(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015355
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】バッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 7/00 20060101AFI20240125BHJP
A45C 3/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A45C7/00 J
A45C3/00 S
A45C3/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023209082
(22)【出願日】2023-12-12
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2022-04-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2021年4月14日に有限会社アトリエフォルマーレがインスタグラムで開設した投稿ページにて三原秀朗が考案したバックを公開した。(https://www.instagram.com/ballandchain_official/)(ウェブサイトのトップページ) (https://www.instagram.com/p/CNoKmT7Dg-o/)(考案したバックが掲載されているページ)
(71)【出願人】
【識別番号】515218646
【氏名又は名称】有限会社アトリエフォルマーレ
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】三原 秀朗
(57)【要約】
【課題】 偏平な形状を保持し得ると共に、種々の態様での使用が可能であるようにしたバッグを提供する。
【解決手段】 偏平で且つ長手方向に延びる上縁が開放した袋状の本体11と、本体の上縁に沿って設けられた両端が開放した筒状の紐通し部11eに挿通された一本の環状紐12と、から成るバッグ10であって、環状紐12が可撓性及び剛性を備えた材料から構成されていて、本体の上縁の長手方向の中央領域が、環状紐を部分的に露出させる切欠き部11fを備えており、本体が偏平に展開し且つ環状紐が本体の上縁に沿って長手方向に延びた状態で、環状紐の切欠き部内に露出した部分が持ち手として把持されることにより、本体の上縁が、環状紐12の剛性に基づいて、長手方向全体に亘ってほぼ水平に支持されるように、バッグ10を構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏平で且つ長手方向に延びる上縁が開放した袋状の本体と、前記本体の上縁に沿って設けられた両端が開放した筒状の紐通し部に挿通された一本の環状紐と、から成るバッグであって、
前記環状紐が、可撓性及び剛性を備えた材料から構成されていて、
前記本体の上縁の長手方向の中央領域が、環状紐を部分的に露出させる切欠き部を備えており、
前記本体が偏平に展開し且つ前記環状紐が前記本体の上縁に沿って長手方向に延びた状態で、前記環状紐の前記切欠き部内に露出した部分が持ち手として把持されることにより、前記本体の上縁が、前記環状紐の剛性に基づいて、長手方向全体に亘ってほぼ水平に支持されることを特徴とする、バッグ。
【請求項2】
前記袋状の本体が、薄いシート状の材料から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記本体の上縁及び紐通し部が、中央の切欠き部から前記環状紐の両端付近に絞り込まれて、前記切欠き部内に露出する前記環状紐の部分が、肩掛け紐として利用可能であることを特徴とする、請求項1に記載のバッグ。
【請求項4】
前記本体の上縁及び紐通し部が、中央の切欠き部付近に絞り込まれて、前記紐通し部の両端の開口部から引き出された前記環状紐の両端部分が、それぞれ持ち手として利用可能であることを特徴とする、請求項1に記載のバッグ。
【請求項5】
前記本体の上縁及び紐通し部が、中央の切欠き部付近に絞り込まれて、前記紐通し部の一端の開口部から引き出された前記環状紐の端部分が、持ち手または肩掛け紐として利用可能であることを特徴とする、請求項1に記載のバッグ。
【請求項6】
前記本体の上縁及び紐通し部が、中央の切欠き部付近に絞り込まれて、前記本体の一方の切欠き部から引き出された環状紐の部分が、肩掛け紐として利用可能であることを特徴とする、請求項3に記載のバッグ。
【請求項7】
前記本体が偏平に展開し且つ前記環状紐が前記本体の上縁に沿って長手方向に延びた状態で、前記環状紐の長手方向に露出した両端部分に、それぞれ追加のベルトの両端が係合されて、当該ベルトが肩掛けベルトとして利用可能であることを特徴とする、請求項1に記載のバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の態様での利用が可能なバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、簡易型のバッグとして、上縁が開放した偏平な袋状の本体と、この本体の上縁中央に取り付けられた持ち手と、から成る所謂トートバッグが知られている。
このようなトートバッグにおいては、本体内部に種々の物品等を収容し得ると共に、持ち手を手で把持し、あるいは持ち手を肩に掛けることにより、容易に持ち運べるようになっている。
【0003】
これに対して、特許文献1に記載の発明には、例えば上縁が開放した偏平な袋状の本体と、この本体の上縁に沿って設けられた筒状の紐通し部に挿通された二本の環状紐と、から成る所謂巾着型のバッグが知られている。
このような巾着型のバッグにおいては、紐通し部が、偏平な袋状の本体の長手方向両端で開口しており、この両端の開口部から、各環状紐の一端が引き出されており、双方の環状紐をそれぞれ長手方向反対側に引っ張ることにより、袋状の本体の上縁が絞り込まれて閉じられ、本体内部に物品等を収納できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述したトートバッグの場合、本体が比較的厚く固めの素材から構成されていることから、大きさに対する収容量が比較的小さくなってしまうと共に、使用しない場合に小さく折り畳むことが困難であり、持ち運びが不便である。
【0006】
また、巾着型のバッグの場合には、本体が比較的薄く柔軟性のある素材から構成されているので、本体が収納物に合わせて変形可能であり、比較的大きな収容量を確保することができると共に、容易に小さく折り畳むことができるので、持ち運びが容易であるが、本体の柔軟性のために、書類等の平坦な物品を収納しようとした場合に、物品が平坦な形状から変形して収納されることが多くなってしまう。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑み、偏平な形状を保持し得ると共に、種々の態様での使用が可能であるようにしたバッグを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、本発明によれば、偏平で且つ長手方向に延びる上縁が開放した袋状の本体と、本体の上縁に沿って設けられた両端が開放した筒状の紐通し部に挿通された一本の環状紐と、から成るバッグであって、環状紐が可撓性及び剛性を備えた材料から構成されていて、本体の上縁の長手方向の中央領域が、環状紐を部分的に露出させる切欠き部を備えており、本体が偏平に展開し且つ環状紐が本体の上縁に沿って長手方向に延びた状態で、環状紐の切欠き部内に露出した部分が持ち手として把持されることにより、本体の上縁が、環状紐の剛性に基づいて、長手方向全体に亘ってほぼ水平に支持されることを特徴とする、バッグにより、達成される。
【0009】
上記構成によれば、本体が偏平に展開し且つ環状紐が本体の上縁に沿って長手方向に延びた状態で、環状紐の切欠き部内に露出した部分即ち中央付近が把持されることにより、環状紐がその剛性に基づいて長手方向全体に亘ってほぼ水平方向に延びて、本体の上縁を支持する。
これにより、本体は、従来のように上縁が長手方向に関して絞り込まれることなく、偏平な状態に保持されることになり、所謂トートバッグ様の形状に保持される。従って、本体の内部に収容した例えば平坦な書類等も曲がってしまうようなことがなく、平坦な状態で安定して収容され得ることになる。
【0010】
本発明によるバッグは、好ましくは、袋状の本体が、薄いシート状の材料から構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、袋状の本体が薄いシート状の材料から構成されることにより、袋状の本体が可撓性を備えることになり、収容する物品に応じて変形し得るので、多種多様な物品を収容することができると共に、小さく折り畳むことができるので、不使用時に折り畳むことにより、可搬性が向上することになる。
【0011】
本発明によるバッグは、好ましくは、本体の上縁及び紐通し部が、中央の切欠き部から環状紐の両端付近に絞り込まれて、切欠き部内に露出する環状紐の部分が、肩掛け紐として利用可能であることを特徴とする。
この構成によれば、本体の上縁が環状紐の両端付近に絞り込まれることにより、切欠き部内に露出する環状紐の部分を肩に掛けることによって、ショルダーバッグのように使用することができる。
【0012】
本発明によるバッグは、好ましくは、本体の上縁及び紐通し部が、中央の切欠き部付近に絞り込まれて、紐通し部の両端の開口部から引き出された環状紐の両端部分が、それぞれ持ち手として利用可能であることを特徴とする。
この構成によれば、本体の上縁が長手方向中央付近に絞り込まれることにより、本体上縁の両端からそれぞれ引き出された環状紐をまとめて把持することにより、巾着袋のように使用することができる。
【0013】
本発明によるバッグは、好ましくは、本体の上縁及び紐通し部が、中央の切欠き部付近に絞り込まれて、紐通し部の一端の開口部から引き出された環状紐の端部分が、持ち手または肩掛け紐として利用可能であることを特徴とする。
この構成によれば、本体の上縁が長手方向中央付近に絞り込まれることにより、本体上縁の一端から長く引き出された環状紐を把持し、または肩に掛けることにより、巾着袋またはショルダーバッグのように使用することができる。
【0014】
本発明によるバッグは、好ましくは、本体の上縁及び紐通し部が、中央の切欠き部付近に絞り込まれて、本体の一方の切欠き部から引き出された環状紐の部分が、肩掛け紐として利用可能であることを特徴とする。
この構成によれば、本体の上縁が長手方向中央付近に絞り込まれることにより、本体上縁の一方の切欠き部から引き出された環状紐の部分を肩に掛けることによって、ショルダーバッグのように使用することができる。
【0015】
本発明によるバッグは、好ましくは、本体が偏平に展開し且つ環状紐が本体の上縁に沿って長手方向に延びた状態で、環状紐の長手方向に露出した両端部分に、それぞれ追加のベルトの両端が係合されて、当該ベルトが肩掛けベルトとして利用可能であることを特徴とする。
この構成によれば、偏平な展開状態の本体の上縁両端から露出した環状紐の両端部分に、追加のベルトを取り付けて、当該ベルトを肩に掛けることによって、本体が偏平な展開状態に保持されたまま、例えば書類等の平坦な物品を曲げることなく収容するショルダーバッグを実現することができる。
【発明の効果】
【0016】
このようにして、本発明によれば、偏平な形状を保持し得ると共に、種々の態様での利用が可能であるようにしたバッグを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明によるバッグの一実施形態の第一の使用態様における全体構成を示す概略正面図である。
【
図2】
図1のバッグにおけるA-A線に沿う部分拡大断面図である。
【
図3】
図1のバッグにおける環状紐を示す概略平面図である。
【
図4】
図4(a)~(c)は、
図1のバックの折り畳み方法を示した概略正面図である。
【
図5】
図1のバッグの第二の使用態様を示す概略正面図である。
【
図6】
図1のバッグの第三の使用態様を示す概略正面図である。
【
図7】
図1のバッグの第四の使用態様を示す概略正面図である。
【
図8】
図1のバッグの第五の使用態様を示す概略正面図である。
【
図9】
図1のバッグの第六の使用態様を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明によるバッグの一実施形態の構成を示している。
図1において、バッグ10は、偏平で且つ長手方向(図面左右方向)に延びる上縁が開放した袋状の本体11と、本体11の上縁に沿って設けられた両端が開放した筒状の紐通し部11aに挿通された一本の環状紐12と、から構成されている。
【0019】
本体11は、例えばポリエステル等の可撓性を備えたシート状の合成樹脂材料から構成されており、表裏二枚の平坦部分11a,11bと、これら二つの平坦部分11a,11bの左右両端を繋ぐように設けられたマチ部分11c,11dとを備えている。
なお、本体11を構成する素材は、ポリエステル等の合成樹脂材料の他に綿素材や不織布といった布製の素材でもよい。
【0020】
本体11の平坦部分11a,11bは、その下端が縫製もしくは溶着,接着等の適宜の方法により互いに連結され、あるいは一体に構成されている。
これに対して、本体11の平坦部分11a,11bは、左右のマチ部分11c,11dを介して互いに連結されている。
【0021】
マチ部分11c,11dは、
図2の拡大断面図に示すように、本体11の平坦部分11a,11bの両端で、その間で折り返すように配置されている。
図示の場合、本体11の平坦部分11a,11bは、左右の両端縁が、下方に向かって長手方向内側に傾斜して逆台形状に形成されており、マチ部分11c,11dは、平坦部分11a,11dの両縁を内側に折り曲げることにより一体に形成され、さらに折り曲げられた先端が互いに連結されている。
【0022】
好ましくは、本体11の平坦部分11a,11b及びマチ部分11c,11dは、筒状のフィルムシートを切断し、平坦に潰した状態で、左右両端を内側に折り込んでマチ部分を形成し、下端を縫製や溶着、接着等により閉じることにより、本体11は、少ない工程で容易に構成される。
【0023】
また、本体11は、平坦部分11a,11bの上縁がそれぞれ下方の内側または外側にに折り返され、その下端が平坦部分11a,11bに対して縫製や溶着、接着等により接続されることにより、筒状の紐通し部11eを備えている。
この紐通し部11eは、本体11の平坦部分11a,11bの上縁の左右両端の開口部で、それぞれ開放している。
【0024】
さらに、本体11は、その平坦部分11a,11bの上縁の長手方向中央付近に、下方に向かって凹状の切欠き部11fを備えている。
なお、切欠き部11fの領域においては、紐通し部11eは存在しない。
また、この切欠き部11fの下部付近の平坦部分11aもしくは平坦部分11bのどちらか一方の内側にポケット11hが縫製もしくは溶着、接着等の適宜の方法で取り付けられている。このポケット11hは、物品を収納するために使用することができるほか、後述するバック10を折り畳んで平坦部分11a,11bをポケット11hに入れ込むことにより携帯可能な形状にすることが可能となる。
【0025】
環状紐12は、可撓性及び剛性を備えた材料、例えばナイロンやポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルなどの合成繊維や、綿や麻といった天然繊維で形成されたロープ等から構成されており、
図3に示すように、環状に且つ長手方向に関して真っ直ぐに延びた状態で、本体11の紐通し部11e内に挿通されている。
環状紐12は、一カ所切断された状態で製造され、本体11の紐通し部11e内に挿通された後、切断部分をテープ等で接合することで接合部分12cを形成して構成されている。
なお、切断部分を接合せずに結ぶことで接合部分12cを構成してもよい。
【0026】
ここで、環状紐12は、可撓性に関しては、以下に説明する各種使用態様に対応し得るように変形可能である。
これに対して、環状紐12は、剛性に関しては、
図1に示すように、本体11が偏平に展開し且つ環状紐12が本体11の紐通し部11e内で長手方向に延びた状態で、環状紐12の切欠き部11f内に露出した部分が持ち手として把持されたとき、本体11の上縁を長手方向全体に亘ってほぼ水平に支持し得る、即ち本体11の上縁の長手方向両端付近が下方にあまり垂れ下がらない程度の剛性を備えている。
従って、環状紐12は、このような可撓性及び剛性を備えるように、例えば、上記した合成繊維や天然繊維で、太さは4~20mm程度のものが使用可能である。
【0027】
本発明実施形態によるバッグは、以上のように構成されており、以下に示すように種々の使用態様で使用される。
即ち、まず
図1に示すように、バッグ10は、本体11が偏平に展開し且つ環状紐12が本体の上縁に設けられた紐通し部11e内に挿通され且つ長手方向に延びた状態で、環状紐12の切欠き部11f内に露出した部分が持ち手として把持される。
【0028】
これにより、本体11の上縁が、環状紐12の剛性に基づいて、長手方向全体に亘ってほぼ水平に支持されるので、本体11は、その上縁が長手方向に関して絞り込まれることなく、偏平な状態に保持され、所謂トートバッグ様の形状に保持される。
従って、本体11の内部に収容した例えば平坦な書類等も曲がってしまうようなことがなく、平坦な状態で安定して収容され得る。
【0029】
ここで、バッグ10を使用しない場合には、
図4に示すように、本体11及び環状紐12をまとめて小さく折り畳むことが可能である。
まず、マチ部分11dを本体11に対して折り畳み(
図4(a))、次に、マチ部分11cも本体に11に対して折り畳む(
図4(b))。そして、本体11の下部から上部に向かって複数回折り畳むことでコンパクトなサイズになり、切欠き部11f付近に固定された環状のゴムベルト等の弾性ベルト11gを引き出して、畳んだ本体11に回しかけることにより、弾性ベルト11gの弾性に基づいて、本体10を畳んだ状態に保持して携帯することができる(
図4(c))。
また、図示しないが上記したように、
図4(b)に示すような本体10を折り畳んだ状態から平坦部11aもしくは平坦部11bに取り付けられたポケット11hを本体10の外側に取り出し、折り畳んだ状態の本体10をポケット11h内に収納することで携帯可能な形状に形成することが可能となる。
従って、不使用時のバッグ10を収容する別体の収納袋が不要となり、バッグ10をより簡便に使用することができる。
【0030】
図5は、本発明実施形態によるバッグ10の第二の使用態様を示している。
図5において、バッグ10は、本体11の平坦部分11a,11bの上縁及び紐通し部11eが中央の切欠き部11fから長手方向両端付近まで絞り込まれており、環状紐12の中央部分は、切欠き部11fから上方に引き出されている。
これにより、バッグ10は、環状紐12の中央部分を肩に掛けることによって、ショルダーバッグのように使用することができる。
【0031】
図6は、本発明実施形態によるバッグ10の第三の使用態様を示している。
図6において、バッグ10は、本体11の平坦部分11a,11bの上縁及び紐通し部11eが長手方向両端から中央の切欠き部11f付近に絞り込まれており、環状紐12は、紐通し部11eの長手方向両端から上方に大きく引き出されている。
これにより、バッグ10は、環状紐12の両端部分をまとめて把持することにより、巾着袋のように使用することができる。
この場合、
図6にて鎖線で示すように、環状紐12の両端部分のうち、一方の端部12aを他方の端部12bの内側に通して、上方に引き出して、この一方の端部12aの輪になった部分を把持し、あるいは肩に掛けることも可能である。
【0032】
図7は、本発明実施形態によるバッグ10の第四の使用態様を示している。
図7において、バッグ10は、本体11の平坦部分11a,11bの上縁及び紐通し部11eが長手方向の一側(図示の場合、右側)に絞り込まれており、環状紐12は、紐通し部11eの長手方向の他側から上方に大きく引き出されている。
これにより、バッグ10は、環状紐12の他側の輪になった部分を肩に掛け、あるいは袈裟懸けすることによって、ショルダーバッグのように使用することができる。
【0033】
図8は、本発明実施形態によるバッグ10の第五の使用態様を示している。
図8において、バッグ10は、本体11の平坦部分11a,11bの上縁及び紐通し部11eが長手方向両端から中央の切欠き部11e付近に絞り込まれており、環状紐12は、一方の平坦部分11aまたは11bの切欠き部11eから上方に大きく引き出されている。
これにより、バッグ10は、環状紐12の引き出された部分を肩に掛け、あるいは袈裟懸けすることにより、ショルダーバッグのように使用することができる。
【0034】
図9は、本発明実施形態によるバッグ10の第六の使用態様を示している。
図9において、バッグ10は、
図1における第一の使用態様と同様に、本体11が偏平に展開し且つ環状紐12が本体の上縁に設けられた紐通し部11e内に挿通され且つ長手方向に延びた状態にあって、環状紐12の両端部分12a,12bが、それぞれ紐通し部11eの長手方向両端の開口部から露出している。
そして、環状紐12の両端部分12a,12bの輪になった部分に、ベルト13の両端13a,13bがそれぞれ装着されている。
【0035】
ベルト13は、例えばナイロンなどの合成繊維から成る所定長さまたは長さ調整可能なベルトであって、両端13a,13bに、環状紐12の両端12a,12bに輪になった部分に係合可能な接続具13c,13dを備えている。
ここで、接続部13c,13dは、公知の構成のフック,バックル等が使用され得る。
【0036】
これにより、本体11の上縁が、環状紐12の剛性に基づいて、長手方向全体に亘ってほぼ水平に支持されるので、本体11は、その上縁が長手方向に関して絞り込まれることなく、偏平な状態に保持され、所謂トートバッグ様の形状に保持される。さらに、このような偏平な状態の本体11に対して、ベルト13の接続具13c,13dを環状紐12の両端12,12bにそれぞれ接続し、ベルト13を肩掛けベルトとして肩に掛ける。
従って、バッグ10は、偏平な形状を保持しつつ、ショルダーバッグとして使用することができる。
この場合、弾性ベルト13の長さが調整可能であれば、適宜長さ調整することにより、使用者にとって最適な長さで袈裟懸けすることも可能である。
【0037】
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。
例えば、上述した実施形態においては、本体11の平坦部分11a,11b及びマチ部分11c,11dは、例えばシート状の合成樹脂材料から構成され、接着,溶着等により形成されているが、これに限らず、本体10の各部は、例えば合成繊維または天然繊維から成る糸を織った布地あるいは不織布や紙等の各種材料からシート状に構成され、接着,溶着さらには縫合等の適宜の手段によって形成されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
10 バッグ
11 本体
11a,11b 平坦部分
11c,11d マチ部分
11e 紐通し部
11f 切欠き部
11g 弾性ベルト
12 環状紐
12a,12b 端部
13 ベルト
13a,13b 端部
13c,13d 接続具