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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153259
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】操作装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241022BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20241022BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241022BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241022BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G03G21/16 161
B41J29/13
B41J29/00 T
H04N1/00 E
H04N1/00 350
G06F1/16 313F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067039
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】マイ ティ レ
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061BB10
2C061BB11
2C061BB15
2H171FA03
2H171FA28
2H171GA06
2H171HA15
2H171HA31
2H171KA09
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA26
2H171KA27
2H171QA01
2H171QB01
2H171QB14
2H171QB31
2H171QC03
2H171QC36
2H171RA03
2H171SA26
2H171WA16
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB35
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AD02
5C062AD06
5C062AE01
5C062AE15
(57)【要約】
【課題】通常使用時に特殊入力部を覆い隠すことができる操作装置を提供する。
【解決手段】
本発明は、人によって操作される操作装置15である。、操作装置15は、正面にタッチパネル等を有し、背面にメンテナンスボタン25を有する操作部20と、操作部20を傾倒姿勢にする傾倒角度と起立姿勢S2にする起立角度βとの間で角度変更可能に支持する取付部30と、操作部20を傾倒角度にした場合にメンテナンスボタン25を覆い隠し、操作部20を起立角度βにした場合にメンテナンスボタン25を露出させる開閉部50と、を備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人によって操作される操作装置であって、
正面に通常入力部を有し、背面または側面に特殊入力部を有する操作部と、
前記操作部を傾倒姿勢にする傾倒角度と起立姿勢にする起立角度との間で角度変更可能に支持する取付部と、
前記操作部を前記傾倒角度にした場合に前記特殊入力部を覆い隠し、前記操作部を前記起立角度にした場合に前記特殊入力部を露出させる開閉部と、を備えていることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記開閉部は、
前記特殊入力部を覆い隠す閉塞位置と前記特殊入力部を露出させる開放位置との間でスライド可能に前記操作部に支持されるカバーと、
長手方向の中間部で前記取付部に回動可能に支持され、長手方向の一端部を前記カバーに可動可能に係合させ、長手方向の他端部を前記操作部に可動可能に係合させているレバーと、を有し、
前記操作部を前記傾倒角度から前記起立角度にする場合、前記レバーは、一方向に回動しながら前記カバーを前記閉塞位置から前記開放位置にスライドさせ、
前記操作部を前記起立角度から前記傾倒角度にする場合、前記レバーは、他方向に回動しながら前記カバーを前記開放位置から前記閉塞位置にスライドさせることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記レバーは、
長手方向に伸長するレバー本体部と、
前記レバー本体部の長手方向の中間部の両側部から外側に突出し、前記取付部に設けられた一対の回動支持部に回動可能に嵌合する一対の回動軸部と、
前記レバー本体部の長手方向の一端部に設けられ、前記カバーに設けられた支持軸部に回動可能に嵌合するフック部と、
前記レバー本体部の長手方向の他端部に形成され、前記操作部に設けられた当接片に突き当てられる当接面部と、を有していることを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記操作部を前記傾倒角度と前記起立角度とを含む任意の角度に保持する第1角度保持部を更に備え、
前記第1角度保持部は、
前記操作部に設けられ、円弧状に並設された複数の歯を有するラック部と、
前記取付部に回転可能に支持され、前記ラック部に噛み合うギヤ部と、
前記ギヤ部の回転に負荷を与え、前記ギヤ部を任意の角度に保持する負荷部と、を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の操作装置。
【請求項5】
前記操作部を前記傾倒角度と前記起立角度から選択された角度に保持する第2角度保持部を更に備え、
前記第2角度保持部は、
前記操作部と前記取付部の何れか一方に前記傾倒角度と前記起立角度とに応じて設けられた少なくとも2つの係合部と、
前記操作部と前記取付部の何れか他方に設けられ、複数の前記係合部から選択された1つの前記係合部に係合する被係合部と、を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の操作装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の操作装置と、
シートに画像を形成する作像装置と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の電子機器には、ユーザーによって操作される操作装置が設けられている。例えば、操作装置は、本体に回動可能に設けられたタッチパネル体と、タッチパネル体を所望の回動角度に維持するチルト機構と、を備えている(特許文献1)。タッチパネル体は、本体に対して倒伏した第1姿勢と、本体に対して起立した第2姿勢とに姿勢変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-105557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電子機器のメンテナンスをする際、例えば、保守作業者が複数のキーを同時に長押しする等、特殊な操作を行うことがある。しかしながら、電子機器の機種に応じて特殊な操作手順が異なることもあり、簡素な操作でメンテナンスを行えるようにすることが望まれている。そこで、メンテナンス時に操作される特殊なボタン等が、タッチパネル体の背面等、目立たない位置に設けられる場合がある。このような特殊なボタン等は、誤操作を防止する観点から、通常使用時には露出させないことが好ましい。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、通常使用時に特殊入力部を覆い隠すことができる操作装置および画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、人によって操作される操作装置であって、正面に通常入力部を有し、背面または側面に特殊入力部を有する操作部と、前記操作部を傾倒姿勢にする傾倒角度と起立姿勢にする起立角度との間で角度変更可能に支持する取付部と、前記操作部を前記傾倒角度にした場合に前記特殊入力部を覆い隠し、前記操作部を前記起立角度にした場合に前記特殊入力部を露出させる開閉部と、を備えている。
【0007】
この場合、前記開閉部は、前記特殊入力部を覆い隠す閉塞位置と前記特殊入力部を露出させる開放位置との間でスライド可能に前記操作部に支持されるカバーと、長手方向の中間部で前記取付部に回動可能に支持され、長手方向の一端部を前記カバーに可動可能に係合させ、長手方向の他端部を前記操作部に可動可能に係合させているレバーと、を有し、前記操作部を前記傾倒角度から前記起立角度にする場合、前記レバーは、一方向に回動しながら前記カバーを前記閉塞位置から前記開放位置にスライドさせ、前記操作部を前記起立角度から前記傾倒角度にする場合、前記レバーは、他方向に回動しながら前記カバーを前記開放位置から前記閉塞位置にスライドさせるとよい。
【0008】
この場合、前記レバーは、長手方向に伸長するレバー本体部と、前記レバー本体部の長手方向の中間部の両側部から外側に突出し、前記取付部に設けられた一対の回動支持部に回動可能に嵌合する一対の回動軸部と、前記レバー本体部の長手方向の一端部に設けられ、前記カバーに設けられた支持軸部に回動可能に嵌合するフック部と、前記レバー本体部の長手方向の他端部に形成され、前記操作部に設けられた当接片に突き当てられる当接面部と、を有しているとよい。
【0009】
この場合、前記操作部を前記傾倒角度と前記起立角度とを含む任意の角度に保持する第1角度保持部を更に備え、前記第1角度保持部は、前記操作部に設けられ、円弧状に並設された複数の歯を有するラック部と、前記取付部に回転可能に支持され、前記ラック部に噛み合うギヤ部と、前記ギヤ部の回転に負荷を与え、前記ギヤ部を任意の角度に保持する負荷部と、を有しているとよい。
【0010】
また、この場合、前記操作部を前記傾倒角度と前記起立角度から選択された角度に保持する第2角度保持部を更に備え、前記第2角度保持部は、前記操作部と前記取付部の何れか一方に前記傾倒角度と前記起立角度とに応じて設けられた少なくとも2つの係合部と、前記操作部と前記取付部の何れか他方に設けられ、複数の前記係合部から選択された1つの前記係合部に係合する被係合部と、を有しているとよい。
【0011】
本発明に係る画像形成装置は、上記のいずれかに記載の操作装置と、シートに画像を形成する作像装置と、を備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通常使用時に特殊入力部を覆い隠すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る操作装置(傾倒角度(30度))を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る操作装置(起立角度(85度))を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る操作装置の操作部等を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る操作装置の取付部等を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る操作装置の開閉部を示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る操作装置(傾倒角度(30度))を示す左側面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る操作装置(傾倒角度(30度))の第1角度保持部等を示す断面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る操作装置(傾倒角度(30度))の開閉部等を示す断面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る操作装置(傾倒角度(50度))を示す左側面図である。
図11】本発明の一実施形態に係る操作装置(傾倒角度(50度))の第1角度保持部等を示す断面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る操作装置(傾倒角度(50度))の開閉部等を示す断面図である。
図13】本発明の一実施形態に係る操作装置(傾倒角度(70度))を示す左側面図である。
図14】本発明の一実施形態に係る操作装置(傾倒角度(70度))の第1角度保持部等を示す断面図である。
図15】本発明の一実施形態に係る操作装置(傾倒角度(70度))の開閉部等を示す断面図である。
図16】本発明の一実施形態に係る操作装置(起立角度(85度))を示す左側面図である。
図17】本発明の一実施形態に係る操作装置(起立角度(85度))の第1角度保持部等を示す断面図である。
図18】本発明の一実施形態に係る操作装置(起立角度(85度))の開閉部等を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0015】
[画像形成装置]
図1を参照して、画像形成装置1について説明する。図1は画像形成装置1を示す斜視図である。画像形成装置1は、いわゆる複合機であって、作像装置1Aと、画像読取装置1Bと、を備えている。
【0016】
[作像装置]
作像装置1Aは、略直方体状の外観を構成する装置本体2を備えている。装置本体2の下側には、シートの一例としての用紙(図示せず)を収容する複数(例えば4つ)の給紙カセット3が着脱可能に設けられている。装置本体2の内部(最上段の給紙カセット3よりも上方)には、用紙に電子写真方式で画像を形成する作像部4が設けられている。また、装置本体2の上面には、画像を形成(印刷)された用紙が排出される排紙トレイ5が設けられている。なお、図示は省略するが、作像部4は、トナーコンテナ、感光体ドラム、帯電装置、現像装置、転写ローラー、光走査装置および定着装置等、電子写真方式で用紙に画像形成するために必要な構成を含んでいる。また、作像部4は、フルカラーの画像を形成してもよいし、モノクロの画像を形成してもよい。
【0017】
装置本体2の上部には、画像読取装置1Bを支持する連結支持部2Aが設けられている。連結支持部2Aは、平面から見て、排紙トレイ5の後側および右側を囲むように略L字状に形成されている。なお、連結支持部2Aは、装置本体2の一部であって、装置本体2と一体に形成されている。また、連結支持部2Aを含む装置本体2は、金属製のフレームと、このフレームに固定された合成樹脂製の部材と、を含んでいる。
【0018】
[画像読取装置]
図1に示すように、画像読取装置1Bは、読取ユニット7と、搬送ユニット8と、を備えている。読取ユニット7は、原稿(図示せず)の画像を読み取る機能を有し、搬送ユニット8は、読取ユニット7による読取位置に原稿を搬送する機能を有している。
【0019】
<読取ユニット>
読取ユニット7は、連結支持部2Aの上部に取り付けられ、排紙トレイ5から上方に離れた位置に配置されている。排紙トレイ5と読取ユニット7との間には、複数の用紙を積載することができるように空間が構成されている。読取ユニット7の筐体には、セットされた原稿上の画像を読み取る光学系機器(図示せず)が内蔵されている。また、読取ユニット7の右前部には、人(ユーザーや保守作業者等)によって操作される操作装置15が設けられている。
【0020】
<搬送ユニット>
搬送ユニット8は、読取ユニット7の上面に配置され、読取ユニット7の後部上面に設けられたヒンジ(図示せず)を介して開閉可能に支持されている。搬送ユニット8は、搬送機構部10と、原稿供給トレイ11と、原稿排出トレイ12と、を有している。搬送機構部10は、読取ユニット7の上面の略左半分に配置され、原稿供給トレイ11は、搬送機構部10の右端上部から右方に伸長し、原稿排出トレイ12は、読取ユニット7の上面の略右半分に配置されている。原稿供給トレイ11は、原稿排出トレイ12から上方に離れた位置に配置されている。原稿排出トレイ12と原稿供給トレイ11との間には、複数の原稿を積載することができるように空間が構成されている。搬送機構部10は、原稿供給トレイ11にセットされた原稿を読取位置に搬送した後、原稿排出トレイ12に排出する。
【0021】
なお、画像形成装置1には、用紙への画像形成動作や原稿の読取動作等を統括的に制御する制御部(図示せず)が設けられている。
【0022】
[操作装置]
次に、図1ないし図6を参照して、操作装置15について説明する。図2は操作装置15(傾倒角度α(30度))を示す斜視図である。図3は操作装置15(起立角度β(85度))を示す斜視図である。図4は操作装置15の操作部20等を示す斜視図である。図5は操作装置15の取付部30等を示す斜視図である。図6は操作装置15の開閉部50を示す斜視図である。
【0023】
図1ないし図3に示すように、操作装置15は、ユーザーの操作の用に供される操作部20と、操作部20を回動可能に支持する取付部30と、を備えている。操作部20は、概ね厚板状(略直方体状)となる外観を備えている。図1に示すように、操作部20の正面(図1では上面)には、画像形成や原稿読取等の各種の指示をユーザーが入力するためのタッチパネル23やホームボタン24等が設けられている。タッチパネル23には、ユーザーに提示される各種の情報が表示される。一方で、図3に示すように、操作部20の背面(図1では下面(図1では図示せず))には、例えば、メンテナンス時に操作されるメンテナンスボタン25が設けられている。メンテナンスボタン25は、例えば、プッシュプル式のボタンであって、メンテナンスの際に制御部から入出力データ(ログ)を出力させるために、保守作業者によって押される。なお、操作部20(タッチパネル23、ホームボタン24、メンテナンスボタン25)は、電気的に制御部に接続され、適宜制御される。
【0024】
ユーザーは、操作部20の操作性や視認性の見やすさを考慮して、操作部20の角度を適宜変更することができる。ここで、メンテナンスボタン25が常に露出していると、例えば、操作部20の角度を変更するために操作部20を把持した一般のユーザーが、メンテナンスボタン25を誤って押してしまう虞がある、このため、メンテナンスボタン25は、誤操作を防止する観点から、通常使用時には露出させないことが好ましい。また、メンテナンスボタン25は、保守作業者のみに操作されるべきであり、通常使用時に一般ユーザーの目に触れないようにすることが好ましい。そこで、本実施形態に係る操作装置15は、通常使用時にメンテナンスボタン25を覆い隠すことができるように構成されている。
【0025】
図2ないし図6に示すように、操作装置15は、上記した操作部20および取付部30に加えて、第1角度保持部40と、一対の第2角度保持部45と、開閉部50と、備えている。なお、一対の第2角度保持部45は、概ね同一構造であるため、以下の説明では、主に、1つ(左方)の第2角度保持部45について説明する。
【0026】
<操作部>
図2ないし図4に示すように、操作部20は、ユーザーによって操作される部分であって、操作本体21と、操作支持部22と、を有している。
【0027】
(操作本体部)
操作本体21は、金属製のフレームに固定された合成樹脂製の部材を含み、略厚板状(略直方体状)に形成されている。操作本体21は、表面に通常入力部の一例としてのタッチパネル23やホームボタン24等を有し(図1参照)、背面に特殊入力部の一例としてのメンテナンスボタン25を有している(図4参照)。操作本体21の背面の略下半分には、略上半分よりも後方に盛り上がるように凸面部21Aが形成されている。凸面部21A(操作本体21の左右方向の中央付近)には、左右一対のスライドレール26が突設されている。一対のスライドレール26は、左右方向に間隔をあけ、上下方向に伸長している。メンテナンスボタン25は、一対のスライドレール26の間隔の略中央に設けられている(図4参照)。なお、メンテナンスボタン25は、凸面部21Aの表面から突出しないように設けられている(図4参照)。
【0028】
(操作支持部)
操作支持部22は、例えば、合成樹脂製で、操作本体21の外装(合成樹脂製)と一体に形成されている。操作支持部22は、操作本体21の下部から後斜め下方に向かって延設されている。操作支持部22は、側方から見て略1/4円形断面となる筒状に形成されている。操作支持部22は、略1/4円形となる略扇状に形成された一対の支持側板22Aと、一対の支持側板22Aに架設される湾曲した支持曲板22Bと、を有している。なお、一対の支持側板22Aは、左右対称となる形状であるため、以下の説明では、1つ(左方)の支持側板22Aについて説明する。また、各図では、左方の支持側板22Aのみを示している。
【0029】
図4に示すように、各々の支持側板22Aの下部(先端部)には、略円形状の軸穴22Cが開口している。支持曲板22Bは、支持側板22Aと略同一の曲率で湾曲するように形成されている。支持曲板22Bと操作本体21の背面との接続部付近には、後述するカバー51を貫通させるための貫通穴27が開口している。貫通穴27は、一対のスライドレール26の間に形成されている。支持曲板22Bの左右方向の中間部(左右方向でメンテナンスボタン25に対応する位置)には、当接片28が支持曲板22Bの内面から径方向の内側に向かって伸長している。
【0030】
図2および図4に示すように、支持曲板22Bの左右両側の下端部には、後述する第2角度保持部45に含まれる一対のアーム部48と一対の係合爪47が一体に形成されている。各々のアーム部48は、支持曲板22Bの下端部から下方に向かって支持曲板22Bと略同一の曲率で湾曲しながら伸長している。各々の係合爪47は、アーム部48の先端部に設けられている。
【0031】
<取付部>
図5に示すように、取付部30は、例えば、合成樹脂製で概ねブロック状に形成されている。取付部30の左右方向の両側には一対の軸壁30Aが起立姿勢で設けられ、一対の軸壁30Aから左方に向かって一対の回転軸部31が突き出している。一対の回転軸部31の左方に配置された操作部20(操作支持部22)が右方に移動されることで、一対の回転軸部31が操作支持部22の一対の軸穴22Cに差し込まれる(図2参照)。これにより、操作部20は、取付部30に回動(揺動)可能に支持される(図2参照)。詳細には、取付部30は、後述する第1角度保持部40と第2角度保持部45と協働して、操作部20を傾倒姿勢S1にする傾倒角度α(例えば、30度、50度、70度)と起立姿勢S2にする起立角度β(例えば、85度)との間で角度変更可能に支持する。
【0032】
一対の回転軸部31の間には、後述する開閉部50のレバー52を回動可能に支持する一対の支持壁30Bが起立姿勢で設けられている。各々の支持壁30Bには、後述するレバー52の回動軸部57を支持する軸嵌合部32が形成されている(図5では右方のみを示している。)。また、左方の支持壁30Bには、後述する第1角度保持部40に含まれるギヤ部42等が取り付けられている。取付部30の左右両側には、後述する第2角度保持部45に含まれる複数の係合凸部46が設けられている。なお、各図では、主に左方の複数の係合凸部46のみを示している。
【0033】
<第1角度保持部>
図5に示すように、第1角度保持部40は、ラック部41(後述する図8参照)と、ギヤ部42と、負荷部43と、を有している。第1角度保持部40は、操作部20を傾倒角度αと起立角度βとを含む任意の角度に保持する機能を有している。
【0034】
(ラック部)
ラック部41は、操作部20(操作支持部22)の左右方向の中央付近に設けられている。ラック部41は、操作支持部22の支持曲板22Bの裏面において、支持曲板22Bに沿って円弧状に並設された複数の歯を有している(図8参照)。複数の歯は、支持曲板22Bと一体に形成され、支持曲板22Bの裏面から径方向の内側に向かって突き出している(図8参照)。
【0035】
(ギヤ部)
図5に示すように、ギヤ部42は、取付部30の左方の支持壁30Bの左面に接触するように配置された平歯車である。ギヤ部42は、左方の支持壁30Bに対して左方から取り付けられたボルト44を介して取付部30(左方の支持壁30B)に回転可能に支持されている。ギヤ部42は、支持曲板22Bの裏面に形成されたラック部41に噛み合っている(図8参照)。
【0036】
(負荷部)
負荷部43は、ボルト44の軸部に巻き付けられ、ギヤ部42とボルト44の頭部(フランジ部)との間に架設されたコイルスプリングである。負荷部43は、ギヤ部42を左方の支持壁30Bに押し付けることで、ギヤ部42の回転に負荷を与え、ギヤ部42を任意の角度に保持する。
【0037】
<第2角度保持部>
図2図4および図5に示すように、第2角度保持部45は、複数(例えば4つ)の係合凸部46と、係合爪47と、を有している。第2角度保持部45は、操作部20を3つの傾倒角度αと1つの起立角度βから選択された角度に保持する機能を有している。
【0038】
(係合凸部)
複数の係合部の一例としての複数の係合凸部46は、取付部30の左右両側に設けられている。詳細に説明すると、図5に示すように、取付部30の左方の側壁には、支持曲板22B(アーム部48)の回動軌跡に沿って略1/4円形となる略扇状の切欠き部30Cが形成され、複数の係合凸部46は、切欠き部30Cの湾曲した縁部に沿って間隔をあけて突出している。右方の複数の係合凸部46は、取付部30の右方の側壁沿いに形成されている(図5では1つの係合凸部46のみを示す。)。複数の係合凸部46は、3つの傾倒角度α(30度、50度、70度)と1つの起立角度β(85度)とに応じて設けられている。
【0039】
(係合爪)
図2および図4に示すように、被係合部の一例としての係合爪47は、操作部20のアーム部48に設けられている。係合爪47は、アーム部48の先端部から径方向の外側に向かって突き出し、複数の係合凸部46から選択された1つの係合凸部46に係合する。
【0040】
<開閉部>
図6に示すように、開閉部50は、カバー51と、レバー52と、を有している。開閉部50は、操作部20を傾倒角度α(30度、50度、70度)にした場合にメンテナンスボタン25を覆い隠し、操作部20を起立角度β(85度)にした場合にメンテナンスボタン25を露出させる機能を有している。
【0041】
(カバー)
カバー51は、例えば、合成樹脂で一体に成型され、側面から見て略クランク状に形成されている。カバー51は、本体板53と、連結板54と、架設板55と、を有している。
【0042】
本体板53は、操作部20の凸面部21Aと略同一高さとなる平板状に形成されている。連結板54は、本体板53よりも背の低い平板状に形成され、本体板53よりも下方かつ前方で本体板53と略平行に配置されている。架設板55は、本体板53の下端と連結板54の上端との間に架設されている。架設板55は、操作部20の凸面部21Aの厚みと略同一の長さとなる平板状に形成され、側面から見て後方から前方に向かって下方に傾斜している。連結板54の下側には略長方形状の連結穴54Aが開口しており、連結板54の下端(連結穴54Aの下縁部)は略円柱状の支持軸部54Bとなっている。
【0043】
本体板53は、下方から操作部20に開口した貫通穴27を通り、一対のスライドレール26の間に差し込まれ、凸面部21Aの表面に接触または僅かな隙間を挟んで対向する(図2および図3参照)。本体板53は、一対のスライドレール26に沿ってスライド可能に支持されている。詳細には、カバー51(本体板53)は、メンテナンスボタン25を覆い隠す閉塞位置P1(図2参照)とメンテナンスボタン25を露出させる開放位置P2(図3参照)との間でスライド可能に操作部20に支持される。架設板55は、凸面部21Aの下方で、操作本体21の表面(タッチパネル23の側)に延びている。
【0044】
(レバー)
レバー52は、例えば、合成樹脂製で略平板状に形成されている。レバー52は、レバー本体部56と、一対の回動軸部57と、フック部58と、当接面部59と、を有している。回動軸部57、フック部58および当接面部59は、レバー本体部56と一体に成型されている。
【0045】
レバー本体部56は、長手方向に伸長する略長方形の板状に形成されている。一対の回動軸部57は、レバー本体部56の長手方向の中間部の両側部から外側に突出している。各々の回動軸部57は、略直方体状に形成された突起である。一対の回動軸部57は、長手方向の中央よりも他方(当接片28の側)にずれた位置に設けられている。本実施形態では、一例として、レバー本体部56の長手方向の一端部(フック部58の軸心)から回動軸部57(軸心)までの距離(L1)は、レバー本体部56の長手方向の他端部から回動軸部57(軸心)までの距離(L2)の約2倍に設定されている(L1:L2=2:1)。
【0046】
フック部58は、レバー本体部56の長手方向の一端部に設けられている。フック部58は、略釣り針状(略鉤状)に湾曲しており、側面から見て円弧の一部を切り欠いたような形状とされている。当接面部59は、レバー本体部56の長手方向の他端部に形成されている。正確には、当接面部59は、回動軸部57よりも流れ方向の他方に延びたレバー本体部56の一部である。
【0047】
レバー52は、取付部30に設けられた一対の支持壁30Bの間に配置され、一対の回動軸部57は、一対の支持壁30Bに形成された一対の軸嵌合部32に回動可能に嵌合する(図3参照)。フック部58は、カバー51に形成された連結穴54Aに差し込まれ、支持軸部54Bに回動可能に嵌合する(後述する図9参照)。当接面部59は、操作部20に設けられた当接片28(の先端)に突き当てられる(図3参照)。この状態で、レバー52は、長手方向の中間部で取付部30に回動可能に支持され、長手方向の一端部をカバー51に可動可能に係合させ、長手方向の他端部を操作部20に可動可能に係合させている(後述する図9参照)。
【0048】
[操作部の角度変更]
次に、図7ないし図18を参照して、操作部20を角度変更(姿勢変更)する場合について説明する。図7は操作装置15(傾倒角度α(30度))を示す左側面図である。図8は操作装置15(傾倒角度α(30度))の第1角度保持部40等を示す断面図である。図9は操作装置15(傾倒角度α(30度))の開閉部50等を示す断面図である。図10は操作装置15(傾倒角度α(50度))を示す左側面図である。図11は操作装置15(傾倒角度α(50度))の第1角度保持部40等を示す断面図である。図12は操作装置15(傾倒角度α(50度))の開閉部50等を示す断面図である。図13は操作装置15(傾倒角度α(70度))を示す左側面図である。図14は操作装置15(傾倒角度α(70度))の第1角度保持部40等を示す断面図である。図15は操作装置15(傾倒角度α(70度))の開閉部50等を示す断面図である。図16は操作装置15(起立角度β(85度))を示す左側面図である。図17は操作装置15(起立角度β(85度))の第1角度保持部40等を示す断面図である。図18は操作装置15(起立角度β(85度))の開閉部50等を示す断面図である。なお、本明細書では、説明の便宜のため、操作部20の初期状態として、取付部30(水平線)に対する操作部20の角度が、傾倒角度α(30度)であることとする。また、操作部20の角度(傾倒角度α、起立角度β)は、回転軸部31の軸心を通る水平線と、カバー51(本体板53)または操作部20(凸面部21A)の背面との成す角度を指す。
【0049】
<傾倒角度(30度)>
傾倒姿勢S1とされた操作部20の傾倒角度αが30度である場合、第2角度保持部45の係合爪47は、最も下方(前方)の係合凸部46の下側(前側)に引っ掛かっている(図7参照)。第1角度保持部40のギヤ部42は、ラック部41の支持曲板22Bの根元側に位置する歯に噛み合っている(図8参照)。ギヤ部42は、負荷部43から負荷を与えられ、操作部20の重さでは回転しない。このため、操作部20は傾倒姿勢S1(傾倒角度α(30度))に保持される(図7ないし図9参照)。また、図7ないし図9に示すように、カバー51の本体板53は、操作部20の凸面部21A全体を覆っている。つまり、カバー51はメンテナンスボタン25を覆い隠す閉塞位置P1(30度)に配置され、メンテナンスボタン25は露出しない(図2も参照)。レバー52は、フック部58を上方に位置させ略直立した姿勢とされている。カバー51の連結板54とレバー52のレバー本体部56との成す角度(θ1)は鈍角となっている(図9参照)。
【0050】
<傾倒角度=50度>
操作部20の傾倒角度αを30度から50度に変える場合、ユーザーは、操作部20に手を掛けて、負荷部43による負荷を越える力で操作部20を手前に引き起こす(図10に示す実線矢印参照)。操作部20は、回転軸部31を中心にして時計回りに回動し、操作支持部22(支持曲板22B)に設けられたラック部41は、負荷部43による負荷に抗してギヤ部42を時計回りに回転させる(図11に示す実線矢印参照)。第2角度保持部45の係合爪47は、アーム部48を撓ませながら最下段と下から2番目の係合凸部46を乗り越えて、下から2番目の係合凸部46の上側に引っ掛かる(図10参照)。この状態で、ユーザーによる操作部20の回動を停止すると、操作部20は負荷部43からの負荷によって傾倒姿勢S1(傾倒角度α(50度))に保持される。また、操作部20(当接片28と当接面部59との接点(力点))の回動に伴って、レバー52は、回動軸部57を支点にして時計回りに回動しながらカバー51(フック部58に嵌合した支持軸部54B(作用点))を引き下げる(図12に示す実線矢印参照)。この状態でも、カバー51(本体板53)はメンテナンスボタン25を覆い隠す閉塞位置P1(50度)に配置され、メンテナンスボタン25は露出しない(図11および図12参照)。連結板54とレバー本体部56との成す角度(θ2)は、上記した角度(θ1)よりも小さな鈍角になる(θ1>θ2(図11および図12参照))。
【0051】
<傾倒角度=70度>
操作部20の傾倒角度αを50度から70度に変える場合も、上記した傾倒角度αを30度から50度に変える場合と同様である。ユーザーが操作部20を手前に引き起こすことで、操作部20が回転軸部31まわりに回動し、ラック部41が負荷部43による負荷に抗してギヤ部42を回転させる(図13および図14に示す実線矢印参照)。係合爪47は、アーム部48を撓ませながら下から2番目と3番目の係合凸部46を乗り越えて、下から3番目の係合凸部46の上側に引っ掛かる(図13参照)。この状態で、操作部20は負荷部43からの負荷によって傾倒姿勢S1(傾倒角度α(70度))に保持される。また、操作部20の回動に伴って、レバー52は、回動軸部57まわりに回動しながらカバー51を更に引き下げる(図15に示す実線矢印参照)。この状態でも、カバー51(本体板53)はメンテナンスボタン25を覆い隠す閉塞位置P1(70度)に配置され、メンテナンスボタン25は露出しない(図14および図15参照)。連結板54とレバー本体部56との成す角度(θ3)は、上記した角度(θ2)よりも小さな鈍角になる(θ2>θ3(図14および図15参照))。
【0052】
<起立角度=85度>
メンテナンスを実行する際、保守作業者が、操作部20を傾倒角度α(70度)から起立角度β(85度)に変更する。この場合も、基本的には、上記したユーザーが操作部20の傾倒角度α(30度、50度、70度)を変える場合と同様である。保守作業者が操作部20を手前に引き起こすことで、操作部20が回転軸部31まわりに回動し、ラック部41が負荷部43による負荷に抗してギヤ部42を回転させる(図16および図17に示す実線矢印参照)。ギヤ部42は、ラック部41の支持曲板22Bの先端側に位置する歯に噛み合っている。係合爪47は、アーム部48を撓ませながら下から3番目と最上段の係合凸部46を乗り越えて、最上段の係合凸部46の上側に引っ掛かる(図16参照)。この状態で、操作部20は負荷部43からの負荷によって起立姿勢S2(起立角度β(85度))に保持される。また、操作部20の回動に伴って、レバー52は、回動軸部57まわりに回動しながらカバー51を更に引き下げる(図18に示す実線矢印参照)。この状態で、カバー51(本体板53)はメンテナンスボタン25を露出させる開放位置P2に配置され、保守作業者はメンテナンスボタン25を押すことが可能になる(図3も参照)。連結板54とレバー本体部56との成す角度(θ4)は、上記した角度(θ3)よりも小さくなり、略直角(または鋭角)になる(θ3>θ4(図17および図18参照))
【0053】
なお、上記した操作部20の角度変更(姿勢変更)に関する説明では、30度、50度、70度、85度の順に一段ずつ角度を変更していたが、これに限らず、30度から70度または85度に角度を変更してもよい。
【0054】
メンテナンスが完了した後、保守作業者は、操作部20を起立角度β(85度)から傾倒角度α(30度、50度、70度の何れかの角度)に変更する。操作部20を起立角度βから傾倒角度αに変更する動作は、上記した操作部20を傾倒角度αから起立角度βに変更する動作とは逆の動作となる。簡単に説明すると、保守作業者が操作部20を奥側に押し倒すことで、操作部20は回転軸部31を中心にして反時計回りに回動し、ラック部41が負荷部43による負荷に抗してギヤ部42を反時計回りに回転させる(例えば図16および図17に示す破線矢印参照)。係合爪47は、アーム部48を撓ませながら最上段の係合凸部46を乗り越えて、下方の何れかの係合凸部46に引っ掛かる。操作部20(当接片28と当接面部59との接点(力点))の回動に伴って、レバー52は、回動軸部57を支点にして反時計回りに回動しながらカバー51(フック部58に嵌合した支持軸部54B(作用点))を押し上げる(例えば図17に示す破線矢印参照)。この状態で、カバー51(本体板53)はメンテナンスボタン25を覆い隠す閉塞位置P1に配置される(例えば図14および図15に示す破線矢印参照)。なお、図7ないし図18に示す破線矢印は、操作部20を倒す場合の向きを示している。
【0055】
以上説明した本実施形態に係る操作装置15では、開閉部50が、操作部20を傾倒角度αにした場合にメンテナンスボタン25(特殊入力部)を覆い隠し、操作部20を起立角度βにした場合にメンテナンスボタン25を露出させていた。具体的には、操作部20を傾倒角度αから起立角度βにする場合、レバー52が、一方向に回動しながらカバー51を閉塞位置P1から開放位置P2にスライドさせ、操作部20を起立角度βから傾倒角度αにする場合、レバー52が、他方向に回動しながらカバー51を開放位置P2から閉塞位置P1にスライドさせていた。この構成によれば、傾倒角度αにした操作部20がユーザーによる通常の使用に供されることで、通常使用時にメンテナンスボタン25をカバー51によって覆い隠すことができる。これにより、ユーザーがメンテナンスボタン25を目視したりメンテナンスボタン25に触れたりすることを防止することができ、ユーザーがメンテナンスボタン25を誤って押す等、誤操作を抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る操作装置15によれば、取付部30に支持されたレバー52のフック部58をカバー51の支持軸部54Bに嵌め込み、レバー52の当接面部59を操作部20の当接片28に当てることで、操作部20の角度変化に応じてカバー51をスライドさせることができる。これにより、カバー51をスライドさせるためにモーター等の電気部品を使用した場合に比べて、開閉部50の構造や組立工数を簡素化することができ、開閉部50の製造コストを低減することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る操作装置15によれば、第1角度保持部40および第2角度保持部45が操作部20を傾倒角度αと起立角度βのいずれかの角度に保持するため、ユーザーは、操作部20を傾倒角度αと起立角度βのいずれかの角度に簡単かつ迅速に変更することができる。
【0058】
なお、本実施形態に係る操作装置15では、メンテナンスボタン25が操作部20の背面の左右方向の略中央付近に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。メンテナンスボタン25は、操作部20の背面の左右方向の何れか一方にずれた位置に設けられてもよい(図示せず)。また、メンテナンスボタン25は、操作部20の左右方向の何れか一方の側面に設けられてもよい(図示せず)。この場合、例えば、カバー51は、略L字状に形成され、操作部20の背面の一部と側面とを覆うように配置されるとよい(図示せず)。また、カバー51は、操作部20の側面のみを覆うように形成されてもよい(図示せず)。
【0059】
また、本実施形態に係る操作装置15では、一例として、取付部30に対する操作部20の傾倒角度αが30度、50度、70度にされていたが、本発明はこれに限定されない。傾倒角度αは、0度以上、90度未満の範囲で1つ以上設定されていればよい。すなわち、操作部20が取付部30に対して0度以上、90度未満となる姿勢を傾倒姿勢S1としてもよい。つまり、操作部20は、略水平となる横臥姿勢(=傾倒姿勢S1)とされてもよい(図示せず)。
【0060】
また、本実施形態に係る操作装置15では、一例として、取付部30に対する操作部20の起立角度βが85度にされていたが、本発明はこれに限定されない。起立角度βは、傾倒角度αよりも大きく、操作部20が概ね起立しているように見える角度、具体例としては、80度以上、100度以下の範囲で設定されていればよい。つまり、操作部20は、略垂直となる直立姿勢(=起立姿勢S2)とされてもよい(図示せず)。
【0061】
また、本実施形態に係る操作装置15では、操作部20が、3つの傾倒角度α(30度、50度、70度)と、1つの起立角度β(85度)との間で変化可能とされていたが、本発明はこれに限定されない。操作部20は、1つ以上の傾倒角度αと、1つ以上の起立角度βとの間で変化可能とされていればよい(図示せず)。したがって、第2角度保持部45の係合凸部46は、傾倒角度αと起立角度βに応じて2つ以上設けられていればよい(図示せず)。
【0062】
また、本実施形態に係る操作装置15では、第1角度保持部40と第2角度保持部45とが設けられていたが、本発明はこれに限定されない。第1角度保持部40と第2角度保持部45の何れか一方は省略されてもよい(図示せず)。例えば、第2角度保持部45を省略し、第1角度保持部40のみを設けた場合、操作部20を任意の角度に保持することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る操作装置15では、第2角度保持部45が、操作部20と取付部30との左右両側に設けられていたが、これに限らず、操作部20と取付部30との左右方向の何れか一方に設けられてもよい(いずれも図示せず)。また、本実施形態に係る操作装置15では、係合凸部46(係合部)が取付部30に設けられ、係合爪47(被係合部)が操作部20に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。これらとは逆に、係合凸部46が操作部20に設けられ、係合爪47が取付部30に設けられてもよい(図示せず)。また、係合部の一例が係合凸部46であったが、これに代えて、係合爪47が嵌り込む凹みであってもよい(図示せず)。
【0064】
また、本実施形態に係る操作装置15では、カバー51が、略クランク状に折れ曲がった形状とされていたが、これに限らず、例えば、一枚の平板状に形成されてもよい(図示せず)。また、本体板53、連結板54および架設板55が略同じ幅の板状に形成されていたが、これに限らず、例えば、本体板53が幅広い板状に形成され、連結板54および架設板55は本体板53よりも幅狭い板状または棒状に形成されてもよい(図示せず)。また、レバー52が、一枚の平板状に形成されていたが、これに限らず、例えば、棒状に形成されてもよい(図示せず)。また、レバー52の当接面部59は、操作部20の当接片28に接しているだけであったが、これに限らず、例えば、当接片28が長手方向に移動可能な状態で当接面部59に係合してもよい(図示せず)。
【0065】
また、本実施形態に係る操作装置15では、特殊入力部の一例がメンテナンスボタン25(プッシュプル式)であったが、これに限らず、特殊入力部の他の例として、スライドスイッチ、トグルスイッチ、ロッカースイッチ、ディップスイッチ、ロータリースイッチ等であってもよいし、光電センサー、近接センサー、接触式変位センサー、指紋センサー、タッチパネル等であってもよい(図示せず)。
【0066】
また、本実施形態に係る画像形成装置1は、いわゆる複合機であったが、これに限らず、プリンター、コピー機、ファクシミリ等であってもよい。また、作像装置1Aの画像形成方式が、電子写真式であったが、これに限らず、インクジェット式であってもよい。
【0067】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る操作装置および画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施態様に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0068】
1 画像形成装置
1A 作像装置
15 操作装置
20 操作部
23 タッチパネル(通常入力部)
24 ホームボタン(通常入力部)
25 メンテナンスボタン(特殊入力部)
28 当接片
30 取付部
50 開閉部
51 カバー
52 レバー
54B 支持軸部
56 レバー本体部
57 回動軸部
58 フック部
59 当接面部
40 第1角度保持部
41 ラック部
42 ギヤ部
43 負荷部
45 第2角度保持部
46 係合凸部(係合部)
47 係合爪(被係合部)
S1 傾倒姿勢
S2 起立姿勢
P1 閉塞位置
P2 開放位置
α 傾倒角度
β 起立角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18