(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153472
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】金銭処理機
(51)【国際特許分類】
G07D 11/26 20190101AFI20241022BHJP
G07D 11/60 20190101ALI20241022BHJP
G07D 11/235 20190101ALI20241022BHJP
【FI】
G07D11/26
G07D11/60
G07D11/235
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067388
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川端 康幸
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA08
3E141BA06
3E141CA07
3E141FJ09
(57)【要約】
【課題】入力操作及びキーの使用をせずに、発生したエラーのエラー解析に必要なログ情報の外部の記録媒体への転送を容易かつ短時間に行うことができる金銭処理機を提供する。
【解決手段】エラーの種別ごとにエラー解析に必要なログ情報を予め対応付けて設定したログ情報選択テーブル53と、エラーが発生した場合、ログ情報選択テーブル53をもとにエラーに対応するログ情報を自動選択してUSBメモリ2のUSBポート70への接続待ち状態とし、USBメモリ2がUSBポート70に接続された場合、自動選択したログ情報を取得してUSBメモリ2に転送するログ情報取得制御部62と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作情報をログ情報として収集及び蓄積し、該ログ情報を外部の記録媒体に転送することができる金銭処理機であって、
エラーの種別ごとにエラー解析に必要なログ情報を予め対応付けて設定したログ情報選択テーブルと、
エラーが発生した場合、前記ログ情報選択テーブルをもとに前記エラーに対応するログ情報を自動選択して前記記録媒体の接続待ち状態とし、前記記録媒体が前記記録媒体の接続ポートに接続された場合、自動選択したログ情報を取得して前記記録媒体に転送するログ情報取得制御部と、
を備えたことを特徴とする金銭処理機。
【請求項2】
前記ログ情報取得制御部は、エラー復帰後にエラー履歴表示操作を行った場合、前記ログ情報選択テーブルをもとに、現在のエラー履歴に対応するログ情報を自動選択して前記記録媒体の接続待ち状態とし、前記記録媒体が前記記録媒体の接続ポートに接続された場合、自動選択したログ情報を取得して前記記録媒体に転送することを特徴とする請求項1に記載の金銭処理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力操作及びキーの使用をせずに、発生したエラーのエラー解析に必要なログ情報の外部の記録媒体への転送を容易かつ短時間に行うことができる金銭処理機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今のスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗には、客さばきや現金管理の厳正化のため、自動釣銭機として金銭処理機が設置されている。この金銭処理機は、通常、大型店舗などでは、POS(Point Of Sales)レジスタ装置等の上位装置に接続されており、上位装置からの指令に応じて紙幣や硬貨等の金銭の入出金処理を行うようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の金銭処理機では、エラーが発生した場合、保守担当者はUSBメモリなどの記録媒体を接続して金銭処理機のログ情報をダウンロードして取得することができる。ここで、ログ情報の全てを取得しようとする場合、例えば30分以上の時間がかかるため、金銭処理機の操作キーを用いて、発生したエラーに対応した必要なログ情報を判断し、この判断したログ情報を操作キーの入力により選択指定して取得するようにしている。
【0005】
しかしながら、必要なログ情報を保守担当者が判断し、しかも必要なログ情報の選択を手動操作で行うため、人為的な判断ミスや操作ミスが発生しやすく、必要なログ情報を取得できない場合があった。そして、ログ情報が必要なものであるか否かは、ログ情報を用いたエラー解析後に判明するため、ログ情報が必要なものでない場合、結果としてエラー解析を行うことができないことになる。
【0006】
また、ログ情報の取得には、動作モードを保守モードに切り替える必要がある。この動作モードの切替にはキー(鍵)が必要であるため、ログ情報の取得には手間がかかるとともに、このキーを用いて金銭収納庫の開放等のアクセスが可能であるため、保守担当者に不要な精神的負担をかけてしまうことになる。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、入力操作及びキーの使用をせずに、発生したエラーのエラー解析に必要なログ情報の外部の記録媒体への転送を容易かつ短時間に行うことができる金銭処理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決して目的を達成するために、本発明に係る金銭処理機は、動作情報をログ情報として収集及び蓄積し、該ログ情報を外部の記録媒体に転送することができる金銭処理機であって、エラーの種別ごとにエラー解析に必要なログ情報を予め対応付けて設定したログ情報選択テーブルと、エラーが発生した場合、前記ログ情報選択テーブルをもとに前記エラーに対応するログ情報を自動選択して前記記録媒体の接続待ち状態とし、前記記録媒体が前記記録媒体の接続ポートに接続された場合、自動選択したログ情報を取得して前記記録媒体に転送するログ情報取得制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の金銭処理機において、前記ログ情報取得制御部は、エラー復帰後にエラー履歴表示操作を行った場合、前記ログ情報選択テーブルをもとに、現在のエラー履歴に対応するログ情報を自動選択して前記記録媒体の接続待ち状態とし、前記記録媒体が前記記録媒体の接続ポートに接続された場合、自動選択したログ情報を取得して前記記録媒体に転送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入力操作及びキーの使用をせずに、発生したエラーのエラー解析に必要なログ情報の外部の記録媒体への転送を容易かつ短時間に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態である金銭処理機の外観構成を示す図である。
【
図2】
図2は、金銭処理機の制御系を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1及び
図2に示した硬貨収納ユニットの概要構成及び動作を説明するための模式図である。
【
図4】
図4は、
図1及び
図2に示した紙幣収納ユニットの概要構成及び動作を説明するための模式図である。
【
図5】
図5は、
図2に示した制御部のログ情報取得制御部によるログ情報取得制御処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、ログ情報選択テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
【0013】
<金銭処理機の構成>
図1は、本発明の実施の形態である金銭処理機10の外観構成を示す図である。
図1(a)は、金銭処理機10の平面図であり、
図1(b)は、金銭処理機10の正面図である。また、
図2は、金銭処理機10の制御系を示すブロック図である。さらに、
図3は、
図1及び
図2に示した硬貨収納ユニット20の概要構成及び動作を説明するための模式図である。また、
図4は、
図1及び
図2に示した紙幣収納ユニット30の概要構成及び動作を説明するための模式図である。
【0014】
ここで例示する金銭処理機10は、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において釣銭機として用いられるものであり、上位機器であるレジスタ装置1に通信可能に接続されて金銭の入出金を行うものである。
【0015】
金銭処理機10は、直方体状を成す装置本体11の前端部に硬貨投入口12、硬貨出金口13、硬貨返却口14、紙幣投入口15、紙幣出金口16を備えており、硬貨収納ユニット20と紙幣収納ユニット30とを有している。
【0016】
硬貨投入口12は、投入された硬貨を装置本体11の内部に受け入れるための開口であり、装置本体11の前端上面に形成されている。硬貨投入口12は、顧客からの預り金を一時保持する一時保持部として機能する。硬貨投入口12に投入された硬貨は、レジスタ装置1からの入金許可指令を受け、投入検出センサによって検出された後、
図3に示すように、硬貨収納ユニット20の取り込み搬送部として機能する入金搬送機構22aによって搬送される。入金搬送機構22a内に設けられた硬貨鑑別センサ23は、硬貨の真贋及び金種及び枚数を判定する。搬送された硬貨が正貨である場合、一時保留庫24gに保留される。一方、搬送された硬貨が正貨でない場合、硬貨出金口13を介して出金トレイ17に返却される。なお、レジスタ装置1側から返却指示があった場合、一時保留庫24gに保留された硬貨は、硬貨返却口14に返却される。
【0017】
その後、一時保留庫24gに保留された硬貨は、振り分け部である振分搬送機構22bによって搬送される。振分搬送機構22bによって搬送される硬貨は、金種に応じて硬貨収納庫24(24a~24f)に収納される。本実施の形態では、装置本体11の内部に1円硬貨収納庫24a、50円硬貨収納庫24b、5円硬貨収納庫24c、100円硬貨収納庫24d、10円硬貨収納庫24e、500円硬貨収納庫24fが設けられており、投入された硬貨を金種毎に個別に収納するようにしている。なお、一時保留庫24gは、各硬貨収納庫24a~24fに収納された硬貨を一旦空にして各硬貨収納庫24a~24fの収納個数を再計数するための精査庫としても機能する。硬貨出金口13は、レジスタ装置1側からの出金指令に応じてそれぞれの硬貨収納庫24a~24fから出金搬送機構22cを介して搬出された硬貨を装置本体11の外部に払い出すための開口であり、装置本体11の前面に形成されている。
【0018】
紙幣投入口15は、投入された紙幣を装置本体11の内部に受け入れるための開口であり、装置本体11の前面上部に設けてある。紙幣投入口15は、顧客から預り金を一時保持する一時保持部として機能する。紙幣投入口15に投入された紙幣は、レジスタ装置1側からの入金許可の指示を受け、投入検出センサによって検出された後、
図4に示すように、紙幣収納ユニット30の紙幣搬送機構32によって搬送される。搬送された紙幣は、紙幣鑑別センサ33によって、紙幣の真贋及び金種が判定される。搬送された紙幣が正券である場合、金種に応じて紙幣収納庫34内の1000円紙幣収納庫34b又は混合紙幣収納庫34cの上流側部分に分割構成された一時保留庫35に保留される。一方、搬送された紙幣が正券でない場合、あるいはレジスタ装置1側からの返却指示があった場合、紙幣は紙幣出金口16に返却される。なお、紙幣搬送機構32上には、紙幣搬送機構32上を通過する紙幣の金種及び枚数を検出する紙幣識別センサS2が設けられている。
【0019】
その後、一時保留庫35に保留された紙幣は、1000円紙幣収納庫34b又は混合紙幣収納庫34cに収納される。なお、混合紙幣収納庫34cは、1000円紙幣以外の紙幣を収納する。例えば、10000円紙幣や5000円紙幣を混合して収納する。また精査庫34aは、1000円紙幣収納庫34b、混合紙幣収納庫34cに収納された紙幣を一旦空にして各紙幣収納庫34の収納枚数を再計数する際に一時収納する収納庫である。紙幣出金口16は、レジスタ装置1側からの出金指令に応じて、紙幣収納庫34から搬出された紙幣を装置本体11の外部に払い出すための開口であり、装置本体11の前面に設けてある。
【0020】
なお、回収庫36は、回収される紙幣を収納する収納庫である。
図1に示すように、回収庫36の前面には錠前K3が設けられ、図示しない保守用のキーにより回収庫36のみを引き出すことができる。また、紙幣収納ユニット30の前面には錠前K2が設けられ、保守用のキーを回転させて回収庫取り出しの位置にすると、紙幣収納ユニット30の上蓋を開くことができ、ユニット引き出しの位置にすると、紙幣収納ユニット30を装置本体11から引き出すことができる。なお、硬貨収納ユニット20の前面には、錠前K1が設けられ、保守用のキーにより硬貨収納ユニット20を装置本体11から引き出すことができる。なお、錠前K1は、保守用のキーを回転させることにより、管理、運用、保守の3つの動作モードに切り替えられ、動作モードを保守の位置にすることにより、硬貨収納ユニット20を引き出すことができる。ここで、硬貨収納ユニット20の前面には、USBインターフェースのUSBポート70が設けられている。
【0021】
図1に示すように、装置本体11の前端側左上面には、操作表示部40が設けてある。操作表示部40は、表示部40a及び操作部40bを有する。表示部40aは、金種ごとの貨幣の収納状況を表示する7セグメントのLED表示器と、入出金に関する履歴情報の集合体であるログ情報などの貨幣の収納状況に関する情報及び他の必要な情報を文字表示するLCD表示器とを有する。操作部40bは、操作者が各種指令を入力するためのもので、例えばテンキーを兼ねる複数の押ボタンスイッチによって構成してある。例えば、ヘルプランプの点灯が示す情報を表示あるいは音声出力させるヘルプスイッチ、貨幣収納枚数が所定枚数になったときに余剰金回収動作を実行するための回収スイッチ、不足金補充動作を実行するための補充スイッチ、これらの動作の実行を許可するかしないかを設定する設定スイッチ、及び実行するための実行スイッチを有する。
【0022】
図2に示すように、金銭処理機10は、制御部60に、硬貨収納ユニット20、紙幣収納ユニット30、操作表示部40、記憶部50及びUSBポート70が接続される。硬貨収納ユニット20は、各種センサ群20a及びアクチュエータ群20bを有する。また、紙幣収納ユニット30は、各種センサ群30a及びアクチュエータ群30bを有する。
【0023】
制御部60は、操作表示部40を通じて指令が与えられた場合、硬貨鑑別センサ23、紙幣鑑別センサ33から検出信号が与えられた場合、更には上位装置であるレジスタ装置1から各種指令が与えられた場合、記憶部50に格納したプログラムや初期データに基づいて操作表示部40の表示制御、アクチュエータ群20b(硬貨搬送機構:入金搬送機構22a,振分搬送機構22b,出金搬送機構22c)の駆動制御、アクチュエータ群30b(紙幣搬送機構32)の駆動制御を行うものである。
【0024】
制御部60は、入出金制御部61及びログ情報取得制御部62を有する。入出金制御部61は、レジスタ装置1から入金許可指令が与えられた後に金銭が投入された場合に、入金許可指令に従って金銭の入金処理を行い、かつ、レジスタ装置1から出金指令が与えられた場合に、出金指令に従って金銭の出金処理を行うものである。また、入出金制御部61は、これらの入金処理及び出金処理を実行している間、実施した入金処理及び出金処理の内容を入出金情報51として逐次、記憶部50に格納する処理も行うとともに、センサ群20a,30aのセンサ情報を含めた機器動作の履歴情報をログ情報52として格納する処理を行う。
【0025】
記憶部50は、エラーの種別ごとにエラー解析に必要なログ情報を予め対応付けて設定したログ情報選択テーブル53を有する。ログ情報52は、例えば、硬貨ログ(硬貨収納ユニット20の搬送動作系のログ)、紙幣ログ(紙幣収納ユニット30の搬送動作系のログ)、鑑別部ログ、硬貨鑑別部ログ(硬貨鑑別センサ23のログ)、紙幣鑑別部ログ(紙幣鑑別センサ33及び紙幣識別センサS2のログ)などがあり、さらに詳細なログも含まれる。そして、ログ情報選択テーブル53は、予め、各エラーに対応して1以上のログを紐づけた設定がされている。
【0026】
ログ情報取得制御部62は、エラーが発生した場合、ログ情報選択テーブル53をもとに、エラーに対応するログ情報を自動選択して記録媒体であるUSBメモリ2のUSBポート70への接続待ち状態とし、USBメモリ2が、接続ポートであるUSBポート70に接続された場合、自動選択したログ情報52を取得してUSBメモリ2に転送する制御を行う。また、ログ情報取得制御部62は、エラー復帰後に、操作表示部40においてエラー履歴表示操作を行った場合、ログ情報選択テーブル53をもとに、現在表示されているエラー履歴に対応するログ情報を自動選択してUSBメモリ2のUSBポート70への接続待ち状態とし、USBメモリ2がUSBポート70に接続された場合、自動選択したログ情報52を取得してUSBメモリ2に転送する制御を行う。なお、USBメモリ2は、記録媒体の一例であり、SDメモリであってもよく、接続ポートと記憶媒体とのインターフェースが一致していればよい。なお、USBメモリ2は可搬性が高く、広く普及しているため好ましい。
【0027】
<ログ情報取得制御処理>
図5は、
図2に示した制御部60のログ情報取得制御部62によるログ情報取得制御処理手順を示すフローチャートである。
【0028】
図5に示すように、まず、ログ情報取得制御部62は、エラーが発生したか否かを判定する(ステップS101)。エラーが発生した場合(ステップS101:Yes)、操作表示部40にエラーコードを表示する(ステップS102)。その後、ログ情報選択テーブル53を参照して、発生したエラーに対応するログ情報を自動選択し、USBメモリ2のUSBポート70への接続待ち状態とする(ステップS103)。
【0029】
その後、ログ情報取得制御部62は、USBメモリ2がUSBポート70に接続されたか否かを判定する(ステップS104)。USBメモリ2がUSBポート70に接続されていない場合(ステップS104:No)、本判定処理を繰り返す。一方、USBメモリ2がUSBポート70に接続された場合(ステップS104:Yes)、自動選択したログ情報52を取得して、USBメモリ2に転送する(ステップS105)。そして、ログ情報取得制御部62は、操作表示部40に、ログ情報52の転送終了を表示し(ステップS106)、本処理を終了する。なお、ステップS103において、USBメモリ2のUSBポート70への接続待ち状態の場合、操作表示部40にUSBメモリ2の接続案内を表示してもよいし、ステップS105において、操作表示部40に、ログ情報52の転送中である旨を表示するようにしてもよい。
【0030】
一方、エラーが発生していない場合(ステップS101:No)、すなわちエラー復帰後、さらに操作表示部40においてエラー履歴表示を行っているか否かを判定する(ステップS111)。エラー履歴表示を行っていない場合(ステップS111:No)には、ステップS101に移行する。一方、エラー履歴表示を行っている場合(ステップS111:Yes)には、ログ情報選択テーブル53を参照して、現在履歴表示しているエラーに対応するログ情報を自動選択し、USBメモリ2のUSBポート70への接続待ち状態とする(ステップS112)。その後、ステップS104に移行し、自動選択したログ情報をUSBメモリ2に転送する処理(ステップS104~S106)を行って本処理を終了する。なお、上記の処理は、所定期間ごとに繰り返し行う。
【0031】
<ログ情報選択テーブルの一例>
図6では、硬貨部(硬貨収納ユニット20の詰まり以上(エラーコード「d0」)、紙幣部(紙幣収納ユニット30の千円庫における媒体残留異常(エラーコード「71」)、紙幣部(紙幣収納ユニット30の千円枚数不足(エラーコード「58」)をエラーの一例として示している。
【0032】
エラーコード「d0」は、硬貨収納ユニット20における硬貨詰まりという、搬送動作系の異常であり、硬貨ログのみが対応づけられている。エラーコード「71」は、紙幣収納ユニット30の媒体残留異常であり、搬送動作系の紙幣ログが対応づけられるとともに、エラー発生直前における紙幣識別センサS2のログ(紙幣識別部ログ(識別))が対応づけられる。
【0033】
また、エラーコード「58」は、紙幣収納ユニット30の千円枚数不足であり、搬送動作系の紙幣ログが対応づけられるとともに、紙幣鑑別センサ33と紙幣識別センサS2との不整合が原因と考えられるため、紙幣識別センサS2のログ(紙幣鑑別部ログ(識別))と、紙幣鑑別センサ33のログ(紙幣鑑別部ログ(認識))と、紙幣鑑別センサ33の鑑別結果統計のログ(紙幣鑑別部ログ(統計))とが対応づけられる。
【0034】
本実施の形態では、エラー発生時のログ情報をUSBメモリ2に転送する際、エラーの種別ごとにエラー解析に必要なログ情報を予め対応付けて設定したログ情報選択テーブル53を用いて必要なログ情報のみを自動選択し、不要なログ情報を選択しないようにしており、さらにUSBメモリ2の接続のみで必要なログ情報が転送されるため、保守担当者によるログ情報の選択推定や指定操作が不要となり、ログ情報取得にかかる時間を短縮することができる。
【0035】
また、人為的な判断ミスや操作ミスが発生しないため、適切なログ情報を取得することができ、間違ったログ情報を取得してしまう怖れがなくなり、ログ解析ができないというミスも解消することができる。
【0036】
さらに、ログ情報取得に際し、保守用のキーを用いた保守モードに切り替える必要がないので、保守担当者はキーをもたない。この結果、キーを用いて金銭収納庫の開放等のアクセスが不可能となり、保守担当者に金銭に関する不要な精神的負担をなくすことができる。
【0037】
なお、上記の実施の形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置及び構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 レジスタ装置
2 USBメモリ
10 金銭処理機
11 装置本体
12 硬貨投入口
13 硬貨出金口
14 硬貨返却口
15 紙幣投入口
16 紙幣出金口
17 出金トレイ
20 硬貨収納ユニット
20a,30a センサ群
20b,30b アクチュエータ群
22a 入金搬送機構
22b 振分搬送機構
22c 出金搬送機構
23 硬貨鑑別センサ
24,24a~24f 硬貨収納庫
24g,35 一時保留庫
30 紙幣収納ユニット
32 紙幣搬送機構
33 紙幣鑑別センサ
34 紙幣収納庫
34a 精査庫
34b 1000円紙幣収納庫
34c 混合紙幣収納庫
36 回収庫
40 操作表示部
40a 表示部
40b 操作部
50 記憶部
51 入出金情報
52 ログ情報
53 ログ情報選択テーブル
60 制御部
61 入出金制御部
62 ログ情報取得制御部
70 USBポート
K1~K3 錠前
S2 紙幣識別センサ