(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153539
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】多光源治療器
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20241022BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
A61N1/36
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023191848
(22)【出願日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】202310452671.0
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202311050667.8
(32)【優先日】2023-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202311149534.6
(32)【優先日】2023-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520117710
【氏名又は名称】深▲せん▼市予一電子科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】周 瑩
(72)【発明者】
【氏名】李 兵
【テーマコード(参考)】
4C053
4C082
【Fターム(参考)】
4C053JJ24
4C082PA01
4C082PA02
4C082PC01
4C082PE03
4C082PE06
4C082PG05
4C082PJ21
(57)【要約】
【課題】様々な皮膚問題を効率的かつ迅速に解決する。
【解決手段】一実施例による多光源治療器は、ケースと、ケース内に装着されたメイン制御ボードと、メイン制御ボードに電気的に接続された光源、電源部品、ファン及び半導体冷却部材とを含む。半導体冷却部材には、中間の半導体粒子層と、両端のホット面及びコールド面とが含まれる。多光源治療器の前端面には、光出射口が形成され、光源には、IPL光源が含まれ、タングステン光源及び/又はカーボン光源が更に含まれ、前記光出射口は、ケースの前端内に装着された透明基板によって形成され、半導体冷却部材の冷却面は、透明基板を冷却するために透明基板に熱伝達的に接続されるか、又は透明基板は、直接に半導体冷却部材の冷却面とされ、光源から発生された光は、光出射口を通った後、肌に作用して美容又は治療処理を行う。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、ケース内に装着されたメイン制御ボードと、メイン制御ボードに電気的に接続された光源、電源部品、ファン及び半導体冷却部材とを含み、前記半導体冷却部材には、中間の半導体粒子層と、両端のホット面及びコールド面とが含まれる多光源治療器であって、その前端面には、光出射口が形成されている多光源治療器において、
前記光源には、IPL光源が含まれ、タングステン光源及び/又はカーボン光源が更に含まれ、
前記光出射口は、ケースの前端内に装着された透明基板によって形成され、前記半導体冷却部材のコールド面は、透明基板を冷却するために前記透明基板に熱伝達的に接続されるか、又は前記透明基板は、直接に前記半導体冷却部材のコールド面とされ、
前記光源から発生された光は、光出射口を通った後、肌に作用して美容又は治療処理を行う、ことを特徴とする多光源治療器。
【請求項2】
前記半導体冷却部材は、環状であり、前記透明基板の背面に貼り付けられ、光出射口の周辺を冷却するように形成され、半導体冷却部材の環状の中央領域は、光源から発生された光を通すための通し孔であり、前記透明基板の正面は、肌に接触するか、或いは、1つ又は複数の半導体冷却部材は、光出射口の側面で冷却するために前記透明基板の周辺の1つ又は複数の側面に貼り付けられ、
電対粒子層の両端は、コールド端及びホット端であり、前記透明基板が前記半導体冷却部材のコールド面とされる場合、透明基板には、1組又は複数組のコールド端回路が設けられており、前記1組又は複数組のコールド端回路は、1組又は複数組の半導体粒子層のコールド端に対応して溶接されて電気的に接続され、各々の組の半導体粒子層のホット端は、ホット面であり、ホット面には、半導体粒子層のホット端に溶接されて電気的に接続されるホット端回路が設けられており、前記コールド端回路が電対粒子層のコールド端に電気的に接続されるとともに前記ホット端回路が電対粒子層のホット端に電気的に接続されると、半導体冷却部材の内部回路が形成され、内部回路は、正負極を介して制御ユニットに電気的に接続され、回路が導通されると、透明基板コールド面とホット面との間に温度差が形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の多光源治療器。
【請求項3】
前記半導体冷却部材には、温度センサが内蔵されており、温度センサは、中間の半導体粒子層に位置し、前記ホット面又はコールド面に密着され、コールド面又はホット面の温度を直接に検出するものであり、温度センサの正負極及び半導体粒子層の正負極は、制御ユニットに電気的に接続されるように半導体冷却部材の外に伸出しており、制御ユニットは、コールド面又はホット面の温度を所定の温度区間に一定とするように制御するために、前記メイン制御ボード又は独立した制御ボードに設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の多光源治療器。
【請求項4】
前記半導体冷却部材のホット面は、熱管、ベーパーチャンバー、超伝熱管、超伝熱板又は単一伝熱材料で作られた伝熱基板のうち、1つ又は複数の組み合わせであり、
前記半導体冷却部材のホット面は、放熱部品に迅速熱伝達的に接続され、
前記放熱部品は、熱管、ベーパーチャンバー、超伝熱管、超伝熱板、単一伝熱材料の伝熱構造又は放熱フィンのうち、1つ又は複数の組み合わせを含み、
前記光源は、光反射部材内に装着され、
前記光反射部材には、放熱部材が設けられており、前記放熱部材は、放熱フィン、熱管、ベーパーチャンバー、超伝熱管、超伝熱板又は単一伝熱材質で作られた伝熱素子の中から選択された1つ又は複数の組み合わせである、ことを特徴とする請求項1に記載の多光源治療器。
【請求項5】
多光源治療器のケースには、風取込口及び風吹出口がいくつか設けられており、
前記ファンは、ケースと、ケースの内部の回転羽根とを含み、ケースには、風取込口及び風吹出口がいくつか設けられており、ファンの風取込口及び風吹出口は、ファンの軸方向の上側面又は下側面又は側立面のケースに設けられ、ファンの風取込口と、ファンのケースの内部と、ファンの風吹出口との間の気流連通によってファンの風通路が形成され、
前記放熱部品は、多光源治療器のケースの風取込口と、ファンの風通路と、多光源治療器のケースの風吹出口との間の気流連通によって形成された放熱用風通路内に位置し、前記放熱部品を風冷放熱するものであり、
前記光源又は光反射部材又は放熱部材は、多光源治療器のケースの風取込口と、ファンの風通路と、多光源治療器のケースの風吹出口との間の気流連通によって形成された放熱用風通路内に位置し、前記光源又は光反射部材又は放熱部材を風冷放熱するものである、ことを特徴とする請求項4に記載の多光源治療器。
【請求項6】
前記光源と光出射口との間には、フィルタが装着されており、光源から発生された光は、フィルタによるフィルタリング後に光出射口へ投射され、
前記フィルタは、透明ベースシートと、透明ベースシート上におけるコーティング層とを含み、
単一区間帯域コーティングによって、単一の区間帯域を通過させる前記フィルタが形成されるか、又は、多区間帯域コーティングによって、複数の帯域を同時に通過させる前記フィルタが得られるか、又は、同一透明ベースシート上における区画コーティングによって、複数の区画毎に、異なる帯域を通過させるフィルタが得られる、ことを特徴とする請求項1に記載の多光源治療器。
【請求項7】
前記多光源治療器には、複数枚のフィルタが配置されるか、又は複数の区画を有するフィルタが配置されており、前記複数枚のフィルタ又は複数の区画は、異なる帯域の光を通過させ、
前記複数枚のフィルタは、それぞれ光源と光出射口との間へ切り替え可能であるか、又は、前記フィルタの複数の区画は、それぞれ光源と光出射口との間へ切り替え可能であり、
手動又は電動方式によって、複数枚のフィルタ間又は複数の区画間の切り替え使用が実現される、ことを特徴とする請求項6に記載の多光源治療器。
【請求項8】
前記治療器のケースには、挿脱口が設けられており、挿脱口は、光源と光出射口との間に位置し、前記挿脱口を介してフィルタが挿入又は抜去されることで、複数枚のフィルタ間の切り替え使用が実現される、ことを特徴とする請求項7に記載の多光源治療器。
【請求項9】
前記治療器のケース内には、モータ、スクリュー及びナット接続部材が装着されており、モータの出力軸がスクリューと軸結合されて同期回動し、スクリューとナット接続部材とが互いに螺合され、ナット接続部材がフィルタに接続され、
複数枚のフィルタ同士は、互いに接続されており、
スクリューの回動によってナット接続部材が直線往復移動されることで、複数枚のフィルタ同士又は多区画フィルタの複数の区画同士が移動されて切り替えられて、異なるフィルタ又はフィルタの異なる区画が光源と光出射口との間へ切り替えられるようになる、ことを特徴とする請求項7に記載の多光源治療器。
【請求項10】
前記多光源治療器は、RF部品又はEMS部品を含み、前記RF部品又はEMS部品は、RF電極又はEMS電極を一対以上含み、前記一対以上のRF電極又はEMS電極は、前記透明基板に装着されるか、又は多光源治療器のケースの前端面に装着されるか、或いは、RF付属ヘッド又はEMS付属ヘッドを介して多光源治療器の前端に接続され、前記RF電極又はEMS電極は、メイン制御ボード又は独立した制御ボードに電気的に接続され、前記メイン制御ボード又は独立した制御ボードは、RF電極又はEMS電極を制御して、肌に作用するRF電流又はEMS電流を発生させるものである、ことを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の多光源治療器。
【請求項11】
前記電源部品は、電池及び/又は通電インターフェースを含み、
前記通電インターフェースは、メイン制御ボードに電気的に接続され、前記ケースには、外部電源の投入のために、前記通電インターフェースを装着される通し孔が設けられている、ことを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の多光源治療器。
【請求項12】
前記タングステン光源又はカーボン光源は、透明ランプシェードと、透明ランプシェード内に装着された発光材料とを含み、前記透明ランプシェード内は、真空とされるか、或いは、不活性ガス又はハロゲンガスで充填されており、
前記タングステン光源の発光材料は、タングステンフィラメントであり、前記カーボン光源の発光材料は、カーボンフィラメントであり、
前記タングステン光源又はカーボン光源からは、フルスペクトルの光が発生される、ことを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の多光源治療器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、美容・美肌機器の技術分野に関し、特に、多光源治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
市販されている従来の美容器には、脱毛、美白や肌若返り等の美容・美肌のために単一のIPL(Intense Pulsed Light:インテンスパルスライト)光源を用いるものが多く、IPL光源のエネルギーが大きいほど、その治療効果が著しくなる反面、それによる火傷や痛み感の程度が異なり、それに、エネルギーが大きいほど、その点滅速度が遅くなり、管球の寿命サイクルも短くなる。しかも、IPL光源は、強いパルス光であり、発光時間が短く、ピークエネルギーが高いため、スペクトルの連続性が悪いのに対し、異なる肌色及び治療ニーズ(例えば、シミ除去、美白、肌若返りやシワ除去等の異なるニーズ)について、精密帯域治療(例えば、DPL:Dye Pulsed Light:ダイパルスライト)が必要な場合、その管球光源の利用率が大幅に低減されてしまう。また、IPL光源から発生された光の中では、1200nm以上の近赤外スペクトルが少なく、美容のために近赤外帯域を選択できない。IPL光源から発生された光は、その光帯域が少なく、光パワーが低く、様々な皮膚問題を効率的かつ迅速に解決することができない。従来の美容器には、美肌のために単一のLED光源を用いるものもある。しかしながら、LED光源は、その光パワーが低く、様々な皮膚問題を効率的かつ迅速に解決することもできない。
【発明の概要】
【0003】
本願が解決しようとする課題は、従来の美容器が単一のIPL光源又は単一のLED光源を用いることによる上記問題を解決した多光源治療器を提供することである。
【0004】
上記課題を解決するために、本願には、以下の技術案が用いられている。
【0005】
ケースと、ケース内に装着されたメイン制御ボードと、メイン制御ボードに電気的に接続された光源、電源部品、ファン及び半導体冷却部材とを含み、前記半導体冷却部材には、中間の半導体粒子層と、両端のホット面及びコールド面とが含まれる多光源治療器であって、その前端面には、光出射口が形成されている多光源治療器において、前記光源には、IPL光源が含まれ、タングステン光源及び/又はカーボン光源が更に含まれ、前記光出射口は、ケースの前端内に装着された透明基板によって形成され、前記半導体冷却部材のコールド面は、透明基板を冷却するために前記透明基板に熱伝達的に接続されるか、又は前記透明基板は、直接に前記半導体冷却部材のコールド面とされ、前記光源から発生された光は、光出射口を通った後、肌に作用して美容又は治療処理を行う、多光源治療器。
【0006】
いくつかの実施例において、前記半導体冷却部材は、環状であり、前記透明基板の背面に貼り付けられ、光出射口の周辺を冷却するように形成され、半導体冷却部材の環状の中央領域は、光源から発生された光を通すための通し孔であり、前記透明基板の正面は、肌に接触するか、或いは、1つ又は複数の半導体冷却部材は、光出射口の側面で冷却するために前記透明基板の周辺の1つ又は複数の側面に貼り付けられる。前記電対粒子層の両端は、コールド端及びホット端であり、前記透明基板が前記半導体冷却部材のコールド面とされる場合、透明基板には、1組又は複数組のコールド端回路が設けられており、前記1組又は複数組のコールド端回路は、1組又は複数組の半導体粒子層のコールド端に対応して溶接されて電気的に接続され、各々の組の半導体粒子層のホット端は、ホット面であり、ホット面には、半導体粒子層のホット端に溶接されて電気的に接続されるホット端回路が設けられており、前記コールド端回路が電対粒子層のコールド端に電気的に接続されるとともに前記ホット端回路が電対粒子層のホット端に電気的に接続されると、半導体冷却部材の内部回路が形成され、内部回路は、正負極を介して制御ユニットに電気的に接続され、回路が導通されると、透明基板コールド面とホット面との間に温度差が形成される。
【0007】
いくつかの実施例において、前記半導体冷却部材には、温度センサが内蔵されており、温度センサは、中間の半導体粒子層に位置し、前記ホット面又はコールド面に密着され、コールド面又はホット面の温度を直接に検出するものであり、温度センサの正負極及び半導体粒子層の正負極は、制御ユニットに電気的に接続されるように半導体冷却部材の外に伸出しており、制御ユニットは、コールド面又はホット面の温度を所定の温度区間に一定とするように制御するために、前記メイン制御ボード又は独立した制御ボードに設けられる。
【0008】
いくつかの実施例において、前記半導体冷却部材のホット面は、熱管、ベーパーチャンバー、超伝熱管、超伝熱板又は単一伝熱材料で作られた伝熱基板のうち、1つ又は複数の組み合わせであり、前記半導体冷却部材のホット面は、放熱部品に迅速熱伝達的に接続され、前記放熱部品は、熱管、ベーパーチャンバー、超伝熱管、超伝熱板、単一伝熱材料の伝熱構造又は放熱フィンのうち、1つ又は複数の組み合わせを含み、前記光源は、光反射部材内に装着され、前記光反射部材には、放熱部材が設けられており、前記放熱部材は、放熱フィン、熱管、ベーパーチャンバー、超伝熱管、超伝熱板又は単一伝熱材質で作られた伝熱素子の中から選択された1つ又は複数の組み合わせである。
【0009】
いくつかの実施例において、多光源治療器のケースには、風取込口及び風吹出口がいくつか設けられており、前記ファンは、ケースと、ケースの内部の回転羽根とを含み、ケースには、風取込口及び風吹出口がいくつか設けられており、ファンの風取込口及び風吹出口は、ファンの軸方向の上側面又は下側面又は側立面のケースに設けられ、ファンの風取込口と、ファンのケースの内部と、ファンの風吹出口との間の気流連通によってファンの風通路が形成され、前記放熱部品は、多光源治療器のケースの風取込口と、ファンの風通路と、多光源治療器のケースの風吹出口との間の気流連通によって形成された放熱用風通路内に位置し、前記放熱部品を風冷放熱するものであり、前記光源又は光反射部材又は放熱部材は、多光源治療器のケースの風取込口と、ファンの風通路と、多光源治療器のケースの風吹出口との間の気流連通によって形成された放熱用風通路内に位置し、前記光源又は光反射部材又は放熱部材を風冷放熱するものである。
【0010】
いくつかの実施例において、前記光源と光出射口との間には、フィルタが装着されており、光源から発生された光は、フィルタによるフィルタリング後に光出射口へ投射され、前記フィルタは、透明ベースシートと、透明ベースシート上におけるコーティング層とを含み、単一区間帯域コーティングによって、単一の区間帯域を通過させる前記フィルタが形成されるか、又は、多区間帯域コーティングによって、複数の帯域を同時に通過させる前記フィルタが得られるか、又は、同一透明ベースシート上における区画コーティングによって、複数の区画毎に、異なる帯域を通過させるフィルタが得られる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記多光源治療器には、複数枚のフィルタが配置されるか、又は複数の区画を有するフィルタが配置されており、前記複数枚のフィルタ又は複数の区画は、異なる帯域の光を通過させる。前記複数枚のフィルタは、それぞれ光源と光出射口との間へ切り替え可能であるか、又は、前記フィルタの複数の区画は、それぞれ光源と光出射口との間へ切り替え可能であり、手動又は電動方式によって、複数枚のフィルタ間又は複数の区画間の切り替え使用が実現される。
【0012】
いくつかの実施例において、前記美容器のケースには、挿脱口が設けられており、挿脱口は、光源と光出射口光出射口との間に位置し、前記挿脱口を介してフィルタが挿入又は抜去されることで、複数枚のフィルタ間の切り替え使用が実現される。
【0013】
いくつかの実施例において、前記美容器のケース内には、モータ、スクリュー及びナット接続部材が装着されており、モータの出力軸がスクリューと軸結合されて同期回動し、スクリューとナット接続部材とが互いに螺合され、ナット接続部材がフィルタに接続され、複数枚のフィルタ同士は、互いに接続されており、スクリューの回動によってナット接続部材が直線往復移動されることで、複数枚のフィルタ同士又は多区画フィルタの複数の区画同士が移動されて切り替えられて、異なるフィルタ又はフィルタの異なる区画が光源と光出射口との間へ切り替えられるようになる。
【0014】
いくつかの実施例において、前記多光源治療器は、RF(Radio Frequency:無線周波数)部品又はEMS(Electrical Muscle Stimulation:筋肉電気刺激)部品を含み、前記RF部品又はEMS部品は、RF電極又はEMS電極を一対以上含み、前記一対以上のRF電極又はEMS電極は、前記透明基板に装着されるか、又は多光源治療器のケースの前端面に装着されるか、或いは、RF付属ヘッド又はEMS付属ヘッドを介して多光源治療器の前端に接続され、前記RF電極又はEMS電極は、メイン制御ボード又は独立した制御ボードに電気的に接続され、前記メイン制御ボード又は独立した制御ボードは、RF電極又はEMS電極を制御して、肌に作用するRF電流又はEMS電流を発生させるものである。
【0015】
いくつかの実施例において、前記電源部品は、電池及び/又は通電インターフェースを含み、前記通電インターフェースは、メイン制御ボードに電気的に接続され、前記ケースには、外部電源の投入のために、前記通電インターフェースを装着される通し孔が設けられている。
【0016】
好ましくは、前記タングステン光源又はカーボン光源は、透明ランプシェードと、透明ランプシェード内に装着された発光材料とを含み、前記透明ランプシェード内は、真空とされるか、或いは、不活性ガス又はハロゲンガスで充填されており、前記タングステン光源の発光材料は、タングステンフィラメントであり、前記カーボン光源の発光材料は、カーボンフィラメントであり、前記タングステン光源又はカーボン光源からは、フルスペクトルの光が発生される。
【0017】
本願の有益な効果は、以下の通りである。
【0018】
本願に係る治療器の光源には、IPL光源、タングステンランプ光源及び/又はカーボン光源が含まれ、複数の光源の組み合わせにより、スペクトルの相互補完が得られ、同じ区間のスペクトル帯域値が多くなり、より多くの皮膚問題を解決可能となる。本願に係る治療器は、タングステン光源及び/又はカーボン光源の安定した帯域を利用して皮膚を予熱することで、皮膚の基礎温度が高められ、IPLの光エネルギーの損失による影響が低減され、より効果的な治療又は美容の目的が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本願の第一実施例に係る多光源治療器の異なる角度からの斜視図の例である。
【
図2】本願の第一実施例に係る多光源治療器の異なる角度からの斜視図の例である。
【
図3】本願の第一実施例に係る多光源治療器の分解図の一例である。
【
図4】本願の第一実施例に係る多光源治療器の断面図の一例である。
【
図5】本願の実施例における透明基板冷却部材の斜視図の一例である。
【
図6】本願の第二実施例に係る多光源治療器の断面図の一例である。
【
図7】本願の第三実施例に係る多光源治療器の分解図の一例である。
【
図8】本願の第三実施例に係る多光源治療器の断面図の一例である。
【
図9】透明基板と半導体冷却部材とを一体化して形成された透明基板冷却部材の斜視図の一例である。
【
図10】本願の第四実施例に係る多光源治療器の断面図の一例である。
【
図11】本願の第五実施例に係る多光源治療器の分解図の一例である。
【
図12】本願の第五実施例に係る多光源治療器の断面概略図の一例である。
【
図14】RF/EMS付属ヘッドの構造模式図の一例である。
【
図15】本願の実施例における放熱系の模式図の一例である。
【
図16-18】本願における半導体冷却部材と、放熱器と、ファンとの協働についての異なる実施例の模式図の例である。
【
図19】本願の実施例における半導体冷却部材の模式図の一例である。
【
図20】本願の実施例における透明基板と片面半導体冷却部材との組み合わせの模式図の一例である。
【
図21】本願の実施例における透明基板と両面半導体冷却部材との組み合わせの模式図の一例である。
【
図22】本願の実施例における透明基板半導体冷却部材の模式図の一例である。
【
図23】本願の別の実施例における透明基板半導体冷却部材の模式図の一例である。
【
図24】本願の別の実施例における半導体冷却部材の模式図の一例である。
【
図25】本願の実施例における透明基板と
図23の半導体冷却部材との組み合わせの模式図の一例である。
【
図26】本願のいくつかの実施例における透明基板半導体冷却部材の模式図の例である。
【
図27】本願のいくつかの実施例における透明基板半導体冷却部材の模式図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本願の例示的な実施形態をより詳しく説明する。本願の例示的な実施形態が添付図面に示されているが、本願は、様々な形態で実現可能であり、本明細書に記載の実施形態によって制限されないことを理解されたい。むしろ、これらの実施形態は、本願をより徹底的に理解可能にするとともに、本願の範囲を当業者に完全に伝えることを可能にするために提供されている。
【0021】
理解されたいのは、本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態を説明するためのものに過ぎず、制限することを意図するものではない。文脈上で特に明記されない限り、本明細書で使用される単数形の「一」、「1つ」及び「前記」は、複数形を含むことも可能である。「含む」、「包含」、「含有」及び「有する」という用語は、包括的なものであるため、記載された特徴、ステップ、操作、素子及び/又はコンポーネントの存在を示すが、1つ又は複数の他の特徴、ステップ、操作、素子、コンポーネント、及び/又はそれらの組み合わせの存在又は追加を排除するわけではない。本明細書に記載される方法ステップ、手順、及び操作は、実行順序が特に明記されない限り、記載又は説明される特定の順序での実行を必然的に要求するものとして解釈するべきではない。更に理解されたいのは、追加的又は代替的なステップが用いられることも可能である。
【0022】
本明細書において、第一、第二などの用語は、複数の素子、コンポーネント、領域、層、及び/又は区域を説明するために使用される場合があるが、これらの素子、コンポーネント、領域、層、及び/又はセクションは、そのような用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、単に、1つの素子、コンポーネント、領域、層、又はセクションを、別の領域、層、又はセクションから区別するためにのみ使用される場合がある。「第一」、「第二」などの用語、及び他の数値的用語は、本明細書で使用する場合、文脈上で明記されない限り、順番又は順序を示唆するものではない。したがって、以下で説明される素子、コンポーネント、領域、層、又はセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第二素子、コンポーネント、領域、層、又はセクションと呼ばれることも可能である。
【0023】
説明を容易にするために、本明細書では、図に示すような1つの素子又は特徴と別の素子又は特徴との相対関係を説明するために、空間的相対関係の用語を使用する場合がある。これらの相対関係の用語は、例えば「内部」、「外部」、「内側」、「外側」、「下」、「下方」、「上」、「上方」、「前端」、「後側」などである。このような空間的相対関係の用語は、図に示される方位の他に、使用又は操作時における装置の様々な方位を包含することを意図するものである。例えば、もし図中の装置が反転された場合、他の素子又は特徴の「下」もしくは「下方」に位置するものとして説明される素子は、それに合わせて、他の素子又は特徴の「上」もしくは「上方」に位置付けられることになる。したがって、例示的用語「・・・の下方に位置する」は、上及び下の方位の両方を含むことが可能である。装置は、他の位置付け(90度回転又は他の方向付け)も可能であり、本明細書で使用される空間的相対関係の記述語は、それに応じて解釈されることになる。
【0024】
本願で披露される端点値の端点及び何れの値についても、その精確な範囲又は値に限定されず、これらの範囲又は値は、かかる範囲又は値に近い値を含むものとして理解されるべきである。数値範囲の場合、各範囲の端点値同士、各範囲の端点値と個別の点値との間、及び個別の点値同士は、互いに組み合わせて1つ又は複数の新しい数値範囲を得ることが可能であり、これらの数値範囲は、本明細書において具体的に開示されたものと見なされるべきである。
【0025】
図1~
図15を参照して、本願に係る多光源治療器1000は、ケースと、ケース内に装着されたメイン制御ボード40と、メイン制御ボード40に電気的に接続された光源2、電源部品、ファン60及び半導体冷却部材80とを含み、前記半導体冷却部材80には、中間の半導体粒子層82と、両端のホット面83及びコールド面81とが含まれ、治療器の前端面には、光出射口が形成されており、前記光源2には、IPL光源20’が含まれ、タングステン光源及び/又はカーボン光源20が更に含まれ、前記光出射口は、ケースの前端内に装着された透明基板12によって形成され、前記半導体冷却部材のコールド面81は、透明基板を冷却するために前記透明基板12に熱伝達的に接続されるか、又は前記透明基板12は、直接に前記半導体冷却部材のコールド面81とされ、前記光源2から発生された光は、光出射口を通った後、肌に作用して美容又は治療処理を行う。
【0026】
本願に係る多光源治療器1000の光源2には、複数タイプの光源が含まれ、複数の光源の1つは、IPL光源であり、タングステン光源及び/又はカーボン光源が更に含まれるが、無論、例えばLED光源等の他の光源との併用も可能であり、対象とされる肌問題に応じて光源を選択して取り合わせる。複数の光源は、光反射部材21内に並んで装着されることが可能であり、並列に設けられてもよく、光源2から発生された光は、光反射部材21による反射後に光出射口へ投射される。理解できるように、本願の複数タイプの光源について、同じタイプの光源には、1つ又は複数の管球又は電球が設計されてもよい。下記実施例では、各々のタイプの光源について、1つの光源ランプ(管球/電球)である例を説明するが、同じタイプの光源となる複数の光源ランプは、必要に応じて直接に並列又は直列に設けられてもよい。
【0027】
そのうち、タングステン光源又はカーボンファイバー光源は、タングステンフィラメント又はカーボンファイバーをランプフィラメント、つまり発光材料としたものであり、ランプフィラメントが透明ランプシェード内に装着され、ランプフィラメントが通電されることで発光する。ランプシェード内は、ランプフィラメントの高温での酸化を防止するために、真空に保たれるか、或いは、低圧の不活性ガス又はハロゲンガスが充填される。タングステン光源又はカーボンファイバー光源の透明ランプシェード内にヨウ素又は臭素等のハロゲンガスが充填されると、ハロゲンランプが得られる(タングステンハロゲンランプとも呼ばれる)。タングステン光源又はカーボンファイバー光源は、白熱ランプ光源に属し、白熱ランプの構造を用いて実現される。
【0028】
タングステンフィラメント及び/又はカーボンファイバーを発光材料であるランプフィラメントとすれば、透明ランプシェード内に一定割合の不活性ガス又はハロゲンガスを充填して光源の寿命を延ばすことが可能であり、ランプ内の気圧、ガスの割合の調整や、電流パルス又は給電電圧の調整等により、タングステンフィラメント及び/又はカーボンファイバー光源のスペクトル分布を変えることが可能である。
【0029】
タングステン光源又はカーボンファイバー光源は、フルスペクトル特性及び常に明るい特性を有する。光源からは、可視光及び不可視光を含むフルスペクトルの光が発生され、フィルタによるフィルタリング後に、肌の美容又は治療のために所定の帯域の光が得られ、例えば、500~600nmの可視光帯域の光であれば、表皮のメラニンを淡色化可能であり、900~2500nmの帯域の近赤外光であれば、真皮層や基底層に直接到達し、コラーゲン再生の促進、基底層の修復等が可能となる。
【0030】
いくつかの実施例において、各光源毎に1つの光反射部材21が対応して設けられてもよく、複数の光源は、複数の光反射部材21に対応し、複数の光反射部材21が互いに接続される。他の実施例では、複数の光源により、1つの光反射部材21が共有される。前記複数の光反射部材21又は1つの光反射部材21には、対応する光源を取り囲んで設けられた弧状面が含まれる。
【0031】
下記実施例は、2つの光源2を例として説明し、一方の光源は、IPL光源20’であり、他方の光源は、タングステン光源20である。
【0032】
図1~
図4に示すように、本願の第一実施例に係る手持ち式多光源治療器1000は、全体として長尺状をなし、機体を手持ちして操作可能である。多光源治療器1000は、ケースを含み、ケースの内部に空洞が形成され、ケースの前端に出光窓が形成されている。ケースは、メイン筐体10と、メイン筐体の前端に接続されたフロントハウジング11と、メイン筐体の後端に接続されたリアハウジング15とを含む。フロントハウジング11に前記出光窓が形成され、出光窓は、透明基板12によって覆い被せられて多光源治療器の前端面の光出射口を形成し、メイン筐体の後端は、リアハウジング15によって覆い被せられる。メイン筐体内には、光源部、電源部品、メイン制御ボード40、ファン60、半導体冷却部材80、放熱部品70等のコンポーネントが装着されている。そのうち、透明基板12は、独立して設けられたものであり、半導体冷却部材80によって透明基板12が冷やされるか、又は、透明基板12が半導体冷却部材の透明基板コールド面とされる。光源部には、光源2が含まれる。
【0033】
メイン筐体10の内部の空洞に口金ホルダ13が装着されており、口金ホルダ13は、光源部を装着するためのものであり、口金ホルダの前端には、多光源治療器の前端面の光出射口に連通する出光通路160が設けられており、出光通路は、口金ホルダ13の前端に装着された鏡面カバー161によって形成され、鏡面カバーは、前後の両端が開口する筒状体であり、光源2から発生された光を光出射口へ導くためには、その内壁が光反射材料とされる。メイン筐体10の内部には、仕切板14が更に装着されており、仕切板14は、メイン筐体の内壁に適合して、メイン筐体の内壁と相対的に密閉された空間を形成してメイン制御ボード40の装着及び保護を図るものである。口金ホルダ13と仕切板14とは、同一コンポーネントであってもよいし、独立して設けられた2つのコンポーネントであってもよい。ケース(メイン筐体10及び/又はフロントハウジング11及び/又はリアハウジング15)における任意の適宜の位置には、多光源治療器の風取込口及び風吹出口として、ケース内の風通路と気流連通して放熱用風通路を形成するいくつかの通風孔101が設けられていてもよい。メイン筐体には、キー群42を装着されるキー孔が設けられている。リアハウジング15には、通電インターフェース41を装着される通し孔が設けられている。
【0034】
光源部は、光源2と、光源が装着される光反射部材21とを含み、光源2には、光反射部材21内に並設されたタングステン光源20及びIPL光源20’が含まれ、2つの光源2から発生された光は、光反射部材21による反射後に光出射口へ投射される。
【0035】
いくつかの実施例において、フィルタ50は、コーティングプロセスによって透明ベースシートの表面にコーティング層を形成したものであってもよく、当該フィルタは、光学コーティングプロセスを用いて作製することが可能である。例示的なコーティングプロセスとしては、例えば蒸着、イオンビームスパッタリング(IBS)、プラズマスパッタリング、原子層堆積(ALD)等である。蒸着プロセスでは、蒸着の際、真空室内のソース材料は、加熱又は電子ビーム射突を受けて蒸発する。蒸気が凝縮して、透明ベースシートの表面に均一なコーティング層が形成される。イオンビームスパッタリング(IBS)プロセスでは、高エネルギー電界でイオンビームを加速可能であり、この加速により、イオンに大きな運動エネルギーが与えられ、ソース材料との衝突の際、イオンビームによってターゲットの原子が「スパッタリング」され、それらのスパッタリングされたターゲットイオン(原子は、イオン化ゾーンの影響を受けてイオンに変化する)も、運動エネルギーを持っており、透明ベースシートの表面に接触した際に緻密な膜を形成することになる。プラズマスパッタリングプロセスは、例えばプラズマスパッタリング及びマグネトロンスパッタリングといった一連の技術の総称であり、プラズマ中のイオンは、加速を経てソース材料内に入射され、緩いエネルギー源イオンと衝突した後、透明ベースシート上にスパッタリングされて均一なフィルタリング膜が形成される。原子層堆積プロセスでは、原子層堆積(ALD)に使用されるソース材料は、そのままガスの形で存在し、高温の真空室において、気相の前駆体は、非重畳パルスを介して伝達し、透明ベースシートの表面に堆積してフィルタリング膜を形成することが可能である。フィルタ50の透明基板は、支持及び透光の作用を果たし、コーティング層によってフィルタリング膜が形成され、複数層のコーティング、複数材料及び複数プロセスによるコーティングとすることで、所定の帯域を通過させるフィルタリング性能が得られるようにしてもよい。
【0036】
いくつかの実施例において、透明ベースシート上に上記のコーティングプロセスでコーティング層が形成され、そのうち、単一区間帯域コーティングによって、単一の区間帯域を通過させるシングルの単一帯域フィルタ、例えば500~1800nm、900~1800nm、500~600nmの帯域を通過させる単一区間フィルタが形成されるか、又は、多区間帯域コーティングによって、複数の帯域を同時に通過させる多帯域フィルタが得られ、例えば両区間帯域コーティングによって、500~600nmの帯域及び900~1800nmの帯域の両方を通過させる両帯域フィルタが得られるか、又は、透明ベースシート上における区画コーティングによって、複数の区画毎に、異なる帯域を通過させる多区画フィルタが得られ、例えば、区画コーティングによって、500~600nmであるA区画と、900~1800nmであるB区画とを有するフィルタが得られる。
【0037】
フィルタ50としては、従来技術のフィルタを使用可能である。異なるフィルタ50を切り替えることで、異なる皮膚問題についての異なる帯域の治療を実現可能である。
【0038】
メイン制御ボード40は、キー群42に電気的に接続され、複数の光源2に電気的に接続され、電源部品に接続される。メイン制御ボードには、通電インターフェース41が接続されている。メイン制御ボード40には、機能的なニーズに応じて、対応する回路及び機能モジュールが設けられており、これらの回路又は機能モジュールは、従来技術を利用したり、市場から対応する電子素子を購入したりすることが可能である。例示的に、メイン制御ボード40には、電源モジュール、複数の制御モジュール、RF/EMS駆動モジュール、温度制御モジュール等が設けられている。
【0039】
電源部品は、電池30及び/又は通電インターフェース41を含む。電池30は、通電インターフェース41を介して充電される充電電池であってもよいし、交換可能な使い捨て電池であってもよく、又は、電池30を設けずに、通電インターフェース41を介して外部電源に直接接続して給電されてもよい。
【0040】
キー群42には、必要に応じて、電源入/切キー、光源制御キー、設定キー、RF/EMSスイッチ等が設けられるが、これらに限定されない。
【0041】
本実施例では、多光源治療器の前端の出光窓内に装着された透明基板12によって光出射口が形成され、半導体冷却部材80によって透明基板12が冷やされる。透明基板12と半導体冷却部材80とは、形状が適合しており、半導体冷却部材80は、透明基板12の周辺で冷却、即ち光出射口の周辺を冷却するものである。透明基板12は、全面が透明な基板であり、肌に接触可能である。
【0042】
半導体冷却部材80は、熱電クーラー(Thermoelectric Cooler、TEC)又はヒートポンプ又はペルチェクーラー(Peltier cooler)とも呼ばれ、中間の半導体粒子層82と、両端のホット面83及びコールド面81とを含み、半導体冷却部材の回路を、メイン制御ボード40又は独立して設けられた制御ボードに設けられた制御モジュールと電気的に接続する一対の正負電極を更に含み、独立した制御ボードは、メイン制御ボード40に電気的に接続可能である。電対粒子層の両端は、コールド端及びホット端であり、コールド面81にコールド端回路が設けられ、ホット面83にホット端回路が設けられており、コールド端回路が半導体粒子層のコールド端に電気的に接続されるとともにホット端回路が半導体粒子層のホット端に電気的に接続されると、半導体冷却部材の内部回路が形成され、通電後にコールド面81とホット面83との間に温度差が形成される。
【0043】
いくつかの実施例において、透明基板12が前記半導体冷却部材のコールド面81とされる場合、透明基板には、1組又は複数組のコールド端回路が設けられており、前記1組又は複数組のコールド端回路は、1組又は複数組の半導体粒子層82のコールド端に対応して溶接されて電気的に接続され、各々の組の半導体粒子層82のホット端は、1つのホット面83であり、ホット面83には、半導体粒子層82のホット端に溶接されて電気的に接続されるホット端回路が設けられており、コールド端回路が電対粒子層のコールド端に電気的に接続されるとともにホット端回路が電対粒子層のホット端に電気的に接続されると、半導体冷却部材80の内部回路が形成され、通電後に透明基板コールド面12/81とホット面83との間に温度差が形成され、透明基板コールド面12/81は、低温であり、冷却用とされ、ホット面83は、高温であり、放熱される必要がある。
【0044】
例示的に、半導体冷却部材80は、全体として環状であり、ホット面83とコールド面81とは、適合した環状基板であり、半導体粒子層82は、それに適合した環状に配列されている。環状の中央の通し孔は、光源2から発生された光を通すためのものである。ホット面83/コールド面82は、伝熱材料で作られた基板又は他のタイプの熱伝達構造部材であり、例えばアルミニウム/銅/グラフェン等の単一伝熱材質で作られたものであってもよいし、迅速に伝熱又は導冷するために、熱管(ヒートパイプ)/ベーパーチャンバー(VC:Vapor Chamber)/ALVC(アルミニウム超伝熱管又はアルミニウム超伝熱板)のような超伝熱管又は超伝熱板等、相変化(蒸発と凝縮)を利用した熱伝達構造部材であってもよい。環状の半導体冷却部材80は、透明基板12の裏面(背面)に設けられ、環状のコールド面82は、透明基板12の周囲を冷却するために透明基板12の縁に密着され、透明基板12の全面が冷やされるようにする。透明基板12は、フロントハウジング11によって係止装着され、半導体冷却部材80も、フロントハウジング11内に装着される。
【0045】
他の代替形態では、
図5を参照して、半導体冷却部材80のコールド面81は、全面が透明な基板であり、この場合、透明基板コールド面81と透明基板12とが併用され、個別に透明基板12を設ける必要がなくなる。透明基板コールド面12/81によってフロントハウジングの出光窓が覆い被せられて光出射口が形成され、半導体冷却部材80は、フロントハウジング11によって係止装着される。透明基板コールド面は、肌に接触可能である。半導体粒子層82及びホット面83は、環状に設けられて透明基板コールド面81の縁における環状帯に溶接されてもよい。
【0046】
メイン筐体10内には、半導体冷却部材80を放熱するための放熱部品70が更に装着されている。放熱部品70は、熱管、ベーパーチャンバー、超伝熱管、超伝熱板、単一伝熱材料で作られた伝熱部材又は放熱フィンのうち、1つ又は複数の組み合わせを含む。例示的に、放熱部品70は、放熱フィン71及び伝熱部材72を含み、伝熱部材72は、ホット面の熱を急速に放熱フィン71に伝達して放熱するために、一端が放熱フィン71に迅速熱伝達的に接続され、他端が半導体冷却部材80のホット面83に迅速熱伝達的に接続される。伝熱部材の両端の形状は、熱が迅速に伝達されるという原則で設計されており、例示的に、その前端が環状に設けられ、環状のホット面83に密着されて最大接触面積で伝熱し、後端が直線ロッドであり、1組の平行な放熱フィン71内に挿入され、放熱フィン71に接触して伝熱する。他の実施例では、前端を折り曲げて、伝熱部材全体をL字状としてもよいし、他の形状としてもよい。伝熱部材72は、熱伝達構造であり、アルミニウム/銅/グラフェン等の単一伝熱材質で作られたものであってもよいし、熱管/ベーパーチャンバーVC/ALVC(アルミニウム超伝熱管又はアルミニウム超伝熱板)のような超伝熱管又は超伝熱板等、相変化(蒸発と凝縮)を利用したコンポーネントであってもよい。風冷放熱し易くするために、1組又は複数組の放熱フィン71は、メイン筐体における通風孔の後方に位置することが好ましい。
【0047】
ファン60は、放熱フィン71の一方側に装着されてもよい。ファン60は、ケースとその内部の回転羽根とを含み、ファンのケースには、いくつかの通風孔が設けられており、通風孔は、ファンの風取込口/風吹出口として、ファンの(軸方向の)上下両面又は側立面のケースに設けられてもよい。
【0048】
本実施例に係る多光源治療器1000には、数対のRF/EMS電極90を含むRF部品又はEMS部品(RF/EMS部品)が更に配置されており、例示的に、RF/EMS電極は、1組の柱状電極であり、透明基板12の周辺及び/又は半導体冷却部材80には、通し孔が対応して設けられており、RF/EMS電極90は、一端が通し孔内に装着され、前端が皮膚に接触するために透明基板12/81の外に露出され、その後端には、メイン制御ボード40又は独立して設けられたRF/EMS制御ボードに電気的に接続される正負電極が形成される。メイン制御ボード40又はRF/EMS制御ボードには、制御モジュール、電源モジュール、RF/EMS駆動モジュール等の機能モジュールが設けられている。RF/EMS制御ボードが独立して設けられる場合、RF/EMS制御ボードがメイン制御ボード40に電気的に接続され、RF/EMS制御ボードの電源モジュールがメイン制御ボード40における電源モジュールによって分流して給電される。他の実施例では、RF/EMS制御ボードは、メイン制御ボード40に統合されてもよく、それに応じて、制御モジュール、電源モジュール、RF/EMS駆動モジュール等の機能モジュールは、メイン制御ボード40に統合される。RF/EMS電極90は、ストライプ状又は柱状又は弧状又は環状又は他の任意の適切な形状であってもよく、RF/EMS電極90は、光出射口に重畳して設けられてもよいし、又は光出射口の周辺に設けられてもよく、一対以上設けられる。各対のRF/EMS電極の後端には、RF/EMS制御ボード又はメイン制御ボードに電気的に接続されるRF/EMS正負極が形成される。RF/EMS制御ボード又はメイン制御ボード40は、電源モジュールを制御して、対応するポジションに必要な電圧をRF/EMS駆動モジュールへ供給させ、RF/EMS駆動モジュールは、昇圧トランスを介してDC電源電圧を高電圧正弦波に変換して出力制御モジュールに与え、出力制御モジュールは、RF/EMS電極90を介してRF/EMS電流を使用者の肌に出力して、皮膚のRF/EMS治療又はRF/EMS美容を行う。RF/EMS電極及びRF/EMSメインボード/メイン制御ボード又はそれに統合された機能モジュールは、従来技術の機種を用いて実現されることが可能である。
【0049】
本実施例では、複数対のRF/EMS電極90は、透明基板12及び半導体冷却部材80に設けられた通し孔内に装着され、透明基板12の外面に電極点が形成され、その正負極がメイン制御ボード40に電気的に接続される。透明基板12と半導体冷却部材80とが密着して装着され、且つ両方ともフロントハウジング11内に装着され、放熱部品70の伝熱部材72の環状の前端が半導体冷却部材80の環状のホット面に当接され、放熱フィン71は、メイン筐体10の通風孔101の後方に装着され、通風孔101は、1組の細い通し孔であり、放熱フィン71と気流連通し、ファン60は、放熱フィン71と上下に設けられてもよく、両者の風通路が気流連通する。光源部は、口金ホルダ13に装着され、メイン筐体10の前端の内部に位置し、2つの光源2には、タングステン光源20及びIPL光源20’が含まれ、2つの光源2は、光反射部材21内に装着され、光反射部材内には、光源を放熱する放熱用風通路が形成されてもよいし、光反射部材の外には、光反射部材を放熱する放熱部材が設けられてもよい。光反射部材21の出口は、フィルタ50によって覆い被せられ、且つその前端が出光通路160となる。メイン筐体の後端の内部には、電池30が装着される。キー群42によって電源が入れられると、2つの光源2がオンされ、2つの光源2から発生された光は、フィルタ50によるフィルタリングを経て所定の帯域が得られ、その後、出光通路160を介して光出射口に投射され、肌に作用してフォトン美容を行う。キー群42によってRF/EMS機能がオンされると、RF/EMS電極90からRF/EMS電流が発生され、肌に作用してRF/EMS理学療法を行う。RF/EMS機能とフォトン美容機能とは、同時にオンされてもよいし、又は択一的にオンされてもよく、複数の光源についても、何れか1つ又は複数の光源が選択的にオンされてもよい。放熱部品70によって半導体冷却部材80のホット面が放熱され、半導体冷却部材80のコールド面によって透明基板12が冷やされ、透明基板12は肌に接触するか、又は半導体冷却部材80の透明基板コールド面は皮膚に接触する。ファン60の作用により、多光源治療器のケースに設けられた通風孔から冷風が吸入され、放熱フィン71及び光源部を風冷放熱する。
【0050】
図6を参照して、本願の第二実施例に係る多光源治療器1000は、RF/EMS部品が設けられず、即ちRF/EMS電極90及びRF/EMS制御ボード(又はメイン制御ボード40には、RF/EMS部品に対応する機能モジュール)が設けられない点で第一実施例と相違している。第二実施例に係る多光源治療器1000における上記実施例と同様の構造及配置については、上記実施例を直接参照されたく、ここで繰り返さない。
【0051】
図7~
図9を参照して、本願の第三実施例に係る多光源治療器1000が第一実施例と相違している点としては、主に、第三実施例において、透明基板12の側面に設けられた1つ又は複数の半導体冷却部材80によって透明基板12が冷やされることにある。透明基板12によって多光源治療器の機体の前端の出光窓が覆い被せられて光出射口が形成される。第一実施例では、半導体冷却部材80が環状であり、透明基板12の背面に貼り付けられ、光出射口の周囲で冷却するのに対して、第三実施例では、1つ又は複数の半導体冷却部材80の形状が透明基板の側面の形状に適合しており、半導体冷却部材80のコールド面82が透明基板12の側面に密着され、緊密に接触して透明基板12を迅速に冷却する。
【0052】
非限定的な例として、透明基板12は直方体であり、半導体冷却部材80は直方体であり、長方形のコールド面81/長方形のホット面83を含み、中間の半導体粒子層は、コールド面全体/ホット面全体の間に配列されてもよい。1つの半導体冷却部材80は、透明基板12の底側面に貼設されるが、周辺の側面である上下左右の4つの表面のうち、1つ又は複数の側面に、1つの半導体冷却部材80をそれぞれ設けて当該側面を冷却てもよい。放熱部品70は、半導体冷却部材80を放熱するためのものである。透明基板12は、第一実施例に対して大きくなっており、口金ホルダの前端には、鏡面カバー161及びその内部の出光通路160が設けられなくてもよく、透明基板12は、フロントハウジング11の出光窓及び口金ホルダの前端によって固定され、その後端がフィルタ50に当接され、且つ両方とも光反射部材の出口を覆い被せて、2つの光源2を光反射部材21内に覆い被せている。
【0053】
フロントハウジング11には、RF/EMS電極90を装着される通し孔が設けられており、数対のRF/EMS電極90は、柱状であり(柱状に限定されない)、フロントハウジング11上の通し孔に挿入され、その前端によって、フロントハウジング11の端面には、肌の表面に作用してRF/EMS理学療法を行う電極点が形成され、その後端がRF/EMS電極の正負極であり、メイン制御ボード40又はRF/EMS制御ボードに電気的に接続される。
【0054】
メイン筐体10内には、半導体冷却部材80を放熱するための放熱部品70が更に装着されている。放熱部品70は、熱管、ベーパーチャンバー、超伝熱管、超伝熱板、単一伝熱材料で作られた伝熱部材又は放熱フィンのうち、1つ又は複数の組み合わせを含む。例示的に、各々のホット面に対応して、放熱するための放熱部品70が設けられており、放熱部品は、完全に独立して設けられてもよいし、共有されてもよい。例えば、各ホット面が1つの伝熱部材72に接続され、各伝熱部材72が1組の放熱フィン71にそれぞれ接続されるか、又は各伝熱部材が同じ組の放熱フィン71に接続され、放熱フィンは、風冷を介して放熱し、風冷放熱については、上記実施例と同じである。上記実施例と同様に、第三実施例に係る多光源治療器1000のケース(メイン筐体10)内には、口金ホルダ13、光源部、電源部品、メイン制御ボード40、ファン60が装着されている。仕切板14によって、メイン筐体の内壁との間には、メイン制御ボード40の装着のために相対的に密閉された空間が形成される。多光源治療器のケースには、風取込口及び風吹出口とされるいくつかの通風孔101が設けられている。多光源治療器1000のケースには、キー群42を装着されるキー孔が設けられている。多光源治療器1000のケース(例えば、リアハウジング15)には、通電インターフェース41を装着される通し孔が設けられている。口金ホルダ13は、光源部を装着するためのものである。2つの光源2は、IPL光源20’及びタングステン光源(又はカーボン光源)20を含み、光反射部材21内に装着され、光反射部材の出口がフィルタ50によって覆い被せられる。メイン制御ボード40は、キー群42に電気的に接続され、2つの光源2に電気的に接続され、電源部品に接続される。メイン制御ボード40には、機能的なニーズに応じて、対応する回路及び機能モジュールが設けられており、例示的に、メイン制御ボード40には、電源モジュール、複数の制御モジュール、RF/EMS駆動モジュール、温度制御モジュール等が設けられている。電源部品は、電池30及び/又は通電インターフェース41を含む。ファン60は、放熱フィン71の一方側に装着されてもよい。ファン60は、ケースとその内部の回転羽根とを含み、ファンのケースには、ファンの風取込口/風吹出口とされるいくつかの通風孔が設けられている。本実施例に係る多光源治療器1000には、数対のRF/EMS電極90を含むRF/EMS部品が更に配置されており、RF/EMS電極90は、メイン制御ボード40又は独立して設けられたRF/EMS制御ボードに電気的に接続される。RF/EMS制御ボード又はメイン制御ボード40には、制御モジュール、電源モジュール、RF/EMS駆動モジュール等の機能モジュールが設けられている。
【0055】
使用の際、キー群42によって電源が入れられると、2つの光源2がオンされ、2つの光源2から発生された光は、フィルタ50によるフィルタリングを経て所定の帯域が得られ、その後、透明基板12を通って肌に作用してフォトン美容を行う。キー群42によってRF/EMS機能がオンされると、RF/EMS電極90によって多光源治療器の前端面に形成された電極点からは、RF/EMS電流が発生られ、肌に作用してRF/EMS理学療法を行う。RF/EMS機能とフォトン美容機能とは、同時にオンされてもよいし、又は択一的にオンされてもよい。放熱部品70によって半導体冷却部材80が放熱され、半導体冷却部材80のコールド面によって透明基板12が冷やされ、透明基板12は、肌に接触して氷湿布又は予冷を形成する。多光源治療器のケース上の通風孔からは、冷風が吸入されて内部に進入し、放熱フィン71及び光源部を風冷放熱し、ファン60によって、気流の運動が強化され、放熱速度が促進される。
【0056】
図10を参照して、第四実施例に係る多光源治療器1000は、第三実施例に基づくものであり、RF/EMS部品が設けられず、即ち、RF/EMS電極90及びRF/EMS制御ボード(又はメイン制御ボード40には、RF/EMS部品に対応する機能モジュール)が設けられず、フロントハウジング11には、RF/EMS電極90を装着される通し孔が設けられない。キー群42によって電源が入れられると、2つの光源2がオンされ、2つの光源2から発生された光は、フィルタ50によるフィルタリングを経て所定の帯域が得られ、その後、出光通路160を介して光出射口に投射され、肌に作用してフォトン美容を行う。他の構造は、第三実施例と同じであり、ここで繰り返さない。
【0057】
図11~
図12を参照して、本願の第五実施例に係る多光源治療器1000は、切り替え可能なフィルタ50が配置され、多光源治療器のケース(メイン筐体10)の側面にてフィルタ50を抜き差しにより交換可能である点で第一実施例と相違している。具体的に、多光源治療器のケース(メイン筐体10)には、フィルタ50に対応してフィルタ用の挿脱口16が設けられている。フィルタ50は、ホルダ51によって固定され、フィルタ50及びホルダ51の形状は、挿脱口16に適合しており、フィルタ50は、挿脱口16から挿抜され、ホルダ51は、操作を容易にするために、一端が挿脱口16に挿入されて外向きに突き出している。フィルタ50は、挿脱口16から多光源治療器のケース内に挿入されて光反射部材21の出口に位置し、2つの光源2を光反射部材内に覆い被せている。多光源治療器1000には、異なる肌問題に対して、対応する帯域のフィルタの選択及び切り替え使用を可能にするために、異なる帯域を有する複数枚のフィルタ50が備えられてもよい。例示的に、複数枚のフィルタ50には、近赤外光を透過できる一方で不可視光を透過できないNIRフィルタが含まれる。複数枚のフィルタ50には、例えば500~600nm又は500~650nmのような単一の区間帯域を通過させることが可能な精密光フィルタが含まれてもよく、同一コーティング領域に例えば500~600及び900~1900nmのような2つ又は2つ以上の帯域が同時に現れる多帯域フィルタが用いられてもよく、こうすれば、肌に作用する光波として、2つ以上の帯域のものが得られる。
【0058】
第一実施例と同様に、第五実施例に係る多光源治療器1000は、ケースを含み、その内部には、空洞が形成されているとともに、口金ホルダ13、光源部、電源部品、メイン制御ボード40、ファン60、半導体冷却部材80、放熱部品70が装着されている。半導体冷却部材80によって透明基板12が冷やされるか、又は、透明基板12が半導体冷却部材の透明基板コールド面81とされる。本実施例に係る多光源治療器1000には、RF/EMS部品が更に配置されている。第五実施例に係る多光源治療器1000における第一実施例又は上記他の実施例と同様の構造及び作動原理については、そのまま援用できるため、ここで繰り返さない。
【0059】
図13を参照して、多光源治療器100は、フィルタ50の切り替えを実現するために電動方式を用いており、例示的に、口金ホルダには、モータ52及びスクリュー部品が装着され、スクリュー部品は、スクリュー53及びナット接続部材54を含む。モータの出力軸がスクリュー53と軸結合されて同期回動する。スクリュー53がナット接続部材54のネジ孔内に挿入されて互いに螺合され、ナット接続部材54の一端がフィルタホルダ51に接続される。複数枚のフィルタ50同士は互いに接続され、ソフト接続とされてもよく、
図13に示す方向としては、フィルタAとフィルタBとが上下に接続され(又は多区画フィルタのA区画及びB区画とされる)、フィルタホルダ51によって何れか1枚のフィルタ50がクランプ固定される。モータ52の正逆回転により、スクリュー53が正逆回転するように駆動されることで、ナット接続部材54は、スクリュー53に沿って直線往復移動(図に示す方向に沿て上下移動)され、ナット接続部材54により、フィルタホルダ51及び複数枚のフィルタ50が直線往復運動(上下移動)されて、(上下の)異なるフィルタ又は異なる区画が出光通路内又は光反射部材の出口に切り替えられるようになる。2つの光源2から発された光波は、フィルタ50によるフィルタリング後に光出射口へ投射され、透明基板の外の肌に作用する。モータ52は、メイン制御ボード40に電気的に接続される。
【0060】
他の実施例では、モータスクリュー部品が電磁石に置き換えられてもよく、電磁石の出力軸の伸縮により、フィルタホルダ51及び複数枚のフィルタ50が上下移動される。電磁石は、メイン制御ボード40に電気的に接続される。
【0061】
第一~第四実施例に係る多光源治療器1000の何れも、
図11~
図13の対応する実施例の形態を用いて、異なるフィルタ50を出光通路又は光反射部材の出口に切り替えて、異なる帯域のフィルタ50の切り替えを実現することが可能である。例えば、メイン筐体10に挿脱口16を設け、挿脱口16からフィルタ50を出光通路又は光反射部材の出口位置に挿入し、挿脱口16からフィルタを抜去して他のフィルタを挿入するように切り替えるか、又は、口金ホルダに電動ドライバを装着し、当該電動ドライバにより、フィルタホルダ51に装着された複数枚の異なるフィルタ50を出光通路内又は光反射部材の出口に移動させる。
【0062】
上記各実施例に係る多光源治療器1000において、光源は、タングステン光源又はカーボン光源であり、赤外線加熱が可能となる。透明基板は、サファイア、石英、K9、ガラス、透明プラスチック又は他の適切な透光材質であってもよく、透明結晶であることが好ましい。
【0063】
上記各実施例に係る治療器1000は、複数の光源2を用いており、その中で、タングステン光源及び/又はカーボン光源20により、赤外線加熱が可能となり、そのスペクトルの連続性が良好であり、スペクトルが広く(300~2500nmに及ぶ)、且つ近赤外スペクトルも多い。複数の光源2の中のIPL光源20’は、強いパルス光であり、発光時間が短く、ピーク光エネルギーが高く、光エネルギーを受けた皮膚から生じる光化学反応が速く、皮膚の温度を瞬時に高めることができる一方で、スペクトルの連続性が悪く、近赤外スペクトルが少い。2種類の光源を組み合わせたことによる長所は、以下の通りである。
1)スペクトルの相互補完:同じ区間のスペクトル帯域値が多くなり、両者は、スペクトル値が相互補完されている。
2)長所の相互補完:同じ帯域区間では、タングステン光源及び/又はカーボン光源20の安定した帯域を利用して皮膚を予熱することで、皮膚の基礎温度が高められ、IPLの光エネルギーの損失が低減される一方で、IPLにより、強いパルス光の瞬時的な光エネルギーが昇温後の皮膚に作用され、この形態によれば、同等な治療効果を達成しながら、IPL光源のエネルギーを低減し、IPL光源の発光速度を向上させることができ、高エネルギーのIPL光源による衝撃が低減され、より速く、より優しく、より安全で、より効果的な治療目的が達成される。
【0064】
3)美容と他の皮膚疾患の治療範囲の強化:タングステン光源及び/又はカーボン光源の近赤外スペクトルの900~2500nmの帯域が皮膚の内部の水分子と共振することで(各主要医学ジャーナル/論文/雑誌/臨床レポートにより、当該近赤外帯域と水分子との間の作用が既に確認されている)、その底層の皮膚を昇温させると同時に、冷却し、温度制御手段と協働して、外側の皮膚を冷たくして内側の皮膚を熱くし、更にIPL光源の瞬時的な光化学的熱エネルギーによる衝撃を加えて、より快適な体感及びより良好な治療効果が実現される。
【0065】
理解できるように、本願に係る治療器1000は、使用の際、複数の光源を選択して同時にオンしてもよいし、何れか1つの光源を択一的に使用してもよい。
【0066】
図14を参照して、上記各実施例に係る多光源治療器1000は、そのRF/EMS電極90が、付属ヘッドの形態で多光源治療器1000の前端に装着されてもよく、RF/EMS電極付属ヘッドは、ケース91を含み、ケース91には、通し孔又は装着溝が設けられており、いくつかのRF/EMS電極90は、通し孔又は装着溝内に装着され、その前端が、肌に接触するために付属ヘッドケースの前端面に露出され、その後端が、インターフェース又は電線を介して多光源治療器1000内部のRF/EMS回路ボード又はメイン制御ボード40に電気的に接続される。付属ヘッドは、差込み接続又はスナップフィットの方式で、多光源治療器1000の前端に接続される。付属ヘッドのケースの前端面は、透明材質又は不透明材質であってもよく、透明材質の場合、付属ヘッドが多光源治療器1000に接続されると、フォトン美容及びRF/EMS処理を同時に実現可能であり、不透明材質の場合、RF/EMS処理のみをオンすることが可能である。多光源治療器1000による交換使用のために、複数の付属ヘッドが配置されてもよい。
【0067】
図15の概略図を参照して、本願に係る治療器の放熱系の一実施例が示されている。放熱系は、ファン60及び放熱用風通路からなり、ファン60は、半導体冷却部材80の放熱部品70及び光源部を同時に放熱するためのものである。図中の矢印線は、放熱用風通路の気流方向である。多光源治療器の前端面の光出射口の矢印は、光照射方向を示す。
【0068】
本実施例では、ファン60は、(軸方向の)上下両側に気流を同時に流入/流出させることが可能であり、一方の気流は光源部を流れ、他方の気流は放熱部品70(放熱フィン71)を流れる。多光源治療器のケースの前端に設けられた通風口101は、光源部の風取込口として、光源部の風通路と、ファン60と、多光源治療器のケースに設けられた他の通風口101、例えばケースの後端の通風口(風吹出口とされる)と気流連通して、光源部の放熱のための第一放熱用風通路を形成する。第一放熱用風通路は、光反射部材21の内部の空間と気流連通することが可能であり、光反射部材の両端には、風取込口及び風吹出口として通風口が形成されてもよく、又は、第一放熱用風通路は、光反射部材21の外壁の表面の空間と気流連通して光反射部材を放熱してもよく、又は、光反射部材の外壁(又は背面)には、光源部放熱部材(放熱部材は、熱管、ベーパーチャンバー、超伝熱管、超伝熱板、単一伝熱材料で作られた伝熱部材又は放熱フィンのうち、1つ又は複数の組み合わせを含み得る)が更に設けられていてもよく、こうすれば、光反射部材との間の熱伝達が迅速となり、第一放熱用風通路が光源部の放熱部材と気流連通して、ファン放熱部材を風冷放熱する。ファンの軸方向の上側及び下側には、通風口が形成され、ファンの側立面のケース(回転羽根の外部)には、通風口が設けられており、そのうち、ファンの上側の通風口は、風取込口として光源部の風通路と気流連通し、側立面のケース上の通風口は、風吹出口としてスキンケア機器のケースの後端の風吹出口と気流連通する。第一放熱用風通路の放熱原理としては、ファン60がオンされると、周囲空気が加速されてケースの前端の通風口101から多光源治療器の機体内に進入し、口金ホルダに導流通路が形成されており、当該導流通路により、空気が光源部(例えば、光反射部材の内部又は光反射部材の外壁の表面の空間又は光反射部材の背面の放熱部材の風通路)に導入されて光源部の熱を吸収して熱風に変化し、熱風がファン60上側面の通風口61からファンのケース内の空間に進入した後、側立面のケース上の通風口62から、多光源治療器のケースの後端に設けられた通風口(風吹出口)に流れて多光源治療器の機体の外部に排出されることで、光源部の風冷放熱が実現される。
【0069】
多光源治療器のケースにおける放熱部品70の放熱フィン71に対応する位置の通風口101(風取込口とされる)と、放熱フィン71の風通路と、ファンの下側の通風口と、ファンの側立面のケース上の通風口と、多光源治療器のケースの後端の通風口(風吹出口とされる)との間の気流連通により、半導体冷却部材80の放熱部品70の放熱のための第二放熱用風通路が形成される。第二放熱用風通路の放熱原理としては、ファン60がオンされると、周囲空気が加速されてケースの通風口101から機体(多光源治療器のケース)内の放熱フィン71の風通路に進入して放熱フィンの熱を吸収して熱風に変化し、熱風がファン60下側面の通風口からファンのケース内の空間に進入した後、側立面のケースの通風口から、多光源治療器のケースの後端に設けられた通風口(風吹出口)に流れて多光源治療器の機体の外部に排出されることで、半導体冷却部材の放熱部品70の風冷放熱が実現される。
【0070】
他の実施例では、多光源治療器のケースの風吹出口は、メイン筐体10の側面に設けられ、ファンの側立面のケース上の通風口(風吹出口)62は、熱風を排出するために、口金ホルダに設けられた導流通路を介して多光源治療器のケースの風吹出口と気流連通する。
【0071】
他の実施例では、ファン60は、片面(下側面)で気流を吸入又は排出させるものである。放熱原理としては、ファンの吸気又は排気作用により、周囲空気が多光源治療器のケース上の通風口(吸気口とされる)101から進入し、気流が半導体冷却部材の放熱部品70(放熱フィン71)を経た後、ファンの下側面に設けられた通風口61からファンの内部に流入し、次に、ファンの側立面に設けられた通風口(風吹出口とされる)62から光源部に流れて光源部を放熱し、その後、多光源治療器のケースに設けられた風吹出口(ケースの前端における光源部品に対応する位置に設けられた通風口101が風吹出口とされる)から多光源治療器のケース外に流出することで、半導体冷却部材80及び光源部の風冷放熱用風通路が形成されて、放熱フィン71及び光源部が順次に放熱される。
【0072】
上記多光源治療器の放熱系の各実施例では、気流が多光源治療器のケース上の通風口(風取込口とされる)101から半導体冷却部材の放熱部品70/光源部、ファン60に流入し、次に、多光源治療器のケース上の通風口(風吹出口とされる)101を介して流出することで、放熱用風通路が形成され、半導体冷却部材の放熱部品70及び光源部が風冷放熱され、気流が半導体冷却部材の放熱部品70/光源部、ファン60に流入する位置順序は、上記各実施例の方法における位置順序を含むが、これらに限定されない。
【0073】
図16~
図18を参照して、上記各実施例に係る多光源治療器1000について、その半導体冷却部材80の放熱部品70及びファン60の設置に係る複数の実施例が示されている。
図16に示すように、放熱部品70は、放熱フィン71及び伝熱部材72を含み、伝熱部材72は、一端(凝縮端)が放熱フィン71に迅速熱伝達的に接続され、他端(蒸発端)が半導体冷却部材80のホット面83に迅速熱伝達的に接続されるか、又は、伝熱部材(蒸発端)72の表面によってホット面83が直接形成され、即ち、ホット端回路は、ホット面の熱を急速に放熱フィン71に伝達して放熱するために、半導体粒子層82に溶接されて電気的に接続されるように設けられる。ファン60は、放熱フィン71の一方側に装着されてもよい。伝熱部材72は、アルミニウム/銅/グラフェン等の単一伝熱材質で作られた伝熱構造であってもよいし、熱管/ベーパーチャンバーVC/ALVC(アルミニウム超伝熱管又はアルミニウム超伝熱板)のような超伝熱管又は超伝熱板等、相変化(蒸発と凝縮)を利用したコンポーネントであってもよい。
【0074】
図17に示す放熱部品には、伝熱部材72のみが設けられ、放熱フィン71が設けられない。伝熱部材ガイドピース72の一端(蒸発端)が半導体冷却部材80のホット面83に迅速熱伝達的に接続されるか、又は、伝熱部材(蒸発端)の表面によってホット面83が直接形成され、即ち、ホット端回路は、半導体粒子層82に溶接されて電気的に接続されるように設けられる。伝熱部材72(凝縮端)は、ファン60のケースに接続されるか又は一体構造とされ、或いは、伝熱部材72(凝縮端)は、ファン60の通風口に位置する。
【0075】
図18に示すように、放熱部品70は、放熱フィン71及び伝熱部材72を含む。伝熱部材72の一端(蒸発端)が半導体冷却部材80のホット面83に迅速熱伝達的に接続されるか、又は、伝熱部材(蒸発端)の表面によってホット面83が直接形成され、即ち、ホット端回路は、ホット面の熱を急速に放熱フィン71に伝達して放熱するために、半導体粒子層82に溶接されて電気的に接続されるように設けられる。伝熱部材72の他端(凝縮端)が放熱フィン71に迅速熱伝達的に接続され、放熱フィン71には、孔又は溝710が設けられており、孔又は溝710は、ファン60の通風口に位置して気流連通する。
【0076】
本願の上記各実施例における半導体冷却部材80は、内蔵又は外付けの温度センサであってもよく、温度センサは、メイン制御ボード4又は独立した制御回路ボードに接続されて、コールド面又はホット面の温度を制御するものである。半導体粒子層82は、交互のp型及びn型の半導体粒子が互いに平行に配置されて電気的に直列されることで形成され、p型及びn型の半導体粒子の両端に形成されたホット面83及びコールド面81は、伝熱材料の基板であり、例えばセラミック/アルミニウム/銅/透明基板等の単一伝熱材料であってもよく、例えば熱管、ベーパーチャンバー、ALVCのような超伝熱管又は超伝熱板等の熱伝達構造部材であってもよい。温度センサは、NTCセンサであってもよい。
【0077】
いくつかの実施例として、
図19~
図27を参照して、半導体冷却部材80には、内蔵温度センサが用いられる。温度センサは、中間の半導体粒子層82に位置し、半導体冷却部材80のホット面83/コールド面81に密着され、冷却部材のコールド面81/ホット面83の温度を直接に検出するものである。
【0078】
図19に示す実施例における半導体冷却部材80は、コールド面81の全体により、全面冷却が形成され、ホット面83の全体により、全面暖めが形成され、半導体電対粒子は、コールド面81及びホット面83の内側の表面に敷設又はほぼ敷設され、コールド面81とホット面83とは、形状が適合しており、半導体粒子層82及び温度センサ85は、コールド面とホット面との間に位置する。温度センサ85がホット面83又はコールド面81に密着される。温度センサ85の正負極86及び半導体粒子層82の正負極84は、制御ユニット(メイン制御ボード40又は独立した制御回路ボードに設けられている)に電気的に接続されるように半導体冷却部材80の外に伸出している。
図20に示すのは、上記各実施例における透明基板12の片側が半導体冷却部材80に結合され、コールド面81の全面が透明基板12の側面に密着されて透明基板を冷却するものであり、上記
図7~
図9に示す本願の第三実施例に係る多光源治療器1000に適用可能である。
図21に示すのは、透明基板12の両側の各々が半分の導体冷却部材80に結合され、両側で透明基板を冷却するものである。半導体冷却部材80のホット面83が放熱部品70に接続され、放熱部品70によって放熱される。
【0079】
図22に示す実施例では、透明基板12と半導体冷却部材のコールド面81とが1つに合体され、即ち、半導体冷却部材80のコールド面としては、透明基板が用いられ、透明基板コールド面が多光源治療器のケースの前端の出光窓に装着されて光出射口を形成し、複数の光源2から発生された光は、透明基板コールド面を通って肌の表面に作用し、透明基板コールド面12/81は、皮膚に直接接触可能である。
図22では、半導体冷却部材が1つであり、
図23では、半導体冷却部材が2つであり、透明基板は、共通のコールド面として、両側面の各々で1組の半導体粒子層82及びホット面83に接続され、ホット面83は、伝熱材料基板である。透明基板の対応する表面には、対応する半導体粒子層82に溶接されて電気的に接続されるコールド端回路(例えば、導体)が設けられている。
【0080】
図24に示す実施例における半導体冷却部材80は、中間の半導体粒子層82と、両端のホット面83及びコールド面81とを含み、半導体冷却部材80には、温度センサ85が内蔵される。本実施例では、半導体冷却部材80の内部の半導体粒子層82が環状帯として配設され、中央の内部領域には、p型及びn型の半導体が設けられずに空き領域が形成されている。コールド面81/ホット面83には、半導体粒子層82に対応する環状領域が含まれる。コールド面81/ホット面83の中央領域は通し孔であり、半導体粒子層82の空き領域とともに環状の出光領域を形成し、複数の光源2から発生された光は、出光領域を通って透明基板12に投射される。半導体粒子層82及び温度センサ85位于コールド面与ホット面之間。
図19及び
図24に示す例では、温度センサ85がホット面83に密着されているが、無論、コールド面81に密着されてもよい。温度センサ85の正負極86及び半導体粒子層82の正負極84は、制御ユニット(メイン制御ボード40又は独立した制御回路ボードに設けられている)に電気的に接続されるように、半導体冷却部材80の外に伸出している。他の実施例では、コールド面81/ホット面83の一方には、通し孔が対応して形成され、他方の基板が透明基板である(例えば、透明基板とされる)か、又は、コールド面基板/ホット面基板の両方が透明基板である(例えば、透明基板とされる)。半導体冷却部材80には、出光領域が形成されている。温度センサ85は、ホット面83又はコールド面81に密着される。温度センサ85の正負極86及び半導体粒子層82の正負極84は、半導体冷却部材80の外に伸出している。
【0081】
半導体冷却部材80の作動原理としては、温度センサ85がコールド面81又はホット面83の温度データを検出して温度データを制御ユニットに伝送し、制御ユニットが温度データ分析及び所定の温度区間の要件を通じて、半導体冷却部材の制御信号を出力するように制御することで、半導体冷却部材80の給電動作を制御し、半導体冷却部材が順方向給電されると冷却、逆方向給電されると暖めるという特性を利用して、Hブリッジ駆動により半導体冷却部材80に順方向給電又は逆方向給電して、半導体冷却部材80の作動状態を調整し、温度が精密に所望の温度区間に一定とされることを実現する。独立した制御回路ボードを設けて、半導体冷却部材80の作動を制御してもよい。温度センサ85の数については、半導体冷却部材の面積及び形状に応じて、1つ又は1つ以上設けられてもよい。
【0082】
温度センサモジュールは、外付けのものである場合、被伝導部材に密着されて温度を検出することが可能であり、例えば、温度センサモジュールは、透明基板12に密着され、温度情報を検出して制御ユニットに伝送し、所定の温度との比較した後、半導体冷却部材の正負極の電力供給が制御される。
【0083】
図25に示すのは、透明基板12と、
図24に示す環状の内部に形成された出光領域を有する半導体冷却部材80とを組み合わせたものであり、半導体冷却部材が透明基板12の背面に密着されて、透明基板の環状の周辺の全体を冷却することで、透明基板12の全面が冷やされる。
【0084】
図26に示す実施例では、透明基板12と半導体冷却部材80とが1つに合体され、即ち、半導体冷却部材80のコールド面としては、透明基板が用いられ、透明基板コールド面によって光出射口が形成され、複数の光源2から発生された光は、透明基板コールド面を通って肌の表面に作用し、透明基板コールド面12/81は、皮膚に直接接触可能である。透明基板の対応する表面には、対応する半導体粒子層82に溶接されて電気的に接続されるコールド端回路(例えば、導体)が設けられている。半導体粒子層82及びホット面83は、環状であり、ホット面83は、伝熱材料基板である。
【0085】
図27に示す実施例では、透明基板12と半導体冷却部材80とが1つに合体され、即ち、半導体冷却部材80のコールド面には、透明基板が用いられ、透明基板コールド面によって光出射口が形成され、複数の光源2から発生された光は、透明基板コールド面を通って肌の表面に作用し、透明基板コールド面12/81は、皮膚に直接接触可能である。透明基板の対応する表面には、対応する半導体粒子層82に溶接されて電気的に接続されるコールド端回路(例えば、導体)が設けられている。半導体粒子層82及びホット面83は、環状であr、ホット面83としては、例えば熱管、VC、銅ブロック、ALVCのような超伝熱管又は超伝熱板といった放熱部材の表面がそのまま用いられ、半導体粒子層82に溶接されて電気的に接続されるホット端回路(導体)がその表面に形成されてもよい。
【0086】
図24~
図27の半導体冷却部材80は、
図1~
図6及び
図10~
図13に示す各実施例に係る多光源治療器1000に適用可能であり、透明基板12を冷却するために使用されるか、又は、透明基板12と1つに合体される。
【0087】
本願の上記各実施例に係る治療器1000は、下記の1つの機能又は複数の連携した機能を有する。
1、多光源の長所:
強いパルス光:発光時間が短く、ピーク光エネルギーが高く、光エネルギーを受けた皮膚から生じる光化学反応が速く、皮膚の温度を瞬時に高めることができる一方で、スペクトルの連続性が悪く、近赤外スペクトルが少い。
タングステンフィラメント又はカーボン光源:そのスペクトルの連続性が良好であり、スペクトルが広く(300~2500nmに及ぶ)、且つ近赤外スペクトルも多い。
2種類の光源を組み合わせたことによる長所は、以下の通りである。
1)スペクトルの相互補完:同じ区間のスペクトル帯域値が多くなり、両者は、スペクトル値が相互補完されている。
2)長所の相互補完:同じ帯域区間では、タングステン光源及び/又はカーボン光源の安定した帯域を利用して皮膚を予熱することで、皮膚の基礎温度が高められ、IPLの光エネルギーの損失が低減される一方で、IPLにより、強いパルス光の瞬時的な光エネルギーが昇温後の皮膚に作用され、この形態によれば、同等な治療効果を達成しながら、IPL光源のエネルギーを低減し、IPL光源の発光速度を向上させることができ、高エネルギーのIPL光源による衝撃が低減され、より速く、より優しく、より安全で、より効果的な治療目的が達成される。
3)美容と他の皮膚疾患の治療範囲の強化:タングステン光源及び/又はカーボン光源の近赤外スペクトルの900~2500nmの帯域が皮膚の内部の水分子と共振することで(各主要医学ジャーナル/論文/雑誌/臨床レポートにより、当該近赤外帯域と水分子との間の作用が既に確認されている)、その底層の皮膚を昇温させると同時に、冷却し、温度制御手段と協働して、外側の皮膚を冷たくして内側の皮膚を熱くし、更にIPL光源の瞬時的な光化学的熱エネルギーによる衝撃を加えて、より快適な体感及びより良好な治療効果が実現される。
2、定温:半導体冷却部材80の温度制御により、治療の際、異なる帯域の治療パワーに応じて、冷却部材に内蔵の温度制御技術を通じて治療面を特定の温度区間に精密に制御可能である。
3、RF/EMS部品:光電複合治療及び美容によれば、RFは、真皮層の瞬時温度を加速させて、タングステン光源及び/又はカーボン光源の近赤外帯域の光波を組み合わせた処理を支援し、その効用を効果的に向上させ、EMS生体電流は、タングステン光源及び/又はカーボン光源の近赤外線による真皮層、筋肉の筋膜層への処理を支援することができる。
【0088】
4、フィルタ50:手動又は電動でフィルタを切り替えて、異なる皮膚問題を対象とした精密な処理を実現することができる。
【0089】
本願の実施例を示して説明したが、当業者であれば理解できるように、本願の原理及び精神を逸脱することなく、これらの実施例に対する様々な変化、変更、置換及び変形が可能である。本願の保護範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等範囲によって定められる。
【符号の説明】
【0090】
2 光源
4 メイン制御ボード
10 メイン筐体
11 フロントハウジング
12 透明基板
13 口金ホルダ
14 仕切板
15 リアハウジング
16 挿脱口
20,20’ 光源
21 光反射部材
30 電池
40 メイン制御ボード
41 通電インターフェース
50 フィルタ
51 ホルダ
52 モータ
53 スクリュー
54 ナット接続部材
60 ファン
61,62 通風口
70 放熱部品
71 放熱フィン
72 伝熱部材
80 半導体冷却部材
81 コールド面
82 半導体粒子層
83 ホット面
84,86 正負極
85 温度センサ
90 電極
91 ケース
101 通風孔
160 出光通路
161 鏡面カバー
1000 多光源治療器
【手続補正書】
【提出日】2024-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、ケース内に装着されたメイン制御ボードと、メイン制御ボードに電気的に接続された光源、電源部品、ファン及び半導体冷却部材とを含み、前記半導体冷却部材には、中間の半導体粒子層と、両端のホット面及びコールド面とが含まれる多光源治療器であって、その前端面には、光出射口が形成されている多光源治療器において、
前記光源には、IPL光源と、タングステン光源又はカーボン光源とからなる2つの光源が更に含まれ、前記2つの光源は光出射方向と直交する方向に並んでおり、
前記光出射口は、ケースの前端内に装着された透明基板によって形成され、前記半導体冷却部材のコールド面は、透明基板を冷却するために前記透明基板に熱伝達的に接続されるか、又は前記透明基板は、直接に前記半導体冷却部材のコールド面とされ、
前記光源から発生された光は、光出射口を通った後、肌に作用して美容又は治療処理を行い、
多光源治療器のケースにおける前記2つの光源を挟んで対向する上側の面及び下側の面のうち下側の面における前記光源の近傍に風取込口が形成されており、
多光源治療器のケース内における前記2つの光源から見て光出射方向の反対側に、箱状のケースとこのケース内のファンとがあり、
前記ファンのケースにおける上側の面に通風孔が設けられるとともに前記ファンのケースにおける後側の面に風吹出口があり、
前記風取込口から、前記2つの光源と前記ファンのケースにおける前側の面との間の隙間を経由し、前記通風孔から前記ファンのケース内に入り、前記風吹出口を介して前記ファンのケース外に至る放熱用風通路が形成される
ことを特徴とする多光源治療器。
【請求項2】
前記半導体冷却部材は、環状であり、前記透明基板の背面に貼り付けられ、光出射口の周辺を冷却するように形成され、半導体冷却部材の環状の中央領域は、光源から発生された光を通すための通し孔であり、前記透明基板の正面は、肌に接触するか、或いは、1つ又は複数の半導体冷却部材は、光出射口の側面で冷却するために前記透明基板の周辺の1つ又は複数の側面に貼り付けられ、
電対粒子層の両端は、コールド端及びホット端であり、前記透明基板が前記半導体冷却部材のコールド面とされる場合、透明基板には、1組又は複数組のコールド端回路が設けられており、前記1組又は複数組のコールド端回路は、1組又は複数組の半導体粒子層のコールド端に対応して溶接されて電気的に接続され、各々の組の半導体粒子層のホット端は、ホット面であり、ホット面には、半導体粒子層のホット端に溶接されて電気的に接続されるホット端回路が設けられており、前記コールド端回路が電対粒子層のコールド端に電気的に接続されるとともに前記ホット端回路が電対粒子層のホット端に電気的に接続されると、半導体冷却部材の内部回路が形成され、内部回路は、正負極を介して制御ユニットに電気的に接続され、回路が導通されると、透明基板コールド面とホット面との間に温度差が形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の多光源治療器。
【請求項3】
前記半導体冷却部材には、温度センサが内蔵されており、温度センサは、中間の半導体粒子層に位置し、前記ホット面又はコールド面に密着され、コールド面又はホット面の温度を直接に検出するものであり、温度センサの正負極及び半導体粒子層の正負極は、制御ユニットに電気的に接続されるように半導体冷却部材の外に伸出しており、制御ユニットは、コールド面又はホット面の温度を所定の温度区間に一定とするように制御するために、前記メイン制御ボード又は独立した制御ボードに設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の多光源治療器。
【請求項4】
前記半導体冷却部材のホット面は、熱管、ベーパーチャンバー、又は単一伝熱材料で作られた伝熱基板のうち、1つ又は複数の組み合わせであり、
前記半導体冷却部材のホット面は、放熱部品に迅速熱伝達的に接続され、
前記放熱部品は、熱管、ベーパーチャンバー、単一伝熱材料の伝熱構造又は放熱フィンのうち、1つ又は複数の組み合わせを含み、
前記光源は、光反射部材内に装着され、
前記光反射部材には、放熱部材が設けられており、前記放熱部材は、放熱フィン、熱管、ベーパーチャンバー、又は単一伝熱材質で作られた伝熱素子の中から選択された1つ又は複数の組み合わせである、ことを特徴とする請求項1に記載の多光源治療器。
【請求項5】
前記光源と光出射口との間には、フィルタが装着されており、光源から発生された光は、フィルタによるフィルタリング後に光出射口へ投射され、
前記フィルタは、透明ベースシートと、透明ベースシート上におけるコーティング層とを含み、
単一区間帯域コーティングによって、単一の区間帯域を通過させる前記フィルタが形成されるか、又は、多区間帯域コーティングによって、複数の帯域を同時に通過させる前記フィルタが得られるか、又は、同一透明ベースシート上における区画コーティングによって、複数の区画毎に、異なる帯域を通過させるフィルタが得られる、ことを特徴とする請求項1に記載の多光源治療器。
【請求項6】
前記多光源治療器には、複数枚のフィルタが配置されるか、又は複数の区画を有するフィルタが配置されており、前記複数枚のフィルタ又は複数の区画は、異なる帯域の光を通過させ、
前記複数枚のフィルタは、それぞれ光源と光出射口との間へ切り替え可能であるか、又は、前記フィルタの複数の区画は、それぞれ光源と光出射口との間へ切り替え可能であり、
手動又は電動方式によって、複数枚のフィルタ間又は複数の区画間の切り替え使用が実現される、ことを特徴とする請求項5に記載の多光源治療器。
【請求項7】
前記治療器のケースには、挿脱口が設けられており、挿脱口は、光源と光出射口との間に位置し、前記挿脱口を介してフィルタが挿入又は抜去されることで、複数枚のフィルタ間の切り替え使用が実現される、ことを特徴とする請求項6に記載の多光源治療器。
【請求項8】
前記治療器のケース内には、モータ、スクリュー及びナット接続部材が装着されており、モータの出力軸がスクリューと軸結合されて同期回動し、スクリューとナット接続部材とが互いに螺合され、ナット接続部材がフィルタに接続され、
複数枚のフィルタ同士は、互いに接続されており、
スクリューの回動によってナット接続部材が直線往復移動されることで、複数枚のフィルタ同士又は多区画フィルタの複数の区画同士が移動されて切り替えられて、異なるフィルタ又はフィルタの異なる区画が光源と光出射口との間へ切り替えられるようになる、ことを特徴とする請求項6に記載の多光源治療器。
【請求項9】
前記多光源治療器は、RF部品又はEMS部品を含み、前記RF部品又はEMS部品は、RF電極又はEMS電極を一対以上含み、前記一対以上のRF電極又はEMS電極は、前記透明基板に装着されるか、又は多光源治療器のケースの前端面に装着されるか、或いは、RF付属ヘッド又はEMS付属ヘッドを介して多光源治療器の前端に接続され、前記RF電極又はEMS電極は、メイン制御ボード又は独立した制御ボードに電気的に接続され、前記メイン制御ボード又は独立した制御ボードは、RF電極又はEMS電極を制御して、肌に作用するRF電流又はEMS電流を発生させるものである、ことを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の多光源治療器。
【請求項10】
前記電源部品は、電池及び/又は通電インターフェースを含み、
前記通電インターフェースは、メイン制御ボードに電気的に接続され、前記ケースには、外部電源の投入のために、前記通電インターフェースを装着される通し孔が設けられている、ことを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の多光源治療器。
【請求項11】
前記タングステン光源又はカーボン光源は、透明ランプシェードと、透明ランプシェード内に装着された発光材料とを含み、前記透明ランプシェード内は、真空とされるか、或いは、不活性ガス又はハロゲンガスで充填されており、
前記タングステン光源の発光材料は、タングステンフィラメントであり、前記カーボン光源の発光材料は、カーボンフィラメントであり、
前記タングステン光源又はカーボン光源からは、フルスペクトルの光が発生される、ことを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の多光源治療器。