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特開2024-153162化粧料容器及びカートリッジ式化粧料容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153162
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】化粧料容器及びカートリッジ式化粧料容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/20 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
A45D40/20 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066882
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】久我 渉
(57)【要約】
【課題】意図しない部品の脱落を抑制すると共に、キャップ及びカートリッジを容易に外すことができる化粧料容器及びカートリッジ式化粧料容器を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る化粧料容器は、化粧料Mを保持するカートリッジ20の後側を収容する容器本体2を備え、カートリッジ20の前方からカートリッジ20を覆うキャップ30が容器本体2に装着される化粧料容器1である。容器本体2は、カートリッジ20の後側の部分が挿入される本体筒3と、キャップ30を容器本体2に係止するキャップ係止部4と、キャップ係止部4を保持する保持部材5と、を備える。保持部材5は、カートリッジ20に係止する第1カートリッジ係止部5Bを有する。本体筒3は、本体筒3に挿入されたカートリッジ20に係止する第2カートリッジ係止部3Aと、保持部材5に係止する保持部材係止部3Bと、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料を保持するカートリッジの後側を収容する容器本体を備え、前記カートリッジの前方から前記カートリッジを覆うキャップが前記容器本体に装着される化粧料容器であって、
前記容器本体は、
前記カートリッジの後側の部分が挿入される本体筒と、
前記キャップを前記容器本体に係止するキャップ係止部と、
前記キャップ係止部を保持する保持部材と、
を備え、
前記保持部材は、前記カートリッジに係止する第1カートリッジ係止部を有し、
前記本体筒は、
前記本体筒に挿入された前記カートリッジに係止する第2カートリッジ係止部と、
前記保持部材に係止する保持部材係止部と、
を有する、
化粧料容器。
【請求項2】
前記キャップ係止部は、磁性体を含んでおり、
前記キャップは、磁力で前記キャップ係止部に吸着されることによって前記容器本体に装着される、
請求項1に記載の化粧料容器。
【請求項3】
前記カートリッジは、前記化粧料を保持する先筒を有し、
前記先筒は、前記先筒の径方向外側に突出する突部を有し、
前記保持部材の前記第1カートリッジ係止部は、前記突部に当接することによって前記カートリッジに係止する、
請求項1又は2に記載の化粧料容器。
【請求項4】
前記保持部材は、
前記カートリッジが挿入されると共に前記本体筒に挿入される筒状の挿入部と、
前記挿入部から前記挿入部の径方向外側に突出し前記本体筒との間で前記キャップ係止部を挟み込む突出部と、
を有する、
請求項1又は2に記載の化粧料容器。
【請求項5】
前記保持部材は、前記保持部材の後端から前方に窪む第1凹部、及び、前記保持部材の後端から後方に突出する第1凸部のいずれかを有し、
前記本体筒の前記保持部材係止部は、前記第1凹部に前記本体筒の軸線方向に沿って挿入されて前記第1凹部に係止する第2凸部、及び、前記第1凸部が前記本体筒の軸線方向に沿って挿入されて前記第1凸部が係止する第2凹部のいずれかを有する、
請求項1又は2に記載の化粧料容器。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の化粧料容器と、
前記本体筒に挿入されて前記本体筒の前記第2カートリッジ係止部を介して前記本体筒に係止すると共に、前記保持部材の前記第1カートリッジ係止部を介して前記保持部材に係止するカートリッジと、
前記カートリッジを覆った状態で前記キャップ係止部を介して前記容器本体に係止するキャップと、
を備える、
カートリッジ式化粧料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化粧料容器及びカートリッジ式化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内部にインキを貯蔵したインキカートリッジを収容する軸筒である後軸と、後軸に螺合すると共に後軸とは反対側に開口が形成された前軸と、前軸の開口から突出するペン先と、ペン先を覆った状態で後軸に装着されるキャップとを備えたキャップ嵌合構造が記載されている。
【0003】
このキャップ嵌合構造では、後軸は径方向外側に突出する外鍔を有し、外鍔にはリングが固定されている。リングは、外鍔から前軸に向かって延びている。リングの内部にはバネと磁性体が配置されており、磁性体はバネによって前軸側に付勢されている。キャップは、その開口側の端部に磁性体を有し、キャップの磁性体が後軸の磁性体に吸着することによって後軸に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-131994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したキャップ嵌合構造では、キャップを外すときに、磁性体又はバネ等、他の部品も外れて当該他の部品が意図せず脱落するということが生じうる。キャップの内部に着脱可能なカートリッジが位置する化粧料容器においても同様のことが生じうる。一方、キャップと共に他の部品が外れないように部品の係止構造を強固にすることが考えられる。しかしながら、化粧料容器において部品の係止構造を強固にする場合、キャップ又はカートリッジが外れにくくなるということが生じうる。
【0006】
本開示は、意図しない部品の脱落を抑制すると共に、キャップ及びカートリッジを容易に外すことができる化粧料容器及びカートリッジ式化粧料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る化粧料容器は、(1)化粧料を保持するカートリッジの後側を収容する容器本体を備え、カートリッジの前方からカートリッジを覆うキャップが容器本体に装着される化粧料容器である。容器本体は、カートリッジの後側の部分が挿入される本体筒と、キャップを容器本体に係止するキャップ係止部と、キャップ係止部を保持する保持部材と、を備える。保持部材は、カートリッジに係止する第1カートリッジ係止部を有する。本体筒は、本体筒に挿入されたカートリッジに係止する第2カートリッジ係止部と、保持部材に係止する保持部材係止部と、を有する。
【0008】
この化粧料容器は容器本体を備え、容器本体には化粧料を保持するカートリッジの後側の部分が収容される。容器本体には、カートリッジを覆うキャップが装着される。容器本体は本体筒とキャップ係止部と保持部材とを有し、本体筒にカートリッジの後側の部分が挿入される。キャップ係止部は、キャップを容器本体に係止する部位である。キャップ係止部は、保持部材によって保持される。保持部材は第1カートリッジ係止部を有し、本体筒は第2カートリッジ係止部と保持部材係止部を有する。カートリッジは、第1カートリッジ係止部を介して保持部材に係止されると共に、第2カートリッジ係止部を介して本体筒に係止される。キャップは、キャップ係止部を介して容器本体に係止される。このように、キャップ及びカートリッジは別々の係止部を介して容器本体に係止するので、容器本体に対してキャップ及びカートリッジのそれぞれを容易に外すことができる。また、保持部材は、保持部材係止部を介して本体筒に係止されている。よって、キャップ又はカートリッジを外すときに保持部材等を外れないようにできるので、意図しない他の部品の脱落を抑制できる。特に、キャップ係止部を保持する保持部材は、保持部材係止部を介して本体筒に係止されると共に、第1カートリッジ係止部を介して係止するカートリッジが第2カートリッジ係止部を介して本体筒に係止されるので、キャップ係止部の脱落を抑制できる。
【0009】
(2)上記(1)において、キャップ係止部は、磁性体を含んでいてもよく、キャップは、磁力でキャップ係止部に吸着されることによって容器本体に装着されてもよい。この場合、容器本体に対するキャップの着脱を一層容易に行うことができる。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)において、カートリッジは、化粧料を保持する先筒を有してもよく、先筒は、先筒の径方向外側に突出する突部を有してもよい。保持部材の第1カートリッジ係止部は、突部に当接することによってカートリッジに係止してもよい。この場合、保持部材に対するカートリッジの先筒の係止を容易に解除できる。従って、容器本体からのカートリッジの取り外しを一層容易に行うことができる。また、第1カートリッジ係止部の突部への当接によって保持部材がカートリッジを確実に係止するので、保持部材、及び保持部材が保持するキャップ係止部がカートリッジに対して前方へ離脱することが防止される。
【0011】
(4)上記(1)~(3)のいずれかにおいて、保持部材は、カートリッジが挿入されると共に本体筒に挿入される筒状の挿入部と、挿入部から挿入部の径方向外側に突出し本体筒との間でキャップ係止部を挟み込む突出部と、を有してもよい。この場合、保持部材の挿入部から突出する突出部と本体筒との間にキャップ係止部が保持される。従って、キャップ係止部の組み付けを容易に行うことができると共に、キャップ係止部を安定して保持できる。
【0012】
(5)上記(1)~(4)のいずれかにおいて、保持部材は、保持部材の後端から前方に窪む第1凹部、及び、保持部材の後端から後方に突出する第1凸部のいずれかを有してもよい。本体筒の保持部材係止部は、第1凹部に本体筒の軸線方向に沿って挿入されて第1凹部に係止する第2凸部、及び、第1凸部が本体筒の軸線方向に沿って挿入されて第1凸部が係止する第2凹部のいずれかを有してもよい。この場合、第1凹部への第2凸部の軸線方向に沿った挿入、及び、第2凹部への第1凸部の軸線方向に沿った挿入、のいずれかによって本体筒の保持部材係止部が保持部材に係止する。よって、軸線方向に沿って保持部材に本体筒が係止するので、保持部材及び本体筒の径方向への肥大化を抑制できる。その結果、容器本体の外径の肥大化を抑制して容器本体をコンパクトにすることができる。
【0013】
本開示に係るカートリッジ式化粧料容器は、(6)上記(1)~(5)のいずれか一項に記載の化粧料容器と、本体筒に挿入されて本体筒の第2カートリッジ係止部を介して本体筒に係止すると共に、保持部材の第1カートリッジ係止部を介して保持部材に係止するカートリッジと、カートリッジを覆った状態でキャップ係止部を介して容器本体に係止するキャップと、を備える。このカートリッジ式化粧料容器は、前述した本体筒、キャップ係止部及び保持部材を備えるため、前述した化粧料容器と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、意図しない部品の脱落を抑制すると共に、キャップ及びカートリッジを容易に外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)は、実施形態に係るカートリッジ式化粧料容器を示す側面図である。(b)は、図1(a)のA-A線断面図である。
図2図1(b)のカートリッジ式化粧料容器のキャップ、カートリッジ、保持部材、キャップ係止部、及び本体筒を拡大した断面図である。
図3】(a)は、図2のカートリッジを示す側面図である。(b)は、図3(a)のB-B線断面図である。
図4】(a)は、図2の保持部材を示す側面図である。(b)は、図4(a)のC-C線断面図である。
図5】(a)は、図4(a)とは異なる方向から見た保持部材を示す側面図である。(b)は、図5(a)のD-D線断面図である。
図6】(a)は、図2の本体筒を示す側面図である。(b)は、図6(a)のE-E線断面図である。
図7】(a)は、図6(a)とは異なる方向から見た本体筒を示す側面図である。(b)は、図7(a)のF-F線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る化粧料容器及びカートリッジ式化粧料容器の実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0017】
本開示において、「化粧料」は、例えば、アイライナー、アイブロウ、アイシャドウ、リップスティック、リップライナー、リップグロス、コンシーラー、ダイヤルペン又は美容スティックである。「化粧料」は、柔軟性材料(例えば、半固形状、軟固形状、ゼリー状、ムース状又は練り物等)を含む棒状物であってもよい。実施形態において、化粧料容器は容器本体を備え、容器本体はカートリッジの後側を収容する。「カートリッジ」は、交換可能な部品を示している。実施形態において、「カートリッジ」は、容器本体に対して着脱可能とされている。
【0018】
図1(a)は、実施形態に係るカートリッジ式化粧料容器10を示す側面図である。図1(b)は、図1(a)のA-A線断面図である。例えば、カートリッジ式化粧料容器10は、丸棒状を呈する。カートリッジ式化粧料容器10は、化粧料容器1と、化粧料Mを保持するカートリッジ20と、有底筒状を呈するキャップ30とを備える。キャップ30は、カートリッジ20に対向する底部31を有する。キャップ30は、例えば、磁性体によって構成されている。一例として、キャップ30は、SUS(Steel Use Stainless)によって構成されている。
【0019】
化粧料容器1では、キャップ30を含め、一部の部品が筒状とされており、例えば、部品が組み立てられた状態において筒状の各部品の軸線Lが延びる方向が一致する。以下では、この軸線Lが延びる方向を軸線方向Dとする。例えば、軸線方向Dは、化粧料容器1の長手方向と一致する。
【0020】
本開示の説明では、化粧料容器1から見てキャップ30の底部31が設けられる方向を前、前側又は前方と称し、キャップ30の底部31から見て化粧料容器1が設けられる方向を後、後側又は後方と称することがある。しかしながら、これらの方向は説明の便宜のためのものであり、部品の配置位置又は方向等を限定するものではない。
【0021】
化粧料容器1は、カートリッジ20の後側を収容する容器本体2を備える。化粧料容器1では、カートリッジ20の前方からカートリッジ20を覆うキャップ30が容器本体2に装着される。容器本体2は、カートリッジ20の後側の部分が挿入される本体筒3と、キャップ30を容器本体2に係止するキャップ係止部4と、キャップ係止部4を保持する保持部材5とを備える。本体筒3は、本体筒3に挿入されたカートリッジ20に係止する第2カートリッジ係止部3Aを有する。第2カートリッジ係止部3Aについては後に詳述する。本開示において、「係止」とは、複数の部品又は部分が互いに係わって止まることを示している。「係止」は、例えば、接触、接合、係合、嵌合、当接、吸着、保持、支持、及び固定を含む。
【0022】
例えば、容器本体2は、本体筒3を収容する外筒6を有する。一例として、外筒6は、金属によって構成されている。例えば、カートリッジ式化粧料容器10は、外筒6から見てキャップ30とは反対に位置する第2キャップ30Aと、第2キャップ30Aに覆われる第2カートリッジ20Aと、第2キャップ30Aを容器本体2に係止する第2キャップ係止部4Aと、第2キャップ係止部4Aを保持する第2保持部材5Aとを有する。
【0023】
例えば、第2キャップ30A、第2キャップ係止部4A及び第2保持部材5Aのそれぞれは、キャップ30、キャップ係止部4及び保持部材5のそれぞれと同一の構成を有する。例えば、第2カートリッジ20Aは、カートリッジ20とは異なる構成を有する。第2カートリッジ20Aは、例えば、カートリッジ式化粧料容器10の使用者が塗布に用いる塗布具20bと、塗布具20bが挿入されており挿入された塗布具20bを保持する筒体20cとを有する。一例として、塗布具20bはスクリューブラシであり、筒体20cはブラシホルダである。
【0024】
第2カートリッジ20Aの一部は本体筒3に挿入される。例えば、本体筒3は、軸線方向Dに沿って並ぶ一対の第2カートリッジ係止部3Aを有する。一対の第2カートリッジ係止部3Aのうちの一方にはカートリッジ20が係止し、一対の第2カートリッジ係止部3Aのうちの他方には第2カートリッジ20Aが係止する。
【0025】
以上、カートリッジ式化粧料容器10が第2キャップ係止部4A、第2保持部材5A、第2カートリッジ20A及び第2キャップ30Aを有する例について説明した。この場合、カートリッジ式化粧料容器10の軸線方向Dの一方側に位置するカートリッジ20の化粧料Mを使用できると共に、カートリッジ式化粧料容器10の軸線方向Dの他方側に位置する第2カートリッジ20Aの塗布具20bを使用できる。
【0026】
しかしながら、本開示に係るカートリッジ式化粧料容器は、第2キャップ係止部4A、第2保持部材5A、第2カートリッジ20A及び第2キャップ30Aを有しないカートリッジ式化粧料容器であってもよい。すなわち、外筒6のキャップ30とは反対側が閉じられていて、第2キャップ係止部4A、第2保持部材5A、第2カートリッジ20A及び第2キャップ30Aを有しないカートリッジ式化粧料容器であってもよい。
【0027】
図2は、図1に示される化粧料容器1の容器本体2、カートリッジ20及びキャップ30を拡大した断面図である。図2に示されるように、カートリッジ20は、化粧料Mを保持する先筒21と、先筒21の内部空間21bの後側に位置する螺子筒22と、螺子筒22の内部空間22gに配置された移動体23とを有する。
【0028】
図3(a)は、カートリッジ20を示す側面図である。図3(b)は、図3(a)のB-B線断面図である。図2図3(a)及び図3(b)に示されるように、例えば、先筒21は、化粧料Mが露出する開口21cから後方に向かって延びる傾斜面21dと、傾斜面21dの後端から後方に向かって延びる筒状部21fとを有する。
【0029】
筒状部21fは、保持部材5の内部空間5b、及び本体筒3の内部空間3bに挿入される挿入部とされている。筒状部21fは、本体筒3の第2カートリッジ係止部3Aに係合する係合部21gを有する。係合部21gは、例えば、環状凹部21hと、環状凹部21hの後方に位置する環状凸部21kとを含む。先筒21は、係合部21gが第2カートリッジ係止部3Aに係合することによって、本体筒3に対して軸線方向Dに係合する。
【0030】
螺子筒22は、先筒21の内部空間21bに挿入される第1筒状部22bと、第1筒状部22bの後端において径方向外側に突出する鍔部22cと、鍔部22cから後方に延びる第2筒状部22dとを有する。螺子筒22は、第2筒状部22dから径方向外側に突出すると共に軸線方向Dに沿って延びる突条22fを有する。
【0031】
例えば、螺子筒22は複数の突条22fを有し、複数の突条22fが回転方向に沿って並んでいる。「回転方向」とは、カートリッジ式化粧料容器10の各部品が軸線Lを中心として回転する方向を示している。「回転方向」は、周方向とも称される。例えば、螺子筒22の突条22fは本体筒3に回転方向に係合する。これにより、螺子筒22は、本体筒3及び外筒6と同期回転可能に係合する。また、螺子筒22は、先筒21に対して相対回転可能とされている。
【0032】
移動体23は、螺子筒22の内部空間22gに形成された螺子突起22hに螺合する雄螺子部23bと、雄螺子部23bの前端において化粧料Mを前方に押し出す押出部23cとを有する。押出部23cは、雄螺子部23bの前端において拡径されている。押出部23cは、先筒21の内部空間21bにおいて先筒21と回転方向に係合している。よって、移動体23は、先筒21と同期回転可能に係合する。
【0033】
従って、図2に示される状態において、キャップ係止部4からキャップ30を外し、外筒6に対して先筒21を一方向に相対回転させると、外筒6、本体筒3及び螺子筒22に対して先筒21及び移動体23が一方向に相対回転することにより、雄螺子部23bと螺子突起22hとの螺合作用が働いて螺子筒22に対して移動体23が前方に移動する。これにより、押出部23cが化粧料Mを前方に押し出して開口21cから化粧料Mが突出して化粧料Mが塗布される。
【0034】
一方、外筒6に対して先筒21を上記一方向とは反対方向に相対回転させると、外筒6、本体筒3及び螺子筒22に対して先筒21及び移動体23が当該反対方向に相対回転することにより、雄螺子部23bと螺子突起22hとの螺合作用が働いて螺子筒22に対して移動体23が後方に移動する。これにより、開口21cから先筒21の内部に化粧料Mを没入させることが可能となる。
【0035】
先筒21は、先筒21の径方向外側に突出する突部21pを有する。例えば、突部21pは、傾斜面21dと筒状部21fとの間、すなわち、傾斜面21dの後端に形成されている。保持部材5は、カートリッジ20に係止する第1カートリッジ係止部5Bを有する。第1カートリッジ係止部5Bは、例えば、保持部材5における本体筒3とは反対側の端部に形成されている。一例として、第1カートリッジ係止部5Bは、保持部材5の前端面である。例えば、第1カートリッジ係止部5Bは、突部21pに当接することによってカートリッジ20に係止する。
【0036】
図4(a)は、保持部材5を示す側面図である。図4(b)は、図4(a)のC-C線断面図である。図5(a)は、図4(a)とは異なる方向から見た保持部材5を示す側面図である。図5(b)は、図5(a)のD-D線断面図である。例えば、保持部材5は筒状を呈する。
【0037】
保持部材5は、例えば、カートリッジ20が挿入されると共に本体筒3に挿入される挿入部5cと、挿入部5cから挿入部5cの径方向外側に突出する突出部5dと、突出部5dから挿入部5cとは反対側に延びる延在部5fとを有する。挿入部5cは、筒状を呈する。突出部5dは、挿入部5cと延在部5fとの間において挿入部5c及び延在部5fに対して拡径している。例えば、突出部5dは、本体筒3と共にキャップ係止部4を挟み込む(図2参照)。延在部5fは、筒状を呈する。延在部5fの前端に第1カートリッジ係止部5Bが設けられる。
【0038】
例えば、挿入部5cは、保持部材5の後端5gから前方に窪む第1凹部5hを有する。挿入部5cは、保持部材5の径方向に沿って並ぶ一対の第1凹部5hを有する。第1凹部5hは、後端5gから保持部材5の周方向及び軸線方向Dの双方に対して傾斜して延在すると共に当該周方向に沿って並ぶ一対の傾斜部5jと、本体筒3が嵌合する嵌合部5kとを有する。
【0039】
一対の傾斜部5jは、後端5gから離隔するに従って互いに接近している。嵌合部5kは、一対の傾斜部5jから見て後端5gとは反対側に形成されている。一対の傾斜部5jと嵌合部5kとの間には、保持部材5の周方向に沿って互いに対向する一対の突部5pが形成されている。嵌合部5kは、一対の突部5pから後端5gの反対側に延在している。嵌合部5kは、一対の突部5pから前方に円弧状に延びる凹状を呈する。
【0040】
図6(a)は、本体筒3を示す側面図である。図6(b)は、図6(a)のE-E線断面図である。図7(a)は、図6(a)とは異なる方向から見た本体筒3を示す側面図である。図7(b)は、図7(a)のF-F線断面図である。例えば、本体筒3は、本体筒3の軸線方向Dの中央を通ると共に軸線方向Dに直交する基準面Sに対して略対称な形状とされている。
【0041】
例えば、本体筒3は、軸線方向Dに沿って延びる筒状部3dと、筒状部3dの前端に位置する鍔部3fと、筒状部3dから突出すると共に鍔部3fから本体筒3の後端3gにまで延在する凸部3hとを有する。本体筒3は、例えば、凸部3hが外筒6に回転方向に係合することによって、外筒6と同期回転可能に係合する。鍔部3fは、例えば、保持部材5の突出部5dと共にキャップ係止部4を挟み込む(図2参照)。例えば、本体筒3は、その前端に形成された鍔部3f以外は、基準面Sに対して対称な形状とされている。
【0042】
例えば、本体筒3は、筒状部3dを本体筒3の径方向に貫通すると共に本体筒3の径方向及び軸線方向Dに沿って並ぶ複数の穴部3jと、軸線方向Dに沿って並ぶ一対の穴部3jの間に位置する凹部3kとを有する。凹部3kは、軸線方向Dに沿って並ぶ一対の筒状部3dの間において筒状部3dより縮径された部位である。
【0043】
例えば、本体筒3は、凹部3kを本体筒3の径方向に貫通するスリット3qと、凹部3kの内面から本体筒3の径方向内側に突出する凸部3rとを有する。スリット3qは、軸線方向Dに沿って延びる第1スリット部3q1と、第1スリット部3q1の両端のそれぞれから本体筒3の周方向に延びると共に軸線方向Dに沿って並ぶ一対の第2スリット部3q2とによって構成されている。
【0044】
凸部3rは、第1スリット部3q1及び一対の第2スリット部3q2に囲まれた領域に形成されている。従って、凸部3rは、本体筒3の径方向に弾性変形可能とされている。凸部3rには、カートリッジ20の螺子筒22の突条22fが回転方向に係合する(図2参照)。
【0045】
例えば、本体筒3は、本体筒3の軸線方向Dの一端から軸線方向Dの他端まで延在する内面3sを有する。本体筒3は、穴部3jから見て本体筒3の軸線方向Dの端部側において内面3sから突出する凸部3tを有する。例えば、前述した第2カートリッジ係止部3Aは、凸部3t及び穴部3jによって構成されている。
【0046】
例えば、凸部3t及び穴部3jは軸線方向Dに沿って並んでいる。第2カートリッジ係止部3Aにおいて、穴部3jにカートリッジ20の先筒21の環状凸部21kが嵌合すると共に、凸部3tがカートリッジ20の先筒21の環状凹部21hに嵌合することにより、カートリッジ20が係止する(図2参照)。
【0047】
本体筒3は、保持部材5に係止する保持部材係止部3Bを有する。例えば、保持部材係止部3Bは、内面3sの軸線方向Dの端部と第2カートリッジ係止部3Aとの間に形成されている。例えば、本体筒3の内面3sは、第2カートリッジ係止部3Aが形成された第1内面3s1と、第1内面3s1から本体筒3の軸線方向Dの端部側に延びる第2内面3s2と、本体筒3の軸線方向Dの端部から第2内面3s2まで延びる第3内面3s3とを含む。
【0048】
例えば、第1内面3s1と第2内面3s2との間には、本体筒3の径方向外側に窪む環状凹部3vが形成されている。例えば、第1内面3s1における本体筒3の内径は第2内面3s2における本体筒3の内径と同一であり、第2内面3s2における本体筒3の内径は第3内面3s3における本体筒3の内径よりも小さい。この場合、第2内面3s2は、第3内面3s3よりも本体筒3の径方向内側に突出している。
【0049】
例えば、保持部材係止部3Bは、第2内面3s2において環状凹部3vから本体筒3の軸線方向Dの端部側に突出する第2凸部3wを有する。一例として、第2凸部3wは、環状凹部3vから本体筒3の周方向への幅が狭くなるように台形状を呈する第1突出部3w1と、第1突出部3w1の環状凹部3vとは反対側の端部から軸線方向Dに沿って突出する第2突出部3w2と、第2突出部3w2の第1突出部3w1とは反対側の端部に位置する嵌合部3xとを含む。
【0050】
第2凸部3wは、前述した保持部材5の第1凹部5h(図4(b)参照)に軸線方向Dに沿って挿入されて第1凹部5hに係止する。例えば、図2等に示される保持部材係止部3Bでは、保持部材5の第1凹部5hに本体筒3の第2凸部3wが軸線方向Dに沿って挿入され、嵌合部5kに嵌合部3xが嵌合することによって、本体筒3に保持部材5が係止されている。
【0051】
図2に示されるように、本体筒3の鍔部3fと保持部材5の突出部5dとの間にはキャップ係止部4が挟み込まれている。例えば、キャップ係止部4は、鍔部3fと突出部5dとの間に挟み込まれているのみで本体筒3及び保持部材5に固定されていない。この場合、部品のリサイクル等のために化粧料容器1を分解するときに、キャップ係止部4を本体筒3及び保持部材5から容易に分解できる。しかしながら、キャップ係止部4は、本体筒3及び保持部材5の少なくともいずれかに固定されていてもよい。例えば、キャップ係止部4は、保持部材5を囲む環状を呈する。一例として、キャップ係止部4は磁石によって構成されている。この場合、磁性体によって構成されているキャップ30をキャップ係止部4に係止(吸着固定)させることができる。
【0052】
以上のように構成されるカートリッジ式化粧料容器10では、化粧料容器1に対してカートリッジ20を交換することが可能である。本実施形態に係るカートリッジ式化粧料容器10では、例えば第2カートリッジ20Aのようなカートリッジ20とは異なる種類のカートリッジを装着することが可能である。以下では、カートリッジ20の交換の手順の例について説明する。
【0053】
例えばカートリッジ式化粧料容器10の使用を継続して化粧料Mを使い切ったときに、化粧料容器1からカートリッジ20が外される。具体的には、キャップ係止部4からキャップ30を外し、保持部材5に対してカートリッジ20を前方に引っ張る。このとき、保持部材5の第1カートリッジ係止部5Bに対するカートリッジ20の係止が外れると共に、本体筒3の第2カートリッジ係止部3Aに対するカートリッジ20の係止が外れる。より具体的には、保持部材5の前端から先筒21の突部21pが前方に移動すると共に、本体筒3の穴部3j及び凸部3tから先筒21の環状凸部21k及び環状凹部21hが前方に移動する。これにより、化粧料容器1からカートリッジ20が外される。
【0054】
次に、キャップ30が化粧料容器1から外された状態において化粧料容器1に新たなカートリッジ20が装着される。具体的には、本体筒3の内部空間3b、及び保持部材5の内部空間5bに新たなカートリッジ20の螺子筒22及び先筒21を前方から挿入する。このとき、本体筒3の第2カートリッジ係止部3A、及び保持部材5の第1カートリッジ係止部5Bにカートリッジ20が係止する。より具体的には、本体筒3の穴部3j及び凸部3tに先筒21の環状凸部21k及び環状凹部21hが嵌合すると共に、保持部材5の前端に先筒21の突部21pが接触する。そして、キャップ係止部4にキャップ30が係止されることによって、カートリッジ20の交換が完了する。
【0055】
なお、本実施形態に係る化粧料容器1は、キャップ30及びカートリッジ20が外された状態において、更に分解することが可能である。この分解の方法の例について説明する。まず、本体筒3に対して保持部材5を前方に引っ張ることによって、保持部材係止部3Bに対する保持部材5の係止が解除される。より具体的には、本体筒3の第2凸部3wが保持部材5の第1凹部5hから抜けて本体筒3から保持部材5が前方に移動し、嵌合部3xに対する嵌合部5kの嵌合が外れる。
【0056】
本体筒3に対して保持部材5が前方に移動すると、本体筒3から保持部材5が抜け出ると共に、キャップ係止部4が本体筒3及び保持部材5から外される。そして、本体筒3が外筒6から分解されることにより、化粧料容器1の各部品の分解が完了する。このように、化粧料容器1の各部品が分解可能である場合、化粧料容器1の各部品をリサイクルすることが可能となる。
【0057】
次に、本実施形態に係る化粧料容器1及びカートリッジ式化粧料容器10から得られる作用効果について詳細に説明する。化粧料容器1は容器本体2を備え、容器本体2には化粧料Mを保持するカートリッジ20の後側の部分が収容される。容器本体2には、カートリッジ20を覆うキャップ30が装着される。容器本体2は本体筒3とキャップ係止部4と保持部材5とを有し、本体筒3にカートリッジ20の後側の部分が挿入される。キャップ係止部4は、キャップ30を容器本体2に係止する部位である。キャップ係止部4は、保持部材5によって保持される。保持部材5は第1カートリッジ係止部5Bを有し、本体筒3は第2カートリッジ係止部3Aと保持部材係止部3Bを有する。カートリッジ20は、第1カートリッジ係止部5Bを介して保持部材5に係止されると共に、第2カートリッジ係止部3Aを介して本体筒3に係止される。キャップ30は、キャップ係止部4を介して容器本体2に係止される。
【0058】
このように、キャップ30及びカートリッジ20は別々の係止部を介して容器本体2に係止するので、容器本体2に対してキャップ30及びカートリッジ20のそれぞれを容易に外すことができる。また、保持部材5は、保持部材係止部3Bを介して本体筒3に係止されている。よって、キャップ30又はカートリッジ20を外すときに保持部材5等を外れないようにできるので、意図しない他の部品の脱落を抑制できる。特に、キャップ係止部4を保持する保持部材5は、保持部材係止部3Bを介して本体筒3に係止されると共に、第1カートリッジ係止部5Bを介して係止するカートリッジ20が第2カートリッジ係止部3Aを介して本体筒3に係止されるので、キャップ係止部4の脱落を抑制できる。
【0059】
前述したように、キャップ係止部4は、磁性体を含んでいてもよく、キャップ30は、磁力でキャップ係止部4に吸着されることによって容器本体2に装着されてもよい。この場合、容器本体2に対するキャップ30の着脱を一層容易に行うことができる。
【0060】
前述したように、カートリッジ20は、化粧料Mを保持する先筒21を有してもよく、先筒21は、先筒21の径方向外側に突出する突部21pを有してもよい。保持部材5の第1カートリッジ係止部5Bは、突部21pに当接することによってカートリッジ20に係止してもよい。この場合、保持部材5に対するカートリッジ20の先筒21の係止を容易に解除できる。従って、容器本体2からのカートリッジ20の取り外しを一層容易に行うことができる。また、第1カートリッジ係止部5Bの突部21pへの当接によって保持部材5がカートリッジ20を確実に係止するので、保持部材5、及び保持部材5が保持するキャップ係止部4がカートリッジ20に対して前方へ離脱することが防止される。
【0061】
前述したように、保持部材5は、カートリッジ20が挿入されると共に本体筒3に挿入される筒状の挿入部5cと、挿入部5cから挿入部5cの径方向外側に突出し本体筒3との間でキャップ係止部4を挟み込む突出部5dと、を有してもよい。この場合、保持部材5の挿入部5cから突出する突出部5dと本体筒3との間にキャップ係止部4が保持される。従って、キャップ係止部4の組み付けを容易に行うことができると共に、キャップ係止部4を安定して保持できる。
【0062】
前述したように、保持部材5は、保持部材5の後端5gから前方に窪む第1凹部5hを有してもよい。本体筒3の保持部材係止部3Bは、第1凹部5hに軸線方向Dに沿って挿入されて第1凹部5hに係止する第2凸部3wを有してもよい。この場合、第1凹部5hへの第2凸部3wの軸線方向Dに沿った挿入によって本体筒3の保持部材係止部3Bが保持部材5に係止する。よって、軸線方向Dに沿って保持部材5に本体筒3が係止するので、保持部材5及び本体筒3の径方向への肥大化を抑制できる。その結果、容器本体2の外径の肥大化を抑制して容器本体2をコンパクトにすることができる。
【0063】
本実施形態に係るカートリッジ式化粧料容器10は、前述した化粧料容器1と、本体筒3に挿入されて本体筒3の第2カートリッジ係止部3Aを介して本体筒3に係止すると共に、保持部材5の第1カートリッジ係止部5Bを介して保持部材5に係止するカートリッジ20と、カートリッジ20を覆った状態でキャップ係止部4を介して容器本体2に係止するキャップ30と、を備える。カートリッジ式化粧料容器10は、前述した本体筒3、キャップ係止部4及び保持部材5を備えるため、前述した化粧料容器1と同様の作用効果を奏する。
【0064】
以上、本開示に係る化粧料容器及びカートリッジ式化粧料容器の実施形態について説明した。しかしながら、本開示に係る化粧料容器及びカートリッジ式化粧料容器は、前述した実施形態の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨の範囲内において更に変更されたものであってもよい。すなわち、本開示に係る化粧料容器及びカートリッジ式化粧料容器の各部の形状、大きさ、数、材料、及び配置態様は、前述した要旨の範囲内において適宜変更可能である。
【0065】
例えば、前述した実施形態では、保持部材5の第1凹部5hに第2凸部3wが係止する保持部材係止部3Bを備えた本体筒3について説明した。しかしながら、保持部材が第1凸部を有し、第1凸部が係止する第2凹部を本体筒が有してもよい。すなわち、保持部材の第1凸部が本体筒の第2凹部に係止する保持部材係止部を本体筒が備えていてもよい。この場合、第2凹部への第1凸部の軸線方向に沿った挿入によって本体筒の保持部材係止部が保持部材に係止する。よって、前述した実施形態に係る化粧料容器1と同様、軸線方向に沿って保持部材に本体筒が係止するので、保持部材及び本体筒の径方向への肥大化を抑制でき、容器本体の外径の肥大化を抑制して容器本体をコンパクトにすることができる。なお、保持部材は、径方向への凹凸嵌合によって本体筒に係止されてもよいし、本体筒に対する圧入によって本体筒に係止されてもよいし、磁性体の吸着力によって本体筒に係止されてもよい。
【0066】
前述した実施形態では、キャップ係止部4が磁性体を含んでおり、キャップ30が磁力でキャップ係止部4に吸着される例について説明した。しかしながら、キャップ係止部は、磁力以外の力によってキャップを係止してもよい。例えば、キャップ係止部は第1凹凸部を有し、キャップは第1凹凸部に嵌合する第2凹凸部を有してもよい。この場合、キャップは、第1凹凸部への第2凹凸部の嵌合によってキャップ係止部に係止する。
【0067】
前述した実施形態では、カートリッジ20の先筒21の突部21pに当接することによってカートリッジ20に係止する第1カートリッジ係止部5Bを備えた保持部材5について説明した。しかしながら、第1カートリッジ係止部の態様は、カートリッジ20の先筒21の突部21pに当接する態様に限定されない。例えば、保持部材の第1カートリッジ係止部は、カートリッジに形成されたカートリッジ凹凸部に嵌合する保持部材凹凸部であってもよい。この場合、第1カートリッジ係止部は、カートリッジ凹凸部に保持部材凹凸部が嵌合することによってカートリッジに係止する。更に、第1カートリッジ係止部は、カートリッジに設けられた磁性体であるカートリッジ磁性部に吸着する保持部材磁性部であってもよい。この場合、第1カートリッジ係止部は、カートリッジ磁性部に保持部材磁性部が吸着することによってカートリッジに係止する。このように第1カートリッジ係止部の態様は適宜変更可能である。第2カートリッジ係止部の態様、及び保持部材係止部の態様についても、第1カートリッジ係止部と同様、適宜変更可能である。
【0068】
前述した実施形態では、保持部材5が本体筒3に挿入される挿入部5cを有し、挿入部5cが本体筒3の径方向内側に位置する例について説明した。しかしながら、前述した実施形態のように保持部材5が本体筒3の径方向内側に位置していてもよいし、保持部材が本体筒の径方向外側に位置していてもよい。
【0069】
前述した実施形態では、筒状を呈する保持部材5について説明した。しかしながら、化粧料容器は、保持部材5に代えて、筒状ではない保持部材を備えていてもよい。例えば、化粧料容器は、軸線方向に沿って延びる第1部分と、第1部分の端部から径方向に沿って延びる第2部分とを有する保持部材を備えていてもよい。このように、保持部材の形状は特に限定されない。
【0070】
前述した実施形態では、本体筒3の鍔部3fと保持部材5の突出部5dとの間にキャップ係止部4が挟み込まれる例について説明した。しかしながら、キャップ係止部は、鍔部3fと突出部5dとの間に挟み込まれなくてもよい。この場合、鍔部3f及び突出部5dの少なくともいずれかを省略可能である。例えば、キャップ係止部は、保持部材に凹凸嵌合によって保持されてもよいし、保持部材に対する圧入によって保持されてもよい。また、キャップ係止部は、保持部材に磁性体の吸着力によって保持されてもよい。そのとき、キャップ係止部は、例えば、凹凸嵌合、圧入又は磁性体の吸着力等によって、本体筒に保持されてもよい。また、キャップ係止部は、本体筒と保持部材との間に挟み込まれることによって保持されてもよい。このように、キャップ係止部が保持される構造については特に限定されない。
【0071】
前述した実施形態では、分解可能な化粧料容器1を備えるカートリッジ式化粧料容器10について説明した。この場合、化粧料容器1の各部品のリサイクル性を高めることができる。しかしながら、カートリッジ式化粧料容器は、分解可能でない化粧料容器を備えていてもよい。例えば、カートリッジ式化粧料容器は、外筒6を有しない化粧料容器を備えていてもよい。このように、化粧料容器の構成についても適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0072】
1…化粧料容器、2…容器本体、3…本体筒、3A…第2カートリッジ係止部、3b…内部空間、3B…保持部材係止部、3d…筒状部、3f…鍔部、3g…後端、3h…凸部、3j…穴部、3k…凹部、3q…スリット、3q1…第1スリット部、3q2…第2スリット部、3r…凸部、3s…内面、3s1…第1内面、3s2…第2内面、3s3…第3内面、3t…凸部、3v…環状凹部、3w…第2凸部、3w1…第1突出部、3w2…第2突出部、3x…嵌合部、4…キャップ係止部、4A…第2キャップ係止部、5…保持部材、5A…第2保持部材、5B…第1カートリッジ係止部、5b…内部空間、5c…挿入部、5d…突出部、5f…延在部、5g…後端、5h…第1凹部、5j…傾斜部、5k…嵌合部、5p…突部、6…外筒、10…カートリッジ式化粧料容器、20…カートリッジ、20A…第2カートリッジ、20b…塗布具、20c…筒体、21…先筒、21b…内部空間、21c…開口、21d…傾斜面、21f…筒状部、21g…係合部、21h…環状凹部、21k…環状凸部、21p…突部、22…螺子筒、22b…第1筒状部、22c…鍔部、22d…第2筒状部、22f…突条、22g…内部空間、22h…螺子突起、23…移動体、23b…雄螺子部、23c…押出部、30…キャップ、30A…第2キャップ、31…底部、D…軸線方向、L…軸線、M…化粧料、S…基準面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7