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特開2024-153166モータの冷却部材及びモータの冷却部材の製造方法
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  • 特開-モータの冷却部材及びモータの冷却部材の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153166
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】モータの冷却部材及びモータの冷却部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
H02K9/19 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066888
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000207791
【氏名又は名称】大豊工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】鹿内 大輔
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609PP02
5H609PP09
5H609QQ05
5H609QQ20
5H609RR48
5H609RR73
5H609RR75
(57)【要約】
【課題】冷却性能の向上を図ることができるモータの冷却部材及びモータの冷却部材の製造方法を提供する。
【解決手段】オイルが供給される給油口16と、給油口16から供給されたオイルが流通可能に延出される油路(取付油路15及びパイプ油路17)と、前記油路に開口される油路側開口部と外部へ開口される外部側開口部とを連通するように形成され、下方へオイルを吐出するための複数の吐出口20と、を具備し、複数の吐出口20は、斜め下方へ向けて開放されると共に、油路側開口部よりも外部側開口部の方が大きく形成された第一の吐出口(左側吐出口20L及び右側吐出口20R)を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルが供給される給油口と、
前記給油口から供給されたオイルが流通可能に延出される油路と、
前記油路に開口される油路側開口部と外部へ開口される外部側開口部とを連通するように形成され、下方へオイルを吐出するための複数の吐出口と、
を具備し、
前記複数の吐出口は、
斜め下方へ向けて開放されると共に、前記油路側開口部よりも前記外部側開口部の方が大きく形成された第一の吐出口を含む、
モータの冷却部材。
【請求項2】
前記第一の吐出口は、
前記油路の延出方向に対して直交する横方向に一対設けられると共に、前記横方向に互いに対称形状となるように形成され、
前記複数の吐出口は、
前記一対の前記第一の吐出口の間に、真下方へ向けて開放された第二の吐出口を含む、
請求項1に記載のモータの冷却部材。
【請求項3】
前記第二の吐出口は、
前記油路側開口部よりも前記外部側開口部の方が大きく形成される、
請求項2に記載のモータの冷却部材。
【請求項4】
前記複数の吐出口において前記油路側開口部と前記外部側開口部との間の側面は、
上下方向に沿って延びる第一の面、及び、底面視において下方へ露出するよう上下方向に対して傾斜する第二の面の少なくともいずれか一方により形成される、
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のモータの冷却部材。
【請求項5】
前記第一の吐出口は、
前記油路の延出方向の断面視において、前記油路側開口部と前記外部側開口部との間で径方向へ延びた2つの前記側面により略扇形状に形成される、
請求項4に記載のモータの冷却部材。
【請求項6】
前記2つの前記側面のうち、前記油路の延出方向に対して直交する横方向内側は、前記第一の面により形成され、前記油路の延出方向に対して直交する横方向外側は、前記第二の面により形成される、
請求項5に記載のモータの冷却部材。
【請求項7】
請求項4に記載のモータの冷却部材を製造する方法であって、
射出した樹脂を複数の成形型の間に充填し、前記冷却部材を成形する射出工程と、
前記射出工程の後、前記複数の成形型を開いて前記冷却部材を取り出す型開き工程と、
を有し、
前記複数の成形型に含まれる第一の成形型には、前記複数の吐出口に対応し、前記複数の成形型の型開き方向に対して凸状に形成される凸部が設けられる、
モータの冷却部材の製造方法。
【請求項8】
前記射出工程において、
前記型開き方向に対してアンダーカット形状を有しない前記複数の吐出口を成形する、
請求項7に記載のモータの冷却部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータにオイルを供給して冷却することが可能なモータの冷却部材及びモータの冷却部材の製造方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータにオイルを供給して冷却する冷却部材に関する技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、例えばハイブリッド車両において、電気エネルギーを回転の運動エネルギーに変換する回転電機(モータ)の上方に配置され、前記モータに向けて冷媒(オイル)を吐出する吐出孔を備えた配給管に関する技術が記載されている。前記吐出孔は、配給管の下部に設けられ、真下方へ向けて延びる直線状に形成される。このような技術によれば、エンジンの動作に応じたオイルポンプの駆動により前記配給管にオイルが供給され、吐出孔からモータへ吐出されるため、当該モータを冷却することができる。
【0004】
ここで、例えばエンジンが高速である場合、オイルポンプから供給されるオイル量が比較的多くなるため、吐出圧が大きくなる。このような場合、前記吐出孔では、多量のオイルがモータの一部分に対して局所的に供給されることとなり、モータの冷却効率がよくないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-75859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、冷却性能の向上を図ることができるモータの冷却部材及びモータの冷却部材の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、オイルが供給される給油口と、前記給油口から供給されたオイルが流通可能に延出される油路と、前記油路に開口される油路側開口部と外部へ開口される外部側開口部とを連通するように形成され、下方へオイルを吐出するための複数の吐出口と、を具備し、前記複数の吐出口は、斜め下方へ向けて開放されると共に、前記油路側開口部よりも前記外部側開口部の方が大きく形成された第一の吐出口を含むものである。
【0009】
請求項2においては、前記第一の吐出口は、前記油路の延出方向に対して直交する横方向に一対設けられると共に、前記横方向に互いに対称形状となるように形成され、前記複数の吐出口は、前記一対の前記第一の吐出口の間に、真下方へ向けて開放された第二の吐出口を含むものである。
【0010】
請求項3においては、前記第二の吐出口は、前記油路側開口部よりも前記外部側開口部の方が大きく形成されるものである。
【0011】
請求項4においては、前記複数の吐出口において前記油路側開口部と前記外部側開口部との間の側面は、上下方向に沿って延びる第一の面、及び、底面視において下方へ露出するよう上下方向に対して傾斜する第二の面の少なくともいずれか一方により形成されるものである。
【0012】
請求項5においては、前記第一の吐出口は、前記油路の延出方向の断面視において、前記油路側開口部と前記外部側開口部との間で径方向へ延びた2つの前記側面により略扇形状に形成されるものである。
【0013】
請求項6においては、前記2つの前記側面のうち、前記油路の延出方向に対して直交する横方向内側は、前記第一の面により形成され、前記油路の延出方向に対して直交する横方向外側は、前記第二の面により形成されるものである。
【0014】
請求項7においては、請求項4に記載のモータの冷却部材を製造する方法であって、射出した樹脂を複数の成形型の間に充填し、前記冷却部材を成形する射出工程と、前記射出工程の後、前記複数の成形型を開いて前記冷却部材を取り出す型開き工程と、を有し、前記複数の成形型に含まれる第一の成形型には、前記複数の吐出口に対応し、前記複数の成形型の型開き方向に対して凸状に形成される凸部が設けられるものである。
【0015】
請求項8においては、前記射出工程において、前記型開き方向に対してアンダーカット形状を有しない前記複数の吐出口を成形するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0017】
本発明においては、冷却性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る冷却部材を具備するモータの側面断面模式図。
図2】(a)冷却部材における図1のA-A矢視断面図。(a)冷却部材の吐出部を示した底面図。
図3】(a)エンジンが低速時におけるオイルの吐出の態様を示した断面模式図。(b)エンジンが高速時におけるオイルの吐出の態様を示した断面模式図。
図4】(a)エンジンが低速時におけるモータの冷却の態様を示した断面模式図。(b)エンジンが高速時におけるモータの冷却の態様を示した断面模式図。
図5】(a)樹脂成形装置の複数の成形型を示した断面概略図。(b)図5(a)において射出工程により複数の成形型の間に樹脂が充填された状態を示した断面概略図。
図6】(a)型開き工程により複数の成形型が型開きされた状態を示した断面概略図。(b)成形型の凸部を示した平面図。
図7】(a)吐出部の第1変形例を示した底面図。(b)同じく、第2変形例を示した底面図。(c)同じく、第3変形例を示した底面図。(d)同じく、第4変形例を示した底面図。(e)同じく、第5変形例を示した底面図。
図8】(a)吐出部の第6変形例を示した底面図。(b)同じく、第7変形例を示した底面図。(c)同じく、第8変形例を示した底面図。(d)同じく、第9変形例を示した底面図。
図9】(a)吐出部の第10変形例を示した底面図。(b)同じく、第11変形例を示した底面図。(c)同じく、第12変形例を示した底面図。(d)同じく、第13変形例を示した底面図。(e)同じく、第14変形例を示した底面図。
図10】(a)吐出部の第15変形例を示した底面図。(b)同じく、第16変形例を示した底面図。(c)同じく、第17変形例を示した底面図。(d)同じく、第18変形例を示した底面図。(e)同じく、第19変形例を示した底面図。
図11】(a)変形例に係るパイプ部の構成を示した断面模式図。(b)別の変形例に係るパイプ部の構成を示した断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0020】
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係る冷却部材10を具備するモータ1の構成の概略について説明する。
【0021】
本実施形態に係るモータ1は、自動車(ハイブリッド自動車(HV)や電気自動車(EV)等)の駆動装置に用いられる。モータ1は、主としてハウジング2、ステータ3、コイル4、ロータ5、回転軸6及び冷却部材10を具備する。
【0022】
ハウジング2は、モータ1を構成する他の部材(ステータ3等)を収容するものである。ハウジング2の内側には、ステータ3が固定される。ステータ3は、略円筒形状に形成される。ステータ3は、軸線を前後方向に向けて配置される。ステータ3には、導線が巻回されることでコイル4が形成される。コイル4は、ステータ3と同心の円筒形状に形成される。コイル4の前後両端部(以下、「コイルエンド4a」と称する)は、ステータ3の前後両端部からそれぞれ突出するように配置される。
【0023】
ロータ5は、略円筒形状に形成される。ロータ5は、ステータ3の内側に配置される。ロータ5は、軸線を前後方向に向けて配置される。回転軸6は、軸線を前後方向に向けて、ロータ5の中心を貫通するように設けられる。回転軸6は、軸受を介してハウジング2に回転可能に設けられる。ロータ5及び回転軸6は、ステータ3及びコイル4と同一軸線上(同心上)に配置される。
【0024】
冷却部材10は、コイル4にオイルを供給することにより、当該コイル4を冷却するものである。本実施形態において、冷却部材10は樹脂成形品である。冷却部材10は、前後方向に延出され、その内部をオイルが流通可能に形成される。冷却部材10は、コイル4の上方に配置され、上方からコイル4(より詳細には、コイルエンド4a)にオイルを吐出可能に構成される。なお、冷却部材10の構成についての詳細な説明は後述する。
【0025】
このように構成されたモータ1において、コイル4が通電されると、ステータ3に磁界が発生する。ステータ3に磁界が発生すると、当該磁界によってロータ5に回転力が発生し、ロータ5及び回転軸6が回転する。
【0026】
また、コイル4が通電されると、内部抵抗によってコイル4が発熱する。本実施形態においては、冷却部材10からコイルエンド4aへとオイルを供給(吐出)することによって、コイル4を冷却し、効率の低下等の不具合の発生を抑制している。
【0027】
以下では、図1及び図2を用いて、冷却部材10の構成について詳細に説明する。冷却部材10は、取付部11及びパイプ部12を具備する。
【0028】
取付部11は、冷却部材10のうち、ハウジング2に取り付けられる部分である。取付部11は、ブロック状に形成され、ハウジング2の内壁の上部に取り付けられる。取付部11には、オイルが流通される取付油路15が所定方向に貫通される。取付部11の取付油路15の後端部には給油口16が形成され、ハウジング2に形成されたオイルの流通経路(不図示)と連通される。これにより、ハウジング2からのオイルが取付部11に供給される。
【0029】
パイプ部12は、冷却部材10のうち、オイルが流通可能な円筒状(パイプ状)に形成される部分である。パイプ部12は、前後方向に延びるように形成され、当該パイプ部12の後端部が取付部11に接続される。こうして、パイプ部12は、取付部11に片持ち状態で支持される。パイプ部12は、コイル4等の左右中央の上方に配置される(図4参照)。パイプ部12は、前後方向において、前後のコイルエンド4aの両外側へ延びるように形成される。パイプ部12は、パイプ油路17及び吐出部18を具備する。
【0030】
パイプ油路17は、パイプ部12の内部に形成される長穴である。パイプ油路17は、パイプ部12の内部に前後方向へ延びるように形成される。パイプ油路17は、前端部が閉塞されると共に、後端部がパイプ部12の外方へ開口される。パイプ油路17の後端部の開口は、取付部11の取付油路15の前端部の開口と連通される。これにより、ハウジング2から取付部11に供給されたオイルが、パイプ部12に供給される。
【0031】
吐出部18は、パイプ油路17を流通するオイルが吐出される部分である。本実施形態では、複数(2つ)の吐出部18が形成される。具体的には、2つの吐出部18には、前側のコイルエンド4aに対応するように、当該前側のコイルエンド4aの上方に形成される吐出部18と、後側のコイルエンド4aに対応するように、当該後側のコイルエンド4aの上方に形成される吐出部18と、が含まれる。
【0032】
なお、前後の吐出部18の構成は互いに略同一であるため、以下では前側の吐出部18の構成について説明し、後側の吐出部18の構成についての説明は適宜省略する。また以下では便宜上、特に断りがなければ、前側の吐出部18を単に「吐出部18」と称する。
【0033】
吐出部18は、複数の吐出口20を具備する。複数の吐出口20は、下方へオイルを吐出するためのものである。複数の吐出口20は、パイプ部12のパイプ油路17に開口される開口部(以下では「油路側開口部」と称する場合がある)と、外部へ開口される開口部(以下では「外部側開口部」と称する場合がある)と、を連通するように形成される。複数の吐出口20において、前記油路側開口部と前記外部側開口部との間の側面は、上下方向に沿って延びる面、及び、底面視において下方へ露出するよう上下方向に対して傾斜する面の少なくともいずれか一方により形成される。複数の吐出口20には、中央吐出口20C、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rが含まれる。
【0034】
中央吐出口20Cは、パイプ部12の左右中央の下部に形成され、真下方へ向けて開放される。中央吐出口20Cの油路側開口部21C及び外部側開口部22Cは、それぞれ略矩形状に形成される。中央吐出口20Cにおいて、油路側開口部21Cと外部側開口部22Cとの間の側面23Cの全部は、上下方向に延びる面により形成される。また側面23Cの全部は、底面視において、外部側開口部22C(より詳細には、外部側開口部22Cの縁部分)と重複するように形成される。こうして、中央吐出口20Cの流路面積(パイプ部12の径方向に対して直交する平面の面積)は、径方向において一定となるように形成される。
【0035】
左側吐出口20Lは、パイプ部12の左下部に形成され、左斜め下方へ向けて開放される。左側吐出口20Lの油路側開口部21L及び外部側開口部22Lは、それぞれ略矩形状に形成される。油路側開口部21L及び外部側開口部22Lは、油路側開口部21Lよりも外部側開口部22Lの方が大きく形成される。油路側開口部21Lと外部側開口部22Lとの間の側面23Lは、直線状に形成される。
【0036】
具体的には、側面23Lのうち前後及び右側面(左右方向の中央側の側面)は、上下方向に延びる面により形成される。また側面23Lのうち左側面(左右方向の外側の側面)は、底面視において下方へ露出するように、上下方向に対して傾斜する面により形成される。こうして、左側吐出口20Lの流路面積は、径方向内側から外側へいくに従って徐々に大きくなるように形成される。また左側吐出口20Lは、前後方向の断面視において、側面23Lのうち左右側面により、径方向内側から外側へいくに従って徐々に大きくなる略扇形状に形成される。
【0037】
右側吐出口20Rは、パイプ部12の右下部に形成され、右斜め下方へ向けて開放される。右側吐出口20Rは、パイプ部12の左右方向の中央を中心として、左側吐出口20Lと左右対称形状に形成される。すなわち、右側吐出口20Rは、左側吐出口20Lと対をなすように形成される。そのため、右側吐出口20Rの構成についての説明は、左側吐出口20Lの構成と対応する名称及び符号を用いることにより省略する。すなわち、右側吐出口20Rは、左側吐出口20Lの油路側開口部21L、外部側開口部22L及び側面23Lと対応する構成として、油路側開口部21R、外部側開口部22R及び側面23Rとを具備する。
【0038】
以下では、図3及び図4を用いて、上述の如く構成された冷却部材10を用いてコイル4を冷却する態様について説明する。
【0039】
冷却部材10には、オイルポンプ(不図示)から吐出されたオイルが、前記ハウジング2に形成された流通経路を介して供給される。冷却部材10に供給されたオイルは、取付部11の取付油路15からパイプ部12のパイプ油路17へ供給される(図1参照)。パイプ油路17へ供給されたオイルは、当該パイプ油路17を前方へ流通した後、吐出部18の複数の吐出口20(中央吐出口20C、左側吐出口20L及び右側吐出口20R)から下方へ吐出される。これによって、冷却部材10の下方に配置されたコイルエンド4aの上部へとオイルが供給され、当該オイルによってコイル4を冷却することができる。
【0040】
ここで、前記オイルポンプは、例えばエンジン(不図示)と連動するように構成される。このような構成において、エンジンが低速である場合、オイルポンプから冷却部材10へと供給されるオイル量は比較的少ないため、吐出圧が小さくなる。その一方で、エンジンが高速である場合、オイルポンプから冷却部材10へと供給されるオイル量は比較的多くなるため、吐出圧が大きくなる。
【0041】
ここで、従来技術のように、真下方へ向けて延びる直線状に形成された吐出孔のみが設けられる場合、当該吐出孔から吐出されるオイルは、吐出圧の大小に関わらず、下方に配置されたコイルエンド4aの所定の一部分へと供給される。すなわち、エンジンが高速である場合、多量のオイルがコイル4の一部分に対して局所的に供給されることとなり、モータの冷却効率がよくないという問題があった。
【0042】
これに対して、上述の如く構成された冷却部材10は、エンジンが高速である場合であっても、多量のオイルがコイル4の一部分に対して局所的に供給されるのを抑制することができる。すなわち、冷却部材10は、吐出圧の大小に応じてモータ1へ好適にオイルを供給することができるため、ひいてはモータの冷却効率を向上させることができる。
【0043】
具体的には、図3(a)及び図4(a)に示すように、エンジンが低速である場合、オイルポンプから冷却部材10へと供給されるオイル量は比較的少なく、吐出圧が小さいため、パイプ油路17を流通するオイルは、複数の吐出口20(中央吐出口20C、左側吐出口20L及び右側吐出口20R)のそれぞれから下方へと自由落下していく。これにより、コイルエンド4aの上端(左右中央の上部)に供給されたオイルは、コイルエンド4aを周方向に沿って伝っていくことにより、比較的少ない量のオイルを無駄なく使用し、コイルを冷却することができる。
【0044】
これに対して、図3(b)及び図4(b)に示すように、エンジンが高速である場合、オイルポンプから冷却部材10へと供給されるオイル量は比較的多く、吐出圧が大きいため、パイプ油路17を流通するオイルは、複数の吐出口20(中央吐出口20C、左側吐出口20L及び右側吐出口20R)のそれぞれから、開放された方向へ向けて噴き出される。すなわち、中央吐出口20Cからは、真下方へ向けてオイルが噴き出される。左側吐出口20L及び右側吐出口20Rからは、斜め下方へ向けてオイルが噴き出される。
【0045】
左側吐出口20L及び右側吐出口20Rからオイルが噴き出される場合、これらの吐出口は上述の如き略扇形状に形成されるため、噴き出されるオイルは広範囲へ広がるように案内される。これにより、コイルエンド4aの上端(左右中央の上部)だけでなく、上部の広範囲に、均等、かつ、直接的にオイルが供給される。こうして、エンジンが高速である場合、特に高負荷となり発熱し易いコイル4を、効果的に冷却することができる。
【0046】
また本実施形態において、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rでは、上述の如く、側面23L及び側面23Rのうち前後、及び、左右方向の中央側の側面が、上下方向に延びる面により形成され、側面23L及び側面23Rのうち左右方向の外側の側面が、底面視において下方へ露出するように、上下方向に対して傾斜する面により形成される。このような形状により、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rから噴き出されるオイルを、効果的に広範囲(左右方向の外側)へ広がるように案内している。
【0047】
このように、本実施形態に係る冷却部材10によれば、エンジンが高速である場合、多量のオイルがコイル4の一部分に対して局所的に供給されることなく、モータの冷却効率を向上させることができる。
【0048】
以下では、図5及び図6を用いて、上述の如く構成された冷却部材10の製造方法について説明する。
【0049】
図5等に示すように、本実施形態において、冷却部材10は、樹脂成形装置100を用いた樹脂成形により形成される。なお図5等においては、樹脂成形装置100が有する射出装置、型締装置及び成形型等のうち、成形型(金型)の断面図を概略的に示している。
【0050】
図5(a)及び(b)に示すように、樹脂成形装置100では、射出工程により、互いに対抗する第一の金型110及び第二の金型120と、円柱状のスライドコア130等との間(空間内)に、射出装置(不図示)から射出された樹脂が充填され、樹脂成形品10a(以下では「冷却部材10」と称する)が成形される。射出工程の後、前記空間内に充填された樹脂が冷却して固化されると、図6(a)に示すように、型開き工程により、第一の金型110、第二の金型120及びスライドコア130等を開いて、冷却部材10が取り外される。取り外された冷却部材10は、適宜の加工処理が施される。
【0051】
ここで、仮に吐出部18(複数の吐出口20)がアンダーカット形状を有する場合、第一の金型110及び第二の金型120を型開き方向(本実施形態では、後述するように上下方向)に分割しただけでは、当該冷却部材10を取り外し難い。すなわち、仮に複数の吐出口20がアンダーカット形状を有する場合、当該複数の吐出口20を形成するために煩雑な加工や複雑な金型構造等が必要となり、冷却部材10の製造コストが高くなる。
【0052】
そこで、本実施形態に係る冷却部材10においては、複数の吐出口20がアンダーカット形状を有しないように構成される。以下に、図6を用いて具体的に説明する。なお以下の説明では、樹脂成形装置100において、第一の金型110及び第二の金型120は上下方向を型開き方向としている。
【0053】
本実施形態において、第一の金型110には、冷却部材10の複数の吐出口20に対応し、上方へ凸状に形成される3つの凸部112が形成される。3つの凸部112は、円弧状に形成された第一の金型110の上面111から、上方(概ね内径方向)に凸状に形成される。前記3つの凸部112には、中央凸部112C、左側凸部112L及び右側凸部112Rが含まれる。
【0054】
中央凸部112Cは、中央吐出口20Cに対応する部分である。中央凸部112Cは、平面視で略矩形状に形成される。中央凸部112Cの左右及び前後側面は、それぞれ上下方向に延びる面により形成される。中央凸部112Cの左右及び前後側面は、それぞれ中央吐出口20Cの側面23Cの左右及び前後側面を成形する。
【0055】
左側凸部112Lは、左側吐出口20Lに対応する部分である。左側凸部112Lは、平面視で略矩形状に形成される。左側凸部112Lの右及び前後側面は、それぞれ上下方向に延びる面により形成される。左側凸部112Lの左側面は、上面111から内径方向へ向けて延出するように、上下方向に対して傾斜する面により形成される。左側凸部112Lの左右及び前後側面は、それぞれ左側吐出口20Lの側面23Lの左右及び前後側面を成形する。
【0056】
右側凸部112Rは、右側吐出口20Rに対応する部分である。右側凸部112Rは、平面視で略矩形状に形成される。右側凸部112Rの左及び前後側面は、それぞれ上下方向に延びる面により形成される。右側凸部112Rの右側面は、上面111から内径方向へ向けて延出するように、上下方向に対して傾斜する面により形成される。右側凸部112Rの左右及び前後側面は、それぞれ右側吐出口20Rの側面23Rの左右及び前後側面を成形する。
【0057】
このような構成によれば、3つの凸部112は、平面視において影となる部分を有しないため、アンダーカット形状を有しないように複数の吐出口20成形することができる。これにより、例えば型開き工程において、冷却部材10を第一の金型110から引っかかることなく取り出すことができる。また、複数の吐出口20を形成するために煩雑な加工や複雑な金型構造等を必要としないため、冷却部材10の製造コストを低くすることができる。
【0058】
以下では、図7から図11を用いて、冷却部材10における吐出部18の変形例について説明する。
【0059】
第1実施形態に係る冷却部材10においては、吐出部18の複数の吐出口20として中央吐出口20C、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rを有するものとしたが、当該中央吐出口20C等の構成は、上述の如き構成に限定されるものではない。すなわち、複数の吐出口(中央吐出口20C)の構成としては、油路側開口部と外部側開口部との間の側面が、上下方向に沿って延びる面、及び、底面視において下方へ露出するよう上下方向に対して傾斜する面の少なくともいずれか一方により形成されるものであれば種々の構成を採用することができる。そこで、吐出部18の複数の吐出口(中央吐出口20C)の変形例について具体的に説明する。
【0060】
例えば、第8変形例に示すように、吐出部18は、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rを有して、中央吐出口20Cを有しなくてもよい。
【0061】
また第1変形例等に示すように、中央吐出口20Cの油路側開口部21C及び外部側開口部22Cと、左側吐出口20Lの油路側開口部21L及び外部側開口部22Lと、右側吐出口20Rの油路側開口部21R及び外部側開口部22Rとは、それぞれ略矩形状ではなく、略円形状に形成してもよい。
【0062】
また第1変形例等に示すように、左側吐出口20Lの油路側開口部21Lと、右側吐出口20Rの油路側開口部21Rとは、略円形状に形成される場合、その一部(例えば、縁部分の半分程度)が、底面視において、左側吐出口20Lの外部側開口部22Lと、右側吐出口20Rの外部側開口部22Rとに、それぞれ重複し、残りが下方に露出している。また第6変形例等に示すように、左側吐出口20Lの油路側開口部21Lと、右側吐出口20Rの油路側開口部21Rとは、略円形状に形成される場合、底面視において、左側吐出口20Lの外部側開口部22Lと、右側吐出口20Rの外部側開口部22Rとに、それぞれ(接点部分を除いて)重複し、残りが下方に露出している。
【0063】
また第8変形例等に示すように、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rを前後方向に複数(第8変形例等においては、2つずつ)形成してもよい。また第9変形例等に示すように、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rが前後方向に複数形成される場合、前後の左側吐出口20L及び右側吐出口20Rの間隔を、前後方向において異ならせてもよい。
【0064】
また第4変形例や第11変形例等に示すように、中央吐出口20Cの油路側開口部21Cを外部側開口部22Cよりも小さくすることにより、前後方向の断面視において、中央吐出口20Cを径方向内側から外側へいくに従って徐々に大きくなる略扇形状に形成してもよい(図11(b)参照)。
【0065】
また第6変形例や第12変形例等に示すように、中央吐出口20Cの前後方向の位置を、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rと異ならせてもよい。また第6変形例等に示すように、中央吐出口20Cの前後方向の位置を、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rと異ならせる場合、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rの互いの間隔を近づけることにより、前後方向において、中央吐出口20Cと、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rとの一部が、重複してもよい。
【0066】
また第5変形例等に示すように、中央吐出口20Cを前後方向に複数(第5変形例等においては、2つ)形成してもよい。
【0067】
また第10変形例等に示すように、左側吐出口20Lの側面23L及び右側吐出口20Rの側面23Rは、上下方向に延びる面を有さず、底面視において下方へ露出するように上下方向に対して傾斜する面のみを有するように形成してもよい(図11(a)及び(b)参照)。
【0068】
また第2変形例や第18変形例、第19変形例等に示すように、中央吐出口20C、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rの側面において、上下方向に延びる面と、底面視において下方へ露出するように上下方向に対して傾斜する面とは、互いに任意の位置に配置できる。
【0069】
また第17変形例等に示すように、中央吐出口20Cは、左側吐出口20L及び右側吐出口20Rに対して傾けるような向きで配置してもよい。また中央吐出口20Cの外部側開口部22Cは、左側吐出口20Lの外部側開口部22L及び右側吐出口20Rの外部側開口部22Lと、互いに隙間無く配置してもよい。
【0070】
以上の如く、本実施形態に係る冷却部材10においては、
オイルが供給される給油口16と、
前記給油口16から供給されたオイルが流通可能に延出される油路(取付油路15及びパイプ油路17)と、
前記油路に開口される油路側開口部と外部へ開口される外部側開口部とを連通するように形成され、下方へオイルを吐出するための複数の吐出口20と、
を具備し、
前記複数の吐出口20は、
斜め下方へ向けて開放されると共に、前記油路側開口部(例えば油路側開口部21L)よりも前記外部側開口部(例えば外部側開口部22L)の方が大きく形成された第一の吐出口(左側吐出口20L及び右側吐出口20R)を含むものである。
【0071】
このような構成により、冷却性能の向上を図ることができる。
【0072】
また本実施形態に係る冷却部材10においては、
前記第一の吐出口(左側吐出口20L及び右側吐出口20R)は、
前記油路の延出方向(前後方向)に対して直交する横方向(左右方向)に一対設けられると共に、前記横方向に互いに対称形状となるように形成され、
前記複数の吐出口20は、
前記一対の前記第一の吐出口の間に、真下方へ向けて開放された第二の吐出口(中央吐出口20C)を含むものである。
【0073】
このような構成により、オイルの吐出圧の大小に関わらずバランスよくコイル4へとオイルを供給できるため、冷却性能の向上を図ることができる。
【0074】
また本実施形態に係る冷却部材10においては、
前記第二の吐出口(第4変形例等の中央吐出口20C)は、
前記油路側開口部21Cよりも前記外部側開口部22Cの方が大きく形成されるものである。
【0075】
このような構成により、冷却性能の向上をより一層図ることができる。
【0076】
また本実施形態に係る冷却部材10においては、
前記複数の吐出口20において前記油路側開口部と前記外部側開口部との間の側面は、
上下方向に沿って延びる第一の面、及び、底面視において下方へ露出するよう上下方向に対して傾斜する第二の面の少なくともいずれか一方により形成されるものである。
【0077】
このような構成により、アンダーカット形状を有しないような吐出口20の形状とすることができ、製造コストを低くし、安価な冷却部材10を提供することができる。
【0078】
また本実施形態に係る冷却部材10においては、
前記第一の吐出口(左側吐出口20L及び右側吐出口20R)は、
前記油路の延出方向(前後方向)の断面視において、前記油路側開口部と前記外部側開口部との間で径方向へ延びた2つの前記側面(例えば、左側吐出口20Lの側面23Lのうち左側面及び右側面)により略扇形状に形成されるものである。
【0079】
このような構成により、コイル4に対して広範囲に、均等、かつ、直接的にオイルを供給することができ、冷却性能の向上を図ることができる。
【0080】
また本実施形態に係る冷却部材10においては、
前記2つの前記側面(例えば、左側吐出口20Lの側面23Lのうち左側面及び右側面)のうち、前記油路の延出方向に対して直交する横方向内側(例えば、左側吐出口20Lの側面23Lのうち右側面)は、前記第一の面により形成され、前記油路の延出方向に対して直交する横方向外側(例えば、左側吐出口20Lの側面23Lのうち左側面)は、前記第二の面により形成されるものである。
【0081】
このような構成により、例えば左側吐出口20Lから噴き出されるオイルを、効果的に広範囲(左右方向の外側)へ広がるように案内することができ、冷却性能の向上を図ることができる。
【0082】
また本実施形態に係るモータ1の冷却部材10の製造方法においては、
請求項4に記載のモータ1の冷却部材10を製造する方法であって、
射出した樹脂を複数の成形型(第一の金型110、第二の金型120、スライドコア130等)の間に充填し、前記冷却部材10を成形する射出工程と、
前記射出工程の後、前記複数の成形型を開いて前記冷却部材10を取り出す型開き工程と、
を有し、
前記複数の成形型に含まれる第一の成形型(第一の金型110)には、前記複数の吐出口20に対応し、前記複数の成形型の型開き方向(上下方向)に対して凸状に形成される凸部112が設けられるものである。
【0083】
また、前記射出工程において、
前記型開き方向に対してアンダーカット形状を有しない前記複数の吐出口20を成形するものである。
【0084】
このような構成により、吐出口20をアンダーカット形状を有しないように形成することができ、製造コストを低くし、安価な冷却部材10を提供することができる。
【0085】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0086】
例えば、上記実施形態においては、冷却部材10をコイル4の前方及び後方にそれぞれ配置し、前側及び後側のコイルエンド4aを冷却するものとしたが、冷却部材10をコイル4の前方及び後方のいずれか一方に配置して、当該一方のコイルエンド4aのみを冷却してもよい。
【0087】
また、吐出口20において、油路側開口部と外部側開口部との間の側面は、直線状ではなく、一部又は全部が曲面状に形成されてもよい。
【0088】
また、上記実施形態においては、モータ1のハウジング2と冷却部材10を個別に設ける構成としたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、モータ1のハウジング2に冷却部材10を一体的に形成することも可能である。具体的には、例えば冷却部材10の少なくとも一部をハウジング2の内壁により構成してもよい。
【0089】
また、上記実施形態においては、コイル4は軸線を前後方向に向けた状態で配置されるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、コイル4の配置の向きは任意に変更することも可能である。また、冷却部材10は、コイル4の向き等に応じて任意の方向に配置することが可能である。
【0090】
また、上記実施形態においては、モータ1のコイル4にオイルを供給することにより、当該モータ1(コイル4)を冷却する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、本発明はモータ1を冷却することができればよく、オイルの供給先はコイル4に限るものではない。例えば、モータ1を構成するコイル4以外の部材にオイルを供給して冷却することも可能である。
【0091】
また、上記実施形態においては、モータ1は自動車の駆動装置に用いられるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、任意の用途に用いることが可能である。また、上記実施形態においては、自動車(ハイブリッド自動車(HV))等において、エンジンによってオイルポンプを駆動し、エンジン回転に応じて吐出圧が変化する場合を例に挙げて説明を行ったが、電気自動車(EV)等において、電動オイルポンプにより吐出圧をコントロールする場合であっても、本発明に係る冷却部材を用いて冷却を行うことができる。
【0092】
また、冷却部材10の油路の形状や大きさは、冷却するコイルの構成に応じて任意のものを採用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 モータ
4 コイル
4a コイルエンド
10 冷却部材
15 取付油路
16 給油口
17 パイプ油路
20 吐出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11