特開 2024-153255 端子付き電線及び接続端子

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024153255

(43)【公開日】2024-10-29

(54)【発明の名称】端子付き電線及び接続端子

(51)【国際特許分類】

   H01R 4/18 20060101AFI20241022BHJP

【ＦＩ】

H01R4/18 A

【審査請求】有

【請求項の数】10

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023067035

(22)【出願日】2023-04-17

(71)【出願人】

【識別番号】000006895

【氏名又は名称】矢崎総業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100083806

【弁理士】

【氏名又は名称】三好 秀和

(74)【代理人】

【識別番号】100111235

【弁理士】

【氏名又は名称】原 裕子

(74)【代理人】

【識別番号】100170575

【弁理士】

【氏名又は名称】森 太士

(72)【発明者】

【氏名】伊藤 直樹

【テーマコード（参考）】

5E085

【Ｆターム（参考）】

5E085BB03

5E085CC03

5E085DD14

5E085EE07

5E085FF19

5E085JJ03

(57)【要約】

【課題】接続端子への大電流通電時に電気接続部と導体接続部との間の端子部分において温度上昇が生じることを抑制することができる端子付き電線及び接続端子を提供する。
【解決手段】端子付き電線１は、電線２と、接続端子３とを備える。接続端子３は、電線２が配置される底板３０と、底板３０の前端部に形成され、他部品等が接続される電気接続部３１と、底板３０の後部に形成され、電線２の導体２１が接続される導体接続部３３と、底板３０における電気接続部３１と導体接続部３３との間の部分に形成される連結部３２とを有する。連結部３２は、底板３０の幅方向両側縁から幅方向外側に突出する一対の端子片部４４，４４を有し、一対の端子片部４４，４４が幅方向内側に折り返された状態で形成される。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

電線と、接続端子と、を備え、
前記接続端子は、
前記電線が配置される板状の端子本体と、
前記端子本体の前端部に形成され、他部品が接続される電気接続部と、
前記端子本体の後部に形成され、前記電線の導体が接続される導体接続部と、
前記端子本体における前記電気接続部と前記導体接続部との間の部分に形成される連結部と、を有し、
前記連結部は、前記端子本体の幅方向両側縁から幅方向外側に突出する一対の端子片部を有し、一対の前記端子片部が幅方向内側に折り返された状態で形成される、
端子付き電線。

【請求項2】

前記連結部の断面積は、前記電線の前記導体の断面積以上である、請求項１に記載の端子付き電線。

【請求項3】

前記連結部を構成する一対の前記端子片部の先端部同士が対向している、請求項１又は２に記載の端子付き電線。

【請求項4】

前記連結部を構成する一対の前記端子片部同士が前記端子本体の前後方向と交差する方向に対して重なっている、請求項１又は２に記載の端子付き電線。

【請求項5】

前記連結部を構成する一対の前記端子片部同士が接している、請求項１又は２に記載の端子付き電線。

【請求項6】

前記連結部を構成する一対の前記端子片部同士の間に隙間がある、請求項１又は２に記載の端子付き電線。

【請求項7】

前記接続端子は、前記端子本体における前記導体接続部よりも後方の部分に形成され、前記電線の前記導体を被覆する絶縁体が接続される絶縁体接続部を有する、請求項１又は２に記載の端子付き電線。

【請求項8】

電線が配置される板状の端子本体と、
前記端子本体の前端部に形成され、他部品が接続される電気接続部と、
前記端子本体の後部に形成され、前記電線の導体が接続される導体接続部と、
前記端子本体における前記電気接続部と前記導体接続部との間の部分に形成される連結部と、を備え、
前記連結部は、前記端子本体の幅方向両側縁から幅方向外側に突出する一対の端子片部を有し、一対の前記端子片部が幅方向内側に折り返された状態で形成される、
接続端子。

【請求項9】

前記連結部の断面積は、前記電線の前記導体の断面積以上である、請求項８に記載の接続端子。

【請求項10】

前記端子本体における前記導体接続部よりも後方の部分に形成され、前記電線の前記導体を被覆する絶縁体が接続される絶縁体接続部を備える、請求項８又は９に記載の接続端子。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、端子付き電線及び接続端子に関する。

【背景技術】

【0002】

電線に圧着接続される一般的な接続端子（圧着端子）は、電線の端部で露出した電線の導体に対して加締められることにより圧着する導体接続部を有している（特許文献１参照）。この導体接続部は、例えば、底板と、電線の延在方向に直交する方向における底板の両側に位置して底板から延びる板状の導体接続片部とを有する。底板の上に電線の導体を配置した状態で、底板の両側の導体接続片部によって導体を覆うように加締めることにより、導体接続部が導体に圧着される。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２１－１９０２４１号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

今後、電源回路の大電流化に伴い、電線の導体の断面積が大きくなることが予測されている。しかしながら、前述のような接続端子において、他部品等が接続される電気接続部と、導体接続部との間の距離が大きい場合には、端子の断面積不足により大電流通電時に温度上昇が生じてしまう可能性がある。

【0005】

本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、接続端子への大電流通電時に電気接続部と導体接続部との間の端子部分において温度上昇が生じることを抑制することができる端子付き電線及び接続端子を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の態様に係る端子付き電線は、電線と、接続端子と、を備え、接続端子は、電線が配置される板状の端子本体と、端子本体の前端部に形成され、他部品が接続される電気接続部と、端子本体の後部に形成され、電線の導体が接続される導体接続部と、端子本体における電気接続部と導体接続部との間の部分に形成される連結部と、を有し、連結部は、端子本体の幅方向両側縁から幅方向外側に突出する一対の端子片部を有し、一対の端子片部が幅方向内側に折り返された状態で形成される。

【0007】

本発明の態様に係る接続端子は、電線が配置される板状の端子本体と、端子本体の前端部に形成され、他部品が接続される電気接続部と、端子本体の後部に形成され、電線の導体が接続される導体接続部と、端子本体における電気接続部と導体接続部との間の部分に形成される連結部と、を備え、連結部は、端子本体の幅方向両側縁から幅方向外側に突出する一対の端子片部を有し、一対の端子片部が幅方向内側に折り返された状態で形成される。

【発明の効果】

【0008】

本発明によれば、接続端子への大電流通電時に電気接続部と導体接続部との間の端子部分において温度上昇が生じることを抑制することができる端子付き電線及び接続端子を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0009】

【図1】本実施形態に係る端子付き電線の一例を示す平面図である。

【図2】本実施形態に係る端子付き電線の一例を示す側面図である。

【図3】図１のＡ－Ａ線による断面図である。

【図4】図１のＢ－Ｂ線による断面図である。

【図5】接続端子の斜視図である。

【図6】接続端子の平面図である。

【図7】接続端子の側面図である。

【図8】接続端子の展開図である。

【図9】圧着工程を説明する断面図である。

【図10】他実施形態に係る端子付き電線の一例を示す平面図である。

【図11】他実施形態に係る端子付き電線の一例を示す側面図である。

【図12】図１０のＣ－Ｃ線による断面図である。

【図13】接続端子の平面図である。

【図14】接続端子の側面図である。

【図15】接続端子の展開図である。

【発明を実施するための形態】

【0010】

以下、図面を用いて本実施形態に係る端子付き電線について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。

【0011】

図１から図４に示すように、端子付き電線１は、電線２と、接続端子３とを備える。接続端子３は、電線２に対して圧着して接続される端子（圧着端子）である。接続端子３は、電線２と一体に接続された状態で相手側端子（図示せず）等に対して電気的に接続される。圧着対象の電線２は、端部において絶縁体２２が取り除かれて導体２１が所定の長さ露出している。本実施形態の導体２１は、複数本の素線の集合体である。導体２１は、銅又はアルミニウム等の導電性を有する金属材料によって形成され、絶縁体２２は、絶縁性を有する被覆材料によって形成される。接続端子３は、電線２の端部に圧着されることにより、露出している導体２１に対して電気的に接続される。

【0012】

図５から図８に示すように、接続端子３は、金属材料によって形成される底板３０（板状の端子本体）を有している。この底板３０には、接続端子３の前後方向、又は接続端子３を圧着する電線２の延在方向における一端側から他端側にかけて、電気接続部３１と、連結部３２と、導体接続部３３とが形成されている。また、連結部３２と導体接続部３３との間には、連結部３２と導体接続部３３との間を繋ぐ繋ぎ部３５が形成されている。

【0013】

電気接続部３１は、他部品（図示せず）等の相手側端子に接続される部位である。本実施形態の電気接続部３１は、底板３０に形成されたボルト挿通用の孔３７を有している。これに限定はされず、電気接続部３１は、例えば、箱型に形成される箱部を有するものであってもよい。

【0014】

導体接続部３３は、接続端子３を圧着する電線２の導体２１に圧着される部位であり、連結部３２は、電気接続部３１と導体接続部３３との間に配置される部位である。また、繋ぎ部３５は、連結部３２と導体接続部３３との間に位置する底板３０を含んで構成されており、この底板３０の部分が、連結部３２の後端部と導体接続部３３の前端部とを繋いでいる。

【0015】

すなわち、底板３０の導体接続部３３の位置では、電線２の導体２１に圧着される一対の導体接続片部４１，４１が外側へ突出して形成されている。これら一対の導体接続片部４１，４１は、電線２の延在方向に対して交差する方向における底板３０の両側縁から延出している。電線２への圧着前においては、電線２の延在方向から見た際に、底板３０と一対の導体接続片部４１，４１とは、略Ｕ字状に形成されている（図５参照）。また、底板３０の導体接続部３３の位置では、電線２の延在方向に対して交差する方向に沿って、底板３０と一対の導体接続片部４１，４１とにわたって溝状に延在するセレーション４３が形成されている。本実施形態では、セレーション４３は、導体接続部３３で圧着する電線２の延在方向に３本が並んで形成されている。

【0016】

導体接続部３３は、圧着接続によるものには限定はされず、例えば、熱圧着、超音波接合等の溶接によるものであってもよい。

【0017】

図示はしないが、接続端子３は、端子本体（底板３０）における導体接続部３３よりも後方の部分に形成され、電線２の絶縁体２２が接続される絶縁体接続部を有していてもよい。

【0018】

その一方、底板３０の連結部３２の位置では、一対の端子片部４４，４４が底板３０の幅方向外側へ突出して形成されている（図８参照）。これら一対の端子片部４４，４４は、電線２の延在方向に対して交差する方向における底板３０の両側縁から延出している。そして、一対の端子片部４４，４４は、底板３０の幅方向内側に折り返された状態とされている（図５から図７参照）。

【0019】

本実施形態では、一対の端子片部４４，４４同士が密着すると共に、端子片部４４と底板３０とが密着するように、一対の端子片部４４，４４は折り曲げられている。具体的には、連結部３２を構成する一対の端子片部４４，４４の先端部同士が対向し、かつ、一対の端子片部４４，４４の先端部同士が接している。また、端子片部４４と底板３０とは、底板３０の前後方向と交差する方向に対して重なっており、かつ、端子片部４４の内側面と底板３０の内側面とが接している。一対の端子片部４４，４４の先端部同士は底板３０の幅方向における略中間部において突き合わされており、連結部３２の厚さは底板３０の２枚分の厚さとされている（図３参照）。

【0020】

本実施形態では、電気接続部３１と導体接続部３３との距離が大きい接続端子３において、連結部３２（一対の端子片部４４，４４）を形成して当該部位の断面積（図３参照）を、電線２の導体２１の断面積（図４参照）と同等又は同等以上に設定している。このため、連結部３２の断面積は、電線２の導体２１の断面積以上であるとよい。

【0021】

図１０から図１５に示す端子付き電線１Ａ及び接続端子３Ａのように、連結部３２Ａを構成する一対の端子片部４４Ａ，４４Ａ同士が底板３０の前後方向と交差する方向に対して重なっていてもよい。この接続端子３Ａでは、図１５に示される端子片部４４Ａの突出長さＬ２を、図８に示される端子片部４４の突出長さＬ１と比較して大きく設定している。そして、一対の端子片部４４Ａ，４４Ａ同士が密着すると共に、端子片部４４Ａと底板３０とが密着するように、一対の端子片部４４Ａ，４４Ａは折り曲げられている。このため、接続端子３Ａでは、連結部３２Ａの厚さは底板３０の３枚分の厚さとされている（図１２参照）。

【0022】

また、図示はしないが、連結部３２を構成する一対の端子片部４４，４４同士の間に隙間（空間）があってもよく、端子片部４４と底板３０との間に隙間（空間）があってもよい。このように連結部３２を構成することにより、一対の端子片部４４，４４同士の間、及び端子片部４４と底板３０との間にはエアギャップと称される空間が形成され、このエアギャップに存在する空気層によって接続端子３の温度上昇が抑制され得る。

【0023】

以下、端子付き電線１の製造方法の一例を説明する。

【0024】

本実施形態に係る端子付き電線１の製造方法は、少なくとも設置工程及び圧着工程を含む。

【0025】

先ず、設置工程について説明する。

【0026】

設置工程は、電線２を接続端子３に配置する工程である。前述のように、電線２は、導体２１と、導体２１の前端部を露出させた状態で導体２１を被覆する絶縁体２２とを有する。その一方、接続端子３は、底板３０と、底板３０に形成され、露出している導体２１が圧着される導体接続部３３とを有する。設置工程においては、電線２を接続端子３に対して配置する。

【0027】

また、設置工程においては、端子圧着装置５０の第１金型５１に電線２及び接続端子３が設置される。図９に示すように、端子圧着装置５０は、第１金型５１と、第２金型５２とを有する。第１金型５１は、固定式の金型であり、接続端子３を支持する。第２金型５２は、移動式の金型であり、第１金型５１に対して上下方向に相対的に移動する。

【0028】

図９に示すように、第１金型５１は、アンビル５３を有する。このアンビル５３は、接続端子３の導体接続部３３を支持する。

【0029】

第２金型５２は、クリンパ５４（ワイヤクリンパ）を有する。クリンパ５４は、アンビル５３と対向している。このクリンパ５４は、導体接続片部４１を加締めて導体２１に対して導体接続部３３を圧着させる。

【0030】

設置工程においては、第１金型５１の上面に、略Ｕ字状に形成された接続端子３が配置される。接続端子３は、導体接続部３３が第１金型５１のアンビル５３と対向するように第１金型５１の上面に配置される。より詳しくは、接続端子３は、導体接続部３３が形成された底板３０がアンビル５３によって支持され、一対の導体接続片部４１，４１の先端が第２金型５２のクリンパ５４と対向するように配置される。

【0031】

電線２は、第１金型５１によって支持されている接続端子３に配置される。電線２は、露出している導体２１が導体接続部３３の底部と対向するように接続端子３に配置されている。

【0032】

次に、圧着工程について説明する。

【0033】

圧着工程は、接続端子３の導体接続部３３を電線２の導体２１に対して圧着させる工程である。すなわち、圧着工程において、導体接続部３３が導体２１に圧着される。圧着工程においては、第１金型５１と第２金型５２との間に電線２及び接続端子３が挟み込まれる。第１金型５１及び第２金型５２は、導体接続片部４１を導体２１に対して加締めて圧着させる。圧着工程においては、第２金型５２が第１金型５１に向けて下方に移動する。

【0034】

図９に示すように、クリンパ５４は、一対の導体接続片部４１，４１を変形させる湾曲面５４ａを有する。本実施形態の導体接続部３３は、所謂Ｂクリンプと称される態様で導体２１に対して圧着される。湾曲面５４ａは、一対の導体接続片部４１，４１の先端を第１金型５１に向けるように導体接続片部４１を湾曲形状に変形させる。そして、クリンパ５４は、一対の導体接続片部４１，４１及び底板３０によって導体２１を包み込むように導体接続片部４１を変形させる。

【0035】

次に、端子付き電線１及び接続端子３の効果について説明する。

【0036】

このように、本実施形態の態様に係る端子付き電線１は、電線２と、接続端子３とを備える。接続端子３は、電線２が配置される板状の端子本体（底板３０）と、端子本体の前端部に形成され、他部品が接続される電気接続部３１と、端子本体の後部に形成され、電線２の導体２１が接続される導体接続部３３とを有する。接続端子３は、端子本体における電気接続部３１と導体接続部３３との間の部分に形成される連結部３２を有する。連結部３２は、端子本体の幅方向両側縁から幅方向外側に突出する一対の端子片部４４，４４を有し、一対の端子片部４４，４４が幅方向内側に折り返された状態で形成される。

【0037】

本実施形態では、図３に示される断面のように、電気接続部３１と導体接続部３３との間の連結部３２の断面積を拡大することにより、連結部３２の固有抵抗値が低下し、大電流通電時の発熱が抑制される。したがって、電線２の許容電流と同等な電流を接続端子３に対して通電することが可能になる。

【0038】

以上のように、本実施形態によれば、接続端子３への大電流通電時に電気接続部３１と導体接続部３３との間の端子部分において温度上昇が生じることを抑制することができる端子付き電線１を提供することができる。

【0039】

本実施形態の態様に係る端子付き電線１において、連結部３２の断面積は、電線２の導体２１の断面積以上であってもよい。

【0040】

本実施形態では、図３に示される断面のように、電気接続部３１と導体接続部３３との間の連結部３２の断面積を拡大して、図４に示される電線２の導体２１の断面積と同等又は同等以上としている。このように連結部３２を構成することにより、連結部３２の固有抵抗値が低下し、大電流通電時の発熱が抑制され、電線２の許容電流と同等な電流を接続端子３に対して通電することが可能になる。

【0041】

本実施形態の態様に係る端子付き電線１において、連結部３２を構成する一対の端子片部４４，４４の先端部同士が対向していてもよい。

【0042】

このように連結部３２を構成することにより、電気接続部３１と導体接続部３３との間の連結部３２の断面積を拡大して、図４に示される電線２の導体２１の断面積と同等又は同等以上とすることが可能である。

【0043】

他実施形態の態様に係る端子付き電線１Ａにおいて、連結部３２Ａを構成する一対の端子片部４４，４４同士が端子本体（底板３０）の前後方向と交差する方向に対して重なっていてもよい。

【0044】

このように連結部３２Ａを構成することにより、電気接続部３１と導体接続部３３との間の連結部３２の断面積を拡大して、図４に示される電線２の導体２１の断面積と同等又は同等以上とすることが可能である。

【0045】

本実施形態の態様に係る端子付き電線１において、連結部３２を構成する一対の端子片部４４，４４同士が接していてもよい。

【0046】

このように連結部３２を構成することにより、電気接続部３１と導体接続部３３との間の連結部３２の断面積を拡大して、図４に示される電線２の導体２１の断面積と同等又は同等以上とすることが可能である。

【0047】

端子付き電線１において、連結部３２を構成する一対の端子片部４４，４４同士の間に隙間があってもよい。

【0048】

このように連結部３２を構成することにより、一対の端子片部４４，４４同士の間にはエアギャップと称される空間が形成され、このエアギャップに存在する空気層によって接続端子３の温度上昇が抑制され得る。

【0049】

本実施形態の態様に係る端子付き電線１において、接続端子３は、端子本体（底板３０）における導体接続部３３よりも後方の部分に形成され、電線２の導体２１を被覆する絶縁体２２が接続される絶縁体接続部を有してもよい。

【0050】

このように接続端子３を構成することにより、接続端子３による電線２の保持性を高めることが可能である。

【0051】

本実施形態の態様に係る接続端子３は、電線２が配置される板状の端子本体（底板３０）と、端子本体の前端部に形成され、他部品が接続される電気接続部３１と、端子本体の後部に形成され、電線２の導体２１が接続される導体接続部３３とを備える。接続端子３は、端子本体における電気接続部３１と導体接続部３３との間の部分に形成される連結部３２を備える。連結部３２は、端子本体の幅方向両側縁から幅方向外側に突出する一対の端子片部４４，４４を有し、一対の端子片部４４，４４が幅方向内側に折り返された状態で形成される。

【0052】

本実施形態では、図３に示される断面のように、電気接続部３１と導体接続部３３との間の連結部３２の断面積を拡大することにより、連結部３２の固有抵抗値が低下し、大電流通電時の発熱が抑制される。したがって、電線２の許容電流と同等な電流を接続端子３に対して通電することが可能になる。

【0053】

以上のように、本実施形態によれば、接続端子３への大電流通電時に電気接続部３１と導体接続部３３との間の端子部分において温度上昇が生じることを抑制することができる接続端子３を提供することができる。

【0054】

本実施形態の態様に係る接続端子３において、連結部３２の断面積は、電線２の導体２１の断面積以上であってもよい。

【0055】

本実施形態では、図３に示される断面のように、電気接続部３１と導体接続部３３との間の連結部３２の断面積を拡大して、図４に示される電線２の導体２１の断面積と同等又は同等以上としている。このように連結部３２を構成することにより、連結部３２の固有抵抗値が低下し、大電流通電時の発熱が抑制され、電線２の許容電流と同等な電流を接続端子３に対して通電することが可能になる。

【0056】

本実施形態の態様に係る接続端子３が、端子本体（底板３０）における導体接続部３３よりも後方の部分に形成され、電線２の導体２１を被覆する絶縁体２２が接続される絶縁体接続部を備えていてもよい。

【0057】

このように接続端子３を構成することにより、接続端子３による電線２の保持性を高めることが可能である。

【0058】

以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。

【符号の説明】

【0059】

１ 端子付き電線
２ 電線
３ 接続端子
２１ 導体
２２ 絶縁体
３０ 底板
３１ 電気接続部
３２ 連結部
３３ 導体接続部
４４ 端子片部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】