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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015306
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】インプラント可能なカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 37/00 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
A61M37/00 560
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023207868
(22)【出願日】2023-12-08
(62)【分割の表示】P 2022504647の分割
【原出願日】2020-07-24
(31)【優先権主張番号】62/878,130
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム エス.コニア
(72)【発明者】
【氏名】エドワード エイチ.カリー
(72)【発明者】
【氏名】ジャレッド エス.ネルソン
(72)【発明者】
【氏名】セドミラ リスティック-リーマン
(57)【要約】
【課題】良好な装置などを提供すること。
【解決手段】本開示の様々な態様は、患者内にインプラント処置するように構成された装置、システム及び方法を対象とする。装置、システム及び方法は、患者の腹腔内空間内にインプラント処置するように構成されたカテーテル、内部流管腔及び治療剤デリバリーのために内部流管腔に接続された少なくとも1つの開口部を含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者内にインプラント処置されるように構成された装置であって、
患者内にインプラント処置するように構成された近位セクション及び遠位セクション、内部流管腔及び治療剤デリバリーのために前記内部流管腔に接続された少なくとも1つの開口部を含むカテーテル、及び、
前記遠位セクションの少なくとも一部の周りに配置され、そして異物反応、炎症及び細胞侵入のうちの少なくとも1つを軽減し、前記カテーテルを介したドラッグデリバリーのために前記開口部を実質的に妨げられないように維持するように構成されたカバー、
を含む、装置。
【請求項2】
前記カバーはePTFEフィルムである、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記カバーは、前記カテーテルの遠位端から約1mm~約100mmの遠位セクションの部分に沿って延在している、請求項1~2のいずれか1項記載の装置。
【請求項4】
前記カテーテルは、前記内部流管腔を介して腹腔内空間にドラッグデリバリーするように構成されており、前記カバーは薬物分配材料を含む、請求項1~3のいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記カテーテルは、最大20年間、腹腔内空間内にインプラント処置するように構成された留置カテーテルである、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの開口部は前記カテーテルの遠位端に配置されている、請求項1~5のいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの開口部は、前記カテーテルの遠位セクションの周囲に間隔を置いて配置された複数の開口部を含み、治療剤の均一な分配を可能にする、請求項1~6のいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記カバーは前記複数の開口部の上に配置されている、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記カテーテルの遠位端に配置された密封先端をさらに含む、請求項1~8のいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
異物反応及び炎症を低減するように構成された、前記内部流管腔に沿って前記カテーテル内に配置された内部層をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記カテーテルの外面上に配置された生物活性剤又は生物活性カバーのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1~10のいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
長尺本体の遠位端に配置された自己閉鎖管セクションをさらに含む、請求項1~11のいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
前記自己閉鎖管セクションは、長尺本体を通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開放し、そして圧力の不在に応答して閉止するように構成されている、請求項12記載の装置。
【請求項14】
長尺本体の遠位端に配置されたカテーテル先端セクションをさらに含み、それは長尺本体を通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開放し、そして圧力の不在に応答して閉止するように構成されている弁を含む、請求項1~11のいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
長尺本体の遠位端に配置された圧力膨張エラストマー先端をさらに含み、それは長尺本体を通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開放し、そして圧力の不在に応答して閉止するように構成されている開口部を含む、請求項1~11のいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
近位セクション、遠位セクション、内部流管腔、及び、カテーテルの遠位端に配置された治療剤のための前記内部流管腔に接続された少なくとも1つの開口部を含む、カテーテルを提供すること、
前記カテーテルの遠位端を患者内に挿入すること、及び、
前記治療剤が前記少なくとも1つの開口部を通して患者内にデリバリーされるように、前記治療剤を前記内部流管腔に導入すること、
のステップを含む、治療方法。
【請求項17】
前記カテーテルは、前記遠位セクションの少なくとも一部の周りに配置され、異物反応、炎症及び細胞の侵入のうちの少なくとも1つを軽減し、そして前記カテーテルを介した治療剤のデリバリーのために前記開口部を実質的に妨げられないように維持するように構成されたカバーをさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記カバーはePTFEフィルムを含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記カバーは、前記カテーテルの遠位端から約1mm~約100mmの遠位セクションの部分に沿って延在している、請求項17~18のいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの開口部は、前記カテーテルの遠位セクションの周囲に間隔を置いて配置された複数の開口部を含み、前記治療剤の均一な分配を可能にする、請求項16~19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
ポンプを用いて治療剤の流れを制御する工程をさらに含む、請求項16~20のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
前記治療剤はインスリンを含む、請求項16~21のいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月24日に出願された仮出願第62/878,130号の利益を主張し、この全体をあらゆる目的のために参照により本明細書に取り込む。
【0002】
分野
本開示は、一般にカテーテルに関するものであり、より具体的には、患者にインプラント処置されうるカテーテルを含む装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
長期インプラント処置用のカテーテル又は他の同様のデバイスは、長期開存性に問題がある可能性がある。例えば、インプラント処置の場所に応じて、カテーテル又は他の同様のデバイスは、異物反応又は炎症などの生理学的反応を誘発する可能性がある。この応答は、インプラント処置されたカテーテル又は他の同様のデバイスが所望のとおりに機能する能力を低下させる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
要旨
1つの例(「例1」)によれば、患者内にインプラント処置されるように構成された装置は、患者内にインプラント処置するように構成された近位セクション及び遠位セクション、内部流管腔及び治療剤デリバリーのために前記内部流管腔に接続された少なくとも1つの開口部を含むカテーテル、及び、前記遠位セクションの少なくとも一部の周りに配置され、そして異物反応、炎症及び細胞侵入のうちの少なくとも1つを軽減し、前記カテーテルを介したドラッグデリバリーのために前記開口部を実質的に妨げられないように維持するように構成されたカバーを含む。
【0005】
例1の装置に加えて別の例(「例2」)によれば、前記カバーはePTFEフィルムである。
【0006】
例1~2のいずれか1つの装置に加えて別の例(「例3」)によれば、前記カバーは、前記カテーテルの遠位端から約1mm~約100mmの遠位セクションの部分に沿って延在している。
【0007】
例1~3のいずれか1つの装置に加えて別の例(「例4」)によれば、前記カテーテルは、前記内部流管腔を介して腹腔内空間にドラッグデリバリーするように構成されており、前記カバーは薬物分配材料を含む。
【0008】
例4の装置に加えて別の例(「例5」)によれば、前記カテーテルは、最大20年間、腹腔内空間内にインプラント処置するように構成された留置カテーテルである。
【0009】
例1~5のいずれか1つの装置に加えて別の例(「例6」)によれば、前記少なくとも1つの開口部は前記カテーテルの遠位端に配置されている。
【0010】
例1~6のいずれか1つの装置に加えて別の例(「例7」)によれば、前記少なくとも1つの開口部は、前記カテーテルの遠位セクションの周囲に間隔を置いて配置された複数の開口部を含み、治療剤の均一な分配を可能にする。
【0011】
例7の装置に加えて別の例(「例8」)によれば、前記カバーは前記複数の開口部の上に配置されている。
【0012】
例1~8のいずれか1つの装置に加えて別の例(「例9」)によれば、前記装置はまた、前記カテーテルの遠位端に配置された密封先端を含む。
【0013】
例1~9のいずれか1つの装置に加えて別の例(「例10」)によれば、前記装置はまた、異物反応及び炎症を低減するように構成された、前記内部流管腔に沿って前記カテーテル内に配置された内部層を含む。
【0014】
例1~10のいずれか1つの装置に加えて別の例(「例11」)によれば、前記装置はまた、前記カテーテルの外面上に配置された生物活性剤又は生物活性カバーのうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
例1~11のいずれか1つの装置に加えて別の例(「例12」)によれば、前記装置はまた、長尺本体の遠位端に配置された自己閉鎖管セクションを含む。
【0016】
例12の装置に加えて別の例(「例13」)によれば、前記自己閉鎖管セクションは、長尺本体を通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開放し、そして圧力の不在に応答して閉止するように構成されている。
【0017】
例1~11のいずれか1つの装置に加えて別の例(「例14」)によれば、前記装置はまた、長尺本体の遠位端に配置されたカテーテル先端セクションを含み、それは長尺本体を通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開放し、そして圧力の不在に応答して閉止するように構成されている弁を含む。
【0018】
例1~11のいずれか1つの装置に加えて別の例(「例15」)によれば、前記装置はまた、長尺本体の遠位端に配置された圧力膨張エラストマー先端を含み、それは長尺本体を通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開放し、そして圧力の不在に応答して閉止するように構成されている開口部を含む。
【0019】
1つの例(「例16」)によれば、治療方法は、カテーテルを提供すること、ここで、前記カテーテルは近位セクション、遠位セクション、内部流管腔、及び、前記カテーテルの遠位端に配置された治療剤のための前記内部流管腔に接続された少なくとも1つの開口部を含む、前記カテーテルの遠位端を患者内に挿入すること、及び、前記治療剤が前記少なくとも1つの開口部を通して患者内にデリバリーされるように、前記治療剤を前記内部流管腔に導入することを含む。
【0020】
例16の方法に加えて別の例(「例17」)によれば、前記カテーテルはまた、前記遠位セクションの少なくとも一部の周りに配置され、異物反応、炎症及び細胞の侵入のうちの少なくとも1つを軽減し、そして前記カテーテルを介した治療剤のデリバリーのために前記開口部を実質的に妨げられないように維持するように構成されたカバーを含む。
【0021】
例17の方法に加えて別の例(「例18」)によれば、前記カバーはePTFEフィルムを含む。
【0022】
例17~18の方法に加えて別の例(「例19」)によれば、前記カバーは、前記カテーテルの遠位端から約1mm~約100mmの遠位セクションの部分に沿って延在している。
【0023】
例16~19の方法に加えて別の例(「例20」)によれば、前記少なくとも1つの開口部は、前記カテーテルの遠位セクションの周囲に間隔を置いて配置された複数の開口部を含み、前記治療剤の均一な分配を可能にする。
【0024】
例16~20の方法に加えて別の例(「例21」)によれば、この方法はまた、ポンプを用いて治療剤デリバリーの流れを制御する工程を含む。
【0025】
例16~21の方法に加えて別の例(「例22」)によれば、前記治療剤はインスリンを含む。
【0026】
上述の例はまさに実施例であり、本開示によって他の方法で提供される本発明の概念のいずれかの範囲を制限し又は他の方法で狭めるように読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示して記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0028】
図1図1は、本開示の様々な態様による、患者内に配置された例示的なカテーテルシステムである。
【0029】
図2図2は、本開示の様々な態様による、患者内にインプラント処置するための例示的なカテーテルである。
【0030】
図3図3は、本開示の様々な態様による、患者内にインプラント処置するための別の例示的なカテーテルである。
【0031】
図4図4は、本開示の様々な態様による、患者内にインプラント処置するための別の例示的なカテーテルである。
【0032】
図5図5は、本開示の様々な態様による、患者内にインプラント処置するための別の例示的なカテーテルである。
【0033】
図6図6は、本開示の様々な態様による、患者内にインプラント処置するための別の例示的なカテーテルである。
【0034】
図7図7は、本開示の様々な態様による、患者内にインプラント処置するための別の例示的なカテーテルである。
【0035】
図8図8は、本開示の様々な態様による、例示的なカテーテル先端である。
【0036】
図9図9は、本開示の様々な態様による、別の例示的なカテーテル先端である。
【0037】
図10図10は、本開示の様々な態様による、さらに別の例示的なカテーテル先端である。
【0038】
図11A図11Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における例示的なカテーテル先端である。
【0039】
図11B図11Bは、本開示の様々な態様による、第二の構成における、図11Aに示されるカテーテル先端である。
【0040】
図12図12は、本開示の様々な態様による、別の例示的なカテーテル先端である。
【0041】
図13図13は、本開示の様々な態様による、別の例示的なカテーテル先端である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
詳細な説明
定義及び用語
測定値の範囲に関して本明細書で使用される用語として、「約」及び「ほぼ」は、交換可能に、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い測定値を含む測定値を指すために使用されうるが、それは、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み及び/又は設定の人為的誤差、性能及び/又は他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮した構造パラメータを最適化するために行われる調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象物の不正確な調整及び/又は操作などに起因する、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、合理的に少量だけ異なることができる。
【0043】
本開示は、限定的な方法で読まれることを意図されていない。例えば、本出願で使用される用語は、当該分野における用語がそのような用語に帰する意味の関係で広く読まれるべきである。
【0044】
不正確さの用語に関して、「約」及び「ほぼ」という用語は、交換可能に、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い測定値を含む測定値を指すために使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように合理的に少量だけ記載された測定値から逸脱している。このような逸脱は、例えば、測定誤差又は性能を最適化するために行われた小さな調整に起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「ほぼ」という用語は、記載された値の±10%を意味すると理解することができる。
【0045】
様々な実施形態の説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を説明するために誇張されている場合があり、その点で、図面は限定するものと解釈されるべきでないことにも留意されたい。「カテーテルシステム」及び「システム」という用語は、本明細書では交換可能に使用されうることに留意されたい。
【0046】
本開示の様々な態様は、患者内にインプラント処置するように構成されたカテーテルを含む装置、システム及び方法を対象とする。カテーテルは、異物又はデバイスが腹腔内にインプラント処置されたときに発生する生理学的反応を軽減する1層以上の外層を含むことができる。特定の例において、生理学的反応により、カテーテルが意図したとおりに機能する能力が低下することがある。以下でさらに詳細に論じられるように、本カテーテルは、カテーテルの機能を維持するために生理学的反応を低下させる。
【0047】
図1は、本開示の様々な態様による、患者104の腹腔内空間102内に配置されたカテーテルシステム100の例である。腹腔内空間102は、腹部の筋肉と器官との間に位置し、腹膜内層と器官との間に体液が存在する腹膜内層を含む。特定の例において、大量の血液置換流体が必要なときに、又は、低血圧又は他の臨床的及び/又は処置上の合併症が静脈内注射に適した血管の使用を妨げるときに、静脈内注射でなく、腹腔内療法を使用することが好ましいことがある。腹腔内療法はまた、より直接的な生理学的方法としての皮下療法よりも好まれ、したがって、その療法に潜在的に優れた応答を提供することができる。
【0048】
腹腔内療法に使用されるシステム100は、アクセスポート106及び前記アクセスポート106と流体連通しているカテーテル108を含むことができる。アクセスポート106は、患者104の体(例えば、下腹部又は上腹部内)の皮下組織内の皮膚の下に形成されたポケットに配置されることができ、そしてカテーテルは、アクセスポート106から腹腔内空間102まで延在する。例示的な実施形態において、カテーテル108は、シリコーン又は別の順応性ポリマーを含む薄くて可撓性の管である。
【0049】
腹腔内療法の間に、試薬、薬物、流体生成物、栄養素及び/又は別の治療剤を流体と混合し、アクセスポート106及びカテーテル108を介して腹腔内空間102に直接注射することができる。幾つかの実施形態において、ポンプ118は、制御されたベースでカテーテル108への治療剤(例えば、試薬又は液体)の供給を維持するリザーバを含むカテーテルシステム100と共に利用されうる。モニターはまた、カテーテルシステム100と組み合わせて使用されうる。他の実施形態において、カテーテル108は、治療を指示するために、体の他の空間(例えば、腰)に配置されうる。
【0050】
特定の例において、ポンプ118は、皮下領域(例えば、皮膚の下)にインプラント処置されうる。ポンプ118は、薬剤又は治療剤を腹腔内キャビティに放出するように構成されうる(例えば、図6及び図7を参照して説明したように、分配材料との生物学的界面で)。
【0051】
図1に示されるように、カテーテル108は、アクセスポート106の近くの近位セクション112及び遠位セクション114を含む。少なくとも遠位セクション114は、患者104の腹腔内空間102内にインプラント処置するように構成されている。カテーテル108は、一般に筒形形状を形成する長尺本体116を含むが、他の形状を利用することができ、本発明の範囲内であると考えられる。例えば、カテーテル108は、任意の数の異なる多角形を表す形状、又は湾曲部分を利用するものなどの他の形状に成形されうる。カテーテル108の長尺本体116は内部流管腔を形成し、前記内部流管腔は、薬物、流体製品、栄養素及び/又は別の治療剤のデリバリーのために内部流管腔に接続された長尺本体116の少なくとも1つの開口部との流体接触を可能にする。特定の例において、カテーテル108は、流体の収集又はサンプリングのために使用されうる。
【0052】
例えば、カテーテル108の長尺本体116はまた、カテーテル108の近位セクション112の近位端130又は遠位セクション114の遠位端128のいずれかで開口部を画定することができ、それは薬物又は他の治療剤を含むことができる治療剤のデリバリーのための内部流管腔及び腹腔内空間102へのアクセスを提供するためのカテーテル108の内部流管腔に直接的に接続されている。特定の例において、遠位端128は、腹腔内空間にさらされたカテーテル108の部分であることができる。例示的な実施形態において、以下でさらに議論されるように、カバー(管腔外及び/又は管腔)をカテーテル108の遠位セクション114の少なくとも一部の周りに配置して、カテーテル108を患者104の体内に挿入することの結果として起こり得る異物反応又は炎症を軽減することができる。そのようなカバーは、カテーテル108を通る薬物又は他の治療剤を含むことができる治療剤のデリバリーを容易にするために、カテーテル108の遠位端128で開口部を実質的に妨害されずにさらに維持することができる。カテーテル108の管腔はまた、異物反応を軽減する可能性のあるヘパリンなどの有効成分でコーティングされていることができる。カテーテル108は、ねじれることなく、及び/又は組織の刺激を最小限に抑えるために、患者104の適合性及び快適さを維持するために、柔らかく(例えば、組織に順応する)及び可撓性であることができる。
【0053】
図2は、本開示の様々な態様による、患者内にインプラント処置するための例示的なカテーテル208である。特定の例において、カテーテル208は、内部流管腔220を画定するシリコーン長尺本体116を含む。他の実施形態において、カテーテル208の長尺本体116は、ポリウレタンなどの他のポリマーを含むことができる。内部流管腔220の壁は、ポリマー層を含むか、又はポリマー層でコーティングされうる。特定の例において、ポリマー層は、デリバリーされる薬物又は他の治療剤のpH変化を防止することができる。例えば、カテーテル208の内部流管腔220の壁は、糖尿病患者の腹腔内空間にデリバリーされるインスリンのpHバランスを維持するために(又はそうでなければそれに影響を及ぼさないために)、カテーテルの周りの環境からの二酸化炭素の透過に対するバリアとして機能するポリエチレンの層を含むか、又はさもなければポリエチレンでコーティングされうる。他の例において、治療に使用されている治療剤に対応して、他のポリマー又は親水性材料を使用することができる。長尺本体116及び内部流管腔220の壁(及び/又は外面)の壁は、カテーテル208の内部又は周囲の線維性細胞のカプセル化を最小限にするために、ヘパリン、デキサメタゾン又は別の生物活性剤でさらにコーティングされうる。
【0054】
特定の例において、カテーテル208はまた、カテーテル208の長尺本体116の実質的に全体を覆うように構成されたカバー222を含むことができる。カバー222は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)などのフルオロポリマーを含むことができる。幾つかの実施形態において、内部流管腔220はまた、PTFE又はePTFEなどのフルオロポリマーの層を含むか、又はそれでコーティングされうる。カバー222は、液体シリコーンゴム又は生体適合性のある別のポリマー接着剤などの接着剤を介してカテーテル208に結合されうる。液体シリコーンゴム又は別の接着剤をカテーテル208のカバー222又は長尺本体116に適用し、次にスリーブをカテーテル208の長尺本体116の周りに巻き付けて、接着剤がカバー222と長尺本体116との間に結合を形成するようにできる。
【0055】
カテーテル208は、図1に示されるようにアクセスポート106に接続されうる近位セクション112、及び、患者104の腹腔内空間102内にインプラント処置されうる遠位セクション114を含む。カテーテル208の遠位セクション114を図2に示す。カテーテル208(又はカテーテル208の遠位部分)は、数年から最大20年までを含む任意の期間(例えば、感染又は不履行を除いて)、患者104の腹腔内空間102に留まるように構成されうる。他の例において、カテーテル208は、より短い又はより長い期間、患者の腹腔内空間に留まることができる。カテーテル208の長尺本体116は、筒形形状を形成することができるが、他の形状を利用することができる。長尺本体116は、薬物、流体製品、栄養素又は他の治療剤のデリバリーのために、内部流管腔220に接続された少なくとも1つの開口部との流体接触を可能にする内部流管腔220を形成する。
【0056】
例えば、カテーテル208の長尺本体116はまた、カテーテル208の内部流管腔220に直接接続されて、薬物又は他の治療剤を含むことができる治療剤のデリバリーのための腹腔内空間への内部流管腔220の出口点を提供するように、カテーテル208の遠位セクション114の遠位端128に開口部126を含むことができる。
【0057】
カテーテル208の長尺本体116の外面の周りに配置されたカバー222は、患者の体内へのカテーテル208のインプラント処置の結果として起こり得る異物反応又は炎症を軽減するように構成されうる。カバー222はさらに、カテーテル208の遠位端128に実質的に遮るもののない開口部126を維持して、カテーテル208の内部流管腔220を介した薬物又は治療剤を含みうる液体のデリバリーを容易にすることができる。特定の例において、カテーテル208は、カテーテル208の内部流管腔220内に配置された追加のスリーブを含むことができる。スリーブは、異物反応をさらに低減し、さらなる線維性カプセル化を低減し、又はカテーテル208内の炎症を低減しうる。さらに、カテーテル208の長尺本体116は、線維性細胞のカプセル化、治療剤の流れの妨害、又は患者の腹腔内空間へのカテーテル挿入の他の望ましくない影響をさらに阻止するために、生物活性剤でコーティングすることができる。
【0058】
特定の例において、カバー222の微細構造は、線維性カプセル化の機会を減らすように構成される。特定の例では、カバー222の開放多孔質微細構造は、細胞の内部成長を可能にし及び/又は促進し、及び/又は線維性カプセル化の機会を減らすように設計されている。他の例において、小さなノード及び短いフィブリルを有するePTFE構造(タイト構造)を、線維性カプセル化を防ぐための多孔性微細構造として使用することができる。特定の例において、カバー222は、薬物又は別の治療剤を含むことができる治療剤の連続的な流出及びカテーテル208を取り巻く組織による治療剤の取り込みを可能にする。他の例において、カバー222は、カテーテルからの継続的な流出を可能にしながら、線維性カプセル化を阻害又は他の方法で阻止するように構成された別の生体適合性材料を(追加的に又はその代わりに)含むことができる。
【0059】
図3は、本開示の様々な態様による、患者内にインプラント処置するための別の例示的なカテーテル308である。カテーテル308は、長尺本体116、内部流管腔220、近位セクション112及び遠位セクション114を含む、上記のカテーテル108、208の多くの特徴を共有することができる。
【0060】
カテーテル308は、開口部126に隣接するカテーテル308の遠位セクション114の部分をカバーする遠位カバー324をさらに含むことができる。特定の例において、遠位カバー324は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)などのフルオロポリマーを含む。さらに、遠位カバー324は、継続的な治療剤の流出を可能にしながら、細胞浸潤を阻害し、炎症/線維性カプセル化を最小限に抑えるePTFE膜キャップを含むことができる。特定の例において、遠位カバー324は、異物反応を最小化するように設計された微孔性構造を有する外面層と、ろ過膜として機能し、カテーテル308の管腔への細胞の侵入を防止しそしてカテーテル308から周囲の組織への治療剤の輸送を可能にするように構成された微細構造を有する内面層とを有するePTFE膜キャップを含むことができる。
【0061】
カバー324は、液体シリコーンゴム又は生体適合性である別のポリマー接着剤などの接着剤を介してカテーテル308に結合されうる。特定の例において、液体シリコーンゴム又は別の接着剤を、カテーテル308のカバー324又は長尺本体116に適用し、次いで、カバー324がカテーテル308の遠位セクション114の遠位端128の遮るもののない開口部126を維持することを可能にしながら、接着剤がカバー324と長尺本体116との間に結合を形成するように、接着点でスリーブを長尺本体116と接触させて配置することができる。カバー324は、カテーテル308の遠位端128から約1mm~約100mm、遠位セクション114に沿って延在することができる。カバー324は、特定の例において、カテーテル308の全長に延在することができる。特定の例において、カバー324は、カテーテル308の長さの約5%~25%の遠位セクション114に沿って延在することができる。
【0062】
カテーテル308の近位セクション112は、図1に示されるように、アクセスポート106に接続されうる。また、カテーテル308の遠位セクション114は、患者104の腹腔内空間102内にインプラント処置されうる。特定の例において、カテーテル308は、カテーテルの寿命にまたがる任意の期間、患者104の腹腔内空間102内に留まることができる。長尺本体116は、薬物、流体製品、栄養素又は液体のデリバリーのために、内部流管腔220に接続された少なくとも1つの開口部との流体接触又は流体連通を可能にする内部流管腔220を有する。
【0063】
カテーテル308の遠位セクション114の少なくとも一部の周りに配置されたカバー324は、患者の体内へのカテーテル308のインプラント処置の結果として起こりうる異物反応又は炎症を軽減するように構成される。特定の例においては、カバー324は、カテーテル308の遠位セクション114に沿って延在し、遠位端226の周りを回り、内部流管腔220内に巻き付いて、内部流管腔220の一部をカバー又はコーティングすることができる。追加のカバー324は、内部流管腔220に沿ってカテーテル308に接続され又はその内部に配置されることができる。特定の例において、この追加のカバー324は、異物反応又は炎症(例えば、患者104の体内へのカテーテル308の挿入に起因する)をさらに軽減することができる。さらに、カテーテル308の長尺本体116は、線維性細胞カプセル化又はカテーテル挿入の他の好ましくない効果を阻止するために、生物活性剤でコーティングされうる。
【0064】
図4は、本開示の様々な態様による、患者内にインプラント処置するための別の例示的なカテーテル408である。図4に示されるように、カテーテル408の遠位端128は、密封先端432を含むことができる。密封先端432は、球形、平坦、丸みを帯びた又は多角形であることができる。密封先端432は、カテーテル408を閉鎖し、したがって、カテーテル408は、長尺本体116に沿って、治療剤の分散を可能にするために内部流管腔220と接触している開口部434を含む。特定の例において、開口部434は、治療剤(例えば、試薬又は液体)が腹腔内空間に分散することを可能にするために、カテーテル408の遠位セクション114内に間隔を置いて配置されている。特定の例において、複数の開口部434は、治療剤の均一な分配を可能にするために、カテーテル408の遠位セクション114の周囲に間隔を置いて配置されている。他の例において、開口部434は、カテーテル408の全体に実質的に沿って存在しうる。
【0065】
図4に示されるように、開口部434は、半径方向の配置で長尺本体116を通してドリル加工、成形加工、穿刺又は他の方法で作製されうる。開口部434の他の配置を利用することができ、長尺本体416に開口部434を作成する他の方法を利用することができる。開口部434は、図4に示されるカテーテル408での使用に限定されず、図1~3に示されるカテーテル108と組み合わせて使用することもできる。同様に、図1~3に示されるカテーテル108はまた、図4に示される密封先端432と同様の密封先端を含むことができる。
【0066】
カテーテル408はまた、カテーテル408の遠位セクション114に位置する開口部434を少なくとも覆うカバー222を含む。例示的な実施形態において、カバー222は半透性材料(例えば、ePTFE)を含み、それは継続的な治療剤の流出を可能にしながら、線維性細胞浸潤を阻害する。特定の例において、カバー222の微細構造は、様々な治療剤に対して半透性を維持しながら、細胞浸潤を阻害するように制御される。例えば、ePTFE構造を有するカバー222は、フィブリルを有するノードを含むことができ、それにより、細孔が薬物分子の流れ、インスリン分散又は他の治療剤の分散を可能にするのに十分な大きさであり、そのような分散を可能にするのに十分に開いている微細構造となる半透性微細構造を提供する。カバー222は、治療剤の連続的な流出及びカテーテル408を取り巻く組織による前記治療剤の取り込みを可能にできる。他の例において、カバー222は、新生血管のその多孔質構造への成長を可能にし、したがって、治療剤のデリバリーと取り込みとの間の距離を低減し、最小の遅延時間を可能にする。他の例において、カバー222は、妨げられない治療剤流出を維持しながら、細胞侵入に対するバリアでもある構造を提供しうる。他の例において、カバー222は、連続的な流出を可能にしながら、細胞浸潤及び線維性カプセル化を阻害し又は他の方法で阻止するように構成された別の生体適合性材料を含むことができる。
【0067】
上記で詳細に記載したように、カテーテル408は、図1に示されるように、アクセスポート106に接続されることができ、カテーテル408の遠位セクション114は、患者104の腹腔内空間102内にインプラント処置されうる。
【0068】
図4に示されるカテーテル408は、カバー222の様々な特徴の例として提供され、これらの例示された特徴の組み合わせは明らかに本発明の範囲内であるが、その例及びその例示は、本明細書で提供される本発明の概念が、より少ない特徴、追加の特徴、又は図4に示される1つ以上の特徴に対する代替の特徴から限定されることを示唆することを意図するものではない。例えば、様々な実施形態において、図4に示されるカテーテル408は、図3を参照して記載された遠位カバー324を含むことができる。逆も真であることも理解されるべきである。図4に示される構成要素のうちの1つ以上は、他の図に示されている構成要素に加えて、又はその代替として使用することができる。例えば、本明細書で論じられるカバー222は、上で詳細に論じられる微細構造特性を含むことができる。
【0069】
図5は、本開示の様々な態様による、患者内にインプラント処置するための別の例示的なカテーテル508である。カテーテル508は、長尺本体116、内部流管腔220、近位セクション112及び遠位セクション114を含む、上記のカテーテル408の特徴の多くを共有することができる。
【0070】
カテーテル508はまた、カバー222を含む。例示的な実施形態において、カバー222(例えば、図4又は図5に記載される)は、継続的な治療剤の流出を可能にしながら、線維性細胞浸潤を阻害する半透性材料(例えば、ePTFE)を含む。特定の例において、カバー222の微細構造は、様々な治療剤に対して半透性を維持しながら、線維性細胞浸潤を阻害するように制御される。例えば、ePTFE構造を有するカバー222は、フィブリルを有するノードを含むことができ、それにより、細孔が薬物分子体積流、インスリン分散又は他の治療剤の分散を可能にするのに十分な大きさであり、そのような分散を可能にするのに十分に開いた微細構造をもたらす半透性微細構造(例えば、特定のサイズの粒子又は要素に対して透過性であり、他のサイズの粒子又は要素に対して非透過性である)を提供する。カバー222は、治療剤の連続的な流出及びカテーテル508を取り巻く組織による前記治療剤の取り込みを可能にできる。他の例において、カバー222は、遠位カバー324を介した連続的な流出を可能にしながら、線維性カプセル化を阻害又は他の方法で阻止するように構成された別の生体適合性材料を含むことができる。
【0071】
カテーテル508は、開口部126に隣接するカテーテル508の遠位セクション114の一部をカバーする遠位カバー324をさらに含むことができる。特定の例において、遠位カバー324は、PTFE又はePTFEなどのフルオロポリマーを含む。さらに、遠位カバー324は、継続的な治療剤の流出を可能にしながら、線維性細胞浸潤を阻害し、炎症/線維性カプセル化を最小限に抑える、ePTFE膜キャップを含むことができる。例えば、ePTFE構造を有する遠位カバー324は、フィブリルを有するノードを含むことができ、それにより、細孔が薬物分子体積流、インスリン分散又は他の治療剤の分散を可能にするのに十分な大きさであり、そのような分散を可能にするのに十分に開いた微細構造をもたらし、一方、細胞の侵入を防ぐのに十分に小さい細孔をもたらす微細構造をもたらす半透性微細構造(例えば、特定のサイズの粒子又は要素に対して透過性であり、他のサイズの粒子又は要素に対して非透過性である)を提供する。遠位カバー324は、治療剤の連続的な流出及びカテーテル508を取り巻く組織による前記治療剤の取り込みを可能にできる。
【0072】
異物反応、炎症を軽減し、カテーテル508を介したドラッグデリバリーのために実質的に妨害されないように開口部を維持するために、遠位カバー324及び/又は長尺本体カバー222は、ePTFEから形成されることができ、その透過性及び中皮細胞の内部成長を促進することができる能力は、細孔サイズ及び材料の厚さによって決定される。細孔サイズは、材料のノード間距離又はフィブリル長を決定することにより、材料表面で測定される。フィブリル長は、米国特許第4,482,516号明細書に記載されているように測定することができる。一方向又は複数の方向のePTFEフィブリル長は、様々な方向での延伸配向でフィブリルによって接続されたノード間での幾つかの測定値の平均として評価される。カバー324及びカバー222は異なる透過性を有することができる。
【0073】
ePTFE材料のフィブリル長及び厚は、カテーテル508の長尺本体116の一部又は全体の長さ及び/又は厚さにわたって(例えば、カバー324及び/又はカバー222の場所に対応する)細胞内部成長に抵抗するか又は細胞内部成長を受容するかのいずれかになるように選択される。カテーテル508の長尺本体116の構造は、カテーテルの外面に隣接する細胞透過性層及び内部流管腔220に隣接する細胞排除層など、可変透過性(例えば、透過性の異なるセクション)を備えたラミネートであることができる。カテーテル508の細胞透過性層及び細胞排除層はそれぞれ、等しい又は非対称の比率でカテーテル壁構造の全体的な厚さに寄与することができ、各材料の厚さは1ミクロン~約2,500ミクロンの範囲である。
【0074】
細胞透過性層は、約3.0ミクロンを超える平均細孔サイズを有することができ、特定の例において、細孔サイズは約5.0ミクロンを超えることができる。細胞排除層は、細胞の内部成長に対して不透過性であり、細胞が内部流管腔220に入るのを防ぎ、カテーテル508を通してデリバリーされる治療剤又は薬物と接触し、付着し、ファウリングし、内部成長し、過成長し又はその他の方法で干渉するのを防ぐ。宿主細胞に侵入するのを排除するために、排除層の平均細孔サイズは、約3.0ミクロン未満~0.1ミクロンの範囲であることができる。
【0075】
図5に示されるカテーテル508は、カバー324及び/又はカバー222の様々な特徴の例として提供されており、これらの例示された特徴の組み合わせは明らかに本発明の範囲内であるが、その例及びその例示は、本明細書で提供される本発明の概念が、より少ない特徴、追加の特徴、又は図5に示される1つ以上の特徴に対する代替の特徴から限定されることを示唆することを意図するものではない。例えば、様々な実施形態において、図5に示されるカテーテル508は、図4を参照して記載された半径方向の開口部434を含むことができる。逆もまた真であることも理解されるべきである。図5に示されている構成要素のうちの1つ以上は、他の図に示されている構成要素に加えて、又はその代替として使用することができる。例えば、本明細書で論じられるカバー222は、上で詳細に論じられる微細構造特性を含むことができる。
【0076】
図6は、本開示の様々な態様による、患者内にインプラント処置するための別の例示的なカテーテル608である。カテーテル608は、長尺本体116、内部流管腔220、近位セクション112及び遠位セクション114を含む、上記のカテーテル508の特徴の多くを共有することができる。カテーテル108の長尺本体116はまた、カテーテル108の内部流管腔に直接接続されて、薬物又は他の治療剤を含むことができる治療剤のデリバリーのための内部流管腔及び腹腔内空間102へのアクセスを提供する、カテーテル108の近位セクション112の近位端130又は遠位セクション114の遠位端128のいずれかにおける開口部を画定することができる。
【0077】
カテーテル608は、開口部126に隣接するカテーテル608の遠位セクション114の部分をカバーする遠位カバー324をさらに含むことができる。特定の例において、遠位カバー324は、カテーテル608を介してデリバリーされる治療剤又は薬物の分配を容易にするように構成されている。図6と同様に、図7は、本開示の様々な態様による、患者内にインプラント処置するための別の例示的なカテーテル708であり、カテーテル708を介してデリバリーされる治療剤又は薬物の分配を容易にするように構成された遠位カバー324を含む。図7の遠位カバー324は、薬物分配リーフレットであるか又は薬物分配リーフレットを含む。分配特性を備えた遠位カバー324は、ねじれ耐性であり、崩潰してデッド体積を排除することができる。リーフレットは、広範囲の血液及びリンパ毛細管にわたる治療的投与のための薬物分配材料から作製することができる。カテーテル608及びカテーテル708は、デリバリーのために治療剤又は薬物を送り込むために、上記で詳細に記載されたポンプ118に接続されうる。
【0078】
特定の例において、薬物分配材料として構成されているカバー324は、広い生物学的領域にわたってウィッキング又は他の分散方法によって治療剤又は薬物を分散させることができる。この分散法は、宿主組織内の多数の血液又はリンパ毛細管へのアクセスを容易にし、自然な薬物動態を可能にし、より良性の治癒反応をもたらすことができる。
【0079】
薬物分配材料として構成されているカバー324は、選択的透過性を示すフィブリル化ポリマー材料(例えば、フルオロポリマー、薄いePTFE膜、複合フィルム及び生体吸収性基材)を含む微細構造を統合して、治療剤又は薬物及び周囲の体液、溶存ガス又はさもなければ薬物の特性を変化させることができるガス、の間の界面の確立を促進する。特定の例において、カバー324は、標的化された臨床用途に一貫する分子量の高分子に対して透過性を示すように構成されたフィブリル化ポリマー拡散材料を含むことができる。特定の例において、フィブリル化布帛は、その厚さ、細孔サイズ、フィブリル長、及び各種フィブリルの配向によって構成されうる。フィブリル化されたポリマー布帛を通る流体輸送は、治療剤又は薬物のランダム分配に対応しうる。
【0080】
特定の例において、カバー324は、カバー324の長さ又は厚さにわたって可変の多孔性を有する部分を少なくとも含むことができる。流体輸送は、より高い又はより低い密度でもって、及び/又は、実質的により少ない又はより多くのノード計数をもってフィブリルを生成することによって制御されうる。特定の例において、カバー324は、減少するか又は増加するかのいずれかで、漸進的に変化するサイズのチャネルを有するフィブリル化材料を生成することによって制御されうる。特定の例において、分配材料の先端にある最も狭いチャネルサイズは細胞の侵入に対抗する。特定の例において、カバー324の細孔寸法は、有核細胞(例えば、約8~約20ミクロン)、赤血球(例えば、約8ミクロン)及び血小板(例えば、約2ミクロン)のサイズよりも小さくすることができる。
【0081】
薬物分配材料として構成されているカバー324は、治療剤又は薬物の腹腔内キャビティへの拡散を促進して平衡状態にすることができる。流体交換の速度は、濃度勾配及び/又は交換のために開いている細孔の数(例えば、分配材料の多孔性)によって支配されうる。特定の例において、分配材料の構造的特徴は、増加した表面積を提供し、拡散流体交換のための増加した透過性をもたらすことができる。生物学的界面での多孔質材料部分は、溶質(治療用分子)の受動拡散に対して透過性であることができる。特定の例において、材料の構造(例えば、フィブリル及び細孔密度)は、宿主組織との交換界面での溶液排出に対する抵抗を発揮するように構成されうる。
【0082】
特定の例において、境界条件による制限された流体の動きは、拡散材料と組織との間の界面での生物学的活動によって影響を受けることがある。薬物分配材料として構成されているカバー324は、生体界面が間質液及び毛細管への妨害されない治療用溶質輸送を促進するように構成されうる。さらに、カバー324は、異物カプセル化又は慢性炎症を最小限に抑えながら、宿主組織の固定、毛細管の成長を支持するように構成されうる。他の例において、カバーは、治療剤流出を可能にしながら、細胞の侵入を最小限に抑える、密な多孔性の材料又は複合材料から構成されうる。
【0083】
薬物分配材料として構成されているカバー324は、拡散材料内に自由空間及び開窓を含むことができる。カバー324の自由空間及び開窓は、デッドスペースを最小化し、流体輸送を最適化することができる。特定の例において、薬物分配材料は、崩潰可能であり、崩潰可能チューブであることができ、又は、崩潰可能であることができるカテーテル608、708を含むことができる。例えば、カテーテル808(又は本明細書で論じられるカテーテルのいずれか)は、多孔質ePTFE-エラストマー(例えば、シリコーン又はポリウレタン)複合材料などの自己崩潰性複合材料からなる自己崩潰性長尺本体116を含むことができる。
【0084】
自己崩潰性長尺本体116は、治療剤がそれを通して注入されないときに、それ自体に崩潰するように構成されうる。それ自体に崩潰する自己崩潰性長尺本体116は、カテーテルの内部流管腔220を密封し、腹腔内空間からの細胞浸潤及び管腔200内の異物反応カスケードを防止又は最小化する。上記に詳細に記載されるように、カテーテル808の近位セクション112は、治療剤のデリバリーのためのインプラント可能なポンプに取り付けられることができる。ポンプ圧力が治療剤をデリバリーするために加えられると、自己崩潰性長尺本体116は拡張し(そしてまた伸長することができる)、したがって、遠位端114を介して治療剤をデリバリーするための内部流管腔220を開く。ポンプ圧力下での自己崩潰性長尺本体116の拡張及び/又は伸長は、自己崩潰性長尺本体116の内壁から、管腔に浸透した可能性のある任意の細胞又は有機堆積物の脱離をさらに可能にすることができる。
【0085】
特定の例において、薬物分配材料として構成されているカバー324は、組織の固定を促進し、さらに侵襲性細胞が材料にコロニーを形成すること(例えば、マクロファージファウリング)又は他の方法での治療剤の放出を干渉することを防止するように構成されうる。特定の例において、そして上記で詳細に記載されるように、分配材料は、線維性カプセル形成を最小化又は調節し、生物学的組織及び細胞に対する完全又は部分的なバリアを確立するように構成されたePTFEであることができる。特定の例において、部分的バリアの部分はまた、血液、間質液、溶存物質又はガスなどの体液の浸透を制限することもできる。
【0086】
さらに、長尺本体116の内壁は、ポリマー層を含むか、又はポリマー層でコーティングされうるか、又は、壁内に別のポリマー層を含むことができる。特定の例において、ポリマー層は、デリバリーされる薬物又は他の治療剤のpH変化を防止することができる。例えば、カテーテル808の内部流管腔220の壁はポリエチレンの層を含むか又はさもなければポリエチレンでコーティングされることができ、それは、カテーテルの周りの環境からの二酸化炭素の透過に対するバリアとして機能し、糖尿病患者の腹腔内空間にデリバリーされるインスリンのpHバランスを維持するように(又はさもなければ影響を及ぼさないように)機能する。他の例において、治療に使用されている治療剤に対応して、他のポリマー又は親水性材料を使用することができる。長尺本体116及び内部流管腔220の壁(及び/又は外面)は、カテーテルの周りの線維性細胞カプセル化又はカテーテル808内の異物反応を最小限にするために、ヘパリン、デキサメタゾン又は別の生物活性剤でさらにコーティングされうる。
【0087】
図8は、本開示の様々な態様による、例示的なカテーテル先端800である。カテーテル先端800は、本明細書で論じられるカテーテルのいずれかの長尺本体の遠位端に配置されうる。上で詳細に論じたように、カバー222は、カテーテル先端800を少なくとも部分的に覆うことができる。
【0088】
示されるように、カテーテル先端800は、圧力逃がし弁であることができる。特定の例において、カテーテル先端800は、自己閉鎖管セクション802として構成されている。カテーテル先端800の自己閉鎖管セクション802は、カテーテル先端800が接続されているカテーテルを通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開くことができる。カテーテル先端800の自己閉鎖管セクション802は、多孔質ePTFE-エラストマー(例えば、シリコーン又はポリウレタン)複合材料から形成されうる。特定の例において、カテーテル先端800の自己閉鎖管セクション802は、ePTFE強化シリコーン管から形成されうる。自己閉鎖管セクション802の形成例に関するさらなる議論については、Zagglらによる米国特許第9,849,629号明細書を参照することができる。前記文献を参照により本明細書に取り込む。
【0089】
図9は、本開示の様々な態様による、別の例示的なカテーテル先端900である。カテーテル先端900は、本明細書で論じられるカテーテルのいずれかの長尺本体の遠位端に配置されうる。上で詳細に論じたように、カバー222は、カテーテル先端900を少なくとも部分的に覆うことができる。
【0090】
特定の例において、カテーテル先端900は、ダックビルセクション902として構成されている。カテーテル先端900のダックビルセクション902は、カテーテル先端900が接続されているカテーテルを通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開くことができる。ポンプからの圧力は、ダックビルセクション902を開くことができ、圧力の解放又は不在はダックビルセクション902を閉じる。ダックビルセクション902の作動又は開閉は、異物反応、炎症又は細胞侵入堆積物を解放するのを助けることができ、カテーテルを介したドラッグデリバリーのために、開口部を実質的に遮ぎらないように維持する。ダックビルセクション902は、モールドへの液体シリコーン注入でチューブの端部を挟むか又は成形することによって形成することができる。他の例において、ダックビルセクション902は、マンドレル上のePTFE/シリコーン複合材料管によって形成されうる。
【0091】
図10は、本開示の様々な態様による、さらに別の例示的なカテーテル先端1000である。カテーテル先端1000は、本明細書で論じられるカテーテルのいずれかの長尺本体の遠位端に配置されうる。上で詳細に論じたように、カバー222は、カテーテル先端1000を少なくとも部分的に覆うことができる。
【0092】
示されるように、カテーテル先端1000は、圧力逃がし弁1002であることができる。特定の例において、圧力逃がし弁1002は、カテーテル先端1000の遠位端に向かって強制されており、そして、カテーテル先端1000が結合されているカテーテルを通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答してカテーテル先端1000において開口部1006をブロック解除することができる。ポンプからの圧力は、圧力逃がし弁1002をバイアス機構1004(ばね又はエラストマーなど)に対して強制し、治療剤をバイアス機構1004から出させ、そして圧力の不在時に解放して開口部1006を閉じることを可能にする。圧力逃がし弁1002の作動又は開閉は、異物反応、炎症又は細胞侵入堆積物を解放し、カテーテルを介したドラッグデリバリーのために開口部を実質的に遮らないように維持するのを助けることができる。
【0093】
図11Aは、本開示の様々な態様による、第一の構成における例示的なカテーテル先端1100である。カテーテル先端1100は、本明細書で論じられるカテーテルのいずれかの長尺本体の遠位端に配置されうる。上で詳細に論じたように、カバー222は、カテーテル先端1100を少なくとも部分的に覆うことができる。
【0094】
示されるように、カテーテル先端1100は、圧力膨張エラストマー先端1102であることができる。特定の例において、圧力膨張エラストマー先端1102は、カテーテル先端1100の遠位端に向かって強制され、そしてカテーテル先端1100が接続されているカテーテルを通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答してカテーテル先端1100において開口部1104を開くことができる。ポンプからの圧力は、圧力膨張エラストマー先端1102において開口部1104を強制的に開いて治療剤を開口部1104から出させ(図11Bに示されるように)、圧力の不在時に解放して開口部1104を閉じることを可能にする(図11Aに示されるように)。圧力膨張エラストマー先端1102における開口部1104は、エラストマー又は多孔質ePTFE-エラストマー(例えば、シリコーン又はポリウレタン)複合材料のシート又は片を延伸し、延伸されたときに材料に開口部を穿孔することにより形成されうる。延伸していないときに、材料のシート又は片及び開口部は収縮し、実質的に閉止される。
【0095】
特定の例において、使用中に、穿孔された開口部は、圧力膨張されたエラストマー先端1102を外側に曲げることによって、治療剤が開口部1104を出るのを可能にする。圧力膨張エラストマー先端1102を曲げるポンプ又は注入機構の圧力がおさまると、圧力膨張エラストマー先端1102は元の圧縮状態に戻り、穿孔された開口部1104は次の膨張まで閉じられる。圧力膨張エラストマー先端1102の作動又は開閉は、異物反応、炎症又は細胞侵入堆積物を解放し、カテーテルを介したドラッグデリバリーのために開口部を実質的に妨げられないように維持するのを助けることができる。
【0096】
図12は、本開示の様々な態様による、別の例示的なカテーテル先端1200である。カテーテル先端1200は、本明細書で論じられるカテーテルのいずれかの長尺本体の遠位端に配置されうる。上で詳細に論じたように、カバー222は、カテーテル先端1200を少なくとも部分的に覆うことができる。
【0097】
示されるように、カテーテル先端1200はバルブ付き構造であることができる。特定の例において、カテーテル先端1200内に配置された弁1202は、カテーテル先端1200が接続されているカテーテルを通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開くことができる。ポンプからの圧力は、治療剤が遠位開口部1204を通して放出されうるように弁1202を開くことができ、圧力の解放又は不在は弁1202を閉じる。カテーテル先端1200の作動又は開閉は、異物反応、炎症又は細胞侵入堆積物のいずれかを解放し、カテーテルを介したドラッグデリバリーのために開口部を実質的に妨げられないように維持するのを助けることができる。弁1202は、カテーテル先端1200内に閉じ込められており、そうでなければ弁の作動に反対する可能性がある周囲の組織の機械的影響から保護されている。特定の例において、カテーテル先端1200は、同じ又は異なる規定の圧力で開くようにそれぞれ構成された複数の弁1202を含むことができる。
【0098】
図13は、本開示の様々な態様による、別の例示的なカテーテル先端1300である。カテーテル先端1300は、本明細書で論じられるカテーテルのいずれかの長尺本体の遠位端に配置されうる。上で詳細に論じたように、カバー222は、カテーテル先端1300を少なくとも部分的に覆うことができる。
【0099】
示されるように、カテーテル先端1300はバルブ付き構造であることができる。特定の例において、カテーテル先端1300内に配置された弁1302は、カテーテル先端1300が接続されているカテーテルを通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開くことができる。ポンプからの圧力は、治療剤が少なくとも1つの開口部1304(カテーテル先端1300の側部及び/又は遠位開口部)を通して放出されうるように弁1302を開くことができ、圧力の解放又は不在は弁1302を閉じる。特定の例において、カテーテル先端1300は、側部開口部1304及び遠位開口部1304を含むことができる。カテーテル先端1300の作動又は開閉は、異物反応、炎症又は細胞侵入堆積物を解放し、カテーテルを介したドラッグデリバリーのために開口部を実質的に妨げないように維持することを助けることができる。弁1302は、カテーテル先端1300内に閉じ込められており、そうでなければ弁の作動に反対する可能性がある周囲の組織の機械的影響から保護されている。特定の例において、カテーテル先端1300は、同じ又は異なる規定の圧力で開くようにそれぞれ構成されている複数の弁1302を含むことができる。
【0100】
本出願の発明は、一般的に、及び、特定の実施形態に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
本出願の発明は、一般的に、及び、特定の実施形態に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
患者内にインプラント処置されるように構成された装置であって、
患者内にインプラント処置するように構成された近位セクション及び遠位セクション、内部流管腔及び治療剤デリバリーのために前記内部流管腔に接続された少なくとも1つの開口部を含むカテーテル、及び、
前記遠位セクションの少なくとも一部の周りに配置され、そして異物反応、炎症及び細胞侵入のうちの少なくとも1つを軽減し、前記カテーテルを介したドラッグデリバリーのために前記開口部を実質的に妨げられないように維持するように構成されたカバー、
を含む、装置。
(態様2)
前記カバーはePTFEフィルムである、態様1記載の装置。
(態様3)
前記カバーは、前記カテーテルの遠位端から約1mm~約100mmの遠位セクションの部分に沿って延在している、態様1~2のいずれか1項記載の装置。
(態様4)
前記カテーテルは、前記内部流管腔を介して腹腔内空間にドラッグデリバリーするように構成されており、前記カバーは薬物分配材料を含む、態様1~3のいずれか1項記載の装置。
(態様5)
前記カテーテルは、最大20年間、腹腔内空間内にインプラント処置するように構成された留置カテーテルである、態様4記載の装置。
(態様6)
前記少なくとも1つの開口部は前記カテーテルの遠位端に配置されている、態様1~5のいずれか1項記載の装置。
(態様7)
前記少なくとも1つの開口部は、前記カテーテルの遠位セクションの周囲に間隔を置いて配置された複数の開口部を含み、治療剤の均一な分配を可能にする、態様1~6のいずれか1項記載の装置。
(態様8)
前記カバーは前記複数の開口部の上に配置されている、態様7記載の装置。
(態様9)
前記カテーテルの遠位端に配置された密封先端をさらに含む、態様1~8のいずれか1項記載の装置。
(態様10)
異物反応及び炎症を低減するように構成された、前記内部流管腔に沿って前記カテーテル内に配置された内部層をさらに含む、態様1~9のいずれか1項記載の装置。
(態様11)
前記カテーテルの外面上に配置された生物活性剤又は生物活性カバーのうちの少なくとも1つをさらに含む、態様1~10のいずれか1項記載の装置。
(態様12)
長尺本体の遠位端に配置された自己閉鎖管セクションをさらに含む、態様1~11のいずれか1項記載の装置。
(態様13)
前記自己閉鎖管セクションは、長尺本体を通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開放し、そして圧力の不在に応答して閉止するように構成されている、態様12記載の装置。
(態様14)
長尺本体の遠位端に配置されたカテーテル先端セクションをさらに含み、それは長尺本体を通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開放し、そして圧力の不在に応答して閉止するように構成されている弁を含む、態様1~11のいずれか1項記載の装置。
(態様15)
長尺本体の遠位端に配置された圧力膨張エラストマー先端をさらに含み、それは長尺本体を通して治療剤を強制するポンプからの圧力に応答して開放し、そして圧力の不在に応答して閉止するように構成されている開口部を含む、態様1~11のいずれか1項記載の装置。
(態様16)
近位セクション、遠位セクション、内部流管腔、及び、カテーテルの遠位端に配置された治療剤のための前記内部流管腔に接続された少なくとも1つの開口部を含む、カテーテルを提供すること、
前記カテーテルの遠位端を患者内に挿入すること、及び、
前記治療剤が前記少なくとも1つの開口部を通して患者内にデリバリーされるように、前記治療剤を前記内部流管腔に導入すること、
のステップを含む、治療方法。
(態様17)
前記カテーテルは、前記遠位セクションの少なくとも一部の周りに配置され、異物反応、炎症及び細胞の侵入のうちの少なくとも1つを軽減し、そして前記カテーテルを介した治療剤のデリバリーのために前記開口部を実質的に妨げられないように維持するように構成されたカバーをさらに含む、態様16記載の方法。
(態様18)
前記カバーはePTFEフィルムを含む、態様17記載の方法。
(態様19)
前記カバーは、前記カテーテルの遠位端から約1mm~約100mmの遠位セクションの部分に沿って延在している、態様17~18のいずれか1項記載の方法。
(態様20)
前記少なくとも1つの開口部は、前記カテーテルの遠位セクションの周囲に間隔を置いて配置された複数の開口部を含み、前記治療剤の均一な分配を可能にする、態様16~19のいずれか1項記載の方法。
(態様21)
ポンプを用いて治療剤の流れを制御する工程をさらに含む、態様16~20のいずれか1項記載の方法。
(態様22)
前記治療剤はインスリンを含む、態様16~21のいずれか1項記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者内にインプラント処置されるように構成された装置であって、
近位セクション及び遠位セクション、内部流管腔、及び長尺本体に沿って画定されおよび治療剤デリバリーのために前記内部流管腔と流体連通する少なくとも1つの開口部を含む長尺本体を有するカテーテル、
前記カテーテルの前記遠位セクションの遠位端に配置された密封先端、及び、
前記カテーテルを介したドラッグデリバリーのために前記開口部を実質的に妨げられないように維持しながら、前記カテーテルの前記長尺本体の少なくとも一部の周りに配置されおよび異物反応、炎症及び細胞侵入のうちの少なくとも1つを軽減するように構成されたカバー、
を含む、装置。
【外国語明細書】