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特開2024-153157プログラム、サーバ、ユーザ端末、情報処理システムおよび情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153157
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】プログラム、サーバ、ユーザ端末、情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20241022BHJP
【ＦＩ】
G06Q40/12 420
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023066873
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】520434950
【氏名又は名称】株式会社スマートバンク
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯川 晟
(72)【発明者】
【氏名】森口 貴之
【テーマコード（参考）】
5L040
5L055
【Ｆターム（参考）】
5L040BB65
5L055BB65
(57)【要約】
【課題】 給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供する、プログラム、サーバ、ユーザ端末、情報処理システムおよび情報処理方法を得る。
【解決手段】 サーバ（２）は、給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座への給与振込に伴う、給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定する超過判定部２２１と、上限額超過が有ると判定された場合、給与用口座のユーザが給与用口座を管理するためのユーザ端末（３）に、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を生成する、表示情報生成部（２２２）と、給与振込が行われた後、上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理を実行する振込実行部（２２３）と、を備える。
【選択図】 図２
【解決手段】 サーバ（２）は、給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座への給与振込に伴う、給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定する超過判定部２２１と、上限額超過が有ると判定された場合、給与用口座のユーザが給与用口座を管理するためのユーザ端末（３）に、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を生成する、表示情報生成部（２２２）と、給与振込が行われた後、上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理を実行する振込実行部（２２３）と、を備える。
【選択図】 図２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座への給与振込に伴う、前記給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定する超過判定部と、
前記上限額超過が有ると判定された場合、前記給与用口座のユーザが前記給与用口座を管理するためのユーザ端末に、予め設定された代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を生成する、表示情報生成部と、
前記給与振込が行われた後、前記上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、前記代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理を実行する振込実行部と、を備えるサーバとして機能させる
ことを特徴とするプログラム。
給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座への給与振込に伴う、前記給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定する超過判定部と、
前記上限額超過が有ると判定された場合、前記給与用口座のユーザが前記給与用口座を管理するためのユーザ端末に、予め設定された代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を生成する、表示情報生成部と、
前記給与振込が行われた後、前記上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、前記代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理を実行する振込実行部と、を備えるサーバとして機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
さらに、前記給与用口座への前記給与振込による入金を許可し、前記給与用口座への前記給与振込以外による入金を禁止する入金管理部と、を備える前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項１に記載のプログラム。
さらに、前記給与用口座への前記給与振込による入金を許可し、前記給与用口座への前記給与振込以外による入金を禁止する入金管理部と、を備える前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項１に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
前記入金管理部は、前記振込実行部による前記振込処理時点からの一定期間に限り、または、前記上限額超過の状態となった時点からの一定期間に限り、前記給与用口座への前記給与振込による入金を許可し、前記給与用口座への前記給与振込以外による入金を禁止する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項２に記載のプログラム。
前記入金管理部は、前記振込実行部による前記振込処理時点からの一定期間に限り、または、前記上限額超過の状態となった時点からの一定期間に限り、前記給与用口座への前記給与振込による入金を許可し、前記給与用口座への前記給与振込以外による入金を禁止する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項２に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、
前記入金管理部は、前記振込実行部による前記振込処理時点からの一定期間に限り、または、前記上限額超過の状態となった時点からの一定期間に限り、前記給与用口座へのすべての入金を禁止する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項２に記載のプログラム。
前記入金管理部は、前記振込実行部による前記振込処理時点からの一定期間に限り、または、前記上限額超過の状態となった時点からの一定期間に限り、前記給与用口座へのすべての入金を禁止する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項２に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記入金管理部は、前記振込実行部による前記振込処理時点からの一定期間に限り、または、前記上限額超過の状態となった時点からの一定期間に限り、前記残高を前記上限額超過の状態とする前記給与用口座への前記給与振込以外による入金を禁止するとともに、前記残高を前記上限額超過の状態とする前記給与用口座への前記給与振込による入金を禁止する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項２に記載のプログラム。
前記入金管理部は、前記振込実行部による前記振込処理時点からの一定期間に限り、または、前記上限額超過の状態となった時点からの一定期間に限り、前記残高を前記上限額超過の状態とする前記給与用口座への前記給与振込以外による入金を禁止するとともに、前記残高を前記上限額超過の状態とする前記給与用口座への前記給与振込による入金を禁止する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項２に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記振込実行部は、前記振込処理時点からの一定期間に限り、前記給与用口座への入金があった場合には、当該入金を契機として前記振込処理を開始する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項１に記載のプログラム。
前記振込実行部は、前記振込処理時点からの一定期間に限り、前記給与用口座への入金があった場合には、当該入金を契機として前記振込処理を開始する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項１に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
さらに、前記給与用口座を既存のプリペイドカードと紐づけて設定することを要求する紐づけ設定要求を取得し、前記既存のプリペイドカード口座と前記給与用口座と紐づけて記憶部に記憶させる口座設定処理部と、を備える前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項１に記載のプログラム。
さらに、前記給与用口座を既存のプリペイドカードと紐づけて設定することを要求する紐づけ設定要求を取得し、前記既存のプリペイドカード口座と前記給与用口座と紐づけて記憶部に記憶させる口座設定処理部と、を備える前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項１に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、
前記口座設定処理部は、前記給与用口座の開設要求を取得すると、前記給与用口座を開設するとともに、前記給与用口座と紐づけられた給与用口座カードを発行する、
前記サーバとして機能させる、
ことを特徴とする請求項７に記載のプログラム。
前記口座設定処理部は、前記給与用口座の開設要求を取得すると、前記給与用口座を開設するとともに、前記給与用口座と紐づけられた給与用口座カードを発行する、
前記サーバとして機能させる、
ことを特徴とする請求項７に記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、
前記振込実行部は、予め設定された時刻において前記給与用口座の前記残高が前記上限額超過の状態にあるとの前記振込条件を満たす場合、前記代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込を実行する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項１に記載のプログラム。
前記振込実行部は、予め設定された時刻において前記給与用口座の前記残高が前記上限額超過の状態にあるとの前記振込条件を満たす場合、前記代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込を実行する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項１に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを、
前記振込実行部は、１日の予め設定された１時刻において前記給与用口座の前記残高が前記上限額超過の状態にあるとの前記振込条件を満たす場合、前記代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込を実行する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項９に記載のプログラム。
前記振込実行部は、１日の予め設定された１時刻において前記給与用口座の前記残高が前記上限額超過の状態にあるとの前記振込条件を満たす場合、前記代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込を実行する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項９に記載のプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを、
前記振込実行部は、前記給与振込が行われてから予め設定された時間、前記上限額超過の状態が継続しているとの前記振込条件を満たす場合、前記代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込を実行する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項１に記載のプログラム。
前記振込実行部は、前記給与振込が行われてから予め設定された時間、前記上限額超過の状態が継続しているとの前記振込条件を満たす場合、前記代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込を実行する、
前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項１に記載のプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータを、
さらに、店舗端末から決済を要求する決済要求情報を取得する決済要求情報取得部と、
前記決済要求情報が示す決済金額に対して、前記既存のプリペイドカード口座または前記給与用口座のいずれかから優先して決済処理を行う決済処理部と、を備える前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項７に記載のプログラム。
さらに、店舗端末から決済を要求する決済要求情報を取得する決済要求情報取得部と、
前記決済要求情報が示す決済金額に対して、前記既存のプリペイドカード口座または前記給与用口座のいずれかから優先して決済処理を行う決済処理部と、を備える前記サーバとして機能させる
ことを特徴とする請求項７に記載のプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、
給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座のユーザが前記給与用口座を管理するためのユーザ端末であって、
前記給与用口座への給与振込に伴う、前記給与用口座の残高の上限額超過が有ると判定された場合に、前記給与用口座を管理するサーバから送信される、予め設定された代替口座への前記額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を取得すると、前記通知の表示態様を決定する、表示態様決定部と、
前記表示態様に基づく表示画面への前記通知の表示を行う表示制御部と、を備えるユーザ端末として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座のユーザが前記給与用口座を管理するためのユーザ端末であって、
前記給与用口座への給与振込に伴う、前記給与用口座の残高の上限額超過が有ると判定された場合に、前記給与用口座を管理するサーバから送信される、予め設定された代替口座への前記額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を取得すると、前記通知の表示態様を決定する、表示態様決定部と、
前記表示態様に基づく表示画面への前記通知の表示を行う表示制御部と、を備えるユーザ端末として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項１から請求項１２のいずれか１項に記載のプログラムを実行するサーバ。
【請求項15】
請求項１３に記載のプログラムを実行するユーザ端末。
【請求項16】
請求項１４に記載のサーバと、
請求項１５に記載のユーザ端末と、を備えた
ことを特徴とする情報処理システム。
請求項１５に記載のユーザ端末と、を備えた
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項17】
サーバが実行する情報処理方法であって、
超過判定部が、給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座への給与振込に伴う、前記給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定するステップと、
表示情報生成部が、前記上限額超過が有ると判定された場合、前記給与用口座のユーザが前記給与用口座を管理するためのユーザ端末に、予め設定された代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を生成するステップと、
振込実行部が、前記給与振込が行われた後、前記上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、前記代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理を実行するステップと、を備えた
ことを特徴とする情報処理方法。
超過判定部が、給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座への給与振込に伴う、前記給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定するステップと、
表示情報生成部が、前記上限額超過が有ると判定された場合、前記給与用口座のユーザが前記給与用口座を管理するためのユーザ端末に、予め設定された代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を生成するステップと、
振込実行部が、前記給与振込が行われた後、前記上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、前記代替口座への前記上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理を実行するステップと、を備えた
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、サーバ、ユーザ端末、情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キャッシュレス決済の普及または送金サービスの多様化が進む中、いわゆる「給与デジタル払い」の導入が進められている。給与デジタル払いにより、従業員等の給与の受取者（以下「給与受取者」という。）は、自身の勤務先の企業等の給与の支払者（以下「給与支払者」という。）に対し、自身の給与の全部または一部の金額を、資金移動業者が提供する当該給与受取者の口座に振込むように指定することが可能になる。
以下、資金移動業者が提供する口座（以下「資金移動口座」という。）であって、かつ、給与受取者によって指定され、給与デジタル払いに利用される口座のことを「給与用口座」という。また、給与デジタル払いを利用する給与受取者を「ユーザ」ともいう。なお、「給与デジタル払い」とは、より正確には「賃金」のデジタル払いであるが、ここでは、「給与」を「賃金」と同義として扱う。
以下、資金移動業者が提供する口座（以下「資金移動口座」という。）であって、かつ、給与受取者によって指定され、給与デジタル払いに利用される口座のことを「給与用口座」という。また、給与デジタル払いを利用する給与受取者を「ユーザ」ともいう。なお、「給与デジタル払い」とは、より正確には「賃金」のデジタル払いであるが、ここでは、「給与」を「賃金」と同義として扱う。
【0003】
ところで、特許文献１には、金融機関の口座に給与振り込みがなされるユーザ（給与受取者）が、給与の前払いにより資金を調達可能な給与前払いシステムが記載されている。この給与前払いシステムは、ユーザの口座に対して給与振込が所定の期間なされていると判断し、ユーザからの給与前払い要求を受け付けると、ユーザの口座に給与の前払いとして第１の金額の振込を行う、給与前払いシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第６８７０１２６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
給与用口座の残高には、上限額が設定され得る。上限額は、例えば、法令に基づき設定される。給与用口座への入金によって残高が上限額を超過してしまうことを回避するためには、残高の上限額の超過を生じるような額の入金要求を不許可とすることが考えられる。しかし、その場合、給与振込による入金も不許可となる可能性があり、給与支払者が給与を支払えない状態となり得るため好ましくない。
【0006】
従来、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術が提供されていないという課題があった。例えば、特許文献１に記載される技術も、上記の課題が考慮されたものではなく、その解決手段を提供するものではない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供する、プログラム、サーバ、ユーザ端末、情報処理システムおよび情報処理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るプログラムは、当該プログラムを実行するコンピュータを、給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座への給与振込に伴う、給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定する超過判定部と、上限額超過が有ると判定された場合、給与用口座のユーザが給与用口座を管理するためのユーザ端末に、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を生成する、表示情報生成部と、給与振込が行われた後、上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理を実行する振込実行部と、を備えるサーバとして機能させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るプログラムによれば、当該プログラムを実行するコンピュータは、給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座への給与振込に伴う、給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定し、上限額超過が有ると判定された場合、給与用口座のユーザが給与用口座を管理するためのユーザ端末に、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を生成し、給与振込が行われた後、上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理を実行する。
これにより、本発明に係るプログラムは、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供できる。
これにより、本発明に係るプログラムは、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態１に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態１に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態１に係るユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【図4】振込予告通知画面および代替口座への振込操作画面の一例を示す図である。
【図5】サーバまたはユーザ端末の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態１に係る情報処理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態１．
（情報処理システム）
図１は、実施の形態１に係る情報処理システム１の構成を示す図である。図１において、情報処理システム１は、サーバ２、ユーザ端末３および店舗端末４が、ネットワーク５を介して接続されたシステムである。ネットワーク５としては、既存の電気通信回線を利用できる。ネットワーク５は、例えば、インターネットである。サーバ２、ユーザ端末３および店舗端末４は、ネットワーク５を介して互いに通信可能である。
情報処理システム１は、ユーザＡおよびユーザＡの勤務先である企業等の給与支払者に、給与デジタル払いのサービスを提供する。
（情報処理システム）
図１は、実施の形態１に係る情報処理システム１の構成を示す図である。図１において、情報処理システム１は、サーバ２、ユーザ端末３および店舗端末４が、ネットワーク５を介して接続されたシステムである。ネットワーク５としては、既存の電気通信回線を利用できる。ネットワーク５は、例えば、インターネットである。サーバ２、ユーザ端末３および店舗端末４は、ネットワーク５を介して互いに通信可能である。
情報処理システム１は、ユーザＡおよびユーザＡの勤務先である企業等の給与支払者に、給与デジタル払いのサービスを提供する。
【0012】
給与デジタル払いに利用される給与用口座は、資金移動口座であって、かつ、ユーザＡ等の給与受取者によって給与の入金先として指定された口座である。
給与デジタル払いのサービスを受けようとするユーザＡは、予め、資金移動業者に対して所定の口座開設手続きを行い、ユーザＡの氏名等を口座名義とする資金移動口座を開設しておく。開設された資金移動口座には、例えば、その資金移動口座に固有のＩＤが付与される。そして、ユーザＡは、ユーザＡの勤務先である企業等の給与支払者に対して、開設済みの資金移動口座のＩＤを特定する等して、その資金移動口座を給与用口座として指定するとともに、給与の全額または一部の額をその給与用口座に振込むように指定するための、給与用口座指定手続きを行う。
給与デジタル払いのサービスを受けようとするユーザＡは、予め、資金移動業者に対して所定の口座開設手続きを行い、ユーザＡの氏名等を口座名義とする資金移動口座を開設しておく。開設された資金移動口座には、例えば、その資金移動口座に固有のＩＤが付与される。そして、ユーザＡは、ユーザＡの勤務先である企業等の給与支払者に対して、開設済みの資金移動口座のＩＤを特定する等して、その資金移動口座を給与用口座として指定するとともに、給与の全額または一部の額をその給与用口座に振込むように指定するための、給与用口座指定手続きを行う。
【0013】
また、資金移動業者が、プリペイドカード等の前払式支払手段発行者でもある場合は、給与デジタル払いに利用される給与用口座は、予めユーザＡによって開設されていた、プリペイドカード用の口座自体であってもよいし、プリペイドカード内に設けられたポケット（後述）の１つであってもよいし、プリペイドカード用の口座と紐づけられた他の資金移動口座であってもよい。
なお、給与用口座として指定可能なプリペイドカード用の口座は、資金移動口座としての役割も有する口座である。
なお、給与用口座として指定可能なプリペイドカード用の口座は、資金移動口座としての役割も有する口座である。
【0014】
サーバ２は、給与用口座への給与振込に伴う、給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定し、上限額超過が有ると判定された場合、ユーザＡが給与用口座を管理するためのユーザ端末３に、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込（以下「超過時振込」という。）が実行される旨の通知（以下「振込予告通知」という。）を表示するための表示情報（以下「振込予告通知表示情報」ともいう。）を生成し、給与振込が行われた後、上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理を実行する。
【0015】
サーバ２は、通常、資金移動業者によって管理または利用されるものであり、ユーザＡ等のユーザが行った口座開設手続きによって開設された１または複数の資金移動口座を管理するとともに、それらの資金移動口座のうち、ユーザＡ等によって指定され、給与デジタル払いに利用される資金移動口座である１または複数の給与用口座を管理するものである。
【0016】
また、サーバ２の記憶部２３（後述）には、代替口座を示す情報と、振込条件を示す情報（以下「振込条件情報」という。）が記憶されている。
代替口座は、給与用口座ごとに予め指定されている。代替口座の指定は、給与用口座の指定の際に合わせて、ユーザＡまたはユーザＡの勤務先である企業等の給与支払者によって行われる。代替口座は、通常、給与用口座と同一名義の預貯金口座である。代替口座は、預貯金口座以外の口座であってもよい。資金移動業者は、ユーザＡ等から、給与用口座と紐づける代替口座の情報を取得すると、記憶部２３に、給与用口座のＩＤ（以下「給与用口座ＩＤ」という。）と紐づけて、代替口座を示す情報として代替口座のＩＤ（以下「代替口座ＩＤ」という。）を記憶させる。
代替口座は、給与用口座ごとに予め指定されている。代替口座の指定は、給与用口座の指定の際に合わせて、ユーザＡまたはユーザＡの勤務先である企業等の給与支払者によって行われる。代替口座は、通常、給与用口座と同一名義の預貯金口座である。代替口座は、預貯金口座以外の口座であってもよい。資金移動業者は、ユーザＡ等から、給与用口座と紐づける代替口座の情報を取得すると、記憶部２３に、給与用口座のＩＤ（以下「給与用口座ＩＤ」という。）と紐づけて、代替口座を示す情報として代替口座のＩＤ（以下「代替口座ＩＤ」という。）を記憶させる。
【0017】
振込条件は、例えば、給与振込が行われた後のどのタイミングで給与用口座が上限額超過の状態となっていれば、超過時振込を実行するか、を定めたものである。振込条件は、資金移動業者によって決定される。資金移動業者は、決定した振込条件を記憶部２３に記憶させる。
振込条件は、ある資金移動業者がサーバ２によって管理するすべての給与用口座に共通する条件であってもよいし、給与用口座ごとに定められるものであってもよい。
以下では、振込条件は、すべての給与用口座に共通する条件であるとする。
振込条件は、ある資金移動業者がサーバ２によって管理するすべての給与用口座に共通する条件であってもよいし、給与用口座ごとに定められるものであってもよい。
以下では、振込条件は、すべての給与用口座に共通する条件であるとする。
【0018】
サーバ２により行われる給与用口座を含む資金移動口座の管理には、資金移動口座の開設、資金移動口座に対して行われる入金処理もしくは送金処理、または、それらの入金処理もしくは送金処理に伴う等による残高の管理が含まれ得る。なお、送金処理には、振替処理及び振込処理が含まれ得る。
【0019】
また、サーバ２が、前払式支払手段発行者でもある資金移動者によって、管理または利用される場合、サーバ２は、プリペイドカードの口座を管理するものであってもよい。
なお、サーバ２は、物理的に１台のサーバで構成されていてもよく、複数台のサーバで構成されていてもよい。
サーバ２の詳細については、後述する。
なお、サーバ２は、物理的に１台のサーバで構成されていてもよく、複数台のサーバで構成されていてもよい。
サーバ２の詳細については、後述する。
【0020】
ユーザ端末３は、ユーザＡ等の給与用口座のユーザが、自身の給与用口座を管理するための端末装置である。ユーザ端末３は、ネットワーク５を介してサーバ２と通信可能な端末装置あり、例えば、スマートフォン、タブレット端末またはＰＣ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ）である。以下では、ユーザ端末３が、スマートフォンであるものとする。ユーザ端末３からサーバ２へのアクセスは、例えば、サーバ２が提供するＡＰＩ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ Ｐｒｏｇｒａｍｍｉｎｇ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）にアクセスすることにより行われる。
【0021】
ユーザ端末３は、サーバ２から、振込予告通知表示情報を取得すると、取得した振込予告通知表示情報に基づき、表示部３５（後述）に、振込予告通知を表示する。また、ユーザ端末３は、ユーザＡから操作を受けて、給与用口座に対する入金を指示する情報、給与用口座から他の口座等への送金を指示する情報を、サーバ２等に送信することができる。サーバ２は、ユーザ端末３からこれらの指示を受けると、入金処理または送金処理を行う。ユーザＡは、これらのようなユーザ端末３の機能を利用して、サーバ２によって管理されている自身の給与用口座を管理することができる。
ユーザ端末３の詳細については、後述する。
ユーザ端末３の詳細については、後述する。
【0022】
店舗端末４は、給与用口座に関連付けられた決済手段（以下単に「決済手段」ともいう。）を使用した決済が可能な加盟店の店舗に設置された端末装置である。例えば、サーバ２は、決済手段を使用した商取引の決済を管理する機能を有するものとする。店舗においてユーザＡが決済手段を使用した商取引の決済を行う場合、店舗端末４は、決済手段に関する情報を読み取り、ネットワーク５を介して決済要求情報をサーバ２に送信する。決済要求情報には、決済金額、決済が行われた加盟店の識別情報、決済手段に関する情報が含まれる。
【0023】
決済手段は、例えば、仮想的なカードとして発行されるプリペイドカード等を含むスマートフォン等を利用した決済手段、または、物理的なカードとして発行されるプリペイドカード等である。決済手段に関する情報は、少なくとも１つのある給与用口座と紐づけられた決済手段を特定することができる情報（例えば、決済手段がプリペイドカードであれば、そのプリペイドカードに固有のカード番号）を含む情報である。
以下、決済手段を特定することができる情報を、「決済手段ＩＤ」という。また、以下、サーバ２の記憶部２３には、給与用口座ＩＤと紐づけて決済手段ＩＤが記憶されているとする。
以下、決済手段を特定することができる情報を、「決済手段ＩＤ」という。また、以下、サーバ２の記憶部２３には、給与用口座ＩＤと紐づけて決済手段ＩＤが記憶されているとする。
【0024】
店舗端末４から送信された決済要求情報を受信すると、サーバ２は、決済要求情報に含まれる決済手段ＩＤと紐づけられた給与用口座を特定する。次に、サーバ２は、決済要求情報に含まれる決済金額を、特定した給与用口座の残高から加盟店側に支払う処理を行う。その際、サーバ２は、例えば、サーバ２が加盟店への支払い処理を行った日時を記憶するとともに、支払い処理後の給与用口座の残高を計算して前記日時と合わせて記憶する。また、サーバ２は、支払処理が終了したことを示す情報を、ユーザ端末３に送信してもよい。
【0025】
なお、店舗端末４が、ネットワーク５を介してサーバ２に決済要求情報を送信する際に、サーバ２以外の１つまたは複数の他のサーバ（図１において不図示）を経由してもよい。他のサーバは、例えば、クレジットカード会社が提供するサーバである。
【0026】
また、決済手段を使用した商取引は、ここまで店舗が実店舗である場合の商取引として示したが、ユーザ端末３を操作して行うインターネット上の店舗との商取引でもよい。
【0027】
（サーバの詳細）
図２は、サーバ２の構成を示すブロック図である。図２に示すように、サーバ２は、通信部２１、演算部２２および記憶部２３を備える。通信部２１は、ネットワーク５（図２において、ネットワーク５は示していない）を介して、ユーザ端末３および店舗端末４と通信を行う。
通信部２１は、例えば、ＬＴＥ、３Ｇ、４Ｇまたは５Ｇなどの通信方式によるモバイル通信が可能な通信装置である通信部を有する、ユーザ端末３または店舗端末４との間で、ネットワーク５を介して通信可能である。
図２は、サーバ２の構成を示すブロック図である。図２に示すように、サーバ２は、通信部２１、演算部２２および記憶部２３を備える。通信部２１は、ネットワーク５（図２において、ネットワーク５は示していない）を介して、ユーザ端末３および店舗端末４と通信を行う。
通信部２１は、例えば、ＬＴＥ、３Ｇ、４Ｇまたは５Ｇなどの通信方式によるモバイル通信が可能な通信装置である通信部を有する、ユーザ端末３または店舗端末４との間で、ネットワーク５を介して通信可能である。
【0028】
演算部２２は、サーバ２の全体動作を制御する。演算部２２は、超過判定部２２１、表示情報生成部２２２、振込実行部２２３、入金管理部２２４、口座設定処理部２２５、決済要求情報取得部２２６、および、決済処理部２２７の各機能を備える。演算部２２が超過対応アプリケーションを実行することで、演算部２２により、超過判定部２２１、表示情報生成部２２２、振込実行部２２３、入金管理部２２４、口座設定処理部２２５、決済要求情報取得部２２６、および、決済処理部２２７の各機能が実現される。
【0029】
記憶部２３は、サーバ２として機能するコンピュータが備える記憶装置であり、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）もしくはＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ Ｓｔａｔｅ Ｄｒｉｖｅ）等のストレージ、または、後述する図５のメモリ１０３等を含むものである。
なお、記憶部２３は、サーバ２がアクセス可能なものであればよく、サーバ２の外部に設けられていてもよい。
なお、記憶部２３は、サーバ２がアクセス可能なものであればよく、サーバ２の外部に設けられていてもよい。
【0030】
記憶部２３は、超過対応アプリケーションを記憶し、演算部２２の演算処理に用いるデータを記憶する。記憶部２３には、例えば、サーバ２が管理する１または複数の給与用口座のそれぞれについて、ユーザＡの氏名またはユーザＩＤ等のユーザＡを特定する情報、ユーザＡの給与用口座の給与用口座ＩＤ、代替口座ＩＤ、給与用口座の残高、および、決済手段ＩＤが対応付けて記憶されている他、１または複数の給与用口座に共通の情報として、給与用口座の残高の上限額を示す情報（以下「上限額情報」という。）、および、振込条件情報が記憶され、また、超過時振込に手数料がかかる場合はその手数料の額を示す情報（以下「手数料情報」という。）も記憶される。
また、いわゆるＳａａＳ（Ｓｏｆｔｗａｒｅ ａｓ ａ Ｓｅｒｖｉｃｅ）の態様でネットワーク５を通じてユーザ端末３に給与用口座等の管理機能を提供するために、サーバ２が口座管理用アプリケーションを実行する場合、記憶部２３には、口座管理用アプリケーションも記憶される。
また、いわゆるＳａａＳ（Ｓｏｆｔｗａｒｅ ａｓ ａ Ｓｅｒｖｉｃｅ）の態様でネットワーク５を通じてユーザ端末３に給与用口座等の管理機能を提供するために、サーバ２が口座管理用アプリケーションを実行する場合、記憶部２３には、口座管理用アプリケーションも記憶される。
【0031】
（超過判定部）
超過判定部２２１は、給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座への給与振込に伴う、給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定（以下「超過有無判定」という。）する。
超過判定部２２１による超過有無判定は、給与用口座への給与振込後に行われる。サーバ２は、自身が管理する給与用口座に対して給与振込が行われると、超過判定部２２１に給与振込が行われたことを示す情報（以下「給与振込情報」という。）を出力する。給与振込情報には、給与振込が行われた給与用口座の給与用口座ＩＤ、給与振込額、および、給与振込の日時等が含まれる。
超過判定部２２１は、給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座への給与振込に伴う、給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定（以下「超過有無判定」という。）する。
超過判定部２２１による超過有無判定は、給与用口座への給与振込後に行われる。サーバ２は、自身が管理する給与用口座に対して給与振込が行われると、超過判定部２２１に給与振込が行われたことを示す情報（以下「給与振込情報」という。）を出力する。給与振込情報には、給与振込が行われた給与用口座の給与用口座ＩＤ、給与振込額、および、給与振込の日時等が含まれる。
【0032】
超過判定部２２１は、給与振込情報を取得すると、超過有無判定を行う。超過有無判定において、超過判定部２２１は、記憶部２３から、上限額情報と、給与振込情報に含まれる給与用口座ＩＤと紐づけられた残高とを取得する。超過判定部２２１は、取得した残高と給与振込情報に含まれる給与振込額とを加算し、その合計額を、上限額情報が示す上限額と比較する。超過判定部２２１は、比較の結果、合計額が上限額以下である場合は、上限額超過は無い、と判定する。一方、超過判定部２２１は、比較の結果、合計額が上限額より大きい場合は、上限額超過が有る、と判定する。
【0033】
超過判定部２２１による超過有無判定は、給与用口座への給与振込後に行われることに加え、給与用口座への給与振込前にも行われ得る。
例えば、サーバ２は、過去に、給与用口座への給与振込が行われた際の情報（以下「給与実績情報」という。）を記憶部２３に記憶させている。給与実績情報には、給与用口座ＩＤと、給与振込の日時、給与振込額等が含まれる。
サーバ２は、例えば、給与用口座に給与振込が行われると、その給与用口座の給与用口座ＩＤと紐づけられた過去数か月分の給与実績情報を記憶部２３から取得し、今回の給与振込額も含めた平均の給与振込額（以下「平均給与振込額」という。）を算出し、給与用口座ＩＤと紐づけて記憶部２３に記憶させておく。また、その際、サーバ２は、過去の給与振込の日時から予測される次回の給与振込の日時（以下「予測振込日時」という。）を算出し、給与用口座ＩＤと紐づけて記憶部２３に記憶させておく。
例えば、サーバ２は、過去に、給与用口座への給与振込が行われた際の情報（以下「給与実績情報」という。）を記憶部２３に記憶させている。給与実績情報には、給与用口座ＩＤと、給与振込の日時、給与振込額等が含まれる。
サーバ２は、例えば、給与用口座に給与振込が行われると、その給与用口座の給与用口座ＩＤと紐づけられた過去数か月分の給与実績情報を記憶部２３から取得し、今回の給与振込額も含めた平均の給与振込額（以下「平均給与振込額」という。）を算出し、給与用口座ＩＤと紐づけて記憶部２３に記憶させておく。また、その際、サーバ２は、過去の給与振込の日時から予測される次回の給与振込の日時（以下「予測振込日時」という。）を算出し、給与用口座ＩＤと紐づけて記憶部２３に記憶させておく。
【0034】
なお、上述の数か月分としては、例えば、３ヶ月分等の月数が設定される。この月数は、資金移動業者によって、すべての給与用口座に共通に予め設定され、記憶部２３に記憶されている。サーバ２は、記憶部２３に記憶された過去の給与実績情報が設定された月数に満たない場合は、取得可能な月数分だけに基づいて、平均給与振込額を算出する。
また、ユーザＡによって、予め給与用口座に対する給与振込額が設定されており、当該設定された給与振込額の情報を入手可能な場合は、サーバ２は、当該設定されている給与振込額を平均給与振込額として、記憶部２３に記憶させておいてもよい。
また、ユーザＡによって、予め給与用口座に対する給与振込額が設定されており、当該設定された給与振込額の情報を入手可能な場合は、サーバ２は、当該設定されている給与振込額を平均給与振込額として、記憶部２３に記憶させておいてもよい。
【0035】
超過判定部２２１は、サーバ２が管理する１または複数の給与用口座のそれぞれについて、予測振込日時が示す日付よりも所定日数前の日付になると、記憶部２３から給与用口座ＩＤと紐づいて記憶された平均給与振込額と、現在の残高と、上限額情報を取得する。超過判定部２２１は、取得した平均給与振込額を、次回の給与振込時に予測される額（以下「予測給与振込額」という。）として使用する。超過判定部２２１は、取得した残高と予測給与振込額としての平均給与振込額とを加算し、その合計額を、上限額情報が示す上限額と比較する。超過判定部２２１は、比較の結果、合計額が上限額以下である場合は、上限額超過は無い、と判定する。一方、超過判定部２２１は、比較の結果、合計額が上限額より大きい場合は、上限額超過が有る、と判定する。
【0036】
なお、上述の所定日数前とは、例えば、３日前等の特定の１つの日数であってもよいし、７日前および２日前等の複数の日数であってもよい。この所定日数は、例えば、資金移動業者によって、すべての給与用口座に共通に予め設定され、記憶部２３に記憶されている。
【0037】
記憶部２３に記憶される給与実績情報には、給与振込を行った企業等の給与支払者の名称等の、ユーザＡの勤務先を特定する情報が含まれていてもよい。ユーザＡの勤務先として複数の企業等が存在し、ユーザＡがある１つの給与用口座をそれらの勤務先からの給与受取用に共通して指定しており、かつ、それぞれの勤務先によって給与支払日が互いに異なる場合がある。このような場合であっても、給与実績情報に勤務先を特定する情報が含まれていれば、サーバ２は、ユーザＡの給与用口座の給与用口座ＩＤと紐づけて、勤務先ごとに、平均給与振込額および予測振込日時を算出して記憶部２３に記憶させておくことができる。そして、超過判定部２２１は、勤務先ごとの予測振込日付に基づくタイミングで、超過有無判定を行うことができる。
【0038】
また、例えば、サーバ２は、ユーザＡの勤務先が利用する給与支払システム（不図示）または銀行システム（不図示）から、ＡＰＩ連携等により、次回の給与振込予定日の情報および給与振込予定額の情報を取得してもよい。サーバ２は、取得した情報が示す給与振込予定額を予測給与振込額として使用する。
これらのシステムから給与振込予定日の情報および給与振込予定額の情報が実際の給与振込の何日前から取得できるかは、システムまたは勤務先に応じて異なるものとなり得る。サーバ２は、例えば、給与用口座ＩＤと紐づけて、システムを特定する情報（例えば、システムのＩＤ）、並びに、給与振込予定日の情報および給与振込予定額の情報が実際の給与振込の何日前から取得できるかに関しての情報等を、記憶部２３に記憶させておく。サーバ２は、給与振込予定額等の情報を取得可能な日付になると、上記のシステムにアクセスして、給与振込予定額等の情報を取得する。
これらのシステムから給与振込予定日の情報および給与振込予定額の情報が実際の給与振込の何日前から取得できるかは、システムまたは勤務先に応じて異なるものとなり得る。サーバ２は、例えば、給与用口座ＩＤと紐づけて、システムを特定する情報（例えば、システムのＩＤ）、並びに、給与振込予定日の情報および給与振込予定額の情報が実際の給与振込の何日前から取得できるかに関しての情報等を、記憶部２３に記憶させておく。サーバ２は、給与振込予定額等の情報を取得可能な日付になると、上記のシステムにアクセスして、給与振込予定額等の情報を取得する。
【0039】
サーバ２は、給与実績情報を利用することに代えて、または、給与実績情報を利用することに加えて、上述の給与支払いシステム等からの給与振込予定額等の情報を取得するものであってよい。
サーバ２は、給与実績情報を利用した予測を任意のタイミングで行うことが可能であるのに対し、サーバ２が給与支払システム等から給与振込予定額等の情報を取得可能なタイミングは、実際の給与支払日に近い日付（例えば、給与支払日の２～３日前）になることが想定される。サーバ２が、給与実績情報を利用することに加えて、上述の給与支払システム等からの給与振込予定額等の情報を取得する場合、給与支払システム等から給与振込予定額等を取得可能な日付となる前までは、給与実績情報を利用した予測を行い、予測支払日からみて予定額等の情報を取得可能と判断される日付になると、上記のシステムにアクセスして、予定額等の情報を取得することで、より確実な予測給与振込額を取得することができる。
サーバ２は、給与実績情報を利用した予測を任意のタイミングで行うことが可能であるのに対し、サーバ２が給与支払システム等から給与振込予定額等の情報を取得可能なタイミングは、実際の給与支払日に近い日付（例えば、給与支払日の２～３日前）になることが想定される。サーバ２が、給与実績情報を利用することに加えて、上述の給与支払システム等からの給与振込予定額等の情報を取得する場合、給与支払システム等から給与振込予定額等を取得可能な日付となる前までは、給与実績情報を利用した予測を行い、予測支払日からみて予定額等の情報を取得可能と判断される日付になると、上記のシステムにアクセスして、予定額等の情報を取得することで、より確実な予測給与振込額を取得することができる。
【0040】
ここで、給与用口座は、ユーザＡが給与支払者に対して給与用口座指定手続きを行うことによって給与用口座として指定され、また、他の資金移動口座とは異なり振替設定情報が紐づけられ得るものの、給与用口座は、通常の資金移動口座としての役割も有するものであるため、給与用口座には給与以外の資金が入金されることがある。
給与以外の資金が入金される時期は予測が難しいため、サーバ２は、給与以外の資金の入金の日時などの予測は行わない。
一方、上述のように、給与振込については、定期的に行われることが一般的であるため、サーバ２は、次回の予測振込日時および予測給与振込額を算出するところ、給与用口座に給与以外の資金が入金される場合は、サーバ２は、給与用口座に対する入金が給与振込によるものであるか否かを判定する必要がある。
給与以外の資金が入金される時期は予測が難しいため、サーバ２は、給与以外の資金の入金の日時などの予測は行わない。
一方、上述のように、給与振込については、定期的に行われることが一般的であるため、サーバ２は、次回の予測振込日時および予測給与振込額を算出するところ、給与用口座に給与以外の資金が入金される場合は、サーバ２は、給与用口座に対する入金が給与振込によるものであるか否かを判定する必要がある。
【0041】
なお、サーバ２が後述の入金管理部２２４を備えることにより、給与用口座に対しては、常に給与振込のみがなされる場合は、サーバ２は、給与用口座に対する入金が給与振込によるものであるか否かを判定する必要はない。
【0042】
サーバ２は、例えば、給与用口座への入金が給与振込によるものであるか否かを、給与用口座の設定時に登録された給与用口座のユーザＡの勤務先を特定する情報に基づいて判定（以下「判定例１」という。）してもよい。
ユーザＡの勤務先の企業等が、ユーザＡの給与用口座への給与の振込を行う方法としては、例えば、当該企業等が有する銀行口座（以下「企業銀行口座」という。）から給与用口座へと給与振込としての入金を行う方法、または、その企業等が、給与用口座を提供する資金移動業者と同じ者が提供する資金移動口座（以下「企業資金移動口座」という。）を開設し、企業資金移動口座から給与用口座へ送金する方法があり得る。
ユーザＡの勤務先の企業等が、ユーザＡの給与用口座への給与の振込を行う方法としては、例えば、当該企業等が有する銀行口座（以下「企業銀行口座」という。）から給与用口座へと給与振込としての入金を行う方法、または、その企業等が、給与用口座を提供する資金移動業者と同じ者が提供する資金移動口座（以下「企業資金移動口座」という。）を開設し、企業資金移動口座から給与用口座へ送金する方法があり得る。
【0043】
いずれの方法であっても、例えば、企業銀行口座を管理する銀行システムとサーバ２との連携を行う際、または、企業等が企業資金移動口座を開設する際に、ユーザＡの勤務先の名称等を含む勤務先を特定する情報は、サーバ２によって自動的に取得され得るか、または、サーバ２を管理もしくは利用する資金移動業者によって取得され得る。
取得された勤務先を特定する情報は、給与用口座ＩＤと紐づけて、記憶部２３に記憶される。サーバ２は、ある給与用口座ＩＤを有する給与用口座への入金を行った者が、記憶部２３において、その給与用口座ＩＤと紐づけて記憶された勤務先を特定する情報に対応する者であると、その入金が給与振込によるものであると判定する。
なお、ユーザＡの勤務先として、複数の企業等が存在する場合、記憶部２３には、１つの給与用口座ＩＤと紐づけて、複数の企業等それぞれについての複数の勤務先を特定する情報が記憶され得る。
取得された勤務先を特定する情報は、給与用口座ＩＤと紐づけて、記憶部２３に記憶される。サーバ２は、ある給与用口座ＩＤを有する給与用口座への入金を行った者が、記憶部２３において、その給与用口座ＩＤと紐づけて記憶された勤務先を特定する情報に対応する者であると、その入金が給与振込によるものであると判定する。
なお、ユーザＡの勤務先として、複数の企業等が存在する場合、記憶部２３には、１つの給与用口座ＩＤと紐づけて、複数の企業等それぞれについての複数の勤務先を特定する情報が記憶され得る。
【0044】
サーバ２は、給与用口座への入金が給与振込によるものであるか否かを、給与用口座への過去の給与振込時に給与用口座のユーザＡが登録したカテゴリ情報に基づいて判定（以下「判定例２」という。）してもよい。カテゴリ情報は、給与用口座に対して行われた入金処理、または、送金処理のそれぞれについて、例えば、ユーザＡがユーザ端末３を操作することによって、付与された情報である。
ユーザＡは、ユーザ端末３を利用した給与用口座の管理の１つとして、給与用口座に対して過去に行われた入金処理および送金処理の履歴を、サーバ２の記憶部２３から取得して、表示させることができる。ユーザ端末３は、ユーザＡから履歴を表示させる操作を受けると、サーバ２にアクセスし、履歴取得要求を送信する。履歴取得要求には、給与用口座ＩＤが少なくとも含まれる。また、履歴取得要求には、ユーザＡによって指定された履歴取得の対象となる期間（例えば、過去１か月等）を示す情報が含まれていてもよい。
ユーザＡは、ユーザ端末３を利用した給与用口座の管理の１つとして、給与用口座に対して過去に行われた入金処理および送金処理の履歴を、サーバ２の記憶部２３から取得して、表示させることができる。ユーザ端末３は、ユーザＡから履歴を表示させる操作を受けると、サーバ２にアクセスし、履歴取得要求を送信する。履歴取得要求には、給与用口座ＩＤが少なくとも含まれる。また、履歴取得要求には、ユーザＡによって指定された履歴取得の対象となる期間（例えば、過去１か月等）を示す情報が含まれていてもよい。
【0045】
ユーザ端末３は、サーバ２から履歴を取得すると、履歴を例えばリスト形式で表示し、リスト中の各入金処理の履歴に、その入金処理の日時と入金を行った者の名称と入金額を併せて表示し、各送金処理の履歴に、その送金処理の日時と送金先の者の名称と送金額を併せて表示する。
【0046】
また、ユーザ端末３は、リスト中の各入金処理の履歴と各送金処理の履歴と併せて、カテゴリ選択を可能とするプルダウンメニューまたはカテゴリ入力を可能とする記入欄を表示する。ユーザＡは、プルダウンメニューまたは記入欄を利用して、カテゴリ情報を入力することができる。例えば、選択可能なカテゴリには、少なくとも「給与」を示すカテゴリが含まれる。ユーザＡは、一部の履歴のみにカテゴリを付与してもよいし、全部の履歴にカテゴリを付与してもよい。
【0047】
ユーザ端末３は、ユーザＡによって、カテゴリを付与する操作および付与したカテゴリを確定する操作がなされると、サーバ２にアクセスして、各入金処理の履歴と各送金処理の履歴と紐づけて、それぞれの履歴に付与されたカテゴリを示すカテゴリ情報を送信する。
サーバ２は、ユーザ端末３から、カテゴリ情報を取得すると、それぞれの履歴に付与されたカテゴリを示すカテゴリ情報を記憶部２３に記憶させるとともに、少なくとも「給与」を示すカテゴリが付与された入金処理に関して、入金を行った者の名称を、給与用口座ＩＤと紐づけて記憶部２３に記憶させる。
なお、ユーザＡの勤務先として、複数の企業等が存在する場合、記憶部２３には、１つの給与用口座ＩＤと紐づけて、複数の企業等それぞれの名称が記憶され得る。
サーバ２は、ユーザ端末３から、カテゴリ情報を取得すると、それぞれの履歴に付与されたカテゴリを示すカテゴリ情報を記憶部２３に記憶させるとともに、少なくとも「給与」を示すカテゴリが付与された入金処理に関して、入金を行った者の名称を、給与用口座ＩＤと紐づけて記憶部２３に記憶させる。
なお、ユーザＡの勤務先として、複数の企業等が存在する場合、記憶部２３には、１つの給与用口座ＩＤと紐づけて、複数の企業等それぞれの名称が記憶され得る。
【0048】
サーバ２は、ある給与用口座ＩＤを有する給与用口座への入金を行った者が、記憶部２３において、その給与用口座ＩＤと紐づけて記憶された名称に対応する者であると、その入金が給与振込によるものであると判定する。
【0049】
サーバ２は、判定例１および判定例２の両方を利用して、入金が給与振込によるものであるか否かを判定してもよい。判定例１および判定例２の両方を利用する判定方法としては、いずれかの判定例に基づく判定結果が、入金が給与振込によるものであることを示す場合は、入金が給与振込によるものであると判定する方法、または、両方の判定例に基づく判定結果が、入金が給与振込によるものであることを示す場合にのみ、入金が給与振込によるものであると判定する方法等がある。
【0050】
なお、サーバ２は、履歴に含まれる入金金額または日時と、入金要求が示す入金額または日時を利用して、入金要求が給与振込か否かを判定してもよい。
また、サーバ２は、銀行システムから、給与振込を指示する情報（以下「給与振込指示情報」という。）を取得する場合に、給与振込指示情報に含まれる摘要情報に基づいて入金が給与振込か否かを判定してもよい。
また、サーバ２は、判定例１または判定例２を利用した判定と摘要情報を利用した判定を両方行い、いずれか一方の判定において給与振込と判定されれば最終的に給与振込と判定してもよいし、両方の判定において給与振込と判定された場合のみ最終的に給与振込と判定してもよい。
また、サーバ２は、企業等が給与振込用に企業資金移動口座を有しているのであれば、その企業資金移動口座からの入金要求による入金を給与振込と判定してもよい。
また、サーバ２は、銀行システムから、給与振込を指示する情報（以下「給与振込指示情報」という。）を取得する場合に、給与振込指示情報に含まれる摘要情報に基づいて入金が給与振込か否かを判定してもよい。
また、サーバ２は、判定例１または判定例２を利用した判定と摘要情報を利用した判定を両方行い、いずれか一方の判定において給与振込と判定されれば最終的に給与振込と判定してもよいし、両方の判定において給与振込と判定された場合のみ最終的に給与振込と判定してもよい。
また、サーバ２は、企業等が給与振込用に企業資金移動口座を有しているのであれば、その企業資金移動口座からの入金要求による入金を給与振込と判定してもよい。
【0051】
判定例１または判定例２等に示したように、サーバ２は、給与用口座に給与以外の資金が入金される場合であっても、その入金が給与振込によるものであるか否かを判定することができる。サーバ２は、給与振込によるものであると判定すると、上述のように、給与振込情報を超過判定部２２１に出力し、また、平均給与振込額等を算出することができ、超過判定部２２１は、超過有無判定を行うことができる。
【0052】
超過判定部２２１は、超過有無判定の判定結果を、表示情報生成部２２２に出力する。超過判定部２２１は、超過有無判定の判定結果にかかわらず、超過有無判定の判定結果を表示情報生成部２２２に出力してもよいし、上限額超過が有ると判定した場合のみ、超過有無判定の判定結果を、表示情報生成部２２２に出力してもよい。
超過判定部２２１は、表示情報生成部２２２に超過有無判定の判定結果を出力する際、例えば、給与用口座ＩＤ、給与振込による上限額超過の状態が生じた日時または給与振込による上限額超過の状態が生じると予測される日時、給与振込額または予測給与振込額、給与振込後の残高または予測残高、および、残高または予測残高のうち上限額を超過している額を併せて表示情報生成部２２２に出力する。
超過判定部２２１は、表示情報生成部２２２に超過有無判定の判定結果を出力する際、例えば、給与用口座ＩＤ、給与振込による上限額超過の状態が生じた日時または給与振込による上限額超過の状態が生じると予測される日時、給与振込額または予測給与振込額、給与振込後の残高または予測残高、および、残高または予測残高のうち上限額を超過している額を併せて表示情報生成部２２２に出力する。
【0053】
なお、例えば「超過判定部２２１が、ある情報を、表示情報生成部２２２に出力する」という場合、超過判定部２２１が、その情報を、記憶部２３を経由して表示情報生成部２２２に取得させることも含む。以下、「出力する」という表現は、同様の意味を有する表現として使用される。
【0054】
（表示情報生成部）
表示情報生成部２２２は、上限額超過が有ると判定された場合、給与用口座のユーザＡが給与用口座を管理するためのユーザ端末３に、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知（振込予告通知）を表示するための表示情報（振込予告通知表示情報）を生成する。
表示情報生成部２２２は、超過判定部２２１から超過有無判定の判定結果を取得し、取得した判定結果が、上限額超過が有ることを示していた場合に、振込予告通知表示情報を生成する。
表示情報生成部２２２は、上限額超過が有ると判定された場合、給与用口座のユーザＡが給与用口座を管理するためのユーザ端末３に、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知（振込予告通知）を表示するための表示情報（振込予告通知表示情報）を生成する。
表示情報生成部２２２は、超過判定部２２１から超過有無判定の判定結果を取得し、取得した判定結果が、上限額超過が有ることを示していた場合に、振込予告通知表示情報を生成する。
【0055】
例えば、超過判定部２２１が給与用口座への給与振込後に超過有無判定を行った場合、振込予告通知には、給与振込による上限額超過の状態が生じた日時、給与振込額、給与振込後の残高、残高のうち上限額を超過している額、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理、つまり、超過時振込が実行される予定の日時、および、超過時振込によって代替口座へ振り込まれる予定の金額が含まれる。また、超過時振込にユーザＡが負担すべき手数料があれば、振込予告通知には、その手数料の額も含まれ得る。
【0056】
また、例えば、超過判定部２２１が給与用口座への給与振込前に超過有無判定を行った場合、振込予告通知には、給与振込による上限額超過の状態が生じると予測される日時、予測給与振込額、給与振込後の予測残高、予測残高のうち上限額を超過している額、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理、つまり、超過時振込が実行される予定の日時、および、超過時振込によって代替口座へ振り込まれる予定の金額が含まれる。また、超過時振込にユーザＡが負担すべき手数料があれば、振込予告通知には、その手数料の額も含まれ得る。
【0057】
超過時振込において、代替口座へ振り込まれる予定の金額は、上限額超過の状態を解消可能な金額または上限額超過の状態を解消可能と予測される金額（以下、両方を総称して「解消可能額」という。）である。解消可能額の算出方法は、例えば、資金移動業者によって決定され、その算出方法を示す情報は、予め記憶部２３に記憶される。
【0058】
解消可能額は、例えば、上限額超過の状態にある残高または上限額超過の状態にあると予測される残高（以下、両方を総称して「上限額超過の状態にある残高」という。）のうち、上限額を超過している分の金額である。この場合の解消可能額の算出方法は、上限額超過の状態にある残高からの上限額の減算である。仮に、上限額が１００万円であり、上限額超過の状態にある残高が１０５万円であるとすると、１０５万円から１００万円を減算した結果である５万円が解消可能額として算出される。
【0059】
また、解消可能額は、例えば、上限額超過の状態にある残高のうち、上限額を超過している分に所定金額を加算した金額である。この場合の解消可能額の算出方法は、上限額超過の状態にある残高からの上限額の減算と、その減算の結果への所定金額の加算である。仮に、上限額が１００万円であり、上限額超過の状態にある残高が１０５万円であり、所定金額が３万円であるとすると、１０５万円から１００万円を減算した結果である５万円に、３万円を加算した結果である８万円が、解消可能額として算出される。
【0060】
表示情報生成部２２２は、超過判定部２２１から超過有無判定の判定結果を取得し、取得した判定結果が、上限額超過が有ることを示していた場合、記憶部２３から、解消可能額の算出方法および上限額情報を取得するとともに、超過判定部２２１から上述の判定結果と併せて取得した給与用口座ＩＤに基づき、給与用口座の残高を取得する。表示情報生成部２２２は、これら取得した情報に基づき、解消可能額を算出する。
【0061】
表示情報生成部２２２は、解消可能額を算出すると、算出した解消可能額と、超過判定部２２１から取得した各種情報等に基づき、振込予告通知表示情報を生成する。なお、振込予告通知に含まれる、超過時振込が実行される予定の日時については、超過判定部２２１から取得した給与振込による上限額超過の状態が生じた日時または給与振込による上限額超過の状態が生じると予測される日時と、記憶部２３から取得される振込条件情報に基づいて、表示情報生成部２２２が算出できる。また、振込予告通知に含まれる手数料を示す手数料情報については、記憶部２３から、表示情報生成部２２２が取得できる。
【0062】
表示情報生成部２２２は、振込予告通知表示情報を生成すると、給与用口座ＩＤと紐づいたユーザＡが有するユーザ端末３に対し、通信部２１を介して、生成した振込予告通知表示情報を送信する。ユーザ端末３への振込予告通知表示情報の送信は、口座管理用アプリケーションを利用して行うことができる。また、ユーザＡが、通知先として自身のメールアドレス等をサーバ２に登録している場合には、表示情報生成部２２２は、当該メールアドレス等に振込予告通知表示情報を送信してもよい。
【0063】
ユーザ端末３は、表示情報生成部２２２から、振込予告通知表示情報を取得すると、取得した振込予告通知表示情報に基づいて、取得した振込予告通知表示情報に基づき、表示部３５に、振込予告通知を表示する。
表示された振込予告通知を視認することで、超過時振込の可能性を認識したユーザは、必要に応じて、残高が上限額を超えない状態となるように、自身で給与用口座からの払出し等を行うことで、超過時振込の実行を回避できる。
表示された振込予告通知を視認することで、超過時振込の可能性を認識したユーザは、必要に応じて、残高が上限額を超えない状態となるように、自身で給与用口座からの払出し等を行うことで、超過時振込の実行を回避できる。
【0064】
（振込実行部）
振込実行部２２３は、給与振込が行われた後、上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額（解消可能額）の振込処理を実行する。
サーバ２は、自身が管理する給与用口座に対して給与振込が行われると、上述のように、超過判定部２２１に給与振込情報を出力するとともに、振込実行部２２３にも、給与振込情報を出力する。振込実行部２２３は、給与振込情報を取得すると、記憶部２３から、振込条件情報を取得する。振込実行部２２３は、振込条件情報を取得すると、取得した振込条件情報が示す振込条件に従ったタイミングで、給与振込情報に含まれる給与用口座ＩＤが示す給与用口座の残高を確認する。
振込実行部２２３は、給与振込が行われた後、上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額（解消可能額）の振込処理を実行する。
サーバ２は、自身が管理する給与用口座に対して給与振込が行われると、上述のように、超過判定部２２１に給与振込情報を出力するとともに、振込実行部２２３にも、給与振込情報を出力する。振込実行部２２３は、給与振込情報を取得すると、記憶部２３から、振込条件情報を取得する。振込実行部２２３は、振込条件情報を取得すると、取得した振込条件情報が示す振込条件に従ったタイミングで、給与振込情報に含まれる給与用口座ＩＤが示す給与用口座の残高を確認する。
【0065】
振込実行部２２３は、上述のタイミングで給与用口座の残高を確認した結果、上限額超過の状態が解消されていないと判断された場合、言い換えれば、上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、解消可能額の振込処理、つまり、超過時振込を実行する。
振込実行部２２３は、超過時振込を実行する際、記憶部２３から、解消可能額の算出方法および上限額情報を取得し、取得したそれらの情報と、確認済みの残高とに基づき、解消可能額を算出する。また、振込実行部２２３は、記憶部２３から給与用口座ＩＤと紐づいた代替口座ＩＤを取得し、給与用口座ＩＤが示す給与用口座の残高から解消可能額を減算し、取得した代替口座ＩＤが示す代替口座に対して解消可能額が振込まれるように指図を行う。
振込実行部２２３は、超過時振込を実行する際、記憶部２３から、解消可能額の算出方法および上限額情報を取得し、取得したそれらの情報と、確認済みの残高とに基づき、解消可能額を算出する。また、振込実行部２２３は、記憶部２３から給与用口座ＩＤと紐づいた代替口座ＩＤを取得し、給与用口座ＩＤが示す給与用口座の残高から解消可能額を減算し、取得した代替口座ＩＤが示す代替口座に対して解消可能額が振込まれるように指図を行う。
【0066】
振込実行部２２３は、記憶部２３に手数料情報が記憶されている場合には、手数料情報を取得し、例えば、給与用口座の残高から解消可能額を減算するとともに手数料情報が示す手数料の額を減算する。なお、手数料を資金移動業者が負担する場合は、手数料情報を取得した場合であっても、給与用口座の残高から手数料の額の減算は行わない。
振込実行部２２３は、超過時振込を実行した後、ユーザ端末３に超過時振込が実行された旨の通知を表示するための表示情報を生成し、生成した表示情報を、通信部２１を介してユーザ端末３に送信してもよい。
振込実行部２２３は、超過時振込を実行した後、ユーザ端末３に超過時振込が実行された旨の通知を表示するための表示情報を生成し、生成した表示情報を、通信部２１を介してユーザ端末３に送信してもよい。
【0067】
振込実行部２２３は、振込処理後（超過時振込後）の一定期間に限り、給与用口座への入金があった場合には、当該入金を契機として振込処理を開始するものであってもよい。
給与用口座への入金によって、その残高が上限額を超えた場合は、例えば、その当日中に、上述のような超過時振込が実行されることが要請されることも想定される。この想定のもと、仮に、ある日の朝１０時頃の給与振込によって給与用口座の残高が上限額を超えた場合に、振込予告通知を受けたユーザＡが何らの対応もせず、振込条件に従って超過時振込が夜１０時に実行されたものの、さらに午後１１時過ぎに残高が上限額を超えるような給与振込による入金がなされたとする。このような状況（以下「超過時振込当日の再超過の状況」という。）でも、再度、振込予告通知をユーザ端末３に送信することも考えられるが、上記要請に従えば、残り１時間弱の短時間で超過時振込を実行する必要があり、それまでに振込予告通知を受けたユーザＡが対応できる可能性は低い。
給与用口座への入金によって、その残高が上限額を超えた場合は、例えば、その当日中に、上述のような超過時振込が実行されることが要請されることも想定される。この想定のもと、仮に、ある日の朝１０時頃の給与振込によって給与用口座の残高が上限額を超えた場合に、振込予告通知を受けたユーザＡが何らの対応もせず、振込条件に従って超過時振込が夜１０時に実行されたものの、さらに午後１１時過ぎに残高が上限額を超えるような給与振込による入金がなされたとする。このような状況（以下「超過時振込当日の再超過の状況」という。）でも、再度、振込予告通知をユーザ端末３に送信することも考えられるが、上記要請に従えば、残り１時間弱の短時間で超過時振込を実行する必要があり、それまでに振込予告通知を受けたユーザＡが対応できる可能性は低い。
【0068】
したがって、上記の超過時振込当日の再超過の状況においては、超過時振込を行った一定期間（例えば、その当日中）に限り、給与用口座への入金があった場合には、当該入金を契機として上限額超過の有無を判定し、上限額超過が有る場合には、振込予告通知を行うかどうかにかかわらず（このような場合に振込予告通知を行ってもよいしまたは行わなくてもよい）、振込実行部２２３は、超過時振込を実行することで、上限額超過の状態になった当日中の超過時振込の実行との要請を遵守することができる。
なお、この場合の振込条件は、上記一定期間内に給与用口座への入金があった時点自体を上限額超過の状態を判断するタイミングとして示すものである。
なお、この場合の振込条件は、上記一定期間内に給与用口座への入金があった時点自体を上限額超過の状態を判断するタイミングとして示すものである。
【0069】
また、振込実行部２２３は、予め設定された時刻において給与用口座の残高が上限額超過の状態にあるとの振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込を実行するものであってもよい。
給与用口座への入金によって、その残高が上限額を超えた場合は、例えば、上限額超過の状態になった時点から２４時間以内に、上述のような超過時振込が実行されることが要請されることも想定される。
給与用口座への入金によって、その残高が上限額を超えた場合は、例えば、上限額超過の状態になった時点から２４時間以内に、上述のような超過時振込が実行されることが要請されることも想定される。
【0070】
例えば、このような想定のもと、振込実行部２２３は、１日の予め設定された１時刻において給与用口座の残高が上限額超過の状態にあるとの振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込を実行するものであってもよい。
１日の予め設定された１時刻は、例えば、午後１０時に設定される。この１時刻は、他の時刻に設定されてもよい。
この場合、２４時間に１回は、超過時振込が実行され得るため、上限額超過の状態になった時点から２４時間以内の超過時振込の実行との要請を遵守することができる。
１日の予め設定された１時刻は、例えば、午後１０時に設定される。この１時刻は、他の時刻に設定されてもよい。
この場合、２４時間に１回は、超過時振込が実行され得るため、上限額超過の状態になった時点から２４時間以内の超過時振込の実行との要請を遵守することができる。
【0071】
また、例えば、同じ想定のもと、振込実行部２２３は、１日の予め設定された複数の時刻において給与用口座の残高が上限額超過の状態にあるとの振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込を実行するものであってもよい。
１日の予め設定された複数の時刻は、例えば、午前１２時と午後８時に設定される。複数の時刻は２つの時刻でもよいし、３つ以上の時刻であってもよい。また、複数の時刻としては任意の時刻が設定されてよい。
この場合、２４時間に複数回の超過時振込が実行され得るため、上限額超過の状態になった時点から２４時間以内の超過時振込の実行との要請をより確実に遵守することができる。
１日の予め設定された複数の時刻は、例えば、午前１２時と午後８時に設定される。複数の時刻は２つの時刻でもよいし、３つ以上の時刻であってもよい。また、複数の時刻としては任意の時刻が設定されてよい。
この場合、２４時間に複数回の超過時振込が実行され得るため、上限額超過の状態になった時点から２４時間以内の超過時振込の実行との要請をより確実に遵守することができる。
【0072】
また、例えば、同じ想定のもと、振込実行部２２３は、給与振込が行われてから予め設定された時間、上限額超過の状態が継続しているとの振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込を実行するものであってもよい。
予め設定された時間は、例えば、２２時間に設定される。予め設定された時間は、要請に基づく時間（上記想定では２４時間）未満の時間であればよい。
予め設定された時間が要請に基づく時間未満の時間であれば、上限額超過の状態が最も長く継続したとしても、必ず予め設定された時間未満となるため、要請を遵守することができる。
なお、予め設定された時間は、あまりに短過ぎる時間ではない方がよい。予め設定された時間が短ければ短いほど、頻繁に上限額超過の有無の確認が行われることとなり、サーバ２の資源が無駄になるからである。
予め設定された時間は、例えば、２２時間に設定される。予め設定された時間は、要請に基づく時間（上記想定では２４時間）未満の時間であればよい。
予め設定された時間が要請に基づく時間未満の時間であれば、上限額超過の状態が最も長く継続したとしても、必ず予め設定された時間未満となるため、要請を遵守することができる。
なお、予め設定された時間は、あまりに短過ぎる時間ではない方がよい。予め設定された時間が短ければ短いほど、頻繁に上限額超過の有無の確認が行われることとなり、サーバ２の資源が無駄になるからである。
【0073】
（入金管理部）
入金管理部２２４は、給与用口座への給与振込による入金を許可し、給与用口座への給与振込以外による入金を禁止する。
上述のとおり、例えば、企業銀行口座を管理する銀行システムとサーバ２との連携を行う際、または、企業等が企業資金移動口座を開設する際に、ユーザＡの勤務先の名称等を含む勤務先を特定する情報は、サーバ２によって自動的に取得され得るか、または、サーバ２を管理もしくは利用する資金移動業者によって取得され得る。そして、取得された勤務先を特定する情報は、給与用口座ＩＤと紐づけて、記憶部２３に記憶される。
なお、ユーザＡの勤務先として、複数の企業等が存在する場合、記憶部２３には、１つの給与用口座ＩＤと紐づけて、複数の企業等それぞれについての複数の勤務先を特定する情報が記憶され得る。
入金管理部２２４は、給与用口座への給与振込による入金を許可し、給与用口座への給与振込以外による入金を禁止する。
上述のとおり、例えば、企業銀行口座を管理する銀行システムとサーバ２との連携を行う際、または、企業等が企業資金移動口座を開設する際に、ユーザＡの勤務先の名称等を含む勤務先を特定する情報は、サーバ２によって自動的に取得され得るか、または、サーバ２を管理もしくは利用する資金移動業者によって取得され得る。そして、取得された勤務先を特定する情報は、給与用口座ＩＤと紐づけて、記憶部２３に記憶される。
なお、ユーザＡの勤務先として、複数の企業等が存在する場合、記憶部２３には、１つの給与用口座ＩＤと紐づけて、複数の企業等それぞれについての複数の勤務先を特定する情報が記憶され得る。
【0074】
入金管理部２２４が、給与用口座への給与振込による入金を許可し、給与用口座への給与振込以外による入金を禁止する場合、入金管理部２２４は、ある給与用口座ＩＤを有する給与用口座に対して、入金要求があると、まず、その入金要求が、記憶部２３において、その給与用口座ＩＤと紐づけて記憶された名称に対応する者からの要求であるか否かを判定する。
入金管理部２２４は、入金要求が、給与用口座ＩＤと紐づけて記憶された名称に対応する者からの要求ではないと判定した場合、入金処理の実行を拒否する。一方、入金管理部２２４は、入金要求が、給与用口座ＩＤと紐づけて記憶された名称に対応する者からの要求であると判定した場合、入金処理を実行する。
なお、入金管理部２２４は、銀行システムから、給与振込指示情報を取得する場合に、給与振込指示情報に含まれる摘要情報に基づいて入金が給与振込か否かを判定し、給与振込と判定された場合にのみ、入金処理を実行するものであってもよい。
入金管理部２２４は、入金要求が、給与用口座ＩＤと紐づけて記憶された名称に対応する者からの要求ではないと判定した場合、入金処理の実行を拒否する。一方、入金管理部２２４は、入金要求が、給与用口座ＩＤと紐づけて記憶された名称に対応する者からの要求であると判定した場合、入金処理を実行する。
なお、入金管理部２２４は、銀行システムから、給与振込指示情報を取得する場合に、給与振込指示情報に含まれる摘要情報に基づいて入金が給与振込か否かを判定し、給与振込と判定された場合にのみ、入金処理を実行するものであってもよい。
【0075】
また、入金管理部２２４は、上述の名称を利用した判定と摘要情報を利用した判定を両方行い、いずれか一方の判定において給与振込と判定されれば入金処理を実行するものであってもよいし、両方の判定において給与振込と判定された場合のみ入金処理を実行するものであってもよい。
また、入金管理部２２４は、企業等が給与振込用に企業資金移動口座を有しているのであれば、その企業資金移動口座からの入金要求のみを許容して、入金処理を実行するものであってもよい。
また、入金管理部２２４は、履歴に含まれる入金金額または日時と、入金要求が示す入金額または日時を利用して、入金要求が給与振込か否かを判定して、給与振込と判定された場合のみ入金要求を許容して、入金処理を実行するものであってもよい。
また、入金管理部２２４は、企業等が給与振込用に企業資金移動口座を有しているのであれば、その企業資金移動口座からの入金要求のみを許容して、入金処理を実行するものであってもよい。
また、入金管理部２２４は、履歴に含まれる入金金額または日時と、入金要求が示す入金額または日時を利用して、入金要求が給与振込か否かを判定して、給与振込と判定された場合のみ入金要求を許容して、入金処理を実行するものであってもよい。
【0076】
サーバ２は、入金管理部２２４によって、すべての給与用口座について、給与振込のみを許容するものとして管理するものであってもよいし、ユーザＡ等の給与受取者が給与用口座として給与振込のみを許容するものとすることを選択した場合のみ、その給与用口座を、給与振込のみを許容するものとして管理するものであってもよい。
後者の場合、ユーザＡは、例えば、資金移動口座を給与用口座に指定する際に、給与振込のみを許容するものとするか否かを選択し得る。
後者の場合、ユーザＡは、例えば、資金移動口座を給与用口座に指定する際に、給与振込のみを許容するものとするか否かを選択し得る。
【0077】
ユーザＡ等の給与受取者が給与用口座を給与振込のみを許容するものとするか否かを選択できる場合、サーバ２は、記憶部２３に、給与用口座ＩＤと紐づけて、入金管理部２２４による処理の対象とするか否かを示すフラグを記憶させておく。フラグは、例えば、給与振込のみを許容する場合は「１」、給与振込以外の入金も許容する場合は「０」とされる。
入金管理部２２４は、ある給与用口座ＩＤを有する給与用口座に対して、入金要求があると、記憶部２３において、給与用口座ＩＤと紐づけて記憶されたフラグを確認し、フラグが「１」である場合のみ、上述の処理を行う。
入金管理部２２４は、ある給与用口座ＩＤを有する給与用口座に対して、入金要求があると、記憶部２３において、給与用口座ＩＤと紐づけて記憶されたフラグを確認し、フラグが「１」である場合のみ、上述の処理を行う。
【0078】
入金管理部２２４は、常に、ある給与用口座への給与振込による入金を許可し、給与用口座への給与振込以外による入金を禁止するものであってもよいし、または、振込実行部２２３による振込処理時点からの一定期間に限り、または、上限額超過の状態となった時点からの一定期間に限り、給与用口座への給与振込による入金を許可し、給与用口座への給与振込以外による入金を禁止するものであってもよい。
入金管理部２２４が、常に、ある給与用口座への給与振込による入金を許可し、給与用口座への給与振込以外による入金を禁止するものである場合、その給与用口座への入金は、常に給与振込による入金であるため、サーバ２は、上述のような入金が給与振込によるものであるか否かの判定を行う必要はない等の利点がある。
入金管理部２２４が、常に、ある給与用口座への給与振込による入金を許可し、給与用口座への給与振込以外による入金を禁止するものである場合、その給与用口座への入金は、常に給与振込による入金であるため、サーバ２は、上述のような入金が給与振込によるものであるか否かの判定を行う必要はない等の利点がある。
【0079】
一方、入金管理部２２４が、振込実行部２２３による振込処理時点からの一定期間に限り、または、前記上限額超過の状態となった時点からの一定期間に限り、給与用口座への給与振込による入金を許可し、給与用口座への給与振込以外による入金を禁止するものである場合、通常は、給与用口座へのすべての入金を許容しつつ、ある一定期間にのみ、給与振込のみを許容することができるという利点がある。
例えば、上述の残高が上限額を超えた当日中に超過時振込の実行が要請される想定においては、そもそも、上述の「超過時振込当日の再超過の状況」をできる限り回避するための対策を講じることも望ましい。
例えば、上述の残高が上限額を超えた当日中に超過時振込の実行が要請される想定においては、そもそも、上述の「超過時振込当日の再超過の状況」をできる限り回避するための対策を講じることも望ましい。
【0080】
その対策としては、後述のように、「超過時振込当日の再超過の状況」が生じ得る一定期間、すべての入金を禁止することで「超過時振込当日の再超過の状況」を確実に回避することも考えられる。しかし、すべての入金を禁止する場合は、給与振込をも不可とするため、ユーザＡ等の給与受取者にとっては期待した日に給与が取得できなくなるため不利であり、また、ユーザＡの勤務先の企業等の給与支払者にとっても、給与の支払い義務が履行できなくなる可能性の他、再度の給与振込手続きが必要になる等の負担が生じ得る。
このような観点から、入金管理部２２４は、上述のいずれかの一定期間に限り、給与用口座への給与振込による入金を許可し、給与用口座への給与振込以外による入金を禁止することが望ましい場合がある。
このような観点から、入金管理部２２４は、上述のいずれかの一定期間に限り、給与用口座への給与振込による入金を許可し、給与用口座への給与振込以外による入金を禁止することが望ましい場合がある。
【0081】
また、入金管理部２２４は、振込実行部２２３による振込処理時点からの一定期間に限り、または、上限額超過の状態となった時点からの一定期間に限り、残高を上限額超過の状態とする給与用口座への給与振込以外による入金を禁止するとともに、残高を上限額超過の状態とする給与用口座への給与振込による入金を禁止するものであってもよい。
この場合、上述のいずれかの一定期間に限っては、給与用口座に対するすべての入金が禁止される。したがって、例えば「超過時振込当日の再超過の状況」が生じ得る一定期間、すべての入金が禁止されるため、「超過時振込当日の再超過の状況」を確実に回避することができる。
また、この場合、通常は、給与振込による入金のみを許容しつつ、言い換えれば、給与用口座を給与専用の口座としつつ、上述のいずれかの一定期間に限っては、給与振込以外による入金はもちろん、給与振込による入金も禁止することができる。
この場合、上述のいずれかの一定期間に限っては、給与用口座に対するすべての入金が禁止される。したがって、例えば「超過時振込当日の再超過の状況」が生じ得る一定期間、すべての入金が禁止されるため、「超過時振込当日の再超過の状況」を確実に回避することができる。
また、この場合、通常は、給与振込による入金のみを許容しつつ、言い換えれば、給与用口座を給与専用の口座としつつ、上述のいずれかの一定期間に限っては、給与振込以外による入金はもちろん、給与振込による入金も禁止することができる。
【0082】
（口座設定処理部）
口座設定処理部２２５は、給与用口座を既存のプリペイドカードと紐づけて設定することを要求する紐づけ設定要求を取得し、既存のプリペイドカード口座と給与用口座と紐づけて記憶部２３に記憶させる。
ユーザ端末３は、ユーザＡから操作を受けて、給与用口座を既存のプリペイドカード口座と紐づけて設定することを要求する紐づけ設定要求を生成し、サーバ２に送信することができる。紐づけ設定要求には、既存のプリペイドカード口座との紐づけの対象となる給与用口座の給与用口座ＩＤと、その既存のプリペイドカード口座のＩＤ（以下「プリペイドカード口座ＩＤ」という。）とが含まれている。
口座設定処理部２２５は、給与用口座を既存のプリペイドカードと紐づけて設定することを要求する紐づけ設定要求を取得し、既存のプリペイドカード口座と給与用口座と紐づけて記憶部２３に記憶させる。
ユーザ端末３は、ユーザＡから操作を受けて、給与用口座を既存のプリペイドカード口座と紐づけて設定することを要求する紐づけ設定要求を生成し、サーバ２に送信することができる。紐づけ設定要求には、既存のプリペイドカード口座との紐づけの対象となる給与用口座の給与用口座ＩＤと、その既存のプリペイドカード口座のＩＤ（以下「プリペイドカード口座ＩＤ」という。）とが含まれている。
【0083】
サーバ２の口座設定処理部２２５は、ユーザ端末３から紐づけ設定要求を取得すると、取得した紐づけ設定要求に含まれる給与用口座ＩＤとプリペイドカード口座ＩＤとを紐づけて、記憶部２３に記憶させる。
ここで、既存のプリペイドカード口座とは、ユーザＡの名義で既に作成済のプリペイドカード用の口座であって、ユーザＡの給与用口座と同様にサーバ２によって管理される口座である。そして、ユーザＡは、ユーザ端末３によって既存のプリペイドカード口座を管理することができるものとする。
ここで、既存のプリペイドカード口座とは、ユーザＡの名義で既に作成済のプリペイドカード用の口座であって、ユーザＡの給与用口座と同様にサーバ２によって管理される口座である。そして、ユーザＡは、ユーザ端末３によって既存のプリペイドカード口座を管理することができるものとする。
【0084】
ユーザＡは、ユーザ端末３の表示部３５に表示される、既存のプリペイドカード口座の管理画面上で操作を行うことにより、既存のプリペイドカード口座内にいわゆるポケットを作成することができる。ポケットとは、ユーザＡによる既存のプリペイドカード口座の残高管理の利便性を向上させるため、その既存のプリペイドカード口座内に、そのプリペイドカード口座の残高を例えば目的別に振り分けられるように、ユーザＡによって任意に作成される１または複数のサブ口座である。
ユーザＡは、既存のプリペイドカード口座の管理画面において、自身が作成したポケットを表示して管理することができる。以下、ポケットが表示される画面を「ポケット表示画面」という。このポケット自体は、公知の技術である。この公知の技術における、既存のプリペイドカード口座内に作成された１または複数のポケットを、以下、「真ポケット」という。真ポケットに関する情報（各真ポケットの名称と、振り分けられた残高）は、既存のプリペイドカード口座ＩＤと紐づけてサーバ２の記憶部２３に記憶されている。
ユーザＡは、既存のプリペイドカード口座の管理画面において、自身が作成したポケットを表示して管理することができる。以下、ポケットが表示される画面を「ポケット表示画面」という。このポケット自体は、公知の技術である。この公知の技術における、既存のプリペイドカード口座内に作成された１または複数のポケットを、以下、「真ポケット」という。真ポケットに関する情報（各真ポケットの名称と、振り分けられた残高）は、既存のプリペイドカード口座ＩＤと紐づけてサーバ２の記憶部２３に記憶されている。
【0085】
ユーザＡの給与用口座とユーザＡの既存のプリペイドカード口座とが紐づけられた場合、ユーザ端末３の表示部３５に表示されるポケット表示画面には、真ポケットの他に、給与用口座を表すポケット（以下「給与ポケット」という。）が表示される。給与用ポケットは、公知の技術によるポケットであるプリペイドカード口座内に任意に作成可能な真ポケットとは異なり、既存のプリペイドカード口座と給与用口座とが紐づけられたことによって自動的に表示される、いわば仮想のポケットである。給与ポケットは、ポケット表示画面における外見上は、真ポケットと同列のポケットであるかのように表示されている。
【0086】
例えば、ユーザＡがユーザ端末３を操作して、既存のプリペイドカード口座のポケット表示画面を表示させる場合、ユーザ端末３は、サーバ２にアクセスし、既存のプリペイドカード口座ＩＤと紐づけて記憶部２３に記憶された真ポケットに関する情報をサーバ２から取得するとともに、既存のプリペイドカード口座ＩＤと紐づけて記憶部２３に記憶された給与用口座ＩＤに基づき、当該給与用口座ＩＤと紐づけて記憶部２３に記憶された給与用口座の残高等の情報を、サーバ２から取得する。
ユーザ端末３は、これらの情報を取得すると、ポケット表示画面内に、真ポケットと給与ポケットとを表示する。
ユーザ端末３は、これらの情報を取得すると、ポケット表示画面内に、真ポケットと給与ポケットとを表示する。
【0087】
ユーザＡの給与用口座とユーザＡの既存のプリペイドカード口座とは、本来、互いに完全に独立した口座である。しかしながら、例えば、ユーザＡの操作によって給与用口座から他の銀行口座等への振込ができるのと同様に、ユーザＡは、ポケット表示画面上で操作を行うことで、給与ポケットの残高の一部または全部を、真ポケットのいずれか（例えば、真ポケットのうちのメインポケット）に振込むことができる。このような振込操作の情報は、ユーザ端末３からサーバ２に送信され、サーバ２で管理される既存のプリペイドカード口座の真ポケットの残高と給与用口座の残高に変更が加えられる。
【0088】
ユーザＡ等の給与受取者によっては、既存のプリペイドカード口座と紐づけられたプリペイドカードを主たる決済手段として利用することを望むことがあり得る。このような場合に、上述の機能を利用することで、ユーザＡは、給与用口座の残高から、例えば、既存のプリペイドカード口座のメインポケットに残高を振込んで、プリペイドカードを主たる決済手段とすることができる。
【0089】
口座設定処理部２２５は、給与用口座の開設要求を取得すると、給与用口座を開設するとともに、給与用口座と紐づけられた給与用口座カードを発行するものであってもよい。
口座設定処理部２２５は、ユーザＡが既存のプリペイドカードと紐づけた給与用口座として指定する前提とする資金移動口座を開設するためにも利用され得る。ここでは、このような意図で開設される資金移動口座のことも給与用口座という。口座設定処理部２２５は、ユーザＡから給与用口座の開設要求を取得して給与用口座を開設する場合、給与用口座と紐づけられた給与用口座カードを発行するものであってもよい。
口座設定処理部２２５は、ユーザＡが既存のプリペイドカードと紐づけた給与用口座として指定する前提とする資金移動口座を開設するためにも利用され得る。ここでは、このような意図で開設される資金移動口座のことも給与用口座という。口座設定処理部２２５は、ユーザＡから給与用口座の開設要求を取得して給与用口座を開設する場合、給与用口座と紐づけられた給与用口座カードを発行するものであってもよい。
【0090】
ユーザＡは、例えば、ユーザ端末３を操作して、既存のプリペイドカード口座ＩＤを含む、給与用口座（資金移動口座）の開設要求をサーバ２に送信する。開設要求には、給与用口座カードを発行するかしないかについて、ユーザＡが選択した結果を示すカード発行選択情報が含まれてもよい。
サーバ２の口座設定処理部２２５は、開設要求を取得すると、給与用口座（資金移動口座）を開設して給与用口座ＩＤを付与するとともに、その給与用口座ＩＤと、開設要求に含まれた既存のプリペイドカード口座ＩＤとを紐づけて、記憶部２３に記憶させる。また、サーバ２の口座設定処理部２２５は、開設要求に給与用口座カードを発行することを選択した旨を示すカード発行選択情報が含まれている場合、開設した給与用口座と紐づけられた給与用口座カードを発行する。発行される給与用口座カードは、いわゆるリアルカードでもよいし、ユーザ端末３上で利用可能なバーチャルカードであってもよい。なお、プリペイドカードが主たる決済手段とされる場合は、バーチャルカードはサーバ２内で発行するのみで、ユーザ端末３上での利用はされなくてもよい。
サーバ２の口座設定処理部２２５は、開設要求を取得すると、給与用口座（資金移動口座）を開設して給与用口座ＩＤを付与するとともに、その給与用口座ＩＤと、開設要求に含まれた既存のプリペイドカード口座ＩＤとを紐づけて、記憶部２３に記憶させる。また、サーバ２の口座設定処理部２２５は、開設要求に給与用口座カードを発行することを選択した旨を示すカード発行選択情報が含まれている場合、開設した給与用口座と紐づけられた給与用口座カードを発行する。発行される給与用口座カードは、いわゆるリアルカードでもよいし、ユーザ端末３上で利用可能なバーチャルカードであってもよい。なお、プリペイドカードが主たる決済手段とされる場合は、バーチャルカードはサーバ２内で発行するのみで、ユーザ端末３上での利用はされなくてもよい。
【0091】
その後、ユーザＡが、給与用口座指定手続きを行うことで、開設された給与用口座（資金移動口座）は、実際に給与用口座として利用可能となる。
給与用口座に紐づけて給与用口座カードが発行される場合も、発行されない場合も、ユーザＡの給与用口座とユーザＡの既存のプリペイドカード口座とが紐づけられていれば、上述のように、ポケット表示画面による真ポケットと給与ポケットの表示がなされ、当該ポケット表示画面を利用して、ユーザＡは、既存のプリペイドカード口座と給与用口座の管理を行うことができる。
給与用口座に紐づけて給与用口座カードが発行される場合も、発行されない場合も、ユーザＡの給与用口座とユーザＡの既存のプリペイドカード口座とが紐づけられていれば、上述のように、ポケット表示画面による真ポケットと給与ポケットの表示がなされ、当該ポケット表示画面を利用して、ユーザＡは、既存のプリペイドカード口座と給与用口座の管理を行うことができる。
【0092】
ユーザＡの給与用口座とユーザＡの既存のプリペイドカード口座とが紐づけられており、ユーザＡがプリペイドカードのみを有する場合、ユーザＡは、上述のとおり、例えば、給与ポケットからメインポケットに残高を振込むことで、給与用口座に振込まれた給与を、プリペイドカードを利用して使用することができるほか、ユーザ端末３等を操作して給与用口座の残高を他の銀行口座に振込む、または、ＡＴＭ（Ａｕｔｏｍａｔｉｃ／Ａｕｔｏｍａｔｅｄ Ｔｅｌｌｅｒ Ｍａｃｈｉｎｅ）等を操作して当該残高を現金として払出すこと等ができる。
【0093】
ユーザＡの給与用口座とユーザＡの既存のプリペイドカード口座とが紐づけられており、ユーザＡがプリペイドカード、および、給与用口座カードの両方を有する場合、ユーザＡは、両方のカードを決済手段として利用することができる。この場合の給与ポケットからメインポケットへの残高の移動等については、ユーザＡがプリペイドカードのみを有する場合と同様である。なお、技術的には、メインポケットから給与ポケットへの残高の移動も可能であるが、法令等による要請によっては、当該移動は不可とされることも想定され得る。
【0094】
また、ユーザＡが、プリペイドカードまたは給与用口座カードを決済手段として使用する場合、サーバ２は、既存のプリペイドカード口座または給与用口座のいずれかから優先して決済処理を行ってもよい。この場合、予め定められた優先順に基づいて、いずれか一方の口座から優先的に決済がなされ、例えば、その口座の残高が無くなった場合には他方の口座からの決済がなされるため、上述のように、給与ポケットからメインポケットへの残高の振込を行う必要はない。
以下、ユーザＡが、プリペイドカードまたは給与用口座カードを決済手段として、店舗において商取引を行う場合について説明する。
以下、ユーザＡが、プリペイドカードまたは給与用口座カードを決済手段として、店舗において商取引を行う場合について説明する。
【0095】
（決済要求情報取得部）
決済要求情報取得部２２６は、店舗端末４から決済を要求する決済要求情報を取得する。店舗においてユーザＡが決済手段を使用した商取引の決済を行う場合、店舗端末４は、決済手段に関する情報を読み取り、ネットワーク５を介して決済要求情報をサーバ２に送信する。決済要求情報には、決済金額、決済が行われた加盟店の識別情報、および、決済手段に関する情報が含まれる。決済手段に関する情報は、既存のプリペイドカード口座ＩＤまたは給与用口座ＩＤである。
サーバ２の決済要求情報取得部２２６は、店舗端末４から決済要求情報を取得すると、取得した決済要求情報を、決済処理部２２７に出力する。
決済要求情報取得部２２６は、店舗端末４から決済を要求する決済要求情報を取得する。店舗においてユーザＡが決済手段を使用した商取引の決済を行う場合、店舗端末４は、決済手段に関する情報を読み取り、ネットワーク５を介して決済要求情報をサーバ２に送信する。決済要求情報には、決済金額、決済が行われた加盟店の識別情報、および、決済手段に関する情報が含まれる。決済手段に関する情報は、既存のプリペイドカード口座ＩＤまたは給与用口座ＩＤである。
サーバ２の決済要求情報取得部２２６は、店舗端末４から決済要求情報を取得すると、取得した決済要求情報を、決済処理部２２７に出力する。
【0096】
（決済処理部）
決済処理部２２７は、決済要求情報が示す決済金額に対して、既存のプリペイドカード口座または給与用口座のいずれかから優先して決済処理を行う。
ユーザＡの給与用口座とユーザＡの既存のプリペイドカード口座とが紐づけられている場合に、既存のプリペイドカード口座または給与用口座のいずれかを優先して決済処理するかは、資金移動業者が決定し、デフォルトとして予め記憶部２３に記憶させておいてもよい。
また、同様の場合に、既存のプリペイドカード口座または給与用口座のいずれかから優先して決済処理するかは、ユーザＡが任意に決定し、例えばユーザ端末３を操作して、いずれを優先するかの情報をサーバ２に送信して、当該情報を取得したサーバ２が、取得した情報を、プリペイドカード口座ＩＤまたは給与用口座ＩＤと紐づけて記憶部２３に記憶させておいてもよい。
決済処理部２２７は、決済要求情報が示す決済金額に対して、既存のプリペイドカード口座または給与用口座のいずれかから優先して決済処理を行う。
ユーザＡの給与用口座とユーザＡの既存のプリペイドカード口座とが紐づけられている場合に、既存のプリペイドカード口座または給与用口座のいずれかを優先して決済処理するかは、資金移動業者が決定し、デフォルトとして予め記憶部２３に記憶させておいてもよい。
また、同様の場合に、既存のプリペイドカード口座または給与用口座のいずれかから優先して決済処理するかは、ユーザＡが任意に決定し、例えばユーザ端末３を操作して、いずれを優先するかの情報をサーバ２に送信して、当該情報を取得したサーバ２が、取得した情報を、プリペイドカード口座ＩＤまたは給与用口座ＩＤと紐づけて記憶部２３に記憶させておいてもよい。
【0097】
以下、給与用口座からの決済が優先される旨の情報が記憶部２３に記憶されている場合を例に決済処理部２２７の動作について説明する。
決済処理部２２７は、決済要求情報取得部２２６から決済要求情報を取得すると、決済要求情報に含まれる決済手段に関する情報に基づいて、プリペイドカード口座および給与用口座を特定し、それぞれの残高の情報を取得するとともに、いずれの口座を優先するかの情報を記憶部２３から取得する。上述のとおり、ここでは、当該情報は、給与用口座からの決済が優先される旨を示しているものとする。
決済処理部２２７は、決済要求情報取得部２２６から決済要求情報を取得すると、決済要求情報に含まれる決済手段に関する情報に基づいて、プリペイドカード口座および給与用口座を特定し、それぞれの残高の情報を取得するとともに、いずれの口座を優先するかの情報を記憶部２３から取得する。上述のとおり、ここでは、当該情報は、給与用口座からの決済が優先される旨を示しているものとする。
【0098】
決済処理部２２７は、決済要求情報が示す決済金額に対して、給与用口座の残高が不足していない場合には、給与用口座から決済処理を行う。また、決済処理部２２７は、決済金額に対して給与用口座の残高が不足している場合には、給与用口座から決済処理を行うことに加えて、不足している金額について既存のプリペイドカード口座から決済処理を行う。
なお、既存のプリペイドカード口座からの決済が優先される場合の決済処理部２２７の動作は、上述の動作において、両口座が入れ替わるだけであるため、詳細な説明は省略する。
なお、既存のプリペイドカード口座からの決済が優先される場合の決済処理部２２７の動作は、上述の動作において、両口座が入れ替わるだけであるため、詳細な説明は省略する。
【0099】
【0100】
通信部３１は、他の機器との通信を行うための通信インタフェースである。通信部３１は、例えば、ＬＴＥ、３Ｇ、４Ｇまたは５Ｇなどの通信方式によるモバイル通信が可能な通信装置であり、ネットワーク５（図３ではネットワーク５は示していない）を介して、サーバ２等の他の機器（図３には図示していない）と通信を行う。また、通信部３１は、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）などの近距離無線通信手段を備えていてもよい。
【0101】
演算部３２は、ユーザ端末３の全体動作を制御する。演算部３２は、表示態様決定部３２１および表示制御部３２２の各機能を備える。表示制御用アプリケーションがユーザ端末３にインストールされている場合、演算部３２が表示制御用アプリケーションを実行することで、演算部３２により、表示態様決定部３２１および表示制御部３２２の各機能が実現される。また、表示制御用アプリケーションがサーバ２において実行されるものである場合、演算部３２がサーバ２からの指示を受けることで、演算部３２により、表示態様決定部３２１および表示制御部３２２の各機能が実現される。
【0102】
記憶部３３は、ユーザ端末３として機能するコンピュータが備える記憶装置であり、ＨＤＤもしくはＳＳＤ等のストレージ、または、図５のメモリ１０３等を含むものである。記憶部３３は、表示制御用アプリケーションを記憶し、演算部３２の演算処理に用いるデータを記憶する。なお、記憶部３３は、ユーザ端末３がアクセス可能なものであればよく、ユーザ端末３の外部に設けられていてもよい。
【0103】
操作部３４は、ユーザ端末３が備える表示部３５の画面表示に対する操作を受け付ける入力装置である。例えば、ユーザ端末３がスマートフォンまたはタブレット端末である場合、操作部３４は、表示部３５の画面と一体に設けられたタッチパネルである。また、ユーザ端末３がＰＣである場合は、操作部３４は、例えばマウスまたはキーボードである。
【0104】
表示部３５は、ユーザ端末３が備える表示装置である。表示部３５は、例えば、ＬＣＤ（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｄｉｓｐｌａｙ）または有機ＥＬ（Ｅｌｅｃｔｒｏｌｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ）表示装置である。
【0105】
（表示態様決定部）
表示態様決定部３２１は、振込予告通知表示情報を取得する。振込予告通知表示情報は、給与用口座への給与振込に伴う、給与用口座の残高の上限額超過が有ると判定された場合に、給与用口座を管理するサーバ２から送信される、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額（解消可能額）の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報である。
表示態様決定部３２１は、振込予告通知表示情報を取得すると、通知の表示態様を決定する。表示態様は、振込通知予告表示情報に含まれる各種情報（例えば、給与振込額、給与振込後の残高、および、残高のうち上限額を超過している額等）を、どのように表示部３５に表示するかの態様である。表示態様に関する情報は、予め設定され、記憶部３３に記憶されている。表示態様は、ユーザＡの操作によって変更可能であってもよい。
表示態様決定部３２１は、例えば、警告マークの付加の決定、各情報の配置と色等の決定、または、ポップアップ表示またはバナー表示等の画面態様の決定等を行う。表示態様決定部３２１は、通知の表示態様を決定すると、決定した表示態様を表示制御部３２２に出力する。
表示態様決定部３２１は、振込予告通知表示情報を取得する。振込予告通知表示情報は、給与用口座への給与振込に伴う、給与用口座の残高の上限額超過が有ると判定された場合に、給与用口座を管理するサーバ２から送信される、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額（解消可能額）の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報である。
表示態様決定部３２１は、振込予告通知表示情報を取得すると、通知の表示態様を決定する。表示態様は、振込通知予告表示情報に含まれる各種情報（例えば、給与振込額、給与振込後の残高、および、残高のうち上限額を超過している額等）を、どのように表示部３５に表示するかの態様である。表示態様に関する情報は、予め設定され、記憶部３３に記憶されている。表示態様は、ユーザＡの操作によって変更可能であってもよい。
表示態様決定部３２１は、例えば、警告マークの付加の決定、各情報の配置と色等の決定、または、ポップアップ表示またはバナー表示等の画面態様の決定等を行う。表示態様決定部３２１は、通知の表示態様を決定すると、決定した表示態様を表示制御部３２２に出力する。
【0106】
（表示制御部）
表示制御部３２２は、表示態様に基づく表示画面への通知の表示を行う。例えば、表示制御部３２２は、指定代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額（解消可能額）の振込（超過時振込）が実行される旨を通知（振込予告通知）する画面を表示部３５に表示する。ユーザＡは、振込予告通知の内容を確認して、必要に応じて、例えば、給与用口座から代替口座への振込を行う等して、上限額超過の状態を回避することができる。
表示制御部３２２は、表示態様に基づく表示画面への通知の表示を行う。例えば、表示制御部３２２は、指定代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額（解消可能額）の振込（超過時振込）が実行される旨を通知（振込予告通知）する画面を表示部３５に表示する。ユーザＡは、振込予告通知の内容を確認して、必要に応じて、例えば、給与用口座から代替口座への振込を行う等して、上限額超過の状態を回避することができる。
【0107】
図４を参照して、上限額超過の状態において、ユーザＡが、振込予告通知を受け、給与用口座から代替口座への振込を行う場合に、ユーザ端末３の表示部３５に表示される画面３５Ａ、３５Ｂおよび３５Ｃの具体例について説明する。図４は、振込予告通知画面および代替口座への振込操作画面の一例を示す図である。ここでは、給与デジタル払いに利用される給与用口座がプリペイドカード口座である場合を示している。
表示態様決定部３２１が振込予告通知表示情報を取得して表示態様を決定すると、表示制御部３２２は、まず、例えば、図４の左端の画面３５Ａを表示部３５に表示する。画面３５Ａは、振込予告通知画面の一例である。
表示態様決定部３２１が振込予告通知表示情報を取得して表示態様を決定すると、表示制御部３２２は、まず、例えば、図４の左端の画面３５Ａを表示部３５に表示する。画面３５Ａは、振込予告通知画面の一例である。
【0108】
また、画面３５Ａには、給与用口座に給与が振込まれたことによって、カードの残高が１，０１２，３４５円となったことが表示されている。さらに、画面３５Ａには、残高が上限額である１，０００，０００円を１２，３４５円だけ超過していることを示す「給与残高上限＋１２，３４５円」等の文字が表示欄３５１に表示されている。表示欄３５１には、また、画面左端の警告マークとともに、「給与残高上限を超過しています」という文字が表示される。表示欄３５１の視認により、ユーザＡは、このままの状態が継続すると超過時振込が実行されることを認識できる。
さらに、画面３５Ａにおける「給与振込入金」という文字が表示された表示欄３５２には、給与振込額が１，０００，０００円であったことが表示されている。
さらに、画面３５Ａにおける「給与振込入金」という文字が表示された表示欄３５２には、給与振込額が１，０００，０００円であったことが表示されている。
【0109】
給与残高が上限である１，０００，０００円を超過している場合、サーバ２の振込実行部２２３は、上限額超過の状態が生じた当日の例えば夜１０時に解消可能額（ここでは超過分）を指定された代替口座（以下「指定代替口座」という。）に送金（超過時振込）を実行する。指定代替口座に送金する際、振込実行部２２３は、ユーザＡの給与用口座の残高から送金の手数料ｘｘｘ円を差し引くことがある。
一方、振込実行部２２３は、当日中に少なくとも超過分を使用する商取引の決済が済んだ場合、少なくとも超過分の現金の払出しが行われた場合、または、ユーザＡの操作による指定代替口座もしくは他の銀行口座等に対する振込が行われた場合には、指定代替口座に超過時振込としての送金を行わない。
ユーザＡは、サーバ２による、言い換えれば、資金移動業者による超過時振込を回避するため、画面３５Ａを確認した上で、例えば、上限額超過の状態が解消されるように、給与用口座から代替口座への振込を行う。なお、仮に超過時振込には手数料がかかるとしても、ユーザＡ自身で給与用口座から代替口座への振込操作を行う場合は、例えば、上記手数料は不要であるとする。
一方、振込実行部２２３は、当日中に少なくとも超過分を使用する商取引の決済が済んだ場合、少なくとも超過分の現金の払出しが行われた場合、または、ユーザＡの操作による指定代替口座もしくは他の銀行口座等に対する振込が行われた場合には、指定代替口座に超過時振込としての送金を行わない。
ユーザＡは、サーバ２による、言い換えれば、資金移動業者による超過時振込を回避するため、画面３５Ａを確認した上で、例えば、上限額超過の状態が解消されるように、給与用口座から代替口座への振込を行う。なお、仮に超過時振込には手数料がかかるとしても、ユーザＡ自身で給与用口座から代替口座への振込操作を行う場合は、例えば、上記手数料は不要であるとする。
【0110】
例えば、ユーザＡが表示欄３５１をタップ操作すると、ユーザ端末３は、表示部３５に、図４の左から２番目の画面３５Ｂを表示する。画面３５Ｂには、表示欄３５３と表示欄３５４とがともに表示されている。表示欄３５３には、「超過分送金」等の文字が表示され、「超過分送金」の内訳として「出金できる残高（給与残高）」という文字が表示されている。画面３５Ｂにおいて、表示欄３５３には、超過分である１２，３４５円が表示されている。表示欄３５４には、給与残高の上限からの超過分が指定代替口座に送金されることが表示されている。
【0111】
超過分の指定代替口座への送金が完了すると、ユーザ端末３は、図４の左から３番目の画面３５Ｃを表示部３５に表示する。画面３５Ｃは、画面３５Ａの状態から超過分が指定代替口座に送金された後の画面である。画面３５Ｃは、超過分である１２，３４５円が指定代替口座に送金されたことにより、「カードの残高」には１，０００，０００円が表示されている。
【0112】
また、画面３５Ｃには、送金された超過分が１２，３４５円であることを示す「超過分の送金」等の文字が表示欄３５５に表示されている。さらに、画面３５Ｃにおける「給与振込入金」という文字が表示された表示欄３５６には、給与振込額が１，０００，０００円であったことが表示されている。
【0113】
（プログラム）
図５は、サーバ２またはユーザ端末３の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。例えば、サーバ２の機能を実現する演算部２２は、ハードウェア構成として通信インタフェース１００、入出力インタフェース１０１、プロセッサ１０２およびメモリ１０３を有する。演算部２２が備える超過判定部２２１、表示情報生成部２２２、振込実行部２２３、入金管理部２２４、口座設定処理部２２５、決済要求情報取得部２２６、および、決済処理部２２７の各機能は、これらのハードウェア構成によって実現される。
図５は、サーバ２またはユーザ端末３の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。例えば、サーバ２の機能を実現する演算部２２は、ハードウェア構成として通信インタフェース１００、入出力インタフェース１０１、プロセッサ１０２およびメモリ１０３を有する。演算部２２が備える超過判定部２２１、表示情報生成部２２２、振込実行部２２３、入金管理部２２４、口座設定処理部２２５、決済要求情報取得部２２６、および、決済処理部２２７の各機能は、これらのハードウェア構成によって実現される。
【0114】
通信インタフェース１００は、通信部２１によって、ネットワーク５を介して、ユーザ端末３または店舗端末４から受信されたデータをプロセッサ１０２へ出力し、プロセッサ１０２が生成したデータを、ネットワーク５を介してユーザ端末３または店舗端末４へ送信する。プロセッサ１０２は、入出力インタフェース１０１を介して、記憶部２３に対するデータの読み書きを制御する。
【0115】
超過判定部２２１、表示情報生成部２２２、振込実行部２２３、入金管理部２２４、口座設定処理部２２５、決済要求情報取得部２２６、および、決済処理部２２７の各機能を実現するためのアプリケーションプログラム（超過対応アプリケーション）は、メモリ１０３に記憶されている。メモリ１０３は、例えば、サーバ２として機能するコンピュータが備える半導体メモリである。プロセッサ１０２は、入出力インタフェース１０１を介して記憶部２３からメモリ１０３にロードしたプログラムを実行する。これにより、プロセッサ１０２は、超過判定部２２１、表示情報生成部２２２、振込実行部２２３、入金管理部２２４、口座設定処理部２２５、決済要求情報取得部２２６、および、決済処理部２２７の各機能を実現する。
【0116】
また、ユーザ端末３の機能を実現する演算部３２は、ハードウェア構成として、通信インタフェース１００、入出力インタフェース１０１、プロセッサ１０２およびメモリ１０３を有する。演算部３２が備える、表示態様決定部３２１および表示制御部３２２の各機能は、これらのハードウェア構成により実現される。
【0117】
通信インタフェース１００は、通信部３１により、ネットワーク５を介して各機器から受信されたデータをプロセッサ１０２へ出力し、プロセッサ１０２が生成したデータを、ネットワーク５を介して各機器へ送信する。プロセッサ１０２は、入出力インタフェース１０１を介して、操作部３４から操作情報を取得し、表示部３５の表示を制御する。
【0118】
表示制御用アプリケーションがユーザ端末３にインストールされている場合、表示態様決定部３２１および表示制御部３２２の各機能を実現するためのアプリケーションプログラム（表示制御用アプリケーション）は、メモリ１０３に記憶されている。メモリ１０３は、例えば、スマートフォンに搭載された半導体メモリである。
【0119】
表示制御用アプリケーションがユーザ端末３にインストールされている場合、プロセッサ１０２は、入出力インタフェース１０１を介して記憶部３３からメモリ１０３にロードされたプログラムを実行する。これにより、プロセッサ１０２は、表示態様決定部３２１および表示制御部３２２の各機能を実現する。
【0120】
（情報処理方法）
図６は、実施の形態１に係るサーバ２が実行する情報処理方法を示すフローチャートである。
超過判定部２２１が、給与デジタル払いに利用される給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定する（ステップＳＴ１）。給与用口座の残高の上限額超過がないと判定した場合（ステップＳＴ１；ＮＯ）、図６の一連の処理が終了され、再度、ステップＳＴ１からの処理が繰り返される。
図６は、実施の形態１に係るサーバ２が実行する情報処理方法を示すフローチャートである。
超過判定部２２１が、給与デジタル払いに利用される給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定する（ステップＳＴ１）。給与用口座の残高の上限額超過がないと判定した場合（ステップＳＴ１；ＮＯ）、図６の一連の処理が終了され、再度、ステップＳＴ１からの処理が繰り返される。
【0121】
例えば、給与用口座の残高の上限額超過があると判定された場合（ステップＳＴ１；ＹＥＳ）、表示情報生成部２２２が、給与用口座のユーザが給与用口座を管理するためのユーザ端末３に、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額（解消可能額）の振込が実行される旨の通知（振込予告通知）を表示するための表示情報（振込み予告通知表示情報）を生成する（ステップＳＴ２）。
さらに、給与用口座の残高の上限額超過があると判定された場合、振込実行部２２３が、給与振込が行われた後、上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額（解消可能額）の振込処理を実行する（ステップＳＴ３）。
さらに、給与用口座の残高の上限額超過があると判定された場合、振込実行部２２３が、給与振込が行われた後、上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額（解消可能額）の振込処理を実行する（ステップＳＴ３）。
【0122】
なお、サーバ２の機能としては、少なくとも、超過判定部２２１、表示情報生成部２２２、および、振込実行部２２３の機能を備えていればよく、入金管理部２２４、口座設定処理部２２５、決済要求情報取得部２２６、および、決済処理部２２７は、任意に付加される機能である。
【0123】
以上のように、実施の形態１に係るサーバ２は、給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座への給与振込に伴う、給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定する超過判定部２２１と、上限額超過が有ると判定された場合、給与用口座のユーザが給与用口座を管理するためのユーザ端末３に、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を生成する、表示情報生成部２２２と、給与振込が行われた後、上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理を実行する振込実行部２２３と、を備える。
したがって、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１のプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供できる。
また、超過時振込には手数料がかかる場合がある。また、超過時振込が実行されると、給与用口座の残高がユーザの意図しない額になる可能性がある。これらのことを考慮すると、ユーザには、超過時振込が実行される前に、振込予告通知がなされることが望ましい。超過時振込の可能性を認識したユーザは、残高が上限額を超えない状態となるように、自身で給与用口座からの払出し等を行うことで、超過時振込の実行を回避できる。コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１のプログラム（超過対応アプリケーション）は、超過時振込が実行される前の振込予告通知を可能とするものであり、給与デジタル払いのユーザに対し、超過時振込の可能性をユーザにとっての利便性が高い態様で通知することができる。
また、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１のプログラム（超過対応アプリケーション）は、例えば、給与振込による入金によって、実際に上限額超過の状態が生じた場合は、所定のタイミングで速やかに超過時振込を実行する技術を提供できる。
したがって、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１のプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供できる。
また、超過時振込には手数料がかかる場合がある。また、超過時振込が実行されると、給与用口座の残高がユーザの意図しない額になる可能性がある。これらのことを考慮すると、ユーザには、超過時振込が実行される前に、振込予告通知がなされることが望ましい。超過時振込の可能性を認識したユーザは、残高が上限額を超えない状態となるように、自身で給与用口座からの払出し等を行うことで、超過時振込の実行を回避できる。コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１のプログラム（超過対応アプリケーション）は、超過時振込が実行される前の振込予告通知を可能とするものであり、給与デジタル払いのユーザに対し、超過時振込の可能性をユーザにとっての利便性が高い態様で通知することができる。
また、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１のプログラム（超過対応アプリケーション）は、例えば、給与振込による入金によって、実際に上限額超過の状態が生じた場合は、所定のタイミングで速やかに超過時振込を実行する技術を提供できる。
【0124】
実施の形態１に係るサーバ２は、給与用口座への給与振込による入金を許可し、給与用口座への給与振込以外による入金を禁止する入金管理部２２４を備えるものであってもよい。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、必要に応じて（例えば、常時または所定期間に限り）、給与用口座を、給与振込のみを許容する口座とすることができる。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、必要に応じて（例えば、常時または所定期間に限り）、給与用口座を、給与振込のみを許容する口座とすることができる。
【0125】
実施の形態１に係るサーバ２において、入金管理部２２４は、振込実行部による振込処理時点からの一定期間に限り、または、上限額超過の状態となった時点からの一定期間に限り、給与用口座への給与振込による入金を許可し、給与用口座への給与振込以外による入金を禁止するものであってもよい。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、通常は、すべての入金（給与振込による入金および給与振込以外の入金）を許容しつつ、所定の一定期間に限り、給与振込以外の入金を禁止することができる。これにより、実施の形態１に係るプログラムは、振込処理（超過時振込）を実行した後の所定期間に、再度の上限額超過の状態が生じることできる限り回避しながら、一方で、ユーザＡ等の給与受取者または給与支払者にとって不利にならないように、給与振込については許容することができる。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、通常は、すべての入金（給与振込による入金および給与振込以外の入金）を許容しつつ、所定の一定期間に限り、給与振込以外の入金を禁止することができる。これにより、実施の形態１に係るプログラムは、振込処理（超過時振込）を実行した後の所定期間に、再度の上限額超過の状態が生じることできる限り回避しながら、一方で、ユーザＡ等の給与受取者または給与支払者にとって不利にならないように、給与振込については許容することができる。
【0126】
実施の形態１に係るサーバ２において、入金管理部２２４は、前記振込実行部による前記振込処理時点からの一定期間に限り、または、前記上限額超過の状態となった時点からの一定期間に限り、前記給与用口座へのすべての入金を禁止するものであってもよい。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、例えば、通常はすべての入金（給与振込による入金および給与振込以外の入金）を許容している場合であっても、または、通常は給与振込のみを許容している場合であっても、所定の一定期間に限っては、すべての入金を禁止できる。これにより、実施の形態１に係るプログラムは、振込処理（超過時振込）を実行した後の所定期間に、再度の上限額超過の状態が生じることを確実に回避できる。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、例えば、通常はすべての入金（給与振込による入金および給与振込以外の入金）を許容している場合であっても、または、通常は給与振込のみを許容している場合であっても、所定の一定期間に限っては、すべての入金を禁止できる。これにより、実施の形態１に係るプログラムは、振込処理（超過時振込）を実行した後の所定期間に、再度の上限額超過の状態が生じることを確実に回避できる。
【0127】
実施の形態１に係るサーバ２において、入金管理部２２４は、振込実行部による振込処理時点からの一定期間に限り、または、上限額超過の状態となった時点からの一定期間に限り、残高を上限額超過の状態とする給与用口座への給与振込以外による入金を禁止するとともに、残高を上限額超過の状態とする給与用口座への給与振込による入金を禁止するものであってもよい。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、振込処理（超過時振込）を実行した後の所定期間に、上限額超過を生じさせるようなすべての入金を禁止して、再度の上限額超過の状態が生じることを確実に回避しつつ、上限額超過を生じさせない入金を許容することができる。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、振込処理（超過時振込）を実行した後の所定期間に、上限額超過を生じさせるようなすべての入金を禁止して、再度の上限額超過の状態が生じることを確実に回避しつつ、上限額超過を生じさせない入金を許容することができる。
【0128】
実施の形態１に係るサーバ２において、振込実行部２２３は、振込処理後の一定期間に限り、給与用口座への入金があった場合には、当該入金を契機として振込処理を開始するものであってもよい。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、振込処理（超過時振込）を実行した後の所定期間に、再度の上限額超過の状態が生じた場合には、速やかに超過時振込を実行することができる。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、振込処理（超過時振込）を実行した後の所定期間に、再度の上限額超過の状態が生じた場合には、速やかに超過時振込を実行することができる。
【0129】
実施の形態１に係るサーバ２は、給与用口座を既存のプリペイドカードと紐づけて設定することを要求する紐づけ設定要求を取得し、既存のプリペイドカード口座と給与用口座と紐づけて記憶部に記憶させる口座設定処理部２２５を備えるものであってもよい。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、既存のプリペイドカード口座と給与用口座とを紐づけることができる。これによって、サーバ２は、既存のプリペイドカード口座と給与用口座とを紐づけて管理でき、ユーザＡは、例えばユーザ端末３を使用して、例えば１つの管理画面で、両口座を併せて管理することができる。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、既存のプリペイドカード口座と給与用口座とを紐づけることができる。これによって、サーバ２は、既存のプリペイドカード口座と給与用口座とを紐づけて管理でき、ユーザＡは、例えばユーザ端末３を使用して、例えば１つの管理画面で、両口座を併せて管理することができる。
【0130】
実施の形態１に係るサーバ２の口座設定処理部２２５は、給与用口座の開設要求を取得すると、給与用口座を開設するとともに、給与用口座と紐づけられた給与用口座カードを発行するものであってもよい。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、既存のプリペイドカードと紐づけられる給与用口座を開設し、また、給与用口座と紐づけられた給与用口座カードを発行することができる。これによって、ユーザＡは、既存のプリペイドカードまたは給与用口座カードを決済手段として用いることができ、また、両カードと両口座が紐づけられているため、いずれの決済手段を用いた場合も、後述のように、例えば、商取引の決済時に、両口座のいずれかから優先して決済させる等、柔軟に両口座を利用できる。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、既存のプリペイドカードと紐づけられる給与用口座を開設し、また、給与用口座と紐づけられた給与用口座カードを発行することができる。これによって、ユーザＡは、既存のプリペイドカードまたは給与用口座カードを決済手段として用いることができ、また、両カードと両口座が紐づけられているため、いずれの決済手段を用いた場合も、後述のように、例えば、商取引の決済時に、両口座のいずれかから優先して決済させる等、柔軟に両口座を利用できる。
【0131】
実施の形態１に係るサーバ２において、振込実行部２２３は、予め設定された時刻において給与用口座の残高が上限額超過の状態にあるとの振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額（解消可能額）の振込を実行するものであってもよい。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、予め設定された時刻において上限額超過の状態が生じていれば、超過時振込を実行できる。このため、実施の形態１に係るプログラムは、例えば、給与用口座への入金によって上限額超過の状態が生じると、その時点から所定期間（２４時間等）以内に超過時振込が実行されることが要請されるような場合に、対応できる。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、予め設定された時刻において上限額超過の状態が生じていれば、超過時振込を実行できる。このため、実施の形態１に係るプログラムは、例えば、給与用口座への入金によって上限額超過の状態が生じると、その時点から所定期間（２４時間等）以内に超過時振込が実行されることが要請されるような場合に、対応できる。
【0132】
実施の形態１に係るサーバ２において、振込実行部２２３は、１日の予め設定された１時刻において給与用口座の残高が上限額超過の状態にあるとの振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込を実行するものであってもよい。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、１日１回は、上限額超過の状態が生じているか否かを確認し、上限額超過の状態が生じていれば、超過時振込を実行できる。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、１日１回は、上限額超過の状態が生じているか否かを確認し、上限額超過の状態が生じていれば、超過時振込を実行できる。
【0133】
実施の形態１に係るサーバ２において、振込実行部２２３は、給与振込が行われてから予め設定された時間、上限額超過の状態が継続しているとの振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込を実行するものであってもよい。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、例えば、給与用口座への入金によって上限額超過の状態が生じると、その時点から所定期間（２４時間等）以内に超過時振込が実行されることが要請されるような場合に、予め設定された時間が要請に基づく時間未満の時間であれば、上限額超過の状態が最も長く継続したとしても、必ず予め設定された時間未満となるため、要請を遵守することができる。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、例えば、給与用口座への入金によって上限額超過の状態が生じると、その時点から所定期間（２４時間等）以内に超過時振込が実行されることが要請されるような場合に、予め設定された時間が要請に基づく時間未満の時間であれば、上限額超過の状態が最も長く継続したとしても、必ず予め設定された時間未満となるため、要請を遵守することができる。
【0134】
実施の形態１に係るサーバ２は、店舗端末４から決済を要求する決済要求情報を取得する決済要求情報取得部２２６と、決済要求情報が示す決済金額に対して、既存のプリペイドカード口座または給与用口座のいずれかから優先して決済処理を行う、決済処理部２２７と、を備える。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、既存のプリペイドカード口座と給与用口座とが紐づけられている場合に、既存のプリペイドカード口座または給与用口座のいずれかから優先して決済処理を行うことができる。このことにより、ユーザＡは、商取引の決済時に柔軟に両口座を利用できる。
この場合、コンピュータをサーバ２として機能させる実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、既存のプリペイドカード口座と給与用口座とが紐づけられている場合に、既存のプリペイドカード口座または給与用口座のいずれかから優先して決済処理を行うことができる。このことにより、ユーザＡは、商取引の決済時に柔軟に両口座を利用できる。
【0135】
実施の形態１に係るユーザ端末３は、給与用口座への給与振込に伴う、給与用口座の残高の上限額超過が有ると判定された場合に、給与用口座を管理するサーバ２から送信される、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を取得すると、通知の表示態様を決定する、表示態様決定部３２１と、表示態様に基づく表示画面への前記通知の表示を行う表示制御部３２２と、を備える。
したがって、コンピュータをユーザ端末３として機能させる実施の形態１のプログラム（表示制御用アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、サーバ２と協働して、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供するとともに、給与デジタル払いのユーザに対し、超過時振込の可能性をユーザにとっての利便性の高い態様で通知するための技術を提供できる。
したがって、コンピュータをユーザ端末３として機能させる実施の形態１のプログラム（表示制御用アプリケーション）は、当該コンピュータによって実行されることで、サーバ２と協働して、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供するとともに、給与デジタル払いのユーザに対し、超過時振込の可能性をユーザにとっての利便性の高い態様で通知するための技術を提供できる。
【0136】
実施の形態１に係るプログラム（超過対応アプリケーション）を実行するサーバ２は、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供できる。
【0137】
実施の形態１に係るプログラム（表示制御用アプリケーション）を実行するユーザ端末３は、サーバ２と協働して、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供するとともに、給与デジタル払いのユーザに対し、超過時振込の可能性をユーザにとっての利便性の高い態様で通知するための技術を提供できる。
【0138】
実施の形態１に係る情報処理システム１は、上述のようなサーバ２と、ユーザ端末３と、を備える。この情報処理システム１は、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供するとともに、給与デジタル払いのユーザに対し、超過時振込の可能性をユーザにとっての利便性の高い態様で通知するための技術を提供できる。
【0139】
実施の形態１に係る情報処理方法は、超過判定部２２１が、給与デジタル払いに利用される口座である給与用口座への給与振込に伴う、給与用口座の残高の上限額超過の有無を判定するステップＳＴ１と、表示情報生成部２２２が、上限額超過が有ると判定された場合、給与用口座のユーザが給与用口座を管理するためのユーザ端末３に、予め設定された代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込が実行される旨の通知を表示するための表示情報を生成するステップＳＴ２と、振込実行部２２３が、給与振込が行われた後、上限額超過の状態が振込条件を満たす場合、代替口座への上限額超過の状態を解消可能な金額の振込処理を実行するステップＳＴ３と、を備える。
これにより、実施の形態１に係る情報処理方法は、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供できる。
これにより、実施の形態１に係る情報処理方法は、給与デジタル払いに利用される給与用口座に関し、当該給与用口座に設定される上限額の超過に対応し、かつ、給与振込に支障を来さないための技術を提供できる。
【符号の説明】
【0140】
１ 情報処理システム、２ サーバ、３ ユーザ端末、４ 店舗端末、５ ネットワーク、２１，３１ 通信部、２２，３２ 演算部、２３，３３ 記憶部、３４ 操作部、３５ 表示部、３５Ａ，３５Ｂ，３５Ｃ 画面、１００ 通信インタフェース、１０１ 入出力インタフェース、１０２ プロセッサ、１０３ メモリ、２２１ 超過判定部、２２２ 表示情報生成部、２２３ 振込実行部、２２４ 入金管理部、２２５ 口座設定処理部、２２６ 決済要求情報取得部、２２７ 決済処理部、３２１ 表示態様決定部、３２２ 表示制御部、３５１，３５２，３５３，３５４，３５５，３５６ 表示欄。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】