(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153452
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】ドラム式洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 37/22 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
D06F37/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067354
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】金内 優
(72)【発明者】
【氏名】傅 瀛申
(72)【発明者】
【氏名】松井 康博
(72)【発明者】
【氏名】坂東 昌
(72)【発明者】
【氏名】八子 大悟
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 真理
(72)【発明者】
【氏名】井村 真
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA02
3B165AA04
3B165AE12
3B165AE13
3B165BA24
3B165BA52
3B165CA02
3B165CA03
3B165CA04
3B165CA05
3B165CA06
3B165CA15
3B165CA17
3B165CB02
3B165CB36
3B165CB55
3B165CC02
3B165CD03
3B165CD05
3B165CD15
3B165DW03
3B165DW05
3B165GA02
3B165GA12
3B165GH02
3B165JM01
3B165JM02
3B165JM03
(57)【要約】
【課題】外槽の共振回転数域で外槽の振動振幅を低減でき、定常回転時に床へ伝わる振動を抑制できるドラム式洗濯機を提供する。
【解決手段】本発明のドラム式洗濯機は、外郭を形成する筐体1と、筐体1内に支持され、内部に液体を貯溜可能な外槽17と、外槽17内に収容され回転可能なドラム21と、外槽17に設けられる複数のダンパ24とを備え、複数のダンパ24のうち、ダンパ24の減衰が可変である減衰可変ダンパ26a、28aを、最前列または最後列に備えている。
【選択図】
図5B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を形成する筐体と、
前記筐体内に支持され、内部に液体を貯溜可能な外槽と、
前記外槽内に収容され回転可能なドラムと、
前記外槽に設けられる複数のダンパとを備え、
前記複数のダンパのうち、ダンパの減衰が可変である減衰可変ダンパを、最前列または最後列に備えている
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記複数のダンパのうち、前記減衰可変ダンパを最前列および最後列に備えている
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のドラム式洗濯機において、
前記ドラムの正面視で、前記ドラムの回転方向が、時計まわりの場合には左側に前記減衰可変ダンパを備え、反時計まわりの場合には右側に前記減衰可変ダンパを備えている
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のドラム式洗濯機において、
前記減衰可変ダンパはストロークで減衰が可変する摩擦減衰可変ダンパである
ことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のドラム式洗濯機において、
前記外槽は、前と後とに分割可能な分割面が設けられ、前記減衰可変ダンパを前記分割面の前側と後側とに備えていることを特徴とするドラム式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム式洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
ドラム式洗濯機においては、洗濯、すすぎ工程の後、脱水運転が行われる。
ドラム式洗濯機の脱水運転では、洗濯槽(以下、「外槽」と称する)自身の振動と、その振動のドラム式洗濯機の設置面への伝達によって生じる床振動を低減する必要がある。脱水運転の振動は、減衰力を付与するダンパ及びダンパを有するサスペンションで低減している。
ダンパ及びダンパを有するサスペンションを用いた脱水運転の振動低減に関する文献として、特許文献1と特許文献2がある。
【0003】
特許文献1では、外槽の下部に外槽を下から支えるダンパが設けられている。ダンパは、内槽の回転中心に対する不釣合いの加振力を多方向に分散するため、前面側に配置されるダンパと、背面側に配置されるダンパとが設けられている。
前面側のダンパは、左右一対になっており、側面視で回転軸方向の前後位置において略同じ位置に配置されている。前面側のダンパは、外槽とベース(本発明では「筐体の下カバー」と称す)に取り付けられている(段落0029、
図1)。
【0004】
脱水運転では、回転速度を上昇していく過程ではじめに外槽に起因する共振点(以下、「外槽の共振回転数域」と称す)を通過した後、十分高い回転速度で一定時間回転する。外槽の共振回転数域と高速の定常回転数域の運転時では、設置面の床への振動伝達という点でダンパは相反する作用を示す。ダンパの減衰力が大きいほど高速回転時の床への振動伝達は大きくなってしまう。そこで、流体に電界または磁界を印加されるとその粘性を変化させることが可能な電気粘性流体または磁気粘性流体を用いた減衰力を可変自在な減衰可変ダンパを用いると記載されている(段落0052)。
【0005】
また、ダンパの配置は、ドラムの回転軸方向の前面側に配置された減衰可変ダンパは洗濯槽の重心の略直下に配置して、洗濯槽を下から支持する構成において電源遮断時の洗濯槽の姿勢を保持可能とする構成が記載されている(段落0066、
図5)。
【0006】
特許文献2では、外箱(以下、「筐体」と称す)の底板には、サスペンションと並べてその両前方に伸縮部材を設置していると記載されている(段落0027、
図1)。
サスペンションは、ダンパを有しており、このダンパは、主部材として、シリンダとロッドとを具えており、このシリンダ及びロッドはともに磁性材から成っている。また、サスペンションを構成する部材に磁気粘性流体を充填させる。そして、磁気粘性流体の粘性による摩擦抵抗でサスペンションに減衰力を与える。そして、この減衰力によって、外槽の振幅を減衰(外槽の振動振幅を低減)させると記載されている(段落0014、段落0037)。また、伸縮部材をサスペンションの前方と後方とに設置していると記載されている(段落0053、
図9)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第7174607号公報(段落0029、0052、0066、
図1)
【特許文献2】特開第2015-66060号公報(段落0014、0027、
図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、一度に大量の衣類を洗濯するニーズが高まっている。そこで、洗濯機の洗濯容量の大容量化(以下、「大容量化」と称す)が行われている。洗濯機の大容量化を行うには、衣類を投入するドラムと、ドラムを内包する外槽とを拡大する必要がある。一方、ドラムと外槽を拡大するため、洗濯機の本体の左右幅も拡大した場合、洗濯機本体が大型化するため、設置建物への洗濯機の搬入性や、洗濯機の設置性が悪化する。したがって、洗濯機の本体左右幅を維持しながら大容量化するには、ドラムと外槽を前後方向に拡大する必要がある。
【0009】
ドラムを前後方向に拡大した場合、ドラムが前後方向に伸びることで、ドラムの前側と後側に衣類が分布しやすくなる。そのため、ドラムの前側と後側で衣類の片寄りが発生しやすくなる。
また、外槽を前後方向に拡大した場合、外槽の重心から衣類の片寄りまでの距離が長くなり、加振モーメントが大きくなる。したがって、ドラムと外槽を前後方向に拡大し、大容量化を行う場合、外槽の共振回転数域を通過する際の外槽の振動振幅が増加し、外槽と筐体が衝突する恐れがある。
【0010】
そこで、外槽と筐体との衝突を防ぐために、外槽の振動振幅が大きくなる位置にダンパを設けている。ダンパで大きな減衰を与えることで外槽の振動振幅を低減できる。一方、外槽の共振回転数域を通過した後の高速の定常回転時では、ダンパの減衰力が大きいほど床への振動伝達は大きくなるため、不快感が増加する。外槽の振動振幅の低減と、床への振動伝達の増大とのトレードオフを解決するため、外槽の共振回転数域と定常回転時でダンパの減衰を可変にする減衰可変ダンパを設けている。
【0011】
そこで、特許文献1のドラム式洗濯機は、減衰可変ダンパを外槽の重心の直下に設けている。この構成でドラムと外槽の前後方向を拡大して大容量化を行った場合、減衰可変ダンパから外槽の振動振幅が増加する外槽の前側と後側までの距離が長くなる。減衰を付加する減衰可変ダンパから外槽の振動振幅が増加する位置までの距離が長い場合、減衰可変ダンパの減衰を大きくしても外槽に減衰が効きにくくなる。
したがって、特許文献1の構成では、ドラムと外槽を前後方向に拡大して大容量化した場合、外槽の振動振幅が過大となり、外槽と筐体との衝突が発生する場合がある。加えて、脱水が完了することなく運転が終了する恐れがある。
【0012】
また、特許文献1の構成で、外槽の前側と後側にダンパ及び減衰可変ダンパを追加した場合、大容量化で増加する外槽の前側と後側の振動振幅に減衰を与えることができるため、外槽の振動振幅を低減できる。しかしながら、ダンパを追加した場合、減衰が大きくなることで定常回転時に床へ伝達する振動が増加し、不快感が増してしまう。加えて、ダンパ及び減衰可変ダンパを追加することで、コスト増となる。
特許文献2のドラム式洗濯機は、サスペンションの前方に伸縮部材を設ける、または、伸縮部材をサスペンションの前方と後方に設けている。したがって、外槽に減衰を与えるサスペンションは外槽の後方に配置される。
【0013】
特許文献2の構成でドラムと外槽を前後方向に拡大して大容量化する場合、サスペンションが外槽の後方に設けられているため、外槽の振動振幅が増加する外槽の前側までの距離が長くなる。
したがって、特許文献1と同様に外槽の振動振幅が過大となり、外槽と筐体との衝突や、脱水が完了せずに運転が終了する恐れがある。また、特許文献2の構成で、外槽の前側にダンパ及び減衰可変ダンパを追加した場合、大容量化で増加する外槽の前側の振動振幅に減衰を与えることができるため、外槽の振動振幅を低減できる。しかしながら、特許文献1と同様にダンパを追加した場合はダンパを追加した場合、減衰が大きくなることで定常回転運転時に床へ伝達する振動が増加し、不快感が増してしまう。加えて、ダンパ及び減衰可変ダンパを追加することで、コスト増となる。
【0014】
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、外槽の共振回転数域で外槽の振動振幅を低減でき、定常回転時に床へ伝わる振動を抑制できるドラム式洗濯機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するため、本発明のドラム式洗濯機は、外郭を形成する筐体と、前記筐体内に支持され、内部に液体を貯溜可能な外槽と、前記外槽内に収容され回転可能なドラムと、前記外槽に設けられる複数のダンパとを備え、前記複数のダンパのうち、ダンパの減衰が可変である減衰可変ダンパを、最前列または最後列に備えている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、外槽の共振回転数域で外槽の振動振幅を低減でき、定常回転時に床へ伝わる振動を抑制できるドラム式洗濯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】第1実施形態のドラム式洗濯機の内部構造を右側から見た断面図。
【
図3A】ドラム内の衣類のアンバランス不検知時のドラム回転動作例のタイムチャート。
【
図3B】ドラム内の衣類のアンバランス検知時のドラム回転動作例のタイムチャート。
【
図4】外槽を下方から見た防振構造部であるダンパと外槽の関係の模式図。
【
図5A】本発明の一実施例に係る外槽を右側面側から見たダンパの配置図である。
【
図5B】本発明の一実施例に係る外槽を右側面側から見たダンパの配置図である。
【
図5C】本発明の一実施例に係る外槽を右側面側から見たダンパの配置図である。
【
図7】本発明の二実施例に係るダンパの減衰測定結果図である。
【
図8】本発明の二実施例に係る外槽を正面側から見た外槽の振動方向を示した図である。
【
図9】本発明の二実施例に係る外槽を右側面側と正面側から見たダンパの配置図である。
【
図10A】ドラムが正転で脱水運転を行った場合にドラムが1回転中に衣類の片寄りがドラムの左に移動した際の外槽の上下共振における振動方向を示す図である。
【
図10B】ドラムが正転で脱水運転を行った場合にドラムが1回転中に衣類の片寄りがドラムの上に移動した際の外槽の上下共振における振動方向を示す図である。
【
図10C】ドラムが正転で脱水運転を行った場合にドラムが1回転中に衣類の片寄りがドラムの右に移動した際の外槽の上下共振における振動方向を示す図である。
【
図10D】ドラムが正転で脱水運転を行った場合にドラムが1回転中に衣類の片寄りがドラムの下に移動した際の外槽の上下共振における振動方向を示す図である。
【
図11】本発明の三実施例に係る外槽を右側面側から見たダンパの配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて、本発明に係るドラム式洗濯機の実施形態を説明する。なお、本発明のドラム式洗濯機には、乾燥機能を備えたドラム式洗濯乾燥機も含むものとする。
<<第1実施形態>>
【0019】
まず、
図1から
図3を用いて、本発明の第1実施形態に係るドラム式洗濯機100を説明する。
図1に、第1実施形態のドラム式洗濯機100の斜視図を示す。
図2に、第1実施形態のドラム式洗濯機100の内部構造を右側から見た断面図を示す。
ドラム式洗濯機100は、床Yに設置されている。
ドラム式洗濯機100は、筐体1で覆われ外郭が形成されている。
【0020】
筐体1は、左右の側板1a、前面カバー1b、背面カバー1c(
図2参照)、上面カバー1d、下カバー11(
図2参照)で構成されている。
上面カバー1dには、給水ホース接続口30が設けられている。給水ホース接続口30は、水道栓からドラム式洗濯機100に給水するためのものである。
ドア2は、衣類を出し入れするための投入口(図示せず)を開閉する。投入口(図示せず)は、前面カバー1bの略中央に設けられている。ドア2は、投入口(図示せず)を塞ぐ部材である。ドア2は、前面カバー1bに設けたヒンジ(図示せず)で開閉可能に支持されている。ドア2は、ドア開放取手2a(
図1参照)を引くことでロック機構(図示せず)が外れて開く。一方、ドア2が、前面カバー1bに押し付けられることでロック機構がロックされて閉じる。
【0021】
図2に示す前面カバー1bは、衣類を出し入れするための円形の開口部1baを有している。円形の開口部1baは、前ステー9の開口部9aおよび外槽17の開口部17aと略同心に、形成されている。
【0022】
図1に示す筐体1の上部に設けた操作・表示パネル3は、電源スイッチ4および操作スイッチ5を有している。操作・表示パネル3は、筐体1の内部に備えられている制御装置13(
図2参照)に電気的に接続されている。
【0023】
<外槽17>
図2に示す筐体1の内部には、水(洗濯水、すすぎ水)を溜める外槽17が収容されている。
外槽17は、前方が開口部17aで開口され、後方が閉じた有底の略円筒形状に形成されている。
外槽17の下部は、筐体1に固定されたダンパ24で支持されている。ダンパ24は、前側第1ダンパ25、前側第2ダンパ26、後側第1ダンパ27、後側第2ダンパ28の4本で構成されている。ダンパ24の配置は、後記する。
【0024】
図2に示す外槽17の上部は、懸架装置12で上ステー7と接続されている。これにより、外槽17は、筐体1に吊り下げられた状態で支持される。懸架装置12は例えば引っ張りコイルばねで構成されている。
外槽17は、有底円筒状のドラム21を内包している。
ドラム21は、衣類を収納し、洗濯、すすぎを行うための部材である。外槽17の後方には、ドラム21を回転駆動するモータ22が配置されている。
【0025】
なお、後記の
図11に示すように、外槽17は、開口部17aを含む側と、モータ22の取り付けられる側とに分割することができる。
モータ22は、回転軸であるシャフト22aが外槽17を貫通し、ドラム21と結合されている。また、モータ22は、モータ回転速度を検出するためのホール素子を有している。ホール素子で検出したモータ回転速度は、制御装置13に出力される。
【0026】
図2に示す外槽17の下部には、外槽17の振動を検出するための振動センサ29が固定されている。振動センサ29は、外槽17の加速度を取得し、外槽17の振動を検出する。振動センサ29の検出値は制御装置13に出力される。
【0027】
<制御装置13>
制御装置13は、利用者が操作・表示パネル3(
図1参照)を介して入力した指令や、各種センサの検出値、制御プログラム等により、給水弁31(
図2参照)の開閉、排水弁34aの開閉、モータ22の回転、ヒータ(図示せず)の発熱等を適宜制御する。こうして、制御装置13は、洗い、濯ぎ、脱水、乾燥等の各工程を実施する。各工程のうち、本実施形態(本発明)に係る脱水工程の詳細は後記する。
【0028】
なお、制御装置13は、モータ22から入力されたモータ回転速度に基づいて、当該モータ回転速度に対応するドラム21の回転数(回転速度)を演算する。また、制御装置13は、振動センサ29から入力された振動値に基づいて、任意方向の外槽17の振動値を演算する。
【0029】
モータ22を駆動すると、ドラム21は、正転(ドラム式洗濯機100を正面から見て時計回り)および逆転(ドラム式洗濯機100を正面から見て反時計回り)の両方向に回転駆動される。ドラム21の回転軸線Az(
図2参照)は、ドラム式洗濯機100の前方から後方に向けて水平または、奥側が下になるように傾斜している。
図2では奥側が下方になるように傾斜した状態を示している。
【0030】
<ドラム21>
ドラム21には、ドラム21内の洗濯水を外槽17に排水するための複数個の脱水孔21bが設けられている。また、ドラム21の内周面には、複数個のバッフル23が設けられている。バッフル23は、ドラム21の前後方向に延在している。なお、
図2では1個のバッフル23のみを図示している。
複数個のバッフル23はドラム21の周壁に間隔をおいて設けられている。複数個のバッフル23は、ドラム21の回転に伴ってドラム21内に投入された衣類を持ち上げては落とす、たたき洗いを行う。
【0031】
ドラム21の前端部には、円環状の流体バランサ21cが設けられている。円環状の流体バランサ21cは、内部の流体が衣類のアンバランスの反対側に移動し、ドラム21の振れ回り運動を抑制する。
外槽17の開口部17aと筺体1の投入口1a(開口部1ba)とは、前後方向に伸縮しやすいベローズ19により接続されている。ベローズ19は、環状の弾性部材で成形され、ドア2を閉めることでドラム21を水封する。
【0032】
また、筐体1の投入口1a、外槽17の開口部17a、およびドラム21の開口部は連通している。ドア2を開くことで、筐体1の投入口1a、外槽17の開口部17a、ドラム21の開口部を介して、ドラム21内に対して、衣類の出し入れが可能となる。
【0033】
図2に示す給水ホース接続口30の下部には、給水弁31が配置されている。給水弁31には、外槽17に給水するための給水ホース32(
図2参照)の一端が接続されている。給水弁31の弁を開くことで、給水ホース接続口30から給水ホース32を介して、洗剤容器33に水が流れる。水、洗剤等は、前側注水ホース35または後側注水ホース36から外槽17内に供給される。
外槽17の下部に備えられた排水ホース34の排水経路には、排水弁34aが設けられている。排水弁34aを閉じると外槽17内に給水した水が外槽17内に溜まる。一方、排水弁34aを開くと、外槽17内の洗濯水等が排水ホース34からドラム式洗濯機100の機外に排水される。
【0034】
<ドラム式洗濯機100の基本動作>
次に、ドラム式洗濯機100の基本動作を説明する。
ドラム式洗濯機100では、まず利用者が電源スイッチ4(
図1参照)を押下する。すると、ドラム式洗濯機100に電源が入り、起動する。そして、利用者は、ドア開放取手2aを引き、ドア2を開いてドラム21内に衣類を投入する。そして、ドア2を閉じた後、操作スイッチ5(
図1参照)を操作し、運転設定を行い、ドラム式洗濯機100の運転を開始する。
【0035】
運転が開始されると、制御装置13の制御によってドラム21が回転して、注水前の衣類容量を算出する。衣類容量は、モータ22を回転させたときのモータ22の電流値に基づいてモータ22のトルクから算出される。
このとき、衣類容量(衣類重量)が多い程、モータ22に負荷が加わり、トルクが大となり電流値が大きくなる。そのため、モータ22の電流値で衣類容量を判定することができる。そして、衣類容量に基づいて、投入する洗剤量が操作・表示パネル3(
図1参照)に表示される。このとき、算出した衣類容量が多い程、外槽17に投入する洗剤量も多くなる。利用者は、操作・表示パネル3の表示を確認して、洗剤容器33(
図2参照)内に所定量の洗剤量を投入する。その後、制御装置13は洗い工程を開始する。
【0036】
洗い工程では、制御装置13(
図2参照)は給水弁31を開く。これにより、給水ホース接続口30から供給された水を、給水ホース32と洗剤容器33および前側注水ホース35または後側注水ホース36を介して、洗剤と共に外槽17内に供給する。この際、算出した衣類容量(衣類重量)が多い程、洗い工程での給水量が多くなる。給水動作を所定時間実行した後、制御装置13は、ドラム21を正転(前方から見て時計回りの回転)、停止、逆転(前方から見て反時計回りの回転)、停止を繰り返す洗い動作を所定時間行う。この際、ドラム21内の衣類がバッフル23によって持ち上げられて、ドラム21内に落下する動作が繰り返されることで、衣類の洗浄力が高められる。
【0037】
洗い工程の後、制御装置13は、遠心力で脱水する脱水工程を実行する。
図3A、
図3Bに、第1実施形態のドラム式洗濯機100の脱水工程のドラム回転動作を示す
【0038】
図3Aに、ドラム21内の衣類のアンバランス不検知時のドラム21回転動作例のタイムチャートを示す。
図3Aに示す脱水工程では、始めにドラム21に衣類が張り付かない低速回転数(低速回転速度)(例えば100r/min未満)でドラム21を回転させる。低速回転数(低速回転速度)では、洗い工程で水を含んだ衣類がドラム21の回転時にバッフル23によって持ち上げられ、衣類が落下する際、ドラム21の内周面に広げられる。衣類が広がり始めたら、ドラム21の回転数(回転速度)を徐々に上昇させて、衣類を遠心力でドラム21に張り付ける。
【0039】
ドラム21に衣類が張り付くと、さらにドラム21の回転数(回転速度)を上昇させて、外槽17の共振回転数域(例えば100~400r/min)を通過させながら、定常回転数(例えば900r/min)まで到達させて、衣類に含まれる水を遠心力で脱水していく。なお、外槽17の共振回転数とは、外槽17が共振する固有振動数(Hz)を回転数(回転速度)(rpm)に換算した値である。
【0040】
図3Bに、ドラム21内の衣類のアンバランス検知時のドラム21回転動作例のタイムチャートを示す。
外槽17の共振回転数域で、制御装置13で演算した外槽振動値(外槽17の振幅)が所定値を超えた場合(以下、「アンバランス検知」と称す)は、
図3Bに示すように、ドラム21の回転を停止して、再度ドラム21の高速回転を開始する脱水のやり直し(以下、「リトライ」と称す)を行う。アンバランス検知の回数またはリトライの回数が既定の所定回数を超えた場合は、洗い工程後の脱水工程をスキップして(脱水工程を行うことなく)次の工程に移行する。
【0041】
脱水工程を行った後、制御装置13は濯ぎ工程を実行する。濯ぎ工程では、制御装置13は、
図2に示す給水弁31を開いて、給水ホース接続口30から供給された水を給水ホース32と洗剤容器33および前側注水ホース35または後側注水ホース36を介して、外槽17内に供給する。また、洗い工程と同様に、算出した衣類容量が多い程、給水量が多くなる。濯ぎ工程では、洗い工程と同様に、ドラム21の正転、停止、逆転、停止の動作を繰り返す。このとき、制御装置13は、ドラム21を制御し、バッフル23によって持ち上げられた衣類が落下する攪拌動作を所定時間行う。
【0042】
その後、制御装置13は前記した脱水工程および濯ぎ工程を所定回数繰り返し、最終脱水工程に移行する。最終脱水工程でアンバランス検知の回数またはリトライの回数が既定の所定回数を超えた場合は、利用者に対してエラーを報知する。
なお、ドラム式洗濯機100が乾燥機能を備えている場合、制御装置13は、最終脱水工程を行った後に乾燥工程を実行する。乾燥工程のドラム21の回転数(回転速度)は、衣類に温風を吹き付けて乾かすことから洗い工程時よりもさらに低速に設定される。乾燥工程ではドラム21を低速で回転させながら、送風ユニット(図示せず)からドラム21内の衣類に温風を吹き付けて、衣類のシワを伸ばしながら衣類を乾燥させる。
【0043】
<ダンパ24の配置>
ダンパ24(25、26、27、28)の設置の詳細を、
図4と
図5を用いて説明する。
【0044】
図4に、外槽17を下方から見た防振構造部であるダンパ24と外槽17の関係の模式図を示す。ダンパ24は、外槽17の重心Gよりも前側に左右それぞれ、前側第1ダンパ25と前側第2ダンパ26が設けられる。一方、外槽17の重心よりも後側に左右それぞれ、後側第1ダンパ27と後側第2ダンパ28が設けられる。
前側に配置された2つのダンパについて、前側第1ダンパ25と前側第2ダンパ26の位置関係は、真横に一列ではなく、前側第2ダンパ26が前側第1ダンパ25よりも前方に位置している。
【0045】
前側に配置された2つのダンパについて、後側第1ダンパ27と後側第2ダンパ28の位置関係は、真横に一列ではなく、後側第2ダンパ28が後側第1ダンパ27よりも後方に位置している。すなわち、ダンパ24のうち、前側第2ダンパ26は最前列に設けられ、後側第2ダンパ28は最後列に設けられる配置としている。即ち、前側第2ダンパ26が第1列(最前列)のダンパ、前側第1ダンパ25が第2列のダンパ、後側第1ダンパ27が第3列のダンパ、後側第2ダンパ28が第4列(最後列)のダンパである。
図4の例では、左側に配置された2つのダンパである前側第1ダンパ25と後側第1ダンパ27との間の前後方向の距離は、右側に配置された2つのダンパである前側第2ダンパ26と後側第2ダンパ28との間の前後方向の距離よりも、狭くなるように配置されている。
ここで、ドラム式洗濯機100を大容量化するためには、ドラム21と外槽17を前後方向に拡大する必要がある。
ドラム21と外槽17を拡大できる方向は、
図2に示す外槽17と筐体1との隙間によって決まる。外槽17と筐体1との隙間は、ドラム式洗濯機100の内部構成すなわちドラム式洗濯100の機種毎で異なる。そのため、ドラム式洗濯機100の機種毎に外槽17を拡大できる方向が異なる。
【0046】
そのため、外槽17を拡大する方向によって、外槽17の重心Gの位置が変化する。そのため、外槽17の重心Gから外槽17の前側と後側までの距離に応じて、外槽17の前側の振動振幅が増加する、または、外槽17の後側の振動振幅が増加する、または、外槽17の前側と後側の振動振幅が増加する。
したがって、大容量化行う場合、外槽17の重心Gの位置に対応したダンパ24の配置が必要となる。次に、外槽17の重心Gの位置毎のダンパ24の配置について説明する。
【0047】
図5A~
図5Cに、外槽17の重心Gに対応したダンパ24の配置を示す。
図5Aに、外槽17の重心Gが外槽17の前後方向の略中心O-Oよりも後方にある場合のダンパ24の配置を示す。
図5Bに、外槽17の重心Gが外槽17の前後方向の略中心O-Oよりも前方にある場合のダンパ24の配置を示す。なお、破線で示しているO-Oは、鉛直方向の線である。
【0048】
図5Cに、外槽17の重心Gが外槽17の略中心O-Oに位置した場合のダンパ24の配置図を示す 。
外槽17の重心Gから外槽17の最前面までの距離をL1、外槽17の重心Gから外槽17の最後面までの距離をL2とした場合、
図5Aの場合、L1がL2よりも長くなる。
図5Aに示す外槽17の重心Gから外槽17の最前面までの距離L1が長い場合、外槽17の最前面に加わる加振モーメントが大きくなる。この場合、外槽17の前側が上下方向に回転し易くなる。そのため、外槽17の共振回転数域や定常回転数で、外槽17の前側の上下振動振幅が増加する。
【0049】
一般的に、減衰手段となる減衰を付与するダンパは、振動振幅が大きいところに設けることで、ダンパ自体の減衰が小さくても大きな減衰エネルギーを得ることができる。そのため、振動振幅が大きい位置にダンパを設けることが、振動振幅低減に有効となる。
そこで、外槽17の前側の上下振動振幅が増加する場合、ダンパ24のうち、最前列に備えた前側第2ダンパ26を減衰が可変可能な減衰可変ダンパ26aとする。減衰可変ダンパ26aによって、外槽17の共振回転数域で外槽17の振動振幅が増加する前側に大きな減衰を付加できる。これにより、外槽17の上下振動振幅を低減し、外槽17と筐体1の衝突防止とリトライ回数の低減が可能となる。そのため、脱水が完了せずに終了することを抑制できる。
【0050】
定常回転数では、減衰可変ダンパ26aの減衰を小さくすることで、床Yに伝わる振動を低減し、不快感の増加を抑制できる。さらに、外槽17の振動振幅が増加する位置に減衰可変ダンパ26aを設けることで、従来例の減衰可変ダンパのように、磁性流体で減衰を可変する場合に磁性流体の量を減らすことができる。そのため、
図5Aの構成により、コストの増加を抑制しながら、洗濯容量の大容量化と、外槽17の振動低減とを行うことができる。
【0051】
図5Bに、外槽17の重心Gが外槽17の前後方向の略中心O-Oよりも前方にある場合のダンパ24の配置を示す。
外槽17の重心Gが外槽17の略中心O-Oよりも前方にある場合、L2がL1よりも長くなる。外槽17の重心Gから外槽17の最後面までの距離L2が長い場合、外槽17の最後面に加わる加振モーメントが大きくなる。これにより、外槽17の後側が上下方向に回転し易くなる。そのため、外槽17の共振回転数域や定常回転数で、外槽17の後側の上下振動振幅が増加する。外槽17の後側の上下振動振幅が増加する場合、ダンパ24のうち、最後列に備えた後側第2ダンパ28を減衰が可変可能な減衰可変ダンパ28aとする。
【0052】
減衰可変ダンパ28aによって、外槽17の共振回転数域で、外槽17の振動振幅が増加する後側に大きな減衰を付加できる。そのため、外槽17の上下振動振幅を低減し、外槽17と筐体1の衝突防止とリトライ回数の低減が可能となる。これにより、脱水が完了せずに終了することを抑制できる。
一方、定常回転数では減衰可変ダンパ28aの減衰を小さくする。これにより、ドラム式洗濯機100を設置した床Yに伝わる振動を低減し、利用者の不快感の増加を抑制できる。さらに、外槽17の振動振幅が増加する位置に減衰可変ダンパ28aを設けることで、前記のように、コストの増加を抑制しながら、洗濯容量の大容量化と外槽17の振動低減を行うことができる。
【0053】
図5Cに示す外槽17の重心Gが外槽17の略中心O-Oにある場合、L1とL2が略等しくなる。
外槽17の最前面と最後面に加わる加振モーメントがともに大きくなり、外槽17の前側と後側が上下方向に回転し易くなる。そのため、外槽17の共振回転数域や定常回転数で、外槽17の前側と後側の上下振動振幅が増加する。
外槽17の前側と後側の上下方向の振動振幅が増加する場合、ダンパ24のうち、最前列に備えた前側第2ダンパ26を減衰が可変可能な減衰可変ダンパ26aとし、最後列に備えた後側第2ダンパ28を減衰が可変可能な減衰可変ダンパ28aとする。
【0054】
減衰可変ダンパ26aと減衰可変ダンパ28aによって、外槽17の共振回転数域で外槽17の振動振幅が増加する前側と後側に大きな減衰を付加できる。そのため、外槽17の振動振幅が低減され、外槽17と筐体1の衝突防止と、リトライ回数の低減が可能となる。そのため、脱水工程が完了せずに終了することを抑制できる。
一方、定常回転数では減衰可変ダンパ26aと減衰可変ダンパ28aの減衰を小さくする。これにより、ドラム式洗濯機100を設置した床Y(
図1参照)に伝わる振動を低減し、利用者の不快感の増加を抑制できる。さらに、外槽17の振動振幅が増加する位置に減衰可変ダンパ26a、28aを設けることで、前記のように、コストの増加を抑制しながら、大容量化と振動低減を行うことができる。
【0055】
以上、外槽17に備えたダンパ24のうち、最前列または最後列および最前列と最後列に減衰可変ダンパ26a、28aを設けることで、外槽17の共振回転数域で外槽17の振動振幅を低減でき、外槽17と筐体1の衝突防止や、脱水が完了せずに終了することを防げる。また、定常回転数では床Yに伝わる振動を低減し、不快感の増加を抑制することで、洗濯容量の大容量化と、、外槽17の振動低減を行える。
なお、本第1実施形態ではダンパ24のうち、外槽17の右側に備えた前側第2ダンパ26と後側第2ダンパ28を最前列および最後列に配置しているが、外槽17の左側に備えた前側第1ダンパ25と後側第1ダンパ27を最前列および最後列に配置し、前側第1ダンパ25と後側第1ダンパ27を減衰可変ダンパとしてもよい。
【0056】
上記構成によれば、ドラム21と外槽17を前後方向に拡大した時に、外槽17の共振回転数域で外槽17の振動振幅を低減できる。そのため、外槽17と筐体1の衝突防止や、脱水が完了せずに終了することを抑制できる。
したがって、定常回転時に床Yへ伝わる振動の増加を抑制できるドラム式洗濯機100を提供できる。
【0057】
<<第2実施形態>>
次に、第2実施形態につい、て
図7から
図9を用いて説明する。
第2実施形態では、減衰可変ダンパの減衰を可変する方法を摩擦方式としたダンパ(以下、「摩擦減衰可変ダンパ」と称す)とする。また、ドラム21の回転方向(時計回りまたは反時計回り)に応じて、摩擦減衰可変ダンパの配置を第1実施形態から変更する。
なお、ドラム式洗濯機100の全体構成は、第1実施形態と基本的に同様な構成であるので、以下では、異なる構成について説明する。
【0058】
<摩擦ダンパ125、127と摩擦減衰可変ダンパ126、128の各構成>
次に、第2実施形態で用いる摩擦ダンパ125、127と摩擦減衰可変ダンパ126、128の例について説明する。
図6Aに、摩擦ダンパ125、127の縦断面図を示す。
摩擦ダンパ125と摩擦ダンパ127の構成は同じなので、摩擦ダンパ125の説明を行い、摩擦ダンパ127の説明は省略する。
摩擦ダンパ125は中空の有底円筒状のシリンダ125sと、棒状のロッド125rとを有している。シリンダ125sは樹脂または金属で形成される。ロッド125rは金属で形成されている。
【0059】
例えば、シリンダ125sは、外槽17に固定される。ロッド125rは下カバー11(
図2参照)に固定される。
シリンダ125s内には、ロッド125rが摺動する摺動部材125mが設けられる。摺動部材125mはグリスや、フェルトおよびグリス等で形成される。
この構成により、棒状のロッド125rは、シリンダ125s内の摺動部材125mに摺動しつつ、往復運動を行う(
図6Aの矢印α11)。
【0060】
図6Bに、摩擦減衰可変ダンパ126、128の縦断面図を示す。
摩擦減衰可変ダンパ126と摩擦減衰可変ダンパ128の構成は同じなので、摩擦減衰可変ダンパ126の説明を行い、摩擦減衰可変ダンパ128の説明は省略する。
摩擦減衰可変ダンパ126は中空の有底円筒状のシリンダ126sと、棒状のロッド126rとを有している。シリンダ126sは樹脂または金属で形成される。ロッド126rは金属で形成される。
【0061】
例えば、シリンダ126sは、外槽17に固定される。ロッド126rは下カバー11(
図2参照)に固定される。
シリンダ126s内には、ロッド126rが摺動する第1摺動部材126m1と第2摺動部材126m2とが設けられている。第1摺動部材126m1はグリスや、フェルトおよびグリス等で形成される。第2摺動部材126m2はグリスや、フェルトおよびグリス等で形成される。第1摺動部材126m1の摩擦係数は、第2摺動部材126m2の摩擦係数より小さい。
【0062】
この構成により、棒状のロッド126rは、ストロークが小さい間は(
図6Bの矢印α21)、シリンダ126s内の第1摺動部材126m1に摺動しつつ、往復運動を行う。
棒状のロッド126rは、ストロークが大きい場合(
図6Bの矢印α22)は、シリンダ126s内の第1摺動部材126m1、または、第1摺動部材126m1および第2摺動部材126m2に摺動しつつ、往復運動を行う。
これにより、ロッド126rのストロークが大きい場合は、第1摺動部材126m1、または、第1摺動部材126m1および第2摺動部材126m2とに摺動することで大きな摩擦減衰力が付与される。
なお、摩擦ダンパ125、127と摩擦減衰可変ダンパ126、128は、上述以外の構成のものを用いてもよい。
【0063】
<摩擦減衰可変ダンパと摩擦ダンパの各ストロークに対する減衰力の特性>
図7に、第2実施形態の摩擦減衰可変ダンパ(黒丸)と、一般的な摩擦ダンパ(白抜き四角)のストロークに対する減衰力を発明者が測定した結果の一例を示す。
【0064】
まず、第2実施形態の摩擦減衰可変ダンパについて
図7を用いて説明する。
図7の横軸のストローク(mm)は定常回転数の変位(小ストローク~中ストローク)から外槽17の共振回転数域の変位(小ストローク~大ストローク)で加振器による加振を行った。
図7の縦軸の減衰力(N:ニュートン)は、摩擦ダンパまたは摩擦減衰可変ダンパがストロークした際の力をロードセルで計測した。
【0065】
図7より、摩擦減衰可変ダンパは摩擦ダンパに比べて、ストロークによる減衰力の変化が大きいことがわかる。
摩擦減衰可変ダンパと摩擦ダンパの減衰をエネルギ(ストローク×減衰力)で比較する。
外槽17の共振時(ストローク小~大)の減衰は、摩擦ダンパの減衰エネルギー1.0に対して、摩擦減衰可変ダンパの減衰エネルギー0.8であった。
【0066】
外槽17の定常回転時(ストローク小~中)の減衰は、摩擦ダンパの減衰エネルギー1.0に対して、摩擦減衰可変ダンパの減衰エネルギー0.5であった。
したがって、外槽17の共振回転数域と定常回転数ともに摩擦ダンパの減衰エネルギーが摩擦減衰可変ダンパの減衰エネルギーより大きくなる。
ここで、外槽17の共振回転数域では、外槽17が左右方向に振動振幅が増加する左右共振と、外槽17の上下方向に振動振幅が増加する上下共振とが存在する。
【0067】
外槽17の上下方向には懸架装置12(
図2参照)が接続されているため、左右方向よりも上下方向のばね定数が大きくなる。一般的にばね定数が高いほど、共振回転数が高くなる。
そのため、上下共振が発生するドラム21の回転数(回転速度)は、左右共振が発生するドラム21の回転数(回転速度)よりも高くなる。洗濯容量の大容量化を行う場合、第1実施形態に記載の様に、外槽17の上下方向の振動振幅が増加するため、上下共振で外槽17の振動振幅が最大となる。
【0068】
したがって、洗濯容量の大容量化では上下共振における外槽17の振動振幅の低減が必要となる。
<外槽17の上下方向の共振における外槽17の振動方向>
次に、外槽17の上下共振における外槽17の振動方向について説明する。
【0069】
図8A~
図8Dに、第2実施形態のドラム21が逆転で脱水運転を行った場合を例として、外槽17の上下共振における外槽17の振動方向を示す。
図8Aに、ドラム21が逆転で脱水運転を行った場合にドラム21が1回転中に衣類の片寄りがドラム21の左に移動した際の外槽17の上下共振における振動方向を示す。
【0070】
図8Bに、ドラム21が逆転で脱水運転を行った場合にドラム21が1回転中に衣類の片寄りがドラム21の下に移動した際の外槽17の上下共振における振動方向を示す。
図8Cに、ドラム21が逆転で脱水運転を行った場合にドラム21が1回転中に衣類の片寄りがドラム21の右に移動した際の外槽17の上下共振における振動方向を示す。
【0071】
図8Dに、ドラム21が逆転で脱水運転を行った場合にドラム21が1回転中に衣類の片寄りがドラム21の上に移動した際の外槽17の上下共振における振動方向を示す。
図8A~
図8Dに示すように、ドラム21が1回転中に衣類の片寄りがドラム21の左、下、右、上の順に移動し、ドラム21の1回転中に衣類の片寄り位置が変化する。すると、ドラム21の回転によって衣類の片寄り位置の変化に伴い、外槽17の上下共振における振動方向も変化する。
【0072】
図8Aと
図8Cに示すように、衣類の片寄りが左または右に位置する時は、衣類の片寄りで発生する遠心力が加振力となり、外槽17は左方向または右方向に振動する。
しかし、上下共振において、変位は加振力に対して90°位相が遅れるため、ドラム21が逆転で脱水運転する場合、衣類の片寄りが左に位置する時は外槽17が上方向に振動し、衣類の片寄りが右に位置する時は外槽17が下方向に振動する。また、衣類の片寄りが左もしくは右に位置する時は、外槽17の左右方向にも力が発生しているため、外槽17は左右方向にも振動する。前述したように、左右共振の後に上下共振が発生するため、上下共振では左右共振を通過している。そのため、左右方向の変位は加振力に対して180°位相が遅れるため、衣類の片寄りが左に位置する時(
図8A参照)は、外槽17は右に振動し、衣類の片寄りが右に位置する時(
図8C参照)は、外槽17は左方向に振動する。
【0073】
その結果、
図8Aに示す衣類の片寄りが左に位置する時は、外槽17は上方向と右方向すなわち右上方向に振動する。
図8Cに示す衣類の片寄りが右に位置する時は、外槽17は下方向と左方向すなわち左下方向に振動する。
【0074】
図8Bと
図8Dに示すように、衣類の片寄りが下または上に位置する時は、外槽17の上下方向に力が発生している。
外槽17は上下方向に振動する。しかし、上下共振において、変位は加振力に対して90°位相が遅れるため、ドラム21が逆転時には、
図8Bに示す衣類の片寄りが下に位置する時は外槽17が左方向に振動する。
【0075】
図8Dに示す衣類の片寄りが上に位置する時は外槽17が右方向に振動する。
図8A~
図8Dに示す振動を合成すると、左下方向と右上方向の振動が左上方向と右下方向の振動よりも大きくなる。
したがって、ドラム21が逆転(反時計回りの回転)した場合の上下共振では、外槽17は右上方向と左下方向に楕円の軌跡で振動する。
【0076】
<外槽17の上下共振の振動振幅低減と定常回転数で床Yに伝わる振動の増加を抑制するダンパ24の配置>
次に、ドラム21が逆転で脱水運転を行う際、外槽17の上下共振の振動振幅低減と定常回転数で床Yに伝わる振動の増加を抑制するダンパ24の配置について
図9A、
図9Bを用いて説明する。
【0077】
図9Aに、第2実施形態の外槽を右側面側から見たダンパ24の配置図を示す。
図9Bに、第2実施形態の外槽を正面側から見たダンパ24の配置図を示す。
図9A、
図9Bは、大容量化を行い、第1実施形態に記載したように、外槽17の重心Gが外槽17の略中心O-Oとした場合を例としている。
第2実施形態では、外槽17を右側から見た
図9Aに示すように、ドラム21が逆転しながら脱水を行う場合は、第1実施形態のダンパ24の配置から、最前列に備えた第1実施形態の前側第2ダンパ26に代わり摩擦減衰可変ダンパ126を備えている。また、最後列の第1実施形態の後側第2ダンパ28に代わり摩擦減衰可変ダンパ128を備えている。
【0078】
また、第2実施形態では、第1実施形態の前側第1ダンパ25に代わり摩擦ダンパ125を備えている。また、第1実施形態の後側第1ダンパ27に代わり摩擦ダンパ127を備えている。
ドラム21を逆転して脱水を行う場合、
図8A~
図8Dに示すように、外槽17は右上方向と左下方向に楕円の軌跡で振動する。
そこで、外槽17を正面から見た
図9Bに示すように、ドラム21の回転方向側となる左側に摩擦ダンパ125と摩擦ダンパ127を備え、反対側に摩擦減衰可変ダンパ126と摩擦減衰可変ダンパ128を備えている。
【0079】
前記の
図7を用いて説明したように、外槽17の共振回転数域の減衰(減衰エネルギ)は、摩擦ダンパ(
図7の白抜き四角)が摩擦減衰可変ダンパ(
図7の黒丸)よりも大きい。
したがって、外槽17の左側に摩擦ダンパ125と摩擦ダンパ127とを備えることで、外槽17の上下共振の振動方向となる左下方向(
図8C参照)に効果的に減衰を付加できる。そのため、外槽17の左下方向の大きな振動振幅を低減できる。
【0080】
また、外槽17の振動振幅が大きい位置に摩擦ダンパ125と摩擦ダンパ127を備えることで、摩擦ダンパ125、127自体の減衰が小さくても、前記したように、大きな減衰エネルギーを得ることができる。そのため、摩擦ダンパ125と摩擦ダンパ127の減衰を小さくしながら、外槽17の振動振幅を低減できる。そのため、定常回転数の床への振動伝達も低減できる。
外槽17の重心Gが外槽17の略中心O-Oに位置する場合、第1実施形態の
図5Cに記載したように、外槽17の最前面と最後面の振動振幅が増加する。外槽17の振動振幅が増加する位置の外槽17の最前面またはその近くに摩擦減衰可変ダンパ126を備えている。また外槽17の振動振幅が増加する位置の外槽17の最後面またはその近くに摩擦減衰可変ダンパ128を備えている。これにより、摩擦減衰可変ダンパ126と摩擦減衰可変ダンパ128のストロークを大きくでき、外槽17の上下振動振幅に大きな減衰を付加できる。よって、摩擦減衰可変ダンパ126、128を外槽17の振動振幅が増加する位置に備えることで、外槽17の上下振動振幅を低減できる。
【0081】
ここで、摩擦減衰可変ダンパ126と摩擦減衰可変ダンパ128により外槽17の上下振動振幅を低減することで、外槽17が左下方向に振動する際、下方向の振動振幅を低減できる。すなわち、摩擦減衰可変ダンパ126と摩擦減衰可変ダンパ128で、外槽17の上下方向の振動振幅を低減することで、外槽17の左下方向に振動する際、上下振動振幅が低減できる。
そのため、上下共振で振動振幅が増加する左下方向の振動振幅の低減に寄与することができる。
【0082】
つまり、脱水運転を逆転(反時計回りの回転)で行う際、外槽17の上下共振で外槽17の振動振幅が大きくなる左下方向の振動振幅を低減することで、外槽17と筐体1の衝突抑制とリトライ発生回数の低減できる。そのため、ドラム式洗濯機100は、脱水が完了せずに終了することを抑制できる。
【0083】
<定常回転数の床Yへの振動伝達低減>
次に、
図3Aに示す定常回転数(定常回転速度)運転の脱水時の床Y(
図1参照)への振動伝達低減について説明する。
【0084】
定常回転数では、前記の
図7を用いて説明したように、摩擦減衰可変ダンパ126、128の減衰が摩擦ダンパ125、127よりも小さい。したがって、外槽17の振動振幅が増加する外槽17の最前面またはその近くに摩擦減衰可変ダンパ126を設け、最後面またはその近くに摩擦減衰可変ダンパ128をそれぞれ設ける。これにより、床Yに伝わる振動を低減し、利用者が感じる不快感の増加を抑制できる。
また、前記のように、外槽17の上下共振で、摩擦減衰可変ダンパ126と摩擦減衰可変ダンパ128も外槽17の左下方向の振動振幅低減に寄与している。したがって、摩擦ダンパ125と摩擦ダンパ127の減衰を大きくすることなく、外槽17の上下共振の振動振幅を低減できる。そのため、摩擦ダンパ125と摩擦ダンパ127の減衰を小さくしながら、外槽17の上下共振の振動振幅を低減できる。
【0085】
したがって、定常回転時の床Yに伝達する振動をさらに低減し、利用者が感じる不快感の増加を抑制できる。
以上のことから、ドラム21が逆転しながら脱水運転を行う場合は、
図9A、
図9Bに示すように、外槽17の右側の最前列に摩擦減衰可変ダンパ126を備える。また、外槽17の右側の最後列に摩擦減衰可変ダンパ128を備える。また、外槽17の左側に、摩擦ダンパ125と摩擦ダンパ127とを備える。
【0086】
これにより、外槽17の上下共振振動で外槽17の振動振幅を低減でき、外槽17と筐体1の衝突抑制や、脱水が完了せずに終了することを抑制できる。また、定常回転時の床Yの振動を低減し、利用者の不快感の増加を抑制する。これにより、洗濯容量の大容量化と、外槽17の振動低減とを行える。
また、摩擦減衰可変ダンパ126、128を用いることで、特許文献1と特許文献2のように磁性流体および磁場発生装置を使用せず、減衰を可変できるため、コストの増加を抑制できる。
【0087】
なお、第2実施形態ではドラム21が逆転して脱水運転した場合のダンパ24の配置を例として記載している。
これに対して、ドラム21が正転(時計回りの回転)で脱水運転する場合は、下記の
図10A~
図10Dに示すようになる。
【0088】
図10A~
図10Dは、ドラム21が正回転(時計回りの回転)した場合のドラム21の振動方向を示している。
図10Aに、ドラム21が正転で脱水運転を行った場合にドラム21が1回転中に衣類の片寄りがドラム21の左に移動した際の外槽17の上下共振における振動方向を示す。
【0089】
図10Bに、ドラム21が正転で脱水運転を行った場合にドラム21が1回転中に衣類の片寄りがドラム21の上に移動した際の外槽17の上下共振における振動方向を示す。
図10Cに、ドラム21が正転で脱水運転を行った場合にドラム21が1回転中に衣類の片寄りがドラム21の右に移動した際の外槽17の上下共振における振動方向を示す。
【0090】
図10Dに、ドラム21が正転で脱水運転を行った場合にドラム21が1回転中に衣類の片寄りがドラム21の下に移動した際の外槽17の上下共振における振動方向を示す。
したがって、ドラム21が正転(時計回りの回転)した場合の上下共振では、外槽17は左上方向と右下方向に楕円の軌跡で振動する。したがって、外槽17の上下共振で、外槽17は右下方向に振動する。
そのため、ドラム21の正転の回転方向側となる右側に摩擦ダンパ125と摩擦ダンパ127を備え、反対の左側に摩擦減衰可変ダンパ126と摩擦減衰可変ダンパ128を備えている。
【0091】
このように、脱水運転を行う回転方向に合わせて、第2実施形態の摩擦ダンパ125、127と摩擦減衰可変ダンパ126、128の位置を変更してもよい。本第2実施形態に示すダンパ24の配置は、ドラム式洗濯乾燥機にも適用できる。
【0092】
<<第3実施形態>>
次に、第3実施形態について
図11を用いて説明する。
図11に、本発明の第3実施形態に係る外槽117を右側面側から見たダンパ24の配置図を示す。
第3実施形態は、第1実施形態の外槽17を前側と後側に分割できる外槽117に変更したものである。
【0093】
なお、ドラム式洗濯機100については、第1実施形態と第2実施形態と基本的に同様な構成であるので、以下では、異なる部分について説明する。
外槽117は、分割面117bで、開口部117aを含む側と、モータ22が取り付けられる側とに分割することができる。
外槽117の分割位置は、ドラム式洗濯機100の構成によって異なる。
第3実施形態では、外槽117の開口部を含む前側部118と、モータ22を取り付ける後側部119とに分割した場合のダンパ24の配置について説明する。
【0094】
ダンパ24の配置は第2実施形態と同様に、ダンパ24のうち、最前列に摩擦減衰可変ダンパ126、最後列に摩擦減衰可変ダンパ128を外槽117の右側にそれぞれ備える。反対の外槽117の左側に摩擦ダンパ125、摩擦ダンパ128を外槽117の左側にそれぞれ備える。
第2実施形態と異なる点を
図11に示す。つまり、最前列に備えた摩擦減衰可変ダンパ126を前側部118に備えている。そして、それ以外の減衰可変ダンパ128と摩擦ダンパ125および摩擦ダンパ127を後側部119に備えている。
【0095】
第1実施形態に記載したように、洗濯容量を大容量化した場合、外槽117の前側と後側の振動振幅が増加する。外槽117の前側部118に摩擦減衰可変ダンパ126を備える。これにより、外槽117の前側の振動振幅を低減できる。また、後側部119に摩擦減衰可変ダンパ128を備えることで、後側119の振動振幅を低減できる。
したがって、外槽117の分割位置によらず、前側部118と後側部119とに、それぞれ摩擦減衰可変ダンパ126、128を備えることができる。そのため、ドラム式洗濯機100の構成によらず振動低減を行うことができる。
以上のことから、外槽117を分割した構造においても大容量化時に外槽117の振動振幅を低減でき、大容量化と低振動化を行える。
【0096】
なお、本第3実施形態に示すダンパ24の配置は、ドラム式洗濯乾燥機にも適用できる。
第1~第3実施形態によれば、ドラム21と外槽17、117を前後方向に拡大した場合に、外槽17、117の共振回転数域で外槽17、117の振動振幅を低減できる。そのため、脱水時の外槽17、117と筐体1との衝突が抑制でき、また、脱水が完了せずに終了することを抑制できる。したがって、共振時、定常回転時に床Yに伝わる振動の増加を抑制できるドラム式洗濯機100を提供することができる。
【0097】
<<その他の実施形態>>
1.前記した実施形態、変形例の構成は、適宜組み合わせて構成することも可能である。
2.本発明は、前記した実施形態、変形例の構成に限られることなく、添付の特許請求の範囲内で様々な変形形態、具体的形態が可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 筐体
17 外槽
21 ドラム
22 モータ
24 ダンパ
25 前側第1ダンパ(ダンパ)
26 前側第2ダンパ(ダンパ)
26a 減衰可変ダンパ(ダンパ)
27 後側第1ダンパ(ダンパ)
28 後側第2ダンパ(ダンパ)
28a 減衰可変ダンパ(ダンパ)
100 ドラム式洗濯機
117b 分割面
125 摩擦ダンパ(ダンパ)
126 摩擦減衰可変ダンパ(ダンパ)
127 摩擦ダンパ(ダンパ)
128 摩擦減衰可変ダンパ(ダンパ)
【手続補正書】
【提出日】2023-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
【
図2】第1実施形態のドラム式洗濯機の内部構造を右側から見た断面図。
【
図3A】ドラム内の衣類のアンバランス不検知時のドラム回転動作例のタイムチャート。
【
図3B】ドラム内の衣類のアンバランス検知時のドラム回転動作例のタイムチャート。
【
図4】外槽を下方から見た防振構造部であるダンパと外槽の関係の模式図。
【
図5A】本発明の一実施例に係る外槽を右側面側から見たダンパの配置図である。
【
図5B】本発明の一実施例に係る外槽を右側面側から見たダンパの配置図である。
【
図5C】本発明の一実施例に係る外槽を右側面側から見たダンパの配置図である。
【
図7】本発明の二実施例に係るダンパの減衰測定結果図である。
【
図8】本発明の二実施例に係る外槽を正面側から見た外槽の振動方向を示した図である。
【
図9】本発明の二実施例に係る外槽を右側面側と正面側から見たダンパの配置図である。
【
図10A】ドラムが正転で脱水運転を行った場合にドラムが1回転中に衣類の片寄りがドラムの左に移動した際の外槽の上下共振における振動方向を示す図である。
【
図10B】ドラムが正転で脱水運転を行った場合にドラムが1回転中に衣類の片寄りがドラムの上に移動した際の外槽の上下共振における振動方向を示す図である。
【
図10C】ドラムが正転で脱水運転を行った場合にドラムが1回転中に衣類の片寄りがドラムの右に移動した際の外槽の上下共振における振動方向を示す図である。
【
図10D】ドラムが正転で脱水運転を行った場合にドラムが1回転中に衣類の片寄りがドラムの下に移動した際の外槽の上下共振における振動方向を示す図である。
【
図11】本発明の三実施例に係る外槽を右側面側から見たダンパの配置図である。