(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153267
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】表示処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20241022BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20241022BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06F3/0481
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067050
(22)【出願日】2023-04-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】511146118
【氏名又は名称】株式会社スカイダイニング
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】片岡 宏明
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5E555AA30
5E555BA02
5E555BA68
5E555BB02
5E555BC14
5E555CB74
5E555DB58
5E555DC21
5E555EA26
5E555FA00
5L049CC23
5L050CC23
(57)【要約】
【課題】注文メニューを適切なタイミングで提供するのを支援することを目的とする。
【解決手段】利用客により注文された注文メニューを取得する取得部と、注文メニューの提供タイミングに応じた複数の表示領域のうち、注文メニューの前記提供タイミングに応じた表示領域内に、注文メニューを表示する表示処理部と、を備える。複数の表示領域には、提供タイミングに応じた表示領域として、他の注文メニューよりも先に提供する注文メニューを表示する先出し表示領域、他の注文メニューよりも後に提供する注文メニューを表示する後出し表示領域、及び、他の注文メニューと同時に提供する注文メニューを表示する同時表示領域、のうち少なくとも1つが含まれる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用客により注文された注文メニューを取得する取得部と、
前記注文メニューの提供タイミングに応じた複数の表示領域のうち、前記注文メニューの前記提供タイミングに応じた前記表示領域内に、前記注文メニューを表示する表示処理部と、
を備える、表示処理システム。
【請求項2】
前記複数の表示領域には、前記提供タイミングに応じた前記表示領域として、他の注文メニューよりも先に提供する注文メニューを表示する先出し領域、他の注文メニューよりも後に提供する注文メニューを表示する後出し領域、及び、他の注文メニューと同時に提供する注文メニューを表示する同時領域、のうち少なくとも1つが含まれる、請求項1に記載の表示処理システム。
【請求項3】
前記複数の表示領域には、前記提供タイミングに応じた前記表示領域として、利用客による初回の注文メニューを表示する初回領域、利用客による追加の注文メニューを表示する追加領域、および、指定された時刻を前記提供タイミングとする時刻指定領域、のうち少なくとも1つが含まれる、請求項1に記載の表示処理システム。
【請求項4】
前記複数の表示領域には、前記時刻指定領域が含まれ、
前記時間指定領域内において、前記注文メニューは、指定された時刻順に並んで表示される、請求項3に記載の表示処理システム。
【請求項5】
前記複数の表示領域それぞれには、予め優先度が割り当てられ、
前記表示処理部は、1つの前記注文メニューが、2以上の前記表示領域に当てはまる場合には、前記優先度に応じて、前記注文メニューを表示する前記表示領域を決定する、請求項1に記載の表示処理システム。
【請求項6】
前記複数の表示領域に対する優先度の設定指示を受け付ける受付部をさらに備え、
前記表示処理部は、1つの前記注文メニューが、2以上の前記表示領域に当てはまる場合には、前記優先度に応じて、前記注文メニューを表示する前記表示領域を決定する、請求項1に記載の表示処理システム。
【請求項7】
複数の表示領域それぞれには、予め優先度が割り当てられ、
前記表示処理部は、前記複数の表示領域を前記優先度の順に配置する、請求項1に記載の表示処理システム。
【請求項8】
コンピュータを、
利用客により注文された注文メニューを取得する取得部、及び
前記注文メニューの提供タイミングに応じた複数の表示領域のうち、前記注文メニューの前記提供タイミングに応じた前記表示領域内に、前記注文メニューを表示する表示処理部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店のキッチンには、注文メニューを表示するディスプレイが設置され、注文が入ると、ディスプレイには、注文メニューが注文順に表示される。特許文献1には、メニューの予定調理時間が予め設定された優先提供メニュー設定時間を超えている場合に、飲食注文を上位にして表示する技術が開示されている。これにより、調理に時間を要する長時間メニューを効率よく短時間で提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、利用客の要望により、ドリンクの提供タイミングとして、食前や食後が指定される場合がある。このように、注文メニューの提供タイミングは様々であり、各注文メニューを適切なタイミングで提供することが望まれている。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、注文メニューを適切なタイミングで提供するのを支援する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、表示処理システムであって、利用客により注文された注文メニューを取得する取得部と、前記注文メニューの提供タイミングに応じた複数の表示領域のうち、前記注文メニューの前記提供タイミングに応じた前記表示領域内に、前記注文メニューを表示する表示処理部と、を備える。
【0007】
本発明の他の形態は、コンピュータを、利用客により注文された注文メニューを取得する取得部、及び前記注文メニューの提供タイミングに応じた複数の表示領域のうち、前記注文メニューの前記提供タイミングに応じた前記表示領域内に、前記注文メニューを表示する表示処理部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、注文メニューを適切なタイミングで提供するのを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】注文情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図3】メニューDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図4】優先度テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0011】
図1は、本実施形態に係る注文システム1の全体図である。注文システム1は、レストランなどの飲食に係る商品を提供する店舗において、注文されたメニュー(以下、注文メニューと称する)の提供を管理するシステムである。注文システム1はさらに、キッチンエリアやデシャップエリア等に設置された表示装置における注文メニューの表示のための処理を行う。
【0012】
注文システム1は、注文管理装置10と、3台の表示装置20と、オーダー端末装置30と、を備えている。注文管理装置10と、表示装置20と、オーダー端末装置30と、は、ネットワークNを介して相互に通信することができる。
【0013】
3台の表示装置20は、注文メニューが準備される各エリアに配置される。本実施形態においては、3台の表示装置20は、それぞれ料理が準備(調理)される料理エリアと、ドリンクが準備されるドリンクエリアと、デシャップエリア(配膳エリア)に設置されるものとする。
【0014】
なお、本実施形態においては、注文システム1は、3台の表示装置20を備えるものとするが、表示装置20は、店舗に設けられた各調理エリアと各デシャップエリアに設置されればよく、その数及び設置場所は実施形態に限定されるものではない。例えば、ドリンクエリアが、1階と2階のそれぞれに設けられている場合には、2つのドリンクエリアそれぞれに表示装置が設けられる。
【0015】
注文管理装置10は、例えば据置型の汎用コンピュータやクラウド型の外部サーバ等により構成され、注文された商品の提供を管理する。注文管理装置10は、表示装置20への表示に係る処理を行う表示システムの一例である。オーダー端末装置30は、例えばハンディターミナルやスマートフォン、タブレット端末などのスマートデバイスである。オーダー端末装置30は、接客者などのユーザが携帯し、利用客からのオーダー入力等に利用される。入力された情報は、注文管理装置10に送信される。なお、
図1に示す例では、一つのオーダー端末装置30が示されているものの、オーダー端末装置30は複数あってもよい。
【0016】
オーダー端末装置30において、注文メニューの他、テーブル番号、利用客の人数などの情報が入力されると、これらの情報は、注文情報として、注文管理装置10へ送信される。注文管理装置10は、注文情報に示される各注文メニューの情報を注文メニューの準備を行うエリアに設置された表示装置20に送信する。表示装置20においては、注文メニューが表示される。
【0017】
注文管理装置10は、第1制御部11と、第1通信部12と、記録媒体13と、を備えている。第1制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等、プロセッサが処理を実行するためのメモリとを含み、各種の処理を実行する。第1制御部11は、記録媒体13やROMなどに格納された種々のプログラムを実行する。本実施形態の第1制御部11は、記録媒体13に格納されたプログラムを実行することにより、注文メニューを表示するための処理行う。第1制御部11の処理については後述する。第1通信部12は、表示装置20、オーダー端末装置30など外部の装置と無線通信を行うための装置であり、第1制御部11による情報の送受信は、第1通信部12を介して行われる。
【0018】
注文管理装置10の第1制御部11は、取得部111と、受付部112と、表示処理部113と、を備えている。これらの機能は、プロセッサが記録媒体13などに格納されるプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現される。すなわち、上記各部が実行するものとして記載する処理は、第1制御部11が実行する処理である。取得部111は、第1通信部12を介してオーダー端末装置30から注文メニューを含む注文情報を取得する。受付部112は、表示装置20におけるユーザ操作に応じて入力された情報を、第1通信部12を介して受け付ける。表示処理部113は、表示装置20の表示に係る処理を行う。
【0019】
図2は、注文情報のデータ構成例を示す図である。注文情報には、テーブル番号、人数、注文時刻、注文種別、注文メニュー及び提供タイミングが含まれる。テーブル番号は、利用客の着席するテーブルの識別情報である。人数は、利用客のグループに含まれる利用客の人数である。注文時刻は、注文が行われた時刻である。注文種別は、注文のタイミングに関する種類であり、初回、追加、時間指定のいずれかの値が設定される。ここで、初回は、利用客による初めての注文であることを示す。追加は、すでに注文を行った利用客による2回目以降の注文であることを示す。時間指定は、提供タイミングが指定されていることを示す。例えば、デリバリーの注文メニューで時間指定がされている場合に、注文種別として時間指定が設定される。
【0020】
注文メニューは、利用客により注文されたメニューである。各注文メニューに、提供タイミングが対応付けられている。提供タイミングとしては、指定なし、先出し、後出し、同時のいずれかの値が設定される。指定なしは、提供タイミングの指定がないことを示している。先出しは、メインの料理よりも先に提供することを示している。後出しは、メイン料理よりも後に提供することを示してる。同時は、他のメニューと同時に提供することを示している。
【0021】
テーブル番号、人数、注文種別、注文メニュー及び提供タイミングは、接客者がオーダー端末装置30を操作することにより入力される。オーダー端末装置30は、これらの情報が入力されると、入力された情報と、入力された時刻とを含む注文情報を生成し、これを注文管理装置10に送信する。
【0022】
記録媒体13は、メニューDB131と、優先度テーブル132と、を記憶する。
図3は、メニューDB131のデータ構成の一例を示す図である。メニューDB131は、店舗にて提供される各メニューに関する情報を格納する。メニューDB131は、具体的には、メニューIDと、メニュー名と、カテゴリと、単価と、を対応付けて格納する。商品メニューIDは、メニューの識別情報である。メニュー名は、メニュー表に表示される、商品の名称である。カテゴリは、メニューの属するカテゴリである。本実施形態においては、カテゴリは、準備エリアが同じ商品は同じカテゴリに分類されるように定義されているものとし、料理、ソフトドリンク、等を含むものとする。単価は、商品の値段である。
【0023】
図4は、優先度テーブル132のデータ構成の一例を示す図である。優先度テーブル132は、注文情報に含まれる情報と、優先度と、を対応付けて記憶する。優先度は、後述する表示画面において、注文メニューを表示する表示領域を決定する際に参照される値である。優先度は、より優先される順に1と2の2段階の値をとる。本実施形態においては、「時間指定」に対して、優先度が最も高い「1」が設定される。さらに、「先出し」、「後出し」、「同時」、に対して、次に優先度の高い「2」が設定され、「初回」に対して、次に優先度の高い「3」が設定され、「追加」に対して最も優先度の低い「4」が設定される。
【0024】
図1において、表示装置20は、第2制御部21と、第2通信部22と、表示部23と、入力部32と、を備えている。第2制御部21は、注文管理装置10の第1制御部11と同様に、プロセッサと記憶部(図示せず)とを含み、ROM等の記憶部に格納された種々のプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。第2制御部21は、例えば表示装置20を操作するユーザ(接客者や調理者など)から入力を受け付けたり、注文管理装置10から受信した情報(例えば注文メニュー等)を表示したりする。第2通信部22は、注文管理装置10など外部の装置と無線通信を行うための装置であり、第2制御部21による情報の送受信は、第2通信部22を介して行われる。表示部23は、各種情報を表示する表示装置である。入力部24は、ユーザによる指示の入力を受け付けるためのユーザインタフェースである。本実施形態においては、表示部23と入力部24は、タッチパネルとして一体に設けられるものとする。
【0025】
図5は、表示装置20の表示部23に表示される表示画面50の一例を示す図である。表示画面50には、提供タイミングの種類毎の複数の表示領域を表示させることができる。表示画面50には、表示領域として、3つの注文種別(初回、追加、時間指定)に対応した初回領域、追加領域、時間指定領域を表示させることができる。注文種別は、提供タイミングの種類の一例である。初回注文の注文メニューは、できるだけ早く提供するのが好ましい。これに対し、追加注文の注文メニューは、早く提供することの優先度は、初回注文の注文メニューよりも低い。また、時間指定の注文メニューは、指定された時間における提供が要求されるものである。このように、注文種別は、提供タイミングの種類と考えることができる。また、表示画面50には、表示領域として、3つの提供タイミング(先出し、後出し、同時提供)それぞれに対応した先出し領域、後出し領域、同時領域を表示させることができる。
【0026】
このように、表示部23は、提供タイミングの種類毎の表示領域を表示することができ、これらの表示領域のうち、ユーザにより選択された表示領域が表示部23に表示される。例えば、ユーザにより、時間指定領域、先出し領域及び初回領域が選択されたとする。この場合には、
図5に示すように、表示画面50には、時間指定領域51a、先出し領域51b及び初回領域51cが左から右に、この順に配置される。各表示領域の並び順は、優先度テーブル132において設定された、各提供タイミングの優先度に応じて決定される。具体的には、優先度が高いほど左に配置される。そして、右端には、その他領域51dが配置される。このように、表示画面50に表示させる表示領域の種類は、ユーザが決定することができる。また、表示画面50表示させる表示領域の数も、ユーザが決定することができる。なお、表示領域の数は、表示画面50のサイズに応じて制限される。
【0027】
時間指定領域51aには、注文種別として時間指定が指定されている注文メニューが表示される。先出し領域51bには、提供タイミングとして先出しが指定されている注文メニューが表示される。初回領域51cには、注文種別として初回が指定されている注文メニューが表示される。その他領域51dには、時間指定、先出し及び初回のいずれにも該当しない注文メニューが表示される。注文メニューに対して、注文種別として初回が指定され、かつ提供タイミングとして先出しが指定されている場合がある。この場合には、優先度テーブル132が参照され、注文メニューは、優先度の高い方の表示領域に表示される。すなわち、注文種別として初回が指定され、かつ提供タイミングとして先出しが指定された注文メニューは、先出し表示領域に配置される。
【0028】
各表示領域には、チケットが表示され、各チケット内に、注文メニュー、数量、注文種別、提供タイミングが表示される。例えば、時間指定領域51aの一番上に表示されるチケット52aには、注文メニューとして、から揚げとポテトが数量と共に表示される。さらに、注文種別が時間指定であることを示す(指)のマークが表示され、時間指定において指定された時間が表示される。なお、提供タイミングの指定がないため、提供タイミングを示すマークは表示されない。
【0029】
また、先出し領域51bに示されるチケット52bには、注文メニューとして和風サラダが数量と共に表示される。さらに、注文種別が初回であることを示す(初)のマークが表示される。さらに、提供タイミングが先出しであることを示す(先)のマークが表示される。また、時間指定領域51aには、指定時間が早い順に注文メニューが上から下に配列される。一方で、時間指定以外の表示領域、
図5の例では、先出し領域51b、初回領域51c及びその他領域51dにおいては、注文時刻が早い順に、注文メニューが上から下に配列される。
【0030】
このように、本実施形態においては、ユーザによって指定された、提供タイミングの種類(注文種別や提供タイミング)の表示領域が設けられ、これらの表示領域に注文メニューが表示される。したがって、調理者は、優先的に調理すべき料理を容易に把握することができる。このように、本実施形態の注文システム1においては、注文メニューを適切なタイミングで調理するのを支援することができる。
【0031】
また、他の例としては、各注文メニューの数量と共に、注文を受けている同一種類の注文メニューの総数が表示されてもよい。例えば、時間指定における「から揚げ」の総数は、8である。そこで、
図5に示す時間指定領域51aにおける「から揚げ(指)4」の表示を「から揚げ(指)4/8」というように、総数8のうちの4であることが明示された表示にしてもよい。また、表示領域を超えてすべての総数が表示されてもよい。
図5に示す「から揚げ」の総数は、10である。そこで、
図5に示す時間指定領域51aにおける「から揚げ(指)4」の表示を「から揚げ(指)4/10」というように、総数10のうちの4であることが明示された表示にしてもよい。
【0032】
また、各表示領域に表示される単位は注文メニュー単位に替えて、オーダー単位であってもよい。例えば、1つのグループで複数のランチセットが注文された場合には、複数のランチセットは同じタイミングで提供されるのが好ましい。このような場合には、オーダー単位で表示されるものとする。このようなオーダー単位の表示と、注文メニュー単位の表示は、例えばユーザ操作に応じて切替可能であってもよい。
【0033】
図6は、注文管理装置10による表示処理を示すフローチャートである。表示処理においては、まずステップS100において、取得部111は、オーダー端末装置30から注文情報を取得(受信)したか否かを確認する。取得部111は、注文情報を取得した場合には(ステップS100でY)、処理をステップS102へ進める。取得部111は、注文情報を取得しなかった場合には(ステップS100でN)、処理をステップS106へ進める。ステップS102において、表示処理部113は、注文情報に示される注文メニューそれぞれを表示させる表示装置を決定する。例えば、注文メニューのカテゴリが料理の場合には、料理エリアの表示装置20が表示を担当する表示装置として決定される。また、注文メニューのカテゴリがドリンクの場合には、ドリンクエリアの表示装置20が表示を担当する表示装置として決定される。
【0034】
次に、ステップS104において、表示処理部113は、各注文メニューを、表示画面内のいずれかの表示領域に表示させる。具体的には、表示処理部113は、注文情報に示される注文種別を特定する。さらに、表示処理部113は、各注文メニューに対応付けられた提供タイミングを特定する。そして、表示処理部113は、各注文メニューを、注文種別及び提供タイミングにより定まる表示領域に表示させる。さらに、表示処理部113は、1つの注文メニューが複数の表示領域に割り当てられる場合には、優先度の高い方の表示領域に割り当てる。
【0035】
例えば、
図5に示すように、表示画面に、時間指定領域51a、先出し領域51b、初回領域51c、その他領域51dが設けられているとする。また、注文メニューの注文種別が初回で、提供タイミングが先出しとする。この場合には、表示処理部113は、当該注文メニューを先出し領域51bに配置する。また、注文メニューの注文種別が追加で、提供タイミングが先出しとする。この場合にも、表示処理部113は、当該注文メニューを先出し領域51bに配置する。また、注文メニューの注文種別が初回で、提供タイミングが指定なしとする。この場合、表示処理部113は、当該注文メニューを先出し領域51bに配置する。注文種別が初回でなく、かつ提供タイミングが先出しでない注文メニューは、その他領域51dに表示される。また、表示処理部113は、各注文メニューに対応付けて、テーブル番号、人数を表示し、さらに、注文種別及び提供タイミングを示すマークを表示する。
【0036】
図6のステップS104の処理の後、ステップS106において、受付部112は、削除指示を受け付けたか否かを確認する。ここで、削除指示は、注文メニューの表示を削除する指示である。例えば、和風サラダが完成した場合に、作業者は、和風サラダのチケット52bをタッチする。このユーザ操作に応じて、受付部112は、削除指示を受け付ける。削除指示を受け付けた場合には(ステップS106でY)、受付部112は、処理をステップS108へ進める。削除指示を受け付けなかった場合には(ステップS106でN)、受付部112は、処理をステップS120へ進める。ステップS108において、表示処理部113は、削除指示に係る注文メニューのチケットのフェードアウト表示を開始する。フェードアウト表示は、チケットの色を徐々に薄くする表示であり、対象のチケットは、所定の時間(例えば2秒)で消えるものとする。
図7は、チケット52bの表示がフェードアウトにより薄くなる様子を示している。
【0037】
なお、フェードアウト表示は、対象となる表示、すなわちチケットの表示が徐々に消えていくことを、ユーザに視認させるものであればよく、消える態様は実施形態に限定されるものではない。他の例としては、フェードアウト表示は、チケットの表示が徐々に小さくなるような表示でもよく、表示が点滅するような表示であってもよい。
【0038】
次に、ステップS110において、受付部112は、フェードアウトにより削除指示に係る注文メニューが消える前に、取消指示を受け付けたか否かを確認する。ここで、取消指示は、削除を取り消す指示である。隣のチケット52aをタッチするつもりで誤って和風サラダのチケット52bをタッチした場合など、削除指示を取り消したい場合がある。このような場合には、操作者は、フェードアウト中の和風サラダのチケット52bをタッチする。このユーザ操作に応じて、受付部112は、削除の取消指示を受け付ける。取消指示を受け付けた場合には(ステップS110でY)、受付部112は、処理をステップS112へ進める。取消指示を受け付けなかった場合には(ステップS110でN)、受付部112は、処理をステップS114へ進める。
【0039】
ステップS112において、表示処理部113は、フェードアウト中のチケット(
図7の例では、チケット52b)を元の表示状態に戻す。すなわち、表示処理部113は、チケットの色を元の色(より濃い色)に戻す。次に、ステップS120において、受付部112は、ユーザ操作に応じて、終了指示を受け付けたか否かを確認する。受付部112が終了指示を受け付けた場合には(ステップS120でY)、第1制御部11は、表示処理を終了する。受付部112が終了指示を受け付けなかった場合には(ステップS120でN)、第1制御部11は、処理をステップS100へ進める。
【0040】
一方、ステップS114において、表示処理部113は、フェードアウト表示が開始されてから、フェードアウトタイムが経過したか否かを確認する。ここで、フェードアウトタイムとは、フェードアウト表示で対象のチケットが完全に消えるまでに要する時間であり、予め設定されているものとする。フェードアウトタイムが経過していない場合には(ステップS114でN)、表示処理部113は、処理をステップS110へ進める。フェードアウトタイムが経過した場合には(ステップS114でY)、表示処理部113は、処理をステップS116へ進める。ステップS116において、表示処理部113は、フェードアウト表示の対象のチケットの表示を削除する。次に、ステップS118において、表示処理部113は、表示が削除されたチケットに示される注文メニューを、デシャップエリアの表示装置に表示させ、処理をステップS120へ進める。ステップS116の処理と並行して、料理がデシャップエリアに運ばれる。料理は、配膳者により利用客のテーブルに運ぶ。
【0041】
このように、削除指示が入力された場合に、削除指示に係る注文メニューのチケットの表示がフェードアウトされる。さらに、フェードアウト中に再びチケットがタッチされることで取消指示が入力されると、削除指示の入力を取り消すことができる。このように、簡単な操作で、操作の取り消しを行うことができる。
【0042】
以上のように、本実施形態の注文システム1においては、提供タイミングの種類に応じて複数の表示領域に、注文メニューを表示することで、注文メニューを適切な地アミングで提供するのを支援することができる。
【0043】
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。すなわち特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、以下に説明する種々の変形や変更が可能である。
【0044】
そうした変形例としては、提供タイミングに対する優先度の値は一例であり、各提供タイミングに対する優先度の値は任意に設定することができる。さらに、管理者等の操作に応じて入力される設定指示に従い、優先度の値は自由に設定可能であるものとする。
【0045】
また、提供タイミングや注文種別など、提供タイミングの種類及び数も、実施形態に限定されるものではなく、飲食店ごとのメニューの種類や数に応じて任意に設定可能であるものとする。
【0046】
さらに、本発明の手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 注文システム
10 注文管理装置
11 第1制御部
12 第1通信部
13 記録媒体
20 表示装置
21 第2制御部
22 第2通信部
23 表示部
24 入力部
30 オーダー端末装置
111 取得部
112 受付部
113 表示処理部
131 メニューDB
132 優先度テーブル
【手続補正書】
【提出日】2023-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用客により注文された注文メニューを取得する取得部と、
前記注文メニューの提供タイミングに応じた複数の表示領域のうち、前記注文メニューの前記提供タイミングに応じた前記表示領域内に、前記注文メニューを表示する表示処理部と、
を備え、
前記複数の表示領域それぞれには、予め優先度が割り当てられ、
前記表示処理部は、1つの前記注文メニューが、2以上の前記表示領域に当てはまる場合には、前記優先度に応じて、前記注文メニューを表示する前記表示領域を決定する、表示処理システム。
【請求項2】
前記複数の表示領域に対する前記優先度の設定指示を受け付ける受付部をさらに備え、
前記複数の表示領域それぞれには、前記設定指示に応じた前記優先度が割り当てられる、請求項1に記載の表示処理システム。
【請求項3】
前記複数の表示領域には、前記提供タイミングに応じた前記表示領域として、他の注文メニューよりも先に提供する注文メニューを表示する先出し領域、他の注文メニューよりも後に提供する注文メニューを表示する後出し領域、及び、他の注文メニューと同時に提供する注文メニューを表示する同時領域、のうち少なくとも1つが含まれる、請求項1に記載の表示処理システム。
【請求項4】
前記複数の表示領域には、前記提供タイミングに応じた前記表示領域として、利用客による初回の注文メニューを表示する初回領域、利用客による追加の注文メニューを表示する追加領域、および、指定された時刻を前記提供タイミングとする時刻指定領域、のうち少なくとも1つが含まれる、請求項1に記載の表示処理システム。
【請求項5】
前記複数の表示領域には、前記時刻指定領域が含まれ、
前記時刻指定領域内において、前記注文メニューは、指定された時刻順に並んで表示される、請求項4に記載の表示処理システム。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記複数の表示領域を前記優先度の順に配置する、請求項1に記載の表示処理システム。
【請求項7】
コンピュータを、
利用客により注文された注文メニューを取得する取得部、及び
前記注文メニューの提供タイミングに応じた複数の表示領域のうち、前記注文メニューの前記提供タイミングに応じた前記表示領域内に、前記注文メニューを表示する表示処理部
として機能させ、
前記複数の表示領域それぞれには、予め優先度が割り当てられ、
前記表示処理部は、1つの前記注文メニューが、2以上の前記表示領域に当てはまる場合には、前記優先度に応じて、前記注文メニューを表示する前記表示領域を決定する、プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、表示処理システムであって、利用客により注文された注文メニューを取得する取得部と、前記注文メニューの提供タイミングに応じた複数の表示領域のうち、前記注文メニューの前記提供タイミングに応じた前記表示領域内に、前記注文メニューを表示する表示処理部と、を備え、前記複数の表示領域それぞれには、予め優先度が割り当てられ、前記表示処理部は、1つの前記注文メニューが、2以上の前記表示領域に当てはまる場合には、前記優先度に応じて、前記注文メニューを表示する前記表示領域を決定する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の他の形態は、コンピュータを、利用客により注文された注文メニューを取得する取得部、及び前記注文メニューの提供タイミングに応じた複数の表示領域のうち、前記注文メニューの前記提供タイミングに応じた前記表示領域内に、前記注文メニューを表示する表示処理部として機能させ、前記複数の表示領域それぞれには、予め優先度が割り当てられ、前記表示処理部は、1つの前記注文メニューが、2以上の前記表示領域に当てはまる場合には、前記優先度に応じて、前記注文メニューを表示する前記表示領域を決定するプログラムである。