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特開2024-153552コイル部品及びコイル部品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153552
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】コイル部品及びコイル部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/29 20060101AFI20241022BHJP
   H01F 41/04 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H01F27/29 123
H01F41/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】33
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024028314
(22)【出願日】2024-02-28
(31)【優先権主張番号】10-2023-0050139
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ノ イル
(72)【発明者】
【氏名】カン、イン ヨウン
(72)【発明者】
【氏名】キム、イク セオブ
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AB03
5E070BB03
5E070CB03
5E070CB13
5E070CB17
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】下面電極構造に該当し、厚さが薄いコイル部品において、コイルと外部電極との間の連結信頼性を高めるコイル部品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】コイル部品1000は、少なくとも一つのターンを有する第1、第2コイル部311、312、第1、第2コイル部を連結する内側ビア、第1、第2コイル部の最外側ターンから延長される第1、第2引出部331、332、支持部材に配置される第1、第2サブ引出部341、342、第1、第2引出部と第1、第2サブ引出部とを連結する第1外側ビア321、第2コイル部の最外側ターンから延長される第2引出部を含むコイル、リセスR1に延長されて第1引出部と連結される第1外部電極400及びリセスR2に延長されて第2引出部と連結される第2外部電極500を含み、第1外側ビアの少なくとも一部は第1外部電極と接する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に対向し、それぞれリセスが形成された第1面と第2面、及び前記第1面と前記第2面とを連結し、第2方向に対向する第3面と第4面を有する本体と、
前記本体内に配置され、互いに対向する一面及び他面を有する支持部材と、
前記支持部材に配置され、少なくとも一つのターンを有する第1コイル部及び第2コイル部、前記第1コイル部及び前記第2コイル部を連結する内側ビア、前記第1コイル部の最外側ターンから前記第1面に延長される第1引出部、前記支持部材の他面に配置される第1サブ引出部、前記第1引出部と前記第1サブ引出部とを連結する第1外側ビア、及び前記第2コイル部の最外側ターンから前記第2面に延長される第2引出部を含むコイルと、
前記第3面に配置され、前記第1面のリセスに延長されて前記第1引出部と連結される第1外部電極と、
前記第3面に配置され、前記第2面のリセスに延長されて前記第2引出部と連結される第2外部電極と、を含み、
前記第1外側ビアの少なくとも一部は前記第1外部電極と接する、コイル部品。
【請求項2】
前記第1外側ビアの少なくとも一部は、前記第1面のリセスと共面をなす、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第1外側ビアと前記第1外部電極が接する面は傾斜面で形成される、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記第1外側ビアは、前記第2方向に対向する上面及び下面を有し、
前記第1外側ビアの前記下面の断面積は前記上面の断面積より小さい、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記支持部材の少なくとも一部は、前記第1面のリセスに延長されて前記第1外部電極と接する、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記第1方向及び前記第2方向と平行な断面上において、
前記第1外側ビアと前記支持部材との間の最内側境界線から、前記第1引出部の最外側境界線の延長線までの前記第1方向に沿った距離は、前記内側ビアの直径以上である、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第1コイル部及び前記第2コイル部のうち少なくとも一つのターン数は3.5ターン以上である、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第1外部電極のうち、前記第1面のリセスに配置された部分の少なくとも一部は、前記第1引出部と接する、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記コイルは、前記支持部材の一面に配置され、前記第2面に延長された第2サブ引出部をさらに含む、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記コイルは、前記第2引出部と前記第2サブ引出部とを連結する第2外側ビアをさらに含む、請求項9に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記第2外側ビアの少なくとも一部は、前記第2外部電極と接する、請求項10に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記支持部材の少なくとも一部は、前記第2面のリセスに延長されて前記第2外部電極と接する、請求項9に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記第2外側ビアは複数個であり、
複数個の前記第2外側ビアのうち少なくとも一つは、少なくとも一部が前記第2面のリセスに延長されて前記第2外部電極と接する、請求項10に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記支持部材と前記第1コイル部及び前記第2コイル部の前記第2方向に沿った厚さの合計は、前記本体の前記第2方向に沿った厚さの1/3以上である、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記第1方向及び前記第2方向と平行な断面上において、
前記第1外側ビアと前記支持部材との間の最内側境界線から、前記第1引出部の最外側境界線の延長線までの前記第1方向に沿った距離は、前記第1引出部の前記第2方向に沿った厚さ以上である、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項16】
前記第1コイル部の前記第2方向に沿った厚さは、前記第1引出部の前記第2方向に沿った厚さ以上である、請求項15に記載のコイル部品。
【請求項17】
前記本体は、前記第1方向及び前記第2方向とそれぞれ垂直な第3方向に互いに対向する第5面及び第6面をさらに含み、
前記リセスは、前記第1面と前記第3面との間、及び前記第2面と前記第3面との間の領域にそれぞれ位置する、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項18】
前記リセスは、前記第3方向に沿って前記第5面及び前記第6面まで延長される、請求項17に記載のコイル部品。
【請求項19】
前記リセスは、前記第5面及び前記第6面のうち少なくとも一つと離隔する、請求項17に記載のコイル部品。
【請求項20】
前記リセスは曲面を含む、請求項19に記載のコイル部品。
【請求項21】
前記第1外側ビアは複数個であり、
複数個の前記第1外側ビアのうち少なくとも一つは、少なくとも一部が前記第1面のリセスに延長されて前記第1外部電極と接する、請求項1、2、又は19のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項22】
複数個の前記第1外側ビアは、互いに重なって一列に配置される、請求項21に記載のコイル部品。
【請求項23】
前記第1サブ引出部の前記第2方向に沿った厚さT1に対する、前記第1面のリセスの前記第2方向に沿った高さH1の比H1/T1は、4.4以上6.4以下である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項24】
前記第1面のリセスの前記第2方向に沿った高さは、0.22mm以上0.32mm以下である、請求項1、2、又は23のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項25】
前記支持部材は前記第2面と離隔する、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項26】
前記第2引出部の少なくとも一部は、前記支持部材と離隔する、請求項25に記載のコイル部品。
【請求項27】
それぞれリセスが形成され、互いに対向する第1面と第2面、前記第1面と前記第2面とを連結し、互いに対向する第3面と第4面を有する本体と、
前記本体内に配置される支持部材と、
前記支持部材の少なくとも一面に配置されるコイル部と、
前記コイル部の最外側ターンから前記第1面に延長される引出部と、
前記第3面に配置され、前記第1面のリセスに延長される外部電極と、
前記引出部と前記外部電極との間を連結する外側ビアと、を含み、
前記外部電極の少なくとも一部は、前記外側ビア及び前記支持部材と接する、コイル部品。
【請求項28】
前記外側ビアは複数個であり、
複数個の前記外側ビアのうち少なくとも一つは、少なくとも一部が前記リセスに延長されて前記外部電極と接する、請求項27に記載のコイル部品。
【請求項29】
支持部材に複数のビアホールを形成する段階と、
前記支持部材及び前記ビアホールの内側面にシード層を配置する段階と、
前記支持部材にめっきレジストを配置してパターニングする段階と、
前記支持部材にめっきによってコイルを形成する段階と、
前記コイルの表面に絶縁膜を形成する段階と、
複数の磁性体シートを、前記コイルが配置された前記支持部材の上下方向で圧着及び硬化して本体を形成する段階と、
前記本体の一面で前記本体の一部を切削してリセスを形成する段階と、
前記本体の一面のうち一部領域に絶縁層を配置し、残りの領域及び前記リセスに外部電極を配置する段階と、
前記リセスの中央領域でダイシングによって個別のコイル部品に分離する段階と、を含み、
前記コイルは、前記複数のビアホールのうち少なくとも一つに配置された外側ビアを含み、前記外部電極は、少なくとも一部が前記外側ビアと接するように配置される、コイル部品の製造方法。
【請求項30】
前記分離された前記コイル部品のうち、前記本体が露出した領域に前記絶縁層を配置する段階をさらに含む、請求項29に記載のコイル部品の製造方法。
【請求項31】
前記リセスは、前記外側ビアの少なくとも一部が露出するように形成される、請求項29又は30に記載のコイル部品の製造方法。
【請求項32】
前記外側ビアと前記外部電極が接する面は傾斜面で形成される、請求項29又は30に記載のコイル部品の製造方法。
【請求項33】
前記外側ビアは複数個で形成される、請求項29又は30に記載のコイル部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品の一つであるインダクタ(inductor)は、抵抗(resistor)及びキャパシタ(capacitor)と共に電子機器に用いられる代表的な受動電子部品である。
【0003】
電子機器が次第に高性能化、小型化するにつれて、電子機器に用いられる電子部品もその数が増加し、小型化している。
【0004】
一方、集積化のためのコイル部品は、外部電極が実装面にのみ配置される構造が有利であるが、薄型化(Low-profile)したコイル部品の場合、外部電極とコイルとの間の連結信頼性を高めることができる構造が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本公開特許第2019-192920号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一実施形態による目的の一つは、下面電極構造に該当し、厚さが薄いコイル部品において、コイルと外部電極との間の連結信頼性を高めることである。
【0007】
本発明の一実施形態による目的の他の一つは、下面電極構造を有しながらも有効体積が増加し、コイル抵抗Rdcは減少できるコイル部品を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、第1方向に対向し、それぞれリセスが形成された第1面と第2面、及び上記第1面と第2面とを連結し、第2方向に対向する第3面と第4面を有する本体、上記本体内に配置され、互いに対向する一面及び他面を有する支持部材、上記支持部材に配置され、少なくとも一つのターンを有する第1及び第2コイル部、上記第1及び第2コイル部を連結する内側ビア、上記第1コイル部の最外側ターンから上記第1面に延長される第1引出部、上記支持部材の他面に配置される第1サブ引出部、上記第1引出部と上記第1サブ引出部とを連結する第1外側ビア、及び上記第2コイル部の最外側ターンから上記第2面に延長される第2引出部を含むコイル、上記第3面に配置され、上記第1面のリセスに延長されて上記第1引出部と連結される第1外部電極、及び上記第3面に配置され、上記第2面のリセスに延長されて上記第2引出部と連結される第2外部電極を含み、上記第1外側ビアの少なくとも一部は、上記第1外部電極と接するコイル部品が提供されることができる。
【0009】
本発明の他の側面によれば、支持部材に複数のビアホールを形成する段階、上記支持部材及び上記ビアホールの内側面にシード層を配置する段階、上記支持部材にめっきレジストを配置してパターニングする段階、上記支持部材にめっきによってコイルを形成する段階、上記コイルの表面に絶縁膜を形成する段階、複数の磁性体シートを上記コイルが配置された支持部材の上下方向で圧着及び硬化して本体を形成する段階、上記本体の一面で上記本体の一部を切削してリセスを形成する段階、上記本体の一面のうち一部領域に絶縁層を配置し、残りの領域及び上記リセスに外部電極を配置する段階、及び上記リセスの中央領域でダイシングによって個別のコイル部品に分離する段階を含み、上記コイルは、上記複数のビアホールのうち少なくとも一つに配置された外側ビアを含み、上記外部電極は、少なくとも一部が上記外側ビアと接するように配置される方法によってコイル部品が製造されることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一側面によれば、下面電極構造に該当し、厚さが薄いコイル部品において、コイルと外部電極との間の連結信頼性を高めることができる。
【0011】
本発明の他の側面によれば、下面電極構造を有しながらも有効体積は増加し、コイル抵抗Rdcは減少したコイル部品が提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。
図2図1の分解斜視図である。
図3図1のI-I'線に沿った断面を示す図である。
図4図1のII-II'線に沿った断面を示す図である。
図5図1の平面図である。
図6】本発明の第2実施形態によるコイル部品を示すものであって、図3に対応する図である。
図7】本発明の第3実施形態によるコイル部品を示すものであって、図5に対応する図である。
図8】本発明の第3実施形態の変形例によるコイル部品を示すものであって、図7に対応する図である。
図9】本発明の第4実施形態によるコイル部品を示すものであって、図3に対応する図である。
図10】本発明の第5実施形態によるコイル部品を示すものであって、図3に対応する図である。
図11】本発明の第5実施形態の変形例によるコイル部品を示すものであって、図10に対応する図である。
図12】本発明の第6実施形態によるコイル部品を示すものであって、図5に対応する図である。
図13】本発明の第6実施形態の変形例によるコイル部品を示すものであって、図12に対応する図である。
図14】本発明の第7実施形態によるコイル部品を示すものであって、図3に対応する図である。
図15】本発明の第8実施形態によるコイル部品を示すものであって、図3に対応する図である。
図16】本発明の一実施形態によるコイル部品の製造方法に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解すべきである。そして、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上又は下に位置することを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するものではない。
【0014】
なお、「結合」とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素間に介在し、該他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念で使用するものとする。
【0015】
図面に示される各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示したものであるため、本発明は必ずしも示されたものに限定されない。
【0016】
図において、L方向は第1方向又は長さ方向、W方向は第2方向又は幅方向、T方向は第3方向又は厚さ方向と定義することができる。
【0017】
以下、本発明の実施形態によるコイル部品について、添付の図面を参照して詳細に説明するが、添付の図面を参照して説明するにあたり、同一又は対応する構成要素には同一の図面番号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0018】
電子機器には様々な種類の電子部品が用いられるが、このような電子部品の間にはノイズ除去等を目的に様々な種類のコイル部品が適宜用いられることができる。
【0019】
すなわち、電子機器においてコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、共通モードフィルタ(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるコイル部品1000を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1の各構成間の連結関係を示す分解斜視図であり、図3は、図1のI-I'線に沿った断面を示す図であり、図4は、図1のII-II'線に沿った断面を示す図であり、図5図1の平面図である。
【0021】
図1図5を参照すると、本発明の第1実施形態によるコイル部品1000は、本体100、支持部材200、コイル300、及び外部電極400、500を含むことができ、本体100をカバーする絶縁層600をさらに含むことができる。
【0022】
本実施形態によるコイル部品1000のコイル300は、支持部材200の一面に配置された第1引出部331と支持部材200の他面に配置された第1サブ引出部341とを互いに連結する第1外側ビア321を含むことができ、第1外側ビア321の少なくとも一部は、第1外部電極400と接するように配置されることができる。これにより、薄型化したコイル部品において、コイル300と外部電極400、500との間の連結信頼性を向上することができ、下面電極構造を有しながらも有効体積が増加し、コイル抵抗Rdcは減少したコイル部品を実現することができる。
【0023】
以下では、本実施形態によるコイル部品1000を構成する主要な構成要素について詳細に説明する。
【0024】
本体100は、本実施形態によるコイル部品1000の外観をなして、内部に支持部材200及びコイル300を埋設する。
【0025】
本体100は、全体的に六面体の形状に形成されることができる。
【0026】
本体100は、長さ方向(L、第1方向)に互いに対向する第1面101と第2面102、厚さ方向(T、第2方向)に互いに対向する第3面103と第4面104、幅方向(W、第3方向)に互いに対向する第5面105と第6面106を含む。本体100の第1面101及び第2面102、第5面105及び第6面106のそれぞれは、本体100の第3面103及び第4面104を連結する本体100の壁面に該当することができる。
【0027】
本体100は、例示的に、外部電極400、500が形成された本実施形態によるコイル部品1000が、2.5mmの長さ、2.0mmの幅及び0.8mmの厚さを有するか、又は2.0mmの長さ、1.2mmの幅及び0.6mmの厚さを有するか、又は1.6mmの長さ、0.8mmの幅、0.6mmの厚さを有するか、又は1.4mmの長さ、1.2mmの幅、0.65mmの厚さを有するか、又は1.0mmの長さ、0.7mmの幅、0.65mmの厚さを有するか、又は0.8mmの長さ、0.4mmの幅、0.65mmの厚さを有するか、又は0.8mmの長さ、0.4mmの幅、0.5mmの厚さを有するように形成されることができるが、これらに限定されるものではない。一方、コイル部品1000の長さ、幅及び厚さに関する前述の例示的な数値は、工程誤差を反映していない数値をいうため、工程誤差と認められることができる範囲の数値は、前述の例示的な数値に該当すると見なすべきである。
【0028】
上述したコイル部品1000の長さとは、コイル部品1000の幅方向Wの中央部でとった長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部品1000の長さ方向Lに対向する2つの最外側境界線を長さ方向Lと平行に連結し、厚さ方向Tに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。あるいは、コイル部品1000の長さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。あるいは、コイル部品1000の長さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、長さ方向Lと平行な複数の線分は、厚さ方向Tに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0029】
上述したコイル部品1000の厚さとは、コイル部品1000の幅方向Wの中央部でとった長さ方向L-厚さ方向Tの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部品1000の厚さ方向Tに対向する2つの最外側境界線を厚さ方向Tと平行に連結し、長さ方向Lに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最大値を意味するものであることができる。あるいは、コイル部品1000の厚さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。あるいは、コイル部品1000の厚さは、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、厚さ方向Tと平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0030】
上述したコイル部品1000の幅とは、コイル部品1000の厚さ方向Tの中央部でとった長さ方向L-幅方向Wの断面(cross-section)に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示されたコイル部品1000の幅方向Wに対向する2つの最外側境界線を幅方向Wと平行に連結し、長さ方向Lに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)の最大値を意味するものであることができる。あるいは、コイル部品1000の幅は、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち最小値を意味するものであることができる。あるいは、コイル部品1000の幅は、上述した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、幅方向Wと平行な複数の線分は、長さ方向Lに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0031】
あるいは、コイル部品1000の長さ、幅及び厚さのそれぞれは、マイクロメータ測定法で測定されることもできる。マイクロメータ測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメータでゼロ点を設定し、マイクロメータのチップ(tip)の間に本実施形態によるコイル部品1000を挿入し、マイクロメータの測定レバー(lever)を回して測定することができる。一方、マイクロメータ測定法によりコイル部品1000の長さを測定するにあたり、コイル部品1000の長さは1回測定された値を意味することもでき、複数回測定された値の算術平均を意味することもできる。これは、コイル部品1000の幅及び厚さにも同様に適用することができる。
【0032】
本体100は、磁性物質と樹脂を含むことができる。具体的に、本体100は、磁性物質が樹脂に分散された磁性複合シートを一つ以上積層して形成することができる。但し、本体100は、磁性物質が樹脂に分散された構造以外に他の構造を有することもできる。例えば、本体100は、フェライトのような磁性物質からなってもよい。
【0033】
磁性物質はフェライト又は金属磁性粉末であってもよい。
【0034】
フェライトは、例として、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系等のスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系等の六方晶型フェライト類、Y系等のガーネット型フェライト及びLi系フェライトのうち少なくとも一つ以上であってもよい。
【0035】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、ホウ素(B)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、リン(P)及びニッケル(Ni)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末のうち少なくとも一つ以上であってもよい。
【0036】
金属磁性粉末は非晶質及び/又は結晶質を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0037】
金属磁性粉末は、それぞれ平均直径が約0.1μm~30μmであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0038】
本体100は、樹脂に分散された2種類以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質が異なる種類とは、樹脂に分散された磁性物質が平均直径、組成、結晶性、及び形状のうちいずれか一つで互いに区別されることを意味する。
【0039】
樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独又は混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0040】
本体100は、支持部材200及びコイル300を貫通するコア110を含む。コア110は、磁性複合シートが支持部材200及びコイル300の内側の貫通孔を充填することによって形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0041】
図1及び図3を参照すると、本体100の第1面101及び第2面102にそれぞれリセスR1、R2が形成されることができる。
【0042】
具体的に、第1面101のリセスR1は、本体100の第1面101と第3面103との間に形成され、第2面102のリセスR2は、本体100の第2面102と第3面103との間に形成されることができる。
【0043】
リセスR1、R2は、第3方向Wに沿って本体100の第5面105及び第6面106まで延長されることができる。但し、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、例として、リセスR1、R2が第5面105及び第6面106まで延長されずに本体100の第3方向Wに沿った幅よりも小さく形成されてもよい。
【0044】
一方、リセスR1、R2は本体100の第4面104まで延長されない。すなわち、リセスR1、R2は、本体100の第2方向Tに本体100を貫通しない。
【0045】
リセスR1、R2は、各コイル部品が個別化される前の状態であるコイルバーの状態において、各コイル部品を個別化する仮想の境界線のうち、各コイル部品の第3方向Wと一致する仮想の境界線に沿ってコイルバーの一面にプレダイシング(pre-dicing)を行うことによって形成されることができる。このようなプレダイシング(pre-dicing)は、第1サブ引出部341及び第2引出部332がリセスR1、R2にそれぞれ露出できるようにその深さが調節される。
【0046】
図3を参照すると、本実施形態によるコイル部品1000のリセスR1、R2は、支持部材200の一部を露出するように形成されることができる。すなわち、リセスR1、R2の第2方向Tに沿った高さH1を、支持部材200が配置された高さより高く形成することにより、各リセスR1、R2は第1サブ引出部341又は第2引出部332だけでなく、支持部材200の少なくとも一部を露出するように形成されることができる。
【0047】
特に、本実施形態によるコイル部品1000は、支持部材200を貫通して第1引出部331と第1サブ引出部341との間を連結する第1外側ビア321の少なくとも一部が第1面101のリセスR1に露出することができる。
【0048】
リセスR1、R2の内面は、本体100の第1面101及び第2面102と実質的に平行な内壁、及び内壁と交差する方向に形成された底面を含むことができる。
【0049】
しかし、本発明の範囲は、これに限定されるものではなく、本実施形態のように、第1面101のリセスR1の内面は、L-T断面上において本体100の第1面101と第3面103とを連結する曲線の形態を有するように形成され、上述した内壁と底面とが区分されなくてもよく、不規則な形状を有してもよい。同様に、第2面102のリセスR2の内面は、L-T断面上において本体100の第2面102と第3面103とを連結する曲線の形態を有するように形成され、上述の内壁と底面とが区分されなくてもよく、不規則な形状を有してもよい。
【0050】
支持部材200は本体100内に配置され、互いに対向する一面及び他面を有することができる。図1の方向を基準に、支持部材200の一面は上面に該当し、支持部材200の他面は下面に該当する。
【0051】
支持部材200は、コイル300を支持する構成である。図2及び図3を参照すると、支持部材200は、一面に配置された第1コイル部311及び第1引出部331、他面に配置された第2コイル部312、第2引出部332及び第1サブ引出部341を支持することができる。
【0052】
一方、コイル300が巻線型コイルに該当するか、コアレス(coreless)構造を有する場合など、実施形態によっては支持部材200が除外される場合もある。
【0053】
図3を参照すると、本実施形態によるコイル部品1000の支持部材200は、少なくとも一部がリセスR1、R2に露出して第1外部電極400又は第2外部電極500と接することができる。
【0054】
このような構造は、薄型化したコイル部品1000において、リセスR1、R2の高さH1が支持部材200の配置高さよりも高く形成されるため、プレダイシング(pre-dicing)工程におけるダイシンクチップが、支持部材200の一部を除去することによって実現されることができる。これにより、後述する第1外側ビア321と第1外部電極400とが直接接触することができ、コイル300と第1外部電極400との間の連結信頼性が向上でき、第2外部電極500も、コイル300との接触面積が広くなるため、連結信頼性向上及び抵抗成分Rdc減少の効果を有することができる。
【0055】
支持部材200は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂又は感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、あるいは、このような絶縁樹脂にガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された絶縁材料で形成されることができる。例として、支持部材200は、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imagable Dielectric)、銅箔積層板(Copper Clad Laminate、CCL)などの材料で形成されることができるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO)、タルク、泥、雲母粉、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO)、チタン酸バリウム(BaTiO)及びジルコン酸カルシウム(CaZrO)で構成された群から選択された少なくとも一つ以上が使用できる。
【0057】
支持部材200が補強材を含む絶縁材料で形成される場合、支持部材200はより優れた剛性を提供することができる。支持部材200がガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、支持部材200とコイル300全体の厚さ(図1の第2方向Tに沿ったコイル300と支持部材200のそれぞれの数値(dimension)の合計を意味する)を薄型化して部品の厚さを減少させるのに有利である。支持部材200が感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成される場合、コイル300を形成するための工程数が減少し、生産コストの削減に有利であり、内側ビア320及び外側ビア321を微細に形成することができる。支持部材200の厚さはそれぞれ、例として、10μm以上50μm以下であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0058】
コイル300は、本体100に埋設されてコイル部品の特性を発現する。例えば、本実施形態によるコイル部品1000がパワーインダクタとして活用される場合、コイル300は電場を磁場として保存し、出力電圧を維持することにより、電子機器の電源を安定させる機能を果たすことができる。
【0059】
コイル300は、第1コイル部311、第2コイル部312、第1引出部331、第2引出部332、及び第1サブ引出部341を含むことができ、第1コイル部311と第2コイル部312とを連結する内側ビア320、及び第1引出部331と第1サブ引出部341とを連結する第1外側ビア321をさらに含むことができる。
【0060】
図3を参照すると、図3の方向を基準に、本体100の第4面104と対向する支持部材200の一面(上面)に第1コイル部311及び第1引出部331が配置され、本体100の第3面103と対向する支持部材200の他面(下面)に第2コイル部312、第2引出部332、及び第1サブ引出部341が配置されることができる。
【0061】
図1図5を参照すると、第1コイル部311は、支持部材200の一面に配置され、コア110を中心に少なくとも一つのターンを形成し、最外側ターンが延長されて第1引出部331と接触連結されることができる。第1コイル部311は平面螺旋形状を有することができるが、これに限定されるものではなく、角ばった形状を有することもできる。
【0062】
第1コイル部311は、コア110を中心に巻回される3.5ターン以上のターン数を有することが好ましいが、本実施形態の範囲は、これに限定されるものではない。ここで、第1コイル部311が有するターン数は、第1コイル部311と内側ビア320が接する領域から第1コイル部311と第1引出部331が接する領域までのターン数を意味することができる。
【0063】
第1引出部331は、支持部材200の一面に配置され、第1コイル部311の最外側ターンから本体100の第1面101に延長されるように配置されることができる。具体的に、第1引出部331は、支持部材200の一面に配置され、本体100の第1面101に露出し、絶縁層600でカバーされることができる。
【0064】
第1引出部331は、第1外側ビア321を介して支持部材200の他面の第1サブ引出部341と連結されることができる。
【0065】
第1サブ引出部341は支持部材200の他面に配置されるが、第2コイル部312とは離隔する構成であり、第1サブ引出部341は本体100の第1面101のリセスR1に露出して第1外部電極400と連結されるように配置されることができる。すなわち、第1引出部331は、少なくとも一部が第1面101のリセスR1に延長されて第1外部電極400と接するように配置されてもよい。
【0066】
図3を参照すると、第1サブ引出部341の第2方向Tに沿った厚さT1に対する、第1面101のリセスR1の第2方向Tに沿った高さH1の比H1/T1は、4.4以上6.4以下であってもよい。
【0067】
例示的に、第1サブ引出部341の第2方向Tに沿った厚さT1が0.05mmであるとき、第1面101のリセスR1の第2方向Tに沿った高さH1は0.22mm以上0.32mm以下であってもよいが、本実施形態の範囲はこれに限定されるものではない。
【0068】
【表1】
【0069】
上記表1は、第1サブ引出部341の第2方向Tに沿った厚さT1に対する、第1面101のリセスR1の第2方向Tに沿った高さH1の比H1/T1を制御しながら、それにより第1引出部331が第1面101のリセスR1に露出する厚さE1、リセスR1と第1外側ビア321間の接触の有無、及びリセスR1と第1引出部331間の接触の有無を測定した実験データである。接触する場合を「Y」、接触しない場合を「N」と記載し、表1において「上部カバー領域」は、コイル300と第4面104との間の本体100領域を意味する。
【0070】
実験に使用されたサンプルは、0.8mmの長さ、0.4mmの幅、0.5mmの厚さを有し、第1サブ引出部341及び第1引出部331の厚さは0.05mm、上部カバー領域の厚さは0.17mm、支持部材200の厚さは0.025mmであるコイル部品1000を使用した。
【0071】
表1を参照すると、第1サブ引出部341の第2方向Tに沿った厚さT1に対する、第1面101のリセスR1の第2方向Tに沿った高さH1の比H1/T1が4.4より小さい実験例#1の場合、第1外側ビア321がリセスR1と接触しないため、第1外側ビア321と第1外部電極400間の直接連結が行われないため、連結信頼性向上及び抵抗成分Rdc減少の効果が実現され難い。
【0072】
一方、第1面101のリセスR1の第2方向に沿った高さH1の比H1/T1が5.6以上である実験例#8からは、支持部材200の上面の第1引出部 331の一部がリセスR1に露出し始め、第1面101のリセスR1の第2方向Tに沿った高さH1の比H1/T1が6.4より大きい実験例#13の場合、コイル300と第4面104との間の本体100の領域である「上部カバー領域」とリセスR1とが接触するようになる。この場合、外部電極400とコイル300との間の連結信頼性向上の効果はもはや向上せず、むしろ上部カバー領域の一部が除去されることにより磁性体の有効体積が減少し、インダクタンスの減少という副効果が現れる可能性がある。
【0073】
したがって、第1サブ引出部341の第2方向Tに沿った厚さT1に対する、第1面101のリセスR1の第2方向Tに沿った高さH1の比H1/T1は、4.4以上6.4以下であるとき、コイル300と外部電極400との間の連結信頼性向上及びコイル300の抵抗成分Rdc減少の効果を有しながらも、インダクタンス容量の減少という副効果を最小化することができる。
【0074】
次に、第2コイル部312は、支持部材200の他面に配置され、コア110を中心に少なくとも一つのターンを形成し、最外側ターンが延長されて第2引出部332と接触連結されることができる。第2コイル部312は平面螺旋形状を有することができるが、これに限定されるものではなく、角ばった形状を有することもできる。
【0075】
第2コイル部312は、コア110を中心に巻回される3.5ターン以上のターン数を有することが好ましいが、本実施形態の範囲は、これに限定されるものではない。ここで、第2コイル部312が有するターン数は、第2コイル部312と内側ビア320が接する領域から第2コイル部312と第2引出部332が接する領域までのターン数を意味することができる。
【0076】
第2引出部332は、支持部材200の他面に配置され、本体100の第2面102のリセスR2に露出して第2外部電極500と連結されるように配置されることができる。すなわち、第2引出部332は、少なくとも一部が第2面102のリセスR2に延長されて第2外部電極500と接するように配置されてもよい。
【0077】
一方、本実施形態の場合、第1サブ引出部341が本体100の第1面101側にのみ形成される非対称構造を有するが、本発明の範囲は、これに限定されるものではなく、支持部材200の一面に配置されて第2引出部332と連結され、本体100の第2面102に露出するもう一つのサブ引出部をさらに含むこともできる。但し、本実施形態のように、第1サブ引出部341が本体100の一側にのみ形成される非対称構造の場合、更なるサブ引出部をさらに含む対称構造に比べて、本体100内に磁性物質が充填される空間がさらに確保されるため、有効体積が増加し、インダクタンス特性の面で有利であり得る。
【0078】
図2及び図4を参照すると、内側ビア320は、支持部材200の両面に配置された第1コイル部311と第2コイル部312とを互いに連結する構成である。具体的に、内側ビア320は、支持部材200を貫通して第1及び第2コイル部311、312のそれぞれの最内側ターンの端部を互いに連結することができる。
【0079】
図2及び図3を参照すると、第1外側ビア321は、支持部材200の両面に配置された第1引出部331と第1サブ引出部341とを互いに連結する構成である。具体的に、第1外側ビア321は、支持部材200を貫通して第1引出部331と第1サブ引出部341とを互いに連結することができる。
【0080】
本実施形態によるコイル部品1000の第1外側ビア321の少なくとも一部は、第1外部電極400と接するように配置されることができる。
【0081】
第1外側ビア321の少なくとも一部は、本体100の第1面101にリセスR1を形成するプレダイシング(pre-dicing)工程において、本体100、第1サブ引出部341、及び支持部材200の一部と共に除去されることができる。
【0082】
これにより、第1外側ビア321の少なくとも一部は、本体100の第1面101のリセスR1と共面(coplanar)をなすことができる。また、第1外側ビア321のうち本体100の第1面101のリセスR1と共面(coplanar)をなす領域が、第1外部電極400のうち本体100の第1面101のリセスR1に配置された領域と接するように配置されることができる。
【0083】
また、第1外側ビア321は、第2方向Tに対向する上面及び下面を有し、第1外側ビア321の下面の断面積は上面の断面積より小さくてもよい。これは、第1外側ビア321の下部領域の一部が第1面101のリセスR1の形成時に共に除去されることによって実現される構造である。ここで、第1外側ビア321の上面は、第1外側ビア321が第1引出部331と接する面を意味し、第1外側ビア321の下面は、第1外側ビア321が第1サブ引出部341と接する面を意味することができる。
【0084】
上述した第1外側ビア321の上面の断面積は、コイル部品1000の第2方向Tの中央部でとり、支持部材200の一面が現れるL-W断面に対する光学顕微鏡イメージ又はSEMイメージを基準に、Image Jプログラムツールを用いて測定することができる。また、第1外側ビア321の下面の断面積は、コイル部品1000の第2方向Tの中央部でとり、支持部材200の他面が現れるL-W断面に対する光学顕微鏡イメージ又はSEMイメージを 基準に、Image Jプログラムツールを用いて測定することができる。
【0085】
図3を参照すると、第1外側ビア321と第1外部電極400が接する面は傾斜面SLで形成されることができる。上記傾斜面SLは、第1外側ビア321の下部領域に形成されることができ、第1面101のリセスR1加工時にダイシングブレードの形状に応じて形態が決定されることができる。
【0086】
図2図3、及び図5を参照すると、第2方向Tに垂直な断面上において、第1外側ビア321の上面は円形の形状を有することができる。ここで円形の形状を有するとは、第1外側ビア321の外側境界線の半径が完全に一定である場合のみを意味するものではなく、半径又は曲率に一部差があっても、工程誤差等を考慮して実質的に円形に近い形状を有することを意味することができる。
【0087】
すなわち、第1外側ビア321は、支持部材200に対する機械的ドリリング又はCOレーザの照射等により形成されることができるが、第1面101のリセスR1は、第1外側ビア341の上面とは離隔する高さH1まで形成されることができ、これにより、第1外側ビア341の上面は、プレダイシング(pre-dicing)工程で一部が除去されないため、機械的ドリリング又はCOレーザの照射などによって形成された円形の形態を維持することができる。
【0088】
図3図5を参照すると、本実施形態によるコイル部品1000の第3方向Wの中央部でとったL-T断面上において、第1外側ビア321と支持部材200との間の最内側境界線から、第1引出部331の最外側境界線の延長線までの第1方向Lに沿った距離d1は、内側ビア320の直径d2以上に形成されることができる。
【0089】
図5は、本実施形態によるコイル部品1000を第4面104から第3面103に向かう方向に見た平面図を概略的に示す図である。説明の便宜上、断面(cross-section)ではなく、透視図の形式で示しており、外部電極400、500上の点線は、第1外部電極400と第1外側ビア321の下面とが接触する高さにおける外部電極400、500の曲がった形態を示したものである。
【0090】
本実施形態の第1外側ビア321は、一部が第1外部電極400と接するため、第1引出部331と第1サブ引出部341との間を連結すると同時に、第1外部電極400とも直接連結されるため、内側ビア320より直径を大きく形成して接触面積を広げ、抵抗成分Rdcを減少させることができる。
【0091】
一方、本実施形態の場合、第1外側ビア321の一部領域は、第1面101のリセスR1の形成過程で除去され、第1外側ビア321の直径の定義が不明確になる可能性があるため、「第1外側ビア321の直径」の代わりに「第1外側ビア321と支持部材200との間の最内側境界線から、第1引出部331の最外側境界線の延長線までの第1方向Lに沿った距離d1」を内側ビア320の直径d2と比較する。
【0092】
ここで、第1外側ビア321と支持部材200との間の最内側境界線から、第1引出部331の最外側境界線の延長線までの第1方向Lに沿った距離d1というのは、第1外側ビア321の中心を通るようにコイル部品1000の第3方向Wの中央部でとったL-T断面に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示された第1外側ビア321と支持部材200との間の最内側境界線と、第1引出部331の最外側境界線の延長線とを第1方向Lと平行に連結し、第2方向Tに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、第1方向Lと平行な複数の線分は、第2方向Tに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0093】
また、内側ビア320の直径d2というのは、内側ビア320の中心を通るようにコイル部品1000の第1方向Lの中央部でとったW-T断面に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示された内側ビア320の第1方向Lに対向する2つの最外側境界線を第1方向Lと平行に連結し、第3方向Wに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、第3方向Wと平行な複数の線分は、第2方向Tに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0094】
上述した構成要素間の連結によって、第1外部電極400に入力される信号は、第1サブ引出部341及び第1外側ビア321、第1引出部331、第1コイル部311、内側ビア320、第2コイル部312、及び第2引出部332を経て第2外部電極500に出力されることができる。このような構成により、コイル300の各構成は全体的に、第1及び第2外部電極400、500の間で連結された一つのコイルとして機能することができる。
【0095】
特に、第1外部電極400との連結は第1サブ引出部341だけではなく、第1外側ビア321とも連結されるため、コイル300と第1外部電極400との間の連結信頼性が増加でき、コイル300の抵抗成分Rdcが減少できる。
【0096】
第1コイル部311、第2コイル部312、内側ビア320、第1外側ビア321、第1引出部331、第2引出部332、及び第1サブ引出部341のうち少なくとも一つは、一つ以上の導電層を含むことができる。例として、第1コイル部311、第1引出部331、及び内側ビア320を支持部材200の上面にめっきで形成する場合、第1コイル部311、第1引出部331、及び内側ビア320は、それぞれ無電解めっき等で形成された第1導電層と、第1導電層に配置された第2導電層とを含むことができる。
【0097】
第1導電層は、支持部材200に第2導電層をめっきで形成するためのシード層であってもよく、第2導電層は電解めっき層であってもよい。ここで、電解めっき層は単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の電解めっき層は、いずれか一つの電解めっき層を他の一つの電解めっき層がカバーするコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されてもよく、いずれか一つの電解めっき層の一面にのみ他の一つの電解めっき層が積層された形状に形成されてもよい。第1コイル部311のシード層と第1引出部331のシード層とは一体に形成され、相互間に境界が形成されなくてもよいが、これに限定されるものではない。第1コイル部311の電解めっき層、第1引出部331の電解めっき層は一体に形成され、相互間に境界が形成されなくてもよいが、これに限定されるものではない。
【0098】
第1コイル部311、第2コイル部312、内側ビア320、第1外側ビア321、第1引出部331、第2引出部332、及び第1サブ引出部341のそれぞれは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれら の合金などの導電性物質で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0099】
図3及び図4を参照すると、本実施形態によるコイル部品1000は、本体100内に絶縁膜IFをさらに含むことができる。
【0100】
絶縁膜IFは、第1コイル部311、第2コイル部312、第1引出部331、第2引出部332、及び第1サブ引出部341を、本体100から絶縁させることができる。
【0101】
絶縁膜IFは、例として、パリレン(Parylene)を含むことができるが、これに限定されるものではない。絶縁膜IFは気相蒸着などの方法で形成されることができるが、これに限定されるものではなく、絶縁フィルムを支持部材200の両面に積層することにより形成されることもできる。一方、絶縁膜IFは、コイル300を電解めっきで形成する際に用いられためっきレジストの一部を含む構造であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0102】
図1図3を参照すると、第1外部電極400及び第2外部電極500は、本体100の第3面103に互いに離隔して配置され、第1外部電極400は、第1面101のリセスR1に延長されて第1引出部331と連結され、第2外部電極500は、第2面102のリセスR2に延長されて第2引出部331と連結されることができる。
【0103】
第1及び第2外部電極400、500のそれぞれは、リセスR1、R2に配置され、第1引出部331又は第2引出部332と連結される連結部、及び連結部から本体100の第3面103に延長されるパッド部を含むことができる。連結部とパッド部は一体に形成されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0104】
外部電極400、500のパッド部は、コイル部品1000を印刷回路基板に実装する際に半田等の連結部材が接触する構成であり、図3のように、本体100の第3面103において絶縁層600よりも突出して形成されてもよい。本実施形態のように、外部電極400、500のパッド部が突出形成される場合、コイル部品1000の実装時に半田等の連結部材との接触面積が広くなり、固着強度が強化されることができ、印刷回路基板との間隔も増加して短絡の危険が減少できる。
【0105】
図1及び図3を参照すると、外部電極400、500は、それぞれリセスR1、R2の内面及び本体100の第3面103に沿って形成されることができる。例として、外部電極400、500は、リセスR1、R2の内面及び本体100の第3面103にコンフォーマル(conformal)な膜の形態で形成されてもよいが、この場合、外部電極400、500は、スパッタリング工程又はめっき工程のような薄膜工程で形成されることができる。
【0106】
外部電極400、500は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0107】
図3を参照すると、外部電極400、500は複数層の構造で形成されることができる。例として、外部電極400、500がコイル300に連結される第1層410、510は、銅(Cu)及び銀(Ag)のうち少なくとも一つを含む導電性粉末及び絶縁樹脂を含む導電性樹脂層であってもよく、銅(Cu)めっき層であってもよい。また、第2層420、520は、ニッケル(Ni)めっき層、及び錫(Sn)めっき層の二重層構造であってもよい。
【0108】
第1層410、510は、電解めっきで形成されるか、スパッタリングなどの気相蒸着で形成され、あるいは銅(Cu)及び/又は銀(Ag)などの導電性粉末を含む導電性ペーストを塗布及び硬化することによって形成することができ、第2層420、520は電解めっきで形成されてもよい。
【0109】
本実施形態によるコイル部品1000は、本体100をカバーし、本体100の第3面103において第1及び第2外部電極400、500を露出する絶縁層をさらに含むことができる。
【0110】
図1図3及び図4を参照すると、絶縁層600は、本体100の第1面101、第2面102、第4面104、第5面105、第6面106をカバーすることができ、本体100の第3面103に第1及び第2外部電極400、500が露出するように配置されることができる。
【0111】
また、絶縁層600は、本体100の第1面101及び第2面102において、リセスR1、R2に配置される外部電極400、500の少なくとも一部領域又は後述する充填部610、620をカバーするように配置されることができる。
【0112】
一方、図3を参照すると、絶縁層600は、外部電極400、500より薄い厚さに配置されることができ、この場合、外部電極400、500は実装面に一定部分が突出した形態を有することができる。すなわち、第2金属層420、520の外面が絶縁層600の外面よりも突出するように配置されてもよい。
【0113】
このように外部電極400、500が絶縁層600より突出するように配置される場合、コイル部品1000の実装時に、半田等の連結部材との接触面積が広くなり、固着強度が強化されることができ、印刷回路基板との間隔も増加して短絡の危険が減少できる。
【0114】
絶縁層600は、例として、絶縁樹脂を含む絶縁材料を本体100の表面に塗布及び硬化して形成されたものであってもよい。この場合、絶縁層600は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系等の熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系等の熱硬化性樹脂及び感光性絶縁樹脂のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0115】
図3を参照すると、本実施形態によるコイル部品1000は、リセスR1、R2と絶縁層600との間に配置される充填部610、620をさらに含むことができる。
【0116】
充填部610、620は、リセスR1、R2の形成により陥没する角領域を充填することで、コイル部品1000の外観を改善することができ、絶縁層600の印刷品質も向上させることができる構成である。
【0117】
本実施形態において、第1及び第2充填部610、620はそれぞれ、第1面101のリセスR1に延長された第1外部電極400、及び第2面102のリセスR2に延長された第2外部電極500の少なくとも一部をカバーするように配置されることができる。
【0118】
充填部610、620の側面は、本体100の第1面101及び第2面102、第5面105及び第6面106と実質的に共面(coplanar)をなすように配置されることができる。すなわち、第1充填部610の側面は、本体100の第1面101、第5面105、第6面106と実質的に共面(coplanar)をなすように配置されることができ、第2充填部620の側面は、本体100の第2面102、第5面105、第6面106と実質的に共面(coplanar)をなすように配置されることができる。ここで、実質的に共面(coplanar)をなすとは、工程上の誤差を含む実質的に同じ平面を共有することができるという意味である。
【0119】
充填部610、620は、リセスR1、R2に配置された外部電極400、500上に印刷法、気相蒸着、スプレー塗布法、フィルム積層法などの方法で形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0120】
充填部610、620は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系等の熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パリレン、SiO又はSiNを含むことができる。
【0121】
本実施形態において、充填部610、620は省略可能な構成であり、この場合、充填部610、620が配置される領域に絶縁層600が厚く配置、又はコンフォーマルに配置されることができるが、これに限定されるものではない。
【0122】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態によるコイル部品2000を示すものであって、図3に対応する図である。
【0123】
図6図3と比較すると、本実施形態によるコイル部品2000は、リセスR1、R2の高さH2が第1実施形態のリセスR1、R2の高さH1よりも高く形成され、支持部材200の一面に配置された第1引出部331の一部領域も第1面101のリセスR1に露出するという点が異なる。
【0124】
したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態とは異なるリセスR1、R2の高さH2、並びにそれによる支持部材200、第1引出部331、第1外側ビア321、及び第1サブ引出部341との配置関係についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態に対する説明をそのまま適用することができる。
【0125】
図6を参照すると、第1外部電極400のうち第1面101のリセスR1に配置された部分の少なくとも一部は、第1引出部331と接することができる。これにより、リセスR1、R2の第2方向Tに沿った高さH2を支持部材200の上面よりも高く形成する場合、第1引出部331の少なくとも一部をリセスR1の形成工程で共に除去することによって実現することができる。
【0126】
したがって、本実施形態によるコイル部品2000は、第1面101のリセスR1に第1引出部331、第1外側ビア321、及び第1サブ引出部341のそれぞれの少なくとも一部が露出して第1外部電極400と直接連結されることができる。
【0127】
上記構成により、支持部材200の上面の第1コイル部311と第1外部電極との間の連結信頼性が向上でき、コイル300と第1外部電極400との間の接触面積が広くなり、コイル300の抵抗成分Rdcが第1実施形態よりも減少できる。
【0128】
一方、図6では、第2面102のリセスR2の高さも第1面101のリセスR1と同様に高くなっているものとして示しているが、本実施形態の範囲は、これに限定されるものではなく、第2面102のリセスR2の高さは、支持部材200の上面よりも低く配置されてもよい。
【0129】
但し、図6のように、第1面101のリセスR1と第2面102のリセスR2の高さを同一に形成する場合、コイルバー状態でプレダイシング(pre-dicing)工程時に、ダイシングブレードの加工深さを一定に維持することができるため、工程効率が向上できる。
【0130】
(第3実施形態及びその変形例)
図7は、本発明の第3実施形態によるコイル部品3000を示すものであって、図5に対応する図であり、図8は、本発明の第3実施形態の変形例によるコイル部品3000'を示すものであって、図7に対応する図である。
【0131】
図7図5と比較すると、本実施形態によるコイル部品3000は、第1外側ビア321が複数個形成される点が異なる。
【0132】
したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態とは異なる第1外側ビア321、及び第1外部電極400との連結関係についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態における説明をそのまま適用することができる。
【0133】
図7を参照すると、本実施形態によるコイル部品3000は、複数個の第1外側ビア321a、321bを含むことができる。図7において、第1外側ビア321a、321bは2つであると示しているが、本実施形態の範囲は、これに限定されるものではなく、3つ以上の第1外側ビア321を含んでもよい。
【0134】
また、複数個の第1外側ビア321a、321bのうち少なくとも一つは、少なくとも一部が第1面101のリセスR1に延長されて第1外部電極400と接することができる。
【0135】
本実施形態によるコイル部品3000は、複数個の第1外側ビア321a、321bを含むことにより、第1引出部331と第1サブ引出部341との間の連結経路が複数個形成されることができ、これにより、第1引出部331と第1サブ引出部341との間の連結信頼性が向上し、抵抗成分Rdcが減少できる。
【0136】
また、第1外部電極400と第1外側ビア321a、321bとの間の接触可能性の観点から、第1外側ビア321a、321bの整列が多少ずれても、複数個の第1外側ビア321a、321bのうち少なくともいずれか一つのみが第1外部電極400と接触するだけでもコイル300との連結が維持され、コイル300と外部電極400、500との間の連結信頼性の強化及びコイル300の抵抗成分Rdcの減少という、本発明が目的とする効果を安定的に実現することができる。
【0137】
特に、薄型化したコイル部品の場合、リセスR1、R2の形成時に微細加工が必要であり、それによりコイル300と外部電極400、500とが未接触又は僅かに接触し、小さな外部衝撃でも連結が切れる不良が発生することがあるが、本実施形態のように第1外側ビア321a、321bを複数個含む場合は、上述した不良の発生を防止することができる。
【0138】
一方、本発明の第3実施形態によるコイル部品3000は、一側に2つの第1外側ビア321a、321bを含んでいるが、これに限定されるものではなく、図8のように、多数の第1外側ビア321が互いに重なって一列に形成された形態を有してもよい。
【0139】
このような変形例によるコイル部品3000'の場合、第1外側ビア321がより広い面積に形成されることにより、第1外部電極400と第1外側ビア321との間の接触確率がさらに高くなることができ、これにより、接触信頼性向上及びコイルの抵抗成分Rdc減少の効果がさらに増大できる。
【0140】
(第4実施形態)
図9は、本発明の第4実施形態によるコイル部品4000を示すものであって、図3に対応する図である。
【0141】
図9図3と比較すると、本実施形態によるコイル部品4000は、本体100の第2面102と連結される構成が異なる。具体的に、本実施形態によるコイル部品4000のコイル300は、第2サブ引出部342及び/又は第2外側ビア322をさらに含むことができる。
【0142】
したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態とは異なる第2サブ引出部342、及び第2外側ビア322についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態に対する説明をそのまま適用することができる。
【0143】
図9を参照すると、本実施形態によるコイル部品4000は、支持部材200の一面(上面)に配置され、本体100の第2面102に延長された第2サブ引出部342をさらに含むことができ、第2引出部332と第2サブ引出部342とを連結する第2外側ビア322をさらに含むことができる。
【0144】
本実施形態の第2サブ引出部342は、第2外側ビア322を介して第2引出部332と連結される構成であるため、結局、支持部材200の他面(下面)の第2コイル部312と連結される構成である。
【0145】
したがって、第2サブ引出部342は、実質的にコイル300と外部電極400、500との間の電気的連結に関与する構成ではないが、本体100の第1面101側の第1引出部331と対称の構造を有するため、工程間の効率を向上することができる。
【0146】
すなわち、薄膜型コイル部品の場合、支持部材200上にコイル300を配置した後、磁性物質を充填して本体100を形成し、個別部品単位ではなくコイルバー状態でリセスR1、R2の形成のためのプレダイシング(pre-dicing)工程を行うが、ここで、本実施形態のような対称構造を有する場合、プレダイシング(pre-dicing)を行う面に対する特定が不要であり、工程効率が向上できる。
【0147】
具体的に、本体100の第3面103又は第4面104のうちいずれかの面にプレダイシング(pre-dicing)を施して下面電極構造を実現しても、コイル300と外部電極400、500との間は電気的に完全に連結されることができる。
【0148】
また、本体100の第2面102に形成されたリセスR2に第2外側ビア322の少なくとも一部が露出して第2外部電極500と直接接することができる。
【0149】
また、支持部材200の少なくとも一部は、本体100の第2面102のリセスR2に延長されて上記リセスR2に配置された第2外部電極500と接することができる。
【0150】
すなわち、第2外部電極500は、第2外側ビア322、第2引出部332、及び支持部材200のそれぞれの少なくとも一部と接することができる。
【0151】
本実施形態によるコイル部品4000は、第2外部電極500が第2引出部332及び第2外側ビア322のそれぞれと直接接触するため、第2引出部332とのみ接触する場合と比較したとき、コイル300と第2外部電極500との間の連結信頼性が向上し、コイル300と第2外部電極500との間に形成される抵抗成分Rdcが減少できる。
【0152】
図示してはいないが、本実施形態によるコイル部品4000の第2外側ビア322も、第3実施形態の第1外側ビア321a、321bと同様に複数個形成されてもよい。
【0153】
また、上記複数個の第2外側ビア322のうち少なくとも一つは、少なくとも一部が本体100の第2面102のリセスR2に延長されて第2外部電極500と接することができる。
【0154】
この場合、第2外部電極500と第2外側ビア322との間の接触において、複数個の第2外側ビア322の整列が多少ずれても、複数個の第2外側ビア322のうち少なくともいずれか一つと第2外部電極500とが接触する場合、コイル300と外部電極400、500との間の連結信頼性の強化及びコイル300の抵抗成分Rdcの減少という、本発明が目的とする効果を安定的に実現することができる。
【0155】
(第5実施形態及びその変形例)
図10は、本発明の第5実施形態によるコイル部品5000を示すものであって、図3に対応する図である。
【0156】
図10図3と比較すると、コイル300の第2方向Tに沿った厚さが増加し、高いアスペクト比(aspect ratio)を有する点が異なる。
【0157】
したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態とは異なるコイル300の第2方向Tに沿った厚さ、及び本体100の厚さTbとの比率についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態に対する説明をそのまま適用することができる。
【0158】
図10を参照すると、支持部材200の厚さT、第1コイル部311の厚さT1、及び第2コイル部312の厚さT2の合計は、本体100の厚さTの1/3以上であってもよい。すなわち、コイル300と第4面104との間の本体100領域を上部カバー領域、及びコイル300と第3面103との間の本体100領域を下部カバー領域とすると、上部カバー領域の厚さと下部カバー領域の厚さの合計は、本体100の厚さTの2/3以下であることができる。
【0159】
一方、上記上下カバー領域の厚さには、絶縁膜IFの厚さも含まれてもよい。
【0160】
ここで、支持部材200の厚さT、第1コイル部311の厚さT1、及び第2コイル部312の厚さT2の合計は、本体100のうちコイル300の上部及び下部カバー領域を除く厚さを意味することができる。上記厚さが本体100の厚さTの1/3以上である場合、支持部材200及びコイル300の剛健性が向上し、磁性体シートの上下方向の熱圧着による本体100の形成時にコイル300の変形が減少する効果を有することができる。
【0161】
また、上記厚さが本体100の厚さTの1/3以上である場合、コイル300のアスペクト比(Aspect ratio)を高く形成することができ、支持部材200の両面において第1及び第2コイル部311、312をそれぞれ形成することによる巻軸のずれの程度が緩和され、インダクタンス特性も向上することができる。
【0162】
ここで、第1コイル部311の厚さT1とは、コイル部品5000の第3方向Wの中央部でとったL-T断面に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示された第1コイル部311の第2方向Tに対向する2つの最外側境界線を第2方向Tと平行に連結し、第1方向Lに互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値(dimension)のうち少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、第2方向Tと平行な複数の線分は、第1方向Lに互いに等間隔であってもよいが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0163】
一方、第2コイル部312の厚さT2及び支持部材200の厚さTも上述した方法と同様に測定することができる。
【0164】
本実施形態によるコイル部品5000は、コイル300が高いアスペクト比を有するため、同じターン数であってもインダクタンス容量を大きくすることができ、コイル300の抵抗成分Rdcも減少できる。
【0165】
図11は、本発明の第5実施形態の変形例によるコイル部品5000'を示すものであって、図10に対応する図である。
【0166】
図11図10と比較すると、コイル300のうち第1引出部331、第2引出部332、及び第1サブ引出部341の第2方向Tに沿った厚さが異なる。
【0167】
したがって、本変形例を説明するにあたり、本発明の第5実施形態とは異なる第1引出部331、第2引出部332、及び第1サブ引出部341の厚さ、そして、それによる第1外側ビア321と支持部材200との間の最内側境界線から第1引出部331の最外側境界線の延長線までの距離d1と第1引出部331の厚さT1との間の大小関係についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第5実施形態に対する説明をそのまま適用することができる。
【0168】
図11を参照すると、本変形例によるコイル部品5000'は、L-T断面上において、第1外側ビア321と支持部材200との間の最内側境界線から、第1引出部331の最外側境界線の延長線までの上記第1方向に沿った距離d1は、第1引出部331の第2方向Tに沿った厚さT1以上であってもよい。
【0169】
また、第1コイル部311の第2方向Tに沿った厚さT1は、第1引出部331の第2方向Tに沿った厚さT1以上であってもよい。
【0170】
一方、図11では、例示的に第1引出部331の厚さT1のみを基準としているが、本変形例の範囲はこれに限定されず、第2引出部332及び/又は第1サブ引出部341の厚さも、第1引出部331と同様に薄く形成され、低いアスペクト比を有することができる。
【0171】
本変形例によるコイル部品5000'は、第1及び第2コイル部311、312のアスペクト比を高く形成してインダクタンス容量を増加させながらも、ターンを形成しない第1引出部331、第2引出部332、及び第1サブ引出部341の厚さを薄く形成して低いアスペクト比を有するようにすることで、同一サイズの本体100内で磁性物質の充填空間をさらに確保することができ、それによって、インダクタンス特性を向上させることができる。
【0172】
すなわち、第1引出部331と第4面104との間の本体100領域、第2引出部332と第3面103との間の本体100領域、及び第1サブ引出部341と第3面103との間の本体100領域に、磁性物質が充填される空間をさらに確保することができる。
【0173】
(第6実施形態及びその変形例)
図12は、本発明の第6実施形態によるコイル部品6000を示すものであって、図5に対応する図である。
【0174】
図12図5と比較すると、本体100の第1面101及び第2面102にそれぞれ形成されたリセスR1、R2の形状、及びそれによるリセスR1、R2上に配置された外部電極400、500の形状が異なる。
【0175】
したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態とは異なる本体100の第1面101及び第2面102にそれぞれ形成されたリセスR1、R2、並びにリセスR1、R2に配置された外部電極400、500の形状についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態に対する説明をそのまま適用することができる。
【0176】
図12を参照すると、本実施形態のリセスR1、R2は、本体100の第5面105及び第6面106のうち少なくとも一つと離隔することができる。
【0177】
第1実施形態の場合、リセスR1、R2の形成時にコイルバー状態で、ダイシングブレードによってライン状にプレダイシング(pre-dicing)工程を行うが、本実施形態の場合とは異なり、レーザ等を用いて、ライン状ではない本体100の一部領域にのみリセスR1、R2を形成することができる。
【0178】
また、本実施形態のリセスR1、R2は曲面を含むことができる。具体的に、本体100の第1面101のリセスR1又は第2面102のリセスR2のうち少なくとも一つは、本体100の内側に向かって凹状の曲面を含むことができ、第2方向Tと垂直であり、且つリセスR1、R2が現れるように切断されたL-W断面上において曲線を含む領域を形成することができ、弓形(circular segment)状を有することができる。
【0179】
本実施形態によるコイル部品6000のリセスR1、R2も第1実施形態と同様に、第1外側ビア321と接触するため、コイル300と外部電極400、500との間の連結信頼性向上及びコイル300の抵抗成分Rdc減少の効果を有しながらも、コイル部品6000内においてリセスR1、R2が占める体積が減少するため、磁性物質が充填される空間が確保され、インダクタンス特性が向上できる。
【0180】
図13は、本発明の第6実施形態の変形例によるコイル部品6000'を示すものであって、図12に対応する図である。
【0181】
図13図12と比較すると、第1外側ビア321が複数個形成される点が異なる。
【0182】
したがって、本変形例を説明するにあたり、本発明の第6実施形態とは異なる第1外側ビア321、及び第1外部電極400との連結関係についてのみ説明し、本変形例の残りの構成については、本発明の第6実施形態における説明をそのまま適用することができる。
【0183】
図13を参照すると、本変形例によるコイル部品6000'は、複数個の第1外側ビア321a、321bを含むことができる。図13において、第1外側ビア321a、321bは2つであるものとして示されているが、本実施形態の範囲がこれに限定されるものではなく、3つ以上の第1外側ビア321を含んでもよい。
【0184】
また、複数個の第1外側ビア321a、321bのうち少なくとも一つは、少なくとも一部が第1面101のリセスR1に延長されて第1外部電極400と接することができる。
【0185】
本変形例によるコイル部品6000'は、複数個の第1外側ビア321a、321bを含むことにより、第1引出部331と第1サブ引出部341との間の連結経路が複数個形成されることができ、これにより、第1引出部331と第1サブ引出部341との間の連結信頼性が向上し、抵抗成分Rdcが減少できる。
【0186】
また、第1外部電極400と第1外側ビア321a、321bとの間の接触可能性の観点から、第1外側ビア321a、321bの整列が多少ずれても、複数個の第1外側ビア321a、321bのうち少なくともいずれか一つのみが第1外部電極400と接触するだけでも、コイル300との連結が維持され、コイル300と外部電極400、500との間の連結信頼性の強化及びコイル300の抵抗成分Rdcの減少という、本発明が目的とする効果を安定的に実現することができる。
【0187】
特に、薄型化したコイル部品の場合、リセスR1、R2の形成時に微細加工が必要であり、それによりコイル300と外部電極400、500とが未接触又は僅かに接触し、小さな外部衝撃でも連結が切れる不良が発生することがあるが、本実施形態のように、第1外側ビア321a、321bを複数個含む場合は、上述した不良の発生を防止することができる。
【0188】
上述した効果は、リセスR1、R2領域のサイズがより小さくなる第6実施形態のような場合に、さらに要求される効果である。
【0189】
(第7実施形態)
図14は、本発明の第7実施形態によるコイル部品7000を示すものであって、図3に対応する図である。
【0190】
図14図3と比較すると、本体100の第2面102側の支持部材200の一部が除去された点で異なる。
【0191】
したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態とは異なる支持部材200、及びそれによる第2引出部332と絶縁膜IFとの間の配置関係についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態に対する説明をそのまま適用することができる。
【0192】
図14を参照すると、本実施形態によるコイル部品7000は、支持部材200が本体100の第2面102と離隔するように配置されることができる。
【0193】
支持部材200のうち、本体100の第2面102に隣接する領域は、本体100の第1面101に隣接する領域とは異なり、外側ビアの形成が不要であり、これにより、支持部材200に第2引出部332が配置された後、レーザ等により支持部材200の一部領域が除去されることができる。この場合、第2引出部332の上面は、本体100との絶縁のために絶縁膜IFによってカバーされることができる。
【0194】
本実施形態のように支持部材200の一部が除去される場合、同一サイズのコイル部品内で除去された支持部材200の体積分だけ磁性物質が充填される空間をさらに確保することができるため、有効体積が増加してインダクタンス特性がさらに向上できる。
【0195】
(第8実施形態)
図15は、本発明の第8実施形態によるコイル部品8000を示すものであって、図3に対応する図である。
【0196】
図15図3と比較すると、本体100の第1面101のリセスR1に延長される第1サブ引出部341が省略された点で異なる。
【0197】
したがって、本実施形態を説明するにあたり、本発明の第1実施形態とは異なる第1面101のリセスR1における第1外部電極400とコイル300との間の連結関係についてのみ説明し、本実施形態の残りの構成については、本発明の第1実施形態に対する説明をそのまま適用することができる。
【0198】
図15を参照すると、本実施形態によるコイル部品8000は、第1引出部331と第1外部電極400とが第1外側ビア321を介して直接連結されることができる。
【0199】
また、第1外部電極400の少なくとも一部は、第1外側ビア321及び支持部材200と接することができる。
【0200】
本実施形態によるコイル部品8000は、第1コイル部311と第1外部電極400との間の電気的連結機能を第1外側ビア321が担当し、第1サブ引出部が省略された領域には、本体100を構成する磁性物質が充填されることができる。したがって、コイル300と外部電極400、500との間の電気的連結を維持しながらも有効体積が増加し、インダクタンス特性が向上できる。
【0201】
一方、本実施形態の場合も、第1外側ビア321を複数個形成することができ、複数個の第1外側ビア321のうち少なくとも一つは、少なくとも一部が第1面101のリセスR1に延長されて第1外部電極400と接するように配置されることができる。
【0202】
第1外側ビア321のみで第1引出部331と第1外部電極400とを連結する本実施形態の場合、第1外側ビア321を複数個形成することによる連結信頼性向上及びコイル300の抵抗成分Rdc減少の効果がさらに大きくなることができる。
【0203】
(コイル部品の製造方法)
図16は、本発明の一実施形態によるコイル部品の製造方法に関するフローチャートである。
【0204】
図16を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品の製造方法は、支持部材200に複数のビアホールを形成する段階(S101)、上記支持部材200及び上記ビアホールの内側面にシード層を配置する段階(S102)、上記支持部材200にめっきレジストを配置してパターニングする段階(S103)、上記支持部材200にめっきによってコイル300を形成する段階(S104)、上記コイルの表面に絶縁膜IFを形成する段階(S105)、複数の磁性体シートを上記コイル300が配置された支持部材200の上下方向で圧着及び硬化して本体100を形成する段階(S201)、上記本体100の一面で上記本体100の一部を切削してスリットを形成する段階(S202)、上記本体100の一面103のうち一部領域に絶縁層600を配置し、残りの領域及び上記スリットに外部電極400、500を配置する段階(S203)、及び上記スリットの中央領域でダイシングによって個別のコイル部品1000に分離する段階(S301)を含むことができる。
【0205】
また、上記分離されたコイル部品1000のうち、上記本体100が露出した領域に上記絶縁層600を配置する段階をさらに含むことができる。
【0206】
一方、上述したスリットは、コイルバー(coil bar)に磁性体シートが積層された状態で、ダイシングブレードによるプレダイシング(pre-dicing)を介して形成されるものであって、以後のフルダイシング(full-dicing)によって個別のコイル部品1000に分離されたときの、リセスR1、R2に該当する部分を意味する。
【0207】
図16の各段階のうち、S101からS105までは、多数のコイル300が格子で連結されたコイルバー(coil bar)状態に該当し、S201からS203まではコイルバーに磁性体本体が形成されている状態に該当し、S301からS303までは個別のコイル部品1000状態に該当する。
【0208】
図16を参照すると、まず支持部材200に複数のビアホールを形成することができる(S101)。ここで、複数のビアホールは、内側ビア320又は外側ビア321がめっき工程を通じて配置される領域に該当し、機械的ドリリングやCOレーザの照射などにより形成することができる。
【0209】
次に、支持部材200に、めっきによるコイル300を形成するためにシード層が配置されることができる(S102)。シード層は、ビアホールの内側面にも延長されて形成されることができる。支持部材200の一面及び他面に配置されたシード層は、それぞれ第1及び第2コイル部311、312に含まれてもよく、ビアホールの内側面に配置されたシード層は、内側ビア320又は外側ビア321に含まれてもよい。
【0210】
次に、支持部材200にめっきレジストを配置し、目的とするコイル300の形状に合わせてパターニングすることができる(S103)。めっきレジストとしては、DFR(Dry Film Photoresist)を使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0211】
次に、支持部材200にめっきによってコイル300を形成することができる(S104)。電解めっき時、めっきレジストにパターニングされた形態でシード層にめっき成長が起こることにより、コイル300、すなわち、第1コイル部311、第2コイル部312、内側ビア320、第1外側ビア321、第1引出部331、第2引出部332、及び第1サブ引出部341が配置されることができる。コイル300を形成した後には、使用されためっきレジストを除去(剥離)することができる。
【0212】
次に、コイル300の表面に絶縁膜IFを形成することができる(S105)。絶縁膜IFは、コイル300と本体100との間を絶縁させ、パリレン(Parylene)を含むことができる。
【0213】
次に、コイル300が配置された支持部材200に複数の磁性体シートを上下方向で積層し、加熱、加圧後に硬化して本体100を形成することができる(S201)。この時の本体100は、コイルバー(coil bar)状態で、互いに連結された多数の支持部材200及びコイル部300を埋め込んでいる構成を意味する。
【0214】
次に、本体100の一面103において本体100の一部を切削してリセスR1、R2を形成することができる(S202)。リセスR1、R2は、ダイシングブレードを使用して本体100の一部を除去することによって形成することができ、リセスR1、R2の深さは、外側ビア321の少なくとも一部を切削するように調節されることができる。
【0215】
次に、本体100の一面103のうち、一部領域に絶縁層600を配置し、残りの領域及びリセスR1、R2に外部電極を配置することができる(S203)。具体的に、本体100の一面103のうち、外部電極400、500が配置される領域の間の領域に、下面絶縁印刷を行うことができ、個別のコイル部品1000にダイシングする前に一括して下面絶縁が可能であり、工程効率を高めることができる。外部電極400、500はめっき又はスパッタリング工程によって配置されることができる。
【0216】
次に、コイルバー(coil bar)状態を個別のコイル部品1000に分離するためのフルダイシング(full-dicing)工程が行われることができる(S301)。設定したラインに沿ってダイシングブレードを用いてダイシングすることができ、スリットの中央部を通過するようにダイシングして均一なリセスR1、R2を形成することができる。
【0217】
次に、分離された各コイル部品1000において、本体100が外部に露出した領域には絶縁層600を配置することができる(S302)。絶縁層600は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系等の熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂及び感光性絶縁樹脂のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0218】
上述の工程により、本発明の一実施形態によるコイル部品1000を製造することができる(S303)。
【0219】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の追加、変更又は削除等により、本発明を様々に修正及び変更させることができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0220】
100:本体
110:コア
200:支持部材
300:コイル
311:第1コイル部
312:第2コイル部
320:内側ビア
321(321a、321b):第1外側ビア
322:第2外側ビア
331:第1引出部
332:第2引出部
341:第1サブ引出部
342:第2サブ引出部
400:第1外部電極
500:第2外部電極
410、510:第1層
420、520:第2層
600:絶縁層
610、620:充填部
IF:絶縁膜
R1、R2:リセス
SL:傾斜面
1000、2000、3000、3000'、4000、5000、5000'、6000、6000'、7000、8000:コイル部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16