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特開2024-153279情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153279
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20241022BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067069
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100216367
【弁理士】
【氏名又は名称】水谷 梨絵
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幸也
(72)【発明者】
【氏名】山田 良太
(72)【発明者】
【氏名】児平 哲彦
(72)【発明者】
【氏名】岩山 暁
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L049EE01
5L050CC35
5L050EE01
(57)【要約】
【課題】帳票フォームの選択を容易に行うことを課題とする。
【解決手段】情報処理システムに、最上層と最下層を含む複数の階層からなる階層構造で特定される用途毎に、該用途と、帳票の様式を定義した1以上の帳票フォームとを対応付けて記憶する帳票記憶部と、前記最上層から順に前記最下層までの用途要素の選択を受け付けることで、用途の選択を受け付ける用途選択受付部と、選択された前記用途に対応する前記1以上の帳票フォームを、選択された前記用途に適した1以上の帳票データを生成するための帳票フォームとして選択する選択部と、を備えた。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最上層と最下層を含む複数の階層からなる階層構造で特定される用途毎に、該用途と、帳票の様式を定義した1以上の帳票フォームとを対応付けて記憶する帳票記憶手段と、
前記最上層から順に前記最下層までの用途要素の選択を受け付けることで、用途の選択を受け付ける用途選択受付手段と、
選択された前記用途に対応する前記1以上の帳票フォームを、選択された前記用途に適した1以上の帳票データを生成するための帳票フォームとして選択する選択手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
帳票に記載される対象のデータである入力データを取得するデータ取得手段と、
選択された前記1以上の帳票フォームに対して前記入力データを配置することで、該入力データが記載された前記1以上の帳票データを生成する帳票生成手段と、を更に備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記データ取得手段は、前記入力データとして、ユーザに係る情報が記録された媒体を読み取る読取手段により読み取られた該ユーザに係る情報を取得する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記帳票記憶手段は、少なくとも1つの前記用途を、複数の前記帳票フォームと対応付けて記憶する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記帳票フォームを生成する帳票フォーム生成手段を更に備え、
前記帳票フォーム生成手段は、前記階層構造の前記最下層より上の層において同一の前記用途要素を有する複数の前記用途に夫々対応させる複数の前記帳票フォームとして、同一のレイアウトに対して互いに異なる帳票項目定義が組み合せられた複数の帳票フォームを生成可能である、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記帳票フォーム生成手段は、
前記帳票の前記レイアウトの下敷きとなる下敷きデータを取得する下敷きデータ取得手段を備え、
前記階層構造の前記最下層より上の層において同一の前記用途要素を有する複数の前記用途に夫々対応させる複数の前記帳票フォームとして、前記同一のレイアウトとしての同一の前記下敷きデータに対して互いに異なる前記帳票項目定義が組み合わせられた前記複数の帳票フォームを生成可能である、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記用途は、複数の用途のうちの1つの用途であり、
前記用途選択受付手段は、前記複数の用途の選択を受け付け、
前記選択手段は、選択された前記複数の用途に対応する複数の前記帳票フォームを、前記選択された複数の用途に適した複数の前記帳票データを生成するための複数の帳票フォームとして選択する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
帳票に記載される対象のデータである入力データを取得するデータ取得手段と、
選択された前記複数の用途に対応する前記複数の帳票フォームに対して前記入力データを配置することで、該入力データが記載された前記複数の帳票データを生成する帳票生成手段と、を更に備える、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記階層構造は、
手続きの種類を示す前記用途要素の層と、
前記手続きの種類に関する層の下層に位置する、前記手続きを行うユーザ又は前記手続きの対象者の属性を示す前記用途要素の層と、を含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記帳票フォームは、前記帳票における複数の帳票項目の帳票項目毎に、項目データの記載位置と、該記載位置に記載される前記項目データに関する記載条件とを定義した帳票フォームであり、
選択された前記帳票フォームで定義された前記帳票項目に係る前記記載条件と、情報が記録された読取対象の媒体に基づいて得られる、前記帳票項目に関連する情報である、媒体情報とを照合する照合手段と、
選択された前記帳票フォームを用いて前記項目データを記載した前記帳票データを生成する帳票生成手段であって、前記照合結果に応じて、前記帳票項目の前記記載位置における記載内容を異ならしめる前記帳票生成手段と、を更に備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
最上層と最下層を含む複数の階層からなる階層構造で特定される用途毎に、該用途と、帳票の様式を定義した1以上の帳票フォームとを対応付けて記憶する帳票記憶手段を備えるコンピュータが、
前記最上層から順に前記最下層までの用途要素の選択を受け付けることで、用途の選択を受け付ける用途選択受付ステップと、
選択された前記用途に対応する前記1以上の帳票フォームを、選択された前記用途に適した1以上の帳票データを生成するための帳票フォームとして選択する選択ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項12】
最上層と最下層を含む複数の階層からなる階層構造で特定される用途毎に、該用途と、帳票の様式を定義した1以上の帳票フォームとを対応付けて記憶する帳票記憶手段を備えるコンピュータを、
前記最上層から順に前記最下層までの用途要素の選択を受け付けることで、用途の選択を受け付ける用途選択受付手段と、
選択された前記用途に対応する前記1以上の帳票フォームを、選択された前記用途に適した1以上の帳票データを生成するための帳票フォームとして選択する選択手段と、
として機能させる情報処理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、帳票フォームを選択するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの情報を埋め込むための雛形の選択を受け付ける入力受付部と、ユーザの情報を取得するために、情報出力装置がネットワークに接続されているか否かを判断する判断部と、ネットワークに接続されていないと判断された場合に、ユーザの情報が記録された記録媒体から該ユーザの情報を読み取る読取部と、読み取られたユーザの情報を選択された雛形の決められた領域に埋め込む埋込処理部と、ユーザの情報が埋め込まれた雛形を出力する出力部とを含む情報出力装置(特許文献1を参照)が提案されている。
【0003】
また、行政システムにおいて、申請者のライフイベントとライフイベントに応じた登録情報の入力がなされる場合に、ライフイベントと関連する1又は複数の手続きとの対応関係が記憶されている記憶部を参照し、入力された申請者のライフイベントと関連づけられた手続きを特定し、特定した手続きを処理する処理装置に対して、入力された申請者の登録情報を送信する装置(特許文献2を参照)が提案されている。
【0004】
また、帳票を選択するためのメインメニュー画面及び各種のサブメニュー画面が表示され、メニュー画面及び各種のサブメニュー画面を用いて所望の帳票が選択され、印刷が指示されると、選択された帳票の印刷指令を管理用コンピュータに送信し、管理用コンピュータから当該帳票の印刷データを取得することにより、当該帳票の印刷処理を行う電子帳票システム(特許文献3を参照)が提案されている。
【0005】
更に、申請者の申請手続の申請種別を受信すると、受信された申請種別に基づいて、申請種別に対して申請者が行うべき他の申請手続を記憶した他申請手続記憶部を参照し、申請者が行うべき他の申請手続を判定する装置(特許文献4を参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-98690号公報
【特許文献2】特開2015-46129号公報
【特許文献3】特開2010-213206号公報
【特許文献4】特開2017-41138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、各種帳票についての帳票フォーム(帳票テンプレート)が提供されている。利用者は、自身がやりたいこと(用途)に応じて、使用する帳票(帳票フォーム)を選択し、選択された帳票フォームに基づき所望の帳票を作成する。しかし、利用者自身が、やりたいこと(用途)に必要な帳票(帳票フォーム)を漏れなく選択することが容易でない場合がある。
【0008】
本開示は、上記した問題に鑑み、帳票フォームの選択を容易に行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一例は、最上層と最下層を含む複数の階層からなる階層構造で特定される用途毎に、該用途と、帳票の様式を定義した1以上の帳票フォームとを対応付けて記憶する帳票記憶手段と、前記最上層から順に前記最下層までの用途要素の選択を受け付けることで、用途の選択を受け付ける用途選択受付手段と、選択された前記用途に対応する前記1以上の帳票フォームを、選択された前記用途に適した1以上の帳票データを生成するための帳票フォームとして選択する選択手段と、を備える情報処理システムである。
【0010】
本開示は、情報処理装置、システム、コンピュータによって実行される方法またはコンピュータに実行させるプログラムとして把握することが可能である。また、本開示は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものとしても把握できる。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、帳票フォームの選択を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係るシステムの構成を示す概略図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置及び読取装置の機能構成の概略を示す図である。
図3】実施形態に係る記載条件の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る媒体定義の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る下敷きデータの一例を示す図である。
図6】実施形態に係る下敷きデータの一例を示す図である。
図7】実施形態に係る下敷きデータを用いて項目定義を行う方法(本人申請の場合)についての説明を行うための図である。
図8】実施形態に係る下敷きデータを用いて項目定義を行う方法(代理人申請の場合)についての説明を行うための図である。
図9】実施形態に係る下敷きデータを用いて項目定義を行う方法(本人申請の場合)についての説明を行うための図である。
図10】実施形態に係る下敷きデータを用いて項目定義を行う方法(代理人申請の場合)についての説明を行うための図である。
図11】実施形態に係る帳票フォーム生成画面の一例である。
図12】実施形態に係る帳票フォームの項目定義の一例を示す図である。
図13】実施形態に係る帳票リストの一例を示す図である。
図14】実施形態に係る帳票リスト生成画面(カテゴリ1の生成画面)の一例を示す図である。
図15】実施形態に係る帳票リスト生成画面(カテゴリ2の生成画面)の一例を示す図である。
図16】実施形態に係る帳票リスト生成画面(帳票フォームとの対応付け画面)の一例を示す図である。
図17】実施形態に係る用途と対応付けられた帳票フォームの概要の一例を示す図である。
図18】実施形態に係る帳票フォーム選択画面(用途要素(カテゴリ1)の選択画面)の一例を示す図である。
図19】実施形態に係る帳票フォーム選択画面(用途要素(カテゴリ2)の選択画面)の一例を示す図である。
図20】実施形態に係る読取項目についての読取データの一例を示す図である。
図21】実施形態に係るデータの記載例(変換例)を示す図である。
図22】実施形態に係る出力イメージ確認画面の一例を示す図である。
図23】実施形態に係るCSV情報の一例を示す図である。
図24】実施形態に係る帳票フォーム生成処理の流れの概要を示すフローチャートである。
図25】実施形態に係る帳票リスト生成・対応付け処理の流れの概要を示すフローチャートである。
図26】実施形態に係る帳票生成・出力処理の流れの概要を示すフローチャートである。
図27】実施形態に係る帳票生成・出力処理(裏面読取指示あり)の流れの概要を示すフローチャートである。
図28】実施形態に係る帳票フォーム選択処理の流れの概要を示すフローチャートである。
図29】実施形態に係る帳票生成処理の流れの概要を示すフローチャートである。
図30】バリエーションに係る帳票フォーム(項目定義)の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示に係る情報処理装置、システム、方法及びプログラムの実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、以下に説明する実施の形態は、実施形態を例示するものであって、本開示に係る情報処理装置、システム、方法及びプログラムを以下に説明する具体的構成に限定するものではない。実施にあたっては、実施の態様に応じた具体的構成が適宜採用され、また、種々の改良や変形が行われてよい。
【0014】
本実施形態では、本開示に係る情報処理装置、システム、方法及びプログラムを、カードリーダーにより読み取られた身分証明書の情報を用いて帳票(帳票データ)を生成するシステムにおいて実施した場合の実施の形態について説明する。但し、本開示に係る情報処理装置、システム、方法及びプログラムは、帳票(帳票データ)を作成するための技術について広く用いることが可能であり、本開示の適用対象は、実施形態において示した例に限定されない。
【0015】
<システムの構成>
図1は、本実施形態に係るシステムの構成を示す概略図である。本実施形態に係るシステムは、情報処理装置1が、ネットワーク又はその他の通信手段を介して、読取装置9と互いに通信可能に接続されたシステムである。本実施形態では、読取ユニットを備えるカードリーダー(読取装置9)と、当該カードリーダーと有線又は無線接続される情報処理装置1とが接続されたシステムにおいて、本開示に係る技術を実施する態様を説明する。但し、本実施形態に係るシステムは、ユーザに係る情報が記録された媒体から情報を読み取る読取装置9と情報処理装置1とが接続された情報処理システムであればよく、例えば、スキャナ装置と情報処理装置1とが接続されたシステムにおいても、本開示に係る技術は適用可能である。
【0016】
情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置14、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力デバイス15、ディスプレイ等の出力デバイス16、及びNIC(Network Interface Card)等の通信ユニット17、等を備えるコンピュータである。但し、情報処理装置1の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、情報処理装置1は、単一の筐体からなる装置に限定されず、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。そのため、例えば、帳票フォーム(帳票定義)を生成する機能と、帳票(帳票データ)を生成する機能は、夫々別の装置(システム)が備える機能であってもよい。情報処理装置1は、読取装置9により読み取られた、身分証明書等の媒体に記録された情報に基づき、帳票データを生成する。
【0017】
読取装置9は、読取ユニット91、カメラ(顔撮影用カメラ)92、CPU93、ROM94、RAM95、記憶装置96、タッチパネル等の入力デバイス97、ディスプレイ等の出力デバイス98、及び通信ユニット99、等を備えるコンピュータである。但し、読取装置9の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、読取装置9は、単一の筐体からなる装置に限定されず、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
【0018】
読取装置9(読取ユニット91)は、帳票に関連するユーザ(手続きを行う者や手続きの対象者等)に係る情報が記録(「記載」を含む)された媒体(身分証明書等)の情報を読み取る装置である。以下、「ユーザに係る(関連する)情報」を、「ユーザ情報」と称する。また、本実施形態では、ユーザ情報が記録された媒体として、身分証明書(本人確認書類)を例示する。但し、媒体は、ユーザ情報が記録された媒体であれば、身分証明書以外の他のカードや書類等であってもよい。また、ユーザ情報が記録された媒体は、カード形式であることに限定されず、カードサイズとは異なるサイズを有する媒体であってもよい。また、媒体には、任意の情報が記録されていてよい。例えば、媒体には、ユーザ情報として、氏名や、住所、変更後の住所、生年月日、番号(運転免許書番号や旅券番号など)、有効期限(運転期限やパスポート期限など)、顔写真等が記録される。なお、本実施形態では、ユーザ情報が記録された媒体からユーザ情報を読み取ることで、帳票データを生成する実施態様について説明するが、媒体から読み取られたユーザ情報以外の情報に基づき帳票データを生成する実施態様も、本開示の適用対象となる。そのため、媒体に記録される情報は、ユーザ情報以外の情報であってもよい。
【0019】
本実施形態では、読取装置9として、身分証明書の情報を読み取るカードリーダーを例示する。読取装置9は、読み取った情報を情報処理装置1に対して送信する。読取ユニット91は、例えば、身分証明書(ID券面)を撮影するカメラ(証明書撮影カメラ)及び/又はICチップに記録された情報を読み取るICリーダーである。読取装置9は、例えば、証明書撮影カメラが身分証明書を撮像することで得られた画像に対して文字認識処理(OCR(Optical Character Recognition、光学文字認識)処理)を行うことで、身分証明書に記載された情報を読み取る。また、読取装置9は、例えば、身分証明書(ICカード)に内蔵された、ユーザ情報が記録されたICチップを読み取ることで、ICチップに記録された情報を読み取る。なお、読取装置9は、カードリーダーに限定されず、ユーザがセットした身分証明書を撮像することで、画像を取得する装置であってもよい。例えば、スキャナや、デジタルカメラ、スマートフォン/タブレットに内蔵されているカメラセンサを用いて対象の身分証明書を撮像し、画像を得ることとしてもよい。この場合、読取装置9において、得られた画像に対するOCR処理が行われることにより、身分証明書の情報が読み取られる。但し、OCR処理については、読取装置9ではなく情報処理装置1で行われるようにしてもよい。この場合、撮像された画像が、読取装置9から情報処理装置1に対して送信され、当該画像を受信した情報処理装置1においてOCR処理が行われる。
【0020】
このように、本実施形態に係る読取装置9は、媒体から読み取られたデータを、ネットワークを介して情報処理装置1に送信する機能を有する。また、読取装置9は、タッチパネルディスプレイやキーボード等の、文字入出力や用途選択等を可能とするためのユーザインターフェース、及びWebブラウズ機能やサーバー機能を更に有していてもよい。本実施形態に係る方法を採用可能な読取装置9の通信手段及びハードウェア構成等は、本実施形態における例示に限定されない。
【0021】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置及び読取装置の機能構成の概略を示す図である。情報処理装置1は、記憶装置14に記録されているプログラムが、RAM13に読み出され、CPU11によって実行されて、情報処理装置1に備えられた各ハードウェアが制御されることで、条件記憶部21、媒体定義記憶部22、表示制御部23、帳票フォーム生成部24、帳票リスト生成部25、帳票記憶部26、帳票フォーム選択部27、データ取得部28、照合部29、帳票生成部30及び出力部31を備える。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態では、情報処理装置1の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
【0022】
条件記憶部21は、各帳票項目(項目の種類)について指定(定義)可能な1又は複数の記載条件(記載条件を定義した条件定義)を記憶する。本実施形態において、記載条件とは、帳票項目の項目データに関する条件である。記載条件は、例えば、取得されたユーザ情報(ユーザ情報に含まれる、帳票項目に対する入力データである入力情報)に基づいて項目データを記載する際の表現方法に関する条件及び/又は帳票項目の項目データを記載するための条件(項目データを記載する場合又はしない場合を示す条件)等である。以下、「項目データを記載する際の表現方法に関する条件」を「表現方法条件」と称し、「帳票項目の項目データを記載するための条件」を「記載するための条件」と称する。記載するための条件とは、帳票項目の項目データを記載するための、媒体(身分証明書)の種類に関する条件、及び/又は、帳票項目の項目データを記載するための、本人確認の結果に関する条件等である。詳細は後述するが、帳票フォーム生成部24は、各帳票項目について、条件記憶部21に記憶された記載条件の中からユーザが選択(選択入力)した記載条件を受け付けることで、各帳票項目についての記載条件が定義(指定)された帳票フォームを生成する。
【0023】
図3は、本実施形態に係る記載条件の一例を示す図である。図3に示すように、条件記憶部21は、「氏名」、「住所」、「住所変更予備(変更後の住所)」、「生年月日」、「番号」、「有効期限」、「固定文字」等の帳票項目(項目の種類)毎に、定義可能な1又は複数の記載条件を記憶する。なお、図3に示すように、定義可能な記載条件として記憶される条件の数は、帳票項目毎に異なってよい。以下、各項目について定義可能な記載条件の一例を示す。但し、定義可能な記載条件は、下記の記載条件の例に限定されず、他の記載条件を含んでもよく、また、下記の記載条件の一部を含んでいなくてもよい。また、帳票項目(項目の種類)は、図3に例示した項目に限定されず、任意の項目であってよい。以下、氏名や住所、住所変更予備、生年月日、番号、有効期限、固定文字等の項目(帳票項目)の種類を、「項目種類」と称する。
【0024】
(帳票項目「氏名」についての記載条件)
図3では、帳票項目「氏名」について定義可能な記載条件として、「条件なし」、「空白を除去」、「空白を固定」、「アルファベット」が例示されている。「空白を除去」とは、帳票項目「氏名」に係る入力データ(入力情報)において氏と名との間に空白が存在する場合、この空白を除去した上で当該データを記載することを示す条件である。また、「空白を固定」とは、帳票項目「氏名」については、氏と名との間に、所定のサイズ(全角スペース1つ分等)の空白が入った状態で項目データを記載することを示す条件である。つまり、帳票項目「氏名」に係る入力データ(入力情報)の氏と名との間に空白がない場合は、所定のサイズの空白を入れた状態で当該データを記載することを示す。また「アルファベット」とは、帳票項目「氏名」に係る入力データ(入力情報)がアルファベット以外の文字種であった場合に、アルファベットに変換した上で当該データを記載することを示す条件である。なお、これら3つの条件は全て、上述した表現方法条件に該当する。
【0025】
(帳票項目「住所」についての記載条件)
図3では、帳票項目「住所」について定義可能な記載条件として、「条件なし」、「都道府県を補完」、「番地を補完」、「背景塗りつぶし」が例示されている。「都道府県を補完」とは、帳票項目「住所」に係る入力データ(入力情報)において都道府県が省略されている場合、郵便番号や市町村情報等から都道府県情報を補完(追加)した上で、当該データを記載することを示す条件である。この条件は、例えば、都道府県情報を記載する必要のある帳票(申請書類等)において定義(選択)される条件である。「番地を補完」とは、帳票項目「住所」に係る入力データ(入力情報)において番地がハイフン(例えば、「1-2」等)で表現されている場合、「番」や「号」等の漢字を用いた表現(例えば、「1番2号」等)に変換した上で、当該データを記載することを示す条件である。この条件は、例えば、番地情報を記載する必要のある帳票(申請書類等)において定義される条件である。また、「背景塗りつぶし」とは、帳票項目「住所」の項目データを記載する領域の背景を塗りつぶすことを示す条件である。なお、「都道府県を補完」及び「番地を補完」は、上述した表現方法条件に該当する。記載条件には、上述した「背景塗りつぶし」のように、項目データが記載される領域に関する条件を含んでもよい。また、記載条件には、項目データとして記載する内容に関する条件を含んでもよい。
【0026】
(帳票項目「住所変更予備」についての記載条件)
図3では、帳票項目「住所変更予備(変更後の住所の記載欄)」について定義可能な記載条件として、「条件なし」、「画像を記載」、「OCR結果を記載」が例示されている。「画像を記載」とは、帳票項目「住所変更予備」の項目データとして、変更後の住所が記載された箇所(住所記載欄)の画像を記載することを示す条件である。「OCR結果を記載」とは、帳票項目「住所変更予備」の項目データとして、変更後の住所が記載された箇所の画像に対してOCR処理を行った結果を記載することを示す条件である。なお、これら2つの条件は、上述した表現方法条件に該当する。
【0027】
(帳票項目「生年月日」についての記載条件)
図3では、帳票項目「生年月日」について定義可能な記載条件として、「条件なし」、「和暦」、「西暦」、「背景塗りつぶし」が例示されている。「和暦」とは、帳票項目「生年月日」の項目データを和暦表記で記載することを示す条件である。「西暦」とは、帳票項目「生年月日」に係る項目データを西暦表記で記載することを示す条件である。「背景塗りつぶし」とは、帳票項目「生年月日」に係る項目データを記載する領域の背景を塗りつぶすことを示す条件である。なお、「和暦」と「西暦」は、上述した表現方法条件に該当する。
【0028】
(帳票項目「番号」についての記載条件)
図3では、帳票項目「番号」について定義可能な記載条件として、「条件なし」、「マイナンバーカードはセキュリティコードを記載」等が例示されている。「マイナンバーカードはセキュリティコードを記載」とは、後述する読取部81により判別された身分証明書の種類がマイナンバーカードである場合には、マイナンバーカードから読み取られたセキュリティコードを記載すること、を示す条件である。本条件は、例えば、マイナンバーカードが機密情報であるため申請書への記載が適切でない場合に指定される条件である。なお、「マイナンバーカードはセキュリティコードを記載」は、上述した表現方法条件に該当する。
【0029】
(帳票項目「有効期限」についての記載条件)
図3では、帳票項目「有効期限」については、定義可能な記載条件として、「条件なし」、「和暦」、「西暦」、「期限切れの通知」等が例示されている。「和暦」とは、帳票項目「有効期限」に係る項目データを和暦表記で記載することを示す条件である。「西暦」とは、帳票項目「有効期限」に係る項目データを西暦表記で記載することを示す条件である。「期限切れの通知」とは、帳票項目「有効期限」に係る入力データ(入力情報)に基づき対象の身分証明書が期限切れであると判定された場合に、期限切れであることを通知する(期限切れを示すマーク(*印等)を記載する)ことを示す条件である。なお、「和暦」、「西暦」は表現方法条件に該当し、「期限切れ通知」は記載するための条件に該当する。但し、固定文字の種類(*印等)の指定については、期限切れを*印で表現することを意味するため、表現方法条件に該当する。
【0030】
(帳票項目「固定文字」についての記載条件)
図3では、帳票項目「固定文字」について定義可能な記載条件として、「条件なし」、「所定の身分証明書であること」、「期限切れであること」、「本人確認がNGであること」が例示されている。「所定の身分証明書であること」には、該当する身分証明書の種類が指定される。例えば、「マイナンバーカードであること」等の条件が指定される。例えば、「マイナンバーカードであること」と指定された条件は、読み取られた身分証明書(の種類)がマイナンバーカードである場合に限り、固定文字(例えば〇印)を記載することを示す条件である。「期限切れであること」とは、例えば、有効期限が期限切れであると判定された場合に限り、固定文字(例えば*印)を記載することを示す条件である。「本人確認がNGであること」は、身分証明書に基づく本人確認の結果がNGである場合に限り、固定文字(例えば※印)を記載することを示す条件である。なお、これら3つの条件は全て、上述した、記載するための条件に該当する。但し、固定文字の種類の指定については、マイナンバーカードであることや、期限切れであること、本人確認がNGであることを、夫々、〇印、*印、※印で表現することを意味するため、夫々、表現方法条件に該当する。
【0031】
以上の通り、表現方法条件には、例えば、文字の種類に関する条件(漢字、アルファベット等)、日付の表現形式に関する条件(西暦、和暦等)、時刻のデータ形式に関する条件、入力情報に基づいて項目データを記載する際のデータ補完の要否に関する条件(都道府県を補完等)、入力情報に基づいて項目データを記載する際の入力情報の一部データ削除の要否に関する条件、入力情報に基づいて項目データを記載する際の入力情報の他のデータとの入れ替え(置換)の要否に関する条件、画像で記載することを指定する条件及び文字認識結果で記載することを指定する条件等のうち、少なくとも一つの条件を含んでよい。
【0032】
媒体定義記憶部22は、媒体の種類毎に媒体に記録される各記録項目についての表現方法を定義した媒体定義(証明書定義)を記憶する。身分証明書では、身分証明書の種類によって、記載される情報についての文字の種類や、記載される箇所、情報の記載度合い等が異なる場合がある。そのため、本実施形態に係る媒体定義(媒体定義情報)では、複数の身分証明書における記録項目の表現方法の違いが定義される。より具体的には、媒体定義には、身分証明書に記録される項目である各記録項目の、当該身分証明書における表現方法が、身分証明書の種類毎に記憶される。本実施形態において、記録項目の表現方法とは、身分証明書において記録項目のデータ(情報)がどのように表現されるか(表現方法)を意味する。表現方法としては、表現形式(使用される文字の種類や、日付や時刻の形式、記録される情報の程度(例えば、住所についての「都道府県のみ」)等)や情報の記載面(表面、裏面)等が例示され、媒体定義において定義される表現方法は、これらの表現方法のうち少なくとも何れかであってよい。なお、媒体定義には、表現方法に加え、番号の種類(意味合い)や有効期限の種類(意味合い)等のように、記録されている情報の種類(意味合い)が定義されてもよい。
【0033】
図4は、本実施形態に係る媒体定義の一例を示す図である。図4に示すように、媒体定義には、身分証明書毎に、身分証明書に記録(記載)される各項目の表現方法が定義される。例えば、図4に示すように、マイナンバーカードの場合、記録項目「氏名」、「住所」、「住所変更予備」及び「生年月日」及び「番号」の表現方法として、夫々、「漢字(外字あり)」、「空白」、「表面(手書き)」、「和暦、西暦(外国籍の場合)」及び「なし(表面)、マイナンバー(裏面)」が定義される。この場合、「漢字(外字あり)」は、記録項目である氏名が、漢字(但し外字あり)で記録されることを示す。「空白」は、住所の一部が省略されず記載されることを示す。「表面に手書き」は、記録項目である住所変更予備(変更後の住所)が、マイナンバーカード(身分証明書)の表面に手書きで記録(記載)されることを示す。「和暦、西暦(外国籍の場合)」は、記録項目である生年月日が、カード所有者が外国籍でない場合は和暦で記録され、外国籍の場合は西暦で記載されることを示す。「なし(表面)、マイナンバー(裏面)」は、記録項目である番号(マイナンバー)が、マイナンバーカードの表面には記載されず、裏面に記載されることを示す。
【0034】
また、図4に示す媒体定義には、身分証明書における各記録項目についての表現方法に加え、身分証明書に記録される番号の種類(「マイナンバー」、「運転免許証番号」、「在留番号」、「旅券番号」等)や有効期限の種類(「利用期限」、「運転期限」、「在留期限」、「パスポート期限」等)等の、情報の種類(意味合い)が定義されている。
【0035】
マイナンバーカードと同様に、運転免許証、在留カード及びパスポート等の各種身分証明書における表現方法が、媒体定義において定義される(図4を参照)。例えば、図4に示すように、運転免許証の場合、記録項目「住所」の表現方法として、「都道府県を省略する場合あり」が定義される。「都道府県を省略する場合あり」は、記録項目である住所について、都道府県が省略されて記載される場合があることを示す。また、例えば、図4に示すように、パスポートの場合、記録項目「氏名」の表現方法として、「アルファベット」が定義される。「アルファベット」は、記録項目である氏名が、アルファベットで記録されることを示す。また、図4に示すように、パスポートの場合、記録項目「住所」の表現方法として、「都道府県のみ」が定義される。「都道府県のみ」は、記録項目である住所について、都道府県のみが記載されることを示す。また、例えば、図4に示すように、パスポートの場合、記録項目「住所変更予備」の表現方法として、「記載なし」が定義される。「記載なし」は、記録項目である住所変更予備(変更後の住所)が、パスポートには記載されないことを示す。なお、記録項目は、図4に示した記録項目に限定されず、任意の項目が含まれていてよい。
【0036】
表示制御部23は、出力デバイス16を介して、各種画面を表示させる。例えば、表示制御部23は、帳票フォーム生成画面や、帳票リスト生成画面、帳票フォーム選択画面(用途選択画面)、出力イメージ確認画面等を表示させる。表示制御部23により表示される各種画面の詳細については、後述する。
【0037】
帳票フォーム生成部24は、帳票の様式等を定義した帳票フォームを1以上生成する。帳票フォーム生成部24は、帳票における複数の帳票項目の帳票項目毎に、帳票項目の項目データの記載位置と、当該記載位置に記載される当該帳票項目の項目データに関する記載条件とを定義した帳票フォームを生成する。本実施形態における「帳票フォーム(帳票定義(情報))」は、帳票の見た目や帳票項目定義等の帳票の様式を定義した情報(帳票様式情報)と、帳票の出力方法や出力時の動作等を定義した情報とから構成される情報(出力情報)とから構成される。但し、実施の態様によっては、出力情報を含まない帳票定義情報であってもよい。本実施形態では、帳票フォーム(帳票レイアウト)を生成する方法として、下敷きデータ(下敷きイメージ等)を用いる方法を例示する。なお、下敷きデータを用いる場合、下敷きデータに沿ってユーザが罫線や固定文字列等をレイアウトすることで帳票フォームを作成してもよく、また、下敷きデータ自体を出力対象としてもよい。本実施形態では、一例として、下敷きデータ自体を出力対象とする。つまり、下敷きデータの上に項目を定義するだけで帳票フォーム(帳票レイアウト)を生成する方法を例示する。以下、下敷きデータを用いた帳票フォーム生成方法について例示する。帳票フォーム生成部24は、下敷きデータ取得部241、入力受付部242及び生成部243を備える。
【0038】
下敷きデータ取得部241は、ユーザ(帳票フォーム作成者)から、帳票のレイアウトの下敷き(帳票のベース)となる下敷きデータを取得する。下敷きデータは、任意のデータ形式であってよい。下敷きデータは、例えば、紙媒体の帳票を撮像することで得られた帳票画像(ビットマップデータやJPEGデータ等のイメージデータ)や、Wordファイル(データ)、Excelファイル(データ)、PDFファイル(データ)等であってよい。また、下敷きデータは、画像に対してOCR処理を行うことにより得られる電子ファイルであってもよい。例えば、市役所等で使用される紙媒体の申請書類がスキャンされることで得られたスキャン画像を、下敷きデータとして採用することが可能である。
【0039】
図5及び図6は、本実施形態に係る下敷きデータの一例を示す図である。図5には、下敷きデータとして、1ページ(1枚)からなる住民票申請書をスキャンすることで得られたスキャン画像を示す。また、図6には、下敷きデータとして、2ページ(2枚)からなる住民票申請書をスキャンすることで得られたスキャン画像を示す。このような下敷きデータが、表示制御部23により帳票フォーム生成画面に表示されると、ユーザ(帳票フォーム作成者)は、当該下敷きデータ上に項目を定義するだけで帳票フォームを容易に作成することが可能である。なお、帳票フォーム生成部24により生成される帳票フォームには、同一のレイアウト(帳票の見た目)に対して互いに異なる項目定義が組み合わせられた複数の帳票フォームが含まれてもよい。例えば、後述するように、階層構造の最下層より上の層において同一の用途要素を有する複数の用途に夫々対応させる複数の帳票フォームとして、同一の下敷きデータに対して互いに異なる項目定義が組み合わせられた複数の帳票フォームを生成することが可能である。
【0040】
入力受付部242は、ユーザ(帳票フォーム作成者)から、各帳票項目に関する、項目データの記載位置(記載領域)、項目種類(項目名等)及び1又は複数の記載条件についての入力(選択入力を含む)を受け付ける。ユーザは、所望する帳票の帳票フォームを生成する(帳票項目の定義を行う)ために、下敷きデータにおいて、帳票項目の項目データの記載領域の指定、項目種類の選択、及び帳票項目に対する1又は複数の記載条件の選択(選定)を行う。ユーザはこれらの操作を各帳票項目について行う。なお、ユーザは、例えば、表示制御部23により表示される帳票フォーム生成画面に下敷きデータが表示された状態で、上記操作を行う。
【0041】
図7は、本実施形態に係る下敷きデータを用いて項目定義を行う方法(本人申請の場合)についての説明を行うための図である。図7の太枠で示すように、ユーザは、例えば、項目種類である「住所」、「氏名」、「生年月日」、「固定文字(身分証明書の種類が記載された箇所)」、「番号(括弧の箇所)」の夫々について、帳票の中の記載領域の指定を行う。当該操作が行われると、入力受付部242は、この記載領域の指定(入力)を受け付ける。記載領域の指定方法には任意の方法が用いられてよく、例えば、下敷きデータ上で所望する領域をマウスドラッグで指定する方法や座標指定を行う方法が用いられる。また、下敷きデータがエクセルファイルである場合、領域指定として、セル指定を行う方法が用いられてもよい。なお、図7における点線枠の領域は、例えば、変更後の住所が記載される領域(住所変更予備の領域)として指定されてもよい。
【0042】
ユーザは、領域指定した帳票項目の夫々について、項目種類と記載条件の選択(選択入力)を行う。例えば、定義可能な項目種類を含むリストが帳票フォーム生成画面(項目種類選択画面)に表示されると、ユーザは、当該リストから、定義したい項目種類を選択する。項目種類は、例えば、氏名、住所、住所変更予備、生年月日、作成日時、固定文字等である。また、例えば、帳票項目について定義可能な1又は複数の記載条件(図3を参照)を含むリストが帳票フォーム生成画面(記載条件選択画面)に表示されると、ユーザは、当該リストから、定義したい記載条件を選択する。なお、帳票項目に対して選択(定義)される記載条件の数は、1つであっても複数であってもよい。また、選択(定義)される記載条件の数は、帳票項目間で異なっていてもよい。ユーザにより、項目種類と記載条件の選択が行われると、入力受付部242は、これらの選択(選択入力)を受け付ける。
【0043】
なお、上述の通り、同一の下敷きデータに対して互いに異なる項目定義がなされた複数の帳票フォームが生成されてよい。例えば、図7では、本人申請の場合の領域指定について例示したが、代理人申請の場合は、図7に示す下敷きデータ(図5の下敷きデータ)に対して、図7とは異なる項目定義が行われてよい。
【0044】
図8は、本実施形態に係る下敷きデータを用いて項目定義を行う方法(代理人申請の場合)についての説明を行うための図である。図7と同様に、項目種類である「住所」、「氏名」、「生年月日」、「固定文字」、「番号」の夫々について記載領域の指定が行われている。図7では、本人申請の欄(本人記載の領域)に該当する、「住所」、「氏名」及び「生年月日」の領域が指定されているが、図8では、代理人申請の欄(代理人記載の領域)に該当する、「住所」、「氏名」及び「生年月日」の領域が指定されている。このように、同一の下敷きデータに対して、互いに異なる項目定義がなされた複数の帳票フォームが生成されてよい。
【0045】
図9は、本実施形態に係る下敷きデータを用いて項目定義を行う方法(本人申請の場合)についての説明を行うための図である。図10は、本実施形態に係る下敷きデータを用いて項目定義を行う方法(代理人申請の場合)についての説明を行うための図である。図9及び図10では、2ページからなる住民票申請書の下敷きデータ(図6の下敷きデータ)に対して、項目データの記載領域が指定されている。図9及び図10では、項目種類である「住所」、「氏名」、「固定文字」及び「番号」の夫々について、記載領域の指定が行われている。
【0046】
図11は、本実施形態に係る帳票フォーム生成画面の一例である。図11に示すような帳票フォーム生成画面が、表示制御部23により表示される。ユーザは、この帳票フォーム生成画面において、上述の通り各帳票項目についての項目定義を行うようにしてよい。図11では、各フィールド(領域)が設定されており、項目種類「氏名」についての項目属性(例えば、項目名、最大フォントサイズ等)が定義されている状態を示す。
【0047】
生成部243は、下敷きデータ取得部241により取得された下敷きデータと、入力受付部242により受け付けられた記載位置、項目種類及び記載条件とを組み合わせた帳票フォームを生成する。
【0048】
図12は、本実施形態に係る帳票フォームの項目定義の一例を示す図である。図12では、一例として、帳票中の9つのフィールド(帳票項目)の属性が定義された項目定義を示す。図12に示す帳票フォーム(項目定義)では、各フィールドについて、項目種類、記載位置(領域)及び記載条件が定義されている。領域には、ユーザにより指定された領域の領域情報(例えば、帳票における位置(X座標、Y座標)とその領域の大きさ(幅や高さ))が定義されている。なお、領域情報は、例えば、ユーザが帳票フォーム生成画面においてマウスドラッグで領域指定を行うと、自動的に抽出されるようにしてもよい。また、図12では、記載条件の一例として、帳票項目の項目データを記載するための条件(記載するための条件)と、項目データを記載する際の表現方法に関する条件(表現方法条件)と、帳票項目のデータが記載される領域に関する条件とが定義される。なお、図12では、項目属性として、フォントの種類やフォントサイズ等についての定義を行っていないが、必要に応じてこれらの属性も定義されることとする。
【0049】
図12では、記載するための条件として、例えば、フィールド1について、項目種類「氏名」、領域「x1,y1,w1,h1」、記載するための条件「すべて」、表現方法条件「条件なし」、及び領域に関する条件「なし」が定義されている。記載するための条件「すべて」は、項目種類「氏名」の項目データについては、どの種類の身分証明書であっても記載対象とすること示す。表現方法条件「条件なし」は、項目種類「氏名」の項目データに対する表現方法条件はないことを示している。領域に関する条件「なし」は、項目種類「氏名」の項目データが記載される領域の背景の塗りつぶしをしないことを示す。また、例えば、フィールド7について、項目種類「固定文字」、領域「x7,y7,w7,h7」、記載するための条件「マイナンバーカード」、表現方法条件「固定文字:〇」、及び領域に関する条件「なし」が定義されている。表現方法条件「固定文字:〇」は、項目種類「固定文字」の項目データを、固定文字である「〇」とすることを示す。なお、フィールド5の項目種類「作成日時」には、身分証明書が読み取られた日時が項目データとして記載される。
【0050】
なお、上記では、下敷きデータを用いて帳票フォームを生成する方法を例示したが、帳票フォームは、下敷きデータを用いず生成されてもよい。その場合、ユーザ(帳票フォーム作成者)は、罫線や帳票に固定して記載される文字列等を決定することにより帳票のレイアウト(見た目)を生成すればよい。
【0051】
帳票リスト生成部25は、帳票の用途(帳票を作成するユーザの用途(やりたいこと))を定義した帳票リスト(用途リスト)を生成する。帳票リストは、最上層と最下層を含む複数の階層からなる階層構造で構成され、帳票リストに含まれる各用途は、1又は複数の階層で特定(構成)される。つまり、各用途は、各階層の用途要素により一意に特定される。本実施形態では、二階層からなる階層構造(最上層と最下層のみからなる階層構造)で構成される帳票リストを例示する。そのため、各用途は、一階層又は二階層で特定される。以下、最上層を「カテゴリ1」、最下層を「カテゴリ2」と称する。なお、階層数は2に限定されず、3以上であってよい。
【0052】
図13は、本実施形態に係る帳票リストの一例を示す図である。図13では、二階層で構成される帳票リストを例示しており、カテゴリ1の用途要素として、「住民票申請」、「転入申請」、「印鑑証明」及び「マイナンバーカードの更新」が例示されている。住民票申請に関する用途は、二つの階層(カテゴリ)からなる用途として定義されており、帳票リストにおいて、カテゴリ1の用途要素である「住民票申請」に紐づくカテゴリ2の用途要素として、「本人用」及び「代理人用」が定義されている。つまり、カテゴリ1「住民票申請」及びカテゴリ2「本人用」により、本人による住民票申請という用途が定義(特定)され、カテゴリ1「住民票申請」及びカテゴリ2「代理人用」により、代理人による住民票申請という用途が定義(特定)されている。同様に、転入申請に関する用途は、二つの階層からなる用途として定義されており、帳票リストにおいて、カテゴリ1の用途要素である「転入申請」に紐づくカテゴリ2の用途要素として、「市外からの引っ越し」、「市内からの引っ越し」及び「国外からの引っ越し」が定義されている。
【0053】
また、印鑑証明に関する用途は、一つの階層からなる用途として定義されており、帳票リストにおいて、カテゴリ1の用途要素である「印鑑証明」に紐づくカテゴリ2の用途要素は定義されていない(省略される)。また、同様に、マイナンバーカードの更新に関する用途は、一つの階層からなる用途として定義されているが、カテゴリ1の用途要素である「マイナンバーカードの更新」に対して、カテゴリ2の用途要素として「マイナンバーカードをお持ちですか?」が定義されている。これは、カテゴリ1に紐づくカテゴリ2(最上層に紐づくカテゴリ)の用途要素が1つのみである場合に、ユーザに対して注意(確認)を促す画面(例えば、ユーザが選択した用途で帳票を作成しても良いことを確認(同意)させる画面)が表示されることを意味している。図13の例では、ユーザがカテゴリ1の用途要素として「マイナンバーカードの更新」を選択した場合、「マイナンバーカードをお持ちですか?」とのメッセージを含む画面が表示される。
【0054】
このように、階層構造は、手続きの種類を示す用途要素(「住民票申請」、「印鑑証明」等の申請書種別)の層と、当該手続きの種類に関する層の下層に位置する、ユーザ(手続きを行うユーザ又は手続きの対象者)の属性を示す用途要素(「本人」、「代理人」、「市外からの引っ越し」等)の層と、を含むものであってよい。但し、階層構造はこの例に限定されず、任意の種類の用途要素の層から構成されてよい。また、帳票リストに含まれる用途は、任意の用途であってよい。また、ユーザ(システムの設置者等)は、帳票リスト及び帳票リストに保持される用途(用途要素)を必要に応じて、変更、追加、削除することが可能である。
【0055】
また、図13に示すように、各用途には、1以上の帳票フォームが対応付け(紐づけ)られている。例えば、カテゴリ1「住民票申請」及びカテゴリ2「本人用」により定義された、本人による住民票申請という用途に対して、「住民票申請(本人)」及び「住民票申請(共通裏面)」の2つの帳票フォームが対応付けられている。また、同様に、カテゴリ1「住民票申請」及びカテゴリ2「代理人用」により定義された、代理人による住民票申請という用途に対して、「住民票申請(代理人)」及び「住民票申請(共通裏面)」の2つの帳票フォームが対応付けられている。このように、1つの用途に対して、複数の帳票フォームが対応付けられてよい。
【0056】
また、例えば、カテゴリ1「転入申請」及びカテゴリ2「市外からの引っ越し」により定義された、転入申請(市外から)という用途に対して、「転入申請(市外から)」の帳票フォームが対応付けられている。また、カテゴリ1「印鑑証明」により定義された、印鑑証明という用途に対して、「印鑑証明書」という1つの帳票フォームが対応付けられている。また、カテゴリ1「マイナンバーカードの更新」により定義されたマイナンバーカードを更新する用途に対して、「マイナンバーカードの更新申請書」という1つの帳票フォームが対応付けられている。このように、後述する帳票記憶部26は、各用途(各用途の最下層の用途要素)に対して、1又は複数の帳票フォームを対応付けて記憶しておく。以下、帳票リストの生成、及び、用途と帳票フォームとの対応付けを行う方法について例示する。
【0057】
図14は、本実施形態に係る帳票リスト生成画面(カテゴリ1の生成画面)の一例を示す図である。図14では、カテゴリ1の用途要素として、「住民票申請」、「印鑑証明」及び「転入手続き」が生成された例を示す。このように、ユーザ(システムの設置者等)は、帳票リスト生成画面上で、カテゴリ1の用途要素に対応する表示(ボタン等)を生成する。
【0058】
図15は、本実施形態に係る帳票リスト生成画面(カテゴリ2の生成画面)の一例を示す図である。図15では、カテゴリ1の用途要素「住民票申請」に対するカテゴリ2の用途要素として、「申請者本人の申請」及び「代理人の方による申請」が生成された例を示す。このように、ユーザ(システムの設置者等)は、帳票リスト生成画面上で、カテゴリ2の用途要素に対応する表示(ボタン等)を生成する。
【0059】
図16は、本実施形態に係る帳票リスト生成画面(帳票フォームとの対応付け画面)の一例を示す図である。図16では、カテゴリ1の用途要素「住民票申請」及びカテゴリ2の用途要素「申請者本人の申請」で定義(特定)される用途に対して対応付ける帳票フォーム(帳票定義)の選択画面を示す。図16に示された画面において、ユーザは、帳票定義名が「住民票申請(本人)」である帳票定義を選択することで、カテゴリ1の用途要素「住民票申請」及びカテゴリ2の用途要素「申請者本人の申請」で特定される用途と、帳票定義名が「住民票申請(本人)」である帳票フォームとを対応付けることが可能である。なお、図14から図16では、画面上で帳票リストの生成及び対応付け処理を行う場合について例示したが、帳票リストの生成及び対応付け処理は、画面を使用することなく行われてもよい。例えば、これらの処理を、エクセルファイル(表)やテキストファイル等を用いることで行うようにしてもよい。
【0060】
図17は、本実施形態に係る用途と対応付けられた帳票フォームの概要の一例を示す図である。図17では、カテゴリ1の用途要素が「住民票申請」である場合、その下層のカテゴリ2の用途要素として「本人用」と「代理人用」が例示されるが、本人が申請する場合(本人用の場合)と、代理人が申請する場合(代理人用の場合)では、対応付けられている帳票フォームに違いがある。具体的には、両者は、住民票申請の表面について、使用される下敷きデータは共通であるが、項目の定義(氏名及び住所の記載位置や、窓口に来られた方についての記載有無)に違いがある。このように、階層構造の最下層より上の層において同一の用途要素(例えば、「住民票申請」)を有する複数の用途に夫々対応させる複数の帳票フォームとして、同一の下敷きデータに対して互いに異なる項目定義が組み合わせられた複数の帳票フォームを生成することが可能である。なお、住民票申請の裏面については、本人用の場合と代理人用の場合とで、対応付けられている帳票フォームに違いはない(同一の帳票フォームが対応付けられている)。
【0061】
このように、階層化された用途の最下層の用途要素と、当該用途に適した帳票フォームとを対応付けることで、ユーザの用途に適した帳票フォームを選択し提示することが可能となる。また、ユーザ(利用者)は、やりたいことを階層的に選択することが可能となる。
【0062】
帳票記憶部26は、帳票の用途(利用者の用途)と1以上の帳票フォームを記憶する。帳票記憶部26は、帳票フォーム記憶部261及び帳票リスト記憶部262を備える。帳票フォーム記憶部261は、帳票フォーム生成部24により生成された、帳票の様式を定義した帳票フォーム(「住民票申請(本人)」、「住民票申請(代理人)」等)を記憶する。なお、帳票フォーム記憶部261は、外部装置において生成された帳票フォームを記憶してもよい。帳票リスト記憶部262は、帳票リスト生成部25により生成された帳票リストを記憶する。帳票記憶部26は、用途毎に、用途(最下層の用途要素)と当該用途に適した1以上の帳票フォームとを対応付けて記憶する。図16で示すように、画面上でユーザが用途に対応付ける帳票フォームを選択すると、帳票リストにおいて、選択された帳票フォームのフォーム名が、対応する用途(最下層の用途要素)に対応付く形で記憶(格納)されるようにしてもよい(図13を参照)。また、他の方法として、図13に示すように帳票リストに対して帳票フォームのフォーム名が対応付けられた表をユーザが作成することで、用途と帳票フォームが対応付けられて記憶されるようにしてもよい。
【0063】
帳票フォーム選択部27は、帳票(帳票データ)を生成するための帳票フォームを選択する。帳票フォーム選択部27は、ユーザから、帳票フォームの選択に係る入力を受け付けることで、帳票を生成するための帳票フォームを、帳票フォーム記憶部261に記憶された帳票フォームの中から選択する。本実施形態では、帳票フォーム選択部27は、用途選択受付部271及び選択部272を備える。用途選択受付部271は、帳票フォームの選択に係る入力として、ユーザから用途要素の選択入力を受け付ける。より具体的には、用途選択受付部271は、最上層から順に最下層までの用途要素の選択をユーザから受け付けることで、ユーザの用途選択を受け付ける。なお、用途選択受付部271は、ユーザから、1又は複数の用途を受け付ける。選択部272は、ユーザにより選択された最上層から最下層までの用途要素により特定される用途(選択された用途)に対応する1以上の帳票フォームを、ユーザの用途(選択された用途)に適した1以上の帳票データを生成するための帳票フォームとして選択する。なお、選択部272は、帳票フォーム記憶部261に記憶された帳票フォームの中から、ユーザの用途に対応する1以上の帳票フォームを選択する。
【0064】
図18は、本実施形態に係る帳票フォーム選択画面(用途要素(カテゴリ1)の選択画面)の一例を示す図である。図18に示すような帳票フォーム選択画面において、ユーザは、申請書類(カテゴリ1の用途要素)を1又は複数選択することが可能である。図18では、全てのカテゴリ1の用途要素である「住民票申請」、「印鑑証明」、「転入手続き」及び「転出手続き」についてのボタンが表示(配置)されている。なお、図18では、カテゴリ1の用途要素として、「住民票申請」と「印鑑証明」とがユーザにより選択された(「住民票申請」のカテゴリ2の用途要素も選択済みの)状態を示す。この状態で、ユーザにより「転入手続き」のボタンが押下される(それに伴いチェックマークが表示される)と、カテゴリ1の用途要素「転入手続き」に紐づくカテゴリ2の用途要素を選択する画面(図19を参照)が表示される(画面が遷移する)。
【0065】
図19は、本実施形態に係る帳票フォーム選択画面(用途要素(カテゴリ2)の選択画面)の一例を示す図である。図19に示すような帳票フォーム選択画面において、ユーザは、カテゴリ2の用途要素を1又は複数選択することが可能である。図19では、カテゴリ1の用途要素「転入手続き」に対するカテゴリ2の全ての用途要素である「市外からのお引越し」、「市内の他の区からのお引越し」及び「国外からのお引越し」についてのボタンが表示(配置)されている。図19に示す画面において、ユーザが所望する用途要素が選択され(ボタンが押下され)、「確認」ボタンが押下されると、用途について最上層から最下層まで選択されたため、カテゴリ1の用途要素を選択する画面(図18を参照)に遷移する(戻る)。つまり、所望の用途についての用途要素が最上層から最下層まで選択されると、ユーザは別の用途を選択可能となる。ユーザが所望する全ての用途が選択された場合、遷移した画面(図18を参照)において、「次に進む」ボタンがユーザにより押下される。
【0066】
このように、ユーザにより用途が選択されると、用途選択受付部271は、ユーザによる用途の選択入力を受け付ける。また、ユーザによる用途の選択操作が終了すると、選択された用途に対応する帳票フォームが選択部272により選択される。なお、ユーザが複数の用途(例えば、印鑑証明と、転入手続き(市外からのお引越し)と、住民票申請(本人用))を選択した場合、選択部282は、各用途について対応付けられている帳票フォームを選択する。つまり、選択部282は、選択された複数の用途に対応する複数の帳票フォームを、ユーザの複数の用途に適した複数の帳票データを生成するための複数の帳票フォームとして選択する。この場合、当該複数の帳票フォームに対して入力データ(入力情報)が配置されることで、入力データが配置された複数の帳票データが生成される。このように、ユーザは、複数の用途を、同時に選択することが可能である。なお、本実施形態では、図18の画面における「次に進む」ボタンが押下されることで、読取部81による身分証明書の読取処理が開始される。
【0067】
なお、図18及び図19の帳票フォーム選択画面において表示される用途要素の表示(「市外からのお引越し」等)には、帳票リストに格納されている用途要素のデータ(用途要素名)がそのまま用いられてもよいし、表示用に用意されたデータ(要素名)が用いられても良い。この場合、帳票リストに格納されている用途要素のデータ(用途要素名)と、表示用に用意されたデータ(要素名)とを対応付けて記憶しておくこととする。
【0068】
データ取得部28は、帳票に記載される対象のデータ(入力データ)を取得する。本実施形態では、データ取得部28は、入力データとして、ユーザ情報が記録された読取対象の媒体(身分証明書)に記録された当該ユーザ情報を取得する。また、データ取得部28は、読取対象の媒体の種類(媒体種類の情報)及び本人確認の結果を示す情報を取得する。データ取得部28は、後述するデータ送信部83から送信されたこれらの情報を受信(取得)する。
【0069】
図20は、本実施形態に係る読取項目についての読取データの一例を示す図である。図20の例では、各列が夫々、1つの身分証明書の読取データ(読み取られたユーザ情報)を示している。図20の例では、データ取得部28は、「氏名」、「住所」、「生年月日」、「性別」及び「番号」等の読取項目について、夫々、「AA BB」、「CCCCCCC」、「DDDD年E月F日」、「男」、「GGGGGG」等のデータを取得する。なお、読取データの形式は、図20に示した形式に限定されず、任意の形式が採用されてよい。データ取得部28は、図20に示されるようなユーザ情報と併せて、身分証明書の種類及び本人確認の結果を示す情報を取得する。
【0070】
照合部29は、帳票フォームで定義された帳票項目に係る記載条件と、読取対象の媒体(身分証明書)に基づいて得られる当該帳票項目に関連する情報(以下、「媒体情報」と称する)とを照合する。照合部29は、帳票フォーム選択部27により選択された帳票フォームにおける複数の帳票項目の帳票項目毎に、記載条件と媒体情報との照合を行う。媒体情報及び照合方法については、帳票生成方法と併せて詳細を後述する。
【0071】
帳票生成部30は、帳票フォーム選択部27により選択された1以上の帳票フォームに対してデータ(媒体に記録されたユーザ情報や固定文字等の項目データ)を配置する(埋め込む)ことで、当該データが記載された1以上の帳票データを生成する。本実施形態では、帳票生成部30は、照合部29による照合結果に応じて、帳票項目の記載位置における記載内容を異ならしめる。データを記載位置に記載(配置)する方法には、任意の方法が用いられてよく、例えば、データに係るテキストオブジェクトを下敷きデータ(複製した下敷きデータ)に配置する方法や、エクセル等の場合、指定されたセル(領域)にデータを入力する方法等が用いられてよい。
【0072】
ここで、本実施形態では、記載条件と照合する対象である媒体情報として、(1)身分証明書から読み取られた情報(ユーザ情報)、(2)判別された身分証明書の種類に対して定義された記録項目の表現方法、(3)判別された身分証明書の種類、及び(4)身分証明書に基づき得られる本人確認結果を例示する。以下、上記(1)~(4)の夫々の場合の照合方法と、夫々の場合の帳票生成方法について、説明する。以下、選択された帳票フォームが、図12に示された帳票フォーム(項目定義)であり、身分証明書から読み取られた情報が、図20に示された情報である場合を例示する。上記(1)~(4)は、以下で説明するケース1~ケース4の場合に夫々対応する。なお、上記(1)~(4)は、媒体情報の一例であり、媒体情報は他の情報を含んでもよい。また、ケース1~ケース4は、記載条件と媒体情報との照合方法及び帳票生成方法(項目データ記載方法)の一例であり、記載条件と媒体情報との照合方法及び帳票生成方法は、以下のケース1~ケース4に限定されない。
【0073】
(ケース1:記載条件とユーザ情報との照合)
ケース1では、照合部29は、帳票項目に係る記載条件(表現方法条件)と、身分証明書から読み取られたユーザ情報(当該帳票項目に対する入力情報)とを照合する。照合対象の記載条件は、帳票フォームにおいて定義されている表現方法条件である。また、照合対象の入力情報は、データ取得部28により取得された情報である。照合部29は、表現方法条件と入力情報とを照合することで、入力情報の表現方法を表現方法条件に合わせて変更(文字種の変換やデータ補完等)する必要があるか否かを判定する。
【0074】
例えば、照合部29は、項目種類「住所」についての表現方法条件である「都道府県を補完」と、住所に係る入力情報「CCCCCCC」とを照合する。入力情報「CCCCCCC」が都道府県情報を省略した住所表記である場合、照合部29は、入力情報の表現方法を変更(都道府県情報を補完)する必要があると判定する。また、例えば、照合部29は、項目種類「生年月日」についての表現方法条件である「西暦」と、生年月日に係る入力情報「DDDD年E月F日(西暦表記)」とを照合する。この場合、生年月日に係る入力情報は西暦表示であり表現方法条件を満たすものであるため、照合部29は、入力情報の表現方法の変更を行う必要はないと判定する。また、照合部29は、項目種類「住所変更予備」についての表現方法条件である「画像を記載」と、住所変更予備(変更後の住所)に係る入力情報(画像及び/又は画像のOCR結果)とを照合する。入力情報として住所変更箇所の画像を取得している場合、表現方法条件を満たすものであるため、照合部29は、入力情報の表現方法の変更を行う必要はないと判定する。なお、項目種類「住所変更予備」についての表現方法条件が「OCR結果を記載」であり、入力情報が住所変更箇所の画像である場合は、照合部29は、入力情報の表現方法を変更(画像からOCR情報への変換)する必要があると判定する。なお、項目種類「氏名」についての表現方法条件は「条件なし」であるため、照合部29は、「氏名」に係る入力情報の表現方法については変更する必要がない(入力情報をそのまま項目データとして配置すればよい)と判定する。なお、上述した項目種類「番号」についての「マイナンバーカードはセキュリティコードを記載」との表現方法条件の場合、照合部29は、読み取られた身分証明書がマイナンバーカードである場合に、当該表現方法条件と、番号に係る入力情報とを照合する。番号に係る入力情報が、マイナンバーカードとセキュリティコードである場合、照合部29は、入力情報の表現方法を変更(入力情報の一部データ(マイナンバー)の削除)する必要があると判定する。また、番号に係る入力情報が、マイナンバーのみである場合、照合部29は、入力情報の表現方法を変更(他のデータ(セキュリティコード)で置換(入れ替える))する必要があると判定する。なお、照合部29は、「マイナンバーカードはセキュリティコードを記載」との表現方法条件と番号に係る入力情報とを照合することなく、判別された身分証明書の種類と当該条件とを照合することで、判別された身分証明書の種類がマイナンバーカードである場合に、読み取られたセキュリティコードを記載すると判定するようにしてもよい。この場合、帳票生成部30により、帳票項目「番号」の記載位置に読み取られたセキュリティコードが記載される。
【0075】
帳票生成部30は、照合部29により、入力情報の表現方法を変更する必要があると判定された場合、帳票項目に対する入力情報の表現方法を、記載条件を満たすように変更することで項目データを生成し、生成された項目データ(表現方法が変更された入力情報)を帳票項目の記載位置に記載(配置)する。例えば、帳票生成部30は、住所に係る入力情報に対して都道府県情報を補完し、都道府県情報が補完された入力情報を、帳票項目「住所」の記載位置(図12の場合、「x2,y2,w2,h2」で示される領域)に記載する(埋め込む)。帳票生成部30は、表現方法の変更が必要な全ての入力情報について、当該処理を行う。なお、帳票生成部30は、表現方法の変更が必要ない入力情報については、変更を行うことなく、項目データとして、対応する帳票項目の記載位置に記載(配置)する。上述したケース1の方法は、図12の場合、フィールド1~フィールド4及びフィールド9の項目に対して適用可能な方法である。
【0076】
(ケース2:記載条件と記録項目の表現方法(媒体定義)との照合)
ケース2では、照合部29は、帳票項目に係る記載条件(表現方法条件)と、読み取られた身分証明書の種類に対して定義された記録項目の表現方法とを照合する。照合対象の記載条件は、帳票フォームにおいて定義されている表現方法条件である。また、照合対象の表現方法は、判別された身分証明書の種類に対して媒体定義で定義されている、記録項目(帳票項目に対応する記録項目)についての表現方法である。照合部29は、帳票項目に係る表現方法条件と、当該帳票項目に対応する記録項目についての表現方法とを照合することで、当該帳票項目に対する入力情報(ユーザ情報)の表現方法を表現方法条件に合わせて変更(文字種の変換やデータ補完等)する必要があるか否かを判定する。また、照合部29は、表現方法条件と表現方法とを照合することで、照合結果に応じて、読取部81に対して追加の読取指示(例えば、裏面についても読取を行うよう指示)を行うようにしてもよい。以下、図4に示す媒体定義の場合の照合方法について例示する。また、ユーザにより提示された身分証明書の種類が「運転免許証」と判別された場合について例示する。
【0077】
例えば、項目種類「住所」についての表現方法条件である「都道府県を補完」と、記録項目「住所」についての表現方法「都道府県を省略する場合あり」とを照合する。この場合、住所に関する入力情報が都道府県を含まない場合があるため、照合部29は、表現方法条件を満たさない場合があると判定する。この場合、照合部29は、入力情報「CCCCCCC」が都道府県情報を省略した住所表記であるか否かを判定し、都道府県情報を省略した表記である場合、入力情報の表現方法を変更(都道府県情報を補完)する必要があると判定する。判別された身分証明書の種類が「パスポート」の場合は、媒体定義において「都道府県のみ」と表現方法が定義されており、都道府県情報は省略して記録されないため、入力情報の表現方法を変更(都道府県を補完)する必要がないと判定する。なお、この場合、都道府県のみが帳票に記載されることになる(市町村については空白となる)が、市町村や番地情報等については、帳票生成時にユーザが手入力で追加するようにしてもよい。
【0078】
また、例えば、照合部29は、項目種類「生年月日」についての表現方法条件である「西暦」と、記録項目「生年月日」についての表現方法「和暦」とを照合する。この場合、記録項目「生年月日」についての表現方法は、表現方法条件を満たすものではないため、照合部29は、入力情報の表現方法の変更(西暦への変換(表現形式の変換))を行う必要があると判定する。
【0079】
また、項目種類「住所変更予備」についての表現方法条件である「画像を記載」と、記録項目「住所変更予備」についての表現方法「裏面(手書き)」とを照合する。この場合、照合部29は、照合の結果、帳票に、住所変更予備に関する画像を記載する必要があるため、提示された身分証明書(運転免許証)の裏面についての追加の読取が必要であると判定する。そして、照合部29は、読取部81に対して、身分証明書についての追加の読取指示(裏面の読取指示(画像取得指示))を行う。なお、項目種類「氏名」についての表現方法条件は「条件なし」であるため、照合部29は、「氏名」に係る入力情報の表現方法については変更する必要がない(入力情報を項目データとしてそのまま配置すればよい)と判定する。なお、判別された身分証明書の種類が「マイナンバーカード」である場合は、媒体定義において「表面(手書き)」と表現方法が定義されている。この場合、照合部29は、表面については既に読取処理が行われているため、追加の読取指示を行わず、読み取られた画像(住所変更予備欄についての画像)が記載されることとなる。このように、身分証明書の種類に応じて、裏面読取指示を行うことが可能である。
【0080】
帳票生成部30は、照合部29により、入力情報の表現方法を変更する必要があると判定された場合、帳票項目に対する入力情報の表現方法を、記載条件を満たすように変更することで項目データを生成し、生成された項目データ(表現方法が変更された入力情報)を帳票項目の記載位置に記載(配置)する。なお、帳票生成部30は、表現方法の変更が必要ない入力情報(追加読取指示により得られた情報も含む)については、変更を行うことなく、項目データとして、対応する帳票項目の記載位置に記載(配置)する。上述したケース2の方法は、図12の場合、フィールド1~フィールド4及びフィールド9の項目に対して適用可能な方法である。
【0081】
上述の通り、ケース1及びケース2では、表現方法条件と媒体情報とを照合することで、入力情報の表現方法を表現方法条件に合わせて変更する必要があるか否かを判定し、変更の必要があると判定された場合は、入力情報の表現方法を、表現方法条件を満たすように変更することで項目データが生成され、生成された項目データ(表現方法が変更された入力情報)が記載された帳票データが生成される。
【0082】
(ケース3:記載条件と身分証明書の種類との照合)
ケース3では、照合部29は、帳票項目に係る記載条件(記載するための条件)と、身分証明書から読み取られた当該身分証明書の種類とを照合する。照合対象の記載条件は、帳票フォームにおいて定義されている、記載するための条件(身分証明書の種類に関する条件(媒体種類条件))である。また、照合対象の身分証明書の種類(情報)は、データ取得部28により取得された情報である。照合部29は、記載するための条件と身分証明書の種類とを照合することで、取得された身分証明書の種類が、記載するための条件に該当するか否かを判定する。
【0083】
例えば、図12におけるフィールド7についての項目種類「固定文字」についての記載するための条件である「マイナンバーカード」と、データ取得部28により取得された、身分証明書の種類情報とを照合する。身分証明書の種類情報がマイナンバーカードを示す場合、照合部29は、取得された身分証明書の種類が、記載するための条件に該当すると判定する。一方、身分証明書の種類情報がマイナンバーカード以外を示す場合、照合部29は、取得された身分証明書の種類が、記載するための条件に該当しないと判定する。
【0084】
また、例えば、図12におけるフィールド9についての項目種類「番号」についての記載するための条件である「運転免許証、在留カード」と、データ取得部28により取得された、身分証明書の種類情報とを照合する。身分証明書の種類情報が運転免許証又は在留カードを示す場合、照合部29は、取得された身分証明書の種類が、記載するための条件に該当すると判定する。一方、身分証明書の種類情報が運転免許証及び在留カード以外を示す場合、照合部29は、取得された身分証明書の種類が、記載するための条件に該当しないと判定する。
【0085】
照合部29により、取得された身分証明書の種類が記載するための条件に該当すると判定された場合にのみ、帳票生成部30は、帳票項目の記載位置に項目データを記載(配置)する。図12におけるフィールド7の場合、表現方法条件として「固定文字:〇」が定義されているため、判別された身分証明書の種類がマイナンバーカードである場合、記載位置(x7,y7,w7,h7)に、表現方法条件で定められたデータである「〇」が記載(配置)される。このように、読み取られた身分証明書に対応する記載を行うことが可能である。なお、固定文字として「〇」を例示したが、固定文字(固定文字列)は、「〇」以外のマークや、文字、記号、それらの組合せ等であってよく、また、媒体定義で定義されている、記録されている情報の種類(例えば、番号の種類(例えば、「在留番号」の文字)や有効期限の種類等)であってもよい。また、図12におけるフィールド9の場合、表現方法条件として「条件なし」が定義されているため、判別された身分証明書の種類が運転免許証又は在留カードである場合、記載位置(x9,y9,w9,h9)に、番号に係る入力情報が記載(配置)される。上述したケース3の方法は、図12の場合、フィールド7及びフィールド9の項目に対して適用可能な方法である。
【0086】
(ケース4:記載条件と本人確認結果との照合)
ケース4では、照合部29は、帳票項目に係る記載条件(記載するための条件)と、身分証明書に基づき得られる本人確認の結果とを照合する。照合対象の記載条件は、帳票フォームにおいて定義されている、記載するための条件(本人確認の結果に関する条件(本人確認条件))である。また、照合対象の本人確認の結果(本人確認の結果を示す情報)は、データ取得部28により取得された情報である。照合部29は、記載するための条件と本人確認の結果とを照合することで、本人確認の結果が、記載するための条件に該当するか否かを判定する。
【0087】
例えば、図12におけるフィールド8についての項目種類「固定文字」についての記載するための条件である「本人確認がNGであること」と、データ取得部28により取得された、本人確認の結果とを照合する。本人確認の結果がNGであった場合、照合部29は、本人確認の結果が、記載するための条件に該当すると判定する。一方、本人確認の結果がOK(適切)であった場合、照合部29は、本人確認の結果が、記載するための条件に該当しないと判定する。
【0088】
照合部29により、本人確認の結果が、記載するための条件に該当すると判定された場合、帳票生成部30は、帳票項目の記載位置に、項目データ(表現方法条件で定められたデータ)を記載(配置)する。図12におけるフィールド8の場合、表現方法条件として「固定文字:※」が定義されているため、本人確認の結果がNGである場合、記載位置(x8,y8,w8,h8)に、表現方法条件で定められたデータである「※」が記載(配置)される。なお、固定文字として「※」を例示したが、固定文字(固定文字列)は、「※」以外のマークや、文字、記号、それらの組合せ等であってよい。上述したケース4の方法は、図12の場合、フィールド8の項目に対して適用可能な方法である。
【0089】
上述の通り、ケース3及びケース4では、記載するための条件と媒体情報とを照合することで、媒体情報が、記載するための条件に該当するか否かを判定し、条件に該当すると判定された場合にのみ、対象の帳票項目の記載位置に項目データが記載される。この場合、記載位置に記載される項目データは、帳票フォームにおいて指定された所定の情報(文字列やマーク等)及び取得されたユーザ情報に含まれる対象の帳票項目に対する入力情報のうち少なくとも一方であってよい。以上より、各帳票項目についての項目データが、夫々、例えば、ケース1~ケース4の少なくとも何れかの方法により記載(配置)されると、帳票データが生成される。
【0090】
図21は、本実施形態に係るデータの記載例(変換例)を示す図である。図21では、帳票定義(所定の記載条件)に対して、データがどのように帳票に記載されるか(データの記載例)を身分証明書毎に示している。図21及び上述の通り、帳票定義に記載条件を定義しておくことにより、どのような種類の身分証明書がユーザにより提示された場合であっても、記載条件を満たしたデータが自動的に記載(配置)された帳票データが生成されるため、帳票を容易に作成することが可能となる。つまり、表現方法条件に定義された表現方法(書式等)に合わせて、各身分証明書から読み取られた情報の表現方法等を自動で揃える(変換する)ことが可能となる。
【0091】
出力部31は、帳票生成部30により生成された帳票データ(データ変換された帳票データを含む)の出力、及び/又は、帳票データに基づく帳票の出力(又は出力指示)を行う。帳票データ又は帳票データに基づく帳票の出力方法及び出力指示方法には、種々の方法が用いられてよい。例えば、出力部31は、情報処理装置1とネットワーク又はその他の通信手段を介して通信可能に接続された外部装置や外部システムに対して、帳票データ(イメージデータ、PDFデータ等)又はデータ変換した帳票データを出力(送信する)。なお、データ変換した帳票データとは、例えば、CSV変換やText変換等が行われた帳票データ(CSV情報やText情報等)である。なお、CSV情報等のデータを取得した外部装置(例えば、データベース入力システム等)では、取得したデータについてのユーザによる目視確認等が行われた後、当該データに基づくデータベースの更新が行われてもよい。例えば、CSV情報に住所変更に係る情報が含まれている場合、自治体側のデータベースに記憶された情報を、変更後の住所の情報に基づき更新するようにしてもよい。
【0092】
また、他の出力方法として、例えば、情報処理装置1が印刷機能として出力部31を備える場合は、出力部31は、帳票生成部30により生成された帳票データに基づく紙媒体の帳票を印刷(出力)する。また、例えば、情報処理装置1が、ネットワーク又はその他の通信手段を介して印刷装置(プリンタ)と互いに通信可能に接続されている場合は、出力部31は、印刷装置に対して帳票データを送信した上で、当該帳票データに基づく紙媒体の帳票を印刷するよう指示を行う。
【0093】
図22は、本実施形態に係る出力イメージ確認画面の一例を示す図である。図22に示すように、入力データ(入力情報)が帳票フォームに埋め込まれた(配置された)状態で、出力イメージ確認画面に表示されることより、ユーザは帳票の出力イメージ(記載内容)を確認することが可能である。なお、複数の帳票データが生成された場合、出力イメージ確認画面において、これら複数の帳票データを確認することが可能である。この画面上で「印刷する」ボタンが押下されることで、表示された出力イメージで、帳票が出力(印刷等)される。
【0094】
図23は、本実施形態に係るCSV情報の一例を示す図である。図23には、帳票生成部30により生成された帳票データ(図22に示された帳票データ)をCSV変換することで得られるCSV情報の例を示す。出力部31は、図23に示すようなCSV情報を他の装置やシステム等に出力(送信)するようにしてよい。
【0095】
次に、読取装置9の機能構成について説明する。読取装置9は、記憶装置96に記録されているプログラムが、RAM95に読み出され、CPU93によって実行されて、読取装置9に備えられた各ハードウェアが制御されることで、読取部81、本人確認部82及びデータ送信部83を備える。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態では、読取装置9の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU93によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
【0096】
読取部81は、ユーザ情報が記録された媒体の種類(種別)を判別する。本実施形態では、ユーザ情報が記録された媒体として、身分証明書(本人確認書類)を例示するため、読取部81は、ユーザ情報が記録された媒体が、マイナンバーカードや、運転免許書、在留カード、パスポート等の各種身分証明書のうち何れの身分証明書であるか(身分証明書の種類)を、当該媒体から判別(取得)する。身分証明書の種類を判別する方法には種々の方法が用いられてよい。例えば、身分証明書(媒体)を読み取ることで、身分証明書に記載された文字や写真等の配置を解析することにより、身分証明書の種類を判別する方法が用いられてよい。また、その他の方法として、身分証明書に搭載されたICチップを読み取ることで、ICチップに記録された、身分証明書の種類を示す情報を取得する方法(ICリーダーを用いる方法)が用いられてよい。また、他の方法として、身分証明書の画像を読み取り、当該画像に対してOCR処理を施すことにより、身分証明書に記載された身分証明書を示す文字(例えば、「運転免許証」等の文字)を取得する方法等が用いられてよい。なお、本実施形態では、読取部81は、身分証明書を用いて当該身分証明書の種類を判別(取得)するが、ユーザから読取対象の媒体の種類の入力を受け付けることで、読取対象の媒体の種類を取得するようにしてもよい。
【0097】
また、読取部81は、媒体(身分証明書等)を読み取ることで、当該媒体に記録されたユーザ情報を取得する。身分証明書(媒体)に記録された情報を取得する方法には種々の方法が用いられてよい。例えば、身分証明書(身分証明書の画像)に対してOCR処理を施すことで、身分証明書の表面に記載(記録)された情報を取得する方法が用いられてよい。この場合、判別された身分証明書の種類の様式に応じた情報(項目)についての読取処理が行われてよい。また、その他の方法として、身分証明書に搭載されたICチップを読み取ることで、ICチップに記録されたユーザ情報を取得する方法が用いられてよい。
【0098】
本人確認部82は、媒体に記録されたユーザ情報を用いて本人確認を行う。本人確認の方法には、種々の方法が用いられてよい。例えば、本人確認部82は、身分証明書(ICチップ)に記録された顔写真データと、読取装置9のカメラ92により撮影されたユーザの顔写真とを照合し、例えば、これらの顔写真のそれぞれから得られる顔特徴が異なる場合に、「本人確認が出来なかった(本人確認がNG)」と判定する。また、例えば、ICチップと表面の情報とを照合した結果、両者の整合が取れなかった場合(身分証明書のICチップに記録された情報(氏名や住所)と身分証明書表面の情報(氏名や住所)とが異なる場合、身分証明書の表面のレイアウトは運転免許証のレイアウトであるが身分証明書にICチップが搭載されていない(通常運転免許証にはICチップあり)場合、ICチップの内容はマイナンバーカードであるが身分証明書の表面のレイアウトは運転免許証である場合等)に、本人確認がNGと判定してもよい。また、得られたユーザの年齢が指定年齢未満である場合に、本人確認がNGと判定してもよい。なお、本実施形態では、読取装置9が本人確認部82を備えることで、読取装置9において本人確認処理が行われるが、情報処理装置1が本人確認部82を備えることで、情報処理装置1において本人確認処理が行われるようにしてもよい。
【0099】
データ送信部83は、各種データ(情報)を情報処理装置1に対して送信する。具体的には、データ送信部83は、読取部81により取得(判別)された媒体の種類(媒体種類に係る情報)と、読取部81により読み取られたユーザ情報と、本人確認部82による本人確認の結果を示す情報を、情報処理装置1へ送信する。
【0100】
図24は、本実施形態に係る帳票フォーム生成処理の流れの概要を示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、情報処理装置1においてユーザ(帳票生成システムの設置者(運用者)等)から帳票フォームの作成指示を受け付けたこと等を契機として開始される。なお、本フローチャートに示された処理は、ユーザが作成したい帳票フォーム毎に実行される。また、本フローチャートに示された処理は、表示制御部23により表示された帳票フォーム生成画面(図11を参照)上でユーザが各種操作を行うことにより実行されてよい。
【0101】
ステップS101では、下敷きデータが取得される。下敷きデータ取得部241は、帳票のベースとなる下敷きデータを取得する。下敷きデータ取得部241は、ユーザから下敷きデータ(例えば、紙媒体の帳票のスキャン画像)が入力されると、入力された下敷きデータを取得する(図5を参照)。その後、ステップS102へ進む。
【0102】
ステップS102~ステップS104では、ユーザから、1つの帳票項目について入力(指定)された、項目データの記載領域、項目種類及び記載条件が取得される。ステップS102において、入力受付部242は、ユーザにより入力(指定)された、項目データの記載領域を取得する(図7を参照)。その後、処理はステップS103へ進む。
【0103】
ステップS103において、入力受付部242は、ユーザにより入力(選択)された項目種類を取得する。項目種類(氏名、住所、生年月日、性別等)を含むリストが帳票フォーム生成画面上に表示されることで、ユーザは、当該リストから所望の項目種類(例えば、「氏名」や「固定文字」)を選択する。例えば、ユーザは、ステップS102において図7における氏名の右側領域を選択した場合、項目種類として「氏名」を選択する。また、例えば、ユーザは、ステップS102において図7における本人確認欄の「個人番号カード」の文字列の先頭領域を選択した場合、項目種類として「固定文字」を選択する。その後、処理はステップS104へ進む。
【0104】
ステップS104において、入力受付部242は、ユーザにより入力(選択)された、1又は複数の記載条件を取得する。例えば、条件記憶部21に記憶された記載条件(図3を参照)のうち、ステップS103で取得された項目種類に対して定義可能な記載条件を含むリストが、帳票フォーム画面上に表示されるようにしてもよい。これより、ユーザは、当該リストから所望の記載条件を選択することが可能である。例えば、ステップS103において項目種類「氏名」が選択された場合、ステップS104では、「空白除去」や「条件なし」等の記載条件を含むリストが表示され、ユーザにより例えば「空白除去」が選択される。また、例えば、ステップS103において項目種類「固定文字」が選択された場合、ステップS104では、「マイナンバーカード(のみ)」や「運転免許証のみ」等の記載条件を含むリストが表示され、ユーザにより例えば「マイナンバーカード」や「〇(固定文字)」が選択される。その後、処理はステップS105へ進む。
【0105】
ステップS105では、全帳票項目(全フィールド)の定義が完了したか判定される。帳票フォーム生成部24は、ユーザが必要とする全ての項目についての項目定義(ステップS102~S104の処理)が完了したか否かを判定する。例えば、帳票フォーム生成部24は、ユーザにより、帳票フォーム生成画面上で完了ボタン等が押下されたことにより、全項目の定義が完了したと判定する。全項目の定義が完了していない場合(ステップS105のNо)、処理はステップS102へ戻り、項目定義が完了していない帳票項目についての定義(ステップS102~S104の処理)を行う。一方、全項目の定義が完了した場合(ステップS105のYes)、処理はステップS106へ進む。
【0106】
ステップS106では、帳票フォームが生成される。生成部243は、ステップS101で取得された下敷きデータと、ステップS102~S104で取得されたデータ(項目定義)とを合わせた帳票フォーム(帳票定義データ)を生成する。その後、処理はステップS107へ進む。
【0107】
ステップS107では、帳票フォームが保存される。帳票フォーム記憶部261は、ステップS106で生成された帳票フォームを記憶する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。なお、ステップS104とステップS105との間で、ユーザによりラベルの入力処理が行われることで、入力受付部242は、ラベル入力を受け付けるようにしてもよい。ラベルは、項目種類(帳票項目名)である「氏名」や「住所」等の上位(上位概念)の情報(例えば、「本人申請」や「代理人申請」等)である。ラベル入力処理が行われることで、帳票データがCSV情報に変換された際等に、各帳票項目がどのような情報を示しているかをより詳細に理解することが可能である。例えば、「氏名」や「住所」等が本人のものであるか、それとも、代理人のものであるかの理解を助ける情報となる。なお、ラベルの入力方法には任意の方法が用いられてよく、記載領域の周辺に位置する文字(例えば、図5に示す「本人申請」や「代理人申請」の文字)の位置を指定することで、当該文字の情報をラベルとして取得してもよいし、ユーザがラベルの文字を直接入力するようにしてもよい。
【0108】
図25は、本実施形態に係る帳票リスト生成・対応付け処理の流れの概要を示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、情報処理装置1においてユーザ(帳票生成システムの設置者(運用者)等)から帳票リストの作成・対応付け指示を受け付けたこと等を契機として開始される。なお、本フローチャートに示された処理は、帳票フォームが予め生成されていることを前提とする。また、本フローチャートでは、帳票リストが2つの階層で構成される(用途が最大2階層で特定される)場合について例示するが、上述の通り、帳票リストは3階層以上で構成されてもよい。また、本フローチャートに示された処理は、表示制御部23により表示された帳票リスト生成画面(図14図16を参照)上でユーザが各種操作を行うことにより実行されてよい。
【0109】
ステップS201では、カテゴリ1の用途要素が生成される。帳票リスト生成部25は、ユーザによる、カテゴリ1のボタンの生成(選択)及び当該ボタンへの名前の入力(編集入力)を受け付けることで、カテゴリ1の用途要素(例えば、「住民票申請」)を生成する。例えば、図14に示すように、「住民票申請」や「印鑑証明」、「転入手続き」のボタンが帳票リスト生成画面において生成される。その後、処理はステップS202へ進む。
【0110】
ステップS202では、カテゴリ2の用途要素を生成するか否かが判定される。帳票リスト生成部25は、ステップS201で生成されたカテゴリ1の用途要素(例えば、「住民票申請」)に紐づくカテゴリ2の用途要素を生成するか(ユーザが生成を所望しているか)否かを判定する。例えば、帳票リスト生成画面において、帳票フォームとの対応付けを行うためのボタン等が押下されると、帳票リスト生成部25は、カテゴリ2の用途要素を生成しないと判定する。このように、カテゴリ2の用途要素を生成しないと判定された場合(ステップS202のNo)、処理はステップS203へ進む。また、例えば、帳票リスト生成画面において、生成されたカテゴリ1の用途要素に対するカテゴリ2の用途要素を生成するためのボタン等が押下されることで、帳票リスト生成部25は、カテゴリ2の用途要素を生成すると判定する。このように、カテゴリ2の用途要素を生成すると判定された場合(ステップS202のYes)、処理はステップS204へ進む。
【0111】
ステップS203では、帳票フォーム(帳票フォーム名)との対応付けが行われる。帳票リスト生成部25は、ステップS201で生成されたカテゴリ1の用途要素(カテゴリ1の用途要素で特定される用途)と、当該用途に必要な1以上の帳票(帳票フォーム)との対応付けを行う。例えば、カテゴリ1の用途要素「印鑑証明」のみで特定される用途「印鑑証明」に対して、印鑑証明を行うために必要な1以上の帳票フォームを対応付ける。帳票リスト生成部25は、例えばユーザが、帳票リスト生成画面において、ステップS201で生成されたボタン(「印鑑証明」のボタン)を選択した上で、図16に示すような画面上で、対応付けたい1以上の帳票フォームを選択すると、当該用途(最下層(カテゴリ1)の用途要素)と当該1以上の帳票フォームとの対応付けを行う。その後、処理はステップS207へ進む。
【0112】
ステップS204では、カテゴリ2の用途要素が生成される。帳票リスト生成部25は、ユーザによる、カテゴリ2のボタンの生成(選択)及び当該ボタンへの名前の入力(編集入力)を受け付けることで、カテゴリ2の用途要素(例えば、「申請者本人の申請」)を生成する。その後、処理はステップS205へ進む。
【0113】
ステップS205では、帳票フォーム(帳票フォーム名)との対応付けが行われる。帳票リスト生成部25は、ステップS204で生成されたカテゴリ2の用途要素(ステップS201で生成されたカテゴリ1の用途要素とステップS204で生成されたカテゴリ2の用途要素で特定される用途)と、当該用途に必要な1以上の帳票フォームとの対応付けを行う。例えば、カテゴリ1の用途要素「住民票申請」及びカテゴリ2の用途要素「申請者本人の申請」で特定される用途である住民票申請(本人)に対して、申請者本人が住民票申請を行うために必要な1以上の帳票フォームを対応付ける。帳票リスト生成部25は、例えばユーザが、帳票リスト生成画面において、ステップS204で生成されたボタン(「申請者本人の申請」のボタン)を選択した上で、図16に示すような画面上で、対応付けたい1以上の帳票フォームを選択すると、当該用途(最下層(カテゴリ2)の用途要素)と当該1以上の帳票フォームとの対応付けを行う。その後、処理はステップS206へ進む。
【0114】
ステップS206では、カテゴリ2の用途要素の生成が全て完了したか判定される。帳票リスト生成部25は、ステップS201で生成されたカテゴリ1の用途要素(例えば、「住民票申請」)に紐づけたいカテゴリ2の用途要素が全て生成されたかを判定する。例えば、帳票リスト生成画面において、ステップS201で生成されたカテゴリ1の用途要素に対するカテゴリ2の生成を完了するためのボタン等が押下されることで、帳票リスト生成部25は、カテゴリ2の用途要素の生成が全て完了したと判定する。このように、カテゴリ2の用途要素の生成が全て完了したと判定された場合(ステップS206のYes)、処理はステップS207へ進む。また、例えば、帳票リスト生成画面において、ステップS201で生成されたカテゴリ1の用途要素に対するカテゴリ2の用途要素を追加で生成するためのボタン等が押下されることで、帳票リスト生成部25は、カテゴリ2の用途要素の生成が全て完了していないと判定する。このように、カテゴリ2の用途要素の生成が全て完了していないと判定された場合(ステップS206のNo)、処理はステップS204へ戻り、まだ生成されていないカテゴリ2の用途要素(例えば、「代理人の方による申請」)が生成される。
【0115】
ステップS207では、カテゴリ1の用途要素の作成が完了したかが判定される。帳票リスト生成部25は、ユーザの所望するカテゴリ1の用途要素の作成が全て完了したかを判定する。例えば、帳票リスト生成画面において帳票リストの作成を完了するためのボタンが押下されると、帳票リスト生成部25は、カテゴリ1の全ての用途要素の作成が完了したと判定する。このように、カテゴリ1の全ての用途要素の生成が完了した場合(ステップS207のYes)、帳票リストが生成され、本フローチャートに示された処理は終了する。また、例えば、帳票リスト生成画面においてカテゴリ1の用途要素を追加で生成するためのボタン等が押下されることで、帳票リスト生成部25は、カテゴリ1の全ての用途要素の生成が完了していないと判定する。このように、カテゴリ1の全ての用途要素の生成が完了していない場合(ステップS207のNo)、処理はステップS201へ戻り、まだ生成されていないカテゴリ1の用途要素(例えば、「転入手続き」)が生成される。
【0116】
なお、本フローチャートでは、最上層の用途要素を作成する毎に、当該用途要素に紐づく下層の用途要素を生成することで、帳票リストを生成する方法を例示した。但し、帳票リストの生成方法はこの例に限定されず、最上層から順に、その層の全ての用途要素を生成していくことで、帳票リストを生成してもよい。
【0117】
図26は、本実施形態に係る帳票生成・出力処理の流れの概要を示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、情報処理装置1においてユーザ(帳票生成システムの利用者等)から帳票の作成・出力指示を受け付けたこと等を契機として開始される。
【0118】
ステップS301では、帳票フォームが選択される。帳票フォーム選択部27は、帳票の生成に使用される帳票フォームを選択する。帳票フォームの選択処理の詳細は、図28を参照して後述する。その後、処理はステップS302へ進む。
【0119】
ステップS302では、身分証明書のセット指示を行う。表示制御部23は、ユーザに対して、身分証明書を読取装置9にセット(提示)するよう指示するメッセージを画面に表示させる。なお、表示制御部23ではなく、情報処理装置1の他の機能部や読取装置9が、身分証明書をセット(提示)するようユーザに指示するようにしてもよい。なお、指示する方法は、音やメッセージの送信等の、画面表示以外の方法であってもよい。当該指示を行うことにより、ユーザによって、読取装置9に身分証明書がセットされる。また、読取装置9に身分証明書がセットされると、本人確認部82による本人確認が行われる。これより、データ取得部28は、本人確認の結果を示す情報を、データ送信部83から取得する。その後、処理はステップS303へ進む。
【0120】
ステップS303では、身分証明書の種類が取得される。読取部81がステップS302でセットされた身分証明書を読み取ることで当該身分証明書の種類を判定(判別)すると、データ取得部28は、この判定された身分証明書の種類(種類情報)を、データ送信部83から取得する。例えば、データ取得部28は、ステップS302でセットされた身分証明書の種類がマイナンバーカードであることを示す情報を取得する。その後、処理はステップS304へ進む。
【0121】
ステップS304では、身分証明書からユーザ情報(入力情報)が取得される。読取部81が、ステップS302でセットされた身分証明書を読み取ることで当該身分証明書に記録されたユーザ情報を取得すると、データ取得部28は、この取得された情報を、データ送信部83から取得する。例えば、データ取得部28は、図20に示すユーザ情報を取得する。なお、データ取得部28は、セットされた身分証明書の種類情報と当該身分証明書に記録されたユーザ情報を纏めてデータ送信部83から取得するようにしてもよい。その後、処理はステップS305へ進む。
【0122】
ステップS305では、帳票(帳票データ)が生成される。帳票生成部30は、ステップS301で選択された1以上の帳票フォームと、ステップS304で取得されたユーザ情報(入力情報)とを合わせることで、帳票(帳票データ)を生成する。帳票の生成処理の詳細は、図29を参照して後述する。また、ステップS305では、生成された帳票データが記憶されてよい。その後、処理はステップS306へ進む。
【0123】
ステップS306では、帳票が出力される。出力部31は、ステップS305で生成された帳票データ又は当該帳票データに基づく紙媒体の帳票を出力する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。なお、ステップS306の処理を実行する前に、ステップS305で生成された帳票データをユーザに対して提示(表示)するようしてもよい。また、表示制御部23が、出力イメージ確認画面に帳票データを表示することで、当該帳票データを確認したユーザが当該帳票データを修正又は追記可能とするようにしてもよい。
【0124】
図27は、本実施形態に係る帳票生成・出力処理(裏面読取指示あり)の流れの概要を示すフローチャートである。図27に示すフローチャートは、図26に示すフローチャートにおいて、裏面読取指示を行う処理を追加したフローチャートである。つまり、片面(表面)の読取設定により表面についての読取処理が行われた後に、裏面読取指示を行うための処理を含むフローチャートである。図27に示された処理のうち、図26と同一の番号が付与された処理については、上述した説明と同様であるため、説明を省略する。
【0125】
ステップS1では、身分証明書の裏面の読取が必要であるか否かが判定される。照合部29は、ステップS301で選択された帳票フォームにおいて定義された各帳票項目について、帳票項目に係る表現方法条件と、ステップS303で取得された身分証明書の種類に対して定義された、当該帳票項目と対応する記録項目についての表現方法とを照合する。例えば、照合部29は、「住所変更予備」に係る表現方法条件「画像を記載」と、ステップS303で取得された身分証明書の種類(例えば、運転免許証)に対して定義された、「住所変更予備」についての表現方法「裏面(手書き)」とを照合する。この場合、照合部29は、帳票に、住所変更予備に関する画像を記載する必要があるため、提示された身分証明書の裏面についての追加の読取(裏面の読取)が必要であると判定する。このように、裏面の読取が必要と判定された場合(ステップS1のYes)、処理はステップS2へ進む。一方、裏面の読取が必要ないと判定された場合(ステップS1のNo)、処理はステップS305へ進む。
【0126】
ステップS2では、身分証明書の裏面の読取指示が行われる。照合部29は、読取部81に対して、身分証明書についての追加の読取指示(裏面の読取指示(画像取得指示))を行う。その後、処理はステップS302へ戻る。
【0127】
なお、ステップS1は、ステップS303とステップS304の間で行われてもよい。また、ステップS2の後にステップS302の処理が実行された後は、ステップS303を省略してステップS304の処理が実行されてよい。以上の通り、媒体定義と記載条件とを照合することにより、必要な情報が裏面に記載されている場合の追加の読取指示が可能となる。
【0128】
図28は、本実施形態に係る帳票フォーム選択処理の流れの概要を示すフローチャートである。本フローチャートは、図26に示されたステップS301の処理の詳細を示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、情報処理装置1においてユーザ(帳票生成システムの利用者等)から帳票の作成・出力指示を受け付けたこと等を契機として開始される。また、本フローチャートに示された処理は、表示制御部23により表示された帳票フォーム選択画面(図18及び図19を参照)上でユーザが各種操作を行うことにより実行されてよい。
【0129】
ステップS401では、帳票リストのカテゴリ1の用途要素が取得される。表示制御部23は、帳票リスト記憶部262から、カテゴリ1について記憶されている全ての用途要素を取得する。その後、処理はステップS402へ進む。
【0130】
ステップS402では、カテゴリ1の用途要素が表示される。表示制御部23は、ステップS401で取得された、カテゴリ1の全ての用途要素を帳票フォーム選択画面(図18を参照)に表示させる。その後、処理はステップS403へ進む。
【0131】
ステップS403では、カテゴリ1の用途要素の選択が受け付けられる。用途選択受付部271は、ステップS402で表示されたカテゴリ1の用途要素からユーザが1つの用途要素を選択することで、カテゴリ1の用途要素の選択を受け付ける。その後、処理はステップS404へ進む。
【0132】
ステップS404では、ステップS403で選択されたカテゴリ1の用途要素に紐づくカテゴリ2の用途要素が存在するか判定する。表示制御部23は、ステップS403で選択されたカテゴリ1の用途要素に基づき帳票リスト記憶部262に記憶された帳票リストを参照することで、当該用途要素に対応するカテゴリ2の用途要素が存在するか否かを判定する。対応するカテゴリ2の用途要素が存在しない場合(ステップS404のNo)、処理はステップS405へ進む。一方、対応するカテゴリ2の用途要素が存在する場合(ステップS404のYes)、処理はステップS406へ進む。
【0133】
ステップS405では、帳票フォームが取得(選択)される。選択部272は、ステップS403で選択されたカテゴリ1の用途要素に対応付けられた1以上の帳票フォームを取得(選択)する。例えば、図13に示すデータ(帳票リスト記憶部262が保持するデータ)において、カテゴリ1の用途要素に対応付けられた帳票フォーム名に該当する帳票フォームを帳票フォーム記憶部261から取得する。例えば、選択部272は、ステップS403でカテゴリ1の用途要素「印鑑証明」が選択された場合、当該用途要素に対応付けられた帳票フォーム「印鑑証明書」を取得する(図13を参照)。なお、ステップS405では、カテゴリ2を選択する画面を表示させないが、上述したように、ユーザに対して確認を促す画面(メッセージ)を表示するようにしてもよい。その後、処理はステップS410へ進む。
【0134】
ステップS406では、帳票リストのカテゴリ2の用途要素が取得される。表示制御部23は、帳票リスト記憶部262から、ステップS403で選択されたカテゴリ1の用途要素に紐づくカテゴリ2の全ての用途要素を取得する。その後、処理はステップS407へ進む。
【0135】
ステップS407では、カテゴリ2の用途要素が表示される。表示制御部23は、ステップS406で取得された、カテゴリ2の用途要素を帳票フォーム選択画面(図19を参照)に表示させる。その後、処理はステップS408へ進む。
【0136】
ステップS408では、カテゴリ2の用途要素の選択が受け付けられる。用途選択受付部271は、ステップS407で表示されたカテゴリ2の用途要素からユーザが1又は複数の用途要素を選択することで、カテゴリ2の用途要素の選択を受け付ける。その後、処理はステップS409へ進む。
【0137】
ステップS409では、帳票フォームが取得(選択)される。選択部272は、ステップS408で選択されたカテゴリ2(最下層)の用途要素に対応付けられた1以上の帳票フォームを取得(選択)する。例えば、図13に示すデータにおいて、カテゴリ2の用途要素に対応付けられた帳票フォーム名に該当する帳票フォームを帳票フォーム記憶部261から取得する。例えば、選択部272は、ステップS403でカテゴリ1の用途要素「住民票申請」が選択され、ステップS408でカテゴリ2の用途要素「本人用」が選択された場合、当該用途要素に対応付けられた帳票フォームである「住民票申請(本人)」と「住民票申請(共通裏面)」を取得する(図13を参照)。なお、最下層であるカテゴリ2の用途要素が選択されると、画面が、図19に示す画面から図18に示す画面に遷移する。その後、処理はステップS410へ進む。
【0138】
ステップS410では、用途の選択が完了したかが判定される。帳票フォーム選択部27は、ユーザが所望する用途(やりたい用途)が全て選択されたか否かを判定する。例えば、図18に示す帳票フォーム選択画面において、「次に進む」ボタンがユーザにより押下されると、帳票フォーム選択部27は、用途の選択が完了したと判定する。このように、用途の選択が完了したと判定された場合(ステップS410のYES)、本フローチャートに示された処理は終了する。一方、用途の選択が完了していないと判定された場合(ステップS410のNo)、処理はステップS403へ戻り、選択が完了していない用途の選択が行われる。なお、用途が全て選択された後に、帳票フォームが選択されるようにしてもよい。
【0139】
図29は、本実施形態に係る帳票生成処理の流れの概要を示すフローチャートである。本フローチャートは、図26に示されたステップS305の処理の詳細を示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、図26に示されたステップS304の処理が終了したことを契機として開始される。なお、ステップS301において複数の帳票フォームが選択された場合、選択された帳票フォーム毎に、本フローチャートに示された処理が行われることとする。以下の説明では、ステップS301において選択された帳票フォームの1つを帳票フォームAとして説明する。なお、帳票フォームAは、図12に示す項目定義を有することとする。
【0140】
ステップS501及びステップS502では、帳票フォームAにおいて定義されている帳票項目についての領域情報及び条件情報が取得される。照合部29は、帳票フォームAにおいて定義されている帳票項目のうち、1つの帳票項目についての領域情報の取得(ステップS501)、及び、当該帳票項目の条件情報の取得(ステップS502)を行う。ここでは、フィールド2(項目種類「住所」)について、領域情報「x2,y2,w2,h2」と、条件情報として、記載するための条件「すべて」、表現方法条件「都道府県を補完」及び領域に関する条件「なし」を取得した場合について例示する。その後、処理はステップS503へ進む。
【0141】
ステップS503では、帳票項目に関連する情報(媒体情報)が取得される。照合部29は、ステップS501及びステップS502で取得された領域情報及び条件情報に係る帳票項目に関連する媒体情報を取得する。例えば、項目種類「氏名」、「住所」、「住所変更予備」及び「生年月日」(フィールド1~4)については、夫々、媒体情報として、項目種類に対応する記録項目について読み取られたユーザ情報(ケース1の場合)又は読み取られた身分証明書の種類に対して定義された、帳票項目に対応する記録項目の表現方法(ケース2の場合)が取得される。例えば、ケース1の方法を用いる場合、照合部29は、図12に示すフィールド2(項目種類「住所」)に関連(対応)する媒体情報として、図26のステップS304で取得された、記録項目「住所」についてのユーザ情報(入力情報)である「CCCCCCC」を取得する。また、例えば、ケース2の方法を用いる場合、媒体情報として、読み取られた身分証明書の種類(例えば「パスポート」)に対して定義された「住所」についての表現方法「都道府県のみ」を取得する。
【0142】
また、項目種類「固定文字」(フィールド7)については、媒体情報として、図26のステップS303で取得された身分証明書の種類が取得される。また、項目種類「固定文字」(フィールド8)については、媒体情報として、図26のステップS302で行われた本人確認の結果が取得される。また、項目種類「番号」(フィールド9)については、媒体情報として、番号に係る入力情報と、図26のステップS303で取得された身分証明書の種類が取得される。なお、項目種類「固定文字」(フィールド6)については、記載するための条件が条件なしであり、かつ固定された文字が入力される項目種類であるため、ステップS503で取得される情報はない。また、項目種類「作成日時」については、媒体情報ではなく、帳票作成時の日時情報が取得される。その後、処理はステップS504へ進む。
【0143】
ステップS504では、条件が指定されているか否かが判定される。照合部29は、ステップS502で取得された条件情報を参照することで、条件が指定されているか否かを判定する。本実施形態では、表現方法条件及び記載するための条件の何れにも条件が指定されていない場合に、条件が指定されていないと判定する。例えば、条件情報(記載条件)において、記載するための条件が「すべて(全ての身分証明書)」であり、且つ、表現方法条件が「条件なし」である場合に、条件が指定されていないと判定される。図12の例では、項目種類「氏名」について、条件が指定されていないと判定される。条件が指定されていないと判定された場合(ステップS504のNo)、処理はステップS505へ進む。一方、条件が指定されていると判定された場合(ステップS504のYes)、処理はステップS506へ進む。
【0144】
ステップS505では、情報が指定領域に記載される。帳票生成部30は、ステップS304で取得された帳票項目に対する入力情報(ユーザ情報等)をそのまま、項目データとして、下敷きデータ(複製された下敷きデータ)の指定領域(ステップS501で取得された領域情報が示す領域)に記載(配置)する。上述の例では、項目種類「氏名」の場合、項目種類「氏名」についての入力情報「AA BB」が、「x1,y1、w1,h1」で示す記載領域にそのまま記載される。例えば、マイナンバーカードや運転免許証の場合は漢字のまま記載され、在留カードやパスポートの場合、アルファベットのまま記載される。なお、在留カードの場合、一部漢字が記録される場合があるため、その場合当該情報もそのまま記載される。その後、処理はステップS510へ進む。
【0145】
ステップS506では、記載するための条件に該当するか否かが判定される。照合部29は、ステップS502で取得された条件情報(記載するための条件)と、ステップS503で取得された媒体情報(図26のステップS303で取得された身分証明書の種類やステップS302で取得された本人確認の結果を示す情報)とを照合することで、記載するための条件に該当するか否かを判定する(上述したケース3及びケース4)。例えば、図12に示すフィールド8の項目種類「固定文字」の場合、記載するための条件は、「マイナンバーカード」であるため、ステップS302で読み取られた身分証明書がマイナンバーカードである場合は、記載条件に該当すると判定され、マイナンバーカード以外である場合は、記載条件に非該当と判定される。また、記載するための条件が「すべて」である場合は、どの身分証明書が読み取られた場合であっても、記載条件に該当すると判定される。
【0146】
また、例えば、図12に示すフィールド9の項目種類「番号」の場合、記載するための条件は、「運転免許証、在留カード」であるため、ステップS302で読み取られた身分証明書が運転免許証又は在留カードである場合は、記載条件に該当すると判定され、運転免許証及び在留カード以外である場合は、記載条件に非該当と判定される。また、例えば、図12に示すフィールド8の項目種類「固定文字」の場合、記載するための条件は、「本人確認がNGであること」であるため、ステップS302で取得された本人確認結果がNGである場合は、記載条件に該当すると判定され、本人確認結果がNGでない場合は、記載条件に非該当と判定される。非該当と判定された場合(ステップS506のNo)、処理はステップS510へ進む。一方、該当すると判定された場合(ステップS506のYes)、処理はステップS507へ進む。
【0147】
ステップS507では、帳票項目に対する入力情報(ユーザ情報等)の表現方法について変更が必要か否か判定される。照合部29は、ステップS502で取得された条件情報(表現方法条件)と、ステップS503で取得された媒体情報とを照合することで、ステップS304で取得された、帳票項目に対する入力情報の表現方法の変更が必要か否かを判定する(上述したケース1及びケース2)。
【0148】
なお、表現方法条件と照合する対象の媒体情報は、上述の通り、読み取られたユーザ情報(ケース1)であっても、読み取られた身分証明書の種類に対して定義された、帳票項目に対応する記録項目の表現方法(ケース2)であってもよい。例えば、ケース1の方法を採用する場合、図12に示すフィールド2の項目種類「住所」の表現方法条件「都道府県を補完」と、読み取られた「住所」に係るユーザ情報「CCCCCCC」とを照合する。この場合、「CCCCCCC」において都道府県情報が省略されていると判定されると、表現方法の変更(都道府県情報の補完)が必要と判定される。また、例えば、ケース2の方法を採用する場合、図12に示すフィールド2の項目種類「住所」の表現方法条件「都道府県を補完」と、読み取られた身分証明書の種類(例えば「パスポート」)に対して定義された「住所」についての表現方法「都道府県のみ」とが照合され、表現方法の変更(都道府県データの補完)が不要と判定される。
【0149】
表現方法の変更が必要と判定された場合(ステップS507のYes)、処理はステップS508へ進む。一方、表現方法の変更が必要ないと判定された場合(ステップS507のNo)、処理はステップS509へ進む。なお、固定文字を記載する帳票項目(図12のフィールド6~8)の場合、項目の種類や表現方法条件により、固定文字を記載する項目であることが明確であるため、上述の照合を行うことなく情報の表現方法の変更が不要と判定され、処理はステップS509へ進む。
【0150】
ステップS508では、入力情報の表現方法が変更(条件処理)された上で指定領域に記載(配置)される。帳票生成部30は、ステップS304で取得された、帳票項目に対する入力情報の表現方法を、ステップS502で取得された条件情報(表現方法条件)に合わせて変更する。そして、帳票生成部30は、表現方法が変更された入力情報(項目データ)を、下敷きデータ(複製された下敷きデータ)の指定領域(ステップS501で取得された領域情報が示す領域)に記載(配置)する。その後、処理はステップS510へ進む。例えば、項目種類「住所」の入力情報に対して都道府県情報が補完された上で、指定領域に記載される。その後、処理はステップS510へ進む。
【0151】
ステップS509では、情報が指定領域に記載される。帳票生成部30は、ステップS304で取得された、帳票項目に対する入力情報をそのまま、項目データとして、下敷きデータ(複製された下敷きデータ)の指定領域(ステップS501で取得された領域情報が示す領域)に記載(配置)する。例えば、上述の例では、「住所」についての入力情報「CCCCCCC」が都道府県情報を含むものである場合、入力情報「CCCCCCC」は、データ補完が行われることなく指定領域に記載される。また、固定文字を記載する帳票項目(図12のフィールド6~8)の場合は、表現方法条件で指定された固定文字(例えば、「〇」や「※」)が指定領域に記載される。その後、処理はステップS510へ進む。
【0152】
ステップS510では、全ての帳票項目について処理が終了したか判定される。照合部29は、帳票フォームAにおいて定義されている全ての帳票項目について、ステップS501~ステップS509の処理が終了したか否かを判定する。全ての帳票項目について処理が終了していないと判定された場合(ステップS510のNo)、処理はステップS501へ戻り、まだ処理が終了していない帳票項目(別のフィールドの帳票項目)についての処理が行われる。一方、全ての帳票項目について処理が終了していると判定された場合(ステップS510のYes)、帳票生成部30により各フィールドにデータが配置された帳票データが生成され、本フローチャートに示された処理は終了する。なお、本フローチャートに示す処理では、領域に関する条件を使用する処理について触れていないが、ステップS505、ステップS509、ステップS510等において、領域に関する条件を参照することにより、背景の塗りつぶし処理等が帳票生成部30により行われてよい。
【0153】
以上より、本実施形態によれば、帳票フォームに定義された記載条件と媒体情報とを照合した結果に応じて、帳票項目の記載位置における記載内容を異ならしめることにより、媒体の種類を意識することなく帳票を容易に作成することが可能となる。つまり、本実施形態によれば、帳票フォームで記載条件を定義することにより、身分証明書における表現方法と帳票における表現方法に関する決まり(条件)との間に違いがある場合であっても、自動で、当該帳票フォームに必要な内容(読み取った情報等)が、適した表現方法で記載された帳票を生成することが可能である。そのため、ユーザは、読み取る(提示する)身分証明書の種類を意識することなく、帳票を容易に作成することが可能である。つまり、本実施形態によれば、記載条件を定義することにより、複数の身分証明書に対応した帳票作成方法を提供することが可能である。
【0154】
また、本実施形態によれば、帳票フォームに記載条件を定義することで複数の身分証明書に対応することが可能であるため、複数の身分証明書に対応するための帳票フォームの修正や追加等の手間を削減することが可能である。そのため、身分証明書の種類間で、記録されている項目の種類(記録事項)や表現方法に違いがあっても、容易に帳票フォームを生成(設定)することが可能である。つまり、身分証明書について精通していないユーザであっても、身分証明書の種類(身分証明書毎の記録事項や表現方法)を意識することなく、帳票フォームを容易に生成することが可能である。
【0155】
更に、本実施形態によれば、記載条件と、読み取られた身分証明書の種類に対して媒体定義で定義された表現方法とを照合することで、当該身分証明書から読み取られた情報の表現方法を変更した上で帳票に記載すべきか否かを判定することが可能となる。これより、帳票(帳票フォーム)に合わせて当該情報の表現方法を変更する必要があるか否かを容易に判定することが可能である。
【0156】
また、本実施形態によれば、身分証明書から読み取られた情報又は表現方法が変更された後の読み取られた情報が自動で帳票に転記されることで、記載済みの帳票を作成することができるため、ユーザが帳票に情報を手書き又は手入力する手間を削減することが可能となる。また、身分証明書から読み取られた情報又は表現方法が変更された後の読み取られた情報が自動で帳票に転記されるため、ユーザが帳票に情報を手書きする場合に発生する誤字、脱字を防ぐことが可能となり、その結果、作成された帳票をチェックする手間を削減することが可能となる。
【0157】
また、本実施形態によれば、下敷きデータ(申請書の撮像画像等)に対して印字したい場所(領域)を選択し、印字する情報(項目の種類)と記載条件とを選択することで帳票フォームを生成することが可能であるため、帳票フォームを容易に作成、変更することが可能である。
【0158】
また、本実施形態によれば、利用者の用途と、用途に沿って必要となる帳票(帳票フォーム)とを対応付けておき、ユーザから用途の選択を受け付けると、選択された用途に対応付けられた1以上の帳票フォームを、用途に適した帳票フォームとして選択することにより、帳票フォームの選択を容易に行うことが可能である。つまり、用途と、用途に沿って必要な帳票フォームとを対応付けておくことにより、帳票フォームの選択を容易に行うことが可能となる。また、本実施形態によれば、用途に沿って必要となる全ての帳票フォームを当該用途と対応付けて記憶しておくことにより、ユーザにより用途が選択された場合に、当該用途に必要な帳票フォームを漏れなく選択(提供)することが可能となる。例えば、市役所にて戸籍謄本が必要だが、代理人が申請を行う場合は、戸籍謄本申請書類以外に追加で委任状が必要な場合がある。このような場合に、代理人が戸籍謄本を行うという用途に対して、戸籍謄本申請書及び委任状の夫々についての帳票フォームを対応付けて記憶しておく。これより、代理人が、当該用途を選択した場合に、戸籍謄本申請書の帳票フォームだけでなく、委任状についての帳票フォームについても選択されることとなる。このように、利用者のやりたいこと(用途)と、用途に合った1又は複数の帳票(帳票フォーム)とを対応付けることで、利用者は、用途に適した帳票フォームを使用(選択)することが可能となる。
【0159】
また、本実施形態では、用途(帳票リスト)を階層構造で定義するため、ユーザは、やりたいことを階層的に選択することが可能となり、用途の選択が容易になる。また、用途(帳票リスト)を、手続きの種類を示す用途要素の層と、当該手続きの種類に関する層の下層に位置する、ユーザの属性(手続を行うユーザや手続きの対象者の属性)を示す用途要素の層とを含む階層構造にすることで、手続きの種類が同一であってもユーザの属性が異なる場合は、異なる帳票フォームが選択(提供)されるようにすることが可能となる。
【0160】
また、本実施形態によれば、用途に対応づける帳票フォームを変更したい場合や、用途に対応付ける帳票フォームを追加したい場合には、用途と帳票フォームとの対応付け関係を変更すれば済むため、容易に、用途に対応付ける帳票フォームの変更、追加を行うことが可能である。
【0161】
更に、本実施形態によれば、利用者は、用途(申請書種別等)を選択し、身分証明書を読取装置9にセットするだけで、簡単かつ即座に記載済み申請書を作成することが可能となる。また、本実施形態によれば、用途を複数選択することで、複数の帳票データ(複数枚の申請書)を纏めて作成することができるため、帳票を作成したいユーザが、複数枚の帳票を夫々作成する手間を削減することが可能となる。
【0162】
[バリエーション1]
上述した実施形態では、ユーザが用途(用途要素)を選択することで帳票フォームが選択される実施態様について説明したが、帳票フォームの選択方法には、任意の方法が用いられてよい。本バリエーションでは、ユーザが、用途を選択することなく、直接帳票(帳票フォーム)を選択する実施態様について説明する。
【0163】
本バリエーションにおけるシステムの構成及び情報処理装置1の機能構成は、夫々図1及び図2に示す構成と概略同様であるため、説明を省略する。但し、本バリエーションでは、ユーザが所望する帳票を作成するために使用する帳票フォームを直接選択するため、情報処理装置1は、必ずしも帳票リストを作成及び記憶しておく必要がなく、また同様に、用途と帳票フォームとの対応付けを必ずしも行う必要がない。そのため、本バリエーションのように、用途を選択することで帳票フォームを選択する方法以外の方法が用いられる場合、情報処理装置1は、帳票リスト生成部25、帳票リスト記憶部262及び用途選択受付部271を必ずしも備えなくてよい。
【0164】
また、本バリエーションに係る帳票フォーム生成処理、帳票生成・出力処理及び帳票生成処理は、夫々、図24図26図27)及び図29に示す処理と概略同様であるため、説明を省略する。また、本バリエーションでは、図25に示された処理(帳票リスト生成・対応付け処理)を行わない。また、本バリエーションでは、帳票フォーム選択処理として、図28に示された処理は行わないこととする。本バリエーションでは、図26におけるステップS301において、帳票フォーム選択部27(選択部272)は、ユーザから帳票フォームの選択入力を受け付けると、選択入力に係る帳票フォームを、帳票フォーム記憶部261に記憶された帳票フォームの中から選択する。
【0165】
なお、帳票フォームを選択する方法には、ユーザが直接帳票フォームを選択する方法以外に、階層構造で構成されない用途と帳票フォームとを対応付けておくことで、ユーザにより選択された用途に対応する帳票フォームを選択する方法が採用されてもよい。
【0166】
[バリエーション2]
上述した実施形態では、記載条件を定義した帳票フォーム(図12を参照)を生成し、当該帳票フォームを帳票作成に用いる実施態様について説明したが、帳票フォームには任意の帳票フォームが用いられてよい。本バリエーションでは、記載条件が定義されていない帳票フォーム(帳票項目定義)を用いる実施態様について説明する。また、本バリエーションでは、記載条件を定義しないため、上述した、記載条件と媒体情報との照合処理を行わないこととする。
【0167】
本バリエーションにおけるシステムの構成及び情報処理装置1の機能構成は、夫々図1及び図2に示す構成と概略同様であるため、説明を省略する。但し、本バリエーションでは、記載条件を帳票フォームに定義せず、また、記載条件と媒体情報との照合処理も行わない。そのため、情報処理装置1は、条件記憶部21、媒体定義記憶部22及び照合部29を必ずしも備えなくてよい。
【0168】
また、本バリエーションに係る帳票フォーム生成処理、帳票リスト生成・対応付け処理、帳票生成・出力処理及び帳票フォーム選択処理は、夫々、図24図25図26図27)及び図28に示す処理と概略同様であるため、説明を省略する。但し、本バリエーションでは帳票フォームにおいて記載条件を定義しないため、本バリエーションでは、図24におけるステップS104の処理は行わない(省略する)こととする。また、本バリエーションでは、帳票生成処理として、図29に示された処理は行わないこととする。本バリエーションでは、図26におけるステップS305において、帳票生成部30は、ステップS301で選択された帳票フォームにおける帳票項目についての項目データ(ステップS304で取得されたユーザ情報等)を帳票フォームで定義された記載領域に記載した帳票(帳票データ)を生成する。以下、本バリエーションに係る帳票フォームの一例を示すが、本バリエーションでは、任意の帳票フォームを採用可能である。
【0169】
図30は、本バリエーションに係る帳票フォーム(項目定義)の一例を示す。図30に示すように、本バリエーションにおける帳票フォームでは、記載条件が定義されていない。図30に示す帳票フォームでは、帳票項目の種類(項目種類)毎に、複数の身分証明書の夫々に対応する記載領域(項目データの記載領域)が定義されている。同一の帳票項目(項目種類)であっても、読み取られた身分証明書の種類に応じて記載領域が異なるよう、帳票フォームに定義されてよい。
【符号の説明】
【0170】
1 情報処理装置

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