(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153525
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】スーツケース
(51)【国際特許分類】
A45C 5/03 20060101AFI20241022BHJP
A45C 5/06 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A45C5/03
A45C5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092388
(22)【出願日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】P 2023067293
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523144391
【氏名又は名称】株式会社リベティ
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】塚本 崚太郎
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA02
3B045CE07
3B045DA22
3B045FB02
3B045GD07
3B045LB02
3B045LB06
(57)【要約】
【課題】利便性に優れた多機能なスーツケースの提供。
【解決手段】スーツケース10のプルドライブハンドル20のハンドル部21には、モバイルデバイス30を保持するためのスタンド22が展開可能に配置されている。シェル10aの後面には、ドリンク容器50を保持するためのドリンクホルダー40が折り畳み可能に取り付けられている。シェル10aの天面には、内部に収容されたモバイルバッテリー60から電源供給されたUSBポート72が位置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向、横方向及び前後方向を有するスーツケースであって、
シェルと、前記シェルに前記上下方向に伸縮可能に設けられたプルドライブハンドルとを備え、
前記プルドライブハンドルのハンドル部には、モバイルデバイスを保持するためのスタンドが展開可能に配置されており、
前記シェルの後面には、ドリンク容器を保持するためのドリンクホルダーが折り畳み可能に取り付けられおり、
前記シェルの天面には、内部に収容されたモバイルバッテリーから電源供給されたUSBポートが位置することを特徴とする前記スーツケース。
【請求項2】
前記スタンドは、底壁と、側壁とを有し、前記底壁には前記横方向へ延びる透孔が形成されている請求項1に記載のスーツケース。
【請求項3】
前記側壁の前記横方向における両側には、上方へ突出する突起が位置する請求項1又は2に記載のスーツケース。
【請求項4】
前記ドリンクホルダーは、円形のトレーと、前記ドリンク容器を保持するための開口を有する保持部とを備え、折り畳まれた状態において、前記トレーが前記保持部の前記開口に挿入されていて、前記トレーの外面と前記保持部の外面とがほぼ面一になっている請求項1~3のいずれかに記載のスーツケース。
【請求項5】
複数のキャスターをさらに有し、前記複数のキャスターは前記シェルの底面に着脱可能に取り付けられている請求項1~3のいずれかに記載のスーツケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーツケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーツケースは公知である。例えば、特許文献1には、 シェル体と、シェル体の下面に設けられたキャスターと、シェル体の上面に設けられたハンドルと、シェル体に上下方向に伸縮可能に設けられたプルドライブハンドルとを備えたスーツケースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたスーツケースでは、ドリンクやスマートフォンやタブレット等の携帯端末を配置するスペースがなく、不便であった。また、シェル体を完全に閉じた状態で、その内部に収納したモバイルバッテリーから携帯端末へ充電することもできなかった。
【0005】
本発明の課題とするところは、従来技術の改良であって、利便性に優れた多機能なスーツケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、上下方向、横方向及び前後方向を有するスーツケースに関する。
【0007】
本発明に係るスーツケースは、シェルと、前記シェルに前記上下方向に伸縮可能に設けられたプルドライブハンドルとを備え、前記プルドライブハンドルのハンドル部には、モバイルデバイスを保持するためのスタンドが展開可能に配置されており、前記シェルの後面には、ドリンク容器を保持するためのドリンクホルダーが折り畳み可能に取り付けられおり、前記シェルの天面には、内部に収容されたモバイルバッテリーから電源供給されたUSBポートが位置することを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るスーツケースによれば、モバイルデバイスを保持するスタンドと、ドリンク容器を保持するドリングホルダーと、シェルの天面に位置するUSBポートとを備えることから、使用者はハンズフリーの状態で快適に移動、待機することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図3】(A)プルドライブハンドルのハンドル部の拡大図。(B)ハンドル部のモバイルデバイスを保持するためのスタンドが展開された状態を示す図。
【
図4】(A)ドリンクホルダーの折り畳まれた状態を示す図(B)。ドリンクホルダーが展開された状態を示す図。
【
図5】スーツケース内に収容されたモバイルバッテリーの様子を示す図。
【
図6】(A)シェルの天面の一部拡大図。(B)シェルの天面に位置するUSBポートから延びる充電ケーブルを介してモバイルデバイスを充電している様子を示す図。
【
図7】スーツケースの他の実施例における
図1と同様の図。
【
図9】(A)キャスターの模式的側面図。(B)キャスターの底面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して具体的に述べる。但し、本発明は以下の具体例に限定されない。本発明の特長が満たされる範囲内において変更、応用される。スーツケース10は、場合によっては、キャリーバッグと称する。本発明のスーツケース10は、キャリーバッグをも含む概念で用いられている。
【0011】
スーツケース10は、互いに交差する上下方向Yと横方向Xと、それらに交差する前後方向Zと、天面11と、底面12と、前面13と、後面14と、直方体状のシェル10aを前後に分割してなる(分割した形状を有する)樹脂製のシェル体15,16と、シェル体15,16の底面に取り付けられたキャスター17と、シェル体15の天面に設けられたハンドル18と、シェル体16に上下方向Yに伸縮可能に設けられたプルドライブハンドル(伸縮ハンドル)20とを備える。
【0012】
キャスター17は、360度回転可能であって、4つのキャスター17のうちの2つについては、ブレーキ機能が備わっている。また、スーツケース10を斜めにすることで、ブレーキが機能していても移動することができる。
【0013】
前後方向Zにおいて互いに対向するシェル体15の一方側面とシェル体16の一方側面とは、ヒンジ結合されていて、シェル体15とシェル体16とが開閉可能となっている。
【0014】
図5に示すように、シェル10aの内部には、荷物を収容する収容空間2が形成されている。収容空間2は、シェル体15側の収容空間である前側収容空間3と、シェル体16側の収容空間である後側収容空間4とを有する。
【0015】
図2及び
図3(A),(B)を参照すると、プルドライブハンドル20は、シェル体16から上方へ延びる延出部と、横方向Xへ延びるハンドル部21とを有する。
【0016】
ハンドル部21の上面には、ヒンジを介して後面側へ展開可能なスタンド22が配置されている。スタンド22は、断面コ字状であって、ハンドル部21から屈曲して延びる底壁22aと、側壁22bと、底壁22aと側壁22bとに囲まれた保持スペースとを有する。
【0017】
保持スペースには、スマートフォンやタブレット等のモバイルデバイス30が配置される。ここで、「モバイルデバイス」は、無線ネットワークと通信するように構成された任意のデバイスを指し、これは限定されないが、スマートフォン、タブレット、モバイルステーション、ユーザー機器、携帯情報端末、ラップトップ、公共安全陸上移動無線(LMR)端末、電子書籍リーダー、専用端末、およびモバイルデータ通信を可能にするその他のデバイスを含む。
【0018】
図示したとおり、モバイルデバイス30は、スタンド22の側面にもたれ掛かるようにして保持スペース内に保持され、使用者はハンズフリーの状態でモバイルデバイス30の液晶画面31を見ることができる。
【0019】
また、スタンド22の側壁22bの横方向Xにおける両側には、上方へ突出する一対の突起23が位置する。かかる突起23が位置することによって、モバイルデバイス30が後方側へ傾いた状態でも突起23に係止されるので、落下を防止することができる。
【0020】
スタンド22の底壁22aの平坦部分には、横方向へ延びる透孔24が形成されている。
図6(B)に示すように、USBポート72から延びる充電コード25を透孔24に挿通して、充電コード25の端子をモバイルデバイス30の充電口に挿入することによって、モバイルデバイス30をスタンド22に保持した状態で充電を行うことができる。
【0021】
なお、図示していないが、ハンドル部21のスタンド22の両側には、手提げ袋等の荷物の把持部を係止するためのフックが設けられていても良い。かかる場合には、使用者が、ハンズフリーの状態で荷物をスーツケース10に保持して移動することができる。また、一時的に荷物を保持することによって、荷物に直置きして汚れるのを防止することもできる。
【0022】
図4(A),(B)を参照すると、スーツケース10の後面(シェル10aの後面)14の略中央部分には、ドリンク容器50を保持するためのドリンクホルダー40が位置する。ドリンクホルダー40は、スーツケース10の後面14に固定されたベース41と、ベース41に旋回可能に取り付けられた円形のトレー42と、中央に開口43aを有する保持部43とを有する。
【0023】
ドリンクホルダー40は、折り畳まれた状態において、円形のトレー42が保持部43の開口43aに挿入されていて、トレー42と外面と保持部43の外面とがほぼ面一になっている。ドリンクホルダー40がかかる構成を有することによって、コンパクトに折り畳まれるとともに、移動時にドリンクホルダー40が壁等に引っ掛かって、不意に展開してしまうおそれもない。
【0024】
トレー42と保持部43とを旋回してドリンクホルダー40を展開した後に、ドリンク容器50の底部を保持部43の開口43aに挿入してトレー42に配置することによって、ドリンク容器50を安定して保持することができる。このように、スーツケース10がドリンクホルダー40を備えることによって、使用者はハンズフリーでドリンク容器50を保持した状態のまま移動、待機することができる。
【0025】
図5を参照すると、シェル体15の内部には、モバイルバッテリー60を収容するための収容部が設けられている。
図6(A)を参照すると、シェル体15の天面には、ダイヤル式のロック機構71と、USBポート72とが位置する。USBポート72からは、シェル体15の内部へUSBケーブル73が延びている。USBケーブル73はモバイルバッテリー60の出力ポートに接続することができる。
【0026】
モバイルバッテリー60の出力ポートにUSBケーブル73を接続して、シェル体15のUSBポート72に充電コードの端子を挿入してモバイルデバイスと接続することによって、シェル10aが完全に閉じた状態であってもモバイルデバイス30を充電することができる。
【0027】
また、
図6(B)を参照すると、既述のとおり、プルドライブハンドル20のハンドル部21に位置するスタンド22を展開して保持スペースにモバイルデバイス30を保持した状態において、USBポート72に接続した充電コード25をスタンド22の底壁22aに形成されている透孔24に挿通して、その端子をモバイルデバイス30の充電口に接続することができる。スーツケース10がかかる構成を有することによって、モバイルデバイス30が安定的に保持され、かつ、ハンズフリーの状態において、使用者はモバイルデバイス30の充電を行うことができる。
【0028】
図7~
図9は、本発明に係るスーツケース10の実施例の一例を示すものであって、本実施例においては、キャスター80が着脱可能にシェル体15,16(又はシェル10a)の底面に取り付けられている。キャスター80は、車輪81と、車輪81が固定されたベース82とを有する。ベース82は、シェル体15,16の底面側の角部分15a,16aを被覆するようにそれらに沿う形状を有し、底面83と、底面83に立設された上方壁84とを有する。
【0029】
ベース82の底面83には複数の透孔85が形成されており、シェル体15,16の底面には複数の螺子孔87が形成されている。キャスター80をシェル体15,16の底面に対して、角部分15a,16bをベース82で被覆するように配置した状態において、透孔85と螺子孔87とが互いに連通される。かかる状態において、下方側から互いに連通する透孔85と螺子孔87とに複数のボルト90の螺子部を挿入し、螺子孔87と螺合させることによって、キャスター80をシェル体15,16に着脱可能に取り付けることができる。
【0030】
このように、キャスター80は着脱可能に取り付けられていることから、使用劣化した場合に簡単に交換することができる。さらに、使用場面に合わせて、スーツケース10をキャスター80が取り付けられていない状態でも使用することができ、利便性に優れる。
【0031】
図7に示すとおり、シェル体15,16の底面側の角部分15a,16bの外面がキャスター80の上方壁84によって被覆されていることから、外部衝撃を受けてもシェル体15,16自体が損傷するのを抑制することができる。本実施例において、キャスター80のベース82は、金属、天然又は合成のゴム、軟質又は硬質のプラスチック等の公知の材料から形成することができる。
【0032】
キャスター80の着脱可能な取り付け方法は、図示した態様に限らず、公知の方法を制限なく採用することができ、例えば、キャスター80のベース82の上面から突出する突起をシェル体15,16の挿入孔に篏挿することによってキャスター80を取り付けても良い。
【0033】
本発明に係るスーツケース10の特徴構成は、スーツを収納する用途に限らず、他の用途に使用されるキャリーバッグ全体に使用することができる。また、本発明に係るスーツケースを構成する各構成材料には、特に記述がない場合を除き、この種の分野において通常用いられる、各種の公知の材料を制限なく用いることができる。
【0034】
上記本発明は、少なくとも下記実施形態を含むことができる。実施形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
(1)前記スタンドは、底壁と、側壁とを有し、前記底壁には前記横方向へ延びる透孔が形成されている。
(2)前記側壁の前記横方向における両側には、上方へ突出する突起が位置する。
(3)前記ドリンクホルダーは、円形のトレーと、前記ドリンク容器を保持するための開口を有する保持部とを備え、折り畳まれた状態において、前記トレーが前記保持部の前記開口に挿入されていて、前記トレーの外面と前記保持部の外面とがほぼ面一になっている。
(4)複数のキャスターをさらに有し、前記複数のキャスターは前記シェルの底面に着脱可能に取り付けられている。
【符号の説明】
【0035】
10 スーツケース
10a シェル
20 プルドライブハンドル
21 ハンドル部
22 スタンド
22a スタンドの底壁
22b スタンドの側壁
23 突起
24 透孔
30 モバイルデバイス
40 ドリンクホルダー
42 トレー
43 保持部
43a 開口
50 ドリンク容器
60 モバイルバッテリー
72 USBポート
80 キャスター