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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153507
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】会議システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20241022BHJP
   A47B 9/00 20060101ALI20241022BHJP
   A47B 7/00 20060101ALI20241022BHJP
   A47B 7/02 20060101ALI20241022BHJP
   A47B 37/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H04N7/15
A47B9/00 Z
A47B7/00 A
A47B7/02 A
A47B37/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067446
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】今 健一
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】山中 彬弘
【テーマコード(参考)】
3B053
5C164
【Fターム(参考)】
3B053NB00
3B053NC00
5C164FA10
5C164VA02P
(57)【要約】
【課題】遠隔参加者に対して会議の状況を把握させやすくすることができる。
【解決手段】会議システム(M1)は、撮影装置(1)と、遠隔参加者(U2)を表示する表示領域(2)と、会議参加者(U1)を撮影装置(1)から見て横長に配置可能なテーブル装置(3)と、撮影装置(1)から見てテーブル装置(3)の後方に配置されるパーソナルテーブル(4)とを備えている。パーソナルテーブル(4)の天板(41)は、鉛直方向の位置が、テーブル装置(3)の天板(31)よりも高いか、テーブル装置(3)の天板(31)よりも高い位置に鉛直方向の高さを調節可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議が実施される会議空間において当該会議に参加する複数名の会議参加者と、前記会議空間から離れた遠隔地においてオンラインにより会議に参加する遠隔参加者と、が混在する前記会議を実施するための会議システムであって、
前記会議参加者の少なくとも1名を撮影する撮影装置と、
前記複数名の会議参加者が前記撮影装置を見る目線の方向に配置され、前記遠隔参加者を表示する表示領域と、
前記会議参加者を前記撮影装置から見て横長に配置可能な前列テーブルと、
前記撮影装置から見て前記前列テーブルの後方に配置される後列テーブルと、を備え、
前記後列テーブルの天板は、鉛直方向の位置が、前記前列テーブルの天板よりも高いか、前記前列テーブルの天板よりも高い位置に鉛直方向の高さを調節可能である、会議システム。
【請求項2】
前記前列テーブルの天板は、複数の前記会議参加者が横並びの状態で共用される形状である、請求項1に記載の会議システム。
【請求項3】
前記前列テーブルは、前記撮影装置から離れる方向に膨らむ放射状に複数の個人用テーブルを並べることで構成される、請求項1に記載の会議システム。
【請求項4】
前記個人用テーブルは、
前記会議参加者が配置される端部と反対側の端部について、左右両端の角部が平面視で面取り加工された天板と、
前記面取り加工された天板の下面から下方に延設された脚部であって、平面視において前記角部よりも内側に設けられた脚部と、
を備えた、請求項3に記載の会議システム。
【請求項5】
前記後列テーブルを複数備えるとともに、
前記複数の後列テーブルのそれぞれは、個人用テーブルであるとともに、互いに積み重ねることが可能である、請求項1に記載の会議システム。
【請求項6】
前記後列テーブルは、天板の下面の中央よりも外側から下方に延設された脚部であって、天板の鉛直方向の高さを調節可能な脚部を有している、請求項5に記載の会議システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の人が対話するときに種々の会議形式が採用される。そのような会議形式の例として、複数の遠隔地にいる複数のユーザが電子通信回線を用いて実施するWEB会議形式、複数のユーザが所定の空間に集まって実施する対面式、または、WEB会議形式と対面式とを併用する会議形式などが挙げられる。
【0003】
近年、テレワークの普及に伴って、オフィスでの参加者と、オンラインを介して参加する遠隔参加者とが混在する、WEB会議形式と対面式とを併用する会議形式が増加している。WEB会議形式と対面式とを併用する会議形式においては、オフィスでの参加者と遠隔参加者とがコミュニケーションをとりやすいように、オフィス参加者と遠隔参加者とが相互に視認可能なように、カメラ、ディスプレイ、作業テーブルなどの会議装置が配置されている。
【0004】
このような会議装置の配置の例が、特許文献1および2に開示されている。特許文献1には、長方形のテーブルの周囲に位置するオフィス参加者を撮影するカメラを、テーブルの長手方向の端部に配置した会議装置が開示されている。特許文献2には、長方形のテーブルの周囲に位置するオフィス参加者を撮影するカメラと、遠隔参加者を表示するディスプレイとが、テーブルの長手方向の端部側に配置された会議装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-180042号公報
【特許文献2】特開2011-151536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および2に記載されたような会議装置においては、カメラの画角にオフィス参加者全員を収めにくく、カメラから遠い位置の参加者やカメラに映りにくい位置の参加者の発話している場合に、遠隔参加者から発話者を特定しにくい。その結果、遠隔参加者が会議の状況を把握しにくくなり、疎外感を感じて会議に参加しにくくなるという問題がある。
【0007】
本発明は、遠隔参加者に対して会議の状況を把握させやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る会議システムは、会議が実施される会議空間において当該会議に参加する複数名の会議参加者と、前記会議空間から離れた遠隔地においてオンラインにより会議に参加する遠隔参加者と、が混在する前記会議を実施するための会議システムであって、前記会議参加者の少なくとも1名を撮影する撮影装置と、前記複数名の会議参加者が前記撮影装置を見る目線の方向に配置され、前記遠隔参加者を表示する表示領域と、前記会議参加者を前記撮影装置から見て横長に配置可能な前列テーブルと、前記撮影装置から見て前記前列テーブルの後方に配置される後列テーブルと、を備え、前記後列テーブルの天板は、鉛直方向の位置が、前記前列テーブルの天板よりも高いか、前記前列テーブルの天板よりも高い位置に鉛直方向の高さを調節可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、遠隔参加者に対して会議の状況を把握させやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る会議システムの構成を示す斜視図である。
図2図1に示す会議システムの構成を示すブロック図である。
図3図1に示す会議システムの構成を示す上面図である。
図4図1に示す会議システムが備えるテーブル装置の構成を示す斜視図である。
図5図1に示す会議システムが備えるパーソナルテーブルの構成を示す側面図及び下面図である。
図6図5に示すパーソナルテーブルを重ねた状態を説明する図である。
図7】本発明の変形例に係る会議システムの構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔会議システムM1〕
図1は、本発明の実施形態に係る会議システムM1の構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す会議システムM1の構成を示すブロック図である。図3は、図1に示す会議システムM1の構成を示す上面図である。会議システムM1は、会議参加者U1と遠隔参加者U2とが混在する会議を実施するためのものである。図1において、テーブル装置3の天板31の長手方向をX軸方向、会議空間MSのフロア面から天板31に向かう方向をY軸方向、天板31の短手方向をY軸方向とする。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに直交する方向である。
【0012】
会議参加者U1、U3は、会議が実施される会議空間MSにおいて会議に参加する参加者である。会議システムM1において、会議に参加する会議参加者U1、U3は複数名である。遠隔参加者U2は、会議空間MSから離れた遠隔地RPにおいてオンラインにより会議に参加する参加者である。会議に参加する遠隔参加者U2の人数は、特に限定されず、少なくとも1人であればよい。
【0013】
会議空間MSで実施される会議は、複数の人が所定の目的または議題に応じてコミュニケーションするものであればよく、例えば、打合せ、ミーティング、ディスカッション、レクチャー、セミナー、講義等と呼ばれるものを含む。また、会議空間MSで実施される会議は、教育機関において行われる会議であってもよい。
【0014】
(会議空間MS)
会議空間MSは、現実空間において会議が実施される空間である。会議空間MSは、壁面によって他の空間とは仕切られる空間であってもよい。例えば、会議空間MSは、周囲全体に壁面がある空間であってもよいし、周囲の一部に壁面がない空間であってもよい。この場合、会議空間MSは、会議室等のブースである。また、会議空間MSは、壁面に加えて天井によって他の空間とは仕切られる空間であってもよい。また、壁面9は、例えば、建造物が有する壁面であってもよく、パーティション等の仕切りであってもよい。
【0015】
(会議空間MSに配置される各構成)
図1に示すように、会議システムM1は、撮影装置1、表示装置(表示領域)2、テーブル装置3、および、パーソナルテーブル4を備えている。パーソナルテーブル4は、撮影装置1から見てテーブル装置3の後方に配置されている。会議システムM1において、テーブル装置3は前列テーブルであり、パーソナルテーブル(個人用テーブル)4は後列テーブルである。図3に示すように、前列L1の会議参加者U1はテーブル装置3に配置され、後列L2の会議参加者U3はパーソナルテーブル4に配置される。また、会議システムM1による会議が実施される会議空間MSには、テーブル装置3に配置された会議参加者U1が着席する椅子C1が、会議参加者U1の人数分配置されている。なお、会議参加者U3は、図1においてはパーソナルテーブル4に立ったまま配置されており、図3においては椅子に着席した状態で配置されている。また、図2に示すように、会議システムM1は、会議システム端末CTおよび音声入力装置MIを、さらに備えている。
【0016】
(撮影装置1)
撮影装置1は、会議空間MS内の会議参加者U1、U3の少なくとも1名を撮影し、画像を生成する。撮影装置1は、会議参加者U1、U3から見て、表示装置2と同じ方向に設けられている。これにより、表示装置2を見る会議参加者U1、U3を表示装置2側から撮影することができるので、撮影した画像を見る遠隔参加者U2が会議参加者U1、U3と目線が合うと感じやすく、遠隔参加者U2に会議の臨場感を感じさせることができる。
【0017】
一例として、撮影装置1は、表示装置2が固定された、会議空間MSの壁面に固定されている。図1において、撮影装置1は、表示装置2の下方に設けられているが、これに限定されず、表示装置2の上方に設けられていてもよい。撮影装置1は、一例として、デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット端末またはWEBカメラ等である。
【0018】
撮影装置1は、会議参加者U1、U3の少なくとも1名を撮影すればよいが、図3に示すように、撮影装置1の画角A1内に、複数の会議参加者U1、U3が納まるように撮影することが好ましい。また、撮影装置1は、声を認識して発話者を自動追従する機能を有していてもよい。これにより、発話中の会議参加者U1、U3を撮影装置1の画角A1内に確実に収めることが可能であり、遠隔参加者U2が、画像中の発話者を特定しやすく、遠隔参加者U2が会議の状況を把握しやすい。さらに、撮影装置1は、会議参加者U1、U3と共に、会議空間MSの全体を撮影することが好ましい。これにより、遠隔参加者U2が会議の様子を把握しやすくなる。また、撮影装置1として、画角の広いカメラを用いてもよい。
【0019】
(表示装置2)
表示装置2は、会議参加者U1、U3が撮影装置1を見る目線の方向に配置される。表示装置2は、会議空間MSの壁面に沿って設けられており、壁面に固定されていてもよい。表示装置2が壁面に沿って設けられていることにより、会議空間MSを広く使用することができる。表示装置2は、遠隔参加者U2を表示する。本実施形態においては、表示装置2として、遠隔参加者U2を表示するディスプレイを用いているが、表示装置2は、スクリーンに画像を投影するプロジェクタであってもよい。この場合、スクリーンは壁面に沿って配置される。また、表示装置2に換えて、遠隔参加者U2を表すホログラムを表示する表示領域を設定してもよいし、遠隔参加者U2に連動するロボットが設けられてもよい。
【0020】
表示装置2は、遠隔参加者U2を表示する。表示装置2は、さらに、撮影装置1により撮影された会議参加者U1、U3および会議空間MS内を表す画像を、遠隔参加者U2を表示する画像に重ねて表示してもよい。また、表示装置2は、会議参加者U1および遠隔参加者U2が提示する情報、会議において使用する資料などを表示してもよい。
【0021】
表示装置2は、複数存在していてもよい。一例として、表示装置2は、遠隔参加者U2を表示する第1表示装置と、会議参加者U1、U3または遠隔参加者U2が提示する情報を表示する第2表示装置とを含んでもよい。これにより、会議参加者U1、U3と遠隔参加者U2との間で情報を共有しやすく、会議参加者U1、U3と遠隔参加者U2とのコミュニケーションを円滑に行うことができる。
【0022】
(音声入力装置MI)
音声入力装置MIは、会議参加者U1、U3の音声を検出して音声データを生成する。音声入力装置MIは、例えばマイクである。音声入力装置MIは、表示装置2が固定された壁面に固定されてもよいし、テーブル装置3の天板31の上面の任意の位置に固定されてもよい。音声入力装置MIは、撮影装置1と一体に構成されていてもよい。
【0023】
(会議空間MSおよび遠隔地RP)
図2に示すように、会議空間MSは、会議システム端末CTを備えている。会議システム端末CTは、撮影装置1、表示装置2、および、音声入力装置MIと、配線により通信可能に接続されているが、無線により通信可能に接続されていてもよい。
【0024】
会議システム端末CTは、インターネット接続を行い、会議参加者U1、U3及び遠隔参加者U2が参加する会議を実施するための装置であり、例えばSTB(Set Top Box)である。また、会議システム端末CTは、例えば、テレビ会議システムまたはビデオ会議システムの端末として使用されるパソコン本体である。会議システムM1は、さらに、会議参加者U1、U3が使用する端末装置を備えていてもよく、当該端末装置は会議システム端末CTと通信可能に接続されていてもよい。会議参加者U1、U3は、当該端末装置を操作することにより、表示装置2や遠隔参加者U2が使用する遠隔端末RTに情報を提示することができる。端末装置は、一例として、スマートフォン、タブレット、ノート型PCまたはデスクトップ型PC等である。
【0025】
会議システム端末CTは、ネットワークを介して、遠隔端末RTと通信を行う。遠隔端末RTは、遠隔参加者U2が利用する端末である。遠隔参加者U2は、遠隔端末RTでオンラインにより会議に参加することができる。遠隔端末RTは、遠隔地RPに配置され、制御部R1、表示部R2、および、通信部R3を備える。遠隔端末RTは、一例として、スマートフォン、タブレット、ノート型PCまたはデスクトップ型PC等である。制御部R1は、例えばCPUであり、遠隔端末RTの各部を制御する。表示部R2は、例えばディスプレイであり、画像を表示する。通信部R3は、例えば通信インターフェースであり、ネットワークNを介して会議システム端末CTと通信を行う。
【0026】
会議システム端末CTは、撮影装置1が生成した画像を遠隔端末RTに送信する。遠隔端末RTの制御部R1は、会議システム端末CTから受信した画像を遠隔端末RTの表示部R2に表示させる。これにより、遠隔参加者U2は、撮影装置1が撮影した画像を表示部R2において見ることができる。
【0027】
会議システム端末CTは、音声入力装置MIが生成した音声データを遠隔端末RTに送信する。制御部R1は、会議システム端末CTから受信した音声データを図示しない音声出力部に出力し、該音声出力部に音声を出力させる。当該音声出力部は、例えば、スピーカであり、遠隔端末RTに備えられてもよく、遠隔端末RTとは別体で遠隔端末RTに接続されてもよい。
【0028】
遠隔参加者U2は、遠隔端末RTを操作することにより、表示装置2に情報を提示することができる。遠隔参加者U2によって遠隔端末RTが操作されると、会議システム端末CTは、遠隔参加者U2が提示する情報を表示装置2に表示させる。
【0029】
(テーブル装置3)
テーブル装置3は、前列L1の会議参加者U1が配置され、会議中の作業台として使用され得る。テーブル装置3は、図3に示すように、会議参加者U1が撮影装置1側を向くように、撮影装置1に対向する位置に配置される。テーブル装置3は、撮影装置1と、水平方向に距離S1を設けて、離間して配置されている。ここで、水平方向は、図1におけるXZ平面に沿った方向を意味する。
【0030】
なお、図1に示すように、テーブル装置3には、椅子C1に着席した会議参加者U1が配置されているが、会議参加者U1が立ったまま、または、高さのあるハイチェアに着席して配置される、天板の鉛直方向の位置が高いハイテーブルとしてテーブル装置3が使用されてもよい。なお、テーブル装置3がハイテーブルである場合でも、その天板の鉛直方向の高さは、後列のパーソナルテーブル4の天板の鉛直方向の高さよりも低い。
【0031】
テーブル装置3は、会議参加者U1を撮影装置1から見て横長に配置可能なテーブルである。これにより、前列のテーブル装置3に複数名の会議参加者U1が横長に配置され、後列のパーソナルテーブル4に配置される会議参加者U3が撮影装置1から離れすぎない。そのため、遠隔参加者U2が見る画像中の会議参加者U1、U3が小さくならず、会議参加者U1、U3の表情を理解しやすい。本実施形態において、テーブル装置3は、複数名の会議参加者U1を、撮影装置1から見て放射状に配置可能である。これにより、複数名の会議参加者U1を、撮影装置1の画角A1内に納めやすい。
【0032】
テーブル装置3の構成について、図4を参照して説明する。図4は、図1に示す会議システムM1が備えるテーブル装置3の構成を示す斜視図である。テーブル装置3は、天板31と、天板31の下方に設けられた脚部33とを有している。天板31は、複数の会議参加者U1を横長に配置可能な第1端部311と、当該第1端部311に対向する第2端部312とを有している。テーブル装置3は、第2端部312が第1端部311よりも撮影装置1側に配置されるように、会議空間MS内に設置されている。
【0033】
天板31は、複数の会議参加者U1が横並びの状態で共用される形状である。これにより、複数名の会議参加者U1が横並びに配置されやすく、配置される会議参加者U1の全員について、撮影装置1に撮影されやすい状態とすることができる。天板31において複数の会議参加者U1が横並びの状態で共用される形状は、一例として、撮影装置1から見て横長の形状、平面視における円弧形状または半円形状などが挙げられる。ここで、平面視は、図3におけるY軸沿った方向の見方を意味する。
【0034】
図3に示す例において、天板31における会議参加者が配置される第1端部311の形状は、平面視において、撮影装置1から離れる方向に膨らむ形状である。これにより、会議参加者U1を撮影装置1から離れる方向に膨らむ放射状に配置することができる。天板31の第1端部311の形状は、平面視における円弧形状であってもよい。また、天板31の第1端部311の形状が、折れ線形状であってもよい。一例として、天板31が、平面視において、撮影装置1側の辺から突出する台形形状であってもよい。さらに、天板31の第1端部311の形状は、曲線形状部分と直線形状部分とを組み合わせた形状であってもよい。
【0035】
また、天板31において、第2端部312の形状は、平面視において、撮影装置1から離れる方向に膨らむ形状である。これにより、天板31において、第2端部312の形状と第1端部311の形状とが、撮影装置1から離れる方向に膨らむ形状に統一されており、より洗練されたデザインの作業台を提供することができる。天板31における第2端部312の形状は、平面視において、撮影装置1から離れる方向に膨らむ曲線形状であってもよいし、円弧形状であってもよい。また、天板31における第2端部312の形状が、折れ線形状であってもよい。
【0036】
テーブル装置3は、また、第2端部312の外側に設けられた機器収容部32を有している。機器収容部32は、天板31から下方に窪むように設けられており、その天板31側の開放面には、着脱自在の蓋体321が設けられている。本実施形態において、蓋体321は、天板31と同じ素材であり、天板31の一部として機能し得る。したがって、本実施形態においては、天板31と蓋体321とで、略半円形状の天板面を備えたテーブル装置と捉えることもできる。
【0037】
天板31は、会議参加者U1が配置される第1端部311側の第1天板31aと、機器収容部32側の第2天板31bとにより構成されている。第1天板31aと第2天板31bとは面一に連結されている。なお、天板31は、第1天板31aのみにより構成されていてもよく、第2天板31bは蓋体321と共に一体の蓋体を構成していてもよい。
【0038】
図4の拡大図に示すように、平面視において、天板31における、第1天板31aの第2端部312と機器収容部32側の第2天板31bとの間には、機器収容部32内に収容する機器の一部を引き出すためのスリット322が設けられている。スリット322は、第1天板31aと第2天板31bとの間の間隙により構成される。機器収容部32は、蓋体321および第2天板31bの下方に跨って設けられている。なお、蓋体321と第2天板31bとの間にもスリット322と同様のスリットが設けられており、当該スリットからも、スリット322と同様に、機器収容部32からケーブルを引き出すことも可能である。
【0039】
テーブル装置3において、天板31の下面には、天板の下面から下方に延設された下方カバー331が設けられている。下方カバー331は、天板31の下方において、撮影装置1側である第2端部312側に設けられている。下方カバー331は、複数の脚部33の間を塞ぐように設けられている。また、テーブル装置3には、図4に一点鎖線で示すように、遮蔽板として機能する幕板332が設けられていてもよい。幕板332は、テーブル装置3の天板面における、撮影装置1側の端部の略全長に設けられていることが好ましい。
【0040】
(パーソナルテーブル4)
パーソナルテーブル4は、後列L2の会議参加者U3が配置され、会議中の作業台として使用され得る。テーブル装置3の後方に配置された複数のパーソナルテーブル4により、後列L2が構成されている。前列L1に配置される会議参加者U1と同様に、後列L2に配置される会議参加者U3が横並びに配置されるように、パーソナルテーブル4が配置される。パーソナルテーブル4は、後列L2において、会議参加者U3が撮影装置1から離れる方向に膨らむ放射状に配置されるように、配置されることが好ましい。パーソナルテーブル4は、会議参加者U3の人数分設置されている。図3に示す例において、会議システムM1は、2つのパーソナルテーブル4を備えている。1つのパーソナルテーブル4に配置される会議参加者U3の人数は、テーブル装置3に配置される会議参加者U1の人数よりも少なく、一例として、1つのパーソナルテーブル4に1人の会議参加者U3が配置される。
【0041】
撮影装置1側から見て、複数の会議参加者U1が配置されるテーブル装置3の後方に、パーソナルテーブル4がさらに配置されていることにより、より多くの会議参加者を撮影装置1により撮影することができる。パーソナルテーブル4には、会議参加者U3が椅子に着席して配置されていてもよいが、会議参加者U3が立ったまま配置されるスタンディングテーブルとして使用されてもよい。
【0042】
図5を参照して、パーソナルテーブル4の構成について説明する。図5は、図1に示す会議システムM1が備えるパーソナルテーブル4の構成を示す側面図及び下面図である。パーソナルテーブル4は、図5の側面図1001’に示すように、天板41と、天板41の下方に脚部43とを有している。また、図5の上面図1002’に示すように、天板41は、会議参加者U3が配置される端部411と、その反対側の端部412を有している。そして、端部412は左右両端の角部413が平面視で面取り加工されている。
【0043】
図1に示すように、パーソナルテーブル4の天板41は、鉛直方向の位置が、テーブル装置3の天板31よりも高くなるように設けられている。本実施形態において、パーソナルテーブル4は、テーブル装置3の天板31よりも高い位置に鉛直方向の高さを調節可能である。パーソナルテーブル4は、天板41の鉛直方向の高さを調節する調節部434を有している。また、パーソナルテーブル4の天板41は、テーブル装置3の天板31よりも鉛直方向の位置が高くなるような脚部43を有していてもよい。
【0044】
パーソナルテーブル4の天板41は、鉛直方向の位置が、テーブル装置3の天板31よりも高くなるように設けられていることにより、パーソナルテーブル4に配置された後列L2の会議参加者U3の鉛直方向の位置は、テーブル装置3に配置された前列L1の会議参加者U1の鉛直方向の位置と重ならず、撮影装置1により会議参加者全員を撮影することができる。
【0045】
また、パーソナルテーブル4において、脚部43の天板41と接続された端部の反対側の端部は、底部42と接続されている。底部42は、会議空間MSの床面に接する部分であり、会議空間MS内を容易に移動可能なように、キャスター421を有している。天板41の下面には、天板41の下面から下方に延設された下方カバー433が設けられている。
【0046】
脚部43は、図5の側面図1001’に示すように、天板41におけるX軸負方向側に接続されている。脚部43は、天板41の下面から下方に延設されている。そして、脚部43は、平面視において角部413よりも内側に設けられている。このように、脚部43が天板41の中央よりも横にずれて設けられていることによって、天板41の下方に空間が確保され、脚部43が会議参加者U3の邪魔にならない。
【0047】
脚部43は、天板41に接続された外筒431と、底部42に接続された内筒432とを有する。調節部434により、内筒432に対して外筒431をY軸方向に上下動させることによって、天板41の鉛直方向の高さが調節可能である。調節部434は、公知の手動または電動によるテーブル昇降装置を備えており、例えば、油圧式またはガス圧式の昇降装置を用いることができる。
【0048】
底部42は、図5の上面図1002’に示すように、会議参加者U3が配置される端部411側が開放されたU字形状である。底部42は、会議参加者U3が配置される端部411に対向する端部412側がU字の底になるように設けられている。これにより、パーソナルテーブル4に配置される会議参加者U3の足元の空間が確保され、底部42が会議参加者U3の邪魔にならない。キャスター421は、U字形状の底部42に沿って複数設けられている。なお、キャスター421の代わりに、底部42の滑りをよくする部材を取り付け、床面上において底部42を滑らせることで、パーソナルテーブル4を移動させてもよい。
【0049】
複数のパーソナルテーブル4は、図6に示すように、互いに積み重ねることが可能である。図6は、図5に示すパーソナルテーブル4を重ねた状態を説明する図である。図6に示すように、パーソナルテーブル4a、4bは、天板41a、41bの鉛直方向の高さを調節することで、互いに積み重ねられている。パーソナルテーブル4aの脚部43aは、パーソナルテーブル4bの脚部43bよりも鉛直方向の長さが短くなるように調節されている。
【0050】
パーソナルテーブル4aの天板41aは、その少なくとも一部が、平面視において、パーソナルテーブル4bの天板41bの下側に位置するように積み重ねられている。そして、パーソナルテーブル4a、4bの脚部43a、43bは、天板41a、41bの下面の中央よりも外側から下方に延設されている。したがって、天板41a、41bの少なくとも一部が重なるように積み重ねる場合に、脚部43a、43b同士が干渉せず、邪魔にならない。また、会議参加者U1が椅子に着座した状態で足を伸ばす際に脚部43a、43bが邪魔になりにくい。そして、脚部43bの底部42bのU字形状の開放部分に、脚部43aの底部42aのU字形状の底が入り込むことによって、入れ子状にパーソナルテーブル4a、4bを積み重ねることができる。
【0051】
このように、後列の複数のパーソナルテーブル4を積み重ねることで、パーソナルテーブル4の収納スペースをコンパクト化することができる。これにより、参加人数に見合った数のパーソナルテーブル4を準備することが容易となる。パーソナルテーブル4は天板41の鉛直方向の高さが調節可能であるので、複数のパーソナルテーブル4を積み重ね易くすることができるとともに、パーソナルテーブル4の使用態様について、会議参加者U1の好みや会議状況に応じた柔軟性を担保できる。そして、天板41の鉛直方向の高さを低くしたパーソナルテーブル4を、天板41の鉛直方向の高さが高い他のパーソナルテーブル4の天板41の下側に入れ込んで入れ子状に収納することが可能である。
【0052】
また、パーソナルテーブル4は、平面視において、天板41の上側に他のパーソナルテーブル4の天板を重ねてもよい。このとき、脚部43の鉛直方向に延伸する部分が、天板41の下面における端部側または端部から外側に突き出すように設けられていれば、パーソナルテーブル4を積み重ねたときに互いの脚部43の位置が重ならず、積み重ねの邪魔にならない。このようにパーソナルテーブル4を積み重ねる場合、天板41の鉛直方向の高さを調節せずに、下側の天板41上に上側の天板41を重ね、上側のパーソナルテーブル4の脚部43が床面から離れて、下側のパーソナルテーブル4上に完全に積み重ねられてもよい。これにより、天板41の鉛直方向の高さを調節しないパーソナルテーブル4であっても、積み重ねて収納することができる。
【0053】
さらに、パーソナルテーブル4は、天板41の角度を脚部43に対して変更可能な構成であってもよい。これにより、天板41の上面の向きを水平方向から鉛直方向に変更して、天板41を横方向に重ねるように、パーソナルテーブル4を重ねることができる。この場合においても、脚部43は、パーソナルテーブル4を積み重ねた場合に、互いに干渉しない位置に設けられているか、互いに干渉しない位置に調節可能になっている。
【0054】
〔会議システムの変形例〕
会議システムM1の変形例について、図7を参照して説明する。なお、説明の便宜上、会議システムM1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図7は、本発明の変形例に係る会議システムM2の構成を示す上面図である。会議システムM2は、前列のテーブルが、撮影装置1から離れる方向に膨らむ放射状に複数のパーソナルテーブルを並べることで構成される点において、会議システムM1と異なっている。
【0055】
図7に示すように、前列L1’の会議参加者U1はそれぞれ、パーソナルテーブル4に配置されている。前列L1’の会議参加者U1の人数分配置されたパーソナルテーブル4は、撮影装置1から見て横長であって、平面視において、撮影装置1から離れる方向に膨らむ放射状に並べられている。これにより、会議参加者U1を撮影装置1から離れる方向に膨らむ放射状に配置することができる。したがって、後列L2’のパーソナルテーブル4に配置される会議参加者U3が撮影装置1から離れすぎないと共に、前列L1’に配置される会議参加者U1の全員について、撮影装置1に撮影されやすい状態とすることができる。
【0056】
また、パーソナルテーブル4は、天板41において、会議参加者U1が配置される端部411とは反対側の端部412は、左右両端の角部413が平面視で面取り加工されている。したがって、隣接するパーソナルテーブル4の天板41同士が干渉しにくく、放射状に配置する際に、間隔を狭く設置することが可能となる。図7においては、前列L1’の隣接するパーソナルテーブル4同士の間隔を広く設ける例を示しているが、左右両端の角部413が平面視で面取り加工されていることによって、この間隔をより狭く設けることができる。例えば、隣接するパーソナルテーブル4同士を当接させて配置する場合には、左右両端の角が面取り加工されていないテーブルを用いる場合よりも、隣接するパーソナルテーブル4同士の間隔をより狭く設けることができる。また、脚部43は、平面視において角部413よりも内側に設けられているので、平面視において角部413から脚部43がはみ出さず、放射状に配置されたパーソナルテーブル4において、隣接するパーソナルテーブル4の脚部43同士が干渉しにくい。
【0057】
なお、図7において、パーソナルテーブル4の天板41における、左右両端の角部413の平面視における面取り形状は、湾曲形状であるが、角を斜めに切り落とした直線形状であってもよい。ただし、角部413が直線形状である場合、隣接するパーソナルテーブル4同士を角部413が密着するように当接させることを誘発してしまう虞がある。会議参加者U1の人数の増減に応じて、前列L1’に放射状に配置させるパーソナルテーブル4の角度は変わるため、角部413が湾曲形状である場合の方が、配置の際の混乱が生じにくく、また、外観上も自然であるため好ましい。
【0058】
〔付記事項1〕
本発明の態様1に係る会議システムは、会議が実施される会議空間において当該会議に参加する複数名の会議参加者と、前記会議空間から離れた遠隔地においてオンラインにより会議に参加する遠隔参加者と、が混在する前記会議を実施するための会議システムであって、前記会議参加者の少なくとも1名を撮影する撮影装置と、前記複数名の会議参加者が前記撮影装置を見る目線の方向に配置され、前記遠隔参加者を表示する表示領域と、前記会議参加者を前記撮影装置から見て横長に配置可能な前列テーブルと、前記撮影装置から見て前記前列テーブルの後方に配置される後列テーブルと、を備え、前記後列テーブルの天板は、鉛直方向の位置が、前記前列テーブルの天板よりも高いか、前記前列テーブルの天板よりも高い位置に鉛直方向の高さを調節可能であることを特徴とする。
【0059】
前記態様1によれば、前列テーブルが横長に会議参加者を配置するので、後列テーブルに配置された会議参加者は撮影装置との距離が離れすぎない。さらに、後列テーブルの天板が前列テーブルの天板よりも高いので、後列テーブルに配置された会議参加者は、前列テーブルに配置された会議参加者と重ならず、撮影装置に撮影される。
【0060】
本発明の態様2に係る会議システムは、前記態様1において、前記前列テーブルの天板は、複数の前記会議参加者が横並びの状態で共用される形状であってもよい。
【0061】
前記態様2によれば、前列テーブルに配置される会議参加者の全員について、撮影装置に撮影されやすい状態とすることができる。
【0062】
本発明の態様3に係る会議システムは、前記態様1において、前記前列テーブルは、前記撮影装置から離れる方向に膨らむ放射状に複数の個人用テーブルを並べることで構成されてもよい。
【0063】
前記態様3によれば、前列テーブルに配置される会議参加者の全員について、撮影装置に撮影されやすい状態とすることができる。
【0064】
本発明の態様4に係る会議システムは、前記態様3において、前記個人用テーブルは、前記会議参加者が配置される端部と反対側の端部について、左右両端の角部が平面視で面取り加工された天板と、前記面取り加工された天板の下面から下方に延設された脚部であって、平面視において前記角部よりも内側に設けられた脚部と、を備えていてもよい。
【0065】
前記態様4によれば、前列テーブルとしての個人用テーブルを、放射状に配置する際に間隔を狭く設置することが可能となる。
【0066】
本発明の態様5に係る会議システムは、前記態様1において、前記後列テーブルを複数備えるとともに、前記複数の後列テーブルのそれぞれは、個人用テーブルであるとともに、互いに積み重ねることが可能であってもよい。
【0067】
前記態様5によれば、後列テーブルを積み重ねることで、後列テーブルの収納スペースをコンパクト化することができる。これにより、参加人数に見合った数の後列テーブルを準備することが容易となる。
【0068】
本発明の態様6に係る会議システムは、前記態様5において、前記後列テーブルは、天板の下面の中央よりも外側から下方に延設された脚部であって、天板の鉛直方向の高さを調節可能な脚部を有していてもよい。
【0069】
前記態様6によれば、天板の鉛直方向の高さが調節可能であるので、複数の後列テーブルを積み重ね易くすることができるとともに、後列テーブルの使用態様について、会議参加者の好みや会議状況に応じた柔軟性を担保できる。また、脚部が天板の下面の中央よりも外側から下方に延設されているので、会議参加者が椅子に着座した状態で足を伸ばす際に邪魔になりにくい。
【0070】
〔付記事項2〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1 撮影装置
2 表示装置(表示領域)
3 テーブル装置(前列テーブル)
4 パーソナルテーブル(後列テーブル、個人用テーブル)
31 天板
32 機器収容部
33 脚部
41 天板
311 第1端部
312 第2端部
321 蓋体
322 スリット
331 下方カバー
411 端部
412 端部
413 角部
434 調節部
M1,M2 会議システム
L1、L1’ 前列
L2、L2’ 後列
U1、U3 会議参加者
U2 遠隔参加者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7