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特開2024-153344保護カバーの取り外し構造、及び、コネクタの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153344
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】保護カバーの取り外し構造、及び、コネクタの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/516 20060101AFI20241022BHJP
   H01R 43/20 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H01R13/516
H01R43/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067170
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】大▲高▼ 一人
【テーマコード(参考)】
5E063
5E087
【Fターム(参考)】
5E063HA05
5E063HB14
5E063XA20
5E087EE02
5E087EE11
5E087EE14
5E087FF03
5E087RR04
(57)【要約】
【課題】サブコネクタがフレームの収容室に収容されるまで、オス端子の露出部分を保護する保護カバーがサブコネクタを保持するコネクタにおいて、コネクタの大型化を抑制可能とする保護カバーの取り外し構造、及び、コネクタの製造方法を提供すること。
【解決手段】保護カバーの取り外し構造1は、保護カバー30に設けられたスリット34が拡開することで、保護カバー30におけるサブコネクタ10の保持状態が解除されて、サブコネクタ10を収容室22に収容可能となり、収容室22へのサブコネクタ10の収容後に、保持室31aの開口端を収容室22の開口端から引き離すことで、保護カバー30がサブコネクタ10から取り外される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも先端部が露出するようにオス端子を保持するサブコネクタと、前記サブコネクタを収容可能な収容室を有するフレームと、を有するコネクタと、
筒状に形成されて、筒孔が前記サブコネクタを保持可能な保持室として構成され、前記サブコネクタが前記収容室に収容されるまで前記先端部の外周を覆い保護するとともに、軸方向に延びて前記保持室と外部とを連通するスリットが周壁に設けられた保護カバーと、
を備えた保護カバーの取り外し構造であって、
前記保護カバーは、
前記保持室には、前記軸方向との交差方向において前記スリットを挟み込み、前記保護カバーにおける前記サブコネクタの保持状態において、前記サブコネクタの軸方向一端側の端面に当接する一対の規制部が設けられ、
当該保護カバーの取り外し構造は、
前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を、前記保持室と前記収容室とが前記軸方向に連通するように前記収容室の軸方向他端側の開口端に突き当てた状態で、前記スリットを拡開することで前記保持状態が解除されて、前記サブコネクタを前記収容室に収容可能となり、前記収容室への前記サブコネクタの収容後に、前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を前記収容室の前記軸方向他端側の開口端から引き離すことで、前記保護カバーが前記サブコネクタから取り外される、
保護カバーの取り外し構造。
【請求項2】
少なくとも先端部が露出するようにオス端子を保持するサブコネクタと、前記サブコネクタを収容可能な収容室を有するフレームと、を有するコネクタと、
筒状に形成されて、筒孔が前記サブコネクタを保持可能な保持室として構成され、前記サブコネクタが前記収容室に収容されるまで前記先端部の外周を覆い保護するとともに、軸方向に延びて前記保持室と外部とを連通するスリットが周壁に設けられた保護カバーと、
前記フレームが載置されて、前記保護カバーにおける前記サブコネクタの保持状態を解除可能な解除治具と、
を備えた保護カバーの取り外し構造であって、
前記保護カバーは、
前記軸方向との交差方向において前記スリットを挟み込む一対の解除突起を有し、
前記解除治具は、
前記保持室の軸方向一端側の開口端が、前記保持室と前記収容室とが前記軸方向に連通するように前記収容室の軸方向他端側の開口端に突き当てられると、前記スリットが拡開されるように前記一対の解除突起とそれぞれ接触する一対の解除ガイドを有し、
当該保護カバーの取り外し構造は、
前記スリットが拡開することで前記保持状態が解除されて、前記サブコネクタを前記収容室に収容可能となり、前記収容室への前記サブコネクタの収容後に、前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を前記収容室の前記軸方向他端側の開口端から引き離すことで、前記保護カバーが前記サブコネクタから取り外される、
保護カバーの取り外し構造。
【請求項3】
請求項2に記載の保護カバーの取り外し構造であって、
前記保持室には、前記交差方向において前記スリットを挟み込み、前記保持状態において、前記サブコネクタの前記軸方向一端側の端面に当接する一対の規制部と、前記軸方向他端側に配置されて、前記保持状態において、前記サブコネクタの前記軸方向他端側の端面と当接する抜止部と、が設けられる、
保護カバーの取り外し構造。
【請求項4】
少なくとも先端部が露出するようにオス端子を保持するサブコネクタと、前記サブコネクタを収容可能な収容室を有するフレームと、を有するコネクタと、
筒状に形成されて、筒孔が前記サブコネクタを保持可能な保持室として構成され、前記サブコネクタが前記収容室に収容されるまで前記先端部の外周を覆い保護するとともに、軸方向に延びて前記保持室と外部とを連通するスリットが周壁に設けられた保護カバーと、を備え、
前記保護カバーは、
前記保持室には、前記軸方向との交差方向において前記スリットを挟み込み、前記保護カバーにおける前記サブコネクタの保持状態において、前記サブコネクタの軸方向一端側の端面に当接する一対の規制部が設けられ、
前記サブコネクタを、前記保持室に挿入して前記保護カバーに保持させる第一挿入工程と、
前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を、前記保持室と前記収容室とが前記軸方向に連通するように前記収容室の軸方向他端側の開口端に突き当てる位置決め工程と、
前記サブコネクタを、前記保持室から前記収容室に向けて挿入して前記スリットを拡開させることで前記収容室に収容する第二挿入工程と、
前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を前記収容室の前記軸方向他端側の開口端から引き離し、前記保護カバーを前記サブコネクタから取り外す保護カバーの取り外し工程と、を含む、
コネクタの製造方法。
【請求項5】
少なくとも先端部が露出するようにオス端子を保持するサブコネクタと、前記サブコネクタを収容可能な収容室を有するフレームと、を有するコネクタの製造方法であって、
筒状に形成されて、筒孔が前記サブコネクタを保持可能な保持室として構成され、前記サブコネクタが前記収容室に収容されるまで前記先端部の外周を覆い保護するとともに、軸方向に延びて前記保持室と外部とを連通するスリットが周壁に設けられた保護カバーと、
前記フレームが載置されて、前記保護カバーにおける前記サブコネクタの保持状態を解除可能な解除治具と、を備え、
前記保護カバーは、
前記軸方向との交差方向において前記スリットを挟み込む一対の解除突起を有し、
前記解除治具は、
前記保持室の軸方向一端側の開口端が、前記保持室と前記収容室とが前記軸方向に連通するように前記収容室の軸方向他端側の開口端に突き当てられると、前記スリットが拡開されるように前記一対の解除突起とそれぞれ接触する一対の解除ガイドを有し、
前記サブコネクタを、前記保持室に挿入して前記保護カバーに保持させる第一挿入工程と、
前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を、前記保持室と前記収容室とが前記軸方向に連通するように前記収容室の前記軸方向他端側の開口端に突き当てる位置決め工程と、
前記サブコネクタを、前記保持室から前記収容室に向けて挿入して前記収容室に収容する第二挿入工程と、
前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を前記収容室の前記軸方向他端側の開口端から引き離し、前記保護カバーを前記サブコネクタから取り外す保護カバーの取り外し工程と、を含む、
コネクタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護カバーの取り外し構造、及び、コネクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の収容室に仕切られたフレームと、オス端子を保持してフレームの収容室へ収容可能に構成された複数のサブコネクタと、を備えたコネクタが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。上記コネクタは、サブコネクタの前面からオス端子の先端部が露出するように構成される。このため、上記コネクタは、フレームの収容室へのサブコネクタの収容前にはオス端子の先端部を覆う保護カバーを備えており、この保護カバーは、フレームの収容室へのサブコネクタの収容後にはオス端子を露出可能なように、サブコネクタに組み付けられている。つまり、フレームの収容室にサブコネクタが収容されるまで、オス端子は保護カバーによって変形等が抑止されように保護されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-270115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来コネクタは、上述したようにオス端子を保護するために保護カバーがサブコネクタに組み付けられており、このため、サブコネクタは、保護カバーが組み付けられた状態でフレームの収容室に収容される。これにより、従来コネクタは、部品点数が増加したり大型化したりする傾向にあった。
【0005】
本発明は、上述した状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、サブコネクタがフレームの収容室に収容されるまで、オス端子の露出部分を保護する保護カバーがサブコネクタを保持するコネクタにおいて、コネクタの大型化を抑制可能とする保護カバーの取り外し構造、及び、コネクタの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る保護カバーの取り外し構造は、下記を特徴としている。
少なくとも先端部が露出するようにオス端子を保持するサブコネクタと、前記サブコネクタを収容可能な収容室を有するフレームと、を有するコネクタと、
筒状に形成されて、筒孔が前記サブコネクタを保持可能な保持室として構成され、前記サブコネクタが前記収容室に収容されるまで前記先端部の外周を覆い保護するとともに、軸方向に延びて前記保持室と外部とを連通するスリットが周壁に設けられた保護カバーと、
を備えた保護カバーの取り外し構造であって、
前記保護カバーは、
前記保持室には、前記軸方向との交差方向において前記スリットを挟み込み、前記保護カバーにおける前記サブコネクタの保持状態において、前記サブコネクタの軸方向一端側の端面に当接する一対の規制部が設けられ、
当該保護カバーの取り外し構造は、
前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を、前記保持室と前記収容室とが前記軸方向に連通するように前記収容室の軸方向他端側の開口端に突き当てた状態で、前記スリットを拡開することで前記保持状態が解除されて、前記サブコネクタを前記収容室に収容可能となり、前記収容室への前記サブコネクタの収容後に、前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を前記収容室の前記軸方向他端側の開口端から引き離すことで、前記保護カバーが前記サブコネクタから取り外される、
保護カバーの取り外し構造であること。
【0007】
更に、前述した目的を達成するために、本発明に係る保護カバーの取り外し構造は、下記を特徴としている。
少なくとも先端部が露出するようにオス端子を保持するサブコネクタと、前記サブコネクタを収容可能な収容室を有するフレームと、を有するコネクタと、
筒状に形成されて、筒孔が前記サブコネクタを保持可能な保持室として構成され、前記サブコネクタが前記収容室に収容されるまで前記先端部の外周を覆い保護するとともに、軸方向に延びて前記保持室と外部とを連通するスリットが周壁に設けられた保護カバーと、
前記フレームが載置されて、前記保護カバーにおける前記サブコネクタの保持状態を解除可能な解除治具と、
を備えた保護カバーの取り外し構造であって、
前記保護カバーは、
前記軸方向との交差方向において前記スリットを挟み込む一対の解除突起を有し、
前記解除治具は、
前記保持室の軸方向一端側の開口端が、前記保持室と前記収容室とが前記軸方向に連通するように前記収容室の軸方向他端側の開口端に突き当てられると、前記スリットが拡開されるように前記一対の解除突起とそれぞれ接触する一対の解除ガイドを有し、
当該保護カバーの取り外し構造は、
前記スリットが拡開することで前記保持状態が解除されて、前記サブコネクタを前記収容室に収容可能となり、前記収容室への前記サブコネクタの収容後に、前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を前記収容室の前記軸方向他端側の開口端から引き離すことで、前記保護カバーが前記サブコネクタから取り外される、
保護カバーの取り外し構造であること。
【0008】
更に、前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタの製造方法は、下記を特徴としている。
少なくとも先端部が露出するようにオス端子を保持するサブコネクタと、前記サブコネクタを収容可能な収容室を有するフレームと、を有するコネクタと、
筒状に形成されて、筒孔が前記サブコネクタを保持可能な保持室として構成され、前記サブコネクタが前記収容室に収容されるまで前記先端部の外周を覆い保護するとともに、軸方向に延びて前記保持室と外部とを連通するスリットが周壁に設けられた保護カバーと、を備え、
前記保護カバーは、
前記保持室には、前記軸方向との交差方向において前記スリットを挟み込み、前記保護カバーにおける前記サブコネクタの保持状態において、前記サブコネクタの軸方向一端側の端面に当接する一対の規制部が設けられ、
前記サブコネクタを、前記保持室に挿入して前記保護カバーに保持させる第一挿入工程と、
前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を、前記保持室と前記収容室とが前記軸方向に連通するように前記収容室の軸方向他端側の開口端に突き当てる位置決め工程と、
前記サブコネクタを、前記保持室から前記収容室に向けて挿入して前記スリットを拡開させることで前記収容室に収容する第二挿入工程と、
前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を前記収容室の前記軸方向他端側の開口端から引き離し、前記保護カバーを前記サブコネクタから取り外す保護カバーの取り外し工程と、を含む、
コネクタの製造方法であること。
【0009】
更に、前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタの製造方法は、下記を特徴としている。
少なくとも先端部が露出するようにオス端子を保持するサブコネクタと、前記サブコネクタを収容可能な収容室を有するフレームと、を有するコネクタの製造方法であって、
筒状に形成されて、筒孔が前記サブコネクタを保持可能な保持室として構成され、前記サブコネクタが前記収容室に収容されるまで前記先端部の外周を覆い保護するとともに、軸方向に延びて前記保持室と外部とを連通するスリットが周壁に設けられた保護カバーと、
前記フレームが載置されて、前記保護カバーにおける前記サブコネクタの保持状態を解除可能な解除治具と、を備え、
前記保護カバーは、
前記軸方向との交差方向において前記スリットを挟み込む一対の解除突起を有し、
前記解除治具は、
前記保持室の軸方向一端側の開口端が、前記保持室と前記収容室とが前記軸方向に連通するように前記収容室の軸方向他端側の開口端に突き当てられると、前記スリットが拡開されるように前記一対の解除突起とそれぞれ接触する一対の解除ガイドを有し、
前記サブコネクタを、前記保持室に挿入して前記保護カバーに保持させる第一挿入工程と、
前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を、前記保持室と前記収容室とが前記軸方向に連通するように前記収容室の前記軸方向他端側の開口端に突き当てる位置決め工程と、
前記サブコネクタを、前記保持室から前記収容室に向けて挿入して前記収容室に収容する第二挿入工程と、
前記保持室の前記軸方向一端側の開口端を前記収容室の前記軸方向他端側の開口端から引き離し、前記保護カバーを前記サブコネクタから取り外す保護カバーの取り外し工程と、を含む、
コネクタの製造方法であること。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スリットが拡開することで保護カバーにおけるサブコネクタの保持状態が解除されて、サブコネクタを収容室に収容可能となり、収容室へのサブコネクタの収容後に、保持室の軸方向一端側の開口端を収容室の軸方向他端側の開口端から引き離すことで、保護カバーがサブコネクタから取り外される。
このように、本発明によれば、フレーム(収容室)へのサブコネクタの収容後に保護カバーが取り外されることで、従来に比べて、コネクタの大型化が抑制される。
【0011】
更に、本発明よれば、保護カバーの保持室の軸方向一端側の開口端が、保持室とフレームの収容室とが軸方向に連通するように収容室の軸方向他端側の開口端に突き当てられると、解除治具の一対の解除ガイドが保護カバーの一対の解除突起とそれぞれ接触して保護カバーのスリットが拡開される。そして、スリットが拡開することで保護カバーにおけるサブコネクタの保持状態が解除されて、サブコネクタを収容室に収容可能となり、収容室へのサブコネクタの収容後に、保持室の軸方向一端側の開口端を収容室の軸方向他端側の開口端から引き離すことで、保護カバーがサブコネクタから取り外される。
このように、本発明によれば、フレーム(収容室)へのサブコネクタの収容後に保護カバーが取り外されることで、従来に比べて、コネクタの大型化が抑制される。
【0012】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る保護カバーの取り外し構造を示す斜視図である。
図2図2は、図1の分解斜視図である。
図3図3は、図2のサブコネクタ、保護カバー、及びオス端子の分解斜視図である。
図4図4は、図2のA-A断面図である。
図5図5は、図2のB-B断面図である。
図6図6は、保護カバーを下方からみた斜視図である。
図7図7は、図2のフレーム及び解除治具の分解斜視図である。
図8図8は、保護カバーの取り外し工程を説明するための斜視図である。
図9図9は、コネクタ及び解除治具を示す斜視図である。
図10図10は、図9のC-C断面図である(ただし、解除治具の図示省略、即ち、コネクタの断面図である)。
図11図11は、本発明の第2実施形態に係る保護カバーの取り外し構造を示す斜視図である。
図12図12は、図11の分解斜視図である。
図13図13は、図12のサブコネクタ、保護カバー、及びオス端子の分解斜視図である。
図14図14は、図12のD-D断面図である。
図15図15は、図12のE-E断面図である。
図16図16は、保護カバーを下方からみた斜視図である。
図17図17は、図12のフレーム及び解除治具の分解斜視図である。
図18図18は、保護カバーの取り外し工程を説明するための斜視図である。
図19図19は、コネクタ及び解除治具を示す斜視図である。
図20図20は、図19のF-F断面図である(ただし、解除治具の図示省略、即ち、コネクタの断面図である)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る保護カバーの取り外し構造(以下、単に「取り外し構造」ともいう。)について説明する。
【0015】
以下、説明の便宜上、図1等に示すように、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」を定義する。「前後方向」、「左右方向」及び「上下方向」は、互いに直交している。なお、前後方向は、本発明の「軸方向」に対応しており、前側が本発明の「軸方向一端側」に対応し、後側が本発明の「軸方向他端側」に対応している。また、左右方向は、本発明の「交差方向」に対応している。
【0016】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態について図1図10を参照して説明する。
図1に示すように、取り外し構造1は、サブコネクタ10及びフレーム20を有するコネクタ100と、サブコネクタ10を保持する保護カバー30と、を備えて構成される。はじめに、取り外し構造1を構成する、コネクタ100及び保護カバー30について順に説明する。
【0017】
まず、コネクタ100について説明する。コネクタ100は、図1及び図8図10に示すように、少なくとも先端部が露出するようにオス端子3を収容するサブコネクタ10と、サブコネクタ10を収容可能な収容室22を有するフレーム20と、を備えて構成される。
【0018】
サブコネクタ10は、図3に示すように、略直方体形状のハウジング本体11から構成されて、ハウジング本体11には、複数の端子保持室12が前後方向に貫通するように設けられている。
【0019】
ハウジング本体11の上面における前後方向後側領域には、下方に窪む複数(本例では、3つ)の凹部13が左右方向に並設されている。本例では、左右方向中央の凹部13における前側壁が、後述する保護カバー30の抜止部36に係止される被係止部14として機能する(図4参照)。
【0020】
ハウジング本体11の左右方向両側壁には、それぞれ、外方に突出する係止突起15が設けられている。後述するようにサブコネクタ10がフレーム20の収容室22に収容されると、係止突起15にはフレーム20の係止アーム25に係止される(図10参照)。
【0021】
フレーム20は、図7に示すように、略直方体状のフレーム本体21から構成されて、フレーム本体21には、前後方向に貫通する複数(本例では、4つ)の収容室22が上下方向に並設されている。
【0022】
フレーム本体21の左右方向両側壁における後端部には、それぞれ、収容室22に対応して、外方に突出する位置決め突起23が設けられている。後述するようにサブコネクタ10をフレーム20の収容室22に収容する際に、位置決め突起23が保護カバー30の位置決め溝38に挿入されることで、フレーム20と保護カバー30とが位置決めされる。
【0023】
複数の収容室22の下側壁における前後方向前側領域には、それぞれ、上方に突出する規制部24が設けられている。規制部24は、サブコネクタ10を収容室22に収容する際に、収容室22へのサブコネクタ10の過度な挿入(所定位置を越えた入り込み)を規制する。
【0024】
複数の収容室22の左右方向両側壁には、それぞれ、サブコネクタ10の係止突起15に対応して、収容室22内に延びる片持ち梁状の係止アーム25が設けられている。
【0025】
コネクタ100は、フレーム20の収容室22にサブコネクタ10が収容されることで完成される。これについては後述する。
以上、コネクタ100について説明した。
【0026】
次いで、保護カバー30について説明する。保護カバー30は、図3及び図6に示すように、略矩形筒状のカバー本体31を備えて構成される。カバー本体31の筒孔は、サブコネクタ10を保持可能な保持室31aとして構成される(図4及び図5も参照)。
【0027】
カバー本体31の下側壁における左右方向略中央には、上下方向に貫通するスリット34が設けられている。スリット34はカバー本体31の前後方向全域に亘って延びており、これにより、カバー本体31の下側壁は左右方向に離間する一対の壁部35が形成されている。後述するようにサブコネクタ10を収容室22に収容する際に、スリット34が拡開される(即ち、一対の壁部35が互いに離れる)ことで、保護カバー30におけるサブコネクタ10の保持状態(以下、単に「保持状態」ともいう。)が解除可能となっている。
【0028】
一対の壁部35における各対向面の後端部には、それぞれ、左右方向において、前方から後方に向かうにつれて対向する壁部35から離れるように傾斜する傾斜部35aが形成されている。つまり、スリット34は、前後方向後側領域において、前方から後方に向かうにつれて幅広になるように形成されている。傾斜部35aは、サブコネクタ10から保護カバー30を取り外す際に、オス端子3に接続された電線4をスリット34に集めるように機能する(図8参照)。
【0029】
カバー本体31の上側壁における後端部には、保持状態においてサブコネクタ10の被係止部14に対応するように、下方(保持室31a内)に突出する抜止部36が設けられている。
【0030】
カバー本体31の左右方向両側壁における前後方向略中央には、それぞれ、保持室31a内に短く突出する一対の規制部37が設けられている。規制部37は、保持室31aへのサブコネクタ10の過度な挿入(所定位置を越えた入り込み)を規制し、抜止部36とともにサブコネクタ10を保持している(図4参照)。
【0031】
一対の規制部37の後端面には、それぞれ、傾斜面37aが形成されている。傾斜面37aは、後方から前方に向かうにつれて、保持室31aの外側から内側に傾斜するように形成されている。
【0032】
カバー本体31の左右方向両側壁における前端部には、それぞれ、位置決め突起23に対応して、後方に窪む位置決め溝38が設けられている。
【0033】
保護カバー30は、上述したようにサブコネクタ10を保持して、サブコネクタ10が収容室22に収容されるまでオス端子3の露出した先端部の外周を覆いオス端子3を保護する。即ち、保護カバー30は、サブコネクタ10に対していわゆるフードのように機能する。
以上、保護カバー30について説明した。
【0034】
以上、取り外し構造1を構成する、コネクタ100及び保護カバー30について説明した。次に、フレーム20に収容されたサブコネクタ10からの保護カバー30の取り外し方法、即ちコネクタ100の製造方法について説明する。
【0035】
まず、サブコネクタ10が保護カバー30の後方に位置するようにそれぞれ配置させ、保護カバー30の保持室31aにサブコネクタ10を挿入する。
この際、一対の規制部37によって、保持室31aへのサブコネクタ10の過度な挿入(所定位置を越えた入り込み)が規制され、保持室31aに対してサブコネクタ10が所定位置まで挿入されると、サブコネクタ10の被係止部14が保護カバー30の抜止部36に係止される。これにより、サブコネクタ10は、抜止部36及び一対の規制部37によって、保持室31aへの過度な挿入及び保持室31aからの脱落が規制されて、保持室31a内に保持される(図3及び図4参照)。
即ち、上記工程は、本発明の「第一挿入工程」に相当する。
【0036】
その後、複数の電線4の端末にそれぞれ接続された複数のオス端子3を、複数の端子保持室12に後方からそれぞれ収容する。これにより、各オス端子3の先端部は、各端子保持室12から露出した状態で保持される。この際、保護カバー30がフードとして機能して、各オス端子3における先端部の外周が、保護カバー30によって覆われる(図2参照)。
【0037】
次いで、オス端子3が収容されたサブコネクタ10を保持した保護カバー30を、フレーム20の後方に配置し、カバー本体31の前端部(本発明の「保持室31aの軸方向一端側の開口端」に相当)が、フレーム本体21の後端部(本発明の「収容室22の軸方向他端側の開口端」に相当)に突き当てられて、保持室31aとフレーム20の収容室22とが前後方向に連通するように、前後方向に沿って互いに近付ける(図2参照)。
カバー本体31の前端部がフレーム本体21の後端部に突き当てられると、保護カバー30の位置決め溝38にフレーム20の位置決め突起23が挿入されて、フレーム20と保護カバー30とが位置決めされる(図1参照)。
即ち、上記工程は、本発明の「位置決め工程」に相当する。
【0038】
カバー本体31の前端部がフレーム本体21の後端部に突き当てられた状態で、サブコネクタ10を前方に押し込むと、サブコネクタ10の前端面が保護カバー30における一対の規制部37の各傾斜面37aに摺接される。
これにより、スリット34が左右方向に拡開、即ち一対の壁部35及び左右方向両側壁が互いに離れて、サブコネクタ10が一対の規制部37間に案内される。これにより、保護カバー30におけるサブコネクタ10の保持状態が解除される。
【0039】
この状態で、サブコネクタ10を収容室22(即ち、前方)に向けて更に押し込むと、サブコネクタ10がフレーム20(収容室22)に収容される。
この際、サブコネクタ10の前端部がフレーム20の規制部24に突き当たるまで、サブコネクタ10は挿入されて、サブコネクタ10の前端部が規制部24に突き当たると、サブコネクタ10の係止突起15がフレーム20の係止アーム25に係止される。これにより、サブコネクタ10は、規制部24及び係止アーム25によって、収容室22への過度な挿入及び収容室22からの脱落が規制されて、収容室22内に収容される(図1及び図10参照)。
即ち、上記工程は、本発明の「第二挿入工程」に相当する。
【0040】
そして、保護カバー30をフレーム20から引き離す。即ち、カバー本体31の前端部をフレーム本体21の後端部から引き離し、保護カバー30をサブコネクタ10(即ち、コネクタ100)から取り外す。
即ち、上記工程は、本発明の「取り外し工程」に相当する。
【0041】
その後、保護カバー30のスリット34から端末にオス端子3が接続された電線4を引き抜く(図8参照)。この際、一対の傾斜部35aによって電線4がスリット34に集められるため、電線4の引き抜きが容易になる。
このようにして、保護カバー30が電線4を含むコネクタ100、即ちサブコネクタ10から取り外されることで、コネクタ100が完成される。
【0042】
本実施形態によれば、上述したように、フレーム20(収容室22)へのサブコネクタ10の収容後に、サブコネクタ10(即ち、コネクタ100)から保護カバー30が取り外されることで、従来に比べて、コネクタの大型化が抑制される。
以上、フレーム20に収容されたサブコネクタ10からの保護カバー30の取り外し方法、即ちコネクタ100の製造方法について説明した。
【0043】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について図11図20を参照して説明する。
図11に示すように、取り外し構造1Aは、サブコネクタ10A及びフレーム20Aを有するコネクタ100Aと、サブコネクタ10Aを保持する保護カバー30Aと、保護カバー30Aにおけるサブコネクタ10Aの保持状態を解除する解除治具40Aと、を備えて構成される。はじめに、取り外し構造1Aを構成する、コネクタ100A、保護カバー30A、及び解除治具40Aについて順に説明する。
【0044】
まず、コネクタ100Aについて説明する。コネクタ100Aは、図11及び図18図20に示すように、少なくとも先端部が露出するようにオス端子3Aを収容するサブコネクタ10Aと、サブコネクタ10Aを収容可能な収容室22Aを有するフレーム20Aと、を備えて構成される。
【0045】
サブコネクタ10Aは、図13に示すように、略直方体形状のハウジング本体11Aから構成されて、ハウジング本体11Aには、複数の端子保持室12Aが前後方向に貫通するように設けられている。
【0046】
ハウジング本体11Aの上面における前後方向後側領域には、下方に窪む複数(本例では、3つ)の凹部13Aが左右方向に並設されている。本例では、左右方向中央の凹部13Aにおける前側壁が、後述する保護カバー30Aの抜止部36Aに係止される被係止部14Aとして機能する(図14参照)。
【0047】
ハウジング本体11Aの左右方向両側壁には、それぞれ、外方に突出する係止突起15Aが設けられている。後述するようにサブコネクタ10Aがフレーム20Aの収容室22Aに収容されると、係止突起15Aにはフレーム20Aの係止アーム25Aに係止される(図20参照)。
【0048】
フレーム20Aは、図17に示すように、略直方体状のフレーム本体21Aから構成されて、フレーム本体21Aには、前後方向に貫通する複数(本例では、4つ)の収容室22Aが上下方向に並設されている。
【0049】
フレーム本体21Aの左右方向両側壁における後端部には、それぞれ、収容室22Aに対応して、外方に突出する位置決め突起23Aが設けられている。後述するようにサブコネクタ10Aをフレーム20Aの収容室22Aに収容する際に、位置決め突起23Aが保護カバー30Aの位置決め溝38Aに挿入されることで、フレーム20Aと保護カバー30Aとが位置決めされる。
【0050】
複数の収容室22Aの下側壁における前後方向前側領域には、それぞれ、上方に突出する規制部24Aが設けられている。規制部24Aは、サブコネクタ10Aを収容室22Aに収容する際に、収容室22Aへのサブコネクタ10Aの過度な挿入(所定位置を越えた入り込み)を規制する。
【0051】
複数の収容室22Aの左右方向両側壁には、それぞれ、サブコネクタ10Aの係止突起15Aに対応して、収容室22A内に延びる片持ち梁状の係止アーム25Aが設けられている。
【0052】
コネクタ100Aは、フレーム20Aの収容室22Aにサブコネクタ10Aが収容されることで完成される。これについては後述する。
以上、コネクタ100Aについて説明した。
【0053】
次いで、保護カバー30Aについて説明する。保護カバー30Aは、図13及び図16に示すように、略矩形筒状のカバー本体31Aと、カバー本体31Aの左右方向両側壁からそれぞれ張り出された一対のフランジ部32Aと、が一体に備えて構成される。カバー本体31Aの筒孔は、サブコネクタ10Aを保持可能な保持室31aAとして構成される(図14及び図15も参照)。
【0054】
一対のフランジ部32Aの下面における前端外側には、それぞれ、下方に突出する解除突起33Aが設けられている(図15も参照)。後述するようにサブコネクタ10Aを収容室22Aに収容する際に、解除突起33Aは解除治具40Aの解除ガイド45Aと摺接する。
【0055】
カバー本体31Aの下側壁における左右方向略中央には、上下方向に貫通するスリット34Aが設けられている。スリット34Aはカバー本体31Aの前後方向全域に亘って延びており、これにより、カバー本体31Aの下側壁は左右方向に離間する一対の壁部35Aが形成されている。後述するようにサブコネクタ10Aを収容室22Aに収容する際に、解除治具40Aによってスリット34Aが拡開される(即ち、一対の壁部35Aが互いに離れる)ことで、保護カバー30Aにおけるサブコネクタ10Aの保持状態(以下、単に「保持状態」ともいう。)が解除可能となっている。
【0056】
一対の壁部35Aにおける各対向面の後端部には、それぞれ、左右方向において、前方から後方に向かうにつれて対向する壁部35Aから離れるように傾斜する傾斜部35aAが形成されている。つまり、スリット34Aは、前後方向後側領域において、前方から後方に向かうにつれて幅広になるように形成されている。傾斜部35aAは、サブコネクタ10Aから保護カバー30Aを取り外す際に、オス端子3Aに接続された電線4Aをスリット34Aに集めるように機能する(図18参照)。
【0057】
カバー本体31Aの上側壁における後端部には、保持状態においてサブコネクタ10Aの被係止部14Aに対応するように、下方(保持室31aA内)に突出する抜止部36Aが設けられている。
【0058】
カバー本体31Aの左右方向両側壁における前後方向略中央には、それぞれ、保持室31aA内に短く突出する一対の規制部37Aが設けられている。規制部37Aは、保持室31aAへのサブコネクタ10Aの過度な挿入(所定位置を越えた入り込み)を規制し、抜止部36Aとともにサブコネクタ10Aを保持している(図14参照)。
【0059】
カバー本体31Aの左右方向両側壁における前端部には、それぞれ、位置決め突起23Aに対応して、後方に窪む位置決め溝38Aが設けられている。
【0060】
保護カバー30Aは、上述したようにサブコネクタ10Aを保持して、サブコネクタ10Aが収容室22Aに収容されるまでオス端子3Aの露出した先端部の外周を覆いオス端子3Aを保護する。即ち、保護カバー30Aは、サブコネクタ10Aに対していわゆるフードのように機能する。
以上、保護カバー30Aについて説明した。
【0061】
次いで、解除治具40Aについて説明する。解除治具40Aは、図17に示すように、厚板状の土台部41Aと、土台部41Aからそれぞれ立設されて互いに左右方向に離間した一対の壁部42Aと、土台部41Aに設けられてフレーム20Aが載置されることになる載置部43Aと、を一体に備えて構成される。
【0062】
一対の壁部42Aは、それぞれ、互いに対向する面(即ち、内面)とは反対側の面(即ち、外面)に、前後方向に延びる複数の解除リブ44Aが上下方向に並設されている。解除リブ44Aは、保護カバー30Aにおける一対の解除突起33Aに対応して、互いに対向する壁部42Aに設けられた各解除リブ44Aと左右方向に対となるように配置されている。
【0063】
各解除リブ44Aの後端部には、前方から後方に向けて左右方向幅が小さくなるようにテーパ状に形成された解除ガイド45Aが設けられている。解除ガイド45Aには、解除突起33Aが摺接することになる。
以上、解除治具40Aについて説明した。
【0064】
以上、取り外し構造1Aを構成する、コネクタ100A、保護カバー30A、及び解除治具40Aについて説明した。次に、フレーム20Aに収容されたサブコネクタ10Aからの保護カバー30Aの取り外し方法、即ちコネクタ100Aの製造方法について説明する。
【0065】
まず、サブコネクタ10Aが保護カバー30Aの後方に位置するようにそれぞれ配置させ、保護カバー30Aの保持室31aAにサブコネクタ10Aを挿入する。
この際、一対の規制部37Aによって、保持室31aAへのサブコネクタ10Aの過度な挿入(所定位置を越えた入り込み)が規制され、保持室31aAに対してサブコネクタ10Aが所定位置まで挿入されると、サブコネクタ10Aの被係止部14Aが保護カバー30Aの抜止部36Aに係止される。これにより、サブコネクタ10Aは、抜止部36A及び一対の規制部37Aによって、保持室31aAへの過度な挿入及び保持室31aAからの脱落が規制されて、保持室31aA内に保持される(図13及び図14参照)。
即ち、上記工程は、本発明の「第一挿入工程」に相当する。
【0066】
その後、複数の電線4Aの端末にそれぞれ接続された複数のオス端子3Aを、複数の端子保持室12Aに後方からそれぞれ収容する。これにより、各オス端子3Aの先端部は、各端子保持室12Aから露出した状態で保持される。この際、保護カバー30Aがフードとして機能して、各オス端子3Aにおける先端部の外周が、保護カバー30Aによって覆われる(図12参照)。
【0067】
次いで、オス端子3Aが収容されたサブコネクタ10Aを保持した保護カバー30Aを、解除治具40Aの載置部43Aに載置されたフレーム20Aの後方に配置し、カバー本体31Aの前端部(本発明の「保持室31aAの軸方向一端側の開口端」に相当)が、フレーム本体21Aの後端部(本発明の「収容室22Aの軸方向他端側の開口端」に相当)に突き当てられて、保持室31aAとフレーム20Aの収容室22Aとが前後方向に連通するように、前後方向に沿って互いに近付ける(図12参照)。
カバー本体31Aの前端部がフレーム本体21Aの後端部に突き当てられると、保護カバー30Aの位置決め溝38Aにフレーム20Aの位置決め突起23Aが挿入されて、フレーム20Aと保護カバー30Aとが位置決めされる(図11参照)。
即ち、上記工程は、本発明の「位置決め工程」に相当する。
【0068】
カバー本体31Aの前端部がフレーム本体21Aの後端部に突き当てられる際、一対の解除リブ44Aの各解除ガイド45Aが、それぞれ、一対の解除突起33A間に進入し、一対の解除突起33Aが一対の解除ガイド45Aに摺接される。
これにより、保護カバー30Aのスリット34Aが左右方向に拡開、即ち一対の壁部35A及び左右方向両側壁が互いに離れるため、一対の規制部37Aが、それぞれ、サブコネクタ10Aの前方から位置ずれする。即ち、保護カバー30Aにおけるサブコネクタ10Aの保持状態が解除される。
【0069】
この状態で、サブコネクタ10Aを保持室31aAから収容室22A(即ち、前方)に向けて押し込むと、サブコネクタ10Aが収容室22Aに挿入される。
この際、サブコネクタ10Aの前端部がフレーム20Aの規制部24Aに突き当たるまで、サブコネクタ10Aは挿入されて、サブコネクタ10Aの前端部が規制部24Aに突き当たると、サブコネクタ10Aの係止突起15Aがフレーム20Aの係止アーム25Aに係止される。これにより、サブコネクタ10Aは、規制部24A及び係止アーム25Aによって、収容室22Aへの過度な挿入及び収容室22Aからの脱落が規制されて、収容室22A内に収容される(図11及び図20参照)。
即ち、上記工程は、本発明の「第二挿入工程」に相当する。
【0070】
そして、保護カバー30Aをフレーム20Aから引き離す。即ち、カバー本体31Aの前端部をフレーム本体21Aの後端部から引き離し、保護カバー30Aをサブコネクタ10A(即ち、コネクタ100A)から取り外す。
即ち、上記工程は、本発明の「取り外し工程」に相当する。
【0071】
その後、保護カバー30Aのスリット34Aから端末にオス端子3Aが接続された電線4Aを引き抜く(図18参照)。この際、一対の傾斜部35aAによって電線4Aがスリット34Aに集められるため、電線4Aの引き抜きが容易になる。
このようにして、保護カバー30Aが電線4Aを含むコネクタ100A、即ちサブコネクタ10Aから取り外されることで、コネクタ100Aが完成される。
【0072】
本実施形態によれば、上述したように、フレーム20A(収容室22A)へのサブコネクタ10Aの収容後に、サブコネクタ10A(即ち、コネクタ100A)から保護カバー30Aが取り外されることで、従来に比べて、コネクタの大型化が抑制される。
以上、フレーム20Aに収容されたサブコネクタ10Aからの保護カバー30Aの取り外し方法、即ちコネクタ100Aの製造方法について説明した。
【0073】
<他の形態>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0074】
ここで、上述した本発明に係る保護カバーの取り外し構造、及び、コネクタの製造方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
【0075】
[1]
少なくとも先端部が露出するようにオス端子(3)を保持するサブコネクタ(10)と、前記サブコネクタ(10)を収容可能な収容室(22)を有するフレーム(20)と、を有するコネクタ(100)と、
筒状に形成されて、筒孔が前記サブコネクタ(10)を保持可能な保持室(31a)として構成され、前記サブコネクタ(10)が前記収容室(22)に収容されるまで前記先端部の外周を覆い保護するとともに、軸方向に延びて前記保持室(31a)と外部とを連通するスリット(34)が周壁に設けられた保護カバー(30)と、
を備えた保護カバー(30)の取り外し構造(1)であって、
前記保護カバー(30)は、
前記保持室(31a)には、前記軸方向との交差方向において前記スリット(34)を挟み込み、前記保護カバー(30)における前記サブコネクタ(10)の保持状態において、前記サブコネクタ(10)の軸方向一端側の端面に当接する一対の規制部(37)が設けられ、
前記保持室(31a)の前記軸方向一端側の開口端を、前記保持室(31a)と前記収容室(22)とが前記軸方向に連通するように前記収容室(22)の軸方向他端側の開口端に突き当てた状態で、前記スリット(34)を拡開することで前記保持状態が解除されて、前記サブコネクタ(10)を前記収容室(22)に収容可能となり、前記収容室(22)への前記サブコネクタ(10)の収容後に、前記保持室(31a)の前記軸方向一端側の開口端を前記収容室(22)の前記軸方向他端側の開口端から引き離すことで、前記保護カバー(30)が前記サブコネクタ(10)から取り外される、
保護カバーの取り外し構造(1)。
【0076】
上記[1]の構成によれば、スリットが拡開することで保持状態が解除されて、サブコネクタをフレームの収容室に収容可能となり、収容室へのサブコネクタの収容後に、保持室の軸方向一端側の開口端を収容室の軸方向他端側の開口端から引き離すことで、保護カバーがサブコネクタから取り外される。
このように、上記構成によれば、フレーム(収容室)へのサブコネクタの収容後に保護カバーが取り外されることで、従来に比べて、コネクタの大型化が抑制される。
【0077】
[2]
少なくとも先端部が露出するようにオス端子(3A)を保持するサブコネクタ(10A)と、前記サブコネクタ(10A)を収容可能な収容室(22A)を有するフレーム(20A)と、を有するコネクタ(100A)と、
筒状に形成されて、筒孔が前記サブコネクタ(10A)を保持可能な保持室(31aA)として構成され、前記サブコネクタ(10A)が前記収容室(22A)に収容されるまで前記先端部の外周を覆い保護するとともに、軸方向に延びて前記保持室(31aA)と外部とを連通するスリット(34A)が周壁に設けられた保護カバー(30A)と、
前記フレーム(20A)が載置されて、前記保護カバー(30A)における前記サブコネクタ(10A)の保持状態を解除可能な解除治具(40A)と、
を備えた保護カバー(30A)の取り外し構造(1A)であって、
前記保護カバー(30A)は、
前記軸方向との交差方向において前記スリット(34A)を挟み込む一対の解除突起(33A)を有し、
前記解除治具(40A)は、
前記保持室(31aA)の軸方向一端側の開口端が、前記保持室(31aA)と前記収容室(22A)とが前記軸方向に連通するように前記収容室(22A)の軸方向他端側の開口端に突き当てられると、前記スリット(34A)が拡開されるように前記一対の解除突起(33A)とそれぞれ接触する一対の解除ガイド(45A)を有し、
当該保護カバーの取り外し構造(1A)は、
前記スリット(34A)が拡開することで前記保持状態が解除されて、前記サブコネクタ(10A)を前記収容室(22A)に収容可能となり、前記収容室(22A)への前記サブコネクタ(10A)の収容後に、前記保持室(31aA)の前記軸方向一端側の開口端を前記収容室(22A)の前記軸方向他端側の開口端から引き離すことで、前記保護カバー(30A)が前記サブコネクタ(10A)から取り外される、
保護カバーの取り外し構造(1A)。
【0078】
上記[2]の構成によれば、保護カバーの保持室の軸方向一端側の開口端が、保持室とフレームの収容室とが軸方向に連通するように収容室の軸方向他端側の開口端に突き当てられると、解除治具の一対の解除ガイドが保護カバーの一対の解除突起とそれぞれ接触して保護カバーのスリットが拡開される。そして、スリットが拡開することで保護カバーにおけるサブコネクタの保持状態が解除されて、サブコネクタを収容室に収容可能となり、収容室へのサブコネクタの収容後に、保持室の軸方向一端側の開口端を収容室の軸方向他端側の開口端から引き離すことで、保護カバーがサブコネクタから取り外される。
このように、上記構成によれば、フレーム(収容室)へのサブコネクタの収容後に保護カバーが取り外されることで、従来に比べて、コネクタの大型化が抑制される。
【0079】
[3]
上記[2]に記載の保護カバーの取り外し構造(1A)であって、
前記保持室(31aA)には、前記交差方向において前記スリット(34A)を挟み込み、前記保持状態において、前記サブコネクタ(10A)の前記軸方向一端側の端面に当接する一対の規制部(37A)と、前記軸方向他端側に配置されて、前記保持状態において、前記サブコネクタ(10A)の前記軸方向他端側の端面と当接する抜止部(36A)と、が設けられる、
保護カバーの取り外し構造(1A)。
【0080】
上記[3]の構成によれば、簡素な構造でサブコネクタを保持室内に保持できる。
【0081】
[4]
少なくとも先端部が露出するようにオス端子(3)を保持するサブコネクタ(10)と、前記サブコネクタ(10)を収容可能な収容室(22)を有するフレーム(20)と、を有するコネクタ(100)と、
筒状に形成されて、筒孔が前記サブコネクタ(10)を保持可能な保持室(31a)として構成され、前記サブコネクタ(10)が前記収容室(22)に収容されるまで前記先端部の外周を覆い保護するとともに、軸方向に延びて前記保持室(31a)と外部とを連通するスリット(34)が周壁に設けられた保護カバー(30)と、を備え、
前記保護カバー(30)は、
前記保持室(31a)には、前記軸方向との交差方向において前記スリット(34)を挟み込み、前記保護カバー(30)における前記サブコネクタ(10)の保持状態において、前記サブコネクタ(10)の軸方向一端側の端面に当接する一対の規制部(37)が設けられ、
前記サブコネクタ(10)を、前記保持室(31a)に挿入して前記保護カバー(30)に保持させる第一挿入工程と、
前記保持室(31a)の前記軸方向一端側の開口端を、前記保持室(31a)と前記収容室(22)とが前記軸方向に連通するように前記収容室(22)の軸方向他端側の前記軸方向他端側の開口端に突き当てる位置決め工程と、
前記サブコネクタ(10)を、前記保持室(31a)から前記収容室(22)に向けて挿入して前記スリットを拡開させることで前記収容室(22)に収容する第二挿入工程と、
前記保持室(31a)の前記軸方向一端側の開口端を前記収容室(22)の前記軸方向他端側の開口端から引き離し、前記保護カバー(30)を前記サブコネクタ(10)から取り外す保護カバー(30)の取り外し工程と、を含む、
コネクタの製造方法。
【0082】
上記[4]の構成によれば、フレーム(収容室)へのサブコネクタの収容後に保護カバーが取り外されることで、従来に比べて、コネクタの大型化が抑制される。
【0083】
[5]
少なくとも先端部が露出するようにオス端子(3A)を保持するサブコネクタ(10A)と、前記サブコネクタ(10A)を収容可能な収容室(22A)を有するフレーム(20A)と、を有するコネクタ(100A)の製造方法であって、
筒状に形成されて、筒孔が前記サブコネクタ(10A)を保持可能な保持室(31aA)として構成され、前記サブコネクタ(10A)が前記収容室(22A)に収容されるまで前記先端部の外周を覆い保護するとともに、軸方向に延びて前記保持室(31aA)と外部とを連通するスリット(34A)が周壁に設けられた保護カバー(30A)と、
前記フレーム(20A)が載置されて、前記保護カバー(30A)における前記サブコネクタ(10A)の保持状態を解除可能な解除治具(40A)と、を備え、
前記保護カバー(30A)は、
前記軸方向との交差方向において前記スリット(34A)を挟み込む一対の解除突起(33A)を有し、
前記解除治具(40A)は、
前記保持室(31aA)の軸方向一端側の開口端が、前記保持室(31aA)と前記収容室(22A)とが前記軸方向に連通するように前記収容室(22A)の軸方向他端側の開口端に突き当てられると、前記スリット(34A)が拡開されるように前記一対の解除突起(33A)とそれぞれ接触する一対の解除ガイド(45A)を有し、
前記サブコネクタ(10A)を、前記保持室(31aA)に挿入して前記保護カバー(30A)に保持させる第一挿入工程と、
前記保持室(31aA)の前記軸方向一端側の開口端を、前記保持室(31aA)と前記収容室(22A)とが前記軸方向に連通するように前記収容室(22A)の前記軸方向他端側の前記軸方向他端側の開口端に突き当てる位置決め工程と、
前記サブコネクタ(10A)を、前記保持室(31aA)から前記収容室(22A)に向けて挿入して前記収容室(22A)に収容する第二挿入工程と、
前記保持室(31aA)の前記軸方向一端側の開口端を前記収容室(22A)の前記軸方向他端側の開口端から引き離し、前記保護カバー(30A)を前記サブコネクタ(10A)から取り外す保護カバー(30A)の取り外し工程と、を含む、
コネクタの製造方法。
【0084】
上記[5]の構成によれば、フレーム(収容室)へのサブコネクタの収容後に保護カバーが取り外されることで、従来に比べて、コネクタの大型化が抑制される。
【符号の説明】
【0085】
1,1A 取り外し構造
3,3A オス端子
4,4A 電線
10,10A サブコネクタ
11,11A ハウジング本体
12,12A 端子保持室
13,13A 凹部
14,14A 被係止部
15,15A 係止突起
20,20A フレーム
21,21A フレーム本体
22,22A 収容室
23,23A 位置決め突起
24,24A 規制部
25,25A 係止アーム
30,30A 保護カバー
31,31A カバー本体
31a,31aA 保持室
32A フランジ部
33A 解除突起
34,34A スリット
35,35A 壁部
35a,35aA 傾斜部
36,36A 抜止部
37,37A 規制部
37a 傾斜面
38,38A 溝
40A 解除治具
41A 土台部
42A 壁部
43A 載置部
44A 解除リブ
45A 解除ガイド
100,100A コネクタ
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