n)等を行ってテキスト化する。
【0023】
文書分類手段101は、例えば、文書情報111のタイトル、序文、条文単位等の契約
書の構成要素を解析することで、予め定めたカテゴリに分類して契約類型情報112とし
て記憶部11に格納する。具体的な分類方法については後述する。
【0024】
文書検索手段102は、契約類型、検索キーワード、過去の検索履歴が上位の検索キー
ワードの少なくとも1つを検索条件として文書情報111を検索する。また、文書検索手
段102は、過去の検索履歴が上位の検索キーワードを検索条件とした場合の文書情報1
11でのヒット件数を算出する。また、文書検索手段102は、契約類型、検索キーワー
ドのいずれか又は双方が検索条件とされた場合に、これらと、過去の検索履歴が上位の検
索キーワードを検索条件とした場合のヒット件数を算出する。
【0025】
出力制御手段103は、記憶部11の文書情報111、契約類型情報112及び検索キ
ーワード情報113並びに各手段100‐103の出力結果を予め定めた方法で端末2及
び端末3の表示部に表示するための情報を出力制御する。なお、表示方法の詳細は後述す
る。
【0026】
記憶部11は、フラッシュメモリ等のメモリから構成され、プロセッサ等から構成され
る制御部10及通信インターフェイスとして機能する通信部12に電気的に接続される。
当該記憶部11は、制御部10を上述した各手段100‐103として動作させる文書処
理プログラム110、文書情報111、契約類型情報112及び検索キーワード情報11
3等を記憶する。
【0027】
図3は、文書情報111の構成例を示す概略図である。
【0028】
文書情報111は、文書情報111中の文書を識別するための文書IDと、文書の内容
であるファイルを示す文書内容と、当該文書をアップロードした利用者を識別する利用者
IDと、文書の契約類型と、その他の情報を有する。
【0029】
なお、
図3では特に明示はしていないが、文書情報111は、各文書情報の属性情報を
有してもよい。属性情報は、各文書情報が、過去にいずれかの利用者によって作成される
かレビューがされた文書であることを示すライブラリ、いずれかの利用者によって作成さ
れ他の文書情報の作成の際のテンプレートとして利用可能なひな形、文書情報のレビュー
の際に参照される又はされた基準文書等があり、各文書情報にいずれかの属性情報が対応
付けて記憶される。
【0030】
図4は、文書情報111の具体的内容の構成例を示す概略図である。
【0031】
文書情報111aは、文書情報111の具体的なテキストの内容を示すものであり、タ
イトル111a1と、序文111a2と、条文111a4、条文111a5、条文111
a6…とを有する。
【0032】
図5は、契約類型情報112の構成例を示す概略図である。
【0033】
契約類型情報112は、契約類型を識別するための契約類型IDと、契約類型の名称で
ある契約類型を有する。
【0034】
図6は、検索キーワード情報113の構成例を示す概略図である。
【0035】
検索キーワード情報113は、検索キーワードを識別するための検索キーワードIDと
、検索キーワードの内容を示す検索キーワードと、検索された回数を示す検索回数とを有
する。
【0036】
(文書処理システムの動作)
次に、実施の形態の作用を、(1)基本動作、(2)検索結果件数表示動作、(3)類
型表示絞込動作に分けて説明する。以降、端末2を操作対象として動作を説明するが、端
末3に置き換えた場合も同様の動作となる場合は説明を省略する。
【0037】
(1)基本動作
まず、利用者は、文書処理サーバ装置1の提供するサービスへログインを行うため端末
2を操作する。端末2は、利用者から利用者ID及びパスワード等の情報の入力を受け付
けると、当該情報とともに認証要求を文書処理サーバ装置1に送信する。
【0038】
文書処理サーバ装置1は、端末2から利用者ID及びパスワード等の情報とともに認証
要求を受信すると、予め登録された利用者ID及びパスワード等を含む図示しない利用者
情報を参照し、利用者としての認証を行う。
【0039】
次に、利用者は、サービスへのログインが完了すると、契約書の文書情報、及び変更文
書情報を文書処理サーバ装置1へアップロードするため端末2を操作する。端末2は、当
該文書情報を文書処理サーバ装置1へアップロードする。
【0040】
(2)検索結果件数表示動作
図9は、文書処理サーバ装置1の動作例を示すフローチャートである。
【0041】
文書処理サーバ装置1の文書受付手段100は、利用者の操作する端末2から契約書に
該当する文書情報111を受け付けて記憶部11に格納する(S1)。
【0042】
次に、文書処理サーバ装置1の文書分類手段101は、文書情報111中のタイトル、
序文、条文単位等の契約書の構成要素を解析することで、文書情報111を予め定めたカ
テゴリに分類して契約類型情報112として記憶部11に格納する(S2)。
【0043】
ここで、文書分類手段101は、予め行った機械学習の学習結果に基づき分類を行うも
のである。なお、一例として、機械学習では、教師データとして契約書データに対して予
め契約類型のラベルが付されたものを用意し、同一の類型で契約書のタイトル及び本文に
使用されている語句を使用頻度とともに学習させて分類器を生成する。学習結果としての
分類器は、入力として契約書を受け付けると、予め用意した契約類型リストの各契約類型
に対する推定確率をアウトプットし、当該推定確率に基づいて契約書がどの類型かを分類
する。また、学習方法、分類器の仕様は一例であり、他の手段を用いてもよい。
【0044】
また、文書分類手段101は、契約書のタイトルに契約類型がそのまま記載されている
ことが多いため、分類器のアウトプットとして契約書タイトルからの判断を優先するよう
に重み付けをしてもよい。
【0045】
この場合、文書分類手段101は、まず、契約書タイトルが予め用意した契約類型リス
トの契約類型の名称と同一の場合、当該類型を契約類型として設定する。次に、文書分類
手段101は、契約書タイトルと契約書本文から契約類型系統(大まかな契約類型、「業
務委託契約系」「ライセンス契約系」等)の分類を行ってスコア化を行い、スコアが高い
ものを採用する。さらに、文書分類手段101は、契約書タイトルと契約書本文からさら
に細かい分類についてスコア化を行い、スコアが高いものを契約類型として設定する(例
えば、「業務委託契約系」と分類された契約書をさらに契約書タイトル及び本文の内容か
ら「物流業務委託契約」、「ソフトウェア開発委託契約」等に細かく分類する。)。なお
、上記スコア化は、契約書タイトル及び契約書本文の中の文言の出現回数から、類型分類
の推定確率を算出し、この推定確率をスコアとして用いる。
【0046】
上記のように予め契約類型情報112が生成された状態で、利用者は所望の文書を検索
するために端末2を操作する。
【0047】
端末2は、検索画面の表示を文書処理サーバ装置1に要求する。
【0048】
文書処理サーバ装置1の出力制御手段103は、
図7に示す検索画面を端末2の表示部
に表示するための情報を出力するよう制御するとともに、文書検索手段102は、過去の
検索履歴である検索キーワード情報113を参照して(S3)、検索履歴が上位の検索キ
ーワードを検索条件とした場合の文書情報111でのヒット件数を算出し(S4)、出力
制御手段103がヒット件数とともに表示する(S5)。
【0049】
【0050】
画面103Aは、契約類型情報112に基づいて契約類型がチェックボックスとともに
表示される契約類型表示領域103aと、検索キーワード情報113に基づいて検索履歴
が上位の検索キーワードがヒット件数とともに表示される検索キーワード表示領域103
bと、文書情報111を検索するためのキーワードを入力するための検索キーワード入力
欄103cと、他の画面に遷移するためのその他機能アイコン103dとを有する。
【0051】
なお、
図7に示す例では、契約類型表示領域103aにおいていずれの契約類型のチェ
ックボックスもチェックされていないため、検索キーワード表示領域103bに表示され
るヒット件数は契約類型を限定しない場合のヒット件数である。
【0052】
また、利用者によって契約類型のチェックボックスがチェックされると(S6;Yes
)、文書検索手段102は、チェックされた契約類型の文書情報111について、検索キ
ーワードに対するヒット件数を再算出し(S7)、出力制御手段103がヒット件数とと
もに表示する(S5)。
【0053】
なお、検索キーワード表示領域103bに表示される検索キーワードの表示順は、一例
として、検索履歴の回数であるが、その他、ヒット件数順、文字の並び順等の任意の並び
で表示してもよい。また、契約類型表示領域103aの契約類型の表示順は、一例として
、ヒット件数順であるが、その他、チェック回数、文字の並び順等の任意の並びで表示し
てもよい。
【0054】
また、
図7のヒット件数は、文書情報の属性情報に関係なく算出された件数を表示して
いる。しかし、これに限らず、各ヒット件数を各属性情報に分けて表示してもよい。
【0055】
次に、利用者は、端末2を操作して、画面103Aを参照しつつ、検索キーワード表示
領域103bに表示された検索キーワードを選択するか、検索キーワード入力欄103c
に検索キーワードを入力して文書情報111を検索する(S8;Yes)。
【0056】
文書検索手段102は、利用者の操作内容に応じて、選択された契約類型、検索キーワ
ード表示領域103bから選択された検索キーワード、及び検索キーワード入力欄103
cに入力された検索キーワードのうち利用者によって指定されたものを検索条件として文
書情報111を検索し(S9)、出力制御手段103は検索結果を端末2の表示部に表示
するための情報を出力する(S10)。検索キーワードとして「契約不適合」が検索キー
ワード表示領域103bから選択された場合、又は検索キーワード入力欄103cに入力
された場合について以下説明する。
【0057】
(3)類型表示絞込動作
文書処理サーバ装置1の文書検索手段102は、検索キーワード「検索キーワード」を
検索条件として文書情報111を検索し、出力制御手段103は検索結果を端末2の表示
部に表示するための情報を出力する。
【0058】
図8は、検索結果を示す画面の構成の一例を示す概略図である。
【0059】
画面103Bは、画面103Aと同様に、契約類型表示領域103aと、検索キーワー
ド入力欄103cと、その他機能アイコン103dとを有するとともに、検索キーワード
「契約不適合」を検索条件として文書情報111を検索した結果が表示される検索結果表
示領域103eとを有する。
【0060】
検索結果表示領域103eは、出力制御手段103により、検索にヒットした文書情報
111のファイル名、作成者、付与されたタグ等が下部に表示され、当該ヒットした文書
情報111のうち検索キーワード「契約不適合」を含む範囲が表示される。
【0061】
また、契約類型表示領域103aは、出力制御手段103により、検索キーワード「契
約不適合」によりヒットした文書情報111に含まれる契約類型のみが選択可能に表示さ
れ、ヒットした文書情報111に含まれない契約類型は選択不能に(選択可能なものと表
示形態を変えて)表示される。なお、ヒットした文書情報111に含まれない契約類型は
非表示にするものであってもよい。
【0062】
なお、当該画面103Bにおいて契約類型が選択された場合は、契約類型によりさらに
絞り込まれた検索結果が検索結果表示領域103eに表示される。
【0063】
次に、出力制御手段103は、上記画面103Bにおいて検索のための画面103Aを
表示する指示を受け付けると(S11)、ステップS3へと戻り、画面103Aを表示処
理する。
【0064】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によれば、文書情報111を契約類型に分類し、検索対象となる文
書情報111に含まれる契約類型の一覧(契約類型表示領域103a)と、検索履歴上位
の検索キーワードの一覧(検索キーワード表示領域103b)を表示し、検索キーワード
に対するヒット件数を表示し、当該ヒット件数を検索キーワード表示領域103bにおい
て選択された契約類型に基づいて再算出するようにしたため、検索対象の類型又は検索キ
ーワードの変更による検索結果の変化を動的に出力することができる。
【0065】
また、検索キーワードによる検索結果を検索結果表示領域103eに表示する際に、契
約類型表示領域103aに検索結果の文書情報111に含まれる契約類型を選択可能に表
示するようにしたため、検索結果に含まれる契約類型の変化を動的に出力することができ
る。
【0066】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
な変形が可能である。
【0067】
例えば、文書情報111は契約書に限らず、分類可能なものであれば、法律そのものの
文書や取り扱い説明書等の法律以外の分野の文書であってよいし、同様に本発明を適用可
能である。また、文書情報111の言語は日本語、英語に限らず、情報を抽出可能な文を
構成できる言語であれば他の言語にも適用可能である。
【0068】
また、上記実施の形態では、情報処理装置として文書処理サーバ装置1が機能する場合
について説明した。しかし、これに限らず、文書処理サーバ装置1で実行される処理や記
憶される情報を他のサーバ装置に分散させ一体として情報処理装置として機能するように
してもよい。また、端末2又は端末3が情報処理装置として機能し各処理を実行するよう
にしてもよい。
【0069】
また、上記実施の形態では主に文書処理サーバ装置1の通信部を介して検索結果が端末
2又は端末3に出力され、端末2又は3の表示部でその検索結果が表示される場合につい
て説明した。しかし、このような検索結果はいずれかの方法によって利用者に通知がされ
ればよく、いずれの方法でもよい。また、端末2又は端末3が文書処理装置として機能す
る場合には外付けのディスプレイに出力してもよいし、自身が備える表示部に直接出力す
るようにしてもよい。
【0070】
上記実施の形態では制御部10の各手段100‐103の機能をプログラムで実現した
が、各手段の全て又は一部をASIC等のハードウエアによって実現してもよい。また、
上記実施の形態で用いたプログラムをCD‐ROM等の記録媒体に記憶して提供すること
もできる。また、上記実施の形態で説明した上記ステップの入れ替え、削除、追加等は本
発明の要旨を変更しない範囲内で可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
検索対象の類型又は検索キーワードの変更による検索結果の変化を動的に出力する文書
処理プログラム、情報処理装置及び文書処理方法を提供する。
【符号の説明】
【0072】
1 :文書処理サーバ装置
2 :端末
3 :端末
4 :ネットワーク
5 :文書処理システム
10 :制御部
11 :記憶部
12 :通信部
100 :文書受付手段
101 :文書分類手段
102 :文書検索手段
103 :出力制御手段
110 :文書処理プログラム
111 :文書情報
112 :契約類型情報
113 :検索キーワード情報
【手続補正書】
【提出日】2024-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
入力された検索キーワードに基づいて記憶部に格納された文書情報を検索する検索キーワード入力欄と、前記文書情報の内容に基づき定まる類型を選択可能に表示する類型表示領域と、過去の前記文書情報の検索履歴に基づく検索キーワードを当該検索キーワードで検索される前記文書情報の検索結果件数とともに表示する検索キーワード表示領域とを表示するための情報を出力する出力制御手段として機能させる文書処理プログラム。