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特開2024-153569カウンタウェイト装置を備えた移動式クレーン、カウンタウェイト装置及びその組立方法
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  • 特開-カウンタウェイト装置を備えた移動式クレーン、カウンタウェイト装置及びその組立方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153569
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】カウンタウェイト装置を備えた移動式クレーン、カウンタウェイト装置及びその組立方法
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/74 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
B66C23/74 D
B66C23/74 B
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024063794
(22)【出願日】2024-04-11
(31)【優先権主張番号】10 2023 109 566.8
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】597120075
【氏名又は名称】リープヘル-ヴェルク エーインゲン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Liebherr-Werk EhingenGmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エーベルハルト ラルス
(72)【発明者】
【氏名】ボース ベルント
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA05
3F205CA03
3F205CB02
3F205DA04
3F205GA01
3F205GA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】汎用移動式クレーンに迅速かつ安全に設置できるカウンタウェイト装置を提供すること。
【解決手段】キャリアプレート40と吊り下げウェイト50は、一緒に持ち上げ可能な組立ユニットとして構成され、吊り下げウェイトは、組立ユニットの全体を持ち上げるためのスリング手段48を有する。キャリアプレートは、吊り下げウェイトの第2接続要素との第2接続部を形成するための第2接続要素を有し、第2接続部は、組立ユニットが吊り下げウェイトの上へ持ち上げられたときに、第1吊り下げ接続の解除を阻止するように設計される。また、本発明は、本発明に係る移動式クレーン用のカウンタウェイト装置、及び本発明に係る移動式クレーンの上部台車にカウンタウェイト装置を組み付ける方法に関する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式の下部台車(2)、前記下部台車(2)に回転可能に取り付けられた上部台車(4)、及び前記上部台車(4)に連結可能であり且つカウンタウェイトベースプレート(20)とキャリアプレート(40)と前記キャリアプレート(40)に解放可能に接続できる少なくとも2つの吊り下げウェイト(50)とを有するカウンタウェイト装置(10)、を有し、前記キャリアプレート(40)が、前記カウンタウェイトベースプレート(20)上に載置可能であり、前記吊り下げウェイト(50)の第1接続要素(51)との第1吊り下げ接続部(100)を形成するための第1接続要素(41)を有する移動式クレーン(1)であって、
前記キャリアプレート(40)及び前記吊り下げウェイト(50)は、一緒に持ち上げ可能な組立ユニット(11)として構成され、前記吊り下げウェイト(50)は、前記組立ユニット(11)の全体を持ち上げるためのスリング手段(58)を有し、前記キャリアプレート(40)は、前記吊り下げウェイト(50)の第2接続要素(52)と第2接続部(200)を形成するための第2接続要素(42)を備え、前記キャリアプレートは、前記組立ユニット(11)が前記吊り下げウェイト(50)の上へ持ち上げられたときに、第1吊り下げ接続部(100)の解放を阻止するように構成されていることを特徴とする移動式クレーン(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の移動式クレーン(1)において、
前記上部台車(4)は、バラスト装置を有し、前記バラスト装置は、前記カウンタウェイト装置(10)を前記下部台車(2)の保管領域(5)から持ち上げてその上に置くように構成され、前記バラスト装置は、好ましくは、少なくとも1つの油圧バラストシリンダ(8)を有することを特徴とする移動式クレーン(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の移動式クレーン(1)において、
前記カウンタウェイト装置(10)が、前記カウンタウェイトベースプレート(20)に対して実質的に直角に延び且つ前記カウンタウェイト装置(10)を上部台車(4)に持ち上げて連結するために前記カウンタウェイトベースプレートに接続される少なくとも1つの連結要素(30)を備え、前記キャリアプレート(40)が、好ましくは、少なくとも1つの凹部(44)を有し、少なくとも1つの連結要素(30)が置かれた状態でその凹部(44)を通って突出していることを特徴とする移動式クレーン(1)。
【請求項4】
請求項2または3に記載の移動式クレーン(1)において、
少なくとも1つの連結要素(30)が、前記カウンタウェイトベースプレート(20)とは反対側の端部に連結部(32)を有し、この連結部を介して、バラスト装置、特に前記バラスト装置のバラストシリンダ(8)との連結を成立させることが可能である移動式クレーン(1)。
【請求項5】
請求項4に記載の移動式クレーン(1)において、
前記連結部(32)が、特に前記上部台車(4)をその回転軸(3)を中心として回転させることによって、前記バラストシリンダ(8)の連結部品を挿入できる受け部(33)を有する移動式クレーン(1)。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか1項に記載の移動式クレーン(1)において、
前記カウンタウェイトベースプレート(20)の上に積み重ねることができ、少なくとも1つの連結要素(30)が積み上げ状態で突出するように挿通する少なくとも1つの凹部を有する少なくとも1つのさらなるカウンタウェイト要素(22)をさらに備え、前記さらなるカウンタウェイト要素(22)が、バラスト状態において、前記カウンタウェイトベースプレート(20)と前記キャリアプレート(40)との間に配置され、前記カウンタウェイトベースプレート(20)と前記少なくとも1つのさらなるカウンタウェイト要素(22)とが、好ましくは、一緒に持ち上げ可能な第2組立ユニット(12)も形成する移動式クレーン(1)。
【請求項7】
請求項3から6のいずれか1つに記載の移動式クレーン(1)において、
前記少なくとも1つの連結要素(30)は、前記カウンタウェイト装置(10)が前記上部台車(4)上に持ち上げられたときにカウンタウェイト装置(10)を自動的に組立位置に位置決めすることができるセンタリング手段、及び/または、前記カウンタウェイト装置(10)を組立位置で上部台車(4)に解放可能に接続することができるとともに好ましくは前記上部台車(4)へのボルト接続を行うためのボルト受けを有する締結手段(36)を有する移動式クレーン(1)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の移動式クレーン(1)において、
前記第2接続部(200)が前記吊り下げウェイト(50)の回転軸を形成し、組立ユニット(11)が持ち上げられると前記吊り下げウェイト(50)が前記キャリアプレート(40)に対して前記回転軸を中心として旋回して、横方向へ所定距離だけ離れるように構成され、回転動作が、好ましくは第1接続要素(41、51)の停止によって制限される移動式クレーン(1)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の移動式クレーン(1)において、
前記第1接続要素(41、51)が、キャリアプレート(40)に配置された吊り下げボルト(41)と、前記吊り下げウェイト(50)に配置されたフック要素(51)とを有し、前記フック要素(51)が、片側が解放された凹部(55)を有する移動式クレーン(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の移動式クレーン(1)において、
前記キャリアプレート(40)がキャビティ(46)を有し、前記キャビティ内に前記第1及び第2接続要素(41,42)が平面視で前記キャリアプレート(40)の外郭を超えて突出しないように配置される移動式クレーン(1)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の移動式クレーン(1)において、
前記カウンタウェイト装置(10)は、前記キャリアプレート(40)のセットダウン状態において、前記キャリアプレートに接続された吊り下げウェイト(50)がカウンタウェイトベースプレート(20)の横に隣接して配置されるように構成されている移動式クレーン(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の移動式クレーン(1)において、
間隔を空けて配置された2つの連結要素(30)が、カウンタウェイトベースプレート(20)に接続され、好ましくは平坦な形状である移動式クレーン(1)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の移動式クレーン(1)用のカウンタウェイト装置(10)であって、好ましくは、カウンタウェイトベースプレート(20)上で積み重ねることが可能な少なくとも1つのカウンタウェイト要素(22)をさらに有するカウンタウェイト装置(10)。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の移動式クレーン(1)の上部台車(4)の上にカウンタウェイト装置(10)を組み付ける方法であって、
前記カウンタウェイトベースプレート(20)を、特に前記移動式クレーン(1)のブーム(6)により前記下部台車(2)の保管領域(5)に配置するステップと、
前記キャリアプレート(40)とそれに接続された吊り下げウェイト(50)とを有する組立ユニット(11)を前記吊り下げウェイト(50)のスリング手段(58)により持ち上げるステップと、
前記組立ユニット(11)を前記カウンタウェイトベースプレート(20)の上に配置するステップと、
特に前記カウンタウェイトベースプレート(20)に雪像され且つ前記キャリアプレート(40)を通って突出する少なくとも1つの連結要素(30)に少なくとも1つのバラストシリンダ(8)を連結することによって、前記移動式クレーン(1)のバラスト装置により前記カウンタウェイト装置(10)の全体を前記上部台車(4)に持ち上げるステップと、
を有する方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記移動式クレーン(1)が、少なくとも請求項8に記載されたように構成され、前記吊り下げウェイト(50)は、前記組立ユニット(11)が持ち上げられると、横方向へ広がり、前記組立ユニット(11)は、広がり時に前記カウンタウェイトベースプレート(20)用の広くなった受け入れ領域(13)を形成してその上で設置することができ、前記吊り下げウェイト(50)が、好ましくは、下降中にカウンタウェイトベースプレート(20)に隣接して位置し、カウンタウェイトベースプレート(20)に向かって旋回する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の移動式クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、移動式クレーンは、車輪式またはクローラ式のシャーシを備えた下部台車と、鉛直軸の周りで回転できるように下部台車に取り付けられた上部台車と、上部台車に旋回できるように取り付けられたブーム(例えば、伸縮ブームまたはラチスタワーブーム)と、上部台車バラストとしても知られるカウンタウェイト装置とを備えている。上部台車のどの位置でも、カウンタウェイトはレバーアームを介して負荷トルクに対するカウンタトルクを作用させて、上部台車とともに回転する。
【0003】
小型の移動式クレーンは、公道であっても、いわゆるタクシークレーンとして建設現場で使用するためのすべての装備を運搬することがよくあるが、大型の移動式クレーンではそのようなことができないため、クレーンの構成部品、特にカウンタウェイト装置の全部または一部を公道で運搬するために解体し、現場で組み立てる必要がある。また、クローラクレーンのカウンタウェイト装置も、一般に運搬のために解体して使用現場で上部台車に取り付ける必要がある。
【0004】
したがって、上部台車に取り外し可能に連結するための連結要素を備えたキャリアプレートまたはカウンタウェイトベースプレートであって複数のカウンタウェイト要素を積み重ねることができるカウンタウェイトベースプレートを設けることが従来技術で知られている。この目的のために、上部台車は、カウンタウェイトベースプレートとその上に接続要素で積み重ねられるカウンタウェイト要素を有するカウンタウェイト装置を、床から、または下部台車上の保管領域から取り出し、組み立てのために上部台車に載せることができるバラスト装置を後部領域に備える。分解のためには、カウンタウェイト要素を備えたカウンタウェイトベースプレートを床または下部台車の上に戻すことができる。この目的のために、バラスト装置は、一般に、下方へ延び、カウンタウェイト装置の連結要素と係合し、そしてカウンタウェイト装置を後退させて上部台車の上に載せる1つまたは複数の油圧バラストシリンダを有する。上方へ延びるバラストシリンダを備えたカウンタウェイト装置も知られている。
【0005】
カウンタウェイトは、多くの場合、充填ボックス構造である。ボックスは、力を吸収するために必要なすべての接続要素と内部ブレーシングを含む。また、吊り下げとボルト止めのための受け部を有し、特に中央のカウンタウェイトプレートの側面から吊り下げることができる吊り下げウェイトが知られている。移動式クレーンのカウンタウェイト装置に使用されるこのような吊り下げウェイトの例は、特許文献1で知られている。このタイプの吊り下げウェイトは、両側に1つまたは2つのリフトで吊り下げることができ、チェーンまたはロープを使用して取り出して持ち上げることができる対のスリング手段(重量物持ち上げ手段)を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許発明第102020123821号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような吊り下げウェイトの利点は、建設現場での上部台車の旋回半径が大きくならないことであり、その追加質量は、荷物がブーム上に持ち上げられるときの安定トルクを改善し、荷物の方向へのブームの傾きを抑えることである。しかし、個々の吊り下げウェイトをセットアップ位置へ運ぶのに必要な持ち上げ回数が増える欠点がある。ここで、セットアップ位置は、移動式クレーンのバラスト装置が、最終状態で組み立てられたカウンタウェイト装置に到達し、それを後部領域、すなわち上部台車におけるブームと反対側で上部台車に取り付けることができる位置と理解されたい。カウンタウェイト要素の追加の持ち上げには時間がかかり、カウンタウェイト装置のセットアップ時間または移動式クレーンを作業状態にするのに必要な時間が長くなる。さらに、吊り下げウェイトの持ち上げ及び取り付けが増えることは、回避可能な作業工程を追加するというリスクを伴う。
【0008】
したがって、本発明の目的は、汎用移動式クレーンに迅速かつ安全にセットアップ(設置)できるカウンタウェイト装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有する移動式クレーン、請求項13の特徴を有するカウンタウェイト装置、及び請求項14の特徴を有する組立方法によって達成される。本発明の有利な実施態様は、従属請求項及び以下の説明から得られる。
【0010】
したがって、移動式の下部台車、下部台車に回転可能に取り付けられた上部台車、及び上部台車に連結可能なカウンタウェイト装置を有する移動式クレーンが提案される。より詳しくは、ブーム、例えば伸縮ブームが、上下動する方式で上部台車に関節接続される。カウンタウェイト装置は、カウンタウェイトベースプレートと、キャリアプレートと、キャリアプレートに着脱可能に接続できる少なくとも2つの吊り下げウェイトとを有する。キャリアプレートは、直接、すなわちカウンタウェイトベースプレート上に直接配置することも、カウンタウェイトベースプレート上に間接的に配置することもできる(つまり、この場合、カウンタウェイトベースプレートの上にさらに他のカウンタウェイト要素を積み重ね、その上にさらにキャリアプレートを配置することができる)。キャリアプレートは、吊り下げウェイトの第1接続要素とともに第1吊り下げ接続部を成立させるための第1接続要素をさらに有する。
【0011】
本発明によれば、キャリアプレート及び吊り下げウェイトは、一緒に持ち上げることが可能な組立ユニット(以下、第1組立ユニットまたは上部組立ユニットともいう)として構成される。したがって、キャリアプレートと吊り下げウェイトは、個別に持ち上げて移動式クレーンで組み立てる必要はなく、組み立てた状態で(例えば別の運搬車両で)搬送し、組み立てた状態で一緒に持ち上げてカウンタウェイトベースプレートに載せることができる。これにより、建設現場での吊り下げウェイトのための追加の持ち上げと、吊り下げウェイトを対応する吊り下げ連結部に現場で引っ掛ける必要とがなくなるため、セットアップ時間が大幅に短縮され、セットアップ時の安全性が向上する。
【0012】
組立ユニットは建設現場で使用する前に一度組み立てることができ、その後は輸送中にも移動式クレーンを設置する際にも分離する必要はない。組立ユニットは、キャリアプレートが特定の用途に使用されるまで、例えば吊り下げカウンタウェイトなしで組み立てたままにしておくことができる。この目的のため、キャリアプレートは個別に持ち上げることができるように、対応するスリング手段もすることが好ましい。
【0013】
キャリアプレートを吊り下げウェイトと一緒に持ち上げ可能にするためには、さらなる注意が必要である。特許文献1で知られているような通常の吊り下げ接続では、組立ユニットが持ち上げられたときに、吊り下げウェイトの一つがキャリアプレートから外れるおそれがある。
【0014】
この理由により、本発明によれば、キャリアプレート及び吊り下げウェイトは、吊り下げ接続を形成するための第1接続手段だけでなく、特に第1吊り下げ接続部が形成された後に第2接続部を形成する第2接続手段も有する。さらに、組立ユニットは、本発明に係る側部の吊り下げウェイトを用いて持ち上げることができる。この目的のために、吊り下げウェイトは、ホイストのロープまたはチェーンを取り付けることができる対応するスリング手段を有する。第2接続手段は、第1接続手段と共に、キャリアプレートの重量に起因して持ち上げ中に生じる大きな力を伝達できるように構成される。
【0015】
このことにより、特に移動式クレーン自体のブームを介して、吊り下げウェイトにより組立ユニットを持ち上げることができ、カウンタウェイト装置を組み立てまたはセットアップ(設置)してカウンタウェイト装置をバラスト装置によって上部台車の上に持ち上げることができる。
【0016】
第2接続部は、第1吊り下げ接続部を安定させる役割も果たす。したがって、本発明によれば、第2接続部は、組立ユニットが吊り下げウェイトの上に持ち上げられると、それぞれの吊り下げウェイトの第1吊り下げ接続部が緩むことが阻止または防止されるように設計されている。このことは、組立ユニットの移動時だけでなく、カウンタウェイト装置が上部台車に取り付けられているときのクレーン操作時の安全性を高める要因である。問題のある場合も考慮しなければならない。例えば、ブーム上の荷物が引きちぎられるような場合であり、このような場合には、通常、非常に大きな力が発生する。この場合にも回避できないリスクは生じない。これらの力により、吊り下げられた吊り下げウェイトのような非常に重い構成要素が重力に逆らって上方に加速されて、隣接部または接続部から解放されることもある。第2接続部の安全機能により、このような問題のある場合でも吊り下げ接続部が緩むことはない。
【0017】
カウンタウェイトベースプレート及び/またはキャリアプレート及び/または吊り下げウェイトは、ねずみ鋳鉄製とするか、または充填ボックス構造(詰め物入りのボックス構造)として構成することができる。
【0018】
実施可能な一態様では、上部台車が、下部台車の保管領域からカウンタウェイト装置を持ち上げて下部台車の上に置くように構成されたバラスト装置を有する。
【0019】
好ましくは、バラスト装置は少なくとも1つの油圧バラストシリンダを有し、この油圧バラストシリンダは特に、セットアップされたカウンタウェイト装置の方向へ下方に延びるようにすることができ、そのカウンタウェイト装置に連結することができる。その後、少なくとも1つのバラストシリンダを挿入することによって、カウンタウェイト装置を下部台車上の保管領域から持ち上げて、上部台車に移動させることができ、そこでカウンタウェイト装置を例えばボルト接続で特に上部台車に接続することができる。
【0020】
バラスト装置は、上部台車に連結(特にボルトで連結)されるとともにバラストシリンダによって移動可能なバラストフレームを有することが好ましい。その代わりに、またはそれに加えて、バラストフレームは、例えば、バラストフレームに着脱可能に取り付けられるウィンチ構造を有するようにしてもよい。バラストフレームは、運搬のために上部台車から取り外すこともできるように、ボルト受け及びボルトなどの対応する締結要素を介して、上部台車のフレーム構造体に着脱可能に接続してもよい。
【0021】
別の実施可能な態様では、カウンタウェイト装置が、カウンタウェイトベースプレートに対して実質的に直角に延び且つカウンタウェイト装置を上部台車に持ち上げて連結するためにカウンタウェイトベースプレートに接続される少なくとも1つの連結要素を備える。キャリアプレートは、好ましくは、少なくとも1つの凹部を有し、少なくとも1つの連結要素が置かれた状態でその凹部を通って突出する。したがって、キャリアプレートは、それがカウンタウェイトベースプレート(またはその上に積み重ねられた別のカウンタウェイト要素)の上に配置されるときに、少なくとも1つの連結要素に「通される」。特に、少なくとも1つの連結要素は、1つでカウンタウェイト装置の全体の牽引要素及び締結要素に相当し、このことが、部品数を減らし、操作または組み立てを容易にし、様々な部品の安定した接続を保証する。少なくとも1つの連結要素は、一体で構成できる。このことにより、他の部品との複雑な溶接接合部が不要になり、製造工程が簡素化される。
【0022】
別の実施可能な態様では、少なくとも1つの連結要素が、カウンタウェイトベースプレートとは反対側の端部に連結部を有し、この連結部を介して、バラスト装置、特にバラストシリンダとの連結を成立させることができる。前記バラストシリンダは、バラスト装置から下方へ延びて連結要素の連結部に連結できるピストンロッドを有するようにしてもよい。好ましくは、2つ以上のバラストシリンダ及び対応する数の連結要素が設けられる。
【0023】
別の実施可能な態様では、連結部が、特に上部台車をその回転軸を中心として回転させることによって、バラストシリンダの連結部品を挿入できる受け部を有する。連結部品は、バラストシリンダのピストンロッドの一部またはそれに接続された部品とすることができる。連結部の凹部は公知の態様で構成し、バラストシリンダを(例えば円運動にしたがって)横向きに押し込むことを可能にして、連結状態にあるときにバラストシリンダの凹部から垂直方向への移動を適合した態様で阻止できる。
【0024】
さらに他の実施可能な態様では、カウンタウェイト装置が、カウンタウェイトベースプレートの上に積み重ねることができ、前述の少なくとも1つの連結要素が積み上げ状態で突出するように挿通する少なくとも1つの凹部を有する、さらなるカウンタウェイト要素を有する。追加カウンタウェイト要素は、セットアップ状態ではカウンタウェイトベースプレートとキャリアプレートの間に配置される。他のカウンタウェイト要素が1つしかない場合、キャリアプレートは好ましくはその上に直接に載置される。複数のさらなるカウンタウェイト要素が設けられている場合、キャリアプレートは、特に最上部または少なくとも1つの連結要素の上載置される。
【0025】
カウンタウェイトベースプレートと少なくとも1つのさらなるカウンタウェイト要素も、一緒に持ち上げることができる組立ユニット(以下、第2または下部組立ユニットともいう)を形成することが好ましい。これにより、セットアップに必要なリフトの回数をさらに減らすことができる。この組立ユニットは、例えば、移動式クレーンから別個に運搬され、例えば移動式クレーン自体のブームによって、セットアップのために移動式クレーンの下部台車上の保管領域へ一緒に持ち上げられる。
【0026】
種々の組立ユニットは、その総重量に関して、公道でコスト効率よく運搬できるように構成することができる。組立ユニットの一方または組立ユニットの両方重量は、例えば約20トン(またはそれ以下)であるが、国及び要求に応じて他の値も可能である。
【0027】
さらに他の実施可能な態様では、少なくとも1つの連結要素は、カウンタウェイト装置を上部台車上で組立位置に位置決めすることができるセンタリング手段を有する。特に、センタリング手段は、上部台車上のカウンタセンタリング手段(相手側センタリング手段)と相互作用し、上部台車への持ち上げ中にカウンタウェイト装置の自動位置決めを確実にする。上部台車上の所定の組立位置でカウンタウェイト装置をセンタリングすることにより取り付けが容易になる。
【0028】
好ましくは、上部台車は、対応するカウンタセンタリング手段を有し、このカウンタセンタリング手段は、カウンタウェイト装置が持ち上げられると、連結要素のセンタリング手段と相互作用することによって、カウンタウェイト装置を上部台車、特に前述のバラスト装置に接続可能な組立位置に自動的に位置決めするように構成される。好ましくは、センタリング手段は、基本的に連結要素の長手方向に延びる要素として、例えば突起として構成される。それに応じて、カウンタセンタリング手段は、カウンタウェイト装置が持ち上げられたときにセンタリング手段が中へ移動する凹部を形成する。しかしながら、その反対(凹部としてのセンタリング手段と、上部台車などから下方に突出する突起としてのカウンタセンタリング手段)も考えられる。センタリング手段は、好ましくは、少なくとも1つの傾斜面ないし面取りを有し、つまり、センタリング手段とカウンタセンタリング手段とを互いに係合しやすくするために、例えば1方向または2方向に1つまたは複数の傾斜面を有することができる。センタリング装置またはカウンタセンタリング装置の周方向に面取りを有する円錐形状にすることも可能である。
【0029】
その代わりに、またはそれに加えて、少なくとも1つの連結要素は締結手段を有するようにすることができ、この締結手段により、カウンタウェイト装置を、組立位置(特に、前述の事前のセンタリングによって得られる組立位置)で上部台車にリリース可能に接続できる。したがって、カウンタウェイト装置は、特に、クレーン運転中に1つまたは複数のバラストシリンダによって上部台車の上で保持されないが、少なくとも1つの連結要素の締結手段を介して別の接続部であって特に上部台車の対応する締結手段を介して成立する別の接続部が設けられる。このことにより、キャリアプレート及び吊り下げウェイトを含むカウンタウェイト装置を上部台車に確実に且つ安定して取り付けることができ、バラストシリンダを解放することができる。
【0030】
他の実施可能な態様では、第2接続部が吊り下げウェイトの回転軸を形成して、組立ユニットが持ち上げられると吊り下げウェイトがキャリアプレートに対して回転軸を中心として旋回するように構成される。中央に配置されたキャリアプレートの重量が大きいため、横方向に配置された吊り下げウェイトは、持ち上げられると横方向へ所定距離だけ離れて広がる。この回転動作または広がる動作は、好ましくは第1接続要素の停止によって制限される。この回転動作または広がり動作を可能にするためには、第1接続要素を、それに合わせて構成し、接続された状態でもある程度の可動性を許容するようにしなければならない。
【0031】
広がりにより吊り下げウェイト間の距離が所定距離だけ長くなるため、組立ユニットは、広げたときにカウンタウェイトベースプレートに対してより広い受入れ領域またはより広い凹部を形成し、したがって、そこにより容易に載置することができる。吊り下げウェイトは、載置するとき、特にカウンタウェイトベースプレートの隣に位置し、その自重によってカウンタウェイトベースプレートに向かって旋回する。
【0032】
吊り上げ時の吊り下げウェイトの目標とされる広がり動作により、キャリアプレートと吊り下げウェイトからなる組立ユニットを、カウンタウェイトベースプレート(またはその上に配置されるその他のカウンタウェイト要素)の上に配置することが容易になる。
【0033】
さらに他の実施可能な態様では、第1接続要素が、キャリアプレートに配置された吊り下げボルトと、吊り下げウェイト上に配置されたフック要素とを備え、フック要素が、吊り下げウェイトをキャリアプレートに固定するために吊り下げボルトに引っ掛けられる。フック要素は、片側が開放された凹部を有し、凹部は、この所定の動きによる前述の広がり動作を可能にするために、その中に収容される吊り下げボルトよりも幅が大きいことが好ましい。広がり動作を制限する第1接続要素の停止部は、前述のフック要素と吊り下げボルトとにより形成するのが好ましい。前述のフックの接続の代わりに、プラグボルト(穴あきボルト、アンカーボルト)の接続を用いてもよい。
【0034】
その代わりに、またはそれに加えて、フック要素の凹部がその開放部に向かって広がるようにして、吊り下げボルトの挿入を容易にするができる。
【0035】
さらに他の実施可能な態様では、キャリアプレートが、特に側部または角部にキャビティを有し、そのキャビティ内に第1及び第2接続要素が平面視でキャリアプレートの外郭を越えて突出しないように配置される。これにより、特に吊り下げウェイトなしで使用する場合に、キャリアプレートの全幅が大きくならない。キャビティは、これが板金の充填ボックス構造で形成される場合に、キャリアプレートの薄板で囲むことによって形成することができる。
【0036】
別の実施可能な態様では、カウンタウェイト装置が、キャリアプレートの設置(セットダウン)状態において、そのキャリアプレートに接続された吊り下げウェイトがカウンタウェイトベースプレートの横に隣接して配置されるように構成される。特に、吊り下げウェイトは、カウンタウェイトベースプレート、その他のカウンタウェイト要素、及びキャリアプレートを有するカウンタウェイトパッケージの全高に対応する高さを有するようにすることができる。しかしながら、吊り下げウェイトの高さをより低くすること、またはキャリアプレートを超えて上へ突出するようにすることも、当然ながら可能である。
【0037】
上部台車へのカウンタウェイト装置の安定した取り付けと締結のために、1つ以上の連結要素を設けることが好ましい。さらに他の実施可能な態様では、したがって、カウンタウェイト装置は、カウンタウェイトベースプレートに接続され且つ間隔をあけて配置された少なくとも2つより多い連結要素から構成される。ちょうど2つの連結要素、または2つより多い連結要素を設けることができる。連結要素は、平坦な形状であることが好ましい。
【0038】
連結要素は、重心から、またはカウンタウェイトベースプレートの中心線(これは好ましくは上部台車の長手方向軸に平行に揃えられる)から同じ距離に配置することが好ましい。このことにより、カウンタウェイトベースプレートと連結要素を軸対称配置にすることができる。
【0039】
その代わりに、またはそれに加えて、連結要素を、互いに対して(それぞれが垂直軸の周りで)回転する配置にすることができ、言い換えるとそれらの連結部が互いの方を向かないようにすることができる。これは、連結要素との連結を成立させるために、上部台車を回転させることによってバラストシリンダが円軌道上を動くことに起因するものである。しかしながら、連結要素を、互いに対して回転せずに、互いに対して平行に配置することが好ましい。これにより、カウンタウェイトベースプレート及びその上に積まれるカウンタウェイト要素の製造が容易になる。
【0040】
連結要素及び/またはキャリアプレートを含むカウンタウェイトベースプレートは、カウンタウェイト装置の中心を通る中心軸に対して軸対称の構造を有することが好ましい。
【0041】
本発明は、本発明に係る移動式クレーン用のカウンタウェイト装置にも関する。これにより、明らかに、本発明に係る移動式クレーンと同じ効果と特性が得られるので、繰り返しの説明は省略する。カウンタウェイト装置は、カウンタウェイトベースプレートに配置または積み重ねることが可能な少なくとも1つのさらに他のカウンタウェイト要素を有することが好ましい。カウンタウェイト要素は、好ましくは、少なくとも1つの連結要素が通過するための少なくとも1つの凹部を有する。
【0042】
本発明はまた、本発明に係るカウンタウェイト装置を本発明に係る移動式クレーンの上部台車に組み付ける方法に関する。この方法は、
カウンタウェイトベースプレートを、特に移動式クレーンのブームにより下部台車の保管領域に配置するステップと、
キャリアプレートとそれに接続された吊り下げウェイトとを有する組立ユニットを吊り下げウェイトのスリング手段により持ち上げるステップと、
組立ユニットをカウンタウェイトベースプレートの上に置くステップであって、組立ユニットを特にカウンタウェイトベースプレート上に直接にまたはカウンタウェイトベースプレートに積まれた他のカウンタウェイト要素の上に置くステップと、
特にカウンタウェイトベースプレートに接続され且つキャリアプレートを通って突出する少なくとも1つの連結要素に少なくとも1つのバラストシリンダを連結することによって、移動式クレーンのバラスト装置によりカウンタウェイト装置の全体を上部台車に持ち上げるステップと、
を有する。
【0043】
このことにより、本発明に係る移動式クレーンと同じ効果と特性が得られることは明らかであるから、説明を繰り返すことは省略する。特に、本発明に係る移動式クレーンに関して説明された実施可能な態様及び選択的な特徴については、本発明に係る方法にも同様に適用される。
【0044】
本方法の1つの実施可能な態様では、第1及び第2接続部が上述したように形成され、第2接続要素が、持ち上げ時に吊り下げウェイトがキャリアプレートに対して旋回する中心である回転軸を形成する。したがって、吊り下げウェイトは、組立ユニットが持ち上げられると、上述したように横方向へ広がり、その結果、組立ユニットは、広がり時にカウンタウェイトベースプレート用の広くなった受け入れ領域を形成してその上で設置(セットダウン)することができる。吊り下げウェイトは、好ましくは、置かれるときにカウンタウェイトベースプレートに隣接して位置し、カウンタウェイトベースプレートに向かって旋回する。
【0045】
本発明のさらに他の特徴、詳細及び効果は、図面を用いて説明される以下の例示的な実施形態から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、本発明の例示的な実施形態に係る移動式クレーンの側面図である。
図2図2は、本発明に係るカウンタウェイト装置のセットアップ中の背面図である。
図3図3は、セットアップ状態のカウンタウェイト装置の背面図である。
図4図4は、セットアップ状態のカウンタウェイト装置の平面図である。
図5図5は、吊り下げウェイトの接続部の断面の拡大平面図である。
図6図6は、図5の接続部の側面図である。
図7図7は、セットアップされたカウンタウェイト装置10を、付属する組立ユニット11がスリングロープによって吊り上げられた状態で示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、クローラクレーンの形態の、本発明に係る移動式クレーン1の例示的な実施形態の側面図である。移動式クレーン1は、クローラシャーシを備えた下部台車2と、垂直回転軸3を中心に回転できるように下部台車2に取り付けられた上部台車4とを備えている。上部台車4は、水平軸を中心に上下するように取り付けられた伸縮ブーム6と、上部台車バラストとも呼ばれるカウンタウェイト配置とを有する。
【0048】
この例示的な実施形態では、上部台車バラストはバラストフレーム7を有し、このバラストフレーム7は、好ましくはボルト接続を介して上部台車4の鋼構造体に接続され、輸送のために上部台車4から取り外すことができる。バラストフレーム7には2つの油圧バラストシリンダ8が取り付けられていて、これらのピストンロッドは下方へ伸ばすことができ、それぞれ連結部品を有している。カウンタウェイト装置10は、バラストシリンダ8により保管領域5から上部台車4に持ち上げて、上部台車に接続できる。逆に、カウンタウェイト装置10は、バラストシリンダ8を伸ばして保管領域5に戻し、そこから補助クレーンまたは移動式クレーン1のブーム6を使用して輸送車両に積み込むことができる。
【0049】
この例示的な実施形態では、保管領域5は、下部台車2の後部に設けられたヒンジ式の保管装置によって形成され、このヒンジ式保管装置は、カウンタウェイト装置10を保管できる2つの旋回するヒンジ部品を有する。しかしながら、保管領域は、例えば下部台車2の上面や床面に配置してもよい。
【0050】
カウンタウェイト装置10は、カウンタウェイトベースプレート20を有し、その上に、好ましくは1つまたは複数の板状のカウンタウェイト要素22を積み重ねることができる。さらに、後述する複数の吊り下げウェイト50が設けられている。このことにより、上部台車バラストを可変に構成し、求められる用途に適合させることができる。ここで示す例示的な実施形態では、(後述するキャリアプレート40とは別に)単一のさらなるカウンタウェイトプレート22が設けられている。このカウンタウェイト装置10の後部の側面図を図3に示す。
【0051】
カウンタウェイト装置10は、カウンタウェイトベースプレート20から垂直上方へ突出する連結要素30を介してバラストシリンダ8に連結され、これらの連結要素は、バラストシリンダ8の連結部品に反転可能に連結するための連結部32を上端に有し、さらに、カウンタウェイト装置10をバラストフレーム7に締結するための締結手段36を有する。バラストフレーム7の組立位置におけるカウンタウェイト装置10の位置合わせまたは位置決めが、連結要素30のセンタリング手段34により行われ、締結手段36による接続が成立する。センタリング手段34と締結手段36は、図1の側面図で見ることができる(これらは、カウンタウェイト装置10のトッププレートまたはキャリアプレート40の上方に突出している)。
【0052】
カウンタウェイト装置10がセットアップされる状態を背面図で示す図2に示すように、カウンタウェイト装置10は、カウンタウェイトベースプレート20とさらなるカウンタウェイト要素22とを有するバラストスタックの上端を形成するキャリアプレート40を備えている。キャリアプレート40の側面には、吊り下げウェイト50の形態の追加のカウンタウェイト要素が取り付けられ、ここで説明する例示的な実施形態では、吊り下げウェイト50は側面ごとに1つ取り付けられている。
【0053】
吊り下げウェイト50は、カウンタウェイト装置10が完全に組み立てられた(すなわちセットアップされた)ときに、下側のカウンタウェイトベースプレート20まで延びるように配置されている。特に、吊り下げウェイト50の高さは、カウンタウェイト装置10のバラストスタックの高さに対応する。
【0054】
本発明によれば、キャリアプレート40及び吊り下げウェイト50は、共通の(第1)組立ユニット11を形成し、この組立ユニット11は、運搬と持ち上げを同時に行うことができる(この点で運搬組立ユニット11と言うこともできる)。つまり、キャリアプレート40と吊り下げウェイト50を保管領域5まで持ち上げるには、1回の行程が必要なだけである。
【0055】
カウンタウェイトベースプレート20と、その上に配置されるさらなるカウンタウェイト要素22も、好ましくは共通の(第2)組立ユニット12を形成する。この目的のために、連結要素30は、連結要素30を介して下部または第2組立ユニット12を持ち上げ可能にするために、(例えば、チェーンまたはロープを取り付けることができる対応の凹部の形の)スリング(吊り下げ)手段(ここでは図示せず)を有することができる。
【0056】
下部台車2の保管装置5の実施し得る例示的な実施形態が図1に示されている。中央バラストは、締結要素を介して下部台車2に直接に組み付けることができ、カウンタウェイト装置10のためのヒンジ式のホルダによって拡張される。中央バラストのサイドチーク部に2つのピボット部品がヒンジ接続され、2つのピボット部品はカウンタウェイト装置10を上に載せることができる支持面を備えている。
【0057】
カウンタウェイト装置10をセットアップするには、カウンタウェイトベースプレート20とその上に既に配置済みのカウンタウェイト要素22とを有する下部組立ユニット12を輸送車両(例えば低荷台トラック)からまず持ち上げて、保管領域5に配置する。この持ち上げは、好ましくは、自己セットアップモードの移動式クレーン1のブーム6によって行われるが、当然に補助クレーンによって行うこともできる。
【0058】
キャリアプレート40と吊り下げウェイト50とを有する上部組立ユニット11は、既に組み立てられて別々に運搬された後、(好ましくはブーム6を使って)下部組立ユニット12の上に降ろされる(セットダウン)。下ろす直前の状態を図2に示す。吊り下げウェイト50の間とキャリアプレート40の下方の空間が、カウンタウェイトベースプレート20とカウンタウェイト要素22のための受け入れ領域13を形成し、セットアップ状態(図3参照)においてカウンタウェイト要素22の構成要素が受け入れられていることがわかる。
【0059】
図3に示されているように、カウンタウェイトベースプレート20に接続された連結要素30は、セットアップ状態においてキャリアプレート40の上部を越えて突出するような長さを有している。この目的のために、さらなるカウンタウェイト要素22とキャリアプレート40の両方が、連結要素30が突出するのに対応する形状の凹部を有する。接続レバーとも呼ぶことのできる連結要素30は、特に一体型シートメタル構造体であり、平坦な基本形状を有し、カウンタウェイトベースプレート20に接続される。
【0060】
ここで使用されている「上」及び「下」の方向は、カウンタウェイトベースプレート20(及び移動式クレーン1)が水平面に立てられ、連結要素30が垂直向きに合わされている場合を表す。
【0061】
図4は、吊り下げウェイト50が取り付けられたキャリアプレート40の平面図である。連結要素30が配置されている基本的にスロット状の凹部44が、互いに平行に延びていることが分かる。
【0062】
連結要素30は、カウンタウェイト装置10を取り出して持ち上げる役割と、バラスト装置(またはバラストフレーム7)に中心を合わせて取り付ける役割の両方を果たす。この目的のため、連結要素30は、カウンタウェイトベースプレート20とは反対側の端部に連結部32を有する(図2参照)。
【0063】
連結部32は、特に、上方へ開放されたクランプ状の凹部33(図4参照)を有し、この凹部33には、対応するバラストシリンダ8の特有形状(特にマッシュルーム形状)の端部または連結部品を横方向へ入れることができる。カウンタウェイト装置10を安全に持ち上げることができる最終位置では、バラストシリンダ8の連結部品は、好ましくは、各凹部33の中央に位置する形状にすることができ、その結果、バラストシリンダ8を後退させることによってカウンタウェイト装置10を適合した態様で持ち上げることができる。
【0064】
ここで示している例示的な実施形態では、バラストシリンダ8は、上部台車4をその回転軸3の周りで回転させることによって連結要素30に連結される。このため、凹部44は、連結要素30の隣にあるバラストシリンダ8の連結部品を、その連結部品が凹部33の高さになるまで凹部44の拡大部分45の中に下方へ動かせるように、中央領域において片側(図4では左側)へ広げられている。そして、上部台車4を回転させることにより連結を確立することができる。ここで示している例示的な実施形態では、拡大部分45は矩形の形状であり、上部台車4が回転するときのバラストシリンダ8の円軌道を考慮するために、互いにわずかにオフセットして配置されている(つまり、平面視において同じ高さにはない)。凹部45を他の形状や配置にすることも考えられる。
【0065】
カウンタウェイト装置10を上部台車4またはバラストフレーム7まで持ち上げた後、連結要素30がバラストフレーム7にボルト留めされる。このことにより、クレーンの運転中にバラストシリンダ8が解放される。このように、連結要素30が連結部32の領域に締結手段36を有し(図1及び図3参照)、これにより、カウンタウェイト装置10をバラストフレーム7に安定して接続することができる。締結手段36は、特に、対応する締結ボルトを組立位置に挿入できるボルト受けとして構成されている。
【0066】
また、連結要素30は、好ましくは、締結手段36の領域にセンタリング手段34を有し(図1及び図3参照)、この例示的な実施形態では、上方に突出するとともに連結要素30の長手方向へテーパ形状の突起またはマンドレルの形態で示されており、バラストシリンダ8が引き込まれたときに、この突起またはマンドレルにより、カウンタウェイト装置10が所望の取り付け位置の状態になる。センタリング手段34は、バラストフレーム7の図示しないカウンタセンタリング手段と相互作用し、カウンタウェイト装置10がバラストフレーム7に向かって移動するときに自動的に位置合わせがなされることを保証している。
【0067】
吊り下げウェイト50は、2つの接続部100,200を介してキャリアプレート40に取り外し可能に取り付けられている。第1吊り下げ接続部100は、第1接続要素41、51によって作られ、キャリアプレート40への吊り下げウェイト50の簡単な吊り下げを可能にしている。この目的のために、吊り下げウェイト50は、キャリアプレート40に面する端面の領域に側部接続プレート54を有し、この側部接続プレート54は、その前方部分にフック要素51を形成する。接続プレート54の配置は、図4の平面図に示されており、図5及び図6は、接続状態にあるこれらの接続プレート54の平面図及び側面図を示している。
【0068】
フック要素51(=吊り下げウェイト50の第1接続要素)は、下方へ開放された凹部55を有し、この凹部55に吊り下げボルト41(=キャリアプレート40の第1接続要素)が入れられ、この吊り下げボルト41はキャリアプレート40の角部に形成されたキャビティ46内に位置している(図4参照)。吊り下げウェイト50は、フック要素51によりキャリアプレート40の吊り下げボルト41に引っ掛けられ、それによって第1吊り下げ接続部100が形成される。原則として、キャリアプレート40に上方へ開放されたフック要素を設け、吊り下げウェイト50に吊り下げボルトを設けることも考えられる。
【0069】
さらに、キャリアプレート40と吊り下げウェイト50は、第2接続部200を形成するための第2接続要素42、52、53を有し、これにより第1吊り下げ接続部100が保護され、吊り下げウェイト50が意図せず外れることが防止される。ここで示している例示的な実施形態では、第2接続要素42、52、53は、キャビティ46の領域でキャリアプレート40に形成されたボルト受け42と、接続プレート54にも形成されたボルト受け52とを含み、ボルト受け42、52が重なり合うとすぐに、対応するボルト53が挿入される。
【0070】
キャビティ46は、接続プレート54がキャリアプレート40の外郭を越えて横方向へ突出しないように、すなわち接続プレート54が平面視でキャビティ46の「内側」に位置するように、キャリアプレート40に設けられる。
【0071】
第2接続部200またはボルト接続部は、組立ユニット11を吊り上げるとき、またはクレーン作業中に、例えば荷重の急激な降下の場合の安全性を高めるだけでなく、図7の側面図に示すように、本発明に係る組立ユニッn the event ofト11を吊り下げウェイト50の上方へ吊り上げることを可能にする。この目的のために、吊り下げウェイト50は、キャリアプレート40から間隔をあけてその側面に対応するスリング手段58を有し、このスリング手段58に吊りロープ60またはホイストの吊りチェーンを取り付けることができる。
【0072】
第2接続部200がない場合、吊り下げ接続部100は、吊り下げウェイト50が持ち上げられたときに容易に緩んでしまう。第1及び第2接続要素41、42、51、52、53は、吊り上げ中に生じる力を安全に吸収して伝達できるように構成されている。
【0073】
図6に示すように、フック要素51の開口部55は、受け入れる吊り下げボルト41よりも幅が大きい。この定められるクリアランスにより、吊り下げウェイト50の取り付けが容易になる。旋回動作は、より大きなボア52によって実現される。
【0074】
この吊り下げウェイト50の意図的な旋回動作により、上部組立ユニット11を下部組立ユニット12の上に設置するのが容易になる(図2参照)。組立ユニット11の持ち上げ中に、吊り下げウェイト50は、上述の可動性のために、定められた距離だけ離れたり広がったりする。これにより、吊り下げウェイト50の間の受け入れ領域13が広がり、この受け入れ領域13へ下部組立ユニット12を挿入するのが容易になる。
【0075】
キャリアプレート40は、吊り下げウェイト50なしで特定の用途に使用することもできるため、その側面には対応するスリング手段48も設けられる。原理的には、組立ユニット11をキャリアプレート40のこれらのスリング手段48の上に持ち上げることもできる。しかしながら、この場合には前述したように吊り下げウェイト50を広げる効果は生じない。
【0076】
バラスト要素20、22、40、50は、充填ボックス構造(詰め物入りのボックス構造)または成形バラストとして構成できる。しかしながら、前記バラスト要素20、22、40、50は、例えば、製造中に金属部品が挿入されて隙間が充填用コンパウンドで充填される、安価で環境に優しいボックス構造で作成することが好ましい。しかし、これらは比重が小さいため、安定に必要なトルクを発生させるためには、多くの用途で多量のカウンタウェイトの追加が必要となる。この重さの追加は、吊り下げウェイト50によってもたらされる。
【0077】
最後に、組立ユニット11によって形成されたカウンタウェイトパッケージを、既に準備された組立ユニット12のカウンタウェイトパッケージの上に配置し、それらを接続するために、作業者が必要になる場合があることに言及しておく。これらの処置は、下部台車2上の快適で安全な位置から行うことができる。処置は、露出したカウンタウェイト装置10自体の中に入り、スリングロープ60を外すか、または吊り下げることだけが必要である。しかし、これには通常大きな労力を必要としない。カウンタウェイト装置10の上に登ることを完全に避けたい場合は、例えば折りたたみ式のはしごを使用するとよい。
【符号の説明】
【0078】
1 移動式クレーン
2 下部台車
3 回転軸
4 上部台車
5 保管領域
6 ブーム
7 バラストフレーム
8 バラストシリンダ
10 カウンタウェイト装置
11 (上部)組立ユニット
12 第2(下部)組立ユニット
13 受け入れ領域
20 カウンタウェイトベースプレート
22 カウンタウェイト要素
30 連結要素
32 連結部
33 凹部(受け部)
34 センタリング手段
36 締結手段
40 キャリアプレート
41 第1接続要素(吊り下げボルト)
42 第2接続要素(ボルト受け部)
44 凹部
45 凹部の拡大部分
46 キャビティ
48 スリング手段
50 吊り下げウェイト
51 第1接続要素(フック要素)
52 第2接続要素(ボルト受け部)
53 ボルト
54 接続プレート
55 凹部
56 スリング手段
58 スリング手段
60 スリング部
100 第1接続部(吊り下げ接続部)
200 第2接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式の下部台車(2)、前記下部台車(2)に回転可能に取り付けられた上部台車(4)、及び前記上部台車(4)に連結可能であり且つカウンタウェイトベースプレート(20)とキャリアプレート(40)と前記キャリアプレート(40)に解放可能に接続できる少なくとも2つの吊り下げウェイト(50)とを有するカウンタウェイト装置(10)、を有し、前記キャリアプレート(40)が、前記カウンタウェイトベースプレート(20)上に載置可能であり、前記吊り下げウェイト(50)の第1接続要素(51)との第1吊り下げ接続部(100)を形成するための第1接続要素(41)を有する移動式クレーン(1)であって、
前記キャリアプレート(40)及び前記吊り下げウェイト(50)は、一緒に持ち上げ可能な組立ユニット(11)として構成され、前記吊り下げウェイト(50)は、前記組立ユニット(11)の全体を持ち上げるためのスリング手段(58)を有し、前記キャリアプレート(40)は、前記吊り下げウェイト(50)の第2接続要素(52)と第2接続部(200)を形成するための第2接続要素(42)を備え、前記キャリアプレートは、前記組立ユニット(11)が前記吊り下げウェイト(50)の上へ持ち上げられたときに、第1吊り下げ接続部(100)の解放を阻止するように構成されていることを特徴とする移動式クレーン(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の移動式クレーン(1)において、
前記上部台車(4)は、バラスト装置を有し、前記バラスト装置は、前記カウンタウェイト装置(10)を前記下部台車(2)の保管領域(5)から持ち上げてその上に置くように構成され、前記バラスト装置は、好ましくは、少なくとも1つの油圧バラストシリンダ(8)を有することを特徴とする移動式クレーン(1)。
【請求項3】
請求項に記載の移動式クレーン(1)において、
前記カウンタウェイト装置(10)が、前記カウンタウェイトベースプレート(20)に対して実質的に直角に延び且つ前記カウンタウェイト装置(10)を上部台車(4)に持ち上げて連結するために前記カウンタウェイトベースプレートに接続される少なくとも1つの連結要素(30)を備え、前記キャリアプレート(40)が、好ましくは、少なくとも1つの凹部(44)を有し、少なくとも1つの連結要素(30)が置かれた状態でその凹部(44)を通って突出していることを特徴とする移動式クレーン(1)。
【請求項4】
請求項に記載の移動式クレーン(1)において、
少なくとも1つの連結要素(30)が、前記カウンタウェイトベースプレート(20)とは反対側の端部に連結部(32)を有し、この連結部を介して、バラスト装置、特に前記バラスト装置のバラストシリンダ(8)との連結を成立させることが可能である移動式クレーン(1)。
【請求項5】
請求項4に記載の移動式クレーン(1)において、
前記連結部(32)が、特に前記上部台車(4)をその回転軸(3)を中心として回転させることによって、前記バラストシリンダ(8)の連結部品を挿入できる受け部(33)を有する移動式クレーン(1)。
【請求項6】
請求項に記載の移動式クレーン(1)において、
前記カウンタウェイトベースプレート(20)の上に積み重ねることができ、少なくとも1つの連結要素(30)が積み上げ状態で突出するように挿通する少なくとも1つの凹部を有する少なくとも1つのさらなるカウンタウェイト要素(22)をさらに備え、前記さらなるカウンタウェイト要素(22)が、バラスト状態において、前記カウンタウェイトベースプレート(20)と前記キャリアプレート(40)との間に配置され、前記カウンタウェイトベースプレート(20)と前記少なくとも1つのさらなるカウンタウェイト要素(22)とが、好ましくは、一緒に持ち上げ可能な第2組立ユニット(12)も形成する移動式クレーン(1)。
【請求項7】
請求項に記載の移動式クレーン(1)において、
前記少なくとも1つの連結要素(30)は、前記カウンタウェイト装置(10)が前記上部台車(4)上に持ち上げられたときにカウンタウェイト装置(10)を自動的に組立位置に位置決めすることができるセンタリング手段、及び/または、前記カウンタウェイト装置(10)を組立位置で上部台車(4)に解放可能に接続することができるとともに好ましくは前記上部台車(4)へのボルト接続を行うためのボルト受けを有する締結手段(36)を有する移動式クレーン(1)。
【請求項8】
請求項に記載の移動式クレーン(1)において、
前記第2接続部(200)が前記吊り下げウェイト(50)の回転軸を形成し、組立ユニット(11)が持ち上げられると前記吊り下げウェイト(50)が前記キャリアプレート(40)に対して前記回転軸を中心として旋回して、横方向へ所定距離だけ離れるように構成され、回転動作が、好ましくは第1接続要素(41、51)の停止によって制限される移動式クレーン(1)。
【請求項9】
請求項に記載の移動式クレーン(1)において、
前記第1接続要素(41、51)が、キャリアプレート(40)に配置された吊り下げボルト(41)と、前記吊り下げウェイト(50)に配置されたフック要素(51)とを有し、前記フック要素(51)が、片側が解放された凹部(55)を有する移動式クレーン(1)。
【請求項10】
請求項に記載の移動式クレーン(1)において、
前記キャリアプレート(40)がキャビティ(46)を有し、前記キャビティ内に前記第1及び第2接続要素(41,42)が平面視で前記キャリアプレート(40)の外郭を超えて突出しないように配置される移動式クレーン(1)。
【請求項11】
請求項に記載の移動式クレーン(1)において、
前記カウンタウェイト装置(10)は、前記キャリアプレート(40)のセットダウン状態において、前記キャリアプレートに接続された吊り下げウェイト(50)がカウンタウェイトベースプレート(20)の横に隣接して配置されるように構成されている移動式クレーン(1)。
【請求項12】
請求項に記載の移動式クレーン(1)において、
間隔を空けて配置された2つの連結要素(30)が、カウンタウェイトベースプレート(20)に接続され、好ましくは平坦な形状である移動式クレーン(1)。
【請求項13】
請求項に記載の移動式クレーン(1)用のカウンタウェイト装置(10)であって、好ましくは、カウンタウェイトベースプレート(20)上で積み重ねることが可能な少なくとも1つのカウンタウェイト要素(22)をさらに有するカウンタウェイト装置(10)。
【請求項14】
請求項に記載の移動式クレーン(1)の上部台車(4)の上にカウンタウェイト装置(10)を組み付ける方法であって、
前記カウンタウェイトベースプレート(20)を、特に前記移動式クレーン(1)のブーム(6)により前記下部台車(2)の保管領域(5)に配置するステップと、
前記キャリアプレート(40)とそれに接続された吊り下げウェイト(50)とを有する組立ユニット(11)を前記吊り下げウェイト(50)のスリング手段(58)により持ち上げるステップと、
前記組立ユニット(11)を前記カウンタウェイトベースプレート(20)の上に配置するステップと、
特に前記カウンタウェイトベースプレート(20)に雪像され且つ前記キャリアプレート(40)を通って突出する少なくとも1つの連結要素(30)に少なくとも1つのバラストシリンダ(8)を連結することによって、前記移動式クレーン(1)のバラスト装置により前記カウンタウェイト装置(10)の全体を前記上部台車(4)に持ち上げるステップと、
を有する方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記移動式クレーン(1)が、少なくとも請求項8に記載されたように構成され、前記吊り下げウェイト(50)は、前記組立ユニット(11)が持ち上げられると、横方向へ広がり、前記組立ユニット(11)は、広がり時に前記カウンタウェイトベースプレート(20)用の広くなった受け入れ領域(13)を形成してその上で設置することができ、前記吊り下げウェイト(50)が、好ましくは、下降中にカウンタウェイトベースプレート(20)に隣接して位置し、カウンタウェイトベースプレート(20)に向かって旋回する方法。
【外国語明細書】