(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153487
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】表示モジュール、表示モジュール群、表示デバイス及び広告取扱方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20241022BHJP
G09F 27/00 20060101ALI20241022BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20241022BHJP
G06Q 30/0273 20230101ALI20241022BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G09F9/00 366G
G09F27/00 G
G09F19/00 Z
G06Q30/0273
G09F9/33
G09F9/00 313
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067415
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004008
【氏名又は名称】日本板硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】金子 真吾
(72)【発明者】
【氏名】栗林 秀成
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5C094AA01
5C094BA23
5C094CA19
5G435AA01
5G435BB04
5G435CC09
5G435EE12
5G435FF13
5G435GG43
5G435HH02
5G435LL19
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】公共施設にも適用可能な表示モジュール、表示モジュール群、表示デバイス及び広告取扱方法を提供する。
【解決手段】広告料を得るための表示モジュール1は、複数の発光体16、及び複数の発光体16が光透過性を担保可能な所定の間隔で配置された状態で複数の発光体16を支持する光透過板26を含む表示部10と、表示部10を制御する制御部40と、を備えている。制御部40は、表示部10へ信号を伝送してそれぞれの発光体16の発光量を制御する映像制御部を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告料を得るための表示モジュールであって、
複数の発光体、及び複数の当該発光体が光透過性を担保可能な所定の間隔で配置された状態で複数の前記発光体を支持する光透過板を含む表示部と、
前記表示部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記表示部へ信号を伝送してそれぞれの前記発光体の発光量を制御する映像制御部を有する表示モジュール。
【請求項2】
前記表示部は、複数の前記発光体を保持する透明基材を含んでおり、
前記透明基材は、透明接着層により前記光透過板に固定されている請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項3】
1つの前記光透過板には、複数の前記透明基材が隣接して配置されている請求項2に記載の表示モジュール。
【請求項4】
前記制御部は、周辺の環境情報を取得する情報取得部を更に有しており、前記情報取得部で取得される前記環境情報に基づいて前記映像制御部を制御する請求項1から3のいずれか一項に記載の表示モジュール。
【請求項5】
前記環境情報は前記表示部が設置された場所の照度情報であり、
前記制御部は、前記発光量が前記照度情報の値と逆相関関係となるように前記映像制御部を制御する請求項4に記載の表示モジュール。
【請求項6】
前記表示部の周辺を撮像可能なカメラを更に備え、
前記情報取得部は、前記カメラが撮像したオーディエンス関連情報を前記環境情報として取得する請求項4に記載の表示モジュール。
【請求項7】
前記制御部は、前記表示部の異常状態を検知する異常検知部と、前記異常状態に関する報知信号を外部に送信可能な送信部と、を更に有する請求項4に記載の表示モジュール。
【請求項8】
請求項4に記載の表示モジュールを2以上備えた表示モジュール群であって、
全ての前記表示部は、所定の領域に近接配置されており、
前記制御部は、全ての前記表示部が同一の映像を表示するように前記映像制御部を制御する表示モジュール群。
【請求項9】
広告料を得るための表示デバイスであって、
複数の発光体と、複数の当該発光体が光透過性を担保可能な所定の間隔で配置された状態で保持する透明基材と、を含み、透明接着層により光透過板に固定可能な発光部と、
前記発光部へ信号を伝送してそれぞれの前記発光体の発光量を制御する映像制御部と、を備えた表示デバイス。
【請求項10】
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示モジュールを用いて得られた前記広告料を取り扱う広告取扱方法であって、
前記表示部に表示するコンテンツを依頼する広告主から支払われる前記広告料の一部を前記表示部が設置される場所のオーナーに支払う広告取扱方法。
【請求項11】
前記オーナーは前記光透過板の所有者である請求項10に記載の広告取扱方法。
【請求項12】
前記広告料の一部には、前記光透過板の使用料が含まれる請求項10に記載の広告取扱方法。
【請求項13】
請求項6に記載の表示モジュールを用いて得られた前記広告料を取り扱う広告取扱方法であって、
前記表示部に表示するコンテンツを依頼する広告主に前記オーディエンス関連情報を報告する広告取扱方法。
【請求項14】
請求項6に記載の表示モジュールを用いて得られた前記広告料を取り扱う広告取扱方法であって、
前記オーディエンス関連情報に基づいて前記表示部に表示する映像コンテンツを変更する広告取扱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告料を得るための表示モジュール、表示モジュール群、表示デバイス及び広告取扱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルサイネージ等の表示モジュールを用いて得た広告料を取り扱う広告取扱方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の表示モジュールは、広告提示者が所有する鞄、衣服、アクセサリー、自動車、看板等の広告媒体で構成されており、この広告媒体に広告主の広告画像や広告動画を表示する。
【0003】
特許文献1に記載の広告取扱方法は、広告効果の大小に応じて広告表示放映報酬が広告主から広告提示者に支払われ、広告を見たオーディエンスによって広告主コードが読み取られるごとに読取報酬が広告主から広告提示者に支払われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の広告取扱方法は、表示モジュールが広告提示者の所有する鞄、衣服、アクセサリー、自動車、看板等で構成されているため、例えば公共施設の窓等に表示する場合に採用することができない。例えば公共施設の窓等に広告表示する際には、公共施設管理者と広告主との間で広告料のやり取りが発生するため、広告取扱方法が煩雑になる。また、公共施設の窓等は視認性が要求されるため、表示モジュールの形態にも制限がある。
【0006】
そこで、公共施設にも適用可能な表示モジュール、表示モジュール群、表示デバイス及び広告取扱方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示モジュールの特徴構成は、広告料を得るための表示モジュールであって、複数の発光体、及び複数の当該発光体が光透過性を担保可能な所定の間隔で配置された状態で複数の前記発光体を支持する光透過板を含む表示部と、前記表示部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記表示部へ信号を伝送してそれぞれの前記発光体の発光量を制御する映像制御部を有する点にある。
【0008】
本構成では、複数の発光体が透過性を担保可能な所定の間隔で配置され、光透過板に支持されている。これにより、映像制御部に制御された複数の発光体の発光量をゼロにすると表示モジュールが透明な窓や単なるガラス板のようになり、公共施設にも適用できる。また、映像制御部に制御された複数の発光体の発光量を大きくすると、所望の広告を表示部に表示させることが可能となる。その結果、広告主から広告料を得ることができる。
【0009】
建物の窓や屋内でもエスカレータの両サイドの空間仕切板には景観性担保の観点から、ガラス等の光透過板を用いることが一般的であるが、本構成の表示モジュールであれば、この様な場所であっても発光体の光量をゼロにすれば景観を損なうことなく、広告料を得ることができる。このように、公共施設にも適用可能な表示モジュールとなっている。
【0010】
他の特徴構成は、前記表示部は、複数の前記発光体を保持する透明基材を含んでおり、前記透明基材は、透明接着層により前記光透過板に固定されている点にある。
【0011】
本構成のように複数の発光体を透明基材で保持して光透過板に対して透明接着層で固定して表示モジュールを構成すれば、複数の発光体の姿勢が安定する。また、複数の発光体を保持する透明基材を、既存の窓ガラスやショーケースといった光透過板に後付けすることも可能となり、利便性が高い。
【0012】
他の特徴構成は、1つの前記光透過板には、複数の前記透明基材が隣接して配置されている点にある。
【0013】
本構成のように1つの光透過板に複数の透明基材を隣接配置すれば、寸法の大きい光透過板に対しても透明基材を簡単に設置することができる。
【0014】
他の特徴構成は、前記制御部は、周辺の環境情報を取得する情報取得部を更に有しており、前記情報取得部で取得される前記環境情報に基づいて前記映像制御部を制御する点にある。
【0015】
本構成のように、制御部が、周辺の環境情報を取得する情報取得部を有しており、情報取得部で取得される環境情報に基づいて映像制御部を管理する。これにより、情報取得部で取得した環境情報に基づいて所望の映像を表示部に表示させることができる。
【0016】
他の特徴構成は、前記環境情報は前記表示部が設置された場所の照度情報であり、前記制御部は、前記発光量が前記照度情報の値と逆相関関係となるように前記映像制御部を制御する点にある。
【0017】
本構成のように、環境情報は表示部が設置された場所の照度情報であり、制御部は照度情報の値と逆相関関係となるように映像制御部を制御する。これにより、照度の大きい昼間には発光体の発光量を小さくして周囲の景観と調和させ、照度の小さい夜間には発光体の発光量を大きくしてコンテンツの広告効果を高めることができる。
【0018】
他の特徴構成は、前記表示部の周辺を撮像可能なカメラを更に備え、前記情報取得部は、前記カメラが撮像したオーディエンス関連情報を前記環境情報として取得する点にある。
【0019】
本構成のように、制御部が、カメラが撮像したオーディエンス関連情報に基づいて映像制御部を制御すれば、オーディエンスの属性に応じたコンテンツを表示部に表示させることが可能となり、広告効果を高めることができる。
【0020】
他の特徴構成は、前記制御部は、前記表示部の異常状態を検知する異常検知部と、前記異常状態に関する報知信号を外部に送信可能な送信部と、を更に有する点にある。
【0021】
本構成のように、異常検知部で検知した異常状態を示す報知信号を送信部から送信すれば、例えば、障害物が衝突して発光体の一部が破損した場合であっても速やかに修理することができる。また、1つの光透過板に複数の透明基材を隣接配置している構成であれば、異常状態である透明基材のみ交換すればよいので、利便性が高い。
【0022】
本発明に係る表示モジュール群の特徴構成は、上述したいずれかの表示モジュールを2以上備えた表示モジュール群であって、全ての前記表示部は、所定の領域に近接配置されており、前記制御部は、全ての前記表示部が同一の映像を表示するように前記映像制御部を制御する点にある。
【0023】
本構成のように2以上の表示モジュールを備えた表示モジュール群に同一画像を一斉表示すれば、広告効果を更に高めることができる。
【0024】
本発明に係る表示デバイスの特徴構成は、広告料を得るための表示デバイスであって、複数の発光体と、複数の当該発光体が光透過性を担保可能な所定の間隔で配置された状態で保持する透明基材と、を含み、透明接着層により光透過板に固定可能な発光部と、前記発光部へ信号を伝送してそれぞれの前記発光体の発光量を制御する映像制御部と、を備えた点にある。
【0025】
本構成の表示デバイスは、複数の発光体と、複数の当該発光体が透過性を担保可能な所定の間隔で配置された状態で保持する透明基材を含む発光部を有している。この発光部を透明接着層により光透過板に固定して、映像制御部に制御された複数の発光体の発光量をゼロにすると、表示デバイスを固定した光透過板が窓のようになり、公共施設にも適用できる。また、映像制御部に制御された複数の発光体の発光量を大きくすると、表示デバイスを固定した光透過板に所望の広告を表示させることが可能となる。その結果、広告主から広告料を得ることができる。
【0026】
本発明に係る広告取扱方法の特徴は、上述したいずれかの表示モジュール、表示モジュール群、又は表示デバイスを用いて得られた前記広告料を取り扱う広告取扱方法であって、前記表示部に表示するコンテンツを依頼する広告主から前記広告料の一部を前記表示部が設置される場所のオーナーに支払う点にある。
【0027】
本方法のように表示モジュール、表示モジュール群、又は表示デバイスを用いて得られた広告料をオーナーに還元すれば、例えば公共施設であっても表示モジュール、表示モジュール群、又は表示デバイスの普及促進に繋がる。
【0028】
本発明に係る広告取扱方法の特徴は、前記オーナーは前記光透過板の所有者である点にある。
【0029】
本発明に係る広告取扱方法の特徴は、前記広告料の一部には、前記光透過板の使用料が含まれる点にある。
【0030】
本方法によると、広告料の一部に光透過板の使用料が含まれることにより、オーナーは所有する光透過板を用いて広告料収入を得る事ができるので、所有する光透過板を有効に活用することができる。
【0031】
本発明に係る広告取扱方法の特徴は、上述したいずれかの表示モジュール、表示モジュール群、又は表示デバイスを用いて得られた前記広告料を取り扱う広告取扱方法であって、前記表示部に表示するコンテンツを依頼する広告主にオーディエンス関連情報を報告する点にある。
【0032】
本方法のように広告主にオーディエンス関連情報を報告すれば、広告主の満足度が高まる。
【0033】
本発明に係る広告取扱方法の特徴は、上述したいずれかの表示モジュール、表示モジュール群、又は表示デバイスを用いて得られた前記広告料を取り扱う広告取扱方法であって、オーディエンス関連情報に基づいて前記表示部に表示するコンテンツを変更する点にある。
【0034】
本方法のようにオーディエンス関連情報に基づいて表示部に表示するコンテンツを変更すれば、オーディエンスの属性に応じたコンテンツを表示部に表示させることが可能となり、広告効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本実施形態に係る表示モジュールの断面図である。
【
図2】表示モジュールの表示デバイスを表す正面図である。
【
図3】表示モジュールの制御部の構成を表すブロック図である。
【
図4】1枚のガラス板に複数の発光部を隣接配置した表示部を表す図である。
【
図7】広告取扱方法を説明するフローチャートである。
【
図8】コンテンツ自動交換システムを表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る表示モジュール、表示モジュール群、表示デバイス及び広告取扱方法の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に記載される実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
【0037】
〔表示モジュールの構成〕
本実施形態に係る表示モジュール1は、
図1に示されるように、表示部10と、制御部40と、カメラ50とを有する。
【0038】
表示部10は、
図1、
図2に示されるように、発光部14、透明接着層24、及びガラス板26(光透過板の一例)を有する。発光部14は、複数の発光体16と透明基材20とを有する。発光体16は、例えばLEDが挙げられる。複数の発光体16を発光させることにより、広告料を得るための映像コンテンツ(以下、単にコンテンツという)を広告として表示する。コンテンツとは、表示部10に表示された映像自体と、表示部10に表示させる映像のデータの両方の意味を含んでいる。なお、発光体16は、通常のLEDに限定されず、ミニLED(直径が100μmから200μm程度のLED)やマイクロLED(直径が100μm未満のLED)等であってもよく、さらには有機ELの発光素子(発行ポリマー)、量子ドット(硫化カドミウムやセレン化カドミウムに代表される直径数nmの半導体微粒子)等であってもよい。
【0039】
発光体16がフィルム状の場合、フィルムの厚さは、30mm以下であることが好ましく、20mm以下であることが更に好ましい。通常のLEDを用いた場合には、発光体16の厚さが20mm以上となる場合がある。ミニLEDやマイクロLEDであれば、通常のLEDと比較して小さくて薄いので、発光部14及び表示部10を小型化、薄型化できる。このように、発光部14及び表示部10を小型化、薄型化することにより、設置された表示モジュール1における発光部14の存在感を薄めて人に対する圧迫感を消すことができると共に、表示モジュール1の背後にある風景との一体感を高めることができる。
【0040】
透明基材20は、複数の発光体16を保持しており、例えばシリコーンOCR(Optical Clear Resin)が挙げられる。発光部14は、例えば、ポリカーボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)のような光透過性を有する2枚のフィルムの間に複数の発光体16、透明基材20、及び発光体16に電力を供給する銅箔等の導電層(不図示)を挟み込むことにより構成されている。導電層としては、ITO(酸化インジウムスズ)膜、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜等の透明導電膜が挙げられる。
【0041】
発光部14において、複数の発光体16は、
図2に示されるように、可視光線に対する光透過性を担保可能な所定の間隔で配置されている。例えば、複数の発光体16は、互いに隣接する発光体16,16の間隔Sが、5mmから25mmに設定されて均等に配置されている。間隔Sは、5mmから20mmに設定されることが好ましく、5mmから15mmに設定されることが更に好ましい。このとき、複数の発光体16の間隔Sは、光透過性を担保し、かつ発光部14を含む表示部10(表示モジュール1)が設置された場所で表示部10に求められる光透過率により定められる。複数の発光体16の間隔Sが狭いと表示部10の光透過率は低下し、複数の発光体16の間隔Sが広いと表示部10の光透過率は向上する。つまり、表示部10は、複数の発光体16の間隔Sを調整することで、設置環境(設置場所や使用条件等)に応じて光透過性(例えば可視光線に対する透過率)を担保すればよい。
【0042】
例えば、表示モジュール1が狭い通路に設置されている場合には、表示モジュール1と通路を通行する通行者との距離が短いので、隣接する発光体16,16の間隔Sを小さくしてコンテンツの解像度を高めるように構成する事が好ましい、一方、例えば、建物の壁面の窓ガラスを表示モジュール1として使用する場合には、表示モジュール1と建物の前を通行する通行者との距離が長いので、間隔Sを大きくして光透過性を担保することが好ましい。
【0043】
表示モジュール1において、隣接する発光体16,16の間隔Sを小さくすると表示部10の単位面積当たりに使用される発光体16の数が増えるので、光透過性が低下すると共にコスト高になる。さらに、間隔Sを小さくすると、制御部40のサイズが大きくなりガラス板26における光の透過面積が小さくなるため、この点も考慮しなければならない。いずれにしても、間隔Sを適切に設定することにより、光透過性と光の透過面積の両方を担保することができる。これにより、後述のように複数の発光体16の発光量をゼロにすれば景観を損なうことなく広告料を得ることができるコンテンツを表示することが可能な好適な表示モジュール1を得ることができる。
【0044】
ガラス板26は、単層ガラスであっても合わせガラスや複層ガラスであってもよい。合わせガラスや複層ガラスは2層以上であれば何層でもよい。ガラス板26の厚さは、例えば3mmから54mmであり、任意の厚さであってよい。また、ガラス板26の代わりに透明な樹脂板(例えばポリカーボネート製やアクリル製の板)を用いてもよい。本実施形態において、ガラス板26は、光を透過して発光部14を固定できるものであれば、ガラスに限らず任意の材質を用いて構成することができる。
【0045】
図1に示されるように、発光部14は、光を透過する透明接着層24により、ガラス板26に固定されて表示部10を構成している。発光部14とガラス板26の境界の縁部は、防水材22により囲まれており、水分等が境界から発光部14の内部に浸入するのを防止している。表示部10は、支持基台32の上に立設しており、周囲が保護カバー34(例えばサッシ)に囲まれている。保護カバー34には、制御部40、カメラ50、及び照度センサ52が取付けられている。制御部40は、例えば、表示部10から離れたところに配置されていてもよい。この場合、表示部10と制御部40とは有線通信手段又は無線通信手段により接続され、制御部40は離れた場所に設置された表示部10を制御する。なお、表示部10は、透明基材20を用いることなく、複数の発光体16を直接ガラス板26に固定するように構成してもよい。この場合、不図示の導電層もガラス板26に固定すると好適である。
【0046】
保護カバー34は、発光部14とガラス板26の境界の縁部の全周に設ける必要がない。例えば、表示モジュール1を空間仕切板として使用する場合において、保護カバー34を表示部10の上側に設けない場合には、表示部10は光透過性が確保されるので、景観性を担保することができる。また、もし保護カバー34を表示部10の上側に設けた場合であっても、上側の保護カバー34の幅を他の部分より小さくすることにより、景観性の悪化を低減させることができる。
【0047】
防水材22は、各種樹脂材によって構成可能ではあるが、例えば、透明なオキシム型樹脂、又はアルコール型樹脂であると好ましい。例えば、ダウ・東レ製シリコーンシーリング材(品名:DOWSIL(登録商標) SH 780 Sealant)等のオキシム系樹脂、及び東レ・ダウコーニング製シリコーンシーリング材(品名:SE960シーラント)等のアルコール型樹脂は物理的強度に優れるので、防水材22をオキシム型樹脂、又はアルコール型樹脂で構成すれば、JIS C 0920に定められた粉塵の浸入に対する保護等級のIPX4を満たし、かつ、水の浸入に対する保護等級のIPX5を満たすことができる。なお、透明接着層24等により発光部14の防水性が確保されているのであれば、防水材22は必要ない。
【0048】
制御部40は、
図3に示されるように、映像制御部42、情報取得部44、記憶部45、異常検知部46、送信部48を有する。制御部40は、表示部10の表示形態等を制御する。以下、少なくとも発光部14と制御部40の映像制御部42とを含むものを表示デバイス12と称する(
図1参照)。制御部40は、CPU等のプロセッサを中核として、ハードウェア及びソフトウェアで構成される。本実施形態では、電源を含めた映像制御部42や送信部48が、保護カバー34の内部に隠れて配置されており、制御部40のソフトウェア等を記憶する記憶部45が、それぞれの表示モジュール1、又は後述する表示モジュール群2に1つ設けられている。
【0049】
映像制御部42は、表示部10へ信号を伝送して発光部14における複数の発光体16の発光量を制御することにより、表示モジュール1にコンテンツを表示する。情報取得部44は、保護カバー34に取付けられたカメラ50の撮像画像や照度センサ52による照度情報(環境情報の一例)といった表示部10の周辺の環境情報を取得する。記憶部45は、情報取得部44で取得した情報を記憶する。異常検知部46は、表示部10(発光体16)の状態を常時監視しており、表示部10に異常が生じたことを検出する。送信部48は、異常検知部46で表示部10の異常を検知した場合に、表示部10が異常である旨を表示モジュール1の外部に送信する。
【0050】
発光部14とガラス板26との大きさは基本的に同じであるが、
図4に示されるように、1枚のガラス板26に複数の発光部14を隣接配置して固定することにより表示部10を構成してもよい。このように、1枚のガラス板26に複数の発光部14(透明基材20)を隣接配置すれば、寸法の大きいガラス板26に対しても発光部14を簡単に設置することができる。また、
図5に示されるように、本実施形態の複数の表示モジュール1が、所定の領域に近接配置された表示モジュール群2を構成してもよい。この場合、複数の表示モジュール1のそれぞれの表示部10に同一のコンテンツを表示するように構成してもよいし、それぞれの表示モジュール1に異なるコンテンツを表示するように構成してもよい。
【0051】
〔表示モジュールの使用方法〕
本実施形態の表示モジュール1は、広告主6(
図6参照)のコンテンツを表示して、広告料を得るためのものである。以下に説明する使用方法は、表示モジュール1だけでなく、表示モジュール群2や表示デバイス12にも適用可能である。本実施形態では、表示モジュール1についてのみ説明する。
【0052】
表示モジュール1は、
図3に示されるように、制御部40が、外部から入力された広告主6のコンテンツの映像信号を制御する映像制御部42を制御することにより、複数の発光体16を発光させて所望の広告を表示する。複数の発光体16の発光量をゼロにして発光させないときには、表示モジュール1は、透明な窓やガラスのようになる。
【0053】
例えば、建物の窓や屋内でもエスカレータの両サイドの空間仕切板には景観性担保の観点から、ガラス板26を用いることが一般的であるが、表示モジュール1であれば、この様な場所であっても複数の発光体16の発光量をゼロにすれば景観を損なうことなく、広告料を得ることができる。このように、公共施設にも適用可能な表示モジュール1となっている。
【0054】
本実施形態の表示モジュール1は、情報取得部44で周辺の環境情報を取得する。制御部40は、情報取得部44で取得した環境情報に基づいて、映像制御部42を制御する。情報取得部44は、例えば、照度センサ52で取得した表示モジュール1が設置された場所の照度情報(表示モジュール1の周囲の明るさに関する情報)を環境情報として取得する。そして、制御部40は、複数の発光体16の発光量が照度情報の値と逆相関関係となるように映像制御部42を制御する。具体的には、照度が大きい昼間には複数の発光体16の発光量を小さくし、照度が小さい夜間には複数の発光体16の発光量を大きくするように制御する。これにより、昼間はコンテンツの表示を目立たなくして表示モジュール1を周囲の景観と調和させることができ、夜間はコンテンツの表示を目立つようにしてコンテンツの広告効果を高めることができる。
【0055】
また、制御部40は、複数の発光体16の発光量が照度情報の値と相関関係となるように映像制御部42を制御してもよい。具体的には、照度が大きい昼間には複数の発光体16の発光量を大きくし、照度が小さい夜間には複数の発光体16の発光量を小さくするように制御する。これにより、昼間は照度が大きくてもコンテンツの表示が目立つようにすることができ、夜間はコンテンツを眩しすぎないように表示してコンテンツを注視しやすくすることができるので、昼夜に亘って広告効果を高めることができる。
【0056】
本実施形態の表示モジュール1の情報取得部44は、他の環境情報として、例えば、カメラ50で取得した表示モジュール1が設置された場所の環境情報の一例であるオーディエンス関連情報を取得する。オーディエンス関連情報とは、表示モジュール1のコンテンツを注視している人(以下、単にオーディエンスともいう)に関連する情報を意味する。そして、制御部40は、公知の顔検出、認識手段(不図示)等により、オーディエンスの性別、年齢層といった属性を推定し、推定した属性を有するオーディエンスが興味を持ちそうなコンテンツを表示部10に表示させるように映像制御部42を制御する。
【0057】
このとき、情報取得部44は、推定されたオーディエンスの属性と共に表示モジュール1の設置場所の天気、情報を取得した曜日、時間帯等のデータを取得し、これらのデータを記憶部45に記憶する。オーディエンス関連情報は、これらのデータの総称である。このオーディエンス関連情報を広告主6のフィードバックすることにより、広告主6は、表示モジュール1の広告効果を測定することが可能になる。これにより、広告主6は、オーディエンスの属性に応じたコンテンツを表示部10に表示させることが可能となり、広告効果を高めることができる。なお、オーディエンスが興味を持ちそうなコンテンツを推定するためのパラメータは性別、年齢だけでなく、オーディエンスの数、目線、服装、所持品等、任意のパラメータを用いることができる。
【0058】
本実施形態の表示モジュール1の制御部40は、異常検知部46と送信部48とを備えている。異常検知部46が検知した表示部10の異常状態を示す報知信号を送信部48から送信することにより、例えば、障害物が衝突して複数の発光体16の一部が破損した場合であっても、速やかに表示デバイス12の発光部14の修理をしたり、交換したりすることができる。
【0059】
異常検知部46は、例えば、表示デバイス12の発光部14の複数の発光体16を発光させるために通電する電流を監視している。監視している電流値が、正常値から大きく乖離した状態が継続した場合には、異常検知部46は、発光体16若しくは導電層の断線や短絡による表示デバイス12の異常を検知して、送信部48から異常を報知する報知信号を送信することができる。
【0060】
異常検知部46は、例えば、電流値の監視に加えて、又は電流値の監視に代えて、表示部10を撮像可能なカメラ(不図示)を表示モジュール1から離れたところに設置していてもよい。表示部10を撮像可能なカメラで表示部10に表示されるコンテンツを撮像することにより、コンテンツが正しく表示されていない等の異常状態を異常検知部46が検知することができる。異常検知部46が異常状態を検知したときには、送信部48から異常を報知する報知信号を送信することができる。
【0061】
この場合、表示モジュール1が、
図4に示されるように、1枚のガラス板26に複数の表示デバイス12の発光部14を隣接配置して表示部10を構成している場合であって、特定の表示デバイス12の発光部14にのみ異常が発生した場合には、当該異常が発生した表示デバイス12の発光部14のみを交換するようにすることができるので、利便性が高い。後述する広告取扱方法においては、異常が発生した場合に表示モジュール1の停止時間が短いことが特に求められている。このような観点から、1枚のガラス板26に複数の表示デバイス12の発光部14を隣接配置させておくことが好ましい。
【0062】
〔広告取扱方法〕
次に、本実施形態に係る広告取扱方法について説明する。広告取扱方法によるコンテンツの表示モジュール1への表示(以下、放映ともいう)によって、
図6に示されるように、広告のコンテンツを提供する広告主6、表示モジュール1が設置されている場所の所有者である設置場所のオーナー8(以下、単に「オーナー」という)、及び表示モジュール1を用いて運営するサービスプロバイダ7との間で広告料の授受が発生する。本実施形態におけるサービスプロバイダ7は、オーナー8が所有権を有する既存のガラス板26又は新規のガラス板26に表示デバイス12を設置し、広告料を得る媒体として機能させる媒体所有者である。つまり、サービスプロバイダ7は、オーナー8が所有権を有するガラス板26を、広告料収入を得るために活用し、ガラス板26に付加価値を付与する主体であり、表示デバイス12の所有、表示モジュール1のメンテナンス、及びコンテンツの配信について責任を負う。なお、オーナー8の代わりに、表示モジュール1の設置場所をオーナー8から賃借している賃借者(例えばテナント)がサービスプロバイダ7との間で広告料を授受する形態であってもよい。なお、上記では、オーナー8が既存のガラス板26又は新規のガラス板26の所有権を有する例を示したが、サービスプロバイダ7が既存のガラス板26又は新規のガラス板26の所有権を有していてもよい。オーナー8が既存のガラス板26の所有権を有している場合には、オーナー8は既存のガラス板26を用いて広告料収入を得る事ができる。サービスプロバイダ7がガラス板26の所有権を有している場合であっても、オーナー8は表示モジュール1を設置する設置場所の所有権を有しているため、オーナー8は設置させた表示モジュール1からの広告料収入を得ることができる。
【0063】
サービスプロバイダ7は、オーナー8が所有する場所に表示モジュール1を設置する。この場合、例えば、サービスプロバイダ7はオーナー8が所有する土地に表示モジュール1の全体を設置してもよいし、オーナー8が所有する建物の既存の窓(ガラス板26に相当)にガラス板26を除く表示モジュール1を固定することにより表示モジュール1を設置してもよい。後者の場合は、オーナー8がガラス板26の所有権を有する所有者である。サービスプロバイダ7は、表示モジュール1の管理を行う。
【0064】
広告主6は、サービスプロバイダ7との間で、広告のコンテンツの放映に関する契約を締結する。このとき、契約には、コンテンツの放映期間、放映時間帯、広告主6がサービスプロバイダ7に支払う広告料等が含まれている。以下、広告主6がサービスプロバイダ7に支払う広告料を第1広告料という。第1広告料は、コンテンツを表示する表示モジュール1の大きさ(コンテンツの放映面積)、表示モジュール1の設置場所、表示モジュール1の設置場所を通行する通行者の数等に基づいて決められる。
【0065】
サービスプロバイダ7は、オーナー8との間で、表示モジュール1の設置場所における広告のコンテンツの放映に関する契約を締結する。このとき、契約には、コンテンツの放映期間、放映時間帯、サービスプロバイダ7がオーナー8に支払う広告料等が含まれている。以下、サービスプロバイダ7がオーナー8に支払う広告料を第2広告料という。第2広告料は、コンテンツを表示する表示モジュール1の大きさ(コンテンツの放映面積)、表示モジュール1の設置場所、表示モジュール1の設置場所を通行する通行者の数等に基づいて決められる。第2広告料は第1広告料の一部である。オーナー8がガラス板26の所有権を有する所有者である場合、第2広告料にガラス板26の使用料が含まれていてもよい。第2広告料にガラス板26の使用料が含まれることにより、オーナー8は既存のガラス板26を用いて広告料収入を得る事ができるので、既存のガラス板26を有効に活用することができる。
【0066】
広告主6は、サービスプロバイダ7にコンテンツのデータをサービスプロバイダ7に送り、サービスプロバイダ7は、コンテンツのデータを契約にしたがって表示モジュール1に表示する。サービスプロバイダ7は、上述した制御部40の記憶部45に記憶されている、コンテンツを放映したときのオーディエンス関連情報を抽出して広告主6にフィードバックして報告する。これにより、広告主6は、放映したコンテンツが所期の目的を達成したか否かを知ることができるので、オーディエンス関連情報に基づいて放映するコンテンツを変更することができる。これにより、広告主6は、オーディエンスの属性に応じたコンテンツを表示モジュール1に表示させることが可能となり、表示モジュール1を更に有効に活用して広告効果を高めることができる。
【0067】
以下に、
図7を用いて、コンピュータを用いた広告取扱方法のフローを説明する。まず、サービスプロバイダ7は表示モジュール1の設置場所を選定し、設置場所情報を入力する(♯71)。次いで、設置場所情報(ガラス板26の面積や通行者の数等)に基づいて、第1広告料の収入シミュレーションを実行する(♯72)。この収入シミュレーションは、ガラス板26の大きさに応じたランク付けを行い、ランク付けに比例した最低基準値を設定し、ランク付け及び通行者の数に比例した第1広告料を設定するように構成されている。この第1広告料は、設置場所情報に基づいてガラス板26の視認率や想定稼働率を加味してもよい。
【0068】
サービスプロバイダ7は、収入シミュレーションで設定した第1広告料に所定割合を乗じた金額である第2広告料をオーナー8に提示し、契約に至った場合(♯73のYes)、広告主6を募集する。広告主6は、サービスプロバイダ7との間で、第1広告料の支払いを条件とする広告のコンテンツの放映に関する契約を締結し、制御部40(映像制御部42)は、表示モジュール1に広告主6の広告を表示させる(♯74)。次いで、制御部40は、カメラ50等からオーディエンス関連情報等の環境情報を取得し、サービスプロバイダ7に環境情報をモニター等で報告する(♯75、♯76)。
【0069】
サービスプロバイダ7は、所定の期間におけるオーディエンス関連情報を広告主6に報告する(♯76)。サービスプロバイダ7が広告主6にオーディエンス関連情報を報告する形態は、インターネット回線を用いた通信であってもよいし、レポートの形で提示してもよい。次いで、制御部40は、オーディエンス関連情報に基づく広告主6からの依頼、又は、
図8に示されるように、コンテンツ自動交換システム60を用いたオーディエンス関連情報に基づく自動設定によりコンテンツを変更する(♯77)。そして、サービスプロバイダ7は、コンテンツの放映終了後に、広告主6から第1広告料を受領し、その中から一部を第2広告料としてオーナー8に支払う。なお、第1広告料及び第2広告料は、オーディエンス関連情報等の環境情報に基づいて、制御部40が演算により算出して、サービスプロバイダ7にモニター等で報告するように構成されてもよい(♯78)。
【0070】
〔表示モジュールの製造方法〕
オーナー8がガラス板26の所有権を有する所有者である場合、表示モジュール1は、以下のようにして製造することができる。
【0071】
(1)サービスプロバイダ7は、オーナー8と契約し、表示モジュール1に使用するガラス板26を用意する。
【0072】
(2)サービスプロバイダ7は、複数の発光体16が保持された透明基材20を用意する。
【0073】
(3)サービスプロバイダ7は、透明接着層24を用いて透明基材20をガラス板26に固定して表示モジュール1を構成する。
【0074】
上記契約の条件として、ガラス板26の使用料を上乗せした金額を第2広告料にすることにより、オーナー8側にとってもガラス板26の経済的活用ができる。また、表示モジュール1は、発光体16が光透過性を担保可能な所定の間隔Sで配置されており、オーナー8が有する土地の景観を損なうことなく活用ができる。なお、オーナー8がガラス板26の所有権を有していない場合には、この契約が不要な場合もある。
【0075】
〔広告取扱方法の変形例〕
(1)上記の広告取扱方法では、オーディエンス関連情報は、サービスプロバイダ7から広告主6に報告されるとしたが、表示モジュール1の送信部48に広告主6へのオーディエンス関連情報を送信する機能を付加することにより、オーディエンス関連情報を表示モジュール1から広告主6に直接報告するように、表示モジュール1を構成してもよい。この場合、広告主6は、任意のタイミング(リアルタイム、1日ごと、1週間ごと等)で表示モジュール1からのオーディエンス関連情報を受け取ることができる。
【0076】
(2)本実施形態に係る広告取扱方法においては、表示モジュール1で放映するコンテンツを、オーディエンス関連情報に基づいて自動的に広告効果の高いコンテンツに交換するコンテンツ自動交換システム60を有していてもよい。
【0077】
コンテンツ自動交換システム60は、
図8に示されるように、オーディエンス関連情報受信部61、オーディエンス関連情報判定部63、コンテンツ抽出部65、コンテンツ記憶部67、コンテンツ送信部69により構成されている。
【0078】
オーディエンス関連情報受信部61は、任意のタイミングで表示モジュール1から送信されるオーディエンス関連情報を受信する。オーディエンス関連情報判定部63は、オーディエンス関連情報受信部61で受信したオーディエンス関連情報に基づいて、広告効果の高いコンテンツを判定する。オーディエンス関連情報判定部63は、判定した広告効果の高いコンテンツの情報(ラベル、コンテンツ番号等)をコンテンツ抽出部65に送る。コンテンツ抽出部65は、複数のコンテンツが記憶されたコンテンツ記憶部67から、オーディエンス関連情報判定部63が判定したコンテンツを抽出する。コンテンツ抽出部65が抽出したコンテンツは、コンテンツ送信部69から表示モジュール1に送信され、表示モジュール1の制御部40の記憶部45に記憶されると共に、該コンテンツが表示モジュール1の表示部10で放映される。
【0079】
コンテンツ自動交換システム60の構成要素は、全てサービスプロバイダ7が所有するサーバ等に含まれていてもよいし、一部の構成要素(例えば、コンテンツ記憶部67)は、広告主6が所有するサーバ等に含まれていてもよい。このとき、広告主6のサーバ等とサービスプロバイダ7のサーバ等とは、インターネット回線により通信可能に接続されている。
【0080】
(3)本実施形態における広告取扱方法においては、表示モジュール1の第一領域(例えば上部領域)にコンテンツを表示させる発光領域と、表示モジュール1の第二領域(例えば下部領域)にコンテンツを表示させない非発光領域とを設けてもよい。この場合、表示モジュール1の第二領域は、広告料を得るために活用されないが、視認性が確保されるため、例えば道路の自転車道と歩道との境界に用いることができる。また、建築物の窓であっても、情景を視認可能な高さを第二領域とすれば、窓近傍の人に対して景色を提供し、且つ通行者に対して広告を提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、広告料を得るための表示モジュール、表示モジュール群、表示デバイス及び広告取扱方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 :表示モジュール
2 :表示モジュール群
6 :広告主
10 :表示部
12 :表示デバイス
14 :発光部
16 :発光体
20 :透明基材
24 :透明接着層
26 :ガラス板(光透過板)
40 :制御部
42 :映像制御部
44 :情報取得部
46 :異常検知部
48 :送信部
50 :カメラ