(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153200
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】釣竿保持具
(51)【国際特許分類】
A01K 97/10 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
A01K97/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066960
(22)【出願日】2023-04-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】521209742
【氏名又は名称】株式会社島村技建コンサルタント
(74)【代理人】
【識別番号】100160543
【弁理士】
【氏名又は名称】河野上 正晴
(72)【発明者】
【氏名】島村 義隆
【テーマコード(参考)】
2B109
【Fターム(参考)】
2B109CA47
2B109CA51
(57)【要約】
【課題】小型且つ軽量で、欄干への容易に装着及び脱着が可能で、釣竿の固定角度の調整及び固定が容易であり、安価な釣竿保持具を提供する。
【解決手段】釣竿を保持するための金属線で構成された本体部を含む釣竿保持具であって、本体部は、本体部の前端部に位置する前方受け部、本体部の後端部に位置する第1の後方受け部、及び前方受け部と第1の後方受け部との間の中央部を備え、前方受け部は、第1の開口部を有する第1の凹部を備え、第1の開口部を介して竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能且つ第1の凹部に対し竿先側の持ち手を下方向に押し付けて配置可能に構成され、第1の後方受け部は、第2の開口部を有する第2の凹部を備え、第2の開口部を介して竿尻側の持ち手を釣竿保持具の幅方向に出し入れ可能且つ第2の凹部に対し竿尻側の持ち手を上方向に押し付けて配置可能に構成された、釣竿保持具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣竿を保持するための金属線で構成された本体部を含む釣竿保持具であって、
前記本体部は、前記本体部の前端部に位置する前方受け部、前記本体部の後端部に位置する第1の後方受け部、及び前記前方受け部と前記第1の後方受け部との間の中央部を備え、
前記前方受け部は、第1の開口部を有する第1の凹部を備え、前記第1の開口部を介して前記釣竿の竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能且つ前記第1の凹部に対し前記釣竿の竿先側の持ち手を下方向に押し付けて配置可能に構成され、
前記第1の後方受け部は、第2の開口部を有する第2の凹部を備え、前記第2の開口部を介して前記釣竿の竿尻側の持ち手を前記釣竿保持具の幅方向に出し入れ可能且つ前記第2の凹部に対し前記釣竿の竿尻側の持ち手を上方向に押し付けて配置可能に構成された、
釣竿保持具。
【請求項2】
第1の固定部及び第2の固定部をさらに含み、
前記第1の固定部は、前記本体部の中央部を第1の被固定部に固定可能に構成され、
前記第2の固定部は、前記本体部の後端部を、前記第1の被固定部よりも下方に位置する第2の被固定部に固定可能に構成される、
請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項3】
前記第1の固定部は、伸縮可能な部材で構成される、請求項2に記載の釣竿保持具。
【請求項4】
前記第1の固定部は、伸縮可能なゴムを含む、請求項3に記載の釣竿保持具。
【請求項5】
前記第2の固定部は、長さ調節が可能な1つまたは2つ以上の部材で構成される、請求項2に記載の釣竿保持具。
【請求項6】
前記第2の固定部は、長さ調節が可能な紐を含む、請求項5に記載の釣竿保持具。
【請求項7】
前記第2の固定部は、前記長さ調節が可能な1つまたは2つ以上の部材と接続可能な接続部を含む、請求項5に記載の釣竿保持具。
【請求項8】
前記前方受け部が、前記第1の開口部を有する第1の凹部の反対側に第3の開口部を有する第3の凹部をさらに備え、前記第3の開口部を介して前記釣竿の竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能且つ前記第3の凹部に対し前記釣竿の竿先側の持ち手を下方向に押し付けて配置可能に構成され、
前記本体部が、前記本体部の後端部に位置し、前記本体部を対称面として前記第1の後方受け部と鏡像対称である第2の後方受け部をさらに備え、
前記第2の後方受け部は、第4の開口部を有する第4の凹部を備え、前記第4の開口部を介して前記釣竿の竿尻側の持ち手を前記釣竿保持具の幅方向に出し入れ可能且つ前記第4の凹部に対し前記釣竿の竿尻側の持ち手を上方向に押し付けて配置可能に構成された、
請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項9】
前記金属線はステンレス製である、請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項10】
前記金属線は1~7mmの直径を有する、請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項11】
前記金属線は、表面が滑り止め加工されている、請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項12】
前記金属線は樹脂で被覆されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の釣竿保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、釣り人が魚釣を行っているときに、一休みするとき、複数の釣竿を仕掛けるとき、待ち釣をするとき等に釣竿から両手を離したいときがあり、そのために釣竿を固定するための種々の釣竿保持具が使用されている(特許文献1~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実登3054498号公報
【特許文献2】特開2003-088286号公報
【特許文献3】特開平11-169046号公報
【特許文献4】特開2012-135275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の釣竿保持具は、大型なもの、重量が大きいもの、装着及び脱着に手間がかかるもの、釣竿の固定角度の調整が難しいもの、欄干に釣竿を固定ができないもの、及び高価なものが多い。
【0005】
したがって、小型且つ軽量で、欄干へ容易に装着及び脱着が可能で、釣竿の固定角度の調整が容易であり、安価な釣竿保持具が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)釣竿を保持するための金属線で構成された本体部を含む釣竿保持具であって、
前記本体部は、前記本体部の前端部に位置する前方受け部、前記本体部の後端部に位置する第1の後方受け部、及び前記前方受け部と前記第1の後方受け部との間の中央部を備え、
前記前方受け部は、第1の開口部を有する第1の凹部を備え、前記第1の開口部を介して前記釣竿の竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能且つ前記第1の凹部に対し前記釣竿の竿先側の持ち手を下方向に押し付けて配置可能に構成され、
前記第1の後方受け部は、第2の開口部を有する第2の凹部を備え、前記第2の開口部を介して前記釣竿の竿尻側の持ち手を前記釣竿保持具の幅方向に出し入れ可能且つ前記第2の凹部に対し前記釣竿の竿尻側の持ち手を上方向に押し付けて配置可能に構成された、
釣竿保持具。
(2)第1の固定部及び第2の固定部をさらに含み、
前記第1の固定部は、前記本体部の中央部を第1の被固定部に固定可能に構成され、
前記第2の固定部は、前記本体部の後端部を、前記第1の被固定部よりも下方に位置する第2の被固定部に固定可能に構成される、
上記(1)に記載の釣竿保持具。
(3)前記第1の固定部は、伸縮可能な部材で構成される、上記(2)に記載の釣竿保持具。
(4)前記第1の固定部は、伸縮可能なゴムを含む、上記(2)または(3)に記載の釣竿保持具。
(5)前記第2の固定部は、長さ調節が可能な1つまたは2つ以上の部材で構成される、上記(2)~(4)のいずれかに記載の釣竿保持具。
(6)前記第2の固定部は、長さ調節が可能な紐を含む、上記(2)~(5)のいずれかに記載の釣竿保持具。
(7)前記第2の固定部は、前記長さ調節が可能な1つまたは2つ以上の部材と接続可能な接続部を含む、上記(2)~(6)のいずれかに記載の釣竿保持具。
(8)前記前方受け部が、前記第1の開口部を有する第1の凹部の反対側に第3の開口部を有する第3の凹部をさらに備え、前記第3の開口部を介して前記釣竿の竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能且つ前記第3の凹部に対し前記釣竿の竿先側の持ち手を下方向に押し付けて配置可能に構成され、
前記本体部が、前記本体部の後端部に位置し、前記本体部を対称面として前記第1の後方受け部と鏡像対称である第2の後方受け部をさらに備え、
前記第2の後方受け部は、第4の開口部を有する第4の凹部を備え、前記第4の開口部を介して前記釣竿の竿尻側の持ち手を前記釣竿保持具の幅方向に出し入れ可能且つ前記第4の凹部に対し前記釣竿の竿尻側の持ち手を上方向に押し付けて配置可能に構成された、
上記(1)~(7)のいずれかに記載の釣竿保持具。
(9)前記金属線はステンレス製である、上記(1)~(8)のいずれかに記載の釣竿保持具。
(10)前記金属線は1~7mmの直径を有する、上記(1)~(9)のいずれかに記載の釣竿保持具。
(11)前記金属線は、表面が滑り止め加工されている、上記(1)~(10)のいずれかに記載の釣竿保持具。
(12)前記金属線は樹脂で被覆されている、上記(1)~(11)のいずれかに記載の釣竿保持具。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小型且つ軽量で、欄干へ容易に装着及び脱着が可能で、釣竿の固定角度の調整が容易であり、安価な釣竿保持具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本釣竿保持具の一例の外観模式図である。
【
図2】
図2は、本釣竿保持具で釣竿を欄干に保持する態様の一例の外観模式図である。
【
図3】
図3は、本釣竿保持具の他の例の外観模式図である。
【
図4】
図4は、本釣竿保持具の他の例の外観模式図である。
【
図5】
図5は、本釣竿保持具の他の例の外観模式図である。
【
図6】
図6は、本釣竿保持具100の側面模式図である。
【
図7】
図7は、本釣竿保持具100の一例の外観写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、釣竿を保持するための金属線で構成された本体部を含む釣竿保持具であって、前記本体部は、前記本体部の前端部に位置する前方受け部、前記本体部の後端部に位置する第1の後方受け部、及び前記前方受け部と前記第1の後方受け部との間の中央部を備え、前記前方受け部は、第1の開口部を有する第1の凹部を備え、前記第1の開口部を介して前記釣竿の竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能且つ前記第1の凹部に対し前記釣竿の竿先側の持ち手を下方向に押し付けて配置可能に構成され、前記第1の後方受け部は、第2の開口部を有する第2の凹部を備え、前記第2の開口部を介して前記釣竿の竿尻側の持ち手を前記釣竿保持具の幅方向に出し入れ可能且つ前記第2の凹部に対し前記釣竿の竿尻側の持ち手を上方向に押し付けて配置可能に構成された、釣竿保持具を対象とする。
【0010】
図1に、本発明の釣竿保持具(以下、本釣竿保持具ともいう)の一例の外観模式図を示す。
図2に、本釣竿保持具で釣竿を欄干に保持する態様の一例の外観模式図を示す。
【0011】
本釣竿保持具100は、釣竿80を保持するための金属線で構成された本体部10を有する。本体部10は、本体部10の前端部20に位置する前方受け部21、本体部10の後端部30に位置する第1の後方受け部31、及び前方受け部21と第1の後方受け部31との間の中央部40を備える。前端部20とは、中央部40の竿先側の端部を意味し、後端部30とは、中央部40の竿尻側の端部を意味する。本体部10が金属線で構成される簡易な構造を有するので、本釣竿保持具100は、小型、軽量、且つ安価であり、欄干への装着及び脱着が容易であり、且つ釣竿80の固定角度の調整を容易に行うことができる。
【0012】
前方受け部21は、第1の開口部22を有する第1の凹部23を備え、第1の開口部22を介して釣竿80の竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能且つ第1の凹部23に対し釣竿80の竿先側の持ち手を下方向に押し付けて配置可能に構成される。第1の開口部22を有する第1の凹部23は、一つまたは複数であることができる。
【0013】
第1の開口部22は、釣竿80の竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能な寸法を有すればよい。第1の凹部23は、竿先側の持ち手を保持できる形状であればよく、例えば、竿80の長手方向からみたときの第1の凹部23の断面構造が好ましくは円形または楕円形であり、より好ましくは鉛直方向に長い縦楕円であることができる。第1の凹部23の深さ及び幅は、好ましくは6~40mm、より好ましくは8~30mm、さらに好ましくは10~20mmである。第1の凹部23が上記好ましい深さ及び幅を有することにより、竿先側の持ち手の直径が約10~20mmのよく用いられる釣竿をより安定して保持することができる。
【0014】
第1の後方受け部31は、第2の開口部32を有する第2の凹部33を備え、第2の開口部32を介して釣竿80の竿尻側の持ち手を本釣竿保持具100の幅方向に出し入れ可能且つ第2の凹部33に対し釣竿80の竿尻側の持ち手を上方向に押し付けて配置可能に構成される。本釣竿保持具100の幅方向とは、本体部10の幅方向であり、前端部20と後端部30とを結ぶ方向に略垂直且つ略水平方向を意味する。
図1及び
図2においては、本釣竿保持具100の幅方向のうち、紙面奥側に向かう方向に釣竿80の竿尻側の持ち手を出し入れ可能である。
【0015】
第2の開口部32は、釣竿80の竿尻側の持ち手を本釣竿保持具100の幅方向に出し入れ可能な寸法を有すればよい。第2の凹部33は、竿尻側の持ち手を保持できる形状であればよく、例えば、竿80の長手方向からみたときの第2の凹部33の断面構造が好ましくは円形または楕円形であり、より好ましくは鉛直方向に長い縦楕円であることができる。第2の凹部33の深さ及び幅は、好ましくは6~50mm、より好ましくは8~40mm、さらに好ましくは10~30mmである。第2の凹部33が上記好ましい深さ及び幅を有することにより、竿尻側の持ち手の直径が約10~30mmのよく用いられる釣竿をより安定して保持することができる。
【0016】
本釣竿保持具100は、上記構成を有するの前方受け部21及び第1の後方受け部31を備えるので釣竿80の保持と取り外しを容易に行うことができ、例えば、魚がかかったときに釣竿80をすぐに外すことができる。
【0017】
好ましくは、
図6に示すように、中央部40を水平に配置した場合の、第2の凹部33の竿尻側の持ち手が当接する箇所36が、第1の凹部23の竿先側の持ち手が当接する箇所26に対して、鉛直方向で高い位置にある。
図6は、本釣竿保持具100の側面模式図である。第2の凹部33の竿尻側の持ち手が当接する箇所36と第1の凹部23の竿先側の持ち手が当接する箇所26とが上記好ましい関係にあることにより、第1の凹部23に対し釣竿80の竿先側の持ち手を下方向により押し付けやすく、且つ第2の凹部33に対し釣竿80の竿尻側の持ち手を上方向により押し付けやすくなり、釣竿80をより安定して保持することができる。
【0018】
より好ましくは、
図6に示すように、中央部40の中央位置41に対する高さを基準とする、第1の凹部23の竿先側の持ち手が当接する箇所26の高さAと、第2の凹部33の竿尻側の持ち手が当接する箇所36の高さBが、B/A=1超~10、2~9、3~8、4~7、または5~6の関係を満たす。箇所26は、中央位置41より鉛直方向において低い位置でもよく、高さAは絶対値である。第1の凹部23の竿先側の持ち手が当接する箇所26と第2の凹部33の竿尻側の持ち手が当接する箇所36とが、上記好ましい位置関係にあることにより、第1の凹部23に対し釣竿80の竿先側の持ち手を下方向にさらに押し付けやすく、且つ第2の凹部33に対し竿尻側の持ち手を上方向にさらに押し付けやすくなり、安定して釣竿80をさらに安定して保持することができる。
【0019】
第1の後方受け部31は、後端部30との接続部分に首部35を備えてもよい。首部35の長さ及び本体部10に対する角度を調節することにより、第2の凹部33の竿尻側の持ち手が当接する箇所36の高さBを調節することができる。
【0020】
中央部40は、本体部10が固定される欄干の上面形状に応じて、平坦、下方に向かって凸状、下方に向かって凹状、またはそれらの組み合わせであることができる。例えば、本体部10が固定される欄干の略水平方向の柵の上面形状が円弧状である場合(例えば円柱状の欄干)は、中央部40は、
図6に例示するように下方に向かって凹状に湾曲していることが好ましい。中央部40が下方に向かって凹状に湾曲することにより、中央部40が上面形状が円弧状の欄干に接する面積を大きくすることができ、上面形状が円弧状の欄干に本釣竿保持具をより安定して固定しやすくなる。
【0021】
好ましくは、前方受け部21が、第1の開口部22を有する第1の凹部23の反対側に第3の開口部222を有する第3の凹部232をさらに備え、第3の開口部222を介して釣竿80の竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能且つ第3の凹部232に対し釣竿80の竿先側の持ち手を下方向に押し付けて配置可能に構成され、本体部10が、本体部10の後端部30に位置し、本体部10を対称面として第1の後方受け部31と鏡像対称である第2の後方受け部312をさらに備え、第2の後方受け部312は、第4の開口部322を有する第4の凹部332を備え、第4の開口部322を介して釣竿80の竿尻側の持ち手を釣竿保持具100の幅方向に出し入れ可能且つ第4の凹部332に対し釣竿80の竿尻側の持ち手を上方向に押し付けて配置可能に構成される。
【0022】
図3~5に、前方受け部が第3の開口部222を有する第3の凹部232をさらに備え、本体部10が、第4の開口部322を有する第4の凹部332を備える第2の後方受け部312をさらに備えた釣竿保持具100の例の外観模式図を示す。
【0023】
図3では、前方受け部が、第1の開口部22を有する第1の凹部23の反対側に、2つの第3の開口部222を有する第3の凹部232を備える。
図4では、前方受け部が、第1の開口部22を有する第1の凹部23の反対側に、第3の開口部222を有する第3の凹部232を備える。
図5では、2つの第1の開口部22を有する第1の凹部23の反対側に、第3の開口部222を有する第3の凹部232を備える。第1の開口部22を有する第1の凹部23は1つまたは複数であることができ、第3の開口部222を有する第3の凹部232もまた、1つまたは複数であることができる。
【0024】
図3~5の釣竿保持具100は、前方受け部21が、第1の開口部22を有する第1の凹部23と、その反対側に第3の開口部222を有する第3の凹部232とを備え、且つ第1の後方受け部31とその鏡像対称である第2の後方受け部312とをさらに備えるので、本体部10の上下のどちらの面を上側にしても前方受け部21に釣竿80の竿先側の持ち手を配置し、第1の後方受け部31または第2の後方受け部312に釣竿80の竿尻側の持ち手を配置することができる。
【0025】
第1の後方受け部31と第2の後方受け部312とが本体部10を対称面として鏡像対称であるため、第1の後方受け部31に釣竿80の竿尻側の持ち手を配置する場合、第2の開口部32を介して釣竿80の竿尻側の持ち手を釣竿保持具100の幅方向(
図3~5では紙面奥側方向)に出し入れ可能であり、第2の後方受け部312に釣竿80の竿尻側の持ち手を配置する場合、第4の開口部322を介して釣竿80の竿尻側の持ち手を釣竿保持具100の幅方向(
図3~5では紙面手前側方向)に出し入れ可能である。このように、
図3~5の釣竿保持具100は、竿尻側の持ち手の出し入れ方向を選べるので、右利きまたは左利きの釣り人の両方ともが違和感なく使用することができる。すなわち、本願において鏡像対称とは、上記のように、右利きまたは左利きの釣り人の両方ともが違和感なく使用することができるように、第1の後方受け部31と第2の後方受け部312とが本体部10を対称面として略鏡像対称の関係であることを含み、厳密な鏡像対称でなくてもよいのはいうまでもない。
図7に、本釣竿保持具100の一例の外観写真を示す。
【0026】
本体部10は金属線で構成され、金属線は好ましくはステンレス製である。金属線がステンレス製であることにより、本釣竿保持具を海釣りに使用しても錆びにくい。
【0027】
金属線は、好ましくは1~7mm、より好ましくは2~6mm、さらに好ましくは3~5mmの直径を有する。金属線が上記好ましい直径を有することにより、曲げ加工と釣竿の保持とをより安定して行うことができる。また、金属線が上記好ましい直径を有することにより、釣竿の保持性を維持しつつ、欄干の上面形状に合わせて本体部10を手でも曲げることができる。
【0028】
金属線は、好ましくは、表面が滑り止め加工されている。金属線の表面が滑り止め加工されていることにより、第1の被固定部70との摩擦力を向上することができ、より安定して固定することができる。滑り止め加工は、金属線の表面に凹凸を付与する加工であることができ、例えばローレット加工である。
【0029】
金属線は、好ましくは樹脂で被覆されている。金属線が樹脂で被覆されていることにより、第1の被固定部70との摩擦力を向上することができ、より安定して固定することができ、錆びにくくすることができる。被覆樹脂は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の金属線を被覆可能な樹脂であることができる。
【0030】
第1の被固定部70は、欄干であることができる。本願において欄干とは、海、川、池等の魚が生息する領域と釣り人が釣りをする領域との間に位置する一般的に用いられている欄干であり、好ましくは少なくとも上段及び下段に略水平方向の柵を有する欄干である。
【0031】
本体部10は、
図1に例示するように、中央部40、前端部20、及び後端部30で構成された環状部を有することができる。環状部の作製は、環状に曲げ加工した金属線の両端部を結束バンドで固定、溶接等の任意の方法で行うことができる。
【0032】
本体部10の前端部20から後端部30の長手方向の長さは、欄干の幅に応じた長さであることができ、例えば50~400mm、75~300mm、または100~200mmであることができる。本体部10が上記好ましい長さを有することにより、一般的な長さの釣竿80をより安定して固定することができる。例えば、よく用いられる4m20cmの長さの竿80を保持する場合に、竿先に500gの加重がかかると竿尻に10kgの上向き加重がかかるが、本体部10が上記好ましい長さを有することにより、本体部10にかかる曲げモーメントを大きくさせすぎずに、欄干により安定して本釣竿保持具を固定することができる。
【0033】
本体部10の幅は、好ましくは30~200mm、より好ましくは40~150mm、さらに好ましくは50~100mmである。前端部20及び後端部30の幅が上記好ましい寸法を有することにより、より安定して欄干に釣竿80を固定することができる。
【0034】
本体部10は、金属線で構成されたハンガーを曲げ加工して作成してもよい。本体部10をハンガーから作製する場合、第1の後方受け部31及び第2の後方受け部312をハンガーのフックで構成してもよい。廃棄ハンガーから本体部10を作製してもよく、低コストで本体部10を作製することができ、また、廃棄ハンガーを減らすことができる。
【0035】
本釣竿保持具は、上述のように本体部10が金属線で構成される簡易な構造を有するため、ゴム、紐等で欄干への装着及び脱着が容易であり、且つ釣竿の固定角度の調整を容易に行うことができるが、本釣竿保持具は、好ましくは、第1の固定部及び第2の固定部をさらに含む。
図2に、第1の固定部50及び第2の固定部60を含む本釣竿保持具100の一例の外観模式図を示す。
【0036】
本釣竿保持具は、好ましくは、第1の固定部50及び第2の固定部60を含み、第1の固定部50は、本体部10の中央部40を第1の被固定部70に固定可能に構成され、第2の固定部60は、本体部10の後端部30を、第1の被固定部70よりも下方に位置する第2の被固定部71に固定可能に構成される。第2の被固定部71は、欄干であることができる。
【0037】
第1の固定部50は、好ましくは伸縮可能な部材で構成される。第1の固定部50により、本体部10を第1の被固定部70に容易に装着及び脱着が可能であり、また、第1の被固定部70に対する固定角度を変更可能であり、後述する第2の固定部60と組み合わせて、釣竿80の固定角度の調整を容易に行うことができる。
【0038】
伸縮可能な部材は、好ましくは、長さ調節が可能な環状の紐、環状のゴム、またはそれらの組み合わせを含み、より好ましくは環状のゴムで構成される。本願において紐とは、ゴムに比べて伸縮性が小さいまたは実質的にない部材を意味し、例えば布紐、革紐等である。環状のゴムは、好ましくはゴムバンドである。ゴムバンドの幅は好ましくは3~30mm、より好ましくは4~20mm、さらに好ましくは5~15mmである。
図2に例示する態様では、第1の固定部50は10mm幅のゴムバンドで構成され、ゴムバンドで構成される第1の固定部50で本体部10が第1の被固定部70である円柱状の欄干に固定されている。
【0039】
第2の固定部60は、好ましくは、長さ調節が可能な1つまたは2つ以上の部材で構成され、より好ましくは長さ調節が可能な環状の紐を含む。第2の固定部60の長さを調節することにより、釣竿80の固定角度の調整を容易に行うことができる。より具体的には、釣竿80の後端部30側の持ち手部分の上方への力によって長さ調節をした第2の固定部60が張力を受けることにより、釣竿80の固定角度の調整を容易に行いつつ、角度を安定して保つことができる。
【0040】
第2の固定部60は、好ましくは、長さ調節が可能な1つまたは2つ以上の部材と接続可能な接続部をさらに含む。
図2に例示する態様では、第2の固定部60は、後端部30に接続された接続部61及び接続部61に接続された長さ調節が可能な長さ調節部62で構成される。
【0041】
接続部61は、後端部30と長さ調節部62とを接続する部材であり、好ましくは金属線、紐、またはそれらの組み合わせである。
【0042】
接続部61は、好ましくは後端部30に回転可能に接続される。例えば、
図2に例示するように、後端部30が有する孔34に接続部61の端部の環が通されていてもよい。孔34は、周が閉じられた環状または周に切り欠きを有する環状でもよい。
【0043】
長さ調節部62は、好ましくは環状の紐を含む。長さ調節部62は、例えば、
図2に例示するように、長さ調節が可能なアジャスター622に紐621が通されたものでもよい。
【0044】
第2の固定部60は、
図2に例示するように、好ましくは先端にフック状の固定部601を有する。フック状の固定部601を先端に有することにより、第2の固定部60を、より容易に第2の被固定部71に固定することができる。
【符号の説明】
【0045】
100 釣竿保持具
10 本体部
20 前端部
21 前方受け部
22 第1の開口部
222 第3の開口部
23 第1の凹部
232 第3の凹部
26 第1の凹部の竿先側の持ち手が当接する箇所
30 後端部
31 第1の後方受け部
312 第2の後方受け部
32 第2の開口部
322 第4の開口部
33 第2の凹部
332 第4の凹部
34 後端部の孔
35 首部
36 第2の凹部の竿尻側の持ち手が当接する箇所
40 中央部
50 第1の固定部
60 第2の固定部
601 フック状の固定部
61 接続部
62 長さ調節部
621 紐
622 アジャスター
70 第1の被固定部
71 第2の被固定部
80 釣竿
【手続補正書】
【提出日】2023-06-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
欄干に釣竿を保持するための金属線で構成された本体部を含む釣竿保持具であって、
前記本体部は、前記本体部の前端部に位置する前方受け部、前記本体部の後端部に位置する第1の後方受け部、及び前記前方受け部と前記第1の後方受け部との間の中央部を備え、
前記前方受け部は、第1の開口部を有する第1の凹部を備え、前記第1の開口部を介して前記釣竿の竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能且つ前記第1の凹部に対し前記釣竿の竿先側の持ち手を下方向に押し付けて配置可能に構成され、
前記第1の後方受け部は、第2の開口部を有する第2の凹部を備え、前記第2の開口部を介して前記釣竿の竿尻側の持ち手を前記釣竿保持具の幅方向に出し入れ可能且つ前記第2の凹部に対し前記釣竿の竿尻側の持ち手を上方向に押し付けて配置可能に構成され、
前記中央部は、平坦、下方に向かって凹状に湾曲、またはそれらの組み合わせの形状を有する、
釣竿保持具。
【請求項2】
第1の固定部及び第2の固定部をさらに含み、
前記第1の固定部は、前記本体部の中央部を第1の被固定部に固定可能に構成され、
前記第2の固定部は、前記本体部の後端部を、前記第1の被固定部よりも下方に位置する第2の被固定部に固定可能に構成される、
請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項3】
前記第1の固定部は、伸縮可能な部材で構成される、請求項2に記載の釣竿保持具。
【請求項4】
前記第1の固定部は、伸縮可能なゴムを含む、請求項3に記載の釣竿保持具。
【請求項5】
前記第2の固定部は、長さ調節が可能な1つまたは2つ以上の部材で構成される、請求項2に記載の釣竿保持具。
【請求項6】
前記第2の固定部は、長さ調節が可能な紐を含む、請求項5に記載の釣竿保持具。
【請求項7】
前記第2の固定部は、前記長さ調節が可能な1つまたは2つ以上の部材と接続可能な接続部を含む、請求項5に記載の釣竿保持具。
【請求項8】
前記前方受け部が、前記第1の開口部を有する第1の凹部の反対側に第3の開口部を有する第3の凹部をさらに備え、前記第3の開口部を介して前記釣竿の竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能且つ前記第3の凹部に対し前記釣竿の竿先側の持ち手を下方向に押し付けて配置可能に構成され、
前記本体部が、前記本体部の後端部に位置し、前記本体部を対称面として前記第1の後方受け部と鏡像対称である第2の後方受け部をさらに備え、
前記第2の後方受け部は、第4の開口部を有する第4の凹部を備え、前記第4の開口部を介して前記釣竿の竿尻側の持ち手を前記釣竿保持具の幅方向に出し入れ可能且つ前記第4の凹部に対し前記釣竿の竿尻側の持ち手を上方向に押し付けて配置可能に構成された、
請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項9】
前記金属線はステンレス製である、請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項10】
前記金属線は1~7mmの直径を有する、請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項11】
前記金属線は、表面が滑り止め加工されている、請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項12】
前記金属線は樹脂で被覆されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の釣竿保持具。
【請求項13】
前記中央部を水平に配置した場合に、前記第2の凹部の前記竿尻側の持ち手が当接する箇所が、前記第1の凹部の前記竿先側の持ち手が当接する箇所に対して、鉛直方向で高い位置にある、請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項14】
前記中央部の中央位置に対する高さを基準とする、前記第1の凹部の前記竿先側の持ち手が当接する箇所の高さAと、前記第2の凹部の前記竿尻側の持ち手が当接する箇所の高さBが、B/A=1超~10の関係を満たす、請求項13に記載の釣竿保持具。
【請求項15】
前記第1の後方受け部は、前記本体部の後端部との接続部分に前記本体部に対する角度を調節可能な首部を備える、請求項1に記載の釣竿保持具。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
欄干に釣竿を保持するための金属線で構成された本体部を含む釣竿保持具であって、
前記本体部は、前記本体部の前端部に位置する前方受け部、前記本体部の後端部に位置する第1の後方受け部、及び前記前方受け部と前記第1の後方受け部との間の中央部を備え、
前記前方受け部は、第1の開口部を有する第1の凹部を備え、前記第1の開口部を介して前記釣竿の竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能且つ前記第1の凹部に対し前記釣竿の竿先側の持ち手を下方向に押し付けて配置可能に構成され、
前記第1の後方受け部は、第2の開口部を有する第2の凹部を備え、前記第2の開口部を介して前記釣竿の竿尻側の持ち手を前記釣竿保持具の幅方向に出し入れ可能且つ前記第2の凹部に対し前記釣竿の竿尻側の持ち手を上方向に押し付けて配置可能に構成され、
前記中央部は、平坦、下方に向かって凹状に湾曲、またはそれらの組み合わせの形状を有し、
前記本体部は、前記中央部、前記前端部、及び前記後端部で構成された環状部を有する、
釣竿保持具。
【請求項2】
第1の固定部及び第2の固定部をさらに含み、
前記第1の固定部は、前記本体部の中央部を第1の被固定部に固定可能に構成され、
前記第2の固定部は、前記本体部の後端部を、前記第1の被固定部よりも下方に位置する第2の被固定部に固定可能に構成される、
請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項3】
前記第1の固定部は、伸縮可能な部材で構成される、請求項2に記載の釣竿保持具。
【請求項4】
前記第1の固定部は、伸縮可能なゴムを含む、請求項3に記載の釣竿保持具。
【請求項5】
前記第2の固定部は、長さ調節が可能な1つまたは2つ以上の部材で構成される、請求項2に記載の釣竿保持具。
【請求項6】
前記第2の固定部は、長さ調節が可能な紐を含む、請求項5に記載の釣竿保持具。
【請求項7】
前記第2の固定部は、前記長さ調節が可能な1つまたは2つ以上の部材と接続可能な接続部を含む、請求項5に記載の釣竿保持具。
【請求項8】
前記前方受け部が、前記第1の開口部を有する第1の凹部の反対側に第3の開口部を有する第3の凹部をさらに備え、前記第3の開口部を介して前記釣竿の竿先側の持ち手を上下方向に出し入れ可能且つ前記第3の凹部に対し前記釣竿の竿先側の持ち手を下方向に押し付けて配置可能に構成され、
前記本体部が、前記本体部の後端部に位置し、前記本体部を対称面として前記第1の後方受け部と鏡像対称である第2の後方受け部をさらに備え、
前記第2の後方受け部は、第4の開口部を有する第4の凹部を備え、前記第4の開口部を介して前記釣竿の竿尻側の持ち手を前記釣竿保持具の幅方向に出し入れ可能且つ前記第4の凹部に対し前記釣竿の竿尻側の持ち手を上方向に押し付けて配置可能に構成された、
請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項9】
前記金属線はステンレス製である、請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項10】
前記金属線は1~7mmの直径を有する、請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項11】
前記金属線は、表面が滑り止め加工されている、請求項1に記載の釣竿保持具。
【請求項12】
前記金属線は樹脂で被覆されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の釣竿保持具。
【請求項13】
前記後端部は、前記接続部の端部の環を通すための孔を有する、請求項7に記載の釣竿保持具。
【請求項14】
前記第1の後方受け部は、前記本体部の後端部との接続部分に前記本体部に対する角度を調節可能な首部を備える、請求項1に記載の釣竿保持具。