(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001532
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F24F 1/28 20110101AFI20231227BHJP
F24F 1/36 20110101ALI20231227BHJP
【FI】
F24F1/28
F24F1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100242
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 航輝
(72)【発明者】
【氏名】日野 尚宣
(72)【発明者】
【氏名】赤池 佳行
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BC02
3L054BD07
(57)【要約】
【課題】メンテナンスを容易に実施することができる空気調和装置を提供することである。
【解決手段】実施形態の空気調和装置は、第1ユニットと、第2ユニットと、架台と、冷媒配管と、カバーと、締結部材と、を持つ。第1ユニットは、吸熱器および放熱器の一方として機能する第1熱交換器を備える。第2ユニットは、吸熱器および放熱器の他方として機能する第2熱交換器を備える。架台は、第1ユニットおよび第2ユニットを上方に固定する。冷媒配管は、第1ユニットおよび第2ユニットの下方に配置され、第1ユニットと第2ユニットとの間を接続する。カバーは、冷媒配管を覆う。締結部材は、第1ユニット、第2ユニットおよび架台のうち少なくとも一つに対してカバーを締結する。締結部材は、締結位置から第1方向に移動して離脱可能である。締結位置の第1方向には、第1ユニットおよび第2ユニットが存在しない。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸熱器および放熱器の一方として機能する第1熱交換器を備えた第1ユニットと、
前記吸熱器および前記放熱器の他方として機能する第2熱交換器を備えた第2ユニットと、
前記第1ユニットおよび前記第2ユニットを上方に固定する架台と、
前記第1ユニットおよび前記第2ユニットの下方に配置され、前記第1ユニットと前記第2ユニットとの間を接続する冷媒配管と、
前記冷媒配管を覆うカバーと、
前記第1ユニット、前記第2ユニットおよび前記架台のうち少なくとも一つに対して前記カバーを締結し、締結位置から第1方向に移動して離脱可能な締結部材と、を有し、
前記締結位置の前記第1方向には、前記第1ユニットおよび前記第2ユニットが存在しない、
空気調和装置。
【請求項2】
前記締結位置の前記第1方向は、外部に連通する、
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記カバーの底板は、水平面に対して傾斜している、
請求項1または2に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置は、第1ユニットと、第2ユニットと、を有する。第1ユニットは、吸熱器および放熱器の一方として機能する第1熱交換器を備える。第2ユニットは、吸熱器および放熱器の他方として機能する第2熱交換器を備える。一体型の空気調和装置では、第1ユニットおよび第2ユニットが並んで、架台の上方に固定される。空気調和装置は、第1ユニットと第2ユニットとの間を接続する冷媒配管を有する。冷媒配管は、第1ユニットおよび第2ユニットの下方に配置される。空気調和装置は、冷媒配管を覆うカバーを有する。メンテナンスを容易に実施することができる空気調和装置が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-32520号公報
【特許文献2】特開2017-67371号公報
【特許文献3】特開2010-117103号公報
【特許文献4】国際公開第2017/138132号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、メンテナンスを容易に実施することができる空気調和装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の空気調和装置は、第1ユニットと、第2ユニットと、架台と、冷媒配管と、カバーと、締結部材と、を持つ。第1ユニットは、吸熱器および放熱器の一方として機能する第1熱交換器を備える。第2ユニットは、吸熱器および放熱器の他方として機能する第2熱交換器を備える。架台は、第1ユニットおよび第2ユニットを上方に固定する。冷媒配管は、第1ユニットおよび第2ユニットの下方に配置され、第1ユニットと第2ユニットとの間を接続する。カバーは、冷媒配管を覆う。締結部材は、第1ユニット、第2ユニットおよび架台のうち少なくとも一つに対してカバーを締結する。締結部材は、締結位置から第1方向に移動して離脱可能である。締結位置の第1方向には、第1ユニットおよび第2ユニットが存在しない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図8】
図4のVIII-VIII線における断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の空気調和装置を、図面を参照して説明する。
図1は、空気調和装置の斜視図である。空気調和装置1は、第1ユニット10と、第2ユニット20と、架台30と、冷媒配管8と、を有する。第1ユニット10および第2ユニット20は、架台30の上方に並んで配置される。
【0008】
本願において、直交座標系のZ方向、X方向およびY方向が以下のように定義される。Z方向は鉛直方向であり、+Z方向は上方向である。X方向およびY方向は水平方向である。Y方向は、架台30の長手方向であり、空気調和装置1の幅方向である。+Y方向は、第2ユニット20から第1ユニット10に向かう方向である。X方向は、架台30の短手方向であり、空気調和装置1の奥行方向である。+X方向は、空気調和装置1の背面から正面に向かう方向である。
【0009】
第1ユニット10は室内ユニットであり、第2ユニット20は室外ユニットである。第1ユニット10は、吸熱器および放熱器の一方として機能する第1熱交換器11を備える。第2ユニット20は、吸熱器および放熱器の他方として機能する第2熱交換器21を備える。空気調和装置1は、一体型の空気調和装置である。一体型の空気調和装置1は、第1ユニット10および第2ユニット20を一体として室外に配置する。室内ユニットである第1ユニット10は、ダクト(不図示)により室内に接続される。例えば、空気調和装置1は2台の第2ユニット20を有する。第2ユニット20の台数は、1台でもよく、3台以上でもよい。
【0010】
一体型の空気調和装置1では、室内ユニットである第1ユニット10が室外に配置されるので、室内の専有スペースが小さい。第1ユニット10が室外に配置されるので、室内でのメンテナンス作業が少ない。第1ユニット10が室外に配置されるので、室内で動作音が感知されにくい。第1ユニット10が室外に配置されるので、第1ユニット10と第2ユニット20との間に、予め冷媒配管8を接続しておくことができる。空気調和装置1の設置場所において、冷媒配管8の接続工事が不要である。
【0011】
図2は、空気調和装置の冷凍サイクル回路の概念図である。空気調和装置1は、冷凍サイクル回路を有する。冷凍サイクル回路は、圧縮機2と、四方弁3と、第2熱交換器21と、膨張装置5と、第1熱交換器11と、これらに冷媒を流通させる冷媒配管8と、を有する。圧縮機2、四方弁3、第2熱交換器21および膨張装置5は、第2ユニット20に収容される。第1熱交換器11は、第1ユニット10に収容される。膨張装置5は、第1ユニット10に収容されてもよい。
【0012】
圧縮機2は、内部に取り込まれる低圧の気体冷媒を圧縮して高温・高圧の気体冷媒にする。圧縮機2の上流側にアキュムレータ2bが配置される。アキュムレータ2bは、気液二相冷媒を分離して、気体冷媒を圧縮機2に供給する。
【0013】
四方弁3は、第2熱交換器21、膨張装置5および第1熱交換器11の冷媒配管8における冷媒の流通方向を逆転させる。
四方弁3が
図2の状態にあるとき、圧縮機2から吐出された冷媒は、第2熱交換器21、膨張装置5、第1熱交換器11の順に流通する。このとき、第2熱交換器21は凝縮器(放熱器)として機能し、第1熱交換器11は蒸発器(吸熱器)として機能する。
四方弁3が
図2の状態から切り換わると、圧縮機2から吐出された冷媒は、第1熱交換器11、膨張装置5、第2熱交換器21の順に流通する。このとき、第1熱交換器11は凝縮器(放熱器)として機能し、第2熱交換器21は蒸発器(吸熱器)として機能する。
【0014】
凝縮器は、圧縮機2から吐出される高温・高圧の気体冷媒から放熱して、高温・高圧の気体冷媒を高圧の液体冷媒にする。
膨張装置5は、凝縮器から送り込まれる高圧の液体冷媒の圧力を下げ、高圧の液体冷媒を低温・低圧の気液二相冷媒にする。例えば、膨張装置5は膨張弁である。
蒸発器は、膨張装置5から送り込まれる気液二相冷媒を低圧の気体冷媒にする。蒸発器を通過した低圧の気体冷媒は、アキュムレータ2bを介して、上述した圧縮機2の内部に取り込まれる。
【0015】
このように、冷凍サイクル回路では、作動流体である冷媒が気体と液体との間で相変化しながら循環する。冷媒は、気体から液体に相変化する過程で放熱し、液体から気体に相変化する過程で吸熱する。第1ユニット10の第1熱交換器11では、冷媒配管8の内部を流通する冷媒と、冷媒配管8の外部を流通する空気との間で、熱交換が行われる。第1熱交換器11の外側を通過した空気は、ダクト(不図示)を介して室内に導入される。空気調和装置1により、室内の暖房および冷房が行われる。
【0016】
空気調和装置1は、第1ユニット10と第2ユニット20との間を接続する冷媒配管8を有する。一体型の空気調和装置1では、第1ユニット10と第2ユニット20との間に、予め冷媒配管8が接続されている。空気調和装置1は、予め冷媒配管8が接続された状態で、設置場所まで運搬されて設置される。
【0017】
図3は、空気調和装置の分解斜視図である。
図4は、空気調和装置の底面図である。
図4では、カバー40,50の記載を省略しつつ、カバー40,50の外形を二点鎖線で示している。
【0018】
架台30は、第1ユニット10および第2ユニット20を+Z方向(上方)に固定する。架台30は、一対のメインフレーム(長手チャンネル)31m,31nと、複数のサブフレーム(短手チャンネル)32a-32eと、を有する。一対のメインフレーム31m,31nおよび複数のサブフレーム32a-32eは、断面がU字状の鋼材により形成される。
【0019】
一対のメインフレーム31m,31nは、Y方向に伸びる。一対のメインフレーム31m,31nは、架台30のX方向の両端に配置される。一対のメインフレーム31m,31nは、相互に平行に配置される。第1ユニット10および第2ユニット20は、一対のメインフレーム31m,31nに固定される。
【0020】
複数のサブフレーム32a-32eは、X方向に伸びる。複数のサブフレーム32a-32eは、一対のメインフレーム31m,31nの間に配置される。複数のサブフレーム32a-32eのX方向の両端部は、一対のメインフレーム31m,31nに接続される。複数のサブフレーム32a-32eは、Y方向に並んで、相互に平行に配置される。複数のサブフレーム32a-32eは、-Y方向から+Y方向にかけて、第1サブフレーム32a、第2サブフレーム32b、第3サブフレーム32c、第4サブフレーム32dおよび第5サブフレーム32eを有する。
【0021】
空気調和装置1の運搬用の木台39が、架台30の-Z方向に装着される。木台39により、架台30と地面との間に隙間が形成される。空気調和装置1の運搬時に、フォークリフトの爪が、架台30と地面との隙間に差し込まれる。空気調和装置1の設置場所において、木台39が架台30から取り外されて、空気調和装置1が設置される。
【0022】
冷媒配管8は、第1ユニット10と第2ユニット20との間を跨いで配置される。冷媒配管8は、第1ユニット10および第2ユニット20の+X方向の端部付近に配置される。冷媒配管8は、第1ユニット10および第2ユニット20の-Z方向(下方)に配置される。第1ユニット10と第2ユニット20との間の-Z方向には、第3サブフレーム32cが存在する。第3サブフレーム32cの+Z方向に切欠きが形成され、切欠きの内側に冷媒配管8が配置される。第2ユニット20の-Z方向には、第1サブフレーム32aおよび第2サブフレーム32bが存在する。第1サブフレーム32aおよび第2サブフレーム32bの+Z方向の端部は、一対のメインフレーム31m,31nの+Z方向の端部より、-Z方向に配置される。第2サブフレーム32bの+Z方向に、冷媒配管8が配置される。
【0023】
空気調和装置1は、カバー40,50と、カバー40,50の締結部材と、を有する。
カバー40,50は、鋼板材料等により形成される。カバー40,50は、冷媒配管8を覆う。カバー40,50は、締結部材により、第1ユニット10、第2ユニット20および架台30のうち少なくとも一つに対して締結される。締結部材は、ビス、ネジ、ボルト、ナット等である。カバー40,50は、第1カバー40と、第2カバー50と、を有する。第1カバー40は第1ユニット10の-Z方向に配置され、第2カバー50は第2ユニット20の-Z方向に配置される。
【0024】
図1では、第1ユニット10の+X方向の表板の記載が省略されている。
図1に示されるように、冷媒配管8は、第1熱交換器11から-Z方向に伸びる。第1熱交換器11の-Z方向には、制御箱13が配置される。制御箱13は、第1ユニット10の-Z方向、+X方向および+Y方向の角部に配置される。冷媒配管8は、制御箱13の-Y方向を通って、-Z方向に伸びる。
【0025】
図5は、
図4のV-V線における断面図である。冷媒配管8は、第1ユニット10の底面12の-Z方向に伸びる。冷媒配管8の-Z方向の端部は、制御箱13の-Z方向であって、一対のメインフレーム31m,31nの間に配置される。冷媒配管8の-X方向の端部は、制御箱13の-X方向に配置される。
【0026】
第1カバー40は、箱状に形成され、内側に冷媒配管8を収容する。第1カバー40は、制御箱13の-Y方向に配置される(
図6参照)。第1カバー40の-Z方向の端部は、制御箱13の-Z方向であって、一対のメインフレーム31m,31nの間に配置される。第1カバー40の-X方向の端部は、制御箱13の-X方向に配置される。
【0027】
図6は、第1カバーの周辺の背面側からの斜視図である。
図7は、第1カバーの周辺の正面側からの斜視図である。
図6および
図7では、第1ユニット10の大部分、第2ユニット20の全部および冷媒配管8の記載が省略されている。
【0028】
図6に示されるように、第1カバー40は、一部が開口する直方体の箱状に形成される。第1カバー40の-Y方向および+X方向は、全部が開口する。第1カバー40の+Z方向は、+X方向の約半分が開口する。第1カバー40の+Y方向は、+X方向および+Z方向の角部が四角形に開口する。箱状の第1カバー40の内側に、冷媒配管8が収容される。
【0029】
図6に示されるように、第1ユニット10は、仕切板14を有する。仕切板14は、制御箱13の-X方向および±Z方向を覆う。仕切板14の+Z方向の一部は、-Y方向に伸びる。
【0030】
第1カバー40は、制御箱13の-Y方向に配置される。第1カバー40は、+Z方向の天板の+X方向の端辺から+Z方向に伸びる取付板44を有する。第1カバー40は、+Y方向の側板の+X方向の端辺から+Y方向に伸びる取付板44を有する。取付板44は、仕切板14の-X方向に配置される。仕切板14および取付板44には貫通孔が形成される。締結部材45が、仕切板14の+X方向から-X方向に移動して、仕切板14および取付板44の貫通孔に進入する。締結部材45は、取付板44の貫通孔に形成された雌ねじに螺合する。締結部材45により、第1ユニット10の仕切板14に対して第1カバー40が締結される。
【0031】
図7に示されるように、第1カバー40は、第3サブフレーム32cの+Y方向に配置される。第1カバー40は、-X方向の背板の-Y方向の端辺から-X方向に伸びる取付板48を有する。取付板48および第3サブフレーム32cには貫通孔が形成される。締結部材49が、取付板48の+Y方向から-Y方向に移動して、取付板48および第3サブフレーム32cの貫通孔に進入する。締結部材49は、第3サブフレーム32cの貫通孔に形成された雌ねじに螺合する。締結部材49により、架台30の第3サブフレーム32cに対して第1カバー40が締結される。以上により、第1カバー40が空気調和装置1に固定される。
【0032】
図5に示されるように、空気調和装置1の運搬時には、フォークリフトの爪Fが、架台30の-Z方向に差し込まれる。爪Fが、空気調和装置1の-X方向の背面側から、+X方向に差し込まれる場合がある。爪Fが、空気調和装置1の+X方向の端部に配置された冷媒配管8に向かって差し込まれる可能性がある。冷媒配管8の-X方向および-Z方向は、第1カバー40により覆われる。第1カバー40は、爪Fとの当接から冷媒配管8を保護し、冷媒配管8の破損を抑制する。第1カバー40は、爪Fとの当接以外の外的要因からも、冷媒配管8を保護する。
【0033】
図8は、
図4のVIII-VIII線における断面図である。第2ユニット20の-Z方向において、冷媒配管8はY方向に伸びる。
【0034】
第2カバー50は、Y方向に垂直な断面においてL字形状である。第2カバー50は、底板51および背板52を有する。底板51は、冷媒配管8の-Z方向に配置される。背板52は、冷媒配管8の-X方向に配置される。第2カバー50は、底板51および背板52の内側に冷媒配管8を収容する。
【0035】
第2カバー50の底板51は、水平面(XY平面)に対して傾斜している。底板51は、+X方向および-Z方向に傾斜する。底板51に落下した水滴は、重力により+X方向および-Z方向に移動する。底板51の+X方向の端辺の一部と、架台30のメインフレーム31mとの間には、隙間が存在する。すなわち、底板51は-Z方向の端部(下端部)に開口を有する。水滴は、隙間から落下し、底板51に残りにくい。第2カバー50の腐食が抑制される。
【0036】
図9は、第2カバーの周辺の正面側からの斜視図である。
図9では、第1ユニット10の大部分、第2ユニット20の全部および冷媒配管8の記載が省略されている。第1サブフレーム32aおよび第2サブフレーム32bの+Z方向の端部は、一対のメインフレーム31m,31nの+Z方向の端部より-Z方向に配置される。第2カバー50の底板51の-X方向の端部は、第1サブフレーム32aおよび第2サブフレーム32bの+Z方向の端部より、+Z方向に配置される。底板51の+X方向の端部は、第1サブフレーム32aおよび第2サブフレーム32bの+Z方向の端部より、-Z方向に配置される。底板51の+X方向の端部に、切欠き53が形成される。切欠き53の内側に、第1サブフレーム32aおよび第2サブフレーム32bが配置される。
【0037】
第2カバー50は、底板51の-Y方向の端部から-Z方向に伸びる取付板56を有する。取付板56は、第1サブフレーム32aの-Y方向に配置される。取付板56および第1サブフレーム32aには貫通孔が形成される。締結部材57が、取付板56の-Y方向から+Y方向に移動して、取付板56および第1サブフレーム32aの貫通孔に進入する。締結部材57は、第1サブフレーム32aの貫通孔に形成された雌ねじに螺合する。締結部材57により、架台30の第1サブフレーム32aに対して第2カバー50が締結される。
【0038】
図7に示されるように、第2カバー50は、背板52の+Y方向の端部から-X方向に伸びる取付板58を有する。取付板58は、第3サブフレーム32cの-Y方向に配置される。第3サブフレーム32cおよび取付板58には貫通孔が形成される。締結部材59が、第3サブフレーム32cの+Y方向から-Y方向に移動して、第3サブフレーム32cおよび取付板58の貫通孔に進入する。締結部材59は、取付板58の貫通孔に形成された雌ねじに螺合する。締結部材59により、架台30の第3サブフレーム32cに対して第2カバー50が締結される。
【0039】
図8に示されるように、空気調和装置1の運搬時には、フォークリフトの爪Fが、架台30の-Z方向に差し込まれる。爪Fが、空気調和装置1の-X方向の背面側から、+X方向に差し込まれる場合がある。爪Fが、空気調和装置1の+X方向の端部に配置された冷媒配管8に向かって差し込まれる可能性がある。冷媒配管8の-X方向および-Z方向は、第2カバー50により覆われる。第2カバー50は、爪Fとの当接から冷媒配管8を保護し、冷媒配管8の破損を抑制する。第2カバー50は、爪Fとの当接以外の外的要因からも、冷媒配管8を保護する。
【0040】
空気調和装置1のメンテナンス方法について説明する。
空気調和装置1のメンテナンスでは、冷媒配管8における冷媒漏れの有無が確認される。第1カバー40および第2カバー50を取り外して、冷媒配管8の状態が確認される。
【0041】
第1カバー40の取り外し方法について説明する。
図6に示されるように、第1カバー40の締結部材45は、締結位置から+X方向(第1方向)に移動して離脱可能である。作業者は、第1ユニット10の+X方向の表板(不図示)を取り外し、締結部材45の+X方向を外部に露出させる。作業者は、締結部材45を+X方向に移動させて、第1ユニット10から離脱させる。締結部材45の締結位置の+X方向には第1ユニット10および第2ユニット20が存在しない。第1ユニット10および第2ユニット20を架台30から取り外さなくても、締結部材45の離脱作業が実施可能である。締結部材45の+X方向が外部に連通するので、締結部材45の離脱作業は容易である。締結部材45の離脱により、第1カバー40が第1ユニット10から取り外される。
【0042】
図7に示されるように、第1カバー40の締結部材49は、締結位置から+Y方向(第1方向)に移動して離脱可能である。
図5に示されるように、第1ユニット10の-X方向の背面における-Z方向の端部には、開口18が存在する。作業者は、開口18から工具を挿入して、締結部材49を+Y方向に移動させ、架台30から離脱させる。締結部材49の締結位置の+Y方向には第1ユニット10および第2ユニット20が存在しない。第1ユニット10および第2ユニット20を架台30から取り外さなくても、締結部材49の離脱作業が実施可能である。締結部材49の離脱により、第1カバー40が架台30から取り外される。以上により、第1カバー40が空気調和装置1から取り外される。
【0043】
図10は、カバーの取り外し方法の説明図である。第1カバー40の+Y方向には第4サブフレーム32dが存在する。作業者は、空気調和装置1から取り外された第1カバー40を、第4サブフレーム32dの近くまで、+Y方向に移動させる。第1カバー40に覆われていた冷媒配管8が露出する。
【0044】
第2カバー50の取り外し方法について説明する。
図7に示されるように、第2カバー50の締結部材59は、締結位置から+Y方向(第1方向)に移動して離脱可能である。作業者は、
図5に示される開口18から工具を挿入して、締結部材59を+Y方向に移動させ、架台30から離脱させる。締結部材59の締結位置の+Y方向には第1ユニット10および第2ユニット20が存在しない。第1ユニット10および第2ユニット20を架台30から取り外さなくても、締結部材59の離脱作業が実施可能である。
【0045】
図9に示されるように、第2カバー50の締結部材57は、締結位置から-Y方向(第1方向)に移動して離脱可能である。作業者は、締結部材57を-Y方向に移動させて、架台30から離脱させる。締結部材57の締結位置の-Y方向には第1ユニット10および第2ユニット20が存在しない。第1ユニット10および第2ユニット20を架台30から取り外さなくても、締結部材57の離脱作業が実施可能である。締結部材57の-Y方向が外部に連通しているので、締結部材57の離脱作業は容易である。締結部材59および締結部材57の離脱により、第2カバー50が架台30および空気調和装置1から取り外される。
【0046】
図10に示されるように、第2カバー50の-Y方向は外部に露出している。作業者は、空気調和装置1から取り外された第2カバー50を-Y方向に移動させて、空気調和装置1の外部に取り出す。第2カバー50に覆われていた冷媒配管8が露出する。冷媒配管8の全体が露出した状態で、冷媒配管8における冷媒漏れの有無が確認される。
【0047】
空気調和装置1のメンテナンスの終了後に、第1カバー40および第2カバー50が空気調和装置1に再装着されてもよい。前述されたように、締結部材45,49,57,59の離脱方向には第1ユニット10および第2ユニット20が存在しない。離脱方向の逆方向が、締結部材45,49,57,59の装着方向である。第1ユニット10および第2ユニット20を架台30から取り外さなくても、締結部材59の装着作業が実施可能である。
【0048】
以上に詳述されたように、実施形態の空気調和装置1は、第1ユニット10と、第2ユニット20と、架台30と、冷媒配管8と、カバー40,50と、締結部材45,49,57,59と、を持つ。第1ユニット10は、吸熱器および放熱器の一方として機能する第1熱交換器11を備える。第2ユニット20は、吸熱器および放熱器の他方として機能する第2熱交換器21を備える。架台30は、第1ユニット10および第2ユニット20を+Z方向に固定する。冷媒配管8は、第1ユニット10および第2ユニット20の-Z方向に配置され、第1ユニット10と第2ユニット20との間を接続する。カバー40,50は、冷媒配管8を覆う。締結部材45,49,57,59は、第1ユニット10、第2ユニット20および架台30のうち少なくとも一つに対してカバー40,50を締結する。締結部材45,49,57,59は、締結位置から第1方向に移動して離脱可能である。締結位置45,49,57,59の第1方向には、第1ユニット10および第2ユニット20が存在しない。
【0049】
第1ユニット10および第2ユニット20を架台30から取り外さなくても、締結部材45,49,57,59を締結位置から第1方向に移動させて離脱させることができる。締結部材45,49,57,59の離脱により、カバー40,50が取り外されて、冷媒配管8が露出する。メンテナンスを容易に実施することができる。
【0050】
締結位置の第1方向は、外部に連通する。締結位置の第1方向には、締結部材45,49,57,59の離脱作業を実施可能な空間が存在する。作業者は、空気調和装置1の外部からその空間にアクセスすることができる。作業者は、その空間において締結部材45,49,57,59の離脱作業に必要な工具を取り扱うことができる。
締結部材45,49,57,59の離脱作業が容易である。
【0051】
第2カバー50の底板51は、水平面に対して傾斜し、下端部に開口を有する。
底板51に落下した水滴は、重力により下端部に向かって移動し、開口から落下する。第2カバー50の腐食が抑制される。
【0052】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、締結位置の第1方向に第1ユニット10および第2ユニット20が存在しない締結部材45,49,57,59を持つ。これにより、メンテナンスを容易に実施することができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
1…空気調和装置、8…冷媒配管、10…第1ユニット、11…第1熱交換器、20…第2ユニット、21…第2熱交換器、30…架台、40…第1カバー(カバー)、45…締結部材、49…締結部材、50…第2カバー(カバー)、51…底板、57…締結部材、59…締結部材。