(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153194
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】時計用部品セット、及び時計用部品セットの製造方法
(51)【国際特許分類】
G04B 19/10 20060101AFI20241022BHJP
G04B 19/06 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G04B19/10 Z
G04B19/06 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066948
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】山口 健太郎
(57)【要約】
【課題】美観を担保することが可能な、時計用部品セット、及び時計用部品セットの製造方法を提供する。
【解決手段】第1面10aと、第1面10aと表裏関係にある第2面10bと、第1面10aから第2面10bに貫通する貫通孔11と、第2面10b側の貫通孔11の周囲に設けられた凹部12と、を有する文字板10と、貫通孔11に挿入された突起部22を有するアワーマーク20と、を備え、文字板10と突起部22とがレーザー照射により固定された時計用部品セット100であって、凹部12の中に、溶着痕40が形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面と表裏関係にある第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通する貫通孔と、前記第2面側の前記貫通孔の周囲に設けられた凹部と、を有する文字板と、
前記貫通孔に挿入された突起部を有する植えものと、を備え、
前記文字板と前記突起部とがレーザー照射により固定された時計用部品セットであって、
前記凹部の中に、溶着痕が形成されている、時計用部品セット。
【請求項2】
請求項1に記載の時計用部品セットであって、
前記凹部は、少なくとも円筒形状及び円錐形状のどちらか一方の形状を含む、時計用部品セット。
【請求項3】
請求項1に記載の時計用部品セットであって、
前記植えものは、アワーマーク、ネーム、エンブレム、小リング、窓枠である、時計用部品セット。
【請求項4】
第1面と、前記第1面と表裏関係にある第2面と、を有する文字板を準備する工程と、
前記文字板に貫通孔を形成する工程と、
前記文字板における前記第2面側の前記貫通孔の周囲に凹部を形成する工程と、
前記文字板の前記第1面側を加飾する工程と、
前記貫通孔に挿入する突起部を有する植えものを準備する工程と、
前記第1面側の前記貫通孔に、前記植えものの前記突起部を挿入する工程と、
前記第2面側の前記突起部にレーザーを照射し、前記貫通孔と前記植えものの前記突起部とを固定する工程と、
を有し、
前記固定する工程で発生する溶着痕は、前記凹部内に形成されている、時計用部品セットの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の時計用部品セットの製造方法であって、
前記貫通孔を形成する工程の後に、前記凹部を形成する工程を行う、時計用部品セットの製造方法。
【請求項6】
請求項4に記載の時計用部品セットの製造方法であって、
前記貫通孔を形成する工程、及び、前記凹部を形成する工程、の後に、前記加飾する工程を行う、時計用部品セットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計用部品セット、及び時計用部品セットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アワーマークなどの表示部材の足部を、文字板に設けられた貫通孔に挿入し、足部の先端部をカシメることによって、表示部材が文字板に固定される構造の時計が開示されている。また、足部の先端部にレーザーを照射することにより、文字板と足部とを固定する方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、レーザーを照射した部分に溶着痕やデブリと呼ばれる塊が発生し、デブリが付着することに起因して、文字板と重なる部品との間に隙間が生じ、部品がうまく組み立てられないという課題がある。つまり、溶着痕やデブリを除去する工程が必要となり、手間がかかるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
時計用部品セットは、第1面と、前記第1面と表裏関係にある第2面と、前記第1面から前記第2面に貫通する貫通孔と、前記第2面側の前記貫通孔の周囲に設けられた凹部と、を有する文字板と、前記貫通孔に挿入された突起部を有する植えものと、を備え、前記文字板と前記突起部とがレーザー照射により固定された時計用部品セットであって、前記凹部の中に、溶着痕が形成されている。
【0006】
時計用部品セットの製造方法は、第1面と、前記第1面と表裏関係にある第2面と、を有する文字板を準備する工程と、前記文字板に貫通孔を形成する工程と、前記文字板における前記第2面側の前記貫通孔の周囲に凹部を形成する工程と、前記文字板の前記第1面側を加飾する工程と、前記貫通孔に挿入する突起部を有する植えものを準備する工程と、前記第1面側の前記貫通孔に、前記植えものの前記突起部を挿入する工程と、前記第2面側の前記突起部にレーザーを照射し、前記貫通孔と前記植えものの前記突起部とを固定する工程と、を有し、前記固定する工程で発生する溶着痕は、前記凹部内に形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1に示す時計のA部を拡大して示す平面図。
【
図3】
図2に示す時計用部品セットのB-B線に沿う断面図。
【
図10】変形例の時計用部品セットの構成を示す断面図。
【
図11】変形例の時計用部品セットの構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の各図においては、互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸、及びZ軸として説明する。X軸に沿う方向を「X方向」、Y軸に沿う方向を「Y方向」、Z軸に沿う方向を「Z方向」とし、矢印の方向が+方向であり、+方向と反対の方向を-方向とする。なお、+Z方向を「上」又は「上方」、-Z方向を「下」又は「下方」ということもあり、+Z方向及び-Z方向から見ることを平面視あるいは平面的ともいう。また、Z方向+側の面を上面、これと反対側となるZ方向-側の面を下面として説明する。
【0009】
まず、
図1を参照しながら、時計1の構成を説明する。
【0010】
図1に示すように、時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、円筒状のケース2を備え、ケース2の内周側に、文字板10が配置されている。ケース2の二つの開口のうち、表面側の開口は、カバーガラス3で塞がれており、裏面側の開口は裏蓋(図示せず)で塞がれている。
【0011】
時計1は、ケース2内に収容されたムーブメント(図示せず)と、時刻情報を表示する時針4A、分針4B、秒針4Cと、を備えている。文字板10には、カレンダー小窓5が設けられており、カレンダー小窓5から、日車6が視認可能となっている。
【0012】
また、文字板10には、時刻を指示するための植えものとしてのアワーマーク20が設けられている。ケース2の側面には、りゅうず7が設けられている。りゅうず7は、時計1の中心に向かって押し込まれた0段位置から1段位置および2段位置に引き出されて移動することができる。
【0013】
なお、植えものは、アワーマーク20に限定されず、突起部22を有している部品であればよく、例えば、ネーム、エンブレム、小リング、窓枠120(
図11参照)であってもよい。
【0014】
次に、
図2及び
図3を参照しながら、文字板10と、アワーマーク20と、その他の部品30と、を含む時計用部品セット100の構成を説明する。
【0015】
図2及び
図3に示すように、時計用部品セット100は、上記したように、文字板10と、アワーマーク20と、その他の部品30と、を備えている。
【0016】
文字板10は、カバーガラス8側の第1面10aと、第1面10aと表裏関係にある第2面10bと、を有する。また、文字板10には、第1面10aから第2面10bに貫通する円筒形状の貫通孔11が設けられている。文字板10の裏面である第2面10b側には、貫通孔11の領域から周囲の領域に亘って窪んだ部分である凹部12が設けられている。凹部12の形状は、例えば、円筒形状である。
【0017】
アワーマーク20は、カバーガラス8側から見える表示部21と、表示部21と繋がっている突起部22と、を有する。突起部22は、例えば、円柱形状である。突起部22は、文字板10の貫通孔11に挿入され固定されている。固定方法としては、例えば、レーザー照射加工である。
【0018】
アワーマーク20の材質としては、例えば、真鍮が挙げられる。文字板10の材質としても同様に、例えば、真鍮が挙げられる。
【0019】
文字板10の凹部12の直径Dは、例えば、0.5mm~2.0mmである。凹部12の深さHは、例えば、0.1mm~0.2mmである。凹部12の角度θは、例えば、100°~170°である。文字板10の厚みは、例えば、0.4mmである。なお、凹部12の深さHは、文字板10の厚みの2分の1以下であることが好ましい。
【0020】
このように、凹部12に角度θを有していてもよく、凹部12は、円筒形状に限定されず、円錐形状であってもよい(
図10参照)。また、凹部12は、少なくとも円筒形状及び円錐形状のどちらか一方の形状を含むようにしてもよい。これによれば、凹部12の中に隙間をもたせることが可能となり、凹部12の隙間の部分に、形成された溶着痕40や同時に発生したデブリ41を留めておくことができる。よって、溶着痕40やデブリ41を取り除く工程が不要となり、手間がかかることを抑えることができる。
【0021】
凹部12内には、アワーマーク20の突起部22の周辺に、レーザー溶着によって形成された溶着痕40や、同時に発生したデブリ41が付着している。ここで、デブリ41とは、例えば、文字板10にアワーマーク20を固定する際、突起部22にレーザー照射を行ったときに溶解して形成された塊である。凹部12の大きさを適切に設計することで、溶着痕40やデブリ41を凹部12内に収めることが可能である。言い換えると、凹部12の大きさを工夫することで溶着痕40やデブリ41を、文字板10の第2面10bから飛び出さなくすることが可能となる。
【0022】
このように、凹部12内に溶着痕40やデブリ41が付着している、言い換えれば、凹部12の中に溶着痕40やデブリ41が留まっているので、凹部12が無い場合と比較して、第2面10b側に溶着痕40やデブリ41が飛び出すことを抑えることができる。よって、第2面10b側に溶着痕40やデブリ41が飛び出すことに起因して、文字板10と他の部品30との間に隙間が発生し、組み立てに影響を与えることを抑えることができる。その結果、溶着痕40やデブリ41を取り除く工程が不要となり、手間がかかることを抑えることができる。
【0023】
次に、
図4~
図9を参照しながら、時計用部品セット100の製造方法を説明する。
【0024】
図4に示す工程(文字板を準備する工程)では、文字板10を準備する。具体的には、文字板10の第1面10aが下面側になるようにし、第2面10bが上面側になるように配置する。
【0025】
図5に示す工程(貫通孔を形成する工程)では、文字板10に貫通孔11を形成する。具体的には、文字板10の第1面10aから第2面10bに貫通する貫通孔11を形成する。貫通孔11を形成する方法としては、例えば、エンドミルによる切削加工、鍛造加工、鋳造加工などが挙げられる。
【0026】
図6に示す工程(凹部を形成する工程)では、文字板10の第2面10bの側に、凹部12を形成する。具体的には、例えば、貫通孔11を中心に、ドリルで凹部12を形成する。なお、ドリルで凹部12を形成することに限定されず、レーザー加工で凹部12を形成するようにしてもよい。これにより、文字板10における第2面10b側の貫通孔11の周囲に凹部12が形成される。
【0027】
このように、貫通孔11を形成した後に凹部12を形成するので、文字板10の第2面10b側の形成をまとめて行うことができる。よって、かかる工数を少なくすることができる。なお、凹部12を形成した後に、貫通孔11を形成するようにしてもよい。
【0028】
次に、図示はしないが、文字板10の第1面10aを加飾する。具体的には、例えば、プレス加工により、文字板10の第1面10aに模様を形成するなどの加飾を行う(加飾する工程)。
【0029】
このように、加飾する工程を、貫通孔11と凹部12とを形成した後に行うので、加飾した第1面10aに傷が付いたり変形したりすることを抑えることができる。よって、文字板10の美観を担保することができる。
【0030】
図7に示す工程(植えものを準備する工程、突起部を挿入する工程)では、文字板10に、アワーマーク20を固定する。具体的には、突起部22を有するアワーマーク20を準備し、文字板10の貫通孔11に、アワーマーク20の突起部22を挿入する。
【0031】
図8に示す工程(貫通孔と突起部とを固定する工程)では、文字板10の第2面10b側から、アワーマーク20の突起部22にレーザー50を照射する。これにより、突起部22が溶解し溶着痕40やデブリ41となり、凹部12内に溶着痕40やデブリ41を付着させることができる。なお、レーザー照射による固定とは、貫通孔11と突起部22とを、溶着あるいは溶融することによって固定することをいう。なお、レーザー照射で溶着することでデブリ41が発生することもある。
【0032】
図9に示す工程では、更に突起部22にレーザー50を照射して、凹部12内に溶着痕40やデブリ41が収まるようにする。具体的には、突起部22の先端が貫通孔11の中に入り込み、溶着痕40やデブリ41が凹部12内に広がり、これにより、溶着痕40やデブリ41が凹部12内に収まる。つまり、溶着痕が凹部12の中から飛び出さずに収まっている。溶着することでふくらみが生じるが、これは溶着痕による膨らみであり、そこにはデブリ41も付着していることもある。
【0033】
なお、凹部12内に溶着痕40やデブリ41を収める方法として、レーザー50の照射条件が重要となる。照射するレーザー50のパワーとしては、文字板10の第1面10aに施した加飾に影響を与えない程度のパワーである。レーザー50は、例えば、μmレベルのパルス幅である。
【0034】
以上のような製造方法によれば、凹部12内に溶着痕40やデブリ41を付着させる、言い換えれば、凹部12の中に溶着痕40やデブリ41を留まらせているので、凹部12が無い場合と比較して、第2面10b側に溶着痕40やデブリ41が飛び出すことを抑えることができる。よって、第2面10b側に溶着痕40やデブリ41が飛び出すことに起因する、文字板10と他の部品30との間に隙間が発生し、組み立てに影響を与えることを抑えることができる。その結果、溶着痕40やデブリ41を取り除く工程が不要となり、手間がかかることを抑えることができる。
【0035】
以上述べたように、本実施形態の時計用部品セット100は、第1面10aと、第1面10aと表裏関係にある第2面10bと、第1面10aから第2面10bに貫通する貫通孔11と、第2面10b側の貫通孔11の周囲に設けられた凹部12と、を有する文字板10と、貫通孔11に挿入された突起部22を有するアワーマーク20と、を備え、文字板10と突起部22とがレーザー照射により固定された時計用部品セット100であって、凹部12内に、溶着痕40やデブリ41が形成されている。
【0036】
この構成によれば、凹部12内に溶着痕40やデブリ41が形成されている、言い換えれば、凹部12の中に溶着痕40やデブリ41が留まっているので、凹部12が無い場合と比較して、第2面10b側に溶着痕40やデブリ41が飛び出すことを抑えることができる。よって、第2面10b側に溶着痕40やデブリ41が飛び出すことに起因して、文字板10と他の部品30との間に隙間が発生し、組み立てに影響を与えることを抑えることができる。その結果、溶着痕40やデブリ41を取り除く工程が不要となり、手間がかかることを抑えることができる。また、溶着痕40やデブリ41が突出しないので、文字板10と他の部品30との組み合わせが綺麗になるので、時計用部品セット100としての美観を担保することができる。
【0037】
また、本実施形態の時計用部品セット100において、凹部12は、少なくとも円筒形状及び円錐形状のどちらか一方の形状を含むことが好ましい。この構成によれば、凹部12が円筒形状や円錐形状を含むので、凹部12の中に隙間をもたせることが可能となり、凹部12の隙間の部分に、発生した溶着痕40やデブリ41を留めておくことができる。よって、溶着痕40やデブリ41を取り除く工程が不要となり、手間がかかることを抑えることができる。
【0038】
また、本実施形態の時計用部品セット100において、植えものは、アワーマーク20、ネーム、エンブレム、小リング、窓枠120(
図11参照)であることが好ましい。この構成によれば、植えものとしては、上記に記載のものを挙げることができるので、上記の部品に設けられた突起部22と文字板10とを固定することができると共に、効率よく組み立てを行うことができる。
【0039】
また、本実施形態の時計用部品セット100の製造方法は、第1面10aと、第1面10aと表裏関係にある第2面10bと、を有する文字板10を準備する工程と、文字板10に貫通孔11を形成する工程と、文字板10における第2面10b側の貫通孔11の周囲に凹部12を形成する工程と、文字板10の第1面10a側を加飾する工程と、貫通孔11に挿入する突起部22を有するアワーマーク20を準備する工程と、第1面10a側の貫通孔11に、アワーマーク20の突起部22を挿入する工程と、第2面10b側の突起部22にレーザー50を照射し、貫通孔11と突起部22とを固定する工程と、を有し、固定する工程で発生する溶着痕、即ち、溶着痕40やデブリ41は、凹部12内に付着している。
【0040】
この方法によれば、凹部12内に溶着痕40やデブリ41が付着している、言い換えれば、凹部12の中に溶着痕40やデブリ41を留まらせているので、凹部12が無い場合と比較して、第2面10b側に溶着痕40やデブリ41が飛び出すことを抑えることができる。よって、第2面10b側に溶着痕40やデブリ41が飛び出すことに起因する、文字板10と他の部品30との間に隙間が発生し、組み立てに影響を与えることを抑えることができる。その結果、溶着痕40やデブリ41を取り除く工程が不要となり、手間がかかることを抑えることができる。
【0041】
また、本実施形態の時計用部品セット100の製造方法は、貫通孔11を形成する工程の後に、凹部12を形成する工程を行うことが好ましい。この方法によれば、貫通孔11を形成した後に凹部12を形成するので、文字板10の第2面10b側の形成をまとめて行うことができる。よって、かかる工数を少なくすることができる。
【0042】
また、本実施形態の時計用部品セット100の製造方法は、貫通孔11を形成する工程、及び、凹部12を形成する工程、の後に、加飾する工程を行うことが好ましい。この方法によれば、加飾する工程を、貫通孔11と凹部12とを形成した後に行うので、加飾した第1面10aに傷が付いたり変形したりすることを抑えることができる。よって、文字板10の美観を担保することができる。
【0043】
以下、上記した実施形態の変形例を説明する。
【0044】
上記したように、凹部12の底部の角度θは、100°~170°であることが好ましく、
図3に示すように、角度θが略水平に近い状態、即ち、円筒形状であることに限定されず、
図10に示すように、角度θが170°程度であり、深さH1を有し、底部が大きく傾斜する、即ち、円錐形状のようになっていてもよい。具体的には、
図10に示す変形例の時計用部品セット101の凹部12aは、円筒形状と円錐形状とが組み合わさった形状である。
【0045】
上記したように、凹部12は、底部と側壁とを有する円筒形状であることに限定されず、
図11に示すように、円錐形状のみで形成するようにしてもよい。
図11に示すように、変形例の時計用部品セット102の凹部12bは、鉛直方向に側壁がなく、深さH2を有し、テーパー形状になっている。更に、植えものとしてアワーマーク20に限定されず、窓枠120のような中空の突起部122や枠121を有していてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…時計、2…ケース、4A…時針、4B…分針、4C…秒針、5…カレンダー小窓、6…日車、8…カバーガラス、10…文字板、10a…第1面、10b…第2面、11…貫通孔、12…凹部、12a…凹部、12b…凹部、20…植えものとしてのアワーマーク、21…表示部、22…突起部、30…他の部品、40…デブリ、100,101,102…時計用部品セット、120…植えものとしての窓枠、121…枠、122…突起部。