(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153073
(43)【公開日】2024-10-28
(54)【発明の名称】事業継続計画策定用サーバ装置、事業継続計画策定用クライアント装置、及び、事業継続計画策定システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241021BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066783
(22)【出願日】2023-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】522106824
【氏名又は名称】有限会社ハートサービス
(71)【出願人】
【識別番号】522285026
【氏名又は名称】株式会社イーアス
(71)【出願人】
【識別番号】515212736
【氏名又は名称】株式会社アイピーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】高安 敏行
(72)【発明者】
【氏名】武田 二郎
(72)【発明者】
【氏名】山内 博明
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】各事業者にとっての事業継続計画(BCP)を策定する負担や、各事業者が類似のBCPを策定することの非効率さを回避する事業継続計画策定用サーバ装置、クライアント及びシステムを提供する。
【解決手段】事業継続計画策定システムは、遂行者情報の各入力先がブランクとの雛型が格納されている格納媒体300と、各遂行者情報の入力フォームであって各入力欄と対応する各入力先とが紐付けられている入力フォームの各入力欄を通じてクライアント装置100から送信される各遂行者情報を受信する第1受信手段220と、受信した各遂行者情報を対応する各入力先のブランクに反映させる反映手段230と、を備えるサーバ装置200と、入力フォームをユーザに提示する提示手段120と、提示手段によって提示された入力フォームの各入力欄に入力された遂行者情報をサーバ装置に送信する第2送信手段130と、を備える前記クライアント装置と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業継続計画の雛型であって策定すべき複数の計画事項の各々の遂行者名とその役職名との少なくとも一方である遂行者情報の入力フォームであって、各入力欄と対応する各入力先とが紐付けられている入力フォームの当該各入力欄を通じてクライアント装置から送信される各遂行者情報を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された各遂行者情報を、前記遂行者情報の前記各入力先がブランクとされた前記事業継続計画の雛型の対応する当該各ブランクに反映させる反映手段と、
を備える事業継続計画策定用サーバ装置。
【請求項2】
さらに、前記入力フォームを送信する第1送信手段を備える、請求項1記載の事業継続計画策定用サーバ装置。
【請求項3】
事業継続計画の雛型であって策定すべき複数の計画事項の各々の遂行者名とその役職名との少なくとも一方である遂行者情報の入力フォームであって、各入力欄と対応する各入力先とが紐付けられている入力フォームをユーザに提示する提示手段と、
前記提示手段によって提示された入力フォームの前記各入力欄に入力された遂行者情報をサーバ装置に送信する第2送信手段と、
を備える事業継続計画策定用クライアント装置。
【請求項4】
さらに、前記入力フォームを受信する第2送信手段を備える、請求項3記載の事業継続計画策定用クライアント装置。
【請求項5】
事業継続計画の雛型であって策定すべき複数の計画事項の各々の遂行者名とその役職名との少なくとも一方である遂行者情報の各入力先がブランクとされた雛型が格納されている格納媒体と、
前記各遂行者情報の入力フォームであって各入力欄と対応する前記各入力先とが紐付けられている入力フォームの各入力欄を通じて後記クライアント装置から送信される各遂行者情報を受信する第1受信手段と、前記第1受信手段によって受信された各遂行者情報を対応する各入力先のブランクに反映させる反映手段と、を備えるサーバ装置と、
前記入力フォームをユーザに提示する提示手段と、前記提示手段によって提示された入力フォームの各入力欄に入力された遂行者情報を前記サーバ装置に送信する第2送信手段と、を備える前記クライアント装置と、
を有する、事業継続計画策定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業継続計画策定用サーバ装置、事業継続計画策定用クライアント装置、及び、事業継続計画策定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
先般、災害拠点病院、介護施設・事業所に対して、事業継続計(Business Continue Plan:以下、「BCP」という。)の策定が義務づけられた。BCPとは、感染症や災害が発生した場合であっても、必要な医療・介護サービスが継続的に提供できる体制を構築する観点から、全ての災害拠点病院、介護サービス事業者を対象に業務継続に向けた計画のことである。このような試みは非常に重要であるため、今後、これら以外の様々な事業分野において、BCPの策定が義務されていく可能性が高いと考えられる。
【0003】
特許文献1には、災害時においてスタッフの負担を軽減し、訓練時においてマニュアル等の理解度を高めさせる防災システムが開示されている。この防災システムにおいて、ユーザ端末は、災害情報を取得する取得手段と、行動情報を記録部から取得して表示部に表示する行動表示手段と、スタッフからの入力により取得される行動の終了情報を取得する入力取得手段と、終了情報をサーバに送信する送信手段と、他のユーザ端末の終了情報を含む他端末進捗情報を表示部に表示する他端末表示手段とからなる。
【特許文献1】特開2022-36857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている防災システムは、BCPに相当すると解される「マニュアル等」が策定されていることを前提としてそれを活用するものであるが、BCPを策定することについては開示がない。
【0005】
BCPを策定するためには厚生労働省等が示すガイドライン等を知っておく必要があり、ガイドライン等のボリュームは相当なものであるため、BCPの策定をゼロからする場合には数十時間~数百時間を要するともいわれており、事業者にとってはBCPの策定は相当の負担がある。
【0006】
一方、各事業者が策定するBCPは、各事業者の規模や各事業所の立地などによる固有の計画事項はもちろん存在するものの、共通する計画事項も少なくないので、ほぼ同じ策定処理を事業者毎に重複して行うことは、業界全体からすれば非効率である。
【0007】
そこで、本発明は、このような各事業者にとってのBCPを策定する負担や、各事業者が類似のBCPを策定することの非効率さを回避することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の事業継続計画策定用サーバ装置は、
事業継続計画の雛型であって策定すべき複数の計画事項の各々の遂行者名とその役職名との少なくとも一方である遂行者情報の入力フォームであって、各入力欄と対応する各入力先とが紐付けられている入力フォームの当該各入力欄を通じてクライアント装置から送信される各遂行者情報を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された各遂行者情報を、前記遂行者情報の前記各入力先がブランクとされた前記事業継続計画の雛型の対応する当該各ブランクに反映させる反映手段と、
を備える。
【0009】
さらに、事業継続計画策定用サーバ装置は、前記入力フォームを送信する第1送信手段を備えていてもよい。
【0010】
また、本発明の事業継続計画策定用クライアント装置は、
事業継続計画の雛型であって策定すべき複数の計画事項の各々の遂行者名とその役職名との少なくとも一方である遂行者情報の入力フォームであって、各入力欄と対応する各入力先とが紐付けられている入力フォームをユーザに提示する提示手段と、
前記提示手段によって提示された入力フォームの各入力欄に入力された遂行者情報をサーバ装置に送信する第2送信手段と、
を備える。
【0011】
さらに、事業継続計画策定用クライアント装置は、前記入力フォームを受信する第2送信手段を備えていてもよい。
【0012】
また、本発明の事業継続計画策定システムは、
事業継続計画の雛型であって策定すべき複数の計画事項の各々の遂行者名とその役職名との少なくとも一方である遂行者情報の各入力先がブランクとされた雛型が格納されている格納媒体と、
前記各遂行者情報の入力フォームであって各入力欄と対応する前記各入力先とが紐付けられている入力フォームの各入力欄を通じて後記クライアント装置から送信される各遂行者情報を受信する第1受信手段と、前記第1受信手段によって受信された各遂行者情報を対応する各入力先のブランクに反映させる反映手段と、を備えるサーバ装置と、
前記入力フォームをユーザに提示する提示手段と、前記提示手段によって提示された入力フォームの各入力欄に入力された遂行者情報を前記サーバ装置に送信する第2送信手段と、を備える前記クライアント装置と、
を有する。
【発明の実施の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(構成の説明)
図1は、本発明の実施形態の事業継続計画策定システムの模式的な構成を示すブロック図である。
図1には、以下説明する、クライアント装置100と、サーバ装置200と、格納媒体300と、インターネット400と、イントラネット500と、を示している。
【0014】
格納媒体300は、BCPの雛型が格納されているものである。
図2を参照して詳述するが、この雛型は、策定すべき複数の計画事項の各々の遂行者名とその役職名との少なくとも一方である遂行者情報の各入力先がブランクとされている。なお、格納媒体300は、単独のハードウェアとして構成することは必須ではなく、サーバ装置200に内蔵することもできる。係る場合には、イントラネット500は不要である。
【0015】
サーバ装置200は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する。)、タブレット端末、PDA(Personal digital Assistant)、携帯電話機などのハードウェアとすることができるが、計算機能、通信機能、及び、表示機能や音声出力機能などの提示機能を有してさえいれば、これらに限定されるものではない。サーバ装置200は、以下説明する、第1送信手段210と、第1受信手段220と、反映手段230と、を備えている。
【0016】
第1送信手段210は、BCPの計画事項の各遂行者情報の入力フォーム(以下、「BCP用入力フォーム」という。)を、インターネット400を介してクライアント装置100へ送信するものである。
図3を参照して詳述するが、BCP用入力フォームには、例えば、策定すべき計画事項毎に、遂行者情報の各入力欄が設けられていて、BCPの雛型における対応する各入力先と紐付けられている。
【0017】
なお、第1送信手段210は、サーバ装置200に内蔵することは必須ではなく、例えば図示しないウェブサーバがその役割を担ってもよい。具体的には、当該ウェブサーバに、
図3に示す情報を含むBCP用入力フォームを体現したウェブページを蓄積しておき、クライアント装置100からの要求に応じて、当該ウェブページを構成するデータを当該ウェブサーバから送信するようにしてもよい。
【0018】
第1受信手段220は、第1送信手段210によって送信されたBCP用入力フォームの各入力欄を通じて、インターネット400を介してクライアント装置100(の第2送信手段130)から送信される各遂行者情報を受信するものである。
【0019】
反映手段230は、第1受信手段220によって受信された各遂行者情報を、イントラネット500を介して、格納媒体300に格納されているBCPの雛型における対応する各入力先のブランクに反映させるものである。
【0020】
クライアント装置100は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する。)、タブレット端末、PDA(Personal digital Assistant)、携帯電話機などのハードウェアとすることができるが、計算機能、通信機能、及び、表示機能や音声出力機能などの提示機能を有してさえいれば、これらに限定されるものではない。クライアント装置100は、以下説明する、第2受信手段110と、提示手段120と、第2送信手段130と、を備えている。
【0021】
第2受信手段110は、サーバ装置200又は図示しないウェブサーバからインターネット400を介して送信されるBCP用入力フォームを受信するものである。
【0022】
提示手段120は、第2受信手段110によって受信されたBCP用入力フォームを、クライアント装置100に付帯するディスプレイに出力して表示させるなどして、クライアント装置100を操作するユーザに提示するものである。
【0023】
第2送信手段130は、提示手段120によって提示された入力フォームの各入力欄にユーザが入力した遂行者情報を、インターネット400を通じてサーバ装置200に送信するものである。
【0024】
(BCPの雛型の説明)
図2は、
図1の格納媒体300に格納されているBCPの雛型例の説明図である。
図2に示すように、この雛型には、例えば「2.平常時の対応」という大見出し、「(1)感染防止に向けた取組の実施」という中見出し、「(1-1)最新情報(感染状況、政府や自治体の動向等)の収集」という小見出しの下で、「●が以下の情報収集と事業所内共有を行う。…」などの記載がある。「●」は既述の遂行者情報の各入力先のブランクを示している。
【0025】
なお、
図2には「(1-1)」といったBCPの雛型例における一部の計画事項しか示していないが、BCPの雛型には「(1-2)」以降の計画事項も存在している(
図3参照)。
【0026】
(BCP用入力フォームの説明)
図3は、
図1に示すクライアント装置100に送信するBCP用入力フォーム例の説明図である。
図3に示すように、BCP用入力フォームには、「平時の対応」という大見出し、さらに「1.感染防止に向けた取組の実施」という中見出しの下、「(1-1)最新情報の収集」、「(1-2)基本的な感染症対策の徹底」…などの複数の計画事項の記載と、それらの各々の遂行者(責任者・主代行者・副代行者)の氏名及びそれらの役職名(遂行者情報)との入力欄が設けられている。
【0027】
なお、
図3における「(1-1)」・「1-2」の見出しは、
図2における「(1-1)」・「1-2」の見出しの概要としているだけであって、同一符号のものが相互に対応関係にある点に留意されたい。
【0028】
したがって、
図3に示す「(1-1)」に係る「責任者」の氏名及び役職名の入力欄に入力された遂行者情報は、
図2に示した「(1-1)」に係る「●」のブランク部分に反映されることになる。
【0029】
また、
図3には、遂行者情報として遂行者名とその役職名と双方を入力できるようにしているが、遂行者情報にはこれらの双方が必須というわけではなく、いずれか一方のみを入力できるようにしてもよい(BCP用入力フォームとしていずれか一方の入力欄のみとする場合と、双方の入力欄を設けておきユーザがいずれか一方のみを入力する場合との双方を含む)。
【0030】
(動作の説明)
つぎに、
図1に示す事業継続計画策定システムの動作について説明する。
まず、
図1に示す事業継続計画策定システムの管理者は、
図2に示すようなBCPの雛型を用意して、格納媒体300に格納しておく。
【0031】
つぎに、サーバ装置200又は図示しないウェブサーバでは、例えばクライアント装置100からの要求に応じて受動的に又はサーバ装置200等が能動的に、すなわちプル型又はプッシュ型で、
図3に示すようなBCP用入力フォームを、インターネット400を介して送信する。
【0032】
クライアント装置100では、第2受信手段110によってサーバ装置200又は図示しないウェブサーバから送信されたBCP用入力フォームを受信し、提示手段120によってクライアント装置100に付帯するディスプレイに表示するなどして、クライアント装置100を操作するユーザに提示する。
【0033】
クライアント装置100を操作するユーザが、BCP用入力フォームの各入力欄に所望の遂行者情報を入力して、図示しない送信ボタンの表示領域をマウスでクリックするなどの操作をすると、第2送信手段130によって遂行者情報の入力済みのBCP用入力フォームがインターネット400を通じてサーバ装置200に送信される。
【0034】
サーバ装置200では、第1受信手段220によってBCP用入力フォームを介して各遂行者情報を受信し、反映手段230によって各遂行者情報を格納媒体300に格納されているBCPの雛型における対応する各入力先のブランクに反映させる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の事業継続計画策定システムによれば、各事業者(ユーザ)は、BCP用入力フォームの各入力欄に対して必要な遂行者情報を入力するくらいの操作をするだけでBCPを策定することができるので負担はないし、また、
図2に示す雛型は各事業者において共通する計画事項であるため、類似のBCPを策定することによる非効率さを回避することができる。
【0036】
また、本実施形態で説明した構成や動作は、本発明の事業継続計画策定用サーバ装置、事業継続計画策定用クライアント装置、及び、事業継続計画策定システムの単なる一例に過ぎない。したがって、本発明の精神を逸脱しない範囲のものは、本発明に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施形態の事業継続計画策定システムの模式的な構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の格納媒体300に格納されているBCPの雛型例の説明図である。
【
図3】
図1に示すクライアント装置100に送信するBCP用入力フォーム例の説明図である。
【符号の説明】
【0038】
100 クライアント装置
110 第2受信手段
120 提示手段
130 第2送信手段
200 サーバ装置
210 第1送信手段
220 第1受信手段
230 反映手段
300 格納媒体
400 インターネット
500 イントラネット