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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153413
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】作業用車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/14 20060101AFI20241022BHJP
   B60R 16/03 20060101ALI20241022BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241022BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H02J7/14 A
B60R16/03 S
H02J7/00 B
H02M3/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067295
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000215822
【氏名又は名称】帝国繊維株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130199
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 充弘
(72)【発明者】
【氏名】多田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 光彦
【テーマコード(参考)】
5G060
5G503
5H730
【Fターム(参考)】
5G060DB08
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503GB03
5H730AS01
5H730AS17
5H730CC01
5H730EE59
5H730FD31
(57)【要約】
【課題】車載のオルタネータの出力電圧に制限されずに架装バッテリの能力を十分に発揮させ、架装バッテリの選定の自由度を高めることが可能な作業用車両を提供する。
【解決手段】オルタネータ14と、架装バッテリ17と、オルタネータ14から出力される電圧を変換して架装バッテリ17に充電用電力を供給するバッテリ充電用DC-DCコンバータ21と、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21と架装バッテリ17とを接続する第2電力供給ライン19bに設けられる電流測定部23と、を備える。また、作業用車両1は、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21の出力電圧を設定する出力電圧設定部50を備える。出力電圧設定部50は、電流測定部23により測定された電流値が所定範囲内(下限電流値以上かつ上限電流値未満)に収まるように、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21の出力電圧を変換する制御を行うように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルタネータと、架装バッテリと、前記オルタネータから出力される電圧を変換して前記架装バッテリに充電用電力を供給するDC-DCコンバータと、前記DC-DCコンバータと前記架装バッテリとを接続する電力供給路に設けられる電流測定部と、を備えた作業用車両であって、
前記DC-DCコンバータの出力電圧を設定する出力電圧設定部を備え、
前記出力電圧設定部は、前記電流測定部により測定された電流値が所定範囲内に収まるように、前記DC-DCコンバータの出力電圧を変換する制御を行うように構成した、
ことを特徴とする作業用車両。
【請求項2】
前記出力電圧設定部は、複数種類の抵抗値を設定可能な抵抗回路部と、前記抵抗回路部の抵抗値を切り替えるための切替回路部と、前記切替回路部を制御する制御部とを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の作業用車両。
【請求項3】
前記制御部は、前記電流測定部で測定される電流値が下限電流値未満となった場合に前記抵抗回路部の抵抗値について1段階小さくなるように切り替える一方、前記電流測定部で測定される電流値が上限電流値以上となった場合に前記抵抗回路部の抵抗値について1段階大きくなるように切り替えるように構成した、
ことを特徴とする請求項2に記載の作業用車両。
【請求項4】
前記制御部は、所定時間毎に、前記電流測定部で測定される電流値に基づく前記抵抗回路部の抵抗値の切替制御を行うように構成した、
ことを特徴とする請求項3に記載の作業用車両。
【請求項5】
前記オルタネータは、走行用エンジンの動力によって駆動されるとともに走行関連電気機器に電力を供給するために設けられた第1オルタネータと、前記走行用エンジンの動力を取り出す動力取出装置によって駆動される第2オルタネータと、を備えている、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の作業用車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業用車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災や災害時において、消防活動や救助活動を円滑に支援するための作業用車両が用いられている。作業用車両としては、クレーン装置やウインチ装置等の油圧作業装置と、投光器と、活動支援のための必要な機材を収納するための収納庫とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
作業用車両には、投光器の他に、走行や作業のために使用される各種の車載電気機器が搭載されている。従来の作業用車両には、作業関連の車載電気機器への電力供給が、架装物として搭載された架装バッテリから行われるものがあった。この架装バッテリは、バッテリ残量を維持するために、オルタネータの発電電力によって充電されていた。オルタネータは、走行用エンジンの動力がオルタネータベルトを介して伝達されることによって駆動される。このオルタネータは、シャシメーカーによって設けられる。シャシメーカーは、走行関連電気機器に電力を供給するために補機用バッテリを設ける。オルタネータは、本来、この補機用バッテリを充電するためのものである。
【0004】
補機用バッテリは、一般的にDC24Vのものが使用されている。オルタネータは、この補機用バッテリを100%充電するために必要十分な能力を有するものが使用されている。具体的には、従来のオルタネータの出力電圧は、DC24Vより少し大きい程度のものが使用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-008146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の作業用車両のオルタネータを架装バッテリの充電に利用しようとした場合、当該オルタネータの出力電圧に架装バッテリの充電能力が制限される。そのため、架装バッテリの出力電圧がオルタネータの出力電圧よりも高い場合には、架装バッテリを100%充電させることが難しかった。これにより、能力を十分に発揮させることが可能な架装バッテリを自由に選定することが困難という問題点があった。
【0007】
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、その目的は、車載のオルタネータの出力電圧に制限されずに架装バッテリの能力を十分に発揮させ、架装バッテリの選定の自由度を高めることが可能な作業用車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために本明細書に開示する発明は、以下のように構成されている。すなわち、第1の発明は、オルタネータと、架装バッテリと、前記オルタネータから出力される電圧を変換して前記架装バッテリに充電用電力を供給するDC-DCコンバータと、前記DC-DCコンバータと前記架装バッテリとを接続する電力供給路に設けられる電流測定部と、を備えた作業用車両であって、前記DC-DCコンバータの出力電圧を設定する出力電圧設定部を備え、前記出力電圧設定部は、前記電流測定部により測定された電流値が所定範囲内に収まるように、前記DC-DCコンバータの出力電圧を変換する制御を行うように構成した、ことを特徴とする。
【0009】
第1の発明によれば、オルタネータの出力電圧を、架装バッテリを100%充電するために適切な電圧に変換することができる。また、出力電圧設定部が、架装バッテリに入力される電流を所定範囲内に調整することができる。これにより、架装バッテリの充電の際、架装バッテリには、適切な電圧値と電流値でオルタネータから電力が供給される。これにより、オルタネータの出力電圧よりも架装バッテリの出力電圧が高い場合であっても、100%までの架装バッテリの充電を途切れることなく安定して行うことができる。その結果、車載のオルタネータの出力電圧に制限されずに架装バッテリの能力を十分に発揮させ、架装バッテリの選定の自由度を高めることが可能な作業用車両にできる。
【0010】
第2の発明では、第1の発明において、前記出力電圧設定部は、複数種類の抵抗値を設定可能な抵抗回路部と、前記抵抗回路部の抵抗値を切り替えるための切替回路部と、前記切替回路部を制御する制御部とを有する。
【0011】
第2の発明によれば、制御部が、電流測定部により測定された電流値に基づいて、DC-DCコンバータの出力電圧を多段階に切り替えることができる。これにより、架装バッテリの充電の際、架装バッテリのバッテリ残量の変化に対応して、適切な電圧値と電流値でオルタネータから架装バッテリへ電力を供給することができる。
【0012】
第3の発明では、第2の発明において、前記制御部は、前記電流測定部で測定される電流値が下限電流値未満となった場合に前記抵抗回路部の抵抗値について1段階小さくなるように切り替える一方、前記電流測定部で測定される電流値が上限電流値以上となった場合に前記抵抗回路部の抵抗値について1段階大きくなるように切り替えるように構成した。
【0013】
第3の発明によれば、制御部が、電流測定部により測定された電流値に基づいて、架装バッテリに入力される電流を所定範囲内に調整することができる。これにより、人手を介さずに、自動的な電流調整が可能となるので、架装バッテリの充電途中で入力電流値が架装バッテリの許容範囲をオーバーして架装バッテリが強制的に充電を受け付けなくなるというような問題を確実に防ぐことができる。
【0014】
第4の発明では、第3の発明において、前記制御部は、所定時間毎に、前記電流測定部で測定される電流値に基づく前記抵抗回路部の抵抗値の切替制御を行うように構成した。
【0015】
第4の発明によれば、架装バッテリの充電速度に合わせた適切な時間間隔で、制御部が抵抗回路部の抵抗値の切替制御を行うことができる。これにより、制御部の負荷を必要十分な量に調整することができるので、制御部がマルチタスクによる他の機器の制御について余裕をもって行うことができる。
【0016】
第5の発明では、第1~第4のいずれか1つの発明において、前記オルタネータは、走行用エンジンの動力によって駆動されるとともに走行関連電気機器に電力を供給するために設けられた第1オルタネータと、前記走行用エンジンの動力を取り出す動力取出装置によって駆動される第2オルタネータと、を備えている。
【0017】
第5の発明によれば、シャシメーカーによって設けられた第1オルタネータに加えて、架装物として第2オルタネータを設け、動力取出装置により駆動させることで、オルタネータの発電量を増大させることができる。これにより、オルタネータで発電された電力について、架装バッテリを充電するだけでなく、同時に他の作業関連の車載電気機器に使用することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る作業用車両によれば、車載のオルタネータの出力電圧に制限されずに架装バッテリの能力を十分に発揮させ、架装バッテリの選定の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る作業用車両の側面図である。
図2】本実施形態に係る作業用車両の電気・油圧概略回路図である。
図3】本実施形態に係る作業用車両の出力電圧設定部およびその周辺部を示す電気回路図である。
図4】本実施形態に係る作業用車両の出力電圧設定部の制御を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る作業用車両1の側面図である。図1において、本実施形態の作業用車両1は、車両前部に設けられたキャブ2と、キャブ2の後方に設けられ、活動支援に必要な資機材を収納するための収納庫3と、クレーン等の油圧作業装置15と、収納庫3の上部に設けられた投光器4と、を備えている。
【0022】
キャブ2は例えばダブルキャブとなっており、前列には運転席が設けられ、後列には複数の隊員が座る後部座席が設けられている(図示省略)。キャブ2内の後部座席の上方には、隊員の快適性を向上させるためのエアコン6aが設けられている。運転席および後部座席の床下には、走行用エンジン8と、走行用エンジン8の動力によって駆動されるシャシ付属の第1オルタネータ14aと、走行用エンジン8の後端に連設されるクラッチ・トランスミッション部9とが設けられている。第1オルタネータ14aは、オルタネータベルト13によって走行用エンジン8から動力が伝達されるように構成されている。第1オルタネータ14aは、例えばDC28.5Vの出力を行う。
【0023】
クラッチ・トランスミッション部9には、走行用エンジン8の動力を取り出すための動力取出装置11が設けられている。動力取出装置11の動力取出口には、PTOシャフト12の一端部が連結されている。PTOシャフト12の他端部には、第2オルタネータ14bが連結されている。本実施形態の作業用車両1は、このように、第1オルタネータ14aと第2オルタネータ14bの2個のオルタネータ14を備えている。第1オルタネータ14aは、走行用エンジン8の動力によって駆動されるとともに走行関連電気機器5に電力を供給するためにシャシメーカーによって設けられたものである。また、第2オルタネータ14bは、架装メーカーによって設けられ、走行用エンジン8の動力を取り出す動力取出装置11よって駆動されるものである。第2オルタネータ14bは、例えば、DC28.5Vの出力を行う。
【0024】
収納庫3の下部には、補機用バッテリ16と架装バッテリ17とが設けられている。補機用バッテリ16は、出力電圧がDC24Vの鉛バッテリからなり、投光器4、走行関連電気機器5および第1架装電気機器6に電力を供給する。走行関連電気機器5としては、キャブ2に設けられたヘッドライト5a等がある。また、第1架装電気機器6としては、上記エアコン6aや、収納庫3の側面に設けられた赤色灯6b等がある。また、架装バッテリ17には、リチウムイオンバッテリが採用されている。リチウムイオンバッテリは、補機用バッテリ16に使用される鉛バッテリと比較して大容量であり、その容量と比較して軽量かつコンパクトとなっている。架装バッテリ17は、例えば出力電圧がDC28.9Vのものである。
【0025】
図2は、本実施形態に係る作業用車両1の電気・油圧概略回路図である。図2に示すように、作業用車両1は、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21と、電流測定部23と、出力電圧設定部50とを備えている。バッテリ充電用DC-DCコンバータ21は、第1オルタネータ14aと第1電力供給ライン19aによって接続されている。また、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21は、架装バッテリ17と第2電力供給ライン19bによって接続されている。バッテリ充電用DC-DCコンバータ21は、第1電力供給ライン19aおよび第2電力供給ライン19bを通じて、第1オルタネータ14aから出力される電圧を変換して架装バッテリ17に充電用電力を供給する。
【0026】
第1電力供給ライン19aの途中部からは第3電力供給ライン19cが分岐されている。第3電力供給ライン19cは、走行関連電気機器5に接続されている。また、第1電力供給ライン19aの途中部からは、第4電力供給ライン19dが分岐されている。第4電力供給ライン19dは、第1架装電気機器6に接続されている。また、第1電力供給ライン19aの途中部には、補機用バッテリ16が接続されている。補機用バッテリ16は、第1オルタネータ14aで発電された電力によって充電されるとともに、走行関連電気機器5および第1架装電気機器6に電力を供給する。
【0027】
また、第1電力供給ライン19aの途中部には、第2オルタネータ14bから延びた第5電力供給ライン19eが接続されている。これにより、第1オルタネータ14aで発電された電力および第2オルタネータ14bで発電された電力がバッテリ充電用DC-DCコンバータ21を通じて架装バッテリ17に供給されるように構成されている。
【0028】
また、第2電力供給ライン19bの途中部には、電流測定部23および第1整流器22が設けられている。電流測定部23は、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21と第1整流器22との間の位置に設けられている。電流測定部23は、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21から架装バッテリ17の充電用端子へ流れる電流値を測定するために設けられている。
【0029】
ここで、本実施形態の出力電圧設定部50は、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21に接続されている。出力電圧設定部50は、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21の出力電圧を設定するために設けられている。出力電圧設定部50は、電流測定部23により測定された電流値が所定範囲内に収まるように、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21の出力電圧を変換する制御を行う。
【0030】
架装バッテリ17には、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21および出力電圧設定部50によって電圧値および電流値が調整された電力が、第2電力供給ライン19bを通じて供給される。この第2電力供給ライン19bの途中部には、第6電力供給ライン19fが接続されている。第6電力供給ライン19fは外部電源に接続される。これにより、外部電源の電力を架装バッテリ17に供給することが可能となっている。第6電力供給ライン19fの途中部には、第2整流器25が設けられている。また、第6電力供給ライン19fは、第2電力供給ライン19bのうち、第1整流器22と架装バッテリ17との間に接続されている。これにより、第1整流器22および第2整流器25は、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21から架装バッテリ17へ供給される電力と外部電源から架装バッテリ17へ供給される電力とが逆流しないようにするための機能を有する。
【0031】
架装バッテリ17は、第7電力供給ライン19gを通じて第2架装電気機器7と接続されている。第2架装電気機器7は、例えば、AC100Vで動作する作業用の車載電気機器である。架装バッテリ17の直流を交流に変換するため、第7電力供給ライン19gの途中部には、DC-ACインバータ24が設けられている。
【0032】
本実施形態の投光器4は、例えば、LED光源であってAC100Vで駆動するものが使用される。投光器4は、架装バッテリ17から電力が供給されるのではなく、第1オルタネータ14aおよび第2オルタネータ14bで発電された電力が直接供給されるようになっている。具体的には、第1電力供給ライン19aの途中部に第8電力供給ライン19hの一端が接続され、この第8電力供給ライン19hの他端が投光器4に接続されている。第8電力供給ライン19h上には、上記バッテリ充電用DC-DCコンバータ21が存在しない。一方、第8電力供給ライン19hの途中部には、第1DC-DCコンバータ26および第3整流器27と、第2DC-DCコンバータ28および第4整流器29と、第3DC-DCコンバータ30および第5整流器31とが、並列に接続されている。これにより、投光器4には、第1オルタネータ14aおよび第2オルタネータ14bの出力電圧が昇圧されて電力供給が行われる。
【0033】
図3は、本実施形態に係る作業用車両1の出力電圧設定部50およびその周辺部を示す電気回路図である。図3に示すように、出力電圧設定部50は、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21と第1通電ライン50a、第2通電ライン50bおよび第3通電ライン50cで接続されている。出力電圧設定部50は、複数種類の抵抗値を設定可能な抵抗回路部51と、抵抗回路部51の抵抗値を切り替えるための切替回路部52と、切替回路部52を制御する制御部53とを有している。抵抗回路部51は、第1抵抗器51a、第2抵抗器51b、第3抵抗器51c、第4抵抗器51d、第5抵抗器51e、および、第6抵抗器51fを有している。
【0034】
それぞれの抵抗器51a~51fには、それぞれ固有の抵抗値が与えられている。そして、第1抵抗器51aから順に抵抗値が小さくなり、第6抵抗器51fが最も抵抗値が小さくなるように設定されている。例えば、第1抵抗器51aは550Ω、第2抵抗器51bは500Ω、第3抵抗器51cは450Ω、第4抵抗器51dは400Ω、第5抵抗器51eは350Ω、第6抵抗器51fは0Ωというように、6段階の抵抗値が設定される。これら6段階の抵抗値は等間隔に設定してもいし、等間隔に設定しなくてもよい、本実施形態では、第1抵抗器51aから第5抵抗器51eまでは、50Ωの等間隔で段階的に抵抗値が設定されているが、第5抵抗器51eと第6抵抗器51fとの間の抵抗値の差は350Ωと設定されている。第5抵抗器51eと第6抵抗器51fとの間の抵抗値の差のみ、他よりも大きくなっている。
【0035】
切替回路部52は、第1抵抗器51aへの通電をオンオフするための第1切替スイッチ52aと、第2抵抗器51bへの通電をオンオフするための第2切替スイッチ52bと、第3抵抗器51cへの通電をオンオフするための第3切替スイッチ52cと、第4抵抗器51dへの通電をオンオフするための第4切替スイッチ52dと、第5抵抗器51eへの通電をオンオフするための第5切替スイッチ52eと、第6抵抗器51fへの通電をオンオフするための第6切替スイッチ52fとを有している。
【0036】
制御部53は、6個の切替スイッチ52a~52fのオンオフを切替制御する。制御部53は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)から構成されている。本実施形態の制御部53は、6個の切替スイッチ52a~52fの切替制御を専門に行うものではなく、車載されている第1架装電気機器6や油圧作業装置15の稼働制御も行うことが可能となっている。制御部53には、図示省略するが、例えば、動力取出装置11のオンオフ切替スイッチ、油圧作業装置15の油圧切替スイッチ、走行用エンジン8のエンジン回転設定部、油圧作業装置15のアクチュエータの動作制御のためのソレノイドバルブ等が電気的に接続されている。
【0037】
制御部53は、電流測定部23と信号線で接続されている。制御部53は、電流測定部23より第2電力供給ライン19bの電流値の情報を受信する。制御部53は、電流測定部23で測定される電流値が下限電流値未満となった場合に抵抗回路部51の抵抗値について1段階小さくなるように切り替える。また、制御部53は、電流測定部23で測定される電流値が上限電流値以上となった場合に抵抗回路部51の抵抗値について1段階大きくなるように切り替える。本実施形態では、下限電流値が20Aとなるように設定されている。また、上限電流値が30Aとなるように設定されている。つまり、制御部53は、下限電流値の20Aと上限電流値の30Aとの間に第2電力供給ライン19bの電流値が収まるように、抵抗回路部51の抵抗値を切替制御する。バッテリ充電用DC-DCコンバータ21には、抵抗回路部51の抵抗値の変化に基づく情報が、通電ライン50a~50cを通じて入力される。バッテリ充電用DC-DCコンバータ21は、その情報に基づいて出力電圧を変換する。
【0038】
制御部53は、計時部53aを有している。制御部53は、計時部53aを使用し、所定時間毎に、電流測定部23で測定される電流値に基づく抵抗回路部51の抵抗値の切替制御を行う。例えば、所定時間は5秒に設定される。制御部53は、抵抗回路部51の抵抗値の切替制御を行った後、次の5秒が経過するまでに、マルチタスクで他の機器の制御を行うことが可能となっている。
【0039】
次に、上記構成の作業用車両1について、出力電圧設定部50の制御について説明する。図4は、本実施形態に係る作業用車両1の出力電圧設定部50の制御を説明するためのフロー図である。
【0040】
まず、ステップS01において、制御部53は、第1オルタネータ14aまたは第2オルタネータ14bが稼働しているかどうかを判定する。第1オルタネータ14aまたは第2オルタネータ14bが稼働していると判定された場合(ステップS01でYES)は、ステップS02へ進む。第1オルタネータ14aまたは第2オルタネータ14bが稼働していないと判定された場合(ステップS01でNO)は、待機する。
【0041】
ステップS02において、制御部53は、計時部53aを使用して所定時間が経過したかどうかを判定する。所定時間が経過したと判定された場合(ステップS02でYES)は、ステップS03へ進む。所定時間が経過していないと判定された場合(ステップS02でNO)は、待機する。
【0042】
ステップS03において、制御部53は、電流測定部23で測定される電流値が下限電流値以上かどうかを判定する。例えば、制御部53は、電流測定部23で測定される電流値が20A以上かどうかを判定する。電流値が下限電流値以上であると判定された場合(ステップS03でYES)は、ステップS04へ進む。電流値が下限電流値未満であると判定された場合(ステップS03でNO)は、ステップS05へ進む。
【0043】
架装バッテリ17は、充電中にバッテリ残量が増加するにしたがって、充電に最低限必要とされる電圧が高くなっていく。バッテリ充電用DC-DCコンバータ21から架装バッテリ17に供給される充電用電力の電圧が一定のままで架装バッテリ17のバッテリ残量が増加していくと、次第に架装バッテリ17に供給される充電用電力の電圧と架装バッテリ17の充電に最低限必要とされる電圧との差が小さくなっていく。それにしたがって、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21から架装バッテリ17へ電流が流れにくくなっていく。そのため、架装バッテリ17の充電中に電流測定部23で測定される電流値が下限電流値未満になる。電流測定部23で測定される電流値が下限電流値未満になると、充電効率が悪くなる。充電効率を上げるためには、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21の出力電圧を高くして、架装バッテリ17の充電に最低限必要とされる電圧との差を大きくして、電流を流しやすくすればよい。
【0044】
ステップS05において、制御部53は、現在の抵抗値が第1抵抗器51aの抵抗値(本実施形態では550Ω)に設定されているかどうかを判定する。現在の抵抗値が第1抵抗器51aの抵抗値に設定されていると判定された場合(ステップS05でYES)は、ステップS06へ進む。現在の抵抗値が第1抵抗器51aの抵抗値に設定されていないと判定された場合(ステップS05でNO)は、ステップS07へ進む。
【0045】
ステップS06において、制御部53は、第2抵抗器51bの抵抗値(本実施形態では500Ω)に抵抗値を設定する。その後、ステップS26へ進む。
【0046】
ステップS07において、制御部53は、現在の抵抗値が第2抵抗器51bの抵抗値(本実施形態では500Ω)に設定されているかどうかを判定する。現在の抵抗値が第2抵抗器51bの抵抗値に設定されていると判定された場合(ステップS07でYES)は、ステップS08へ進む。現在の抵抗値が第2抵抗器51bの抵抗値に設定されていないと判定された場合(ステップS07でNO)は、ステップS09へ進む。
【0047】
ステップS08において、制御部53は、第3抵抗器51cの抵抗値(本実施形態では450Ω)に抵抗値を設定する。その後、ステップS26へ進む。
【0048】
ステップS09において、制御部53は、現在の抵抗値が第3抵抗器51cの抵抗値(本実施形態では450Ω)に設定されているかどうかを判定する。現在の抵抗値が第3抵抗器51cの抵抗値に設定されていると判定された場合(ステップS09でYES)は、ステップS10へ進む。現在の抵抗値が第3抵抗器51cの抵抗値に設定されていないと判定された場合(ステップS09でNO)は、ステップS11へ進む。
【0049】
ステップS10において、制御部53は、第4抵抗器51dの抵抗値(本実施形態では400Ω)に抵抗値を設定する。その後、ステップS26へ進む。
【0050】
ステップS11において、制御部53は、現在の抵抗値が第4抵抗器51dの抵抗値(本実施形態では400Ω)に設定されているかどうかを判定する。現在の抵抗値が第4抵抗器51dの抵抗値に設定されていると判定された場合(ステップS11でYES)は、ステップS12へ進む。現在の抵抗値が第4抵抗器51dの抵抗値に設定されていないと判定された場合(ステップS11でNO)は、ステップS13へ進む。
【0051】
ステップS12において、制御部53は、第5抵抗器51eの抵抗値(本実施形態では350Ω)に抵抗値を設定する。その後、ステップS26へ進む。
【0052】
ステップS13において、制御部53は、現在の抵抗値が第5抵抗器51eの抵抗値(本実施形態では350Ω)に設定されているかどうかを判定する。現在の抵抗値が第5抵抗器51eの抵抗値に設定されていると判定された場合(ステップS13でYES)は、ステップS14へ進む。現在の抵抗値が第5抵抗器51eの抵抗値に設定されていないと判定された場合(ステップS13でNO)は、ステップS26へ進む。この場合、現在の抵抗値は第6抵抗器51fの抵抗値(本実施形態では0Ω)に設定されており、架装バッテリ17は満充電に近づいていると考えられる。
【0053】
ステップS14において、制御部53は、第6抵抗器51fの抵抗値(本実施形態では0Ω)に抵抗値を設定する。その後、ステップS26へ進む。
【0054】
ステップS04において、制御部53は、電流測定部23で測定される電流値が上限電流値以上かどうかを判定する。例えば、制御部53は、電流測定部23で測定される電流値が30A以上かどうかを判定する。電流値が上限電流値以上であると判定された場合(ステップS04でYES)は、ステップS15へ進む。架装バッテリ17に供給される充電用電力の電圧と架装バッテリ17の充電に最低限必要とされる電圧との差が大きい場合、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21から架装バッテリ17へ電流が流れやすくなり、上限電流値以上になることがある。充電用DC-DCコンバータ21から架装バッテリ17へ電流が流れすぎると、架装バッテリ17の保護機能が働き、架装バッテリ17に充電できなくなる事態が生じ得る。したがって、電流測定部23で測定される電流値が上限電流値以上になる場合には、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21の出力電圧を低くして、架装バッテリ17の充電に最低限必要とされる電圧との差を小さくし、電流を流しにくくすればよい。
【0055】
ステップS04において、制御部53により電流値が上限電流値未満であると判定された場合(ステップS04でNO)は、ステップS02へ戻る。この場合は、架装バッテリ17は、適切な電流値の範囲(下限電流値以上かつ上限電流値未満)で充電が行われていることとなる。したがって、この場合、制御部53は、抵抗値の設定変更(バッテリ充電用DC-DCコンバータ21の出力電圧の変換)を行う必要がない。
【0056】
ステップS15において、制御部53は、現在の抵抗値が第6抵抗器51fの抵抗値(本実施形態では0Ω)に設定されているかどうかを判定する。現在の抵抗値が第6抵抗器51fの抵抗値に設定されていると判定された場合(ステップS15でYES)は、ステップS16へ進む。現在の抵抗値が第6抵抗器51fの抵抗値に設定されていないと判定された場合(ステップS15でNO)は、ステップS17へ進む。
【0057】
ステップS16において、制御部53は、第5抵抗器51eの抵抗値(本実施形態では350Ω)に抵抗値を設定する。その後、ステップS26へ進む。
【0058】
ステップS17において、制御部53は、現在の抵抗値が第5抵抗器51eの抵抗値(本実施形態では350Ω)に設定されているかどうかを判定する。現在の抵抗値が第5抵抗器51eの抵抗値に設定されていると判定された場合(ステップS17でYES)は、ステップS18へ進む。現在の抵抗値が第5抵抗器51eの抵抗値に設定されていないと判定された場合(ステップS17でNO)は、ステップS19へ進む。
【0059】
ステップS18において、制御部53は、第4抵抗器51dの抵抗値(本実施形態では400Ω)に抵抗値を設定する。その後、ステップS26へ進む。
【0060】
ステップS19において、制御部53は、現在の抵抗値が第4抵抗器51dの抵抗値(本実施形態では400Ω)に設定されているかどうかを判定する。現在の抵抗値が第4抵抗器51dの抵抗値に設定されていると判定された場合(ステップS19でYES)は、ステップS20へ進む。現在の抵抗値が第4抵抗器51dの抵抗値に設定されていないと判定された場合(ステップS19でNO)は、ステップS21へ進む。
【0061】
ステップS20において、制御部53は、第3抵抗器51cの抵抗値(本実施形態では450Ω)に抵抗値を設定する。その後、ステップS26へ進む。
【0062】
ステップS21において、制御部53は、現在の抵抗値が第3抵抗器51cの抵抗値(本実施形態では450Ω)に設定されているかどうかを判定する。現在の抵抗値が第3抵抗器51cの抵抗値に設定されていると判定された場合(ステップS21でYES)は、ステップS22へ進む。現在の抵抗値が第3抵抗器51cの抵抗値に設定されていないと判定された場合(ステップS21でNO)は、ステップS23へ進む。
【0063】
ステップS22において、制御部53は、第2抵抗器51bの抵抗値(本実施形態では500Ω)に抵抗値を設定する。その後、ステップS26へ進む。
【0064】
ステップS23において、制御部53は、現在の抵抗値が第2抵抗器51bの抵抗値(本実施形態では500Ω)に設定されているかどうかを判定する。現在の抵抗値が第2抵抗器51bの抵抗値に設定されていると判定された場合(ステップS23でYES)は、ステップS24へ進む。現在の抵抗値が第2抵抗器51bの抵抗値に設定されていないと判定された場合(ステップS23でNO)は、ステップS25へ進む。
【0065】
ステップS24において、制御部53は、第1抵抗器51aの抵抗値(本実施形態では550Ω)に抵抗値を設定する。その後、ステップS26へ進む。
【0066】
ステップS25に進む場合、現在の抵抗値は第1抵抗器51aの抵抗値(本実施形態では550Ω)に設定されていることになる。第1抵抗器51aに設定した場合、抵抗値は最大となり、この条件では電流値が上限電流値を超えないように設計されている。それにもかかわらず電流値が上限電流値を超えるということは何等かの異常が生じていることとなる。そこで、ステップS25では、制御部53は、架装バッテリ17への充電を停止し、ルーチンを終了する。これにより、架装バッテリ17に悪影響を与えることを抑制する。
【0067】
ステップS26では、制御部53は、第1オルタネータ14aおよび第2オルタネータ14bが稼働を停止しているかどうかを判定する。第1オルタネータ14aおよび第2オルタネータ14bが稼働を停止していると判定した場合(ステップS26でYES)は、ルーチンを終了する。一方、第1オルタネータ14aおよび第2オルタネータ14bが稼働していると判定した場合(ステップS26でNO)は、ステップS02へ戻る。
【0068】
以上のとおり、本実施形態に係る作業用車両1によれば、オルタネータ14と、架装バッテリ17と、オルタネータ14から出力される電圧を変換して架装バッテリ17に充電用電力を供給するバッテリ充電用DC-DCコンバータ21と、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21と架装バッテリ17とを接続する第2電力供給ライン19bに設けられる電流測定部23と、を備えている。また、作業用車両1は、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21の出力電圧を設定する出力電圧設定部50を備えている。出力電圧設定部50は、電流測定部23により測定された電流値が所定範囲内(下限電流値以上かつ上限電流値未満)に収まるように、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21の出力電圧を変換する制御を行うように構成している。
【0069】
上記構成によれば、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21の出力電圧を、架装バッテリ17を100%充電するために適切な電圧に変換することができる。また、出力電圧設定部50が、架装バッテリ17に入力される電流を所定範囲内に調整することができる。これにより、架装バッテリ17の充電の際、架装バッテリ17には、適切な電圧値と電流値でオルタネータ14から電力が供給される。これにより、オルタネータ14の出力電圧(本実施形態では28.5V)よりも架装バッテリ17の出力電圧(本実施形態では28.9V)が高い場合であっても、100%までの架装バッテリの充電を途切れることなく安定して行うことができる。その結果、車載のオルタネータ14の出力電圧に制限されずに架装バッテリ17の能力を十分に発揮させ、架装バッテリ17の選定の自由度を高めることができる。
【0070】
また、上記実施形態では、出力電圧設定部50は、複数種類の抵抗値を設定可能な抵抗回路部51と、抵抗回路部51の抵抗値を切り替えるための切替回路部52と、切替回路部52を制御する制御部53とを有する。
【0071】
上記構成によれば、制御部53が、電流測定部23により測定された電流値に基づいて、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21の出力電圧を多段階に切り替えることができる。これにより、架装バッテリ17の充電の際、架装バッテリ17のバッテリ残量の変化に対応して、適切な電圧値と電流値でオルタネータ14から架装バッテリ17へ電力を供給することができる。
【0072】
また、上記実施形態では、制御部53は、電流測定部23で測定される電流値が下限電流値未満となった場合に抵抗回路部51の抵抗値について1段階小さくなるように切り替える一方、電流測定部23で測定される電流値が上限電流値以上となった場合に抵抗回路部51の抵抗値について1段階大きくなるように切り替えるように構成した。
【0073】
上記構成によれば、制御部53が電流測定部23により測定された電流値に基づいて、架装バッテリ17に入力される電流を所定範囲内に調整することができる。これにより、人手を介さずに、自動的な電流調整が可能となるので、架装バッテリ17の充電途中で入力電流値が架装バッテリ17の許容範囲をオーバーして架装バッテリ17が強制的に充電を受け付けなくなるというような問題を確実に防ぐことができる。
【0074】
また、上記実施形態では、制御部53は、所定時間毎に、電流測定部23で測定される電流値に基づく抵抗回路部51の抵抗値の切替制御を行うように構成した。
【0075】
上記構成によれば、架装バッテリ17の充電速度に合わせた適切な時間間隔で、制御部53が抵抗回路部51の抵抗値の切替制御を行うことができる。これにより、制御部53の負荷を必要十分な量に調整することができるので、制御部53がマルチタスクによる他の機器の制御について余裕をもって行うことができる。
【0076】
また、上記実施形態では、オルタネータ14は、走行用エンジン8の動力によって駆動されるとともに走行関連電気機器5に電力を供給するために設けられた第1オルタネータ14aと、走行用エンジン8の動力を取り出す動力取出装置11によって駆動される第2オルタネータ14bと、を備えている。
【0077】
上記構成によれば、シャシメーカーによって設けられた第1オルタネータ14aに加えて、架装物として第2オルタネータ14bを設け、動力取出装置11により駆動させることで、オルタネータ14の発電量を増大させることができる。これにより、オルタネータ14で発電された電力について、架装バッテリ17を充電するだけでなく、同時に投光器4や第1架装電気機器6に使用することが可能となる。
【0078】
今回、開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、前記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【0079】
例えば、上記実施形態では、バッテリ充電用DC-DCコンバータ21の出力電圧は、出力電圧設定部50において、抵抗値を切り替えることによって変換していた。本発明はこれに限らず、出力電圧変換用にあらかじめ設定された所定の信号をDC-DCコンバータに入力することによって出力電圧を変換してもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、出力電圧設定部50の抵抗回路部51は、6個の抵抗器51a~51fを有していた。本発明はこれに限らず、抵抗回路部が、可変抵抗器を1つのみ有し、当該可変抵抗器の抵抗値を複数段階に調節するようにしてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、出力電圧設定部50の制御部53は、6個の切替スイッチ52a~52fの切替制御を専門に行うものではなく、車載されている第1架装電気機器6や油圧作業装置15の稼働制御も行うことが可能となっていた。本発明はこれに限らず、出力電圧設定部の制御部が、切替回路部の制御専用のものであってもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、オルタネータ14は、第1オルタネータ14aと第2オルタネータ14bの2つ有していた。本発明はこれに限らず、オルタネータを一つとしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 作業用車両
5 走行関連電気機器
8 走行用エンジン
11 動力取出装置
14 オルタネータ
14a 第1オルタネータ
14b 第2オルタネータ
17 架装バッテリ
19b 第2電力供給ライン(電力供給路)
21 バッテリ充電用DC-DCコンバータ
23 電流測定部
50 出力電圧設定部
51 抵抗回路部
52 切替回路部
53 制御部
図1
図2
図3
図4