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特開2024-153308関節の角度測定装置及び関節の曲がり具合の測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153308
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】関節の角度測定装置及び関節の曲がり具合の測定方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
A61B5/11 230
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067115
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】505377049
【氏名又は名称】学校法人京都橘学園
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100135839
【弁理士】
【氏名又は名称】大南 匡史
(72)【発明者】
【氏名】兒玉 隆之
(72)【発明者】
【氏名】山口 秀明
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB14
4C038VB40
(57)【要約】
【課題】簡便な方法で精度よく関節角度の計測が可能となる関節の角度測定装置を提供する。
【解決手段】身体の第一部位に固定される基本軸側身体固定部(第一固定部)10と、身体の第二部位に直接的又は間接的に接触させる連結パイプ(第一検知部材)5と、前記第一固定部に対して前記第一検知部材を回動可能に保持する連結パイプ支持部(第一保持部)11と、前記第一検知部材の角度を検知する第一ロータリーエンコーダ12を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の第一部位に固定される第一固定部と、身体の第二部位に直接的又は間接的に接触させる第一検知部材と、前記第一固定部に対して前記第一検知部材を回動可能に保持する第一保持部と、前記第一検知部材の角度を検知する第一ロータリーエンコーダを有することを特徴とする関節の角度測定装置。
【請求項2】
前記第一検知部材に保持される第二固定部と、身体の第二部位に直接的又は間接的に接触させる第二検知部材と、前記第二固定部に対して前記第二検知部材を回動可能に保持する第二保持部と、前記第二検知部材の角度を検知する第二ロータリーエンコーダを有することを特徴とする請求項1に記載の関節の角度測定装置。
【請求項3】
前記第一検知部材は第一回動軸を中心として回動するものであり、前記第二検知部材は第二回動軸を中心として回動するものであり、前記第一回動軸と前記第二回動軸は交差又は食い違うものであることを特徴とする請求項2に記載の関節の角度測定装置。
【請求項4】
前記第一検知部材には、身体の第二部位に直接的又は間接的に接触させる第一接触部があり、前記第一保持部と前記第一接触部の距離が変更自在であることを特徴とする請求項1に記載の関節の角度測定装置。
【請求項5】
前記第一検知部材は、所定の長さを有する基端部と、当該基端部に対して角度を有する先端部を有し、前記第二固定部は前記先端部に保持されていることを特徴とする請求項2に記載の関節の角度測定装置。
【請求項6】
前記第二検知部材の位置を変更自在であることを特徴とする請求項2に記載の関節の角度測定装置。
【請求項7】
前記第一検知部材は棒状部を有し、当該棒状部が前記第一固定部に対して軸方向に移動可能に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の関節の角度測定装置。
【請求項8】
第一検知部材は棒状部を有し、当該棒状部に前記第二固定部が軸方向に移動可能に保持されていることを特徴とする請求項2に記載の関節の角度測定装置。
【請求項9】
前記第二検知部材は二軸方向に回動可能であり、第三ロータリーエンコーダを有し、
前記第二検知部材の角度を、前記第二ロータリーエンコーダと前記を第三ロータリーエンコーダで検知することを特徴とする請求項2に記載の関節の角度測定装置。
【請求項10】
身体の第一部位に固定される基本軸側装具と、身体の第二部位に固定される移動軸側装具と、前記基本軸側装具と前記移動軸側装具を連結する連結部材を有し、
前記基本軸側装具には第一ロータリーエンコーダがあり、前記移動軸側装具には第二ロータリーエンコーダがあり、
前記連結部材は、前記基本軸側装具に対して回動可能であって前記第一ロータリーエンコーダによって回動角が検知され、
前記移動軸側装具には、移動軸側身体固定部があり、当該移動軸側身体固定部は回動可能であって前記第二ロータリーエンコーダによって回動角が検知されることを特徴とする関節の角度測定装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の関節の角度測定装置を使用し、
前記第一固定部を足首に固定し、前記第一検知部材を足の甲に直接的又は間接的に接触させ、関節の曲がり具合を前記ロータリーエンコーダで測定することを特徴とする関節の曲がり具合の測定方法。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれかに記載の関節の角度測定装置を使用し、
前記第一固定部を身体の第一部位に固定し、前記第一検知部材を前記第一部位に対して動く第二部位に直接的又は間接的に接触させ、関節の曲がり具合を前記ロータリーエンコーダで測定することを特徴とする関節の曲がり具合の測定方法。
【請求項13】
足首に検知部材を回動可能に固定し、前記検知部材の一部を直接的又は間接的に足の甲に接触させ、前記検知部材の角度をロータリーエンコーダで測定することを特徴とする関節の曲がり具合の測定方法。
【請求項14】
身体の第一部位に検知部材を回動可能に固定し、前記検知部材の一部を前記第一部位に対して動く第二部位に直接的又は間接的に接触させ、前記検知部材の角度をロータリーエンコーダで測定することを特徴とする関節の曲がり具合の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の身体に装着して関節の曲がり具合を測定する関節の角度測定装置に関するものである。また本発明は、関節の曲がり具合を測定する測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病気や外傷によって身体運動機能が損なわれる場合がある。例えば手足等を動かしにくくなってしまう場合がある。障害の程度を確認したり、リハビリテーションの一助として、関節の運動具合を測定する場合がある。例えば身体運動機能を測定する方法の一つとして、足の関節角度を測定する場合がある。ここでの「関節角度」とは、基本軸となる身体部位と移動軸となる身体部位とのなす角度である。
従来技術においては、ゴニオメーターによって関節角度が測定されていた。
ゴニオメーターは、大型の分度器の様な器具であり、例えば足首の関節角度を測定する場合には、脛骨側を基本軸とし、脚の甲と足裏の中間軸を移動軸とし、ゴニオメーターを押し当てて両者の角度を目視で測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-91085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゴニオメーターによる関節角度の測定は、相当の熟練を有し、簡単ではない。
また、身体運動機能の特徴は移動軸側の身体部位の動きにより変化する関節角度の変化に反映される。この移動軸側の身体部位は、矢状面の運動に加え、回旋(ねじり)といった前額面の動きも伴う複合動作である。そのため患者の身体運動機能をより正確に知るためには、矢状面、前額面の両面の関節角度を同時計測することが望ましい。
これに対してゴニオメーターによる計測では、矢状面、前額面の両面の角度変化の同時計測や身体運動時の経時的な角度変化の計測ができなかった。
【0005】
この問題を解決する方策として、光学式の3次元動作解析装置を使用する方法や、慣性センサを用いる方法が考えられる。
前者の3次元動作解析装置は、矢状面、前額面の関節角度の同時計測が可能ではあるものの、大掛かりな設備であり計測可能な場所も限定される。また、高度な計測作業スキルが必要になるなど、誰もが簡便に使用できるものではない。
【0006】
後者の慣性センサを用いる方法は、簡便な計測作業で場所も選ばず計測可能であるものの、身体動作時に発生する衝撃や関節運動に関係のない身体運動等による振動の影響で関節角度の推定精度が低下するという不満がある。また身体運動の速度や関節角度の変化の大小に応じた適切なレンジのセンサ選定が必要になるなどの煩雑さもある。
【0007】
本発明は、このような従来技術の課題を解決し、簡便な方法で精度よく関節角度の計測が可能となる関節の角度測定装置を提供するものである
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するための態様は、身体の第一部位に固定される第一固定部と、身体の第二部位に直接的又は間接的に接触させる第一検知部材と、前記第一固定部に対して前記第一検知部材を回動可能に保持する第一保持部と、前記第一検知部材の角度を検知する第一ロータリーエンコーダを有することを特徴とする関節の角度測定装置である。
【0009】
本態様の角度測定装置は、基本軸側に第一固定部を固定し、移動軸側に第一検知部材を当接させる。例えば足首の関節角度を測定するならば、足首を第一部位として第一固定部を固定し、足の甲を第二部位として、当該足の甲に第一検知部材を直接的又は間接的に接触させる。
この状態で足首を曲げると、第一検知部材の角度が変化する。本態様の関節の角度測定装置は、前記した角度の変化を第一ロータリーエンコーダで検知し、関節角度を知ることができる。
【0010】
上記した態様において、前記第一検知部材に保持される第二固定部と、身体の第二部位に直接的又は間接的に接触させる第二検知部材と、前記第二固定部に対して前記第二検知部材を回動可能に保持する第二保持部と、前記第二検知部材の角度を検知する第二ロータリーエンコーダを有することが望ましい。
【0011】
本態様の関節の角度測定装置は、固定部と、検知部材と、検知部材を回動可能に保持する保持部と、ロータリーエンコーダを二セット有している。即ち本態様の関節の角度測定装置は、第一固定部及び第二固定部と、第一検知部材及び第二検知部材と、第一保持部及び第二保持部と、第一ロータリーエンコーダ及び第二ロータリーエンコーダを有している。
また第一検知部材及び第二検知部材は、いずれも直接的又は間接的に身体の第二部位に接触する。
そのため本態様の関節の角度測定装置によると、関節の二軸方向の角度変化を計測することができる。
【0012】
上記した各態様において、前記第一検知部材は第一回動軸を中心として回動するものであり、前記第二検知部材は第二回動軸を中心として回動するものであり、前記第一回動軸と前記第二回動軸は交差又は食い違うものであることが望ましい。
【0013】
本態様によると、より正確に二軸方向の角度を計測することができる。
【0014】
上記した各態様において、前記第一検知部材には、身体の第二部位に直接的又は間接的に接触させる第一接触部があり、前記第一保持部と前記第一接触部の距離が変更自在であることが望ましい。
【0015】
人の関節運動は、身体変形やねじり等により、一定半径の円弧とはならず、楕円等の不規則な弧を描く運動となる。即ち関節運動において、移動軸側身体部位の矢状面動作は円弧を描く運動となるが、身体面の形状変化や身体面と身体内部にある関節中心点のズレの影響で、回転中心からの半径が変化する円弧運動となる。
本態様の関節の角度測定装置は、第一保持部と前記第一接触部の距離が変更自在であるから、前記したズレを第一保持部と前記第一接触部の距離が変わることによって吸収することができる。
【0016】
上記した各態様において、前記第一検知部材は、所定の長さを有する基端部と、当該基端部に対して角度を有する先端部を有し、前記第二固定部は先端部に保持されていることが望ましい。
【0017】
本態様によると、平面的に離れた部位を第一部位と第二部位に選定し、関節の角度測定装置を使用することができる。例えば足首を第一部位とし足の甲を第二部位として、関節の角度測定装置を身体に装着することができる。
【0018】
上記した各態様において、前記第二検知部材の位置を変更自在であることが望ましい。
【0019】
本態様の関節の角度測定装置は、第二検知部材の位置を変更自在であるから、前記した関節中心点のズレを吸収することができる。
【0020】
上記した各態様において、前記第一検知部材は棒状部を有し、当該棒状部が前記第一固定部に対して軸方向に移動可能に保持されていることが望ましい。
【0021】
本態様によると、前記した関節中心点のズレを吸収することができる。
【0022】
上記した各態様において、第一検知部材は棒状部を有し、当該棒状部に前記第二固定部が軸方向に移動可能に保持されていることが望ましい。
【0023】
本態様によると、前記した関節中心点のズレを吸収することができる。
【0024】
上記した各態様において、前記第二検知部材は二軸方向に回動可能であり、第三ロータリーエンコーダを有し、前記第二検知部材の角度を、前記第二ロータリーエンコーダと前記を第三ロータリーエンコーダで検知することが望ましい。
【0025】
本態様の関節の角度測定装置によると、三軸方向の角度を計測することができる。
【0026】
上記した課題を解決するためのもう一つの態様は、身体の第一部位に固定される基本軸側装具と、身体の第二部位に固定される移動軸側装具と、前記基本軸側装具と前記移動軸側装具を連結する連結部材を有し、前記基本軸側装具には第一ロータリーエンコーダがあり、前記移動軸側装具には第二ロータリーエンコーダがあり、前記連結部材は、前記基本軸側装具に対して回動可能であって前記第一ロータリーエンコーダによって回動角が検知され、前記移動軸側装具には、移動軸側身体固定部があり、当該移動軸側身体固定部は回動可能であって前記第二ロータリーエンコーダによって回動角が検知されることを特徴とする関節の角度測定装置である。
【0027】
本態様の関節の角度測定装置は、基本軸側に基本軸側装具を固定し、移動軸側に移動軸側装具を固定する。
関節の一つの軸方向の角度変化は、連結部材の回動に表れ、第一ロータリーエンコーダで検知される。関節のもう一つの軸向の角度変化は、移動軸側身体固定部の回動に表れ、第二ロータリーエンコーダで検知される。
【0028】
関節の曲がり具合の測定方法に関する態様は、上記したいずれかの関節の角度測定装置を使用し、前記第一固定部を足首に固定し、前記第一検知部材を足の甲に直接的又は間接的に接触させ、関節の曲がり具合を前記ロータリーエンコーダで測定することを特徴とする関節の曲がり具合の測定方法である。
【0029】
またもう一つの関節の曲がり具合の測定方法に関する態様は、上記したいずれかの関節の角度測定装置を使用し、前記第一固定部を身体の第一部位に固定し、前記第一検知部材を前記第一部位に対して動く第二部位に直接的又は間接的に接触させ、関節の曲がり具合を前記ロータリーエンコーダで測定することを特徴とする関節の曲がり具合の測定方法である。
【0030】
さらにもう一つの関節の曲がり具合の測定方法に関する態様は、足首に検知部材を回動可能に固定し、前記検知部材の一部を直接的又は間接的に足の甲に接触させ、前記検知部材の角度をロータリーエンコーダで測定することを特徴とする関節の曲がり具合の測定方法である。
【0031】
さらにもう一つの関節の曲がり具合の測定方法に関する態様は、身体の第一部位に検知部材を回動可能に固定し、前記検知部材の一部を前記第一部位に対して動く第二部位に直接的又は間接的に接触させ、前記検知部材の角度をロータリーエンコーダで測定することを特徴とする関節の曲がり具合の測定方法である。
【発明の効果】
【0032】
本発明の関節の角度測定装置及び関節の曲がり具合の測定方法によると、簡便な方法で精度よく関節の曲がり具合の計測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施形態の関節の角度測定装置の斜視図である。
図2図1の関節の角度測定装置を足に装着した状態の斜視図である。
図3図1の関節の角度測定装置をモデル化した図面であり、(a)はその正面図であり、(b)はその平面図である。
図4図3の関節の角度測定装置の側面であり移動軸側装具周辺のモデル図である。
図5図1の関節の角度測定装置を足に装着した状態をモデル化した正面図であり、(a)は通常姿勢を表し、(b)は足を背屈した状態を表し、(c)は足を底屈した状態を表す。
図6図1の関節の角度測定装置を足に装着した状態をモデル化した側面図であり、(a)は足を外側に返した状態を表し、(b)は足を内側に返した状態を表す。
図7】本発明の他の実施形態の関節の角度測定装置をモデル化した図面であり、(a)はその正面図であり、(b)はその平面図であり、(c)は連結パイプ(第一検知部材)の分解図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態の関節の角度測定装置をモデル化した図面であり、(a)はその正面図であり、(b)はその平面図である。
図9図8の関節の角度測定装置を足に装着した状態をモデル化した正面図であり、(a)は通常姿勢を表し、(b)は足を背屈した状態を表し、(c)は足を底屈した状態を表す。
図10】本発明のさらに他の実施形態の関節の角度測定装置をモデル化した図面であり、(a)はその正面図であり、(b)はその平面図である。
図11】(a)、(b)は、本発明のさらに他の実施形態の関節の角度測定装置をモデル化した平面図である。
図12図1の関節の角度測定装置を肩部に装着した状態をモデル化した図面であり、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図である。
図13図1の関節の角度測定装置を肘部に装着した状態をモデル化した図面であり、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図である。
図14図1の関節の角度測定装置を股関節部に装着した状態をモデル化した図面であり、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図である。
図15図1の関節の角度測定装置を頸部に装着した状態をモデル化した図面であり、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の関節の角度測定装置(以下、単に角度測定装置と称する場合がある)1は、大きく分けて基本軸側装具2と移動軸側装具3及び連結パイプ(第一検知部材 連結部材)5で構成されている。また角度測定装置1は、制御装置6を有している。
基本軸側装具2は、基本軸側身体固定部(第一固定部)10と、基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)11及び第一ロータリーエンコーダ12によって構成されている。
【0035】
基本軸側身体固定部10は、板状の部材である。基本軸側連結パイプ支持部11はブロック状の部材であり、貫通孔13が設けられている。第一ロータリーエンコーダ12は、公知の角度検知装置であり、角度に応じて所定の信号を出力する機器である。
本実施形態で採用する第一ロータリーエンコーダ12は、角度に応じて所定の電圧を出力するものである。第一ロータリーエンコーダ12の出力は電圧に限定されるものではなく、電流であってもパルス信号であってもよい。
【0036】
基本軸側装具2は、基本軸側身体固定部(第一固定部)10に基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)11が回動可能に取り付けられたものである。基本軸側連結パイプ支持部11は、第一回動軸Aを中心として回動する。
第一ロータリーエンコーダ12は、基本軸側身体固定部10と基本軸側連結パイプ支持部11の双方と係合しており、基本軸側身体固定部10に対する基本軸側連結パイプ支持部11の回動角度を検知することができる。
【0037】
移動軸側装具3は、移動軸側身体固定部(第二検知部材)20と、移動軸側連結パイプ支持部(第二固定部)21と、連結パイプ支持部連動部(第二保持部)25及び第二ロータリーエンコーダ22によって構成されている。
移動軸側身体固定部20は、ブロック状の部材である。移動軸側連結パイプ支持部21は、ブロック状の部材であり、貫通孔30と、貫通孔31が設けられている。貫通孔30の向きと、貫通孔31の向きは直交している。貫通孔30と、貫通孔31は食い違いの関係となっているので両者は連通しない。
【0038】
第二ロータリーエンコーダ22は、公知の角度検知装置であり、角度に応じて所定の信号を出力する機器である。
本実施形態で採用する第二ロータリーエンコーダ22は、角度に応じて所定の電圧を出力するものであるが、出力は電圧に限定されるものではなく、電流であってもパルス信号であってもよい。
連結パイプ支持部連動部25はブロック状の部材であり、軸27を有している。
【0039】
移動軸側装具3に注目すると、移動軸側連結パイプ支持部21の貫通孔31に連結パイプ支持部連動部25の軸27が回動可能に取り付けられている。
そのため連結パイプ支持部連動部25は、移動軸側連結パイプ支持部21の貫通孔31に回動可能に保持され、軸27を中心として回動する。連結パイプ支持部連動部25は、移動軸側連結パイプ支持部(第二保持部)21に対して第二回動軸(軸27)Bを中心として回動する。
【0040】
移動軸側身体固定部(第二検知部材)20は、連結パイプ支持部連動部25に一体的に固定されている。第二ロータリーエンコーダ22は、移動軸側連結パイプ支持部21と連結パイプ支持部連動部25の双方と係合しており、移動軸側連結パイプ支持部21に対する連結パイプ支持部連動部25の回動角度を検知することができる。前記した様に移動軸側身体固定部20は、連結パイプ支持部連動部25に一体的に固定されているから、第二ロータリーエンコーダ22は、移動軸側連結パイプ支持部(第二固定部)21に対する移動軸側身体固定部(第二検知部材)20の回動角度を検知することができる。
【0041】
連結パイプ(第一検知部材)5は、先端側の3分の1程度が略垂直に曲げられた棒状の部材である。即ち連結パイプ5は、相当の長さを有する基端部32と、当該基端部32に対して角度を有する先端部33を有している。連結パイプ5は棒であってもよい。
【0042】
角度測定装置1は、前記した基本軸側装具2と移動軸側装具3が、連結パイプ(第一検知部材)5を連結部材として接続されたものである。
具体的には、基本軸側装具2の基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)11の貫通孔13に、連結パイプ(第一検知部材)5の基端部32が挿通されている。
また連結パイプ(第一検知部材)5の先端部33が移動軸側装具3の移動軸側連結パイプ支持部(第二固定部)21の貫通孔30に挿通されている。
【0043】
連結パイプ5の基端部32は、基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)11の貫通孔13に対して長手方向に摺動自在であり、且つ回転方向にも自由度がある。
本実施形態では、連結パイプ5は棒状部を有し、棒状部が基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)11の貫通孔13を介して基本軸側身体固定部(第一固定部)10に対して軸方向に移動可能であり、且つ回動自在に保持されている。
【0044】
連結パイプ5の先端部33は、基端部32の軸方向に移動可能であり、且つ回転方向にも自由度がある。
また本実施形態では、移動軸側装具3についても先端部33の軸方向に移動可能であり、且つ回転方向にも自由度がある。そのため移動軸側装具3の一部たる移動軸側身体固定部(第二検知部材)20が先端部33の軸方向に移動可能であり、且つ回動自在に保持されている。
【0045】
基本軸側装具2の近傍に注目すると、連結パイプ5が当該基本軸側装具2の基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)11に取り付けられており、基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)11自身が第一回動軸Aを中心として基本軸側身体固定部(第一固定部)10に対して回動可能である。従って、連結パイプ5は、第一回動軸Aを中心として基本軸側身体固定部(第一固定部)10に対して第一回動軸Aを中心として回動可能である。
【0046】
一方、移動軸側装具3の近傍に注目すると、連結パイプ支持部連動部25は、第二回動軸Bを中心として回動する。即ち連結パイプ支持部連動部25は、移動軸側連結パイプ支持部21に対して第二回動軸Bを中心として回動可能である。連結パイプ支持部連動部25には、移動軸側身体固定部20が固定されているから、移動軸側身体固定部20は、第二回動軸Bを中心として回動可能である。
移動軸側装具3は、連結パイプ5の先端部33に取り付けられており、連結パイプ5の先端部33は、基端部32に対して略垂直方向に折れ曲がっているから、第一回動軸Aと第二回動軸Bは平行ではない。即ち第一回動軸Aと第二回動軸Bは交差又は食い違いの関係にある。
【0047】
制御装置6は、演算手段と通信手段を有している。
前記した第一ロータリーエンコーダ12と、第二ロータリーエンコーダ22は制御装置6に接続されており、制御装置6から給電されて動作する。また第一ロータリーエンコーダ12と、第二ロータリーエンコーダ22の信号は、制御装置6に入力され、演算手段で所定の処理がなされ、通信手段で無線送信される。
制御装置6の信号は、コンピュータ7で受信され、角度が演算されて記録される。
本実施形態では、第一ロータリーエンコーダ12で検知される関節角度の変化と、第二ロータリーエンコーダ22検知される関節角度の変化が同時に検知されて記録される。
【0048】
次に、本実施形態の角度測定装置1の機能について説明する。
角度測定装置1は、例えば人の足の関節角度を測定する用途に使用される。
角度測定装置1を使用して人の足の関節角度を測定する場合、基本軸側装具2の、基本軸側身体固定部10は、身体の第一部位に固定される第一固定部として機能する。移動軸側装具3の移動軸側身体固定部20は、身体の第二部位に直接的に接触する第二検知部材として機能する。
【0049】
連結パイプ5には移動軸側装具3が取り付けられており、連結パイプ5は移動軸側装具3の移動軸側身体固定部20を介して身体の第二部位に間接的に接触されている。そのため連結パイプ5は、身体の第二部位に間接的に接触させる第一検知部材として機能する。特に連結パイプ5の先端部33は、移動軸側装具3の移動軸側身体固定部20を介して身体の第二部位に間接的に接触させる第一接触部として機能する。
移動軸側連結パイプ支持部21は、第一検知部材たる連結パイプ5に保持されるものであり、第二固定部として機能する。連結パイプ支持部連動部25は、第二固定部たる移動軸側連結パイプ支持部21に、第二検知部材たる移動軸側身体固定部20を回動可能に保持するものであり、第二保持部として機能する。
【0050】
角度測定装置1で関節角度を測定する場合には、基本軸側身体固定部(第一固定部)10を身体の第一部位に固定し、連結パイプ5(第一検知部材)を第一部位に対して動く第二部位に直接的又は間接的に接触させ、関節の曲がり具合をロータリーエンコーダ12で測定する。
即ち身体の第一部位に検知部材(連結パイプ5)を回動可能に固定し、検知部材の一部を第一部位に対して動く第二部位に直接的又は間接的に接触させ、検知部材の角度をロータリーエンコーダで測定する
【0051】
角度測定装置1で足の関節角度を測定する場合には、図2の様に、基本軸側装具2を足首に固定し、移動軸側装具3を足の甲に固定する。
より詳細には、基本軸側装具2の基本軸側身体固定部(第一固定部)10を足首のくるぶしの近傍に固定し、移動軸側装具3の移動軸側身体固定部(第二検知部材)20を足の甲に固定する。
本実施形態では、ベルトや面ファスナー等の締め付け部材40で、基本軸側装具2の基本軸側身体固定部(第一固定部)10を足首にしばりつける。同様に、ベルトや面ファスナー等の締め付け部材41で、移動軸側装具3の移動軸側身体固定部20を足の甲にしばりつける。なお作図の関係上、図2では締め付け部材41の図示を省略している。
【0052】
例えば図5(a)の状態を足の屈曲方向の原点とし、図5(b)の様に足を背屈すると、連結パイプ5の基端部32が反時計回りに回動する。
即ち、移動軸側装具3の移動軸側身体固定部20が足の甲に固定されているから、移動軸側身体固定部20が足首の関節に対して上方に移動する。移動軸側身体固定部20の移動方向は、連結パイプ5の先端部33の軸線方向に対して略垂直であるから、移動軸側装具3は連結パイプ5の軸線方向に移動することなく、連結パイプ5の先端部33を上方に向かって付勢する。
【0053】
一方、連結パイプ5の基端部32は、基本軸側装具2に対して回動自在であるから、連結パイプ5の基端部32が基本軸側身体固定部10に対して反時計回りに回動する。即ち足の関節角度の変化は連結パイプ5の回動に現れる。
ここで連結パイプ5の回動中心は、足の回動中心と一致しないので、図5(b)の様に足を背屈すると、基本軸側装具2の基本軸側連結パイプ支持部11と、移動軸側装具3の距離が変化する。
【0054】
しかしながら本実施形態の角度測定装置1では連結パイプ5が基本軸側連結パイプ支持部11の貫通孔13に対して長手方向に摺動自在であり、基本軸側連結パイプ支持部11と移動軸側装具3の距離が変更自在であるから、基本軸側装具2の基本軸側連結パイプ支持部11と、移動軸側装具3の距離の変化は、連結パイプ5が基本軸側連結パイプ支持部11の貫通孔13を移動して基本軸側身体固定部10と連結パイプ5の先端部33との距離が変化することによって吸収される。
【0055】
即ち、第一検知部材たる連結パイプ5には、身体の第二部位に間接的に接触させる第一接触部たる先端部33があり、第一保持部たる基本軸側連結パイプ支持部11と第一接触部たる先端部33の距離が変更自在であるから、基本軸側装具2の基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)11と、移動軸側装具3の距離の変化が吸収される。
【0056】
連結パイプ5の基端部32が基本軸側身体固定部10に対する回動角度は第一ロータリーエンコーダ12で検出され、相当する信号が第一ロータリーエンコーダ12から出力される。また当該出力は、制御装置6からコンピュータ7に入力され、角度が演算されて記録される。
従って足の第一回動軸Aを中心とする関節角度の変化が第一ロータリーエンコーダ12で検知されてコンピュータ7に記録される。
【0057】
図5(c)の様に足を底屈した場合も同様であり、連結パイプ5の基端部32が基本軸側身体固定部10に対して時計方向に回動し、回動角度は第一ロータリーエンコーダ12で検出され、相当する信号が第一ロータリーエンコーダ12から出力される。また当該出力は、制御装置6からコンピュータ7に入力され、角度が演算されて記録される。
【0058】
また図6(a)、(b)の様に、足首をひねると、移動軸側装具3の連結パイプ支持部連動部(第二保持部)25が、移動軸側連結パイプ支持部21に対して回動する。
即ち、移動軸側装具3の移動軸側身体固定部20が足の甲に固定されているから、足首を図6(a)の様に外側に返すと、連結パイプ5の先端部33に対して時計回りに変位する。また足首を図6(b)の様に内側に返すと、連結パイプ5の先端部33に対して反時計回りに変位する。
【0059】
一方、連結パイプ支持部連動部25及び移動軸側身体固定部20は、連結パイプ5の先端部33に対して第二回動軸Bを中心として図6(a)(b)の矢印方向に回動自在であるから、連結パイプ支持部連動部25及び移動軸側身体固定部20は移動軸側連結パイプ支持部21に対して回動する。
なお、連結パイプ支持部連動部25及び移動軸側身体固定部20の回動中心は、足の回動中心と一致しないので、図6(a)(b)に足をひねると、移動軸側身体固定部20に水平方向の力が掛かる。しかしながら本実施形態の角度測定装置1では移動軸側装具3が連結パイプ5の先端部33に対して長手方向に摺動自在であり、移動軸側装具3が連結パイプ5の先端部33に沿って移動可能であるから、移動軸側装具3が移動することによって水平方向の力は消失する。
即ち本実施形態では第二検知部材たる移動軸側身体固定部20の位置を変更自在であるから、水平方向の力は消失する。
【0060】
連結パイプ支持部連動部25及び移動軸側身体固定部20の移動軸側連結パイプ支持部21にする回動角度は第二ロータリーエンコーダ22で検出され、相当する信号が第二ロータリーエンコーダ22から出力される。また当該出力は、制御装置6からコンピュータ7に入力され、角度が演算されて記録される。
従って足の第二回動軸Bを中心とする関節角度の変化が第二ロータリーエンコーダ22第で検知されてコンピュータ7に記録される。
【0061】
本実施形態の角度測定装置1では、移動軸側装具3の第二ロータリーエンコーダ22の第二回動軸Bと直交する方向の身体動作が起こった場合は、連結パイプ5を介して、基本軸側装具2に力が伝達され、基本軸側装具2の基本軸側連結パイプ支持部11が回転し、第一ロータリーエンコーダ12によりその回転量に応じた電圧が発生することで角度変換される。
また本実施形態の角度測定装置1では、移動軸側装具3の第二ロータリーエンコーダ22の第二回動軸B方向の身体動作が起こった場合、基本軸側装具2の基本軸側連結パイプ支持部11が固定状態となり、移動軸側装具3の連結パイプ支持部連動部25が回転し、第二ロータリーエンコーダ22によりその回転量に応じた電圧が発生することで角度変換される。
【0062】
本実施形態の角度測定装置1は、基本軸側装具2と移動軸側装具3が連結パイプ(第一検知部材)5で繋がれ、連結パイプ5で連結されたものである。
本実施形態の角度測定装置1は、固定部と、検知部材と、検知部材を回動可能に保持する保持部と、ロータリーエンコーダを二セット有している。即ち角度測定装置1は、基本軸側身体固定部(第一固定部)10及び移動軸側連結パイプ支持部(第二固定部)21と、連結パイプ(第一検知部材)5及び移動軸側身体固定部20と、基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)11及び移動軸側結パイプ支持部(第二固定部)21と、第一ロータリーエンコーダ12及び第二ロータリーエンコーダ22を有している。
【0063】
また連結パイプ(第一検知部材)5の第一回動軸Aと、移動軸側身体固定部20の第二回動軸Bは約90度異なっている。
そのため本実施形態の角度測定装置1は、二軸方向の角度変化を計測することができる。その結果本実施形態の角度測定装置1を使用すると、身体の矢状面、前額面の両面の関節角度やその変化を同時計測することが可能であり、患者の身体運動機能をより正確に知ることができる。
【0064】
以上説明した角度測定装置1では、連結パイプ5の基端部32を基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)11の貫通孔13に長手方向に摺動自在に挿通することによって、基本軸側装具2と、移動軸側装具3の距離を変化させた。しかしながら本発明はこの構成に限定されるものではない。
例えば図7に示す角度測定装置50の様に、連結パイプ55自体を伸縮させてもよい。図7に示す角度測定装置50では、連結パイプ55が図7(c)の様に基端部側棒51と、中継パイプ52と、先端側棒53によって構成されている。
連結パイプ55は、中継パイプ52に基端部側棒51と先端側棒53が摺動自在に挿入されたものである。基端部側棒51と先端側棒53の少なくとも一方は、中継パイプ52に対して軸方向に自由度がある。
図7に示す角度測定装置50では、連結パイプ55の全長が伸縮し、基本軸側装具2と移動軸側装具3の距離が変化する。
【0065】
また図11(a)に示す角度測定装置80の様に、連結パイプ(第一検知部材)5を撓ませることによって、水平方向の力を逃がしてもよい。具体的には、連結パイプ(第一検知部材)5にピアノ線の様な撓む素材のもので製作すると共に、移動軸側装具3を連結パイプ(第一検知部材)5に一体的に固定する。足をひねると、連結パイプ5が撓む。
【0066】
また図11(b)に示す角度測定装置81の様に、基本軸側身体固定部(第一固定部)10に対して基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)11を弾性的に支持して基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)11に矢印方向に自由度を持たせることによって水平方向の力を逃がしてもよい。
【0067】
以上説明した角度測定装置1は、基本軸側装具2と移動軸側装具3を有し、二軸方向の角度変化を計測することができるものであるが、基本軸側装具2と、連結パイプ55の様な検知部材だけでも、十分に実用に耐える測定を行うことができる。
図8に示す角度測定装置60は、基本軸側装具2と検知棒(第一検知部材)61によって構成されている。
検知棒(第一検知部材)61は、直線状の棒である。
角度測定装置60は、例えば図9の様に、基本軸側装具2の基本軸側身体固定部(第一固定部)10を足首に固定し、検知棒(第一検知部材)61を足の側面に固定して足の関節角度を測定する。
【0068】
図10に示す角度測定装置70は、より多軸方向の角度変化を測定することができるものである。
図10に示す角度測定装置70は、連結パイプ支持部連動部25に移動軸側身体固定部20を回動可能に取り付け、移動軸側身体固定部20の角度を第三ロータリーエンコーダ72で検知するものである。図10に示す角度測定装置70では、第二回動軸Bを中心として回動するだけでなく、第三回動軸Cを中心としても回転する。第三ロータリーエンコーダ72で第三回動軸C方向の角度を検知する。
本実施形態の角度測定装置70は、三軸方向の角度変化を計測することができる。
【0069】
以上説明した角度測定装置1、50、60、70の用途は、足の関節角度の測定に限定されるものではなく、固定方法を工夫することによって、あらゆる部位の角度変化を測定する用途に使用することができる。
【0070】
例えば図12の様に、角度測定装置1等を肩部の関節角度やその変化の測定に使用することもできる。
角度測定装置1で肩部の関節角度を測定する場合は、体幹を基本軸とし、肩を移動軸とする。具体的には、基本軸側装具2を胸に固定し、移動軸側装具3を肩口に固定する。
【0071】
図13の様に、角度測定装置1等を肘部の関節角度やその変化の測定に使用することもできる。
角度測定装置1で肘部の関節角度を測定する場合は、上腕を基本軸とし、前腕を移動軸とする。具体的には、基本軸側装具2を上腕に固定し、移動軸側装具3を前腕に固定する。
【0072】
図14の様に、角度測定装置1等を股関節の関節角度やその変化の測定に使用することもできる。
角度測定装置1で股関節の関節角度を測定する場合は、体幹を基本軸とし、大腿部を移動軸とする。具体的には、基本軸側装具2を腰の側面に固定し、移動軸側装具3を大腿の前側に固定する。
【0073】
図15の様に、角度測定装置1等を首部の関節角度やその変化の測定に使用することもできる。
角度測定装置1で首部の関節角度を測定する場合は、体幹を基本軸とし、頭部を移動軸とする。具体的には、基本軸側装具2を背中に固定し、移動軸側装具3を側頭部に固定する。
以上の様に、本実施形態の角度測定装置1、50、60、70は、あらゆる部位の角度変化を測定する用途に使用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1、50、60、70、80、81 角度測定装置
2 基本軸側装具
3 移動軸側装具
5、55 連結パイプ(第一検知部材 連結部材)
6 制御装置
10 基本軸側身体固定部(第一固定部)
11 基本軸側連結パイプ支持部(第一保持部)
12 第一ロータリーエンコーダ
20 移動軸側身体固定部(第二検知部材)
21 移動軸側連結パイプ支持部
22 第二ロータリーエンコーダ
25、71 連結パイプ支持部連動部(第二保持部)
31 貫通孔
72 第三ロータリーエンコーダ
A 第一回動軸
B 第二回動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15