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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153450
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241022BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20241022BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G03G21/16 138
G03G21/16 147
B41J29/13
G03G15/00 463
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067352
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】小川 望
(72)【発明者】
【氏名】角田 昌之
【テーマコード(参考)】
2C061
2H072
2H171
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061AS02
2C061BB01
2C061CD07
2C061CD11
2C061CD13
2H072BA12
2H072CA01
2H072CB09
2H072EA16
2H072JA02
2H171FA01
2H171FA03
2H171FA22
2H171GA03
2H171HA11
2H171HA15
2H171HA22
2H171HA23
2H171KA02
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA26
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA15
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA36
2H171SA37
(57)【要約】
【課題】狭いスペースに配置可能なアームによってカバーを所定の開き角度に支持できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】筐体に設けられた本体側回動軸51とカバー5に設けられたカバー側回動軸43との間に配置されるアーム30は、一端が前記本体側回動軸51に支持された本体側アーム部材33と、一端が前記カバー側回動軸43に支持されたカバー側アーム部材31と、前記本体側アーム部材33の他端と前記カバー側アーム部材31の他端とを連結する連結ピン35と、前記本体側アーム部材33と前記カバー側アーム部材31とを折り畳まれる方向に付勢する本体側付勢部材39と、前記カバー側アーム部材31を前記カバー5に向けて付勢するカバー側付勢部材37と、を備え、前記カバー5が閉じられると、前記本体側アーム部材33と前記カバー側アーム部材31とが前記連結ピン35の軸方向に重なる。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部を中心として回動可能に筐体に支持され、上方に回動することでシートの搬送路を形成し、下方に回動することで前記搬送路を開放するカバーと、
前記筐体に設けられた本体側回動軸と前記カバーに設けられたカバー側回動軸との間に配置され、前記筐体に対する前記カバーの開き角度を規制するアームと、を備え、
前記アームは、
一端が前記本体側回動軸に回動可能に支持された本体側アーム部材と、
一端が前記カバー側回動軸に回動可能に支持されたカバー側アーム部材と、
前記本体側アーム部材の他端と、前記カバー側アーム部材の他端とを回動可能に連結する連結ピンと、
前記本体側アーム部材と前記カバー側アーム部材とを、前記連結ピンを中心として折り畳まれる方向に回動するように付勢する本体側付勢部材と、
前記カバー側アーム部材を、前記カバー側回動軸を中心として前記カバーに接近する方向に回動するように付勢するカバー側付勢部材と、
を備え、
前記カバーが上方に回動すると、前記本体側アーム部材と前記カバー側アーム部材とが前記連結ピンの軸方向に重なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記本体側付勢部材は、前記カバー側回動軸に外嵌されるコイル部と、前記本体側アーム部材に係止される第1腕部と、前記カバー側アーム部材に係止される第2腕部と、を有するねじりコイルバネであり、
前記カバー側付勢部材は、前記連結ピンに外嵌されるコイル部と、前記カバーに係止される第1腕部と、前記カバー側アーム部材に係止される第2腕部と、を有するねじりコイルバネであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記筐体は金属製であり、前記本体側回動軸は金属製であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記本体側回動軸が挿入される貫通孔を有し、
前記本体側付勢部材によって前記本体側アーム部材が前記カバー側アーム部材に接近する方向に回動するように付勢されると、前記本体側回動軸は前記貫通孔の縁に押し付けられることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記貫通孔は、前記本体側回動軸の径よりも大きい径の大径部と、前記本体側回動軸の径と等しい径の小径部と、前記大径部と前記小径部を接続する接続部と、を有し、
前記本体側回動軸は、前記小径部の縁に押し付けられることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記筐体は、縦支柱と、横支柱と、側板と、を有し、
前記貫通孔は、前記縦支柱と前記横支柱との交点の近傍の前記側板に形成されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カバーは、前記カバー側回動軸を回転可能に支持するブラケットを備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動可能なカバーを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、筐体と、筐体に下端部を中心として回動可能に支持されるカバーとを備えており、筐体とカバーとの間に、シートの搬送路が形成されている。カバーを上方に回動させることでシートの搬送路が形成され、カバーを下方に回動させることで搬送路が開放されて、紙詰まりの処理等が行われる。筐体とカバーとの間には、カバーを筐体に対して所定の開き角度に維持するアームが配置されている。
【0003】
特許文献1に記載のダンパー機構(アームに相当)は、開閉部材(カバーに相当)に設けられた第1レール部材と、一端が第1レール部材に係合し、他端が装置本体(筐体に相当)に回動可能に連結する第2レール部材と、第1レール部材を第2レール部材とが接近する方向に付勢するコイルバネと、を備えている。開閉部材が開かれる際には、コイルバネが伸長することで開閉部材回動時のモーメントが減衰し、開閉部材を閉じる際には、コイルバネが復元して開閉部材を閉止する動作の負荷を低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-181656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1に記載されているダンパー機構は、第1レール部材が長手方向に沿って開閉部材に設けられているため、開閉部材に第1レール部材を配置するスペースが必要になり、開閉部材が大型化する。さらに第1レール部材と第2レール部材の位置関係を確保するための設計上の制約が多くなる。
【0006】
本発明は上記事情を考慮し、狭いスペースに配置可能なアームによって、カバーを所定の開き角度に支持できるように構成された画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、下端部を中心として回動可能に筐体に支持され、上方に回動することでシートの搬送路を形成し、下方に回動することで前記搬送路を開放するカバーと、前記筐体に設けられた本体側回動軸と前記カバーに設けられたカバー側回動軸との間に配置され、前記筐体に対する前記カバーの開き角度を規制するアームと、を備え、前記アームは、一端が前記本体側回動軸に回動可能に支持された本体側アーム部材と、一端が前記カバー側回動軸に回動可能に支持されたカバー側アーム部材と、前記本体側アーム部材の他端と、前記カバー側アーム部材の他端とを回動可能に連結する連結ピンと、前記本体側アーム部材と前記カバー側アーム部材とを、前記連結ピンを中心として互いに折り畳まれる方向に回動するように付勢する本体側付勢部材と、前記カバー側アーム部材を、前記カバー側回動軸を中心として前記カバーに接近する方向に回動するように付勢するカバー側付勢部材と、を備え、前記カバーが上方に回動すると、前記本体側アーム部材と前記カバー側アーム部材とが前記連結ピンの軸方向に重なることを特徴とする。
【0008】
本発明において、前記本体側付勢部材は、前記カバー側回動軸に外嵌されるコイル部と、前記本体側アーム部材に係止される第1腕部と、前記カバー側アーム部材に係止される第2腕部と、を有するねじりコイルバネであり、前記カバー側付勢部材は、前記連結ピンに外嵌されるコイル部と、前記カバーに係止される第1腕部と、前記カバー側アーム部材に係止される第2腕部と、を有するねじりコイルバネであることを特徴としてもよい。
【0009】
本発明において、前記筐体は金属製であり、前記本体側回動軸は金属製であることを特徴としてもよい。
【0010】
本発明において、前記筐体は、前記本体側回動軸が挿入される貫通孔を有し、前記本体側付勢部材によって前記本体側アーム部材が前記カバー側アーム部材に接近する方向に回動するように付勢されると、前記本体側回動軸は前記貫通孔の縁に押し付けられることを特徴としてもよい。
【0011】
本発明において、前記貫通孔は、前記本体側回動軸の径よりも大きい径の大径部と、前記本体側回動軸の径と等しい径の小径部と、前記大径部と前記小径部を接続する接続部と、を有し、前記本体側回動軸は、前記小径部の縁に押し付けられることを特徴としてもよい。
【0012】
本発明において、前記筐体は、縦支柱と、横支柱と、側板と、を有し、前記貫通孔は、前記縦支柱と前記横支柱との交点の近傍の前記側板に形成されることを特徴としてもよい。
【0013】
本発明において、前記カバーは、前記カバー側回動軸を回転可能に支持するブラケットを備えることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カバー側アーム部材と本体側アーム部材とが、両アーム部材の厚さ方向に重なるように折り畳まれるので、アームを省スペースに配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構造を模式的に示す正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の筐体とカバーとを示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、カバーとアームとを示す正面図である。
図4A】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、カバーが上方に回動した状態でのアームを模式的に示す正面図である。
図4B】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、カバーが下方に回動した状態でのアームを模式的に示す正面図である。
図5A】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、カバーが上方に回動した状態でのカバー側ねじりコイルバネの動作を模式的に示す図である。
図5B】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、カバーが上方に回動した状態での本体側ねじりコイルバネの動作を模式的に示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、側板の貫通孔と本体側回動軸とを示す斜視図である。
図7A】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、カバー(ブラケット)に係止されたカバー側ねじりコイルバネの第1腕部を示す斜視図である。
図7B】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、カバー側アーム部材に係止されたカバー側ねじりコイルバネの第2腕部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0017】
図1図2図3を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1について説明する。図1は画像形成装置1の内部構造を模式的に示す正面図、図2は筐体3を示す斜視図、図3はカバー5とアーム30とを示す正面図である。各図のFr、Rr、L、Rは、画像形成装置1の前側、後側、左側、右側をそれぞれ示す。
【0018】
画像形成装置1は、箱型の筐体3を備えている。図2に示されるように、筐体3は、四隅に設けられた縦支柱3a、隣接する縦支柱3a間に配置された複数の横支柱3b、縦支柱3aと横支柱3bとで囲まれた所定の空間を閉止する側板3c等で構成される。側板3cは、図2に示されるように、後側の2本の縦支柱3aと2本の横支柱3bとで囲まれた空間を閉止する後側板3cと、前側の2本の縦支柱3aと2本の横支柱3bとで囲まれた空間を閉止する前側板3c(図示省略)と、を含む。筐体3は、金属で作成されている。筐体3の右側面は、カバー5で覆われている。カバー5の下端部は、前後に隣接する縦支柱3aに設けられた回動軸7(図3も参照)に回動可能に支持されている。
【0019】
再度図1を参照して、筐体3の内部には、給紙部11と、画像形成部13と、が収容されている。給紙部11は、筐体3の内部の下部に設けられて、シートが収容される給紙カセットから給紙装置によってシートを給紙する。画像形成部13は、給紙部11の上方に設けられて、給紙部11から給紙されたシートに、例えば、電子写真方式で画像を形成する。また、カバー5の内側には、搬送ユニット15が設けられている。搬送ユニット15の下端部は、前後に隣接する縦支柱3a(図2参照)に設けられた回動軸17に回動可能に支持されている。
【0020】
画像形成部13と搬送ユニット15との間には、上下方向に沿ったシートの主搬送路19が形成されている。シートは、下方から上方に向かう搬送方向に沿って、主搬送路19を搬送される。搬送ユニット15とカバー5との間には、反転搬送路21が形成されている。反転搬送路21は、上流側の分岐点Bで主搬送路19から分岐し、下流側の合流点Mで主搬送路19に合流する。カバー5を下方に回動させることで、反転搬送路21が開放されて、紙詰まりの処理などが行われる。カバー5を下方に回動させた後、搬送ユニット15を下方に回動させることで、主搬送路19が開放されて、紙詰まりの処理などが行われる。
【0021】
図3の二点鎖線に示されるように、カバー5を下方に回動した際、カバー5は、カバー5と筐体3との間に配置された前後のアーム30によって、筐体3に対して所定の開き角度に維持されるようになっている。開き角度は、一例で、45度である。
【0022】
次に、アーム30について、図3と、図4A及び図4B図5A及び図5B図6図7A及び図7Bを参照して説明する。図4A及び図4Bはアーム30を示す正面図、図5A及び図5Bはカバー側ねじりコイルバネ37と本体側ねじりコイルバネ39とを模式的に示す図、図6は本体側回動軸51と貫通孔53とを示す斜視図、図7A及び図7Bはカバー側ねじりコイルバネ37の第1腕部37bと第2腕部37cとを示す斜視図である。図4A及び図4Bは、筐体3が図示省略されている。
【0023】
図3図4A及び図4Bに示されるように、アーム30は、カバー側アーム部材31と、本体側アーム部材33と、連結ピン35と、カバー側ねじりコイルバネ37(図3には図示省略、図4A及び図4B参照)と、本体側ねじりコイルバネ39(図3には図示省略、図4A及び図4B参照)とを備えている。
【0024】
カバー側アーム部材31は、長手方向の両端部が円弧状に湾曲した略長方形状の板状部材である。図4A及び図4Bに示されるように、カバー側アーム部材31の一方の端部は、カバー5の内側の面に固定されたブラケット41に設けられたカバー側回動軸43に回動可能に支持されている。
【0025】
本体側アーム部材33も、長手方向の両端部が円弧状に湾曲した略長方形状の板状部材である。本体側アーム部材33の一方の端部は、筐体3(図2参照)に設けられた本体側回動軸51に回動可能に支持されている。本体側回動軸51は、金属製であり、軸部と、軸部よりも大径のヘッド部51a(図3図4A図4Bには図示省略、図6参照)と、を有している。
【0026】
図6に示されるように、本体側回動軸51は、筐体3の前後の側板3cに形成された貫通孔53に回転可能に支持されている。貫通孔53は、筐体3の縦支柱3aと横支柱3bの交点の近傍に形成されている。貫通孔53は、ヘッド部51aの径よりも大径の大径部53aと、ヘッド部51aの外径よりも小さく軸部の外径と同等な小径部53bと、大径部53aと小径部53bとを接続する接続部53cと、を有するひょうたん側に形成されている。ヘッド部51aを大径部53aに通し、軸部を接続部53cに沿って小径部53bに移動させることで、本体側回動軸51が側板3cに回転可能に支持される。
【0027】
連結ピン35は、図3図4A及び図4Bに示されるように、カバー側アーム部材31の他方の端部と、本体側アーム部材33の他方の端部とを回動可能に支持している。
【0028】
図4A及び図5Aに示されるように、カバー側ねじりコイルバネ37は、コイル部37aと、コイル部37aから第1の方向に延びる第1腕部37bと、コイル部37aから第2の方向に延びる第2腕部37cと、を有している。カバー側ねじりコイルバネ37の自然状態において、第1の方向と第2の方向との間の角度は鈍角(約240度)である。
【0029】
図7A及び図7Bに示されるように、コイル部37aは、カバー側回動軸43に外嵌されている。図7Aに示されるように、第1腕部37bの先端部は、ブラケット41に設けられたフック41aに係止されている。図7Bに示されるように、第2腕部37cの先端部は、カバー側アーム部材31に設けられたフック31aに係止されている。カバー側ねじりコイルバネ37は、カバー側アーム部材31を、カバー側回動軸43を中心としてカバー5(ブラケット41)に接近する方向に回動させている(図4A参照)。このように、カバー側ねじりコイルバネ37は、本発明における。カバー側アーム部材31を、カバー側回動軸43を中心としてカバー5に接近する方向に回動するように付勢するカバー側付勢部材の一例である。
【0030】
図4A及び図5Bに示されるように、本体側ねじりコイルバネ39は、コイル部39aと、コイル部39aから第1の方向に延びる第1腕部39bと、コイル部39aから第2の方向に延びる第2腕部39cと、を有している。第1の方向と第2の方向とはほぼ平行である。コイル部39aは、連結ピン35に外嵌されている。第1腕部39bは、本体側アーム部材33に設けられたフック(図示省略)に係止されている。第2腕部39cは、カバー側アーム部材31に設けられた貫通孔(図示省略)に挿入されている。本体側ねじりコイルバネ39は、カバー側アーム部材31と本体側アーム部材33とを、連結ピン35を中心として互いに閉じる方向に回動させている。これにより、カバー側アーム部材31と本体側アーム部材33とが連結ピン35の軸方向に重なるように折り畳まれる(図4A参照)。このように、本体側ねじりコイルバネ39は、本発明における、本体側アーム部材33とカバー側アーム部材31とを、連結ピン35を中心として互いに折り畳まれる方向に回動するように付勢する本体側付勢部材の一例である。
【0031】
上記構成を有する画像形成装置1におけるカバー5の回動動作について、主に図4A及び図4Bを参照して説明する。
【0032】
図4Aに示されるように、カバー5が上方に回動した状態では、カバー側アーム部材31は、カバー側ねじりコイルバネ37で付勢されてブラケット41に接近する方向に回動して、カバー側回動軸43からカバー5の内側(筐体3の内部)に向かって斜め下方向に延びている。また、本体側ねじりコイルバネ39によって、カバー側アーム部材31と本体側アーム部材33とが連結ピン35の軸方向(両アーム部材31、33の厚さ方向)に重なるように折り畳まれている。この結果、本体側アーム部材33は、本体側回動軸51からカバー5の内側(筐体3の内部)に向かって斜め下方向に延び、カバー側回動軸43は、本体側回動軸51に接近している。
【0033】
さらに、本体側ねじりコイルバネ39によって、本体側アーム部材33がカバー側アーム部材31に重なるように付勢されているので、本体側アーム部材33によって、本体側回動軸51が、筐体3の側板3cに形成された貫通孔53(図6参照)の小径部53bの縁に押し付けられる。これにより、本体側回動軸51と筐体3とが密接して両者が導通し、本体側回動軸51が筐体3を介して接地される。
【0034】
カバー5が下方に回動されると、図4Bに示されるように、折り畳まれたカバー側アーム部材31と本体側アーム部材33とが開くように回動する。すなわち、カバー側アーム部材31は、カバー側回動軸43を中心として上方に回動する。この際、図5Aに示されるように、カバー側ねじりコイルバネ37の第2腕部37cに荷重が加わり、第2腕部37cが第1腕部37bに接近するように変位する(矢印A参照)。すなわち、カバー側アーム部材31の上方への回動に負荷が加わる。
【0035】
また、本体側アーム部材33は、本体側回動軸51を中心として上方に回動する。このように、カバー側アーム部材31が上方に回動し、本体側アーム部材33が上方に回動すると、図5Bに示されるように、本体側ねじりコイルバネ39は、第1腕部39bと第2腕部39cとが交差するように変位する。すなわち、第1腕部39bが第2腕部39cの方向に変位し(矢印B参照)、第2腕部39cが第1腕部39bの方向に変位する(矢印C参照)。これにより、カバー側アーム部材31と本体側アーム部材33とが開く方向への回動に負荷が加わる。
【0036】
このようにカバー側アーム部材31と本体側アーム部材33とが互いに開く方向に回動することで、カバー5の筐体3に対する開放角度が所定の角度に規制される。
【0037】
カバー5が上方に回動されると、カバー側ねじりコイルバネ37と本体側ねじりコイルバネ39は、自由姿勢に戻る(図4A参照)。すなわち、カバー側ねじりコイルバネ37によってカバー側アーム部材31は下方に回動するように付勢される。本体側ねじりコイルバネ39によってカバー側アーム部材31と本体側アーム部材33とは、互いに重なる方向に回動するように付勢される。この結果、カバー5を回動する動作の負荷が軽減される。
【0038】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、カバー側アーム部材31と本体側アーム部材33とが板状の部材であるので、カバー5が上方に回動した際には、連結ピン35の軸方向(両アーム部材の厚さ方向)に互いに重なるように折り畳むことができる。したがって、アーム30を省スペースに収容することができる。また、2つのねじりコイルバネ37、39によって、カバー5を下方に急激に回動した際の衝撃を緩和できると共に、カバー5を上方に回動する際の動作の負荷を軽減できる。
【0039】
また、本体側アーム部材33とカバー側アーム部材31とを互いに折り畳まれるように付勢する付勢部材及びカバー側アーム部材31をカバー5に接近する方向に回動するように付勢する付勢部材として、圧縮バネではなくねじりコイルバネ37、39を使用したので、付勢部材を省スペースに配置することができる。
【0040】
また、本体側ねじりコイルバネ39によって本体側アーム部材33がカバー側アーム部材31に接近する方向に回動するように付勢されることで、本体側回動軸51が貫通孔53の縁に押し付けられるので、両者を確実に導通させることができる。また、貫通孔53がひょうたん型であるので、本体側回動軸51を貫通孔53の大径部53aに挿通して、接続部53cを通って小径部53bに移動させるだけで、本体側回動軸51を側板3cへ容易に支持させることができる。さらには、貫通孔53は、縦支柱3aと横支柱3bとの交点の近傍の側板3cに形成されている。交点の近傍では側板3cが変形しにくいので、貫通孔53の形状も変形しにくく、本体側回動軸51を安定して支持させることができる。したがって、本体側アーム部材33を安定に回動させることができる。
【0041】
本発明は特定の実施形態について記載されてきたが、本発明は上記実施形態に限定されない。本発明の範囲及び主旨を逸脱しない限りにおいて、当業者は上記実施形態を改変可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 画像形成装置
3 筐体
3a 縦支柱
3b 横支柱
3c 側板
5 カバー
30 アーム
31 カバー側アーム部材
33 本体側アーム部材
35 連結ピン
37 カバー側ねじりコイルバネ(カバー側付勢部材)
37a コイル部
37b 第1腕部
37c 第2腕部
39 本体側ねじりコイルバネ(本体側付勢部材)
39a コイル部
39b 第1腕部
39c 第2腕部
41 ブラケット
53 貫通孔
53a 大径部
53b 小径部
53c 接続部

図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B