(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153322
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】エンジンのスロットル装置
(51)【国際特許分類】
F02D 9/10 20060101AFI20241022BHJP
F02D 11/10 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
F02D9/10 H
F02D11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067137
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】清野 准
【テーマコード(参考)】
3G065
【Fターム(参考)】
3G065AA04
3G065CA23
3G065CA24
3G065DA04
3G065HA01
3G065HA21
(57)【要約】
【課題】重量の増加、占有スペースの拡大、及び製造コストの高騰を未然に防止した上で、V型エンジンのバンク間に配設した各スロットルボディを互いに連結して、エンジンへの組付性及び組付剛性を向上できるエンジンのスロットル装置を提供する。
【解決手段】V型エンジンEの一対のバンクbf,brの間に配設された一対のスロットルボディ2f,2rと、一対のスロットルボディ2f,2rにそれぞれ貫設されて吸気を案内する一対のスロットルボア3と、バンクの並設方向及びスロットルボア3の軸線方向に対して交差し、且つ互いに平行をなす一対のスロットル軸4により開閉可能に支持されたスロットル弁5と、一対のスロットルボディ2f,2rから接近方向に延設され、互いに重ねられた当接箇所23c,28bを締結部材30により締結されてスロットルボディ2f,2rを結合する結合部23,28とを備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
V型エンジンを構成する一対のバンクの間で、前記バンクの並設方向に並んで配設された一対のスロットルボディと、
前記一対のスロットルボディにそれぞれ貫設され、前記一対のバンクの筒内にそれぞれ吸気を案内する一対のスロットルボアと、
前記バンクの並設方向及び前記スロットルボアの軸線方向に対してそれぞれ交差し、且つ互いに平行をなす一対のスロットル軸により、前記一対のスロットルボア内でそれぞれ開閉可能に支持された一対のスロットル弁と、
前記一対のスロットルボディにそれぞれ一体形成されて接近方向に延設され、互いに重ねられた当接箇所を締結部材により締結されて前記一対のスロットルボディを結合する一対の結合部と、
を備えたことを特徴とするエンジンのスロットル装置。
【請求項2】
前記一対のスロットルボディの一方は、前記スロットル軸の一端を駆動突出端として外部に突出させた主スロットルボディであり、
前記一対のスロットルボディの他方は、前記スロットル軸の一端を被動突出端として外部に突出させた副スロットルボディであり、
前記主スロットルボディの前記スロットル軸の他端に連結され、モータを駆動源として前記スロットル軸を介して前記スロットル弁を開閉駆動するモータユニットと、
前記駆動突出端及び前記被動突出端との間に設けられ、前記駆動突出端の回動を前記被動突出端に伝達する連動機構と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのスロットル装置。
【請求項3】
前記一対の結合部の何れか一方は、前記スロットル軸の軸線方向に離間した2位置を前記当接箇所とし、前記各当接箇所にそれぞれビス孔が貫設され、
前記一対の結合部の何れか他方は、前記スロットル軸の軸線方向に離間した2位置を前記当接箇所とし、前記各当接箇所にそれぞれ雌ネジ孔が貫設され、
前記締結部材は、同一方向から前記各ビス孔を経て前記各雌ネジ孔に螺合する一対のビスとされている
をことを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンのスロットル装置。
【請求項4】
前記一対のスロットルボアの軸線は、前記スロットル軸に沿った側方視において異なる角度をなし、
前記各ビス孔または前記各雌ネジ孔の何れか一方は、自己が形成された前記スロットルボディの前記スロットルボアの軸線に対して平行をなすように貫設されている
をことを特徴とする請求項3に記載のエンジンのスロットル装置。
【請求項5】
前記一対の結合部は、前記スロットルボディから前記当接箇所までの寸法が略等しく設定されている
をことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのスロットル装置。
【請求項6】
前記一対の結合部は、前記スロットル軸に沿った側方視において、前記スロットルボディから前記当接箇所に向けて先細りの形状をなしている
をことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのスロットル装置。
【請求項7】
前記一対の結合部は、前記スロットル軸に沿った側方視において、三角状のリブが形成されることにより先細りの形状をなしている
をことを特徴とする請求項6に記載のエンジンのスロットル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのスロットル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のスロットル装置では、V型2気筒エンジンのバンクの間に一対のスロットルボディを配設し、各スロットルボディを対応するバンクにそれぞれ連結している。スロットルボディのスロットルボアは各バンクの吸気通路と連通し、各スロットルボア内にはスロットル軸によりスロットル弁が支持され、その開閉に応じて各バンクの筒内への吸気量が調整されるようになっている。
【0003】
エンジンへのスロットルボディの組付性、及び組付後のスロットルボディの組付剛性を向上するために、各スロットルボディは互いに連結板を介して連結されている。スロットル軸の軸線方向において、各スロットルボディの一側及び他側には連結板が配設され、これらの連結板を介してスロットルボディが互いに連結されている。これによりエンジンへの組付の際には、事前に各連結板を介してスロットルボディを連結してアセンブリ化でき、一括してエンジンに組み付けることができる。また、組付後のスロットルボディはエンジン側から支持されるだけでなく、各連結板を介して互いに連結されているため、エンジンへの組付剛性が向上し、エンジンから入力される振動に起因する故障等のトラブルを未然に防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のスロットル装置では、連結板を介して各スロットルボディを連結した構造により、重量、占有スペース及び製造コストの点で問題が生じた。
即ち、各スロットルボディを強固に連結するために、例えば各連結板は、十分な厚みを有する鋼材により製作されている。このような連結板が一側及び他側に備えられることにより、スロットル装置の重量を増加させてしまう。
【0006】
また、各スロットルボディの一側及び他側に連結板が配設されることにより、スロットル軸の軸線方向におけるスロットル装置の外寸、ひいては占有スペースが拡大してしまう。このため、例えばエンジンのバンク間からスロットル装置が一側及び他側にはみ出して、周辺部品の配置を制限してしまう。
【0007】
また、各連結板を介してスロットルボディを連結するには、少なくとも各スロットルボディの一側及び他側の計4箇所で連結板とスロットルボディとをビス等で締結する必要がある。しかも、このときのビスの締結操作は一側及び他側の異なる方向から行う必要があることから、工数の多さに起因して組付性が良好とは言い難い。さらに、2枚の連結板を製作するために手間及び材料費を要し、これらの要因が相俟って製造コストが高騰してしまう。
【0008】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、重量の増加、占有スペースの拡大、及び製造コストの高騰を未然に防止した上で、V型エンジンのバンク間に配設した各スロットルボディを互いに連結して、エンジンへの組付性及び組付剛性を向上することができるエンジンのスロットル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明のエンジンのスロットル装置は、V型エンジンを構成する一対のバンクの間で、バンクの並設方向に並んで配設された一対のスロットルボディと、一対のスロットルボディにそれぞれ貫設され、一対のバンクの筒内にそれぞれ吸気を案内する一対のスロットルボアと、バンクの並設方向及びスロットルボアの軸線方向に対してそれぞれ交差し、且つ互いに平行をなす一対のスロットル軸により、一対のスロットルボア内でそれぞれ開閉可能に支持された一対のスロットル弁と、一対のスロットルボディにそれぞれ一体形成されて接近方向に延設され、互いに重ねられた当接箇所を締結部材により締結されて一対のスロットルボディを結合する一対の結合部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
その他の態様として、一対のスロットルボディの一方が、スロットル軸の一端を駆動突出端として外部に突出させた主スロットルボディであり、一対のスロットルボディの他方が、スロットル軸の一端を被動突出端として外部に突出させた副スロットルボディであり、主スロットルボディのスロットル軸の他端に連結され、モータを駆動源としてスロットル軸を介してスロットル弁を開閉駆動するモータユニットと、駆動突出端及び被動突出端との間に設けられ、駆動突出端の回動を被動突出端に伝達する連動機構と、をさらに備えてもよい。
【0011】
その他の態様として、一対の結合部の何れか一方が、スロットル軸の軸線方向に離間した2位置を当接箇所とし、各当接箇所にそれぞれビス孔が貫設され、一対の結合部の何れか他方が、スロットル軸の軸線方向に離間した2位置を当接箇所とし、各当接箇所にそれぞれ雌ネジ孔が貫設され、締結部材が、同一方向から各ビス孔を経て各雌ネジ孔に螺合する一対のビスとされていてもよい。
【0012】
その他の態様として、一対のスロットルボアの軸線が、スロットル軸に沿った側方視において異なる角度をなし、各ビス孔または各雌ネジ孔の何れか一方が、自己が形成されたスロットルボディのスロットルボアの軸線に対して平行をなすように貫設されていてもよい。
【0013】
その他の態様として、一対の結合部が、スロットルボディから当接箇所までの寸法が略等しく設定されていてもよい。
【0014】
その他の態様として、一対の結合部が、スロットル軸に沿った側方視において、スロットルボディから当接箇所に向けて先細りの形状をなしていてもよい。
【0015】
その他の態様として、一対の結合部が、スロットル軸に沿った側方視において、三角状のリブが形成されることにより先細りの形状をなしていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のエンジンのスロットル装置によれば、重量の増加、占有スペースの拡大、及び製造コストの高騰を未然に防止した上で、V型エンジンのバンク間に配設した各スロットルボディを互いに連結して、エンジンへの組付性及び組付剛性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態のエンジンのスロットル装置を示す斜視図である。
【
図9】前スロットルボディを射出成形する際のビス孔の鋳抜きピンを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を自動二輪車に搭載されるV型2気筒エンジン用のスロットル装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態のエンジンのスロットル装置を示す斜視図、
図2は、分解斜視図、
図3は、正面図、
図4は、平面図、
図5は、
図4のV-V線断面図、
図6は、エンジンへの取付状態を示す説明図である。
【0019】
本実施形態のスロットル装置1は、
図6に示すV型2気筒エンジンEに取り付けられ、エンジンEは、図示しない自動二輪車に搭載される。以下の説明では、自動二輪車に搭乗した運転者を基準として、前後、左右及び上下方向を規定し、例えば、エンジンEの各バンクBf,Brは前後方向に並設されている。
【0020】
特に
図1,2,5に示すように、スロットル装置1は、本発明の副スロットルボディに相当する前スロットルボディ2fと、本発明の主スロットルボディに相当する後スロットルボディ2rとを結合してなる。各スロットルボディ2f,2rは、例えばアルミを材料とした射出成形により製作され、エンジンEに取り付けられた状態では、前後一対のバンクBf,Brの間で、バンクBf,Brの並設方向に並んで配設されている。前及び後スロットルボディ2f,2rには、それぞれ1本のスロットルボア3が上下方向に貫設され、各スロットルボディ2f,2rの上端及び下端には、それぞれ連結用の上部及び下部フランジ部3a,3bが形成されている。
【0021】
各スロットルボディ2f,2rには、それぞれのスロットルボア3を左右方向に貫通し、且つ互いに平行をなすスロットル軸4が図示しない軸受により回動可能に支持されている。各スロットルボア3内においてスロットル軸4にはスロットル弁5がビス6により固定され、スロットル軸4の回動に伴ってスロットル弁5が開閉する。
【0022】
結果として、前後方向に相当するバンクBf,Brの並設方向、及び上下方向に相当するスロットルボア3の軸線方向に対して、左右方向に相当するスロットル軸4の軸線方向はそれぞれ直交している。この直交が、本発明の「交差」に相当するが、必ずしも直交に限るものではなく、90°以外の角度で交差する場合も本発明に含まれるものとする。
【0023】
前及び後スロットルボディ2f,2rを個別の部品としているのは、以下の理由に基づく。
図6に示すように、V型エンジンEの各バンクBf,Brの吸気管Pf,Prは前後方向に離間しているため、各スロットルボディ2f,2rを一体化すると、射出成形の金型が大型化してコスト面等で問題が生じてしまう。また、詳細は後述するが、各バンクBf,Brの吸気管Pf,Prの角度に倣って前後のスロットルボア3は、スロットル軸4に沿った側方視において異なる角度をなしているため、これらの部位を射出成形に際に一括して射出成形すると金型が複雑化してしまう。このような問題を回避するために、個別にスロットルボディ2f,2rを射出成形しているのである。
【0024】
まず、後スロットルボディ2rについて述べる。
図2,4,5に示すように、後スロットルボディ2rのスロットルボア3の後側にはインジェクタ取付孔7が開口形成され、インジェクタ8(
図6に示す)が取り付けられている。また、スロットルボア3の前側には隣接してモータ収容室9が一体形成され、スロットルボア3及びモータ収容室9の右側にはコネクタ10aを有するギヤカバー10が脱着可能に取り付けられ、その内部にギヤ収容室11が画成されている。スロットル軸4の左端は、駆動突出端12として後スロットルボディ2rから左方に突出して駆動レバー13の基端が固定されている。スロットル軸4の右端は、ギヤ収容室11内に突出して被動ギヤ14が固定されている。被動ギヤ14にはスロットルセンサ15が設けられ、スロットル弁5の開度を検出するようになっている。モータ収容室9はスロットル軸4に沿った円筒状をなし、内部に収容されたモータ16の出力軸16aは、ギヤ収容室11内に突出して駆動ギヤ17が固定されている。
【0025】
ギヤ収容室11内にはギヤ軸19により中間ギヤ20が回転可能に支持され、中間ギヤ20の大径部20aは駆動ギヤ17と噛合し、中間ギヤ20の小径部20bは被動ギヤ14と噛合している。スロットル軸4には戻りバネ21が巻回され、スロットル軸4と共にスロットル弁5を閉方向、即ち、
図5に矢印aで示す反時計周りに付勢している。モータ16が正逆の何れかに回転すると、その回転が駆動ギヤ17、中間ギヤ20の大径部20a、小径部20b、被動ギヤ14を介して減速されてスロットル軸4に伝達され、戻りバネ21の付勢力を受けながらスロットル軸4が回動してスロットル弁5を開閉する。以上のモータ16及び各ギヤ14,17,20によりモータユニット22が構成されている。
【0026】
図示はしないが、スロットル装置1を車両に搭載した状態では、ギヤカバー10のコネクタ10aに車体側のコントローラから延設されたハーネスが接続され、モータ16及びスロットルセンサ15がコントローラと導通する。コントローラは、運転者によるスロットル操作量やスロットル開度等から算出した目標スロットル開度に基づきモータ16を駆動制御し、上記のようにスロットル弁5を開閉する。
【0027】
図7は、
図5のVII-VII線断面図である。
図2,5,7に示すように、後スロットルボディ2rのモータ収容室9の前側には後結合部23が一体形成され、この後結合部23は、モータ収容室9から前方へと突出した形状をなしている。詳しくは、後結合部23は、左右一対のベース部23a、連結部23b、左右一対の当接箇所23c、及び左右一対のリブ23dを一体形成してなる。各ベース部23aは、モータ収容室9の外周面における左右に離間した2位置からそれぞれ前方に向けて延設され、板状をなす連結部23bにより互いに連結されている。このような各ベース部23aの先端に当接箇所23cが形成され、各当接箇所23cにはそれぞれビス孔23eが上下方向に貫設されると共に、各当接箇所23cの平坦な下面を当接面23fとしている。
【0028】
各ベース部23a上にリブ23dがそれぞれ形成され、各リブ23dは、モータ収容室9から当接箇所23cに向けて上下幅を次第に縮小させた三角状をなし、これらのリブ23dによりベース部23aの上面とモータ収容室9の外周面とが連結されている。以上のリブ23dの形状により、スロットル軸4に沿った側方視において、後結合部23はモータ収容室9から当接箇所へと先細りとなる形状をなし、後スロットルボディ2rから当接箇所23cまで、より詳しくはモータ収容室9から当接箇所23cまでの寸法はLrに設定されている。
【0029】
次いで、前スロットルボディ2fについて述べる。
図2,4,5に示すように、前スロットルボディ2fのスロットルボア3の前側にはインジェクタ取付孔7が開口形成され、インジェクタ8(
図6に示す)が取り付けられている。また、スロットルボア3を貫通するスロットル軸4の右端は、前スロットルボディ2fから右方に突出して戻りバネ24が巻回され、スロットル軸4と共にスロットル弁5を閉方向、即ち、
図5に矢印bで示すの時計周りに付勢している。スロットル軸4の左端は、被動突出端25として前スロットルボディ2fから左方に突出し、アジャスタ機構26を介して被動レバー27の基端が取り付けられている。
【0030】
アジャスタ機構26の構成は周知のため詳細は説明しないが、基端を中心とした被動レバー27の回動をスロットル軸4に伝達すると共に、アジャスタスクリュ26aの調整に応じて被動レバー27とスロットル軸4との相対角度を調整する機能を奏する。このアジャスタ機構26により、後述するように前後のスロットル弁5の全開位置が同期される。
【0031】
図8は、
図5のVIII-VIII線断面図である。
図2,5,8に示すように、前スロットルボディ2fの後側には前結合部28が一体形成され、この前結合部28は、前スロットルボディ2fから後方へと突出した形状をなしている。上記のように後結合部23は前方へと突出した形状をなすことから、結果として、両結合部23,28は互いに接近する方向に延設されていることになる。前結合部28は、上下一対のベース部28a、左右一対の当接箇所28b、及びリブ28cを一体形成してなる。各ベース部28aは、前スロットルボディ2fの外周面における上下に離間した2位置からそれぞれ前方に向けて、且つ次第に接近するように延設されている。各ベース部28aの先端は互いに連結されて左右に離間した2位置に当接箇所28bが形成され、各当接箇所28bにはそれぞれ雌ネジ孔28dが上下方向に貫設されると共に、各当接箇所28bの平坦な上面を当接面28eとしている。
【0032】
結果として両ベース部28aの間には、スロットル軸4に沿った側方視において三角状をなす空間が形成され、この空間内に三角状をなすリブ28cが形成され、
図4に破線で示すように、リブ28cは左右方向においてベース部28aの略中央に位置している。以上のリブ28cを挟んだベース部28aの配置により、スロットル軸4に沿った側方視において、前結合部28は前スロットルボディ2fから当接箇所28bへと先細りとなる形状をなし、前スロットルボディ2fから当接箇所28bまでの寸法Lfは、後結合部23の寸法Lrと略等しく設定されている。
【0033】
なお、エンジンEの各バンクBf,Brの左右位置に対応して、
図4に示すように、前及び後スロットルボディ2f,2rのスロットルボア3は左右方向にずれている。このため、それに応じて前結合部28のベース部28aは平面視で台形状をなしている。
【0034】
以上のような前及び後スロットルボディ2f,2rが前及び後結合部28,23を介して互いに結合されると共に、それぞれのスロットル軸4が以下に述べるリンク機構29を介して連結され、これによりスロットル装置1が構成されている。
詳しくは、
図2,5に示すように、前結合部28の左右の当接面28e上にそれぞれ後結合部23の当接面23fが重ね合わされて、左右の雌ネジ孔28dと左右のビス孔23eとがそれぞれ一致し、各ビス孔23eに上方からビス30が挿入されて雌ネジ孔28dに螺合している。これにより前及び後結合部28,23が互いに締結されて、両スロットルボディ2f,2rを結合している。ビス30は、本発明の「締結部材」に相当する。
【0035】
上記のように、各結合部28,23の寸法Lf,Lrは略等しく設定されている。このため、前後方向において前及び後スロットルボディ2f,2rの略中央で当接箇所28b,23cが重なり合ってビス30で締結され、このような結合部28,23を介して前及び後スロットルボディ2f,2rが所期の位置関係に保たれている。
【0036】
また、各スロットル弁5の閉弁状態では、
図3に示すように、上方に向いた駆動レバー13の先端にロッド31の後端がピン32を介して回動可能に連結され、下方に向いた駆動バー27の先端にロッド31の前端がピン33を介して回動可能に連結され、これによりリンク機構29を構成している。従って、後スロットルボディ2r側でモータ16の駆動によりスロットル軸4が回動すると、駆動突出端12の回動がリンク機構29を介して被動突出端25に伝達され、前スロットルボディ2f側のスロットル軸4が逆方向に回動する。結果として双方のスロットル弁5は、互いに同期して開閉されることになる。本実施形態のリンク機構29は、本発明の「連動機構」に相当する。
【0037】
次いで、
図6に基づきエンジンEに対するスロットル装置1の取付状態を説明する。
スロットル装置1はエアクリーナボックス35に収容された状態で、エンジンEの各バンクBf,Brに取り付けられている。エアクリーナボックス35の下部ケーシング35aは上方に開口する形状をなし、その底面には左右一対の筒状をなすアタッチメント36が固定されている。各アタッチメント36は下部ケーシング35aから下方に突出して開口し、それぞれエンジンEの各バンクBf,Brの吸気管Pf,Prに連結されている。各アタッチメント36の上部に一体形成されたフランジ部36aには、前及び後スロットルボディ2f,2rの下部フランジ部3bが図示しないボルトにより締結されている。これによりスロットル装置1が取り付けられると共に、各アタッチメント36を介して前及び後スロットルボディ2f,2rのスロットルボア3が対応するバンクBf,Brの筒内と連通している。
【0038】
下部ケーシング35aの上側には、下方に開口する形状をなした上部ケーシング35bが配設され、それぞれの周囲はパッキン37を挟んで図示しないビスにより互いに締結され、これによりエアクリーナボックス35内にスロットル装置1が収容されている。前及び後スロットルボディ2f,2rの上部フランジ部3aには図示しないビスによりファンネル38が固定され、ファンネル38を介してそれぞれのスロットルボディ2f,2rのスロットルボア3がエアクリーナボックス35内と連通している。
【0039】
エアクリーナボックス35の一側には図示しないエアクリーナが連結され、エンジンEの運転中には、エアクリーナを経て濾過された吸気がエアクリーナボックス35内に流入する。吸気は各ファンネル38から前及び後スロットルボディ2f,2rのスロットルボア3内をそれぞれ流通し、スロットル弁5の開度に応じて流量調整される。これと共に吸気にはインジェクタ8から燃料を噴射され、混合気として各アタッチメント36及び吸気管Pf,Prを経て対応するバンクBf,Brの筒内に流入して燃焼に供される。
【0040】
図6に示すように、本実施形態のエンジンEの各バンクBf,Brの吸気管Pf,Prは、スロットル軸4に沿った側方視において異なる角度をなして開口しているため、これらの開口部とそれぞれ連通する前後のスロットルボア3の軸線Cf,Crについても、側方視において異なる角度をなしている。従って、このようなスロットルボア3の位置関係となる前及び後スロットルボディ2f,2rの姿勢に保つべく、側方視における前及び後結合部28,23の形状等が設定されており、その詳細を以下に述べる。
【0041】
図5,6に示すように、側方視において、前側のスロットルボア3の軸線Cfと後側のスロットルボア3の軸線Crとの間には角度αが形成されている。前結合部28の当接箇所28bと後結合部23の当接箇所23cとは、それぞれの当接面28e,23fを重ね合わせてビス30により締結されており、当接面28e,23fは、前スロットルボディ2fのスロットルボア3の軸線Cfに対して直角をなしている。そして、当接面28e,23fに対して、雌ネジ孔28d及びビス孔23eは直交する方向に貫設されている。このため当接面28e,23fの軸線Cbは、側方視において前スロットルボディ2fのスロットルボア3の軸線Cfに対して平行をなし、後スロットルボディ2rのスロットルボア3の軸線Crに対しては角度αをなしている。結果として雌ネジ孔28dは、自己が形成された前スロットルボディ2fのスロットルボア3の軸線Cfに対して平行をなすように貫設されていることになる。
【0042】
次いで、スロットル装置1のエンジンEに対する組付手順を説明する。
本実施形態のスロットル装置1は、前及び後スロットルボディ2f,2rを互いに連結してアセンブリ化した上で、一括してエンジンEに組み付けられる。まず、前及び後スロットルボディ2f,2rを個別に組み立てて図示しない治具にセットする。前及び後スロットルボディ2f,2rは、
図3,4に示す所期の位置関係に保たれ、前結合部28の各当接面28e上に後結合部23の各当接面23fがそれぞれ重なり合うと共に、前結合部28の各雌ネジ孔28dと後結合部23の各ビス孔23eとがそれぞれ一致する。各ビス孔23eに上方からビス30を挿入して雌ネジ孔28dに螺合させると、前及び後結合部28,23が互いに締結されて両スロットルボディ2f,2rを所期の位置関係で結合する。
【0043】
次いで、駆動レバー13の先端と駆被動バー27の先端とをロッド31を介して連結すると、スロットル装置1がアセンブリ化されてエンジンEとは別個に単体で作動可能となる。従って、アジャスタ機構26により双方のスロットル弁5の全閉位置を調整して同期させることができる。そして、予めエンジンEに装着した下部ケーシング35aのアタッチメント36上にスロットル装置1をボルトで固定し、さらに上部ケーシング35bを装着すると、エンジンEへのスロットル装置1の組付が完了する。
【0044】
以上のように本実施形態では、前及び後結合部28,23を介して前及び後スロットルボディ2f,2rを結合する構成としているため、スロットル装置1を単体で組み立ててアセンブリ化できる。従って、この状態でエンジンEとは別個にアジャスタ機構26によりスロットル弁5の全閉位置を調整できる。従って、例えばエンジンEへの装着状態で全閉位置を調整する場合等に比較して、より容易且つ迅速に調整作業を実施することができる。
【0045】
また、アセンブリ化したスロットル装置1を一括してエンジンEに組み付けることができる。従って、例えば前及び後スロットルボディ2f,2rを個別にエンジンEに組み付ける場合等に比較して、より容易且つ迅速に組付作業を実施することができる。特に、既にエンジンEが車体に搭載されている場合には、周辺に位置する車体の部品を避けながらスロットル装置1を組み付ける必要が生じるが、そのような場合であっても、アセンブリ化した後の一括した組付により容易且つ迅速に実施することができる。
【0046】
また、組付後の前及び後スロットルボディ2f,2rはエンジンE側から支持されるだけでなく、前及び後結合部28,23を介して互いに連結されているため、エンジンEへの組付剛性が向上する。従って、エンジンEから入力される振動に起因するスロットル装置1の故障等のトラブルを未然に防止することができる。また、組付剛性が不足すると、両スロットルボディ2f,2rの相対的な位置変位によりスロットル弁5の全閉位置に誤差が生じる可能性もあるが、このような事態を未然に防止でき、これによりスロットル装置1の信頼性を向上できるという利点も得られる。
【0047】
以上のエンジンEへの組付剛性には、以下の要因も貢献している。
まず、前及び後結合部28,23の左右に離間した2位置に当接箇所28b,23cを形成し、各当接箇所28b,23cを互いにビス30で締結している。このため、例えば
図1に矢印で示す仮想軸線Caを中心とした捩れ方向の力が各スロットルボディ2f,2rに作用した場合でも、相対的な位置変位を効果的に防止でき、これによりエンジンEへの組付剛性を一層向上することができる。
【0048】
また、スロットル軸4に沿った側方視において、前結合部28は前スロットルボディ2fから当接箇所28bへと先細りとなる形状をなし、後結合部23は後スロットルボディ2rから当接箇所23cへと先細りとなる形状をなしている。各スロットルボディ2f,2rに何れの方向の力が作用した場合でも、各結合部28,23の先端側よりも基端側、即ちスロットルボディ2f,2r側により大きな応力が発生する。換言すれば、結合部28,23の先端側ほど応力が減少するため、その分だけ結合部28,23に要求される強度が低下する。このような応力の格差に応じて前及び後結合部28,23を先細り形状とすることにより、本来の結合部28,23による結合機能を保った上で、結合部28,23の軽量化、ひいてはスロットル装置1の軽量化を達成することができる。
【0049】
加えて各結合部28,23は、それぞれ三角状のリブ28c,23dが形成されることにより先細り形状をなしている。このため中実の結合部28,23を形成した場合に比較して、大きく強度を低下させることなく一層の軽量化を達成することができる。
【0050】
また、前スロットルボディ2fから当接箇所28bまでの前結合部28の寸法Lfと、後スロットルボディ2rから当接箇所23cまでの後結合部23の寸法Lrとを略等しく設定することにより、前及び後スロットルボディ2f,2rの略中央で互いに締結している。例えば、寸法Lf,Lrが不均等な場合には、長い側の結合部に生じる高い応力に対抗すべく、その側の結合部の肉厚を極端に増大させる等の非効率な強度対策が必要になり、双方の結合部28,23を合わせた総重量が増加してしまう。寸法Lf,Lrを略均等にすることで各結合部28,23に生じる応力が均等化するため、それぞれの結合部28,23の肉厚をそれほど増大させることなく十分な強度を確保でき、この点も重量軽減に寄与する。
【0051】
一方、各スロットルボディ2f,2rには大径のスロットルボア3が貫設されていることから、射出成型時の主たる型抜き方向はスロットルボア3の軸線Cf,Crに沿って設定されている。このため、スロットルボディ2f,2rのスロットルボア3以外の部位についても、スロットルボア3の軸線に沿って型抜き可能な形状に設定することが、金型の簡素化のためには望ましい。
【0052】
例えば後スロットルボディ2rでは、
図9に示す側面視において、スロットルボア3の軸線Crに対してビス孔23eの軸線Cbが角度αをなしているため、単純な金型の構成では、スロットルボア3と共にビス孔23eの下穴を型抜きできない。そこで、上下の金型に仕込んだ鋳抜きピン39a、39bにより、ビス孔23eの型抜きを可能としている。詳しくは、上下の鋳抜きピン39a,39bはスロットルボア3の軸線Crと平行に配設され、金型が閉じられたときに、斜状をなす鋳抜きピン39a,39bの先端がビス孔23e内で突き合わされる。この状態で金型のキャビティ内に溶融アルミを射出すると、鋳抜きピン39a,39bによりビス孔23eの下穴が形成され、その後に金型を開くと、鋳抜きピン39a,39bが上下に分離してビス孔23eの下穴から型抜きされる。
【0053】
以上の手法により、スロットルボア3と共に、その軸線Crとは異なる角度αをなすビス孔23eの下穴を形成可能ではあるものの、金型が複雑化するため実施は極力避けたい。そこで、本実施形態では前結合部28の雌ネジ孔28dを、自己が形成された前スロットルボディ2fのスロットルボア3の軸線Cfと平行をなすように貫設している。
後結合部23のビス孔23eについては、後スロットルボディ2rのスロットルボア3の軸線Crに対して角度αをなしているため、
図9に基づき説明した手法により形成するほかはない。しかしながら、雌ネジ孔28dの下穴についてはスロットルボア3の軸線と平行をなすため、同時に型抜き可能である。このため前スロットルボディ2fの射出成型時には、単純な金型を用いてスロットルボア3と共に雌ネジ孔28dの下穴を形成でき、その後のタップ加工により雌ネジ孔とすることができる。即ち、ビス孔23eと同様に雌ネジ孔28dの下穴もスロットルボア3に対して角度をなす場合には、何れの形成にも
図9の手法を採らざるを得ず、前及び後スロットルボディ2f,2rの金型が共に複雑化してしまう。しかし、本実施形態によれば、前スロットルボディ2fについては単純な金型を適用可能となることから、金型の簡素化によりスロットル装置1の製造コストを一層低減できるという効果が得られる。
【0054】
なお、上記とは逆に、前結合部28にビス孔23eを貫設し、後結合部23に雌ネジ孔28dを貫設してもよく、この場合には前スロットルボディ2fの射出成形時に、単純な金型を用いてスロットルボア3と共にビス孔23eを形成可能となる。また、前結合部28の雌ネジ孔28dに代えて、後結合部23のビス孔23eをスロットルボア3の軸線Crに対して平行としてもよく、この場合には後スロットルボディ2rの射出成形時に、単純な金型を用いてスロットルボア3と共にビス孔23eを形成可能となる。
【0055】
一方、以上のような作用効果を得た上で本実施形態のスロットル装置1は、同じくスロットルボディを連結した特許文献1のスロットル装置に比較して、以下に述べる作用効果を達成できる。
【0056】
まず、特許文献1のスロットル装置では、スロットルボディとは別部材の連結板を用いているため重量が増加するという問題がある。詳しくは、特許文献1の技術では、各スロットルボディを強固に連結すべく一側及び他側をそれぞれ連結板を介して互いに連結すると共に、例えば十分な厚みを有する鋼材等で各連結板を製作しており、結果として計2枚の連結板はかなりの重量を有する。また、各連結板がスロットルボディとは別部材であることから、相互の締結代として、連結板の両端をスロットルボディとオーバラップさせる必要が生じ、このような連結板の延長も重量増加につながる。
【0057】
これに対して本実施形態では、前及び後結合部28,23を各スロットルボディ2f,2rに一体形成すると共に、各スロットルボディ2f,2rから互いに接近する方向に延設している。即ち、両スロットルボディ2f,2rを結合可能なほぼ最短の長さで前及び後結合部28,23を形成しているため、結合部28,23を付設してもスロットルボディ2f,2rの重量はほとんど増加しない。また、スロットルボディ2f,2rに結合部28,23を一体形成しているため、特許文献1の技術のようなスロットルボディと間の締結代のために連結板を延長する必要もなく、これに起因する重量増加を回避できる。従って、各スロットルボディ2f,2rを結合する結合部28,23に起因する重量増加を抑制でき、特許文献1の技術に比較してスロットル装置1を軽量化することができる。
【0058】
また、特許文献1のスロットル装置では、各スロットルボディの一側及び他側に連結板を配設しており、しかも、一方の連結板はリンク機構との干渉を防止するためにその外側に配設されている。このような連結板の配置に起因して、スロットル軸の軸線方向でのスロットル装置の外寸、ひいては占有スペースが拡大するという問題がある。
【0059】
これに対して本実施形態では、何ら利用されていないデッドスペースに前及び後結合部28,23が配設されている。即ち、エンジンEの各バンクBf,Brの吸気管Pf,Prに対応して、前及び後スロットルボディ2f,2rは前後方向に離間して配置されており、その間には、
図4に破線で示すデッドスペースDが形成されている。各スロットルボディ2f,2rから互いに接近する方向に延設された前及び後結合部28,23は、このようなデッドスペースDに配設されることになる。また、デッドスペースDに配設された結果、前及び後結合部28,23は、各スロットルボディ2f,2rの左側に位置するリンク機構29から右方に離間して干渉を防止されている。従って、スロットル軸4の軸線方向を含めた全ての方向でスロットル装置1の外寸を拡大することなく、各スロットルボディ2f,2rに結合部28,23を付設でき、これにより車両に搭載したときのスロットル装置1の占有スペースを縮小することができる。
【0060】
また、特許文献1のスロットル装置では、各連結板を介してスロットルボディを連結するために、少なくとも計4箇所で一側及び他側の互いに異なる方向からビスの締結操作を行う必要があり、組付性が良好とは言い難い。加えて、2枚の連結板を製作するために手間及び材料費を要する。従って、これらの要因が相俟って製造コストが高騰するという問題がある。
【0061】
これに対して本実施形態では、前及び後スロットルボディ2f,2rを射出成形する際に、各結合部28,23が自ずと形成される。このため、特許文献1の連結板の製作に相当する手間及び材料費を省くことができると共に、連結板の締結操作に相当する手間が不要になる。連結板の締結操作に代えて、本実施形態では前及び後結合部28,23を左右一対のビス30で締結する必要があるものの、全体としての締結箇所の数が減少する上に、それぞれ同一の上方からビス30を締結操作できるため、良好な組付性を実現できる。以上の要因が相俟って、特許文献1の技術に比較して製造コストを低減することができる。
【0062】
本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、自動二輪車用に搭載されるV型2気筒エンジン用のスロットル装置1に具体化したが、これに限るものではない。V型エンジン用のスロットル装置であれば、適用する車種やエンジンの気筒数等を任意に変更可能である。従って、例えば4輪バギー等のATV(All Terrain Vehicle)に搭載されたエンジン用のスロットル装置として具体化してもよいし、対象となるエンジンの気筒数を4気筒や6気筒に変更してもよい。例えば4気筒エンジンの場合には、上記実施形態の前スロットルボディ2fを左右に併設して一体化すると共に、後スロットルボディ2rを左右に並設して一体化し、これらのスロットルボディ2f,2rからそれぞれ接近方向に結合部28,23を延設して互いに締結すればよい。
【0063】
また、上記実施形態では、後スロットルボディ2rに設けたモータユニット22によりスロットル弁5を開閉すると共に、このときのスロットル軸4の回動をリンク機構29を介して前スロットルボディ2fのスロットル軸4に伝達してスロットル弁5を開閉したが、これに限るものではない。例えば、双方のスロットルボディ2f,2rにそれぞれモータユニット22を設け、それぞれのスロットル弁5を独立して開閉駆動するようにしてもよい。
【0064】
また上記実施形態では、連動機構としてレバー13,27及びロッド31からなるリンク機構29を採用したが、これに限るものではない。例えば、ギヤ列を介して一方のスロットル軸4の回動を他方のスロットル軸4に伝達するようにしてもよい。
また上記実施形態では、前後のスロットルボア3の軸線Cf,Crを側方視において異なる角度としたが、これに限るものではなく、例えば軸線Cf,Crを平行としてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 スロットル装置
2f 前スロットルボディ(副スロットルボディ)
2r 後スロットルボディ(主スロットルボディ)
3 スロットルボア
4 スロットル軸
5 スロットル弁
12 駆動突出端
16 モータ
22 モータユニット
23 後結合部
23c,28b 当接箇所
23d,28c リブ
23e ビス孔
25 被動突出端
28 前結合部
28d 雌ネジ孔
29 リンク機構(連動機構)
30 ビス(締結部材)
E エンジン
Bf,Br バンク