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特開2024-153153画像色濃度調整装置、画像色濃度調整方法、および、撮像装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153153
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】画像色濃度調整装置、画像色濃度調整方法、および、撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20241022BHJP
   H04N 9/64 20230101ALI20241022BHJP
【FI】
H04N23/60 500
H04N9/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066869
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 孝典
【テーマコード(参考)】
5C066
5C122
【Fターム(参考)】
5C066AA01
5C066BA20
5C066CA07
5C122EA12
5C122FG03
5C122FH02
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】画像における色ノイズを低減させつつ、視認性の悪化を抑制させる。
【解決手段】画像の色ノイズを低減させる際に当該画像の色濃度を調整させる画像色濃度調整装置であって、前記画像の色に係る情報である色関連情報、または、前記画像を画像データとして出力する際の出力条件、を示す条件情報を取得する条件情報取得部と、前記条件情報を用いて、前記色関連情報または前記出力条件に応じて前記画像の色濃度を調整させるよう調整指令を出力する調整指令部と、を備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の色ノイズを低減させる際に当該画像の色濃度を調整させる画像色濃度調整装置であって、
前記画像の色に係る情報である色関連情報、または、前記画像を画像データとして出力する際の出力条件、を示す条件情報を取得する条件情報取得部と、
前記条件情報を用いて、前記色関連情報または前記出力条件に応じて前記画像の色濃度を調整させるよう調整指令を出力する調整指令部と、
を備えた画像色濃度調整装置。
【請求項2】
前記画像の色ノイズを低減させる際に前記画像の色が薄くなるように調整する色処理部を備え、
前記調整指令部は、前記色処理部に対して前記調整指令を出力する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の画像色濃度調整装置。
【請求項3】
前記色関連情報は、前記画像の色情報または輝度情報を用いて得られる情報である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像色濃度調整装置。
【請求項4】
前記色関連情報は、色スペクトルであり、
前記調整指令部は、前記色スペクトルに示される色の複雑さに応じて、前記画像の色濃度を調整させる調整指令を出力する、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像色濃度調整装置。
【請求項5】
前記色関連情報は、輝度コントラストであり、
前記調整指令部は、前記輝度コントラストの高低に応じて、前記画像の色濃度を調整させる調整指令を出力する、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像色濃度調整装置。
【請求項6】
前記出力条件は、前記画像データに対する処理の後に出力されるべき画像データである処理後画像データのデータ量に関する条件である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像色濃度調整装置。
【請求項7】
前記出力条件は、予め記憶された出力ビットレートであり、
前記調整指令部は、前記出力ビットレートの高低に応じて、前記画像データに示される画像の色濃度を調整させる調整指令を出力する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像色濃度調整装置。
【請求項8】
画像の色ノイズを低減させる処理において調整指令を行う画像色濃度調整装置による画像色濃度調整方法であって、
前記画像色濃度調整装置の条件情報取得部が、前記画像の色に係る情報である色関連情報、または、前記画像を画像データとして出力する際の出力条件、を示す条件情報を取得し、
前記画像色濃度調整装置の調整指令部が、前記条件情報を用いて、前記色関連情報または前記出力条件に応じて前記画像の色濃度を調整させるよう調整指令を出力する、
ことを特徴とする画像色濃度調整方法。
【請求項9】
撮像した画像を出力する撮像部と、
前記撮像部により出力された画像の輝度を解析する輝度解析部と、
前記輝度解析部による解析結果である明るさの情報を用いて輝度を変化させる輝度調整指令値を算出する輝度調整指令部と、
前記輝度解析部による解析結果および前記輝度調整指令部により算出された輝度調整指令値に基づいて画像の輝度を調整する輝度処理部と、
前記撮像部により出力された画像の色を解析する色解析部と、
前記色解析部による解析結果に基づく前記画像の色に係る情報である色関連情報、または、前記画像を画像データとして出力する際の出力条件、を示す条件情報を取得する条件情報取得部と、
前記条件情報を用いて、前記色関連情報または前記出力条件に応じて前記画像の色濃度を調整させるよう調整指令を出力する調整指令部と、
前記輝度調整指令値、前記色解析部による解析結果、および、前記調整指令部により出力された前記調整指令を用いて、前記画像の色濃度を調整する色処理部と、
を備えた撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は、画像の色濃度を調整する画像色濃度調整技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば撮像画像を含む画像信号は、画像の出力条件に応じて画像処理の際に増幅される場合がある。また、当該画像信号には、実際の撮像対象には存在しない色成分などのノイズを含む場合がある。
このような画像信号に含まれるノイズは、画像信号から生成される画像の中に、例えば赤色、緑色、青色といった色が斑点状に生じるノイズである色ノイズを生じさせてしまう。色ノイズは、特に、画像信号が増幅された際に同時にノイズの成分が増幅されてしまうため、より顕著に表れる。
特許文献1には、低照度の画像を含む画像信号を増幅し、増幅されてしまったノイズ成分を抑圧するために、色信号の信号レベルを減衰させる技術が記載されている。
特許文献1の撮像装置は、画像信号を増幅させた際のゲインアップ分を考慮し、「色信号の信号レベルをゲインアップ分に応じて減衰させる」。
特許文献1の撮像装置による処理後の画像は、画像信号の増幅分に応じて、画像における色が薄くなり、色が薄くなった分、色ノイズが低減した画像になる。
(特許文献1の第1-4頁、第1図、特に段落[0011])
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-091402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の撮像装置は、単に画像信号の増幅分に応じて画像の色を薄くしてしまうため、例えば色が薄くなり過ぎてしまうといった点で視認性を悪化させた画像を出力してしまう、といった課題がある。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するもので、画像における色ノイズを低減させつつ、視認性の悪化を抑制させること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の画像色濃度調整装置は、
画像の色ノイズを低減させる際に当該画像の色濃度を調整させる画像色濃度調整装置であって、
前記画像の色に係る情報である色関連情報、または、前記画像を画像データとして出力する際の出力条件、を示す条件情報を取得する条件情報取得部と、
前記条件情報を用いて、前記色関連情報または前記出力条件に応じて前記画像の色濃度を調整させるよう調整指令を出力する調整指令部と、
を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、画像における色ノイズを低減させつつ、視認性の悪化を抑制させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の実施の形態1に係る画像色濃度調整装置200を含む撮像システム1の基本的な構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施の形態1に係る画像色濃度調整装置200の処理の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、実施の形態1に係る画像色濃度調整装置200Aおよび撮像装置100Aを含む撮像システム1Aの詳細な構成の一例を示す図である。
図4図4は、画像色濃度調整装置200Aおよび撮像装置100Aを含む撮像システム1Aの処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施の形態1に係る画像色濃度調整装置200Aの処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施の形態1に係る色濃度調整指令値データベースの構成の一例を示す図である。
図7図7は、実施の形態1に係る画像色濃度調整装置200A´および撮像装置100A´を含む撮像システム1A´の詳細な構成の他の一例を示す図である。
図8図8は、実施の形態2に係る画像色濃度調整装置200Bおよび撮像装置100Bを含む撮像システム1Bの詳細な構成の一例を示す図である。
図9図9は、実施の形態2に係る画像色濃度調整装置200Bの処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、実施の形態2に係る色濃度調整指令値データベースの構成の一例を示す図である。
図11図11は、実施の形態2に係る画像色濃度調整装置200B´および撮像装置100B´を含む撮像システム1B´の詳細な構成の他の一例を示す図である。
図12図12は、実施の形態3に係る画像色濃度調整装置200Cおよび撮像装置100Cを含む撮像システム1Cの詳細な構成の一例を示す図である。
図13図13は、実施の形態3に係る画像色濃度調整装置200Cの処理の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、実施の形態3に係る色濃度調整指令値データベースの構成の一例を示す図である。
図15図15は、実施の形態3に係る画像色濃度調整装置200C´および撮像装置100C´を含む撮像システム1C´の詳細な構成の他の一例を示す図である。
図16図16は、実施の形態4に係る画像色濃度調整装置200Dおよび撮像装置100Dを含む撮像システム1Dの詳細な構成の一例を示す図である。
図17図17は、実施の形態4に係る画像色濃度調整装置200Dの処理の一例を示すフローチャートである。
図18図18は、実施の形態4に係る色濃度調整指令値データベースの構成の一例を示す図である。
図19図19は、実施の形態4に係る画像色濃度調整装置200D´および撮像装置100D´を含む撮像システム1D´の詳細な構成の他の一例を示す図である。
図20図20は、実施の形態5に係る画像色濃度調整装置200Eおよび撮像装置100Eを含む撮像システム1Eの詳細な構成の一例を示す図である。
図21図21は、実施の形態5に係る画像色濃度調整装置200Eの処理の一例を示すフローチャートである。
図22図22は、実施の形態5に係る画像色濃度調整装置200E´および撮像装置100E´を含む撮像システム1E´の詳細な構成の他の一例を示す図である。
図23図23は、本開示の構成による機能を実現するためのハードウェア構成の第1の例を示す図である。
図24図24は、本開示の構成による機能を実現するためのハードウェア構成の第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示の実施の形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
実施の形態1においては、本開示の基本的な形態を説明する。
【0011】
画像色濃度調整装置を含む撮像システムの構成を説明する。
図1は、本開示の実施の形態1に係る画像色濃度調整装置200を含む撮像システム1の基本的な構成の一例を示す図である。
撮像システム1は、撮像により得られた撮像信号を処理して、処理により得られた画像のデータ(画像データ)を映像信号に変換して出力するシステムである。
撮像システム1は、撮像装置100、および、画像色濃度調整装置200、を含み構成されている。
【0012】
撮像装置100は、撮像するとともに、撮像により得られた撮像信号を映像信号に変換して出力する。
【0013】
画像色濃度調整装置200は、画像の色濃度を調整させる装置である。
画像色濃度調整装置200は、特に画像の色ノイズを低減させる際に当該画像の色濃度を調整させる。
画像色濃度調整装置200は、条件情報取得部230、および、調整指令部240(色濃度調整指令部)、を含み構成されている。
【0014】
条件情報取得部230は、条件情報を取得する。
条件情報取得部230は、外部から取得した情報に基づいて条件情報を取得する。
条件情報は、画像の色ノイズを低減させる際に当該画像の視認性をできるだけ維持するために色濃度を調整する条件を設定することが可能な情報である。
条件情報は、例えば、画像の色関連情報または画像のデータを出力する際の映像信号の出力条件を示す情報である。
条件情報に示される条件は、画像自体に含まれる情報を用いて取得できる条件、または、画像自体には含まれない情報を用いて取得できる条件である。
画像自体に含まれる情報は、例えば色情報、輝度情報といった情報である。
画像自体に含まれない情報は、例えば画像を画像データとして出力する際の出力条件である。
【0015】
調整指令部240は、画像の色濃度を調整させる色濃度調整指令部である。
調整指令部240は、条件情報を用いて、画像の色濃度を調整させる。
具体的には、調整指令部240は、条件情報を用いて、色関連情報または出力条件に応じて画像の色濃度を調整させるよう調整指令を出力する。
【0016】
画像色濃度調整装置200は、上記構成以外に、図示しない制御部、および、図示しない記憶部を含み構成されていてもよい。
図示しない制御部は、画像色濃度調整装置200全体の制御を行う。図示しない制御部は、例えば外部からの指令に従って画像色濃度調整装置200を起動させる。また、図示しない制御部は、撮像装置100の状態(動作状態=起動、シャットダウン、スリープなどの状態)に応じて画像色濃度調整装置200の状態(動作状態=起動、シャットダウン、スリープなどの状態)を制御する。
図示しない記憶部は、画像色濃度調整装置200に用いられる各データを記憶する。図示しない記憶部は、例えば、画像色濃度調整装置200における各構成部による出力(出力されたデータ)を記憶し、構成部ごとに要求されたデータを要求元の構成部へ宛てて出力する。
【0017】
画像色濃度調整装置200の処理の例を説明する。
図2は、実施の形態1に係る画像色濃度調整装置200の処理の一例を示すフローチャートである。
画像色濃度調整装置200は、色濃度調整指令処理を実行する。
色濃度調整処理は、条件情報取得処理、および、調整指令処理を含む。
【0018】
画像色濃度調整装置200は、色濃度調整指令処理を開始すると、まず、条件情報取得処理を実行する(ステップST1)。
条件情報取得処理において、画像色濃度調整装置200の条件情報取得部230は、外部から条件情報の基になる情報を取得する。条件情報取得部230は、例えば、画像の色情報、画像の輝度情報、画像を画像データとして出力する際の出力条件、といった情報を取得する。条件情報取得部230は、取得した情報に基づき、画像の色濃度を調整する条件を示す条件情報を取得して出力する。
【0019】
画像色濃度調整装置200は、次いで、調整指令処理を実行する(ステップST2)。
調整指令処理において、画像色濃度調整装置200の調整指令部240は、まず、条件情報取得部230により出力された条件情報を取得する。調整指令部240は、次いで、条件情報を用いて、条件情報に示される値に応じた色濃度に調整させる調整指令を生成して出力する。
【0020】
画像色濃度調整装置200は、調整指令処理を実行すると、次いで、一連の画像色濃度調整処理を終了する、または、ステップST1の条件情報取得処理から繰り返す。
【0021】
画像色濃度調整装置200を含む撮像システム1の詳細な構成の例を説明する。
図3は、実施の形態1に係る画像色濃度調整装置200Aおよび撮像装置100Aを含む撮像システム1Aの詳細な構成の一例を示す図である。
撮像システム1Aは、撮像装置100A、および、画像色濃度調整装置200A、を含み構成されている。
【0022】
撮像装置100Aは、撮像した画像を示す情報を画像データである映像信号として出力する。
撮像装置100Aは、例えば監視カメラである。撮像装置100Aが監視カメラである場合、定点に設置されて運用される。そのため、周囲の照度変化や被写体の動きにより撮像の対象は一様ではない。このような変化があっても色ノイズを低減するために、監視カメラは、色ノイズを低減する構成を備えている場合がある。
撮像装置100Aは、説明において、上記のような監視カメラである場合の構成例を示すが、本開示の撮像装置100Aは、監視カメラに限定されない。
【0023】
撮像装置100Aは、撮像部101、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、および、出力信号生成部130、を含み構成されている。
【0024】
撮像部101は、撮像素子102を有する。
撮像部101は、撮像素子102により撮像された画像を出力する。
画像は、撮像信号として出力される。
【0025】
画像取得部103は、撮像部101により出力された画像である撮像信号を取得する。
画像取得部103は、撮像信号処理部104を含み構成されている。
撮像信号処理部104は、取得した撮像信号に基づいて画像の輝度情報を含む輝度信号と色情報を含む色信号とに分離し、輝度信号および色信号をそれぞれ出力する。
【0026】
輝度解析部111は、撮像部101により出力された画像の輝度を解析する。
輝度解析部111は、輝度信号の解析結果として明るさの情報を輝度調整指令部112へ出力する。
また、輝度解析部111は、輝度信号から得られた輝度情報を輝度処理部113へ出力する。
【0027】
輝度調整指令部112は、輝度調整指令値を出力する。
輝度調整指令部112は、輝度解析部111による解析結果を用いて画像のノイズを低減させる輝度調整指令値を出力する。
具体的には、輝度調整指令部112は、明るさの情報を取得し、明るさの情報を用いて輝度画像の輝度を調整させるための輝度調整指令値を算出する。
輝度調整指令部112は、例えば輝度調整指令値として増幅ゲインを算出する増幅指令部である。この場合、増幅指令部は、明るさの情報に示される値がしきい値未満である場合、画像の明るさが不足していると判断して、基準となる増幅ゲインより大きくした増幅ゲインを出力し、明るさの情報に示される値がしきい値以上である場合、画像の明るさが過剰であると判断して、基準となる増幅ゲインより小さくした増幅ゲインを出力する。
【0028】
輝度処理部113は、画像の輝度を調整する。
輝度処理部113は、輝度解析部111により出力された輝度情報、および、輝度調整指令部112により出力された輝度調整指令値に基づいて画像の輝度を調整する。
具体的には、例えば、輝度処理部113は、輝度情報を用いて、例えば解像補正などの処理を行う。また、輝度処理部113は、輝度調整指令値が増幅ゲインである場合、増幅ゲインに応じて撮像信号を増幅する。なお、増幅された撮像信号は、増幅されたノイズ成分を含むことになる。ノイズ成分は、色ノイズの原因になる要素である。
【0029】
色解析部121は、撮像部101により出力された画像の色を解析する。
具体的には、色解析部121は、画像の色信号を解析し、解析結果として色情報を出力する。
【0030】
色処理部122は、画像の色濃度を調整する。
具体的には、色処理部122は、輝度調整指令部112により出力された輝度調整指令値、色解析部121による解析結果、および、画像色濃度調整装置200Aの調整指令部240Aにより出力された調整指令を用いて、画像の色濃度を調整する。
例えば、色処理部122は、輝度調整指令値としての増幅ゲインに応じて色濃度を下げて色が薄くなるように処理する。このとき、色処理部122は、調整指令部240Aによる調整指令に応じて色濃度を下げる度合いを変化させる。
【0031】
出力信号生成部130は、画像を含む画像データである映像信号を生成して出力する。
具体的には、出力信号生成部130は、輝度処理部113による処理後の輝度情報、および、色処理部122による処理後の色情報、に基づく画像を、定められた出力ビットレートの映像信号に変換して出力する。
【0032】
画像色濃度調整装置200Aは、条件情報取得部230A、および、調整指令部240A(色濃度調整指令部)、を含み構成されている。
【0033】
条件情報取得部230Aは、外部から取得した情報に基づいて条件情報を取得する。条件情報取得部230Aは、例えば、画像に含まれる情報、撮像システム1の内部において保持されている情報、撮像システム1の外部から取得される情報、を用いて、画像の色ノイズを低減させる際に当該画像の視認性をできるだけ維持するために色濃度を調整する条件を取得する。
例えば、条件情報は、画像の色に係る情報である色関連情報、を示す。この場合、色関連情報は、例えば、画像の色情報または輝度情報を用いて得られる情報である。具体的には、色情報に基づく色の分布、または、輝度情報に基づく画像内の輝度コントラスト、といった情報を用いて取得できる条件を示す。
または、例えば、条件情報は、画像データの出力条件、を示す。出力条件は、例えば、画像を画像データとして出力される際の出力ビットレートである。
【0034】
調整指令部240Aは、画像の色濃度を調整させる色濃度調整指令部である。
調整指令部240Aは、条件情報を用いて、画像の色濃度を調整させる。
具体的には、調整指令部240Aは、条件情報を用いて、色関連情報または出力条件に応じて画像の色濃度を調整させるよう調整指令を出力する。
調整指令部240Aは、画像の色ノイズを低減させる際に画像の色が薄くなるように調整する色処理部に対して調整指令を出力する。
【0035】
画像色濃度調整装置200を含む撮像システム1の詳細な処理の例を説明する。
図4は、画像色濃度調整装置200Aおよび撮像装置100Aを含む撮像システム1Aの処理の一例を示すフローチャートである。
【0036】
撮像システム1Aは、撮像処理を開始すると、まず、撮像システム1Aの撮像装置100Aは、撮像信号取得処理を実行する(ステップST1000)。
撮像信号取得処理において、撮像装置100Aの画像取得部103は、撮像部101の撮像素子102により出力された撮像信号を取得する。
【0037】
次いで、画像取得部103は、信号分離処理を実行する(ステップST1010)。
具体的には、画像取得部103の撮像信号処理部104は、撮像信号を輝度信号と色信号とに分離して、出力する。
【0038】
次いで、輝度解析部111は、輝度解析処理を実行する(ステップST1020)。
具体的には、輝度解析部111は、撮像信号処理部104により出力された輝度信号を取得する。輝度解析部111は、輝度信号を解析処理して解析結果として明るさの情報を輝度調整指令部112へ出力する。また、輝度解析部111は、輝度信号から得られた輝度情報を輝度処理部113へ出力する。
【0039】
次いで、輝度調整指令部112は、輝度調整指令値算出処理を実行する(ステップST1030)。
具体的には、輝度調整指令部112は、まず、輝度解析部111から明るさの情報を取得する。輝度調整指令部112は、次に、明るさの情報を用いて、輝度調整指令値を算出する。輝度調整指令部112は、例えば、明るさの情報としきい値とを比較し、明るさの情報に示される値がしきい値未満である場合、画像の明るさが不足していると判断して、基準となる輝度調整指令値より大きな値である輝度調整指令値を出力し、明るさの情報に示される値がしきい値以上である場合、画像の明るさが過剰であると判断して、基準となる輝度調整指令値より小さい値の輝度調整指令値を出力する。
【0040】
次いで、輝度処理部113は、輝度処理を実行する(ステップST1040)。
具体的には、輝度処理部113は、輝度解析部111により出力された輝度情報および撮像信号を取得する。輝度処理部113は、輝度情報を用いて、例えば解像補正などの処理を行う。また、輝度処理部113は、輝度調整指令値に応じて撮像信号を増幅し、増幅した撮像信号を出力信号生成部130へ出力する。
【0041】
次いで、色解析部121は、色解析処理を実行する(ステップST1050)。
具体的には、色解析部121は、撮像信号処理部104により出力された色信号を取得する。色解析部121は、色信号を解析し、解析結果として画像の色情報を出力する。
【0042】
次いで、画像色濃度調整装置200は、色濃度調整指令処理を実行する(ステップST1100)。
具体的には、画像色濃度調整装置200は、取得された画像の条件情報または画像を出力する際の条件情報を取得し、当該条件情報を用いて、当該条件情報に応じて画像の色濃度を調整させる調整指令を出力する。
調整指令は調整指令値を含み、画像色濃度調整装置200の調整指令部240から出力される。
色濃度調整指令処理の詳細な処理の説明は、後述する。
【0043】
次いで、色処理部122は、調整指令値取得処理を実行する(ステップST1200)。
具体的には、色処理部122は、画像色濃度調整装置200の調整指令部240により出力された調整指令に含まれる調整指令値を取得する。
【0044】
次いで、色処理部122は、色処理を実行する(ステップST1210)。
具体的には、色処理部122は、色解析部121による解析結果としての色情報を取得する。また、色処理部122は、輝度調整指令部112により出力された輝度調整指令値を取得する。次いで、色処理部122は、輝度調整指令部112により出力された輝度調整指令値、色解析部121による解析結果、および、画像色濃度調整装置200Aの調整指令部240Aにより出力された調整指令を用いて、画像の色濃度を調整する。
例えば、色処理部122は、輝度調整指令値としての増幅ゲインに応じて色濃度を下げて色が薄くなるように処理する。このとき、色処理部122は、調整指令部240Aによる調整指令に応じて色濃度を下げる度合いを変化させる。
色処理部122は、調整済みの調整後色情報を出力する。
【0045】
次いで、出力信号生成部130は、設定情報取得処理を実行する(ステップST1220)。
具体的には、例えば図示しない記憶部から予め設定された設定情報を取得する。
設定情報は、例えば画像データとしての映像信号を出力する際の条件である出力条件としての出力ビットレートである。
【0046】
次いで、出力信号生成部130は、出力信号生成処理を実行する(ステップST1230)。
具体的には、出力信号生成部130は、輝度処理部113により輝度処理済みの輝度処理後輝度情報および撮像信号を取得する。また、色処理部122により色処理済みの調整後色情報を取得する。出力信号生成部130は、設定情報に示される条件を満たすように、輝度処理後輝度情報に示される輝度、かつ、調整後色情報に示される色濃度の画像を示す画像データとしての映像信号を生成して出力する。
【0047】
次いで、図示しない制御部は、一連の処理を終了するかを判定する(ステップST1240)。
図示しない制御部は、一連の処理を終了しないと判定した場合(ステップST1240“NO”)、ステップST1000の処理へ移行する。
図示しない制御部は、一連の処理を終了すると判定した場合(ステップST1240“YES”)、処理を終了する。
【0048】
なお、説明においては、輝度解析処理、輝度調整指令値算出処理、輝度処理、色解析処理、の順に記載したが、色解析処理は、輝度解析処理、輝度調整指令値算出処理および輝度処理より先に実行してもよく、また、輝度解析処理、輝度調整指令値算出処理および輝度処理と並列に処理を実行してもよい。
【0049】
色濃度調整指令処理の詳細について説明する。
図5は、実施の形態1に係る画像色濃度調整装置200Aの処理の一例を示すフローチャートである。
画像色濃度調整装置200Aは、色濃度調整指令処理を開始すると、まず、条件情報取得処理を実行する(ステップST1110)。
条件情報取得処理において、画像色濃度調整装置200Aの条件情報取得部230Aは、処理前に予め設定された種類の情報を取得する。条件情報取得部230Aは、例えば、色解析部121により出力された色情報、輝度処理部により出力された調整後輝度情報、図示しない記憶部に記憶された設定情報、または、外部から取得した情報、を取得する。
条件情報取得部230Aは、取得した情報から得ることが可能な条件であって、画像の色濃度を調整するための条件を示す条件情報を取得して出力する。
【0050】
画像色濃度調整装置200Aは、次いで、調整指令値取得処理を実行する(ステップST1120)。
調整指令値取得処理において、画像色濃度調整装置200Aの調整指令部240Aは、条件情報取得部230Aにより出力された条件情報を取得する。
調整指令部240Aは、条件情報を用いて、色関連情報または出力条件に応じて画像の色濃度を調整させるよう調整指令値を取得する。
調整指令部240Aは、例えば図示しない記憶部に記憶されている色濃度調整指令値データベースを参照して、調整指令値を取得する。
図6は、実施の形態1に係る色濃度調整指令値データベース1000の構成の一例を示す図である。
色濃度調整指令値データベース1000は、条件情報と色濃度調整指令値とを関連付けて記憶するデータベースである。
条件情報は、画像として色濃度を残すべきであるかの度合いを示す情報である。画像として色濃度を残すべきである場合は、例えば、画像における被写体の色が複雑であるか、画像における輝度の差が大きいか、画像を映像信号として出力する際の制限データ量が多いか、といった場合である。
条件情報と色濃度調整指令値とは、条件情報が画像として色濃度を残すべきとの度合いであるほど、色濃度調整指令値が色濃度を濃く残す値を示すように関連付けられている。
【0051】
図5の説明に戻る。
画像色濃度調整装置200Aは、次いで、調整指令処理を実行する(ステップST1130)。
調整指令処理において、画像色濃度調整装置200Aの調整指令部240Aは、取得した調整指令値を用いて調整指令信号を生成し、当該調整指令信号を、色処理部122へ出力する。
【0052】
画像色濃度調整装置200Aは、調整指令処理を実行すると、次いで、色濃度調整指令処理を終了する。
【0053】
ここで、画像色濃度調整装置200A´を含む撮像システム1A´の詳細な構成の別の例を説明する。
実施の形態1に係る画像色濃度調整装置200A´および撮像装置100A´を含む撮像システム1A´の詳細な構成の他の一例を示す図である。
図7に示す構成は、図3に示す構成においては画像色濃度調整装置200Aに含まれていない、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、および、色処理部122、を、画像色濃度調整装置200A´に含めるように変更した構成である。
画像色濃度調整装置200A´は、画像取得部203、撮像信号処理部204、輝度解析部211、輝度調整指令部212(増幅指令部)、輝度処理部213、色解析部221、色処理部222、条件情報取得部230A´、および、調整指令部240A´(色濃度調整指令部)、を含み構成されている。
【0054】
画像取得部203、撮像信号処理部204、輝度解析部211、輝度調整指令部212(増幅指令部)、輝度処理部213、色解析部221、色処理部222、条件情報取得部230A´、および、調整指令部(色濃度調整指令部)A´、は、それぞれ、既に説明した、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、条件情報取得部230A、および、調整指令部240A(色濃度調整指令部)、それぞれの機能と同様の機能を有する構成部であり、ここでの詳細な説明を省略する。
【0055】
また、当該構成の場合の処理は、既に説明した処理と同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0056】
当該構成により、ノイズを除去する構成を有していない撮像装置の場合に、撮像装置に対して、画像における色ノイズを低減させつつ、視認性の悪化を抑制させた画像を出力させるようにすることができる。
【0057】
実施の形態1に説明した構成によれば、画像の色濃度をできるだけ維持できるように調整することが可能になるので、ノイズを低減させる処理を行う構成においても、画像の視認性が悪化してしまうことを抑制することができる。
【0058】
本開示の画像色濃度調整装置は、以下のように構成した。

「画像の色ノイズを低減させる際に当該画像の色濃度を調整させる画像色濃度調整装置であって、
前記画像の色に係る情報である色関連情報、または、前記画像を画像データとして出力する際の出力条件、を示す条件情報を取得する条件情報取得部と、
前記条件情報を用いて、前記色関連情報または前記出力条件に応じて前記画像の色濃度を調整させるよう調整指令を出力する調整指令部と、
を備えた画像色濃度調整装置。」

本開示の構成により、画像における色ノイズを低減させつつ、視認性の悪化を抑制させる画像色濃度調整装置を提供することができる、という効果を奏する。
【0059】
本開示の画像色濃度調整方法は、以下のように構成した。

「画像の色ノイズを低減させる際に当該画像の色濃度を調整させる画像色濃度調整装置による画像色濃度調整方法であって、
前記画像色濃度調整装置の条件情報取得部が、前記画像の色に係る情報である色関連情報、または、前記画像を画像データとして出力する際の出力条件、を示す条件情報を取得し、
前記画像色濃度調整装置の調整指令部が、前記条件情報を用いて、前記色関連情報または前記出力条件に応じて前記画像の色濃度を調整させるよう調整指令を出力する、
ことを特徴とする画像色濃度調整方法。」

本開示の構成により、画像における色ノイズを低減させつつ、視認性を維持した画像を出力させる画像色濃度調整方法を提供することができる、という効果を奏する。
【0060】
本開示の画像色濃度調整装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記画像の色ノイズを低減させる際に前記画像の色が薄くなるように調整する色処理部を備え、
前記調整指令部は、前記色処理部に対して前記調整指令を出力する、
ことを特徴とする、画像色濃度調整装置。」

本開示の構成により、色ノイズを低減させる際に色濃度が下がり過ぎないように調整する画像色濃度調整装置を提供することができる、という効果を奏する。
【0061】
本開示の画像色濃度調整装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記色関連情報は、前記画像の色情報または輝度情報を用いて得られる情報である、
ことを特徴とする、画像色濃度調整装置。」

本開示の構成により、さらに、画像自体に含まれる色情報または輝度情報に応じて視認性の悪化を抑制させることができる画像色濃度調整装置を提供することができる、という効果を奏する。例えば、本開示の構成は、画像を表す情報が多いほど、色濃度を残すように調整することを可能にする。
さらに、本開示の構成は、当該構成を、画像色濃度調整方法、または、撮像装置に適用することにより、当該構成による効果と同様の効果を奏する。
【0062】
本開示の撮像装置は、以下のように構成した。

「撮像した画像を出力する撮像部と、
前記撮像部により出力された前記画像の輝度を解析する輝度解析部と、
前記輝度解析部による解析結果を用いて前記画像のノイズを低減させる輝度調整指令値を出力する輝度調整指令部と、
前記輝度解析部による解析結果および前記輝度調整指令部により出力された輝度調整指令値に基づいて前記画像の輝度を調整する輝度処理部と、
前記撮像部により出力された前記画像の色を解析する色解析部と、
前記色解析部による解析結果に基づく前記画像の色に係る情報である色関連情報、または、前記画像を画像データとして出力する際の出力条件、を示す条件情報を取得する条件情報取得部と、
前記条件情報を用いて、前記色関連情報または前記出力条件に応じて前記画像の色濃度を調整させるよう調整指令を出力する調整指令部と、
前記輝度調整指令値、前記色解析部による解析結果、および、前記調整指令部により出力された前記調整指令を用いて、前記画像の色濃度を調整する色処理部と、
を備えた撮像装置。」

本開示の構成により、画像における色ノイズを低減させつつ、視認性を維持した画像を出力する撮像装置を提供することができる、という効果を奏する。
【0063】
実施の形態2.
実施の形態2は、画像に含まれる色の分布を考慮して色濃度を調整する形態の例を説明する。
実施の形態2に説明する色濃度調整は、色分布のヒストグラムが複雑な場合は、色情報が重要な被写体を撮像しているため、色が薄くなる弊害が大きいため、抑圧度を下げて色を残すようにする、といった考えに基づく。
【0064】
実施の形態2の説明においては、実施の形態1において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
【0065】
実施の形態2に係る画像色濃度調整装置を含む撮像システムの構成の例を説明する。
図8は、実施の形態2に係る画像色濃度調整装置200Bおよび撮像装置100Bを含む撮像システム1Bの詳細な構成の一例を示す図である。
撮像システム1Bは、撮像装置100B、および、画像色濃度調整装置200B、を含み構成されている。
【0066】
撮像装置100Bは、撮像部101、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、および、出力信号生成部130、を含み構成されている。
撮像部101、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、および、出力信号生成部130、それぞれは、既に説明した、撮像部101、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、および、出力信号生成部130、と同様の機能を有する。
【0067】
画像色濃度調整装置200Bは、条件情報取得部230B、および、調整指令部240B(色濃度調整指令部)、を含み構成されている。
【0068】
条件情報取得部230Bは、色関連情報取得部231Bを含み構成されている。
色関連情報取得部231Bは、条件情報として、色関連情報を取得する。
実施の形態2に説明する色関連情報は、色スペクトルである。
色関連情報取得部231Bは、色スペクトル算出部232Bを含み構成されている。
色スペクトル算出部232Bは、色解析部により出力された色情報に基づいて色スペクトルを算出する。
画像の色スペクトルは、画像内の色の分布状態を示し、色の分布が複雑であるほど、画像内の被写体の色情報が幅広く分布していると言える。すなわち、画像の配色が細かいといった視認性に関係が深いことを示していると言える。そこで、色スペクトルを用いて色の複雑さを判定して色濃度の調整に用いる。
なお、色スペクトルは、一般に、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫といった色の順に並ぶものであるが、撮像装置100の中には、画像を解析して、色の三原色である赤、黄、青に分析してホワイトバランス動作などに使用するものがある。色スペクトル算出部232Bは、この解析結果を用いて色スペクトルを得るように構成してもよい。
【0069】
調整指令部240Bは、既に説明した調整指令部240Aと同様に、画像の色濃度を調整させる色濃度調整指令部である。
実施の形態2に示す調整指令部240Bは、色スペクトルに示される色の複雑さに応じて、画像の色濃度を調整させる調整指令を出力する。
調整指令部240Bは、調整指令値取得部241Bを含み構成されている。
調整指令値取得部241Bは、条件情報取得部230Bにより取得された条件情報としての色関連情報である色スペクトルを取得する。
調整指令値取得部241Bは、色スペクトルを用いて、画像の色の複雑さを判定する。調整指令値取得部241Bは、例えば、色スペクトルに分布する色の領域が広いほど複雑であると判定する。また、調整指令値取得部241Bは、例えば、色スペクトルに示される色の分布割合がしきい値以上である色の領域が広いほど複雑であると判定する。
調整指令値取得部241Bは、色の複雑さに応じて画像の色濃度を調整させる調整指令値を取得する。具体的には、調整指令値取得部241Bは、画像における色の複雑さが複雑であるほど画像の色濃度を可能な限り維持する(濃い状態のままにする)ように調整させる調整指令値を取得する。
調整指令部240Bは、調整指令値を含む調整指令を出力する。
【0070】
画像色濃度調整装置200Bの処理の例を説明する。
図9は、実施の形態2に係る画像色濃度調整装置200Bの処理の一例を示すフローチャートである。
画像色濃度調整装置200は、色濃度調整指令処理を実行する。
色濃度調整処理は、色情報取得処理、色スペクトル算出処理、調整指令値取得処理、および、調整指令処理、を含む。
【0071】
画像色濃度調整装置200Bは、色濃度調整指令処理を開始すると、まず、画像色濃度調整装置200Bの条件情報取得部230Bは、色情報取得処理を実行する(ステップST2111)。
色情報取得処理において、条件情報取得部230Bの色関連情報取得部231Bは、色解析部121により出力された色情報を取得する。
【0072】
画像色濃度調整装置200Bの色関連情報取得部231Bは、次いで、色スペクトル算出処理を実行する(ステップST2112)。
色スペクトル算出処理において、色関連情報取得部231Bの色スペクトル算出部232Bは、色解析部121により出力された色情報を用いて画像の色スペクトルを算出する。算出された色スペクトルは、本開示における色関連情報に相当する。
色関連情報取得部231B(色スペクトル算出部232B)は、画像の色スペクトルを調整指令部240Bへ出力する。
【0073】
画像色濃度調整装置200Bの調整指令部240Bは、次いで、調整指令値取得処理を実行する(ステップST2120)。
調整指令値取得処理において、調整指令部240Bの調整指令値取得部241Bは、色関連情報取得部231B(色スペクトル算出部232B)により出力された画像の色スペクトルを取得する。調整指令値取得部241Bは、色スペクトルを用いて画像の色の複雑さを判定する。調整指令値取得部241Bは、画像の色の複雑さに応じて調整指令値を取得する。
調整指令値を取得する方法は、演算により算出する方法でも、予め記憶されたデータベースを用いる方法でもよい、
予め記憶されたデータベースを用いる方法の場合、調整指令部240Bは、例えば図示しない記憶部に記憶されている色濃度調整指令値データベースを参照して、調整指令値を取得する。
図10は、実施の形態2に係る色濃度調整指令値データベース2000の構成の一例を示す図である。
色濃度調整指令値データベース2000は、色スペクトルに示される色成分の複雑さと色濃度調整指令値とを関連付けて記憶するデータベースである。
色成分の複雑さは、例えば、色スペクトルに表される波長順の色成分と画像内の分布数とに基づき、例えば、色スペクトルに出現している色成分の幅、色スペクトルに出現している色成分の面積、を示す値が大きい値であるほど複雑であり、小さい値ほど単純であるとする。
色成分の複雑さと色濃度調整指令値とは、色成分の複雑さが複雑であるほど画像の色濃度が濃く残るように指令する色濃度調整指令値と関連付けられており、色成分の複雑さが単純であるほど画像の色濃度が薄くなるように指令する色濃度調整指令値と関連付けられている。
【0074】
画像色濃度調整装置200Bの調整指令部240Bは、次いで、調整指令処理を実行する(ステップST2130)。
調整指令処理において、調整指令部240Bは、調整指令値取得部241Bにより取得された色濃度調整指令値を含む調整指令を出力する。
【0075】
画像色濃度調整装置200Bは、調整指令部240Bにより調整指令が出力されると、色濃度調整指令処理を終了する。
【0076】
ここで、画像色濃度調整装置200Bを含む撮像システム1Bの詳細な構成の別の例を説明する。
図11は、実施の形態2に係る画像色濃度調整装置200B´および撮像装置100B´を含む撮像システム1B´の詳細な構成の他の一例を示す図である。
図11に示す構成は、図8に示す構成においては画像色濃度調整装置200Bに含まれていない、撮像部101、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、および、色処理部122、を画像色濃度調整装置200B´に含めるように変更した構成である。
【0077】
画像色濃度調整装置200B´は、画像取得部203、撮像信号処理部204、輝度解析部211、輝度調整指令部212(増幅指令部)、輝度処理部213、色解析部221、色処理部222、条件情報取得部230B´、色関連情報取得部231B´、色スペクトル算出部232B´、調整指令部240B´(色濃度調整指令部)、および、調整指令値取得部241B´、を含み構成されている。
画像取得部203、撮像信号処理部204、輝度解析部211、輝度調整指令部212(増幅指令部)、輝度処理部213、色解析部221、色処理部222、条件情報取得部230B´、色関連情報取得部231B´、色スペクトル算出部232B´、調整指令部240B´(色濃度調整指令部)、調整指令値取得部241B´、はそれぞれ、既に説明した、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、条件情報取得部230B、色関連情報取得部231B、色スペクトル算出部232B、調整指令部240B(色濃度調整指令部)、調整指令値取得部241B、それぞれと同様の機能を有する構成部であり、ここでの詳細な説明を省略する。
また、当該構成の場合の処理は、既に説明した処理と同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
当該構成により、ノイズを除去する構成を有していない撮像装置の場合に、撮像装置に対して、画像における色ノイズを低減させつつ、視認性の悪化を抑制させた画像を出力させるようにすることができる。
【0078】
実施の形態2に説明した構成によれば、画像を構成する色成分の種類が多く画像が複雑であるほど画像の色濃度を維持できるように調整することが可能になるので、ノイズを低減させる処理を行う構成においても、画像の視認に係る色情報を多く残すことができ、画像の視認性が悪化してしまうことを抑制することができる。
【0079】
本開示の画像色濃度調整装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記色関連情報は、色スペクトルであり、
前記調整指令部は、前記色スペクトルに示される色の複雑さに応じて、前記画像の色濃度を調整させる調整指令を出力する、
ことを特徴とする、画像色濃度調整装置。」

本開示の構成により、さらに、画像の色の複雑さを考慮して視認性の悪化を抑制させることができる画像色濃度調整装置を提供することができる、という効果を奏する。本開示の構成は、例えば、画像に含まれる色の種類が多いといった複雑な画像であるほど、色濃度を残すように調整することを可能にする。
さらに、本開示の構成は、当該構成を、画像色濃度調整方法、または、撮像装置に適用することにより、当該構成による効果と同様の効果を奏する。
【0080】
実施の形態3.
実施の形態3においては、画像における輝度のコントラストを考慮して色濃度を調整する形態の例を説明する。
実施の形態3に説明する色濃度調整は、輝度コントラストが低い場合は、被写体の情報が少ない割に色ノイズが目立つため、抑圧度を上げて色を薄くし、ノイズを少なくすることで視認性を確保する、といった考えに基づく。
より詳しくは、撮像装置において、被写体の照度が低い、すなわち撮像装置の周囲が暗い場合、撮像素子102の映像出力は全体に暗い中で被写体が埋もれがちとなり、輝度のコントラストが低くなる。この状態のときには、相対的に色ノイズが映像出力の中で大部分を占めるため、色の濃さを薄くすることで色ノイズの低減を図ることとする。
実施の形態3の説明においては、実施の形態1において既に説明した内容、および、実施の形態2において既に説明した内容、と同様の内容について適宜省略する場合がある。
【0081】
画像色濃度調整装置200を含む撮像システム1の構成を説明する。
図12は、実施の形態3に係る画像色濃度調整装置200Cおよび撮像装置100Cを含む撮像システム1Cの詳細な構成の一例を示す図である。
撮像システム1Cは、撮像装置100C、および、画像色濃度調整装置200C、を含み構成されている。
【0082】
撮像装置100Cは、撮像部、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、および、出力信号生成部130、を含み構成されている。
撮像部101、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、および、出力信号生成部130、それぞれは、既に説明した、撮像部101、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、および、出力信号生成部130、と同様の機能を有する。
【0083】
画像色濃度調整装置200Cは、条件情報取得部230C、および、調整指令部240C(色濃度調整指令部)、を含み構成されている。
【0084】
条件情報取得部230Cは、色関連情報取得部231C、を含み構成されている。
色関連情報取得部231Cは、条件情報として、色関連情報を取得する。
実施の形態3に説明する色関連情報は、輝度コントラストである。
色関連情報取得部231Cは、輝度コントラスト算出部233C、を含み構成されている。
輝度コントラスト算出部233Cは、輝度処理部により出力された輝度情報に基づいて輝度コントラストを算出する。
輝度コントラストは、例えば、画像内における最も高い輝度と最も低い輝度との差を示す。
画像の輝度コントラストは、撮像装置100Cの周囲が暗い場合など、画像における被写体の照度が低く、画像の中で被写体が埋もれてしまうような状態になり、輝度コントラストが低くなる。この状態においては、色ノイズが画像の中で相対的に大部分を占めてしまい、視認性が低くなる。また、画像の輝度コントラストは、輝度コントラストが高い場合、輝度の情報が豊富であり、色ノイズを埋もれやすくして目立たなくする。そこで、画像の輝度コントラストを用いて、輝度コントラストが低い場合に画像の色濃度をできるだけ残すように調整する。
【0085】
調整指令部240Cは、既に説明した調整指令部240Aと同様に、画像の色濃度を調整させる色濃度調整指令部である。
実施の形態3に示す調整指令部240Cは、輝度コントラストの高低に応じて、画像の色濃度を調整する調整指令を出力する。
調整指令部240Cは、調整指令値取得部241C、を含み構成されている。
調整指令値取得部241Cは、条件情報取得部230Cにより取得された条件情報としての色関連情報である輝度コントラストを取得する。
調整指令値取得部241Cは、輝度コントラストを用いて、輝度コントラストの高低に応じた調整指令値(色濃度調整指令値)を取得する。具体的には、調整指令値取得部241Cは、輝度コントラストが高くなるにしたがって、画像の色濃度を可能な限り維持する(濃い状態のままにする)ように調整させる調整指令値を取得する。
調整指令部240Cは、調整指令値を含む調整指令を出力する。
【0086】
画像色濃度調整装置200Cの処理を説明する。
図13は、実施の形態3に係る画像色濃度調整装置200Cの処理の一例を示すフローチャートである。
画像色濃度調整装置200Cは、色濃度調整指令処理を実行する。
色濃度調整処理は、輝度情報取得処理、輝度コントラスト算出処理、調整指令値取得処理、および、調整指令処理、を含む。
【0087】
画像色濃度調整装置200Cは、色濃度調整指令処理を開始すると、まず、画像色濃度調整装置200Cの条件情報取得部230Cは、輝度情報取得処理を実行する(ステップST3111)。
輝度情報取得処理において、条件情報取得部230Cの色関連情報取得部231Cは、輝度処理部により出力された輝度情報を取得する。
【0088】
次いで、画像色濃度調整装置200Cの色関連情報取得部231Cは、輝度コントラスト算出処理を実行する(ステップST3112)。
輝度コントラスト算出処理において、色関連情報取得部231Cの輝度コントラスト算出部233Cは、輝度処理部により出力された輝度情報を用いて画像の輝度コントラストを算出する。算出された輝度コントラストは、本開示における色関連情報に相当する。
色関連情報取得部231C(輝度コントラスト算出部233C)は、画像の輝度コントラストを示す輝度コントラスト情報を調整指令部240Cへ出力する。
【0089】
次いで、画像色濃度調整装置200Cの調整指令部240Cは、調整指令値取得処理を実行する(ステップST3120)。
調整指令値取得処理において、調整指令部240Cの調整指令値取得部241Cは、色関連情報取得部231C(輝度コントラスト算出部233C)により出力された画像の輝度コントラスト情報を取得する。調整指令値取得部241Cは、輝度コントラスト情報に示される輝度コントラストを用いて、輝度コントラストの値に応じた調整指令値を取得する。
調整指令値を取得する方法は、演算により算出する方法でも、予め記憶されたデータベースを用いる方法でもよい、
予め記憶されたデータベースを用いる方法の場合、調整指令部240Cは、例えば図示しない記憶部に記憶されている色濃度調整指令値データベースを参照して、調整指令値を取得する。
図14は、実施の形態3に係る色濃度調整指令値データベース3000の構成の一例を示す図である。
色濃度調整指令値データベース3000は、輝度コントラストの値と色濃度調整指令値とを関連付けて記憶するデータベースである。
輝度コントラストの値と色濃度調整指令値とは、輝度コントラストの値が高いほど画像の色濃度が濃く残るように指令する色濃度調整指令値と関連付けられており、輝度コントラストが低いほど画像の色濃度が薄くなるように指令する色濃度調整指令値と関連付けられている。
【0090】
画像色濃度調整装置200Cの調整指令部240Cは、次いで、調整指令処理を実行する(ステップST3130)。
調整指令処理において、調整指令部240Cは、調整指令値取得部241Cにより取得された色濃度調整指令値を含む調整指令を出力する。
【0091】
画像色濃度調整装置200Cは、調整指令部240Cにより調整指令が出力されると、色濃度調整指令処理を終了する。
【0092】
ここで、実施の形態3に係る画像色濃度調整装置200を含む撮像システムの詳細な構成の別の例を説明する。
図15は、実施の形態3に係る画像色濃度調整装置200C´および撮像装置100C´を含む撮像システム1C´の詳細な構成の他の一例を示す図である。
図15に示す構成は、図12に示す構成においては画像色濃度調整装置200Cに含まれていない、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、を画像色濃度調整装置200C´に含めるように変更した構成である。
画像色濃度調整装置200C´は、画像取得部203、撮像信号処理部204、輝度解析部211、輝度調整指令部212(増幅指令部)、輝度処理部213、色解析部221、色処理部222、条件情報取得部230C´、色関連情報取得部231C´、輝度コントラスト算出部233C´、調整指令部240C´(色濃度調整指令部)、および、調整指令値取得部241C´、を含み構成されている。
【0093】
画像取得部203、撮像信号処理部204、輝度解析部211、輝度調整指令部212(増幅指令部)、輝度処理部213、色解析部221、色処理部222、条件情報取得部230C´、色関連情報取得部231C´、輝度コントラスト算出部233C´、調整指令部240C´(色濃度調整指令部)、および、調整指令値取得部241C´、はそれぞれ、既に説明した、画像取得部203、撮像信号処理部204、輝度解析部211、輝度調整指令部212(増幅指令部)、輝度処理部213、色解析部221、色処理部222、条件情報取得部230C、色関連情報取得部231C、輝度コントラスト算出部233C、調整指令部240C(色濃度調整指令部)、および、調整指令値取得部241C、と同様の機能を有する構成部であり、ここでの詳細な説明を省略する。
また、当該構成の場合の処理は、既に説明した処理と同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
当該構成により、ノイズを除去する構成を有していない撮像装置100の場合に、撮像装置100に対して、画像における色ノイズを低減させつつ、視認性の悪化を抑制させた画像を出力させるようにすることができる。
【0094】
実施の形態3に説明した構成によれば、画像を構成する輝度の最大輝度と最小輝度との差が大きいほど画像の色濃度を維持できるように調整することが可能になるので、
ノイズを低減させる処理を行う構成においても、画像の視認性が悪化してしまうことを抑制することができる。
【0095】
本開示の画像色濃度調整装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記色関連情報は、輝度コントラストであり、
前記調整指令部は、前記輝度コントラストの高低に応じて、前記画像の色濃度を調整する調整指令を出力する、
ことを特徴とする、画像色濃度調整装置。」

本開示の構成により、画像の輝度コントラストを考慮して視認性の悪化を抑制させる画像色濃度調整装置を提供することができる、という効果を奏する。
本開示の構成は、例えば、画像における輝度の差が多いといった複雑な画像であるほど、色濃度を残すように調整することが可能になる。
さらに、本開示の構成は、当該構成を、画像色濃度調整方法、または、撮像装置に適用することにより、当該構成による効果と同様の効果を奏する。
【0096】
実施の形態4.
実施の形態4においては、画像データの出力条件を考慮して色濃度を調整する形態の例を説明する。
最近の撮像装置、特に映像監視用途に用いられるものにおいては、例えばH.264やH.265などの動画圧縮規格で圧縮された形でネットワークに送出されるものが主流となっている。
そのため、ネットワークへの負荷を考慮し、ユーザインタフェースを用いて、出力ビットレートをユーザが設定できるようにされているものがある。
出力ビットレートを低くした場合、ビットレートが低いところで頭打ちとなるので、色ノイズが発生するような状況においては、このノイズ成分がビットレートの大半を占めることとなり、視認性が悪化してしまう。
このことに鑑みて、実施の形態4に説明する色濃度調整は、低ビットレート設定、かつ低照度の場合には、発生する色ノイズが使用するビットレートの大半を占めてしまい、結果として画質を低下させてしまうため、抑圧レベルを上げることでブロックノイズ等の発生を抑制し、被写体の視認性を確保する、との考えに基づく。
【0097】
実施の形態4の説明においては、実施の形態1において既に説明した内容、実施の形態2において既に説明した内容、および、実施の形態3において既に説明した内容、と同様の内容について適宜省略する場合がある。
【0098】
画像色濃度調整装置200を含む撮像システムの構成を説明する。
図16は、実施の形態4に係る画像色濃度調整装置200Dおよび撮像装置100Dを含む撮像システム1Dの詳細な構成の一例を示す図である。
撮像システム1Dは、撮像装置100D、および、画像色濃度調整装置200D、を含み構成されている。
【0099】
撮像装置100Dは、撮像部、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、出力信号生成部130、設定情報記憶部140、および、ユーザインタフェース部150(UI部)、を含み構成されている。
撮像部101、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、および、出力信号生成部130、それぞれは、既に説明した、撮像部101、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、および、出力信号生成部130、と同様の機能を有する。ここでの詳細な説明は省略する。
【0100】
UI部(ユーザインタフェース部150)は、ユーザの操作を受け付ける。本形態において、ユーザインタフェース部150は、画像データである映像信号を出力する際の出力条件の設定を、ユーザの操作により受け付ける。
【0101】
設定情報記憶部140は、ユーザインタフェース部150が受け付けた出力条件(出力条件情報)を記憶する。
設定情報記憶部140に記憶された出力条件は、出力信号生成部130が映像信号を出力する際に参照される。
設定情報記憶部140に記憶された出力条件は、画像色濃度調整装置200Dの出力条件取得部236Dにより参照される。
出力条件は、画像データに対する処理の後に出力されるべき画像データである処理後画像データのデータ量に関する条件である。
具体的には、出力条件は、例えば、ユーザにより予め設定されて記憶された出力ビットレートである。
【0102】
画像色濃度調整装置200Dは、条件情報取得部230D、出力条件取得部236D、および、調整指令部240D(色濃度調整指令部)、を含み構成されている。
【0103】
条件情報取得部230Dは、出力条件取得部236Dを含み構成されている。
出力条件取得部236Dは、画像データに対する処理の後に出力されるべき画像データである処理後画像データのデータ量に関する条件である出力条件を取得する。
実施の形態4に説明する出力条件取得部236Dは、出力ビットレート取得部237Dを含み構成されている。
出力ビットレート取得部237Dは、出力条件として予め設定されて記憶された出力ビットレートを取得する。
【0104】
調整指令部240D(色濃度調整指令部)は、出力ビットレートの高低に応じて、画像データに示される画像の色濃度を調整する調整指令を出力する。
調整指令部240Dは、調整指令値取得部241Dを含み構成されている。
調整指令値取得部241Dは、条件情報取得部230D(出力ビットレート取得部237D)により取得された条件情報としての出力条件である出力ビットレートを取得する。
調整指令値取得部241Dは、出力ビットレートを用いて、出力ビットレートの高低に応じた調整指令値(色濃度調整指令値)を取得する。具体的には、調整指令値取得部241Dは、出力ビットレートが高くなるにしたがって、画像の色濃度を可能な限り維持する(濃い状態のままにする)ように調整させる調整指令値を取得する。
調整指令部240Dは、調整指令値を含む調整指令を出力する。
【0105】
画像色濃度調整装置200Dの処理を説明する。
図17は、実施の形態4に係る画像色濃度調整装置200Dの処理の一例を示すフローチャートである。
画像色濃度調整装置200Dは、色濃度調整指令処理を実行する。
色濃度調整指令処理は、出力ビットレート取得処理(ステップST4111)、調整指令値取得処理(ステップST4120)、および、調整指令処理(ステップST4130)、を含む。
【0106】
画像色濃度調整装置200Dは、色濃度調整指令処理を開始すると、まず、画像色濃度調整装置200Dの条件情報取得部230Dは、出力ビットレート取得処理を実行する(ステップST4111)。
出力ビットレート取得処理において、条件情報取得部230Dにおける出力条件取得部236Dの出力ビットレート取得部237Dは、設定情報記憶部140に記憶されている出力ビットレートを参照して取得する。
出力ビットレート取得部237Dは、出力ビットレートを調整指令部240Dの調整指令値取得部241Dへ出力する。
なお、出力ビットレート取得処理は、本開示における出力条件取得処理の一例であり、本開示に意図される処理が可能であれば出力ビットレート以外の出力条件を取得するようにしてもよい。
【0107】
次いで、画像色濃度調整装置200Dの調整指令部240Dは、調整指令値取得処理を実行する(ステップST4120)。
調整指令値取得処理において、調整指令部240Dの調整指令値取得部241Dは、出力条件取得部236D(出力ビットレート取得部237D)により出力された出力ビットレートを取得する。調整指令値取得部241Dは、出力ビットレートを用いて、出力ビットレートの値に応じた調整指令値を取得する。
調整指令値を取得する方法は、演算により算出する方法でも、予め記憶されたデータベースを用いる方法でもよい、
予め記憶されたデータベースを用いる方法の場合、調整指令部240Dは、例えば図示しない記憶部に記憶されている色濃度調整指令値データベースを参照して、調整指令値を取得する。
図18は、実施の形態4に係る色濃度調整指令値データベース4000の構成の一例を示す図である。
色濃度調整指令値データベース4000は、出力ビットレート値と色濃度調整指令値とを関連付けて記憶するデータベースである。
出力ビットレート値と色濃度調整指令値とは、出力ビットレートが高い値であるほど画像の色濃度が濃く残るように指令する指令値と関連付けられており、出力ビットレートが低い値であるほど画像の色濃度が薄くなるように指令する指令値と関連付けられている。
【0108】
画像色濃度調整装置200Dの調整指令部240Dは、次いで、調整指令処理を実行する(ステップST4130)。
調整指令処理において、調整指令部240Dは、調整指令値取得部241Dにより取得された色濃度調整指令値を含む調整指令を出力する。
【0109】
画像色濃度調整装置200Dは、調整指令部240Dにより調整指令が出力されると、色濃度調整指令処理を終了する。
【0110】
ここで、実施の形態4に係る画像色濃度調整装置200を含む撮像システムの詳細な構成の別の例を説明する。
図19は、実施の形態4に係る画像色濃度調整装置200D´および撮像装置100D´を含む撮像システム1D´の詳細な構成の他の一例を示す図である。
図19に示す構成は、図16に示す構成においては画像色濃度調整装置200Cに含まれていない、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、を画像色濃度調整装置200D´に含めるように変更した構成である。
【0111】
画像色濃度調整装置200D´は、画像取得部203、撮像信号処理部204、輝度解析部211、輝度調整指令部212(増幅指令部)、輝度処理部213、色解析部221、色処理部222、条件情報取得部230D、出力条件取得部236D、出力ビットレート取得部237D、調整指令部240D(色濃度調整指令部)、および、調整指令値取得部241D、を含み構成されている。
【0112】
画像取得部203、撮像信号処理部204、輝度解析部211、輝度調整指令部212(増幅指令部)、輝度処理部213、色解析部221、色処理部222、条件情報取得部230D´、出力条件取得部236D´、出力ビットレート取得部237D´、調整指令部240D´(色濃度調整指令部)、および、調整指令値取得部241D´、のそれぞれは、既に説明した画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、出力条件取得部236D、出力ビットレート取得部237D、調整指令部240D(色濃度調整指令部)、および、調整指令値取得部241D、のそれぞれと同様の機能を有する構成部であり、ここでの詳細な説明を省略する。
また、当該構成の場合の処理は、既に説明した処理と同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
当該構成により、例えばノイズを除去する構成を有していない撮像装置の場合に、撮像装置に対して、画像における色ノイズを低減させつつ、視認性の悪化を抑制させた画像を出力させるようにすることができる。
【0113】
本開示の画像色濃度調整装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記出力条件は、前記画像データに対する処理の後に出力されるべき画像データである処理後画像データのデータ量に関する条件である、
ことを特徴とする、画像色濃度調整装置。」

本開示の構成により、処理後画像データのデータ量を考慮して視認性の悪化を抑制させる画像色濃度調整装置を提供することができる、という効果を奏する。
本開示の構成は、例えば、処理後画像データの出力条件に制限がある場合、出力条件を満たす範囲で色濃度を調整して視認性の悪化を抑制させることを可能にする。
さらに、本開示の構成は、当該構成を、画像色濃度調整方法、または、撮像装置に適用することにより、当該構成による効果と同様の効果を奏する。
【0114】
本開示の画像色濃度調整装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記出力条件は、予め記憶された出力ビットレートであり、
前記調整指令部は、前記出力ビットレートの高低に応じて、前記画像データに示される画像の色濃度を調整する調整指令を出力する、
ことを特徴とする、画像色濃度調整装置。」

本開示の構成により、処理後画像データを出力する際の出力ビットレートを考慮して視認性の悪化を抑制させる画像色濃度調整装置を提供することができる、という効果を奏する。
本開示の構成は、例えば、出力可能な情報量の範囲内において色濃度を維持するよう調整することを可能にする。
さらに、本開示の構成は、当該構成を、画像色濃度調整方法、または、撮像装置に適用することにより、当該構成による効果と同様の効果を奏する。
【0115】
実施の形態5.
実施の形態5においては、実施の形態2、実施の形態3および実施の形態4に説明した構成を組み合わせた形態の例について説明する。
実施の形態5の説明においては、実施の形態1において既に説明した内容、実施の形態2において既に説明した内容、実施の形態3において既に説明した内容、および、実施の形態4において既に説明した内容、と同様の内容について適宜省略する場合がある。
【0116】
画像色濃度調整装置200Eを含む撮像システム1Eの構成を説明する。
図20は、実施の形態5に係る画像色濃度調整装置200Eおよび撮像装置100Eを含む撮像システム1Eの詳細な構成の一例を示す図である。
撮像システム1Eは、撮像装置100E、および、画像色濃度調整装置200E、を含み構成されている。
【0117】
撮像装置100Eは、撮像部、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、出力信号生成部130、設定情報記憶部140、および、ユーザインタフェース部150(UI部)、を含み構成されている。
【0118】
撮像部101、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、および、出力信号生成部130、それぞれは、既に説明した、撮像部101、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、および、出力信号生成部130、と同様の機能を有する。
【0119】
画像色濃度調整装置200Eは、条件情報取得部230E、および、調整指令部240E(色濃度調整指令部)、を含み構成されている。
【0120】
条件情報取得部230Eは、色関連情報取得部231E、および、出力条件取得部236E、を含み構成されている。
色関連情報取得部231Eは、色スペクトル算出部232E、および、輝度コントラスト算出部233E、を含み構成されている。
出力条件取得部236Eは、出力ビットレート取得部237E、を含み構成されている。
色スペクトル算出部232E、輝度コントラスト算出部233E、および、出力ビットレート取得部237E、それぞれは、既に説明した色スペクトル算出部232B、輝度コントラスト算出部233C、および、出力ビットレート取得部237D、それぞれの機能と同様の機能を有する。
条件情報取得部230Eは、外部からの指令または予め設定された優先度に応じて、色関連情報(例えば、色スペクトルおよび輝度コントラスト)、および、出力条件(例えば、出力ビットレート)といった複数の種類の条件の中から選択された種類の条件を示す条件情報を取得する。
条件情報取得部230Eは、選択された種類の条件にしたがって、色関連情報取得部231E(色スペクトル算出部232E、輝度コントラスト算出部233E)、または、出力条件取得部236E(出力ビットレート取得部237E)、を起動させて条件情報を取得する。
【0121】
調整指令部240Eは、既に説明した調整指令部240Aと同様に、画像の色濃度を調整させる色濃度調整指令部である。
実施の形態5に示す調整指令部240Eは、色スペクトル、輝度コントラスト、または、出力ビットレートに応じて、画像データに示される画像の色濃度を調整する。
調整指令部240Eは、調整指令値取得部241Eを含み構成されている。
【0122】
調整指令値取得部241Eは、色スペクトルを示す情報を取得した場合、調整指令値取得部241Bと同様に、色スペクトルを用いて、画像の色の複雑さを判定する。調整指令値取得部241Eは、例えば、色スペクトルに分布する色の領域が広いほど複雑であると判定する。また、調整指令値取得部241Eは、例えば、色スペクトルに示される色の分布割合がしきい値以上である色の領域が広いほど複雑であると判定する。
調整指令値取得部241Eは、色の複雑さに応じて画像の色濃度を調整させる調整指令値を取得する。具体的には、調整指令値取得部241Eは、画像における色の複雑さが複雑であるほど画像の色濃度を可能な限り維持する(濃い状態のままにする)ように調整させる調整指令値を取得する。
【0123】
調整指令値取得部241Eは、輝度コントラストを示す情報を取得した場合、輝度コントラストを用いて、輝度コントラストの高低に応じた調整指令値(色濃度調整指令値)を取得する。具体的には、調整指令値取得部241Eは、輝度コントラストが高くなるにしたがって、画像の色濃度を可能な限り維持する(濃い状態のままにする)ように調整させる調整指令値を取得する。
【0124】
調整指令値取得部241Eは、出力ビットレートを示す情報を取得した場合、出力ビットレートを用いて、出力ビットレートの高低に応じた調整指令値(色濃度調整指令値)を取得する。具体的には、調整指令値取得部241Eは、出力ビットレートが高くなるにしたがって、画像の色濃度を可能な限り維持する(濃い状態のままにする)ように調整させる調整指令値を取得する。
【0125】
画像色濃度調整装置200の処理を説明する。
図21は、実施の形態5に係る画像色濃度調整装置200Eの処理の一例を示すフローチャートである。
画像色濃度調整装置200は、色濃度調整指令処理を実行する。
色濃度調整指令処理は、方法選択処理(ステップST5105)を含む。
また、色濃度調整指令処理は、色情報取得処理(ステップST5111)、色スペクトル算出処理(ステップST5112)、調整指令値取得処理(ステップST5120)、および、調整指令処理(ステップST5130)、を含む。
また、色濃度調整指令処理は、輝度情報取得処理(ステップST5211)、輝度コントラスト算出処理(ステップST5212)、調整指令値取得処理(ステップST5220)、調整指令処理(ステップST5230)、を含む。
また、色濃度調整指令処理は、出力ビットレート取得処理(出力条件取得処理の一例)(ステップST5310)、調整指令値取得処理(ステップST5320)、調整指令処理(ステップST5330)、を含む。
【0126】
画像色濃度調整装置200Eは、色濃度調整指令処理を開始すると、まず、画像色濃度調整装置200Eの条件情報取得部230Eは、方法選択処理を実行する(ステップST5105)。
条件情報取得部230Eは、例えば外部からの指令により、色スペクトルを用いる調整方法、輝度コントラストを用いる調整方法、または、出力ビットレートを用いる調整方法、のいずれかを選択する。
または、条件情報取得部230Eは、色スペクトルを用いる調整方法、輝度コントラストを用いる調整方法、および、出力ビットレートを用いる調整方法、のうち予め設定された優先度に基づいて選択する。
【0127】
ステップST5105の方法選択処理において、条件情報取得部230Eが、条件情報として色スペクトルを用いる調整方法を選択した場合(ステップST5105“色スペクトル”)、次いで、条件情報取得部230Eにおける色関連情報取得部231Eの色スペクトル算出部232Eは、色情報取得処理を実行する(ステップST5111)。
この色情報取得処理は、既に説明したステップST2111の色情報取得処理と同様である。
【0128】
次いで、色スペクトル算出部232Eは、色スペクトル算出処理を実行する(ステップST5112)。
この色スペクトル算出処理は、既に説明したステップST2112の色スペクトル算出処理と同様である。
【0129】
次いで、画像色濃度調整装置200Eの調整指令部240E(調整指令部240Eにおける調整指令値取得部241E)は、調整指令値取得処理を実行する(ステップST5120)。
この調整指令値取得処理は、既に説明したステップST2120の調整指令値取得処理と同様である。
【0130】
次いで、調整指令部240Eは、調整指令処理を実行する(ステップST5130)。
この調整指令処理は、既に説明したステップST2130の調整指令処理と同様である。
【0131】
ステップST5105の方法選択処理において、条件情報取得部230Eが、条件情報として輝度コントラストを用いる調整方法が選択された場合(ステップST5105“輝度コントラスト”)、次いで、条件情報取得部230Eにおける色関連情報取得部231E(色関連情報取得部231Eの輝度コントラスト算出部233E)は、輝度情報取得処理を実行する(ステップST5211)。
この輝度情報取得処理は、既に説明したステップST3111の輝度情報取得処理と同様である。
【0132】
次いで、色関連情報取得部231Eの輝度コントラスト算出部233Eは、輝度コントラスト算出処理を実行する(ステップST5212)。
この輝度コントラスト算出処理は、既に説明したステップST3112の輝度コントラスト算出処理と同様である。
【0133】
次いで、画像色濃度調整装置200Eにおける調整指令部240Eの調整指令値取得部241Eは、調整指令値取得処理を実行する(ステップST5220)。
この調整指令値取得処理は、既に説明したステップST3120の調整指令値取得処理と同様である。
【0134】
次いで、調整指令部240Eは、調整指令処理を実行する(ステップST5230)。
この調整指令処理は、既に説明したステップST3130の調整指令処理と同様である。
【0135】
ステップST5105の方法選択処理において、条件情報取得部230Eが、条件情報として出力ビットレートを用いる調整方法を選択した場合(ステップST5105“出力ビットレート”)、
次いで、条件情報取得部230Eにおける出力条件取得部236E(出力条件取得部236Eの出力ビットレート取得部237E)は、出力ビットレート取得処理を実行する(ステップST5311)。
出力ビットレート取得処理は、本開示における出力条件取得処理の一例であり、既に説明したステップST4111の出力ビットレート取得処理と同様である。
【0136】
次いで、画像色濃度調整装置200Eにおける調整指令部240E(調整指令部240Eの調整指令値取得部241E)は、調整指令値取得処理を実行する(ステップST5320)。
この調整指令値取得処理は、既に説明したステップST4120の調整指令値取得処理と同様である。
次いで、画像色濃度調整装置200Eにおける調整指令部240Dは、調整指令処理を実行する(ステップST5330)。
この調整指令処理は、既に説明したステップST4130の調整指令処理と同様である。
【0137】
画像色濃度調整装置200Eは、色スペクトルを用いる調整方法、輝度コントラストを用いる調整方法、および、出力ビットレートを用いる調整方法、のうちのいずれかの調整指令処理を実行した後、処理を終了する。
【0138】
画像色濃度調整装置200を含む撮像システムの詳細な構成の別の例を説明する。
図22は、実施の形態5に係る画像色濃度調整装置200E´および撮像装置100E´を含む撮像システム1E´の詳細な構成の他の一例を示す図である。
図22に示す構成は、図20に示す構成においては画像色濃度調整装置200Eに含まれていない、撮像部101、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、を、画像色濃度調整装置200E´に含めるように変更した構成である。
【0139】
画像色濃度調整装置200E´は、画像取得部203、撮像信号処理部204、輝度解析部211、輝度調整指令部212(増幅指令部)、輝度処理部213、色解析部221、色処理部222、画像色濃度調整装置200E´、条件情報取得部230E´、色関連情報取得部231E´、色スペクトル算出部232E´、輝度コントラスト算出部233E´、出力条件取得部236E´、出力ビットレート取得部237E´、調整指令部240E´(色濃度調整指令部)、および、調整指令値取得部241E´、を含み構成されている。
【0140】
画像取得部203、撮像信号処理部204、輝度解析部211、輝度調整指令部212(増幅指令部)、輝度処理部213、色解析部221、色処理部222、条件情報取得部230E´、色関連情報取得部231E´、色スペクトル算出部232E´、輝度コントラスト算出部233E´、出力条件取得部236E´、出力ビットレート取得部237E´、調整指令部240E´(色濃度調整指令部)、および、調整指令値取得部241E´、それぞれは、既に説明した、画像取得部103、撮像信号処理部104、輝度解析部111、輝度調整指令部112(増幅指令部)、輝度処理部113、色解析部121、色処理部122、条件情報取得部230E´、色関連情報取得部231E´、色スペクトル算出部232E´、輝度コントラスト算出部233E´、出力条件取得部236E´、出力ビットレート取得部237E´、調整指令部240E´(色濃度調整指令部)、および、調整指令値取得部241E´、それぞれと同様の機能を有する構成部であり、ここでの詳細な説明を省略する。
また、当該構成の場合の処理は、既に説明した処理と同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
当該構成により、ノイズを除去する構成を有していない撮像装置の場合に、撮像装置に対して、画像における色ノイズを低減させつつ、視認性の悪化を抑制させた画像を出力させるようにすることができる。
【0141】
実施の形態5に説明した構成によれば、条件に応じた方法を用いて、画像の色濃度を維持できるように調整することが可能になるので、ノイズを低減させる処理を行う構成においても、画像の視認性が悪化してしまうことを抑制することができる。
【0142】
本開示の画像色濃度調整装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記条件情報は、色スペクトル、輝度コントラスト、または、出力ビットレートであり、
前記調整指令部は、前記色スペクトル、前記輝度コントラスト、または、前記出力ビットレートに応じて、前記画像データに示される画像の色濃度を調整する、
ことを特徴とする、画像色濃度調整装置。」

本開示の構成により、色スペクトル、輝度コントラスト、および、出力ビットレート、の中から調整に適した条件情報を用いて調整させることができ、より効果的に色濃度を調整する画像色濃度調整装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示の構成は、当該構成を、画像色濃度調整方法、または、撮像装置に適用することにより、当該構成による効果と同様の効果を奏する。
【0143】
ここで、本開示の画像色濃度調整装置200,200A,200A´,200B,200B´,200C,200C´,200D,200D´,200E,200E´等の機能を実現するハードウェア構成を説明する。
図23は、本開示の構成による機能を実現するためのハードウェア構成の第1の例を示す図である。
図24は、本開示の構成による機能を実現するためのハードウェア構成の第2の例を示す図である。
本開示の画像色濃度調整装置200,200A,200A´,200B,200B´,200C,200C´,200D,200D´,200E,200E´、または、これを含む撮像装置100,100A,100A´,100B,100B´,100C,100C´,100D,100D´,100E,100E´の一部は、図23または図24に示されるようなハードウェアにより実現される。
【0144】
画像色濃度調整装置200,200A,200A´,200B,200B´,200C,200C´,200D,200D´,200E,200E´、または、これを含む撮像装置100,100A,100A´,100B,100B´,100C,100C´,100D,100D´,100E,100E´の一部は、図23に示すように、例えばプロセッサ10001、メモリ10002、入出力インタフェース10003、および、通信回路10004により構成される。
プロセッサ10001、メモリ10002は、例えば、コンピュータに搭載されているものである。
メモリ10002には、当該コンピュータを、 画像取得部103,203、 撮像信号処理部104,204、 輝度解析部111,211、 輝度調整指令部(増幅指令部)112,212、 輝度処理部113,213、 色解析部121,221、色処理部122,222、 条件情報取得部230,230A,230A´,230B,230B´,230C,230C´,230D,230D´,230E,230E´、 色関連情報取得部231B,231B´,231C,231C´,231E,231E´、 色スペクトル算出部232B,232B´232E,232E´、 輝度コントラスト算出部233C,233C´233E,233E´、 出力条件取得部236C,236C´236E,236E´、 出力ビットレート取得部237C,237C´237E,237E´、 調整指令部240A,240A´,240B,240B´,240C,240C´,240D,240D´,240E,240E´、 調整指令値取得部241,241A´,241B,241B´,241C,241C´,241D,241D´,241E,241E´、および、図示しない制御部として機能させるためのプログラムが記憶されている。メモリ10002に記憶されたプログラムをプロセッサ10001が読み出して実行することにより、 画像取得部103,203、 撮像信号処理部104,204、 輝度解析部111,211、 輝度調整指令部(増幅指令部)112,212、 輝度処理部113,213、 色解析部121,221、 色処理部122,222、 条件情報取得部230,230A,230A´,230B,230B´,230C,230C´,230D,230D´,230E,230E´、 色関連情報取得部231B,231B´,231C,231C´,231E,231E´、 色スペクトル算出部232B,232B´232E,232E´、 輝度コントラスト算出部233C,233C´233E,233E´、 出力条件取得部236C,236C´236E,236E´、 出力ビットレート取得部237C,237C´237E,237E´、 調整指令部240A,240A´,240B,240B´,240C,240C´,240D,240D´,240E,240E´、 調整指令値取得部241,241A´,241B,241B´,241C,241C´,241D,241D´,241E,241E´、および、図示しない制御部の機能が実現される。
また、メモリ10002または図示しない他のメモリにより、図示しない記憶部が実現される。
プロセッサ10001は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラまたはDSP(Digital Signal Processor)などを用いたものである。
メモリ10002は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)またはフラッシュメモリ等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリであってもよいし、ハードディスクまたはフレキシブルディスク等の磁気ディスクであってもよいし、CD(Compact Disc)またはDVD(Digital VersatileDisc)等の光ディスクであってもよいし、光磁気ディスクであってもよい。
プロセッサ10001とメモリ10002とは、相互にデータを伝送することが可能な状態に接続されている。また、プロセッサ10001とメモリ10002とは、入出力インタフェース10003を介して他のハードウェアと相互にデータを伝送することが可能な状態に接続されている。
また、通信回路10004により、図示しない通信部が実現される。
【0145】
または、 画像取得部103,203、 撮像信号処理部104,204、 輝度解析部111,211、 輝度調整指令部(増幅指令部)112,212、 輝度処理部113,213、 色解析部121,221、 色処理部122,222、 条件情報取得部230,230A,230A´,230B,230B´,230C,230C´,230D,230D´,230E,230E´、 色関連情報取得部231B,231B´,231C,231C´,231E,231E´、 色スペクトル算出部232B,232B´232E,232E´、 輝度コントラスト算出部233C,233C´233E,233E´、 出力条件取得部236C,236C´236E,236E´、 出力ビットレート取得部237C,237C´237E,237E´、 調整指令部240A,240A´,240B,240B´,240C,240C´,240D,240D´,240E,240E´、 調整指令値取得部241,241A´,241B,241B´,241C,241C´,241D,241D´,241E,241E´、および、図示しない制御部の機能は、図24に示すように、専用の処理回路20001により実現されるものであっても良い。
処理回路20001は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-Chip)またはシステムLSI(Large-Scale Integration)等を用いたものである。
また、メモリ20002または図示しない他のメモリにより、図示しない記憶部が実現される。
メモリ20002は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)またはフラッシュメモリ等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリであってもよいし、ハードディスクまたはフレキシブルディスク等の磁気ディスクであってもよいし、CD(Compact Disc)またはDVD(Digital VersatileDisc)等の光ディスクであってもよいし、光磁気ディスクであってもよい。
処理回路20001とメモリ20002とは、相互にデータを伝送することが可能な状態に接続されている。また、処理回路20001とメモリ20002とは、入出力インタフェース20003を介して他のハードウェアと相互にデータを伝送することが可能な状態に接続されている。
また、通信回路20004により、図示しない通信部が実現される。
なお、 画像取得部103,203、 撮像信号処理部104,204、 輝度解析部111,211、 輝度調整指令部(増幅指令部)112,212、 輝度処理部113,213、 色解析部121,221、 色処理部122,222、 条件情報取得部230,230A,230A´,230B,230B´,230C,230C´,230D,230D´,230E,230E´、 色関連情報取得部231B,231B´,231C,231C´,231E,231E´、 色スペクトル算出部232B,232B´232E,232E´、 輝度コントラスト算出部233C,233C´233E,233E´、 出力条件取得部236C,236C´236E,236E´、 出力ビットレート取得部237C,237C´237E,237E´、 調整指令部240A,240A´,240B,240B´,240C,240C´,240D,240D´,240E,240E´、 調整指令値取得部241,241A´,241B,241B´,241C,241C´,241D,241D´,241E,241E´、および、図示しない制御部の機能をそれぞれ別の処理回路で実現しても良いし、まとめて処理回路で実現しても良い。
【0146】
または、 画像取得部103,203、 撮像信号処理部104,204、 輝度解析部111,211、 輝度調整指令部(増幅指令部)112,212、 輝度処理部113,213、 色解析部121,221、 色処理部122,222、 条件情報取得部230,230A,230A´,230B,230B´,230C,230C´,230D,230D´,230E,230E´、 色関連情報取得部231B,231B´,231C,231C´,231E,231E´、 色スペクトル算出部232B,232B´232E,232E´、 輝度コントラスト算出部233C,233C´233E,233E´、 出力条件取得部236C,236C´236E,236E´、 出力ビットレート取得部237C,237C´237E,237E´、 調整指令部240A,240A´,240B,240B´,240C,240C´,240D,240D´,240E,240E´、 調整指令値取得部241,241A´,241B,241B´,241C,241C´,241D,241D´,241E,241E´、および、図示しない制御部のうちの一部の機能がプロセッサ10001およびメモリ10002により実現され、かつ、残りの機能が処理回路20001により実現されるものであっても良い。
【0147】
なお、本開示は、この開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0148】
本開示の画像色濃度調整装置または画像色濃度調整方法は、画像における色ノイズを低減させつつ、視認性の悪化を抑制させることができるので、例えば撮像装置および撮像システムの技術に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0149】
1,1A,1A´,1B,1B´,1C,1C´,1D,1D´,1E,1E´ 撮像システム、100,100A,100A´,100B,100B´,100C,100C´,100D,100D´,100E,100E´ 撮像装置、101 撮像部、102 撮像素子、103,203 画像取得部、104,204 撮像信号処理部、111,211 輝度解析部、112,212 輝度調整指令部(増幅指令部)、113,213 輝度処理部、121,221 色解析部、122,222 色処理部、130 出力信号生成部、140 設定情報記憶部、150 ユーザインタフェース部(UI部)、200,200A,200A´,200B,200B´,200C,200C´,200D,200D´,200E,200E´ 画像色濃度調整装置、230,230A,230A´,230B,230B´,230C,230C´,230D,230D´,230E,230E´ 条件情報取得部、231B,231B´,231C,231C´,231E,231E´ 色関連情報取得部、232B,232B´232E,232E´ 色スペクトル算出部、233C,233C´233E,233E´ 輝度コントラスト算出部、236C,236C´236E,236E´ 出力条件取得部、237C,237C´237E,237E´ 出力ビットレート取得部、240A,240A´,240B,240B´,240C,240C´,240D,240D´,240E,240E´ 調整指令部、241,241A´,241B,241B´,241C,241C´,241D,241D´,241E,241E´ 調整指令値取得部、10001 プロセッサ、10002 メモリ、10003 入出力インタフェース、10004 通信回路、20001 処理回路、20002 メモリ、20003 入出力インタフェース、20004 通信回路。
図1
図2
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