(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153544
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】スライドレール組立体
(51)【国際特許分類】
A47B 88/49 20170101AFI20241022BHJP
A47B 88/473 20170101ALI20241022BHJP
A47B 88/463 20170101ALI20241022BHJP
A47B 88/467 20170101ALI20241022BHJP
A47B 88/44 20170101ALI20241022BHJP
【FI】
A47B88/49
A47B88/473
A47B88/463
A47B88/467
A47B88/44
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023206551
(22)【出願日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】112114466
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】游 凱文
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AB41
3B160AB42
3B160AB47
3B160AB49
3B160EA13
3B160EA32
3B160EB01
3B160EB33
3B160EB61
3B160EB73
(57)【要約】 (修正有)
【課題】1つのレールを他のレールに対して、異なる位置に位置決めすることが可能な、スライドレール組立体を提供する。
【解決手段】スライドレール組立体20は、第1レール22と、第2レール24と、ブロッキング部材34と、操作部材36とを備えている。複数のアシスト構造28a,28b,28c,28dが、第1レールに配置されている。第2レールは、第1レールに対して変位可能であり、ブロッキング部材と複数のアシスト構造のうちの1つとのブロッキングによって、異なる位置に位置決め可能である。操作部材は、ブロッキング部材と複数のアシスト構造のうちの1つとのブロッキングを終了させるためにブロッキング部材を操作するように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レールと、
第1方向、又は前記第1方向と反対の第2方向に、前記第1レールに対して長手方向に変位可能であり、後退位置と伸長位置との間で変位可能である第2レールと、
前記第1レールに配置されている複数のアシスト構造であり、複数のアシスト構造のうちの隣接する2つのアシスト構造が、互いにスペースをおいて配置されている、複数のアシスト構造と、
前記第2レールに移動可能に取り付けられているブロッキング部材と、
前記第2レールに移動可能に取り付けられている操作部材であり、第1状態から第2状態へ移動するように前記ブロッキング部材を操作するように構成されている操作部材とを備え、
前記第1状態にある前記ブロッキング部材は、前記第2レールが所定位置から前記第2方向に変位することを防止するために、複数の前記アシスト構造のうちの1つをブロッキングするように構成され、
前記操作部材は、前記ブロッキング部材を操作して、前記第1状態から前記第2状態へ移動するように構成され、これにより、前記ブロッキング部材は、前記第2レールが前記第2方向に前記後退位置へ変位することを可能にするために、複数の前記アシスト構造のうちの1つをブロッキングせず、
前記第2レールが前記第1方向に変位した場合に、前記ブロッキング部材が複数の前記アシスト構造のうちの対応する1つを越して通ることを可能にするために、前記ブロッキング部材を駆動して前記第1状態から移動させるように、複数の前記アシスト構造のそれぞれは構成されている、スライドレール組立体。
【請求項2】
さらに、
前記第1レールに配置されている位置決め構造と、
前記第2レールに移動可能に取り付けられている解除部材とを備え、
前記操作部材は、前記解除部材と前記ブロッキング部材とを操作して、前記第1状態から前記第2状態へ移動するように構成され、
前記第2レールが前記伸長位置にある場合に、前記第1状態にある前記解除部材と前記第1状態にある前記ブロッキング部材とは、前記第2レールが前記伸長位置から前記第1方向又は前記第2方向に変位することを防止するために、前記位置決め構造の2つの端部をそれぞれブロッキングし、
前記ブロッキング部材が前記操作部材によって前記第1状態から前記第2状態へ移動するように操作された場合に、前記ブロッキング部材は、前記第2レールが前記伸長位置から前記第2方向に変位することを可能にするために、前記位置決め構造をブロッキングせず、
前記第2レールが前記第1方向に変位した場合に、前記ブロッキング部材と前記解除部材とが複数の前記アシスト構造のうちの対応する前記1つを越して通ることを可能にするために、前記ブロッキング部材と前記解除部材とを駆動して前記第1状態から移動させるように、複数の前記アシスト構造のそれぞれは構成されている、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
さらに、前記第1レールに配置されている別の位置決め構造を備え、複数の前記アシスト構造は、前記位置決め構造と、前記別の位置決め構造との間に配置され、
前記第2レールが前記後退位置にある場合に、前記第1状態にある前記解除部材と前記第1状態にある前記ブロッキング部材とは、前記第2レールが前記後退位置から前記第1方向又は前記第2方向に変位することを防止するために、前記別の位置決め構造の2つの端部をそれぞれブロッキングする、請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
さらに、前記ブロッキング部材と前記解除部材とをそれぞれ前記第1状態に弾性的に保持するように構成されている第1弾力部分と第2弾力部分とを備え、前記第1弾力部分と前記第2弾力部分とは、前記ブロッキング部材と前記解除部材とそれぞれ一体的に形成されている、請求項2又は3記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
さらに、前記操作部材に復帰用弾性力を与えるように構成されている復帰用弾力部材を備えている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスライドレール組立体。
【請求項6】
ガイド区間が、複数の前記アシスト構造のそれぞれの第1端部に隣接して配置され、ブロッキング区間が、複数の前記アシスト構造のそれぞれの第2端部に配置されている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスライドレール組立体。
【請求項7】
前記第1レールと前記第2レールとのそれぞれは、前端部分と後端部分とを含み、
前記別の位置決め構造は、前記第1レールの前記後端部分に隣接して配置され、前記位置決め構造は、前記第1レールの前記前端部分に隣接して配置され、前記解除部材と前記ブロッキング部材とは、前記第2レールの前記後端部分に隣接して配置され、前記操作部材は、前記第2レールの前記前端部分に隣接して配置されている操作部を含む、請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項8】
前記解除部材と前記ブロッキング部材とのうちの少なくとも1つは、プラスチック材料から形成されている、請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項9】
前記第1レールと前記第2レールとのそれぞれは、前端部分と後端部分とを含み、
前記ブロッキング部材は、前記第2レールの前記後端部分に隣接して配置され、前記操作部材は、前記第2レールの前記前端部分に隣接して配置されている操作部を含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスライドレール組立体。
【請求項10】
スライドレール組立体は、第1物品と第2物品とに適合され、スライドレール組立体は、垂直状態に配置され、
前記第1レールは、前記第1物品に取り付け可能であり、前記第1物品の受容空間の中に配置され、前記第2レールは、前記第2物品を支持することが可能である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスライドレール組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の(特徴項に先立つ)プレアンブルに係るスライドレール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第8210623号(特許文献2)には、第1レールと、第1レールに対してスライド可能な第2レールとを有するスライドレール組立体に適合される減衰装置が開示されている。減衰装置は、第1支持フレーム、第2支持フレーム、ラック、及びダンパーを備えている。第1支持フレームは、第1レールに固定的に取り付けられている。第2支持フレームは、第2レールに固定的に取り付けられている。ラックは、第1支持フレームに取り付けられている。ダンパーは、第2支持フレームに取り付けられている。ダンパーは、容器と、容器に枢軸的に接続されたギヤとを含む。減衰材、例えば、濃厚で粘着性のある液体が容器の中に受け入れられる。第2レールが第1レールに対して相対的に変位すると、ダンパーのギヤは、ラックによって駆動され、容器の中に受け入れられた減衰材と回転可能に協働し、第2レールが第1レールに対して相対的に移動することに抵抗するために一定の減衰力を発生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第2017/0340113号
【特許文献2】米国特許第8210623号
【特許文献3】米国特許第5135294号
【発明の概要】
【0004】
しかし、さまざまな要求を満たすためには、改良されたスライドレール製品を提供することが重要な課題(topic)となる。
【0005】
そこで、本発明は、第2レールを第1レールに対して異なる位置に位置決めできるブロッキング機構を有する、スライドレール組立体を提供することを目的とする。
【0006】
これは、請求項1に記載のスライドレール組立体によって達成される。従属請求項は、対応する一層の開発と改良とに関係する。
【0007】
以下の詳細な説明からさらに明確に分かるように、請求項に記載のスライドレール組立体は、第1レールと;第1方向、又は第1方向と反対の第2方向に、第1レールに対して長手方向に変位可能であり、後退位置と伸長位置との間で変位可能である第2レールと;第1レールに配置されている複数のアシスト構造であり、複数のアシスト構造のうちの隣接する2つのアシスト構造が、互いにスペースをおいて配置されている、複数のアシスト構造と;第2レールに移動可能に取り付けられているブロッキング部材と;第2レールに移動可能に取り付けられている操作部材であり、第1状態から第2状態へ移動するようにブロッキング部材を操作するように構成されている操作部材とを備え;第1状態にあるブロッキング部材は、第2レールが所定位置から第2方向に変位することを防止するために、複数のアシスト構造のうちの1つをブロッキングするように構成され;操作部材は、ブロッキング部材を操作して、第1状態から第2状態へ移動するように構成され、これにより、ブロッキング部材は、第2レールが第2方向に後退位置へ変位することを可能にするために、複数のアシスト構造のうちの1つをブロッキングせず;第2レールが第1方向に変位した場合に、ブロッキング部材が複数のアシスト構造のうちの対応する1つを越して通ることを可能にするために、ブロッキング部材を駆動して第1状態から移動させるように、複数のアシスト構造のそれぞれは構成されている。
【0008】
さまざまな図及び図面に示された好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読めば、本発明のこれらの目的及び他の目的は、当業者には疑いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の添付の図面を参照しながら、下記に本発明を例としてさらに説明する。
【0010】
【
図1】本発明の実施形態によるスライドレール組立体の概略図である。
【
図2】本発明の実施形態によるスライドレール組立体の分解図である。
【
図3】本発明の実施形態に係り、操作部材が第1操作位置にある場合のスライドレール組立体の部分図である。
【
図4】本発明の実施形態に係り、操作部材が第2操作位置にある場合のスライドレール組立体の部分図である。
【
図5】本発明の実施形態に係り、第2レールが第1所定位置から第1方向又は第2方向に変位することが防止されることを示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係り、第2レールが第1所定位置から第1方向又は第2方向に変位することが可能にされることを示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係り、第2レールが第2所定位置から第2方向に変位することが防止されることを示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係り、第2レールが第2所定位置から第1方向に変位することを示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係り、第2レールが
図8に示す位置から第1方向に変位することを示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係り、第2所定位置と第3所定位置との間の別の所定位置から、第2レールが第2方向に変位することが防止されることを示す図である。
【
図11】本発明の実施形態に係り、第2レールが別の所定位置から第1方向に変位することを示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係り、第2レールが
図11に示す位置から第1方向に変位することを示す図である。
【
図13】本発明の実施形態に係り、第2レールが第3所定位置から第1方向又は第2方向に変位することが防止されることを示す図である。
【
図14】本発明の実施形態に係り、第2レールが第3所定位置から第2方向に変位することを示す図である。
【
図15】本発明の実施形態に係り、第2レールが
図14に示す位置から第2方向に変位することを示す図である。
【
図16】本発明の実施形態に係り、第2レールが
図15に示す位置から第2方向に変位することを示す図である。
【
図17】本発明の実施形態に係り、第2レールが第4所定位置から第2方向に変位することが防止されることを示す図である。
【
図18】本発明の実施形態に係り、第2レールが第4所定位置から第2方向に変位することを示す図である。
【
図19】本発明の実施形態に係り、スライドレール組立体が第1物品と第2物品とに適合され、第2レールが第3所定位置から第1方向又は第2方向に変位することが防止されることを示す図である。
【
図20】本発明の実施形態に係り、スライドレール組立体が第1物品と第2物品とに適合され、第2レールが第1所定位置から第1方向又は第2方向に変位することが防止されることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書の一部を構成し、本発明が実施可能である具体的な実施形態が例示として示される添付図面を、以下の好ましい実施形態の詳細な説明で参照する。これに関して、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの方向用語は、説明される図の向きを参照して使用される。本発明の部材は、多数の異なる方向に配置されてよい。そのため、方向用語は、例示の目的で使用され、決して限定はしない。従って、図面及び記載は、本質的に例示的なものとみなされ、制限的なものとはみなされない。また、特定されない場合に、「接続する」という用語は、間接的又は直接的な機械的接続のいずれかを意味することが意図される。従って、第1装置が第2装置に接続された場合に、その接続は、直接的な機械的接続、又は、他の装置や接続部を介した間接的な機械的接続によるものであってよい。
【0012】
図1及び2に示すように、スライドレール組立体20は、第1レール22と、第1レール22に対して長手方向に変位可能な第2レール24とを備えている。第1位置決め構造26と、少なくとも1つのアシスト構造と、第2位置決め構造30とが、第1レール22に配置されている。少なくとも1つのアシスト構造は、第1位置決め構造26と第2位置決め構造30との間に配置されている。本実施形態では、一例として、第1位置決め構造26と第2位置決め構造30との間に複数のアシスト構造を設けてよい。複数のアシスト構造は、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、及び第4アシスト構造28dを含む。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。実用上の要求に依存する。例えば、別の実施形態では、第1アシスト構造、第2アシスト構造、第3アシスト構造、及び第4アシスト構造のうちの1つだけがあってよい。
【0013】
好ましくは、第1位置決め構造26と第2位置決め構造30とは、実質的に同一の構造を有してよい。第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、及び第4アシスト構造28dは、実質的に同一の構造を有してよい。
【0014】
好ましくは、
図2に示すように、本実施形態では、一例として、第1位置決め構造26、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、第4アシスト構造28d、及び第2位置決め構造30は、長手方向に等間隔Xで順次配置(配列)されてよい。換言すれば、第1位置決め構造26、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、第4アシスト構造28d、及び第2位置決め構造30のうちの隣接する2つが、長手方向に所定の距離だけスペースをおいてよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、第1位置決め構造、第1アシスト構造、第2アシスト構造、第3アシスト構造、第4アシスト構造、及び第2位置決め構造は、長手方向に不等間隔で順次配置されてよい。
【0015】
好ましくは、第1位置決め構造26、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、第4アシスト構造28d、及び第2位置決め構造30は、第1レール22に直接的又は間接的に配置されてよい。
【0016】
好ましくは、第1位置決め構造26、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、第4アシスト構造28d、及び第2位置決め構造30は、突起であってよい。
【0017】
スライドレール組立体20はさらに、第2レール24に移動可能に取り付けられている解除部材32と、第2レール24に移動可能に取り付けられているブロッキング部材34と、第2レール24に移動可能に取り付けられている操作部材36とを備えている。この実施形態では、一例として、ブロッキング部材34と解除部材32とは、それぞれ第1シャフト40と第2シャフト38とによって第2レール24に枢軸的に接続されてよい。
【0018】
操作部材36は、解除部材32とブロッキング部材34とを操作するように構成されている。解除部材32は、第1レール22に対して第1方向D1での第2レール24の変位を許容又は抑止するように構成されてよい。ブロッキング部材34は、第1レール22に対して第2方向D2での第2レール24の変位を許容又は抑止するように構成されてよい。理解可能なように、別の実施形態では、第1レール22に対して第2方向D2での第2レール24の変位を抑止することのみが望まれる場合には、スライドレール組立体は、ブロッキング部材と、ブロッキング部材のみを操作するように構成されている操作部材とを備えてよい。即ち、解除部材を省略してよい。
【0019】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第1弾力部分44と第2弾力部分42とを備え、これらは、それぞれブロッキング部材34と解除部材32とを第1状態S1に弾性的に保持するように構成されている。
図3に示すように、本実施形態では、一例として、第1弾力部分44と第2弾力部分42とは、ブロッキング部材34と解除部材32とにそれぞれ一体的に接続されている弾力性アーム又は弾力性脚部であってよい。第1所定隙間G1が、第2弾力部分42と解除部材32との間に形成されてよい。第2所定隙間G2が、第1弾力部分44とブロッキング部材34との間に形成されてよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。その上、第1弾力部分44と第2弾力部分42とは、それぞれ、第2レール24の第1所定部分48と第2所定部分46とに突き当たる。本実施形態では、一例として、第1所定部分48と第2所定部分46とのそれぞれは、孔又はスロットであってよく、第1弾力部分44と第2弾力部分42とのそれぞれは、曲がり区間を含んでよい。曲がり区間は、第1所定部分48と第2所定部分46とのうちの対応する1つに挿入され、第1所定部分48と第2所定部分46とのうちの対応するこの1つの壁に突き当てられる。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、第1所定部分と第2所定部分とのそれぞれは、壁又は突出部であってよい。
【0020】
好ましくは、
図3及び6に示すように、スライドレール組立体20はさらに、操作部材36に復帰用弾性力F’を与えるように構成されている復帰用弾力部材50を備えている。
【0021】
好ましくは、第1位置決め構造26、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、第4アシスト構造28d、及び第2位置決め構造30のそれぞれは、2つの互いに反対側の端部、例えば、第1端部E1と第2端部E2とを含む。
【0022】
好ましくは、第1位置決め構造26の第1端部E1と第2端部E2と、また第2位置決め構造30の第1端部E1と第2端部E2とのそれぞれに、ブロッキング構造が配置されてよい。ブロッキング構造は、ブロッキング壁又は垂直壁であってよい。さらに、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、及び第4アシスト構造28dのそれぞれの第1端部E1に隣接して、ガイド区間Mが配置されてよい。さらに、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、及び第4アシスト構造28dのそれぞれの第2端部E2に、ブロッキング区間が配置されてよい。ガイド区間Mは傾斜面又は円弧面であってよく、ブロッキング区間はブロッキング壁又は垂直壁であってよい。
【0023】
好ましくは、第1レール22は、前端部分22aと後端部分22bとを含む。第2レール24は、前端部分24aと後端部分24bとを含む。第1位置決め構造26は、第1レール22の後端部分22bに隣接して配置されている。第2位置決め構造30は、第1レール22の前端部分22aに隣接して配置されている。
【0024】
好ましくは、第1レール22はさらに、第2レール24を受け入れるチャンネル29を含む。さらに、第1位置決め構造26、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、第4アシスト構造28d、及び第2位置決め構造30は、第1レール22のチャンネル29の内部に配置されている。
【0025】
好ましくは、解除部材32とブロッキング部材34とは、第2レール24の後端部分24bに隣接して配置されている。操作部材36は、操作部52と、駆動部54と、操作部52と駆動部54との間に接続されている延長部56とを含む。操作部52は、第2レール24の前端部分24aに隣接して配置されている。例えば、操作部52は、第2レール24の前端部分24aを越えて突出してよく、操作を容易にするために開口Hを含んでよい。駆動部54は、解除部材32とブロッキング部材34とをそれぞれ駆動するように構成されている第1駆動区間58と第2駆動区間60とを含んでよい。延長部56は、第2レール24の長さ方向、即ち長手方向に延びてよい。理解可能なように、別の実施形態では、操作部材は、解除部材又はブロッキング部材のみを操作するように構成されている。例えば、ブロッキング部材が、解除部材を駆動してブロッキング部材とともに移動するように構成されているか、又は解除部材が、ブロッキング部材を駆動して解除部材とともに移動するように構成されている場合に、駆動部は、解除部材とブロッキング部材とのうちの対応する1つを駆動する第1駆動区間と第2駆動区間とのうちの1つを含んでよい。
【0026】
好ましくは、この実施形態で、解除部材32とブロッキング部材34とは、非金属材料、例えばプラスチック材料から形成されてよい。しかし、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0027】
図3及び4に示すように、空間Jは、解除部材32とブロッキング部材34との間に定義され、第1位置決め構造26、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、第4アシスト構造28d、及び第2位置決め構造30のうちの1つを受け入れるように構成されている。操作部材36は、解除部材32とブロッキング部材34とを操作して、
図3に示す第1状態S1から
図4に示す第2状態S2へ移動させるように構成されている。例えば、操作部材36の操作部52に、操作部材36を駆動して
図3に示す第1操作位置K1から
図4に示す第2操作位置K2へ移動させる力Fが加えられた場合に、操作部材36の第1駆動区間58と第2駆動区間60とは、解除部材32とブロッキング部材34とを駆動し、
図3に示す第1状態S1から
図4に示す第2状態S2へそれぞれ旋回させる。これにより、復帰用弾力部材50が操作部材36によって弾性的に変形し、第1弾力部分44と第2弾力部分42とがそれぞれ第2レール24の第1所定部分48と第2所定部分46とによって弾性的に変形するようにする。操作部材36の操作部52が力Fから解放された場合に、操作部材36は、弾性的に変形した復帰用弾力部材50により与えられた復帰用弾性力F’に応答して、
図4に示す第2操作位置K2から
図3に示す第1操作位置K1へ復帰することに留意するものとする。また、弾性的に変形した第2弾力部分42と、弾性的に変形した第1弾力部分44とによってそれぞれ与えられた弾性力に応じて、解除部材32とブロッキング部材34とは、
図4に示す第2状態S2から
図3に示す第1状態S1へ復帰する。
【0028】
図5に示すように、第1レール22は、図示しない物品に垂直に取り付けてよい。換言すれば、第1レール22の後端部分22bは、下方、例えば地表面を向いてよく、第1レール22の前端部分22aは、上方を向いてよい。その上、
図5に示すように、第2レール24が第1レール22に対して第1所定位置P1、例えば、後退位置にある場合に、スライドレール組立体20は、第1長さL1を有する。第1状態S1にある解除部材32と第1状態S1にあるブロッキング部材34とは、第1位置決め構造26の第1端部E1と第2端部E2とをそれぞれブロッキングして、第1方向D1、例えば、開放方向、又は第2方向D2、例えば、後退方向に、第2レール24が第1所定位置P1から変位することを防止するために、双方向ブロッキング効果を生成する。さらに、
図5に示すように、この時点で、操作部材36は、復帰用弾力部材50により与えられた復帰用弾性力F’に応答して、第1操作位置K1に保持される。好ましくは、操作部材36はさらに、復元用弾力部材50に対応する位置に配置されている延長区間62を含む。
【0029】
操作部材36を駆動して、第1所定位置P1にある第2レール24に対して第1方向D1に、
図5に示す第1操作位置K1から
図6に示す第2操作位置K2へ移動するために、操作部材36の操作部52に力Fが加えられた場合に、操作部材36の第1駆動区間58と第2駆動区間60とは、それぞれ解除部材32とブロッキング部材34とを駆動して、
図5に示す第1状態S1から
図6に示す第2状態S2へ旋回させる。これにより、第2状態S2にある解除部材32と第2状態S2にあるブロッキング部材34とが、第2レール24が第1所定位置P1から第1方向D1又は第2方向D2に変位することを可能にするために、第1位置決め構造26の第1端部E1と第2端部E2とをそれぞれブロッキングしない。その上、
図6に示すように、この時点で、復帰用弾力部材50は、操作部材36の延長区間62によって弾性的に変形される。第1弾力部分44と第2弾力部分42とは、それぞれ第1所定部分48と第2所定部分46とによって弾性的に変形される。
【0030】
第2レール24が第1所定位置P1から第1方向D1に変位し、操作部材36が力Fから解放された場合に、解除部材32とブロッキング部材34とは、それぞれ第2弾力部分42と第1弾力部分44とにより与えられた弾性力に応じて、第1状態S1へ復帰することができることに留意するものとする。その後、第2レール24が第1所定位置P1から第1方向D1にさらに変位した場合に、解除部材32とブロッキング部材34とがそれぞれ第2位置決め構造30の第1端部E1と第2端部E2とに対応する位置にあるようになるまで、解除部材32とブロッキング部材34とは、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、及び第4アシスト構造28dを越して通ることができる。好ましくは、前述の方式で第2レール24が第1所定位置P1から第1方向D1に変位する間、ガイド区間Mのそれぞれは、解除部材32とブロッキング部材34とが、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、及び第4アシスト構造28dのうちの対応する1つを越して通ることを容易にする。
【0031】
第2レール24が第1所定位置P1から第1方向D1に、例えば
図7に示す第2所定位置P2へ変位した場合に、第1状態S1にあるブロッキング部材34は、第2レール24が第2所定位置P2から第2方向D2に変位することを防止するために、第2アシスト構造28bの第2端部E2をブロッキングすることができる。その上、
図7に示すように、第2レール24が第2所定位置P2にある場合に、スライドレール組立体20は第2長さL2を有する。
【0032】
例えば、第2レール24が第1所定位置P1から第1方向D1に第2所定位置P2へ変位し、かつ操作部材36を第2操作位置K2から第1操作位置K1へ復帰させる力Fから操作部材36が解放された場合に、解除部材32とブロッキング部材34とは、第2状態S2から第1状態S1へ復帰する。これにより、第1状態S1にあるブロッキング部材34は、第2アシスト構造28bの第2端部E2をブロッキングして、第2レール24が第2所定位置P2から第2方向D2に変位することを防止するために、一方向ブロッキング効果を発生させる。
図7に示されるように、この時点で、操作部材36が、ブロッキング部材34を駆動して第1状態S1から第2状態S2へ旋回させるように、操作される場合にのみ、第2レール24が第2所定位置P2から第2方向D2に変位することが可能にされることに留意するものとする。
【0033】
図7及び8に示すように、第2レール24が第2所定位置P2にある場合に、第2レール24は、一方向ブロッキング効果により、依然として、第2所定位置P2から第1方向D1に変位することが可能にされる。第2レール24が第2所定位置P2から第1方向D1に変位する間、解除部材32は、第2アシスト構造28bのガイド区間Mに突き当てられ、第2アシスト構造28bを越して通るように、第2弾力部分42を旋回させ弾性的に変形させることができる。
【0034】
さらに、第2レール24が
図9に示す位置から第1方向D1に、
図10に示す別の所定位置へ変位する間、解除部材32は、第2弾力部分42により与えられた弾性力に応答して第1状態S1に保持されてよい。第1状態S1にあるブロッキング部材34は、第3アシスト構造28cを越して通るように、第3アシスト構造28cのガイド区間Mに突き当てられて、第1弾力部分44を旋回させ、弾性的に変形させてよい。ブロッキング部材34が第3アシスト構造28cを越して通り、第1弾力部分44により与えられた弾性力に応じて第1状態S1へ復帰した場合に、第1状態S1にあるブロッキング部材34は、第3アシスト構造28cの第2端部E2をブロッキングして、第2レール24が
図10に示す別の所定位置から第2方向D2に変位することを防止するために、一方向ブロッキング効果を発生させることができる。なお、このとき、
図10に示すように、操作部材36を操作してブロッキング部材34を駆動して第1状態S1から第2状態S2へ旋回させた場合にのみ、第2レール24が別の所定位置から第2方向D2に変位することが可能にされることに留意するものとする。
【0035】
図11、12及び13に示すように、ブロッキング部材34はガイド部63を含む。例えば、ガイド部63は、傾斜面又は円弧面であってよい。
図11に示す位置から、
図13に示す第3所定位置P3、例えば伸長位置へ、第2レール24が第1方向D1に変位する間に、第1状態S1にあるブロッキング部材34のガイド部63は、第2位置決め構造30に突き当てられて、ブロッキング部材34を駆動して、第1弾力部分44を旋回させて弾性的に変形させることができ、第2位置決め構造30の第1端部E1を越して通るようにする。
図13に示すように、第2レール24が第1レール22に対して第3所定位置P3にある場合に、ブロッキング部材34は、第1弾力部分44により与えられた弾性力に応じて第1状態S1へ復帰することができ、第2レール24が第3所定位置P3から第2方向D2に変位することを防止するために、第2位置決め構造30の第2端部E2をブロッキングするようにする。さらに、
図13に示すように、第2レール24が第1レール22に対して第3所定位置P3にある場合に、解除部材32は、第1状態S1にあり、第2レール24が第3所定位置P3から第1方向D1に変位することを防止するために、第2位置決め構造30の第1端部E1をブロッキングする。
【0036】
以上より、
図13に示すように、第2レール24が第1レール22に対して第3所定位置P3にある場合に、第1状態S1にある解除部材32と第1状態S1にあるブロッキング部材34とは、第2位置決め構造30の第1端部E1と第2端部E2とをそれぞれブロッキングして、第2レール24が第3所定位置P3から第1方向D1又は第2方向D2に変位することを防止するために、双方向ブロッキング効果を発生させる。さらに、
図13に示すように、第2レール24が第3所定位置P3にある場合に、スライドレール組立体20は第3長さL3を有する。
図13及び7に示すように、第3長さL3は、第2長さL2よりも大きい。
図7及び5に示すように、第2長さL2は、第1長さL1よりも大きい。
【0037】
図14に示すように、第2レール24が第3所定位置P3にある場合に、第2状態S2にある解除部材32と第2状態S2にあるブロッキング部材34とは、第2位置決め構造30の第1端部E1と第2端部E2とをそれぞれブロッキングしない。これにより、第2レール24が第3所定位置P3から第1方向D1又は第2方向D2に変位することを可能にし、例えば、第1レール22に対する第2レール24の離脱移動又は後退移動を可能にする。
【0038】
例えば、第2レール24が第3所定位置P3にある場合に、操作部材36の操作部52は、解除部材32とブロッキング部材34とを駆動してそれぞれ第1状態S1から第2状態S2へ移動させるために、操作部材36を駆動して第1操作位置K1から第2操作位置K2へ移動させる力Fを加えることができる、これにより、解除部材32とブロッキング部材34とが、第2位置決め構造30の第1端部E1と第2端部E2とをそれぞれブロッキングしないようにし、第2レール24が、第1方向D1又は第2方向D2に、第3所定位置P3から変位することを可能にする、例えば、第1レール22に対する第2レール24の離脱移動又は後退移動を可能にする。
【0039】
第2レール24が第3所定位置P3から第2方向D2に、例えば
図15に示す位置へ変位し、かつ操作部材36が第1操作位置K1へ復帰させる力Fから解放された場合に、解除部材32とブロッキング部材34とは、第2弾力部分42と第1弾力部分44とにより与えられた弾性力に応じて、第1状態S1へ復帰することができることに留意するものとする。その後、第2レール24がさらに第3所定位置P3から第2方向D2に変位した場合に、第1状態S1にあるブロッキング部材34は、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、及び第4アシスト構造28dのうちの1つの第2端部E2をブロッキングして、一方向ブロッキング効果を発生させるように構成されている。一方向ブロッキング効果を終了させるために、操作部材36は、ブロッキング部材34を駆動して第1状態S1から第2状態S2へ移動させるように、力Fが加えられる必要があり、これにより、第2状態S2にあるブロッキング部材34は、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、及び第4アシスト構造28dのうちの1つの第2端部E2をブロッキングせず、第2レール24が第2方向D2に、
図5に示す第1所定位置P1、例えば、後退位置へ変位することを可能にする。
図5に示すように、第2レール24が第1所定位置P1にある場合に、第1状態S1にある解除部材32と第1状態S1にあるブロッキング部材34とは、第1位置決め構造26の第1端部E1と第2端部E2とをそれぞれブロッキングして、第2レール24が第1所定位置P1から第1方向D1又は第2方向D2に変位することを防止するために、双方向ブロッキング効果を発生させる。
【0040】
例えば、
図15ないし17に示すように、解除部材32はガイド特徴部64を含み、ガイド特徴部64は、傾斜面又は円弧面であってよい。第2レール24が第3所定位置P3から第2方向D2に、例えば
図15に示す位置へ変位し、かつ操作部材36を第1操作位置K1へ復帰させる力Fから解放された場合に、解除部材32とブロッキング部材34とは、第1状態S1へ復帰することができる。第2レール24が、
図15に示す位置から
図17に示す第4所定位置へ変位する間に、解除部材32のガイド特徴部64は、第4アシスト構造28dに突き当てられて、解除部材32を第4アシスト構造28dの第2端部E2を越して通るように旋回させることができる。解除部材32が第4アシスト構造28dの第2端部E2を越して通った場合に、第1状態S1にあるブロッキング部材34が第4アシスト構造28dの第2端部E2をブロッキングして、第2レール24が第4所定位置P4から第2方向D2に変位することを防止するために、一方向ブロッキング効果を発生させる。
【0041】
図17及び18に示すように、ブロッキング部材34と第4アシスト構造28dとのブロッキング関係を終了させることが望まれる場合には、ブロッキング部材34を駆動して第1状態S1から第2状態S2へ移動させるように、操作部材36は力Fが加えられる必要がある。これにより、第2レール24が第4所定位置P4から第2方向D2に第1所定位置P1に向かって変位することを可能にするために、第4アシスト構造28dの第2端部E2をブロッキング部材34がブロッキングしないようにする。
【0042】
同様に、
図7に示すように、ブロッキング部材34と第2アシスト構造28bとのブロッキング関係を終了させることが望まれる場合には、ブロッキング部材34を駆動して第1状態S1から第2状態S2へ移動させるために、操作部材36は力Fが加えられる必要がある。これにより、第2レール24が第2所定位置P2から第2方向D2に第1所定位置P1に向かって変位することを可能にするために、ブロッキング部材34は、第2アシスト構造28bの第2端部E2をブロッキングしない。
【0043】
以上より、第2レール24が第3所定位置P3から第1所定位置P1へ変位する間に、操作部材36を操作してブロッキング部材34を駆動して第1状態S1から第2状態S2へ移動させない場合に、第1状態S1にあるブロッキング部材34は、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、及び第4アシスト構造28dのいずれかの第2端部E2をブロッキングすることができる。これは、第3所定位置P3、例えば、伸長位置から第2方向D2に第1所定位置P1、例えば、後退位置へ非停止的な直接変位を第2レール24が行うことを防止するようにする。
【0044】
図19及び20に示すように、スライドレール組立体20は、第1物品66と第2物品68とに適合している。第1物品66は、液体を受容する受容空間70を含み、これはドットで図示されている。第2物品68は、搬送される物品、例えばシャーシであってよい。スライドレール組立体20は、垂直状態に配置されている。例えば、第1レール22の後端部分22bは、下方、例えば、第1物品66の底部Bの方を向いている。第1レール22の前端部分22aは、上方を向いている。第1レール22は、第1物品66に取り付けられ又は固定され、受容空間70の内部に配置されている。第2レール24は、第2物品68を支持するように構成されている。第2物品68は、スライドレール組立体20によって、第1物品66に対して異なる位置に配置されてよい。例えば、
図19に示すように、第2レール24が第1レール22に対して第3所定位置P3、例えば伸長位置にある場合に、第2物品68は、第1物品66に対して最も高い使用位置にあることができる。この時点で、操作部材36を操作してブロッキング部材34を駆動することが可能である。これにより、ブロッキング部材34が、第2レール24が第2方向D2に変位することを可能にするために、第2位置決め構造30の第2端部E2をブロッキングせず、第2物品68を第1物品66に対して相対的に下降させる。第2レール24が第3所定位置P3から第2方向D2に第1所定位置P1へ変位する間に、第1状態S1にあるブロッキング部材34は、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、及び第4アシスト構造28dのうちの1つをブロッキングすることが可能である。これは、重力により、第3所定位置P3から第1所定位置P1へ非停止的な直接変位を第2レール24が行うことを防止するようにし、第2物品68の衝突損傷を防止することができる。
【0045】
理解可能なように、本発明は前述の実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、第1位置決め構造と第2位置決め構造とをそれぞれ第5アシスト構造と第6アシスト構造とに置き換え、解除部材を省略してよい。第5アシスト構造と第6アシスト構造とのそれぞれは、第1アシスト構造、第2アシスト構造、第3アシスト構造、及び第4アシスト構造と同一であってよい、これにより、操作部材を操作することなく、第2物品は、第1物品に対して第1所定位置から第1方向に第3所定位置へ変位可能である。ブロッキング部材と対応するアシスト構造の第2端部とのブロッキング関係によって生じる一方向ブロッキング効果で、第2物品を異なる位置で支持することが可能である。
【0046】
要約すると、スライドレール組立体20は以下の特徴を含む。
【0047】
1.第1位置決め構造26、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、第4アシスト構造28d、及び第2位置決め構造30により、第2レール24を異なる位置、例えば、第1所定位置P1、第2所定位置P2、第3所定位置P3、及び第4所定位置P4に位置決めすることを可能にする。第2レール24が第1所定位置P1と第3所定位置P3とにある場合に、第2レール24が第1方向D1又は第2方向D2に変位することを防止するために、双方向ブロッキング効果が発生する。また、第2レール24が他の所定位置にある場合には、第2レール24が第2方向D2に変位することを防止するために、一方向ブロッキング効果が発生する。さらに、操作部材36は、双方向ブロッキング効果又は一方向ブロッキング効果を終了させるように構成されている。
【0048】
2.スライドレール組立体20が垂直状態に配置されている場合に、第2レール24が第3所定位置P3から第2方向D2に第1所定位置P1へ変位する間に、第1状態S1にあるブロッキング部材34は、第1アシスト構造28a、第2アシスト構造28b、第3アシスト構造28c、及び第4アシスト構造28dのうちの1つをブロッキングするように構成されている。これは、重力により、第3所定位置P3から第1所定位置P1へ非停止的な直接変位を第2レール24が行うことを防止するようにし、第2物品68の衝突損傷を防止することができる。
【0049】
3.双方向ブロッキング効果を発生させるために、解除部材32とブロッキング部材34とは、それぞれ第1位置決め構造26と第2位置決め構造30との1つをブロッキングするように構成されている。しかしながら、第2方向D2での第2レール24の変位のみを抑止することが望まれる場合には、一方向ブロッキング効果を発生させるために、解除部材は省略してよい。
【0050】
4.解除部材32とブロッキング部材34とは、前述の操作プロセス中に金属が欠けることを防止するように、非金属材料、例えばプラスチック材料から形成されてよい。従って、本発明は液体環境での使用に好適である。
【0051】
本発明の教示を保持しつつ、装置及び方法の多数の修正及び変更が可能であることを、当業者であれば容易に理解することである。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈されるものとする。