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特開2024-153298噴霧容器に充填された機能性成分含有飲料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153298
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】噴霧容器に充填された機能性成分含有飲料
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/00 20060101AFI20241022BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A23L2/00 W
A23L2/00 B
A23L2/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067099
(22)【出願日】2023-04-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和5年2月20日にウェブサイトにて発表 (2)令和5年4月12日にウェブサイトにて発表
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】長田 知也
(72)【発明者】
【氏名】宗口 瑛
(72)【発明者】
【氏名】藤原 康子
【テーマコード(参考)】
4B117
【Fターム(参考)】
4B117LC03
4B117LC04
4B117LE08
4B117LK06
4B117LK08
4B117LK12
4B117LK14
4B117LK16
4B117LL01
4B117LP17
(57)【要約】
【課題】本発明は、機能性成分に由来する不快な味が飲用時において軽減されており、且つ品質安定性及び微生物制御に優れた飲料を提供することを目的とする。
【解決手段】飲料において、条件(a)~(c):(a)水分活性が0.94以上である;(b)機能性成分を含む;及び(c)エアゾール式噴霧容器に充填されている;を満たすように調整する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の条件(a)~(c):
(a)水分活性が0.94以上である;
(b)機能性成分を含む;及び
(c)エアゾール式噴霧容器に充填されている;
を満たす、飲料。
【請求項2】
機能性成分として、
1g/L以上のビタミンC;
0.5g/L以上のγ-アミノ酪酸;
0.5g/L以上のテアニン;
0.5g/L以上のカンナビジオール;
0.5g/L以上のカフェイン;
1g/L以上のクエン酸;及び
0.01g/L以上のビタミンB1
のいずれか一以上を含む、請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
1回の使用での噴霧量が0.3mL以上である、請求項1又は2に記載の飲料。
【請求項4】
エアゾール式噴霧容器がバッグオンバルブ(BOV)である、請求項1又は2に記載の飲料。
【請求項5】
糖アルコールを除く単糖及び二糖の合計含有量が20g/L以下である、請求項1又は2に記載の飲料。
【請求項6】
香料を含む、請求項1又は2に記載の飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性成分を含有する飲料に関し、より具体的には、機能性成分に由来する不快な味が飲用時に感じられにくい飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
機能性成分を高効率で摂取する手段として、多くの場合、錠剤やカプセル形状のサプリメントが利用されている。しかし、錠剤及びカプセル剤はいずれも体内で溶解してからでなければ吸収されず、吸収力についての課題がある。また、飲用する際に水が必要であり、嚥下力も必要となる。
【0003】
別の手段として、栄養ドリンクが用いられる場合もある。しかし、栄養ドリンクについては、飲用時の味わいを良くするために余計な糖分や成分を大量にとってしまうことや、毎日飲用しなければならないのが手間であるといった欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題を解消するには、機能性成分の濃度をさらに高めた液体サプリメントを直接飲用することが考えられるが、機能性成分を高濃度に含有する液体サプリメントは、直接飲用することに対して香味の面での課題がある。具体的には、機能性成分を高濃度で配合すると、飲用時に機能性成分特有の苦み等が生じてしまうため、飲用に適さない飲料組成になる。水に希釈すれば香味面の課題は少なくなるものの、少量ずつコップなどに移さなければならないなど、飲用時の手間もかかってしまう。
【0005】
また、飲料を提供する上では、容器開栓後の品質安定性や微生物保証の面でも課題がある。具体的には、開栓後に酸素や光で含有成分が変質して飲料の液色が変わることや、水分活性の高い内用液は微生物に汚染されやすいといったことがある。
【0006】
そこで、本発明は、機能性成分に由来する不快な味が飲用時において軽減されており、且つ品質安定性及び微生物制御に優れた飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の手段を試みた中で、スプレーボトルの使用に着目した。そして、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、液体を霧化するアタッチメントを先端に備えたスプレーボトルを用い、機能性成分を含有する飲料を当該容器に充填してミスト状に噴射しながら飲用することによって、機能性成分に由来する不快な味が緩和できることを見出した。
【0008】
その一方で、ポンプ式のスプレーボトルでは、容器開栓後の液色の変化や微生物保証の観点で不十分であるといった課題が見られた。これに対して本発明者らは、鋭意検討を行った結果、スプレーボトルの中でもエアゾール缶を使用することで前述の課題が解決できることを見出した。かかる知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、これらに限定されないが、以下のものに関する。
(1)以下の条件(a)~(c):
(a)水分活性が0.94以上である;
(b)機能性成分を含む;及び
(c)エアゾール式噴霧容器に充填されている;
を満たす、飲料。
(2)機能性成分として、
1g/L以上のビタミンC;
0.5g/L以上のγ-アミノ酪酸;
0.5g/L以上のテアニン;
0.5g/L以上のカンナビジオール;
0.5g/L以上のカフェイン;
1g/L以上のクエン酸;及び
0.01g/L以上のビタミンB1
のいずれか一以上を含む、(1)に記載の飲料。
(3)1回の使用での噴霧量が0.3mL以上である、(1)又は(2)に記載の飲料。
(4)エアゾール式噴霧容器がバッグオンバルブ(BOV)である、(1)~(3)のいずれか1に記載の飲料。
(5)糖アルコールを除く単糖及び二糖の合計含有量が20g/L以下である、(1)~(4)のいずれか1に記載の飲料。
(6)香料を含む、(1)~(5)のいずれか1に記載の飲料。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、機能性成分に由来する不快な味が飲用時において軽減されており、且つ品質安定性及び微生物制御に優れた飲料を提供することができる。機能性成分に由来する不快な味が軽減されることにより、飲料全体の香味が改善されて美味しさを感じやすくなる。本発明の飲料を利用することによって、機能性成分を高濃度で含有する液体サプリメントを手軽に、且つ不快な味を感じにくく飲用することができ、機能性成分を高効率で摂取することが可能となる。また、本発明の飲料は、液色の変化及び微生物汚染の抑制の面でも高い効果を発揮するとともに、エアゾール式噴霧容器の利用によって少量ずつの飲料の摂取も容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明について以下に説明する。なお、特に断りがない限り、本明細書において用いられる「ppm」、「ppb」、及び「重量%」は、重量/容量(w/v)のppm、ppb、及び重量%をそれぞれ意味する。
【0012】
本発明の一態様は、以下の条件(a)~(c):
(a)水分活性が0.94以上である;
(b)機能性成分を含む;及び
(c)エアゾール式噴霧容器に充填されている;
を満たす飲料である。
【0013】
(水分活性)
本発明の飲料は、水分活性が0.94以上である。本発明において、水分活性の値は、飲料中に含まれる各種成分の量を調整することによって調節することができる。本発明の飲料の水分活性は、0.94以上である限り特に限定されないが、好ましくは0.95以上、より好ましくは0.96以上、さらに好ましくは0.97以上、さらに好ましくは0.98以上である。また、本発明の飲料の水分活性は1.0以下である。水分活性は、公知の水分活性測定装置を用いて測定することができ、例えば、AquaLab 4TE(メータージャパン株式会社)を用いて測定することができる。なお、本発明の飲料における水分活性は、飲料の温度が25℃の条件下で測定される水分活性である。
【0014】
(機能性成分)
本発明の飲料は、機能性成分を含有する。本明細書において機能性成分とは、人体に経口摂取されたときに体内に吸収されて機能的効果を生じさせる成分を意味する。機能性成分としては、例えば、ビタミンC、γ-アミノ酪酸、テアニン、カンナビジオール、カフェイン、クエン酸、及びビタミンB1等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明では、機能性成分として1種のみが単独で含まれていてもよいし、2種以上の組み合わせが含まれていてもよい。機能性成分は、飲料の原料に含まれている成分であってもよく、或いは精製品であってもよい。本発明において機能性成分は、好ましくは市販の精製品が用いられる。
【0015】
ビタミンCは、酸味を呈する機能性成分である。ビタミンCはL-アスコルビン酸であり、そのCAS登録番号は50-81-7である。ビタミンCが飲料に含まれる場合、その含有量は、例えば1g/L以上であり、好ましくは10g/L以上、より好ましくは25g/L以上、さらに好ましくは50g/L以上である。ビタミンCの含有量が1g/L以上の場合、本発明の飲料では飲用時においてその酸味が軽減される傾向にある。ビタミンCの含有量の上限値としては、特に限定されないが、例えば400g/L以下、好ましくは350g/L以下、より好ましくは300g/L以下である。ビタミンCの含有量は、HPLC法などの公知の方法により測定することができる。
【0016】
γ-アミノ酪酸は、苦味を呈する機能性成分である。γ-アミノ酪酸はGABAとも称され、そのCAS登録番号は56-12-2である。γ-アミノ酪酸が飲料に含まれる場合、その含有量は、例えば0.5g/L以上であり、好ましくは1g/L以上、より好ましくは5g/L以上、さらに好ましくは10g/L以上である。γ-アミノ酪酸の含有量が0.5g/L以上の場合、本発明の飲料では飲用時においてその苦味が軽減される傾向にある。γ-アミノ酪酸の含有量の上限値としては、特に限定されないが、例えば200g/L以下、好ましくは100g/L以下、より好ましくは50g/L以下である。γ-アミノ酪酸の含有量は、HPLC法などの公知の方法により測定することができる。
【0017】
テアニンは、旨味を呈する機能性成分である。本発明では、好ましくはL-テアニンが用いられ、そのCAS登録番号は3081-61-6である。テアニンが飲料に含まれる場合、その含有量は、例えば0.5g/L以上であり、好ましくは1g/L以上、より好ましくは3g/L以上、さらに好ましくは5g/L以上である。テアニンの含有量が0.5g/L以上の場合、本発明の飲料では飲用時においてその旨味が軽減される傾向にある。テアニンの含有量の上限値としては、特に限定されないが、例えば150g/L以下、好ましくは100g/L以下、より好ましくは50g/L以下である。テアニンの含有量は、HPLC法などの公知の方法により測定することができる。
【0018】
カンナビジオールは、苦味を呈する機能性成分である。カンナビジオールの略称はCBDであり、そのCAS登録番号は13956-29-1である。カンナビジオールが飲料に含まれる場合、その含有量は、例えば0.5g/L以上であり、好ましくは1g/L以上、より好ましくは2g/L以上、さらに好ましくは3g/L以上である。カンナビジオールの含有量が0.5g/L以上の場合、本発明の飲料では飲用時においてその苦味が軽減される傾向にある。カンナビジオールの含有量の上限値としては、特に限定されないが、例えば20g/L以下、好ましくは15g/L以下、より好ましくは10g/L以下である。カンナビジオールの含有量は、HPLC法などの公知の方法により測定することができる。
【0019】
カフェインは、苦味を呈する機能性成分である。カフェインは、コーヒー飲料や緑茶飲料に含まれていることが知られており、そのCAS登録番号は58-08-2である。カフェインが飲料に含まれる場合、その含有量は、例えば0.5g/L以上であり、好ましくは1g/L以上、より好ましくは2g/L以上、さらに好ましくは3g/L以上である。カフェインの含有量が0.5g/L以上の場合、本発明の飲料では飲用時においてその苦味が軽減される傾向にある。カフェインの含有量の上限値としては、特に限定されないが、例えば100g/L以下、好ましくは50g/L以下、より好ましくは30g/L以下である。カフェインの含有量は、HPLC法などの公知の方法により測定することができる。
【0020】
クエン酸は、酸味を呈する機能性成分である。クエン酸は、Cの化学式で表される化合物であり、そのCAS登録番号は77-92-9である。クエン酸が飲料に含まれる場合、その含有量は、例えば1g/L以上であり、好ましくは10g/L以上、より好ましくは25g/L以上である。クエン酸の含有量が1g/L以上の場合、本発明の飲料では飲用時においてその酸味が軽減される傾向にある。クエン酸の含有量の上限値としては、特に限定されないが、例えば400g/L以下、好ましくは350g/L以下、より好ましくは300g/L以下である。クエン酸の含有量は、HPLC法などの公知の方法により測定することができる。
【0021】
ビタミンB1は、苦味を呈する機能性成分である。ビタミンB1はチアミンであり、その塩酸塩のCAS登録番号は67-03-8である。ビタミンB1が飲料に含まれる場合、その含有量は、例えば0.01g/L以上であり、好ましくは0.05g/L以上、より好ましくは0.25g/L以上、さらに好ましくは0.5g/L以上である。ビタミンB1の含有量が0.01g/L以上の場合、本発明の飲料では飲用時においてその苦味が軽減される傾向にある。ビタミンB1の含有量の上限値としては、特に限定されないが、例えば3.5g/L以下、好ましくは3.0g/L以下、より好ましくは2.5g/L以下である。ビタミンB1の含有量は、HPLC法などの公知の方法により測定することができる。
【0022】
(単糖及び二糖)
本発明の飲料は、糖アルコールを除く単糖及び二糖の合計含有量が20g/L以下であってもよい。そうすることにより、糖アルコールを除く単糖及び二糖が有する独特の甘味を低減することができる。また、糖アルコールを除く単糖及び二糖の合計含有量を低減することにより、それらの糖に由来するカロリーを抑えることができ、さらには、飲料における微生物増殖の制御能を高めることができる。
【0023】
本発明の飲料において、糖アルコールを除く単糖及び二糖の合計含有量は、好ましくは15g/L以下であり、より好ましくは10g/L以下、さらに好ましくは5g/L以下、最も好ましくは0g/L(すなわち、糖アルコールを除く単糖及び二糖は含まれない)である。糖アルコールを除く単糖としては、特に限定されないが、具体的には、ブドウ糖、果糖、D-キシロース、L-アラビノース等を挙げることができる。また、糖アルコールを除く二糖としては、具体的には、ショ糖、ラクトース等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0024】
本発明の飲料において、糖アルコールを除く単糖及び二糖の合計含有量は、HPLC法などの公知の方法により測定することができる。
【0025】
(香料)
本発明の飲料は、香料を含有していてもよい。本明細書において香料とは、対象飲料に対して香りや味を付与することのできる物質を意味する。本発明では特に、精製された香気成分が複数種配合された香料組成物を使用することが好ましい。本発明の飲料に香料を配合した場合、噴霧容器から口内に直接飲料を噴射することによって飲料の香り立ちがよくなる。これは、飲料の噴射吐出によって、香料中の香気成分の揮発性が高まるためと考えられる。これによって、機能性成分由来の不快な味を効果的に軽減することができる。
【0026】
香料としては、特に限定されないが、例えば、香気成分としてテルペン系化合物やエステル系化合物が含まれるものが用いられる。テルペン系化合物としては、例えば、リナロール、リモネン、α-ターピネオール、及びオクタナール等が挙げられるが、これらに限定されない。エステル系化合物としては、例えば、イソ吉草酸エチル、酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、及び酪酸エチル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
また、香料としては、例えば、レモン香料、ライム香料、梅香料、イチゴ香料、アップル香料、オレンジ香料、グレープフルーツ香料、グレープ香料、ジャスミン香料、フルーツミックス香料、コーヒー香料、及びミント香料等が例示されるが、これらに限定されない。これらの香料は、飲食したときに各種の香りを連想させる香気(例えば、レモン香料であれば、レモンの香りを連想させる香気)を呈する香料組成物を意味する。
【0028】
本発明の飲料における香料の含有量は、例えば1ml/L以上であり、好ましくは2ml/L以上、より好ましくは3ml/L以上である。香料の上限値としては、特に限定されないが、例えば50ml/L以下、好ましくは30ml/L以下、より好ましくは10ml/L以下である。
【0029】
(その他の成分)
本発明の飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の飲料と同様、各種添加剤等を配合してもよい。各種添加剤としては、例えば、酸化防止剤、乳化剤、保存料、エキス類、食物繊維、pH調整剤、品質安定剤等を挙げることができる。
【0030】
(甘味度)
本発明の飲料は、甘味度が1~30であってよい。本発明において甘味度とは、飲料100g中にショ糖1g含有する飲料の甘さを「1」とした、飲料の甘味を表す指標である。飲料の甘味度は、各甘味成分の含有量を、ショ糖の甘味1に対する当該甘味成分の甘味の相対比に基づいて、ショ糖の相当量に換算して、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味成分のショ糖甘味換算量(果汁やエキス等由来の甘味成分も含む)を総計することによって求められる。甘味成分のショ糖に対する甘味度は、当該甘味成分を製造又は販売しているメーカーが提示する甘味度、或いは官能評価により得られた甘味度を利用することができる。
【0031】
本発明において、飲料の甘味度は、好ましくは1~20、より好ましくは1~15である。飲料の甘味度は、甘味成分を用いて調整することができる。甘味成分としては、例えば、飲料分野で通常使用される甘味成分を用いることができるが、飲料分野以外で使用される甘味成分を用いてもよい。本発明においては、飲料中に甘味成分を甘味料として直接配合してもよいし、甘味成分を含有する果汁やエキス等を配合してもよい。
【0032】
本発明の飲料において好ましい甘味成分は、糖アルコールである。糖アルコールとしては、例えば、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール等の単糖アルコール類、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール等の二糖アルコール類、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等の三糖アルコール類、オリゴ糖アルコール等の四糖以上アルコール類、粉末還元麦芽糖水飴などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に用いられる好ましい糖アルコールは単糖アルコール類であり、その中でも、キシリトール、エリスリトール、及びソルビトールがより好ましい。本発明の飲料には、これら糖アルコールを単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0033】
本発明の飲料における糖アルコールの含有量は、上述した通り、飲料の甘味度及び糖アルコールの種類に応じて設定することができる。言い換えれば、本発明の飲料において糖アルコールは、飲料の甘味度が1~30、好ましくは1~20、より好ましくは1~15となる量で含有させることができる。
【0034】
また、糖アルコールがキシリトールである場合は、本発明の飲料中の含有量は、10~300g/Lであることが好ましく、10~200g/Lであることがより好ましく、10~150g/Lであることがさらに好ましい。
【0035】
糖アルコールがエリスリトールである場合は、本発明の飲料中の含有量は、12~370g/Lであることが好ましく、12~250g/Lであることがより好ましく、12~190g/Lであることがさらに好ましい。
【0036】
糖アルコールがソルビトールである場合は、本発明の飲料中の含有量は、16~500g/Lであることが好ましく、16~333g/Lであることがより好ましく、16~250g/Lであることがさらに好ましい。
【0037】
本発明の飲料に配合された糖アルコールの含有量は、HPLC法などの公知の方法により測定することができる。
【0038】
上記の糖アルコール以外に、本発明の飲料において好ましい甘味成分は、高甘味度甘味料である。高甘味度甘味料とは砂糖(ショ糖)と比べて十から一万倍の甘味を有する甘味料を意味する。本発明に用いる高甘味度甘味料としては、天然甘味料及び合成甘味料のいずれの高甘味度甘味料も使用することができる。高甘味度甘味料の種類としては、具体的には、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア(レバウディオサイド、ステビオサイド)、ソーマチン、サッカリン、サッカリンナトリウム、甘草、羅漢果、ネオテーム、マビンリン、ブラゼイン、モネリン、グリチルリチン、アリテーム、チクロ、ズルチン、ネオヘスペリジン等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明に用いられる好ましい高甘味度甘味料は、アセスルファムカリウム及びスクラロースである。本発明の飲料には、これら高甘味度甘味料の1種又は2種以上を使用することができる。また、本発明の飲料には、高甘味度甘味料と糖アルコールとを併用して配合することもできる。
【0039】
本発明の飲料における高甘味度甘味料の含有量は、上述した通り、飲料の甘味度及び高甘味度甘味料の種類に応じて設定することができる。言い換えれば、本発明の飲料において高甘味度甘味料は、飲料の甘味度が1~30、好ましくは1~20、より好ましくは1~15となる量で含有させることができる。
【0040】
また、高甘味度甘味料がスクラロースである場合は、本発明の飲料中の含有量は、16~500mg/Lであることが好ましく、16~333mg/Lであることがより好ましく、16~250mg/Lであることがさらに好ましい。
【0041】
高甘味度甘味料がアセスルファムカリウムである場合は、本発明の飲料中の含有量は、50~1500mg/Lであることが好ましく、50~1000mg/Lであることがより好ましく、50~750mg/Lであることがさらに好ましい。
【0042】
本発明の飲料に配合された高甘味度甘味料の含有量は、HPLC法などの公知の方法により測定することができる。
【0043】
(酸度)
本発明の飲料は、酸度が0.005~6.0であってよい。本発明において酸度とは、酸の含有量の指標となる値であり、一定量の飲料(試料)に水酸化ナトリウムなどのアルカリを加えて中和する際の、中和に要した(pH7.0)アルカリの量から計算により求めることができる。酸度の測定には、自動滴定装置(京都電子工業、AT-710/CHA-700など)を用いることができる。本発明において、酸度は、クエン酸量に換算した値(中和量から、飲料に含まれている酸が全てクエン酸であると仮定して計算して求める)を用いる。また、本発明における酸度の単位は、「g/100mL」である。
【0044】
本発明において、飲料の酸度は、好ましくは0.01~6、より好ましくは0.05~5である。本発明の飲料の酸度は、いずれの酸を用いて調整してもよい。例えば、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、シュウ酸、グルコン酸、アスコルビン酸、コハク酸、乳酸、酢酸、硫酸、塩酸、フマル酸、フィチン酸、イタコン酸、又はその他の酸を用いて飲料の酸度を調整することができるが、これに限定されない。また、本発明において酸度は、果汁(透明果汁及び混濁果汁のいずれであってもよい)や食品添加物基準の酸味料等を用いて調整することもできる。
【0045】
本発明の飲料における酸の含有量は、上述した通り、飲料の酸度及び酸の種類に応じて設定することができる。言い換えれば、本発明の飲料において酸は、飲料の酸度が0.005~6.0、好ましくは0.01~6、より好ましくは0.05~5となる量で含有させることができる。
【0046】
(pH)
本発明の飲料のpHとしては、特に限定されないが、例えばpH2.0~6.0であり、好ましくはpH2.5~5.0、より好ましくはpH3.0~4.6である。pH調整剤としては、例えば、クエン酸三ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ニナトリウム、及び炭酸カリウム等が挙げられるが、本発明では特にクエン酸三ナトリウムが最も好ましい。
【0047】
(Brix)
本発明の飲料のBrix(ブリックス)は、特に限定されないが、例えば0.2以上であり、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。また、上限値として、本発明の飲料のBrixは、例えば30以下であり、25以下であることが好ましい。Brixは、糖度計や屈折計などを用いて得られるBrix値によって評価することができる。Brix値は、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値である。単位は「°Bx」、「%」又は「度」で表示される。
【0048】
(飲料)
本発明の飲料の種類は、特に限定されず、例えば清涼飲料とすることができる。本発明の飲料は、例えば、栄養飲料、機能性飲料、液体サプリメント、フレーバードウォーター(ニアウォーター)系飲料、茶系飲料(紅茶、ウーロン茶、緑茶等)、コーヒー飲料などいずれであってもよい。また、本発明の飲料は、炭酸ガスを含む飲料(すなわち、炭酸飲料)であってもよいし、炭酸ガスを含まない飲料(すなわち、非炭酸飲料)であってもよい。
【0049】
(エアゾール式噴霧容器)
本発明の飲料は、エアゾール式噴霧容器に充填されることを特徴とする。すなわち、本発明の飲料は、容器詰め飲料であって、より具体的にはエアゾール式噴霧容器詰め飲料である。エアゾール式噴霧容器は、手動により内容物を噴射する容器(手動式容器)であってもよいし、電動機械により内容物を噴射する容器(電動式容器)であってもよい。また、エアゾール式噴霧容器は、所定量の内容物が1回の吐出操作で噴射される単回噴霧式容器であってもよいし、或いは、吐出操作を行っている間(例えば、噴霧容器のアクチュエータ部を作動し続けている間)は内容物が連続的に持続して噴射される連続噴霧式容器であってもよい。
【0050】
エアゾール式の噴霧容器において、噴射剤として、従来のエアゾール製品に利用可能な公知の噴霧ガスを用いることができ、例えば、亜酸化窒素ガス、窒素ガス、炭酸ガス等の圧縮ガスが使用できる。また、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)等の液化ガスも使用することができる。エアゾール式噴霧容器の噴射圧は、特に限定されないが、例えば20℃における噴射圧が0.05~1.5MPaであり、好ましくは0.1~1.0MPaである。
【0051】
本発明において噴射剤を使用する場合、噴射剤を含まない内容物(飲料)を調製し、当該内容物に噴射剤を混合して容器に充填することにより、噴霧容器に充填された飲料を製造することができる。本発明において、内容物(飲料)と噴射剤との含有比は、特に限定されないが、例えば、体積比で10:90~60:40であり、好ましくは20:80~50:50である。
【0052】
また、エアゾール式噴霧容器については、バッグオンバルブ(BOV)を用いることもできる。バッグオンバルブは、エアゾールバルブの下部に固定された遮断材(アルミパウチ等)により噴射剤室と内容物(飲料)室の二層式に容器内部が分割されたエアゾール式容器である。バッグオンバルブは、噴射剤室と内容物(飲料)室との二重構造により、噴射剤(ガス等)が内容物に直接接触することがなく、内容物の酸化や変質を防ぐことができるといった特徴がある。また、エアゾール缶を押した分だけ噴射されるという特徴から、使用量の削減や調節が可能である。バッグオンバルブは、市販されているものを用いることができる。本発明では、エアゾール式噴霧容器として、好ましくはバッグオンバルブが用いられる。
【0053】
本発明の飲料は、エアゾール式噴霧容器による1回の使用での噴霧量が、例えば0.3mL以上であり、好ましくは0.4mL以上、より好ましくは0.5mL以上である。本発明において用いられるエアゾール式噴霧容器は、特に限定されないが、0.5秒間あたりの噴霧量が0.3mL以上(1秒間あたりの噴霧量が0.6mL以上)であることが好ましく、より好ましくは0.5秒間あたりの噴霧量が0.4mL以上(1秒間あたりの噴霧量が0.8mL以上)であり、さらに好ましくは0.5秒間あたりの噴霧量が0.5mL以上(1秒間あたりの噴霧量が1mL以上)である。ここで、本発明において噴霧量とは、噴霧容器から噴射された内容物の量を意味する。本発明においてエアゾール式噴霧容器は、特に限定されないが、0.5秒以上噴射するよう使用されることが好ましく、1秒以上噴射するよう使用されることがより好ましく、2秒以上噴射するよう使用されることがさらに好ましい。本発明におけるエアゾール式噴霧容器の使用時間は、特に限定されないが、例えば10秒以下である。
【0054】
本発明の飲料は、噴霧容器から直接的に口内に噴射して飲用することができる。本発明の飲料の噴霧量は、噴射前後の内容物の重量差と当該内容物の比重を用いて算出することができる。また、本発明の飲料の容器内部への充填量は、特に限定されないが、例えば10~500mL、好ましくは20~400mL、より好ましくは30~300mLである。
【0055】
ある態様では、本発明は、エアゾール式噴霧容器に充填された飲料の製造方法である。より具体的には、本発明の一態様は、飲料の製造方法であって、
(a)飲料の水分活性を0.94以上に調整する工程;
(b)機能性成分を配合する工程;及び
(c)エアゾール式噴霧容器に飲料を充填する工程;
を含む、上記方法である。
【0056】
本発明の飲料は、上述した各種成分を適宜配合したり、飲料中のその含有量を調整したりすることによって製造されてもよい。すなわち、本発明の製造方法は、上述した成分を配合する工程や、飲料中の当該成分の含有量を調整する工程を含むことができる。成分の配合順序は特に限定されない。また、本発明の製造方法は、飲料の甘味度を調整する工程、酸度を調整する工程、pHを調整する工程、及びBrix値を調整する工程等も含むことができる。本発明の製造方法では、飲料の充填工程以外の各工程をどの順序で行ってもよく、最終的に得られた飲料における各種条件などが所要の範囲にあればよい。なお、本発明の飲料の製造における飲料中の成分の種類やその含有量等の各種要素については、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、それらから自明である。
【0057】
また、本発明の飲料の製造方法においては、必要に応じて飲料を加熱殺菌する工程が含まれてもよい。例えば、飲料をエアゾール式噴霧容器に充填した後に加熱殺菌等を行う方法や、飲料を殺菌してから無菌環境下でエアゾール式噴霧容器に充填する方法により、殺菌されたエアゾール式噴霧容器詰め飲料を製造することができる。加熱殺菌処理は、例えば、各地の法規(日本にあっては食品衛生法)に従って行うことができる。具体的には、高温で短時間殺菌した後、無菌条件下で殺菌処理された保存容器に充填する方法(UHT殺菌法)と、調合液を保存容器に充填した後、レトルト処理を行うレトルト殺菌法が挙げられる。UHT殺菌法の場合、通常70~150℃で1~60秒間程度、好ましくは80~130℃で1~30秒間程度の条件であり、レトルト殺菌法の場合、通常70~150℃で1~30分程度、好ましくは80~140℃で1~10分間程度の条件である。
【実施例0058】
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書において、特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
【0059】
<実験例1>
機能性成分として、ビタミンC(三栄源エフ・エフ・アイ)、テアニン(太陽化学)、GABA(ファーマフーズ)、ビタミンMIX(三栄源エフ・エフ・アイ)、水溶性CBD(吉兆堂)、カフェイン(丸善薬品産業)、及びクエン酸(三栄源エフ・エフ・アイ)を用いて、下表に示した通り、各種機能性成分を含有する飲料サンプルを調製した。ビタミンMIXは、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、及びパントテン酸の混合物であり、全重量の5w/w%がビタミンB1であった。飲料サンプルにおける機能性成分の含有量は、評価試験に応じて種々の含有量に調整した。得られた各種飲料をプラスチック製コップに30mL注いだ。飲料サンプルを噴射せずに飲用する場合は、コップに注いだ飲料サンプルをそのまま使用した。他方、飲料サンプルを噴射して飲用する場合は、コップに注いだ飲料の中に、1プッシュあたり0.5mL噴射可能なポンプ式ノズル(ディスペンサー)(三谷バルブ、Z-500-C038)のチューブ部分を差し込み、ポンプ式噴霧容器入り飲料を準備した。
【0060】
調製した飲料サンプルの水分活性は、水分活性測定装置AquaLab 4TE(メータージャパン株式会社)を用いて25℃の条件下で測定を行った。その結果、最も機能性成分の濃度が高い飲料サンプルの水分活性は、ビタミンC含有飲料では0.961(300g/L)、テアニン含有飲料では0.982(100g/L)、GABA含有飲料では0.979(100g/L)、ビタミンB1含有飲料では0.975(2.5g/L)、CBD含有飲料では0.968(20g/L)、カフェイン含有飲料では0.990(30g/L)、クエン酸含有飲料では0.965(300g/L)であった。また、これらの結果から、各種の機能性成分を含有するその他の飲料サンプルは、前記の水分活性と同等か、或いはそれよりも高い値を示すものと判断された。
【0061】
【表1】
【0062】
また、各種機能性成分を含有する飲料においては、以下の数値が得られた。
【0063】
【表2】
【0064】
上記の飲料サンプルについて、官能評価試験を行った。飲料サンプルを噴射せずに飲用する場合は、スプーンを用いて飲料サンプル1mLをそのまま飲用した。他方、飲料サンプルを噴射して飲用する場合は、上記のポンプ式噴霧容器入り飲料を用いて、素早く2回プッシュして評価者の口内に噴射した。
【0065】
官能評価としては、専門パネラー2名にて、各種飲料の機能性成分が呈する味、及び香り立ちについて評価を行った。また、各種飲料サンプルの総合評価も行った。各専門パネラーは、以下の基準に従って5点評価を行い、その平均点を評価点とした。
【0066】
<酸味>
5点:酸味を非常に強く感じる
4点:酸味を強く感じる
3点:酸味を感じる
2点:酸味を少し感じる
1点:酸味をほとんど感じない
【0067】
<旨味>
5点:旨味を非常に強く感じる
4点:旨味を強く感じる
3点:旨味を感じる
2点:旨味を少し感じる
1点:旨味をほとんど感じない
【0068】
<苦味>
5点:苦味を非常に強く感じる
4点:苦味を強く感じる
3点:苦味を感じる
2点:苦味を少し感じる
1点:苦味をほとんど感じない
【0069】
<香り立ち>
5点:香りを非常に強く感じる
4点:香りを強く感じる
3点:香りを感じる
2点:香りを少し感じる
1点:香りをほとんど感じない
【0070】
<総合評価>
5点:非常に美味しい
4点:美味しい
3点:やや美味しい
2点:あまり美味しくない
1点:美味しくない
【0071】
【表3-1】
【0072】
【表3-2】
【0073】
【表3-3】
【0074】
【表3-4】
【0075】
【表3-5】
【0076】
【表3-6】
【0077】
【表3-7】
【0078】
結果は上記の通りであり、噴霧容器を用いて噴射して飲用した場合の方が、噴射せずに飲用した場合よりも、機能性成分に由来する不快な味が緩和されることが分かった。
【0079】
<実験例2>
上記の結果がエアゾール式噴霧容器を用いた場合でも同様に得られるかどうかを確認した。上記実験例で調製した飲料サンプルについて、機能性成分の種類ごとに1つずつ飲料サンプルを選択して、それぞれ60mLずつエアゾール缶(三谷バルブ製BOV(60mL)、初期内圧0.6MPa)に充填した。得られたエアゾール式噴霧容器入り飲料について、官能評価試験を行った。
【0080】
官能評価試験においては、事前にエアゾール缶からの噴霧量を十分に確認した上で、口内に噴射される飲料の量を約1mLに調整して、評価者の口内に飲料を噴射した。口内への噴射後は、エアゾール式噴霧容器入り飲料の重量減少量を調べて、噴霧量が1mL~1.05mLの範囲内であることを確認した。なお、エアゾール缶の噴射時間は約1秒であった。
【0081】
官能評価としては、専門パネラー2名にて、各種飲料の機能性成分が呈する味、及び香り立ちについて評価を行った。また、各種飲料サンプルの総合評価も行った。官能評価は、上記実験例1と同様の基準を用いて行い、その平均点を評価点とした。
【0082】
【表4-1】
【0083】
【表4-2】
【0084】
【表4-3】
【0085】
【表4-4】
【0086】
【表4-5】
【0087】
【表4-6】
【0088】
【表4-7】
【0089】
結果は上記の通りであり、エアゾール式噴霧容器を用いた場合でも同様に、噴霧容器を用いて噴射して飲用した場合の方が、噴射せずに飲用した場合よりも、機能性成分に由来する不快な味が緩和されることが分かった。
【0090】
<実験例3>
ポンプ式噴霧容器入り飲料及びエアゾール式噴霧容器入り飲料を準備し、試験数をN=5として安定性評価を実施した。ポンプ式噴霧容器としては、市販の詰め替え用ポンプ式スプレーボトル(AutoGo スプレーボトル 100ml)を用い、これに機能性成分含有飲料サンプルを60mL充填した。エアゾール式噴霧容器入り飲料は、実験例2と同様にして準備した。
【0091】
各種飲料は、容器に充填された状態で熱湯に浸漬し、80℃で1分間殺菌処理を行った。その後、各種飲料は28℃にて保管し、3日おきに口内に2mL噴射した。試験開始から2週間後に品質評価を実施した。品質評価としては、液色の変化、カビの発生、及び飲料の香味を確認した。なお、試験途中でカビのフロックが確認された飲料については、口内への噴射は行わないようにした。
【0092】
【表5】
【0093】
結果は上記の通りであり、エアゾール式噴霧容器入り飲料の方が、ポンプ式噴霧容器入り飲料よりも、液色の変化、カビの発生、及び飲料の香味に関して優れていることが分かった。