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特開2024-153527超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システム及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153527
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 7/00 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
A61N7/00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122497
(22)【出願日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】10-2023-0050107
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516270991
【氏名又は名称】アイエムジーティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ソン,コン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ヨン ボク
(72)【発明者】
【氏名】ハン,キュ フン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ24
4C160JJ33
(57)【要約】
【課題】超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システム及びその方法を提供する。
【解決手段】超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システム及びその方法が開示される。一実施形態によるシステム及びその方法は、単一のポンプを通じて超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給、排出及び循環が可能である。また、メンブレンの素材によってシステム内の弁の選択的な開閉を通じた経路変更によって単一のシステムを駆動するにつれて、メンブレンの材質によって分離された別途のシステムを駆動する必要がない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システムにおいて、
超音波伝達媒質を貯蔵する流体タンクと、
超音波伝達媒質を超音波治療ヘッドに供給し、流体タンクに排出し、システム内で循環させる単一のポンプと、
選択的な開閉が行われる複数の弁と、を含み、
各弁の選択的な開閉を通じた経路変更とポンプによって超音波伝達媒質の供給、排出及び循環が行われる循環系統を含むことを特徴とする超音波伝達媒質循環システム。
【請求項2】
循環系統は
単一のポンプと、
流体タンクの排出口と連結された第1経路と、
超音波治療ヘッドの流入口と連結された第2-1経路と、
流体タンクの流入口と連結された第2-2経路と、
流体ブロックの流入口と連結された第3-1経路と、
流体タンクの流入口と連結された第3-2経路と、
流体ブロックの排出口と連結された第4経路と、を含む経路と、
第1経路を選択的に開閉する第1弁と、
第2-1経路及び第2-2経路を選択的に開閉する第2弁と、
第3-1経路と第3-2経路とを選択的に開閉する第3弁と、
第4経路を選択的に開閉する第4弁と、を含む弁と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項3】
ポンプは、
第1経路と第2-1経路とを通じて流体タンク内の超音波伝達媒質を超音波治療ヘッドに供給し、
供給時に、第1弁は、開放され、第2弁は、第2-1経路が開放され、第2-2経路が閉鎖され、第3弁は、第3-1経路が開放され、第3-2経路が閉鎖され、第4弁は、閉鎖されることを特徴とする請求項2に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項4】
ポンプは、
第3-1経路と第4経路と第2-2経路とを通じて超音波治療ヘッド内の超音波伝達媒質を流体タンクに排出し、
排出時に、第1弁は、閉鎖され、第2弁は、第2-1経路が閉鎖され、第2-2経路が開放され、第3弁は、第3-1経路が開放され、第3-2経路が閉鎖され、第4弁は、開放されることを特徴とする請求項2に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項5】
ポンプは、
超音波治療ヘッド内の超音波伝達媒質を第2-1経路と、第3-1経路と、第4経路と、を通じて流体ブロックを通って再び超音波治療ヘッドに回収し、
循環時に、第1弁は、閉鎖され、第2弁は、第2-1経路が開放され、第2-2経路は、閉鎖され、第3弁は、第3-1経路が開放され、第3-2経路が閉鎖され、第4弁は、開放されることを特徴とする請求項2に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項6】
ポンプは、
メンブレンが非弾性材質であれば、超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給及び排出なしに、第1経路、第2-1経路及び第3-2経路を通じて、流体タンク内の超音波伝達媒質を流体タンクの排出口から超音波治療ヘッドを経て再び流体タンクの流入口に循環させ、
循環時に、第1弁は、開放され、第2弁は、第2-1経路が開放され、第2-2経路は、閉鎖され、第3弁は、第3-1経路が閉鎖され、第3-2経路が開放され、第4弁は、閉鎖されることを特徴とする請求項2に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項7】
循環系統は、
流体タンク及び流体ブロックに結合して設けられて、ポンプを通じた超音波伝達媒質の供給、排出または循環過程で流体タンク及び流体ブロック内の超音波伝達媒質を同時に冷却させる冷却器をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項8】
循環系統は、
ポンプを通じた超音波伝達媒質の循環過程で超音波伝達媒質を脱気処理する脱気モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項9】
超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システムにおいて、
超音波伝達媒質を超音波治療ヘッドに供給し、流体タンクに排出し、システム内で循環させるポンプと、
各弁の選択的な開閉を通じた経路変更によって超音波伝達媒質の供給、排出及び循環が行われる循環系統と、を含み、
循環系統は、
メンブレンの材質によって、各弁の選択的な開閉が行われることを特徴とする超音波伝達媒質循環システム。
【請求項10】
ポンプは、
メンブレンが弾性材質であれば、超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給、排出及び循環を行い、
メンブレンが非弾性材質であれば、超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給及び排出なしに、各弁の選択的な開閉を通じた経路変更によって超音波伝達媒質を循環させることを特徴とする請求項9に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項11】
ポンプは、
メンブレンが弾性材質であれば、流体タンクの排出口と連結された第1経路と、超音波治療ヘッドの流入口と連結された第2-1経路と、を通じて流体タンク内の超音波伝達媒質を超音波治療ヘッドに供給し、
流体ブロックの流入口と連結された第3-1経路と、流体ブロックの排出口と連結された第4経路と、流体タンクの流入口と連結された第2-2経路と、を通じて超音波治療ヘッド内の超音波伝達媒質を流体タンクに排出し、
超音波治療ヘッド内の超音波伝達媒質を第2-1経路と、第3-1経路と、第4経路と、を通じて流体ブロックを通って再び超音波治療ヘッドに回収することを特徴とする請求項10に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項12】
ポンプは、
メンブレンが非弾性材質であれば、超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給及び排出なしに、流体タンクの排出口と連結された第1経路と、超音波治療ヘッドの流入口と連結された第2-1経路と、流体タンクの流入口と連結された第3-2経路と、を通じて、流体タンク内の超音波伝達媒質を流体タンクの排出口から超音波治療ヘッドを経て再び流体タンクの流入口に循環させることを特徴とする請求項10に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項13】
超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システムによる超音波伝達媒質循環方法において、
メンブレンの材質を確認する段階と、
メンブレンが弾性材質であれば、各弁の選択的な開閉を通じた経路変更と単一のポンプによって超音波伝達媒質の供給、排出及び循環を行う段階と、を含み、
超音波伝達媒質の供給、排出及び循環を行う段階は、
供給段階で、ポンプが流体タンク内の超音波伝達媒質を超音波治療ヘッドに供給し、
排出段階で、ポンプが超音波治療ヘッド内の超音波伝達媒質を流体タンクに排出し、
循環段階で、ポンプが超音波治療ヘッド内の超音波伝達媒質を流体ブロックを通って再び超音波治療ヘッドに回収することを特徴とする超音波伝達媒質循環方法。
【請求項14】
超音波伝達媒質循環方法は、
メンブレンが非弾性材質であれば、ポンプが超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給及び排出なしに、流体タンク内の超音波伝達媒質を流体タンクの排出口から超音波治療ヘッドを経て再び流体タンクの流入口に循環させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の超音波伝達媒質循環方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用した治療技術に係り、より詳細には、超音波伝達媒質の処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
癌、腫瘍、病変のような生体組織の治療に超音波信号を利用できる。超音波を利用した治療は、超音波信号を人体の病変に照射して病変を治療する方式である。一般的な外科手術や化学的な治療(Chemotherapy)方式などに比べて、超音波治療は、相対的に患者の外傷に対する損傷が少なく、非侵襲的治療(Non-invasive treatment)を実現することができる。その適用例としては、肝癌(Liver cancer)、骨肉腫(Bone sarcoma)、乳癌(Breast cancer)、膵臓癌(Pancreas cancer)、腎臓癌(Kidney cancer)、軟組織の腫瘍(Soft tissue tumor)及び骨盤腫瘍(Pelvic tumor)など多様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2148853号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第0404121号明細書
【特許文献3】特開平06-237993号公報
【特許文献4】特開2015-089383号公報
【特許文献5】韓国公開特許第10-2006-0113930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施形態によって、超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質を効果的に処理することができる超音波伝達媒質循環システム及びその方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態による超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システムは、超音波伝達媒質を貯蔵する流体タンク;超音波伝達媒質を超音波治療ヘッドに供給し、流体タンクに排出し、システム内で循環させる単一のポンプ;及び選択的な開閉が行われる複数の弁;を含み、各弁の選択的な開閉を通じた経路変更とポンプによって超音波伝達媒質の供給、排出及び循環が行われる循環系統を含む。
【0006】
循環系統は、単一のポンプ;流体タンクの排出口と連結された第1経路;超音波治療ヘッドの流入口と連結された第2-1経路;流体タンクの流入口と連結された第2-2経路;流体ブロックの流入口と連結された第3-1経路;流体タンクの流入口と連結された第3-2経路;流体ブロックの排出口と連結された第4経路;を含む経路;及び第1経路を選択的に開閉する第1弁;第2-1経路及び第2-2経路を選択的に開閉する第2弁;第3-1経路と第3-2経路とを選択的に開閉する第3弁;第4経路を選択的に開閉する第4弁;を含む弁;を含みうる。
【0007】
ポンプは、第1経路と第2-1経路とを通じて流体タンク内の超音波伝達媒質を超音波治療ヘッドに供給し、供給時に、第1弁は、開放され、第2弁は、第2-1経路が開放され、第2-2経路が閉鎖され、第3弁は、第3-1経路が開放され、第3-2経路が閉鎖され、第4弁は、閉鎖される。
【0008】
ポンプは、第3-1経路と第4経路と第2-2経路とを通じて超音波治療ヘッド内の超音波伝達媒質を流体タンクに排出し、排出時に、第1弁は、閉鎖され、第2弁は、第2-1経路が閉鎖され、第2-2経路が開放され、第3弁は、第3-1経路が開放され、第3-2経路が閉鎖され、第4弁は、開放される。
【0009】
ポンプは、超音波治療ヘッド内の超音波伝達媒質を第2-1経路と、第3-1経路と、第4経路と、を通じて流体ブロックを通って再び超音波治療ヘッドに回収し、循環時に、第1弁は、閉鎖され、第2弁は、第2-1経路が開放され、第2-2経路は、閉鎖され、第3弁は、第3-1経路が開放され、第3-2経路が閉鎖され、第4弁は、開放される。
ポンプは、メンブレンが非弾性材質であれば、超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給及び排出なしに、第1経路、第2-1経路及び第3-2経路を通じて、流体タンク内の超音波伝達媒質を流体タンクの排出口から超音波治療ヘッドを経て再び流体タンクの流入口に循環させ、循環時に、第1弁は、開放され、第2弁は、第2-1経路が開放され、第2-2経路は、閉鎖され、第3弁は、第3-1経路が閉鎖され、第3-2経路が開放され、第4弁は、閉鎖される。
【0010】
循環系統は、流体タンク及び流体ブロックに結合して設けられて、ポンプを通じた超音波伝達媒質の供給、排出または循環過程で流体タンク及び流体ブロック内の超音波伝達媒質を同時に冷却させる冷却器をさらに含みうる。
【0011】
循環系統は、ポンプを通じた超音波伝達媒質の循環過程で超音波伝達媒質を脱気処理する脱気モジュールをさらに含みうる。
【0012】
他の実施形態による超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システムは、超音波伝達媒質を超音波治療ヘッドに供給し、流体タンクに排出し、システム内で循環させるポンプ;各弁の選択的な開閉を通じた経路変更によって超音波伝達媒質の供給、排出及び循環が行われる循環系統;を含み、循環系統は、メンブレンの材質によって、各弁の選択的な開閉が行われる。
【0013】
ポンプは、メンブレンが弾性材質であれば、超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給、排出及び循環を行い、メンブレンが非弾性材質であれば、超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給及び排出なしに、各弁の選択的な開閉を通じた経路変更によって超音波伝達媒質を循環させることができる。
【0014】
ポンプは、メンブレンが弾性材質であれば、流体タンクの排出口と連結された第1経路と、超音波治療ヘッドの流入口と連結された第2-1経路と、を通じて流体タンク内の超音波伝達媒質を超音波治療ヘッドに供給し、流体ブロックの流入口と連結された第3-1経路と、流体ブロックの排出口と連結された第4経路と、流体タンクの流入口と連結された第2-2経路と、を通じて超音波治療ヘッド内の超音波伝達媒質を流体タンクに排出し、超音波治療ヘッド内の超音波伝達媒質を第2-1経路と、第3-1経路と、第4経路と、を通じて流体ブロックを通って再び超音波治療ヘッドに回収することができる。
【0015】
ポンプは、メンブレンが非弾性材質であれば、超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給及び排出なしに、流体タンクの排出口と連結された第1経路と、超音波治療ヘッドの流入口と連結された第2-1経路と、流体タンクの流入口と連結された第3-2経路と、を通じて、流体タンク内の超音波伝達媒質を流体タンクの排出口から超音波治療ヘッドを経て再び流体タンクの流入口に循環させることができる。
【0016】
他の実施形態による超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システムによる超音波伝達媒質循環方法は、メンブレンの材質を確認する段階;及びメンブレンが弾性材質であれば、各弁の選択的な開閉を通じた経路変更と単一のポンプによって超音波伝達媒質の供給、排出及び循環を行う段階;を含み、超音波伝達媒質の供給、排出及び循環を行う段階は、供給段階で、ポンプが流体タンク内の超音波伝達媒質を超音波治療ヘッドに供給し、排出段階で、ポンプが超音波治療ヘッド内の超音波伝達媒質を流体タンクに排出し、循環段階で、ポンプが超音波治療ヘッド内の超音波伝達媒質を流体ブロックを通って再び超音波治療ヘッドに回収することができる。
【0017】
超音波伝達媒質循環方法は、メンブレンが非弾性材質であれば、ポンプが超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給及び排出なしに、流体タンク内の超音波伝達媒質を流体タンクの排出口から超音波治療ヘッドを経て再び流体タンクの流入口に循環させる段階をさらに含みうる。
【発明の効果】
【0018】
一実施形態によるシステム及びその方法は、単一のポンプを通じて超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給、排出及び循環処理がいずれも可能であり、これにより、システムを小型化することができる。
【0019】
また、一実施形態によるシステム及びその方法は、メンブレンの素材によってシステム内の弁の選択的な開閉を通じた経路変更によってシステムを駆動するにつれて、メンブレンの材質別に分離された別途のシステムを駆動する必要がない。したがって、メンブレンの素材に関係なく単一のシステムを通じて超音波伝達媒質に対する処理が可能である。
【0020】
さらに、一実施形態によるシステム及びその方法は、冷却器と流体タンクとを一元化してシステムを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態による超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システムの構成を示す図面である。
図2】本発明の一実施形態による弾性材質のメンブレンを有した超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給過程を示す図面である。
図3】本発明の一実施形態による弾性材質のメンブレンを有した超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の排出過程を示す図面である。
図4】本発明の一実施形態による弾性材質のメンブレンを有した超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の循環過程を示す図面である。
図5】本発明の一実施形態による非弾性材質のメンブレンを有した超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の循環過程を示す図面である。
図6】本発明の一実施形態による超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システムによる超音波伝達媒質循環方法を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを果たす方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態として具現可能であり、単に、本実施形態は、本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義される。明細書の全体に亘って同じ参照符号は、同じ構成要素を称する。
【0023】
本発明の実施形態を説明するに当って、公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略し、後述する用語は、本発明の実施形態での機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わりうる。したがって、その定義は、本明細書の全般に亘った内容に基づいて下されなければならない。
【0024】
添付のブロック図の各ブロックとフローチャートとの各段階の組み合わせは、コンピュータプログラムインストラクション(実行エンジン)によって行われてもよく、これらのコンピュータプログラムインストラクションは、汎用コンピュータ、特殊用コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置のプロセッサに搭載され、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置のプロセッサを通じて行われるそのインストラクションがブロック図の各ブロックまたはフローチャートの各段階で説明された機能を行う手段を生成する。
【0025】
これらのコンピュータプログラムインストラクションは、特定の方式で機能を具現するためにコンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置を指向することができるコンピュータ利用可能またはコンピュータ読み取り可能メモリに保存されることも可能なので、そのコンピュータ利用可能またはコンピュータ読み取り可能メモリに保存されたインストラクションは、ブロック図の各ブロックまたはフローチャートの各段階で説明された機能を行うインストラクション手段を内包する製造品目を生産することも可能である。
【0026】
そして、コンピュータプログラムインストラクションは、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置上に搭載されることも可能なので、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置上で一連の動作段階が行われてコンピュータで実行されるプロセスを生成してコンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置を行うインストラクションは、ブロック図の各ブロック及びフローチャートの各段階で説明される機能を実行するための段階を提供することも可能である。
【0027】
また、各ブロックまたは各段階は、特定の論理的機能を実行するための1つ以上の実行可能なインストラクションを含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を示すことができ、幾つかの代替実施形態では、ブロックまたは段階で言及された機能が順序を外れて発生することも可能であるということに注目しなければならない。例えば、相次いで示されている2つのブロックまたは段階は、実に、実質的に同時に行われることも可能であり、また、そのブロックまたは段階が必要に応じて該当する機能の逆順に行われることも可能である。
【0028】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、次に例示する本発明の実施形態は、さまざまな他の形態に変形され、本発明の範囲が、次に詳述する実施形態に限定されるものではない。本発明の実施形態は、当業者に本発明をより完全に説明するために提供される。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態による超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システムの構成を示す図面である。
【0030】
図1を参照すれば、超音波伝達媒質循環システム1は、超音波伝達媒質が収容される収容空間23を有する超音波治療ヘッド2に対する超音波伝達媒質を供給、排出及び循環させるためである。超音波伝達媒質は、水などの流体である。
【0031】
超音波治療ヘッド2は、治療トランスデューサ20を含む。治療トランスデューサ20は、患者の治療のための集束超音波を放射するように構成される。治療トランスデューサ20は、集束超音波信号(Focused Ultra Sound:FUS)を発生させて治療領域にフォーカシング(Focusing)することができる。治療トランスデューサ20は、多数個で構成されたアレイ構造であり、アレイを構成する多数個の治療トランスデューサ20がランダムな形態に配置される。
【0032】
治療トランスデューサ20は、下端に超音波放射面21を有しうる。超音波放射面21は、上方に凹状になるか、扁平な構造からなる。超音波放射面21は、メンブレン22によって覆われる。
【0033】
メンブレン22は、超音波治療ヘッド2の下端に装着されて超音波放射面21を防ぐ構造からなっている。メンブレン22は、超音波放射面21との間に超音波伝達媒質を収容するための収容空間23を形成する。超音波伝達媒質は、脱気した水などからなる。例えば、メンブレン22は、超音波治療ヘッド2の下側開口と側面一部とを共に取り囲む形態からなり、超音波治療ヘッド2の側面にシーリングされた状態に結合されうる。メンブレン22は、治療トランスデューサ20の超音波放射面21のフレームにシーリングされた状態に結合されることも可能なので、例示されたものに限定されるものではない。
【0034】
メンブレン22は、超音波伝達媒質と類似した音響インピーダンスを有する。メンブレン22の材質は、弾性材質であり、非弾性材質でもある。弾性材質は、エチレンプロピレン(EPDM、Ethylene Propylene Diene Monomer)ゴム、ラテックス(latex)ゴム、シリコンゴムのような材質などがある。メンブレン22が弾性材質の場合、超音波治療ヘッド2は、治療の深さを調節することができる。これに比べて、メンブレン22が非弾性材質の場合、超音波治療ヘッド2は、固定された治療の深さを有しうる。
【0035】
収容空間23の一側に超音波伝達媒質の流入のための流入口が形成され、収容空間23の他側に超音波伝達媒質の排出のための排出口が形成されうる。
【0036】
超音波治療ヘッド2は、患者の上部に位置してメンブレン22を患者の皮膚に密着させた状態で治療トランスデューサ20の超音波放射面21を通じて超音波を放射する。そうすると、超音波は、収容空間23内の超音波伝達媒質を経て患者の病変部位に伝達される。
【0037】
超音波伝達媒質循環システム1は、循環系統を含むが、循環系統は、ポンプ10、流体タンク12、流体ブロック14、冷却器16、脱気モジュール18、複数の経路及び複数の弁を含む。
【0038】
流体タンク12及び流体ブロック14は、超音波伝達媒質を貯蔵する。流体タンク12は、開放(open)された形態であり、流体ブロック14は、閉鎖(closed)された形態である。
【0039】
ポンプ10は、超音波伝達媒質を流体タンク12から超音波治療ヘッド2に供給する供給機能と、超音波伝達媒質を超音波治療ヘッド2から流体タンク12に排出する排出機能と、超音波伝達媒質をシステム内で循環させる循環機能と、を行う。一般的なシステムは、供給機能を行う供給ポンプと、排出機能を行う排出ポンプと、循環機能を行う循環ポンプと、がそれぞれ別個に備えられる。複数個のポンプを使用する場合、システムが複雑な構造を有する。
【0040】
しかし、一実施形態による超音波伝達媒質循環システム1は、単一のポンプ10を使用して供給機能、排出機能及び循環機能をいずれも行うことができる。このために、超音波伝達媒質循環システム1は、図1に示したように、ポンプ10、複数の経路及び複数の弁を配置し、各弁の選択的な開閉を通じて供給、排出または循環の移動経路を変更する。これにより、単一のポンプ10によって超音波伝達媒質の供給、排出及び循環が行われる。
【0041】
ポンプ10は、モータによって駆動する電動式ポンプで構成され、システム1の全般を制御する制御部によって制御される。
【0042】
複数の経路は、超音波伝達媒質の供給、排出及び循環のための移動経路である。複数の経路は、管状に備えられうる。複数の経路は、第1経路31、第2-1経路32-1、第2-2経路32-2、第3-1経路33-1、第3-2経路33-2及び第4経路34を含む。第1経路31は、第1弁41を基準に形成されるが、流体タンク12の排出口と連結される。第2-1経路32-1及び第2-2経路32-2は、第2弁42を基準に形成されるが、第2-1経路32-1は、超音波治療ヘッド2の流入口と連結され、第2-2経路32-2は、流体タンク12の流入口と連結される。第3-1経路33-1と第3-2経路33-2は、第3弁43を基準に形成されるが、第3-1経路33-1は、流体ブロック14の流入口と連結され、第3-2経路33-2は、流体タンク12の流入口と連結される。第4経路34は、第4弁44を基準に形成されるが、流体ブロック14の排出口と連結される。
【0043】
複数の弁は、第1弁41、第2弁42、第3弁43及び第4弁44を含む。この際、第1弁41と第4弁44は、1方向に制御され、第2弁42と第3弁43は、2方向に制御される。第1弁41は、第1経路31を選択的に開閉する。第2弁42は、第2-1経路32-1及び第2-2経路32-2を選択的に開閉する。第3弁43は、第3-1経路33-1と第3-2経路33-2とを選択的に開閉する。第4弁44は、第4経路34を選択的に開閉する。複数の弁は、制御部によって制御される。
【0044】
超音波伝達媒質循環システム1は、単一のポンプ10を用いて超音波伝達媒質の供給、排出及び循環過程を行う。図2ないし図4を参照して、超音波伝達媒質の供給、排出及び循環過程についてそれぞれ後述する。
【0045】
一実施形態による超音波伝達媒質循環システム1は、メンブレン22の素材(例えば、弾性材質または非弾性材質)に関係なく単一システム1を通じて循環過程をいずれも行うことができる。すなわち、メンブレン22の素材によって、それに合う別途のシステムを区別して使用するものではなく、メンブレン22の素材に関係なく1つのシステム1を使用することができる。このために、超音波伝達媒質循環システム1は、システム1内の各弁の選択的な開閉を通じた経路変更によってシステム1を駆動する。
【0046】
図2ないし図4を参照して、弾性材質のメンブレンを有した超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給、排出及び循環過程を後述する。また、図5を参照して、非弾性材質のメンブレンを有した超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の循環過程を後述する。
【0047】
冷却器16は、流体タンク12及び流体ブロック14に結合して設けられて、ポンプ10を通じた超音波伝達媒質の供給、排出または循環過程で流体タンク12及び流体ブロック14内の超音波伝達媒質を同時に冷却させる。冷却器16を流体タンク12及び流体ブロック14と一体化するにつれて、流体タンク12及び流体ブロック14内の超音波伝達媒質を同時に冷却させることができる。超音波治療中、冷却器16によって冷却された超音波伝達媒質は、ポンプ10によって収容空間23内に供給されて収容空間23内の加熱された超音波伝達媒質と混合される。したがって、収容空間23内の加熱された超音波伝達媒質が冷却される。冷却器16の流体タンク12及び流体ブロック14内の超音波伝達媒質の冷却は、超音波伝達媒質の供給、排出及び循環過程の順序と関係なく動作可能であり、所定の温度以上で自動または手動で動作する。
【0048】
脱気モジュール18は、ポンプ10を通じた超音波伝達媒質の循環過程で超音波伝達媒質を脱気処理する。脱気モジュール18は、ポンプ10と第2弁42との間に設けられる。超音波治療中、収容空間23内の超音波伝達媒質内に気泡が発生しても、超音波伝達媒質が収容空間23から排出されて流れる過程で超音波伝達媒質内のガス成分が脱気モジュール18によって除去された後、収容空間23内に再び供給されうる。超音波治療中、治療超音波によって超音波伝達媒質内に気泡が生成されうる。生成された気泡は、超音波伝達を妨害し、超音波伝達経路を異ならせる。また、気泡が超音波放射面21にくっついて治療トランスデューサ20の故障を招く恐れがある。したがって、超音波伝達媒質を脱気処理すれば、前述した問題を防止することができる。
【0049】
図2は、本発明の一実施形態による弾性材質のメンブレンを有した超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の供給過程を示す図面である。ここで、矢印は、超音波伝達媒質の流れを示す。
【0050】
図2を参照すれば、メンブレン22が弾性材質である場合、ポンプ10は、流体タンク12内の超音波伝達媒質を超音波治療ヘッド2に供給する。例えば、ポンプ10は、流体タンク12の排出口と連結された第1経路31と、超音波治療ヘッド2の流入口と連結された第2-1経路32-1と、を通じて流体タンク12内の超音波伝達媒質を超音波治療ヘッド2に供給する。このために、第1弁41は、開放され、第2弁42は、第2-1経路が開放され、第2-2経路32-2が閉鎖され、第3弁43は、第3-1経路33-1が開放され、第3-2経路33-2が閉鎖され、第4弁44は、閉鎖される。すなわち、超音波伝達媒質の供給のために、第1弁41は、開放された状態、第2弁42は、第2-1経路32-1方向に開放された状態、第3弁43は、第3-1経路33-1方向に開放された状態、第4弁44は、開放された状態である。
【0051】
図3は、本発明の一実施形態による弾性材質のメンブレンを有した超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の排出過程を示す図面である。ここで、矢印は、超音波伝達媒質の流れを示す。
【0052】
図3を参照すれば、メンブレン22が弾性材質である場合、ポンプ10は、超音波治療ヘッド2内の超音波伝達媒質を流体タンク12に供給する。例えば、ポンプ10は、流体ブロック14の流入口と連結された第3-1経路33-1と、流体ブロック14の排出口と連結された第4経路34と、流体タンク12の流入口と連結された第2-2経路32-2と、を通じて超音波治療ヘッド2内の超音波伝達媒質を流体タンク12に排出する。このために、第1弁41は、閉鎖され、第2弁42は、第2-1経路32-1が閉鎖され、第2-2経路32-2が開放され、第3弁43は、第3-1経路33-1が開放され、第3-2経路33-2が閉鎖され、第4弁44は、開放される。すなわち、超音波伝達媒質の排出のために、第1弁41は、閉鎖された状態、第2弁42は、第2-2経路32-2方向に開放された状態、第3弁43は、第3-1経路33-1方向に開放された状態、第4弁44は、開放された状態である。
【0053】
図4は、本発明の一実施形態による弾性材質のメンブレンを有した超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の循環過程を示す図面である。ここで、矢印は、超音波伝達媒質の流れを示す。
【0054】
図4を参照すれば、メンブレン22が弾性材質である場合、ポンプ10は、超音波治療ヘッド2内の超音波伝達媒質を流体ブロック14を経て再び超音波治療ヘッド2内に回収する。例えば、ポンプ10は、超音波治療ヘッド2内の超音波伝達媒質を第2-1経路32-1と、第3-1経路33-1と、第4経路34と、を通じて流体ブロック14を通って再び超音波治療ヘッド2に回収する。このために、第1弁41は、閉鎖され、第2弁42は、第2-1経路32-1が開放され、第2-2経路32-2が閉鎖され、第3弁43は、第3-1経路33-1が開放され、第3-2経路33-2は、閉鎖され、第4弁44は、開放される。すなわち、超音波伝達媒質の循環のために、第1弁41は、閉鎖された状態、第2弁42は、第2-1経路32-1方向に開放された状態、第3弁43は、第3-1経路33-1方向に開放された状態、第4弁44は、開放された状態である。
【0055】
循環過程で脱気モジュール18による脱気過程が行われる。脱気モジュール18は、治療に問題のないレベルまで超音波伝達媒質内の空気を除去するように連続して動作する。
【0056】
図5は、本発明の一実施形態による非弾性材質のメンブレンを有した超音波治療ヘッドに対する超音波伝達媒質の循環過程を示す図面である。ここで、矢印は、超音波伝達媒質の流れを示す。
【0057】
図5を参照すれば、メンブレン22が非弾性材質である場合、ポンプ10は、流体タンク12内の超音波伝達媒質を超音波治療ヘッド2を経て再び流体タンク12内に回収する。弾性のない硬い材質のメンブレン22を有した超音波治療ヘッド2に超音波伝達媒質を満たすためには、超音波治療ヘッド2に超音波伝達媒質を供給し、排出する別途の動作過程なしに超音波伝達媒質を循環させる過程が必要である。
【0058】
例えば、ポンプ10は、超音波治療ヘッド2に対する超音波伝達媒質の供給及び排出なしに、第1経路31、第2-1経路32-1及び第3-2経路33-2を通じて、流体タンク12内の超音波伝達媒質を流体タンク12の排出口から超音波治療ヘッド2を経て再び流体タンク12の流入口に循環させる。循環時に、第1弁41は、開放され、第2弁42は、第2-1経路32-1が開放され、第2-2経路32-2は、閉鎖され、第3弁43は、第3-1経路33-1が閉鎖され、第3-2経路33-2が開放され、第4弁44は、閉鎖される。すなわち、超音波伝達媒質の循環のために、第1弁41は、開放された状態、第2弁42は、第2-1経路32-1方向に開放された状態、第3弁43は、第3-2経路33-2方向に開放された状態、第4弁44は、閉鎖された状態である。
【0059】
前述した循環過程中、初期の循環過程で超音波伝達媒質循環システム1は、超音波治療ヘッド2内の空気を流体タンク12内に移送する。以後、続く循環過程で超音波伝達媒質循環システム1は、脱気モジュール18を通じて治療に問題のないレベルまで超音波伝達媒質内の空気を除去する。
【0060】
図6は、本発明の一実施形態による超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システムによる超音波伝達媒質循環方法を示す図面である。
【0061】
図1及び図6を参照すれば、超音波伝達媒質循環システム1は、超音波治療ヘッド2内のメンブレン22の材質を確認する(610)。
【0062】
この際、メンブレン22の材質が弾性材質(620)であれば、各弁の選択的な開閉を通じた経路変更と単一のポンプ10によって超音波伝達媒質の供給、排出及び循環を行う。
【0063】
例えば、供給段階で、ポンプ10が、流体タンク12内の超音波伝達媒質を超音波治療ヘッド2に供給する(630)。例えば、ポンプ10が、流体タンク12の排出口と連結された第1経路31と、超音波治療ヘッド2の流入口と連結された第2-1経路32-1と、を通じて流体タンク12内の超音波伝達媒質を超音波治療ヘッド2に供給することができる。
【0064】
排出段階で、ポンプ10が、超音波治療ヘッド2内の超音波伝達媒質を流体タンク12に排出する(640)。例えば、ポンプ10が、流体ブロック14の流入口と連結された第3-1経路33-1と、流体ブロック14の排出口と連結された第4経路と、流体タンク12の流入口と連結された第2-2経路32-2と、を通じて超音波治療ヘッド2内の超音波伝達媒質を流体タンク12に排出することができる。
【0065】
循環段階で、ポンプ10が、超音波治療ヘッド2内の超音波伝達媒質を流体ブロック14を通って再び超音波治療ヘッド2に回収する(650)。例えば、ポンプ10が、超音波治療ヘッド2内の超音波伝達媒質を第2-1経路32-1と、第3-1経路33-1と、第4経路34と、を通じて流体ブロック14を通って再び超音波治療ヘッド2に回収することができる。
【0066】
これに比べて、メンブレン22の材質が非弾性材質(620)であれば、ポンプ10が、超音波治療ヘッド2に対する超音波伝達媒質の供給及び排出なしに、流体タンク12の超音波伝達媒質を超音波治療ヘッド2を経て再び流体タンク12に循環させる(660)。例えば、ポンプ10が、第1経路31と、第2-1経路32-1と、流体タンク12の流入口と連結された第3-2経路33-2と、を通じて、流体タンク12内の超音波伝達媒質を流体タンク12の排出口から超音波治療ヘッド2を経て再び流体タンク12の流入口に循環させる。
【0067】
図6を参照して、前述した超音波伝達媒質循環方法は、システム1の制御部によって行われる。
【0068】
以上、本発明について、その実施形態を中心に説明した。当業者ならば、本発明が、本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる差異点は、本発明に含まれたと解釈しなければならない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波治療ヘッドの超音波伝達媒質循環システムにおいて、
超音波伝達媒質を貯蔵する開放された形態および閉鎖された形態の流体タンクと、
前記超音波伝達媒質を前記超音波治療ヘッドに供給し、前記開放された形態の流体タンクに排出し、システム内で循環させる単一のポンプと、
選択的な開閉が行われる複数の弁と、を含み、
前記各弁の選択的な開閉を通じた経路変更と前記ポンプによって前記超音波伝達媒質の供給、排出及び循環が行われる循環系統を含み、
前記循環系統は、前記ポンプによって、前記開放された形態の流体タンク内の前記超音波伝達媒質を前記超音波治療ヘッドに供給し、前記超音波治療ヘッド内の前記超音波伝達媒質を前記開放された形態の流体タンクに排出し、前記超音波治療ヘッド内の前記超音波伝達媒質を前記閉鎖された形態の流体タンクを通って再び前記超音波治療ヘッドに回収することを特徴とする超音波伝達媒質循環システム。
【請求項2】
前記循環系統は
前記単一のポンプと、
前記開放された形態の流体タンクの排出口と連結された第1経路と、
前記超音波治療ヘッドの流入口と連結された第2-1経路と、
前記開放された形態の流体タンクの流入口と連結された第2-2経路と、
前記閉鎖された形態の流体タンクの流入口と連結された第3-1経路と、
前記開放された形態の流体タンクの流入口と連結された第3-2経路と、
前記閉鎖された形態の流体タンクの排出口と連結された第4経路と、を含む経路と、
前記第1経路を選択的に開閉する第1弁と、
前記第2-1経路及び前記第2-2経路を選択的に開閉する第2弁と、
前記第3-1経路と前記第3-2経路とを選択的に開閉する第3弁と、
前記第4経路を選択的に開閉する第4弁と、を含む弁と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項3】
前記ポンプは、
前記第1経路と前記第2-1経路とを通じて前記開放された形態の流体タンク内の前記超音波伝達媒質を前記超音波治療ヘッドに供給し、
供給時に、前記第1弁は、開放され、前記第2弁は、前記第2-1経路が開放され、前記第2-2経路が閉鎖され、前記第3弁は、前記第3-1経路が開放され、前記第3-2経路が閉鎖され、前記第4弁は、閉鎖されることを特徴とする請求項2に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項4】
前記ポンプは、
前記第3-1経路と前記第4経路と前記第2-2経路とを通じて前記超音波治療ヘッド内の前記超音波伝達媒質を前記開放された形態の流体タンクに排出し、
排出時に、前記第1弁は、閉鎖され、前記第2弁は、前記第2-1経路が閉鎖され、前記第2-2経路が開放され、前記第3弁は、前記第3-1経路が開放され、前記第3-2経路が閉鎖され、前記第4弁は、開放されることを特徴とする請求項2に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項5】
前記ポンプは、
前記超音波治療ヘッド内の前記超音波伝達媒質を前記第2-1経路と、前記第3-1経路と、前記第4経路と、を通じて前記閉鎖された形態の流体タンクを通って再び前記超音波治療ヘッドに回収し、
循環時に、前記第1弁は、閉鎖され、前記第2弁は、前記第2-1経路が開放され、前記第2-2経路は、閉鎖され、前記第3弁は、前記第3-1経路が開放され、前記第3-2経路が閉鎖され、前記第4弁は、開放されることを特徴とする請求項2に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項6】
前記ポンプは、
メンブレンが非弾性材質であれば、前記超音波治療ヘッドに対する前記超音波伝達媒質の供給及び排出なしに、前記第1経路、前記第2-1経路及び前記第3-2経路を通じて、前記開放された形態の流体タンク内の前記超音波伝達媒質を前記開放された形態の流体タンクの排出口から超音波治療ヘッドを経て再び前記開放された形態の流体タンクの流入口に循環させ、
循環時に、前記第1弁は、開放され、前記第2弁は、前記第2-1経路が開放され、前記第2-2経路は、閉鎖され、前記第3弁は、前記第3-1経路が閉鎖され、前記第3-2経路が開放され、前記第4弁は、閉鎖されることを特徴とする請求項2に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項7】
前記循環系統は、
前記開放された形態の流体タンク及び前記閉鎖された形態の流体タンクに結合して設けられて、前記ポンプを通じた前記超音波伝達媒質の供給、排出または前記循環過程で前記開放された形態の流体タンク及び前記閉鎖された形態の流体タンク内の前記超音波伝達媒質を同時に冷却させる冷却器をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波伝達媒質循環システム。
【請求項8】
前記循環系統は、
前記ポンプを通じた前記超音波伝達媒質の循環過程で前記超音波伝達媒質を脱気処理する脱気モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波伝達媒質循環システム。