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特開2024-153429情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153429
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20241022BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20241022BHJP
【FI】
G06Q10/00
F24F11/64
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067319
(22)【出願日】2023-04-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】金山 寛明
(72)【発明者】
【氏名】左部 俊介
【テーマコード(参考)】
3L260
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3L260BA49
3L260CA28
3L260CA32
3L260CA34
5L010AA02
5L049AA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より少ない情報を用いて空間の構成要素毎の熱情報を特定する情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置1、測定装置2及び端末装置3を備える情報処理システムにおいて、情報処理装置1は、処理部11、記憶部12、取得部13、表示部14及び操作部15を備え、取得部13を介して測定装置2から対象空間を計測して得られる対象空間の空間形状データと、対象空間の温度分布とを計測して得られる温度分布データとを関連付けて取得し、取得部13が関連付けて取得した空間形状データ及び温度分布データに基づき、処理部11が対象空間の3次元空間モデルを生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得部を備え、
前記取得部は、
対象空間を計測して得られる前記対象空間の空間形状データと、前記対象空間の温度分布を計測して得られる温度分布データとを関連付けて取得する
情報処理装置。
【請求項2】
処理部を備え、
前記処理部は、
前記取得部が関連付けて取得した前記空間形状データ及び前記温度分布データに基づき、前記対象空間の3次元空間モデルを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、
前記対象空間における断熱性、漏気箇所、及び日射流入の少なくとも1つが特定された対象空間データを出力する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、外気データを取得し、
前記処理部は、取得した前記外気データに基づき、前記断熱性、前記漏気箇所、及び前記日射流入の少なくとも1つを算出する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、算出した前記断熱性、前記漏気箇所、及び前記日射流入の少なくとも1つに基づき、前記対象空間内の場所に応じた空調機の機器選定、機器配置、気流制御の少なくとも1つを行う
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、算出した前記断熱性、前記漏気箇所、及び前記日射流入の少なくとも1つに基づき、前記対象空間の改修提案を行う
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、外気データを取得し、
前記処理部は、
取得した前記外気データと、前記対象空間データとに基づき、前記対象空間を空調する空調負荷を推定し、
推定結果に基づき、空調機の機器容量及び機種を選定し、
選定した前記空調機の消費電力量を推定する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、
前記対象空間の断熱改修又は気密改修を行った場合の空調機の消費電力量を推定する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記処理部は、
空調機の初期費用、ランニングコスト、温度条件、湿度条件、及び前記対象空間の快適性の何れかを優先するかの選択を受付け、
受付けた選択に応じて、断熱改修又は気密改修を推奨する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
対象空間を計測して得られる前記対象空間の空間形状データと、前記対象空間の温度分布を計測して得られる温度分布データとを関連付けて取得する
処理をコンピュータにより実行する情報処理方法。
【請求項11】
対象空間を計測して得られる前記対象空間の空間形状データと、前記対象空間の温度分布を計測して得られる温度分布データとを関連付けて取得する
処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、空調運転データ、構成要素を含む部屋情報、環境情報データを取得し、取得したデータに基づいて構成要素ごとに算出された熱負荷のデータを出力する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/029755号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、空調運転データ、構成要素を含む部屋情報、環境情報データの3つの情報を用いないと構成要素ごとに流入又は流出すると推定される熱負荷データを算出できない。
【0005】
本開示の目的は、より少ない情報を用いて空間の構成要素ごとの熱情報を特定する情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1側面に係る情報処理装置は、取得部を備え、前記取得部は、対象空間を計測して得られる前記対象空間の空間形状データと、前記対象空間の温度分布を計測して得られる温度分布データとを関連付けて取得する。
【0007】
本開示の第2側面に係る情報処理装置は、第1側面に係る情報処理装置において、処理部を備え、前記処理部は、前記取得部が関連付けて取得した前記空間形状データ及び前記温度分布データに基づき、前記対象空間の3次元空間モデルを生成する構成が好ましい。
【0008】
本開示の第3側面に係る情報処理装置は、第2側面に係る情報処理装置において、前記処理部は、前記対象空間における断熱性、漏気箇所、及び日射流入の少なくとも1つが特定された対象空間データを出力する構成が好ましい。
【0009】
本開示の第4側面に係る情報処理装置は、第2側面又は第3側面に係る情報処理装置において、前記取得部は、外気データを取得し、前記処理部は、取得した前記外気データに基づき、前記断熱性、前記漏気箇所、及び前記日射流入の少なくとも1つを算出する構成が好ましい。
【0010】
本開示の第5側面に係る情報処理装置は、第2側面から第4側面の何れか1つに係る情報処理装置において、前記処理部は、算出した前記断熱性、前記漏気箇所、及び前記日射流入の少なくとも1つに基づき、前記対象空間内の場所に応じた空調機の機器選定、機器配置、気流制御の少なくとも1つを行う構成が好ましい。
【0011】
本開示の第6側面に係る情報処理装置は、第2側面から第5側面の何れか1つに係る情報処理装置において、前記処理部は、算出した前記断熱性、前記漏気箇所、及び前記日射流入の少なくとも1つに基づき、前記対象空間の改修提案を行う構成が好ましい。
【0012】
本開示の第7側面に係る情報処理装置は、第2側面から第6側面の何れか1つに係る情報処理装置において、前記取得部は、外気データを取得し、前記処理部は、取得した前記外気データと、前記対象空間データとに基づき、前記対象空間を空調する空調負荷を推定し、推定結果に基づき、空調機の機器容量及び機種を選定し、選定した前記空調機の消費電力量を推定する構成が好ましい。
【0013】
本開示の第8側面に係る情報処理装置は、第6側面に係る情報処理装置において、前記処理部は、前記対象空間の断熱改修又は気密改修を行った場合の空調機の消費電力量を推定する構成が好ましい。
【0014】
本開示の第9側面に係る情報処理装置は、第6側面に係る情報処理装置において、前記処理部は、空調機の初期費用、ランニングコスト、温度条件、湿度条件、及び前記対象空間の快適性の何れかを優先するかの選択を受付け、受付けた選択に応じて、断熱改修又は気密改修を推奨する構成が好ましい。
【0015】
本開示の第10側面に係る情報処理方法は、対象空間を計測して得られる前記対象空間の空間形状データと、前記対象空間の温度分布を計測して得られる温度分布データとを関連付けて取得する処理をコンピュータにより実行する。
【0016】
本開示の第11側面に係るコンピュータプログラムは、対象空間を計測して得られる前記対象空間の空間形状データと、前記対象空間の温度分布を計測して得られる温度分布データとを関連付けて取得する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、より少ない情報を用いて空間の構成要素ごとの熱情報を特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図2】実施の形態に係る測定装置の構成例を示す模式図である。
図3】3次元形状モデルの生成手順を示すフローチャートである。
図4】オブジェクト認識用の学習モデルの構成例を示す模式図である。
図5】3次元空間モデルの表示例を示す模式図である。
図6】実施の形態2に係る情報処理装置が実行する空調機の選定手順を示すフローチャートである。
図7】空調機テーブルの概念図である。
図8】空調機情報の出力例を示す模式図である。
図9】優先事項の選択画面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の本実施形態に係る空調関連機器及び空調システムを、以下に図面を参照しつつ説明する。本実施形態の概要は以下の通りである。
【0020】
顧客の物件へ訪問し、空調関連の営業活動を行う際、実際の物件の条件における気流解析を行うことにより、実際に顧客物件で発生していると考えられる温度ムラや淀みなどの空気環境の問題を明らかにしたうえで機器の提案が可能となる。しかし、実際に気流解析を行うための流体計算用モデルを作成する場合、室内形状や什器の採寸及びモデル化、熱源などの条件の設定に多くの時間がかかっている。
【0021】
上記課題を解決する手段として、流体計算用モデル自動作成手法を提案する。システム例としては、手持ちのデプスカメラ、カメラ、サーモグラフィ、スマートフォン一体型モジュールを用いて空間内を歩行しながら撮影し、空間内のデプス画像、画像、サーモグラフィ画像をスマートフォンに保存する。スマートフォンに保存したデータを情報処理装置1へ転送し、3次元再構成用のソフトを用いて3次元点群データを作成する。3次元点群データから床、壁、天井を検出し、面の空間モデルである流体計算用モデルを作成する。ここで、撮影画像に対して事前に機械学習により学習した画像認識を行うことによってオブジェクトの種類(空調機、什器等)と位置を特定し、3次元空間モデルに反映する。人が手持ちで撮影する代わりにお掃除ロボットやドローンなどを用いて撮影しても良い。
【0022】
(実施の形態1)
図1は実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図であり、図2は実施の形態に係る測定装置の構成例を示す模式図である。本実施形態に係る情報処理システムは、情報処理装置1、測定装置2、及び端末装置3を備える。情報処理システムは、少なくとも一部に面を有する空間を撮像及び測距し、測定して得られたデータに基づいて当該空間の環境を予測するための3次元空間モデルを半自動的に作成するものである。以下、モデル化対象の空間を対象空間と称する。
【0023】
測定装置2は、RGBセンサ21、深度センサ22、IR投射器23、赤外線カメラ24、把持部25、及び端末保持部26を備える。
【0024】
RGBセンサ21は、例えばCMOSセンサ、CCDセンサ等の撮像素子を有し、対象空間のカラー撮影するカメラである。RGBセンサ21は動画を撮影することができる。RGBセンサ21は、対象空間を撮像して得た時系列の画像データ(RGBデータ)を出力する。動画を構成する時系列の画像データには、撮像日時を示す時間データが含まれているものとする。
【0025】
深度センサ22は、測定装置2から対象空間の壁面、対象空間に含まれる各種オブジェクトまでの距離(深度)を測定する。深度センサ22は、測距して得られた深度を表す深度データを出力する。IR投射器23は、より正確な深度データを得るために、赤外線を対象空間及びオブジェクトに投射するための素子である。
【0026】
赤外線カメラ24は、赤外線撮像素子を有し、対象空間を赤外線にて撮影するカメラである。赤外線カメラ24は、対象空間を撮像して得たサーモグラフィ画像データを出力する。
【0027】
把持部25は、測定装置2の使用者によって把持される棒状の部材である。端末保持部26は、端末装置3を保持する部材である。
【0028】
このように構成された測定装置2は、画像データ、深度データ及びサーモグラフィ画像データを端末装置3へ出力する。測定装置2は、画像データ、深度データ及びサーモグラフィ画像データを外部の可搬型の記憶装置に記憶させるようにしてもよい。測定装置2は、画像データ、深度データ及びサーモグラフィ画像データを直接的に情報処理装置1へ送信してもよい。
【0029】
端末装置3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の可搬型の情報処理端末である。端末装置3は、画像データ、深度データ、サーモグラフィ画像及び方位データが入力される入力インタフェースを備える。また、端末装置3は方位センサ31を備える。
【0030】
方位センサ31は、例えば電子コンパス等の方位計であり、測定装置2の方位を示す方位データを出力する。
【0031】
なお、方位データは、対象空間の方位を特定することが可能な情報であれば、その内容は特に限定されるものでは無い。例えば、方位データは、対象空間の緯度、経度、時刻及び天体の位置に基づく情報であってもよい。天体は、天球における位置が既知で、撮像可能な宇宙に存在する物体である。天体は、例えば、太陽、月、人工衛星等である。天球上の位置が既知の天体が撮像画像に含まれていて、撮像された対象空間の緯度経度と、撮像時刻とが分かれば、対象空間の方位を特定することができる。
【0032】
方位データは、対象空間の緯度、経度、時刻、屋内の影の向き及び影の長さに基づく情報であってもよい。影の向き及び影の長さから太陽の位置が特定されるため、上記同様、対象空間の方位を特定することができる。
【0033】
端末装置3は、入力インタフェースを介して入力した画像データに基づいて、測定装置2が撮像した画像を表示装置に表示させる。端末装置3は、入力された画像データ、深度データ、及びサーモグラフィ画像と、方位センサ31にて得られた方位データとを記憶し、適宜のタイミングで情報処理装置1へ送信する。端末装置3は、入力された画像データ、深度データ、及びサーモグラフィ画像と、方位センサ31にて得られた方位データとを可搬型の記憶装置に記憶させるように構成してもよい。
【0034】
このように構成された測定装置2によれば、使用者は、測定装置2を把持し、対象空間内を移動し、また測定装置2を様々な方向へ向けることにより、対象空間の壁面、床面、天井面及びオブジェクトを複数の位置及び方向から撮像及び測距することができる。測定装置2は、得られた画像データ、深度データ、サーモグラフィ画像データ及び方位データを、端末装置3を介して情報処理装置1へ提供する。以下では、対象空間を様々な位置から計測して得られる画像データ、深度データ、及び方位データを、対象空間の空間形状データともいう。また、対象空間の温度分布を計測して得られるサーモグラフィ画像データを温度分布データともいう。
【0035】
情報処理装置1は、処理部11、記憶部12、取得部13、表示部14、及び操作部15を備える。
【0036】
処理部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの演算回路、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの内部記憶装置、I/O端子などを有するプロセッサである。処理部11は、物体検出及び画像認識に係る画像処理に特化したGPU(Graphics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)又はAIチップ(AI用半導体)などの1又は複数の演算回路を備えてもよい。処理部11は、記憶部12に記憶されたプログラムPGを読み出して実行することにより、対象空間を計測して得られる対象空間の空間形状データ、及び対象空間の温度分布を計測して得られる温度分布データを関連付けて取得する。また、処理部11は、記憶部12に記憶されたプログラムPGを読み出して実行することにより、関連付けて取得した空間形状データ及び温度分布データに基づき対象空間の3次元空間モデルを作成する。3次元空間モデルの作成に係る各機能部は、ソフトウェア的に実現してもよいし、一部又は全部をハードウェア的に実現してもよい。
【0037】
記憶部12は、例えば、ハードディスク、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリなどのストレージである。記憶部12は、処理部11が実行する各種のプログラム、処理部11の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施形態において記憶部12は、少なくとも処理部11が実行するプログラムPGを記憶する。
【0038】
プログラムPGは、情報処理装置1の製造段階において記憶部12に書き込まれる態様でもよいし、他の情報処理装置1などからネットワークを介して配信される態様でもよい。情報処理装置1は通信にてプログラムPGを取得して記憶部12に書き込む。プログラムPGは、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどの記録媒体RMに読み出し可能に記録された態様でもよい。情報処理装置1は、図に示していない読取装置を用いて記録媒体RMからプログラムPGを読み出し、読み出したプログラムPGを記憶部12に記憶させる。
【0039】
取得部13は、外部装置との間でデータを有線又は無線で送受信する通信回路、又は可搬型の記憶装置からデータを読み出す読出回路である。情報処理装置1は、取得部13を介して、測定装置2から対象空間の空間形状データ及び温度分布データを関連付けて取得する。すなわち、情報処理装置1は、測定装置2及び端末装置3によって計測される画像データ、深度データ、方位データ、及びサーモグラフィ画像データを一連のデータとして取得する。
【0040】
情報処理装置1は、取得部13を介して、対象空間における換気装置の吸込口又は吹出口に関連するダクト系統を表したダクト系統図データを外部装置から取得してもよい。ダクト系統図データは、ダクト系統の方向を表す方向情報と、ダクト系統の外形を示す外形情報とを含む。外形情報には、空調機又は換気装置の吸込口又は吹出口の位置を示す情報が含まれている。
【0041】
情報処理装置1は、取得部13を介して、対象空間の配管系統図を表した配管系統図データを外部装置から取得してもよい。配管系統図データは、配管系統の方向を表す方向情報と、配管系統の外形を示す外形情報とを含む。配管系統図データは、室内機の位置、空調機の熱境界条件に係る情報等を含む。
【0042】
情報処理装置1は、取得部13を介して、対象空間の外気温時系列データ、対象空間における日照量時系列データ、建具の厚みデータ等を外部装置から取得してもよい。
【0043】
表示部14は、例えば液晶表示パネル、有機EL表示パネルなどの表示装置である。処理部11は、3次元空間モデルに係る画像を表示部14に表示する。
【0044】
操作部15は、情報処理装置1の使用者の操作を受け付けるマウス、キーボード、タッチパネルなどの入力装置である。処理部11は、操作部15を介して使用者による3次元空間モデルの編集等を受け付ける。
【0045】
なお、情報処理装置1は、ネットワークに接続されたサーバ装置であっても良い。情報処理装置1は、クライアント装置と、サーバ装置とで構成してもよい。情報処理装置1は、複数台のコンピュータで構成し分散処理する構成でもよいし、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されていてもよいし、クラウドサーバを用いて実現されていてもよい。また、情報処理装置1は端末装置3であってもよい。つまり、端末装置3が情報処理装置1として機能するように構成してもよい。
【0046】
情報処理装置1は、関連付けて取得した空間形状データ及び温度分布データに基づき、対象空間の3次元形状モデルを生成する。
【0047】
図3は3次元形状モデルの生成手順を示すフローチャートである。情報処理装置1の処理部11は、画像データ及び深度データに基づいて、対象空間の3次元点群を復元する(ステップS101)。3次元点群の復元には公知の手法が用いられる。例えば、入力画像から疎な点群を幾何学的に推定するSfM(Structure from Motion)と、SfM点群に基づき高密度点群を生成するMVS(Multi-View Stereo)の2つの手法を用いて、高精度な3次元点群を復元することができる。
【0048】
処理部11は、得られた3次元点群データに基づいて、流体計算用の3次元空間モデルを生成する(ステップS102)。処理部11は、例えば、自己位置推定技術及び視線方向推定技術を用いて、対象空間の壁面、床面、天井面に相当する平面、各種機器、什器等のオブジェクトの外面に相当する平面、各平面の位置を特定することができ、複数の面で構成される3次元空間モデルを生成する。
【0049】
処理部11は、対象空間に含まれるオブジェクトの位置及びクラスを認識する(ステップS103)。認識すべきオブジェクトの種類は、什器、建具、人、産業機械、植物、空調機、換気装置等である。什器は、コンピュータ、モニタ、照明器具、ヒータ、机、及び椅子の少なくとも一つを含む。建具は、窓、ブラインド、間仕切り、ドアの少なくとも一つを含む。処理部11は、例えば、機械学習の学習モデルMD(図4参照)を用いて、対象空間に含まれるオブジェクトの位置及びクラスを認識する。
【0050】
図4はオブジェクト認識用の学習モデルMDの構成例を示す模式図である。学習モデルMDは、例えば深層学習による学習済みの畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional neural network)を含む。学習モデルMDは、対象空間の画像データが入力される入力層L1と、画像データの特徴量を抽出する中間層L2と、検出されたオブジェクトに係る推論結果を出力する出力層L3とを有する。学習モデルMDは、例えばYOLOによるモデルである。
【0051】
学習モデルMDの各層は複数のノードを有する。各層のノードはエッジで結ばれている。各層は、活性化関数(応答関数)を有し、エッジは重みを有する。各層のノードから出力される値は、前の層のノードの値と、エッジの重みと、層が持つ活性化関数とから計算される。エッジの重みは、学習によって変化させることができる。
【0052】
学習モデルMDの入力層L1は、画像データ、つまり、対象空間及びオブジェクトの表面の画像を構成する各画素の画素値の入力を受け付ける複数のノードを有し、入力された画素値を中間層L2に受け渡す。
中間層L2は、複数組みの畳み込み層(CONV層)及びプーリング層と、全結合層とを有する。畳み込み層は、前層のノードから出力された値に対してフィルタ処理を実行し、特徴マップを抽出する。プーリング層は、畳み込み層から出力された特徴マップを縮小して新たな特徴マップを得る。
【0053】
出力層L3は、画像データから検出されたオブジェクトに係る最終的な推論結果を出力するノードを有する。推論結果は、オブジェクトを囲むバウンディングボックスの中心座標位置及び縦横サイズ、バウンディングボックスで囲まれた画像がオブジェクトの画像であることの確からしさを示す物体検出スコア、オブジェクトが特定のクラスに属する確からしさを示すクラススコアなどを含む。
【0054】
なお、出力層L3から得られる出力には、互いに重複する複数のバウンディングボックスが含まれているが、重複するバウンディングボックスを除去する後処理、例えばNMS(Non-Maximum Suppression)処理によって、対象空間の画像に含まれる一又は複数のオブジェクトそれぞれを囲む最も確からしいバウンディングボックスの位置及びサイズ、物体検出スコア及びクラススコアが得られる。
【0055】
学習モデルMDの生成方法を説明する。まず、オブジェクトを含む対象空間の複数の画像データと、各画像データのアノテーションファイルとを含む訓練データを用意する。アノテーションファイルは、対応する画像に付与される正解値を示す教師データである。具体的には、アノテーションファイルは、対応する画像に含まれるオブジェクトの画像を囲むバウンディングボックスの中心座標位置、縦横サイズ、クラスを示すデータである。クラスは、オブジェクトの属性に応じて分類されるグループを示す。
【0056】
訓練データの画像が、CNNに入力された場合に、当該CNNから出力されるデータと、教師データが示すデータとの誤差(所定の損失関数又は誤差関数の値)が小さくなるように、誤差逆伝播法、誤差勾配降下法などを用いて、ニューラルネットワークの重み係数を最適化することによって、学習モデルMDを生成することができる。
【0057】
図4の例では、一例としてYOLOによる学習モデルMDを説明したが、R-CNN、Fast R-CNN、Faster R-CNN、その他のCNN、ビジョン・トランスフォーマ(Vision Transformer)などを用いて学習モデルMDを構成してもよい。また、決定木、ランダムフォレスト、SVM(Support Vector Machine)などのアルゴリズムを用いた学習モデルMDを用いてもよい。更に学習モデルMDは、上記した複数のアルゴリズムを組み合わせて構成してもよい。
【0058】
処理部11は、ステップS103でオブジェクトを認識した際、認識したオブジェクトに対して境界条件を付与してもよい。3次元空間モデルにおいて境界条件が設定される位置は、ステップS103で認識したオブジェクトの位置及び寸法、並びにステップS101で復元した3次元点群に基づいて特定される。境界条件として付与する値は、オブジェクト毎に事前に設定されていてもよい。例えば、オブジェクト毎に、表面温度、圧力、流速のディリクレ境界条件、ノイマン境界条件、顕熱、潜熱、熱伝導率、熱抵抗率、風量、風向、風速等のパラメータが事前に設定されていてもよい。
【0059】
処理部11は、画像データに空調機又は換気装置の制気口が含まれる場合、その制気口が吸込口及び吹出口の何れであるのかを判別してもよい。判別には、機械学習による学習モデルを用いてもよい。また、対象空間についてダクト系統図データが得られている場合、ダクト系統図データに基づき、吸込口及び吹出口を判別してもよい。また、制気口が含まれる温度分布データに基づき、吸込口又は吹出口の温度、天井面の温度を測定することにより、吸込口及び吹出口を判別してもよい。更に、吸込口及び吹出口の判別結果に応じて、熱境界条件を3次元空間モデルに付与してもよい。
【0060】
処理部11は、画像データに空調機の配管系統が含まれている場合、配管系統の熱境界条件を特定し、3次元空間モデルに付与してもよい。対象空間について配管系統図データが得られている場合、配管系統図データを参照して、配管系統の熱境界条件を3次元空間モデルに付与すればよい。
【0061】
処理部11は、ステップS103でオブジェクトを認識した後、温度分布データを3次元空間モデルに反映させる(ステップS104)。処理部11は、認識したオブジェクト毎に温度分布を特定し、認識したオブジェクトと特定した温度分布と対応付けることによって、温度分布データを3次元空間モデルに反映させる。また、処理部11は、取得した方位データに基づく情報(方位情報)を3次元空間モデルに付与する(ステップS105)。温度分布及び方位情報が付与された3次元空間モデルは、記憶部12に記憶される。
【0062】
処理部11は、対象空間における断熱性、漏気箇所、及び日射流入の少なくとも1つを算出する(ステップS106)。断熱性の指標として熱貫流率を用いることができる。処理部11は、温度分布データ、対象空間の外気温時系列データ、日照量時系列データ、建具の厚みデータ等に基づき、熱貫流率を算出することができる。処理部11は、ステップS105で生成した3次元空間モデルを用いて気流解析を行い、対象空間における漏気箇所を特定できる。処理部11は、オブジェクトとして認識した窓の材質と、日射量時系列データとに基づき日射流入を算出することができる。
【0063】
処理部11は、対象空間における断熱性、漏気箇所、及び日射流入の少なくとも1つを算出し、断熱性、漏気箇所、及び日射流入の少なくとも1つが特定された3次元空間モデルを出力する(ステップS107)。処理部11は、例えば、断熱性、漏気箇所、及び日射流入の少なくとも1つが特定された3次元空間モデルを画像として表示部14に表示することができる。図5は3次元空間モデルの表示例を示す模式図である。図5の例は、キッチン及びリビングルームの3次元空間モデルを表しており、この3次元空間モデルに含まれる窓のオブジェクトについて、断熱性、漏気箇所、日射流入を算出した結果を示している。処理部11は、算出した断熱性(熱貫流率)及び日射流入を数値情報として表示し、漏気箇所(図5の例では漏気箇所あり)を文字情報として表示する。
【0064】
図5の例では、簡略化のために1つのオブジェクト(窓)について、断熱性、漏気箇所、日射流入を算出した構成について説明したが、複数のオブジェクト(例えば、壁、空調機、ダクト等)について、断熱性、漏気箇所、日射流量を算出し、3次元空間モデルに重畳して表示してもよい。
【0065】
また、実施の形態では、各オブジェクトについて温度分布が得られるので、温度分布を各オブジェクトに重畳して表示してもよい。処理部11は、例えば、温度分布データに基づきカラーコンターマップを生成し、生成したカラーコンターマップをオブジェクトに重畳して表示すればよい。
【0066】
図5では、断熱性、漏気箇所、及び日射流入の少なくとも1つが特定された3次元空間モデルのデータ(対象空間データ)を表示部14に表示する構成としたが、対象空間データを記憶部12に記憶させる構成としてもよく、外部装置へ対象空間データを送信する構成としてもよい。
【0067】
処理部11は、算出した断熱性、漏気箇所、及び日射流入の少なくとも1つに基づき、対象空間内の場所に応じた空調機の機器選定、機器配置、気流制御の少なくとも1つを行ってもよい。
【0068】
処理部11は、算出した断熱性、漏気箇所、及び日射流入の少なくとも1つに基づき、対象空間の改修提案を行ってもよい。
【0069】
例えば、処理部11は、算出した断熱性と、事前に設定された基準値とを比較し、算出した断熱性が基準値より低い場合、断熱性を高める改修提案を行えばよい。また、処理部11は、漏気箇所の有無を判断し、漏気箇所が有ると判断した場合、漏気を低減する改修提案を行えばよい。更に、処理部11は、算出した日射流入と、事前に設定された基準値とを比較し、算出した日射流入が基準値より高い場合、日射流入を低減できる改修提案を行えばよい。
【0070】
以上のように、実施の形態1では、対象空間の空間形状データと、対象空間の温度分布データとを関連付けて取得し、取得した空間形状データ及び温度分布データに基づき、3次元空間モデルを生成する。実施の形態1では、3次元空間モデルにおいて、断熱性、漏気箇所、及び日射流入を特定するので、これらの情報を視覚的に提供することができる。
【0071】
(実施の形態2)
実施の形態2では、対象空間を空調する空調負荷を推定し、推定結果に基づき空調機の機器容量及び機種を選定する構成について説明する。
【0072】
図6は実施の形態2に係る情報処理装置1が実行する空調機の選定手順を示すフローチャートである。情報処理装置1の処理部11は、対象空間データ及び外気データを取得する(ステップS201)。対象空間データは、実施の形態1で説明した手法を用いて算出される。対象空間データは、建物の構造体(壁面やガラス面)の面積、熱貫流率、日射流入などの構造体データを含んでもよい。更に、対象空間データは、室内温度の上昇や低下に起因する要素の数や影響度の情報を含んでもよい。例えば、室内データは、室内の人の数、照明における単位面積あたりの消費電力、換気設備の換気量、室内に設置されている熱源機器の台数や発生熱量などの情報を含んでもよい。熱源機器は、例えば、コンセント、OA機器、制御盤などである。外気データは、例えば年間の外気温の情報であり、外部の気象サーバ等から得られる。
【0073】
処理部11は、ステップS201で取得した構造体データ、室内データ、外気データに基づき、年間の空調負荷を推定する(ステップS202)。処理部11は、冷房時の室内温度の上昇、暖房時の室内温度の低下に起因する要素を足し合わせることによって空調負荷を推定する。
【0074】
例えば、処理部11は、構造体負荷として、構造体面積×熱貫流率×建物内外温度差を算出する。また、処理部11は、室内負荷として、照明負荷(=室面積×単位面積あたりの照明器具の消費電力)、人体負荷(=室面積×人口密度×1人あたりの顕熱量・潜熱量)、熱源機器負荷(=熱源機器の台数×発生熱量)を算出する。更に、処理部11は、外気負荷として、すきま風負荷(=建物内外エンタルピー差×風量×空気密度)、換気扇負荷(=建物内外エンタルピー差×風量×空気密度×全熱交換効率)を算出する。処理部11は、構造体負荷、室内負荷、外気負荷を足し合わせることによって、年間の空調負荷を推定する。
【0075】
処理部11は、推定した年間の空調負荷に応じて、設置すべき空調機の機器容量及び機種を選定する(ステップS203)。情報処理装置1は、例えば、機種名、COP(Coefficient of Performance)、及び年間消費電力を関連付けて記憶した空調機テーブルを記憶部12に備えるものとする。図7は空調機テーブルの概念図である。COPは、定められた温度条件での消費電力1kWあたりの冷房・暖房能力(kW)を表したものであり、この数値が大きいほどエネルギー消費効率が良く、省エネ性の高い機器であることを示す。処理部11は、空調機テーブルから得られるCOP×年間消費電力の値が、ステップS202で推定した年間の空調負荷の値に最も近くなる空調機(機種)を選定する。
【0076】
処理部11は、更に断熱改修又は気密改修を行った場合の年間の空調負荷を推定する(ステップS204)。算出方法はステップS202と同様であり、処理部11は、断熱改修又は気密改修が行われた空間について構造体負荷、室内負荷、外気負荷を算出し、それらを足し合わせることによって、年間の空調負荷を推定する。
【0077】
処理部11は、推定した年間の空調負荷に応じて、設置すべき空調機の機器容量及び機種を再選定する(ステップS205)。処理部11は、空調機テーブルから得られるCOP×年間消費電力の値が、ステップS204で推定した年間の空調負荷の値に最も近くなる空調機(機種)を選定すればよい。
【0078】
処理部11は、選定した空調機の情報を出力する(ステップS206)。図8は空調機情報の出力例を示す模式図である。図8の例では、現状の室内空間に推奨される空調機と、断熱改修又は気密改修を行った場合に推奨される空調機との2種類の情報を表示した例を示している。
【0079】
処理部11は、空調機の初期費用、ランニングコスト、温度条件、湿度条件、及び対象空間の快適性の何れかを優先するのかの選択を受付け、受付けた選択に応じて、断熱改修又は気密改修を推奨してもよい。
【0080】
図9は優先事項の選択画面を示す模式図である。図9の例は、優先事項なし、空調機の初期費用、ランニングコスト、温度条件、湿度条件、及び対象空間の快適性の何れか1つの選択を受付けるためのラジオボタンが配置された選択画面を示している。優先事項として、ランニングコスト、温度条件、湿度条件、及び対象空間の快適性の何れかが選択された場合、処理部11は、断熱改修又は気密改修を推奨する。具体的には、処理部11は、断熱改修又は気密改修を推奨する旨の文字情報を表示部14に表示する。断熱改修又は気密改修の何れを推奨するかは、実施の形態1で算出した対象空間データに基づき判断すればよい。すなわち、対象空間の断熱性が基準値よりも低い場合、断熱改修を推奨すればよく、漏気が有ると判断した場合、気密改修を推奨すればよい。代替的に、処理部11は、断熱改修又は気密改修を推奨する旨をユーザ端末に通知してもよい。図9の選択画面において、ランニングコストが選択された場合、処理部11は、断熱改修及び気密改修を推奨しないと判断する。この場合、処理部11は、推奨情報の出力を行わないようにすればよい。
【0081】
以上のように、実施の形態2では、対象空間データと外気データとから空調負荷を計算し、対象空間に推奨される空調機の情報をユーザに提示することができる。
【0082】
今回開示された実施形態は、全ての点において例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0083】
1 情報処理装置
2 測定装置
3 端末装置
11 処理部
12 記憶部
13 取得部
14 表示部
15 操作部
21 RGBセンサ
22 深度センサ
23 IR投射器
24 赤外線カメラ
31 方位センサ
RM 記録媒体
PG プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得部と、処理部とを備え、
前記取得部は、
対象空間の空間形状及び前記対象空間の温度分布を測定する測定装置から前記対象空間の空間形状データ及び前記対象空間の温度分布データを取得すると共に、外気データを取得し、
前記処理部は、
前記取得部が取得した前記空間形状データに基づき、前記対象空間をモデル化した3次元空間モデルを生成し、
前記取得部が取得した温度分布データ及び外気データ、並びに、生成した3次元空間モデルに基づき、前記対象空間における断熱性、漏気箇所、及び日射流入の少なくとも1つを算出し、
生成した3次元空間モデルと共に、算出した前記断熱性、前記漏気箇所、及び前記日射流入の少なくとも1つを示す情報を出力する
情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、算出した前記断熱性、前記漏気箇所、及び前記日射流入の少なくとも1つに基づき、前記対象空間内の場所に応じた空調機の機器選定、機器配置、気流制御の少なくとも1つを行う
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、算出した前記断熱性、前記漏気箇所、及び前記日射流入の少なくとも1つに基づき、前記対象空間の改修提案を行う
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
記処理部は、
取得した前記外気データと、前記3次元空間モデルと共に出力される前記情報とに基づき、前記対象空間を空調する空調負荷を推定し、
推定結果に基づき、空調機の機器容量及び機種を選定し、
選定した前記空調機の消費電力量を推定する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、
前記対象空間の断熱改修又は気密改修を行った場合の空調機の消費電力量を推定する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、
空調機の初期費用、ランニングコスト、温度条件、湿度条件、及び前記対象空間の快適性の何れかを優先するかの選択を受付け、
受付けた選択に応じて、断熱改修又は気密改修を推奨する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
対象空間の空間形状及び前記対象空間の温度分布を測定する測定装置から前記対象空間の空間形状データ及び前記対象空間の温度分布データを取得すると共に、外気データを取得し、
取得した前記空間形状データに基づき、前記対象空間をモデル化した3次元空間モデルを生成し、
取得した温度分布データ及び外気データ、並びに、生成した3次元空間モデルに基づき、前記対象空間における断熱性、漏気箇所、及び日射流入の少なくとも1つを算出し、
生成した3次元空間モデルと共に、算出した前記断熱性、前記漏気箇所、及び前記日射流入の少なくとも1つを示す情報を出力する
処理をコンピュータにより実行する情報処理方法。
【請求項8】
対象空間の空間形状及び前記対象空間の温度分布を測定する測定装置から前記対象空間の空間形状データ及び前記対象空間の温度分布データを取得すると共に、外気データを取得し、
取得した前記空間形状データに基づき、前記対象空間をモデル化した3次元空間モデルを生成し、
取得した温度分布データ及び外気データ、並びに、生成した3次元空間モデルに基づき、前記対象空間における断熱性、漏気箇所、及び日射流入の少なくとも1つを算出し、
生成した3次元空間モデルと共に、算出した前記断熱性、前記漏気箇所、及び前記日射流入の少なくとも1つを示す情報を出力する
処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。