(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153518
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】手すり体
(51)【国際特許分類】
A61G 7/053 20060101AFI20241022BHJP
A61H 3/00 20060101ALI20241022BHJP
E04F 11/18 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A61G7/053
A61H3/00 Z
E04F11/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067499
(22)【出願日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】中井 吾郎
(72)【発明者】
【氏名】尾形 洋平
【テーマコード(参考)】
2E301
4C040
4C046
【Fターム(参考)】
2E301HH00
2E301JJ01
2E301KK05
2E301LL13
2E301LL16
4C040AA06
4C040GG20
4C046AA22
4C046AA27
4C046AA29
4C046AA49
4C046BB03
4C046BB07
4C046CC01
4C046CC04
4C046DD08
4C046DD25
4C046DD33
4C046DD42
4C046DD43
4C046DD44
4C046DD46
4C046FF02
4C046FF11
4C046FF12
(57)【要約】
【課題】 長期にわたる使用や高頻度の使用に耐えるためのメンテナンスを容易に行い得る手すり体の提供。
【解決手段】 外方に向かって下降傾斜した外周部を有する板体Baの外周縁に、ゴム状材料からなる周方向に数個に分割された縁カバー体Eを取り外し可能に外嵌固定し、板体Baに、両柱状部Cの下部側を内嵌支持する柱状部支持体Sを着脱可能に支持する。略U字状円管Uのうち梁状円管部Um及び一対の柱状円管部Ucのうち鍔状部Ug位置以上の部分並びに中間梁状部Mbを構成する直円管Yを正面側及び背面側の被覆体Va・Vb・Vf・Vg・Vj・Vkにより着脱可能に固定被覆する。板体Baのうち外周部よりも内側の下面部に、錘板Gを着脱可能に固定し、錘板Gの下面側に発泡ウレタン製の支持板Qを剥離可能に接合し、重なり合った状態の板体Ba、錘板G及び支持板Qを貫通して手を掛けることができる貫通孔Kを設ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者自身の動きや姿勢維持などの補助のために利用する手すり体であって、
利用者が接する所定部分を含む対象部の外周部を2以上に分割する領域をそれぞれ被覆する被覆体を有し、
前記被覆体は、締結解除が可能な締結機構により前記対象部に対し固定されるものであることを特徴とする手すり体。
【請求項2】
上記利用者自身の動きや姿勢維持などの補助のために利用する部分として、梁状部若しくはこれに類する部分と、柱状部若しくはこれに類する部分を有し、
前記梁状部若しくはこれに類する部分の少なくとも一部と、前記柱状部若しくはこれに類する部分の少なくとも一部が、連続して上記所定部分又は対象部である請求項1記載の手すり体。
【請求項3】
上記柱状部若しくはこれに類する部分のうち、起立状態において所定の上下方向位置以上の部分と、梁状部若しくはこれに類する部分とが、連続して所定部分又は対象部である請求項1又は2記載の手すり体。
【請求項4】
利用者の動きや姿勢維持などの補助として手すり体が機能するための強度及び剛性を備えた骨格構造を構成する部材を備え、
上記被覆体は、少なくとも、前記骨格構造を構成する部材を被覆するものである請求項1又は2記載の手すり体。
【請求項5】
上記被覆体が、被覆対象である部材の連結や部材の支持に利用されている請求項1又は2記載の手すり体。
【請求項6】
上記梁状部を被覆する上記被覆体の横断面の上部外周の曲率が、前記被覆体の横断面の上部外周の最上位置と下部外周の最下位置の距離を直径とする円の曲率よりも2割以上小さい請求項1又は2記載の手すり体。
【請求項7】
上記梁状部を被覆する上記被覆体の横断面の上部外周が、下向きの押圧力をかけやすく、握り易い請求項6記載の手すり体。
【請求項8】
上記被覆体の少なくとも一部は、対象部を正面及び背面から挟持するものである請求項1又は2記載の手すり体。
【請求項9】
柱状部などを起立状態で支持するための基盤部を有し、
前記基盤部は、
平面視における全周にわたり、外方に向かって下降傾斜した外周部を有する板体と、
前記外周部の少なくとも外周縁をカバーする縁カバー体とを有し、
前記縁カバー体は、周方向に少なくとも数個に分割状をなす分割カバー体が、それぞれ締結機構により前記板体に対し固定されるものである請求項1又は2記載の手すり体。
【請求項10】
板体のうち外周部よりも内側の下面部には、錘板又は補強板が、着脱可能に又は着脱不能に固定され、錘板又は補強板の下面側には、弾力性を有する材料からなる支持板が、剥離可能に接合され、板体のうち外周部よりも内側部分が、載置面上に錘板又は補強板を介して前記支持板により支持され得る請求項1又は2記載の手すり体。
【請求項11】
重なり合った状態の、板体、錘板又は補強板、及び支持板を貫通して手を掛けることができる貫通孔を有し、基盤部の貫通孔に手などをかけて運ぶことができる請求項1又は2記載の手すり体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者自身の動きや姿勢維持などの補助のために利用する手すり体に関する。
【背景技術】
【0002】
手すり体は、利用者自身の、立ち上がる、座る、歩行する、上り下りするなどの動きや姿勢維持などの補助のために、利用者自身の手や腕やその他の部位で接することにより利用するものである。
【0003】
特開2016-131824号公報には、軽量構造用の樹脂被覆鋼管、単なる鋼管、又はアルミニウムや合成樹脂その他の材質による軽量構造用管材、更には軽量構造用棒材をそれぞれ相互に連結等して組み立てる手段である連結用継手と、及び二種以上の管材構造物を連結した管材構造物からなる、要介護者らがベッドへ横たわる際などに掴まり、自助動作として姿勢、体勢を変換する際の補助具であって、二つの管材構造物1、2の相対峙させた2本の管材10、20を抱持する2条の半割り形状の凹溝部311、312を形成された主部材31と、主部材31の一方の凹溝部312のみを筒状に補完する半割り形状の凹溝部321を備えた副部材32と、主部材31の残る凹溝部311を筒状に補完する半割り形状の凹溝部331を備えた第三の部材33とで構成されるものが示されている。
【0004】
特開2013-9922号公報には、立ち上がり補助具を安定させるために取り付けるおもりが、立ち上がり動作や、立ち上がり補助具の組立・分解作業の邪魔にならない立ち上がり動作補助具であって、床面と接するベース部2と、手摺部4を備えベース部2に立設された支柱部3とを備える立ち上がり補助具1において、ベース部2の裏面におもり5を備えたものが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-131824号公報
【特許文献2】特開2013-9922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、長期にわたる使用や高頻度の使用に耐えるためのメンテナンスを容易に行い得る手すり体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば次のように表すことができる。
【0008】
(1) 利用者自身の動きや姿勢維持などの補助のために利用する手すり体であって、
利用者が接する所定部分を含む対象部の外周部を2以上に分割する領域をそれぞれ被覆する被覆体を有し、
前記被覆体は、締結解除が可能な締結機構により前記対象部に対し固定されるものであることを特徴とする手すり体。
【0009】
(2) 上記利用者自身の動きや姿勢維持などの補助のために利用する部分として、梁状部若しくはこれに類する部分と、柱状部若しくはこれに類する部分を有し、
前記梁状部若しくはこれに類する部分の少なくとも一部と、前記柱状部若しくはこれに類する部分の少なくとも一部が、連続して上記所定部分又は対象部である上記(1)記載の手すり体。
【0010】
(3) 上記柱状部若しくはこれに類する部分のうち、起立状態において所定の上下方向位置以上の部分と、梁状部若しくはこれに類する部分とが、連続して所定部分又は対象部である上記(1)又(2)記載の手すり体。
【0011】
(4) 利用者の動きや姿勢維持などの補助として手すり体が機能するための強度及び剛性を備えた骨格構造を構成する部材を備え、
上記被覆体は、少なくとも、前記骨格構造を構成する部材を被覆するものである上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の手すり体。
【0012】
(5) 上記被覆体が、被覆対象である部材の連結や部材の支持に利用されている上記(1)乃至(4)の何れか1項に記載の手すり体。
【0013】
(6) 上記梁状部を被覆する上記被覆体の横断面の上部外周の曲率が、前記被覆体の横断面の上部外周の最上位置と下部外周の最下位置の距離を直径とする円の曲率よりも2割以上小さい上記(1)乃至(5)の何れか1項に記載の手すり体。
【0014】
(7) 上記梁状部を被覆する上記被覆体の横断面の上部外周が、下向きの押圧力をかけやすく、握り易い上記(6)載の手すり体。
【0015】
(8) 上記被覆体の少なくとも一部は、対象部を正面及び背面から挟持するものである上記(1)乃至(7)の何れか1項に記載の手すり体。
【0016】
(9) 柱状部などを起立状態で支持するための基盤部を有し、
前記基盤部は、
平面視における全周にわたり、外方に向かって下降傾斜した外周部を有する板体と、
前記外周部の少なくとも外周縁をカバーする縁カバー体とを有し、
前記縁カバー体は、周方向に少なくとも数個に分割状をなす分割カバー体が、それぞれ締結機構により前記板体に対し固定されるものである上記(1)乃至(8)の何れか1項に記載の手すり体。
【0017】
(10) 板体のうち外周部よりも内側の下面部には、錘板又は補強板が、着脱可能に又は着脱不能に固定され、錘板又は補強板の下面側には、弾力性を有する材料からなる支持板が、剥離可能に接合され、板体のうち外周部よりも内側部分が、載置面上に錘板又は補強板を介して前記支持板により支持され得る上記(1)乃至(9)の何れか1項に記載の手すり体。
【0018】
(11) 重なり合った状態の、板体、錘板又は補強板、及び支持板を貫通して手を掛けることができる貫通孔を有し、基盤部の貫通孔に手などをかけて運ぶことができる上記(1)乃至(10)の何れか1項に記載の手すり体。
【発明の効果】
【0019】
本発明の手すり体によれば、長期にわたる使用や高頻度の使用に耐えるためのメンテナンスを容易に行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】手すり体の柱状部及び梁状部の分解斜視図である。
【
図3】手すり体の柱状部及び梁状部の分解斜視図である。
【
図4】手すり体の柱状部及び梁状部の垂直横断面図である。
【
図5】手すり体の基盤部及び柱状部支持体の分解斜視図である。
【
図6】貫通孔に手を掛けて基盤部を運ぶ条体を示す説明図である。
【
図7】別の手すり体の柱状部及び梁状部並びにその骨格部材の斜視図である。
【
図8】別の手すり体の柱状部及び梁状部並びにその骨格部材の斜視図である。
【
図9】別の手すり体の柱状部及び梁状部並びにその骨格部材の斜視図である。
【
図10】別の手すり体の柱状部及び梁状部並びにその骨格部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[1] 本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図面は何れも本発明の実施の形態の例としての手すり体に関するものである。
【0023】
これらの手すり体は、利用者自身の動きや姿勢維持などの補助のために利用するものであり、利用者が接する所定部分を含む対象部を2以上に分割する領域をそれぞれ被覆する被覆体を有する。
【0024】
以下、
図1乃至
図6に示される手すり体を中心として説明する。
【0025】
(1) 手すり体
【0026】
手すり体Hは、利用者自身の(例えば、立ち上がる、座る、歩行する、上り下りするなどの)動きや(起立姿勢その他の)姿勢維持などの補助のために、利用者自身の手や腕等で接する(例えば、握る、もたれる、触れる、必要な向きに押圧するなど)により利用するものである。手すり体Hにおいて利用者がこのように接する部分の例としては、柱状部Cや梁状部M若しくはこれらに類する部分又はそれらの結合部を挙げることができる。
【0027】
これらの手すり体Hは、屋内の床面や土間などに、移動可能な基盤部Bが載置され、その基盤部B上に上方開口の円管状の柱状部支持体Sを介して支持された状態で自立する柱状部Cと、その柱状部Cに支持された(或いは柱状部Cを補強する)梁状部Mを有するものである。
【0028】
(2) 所定部分及び対象部
【0029】
所定部分というのは、手すり体Hのうち、利用者自身の動きや姿勢維持などの補助のために、利用者自身の手や腕やその他の部位で接する柱状部Cや梁状部M若しくはこれらに類する部分又はそれらの結合部である。この手すり体Hにおいては、梁状部M若しくはこれに類する部分全部と、柱状部C若しくはこれに類する部分のうち、起立状態において所定の上下方向位置以上の部分全部が、連続して所定部分であり、対象部の全てが所定部分である。
【0030】
(3) 被覆体
【0031】
(3-1) 被覆体は、主として、利用者の動きや姿勢維持などの補助として手すり体Hが機能するための強度及び剛性を備えた骨格構造等を構成する部材を被覆するものである。
【0032】
このような骨格構造等を構成する部材は、鋼製の円管状部材である。
【0033】
被覆体を構成する材料は、ポリプロピレンである。
【0034】
骨格構造を構成する部材は、鋼製の円管を2箇所で90度屈曲させることにより略U字状円管Uを屈曲形成し、両端から延びる互いに平行状をなす一対の直線状部を柱状円管部Ucとし、当該一対の直線状部を連結する部分を梁状円管部Umとし、両柱状円管部Ucと梁状円管部Umとを接続する90度屈曲部を屈曲円管部Udとするものである。
【0035】
一対の直線状の柱状円管部Ucのうち上下中間位置付近に、それぞれ鍔状部Ugが上下可動に外嵌され、柱状円管部Ucの所定高さ位置よりも下方部には、柱状部支持体Sに対し内嵌して柱状部Cの高さを調節するための複数の高さ調節用嵌合孔U1が上下間隔おきに設けられている。
【0036】
柱状円管部Ucのうち所定高さ位置以上の部分、及び両柱状円管部Ucの上方に支持される梁状円管部Umには、被覆体固定用孔Aが設けられている。
【0037】
更に、一対の柱状部Cのうち所定高さ位置よりも上方部同士の間に支持される中間梁状部Mbを構成する鋼製の直円管Y及びその直円管Yの両端部に内嵌される中間梁状部支持用部材Ysにも被覆体固定用孔Aが設けられている。中間梁状部支持用部材Ysの外端部には、柱状円管部Ucの外周曲面に密接し得る端部部材Yeが嵌合される。
【0038】
(3-2) 被覆体は、対象部を正面及び背面から挟持するものである。すなわち、被覆体は、対象部の任意の横断面の全外周を正面側と背面側に2分割して被覆する。
【0039】
(a) 上部梁状部Ma及び中間梁状部Mbのそれぞれ両端部を除く部分は、それぞれ、正面側直線溝状被覆体Vaと背面側直線溝状被覆体Vbにより被覆される。正面側直線溝状被覆体Va及び背面側直線溝状被覆体Vbのそれぞれ内側には、梁状円管部Um又は直円管Yに接する補強リブRを有する。
【0040】
正面側直線溝状被覆体Vaと背面側直線溝状被覆体Vbは、梁状円管部Um又は直円管Yと正面側直線溝状被覆体Vaと背面側直線溝状被覆体Vbを左右端部付近においてそれぞれ貫通するボルトT及びナットNからなる締結機構により対象部を挟持した状態で着脱可能に固定されるものである。なお、ボルト孔及びナット孔には、保護キャップPが装着される。
【0041】
正面側直線溝状被覆体Va及び背面側直線溝状被覆体Vbにより被覆された上部梁状部Ma及び中間梁状部Mbの外周横断面形状は、上面M1の曲率が、被覆体の横断面の上部外周の最上位置と下部外周の最下位置の距離を直径とする円の曲率よりも3割以上小さいスーパー楕円形状である。そのため、利用者が上部梁状部Ma又は中間梁状部Mbを握って体重をかける場合などにおいて滑りにくく、安全且つ確実に手すり体Hを利用することができる。
【0042】
(b) 略U字状円管Uの両柱状円管部Ucと梁状円管部Umとの接続部である両屈曲円管部Ud及びその近傍部(隣接する柱状円管部Ucの端部近傍と梁状円管部Umの端部近傍)は、それぞれ、正面側屈曲溝状被覆体Vfと背面側屈曲溝状被覆体Vgにより被覆される。正面側屈曲溝状被覆体Vf及び背面側屈曲溝状被覆体Vgのそれぞれ内側には、屈曲円管部Ud並びに隣接する柱状円管部Ucの端部及び梁状円管部Umの端部に接する補強リブRを有する。正面側屈曲溝状被覆体Vfと背面側屈曲溝状被覆体Vgは、屈曲円管部Udのうち曲率が大きい側である(正面視における)内周側にほぼ沿うものである一方、屈曲円管部Udのうち曲率が小さい側である外周側に張り出して外周の曲率を大きくした形状をなす。正面側屈曲溝状被覆体Vfと背面側屈曲溝状被覆体Vgは、屈曲円管部Udの外周側に張り出した部分において、両被覆体を貫通するボルトT及びナットNからなる締結機構により対象部を挟持した状態で着脱可能に固定されるものである。なお、ボルト孔及びナット孔には、保護キャップPが装着される。
【0043】
正面側屈曲溝状被覆体Vf及び背面側屈曲溝状被覆体Vgにより形成された上側部及び(正面視における)外側部は、それぞれ、屈曲円管部Ud及びその近傍部よりも、上部梁状部Maと水平方向に連続した部分、及び柱状部Cと垂直方向に連続した部分が長い。前記上側部及び外側部の外形は、上部梁状部Maの外周横断面形状(スーパー楕円形状)が連続する。そのため、利用者が上部梁状部Ma又は中間梁状部Mbを握って体重をかける場合などにおいて滑りにくく、安全で確実に手すり体Hを利用することができる範囲が、正面側屈曲溝状被覆体Vf及び背面側屈曲溝状被覆体Vgにより形成された上側部に拡大する。
【0044】
(c) 両柱状円管部Ucのうち所定高さ位置以上で屈曲円管部Ud近傍部までの部分と、中間梁状部Mbを構成する直円管Yの両端部及びその両端部に内嵌された中間梁状部支持用部材Ysの外端部に嵌合した端部部材Yeは、それぞれ、正面側三叉溝状被覆体Vjと背面側三叉溝状被覆体Vkにより被覆される。正面側三叉溝状被覆体Vj及び背面側三叉溝状被覆体Vkのそれぞれ内側には、柱状円管部Uc及び直円管Yの端部に接する補強リブRを有する。
【0045】
正面側三叉溝状被覆体Vjと背面側三叉溝状被覆体Vkは、所定高さ位置以上の柱状円管部Ucの上下2箇所及び直円管Yの端部(中間梁状部支持用部材Ysの端部を含む)と正面側三叉溝状被覆体Vjと背面側三叉溝状被覆体Vkの上下端部付近及び上下中間位置の内方突起部Vj1・Vk1の先端部においてそれぞれ貫通するボルトT及びナットNからなる締結機構により対象部を挟持した状態で着脱可能に固定されるものである。なお、ボルト孔及びナット孔には、保護キャップPが装着される。
【0046】
このようにして両柱状部C間に中間梁状部Mbが支持される。
【0047】
(3-3) 締結機構による対象部に対する被覆体の締結固定は、対象部のうち被覆体により被覆する外周面に対し、垂直状に締結固定される。
【0048】
被覆体が傷んだ場合には、締結機構による締結を解除して傷んだ被覆体を除去し、新たな被覆体を締結機構により締結して取り付けることができる。
【0049】
(4) 基盤部
【0050】
(4-1) 基盤部Bは、平面視においてほぼ長方形状をなし、全周にわたり、外方に向かって下降傾斜した外周部B1を有する鋼製の板体Baの外周縁に、ゴム状材料又は比較的軟質の合成樹脂からなる縁カバー部が外嵌されてなる。基盤部Bの上面には、マットを敷いて使用することができる。
【0051】
(4-2) 板体Baには、柱状部Cの下部側を内嵌させて高さ調節可能なように支持する一対の柱状部支持体Sが支持される。柱状部支持体Sの下端部にはフランジ状部S1が設けられ、板体Baの8箇所にそれぞれ設けられた柱状部支持体支持用の雌ネジ部群Wのうち必要なものに対しフランジ状部S1の締結用孔を通じて上からボルトTを螺合させることにより、基盤部B上から着脱操作が可能なように柱状部支持体Sが板体Ba上に支持されている。フランジ状部S1は、中央部が貫通したフランジ状部カバーS2によりカバーされる。雌ネジ部群Wのうち使用しないものは、雌ネジ部群カバーW1によりカバーすることができる。
【0052】
各柱状部支持体Sの上端部には、直径方向の貫通孔S3aを有する管状の柱状部支持用嵌合体S3が、貫通孔S3aが柱状部支持体Sのピン挿通孔S4の位置に合うように内嵌されている。柱状部Cの下方部を柱状部支持用嵌合体S3に挿通させて柱状部支持体Sに内嵌させ、必要な高さ調節用嵌合孔U1をピン挿通孔S4及び貫通孔S3aに一致させて高さ調節用ピンS5を貫挿させることにより柱状部Cを所要の高さに設定することができる。
【0053】
(4-3) 板体Baのうち外周部よりも内側の下面は、外方に向かって下降傾斜した外周部B1及び縁カバー部により、載置面よりも上方に位置する。
【0054】
板体Baのうち外周部よりも内側の下面部には、錘板Gが板体Baの上側からのネジ止めにより着脱可能に固定され、錘板Gの下面側には、発泡ウレタン製の支持板Qが、剥離可能に接合されている。この支持板Qにより、載置面上に錘板Gを介して板体Baのうち外周部よりも内側部分が支持され得る。
【0055】
(4-4) 縁カバー部は、周方向に数個の縁カバー体Eに分割し、樹脂リベットE1によりそれぞれを板体Baの外周部B1付近に対し固定され、個別の縁カバー体Eをそれぞれ基盤部Bに対し取り外し可能なものとしている。個別の縁カバー体Eのうち、傷んだものなどの必要なもののみを交換することができる。
【0056】
(4-5) 重なり合った状態の板体Ba、錘板G及び支持板Qを貫通して手を掛けることができる貫通孔Kを、それぞれに設けることにより、例えば
図6に示されるように支柱が取り付けられていない状態又は支柱が取り外された状態で、基盤部Bの貫通孔Kに手K2などをかけて運ぶことができる。手すり体Hとして使用する際には、貫通孔Kを塞ぐ蓋状体K1などを装着して足が引っかかることや躓くことを防ぐことができる。
【0057】
(6) 手すり体Hを構成する柱状部C及び梁状部Mの他の例
【0058】
図7の例は、略U字状円管10及び中間位置の上下にそれぞれ配する直円管を被覆体により被覆して上下の中間梁状部12・14及び中間小柱状部16を設けたものである。
【0059】
図8の例は、ワイド仕様の略U字状円管20、中間位置に水平状に配する直円管、略U字状円管20の上部に位置する梁状円管部22と中間位置の水平状の直円管の間に垂直状の直円管を3本配して被覆体により被覆することにより、中間梁状部25及び3本の中間小柱状部26を設けたものである。
【0060】
図9の例は、L字状円管の上部水平部を90度屈曲させた第1円管部分30と、L字状の第2円管部分31と、U字状円管部分32からなる屈曲円管34、第1円管部分30と第2円管部分32の垂直状部の間に中間位置の水平状の直円管を配し、その水平状の直円管と第1円管部分30の水平状部の間に垂直状の直円管を配し、被覆体により被覆することにより、中間梁状部35及び中間小柱状部36を設け、更に、被覆体のみによる中間小柱状部37を設けたものである。
【0061】
図10の例は、一対のL字状部が上部水平部の端部同士において直交するように屈曲形成された円管40と、垂直状の2本の直円管と、2本の90度屈曲形成された水平円管を配して被覆体により被覆することにより、2本の中間小柱状部43及び上下の水平直角状屈曲中間梁状部44を設けたものである。
【0062】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0063】
本発明の手すり体は、利用者自身の動きや姿勢維持などの補助のために利用するものであり、利用者が接する所定部分を含む対象部を2以上に分割する領域をそれぞれ被覆する被覆体を有する。
【0064】
(1) 手すり体
【0065】
手すり体は、利用者自身の(例えば、立ち上がる、座る、歩行する、上り下りするなどの)動きや(起立姿勢その他の)姿勢維持などの補助のために、利用者自身の手や腕(義手等を含む)やその他の部位で接することにより利用するものである。接するというのは、例えば、握る、もたれる、触れる、必要な向きに押圧するなどを意味し、衣類や器具を介して接する場合を含む。手すり体において利用者がこのように接する部分の例としては、柱状部や梁状部若しくはこれらに類する部分(例えば、柱状部同士を連結する部材や、梁状部同士を連結する部材[例えば柱状連結部]、桟状部材)又はそれらの結合部を挙げることができる。
【0066】
手すり体の例としては、
屋内の床面や土間、屋外のポーチや地面や路面などに、移動可能な基盤部が載置され、その基盤部上に支持された状態で自立する柱状部と、その柱状部に支持された(或いは柱状部を補強する)梁状部を有するもの、或いは、
屋内又は屋外において、垂直方向に相対する部分(例えば床面と天井)や水平方向に相対する部分(例えば左右の壁面)等の相対する部分間に突っ張った状態で柱状部が固定的に支持され、その柱状部に支持された(或いは柱状部を補強する)梁状部を有するもの(例えば、床面に載置された基盤部に下端部が支持された柱状部の上端部に設けられた天板部を天井に押圧することにより、床面と天井の間に突っ張った状態で柱状部が固定的に支持され、柱状部に支持された梁状部を有するもの)などを挙げることができるが、これらに限るものではない。
【0067】
(2) 所定部分及び対象部
【0068】
所定部分というのは、手すり体のうち、前記のような利用者自身の動きや姿勢維持などの補助のために、利用者自身の手や腕やその他の部位で接する部分である。このような部分の全てを所定部分とすることができるが、必ずしも全てが所定部分であることを要するものではない。所定部分は、一般的には、手すり体における柱状部若しくはこれに類する部分(例えば梁状部同士を小柱状部により連結する部分)や梁状部若しくはこれに類する部分(例えば柱状部同士を小梁状部により連結する部分)又はそれらの結合部である。
【0069】
対象部は、手すり体のうち所定部分を含むものであり、対象部の全てが所定部分であってもよい。対象部は、一般的には、手すり体における柱状部や梁状部若しくはこれらに類する部分又はそれらの結合部である。
【0070】
所定部分又は対象部は、柱状部若しくはこれに類する部分、梁状部若しくはこれに類する部分、又はそれらの結合部のうち、1又は2以上を含むものとすることができる。
【0071】
梁状部若しくはこれに類する部分の少なくとも一部(一部又は全部)と、柱状部若しくはこれに類する部分の少なくとも一部(一部又は全部)が、連続して(前者と後者の両方にわたって)所定部分又は対象部であることが望ましい。
【0072】
このうち、梁状部若しくはこれに類する部分全部と、柱状部若しくはこれに類する部分の少なくとも一部が、連続して所定部分又は対象部であることが好ましい。更に、梁状部若しくはこれに類する部分全部と、柱状部若しくはこれに類する部分のうち、起立状態において所定の上下方向位置以上の部分全部が、連続して所定部分又は対象部であることが好ましい。
【0073】
(3) 被覆体
【0074】
(3-1) 被覆体は、例えば、主として、利用者の動きや姿勢維持などの補助として手すり体が機能するための強度及び剛性を備えた骨格構造等を構成する部材(或いは、少なくとも利用者の動きや姿勢維持などの補助として手すり体が機能するための強度及び剛性を備えた骨格構造を構成する部材)を、被覆するものとすることができる。
【0075】
このような骨格構造等を構成する部材の例としては、管状部材(例えば円形若しくは方形のステンレス若しくはその他の鋼管又はその他の金属管など)の他、棒状部材又はその他の断面形状や外形を有する部材を挙げることができる。
【0076】
被覆体を構成する材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ABS、AES、AASなどの合成樹脂が好ましいが、必ずしもこれらに限るものではない。
【0077】
(3-2) 被覆体は、前記のような骨格構造等を構成する部材などを被覆することにより、
被覆対象の部材を腐食や損傷から保護し、耐久性を高めること、
利用者を負傷などから保護すること、
利用者が、握る、もたれる、触れる、必要な向きに押圧するなどの行為を行う際に、被覆対象の部材自体に比し、可及的に滑りにくく、力を伝えやすく、それらの行為を行い易いような外形(例えば、スーパー楕円形状の梁状部や柱状部、下向きの押圧力をかけやすいように梁状部の上部に水平面状部又は被覆対象の部材自体よりも曲率が小さい(例えば、曲率が、被覆体の上部外周の最上位置と下部外周の最下位置の距離を直径とする円の曲率よりも2割又は3割以上小さい。好ましくは4割又は5割上小さい。より好ましくは6割又は7割以上小さい)外形部[スーパー楕円形状等]を形成する)、表面部の弾力性や滑りにくさ等、を実現すること等が可能なものとすることができ、
また、柱状部と梁状部などの部材同士の連結や部材の支持を行うことも可能なものとすることができる。
【0078】
(3-3) 手すり体の骨格構造を構成する部材として、円管状若しくはその他の管状、棒状、H形状等の所定横断面形状の鋼材又はその他の金属材を屈曲(一般的には塑性変形)させたものを用いることは、強度、剛性、耐久性などにおいて有用である。このような例として、略U字状に屈曲形成し、両端から延びる互いに平行状をなす一対の直線状部を柱状部とし、当該一対の直線状部を連結する部分を梁状部とするものを挙げることができる。
【0079】
しかしながら、金属材(特に金属管)を、あまり大きい曲率に屈曲することは困難なので、前記例における一対の直線状部(柱状部)と、それらを連結する部分(梁状部)との結合部は、
図2の屈曲円管部Udのように、比較的に曲率半径が大きい屈曲部となる。
【0080】
そのため、両柱状部が垂直状をなす場合に、梁状部のうち、水平状をなす部分(すなわち、手すり体において、一般的に、利用者の動作等のために力を加える主要な部分)は、その両端の屈曲部が相当程度除かれることとなる。
【0081】
このような場合に、骨格構造を構成する部材の屈曲部よりも外形の曲率半径を小さくした被覆体により屈曲部分を被覆することにより、梁状部のうち、水平状をなす部分を、より長いものとすることができる。これにより、利用者にとって、より使いやすい手すり体を提供することができる。
【0082】
(3-4) 被覆体は、骨格構造等を構成する部材などに対し、対象部の外周部(例えば対象部の任意の横断面の全外周)を2分割(又は3以上に分割)する領域をそれぞれ被覆するものである(部分的に重複して被覆するものを含む)。被覆体は、複数(2又は3以上)の被覆体により、対象部の外周部を全周にわたり被覆するものとすることができる。
【0083】
被覆体は、締結解除が可能な締結機構により対象部に対し固定される。締結解除が可能な締結機構としては、例えば、雄ネジ部を備えたネジやボルトとナット若しくは埋め込まれたナット部の雌ネジ部、ボルトとナット、樹脂リベット等を挙げることができる。ネジによる締結機構が好ましいが、これに限るものではない。締結機構は、締結解除後に新たに締結するために別部品等を必要とするものを含む。締結機構により締結された状態の被覆体の表面部は、締結機構によって利用者の手などに痛みや不快な刺激などの悪影響を与えないように突起や鋭い角部などがないように形成される。
【0084】
(3-5) 締結機構による対象部に対する被覆体の締結固定は、対象部のうち被覆体により被覆する外周面に対し、垂直状に締結固定される(当該垂直状に締結力が作用する)ものであることが好ましい。各被覆体における対象物に対する締結固定は、全てがこのような垂直状の締結であることが好ましく、少なくとも1又は2箇所以上の締結固定がこのような垂直状の締結であることが好ましい。対象部に対する被覆体の締結固定を効果的に行うと共に締結及び締結解除を可及的に円滑に行うことができるためである。
【0085】
被覆体のうち、対象部に対し締結機構により締結を行う箇所は、被覆体の端部付近であるか、端部付近及びその他の位置であることが好ましい。対象部に対する被覆体の締結固定を効果的に行うと共に締結及び締結解除を可及的に円滑に行うことができるためである。被覆体の端部付近というのは、例えば被覆体の形状が直線に沿うものであるならば、当該直線の両端部付近であり、被覆体の形状がほぼ三角形状に沿うものであるならば当該三角形状の各角部付近、直角に近い形状に屈曲したものであるならば当該直角部付近である。
【0086】
被覆体の全部又は少なくとも一部は、対象部を正面及び背面から挟持するものとすることが好ましい。より好ましくは、対象部を貫通する締結機構により正面側被覆体と背面側被覆体によって対象部を挟持するものであることが好ましいが、必ずしも対象部を貫通するものであることを要するものではない。
【0087】
(3-6) 被覆体は、前記のような締結機構により対象部に締結固定されて前記のような機能を発揮し得る材料及び構造(例えば、対象部の形状及び被覆体に求める外形に応じ、対象部に接する内側に補強リブを有する構造など)であることが望ましい。
【0088】
被覆体が傷んだ場合には、締結機構による締結を解除して傷んだ被覆体を除去し、新たな被覆体を締結機構により締結して取り付けることができるので、最小限のコストでのメンテナンスが可能である。例えば対象部を貫通する締結機構により正面側被覆体と背面側被覆体によって対象部を挟持するものである場合、締結機構による締結を解除して正面側被覆体と背面側被覆体の何れか一方のみを交換することもできる。
【0089】
また、全体を廃棄する場合も、被覆体を取り外して材質毎に分別して廃棄することができ、リサイクルも容易となる。
【0090】
(4) 基盤部
【0091】
(4-1) 基盤部の例としては、前記のような柱状部や梁状部若しくはこれらに類する部分又はそれらの結合部を、支柱としての柱状部又は柱状部の下部側を支持するような柱状部支持体を着脱可能に起立支持することにより支持するものを挙げることができるが、これに限るものではない。前記のように、天井などとの間に柱状部を突っ張らせて支持するものとすることもできる。
【0092】
柱状部自体、又は、柱状部の下部側を内嵌させて支持するような柱状部支持体を基盤部上に着脱可能に起立支持する場合、柱状部自体又は柱状部支持体の下端部にフランジ状部を設け、基盤部に設けた雌ネジ部(溶接等により固定したナット体の雌ネジ部とすることもできる)に対しフランジ状部の締結用孔を通じて上からボルトや螺子等を螺合させて着脱可能なものとすることが好ましい。
【0093】
(4-2) 基盤部は、前記のように、屋内の床面などに移動可能に載置されるものとすることができる。
【0094】
(4-3) 基盤部については、一般的には例えば、平面視においてほぼ方形状をなし、全周にわたり、外方に向かって下降傾斜した外周部を有する板体(例えば鋼板やステンレス鋼板)の外周縁に、ゴム状材料等からなる縁カバー部が外嵌されてなるものを基盤部として用いることができるが、これに限るものではない。縁カバー部は、怪我や器物損傷を防止しつつ円滑に板体上にのり、板体上からおりるために効果がある。基盤部の上面には、マットを敷いて或いは貼り付けて使用することが好ましい。
【0095】
(4-4) 板体のうち外周部よりも内側の下面は、前記の外方に向かって下降傾斜した外周部及び縁カバー部により、載置面よりも上方に位置するものとすることができる。
【0096】
板体のうち外周部よりも内側の下面部には、手すり体の安定性を高めるための錘板(又は支柱支持の補強のため若しくは補強を兼ねる補強板)が、着脱可能に又は着脱不能に固定されるものとすることができる。また、この錘板(又は補強板)の下面側には、発泡樹脂や発泡ゴム(例えば発泡ウレタン)などの弾力性を有する材料からなる支持板が、支持板の交換や分別廃棄が可能なように剥離可能に接合されたものとすることができる。この支持板により、載置面上に錘板(又は補強板)を介して板体のうち外周部よりも内側部分が支持され得る。
【0097】
(4-5) 縁カバー部は、従来、板体の全周にわたる一体状のものが知られている。
【0098】
これに対し、板体の外周部の少なくとも外周縁をカバーする縁カバー体を、周方向に少なくとも数個に分割状をなす分割カバー体が、それぞれ締結機構により前記板体に対し固定されるものとすることができる。板体に対する分割カバー体の固定は、樹脂リベットなどの締結機構によりそれぞれを板体の外周部付近に対し着脱可能に固定し得るものとすることもできる。
【0099】
これにより、個別の分割カバー体のうち、傷んだものなどの必要なもののみを交換して最小限のメンテナンスコストに抑えることができる。また、全体を廃棄する場合も、個別の縁カバー体を取り外して分別廃棄し、リサイクルすることも容易である。
【0100】
(4-6) 前記のように重なり合った状態の板体、錘板(又は補強板)及び支持板を貫通して手などを掛けることができる貫通孔を、それぞれに設けることにより、基盤部(好ましくは支柱が取り付けられていない状態の基盤部)の貫通孔に手などをかけて運ぶことができる。錘板及び柱状部支持体を取り外せば、基盤部並びに錘板及び柱状部支持体を別々に軽量化して運ぶことができる。手すり体として使用する際には、貫通孔を塞ぐ蓋状体などを嵌合させて足が引っかかることや躓くことを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0101】
A 被覆体固定用孔
B 基盤部
B1 外周部
Ba 板体
C 柱状部
E 縁カバー体
E1 樹脂リベット
G 錘板
H 手すり体
K 貫通孔
K1 蓋状体
K2 手
M 梁状部
M1 上面
Ma 上部梁状部
Mb 中間梁状部
N ナット
P 保護キャップ
Q 支持板
R 補強リブ
S 柱状部支持体
S1 フランジ状部
S2 フランジ状部カバー
S3 柱状部支持用嵌合体
S3a 貫通孔
S4 ピン挿通孔
S5 高さ調節用ピン
T ボルト
U 略U字状円管
U1 高さ調節用嵌合孔
Uc 柱状円管部
Ud 屈曲円管部
Ug 鍔状部
Um 梁状円管部
Va 正面側直線溝状被覆体
Vb 背面側直線溝状被覆体
Vf 正面側屈曲溝状被覆体
Vg 背面側屈曲溝状被覆体
Vj 正面側三叉溝状被覆体
Vk 背面側三叉溝状被覆体
Vj1 内方突起部
Vk1 内方突起部
W 雌ネジ部群
W1 雌ネジ部群カバー
Y 直円管
Ye 端部部材
Ys 中間梁状部支持用部材
10 略U字状円管
12 中間梁状部
14 中間梁状部
20 略U字状円管
22 梁状円管部
25 中間梁状部
26 中間小柱状部
30 第1円管部分
31 第2円管部分
32 U字状円管部分
34 屈曲円管
35 中間梁状部
36 中間小柱状部
37 中間小柱状部
40 円管
43 中間小柱状部
44 直角水平状中間梁状部