(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153473
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】物品の包装装置
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20241022BHJP
B65B 5/06 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
B65B57/00 A
B65B57/00 Z
B65B5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067389
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3E003
【Fターム(参考)】
3E003BB04
3E003BB05
3E003CA02
3E003CA10
3E003CB02
3E003CB06
3E003DA02
3E003DA07
(57)【要約】
【課題】物品を効率良く包装することができる物品の包装装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る物品の包装装置は、識別部と、選択部と、包装部とを備える。識別部は、複数ある物品の中の一つの所定物品が、ロボットアームによって掴むことに適していない特定物品であるか否かを識別する。選択部は、所定物品が特定物品であると識別された場合、複数の物品の中から、特定物品と同梱可能な物品を選択する。包装部は、特定物品と同梱可能な物品とをまとめて、特定物品をロボットアームによって掴むことができるように包装する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ある物品の中の一つの所定物品が、ロボットアームによって掴むことに適していない特定物品であるか否かを識別する識別部と、
前記所定物品が前記特定物品であると識別された場合、複数の前記物品の中から、前記特定物品と同梱可能な物品を選択する選択部と、
前記特定物品と前記同梱可能な物品とをまとめて、前記特定物品を前記ロボットアームによって掴むことができるように包装する包装部と
を備える、物品の包装装置。
【請求項2】
前記選択部は、
前記特定物品の種類に応じて前記同梱可能な物品を選択する、
請求項1に記載の物品の包装装置。
【請求項3】
前記選択部は、
前記特定物品の種類に応じて前記同梱可能な物品を示す予め定められた同梱情報、および、前記特定物品を含む注文情報の少なくともいずれかに基づいて、前記同梱可能な物品を選択する、
請求項2に記載の物品の包装装置。
【請求項4】
前記選択部は、
前記特定物品が複数まとめて包装可能な物品である場合、識別された前記特定物品とは異なる前記特定物品を前記同梱可能な物品として選択し、
前記包装部は、
複数の前記特定物品をまとめて包装する、
請求項1に記載の物品の包装装置。
【請求項5】
前記包装部は、
前記特定物品に対する注文情報に応じて、前記特定物品に対する包装方法を変更する、
請求項1に記載の物品の包装装置。
【請求項6】
前記包装部は、
前記特定物品の形状、および、前記特定物品の外形部材の材質の少なくとも1つに応じて、前記特定物品に対する包装方法を変更する、
請求項1に記載の物品の包装装置。
【請求項7】
前記識別部は、
搬送部によって搬送されている複数ある前記物品の中の一つの前記所定物品が前記特定物品であるか否かを識別する、
請求項1に記載の物品の包装装置。
【請求項8】
前記物品は、前記ロボットアームの吸着部によって吸着されることで掴まれる、
請求項1に記載の物品の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、物品の包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、物品を保管用の容器に収容し、物品が収容された保管用の容器を保管庫に保管する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
保管用の容器から物品が取り出される場合、ロボットアームによって保管用の容器から物品が取り出されることがある。しかしながら、物品によっては、ロボットアームによって掴むことが難しいことがある。
【0005】
このため、ロボットアームによって物品を掴むことを容易にする物品の包装装置が提案されている。このような物品の包装装置は、たとえば物品がロボットアームにとって掴むことに適していない特定物品である場合、特定物品をロボットアームにとって掴むことができるように包装する。
【0006】
上記した物品の包装装置には、物品を効率良く包装するという点で改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、物品を効率良く包装することができる物品の包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一態様に係る物品の包装装置は、識別部と、選択部と、包装部とを備える。識別部は、複数ある物品の中の一つの所定物品が、ロボットアームによって掴むことに適していない特定物品であるか否かを識別する。選択部は、前記所定物品が前記特定物品であると識別された場合、複数の前記物品の中から、前記特定物品と同梱可能な物品を選択する。包装部は、前記特定物品と前記同梱可能な物品とをまとめて、前記特定物品を前記ロボットアームによって掴むことができるように包装する。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、物品を効率良く包装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、物流センターの概略を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、情報処理装置の制御系ブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る包装処理を説明するフローチャートである。
【
図8】
図8は、情報処理装置として機能するコンピュータハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
実施形態に係る包装装置4は、たとえば、
図1に示すように、物流センター1に設けられる。
図1は、物流センター1の概略を示すブロック図である。
【0013】
物流センター1は、貯蔵部2と、発送部3と、包装装置4とを備える。貯蔵部2は、物品を保管する棚などである。物品は、たとえば、商品である。貯蔵部2では、商品箱5(トート、および、バスケット。
図2参照)に収容された状態で物品が保管される。
【0014】
貯蔵部2に保管された物品は、出庫情報に基づいて、たとえば、カートロボットによって貯蔵部2から取り出され、発送部3に搬送される。上記の出庫情報は、物品の出庫に関する情報であり、たとえば、予め指示されて出庫される物品のリストや、物品に対する注文を受けて出庫される物品のリスト(注文情報)などを含む情報である。カートロボットは、たとえば、出庫情報に含まれる物品が収容された商品箱5を貯蔵部2から取り出し、取り出した商品箱5を発送部3に搬送する。
【0015】
発送部3は、搬送された商品箱5から、物品を取り出し、発送用の出荷箱6(たとえば、段ボール。
図2参照)に商品を移し替える。発送部3は、
図2に示すように、ロボットアーム7を備える。
図2は、発送部3の概略を示す図である。発送部3は、ロボットアーム7によって、商品箱5から物品Pを取り出し、ロボットアーム7によって出荷箱6に物品Pを収容する。物品Pが収容された出荷箱6は、物流センター1から出荷される。
【0016】
ロボットアーム7は、複数の棒部7aと、複数の関節部7bとを有する。関節部7bは、たとえば、2つの棒部7aとの間に設けられ、2つの棒部7aを相対的に回転可能とする。各関節部7bは、モータを有する。各関節部7bによって、棒部7aが相対的に回転することで、ロボットアーム7は、伸縮し、360度回転可能となる。
【0017】
ロボットアーム7の先端部には、吸着部7cが設けられる。ロボットアーム7は、吸着部7cによって吸引することで、物品Pを吸着させて、物品Pを把持する。なお、ロボットアーム7における物品Pの把持は、吸着に限られることはない。たとえば、ロボットアーム7は、物品Pを掴んで把持してもよい。また、ロボットアーム7は、物品Pを掬って把持してもよい。
【0018】
貯蔵部2には、物品Pの形状や、物品Pの外形部材の材質などによっては、ロボットアーム7によって掴む(把持する)ことが困難な物品Pが、保管されていることがある。そこで、実施形態に係る包装装置4は、ロボットアーム7によって物品Pを掴むことが容易となるように、貯蔵部2に保管される前段階で、少なくとも一部の物品Pを包装する。これにより、ロボットアーム7によって掴む(把持する)ことが容易な状態で、物品Pが貯蔵部2に保管される。
【0019】
また、本実施形態に係る包装装置4にあっては、上記した物品Pの包装の際に、物品Pを効率良く包装することができるように構成される。
【0020】
以下、本実施形態に係る包装装置4について、
図3等を参照し説明する。
図3は、包装装置4の概略を示す図である。包装装置4は、カメラ10と、仕分け部11と、包装部12と、情報処理装置13とを備える。
【0021】
カメラ10は、搬送部30によって搬送される物品Pを撮影する。カメラ10は、たとえばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子と、レンズとを備える。カメラ10によって撮影されて、取得された物品Pの画像データは、情報処理装置13に送信される。
【0022】
搬送部30は、たとえば、ベルトコンベアや、ローラベルトである。搬送部30には、複数の物品Pが搬送される。具体的には、搬送部30は、貯蔵部2(
図1参照)に保管される前段階で、複数の物品Pを貯蔵部2まで搬送する。
図3では、理解の便宜のため、物品Pが4個である例を示している。以下では、4個の物品Pを「第1物品P1」、「第2物品P2」、「第3物品P3」、「第4物品P4」と記載する場合があるが、これらを特に区別せずに説明する場合には「物品P」と記載する。また、第1物品P1と第4物品P4とは同じ種類の物品であり、第1、第4物品P1,P4と、第2物品P2と、第3物品P3とは互いに異なる種類の物品である。
図3の例では、第1物品P1、第2物品P2、第3物品P3、第4物品P4の順で搬送されるものとするが、これに限定されるものではない。また、
図3に示す物品Pの個数や形状は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
【0023】
仕分け部11は、複数の物品Pの中から、特定物品を仕分ける。特定物品は、搬送部30の近傍に設けられたロボットアーム7(
図2参照)によって掴むことに適していない物品である。詳しくは、特定物品は、吸着部7cによって吸引して掴むことが困難な物品である。たとえば、特定物品は、物品の形状、および、特定物品の外形部材の材質などに起因して、吸引によって掴むことが困難な物品である。具体的には、特定物品は、物品Pの形状が、吸引できる平面を有しない物品、または、物品Pの外形部材の材質が、吸引できる材質でない物品である。なお、特定物品は、ロボットアーム7における物品の把持方法に応じて決定される。また、
図3の例では、第1物品P1と第4物品P4とが特定物品に該当するものとする。
【0024】
仕分け部11は、搬送部30を搬送される複数の物品Pの中から、特定物品を包装レーン31に搬送する。ここでは、特定物品である第1物品P1が最初に仕分け部11へ搬送されることから、仕分け部11はまず、第1物品P1を仕分けすることとなる。
【0025】
たとえば、仕分け部11は、搬送部30を搬送される物品Pの搬送方向を変更する変更板、または、変更棒である。仕分け部11は、たとえば、回動軸11aを有し、回動軸11aを中心に搬送部30の搬送面に沿って回動可能に設けられる。仕分け部11は、特定物品(ここでは第1物品P1)を包装レーン31に搬送する場合、初期位置から、所定の回動位置まで回動し、搬送部30を搬送される特定物品の搬送方向を変更する。
【0026】
なお、仕分け部11は、破線で示す初期位置の状態にあるとき、物品Pの搬送方向を変更せず、物品Pを通過させる。通過した物品Pは、搬送方向のさらに下流側へと搬送される。
【0027】
また、仕分け部11は、特定物品の他に、特定物品と同梱可能な物品Pも仕分ける。同梱可能な物品(以下「同梱可能物品」と記載する場合がある)は、たとえば特定物品とセットで販売される物品、または、特定物品と一緒に注文されている物品などである。同梱可能物品は、搬送部30で搬送される複数の物品Pの中から選択される。同梱可能物品を選択する処理は、情報処理装置13によって実行されるが、これについては後述する。なお、
図3の例では、第2物品P2が同梱可能物品に該当して選択されるものとする。仕分け部11は、選択された同梱可能物品(ここではを第2物品P2)を包装レーン31に搬送する。
【0028】
仕分け部11は、複数設けられる。包装レーン31は、複数設けられる。詳しくは、仕分け部11は、包装レーン31の数に応じて設けられる。たとえば、包装レーン31が3つある場合、仕分け部11は、3つ設けられる。仕分け部11は、特定物品の特徴に応じて、特定物品を包装レーン31に振り分ける。特定物品の特徴は、特定物品の形状、および、特定物品の外形部材の材質の少なくとも一方を含む。特定物品の特徴は、特定物品の内容物を含んでもよい。包装レーン31には、ベルトコンベアなどの搬送部が設けられてもよい。
【0029】
このように複数の包装レーン31が設けられ、複数の包装レーン31では、それぞれ包装方法が異なる。複数の包装レーン31の各々に対応して、仕分け部11が設けられ、仕分け部11は、対応する包装レーン31に特定物品等を移動させる。なお、詳しくは後述するが、仕分け部11は、情報処理装置13によって制御されて動作する。
【0030】
包装部12は、複数の包装ロボットアーム15を備える。包装ロボットアーム15は、各包装レーン31に応じて設けられる。各包装レーン31に設けられる包装ロボットアーム15の数は、特定物品を包装する包装方法に応じて設定される。包装部12は、特定物品の特徴に応じて、包装方法を変更して、特定物品を包装する。
【0031】
このとき、包装部12は、同梱可能物品も一緒に包装する。すなわち、包装部12は、
図3に二点鎖線で示すように、特定物品(ここでは第1物品P1)と同梱可能物品(ここでは第2物品P2)とをまとめて包装する。詳しくは、包装部12は、特定物品と同梱可能物品とをまとめて、特定物品をロボットアーム7(
図2参照)によって掴むことができるように包装する。このように、本実施形態に係る包装部12は、特定物品のみならず、同梱可能物品を一緒に包装することから、物品(特定物品)を効率良く包装することができる。なお、複数の物品Pの中に同梱可能物品が存在しない場合、包装部12は、特定物品のみを包装する。
【0032】
上記の包装を行う包装ロボットアーム15は、搬送部30のロボットアーム7と同様の構成である。包装ロボットアーム15の先端部には、把持部15aが設けられる。把持部15aは、複数の指部15bを備える。包装ロボットアーム15は、複数の指部15bによって、たとえば、物品P(特定物品あるいは同梱可能物品)を持ち上げることができる。また、包装ロボットアーム15は、複数の指部15bによって、特定物品および同梱可能物品を包装することができる。
【0033】
把持部15a、たとえば、指部15bの数や、指部15bの形状などは、各包装レーン31に応じて設定される。すなわち、把持部15aは、特定物品等を包装する包装方法に応じて設定される。
【0034】
特定物品等の包装方法は、たとえば、第1包装、第2包装、および、第3包装を含む。第1包装では、特定物品等に、テーピングが付けられる。テーピングは、発送部3のロボットアーム7の吸着部7cが吸着可能な部位を有する紐状の部材である。なお、紐状の部材が、発送部3のロボットアーム7の吸着部7cが吸着可能であってもよい。
【0035】
第2包装では、特定物品等が、圧縮されてラップされる。ラップする部材は、発送部3のロボットアーム7の吸着部7cが吸着可能な部材である。
【0036】
第3包装では、特定物品等が、ラップされる。ラップする部材は、第2包装と同様に、発送部3のロボットアーム7の吸着部7cが吸着可能な部材である。
【0037】
複数の包装ロボットアーム15は、第1包装~第3包装を実行可能なロボットである。なお、特定物品等の包装方法は、第1包装~第3包装のいずれか1つであってもよい。特定物品等の包装方法は、第1包装~第3包装の少なくとも1つを含む。特定物品等の包装方法は、上記方法に限られることはない。
【0038】
また、包装レーン31には、包装ロボットアーム15よって包装された特定物品等を収容する箱(たとえば、商品箱5)が準備されていてもよい。包装ロボットアーム15は、包装した特定物品等を商品箱5に入れて収容する。包装された特定物品等が収容される商品箱5は、図示しないカートロボットによって貯蔵部2(
図1参照)に搬送されて保管される。
【0039】
情報処理装置13について、
図4を参照し説明する。
図4は、情報処理装置13の制御系ブロック図である。情報処理装置13は、情報取得部20と、記憶部21と、制御部22とを備える。情報処理装置13は、特定物品を識別する識別部である。また、情報処理装置13は、同梱可能物品を選択する選択部である。
【0040】
情報取得部20は、カメラ10によって撮影されて、得られた物品の画像データを取得する。情報取得部20は、取得した画像データを制御部22へ出力する。
【0041】
情報取得部20は、出庫情報に含まれる注文情報を取得する。情報取得部20は、注文情報を、物品に対する注文を受け付ける装置(たとえばサーバなどの外部装置)から取得するが、これに限定されるものではなく、任意の装置から取得してもよい。情報取得部20は、取得した注文情報を記憶部21に記憶させる。なお、注文情報の詳細については、
図6を用いて後述する。
【0042】
記憶部21は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子などの記憶媒体によって実現される。記憶部21は、制御部22によって実行される各種のプログラムなどを記憶する。
【0043】
また、記憶部21は、特定物品と同梱される物品に関する同梱情報と、物品に対する注文に関する注文情報とを記憶する。まず、同梱情報について
図5を参照して説明する。
図5は、同梱情報21aの一例を示す図である。
【0044】
同梱情報21aは、特定物品の種類に応じて同梱可能な物品を示す予め定められた情報である。具体的には、
図5に示すように、同梱情報21aには、「同梱情報ID」、「特定物品」、「特定物品の個数」、「同梱可能物品」および「同梱可能物品の個数」等の項目が含まれ、各項目のデータは互いに関連付けられている(紐付けられている)。なお、同梱情報21aは、予め記憶部21に記憶される情報であるが、これに限定されるものではない。
【0045】
「同梱情報ID」は、同梱情報を識別する情報である。「特定物品」は、特定物品の種類を示す情報である。言い換えると、「特定物品」は、ロボットアーム7によって掴むことに適していない物品の種類を示す情報である。「特定物品」には、たとえば特定物品を識別する物品IDなどが含まれるが、これに限られず、物品の商品名の情報などであってもよい。なお、
図5に示す例では、便宜上、「特定物品」を「B01」といったように抽象的な記載とするが、「B01」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0046】
「特定物品の個数」は、一緒に包装される(同梱される)特定物品の個数を示す情報である。ここで、包装ロボットアーム15よって一緒に包装される特定物品の個数は、1個に限定されるものではなく、2個以上であってもよい。具体的に説明すると、上記した
図3では、特定物品と同梱可能な物品が、特定物品以外の物品(詳しくは、特定物品とは異なる種類の物品(第2物品P2))である例を示したが、これに限られない。すなわち、特定物品は、物品の種類によっては、複数個セットにして販売されるものがある。このような場合、「特定物品の個数」は、複数個に設定される。この複数個の特定物品が同梱されるとき、特定物品以外の物品(第2物品P2)が同梱される場合もあれば、同梱されない場合もある。
【0047】
「同梱可能物品」は、特定物品と同梱可能な物品の種類を示す情報である。詳しくは、特定物品の中には、種類の異なる物品とセットにして販売されるものがある。一例として、特定物品が歯ブラシのとき、かかる歯ブラシは歯磨き粉とセットにして販売される場合がある。他の例として、特定物品が筆記用具のとき、かかる筆記用具はノートとセットにして販売される場合がある。本実施形態に係る「同梱可能物品」には、上記したような特定物品とセットにして販売される物品の情報が設定される。なお、特定物品と対応する「同梱可能物品」は、1種類に限定されるものではなく、複数種類であってもよい。
【0048】
「同梱可能物品」には、たとえば同梱可能物品を識別する物品IDなどが含まれるが、これに限られず、物品の商品名の情報などであってもよい。
【0049】
「同梱可能物品の個数」は、特定物品と一緒に包装される(同梱される)同梱可能物品の個数を示す情報である。なお、上記したように、複数個の特定物品が同梱され、かつ、特定物品以外の物品(すなわち同梱可能物品)が同梱されない場合、同梱情報21aの「同梱可能物品」および「同梱可能物品の個数」には、データが登録されない。
【0050】
図5に示す例では、同梱情報ID「A01」で識別される同梱情報は、特定物品が「B01」、特定物品の個数が「1個」、同梱可能物品が「C01」、同梱可能物品の個数が「1個」であることを示している。同梱情報ID「A02」で識別される同梱情報は、特定物品が「B02」、特定物品の個数が「1個」、同梱可能物品が「C02,C03」、同梱可能物品の個数が「各1個」であることを示している。すなわち、同梱情報ID「A02」の同梱情報は、同梱可能物品が2種類であることを示している。
【0051】
また、同梱情報ID「A03」で識別される同梱情報は、特定物品が「B03」、特定物品の個数が「2個」であり、同梱可能物品および同梱可能物品の個数のデータが登録されていないことを示している。すなわち、同梱情報ID「A03」の同梱情報は、特定物品「B03」が2個セットにして包装されて販売されることを示している。
【0052】
次に、注文情報について
図6を参照して説明する。
図6は、注文情報21bの一例を示す図である。
【0053】
図6に示すように、注文情報21bには、「注文情報ID」、「注文物品」および「指定包装方法」等の項目が含まれ、各項目のデータは互いに関連付けられている(紐付けられている)。
【0054】
「注文情報ID」は、注文情報を識別する情報である。「注文物品」は、ユーザによって注文された物品の種類を示す情報である。「注文物品」には、たとえば注文物品を識別する物品IDなどが含まれるが、これに限られず、物品の商品名の情報などであってもよい。
【0055】
「指定包装方法」は、ユーザによって指定された注文物品の包装方法に関する情報である。具体的には「指定包装方法」には、ユーザによってラッピングの指定があった場合、指定されたラッピングに関する情報が設定される。「指定包装方法」には、たとえば誕生日用やクリスマス用のラッピングなど、ギフト用のラッピングに関する情報が含まれる。ここで、注文物品は、指定されたラッピングを用いて包装されるが、注文物品が特定物品を含む場合、注文物品(特定物品)は、指定されたラッピングを用いつつ、ロボットアーム7によって掴むことができるように包装される。
【0056】
図6に示す例では、注文情報ID「D01」で識別される注文情報は、注文情報が「B01,C01」、指定包装方法が「F01」であることを示している。たとえば、注文物品「B01,C01」が特定物品および同梱可能物品である場合、かかる特定物品および同梱可能物品は、指定包装方法「F01」で指定されたラッピングを用いつつ、ロボットアーム7によって掴むことができるように包装される。
【0057】
また、注文情報ID「D02」で識別される注文情報は、注文物品が「B04,E01」、指定包装方法が「F02」であることを示している。ここで、注文物品「B04」は特定物品である。注文物品「E01」は特定物品ではなく、また同梱情報21aに含まれる「同梱可能物品」でもない物品である。かかる場合、特定物品(B01)と、特定物品と一緒に注文された物品(E01)とが、指定包装方法「F02」で指定されたラッピングを用いつつ、ロボットアーム7によって掴むことができるように包装される。なお、包装方法がユーザによって指定されない場合、「指定包装方法」にはデータが登録されず、特定物品等は通常の包装方法(ロボットアーム7によって掴むことができる包装方法)によって包装される。
【0058】
図4の説明を続けると、制御部22は、カメラ10、仕分け部11、および、包装部12を制御する。制御部22は、カメラ10を動作させる。制御部22は、仕分け部11を動作させる。情報処理装置13は、各包装ロボットアーム15を動作させる。
【0059】
制御部22は、物品が特定物品であるか否かを識別する。詳しくは、制御部22は、複数ある物品それぞれに対して、特定物品であるか否かを識別する。より詳しくは、制御部22は、複数ある物品の中の一つの物品(所定物品の一例)が、ロボットアーム7によって掴むことに適していない特定物品であるか否かを識別する。たとえば、制御部22は、搬送部30によって搬送されている複数ある物品の中の一つの物品(所定物品)が特定物品であるか否かを識別する。制御部22は、かかる識別処理を物品の数だけ繰り返し実行する。
【0060】
たとえば制御部22は、カメラ10によって撮影されて、得られた物品の画像データに基づいて、特定物品を識別する。制御部22は、物品の画像データに対して、所定の画像処理を行うことで、特定物品を識別する。たとえば、制御部22は、パターンマッチングによって、特定物品を識別する。なお、所定の画像処理は、パターンマッチングに限られることはない。
【0061】
また、制御部22は、物品が特定物品であると識別した場合、かかる特定物品の種類を識別する。制御部22は、所定の画像処理を行うことで、特定物品の種類を識別する。特定物品を識別する画像処理と、特定物品の種類を識別する画像処理とは、同じ画像処理であってもよく、異なる画像処理であってもよい。
【0062】
また、制御部22は、特定物品の特徴を識別する。制御部22は、所定の画像処理を行うことで、特定物品の特徴を識別する。特定物品を識別する画像処理(あるいは特定物品の種類を識別する画像処理)と、特定物品の特徴を識別する画像処理とは、同じ画像処理であってもよく、異なる画像処理であってもよい。
【0063】
なお、制御部22は、カメラ10によって得られた物品の画像データに基づいて、特定物品、および、特定物品の特徴を識別したが、これに限られることはない。特定物品、および、特定物品の特徴は、センサなどを用いて識別されてもよい。また、たとえば物品に付加されたバーコードが、バーコードリーダとして機能するカメラ10によって読み取られることで、制御部22は、物品が特定物品であるか否かの識別、特定物品の種類の識別、特定物品の特徴の識別などを行ってもよい。
【0064】
制御部22は、物品(所定物品)が特定物品であると識別された場合、複数の物品の中から、特定物品と同梱可能な物品を選択する。たとえば、制御部22は、識別された特定物品の種類と、同梱情報21a(
図5参照)とに基づいて、同梱可能な物品を選択する。
【0065】
具体的には、制御部22は、識別された特定物品の種類について、同梱情報21aの「同梱可能物品」が設定されている場合、かかる「同梱可能物品」に設定されている物品(
図3の例では第2物品P2)を、特定物品と同梱可能な物品として選択する。このとき、制御部22は、選択した同梱可能な物品の個数も同梱情報21aの「同梱可能物品の個数」に基づいて決定する。
【0066】
また、制御部22は、特定物品が複数まとめて包装可能な物品である場合、すなわち、同梱情報21aにおいて「特定物品の個数」が複数個に設定されている場合、識別された特定物品とは異なる特定物品を同梱可能な物品として選択する。一例として、同梱情報21aの「特定物品の個数」が2個に設定されている場合、制御部22は、識別された特定物品(
図3の例では第1物品P1)とは異なる特定物品(
図3の例では第4物品P4)を同梱可能な物品として選択する。
【0067】
また、制御部22は、特定物品を含む注文情報21bに基づいて同梱可能な物品として選択してもよい。制御部22は、注文情報21bの「注文物品」に特定物品と、特定物品以外の物品とが含まれる場合、特定物品以外の物品を同梱可能な物品として選択してもよい。ここで、特定物品以外の物品は、同梱情報21aに含まれる「同梱可能物品」でない物品(
図3の例では第3物品P3)であるが、これに限られない。
【0068】
なお、制御部22は、同梱情報21aおよび注文情報21bの両方に基づいて同梱可能な物品を選択してもよいし、同梱情報21aおよび注文情報21bの一方に基づいて同梱可能な物品を選択してもよい。すなわち、制御部22は、同梱情報21aおよび注文情報21bの少なくともいずれかに基づいて同梱可能な物品を選択すればよい。
【0069】
また、制御部22は、物品が特定物品である場合、特定物品の特徴に応じて、特定物品に対する包装方法を設定する。制御部22は、特定物品の特徴に応じて、物品の包装方法を、第1包装~第3包装の中から設定する。たとえば、制御部22は、物品(特定物品)の形状が、吸引できる平面を有しない場合には、物品の包装方法として第2包装を設定する。また、制御部22は、物品(特定物品)の形状が箱状であり、物品の外形部材の材質が、吸引できる材質でない場合には、物品の包装方法として第1包装を設定する。また、制御部22は、物品(特定物品)の形状が、吸引できる平面を有するものの箱状ではなく、物品の外形部材の材質が、吸引できる材質でない場合には、包装方法として第3包装を設定する。
【0070】
具体的には、制御部22は、特定物品の特徴に応じて、仕分け部11の動作を設定する。たとえば、制御部22は、特定物品の特徴に基づいて、特定物品の包装方法を第1包装に設定した場合、第1包装を実行する包装ロボットアーム15が設けられた包装レーン31に特定物品および同梱可能な物品が搬送されるように、仕分け部11を制御する。
【0071】
制御部22は、包装レーン31に搬送された特定物品および同梱可能な物品を、設定された包装方法によって包装するように包装ロボットアーム15を制御する。たとえば、制御部22は、特定物品の包装方法を第1包装に設定した場合、第1包装を実行する包装ロボットアーム15が設けられた包装レーン31に振り分けられた特定物品および同梱可能な物品に、テーピングが付けられるように、包装ロボットアーム15を制御する。
【0072】
このように、制御部22は、包装部12である包装ロボットアーム15を制御し、特定物品と同梱可能な物品とをまとめて、特定物品をロボットアーム7によって掴むことができるように包装する。
【0073】
また、制御部22は、特定物品に対する注文情報21b(
図6参照)に応じて、特定物品に対する包装方法を変更するように、包装部12である包装ロボットアーム15を制御してもよい。
【0074】
たとえば、制御部22は、注文情報21bにおいて特定物品および同梱可能物品が含まれるとともに、包装方法が指定されている場合、包装部12である包装ロボットアーム15を制御し、特定物品および同梱可能物品を、指定された包装方法(たとえばギフト用ラッピング)を用いつつ、ロボットアーム7によって掴むことができるように包装する。
【0075】
包装ロボットアーム15によって包装された特定物品および同梱可能な物品は、商品箱5に収容されて、貯蔵部2に保管される。また、包装ロボットアーム15によって包装された特定物品等は、包装レーン31に準備されている商品箱5などに、包装ロボットアーム15によって収容されて、たとえば、商品箱5が満杯になると、商品箱5ごと貯蔵部2に移動されてもよい。
【0076】
次に、実施形態に係る包装処理について、
図7を参照し説明する。
図7は、実施形態に係る包装処理を説明するフローチャートである。
【0077】
図7に示すように、情報処理装置13は、物品をカメラ10によって撮影する(ステップS100)。情報処理装置13は、カメラ10によって撮影されて、得られた物品の画像データに基づいて、物品が特定物品であるか否かを識別する(ステップS101)。正確には、情報処理装置13は、複数ある物品の中の一つの物品(所定物品)が特定物品であるか否かを識別する。情報処理装置13は、物品が特定物品であると識別された場合(ステップS101,Yes)、当該特定物品の種類を識別する(ステップS102)。次いで、情報処理装置13は、識別された特定物品の種類に応じて、特定物品と同梱可能な物品を選択する(ステップS103)。ステップS103の処理では、特定物品が複数まとめて包装可能な物品である場合、識別された特定物品とは異なる特定物品を同梱可能な物品として選択してもよい。また、ステップS103の処理では、注文情報21bに特定物品が含まれる場合、特定物品と一緒に注文された物品を同梱可能な物品として選択してもよい。
【0078】
次いで、情報処理装置13は、特定物品の特徴を識別する(ステップS104)。情報処理装置13は、識別された特定物品に対して、包装方法を設定する(ステップS105)。具体的には、情報処理装置13は、識別された特定物品の特徴に基づいて、包装方法を設定する。ステップS105の処理では、注文情報21bを参照し、注文情報21bに包装方法について指定がなされている場合、かかる指定された包装方法(たとえばギフト用のラッピングを用いた包装方法)に変更してもよい。なお、変更後の包装方法は、変更前と同様、ロボットアーム7によって掴むことができるような包装方法である。
【0079】
情報処理装置13は、特定物品および同梱可能な物品を仕分ける(ステップS106)。具体的には、情報処理装置13は、設定した包装方法を実行する包装ロボットアーム15が設けられた包装レーン31に、特定物品および同梱可能な物品が搬送されるように、仕分け部11を制御する。
【0080】
情報処理装置13は、包装レーン31に搬送された特定物品および同梱可能な物品をまとめて包装する(ステップS107)。情報処理装置13は、設定された包装方法によって、特定物品および同梱可能な物品を包装するように、包装ロボットアーム15を制御する。
【0081】
一方、情報処理装置13は、物品が特定物品でないと識別した場合(ステップS101,No)、この物品を仕分けない(ステップS108)。すなわち、情報処理装置13は、この物品を仕分けないように仕分け部11を制御する。これにより、物品は、仕分け位置を通過する。
【0082】
上述してきたように、本実施形態に係る包装装置4は、識別部および選択部として機能する情報処理装置13と、包装部12とを備える。情報処理装置13は、複数ある物品の中の一つの所定物品が、ロボットアーム7によって掴むことに適していない特定物品であるか否かを識別する。情報処理装置13は、所定物品が特定物品であると識別された場合、複数の物品の中から、特定物品と同梱可能な物品を選択する。包装部12は、特定物品と同梱可能な物品とをまとめて、特定物品をロボットアーム7によって掴むことができるように包装する。
【0083】
これにより、包装装置4は、出庫情報に基づいて貯蔵部2から物品が出荷される場合に、ロボットアーム7によって物品を容易に掴ませることができる。そのため、物流センター1では、物品の出荷作業の効率を向上させることができる。また、包装装置4は、特定物品のみならず、同梱可能な物品を一緒に包装することから、物品(特定物品)を効率良く包装することができる。
【0084】
また、特定物品と同梱可能な物品とは、貯蔵部2に保管される前段階で、まとめて包装される。そのため、たとえば物流センター1の発送部3において、ロボットアーム7は、商品箱5から出荷箱6へ特定物品等を移動させる際、特定物品および同梱可能な物品を容易に掴み、かつ、まとめて移動させることができ、特定物品等の移動時間を短くすることができる。すなわち、物流センター1は、特定物品等の出荷にかかる時間を短縮することができる。
【0085】
また、選択部として機能する情報処理装置13は、特定物品の種類に応じて同梱可能な物品を選択する。
【0086】
これにより、情報処理装置13は、特定物品の種類に即した物品であって、たとえば特定物品とセットにして販売される物品を、同梱可能な物品として選択することができる。そのため、包装部12は、特定物品と、特定物品とセットにして販売される物品(同梱可能な物品)とをまとめて包装することができる。従って、たとえばロボットアーム7は、特定物品とセットにして販売される物品(同梱可能な物品)とを容易に掴み、かつ、まとめて移動させることができ、特定物品等の移動時間を短くすることができる。すなわち、物流センター1は、特定物品等の出荷にかかる時間を短縮することができる。
【0087】
選択部として機能する情報処理装置13は、特定物品の種類に応じて同梱可能な物品を示す予め定められた同梱情報21a、および、特定物品を含む注文情報21bの少なくともいずれかに基づいて、同梱可能な物品を選択する。
【0088】
これにより、情報処理装置13は、予め定められた同梱情報21aを用いることで、物品の種類に即した物品を、同梱可能な物品として精度良く選択することが可能となる。また、情報処理装置13は、特定物品を含む注文情報21bを用いることで、特定物品と一緒に注文された物品を、同梱可能な物品として選択することが可能となる。そのため、包装部12は、特定物品と、選択された同梱可能な物品とをまとめて包装することができる。従って、たとえばロボットアーム7は、特定物品と同梱可能な物品とを容易に掴み、かつ、まとめて移動させることができ、特定物品等の移動時間を短くすることができる。すなわち、物流センター1は、特定物品等の出荷にかかる時間を短縮することができる。
【0089】
また、選択部として機能する情報処理装置13は、特定物品が複数まとめて包装可能な物品である場合、識別された特定物品とは異なる特定物品を同梱可能な物品として選択する。また、包装部12は、複数の特定物品をまとめて包装する、詳しくはロボットアーム7によって掴むことができるように包装する。
【0090】
これにより、包装部12は、複数個セットで販売されるような特定物品をまとめて包装することができる。そのため、たとえばロボットアーム7は、複数個セットで販売されるような特定物品を容易に掴み、かつ、まとめて移動させることができ、特定物品等の移動時間を短くすることができる。すなわち、物流センター1は、複数個セットで販売されるような特定物品の出荷にかかる時間を短縮することができる。
【0091】
また、包装部12は、特定物品に対する注文情報に応じて、特定物品に対する包装方法を変更する。
【0092】
これにより、包装部12は、特定物品を注文情報に応じた包装方法で包装することができる。そして、かかる包装方法で包装された特定物品等が貯蔵部2に保管される。そのため、たとえば物流センター1の発送部3において、ロボットアーム7は、商品箱5から出荷箱6へ特定物品等を移動させる際、特定物品等は既に、注文情報に応じた包装方法で包装されていることから、そのまま特定物品等を掴んで移動させることができる。すなわち、発送部3において、特定物品を注文情報に応じた包装方法で包装する必要がないため、その分だけ特定物品等を早期に出荷することが可能になる。
【0093】
また、包装部12は、特定物品の形状、および、特定物品の外形部材の材質の少なくとも1つに応じて、特定物品に対する包装方法を変更する。
【0094】
これにより、包装装置4は、特定物品に応じた包装を行うことができる。そのため、包装装置4は、ロボットアーム7によって物品を容易に掴ませることができる。
【0095】
また、識別部として機能する情報処理装置13は、搬送部30によって搬送されている複数ある物品の中の一つの所定物品が特定物品であるか否かを識別する。
【0096】
これにより、情報処理装置13は、特定物品の識別処理を、たとえば貯蔵部2に保管される前段階において、搬送部30で物品を搬送させながら実行することが可能になる。そのため、情報処理装置13は、物品(言い換えると貯蔵部2に保管される前の物品)を可能な限り早期に特定物品と識別でき、結果として包装部12は、識別された特定物品等を早期に包装することが可能となる。
【0097】
発送部3に設けられるロボットアーム7は、吸着部7cを有し、吸着部7cによって物品を吸着することで、物品を掴む。
【0098】
包装装置4は、吸引によって物品を掴むロボットアーム7によって、容易に物品を掴むことができるように、特定物品を包装する。そのため、物流センター1の発送部3では、商品箱5から出荷箱6への物品の移動時間を短くすることができる。すなわち、物流センター1は、物品の出荷にかかる時間を短くすることができる。
【0099】
包装装置4は、仕分け部11、および、複数の包装レーン31を有さずに、搬送部30によって搬送される特定物品および同梱可能な物品を、設定された包装方法によって、包装してもよい。たとえば、搬送部30に沿って、複数の包装ロボットアーム15が設けられ、特定物品の特徴に応じた包装方法によって、特定物品および同梱可能な物品が包装される。また、包装装置4は、特定物品等を1つの包装レーン31に搬送し、特定物品等を、設定された包装方法によって、包装してもよい。
【0100】
図8は、情報処理装置13として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0101】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0102】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0103】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0104】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0105】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0106】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0107】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0108】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0109】
上記したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0110】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0111】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0112】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0113】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0114】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0115】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0116】
1 物流センター
2 貯蔵部
3 発送部
4 包装装置
7 ロボットアーム
7c 吸着部
10 カメラ
11 仕分け部
12 包装部
13 情報処理装置
15 包装ロボットアーム
20 情報取得部
21 記憶部
22 制御部
30 搬送部
31 包装レーン