(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153551
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】マイクロスポット反射率計
(51)【国際特許分類】
G01N 21/55 20140101AFI20241022BHJP
【FI】
G01N21/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024028013
(22)【出願日】2024-02-28
(31)【優先権主張番号】18/301,486
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ガンサー, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ウェグナー, ジェームズ タデウス
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー, ジェフリー トーマス
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA02
2G059DD13
2G059EE02
2G059EE11
2G059GG01
2G059GG03
2G059HH01
2G059JJ13
2G059JJ14
2G059JJ19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】試料を試験するように構成された反射率計。
【解決手段】反射率計は、試料ホルダ上に配置された試料に光ビームを発する光源を含む。反射率計は、光ビームを試料上の縮小されたスポットサイズに光ビームを集束させる。反射率計は、試料から下流にある検出器を使用して、試料内の構造/欠陥を見るように構成されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を試験するように構成された反射率計であって、
複数の光源(20)であって、各光源(20)は、異なる波長において光路(70)に沿って光ビームを発するように構成されている、複数の光源(20)と、
前記光路(70)に沿って前記試料を配置するように構成された試料ホルダ(50)と、
前記光源(20)と前記試料ホルダ(50)との間で前記光路(70)内に配置され、前記光源(20)から前記試料(100)に向けて前記光ビームを反射するように構成された鏡システム(39)と、
前記試料から反射された前記光ビームを受け取るために、前記試料ホルダ(50)から下流に配置された検出器(80)と、を備え、
前記鏡システム(39)は、
第1の鏡(43)、及び
前記第1の鏡(43)から下流の第2の鏡(44)を備え、
前記第1の鏡(43)は、前記複数の光源(20)に対して調整可能なように構成され、各光源(20)について、前記第1の鏡(43)は、第1の角度位置と第2の角度位置との間で移動するように構成され、前記第1の角度位置は、第1の偏光状態で第1の偏光路を形成し、前記第2の角度位置は、異なる第2の偏光状態で異なる第2の偏光路を形成し、
前記第2の鏡(44)は、前記第1の偏光路と前記第2の偏光路との各々に沿って前記光ビームを受け取り、前記第2の鏡(45)から下流の共通経路に沿って前記光ビームを導くように調整可能に構成されている、反射率計。
【請求項2】
前記第1の偏光路に沿って配置された第1のペリスコープであって、前記第1の偏光状態で前記光ビームを提供するように構成された第1のペリスコープと、
前記第2の偏光路に沿って配置された第2のペリスコープであって、前記第2の偏光状態で前記光ビームを提供するように構成された第2のペリスコープと、を更に備える、請求項1に記載の反射率計。
【請求項3】
前記光ビームの偏光を前記第1の偏光状態に変更するように構成された前記第1のペリスコープと、
前記光ビームの前記偏光を前記第2の偏光状態に変更するように構成された前記第2のペリスコープと、を更に備える、請求項2に記載の反射率計。
【請求項4】
前記複数の光源は、第1の波長で前記光ビームを発する第1のレーザー、及び異なる第2の波長で前記光ビームを発する第2のレーザーを含む、請求項1に記載の反射率計。
【請求項5】
前記第1の鏡(43)への前記光路が前記複数の光源(20)の各々について異なるように、前記複数の光源(20)の各々は特有の位置を有する、請求項1に記載の反射率計。
【請求項6】
前記鏡システム(39)は、
前記第2の鏡(44)から前記光ビームを受け取る拡大鏡(31)、
前記拡大鏡(31)から前記光ビームを受け取るコリメートミラー(32)、及び
前記コリメートミラー(32)から前記光ビームを受け取り、前記光ビームを前記試料ホルダ(50)に集束させる軸外放物面鏡(33)を備える、請求項1に記載の反射率計。
【請求項7】
前記鏡システム(30)は、前記試料ホルダ(50)上に配置された前記試料(100)上のスポットサイズに前記光ビームを百マイクロメートル未満に集束させるように構成されている、請求項1に記載の反射率計。
【請求項8】
前記試料(100)からスポットを撮像するために、前記試料ホルダ(50)から下流に配置されたカメラ(63)、及び
前記カメラ(63)から信号を受信し、前記信号に基づいて前記試料ホルダ(50)を調整するように構成された制御ユニット(90)を更に備える、請求項1に記載の反射率計。
【請求項9】
前記試料ホルダ(50)は、前記試料(100)を配置するために、六自由度内で調整可能である、請求項8に記載の反射率計。
【請求項10】
試料を試験するように構成された反射率計であって、
光路(70)に沿って光ビームを発する光源(20)と、
前記光路(70)に沿って前記光源(20)から下流に配置された検出器(80)と、
前記光路(70)に沿って前記試料を配置するように構成され試料ホルダ(50)であって、前記光源(20)と前記検出器(80)との間で前記光路(70)に沿って配置された試料ホルダ(50)と、
前記光源(20)と前記試料ホルダ(50)との間で前記光路(70)に沿って配置された第1の光学素子(30)と、
前記試料ホルダ(50)と前記検出器(80)との間で前記光路(70)に沿って配置された第2の光学素子(60)と、を備え、
前記第1の光学素子(30)のうちの1つは、軸外放物面鏡(33)を含み、
前記光源(20)は、前記光路(70)の第1のセクションに沿って前記光ビームを発し、前記軸外放物面鏡(33)は、前記光路(70)の第2のセクションに沿って前記光ビームを導き、前記第1のセクションと前記第2のセクションとは、垂直である、反射率計。
【請求項11】
前記第1の光学素子(30)は、前記軸外放物面鏡(33)の光軸(34)に平行に前記軸外放物面鏡(33)に前記光ビームを導くように構成されたコリメートミラー(32)を更に含む、請求項10に記載の反射率計。
【請求項12】
前記軸外放物面鏡(33)は、前記試料ホルダ(50)の中心に整列した焦点軸(35)を有する、請求項11に記載の反射率計。
【請求項13】
前記軸外放物面鏡(33)は、前記試料ホルダ(50)の表面上に焦点(36)を有する、請求項12に記載の反射率計。
【請求項14】
前記光源(20)と前記試料ホルダ(50)との間の前記光路(70)には、レンズがない、請求項10に記載の反射率計。
【請求項15】
前記試料(100)からスポットを撮像するために、前記試料ホルダ(50)から下流に配置されたカメラ(63)、及び
前記カメラ(63)から信号を受信し、前記信号に基づいて前記試料ホルダ(50)を調整するように構成された制御ユニット(90)を更に備える、請求項10に記載の反射率計。
【請求項16】
試料の反射率を測定する方法であって、
光源(20)から光ビームを投射すること、
その後、コリメートミラー(32)から前記光ビームを軸外放物面鏡(33)に反射すること、
その後、前記軸外放物面鏡(33)から前記光ビームを試料ホルダ(50)に取り付けられた前記試料上の百マイクロメートル未満のスポットサイズに集束させること、及び
その後、前記試料から前記光ビームを1以上の下流の光学素子(60)を通して検出器(80)に反射することを含む、方法。
【請求項17】
前記コリメートミラー(32)から前記光ビームを前記軸外放物面鏡(33)の光軸(34)に平行に反射することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記光源(20)から前記光ビームを投射することは、
複数の異なるレーザーのうちの1つから前記光ビームを投射することと、
前記複数の異なるレーザーの各々について、前記光ビームに第1の偏光を提供するために第1の偏光光学素子(45)に前記光ビームを導く第1の角度位置と、前記光ビームに第2の偏光を提供するために第2の偏光光学素子(46)に前記光ビームを導く第2の角度位置と、のうちの一方に第1の鏡(43)を調整することと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
第2の鏡(44)を第1の位置と第2の位置とのうちの一方に調整することであって、前記第1の位置では前記第1の偏光光学素子(45)から前記光ビームを受け取り、前記第2の位置では前記第2の偏光光学素子(46)から前記光ビームを受け取る、第2の鏡(44)を第1の位置と第2の位置とのうちの一方に調整することと、
前記第1の位置と前記第2の位置の両方において前記第2の鏡(44)から前記光ビームを単一の光路に沿って下流に導くことと、を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の異なるレーザーのうちの1つから前記光ビームを投射することは、第1の波長で第1のレーザーからと第2の波長で第2のレーザーからとのうちの一方で前記光ビームを投射することを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、広くは、試料を試験する分野に関し、特に、光を試料及び検出器に導くように構成された光学素子を有する反射率計に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 正反射率とは、鏡などの表面からの光の反射を指し、入射方向からの光が出射方向に反射される。したがって、正反射率は、光学装置を使用して測定され得る光の挙動である。材料の正反射率の測定は、試料材料の組成や他の化学的、熱的、又は光学的特性を特定する1つの方法である。
【0003】
[0003] 正反射率の測定には、幾つかの用途がある。例えば、この技法を使用して、他の種類の反射率測定の参照基準を規定したり、光学測定装置の較正用の参照基準を規定したりする。別の一実施例では、この技法が、光学コーティング産業において使用される。すなわち、例えば、鏡の光学効率を高めるためにコーティング(例えば、鏡)を開発する。更に別の一実施例では、正反射率の正確な絶対測定を使用して、光学コーティングの単一層の厚さ又は屈折率を測定することができる。
【0004】
[0004] 正反射率測定装置は、正確な測定のために構成要素と試料との位置合わせを行うことが困難である。更に、正反射率測定装置は、光ビームを試料や検出器に集束させることが困難である。例えば、光ビームは、光ビームの長さに沿って分散する傾向がある。絶対正反射率を測定するための改善された技法が望まれる。例えば、反射率測定を改善するために、構成要素と試料との位置合わせ機構や技法を有する装置が望まれる。光路と試料上のスポットサイズとを絞った装置が望まれる。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 一態様は、試料を試験するように構成された反射率計を対象とする。反射率計は、複数の光源を備え、各光源は、異なる波長において光路に沿って光ビームを発するように構成されている。試料ホルダが、光路に沿って試料を配置するように構成されている。鏡システムが、光源と試料ホルダとの間で光路内に配置され、光源から試料に向けて光ビームを反射するように構成されている。検出器が、試料から反射された光ビームを受け取るために、試料ホルダから下流に配置されている。鏡システムは、第1の鏡と第1の鏡から下流の第2の鏡を備える。第1の鏡は、複数の光源に対して調整可能なように構成されている。各光源について、第1の鏡は、第1の角度位置と第2の角度位置との間で移動するように構成されている。第1の角度位置は、第1の偏光状態で第1の偏光路を形成し、第2の角度位置は、異なる第2の偏光状態で異なる第2の偏光路を形成する。第2の鏡は、第1の偏光路と第2の偏光路との各々に沿って光ビームを受け取り、第2の鏡から下流の共通経路に沿って光ビームを導くように調整可能に構成されている。
【0006】
[0006] 別の一態様では、第1のペリスコープが、第1の偏光路に沿って配置されている。第1のペリスコープは、第1の偏光状態で光ビームを提供するように構成されている。第2のペリスコープが、第2の偏光路に沿って配置されている。第2のペリスコープは、第2の偏光状態で光ビームを提供するように構成されている。
【0007】
[0007] 別の一態様では、第1のペリスコープが、光ビームの偏光を第1の偏光状態に変更するように構成され、第2のペリスコープが、光ビームの偏光を第2の偏光状態に変更するように構成されている。
【0008】
[0008] 別の一態様では、複数の光源が、第1の波長で光ビームを発する第1のレーザー、及び異なる第2の波長で光ビームを発する第2のレーザーを含む。
【0009】
[0009] 別の一態様では、第1の鏡への光路が複数の光源の各々について異なるように、複数の光源の各々は特有の位置を有する。
【0010】
[0010] 別の一態様では、鏡システムが、第2の鏡から光ビームを受け取る拡大鏡、拡大鏡から光ビームを受け取るコリメートミラー、及び、コリメートミラーから光ビームを受け取り、光ビームを試料ホルダに集束させる軸外放物面鏡を備える。
【0011】
[0011] 別の一態様では、鏡システムが、試料ホルダ上に配置された試料上のスポットサイズに光ビームを百マイクロメートル未満に集束させるように構成されている。
【0012】
[0012] 別の一態様では、カメラが、試料からスポットを撮像するために、試料ホルダから下流に配置され、制御ユニットが、カメラから信号を受信し、信号に基づいて試料ホルダを調整するように構成されている。
【0013】
[0013] 別の一態様では、試料ホルダが、試料を配置するために、六自由度内で調整可能である。
【0014】
[0014] 一態様は、試料を試験するように構成された反射率計を対象とする。反射率計は、光路に沿って光ビームを発する光源を備える。検出器が、光路に沿って光源から下流に配置される。試料ホルダが、光路に沿って試料を配置するように構成されている。試料ホルダは、光源と検出器との間で光路に沿って配置されている。第1の光学素子が、光源と試料ホルダとの間で光路に沿って配置されている。第2の光学素子が、試料ホルダと検出器との間で光路に沿って配置されている。第1の光学素子のうちの1つは、軸外放物面鏡を含む。光源は、光路の第1のセクションに沿って光ビームを発し、軸外放物面鏡は、光路の第2のセクションに沿って光ビームを導く。第1のセクションと第2のセクションとは、垂直である。
【0015】
[0015] 別の一態様では、第1の光学素子が、軸外放物面鏡の光軸に平行に軸外放物面鏡に光ビームを導くように構成されたコリメートミラーを含む。
【0016】
[0016] 別の一態様では、軸外放物面鏡が、試料ホルダの中心に整列した焦点軸を有する。
【0017】
[0017] 別の一態様では、軸外放物面鏡が、試料ホルダの表面上に焦点を有する。
【0018】
[0018] 別の一態様では、光源と試料ホルダとの間の光路にはレンズがない。
【0019】
[0019] 別の一態様では、カメラが、試料からのスポットを撮像するために、試料ホルダから下流に配置され、制御ユニットが、カメラから信号を受信し、信号に基づいて試料ホルダを調整するように構成されている。
【0020】
[0020] 一態様は、試料の反射率を測定する方法を対象とする。該方法は、光源から光ビームを投射すること、その後、コリメートミラーから光ビームを軸外放物面鏡に反射すること、その後、軸外放物面鏡から光ビームを試料ホルダに取り付けられた試料上の百マイクロメートル未満のスポットサイズに集束させること、及び、その後、試料から光ビームを1以上の下流の光学素子を通して検出器に反射することを含む。
【0021】
[0021] 別の一態様では、該方法が、コリメートミラーから光ビームを軸外放物面鏡の光軸に平行に反射することを更に含む。
【0022】
[0022] 別の一態様では、光源から光ビームを鏡に向けて投射することが、複数の異なるレーザーのうちの1つから光ビームを投射することと、複数の異なるレーザーの各々について、光ビームに第1の偏光を提供するために第1の偏光光学素子に光ビームを導く第1の角度位置と、光ビームに第2の偏光を提供するために第2の偏光光学素子に光ビームを導く第2の角度位置と、のうちの一方に第1の鏡を調整することとを含む。
【0023】
[0023] 別の一態様では、該方法が、第2の鏡を第1の位置と第2の位置とのうちの一方に調整することであって、第1の位置では第1の偏光光学素子から光ビームを受け取り、第2の位置では第2の偏光光学素子から光ビームを受け取る、第2の鏡を第1の位置と第2の位置とのうちの一方に調整することと、第1の位置と第2の位置の両方において第2の鏡から光ビームを単一の光路に沿って下流に導くこととを更に含む。
【0024】
[0024] 別の一態様では、複数の異なるレーザーのうちの1つから光ビームを投射することが、第1の波長で第1のレーザーからと第2の波長で第2のレーザーからとのうちの一方で光ビームを投射することを含む。
【0025】
[0025] 上述の特徴、機能、及び利点は、様々な態様において単独で実現することができ、又は、更に別の複数の態様において組み合わせることができるが、これらの詳細は、以下の説明及び添付図面を参照することによって確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図3】[0028] 反射率計内の光路の一部分の概略図である。
【
図4】[0029] 反射率計内の光路の一部分の概略図である。
【
図5】[0030] 試料を支持する試料ホルダの斜視図である。
【
図7】[0032] 反射率計内の光路の一部分の概略図である。
【
図8】[0033] 制御ユニットの概略図である。
【
図9】[0034] 試料の反射率を測定する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0035] 本出願は、試料を試験するように構成された反射率計を対象とする。反射率計は、試料ホルダ上に配置された試料に光ビームを発する光源を含む。反射率計は、試料上の縮小されたスポットサイズに光ビームを集束させる。反射率計は、試料から下流にある検出器を使用して、試料内の構造/欠陥を見るように構成されている。
【0028】
[0036]
図1は、試料100を試験するように構成された反射率計15の概略図を示す。反射率計15は、光路に沿って光ビーム70を発する光源20を含む。試料ホルダ50は、光路に沿って試料100を配置する。下流に配置された検出器80は、試料100から反射率を受け取る。1以上の光学素子30は、試料100から上流の光路に沿って配置されている。1以上の第2の光学素子60は、試料100から下流の光路に沿って配置されている。
【0029】
[0037] 反射率計15は、光ビーム70を試料100の上に集束させるように構成されている。幾つかの実施例では、反射率計15が、試料100上に光ビームを百マイクロメートル(100μm)未満のスポットサイズに集束させる。
【0030】
[0038] 光源20は、光ビームを発するように構成されている。光源20は、様々な波長の範囲内の光を発するように構成され得る。幾つかの実施例では、光源20が、6.5μm~1550nmの範囲内の光ビームを出力するレーザーである。幾つかの実施例では、光源20が、7μm~12μmの間の範囲内の光ビームを発するように調整可能な量子カスケードレーザー(QCL)である。幾つかの実施例では、光源が固定波長レーザーである。光源20は、様々なレーザー、発光ダイオード、広帯域源、電球、及び自然太陽光を含むが、これらに限定されない様々な他の構成を含み得る。
【0031】
[0039] 上流の光学素子30は、光源20と試料ホルダ50との間で試料100から上流に配置されている。下流の光学素子60は、試料ホルダ50と検出器80との間で試料100から下流に配置されている。光学素子30、60は、光ビーム70を成形し導くための鏡やレンズを含む様々な異なる素子を含み得る。
【0032】
[0040]
図2は、光源20、上流の光学素子30、試料100を保持するための試料ホルダ50、下流の光学素子60、及び検出器80を含む、反射率計15の一実施例を示す。この実施例では、上流の光学素子30が、光を試料100に向けて導く反射部材を含む鏡システム39を含む。反射部材は、光ビーム70が光学素子30を通過することなしに、光ビーム70を反射する。幾つかの実施例では、鏡システム39がレンズを欠いている。
【0033】
[0041]
図2で示されているように、鏡システム39は、光源20から発された光ビーム70を反射する拡大鏡31を含む。拡大鏡31は、光ビーム70が第1の鏡31から第2の鏡32に導かれるときに、光ビーム70の光線を光ビーム70の光軸から外向きに離れるように傾斜させる。
【0034】
[0042] 幾つかの実施例では、第2の鏡32が、コリメートミラーである。コリメートミラーは、光ビーム70の光線が光路に沿って第3の鏡33に向かって移動するときに、光ビーム70の光線をより整列したものにする。幾つかの実施例では、第2の鏡32が、第2の鏡32と第3の鏡33との間で、反射した光線を光ビーム70の光軸に平行にさせる。
【0035】
[0043] 第3の鏡33は、第2の鏡32から下流に配置され、第2の鏡32から反射された光ビーム70を受け取る。幾つかの実施例では、第3の鏡33が、軸外放物面(OAP)鏡である。
図3で示されているように、OAP鏡33は、光軸34と焦点軸35とを有する。焦点軸35は、OAP鏡33の中心Cと試料ホルダ50における焦点36との間を通る。
【0036】
[0044] 幾つかの実施例では、OAP鏡33の表面が、親放物面のセクションである。OAP鏡33の光軸34は、親放物面の光軸に平行であり、親放物面の光軸からオフセットされている。OAP鏡33の焦点36は、親放物面の光軸上に配置されている。
【0037】
[0045] 使用中、第2の鏡32からコリメートされた光は、OAP鏡33の光軸34に平行に導かれる。この平行配置により、OAP鏡33は、光を反射し、光軸34からオフセットされた焦点36において集束させる。幾つかの実施例では、焦点軸35が、光軸34に垂直である。幾つかの実施例では、焦点36が、試料ホルダ50の表面から外側に配置されている。試料100は、試料ホルダ50の表面上に取り付けられ、OAP鏡33の焦点36に配置されている。他の複数の実施例では、焦点36が、試料ホルダ50の表面上に配置されている。様々な実施例では、OAP鏡33の集束が、試料100の面において100μm未満のスポットサイズをもたらす。
【0038】
[0046]
図4は、光源20と試料ホルダ50における試料100との間の光路の概略断面図を示す。光路は、光源20と第1の鏡31との間の光軸37を含む、第1のセクション75aを含む。第2のセクション75bは、第1の鏡31と第2の鏡32との間で延在する。第3のセクション75cは、第2の鏡32と第3の鏡33との間で延在する光軸34を含む。第4のセクション75dは、第3の鏡33と試料100との間で延在する焦点軸35を含む。幾つかの実施例では、第1のセクション75aの光軸37と第3のセクション75cの光軸34とが平行である。幾つかの実施例では、焦点軸35が、光軸37に垂直である。幾つかの実施例では、焦点軸35が、光軸34に垂直である。
【0039】
[0047]
図2で示されているように、OAP鏡33は、検出器80から離れるように光を導く。この構成により、反射率計15の全体的なサイズをより小さくすることができる。一実施例では、光源20とカメラ63との間の距離Qが200mmである。
【0040】
[0048] 試料ホルダ50は、試料100を支持するように構成されている。試料ホルダ50は、試験中に試料100が配置されるプラットフォーム51を含む。幾つかの実施例では、プラットフォーム51が、試料100を固定するための機械的ファスナなどの取り付け部材を含むが、これらに限定されるものではない。試料ホルダ50は、焦点スポットを操作し位置合わせするために、プラットフォーム51を移動させるように調整可能である。幾つかの実施例では、試料ホルダ50が、焦点スポットの位置合わせのための調整を行うために移動の六自由度を提供する。
【0041】
[0049]
図5は、試料100を配置するための試料ホルダ50を示す。試料ホルダ50は、試料100を配置するためのプラットフォーム51を含む。ベース52から上方に延在する脚部53がプラットフォーム51を支持する。脚部53は、プラットフォーム51を操作し配置するために調整可能である。幾つかの実施例では、脚部53が、プラットフォーム51の、したがって、取り付けられた試料100の移動の六自由度を提供するために調整可能である。1以上のモータ54が、脚部53を調整することを行う。
【0042】
[0050]
図2で示されているように、カメラ63及び鏡62が、試料100の位置合わせを行う。鏡62は、光路内の第1の位置と光路外の第2の位置との間で移動可能なフリップミラーである。位置合わせのために、鏡62は、光路の中に反転されて、カメラ63に光を導く。カメラ63は、普通であれば光路から離れるように配置されているはずである。試料100が位置合わせされたときに、鏡62は、邪魔にならないように反転されて、光が検出器80によって検出されることを可能にする。カメラ63は、試料の位置合わせと試料100への光の集束とを検出する。制御ユニット90が、カメラ63から信号を受信し、ピントと試料ホルダ50に対する必要な変更とを検出する。幾つかの実施例では、焦点を合わせることが、制御ユニット90を介した完全に自動化されたプロセスである。他の複数の実施例では、システムの1以上の態様が、手作業で操作される(例えば、試料ホルダ50の調整)。
【0043】
[0051] 下流の光学素子60は、集光レンズ61を含む。集光レンズ61は、光ビームを検出器80に向けて集束させる。検出器80は、試料100からの光を捕捉する。検出器80は、様々な異なる光学素子を含み得る。検出器80は、光源20に応じて、様々な異なる種類の光を検出するように構成され得る。更に、検出器80は、垂直偏光、水平偏光、右手(RH)偏光、及び/又は左手(LH)偏光を含むが、これらに限定されない様々な異なる偏光で光を検出することができる。
図2で示されているような幾つかの実施例では、検出器80が、結像レンズを有する積分球81を採用する。他の複数の実施例では、検出器80が、積分球81を含まない。
【0044】
[0052]
図2で示されているような幾つかの実施例では、反射率計15が、単一の光源20を含む。
図6で示されているような他の複数の実施例では、反射率計15が、2つ以上の光源20a~20nを含む。異なる光源20a~20nは、異なる波長又は波長範囲の光を発する。一実施例では、反射率計15が、4つの光源20を含む。各光源20は、異なる波長又は波長範囲の光を発する。特定の一実施例では、光源20が、6.5μm~13.3μmの間の波長の範囲内の光を発する第1の光源20a、3.52μm~5.11μmの波長の範囲内の光を発する第2の光源20b、1550nmの波長の光を発する第3の光源20c、及び1064nmの波長の光を発する第4の光源20dを含む。幾つかの実施例では、光源のうちの1以上が、波長を0.01μm単位で調整可能である。
【0045】
[0053]
図6で示されているように、偏光制御エリア40が、光源20から下流に配置され、光の偏光を選択的に制御することを行う。偏光制御エリア40は、偏光を制御するための1以上の光学素子41を含む。
【0046】
[0054]
図7は、一対の光源20a、20b及び一対の鏡43、44を含む一実施例を示す。幾つかの実施例では、鏡43、44が、各々、ガルバノミラーである。他の複数の実施例では、一方又は両方の鏡43、44が、異なる種類の鏡である。第1の鏡43は、光源20a、20bのいずれかから光を受け取るために、異なる角度位置の間で移動するように調整可能である。第1の鏡43は、光を第1の光学素子45又は第2の光学素子46のいずれかに導く。幾つかの実施例では、異なる光学素子45、46が、異なる偏光を提供する。ある特定の実施例では、光学素子45が、S偏光を提供し、光学素子46が、P偏光を提供する。一実施例では、光学素子45、46が、光を反射するために1以上のプリズム、レンズ、又は鏡を使用するペリスコープである。
【0047】
[0055] 第2の鏡44が、光を第1の鏡31へ下流に導くように構成されている。第2の鏡44は、光学素子45から光を受け取り、それを第1の鏡31に導く第1の位置と、光学素子46から光を受け取り、それを第1の鏡31に導く第2の位置と、の間に配置可能である。第2の鏡44は、両方の光が同じ光路を移動して第1の鏡31へ到達するように、それらの光路を再結合するように機能する。偏光が異なる一実施例では、両方のS及びP偏光状態が、同じ光路を移動して第1の鏡31へ到達するように、第2の鏡44が、それらの光路を再結合する。
【0048】
[0056] 幾つかの実施例では、反射率計15がコンピュータ制御される。
図8で示されているように、反射率計15は、動作を監視する制御ユニット90を含む。制御ユニット90は、メモリ回路92内に記憶されたプログラム命令93に従って動作する処理回路91を含む。処理回路91は、1以上の回路、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、ハードウェア、又はそれらの組み合わせを含む。処理回路91は、必要とされる機能を提供するための様々な量のコンピューティング能力を含み得る。
【0049】
[0057] メモリ回路92は、本明細書で説明される技法のうちの1以上を実装するように処理回路91を構成する、コンピュータプログラム製品などのプログラム命令93を記憶した非一過性のコンピュータ可読記憶媒体を含む。メモリ回路92は、例えば、リードオンリーメモリやフラッシュメモリなどの様々なメモリデバイスを含み得る。メモリ回路92は、
図8で示されているような別個の構成要素であり得るか、又は処理回路91に組み込まれ得る。代替的に、処理回路91は、例えば、処理回路91が専用でありプログラム不可能である少なくとも幾つかの実施形態に従って、メモリ回路92を省略し得る。
【0050】
[0058] インターフェース回路94は、反射率計15の構成要素のうちの1以上から信号を送信及び/又は受信することを行う。構成要素には、光学素子30、60、試料ホルダ50を調整するためのモータ54、カメラ63、及び検出器80のうちの1以上の配置を調整するモータを含まれるが、これらに限定されるものではない。インターフェース回路94は、構成要素との間の一方向通信又は双方向通信を提供し得る。
【0051】
[0059] 通信回路95は、制御ユニット90と遠隔ノード(例えば、オペレータ装置、サーバ、データベース)との間の通信を提供する。通信回路95は、1以上の遠隔ノードとの間のデータの送受信を行う。
【0052】
[0060] ユーザインターフェース96は、ユーザが動作中に反射率計15の1以上の態様を制御できるようにする。ユーザインターフェース96は、非限定的に、キーパッド、タッチパッド、ローラーボール、及びジョイスティックなどの、1以上の入力デバイス98を含む。ユーザインターフェース96はまた、試験に関する情報を表示し及び/又はオペレータが処理回路91にコマンドを入力するための1以上のディスプレイ97も含む。
【0053】
[0061] 幾つかの実施例では、制御ユニット90が反射率計15の全動作を制御する。更に又は代替的に、構成要素のうちの1以上は、ユーザによって制御され得る。一実施例では、ユーザが、ディスプレイ97に表示された出力に従って試料ホルダ50調整することができる。別の一実施例では、ユーザが、試験中に使用される光源20の種類を制御するためのコマンドを入力する。
【0054】
[0062]
図9は、試料100の反射率を測定する方法を示す。光ビームは、光源20から投射される(ブロック110)。光ビームは、コリメートミラー32から軸外放物面鏡33に反射される(ブロック112)。光ビームは、軸外放物面鏡33から、試料ホルダ50に取り付けられた試料100上の百マイクロメートル未満のスポットサイズに集束する(ブロック114)。該方法は、試料から光ビームを1以上の下流の光学素子60を通して検出器80に反射することを含む(ブロック116)。
【0055】
[0063] 本発明は、本発明の本質的な特性から逸脱しない限り、本明細書で具体的に説明された方法とは異なる他の方法で実施することが可能である。本実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないとみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲の意味及び均等性の範囲内にある全ての変更は、そこに含まれることが意図される。
【外国語明細書】