(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153601
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】バッテリ用ハウジング、それを含むバッテリセル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/342 20210101AFI20241022BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20241022BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20241022BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20241022BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M50/103
H01M50/548 101
H01M50/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066364
(22)【出願日】2024-04-16
(31)【優先権主張番号】10-2023-0050203
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522151617
【氏名又は名称】エスケー オン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】シン ジェ シク
(72)【発明者】
【氏名】ビュン ジェ ギュ
(72)【発明者】
【氏名】ソ ギ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ スン フン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011BB03
5H011DD06
5H011DD13
5H012AA07
5H012BB01
5H012DD05
5H012FF01
5H043AA11
5H043AA13
5H043AA19
5H043CA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ハウジングの内側にベント部材を結合し、構造的安定性を増大したバッテリセルを提供する。
【解決手段】電極組立体100が収容されることができる内部空間Sを有する本体部201を含み、本体部は、開閉可能に構成された継手部250が配置された第1面201b及び内部空間で発生したガスが放出されることができるように構成されたベンティングホールが配置された第2面201aを含むバッテリ用ハウジング200及びそれを含むバッテリセル10とその製造方法が提供される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体が収容されることができる内部空間を有するハウジングと、
前記ハウジングに結合されて前記内部空間を閉鎖するキャップアセンブリと、
前記ハウジングに結合され、前記ハウジングの内圧が基準値以上である場合に開放されるように構成されたベント部材と、を含み、
前記ベント部材は前記ハウジングの内側面に結合される、バッテリセル。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記ベント部材が安着されるベンティングホールをさらに含み、
前記ベント部材は、前記ハウジングの内側から外側に向かう方向に前記ベンティングホールに安着された、請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項3】
前記ベンティングホールは段差部を含み、前記ベント部材は前記段差部に安着される安着部を含み、
前記安着部は、前記段差部よりも前記電極組立体に近接して配置される、請求項2に記載のバッテリセル。
【請求項4】
前記ベンティングホールの幅は、前記ベント部材の幅より狭い、請求項2に記載のバッテリセル。
【請求項5】
前記ハウジングは、
互いに対向して結合される第1接合部及び第2接合部を含む継手部を含む、請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記ベント部材が結合されるベンティングホールをさらに含み、
前記継手部は、前記ベンティングホールの反対側に配置される、請求項5に記載のバッテリセル。
【請求項7】
前記第1接合部及び前記第2接合部は、接合ラインに沿って互いに溶接結合され、
前記接合ラインは、前記ハウジングの長さ方向に形成された、請求項5に記載のバッテリセル。
【請求項8】
前記第1接合部及び前記第2接合部が互いに当接する部分には段差が形成された、請求項5に記載のバッテリセル。
【請求項9】
前記ハウジングは、長さ方向の両端部が開放された形状を有し、
前記キャップアセンブリは、前記ハウジングの両端部に結合される、請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項10】
前記キャップアセンブリは、前記電極組立体と電気的に連結される端子部を含む、請求項9に記載のバッテリセル。
【請求項11】
前記ベント部材は、前記ハウジングの内圧によって破損できるように構成されたノッチ部を含む、請求項1に記載のバッテリセル。
【請求項12】
前記ベント部材の一面は前記電極組立体と対向し、
前記ノッチ部は、前記ベント部材の前記一面と反対の他面に配置される、請求項11に記載のバッテリセル。
【請求項13】
ハウジングの内側面にベント部材が安着される段階と、
前記ベント部材と前記ハウジングが結合される段階と、
電極組立体及びキャップアセンブリが前記ハウジングと結合される段階と、を含み、
前記ベント部材は、前記ハウジングの内圧が基準値以上である場合に開放されるように構成された、バッテリセルの製造方法。
【請求項14】
前記ハウジングは、開放可能に構成された継手部を含み、
前記ベント部材と前記ハウジングが結合される段階は、
開放された前記継手部を介して前記ハウジングの内側面の接合領域に溶接用レーザを照射する段階と、
前記継手部を閉鎖する段階と、をさらに含む、請求項13に記載のバッテリセルの製造方法。
【請求項15】
前記継手部は、互いに当接することができるように構成された第1接合部及び第2接合部を含み、
前記継手部を閉鎖する段階は、
前記第1接合部及び前記第2接合部を前記ハウジングの長さ方向に形成された接合ラインに沿って接合する段階を含む、請求項14に記載のバッテリセルの製造方法。
【請求項16】
前記ベント部材と前記継手部は、前記ハウジングの互いに対向する2つの面にそれぞれ配置される、請求項14に記載のバッテリセルの製造方法。
【請求項17】
電極組立体及びキャップアセンブリが前記ハウジングと結合される段階は、
前記ハウジングの内部空間に前記電極組立体を挿入する段階と、
前記ハウジングの両側に前記キャップアセンブリを結合する段階と、をさらに含む、請求項13に記載のバッテリセルの製造方法。
【請求項18】
前記ベント部材は、前記ハウジングのベンティングホールにおいて前記ハウジングの内側から外側に向かう方向に安着され、
前記ベンティングホールの幅は、前記ベント部材の幅より狭い、請求項13に記載のバッテリセルの製造方法。
【請求項19】
電極組立体が収容されることができる内部空間を有する本体部を含み、
前記本体部は、
開閉可能に構成された継手部が配置された第1面と、
前記内部空間で発生したガスが放出されることができるように構成されたベンティングホールが配置された第2面と、を含む、バッテリ用ハウジング。
【請求項20】
前記継手部は、互いに当接して接合されることができるように構成された第1接合部及び第2接合部を含む、請求項19に記載のバッテリ用ハウジング。
【請求項21】
前記本体部は、少なくとも1回以上折り曲げられた板状部材からなり、
前記板状部材の両側縁のうち少なくとも一部が、前記第1接合部及び前記第2接合部を形成する、請求項20に記載のバッテリ用ハウジング。
【請求項22】
前記本体部の第1方向の両端部に配置される第1開口部及び第2開口部をさらに含み、
前記第1面及び前記第2面は、前記第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する、請求項19に記載のバッテリ用ハウジング。
【請求項23】
前記ベンティングホールに結合され、前記内部空間の内圧が基準値以上である場合に開放されるように構成されたベント部材をさらに含む、請求項19に記載のバッテリ用ハウジング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ用ハウジング、それを含むバッテリセル、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は一次電池とは異なり、充放電が可能であるという便利性があるため、各種モバイル機器の電源をはじめ電気自動車などの動力源として多くの注目を集めている。
【0003】
このような二次電池は、正極板、セパレータ、負極板が所定の剛性を有するハウジング(又はケース)に収容された形態を有することができる。ハウジングは、角型、パウチ型、又は円筒型などのように、様々な形態を有することができる。
【0004】
二次電池のハウジングは、内部に電極組立体が収容されることができるように一側が開放された形状を有することができる。開放された一側には、端子部を有するキャッププレートが結合されてハウジングの内部を閉鎖するように構成される。
【0005】
二次電池は、使用過程における過酷な条件の充放電又は外部からの衝撃などにより内部にガスが発生する可能性があり、これにより、ハウジングの内部圧力が上昇して爆発する危険がある。これを防止するために、ガス排出のための構成(ベント部材)をキャッププレートに配置することができるが、この場合、ガスの排出方向がキャッププレートの設置された方向に制限されるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の問題点のうち少なくとも一部を解決するために案出されたものであって、ハウジングの内側にベント部材が結合されたバッテリセルを提供することである。
【0007】
また、本発明の目的は、ベント部材をハウジングに安定的に結合できる構造を有するバッテリセルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的を達成するために、本発明の実施形態において、電極組立体が収容されることができる内部空間を有するハウジングと、ハウジングに結合されて内部空間を閉鎖するキャップアセンブリと、ハウジングに結合され、ハウジングの内圧が基準値以上である場合に開放されるように構成されたベント部材と、を含み、ベント部材はハウジングの内側面に結合されるバッテリセルが提供される。
【0009】
実施形態において、ハウジングは、ベント部材が安着されるベンティングホールをさらに含み、ベント部材は、ハウジングの内側から外側に向かう方向にベンティングホールに安着されることができる。
【0010】
実施形態において、ベンティングホールは段差部を含み、ベント部材は段差部に安着される安着部を含み、安着部は段差部よりも電極組立体に近接して配置されることができる。
【0011】
実施形態において、ベンティングホールの幅はベント部材の幅より狭くてもよい。
【0012】
実施形態において、ハウジングは、互いに対向して結合される第1接合部及び第2接合部を含む継手部を含むことができる。
【0013】
実施形態において、ハウジングは、ベント部材が結合されるベンティングホールをさらに含み、継手部はベンティングホールの反対側に配置されることができる。
【0014】
実施形態において、第1接合部及び第2接合部は接合ラインに沿って互いに溶接結合され、接合ラインはハウジングの長さ方向に形成されることができる。
【0015】
実施形態において、第1接合部及び第2接合部が互いに当接する部分には段差が形成されることができる。
【0016】
実施形態において、ハウジングは長さ方向の両端部が開放された形状を有し、キャップアセンブリはハウジングの両端部に結合されることができる。
【0017】
実施形態において、キャップアセンブリは、電極組立体と電気的に連結される端子部を含むことができる。
【0018】
実施形態において、ベント部材は、ハウジングの内圧によって破損できるように構成されたノッチ部を含むことができる。
【0019】
実施形態において、ベント部材の一面は電極組立体と対向し、ノッチ部はベント部材の一面と反対の他面に配置されることができる。
【0020】
実施形態において、ハウジングの内側面にベント部材が安着される段階と、ベント部材とハウジングが結合される段階と、電極組立体及びキャップアセンブリがハウジングと結合される段階と、を含み、ベント部材はハウジングの内圧が基準値以上である場合に開放されるように構成されたバッテリセルの製造方法が提供される。
【0021】
実施形態において、ハウジングは開放可能に構成された継手部を含み、ベント部材とハウジングが結合される段階は、開放された継手部を介してハウジングの内側面の接合領域に溶接用レーザを照射する段階と、継手部を閉鎖する段階と、をさらに含むことができる。
【0022】
実施形態において、継手部は互いに当接可能に構成された第1接合部及び第2接合部を含み、継手部を閉鎖する段階は、第1接合部及び第2接合部をハウジングの長さ方向に形成された接合ラインに沿って接合する段階を含むことができる。
【0023】
実施形態において、ベント部材と継手部は、ハウジングの互いに対向する2つの面にそれぞれ配置されることができる。
【0024】
実施形態において、電極組立体及びキャップアセンブリがハウジングと結合される段階は、ハウジングの内部空間に電極組立体を挿入する段階と、ハウジングの両側にキャップアセンブリを結合する段階と、をさらに含むことができる。
【0025】
実施形態において、ベント部材は、ハウジングのベンティングホールにおいてハウジングの内側から外側に向かう方向に安着され、ベンティングホールの幅はベント部材の幅より狭くてもよい。
【0026】
実施形態において、電極組立体が収容されることができる内部空間を有する本体部を含み、本体部は開閉可能に構成された継手部が配置された第1面と、内部空間で発生したガスが放出されることができるように構成されたベンティングホールが配置された第2面と、を含むバッテリ用ハウジングが提供される。
【0027】
実施形態において、継手部は、互いに当接して接合されることができるように構成された第1接合部及び第2接合部を含むことができる。
【0028】
実施形態において、本体部は、少なくとも1回以上折り曲げられた板状部材からなり、板状部材の両側縁のうち少なくとも一部が第1接合部及び第2接合部を形成することができる。
【0029】
実施形態において、バッテリ用ハウジングは、本体部の第1方向の両端部に配置される第1開口部及び第2開口部をさらに含み、第1面及び第2面は、第1方向に垂直な第2方向に互いに対向することができる。
【0030】
実施形態において、バッテリ用ハウジングは、ベンティングホールに結合され、内部空間の内圧が基準値以上である場合に開放されるように構成されたベント部材をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0031】
実施形態によれば、ベント部材がハウジングに配置されてガス排出経路を様々に設定することができるバッテリセルを実現することができる。
【0032】
また、実施形態によれば、ハウジングの内側にベント部材が結合されて構造的安定性が増大したバッテリセルを実現することができる。
【0033】
また、バッテリセルは、ベント部材が安着される面の反対側において開放可能に構成された継手部を有するため、ベント部材をハウジングに安定的に結合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図4】バッテリセルのハウジングとベント部材の結合を説明するための例示図である。
【
図5】ベント部材がハウジングの内部に結合された状態を示す。
【
図6】
図3のI-I’部分に沿ったハウジングの断面図である。
【
図9】ハウジングの継手部が開放された状態を示す。
【
図10】他の実施形態に係るハウジングの一部断面図である。
【
図11】他の実施形態に係るハウジングの断面図である。
【
図12】他の実施形態に係るハウジングの断面図である。
【
図13】バッテリセルの製造方法を示すフローチャートである。
【
図14】ハウジングとベント部材の結合過程を説明するための例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の詳細な説明に先立って、本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語や単語は、通常的又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者はその自分の発明を最良の方法で説明するための用語の概念として適切に定義することができるという原則に則り、本発明の技術的思想に合致する意味及び概念に解釈すべきである。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示される構成は、本発明の最も好ましい実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代表するものではない。
【0036】
本明細書に添付された各図に記載されている同じ参照番号又は符号は、実質的に同じ機能を果たす部品又は構成要素を示す。説明及び理解の便宜上、互いに異なる実施形態においても同じ参照番号又は符号を用いて説明することができる。すなわち、複数の図面において同じ参照番号を有する構成要素を示しているとしても、複数の図面が全て1つの実施形態を意味するものではない。
【0037】
以下の説明において、単数の表現は、文脈上、明らかに別段の意味がない限り、複数の表現を含む。「含む」又は「構成する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はそれらを組み合わせたものの存在又は追加の可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。
【0038】
なお、以下の説明において、「上側、上部、下側、下部、側面、前面、背面」などの表現は、図面に示した方向を基準にして表現したものであり、当該対象の方向が変更される場合には、異なって表現できることを予め明らかにする。
【0039】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲では、構成要素間の区別のために、「第1」、「第2」などのように、序数を含む用語が使用されることがある。このような序数は、同一又は類似の構成要素を互いに区別するために使用されるものであり、このような序数の使用により、用語の意味が限定解釈されてはならない。一例として、このような序数と結合された構成要素は、その数によって使用順序や配置順序などが限定解釈されてはならない。必要に応じて、各序数は互いに交換して使用されることもできる。
【0040】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張することができる。
【0041】
図1は、バッテリセル10の斜視図であり、
図2は、バッテリセル10の底面斜視図であり、
図3は、バッテリセル10の分解斜視図である。
【0042】
実施形態に係るバッテリセル10は、電極組立体100、電極組立体100が収容されるハウジング200、電極組立体100と電気的に連結される端子部320が配置されるキャップアセンブリ300を含むことができる。
【0043】
電極組立体100は複数の電極板を含むことができる。複数の電極板は、複数の正極板と複数の負極板とを含むことができる。電極組立体100は、正極板と負極板がセパレータを挟んで巻き取られるか、又は積層された形態で構成されることができる。複数の正極板及び複数の負極板には活物質が塗布されていない無地部が形成されることができる。正極板及び負極板においてそれぞれの無地部は、互いに同じ極性同士が接触するように連結されることができる。互いに同じ極性の無地部は集電体110と連結され、集電体110は連結部材120を介してキャップアセンブリ300の端子部320と電気的に連結されることができる。これにより、電極組立体100は、バッテリセル10の外部の他の構成要素(例えば、導電性バスバー)と電気的に連結されることができる。
【0044】
実施形態に係るハウジング200は、一般にバッテリ装置の作製に使用されるハウジングであってもよい。以下の説明において特に断りがない限り、ハウジング200はバッテリ用ハウジングを意味することができる。
【0045】
ハウジング200は、電極組立体100と電解液(図示せず)が収容されることができる内部空間Sを有することができる。
【0046】
ハウジング200は、内部の電極組立体100を保護し、バッテリセル10全体の外形を維持できる程度に十分な剛性を有する材料を含むことができる。例えば、ハウジング200の少なくとも一部はアルミニウムで形成されてもよい。ただし、ハウジング200の材料はこれに限定されるものではなく、アルミニウム以外の様々な金属又は樹脂材料を含むこともできる。
【0047】
ハウジング200は、内部空間Sを有し、両側が開放された形状を有する本体部201を含むことができる。例えば、
図1~
図3を参照すると、ハウジング200の本体部201は、略六面体形状からなることができ、本体部201の長さ方向(Z軸方向)の両端部に配置される第1開口部210及び第2開口部220の間には内部空間Sが形成され、この内部空間Sに電極組立体100が収容されることができる。
【0048】
以下の説明では、ハウジング200の本体部201が、
図1~
図3のように両側が開放された六面体の形状を有することを前提に実施形態を説明する。ただし、ハウジング200の具体的な形状は、
図1~
図3に示すものに限定されない。ハウジング200は、電極組立体100が挿入及び収容されることができる内部空間Sが確保された形状であれば、如何なる形状に構成されてもよい。例えば、ハウジングは、上面又は下面が開放された円柱の形状を有してもよく、又は少なくとも一側が開放された多面体の形状を有してもよい。
【0049】
ハウジング200の第1開口部210及び第2開口部220には、それぞれキャップアセンブリ300が結合されて内部空間Sを閉鎖することができる。
【0050】
キャップアセンブリ300は、ハウジング200と結合されるキャッププレート310及びキャッププレート310に配置される端子部320を含むことができる。
【0051】
端子部320は、ハウジング200内部の電極組立体100と電気的に連結されることができる。例えば、
図3を参照すると、端子部320は、電極組立体100と電気的に連結された集電体110及び連結部材120を媒介として互いに電気的に連結されることができる。
【0052】
端子部320はキャッププレート310上に固定配置されることができる。キャッププレート310はバッテリセル10の一側面を形成することができる。
【0053】
キャッププレート310は、所定の剛性を有する材料を含み、ハウジング200の開放された一側を閉鎖し、内部空間Sに配置された電極組立体100を保護することができる。例えば、キャッププレート310の少なくとも一部は、ハウジング200と同じ材料で形成されてもよい。
【0054】
1つのバッテリセル10において、キャップアセンブリ300は複数個であってもよい。例えば、キャップアセンブリ300は、互いに反対の極性を有する端子部320がそれぞれ配置される第1キャップアセンブリ300a及び第2キャップアセンブリ300bを含むことができる。
【0055】
図1~
図3に示すように、第1キャップアセンブリ300a及び第2キャップアセンブリ300bは、ハウジング200の両側端部に結合されることができる。例えば、第1キャップアセンブリ300aは正極端子部320aを有し、ハウジング200の第1開口部に結合及び溶接されて第1開口部を閉鎖することができる。第2キャップアセンブリ300bは負極端子部320bを有し、ハウジング200の第2開口部220に結合及び溶接されて第2開口部220を閉鎖することができる。これにより、第1キャップアセンブリ300a及び第2キャップアセンブリ300bは、電極組立体100が収容されたハウジング200の両側を閉鎖することができる。
【0056】
キャップアセンブリ300とハウジング200の結合にはレーザ溶接方式を適用することができるが、具体的な結合方式はこれに限定されるものではない。
【0057】
図1~
図3に示すバッテリセル10の場合、2つの端子部320は、ハウジング200において互いに反対の両側に配置されるものとして示されているが、ハウジング200のいずれか一側において同じ方向に向かうように配置して構成することもできる。この場合、キャップアセンブリ300は、
図1~
図3とは異なり、互いに反対の極性を有する2つの端子部320が1つのキャッププレート310に配置された形態で構成されてもよい。
【0058】
バッテリセル10は、内部空間Sで発生したガスを排出できるように構成されたベント部材230をさらに含むことができる。ベント部材230は、バッテリセル10の内部圧力が基準値と同じか又は高い場合、バッテリセル10の他の領域よりも先に開放されてバッテリセル10が爆発することを防止することができる。
【0059】
ベント部材230は、ハウジング200の本体部201に結合されることができる。例えば、ベント部材230は、本体部201の側面に形成されたベンティングホール(例えば、
図4の240)に結合されてもよい。
【0060】
ベント部材230は、ベンティングホール240に結合されてベンティングホール240を閉鎖するように構成されることができる。ハウジング200の内部圧力が基準値より低い場合、ベント部材230は、ベンティングホール240を密閉するように構成され、ベンティングホール240を介してバッテリセル10の内部に異物が流入するか、又はバッテリセル10内部の電解液が流出することを遮断することができる。
【0061】
バッテリセル10が充放電を繰り返す間、ハウジング200の内部空間Sにガスが発生し、内部圧力が基準値と同じか又は高くなる場合、ベント部材230の少なくとも一部は破断するように構成されることができる。例えば、ベント部材230上には、他の部分に比べてより小さい厚さを有するノッチ部231が形成されてもよい。ハウジング200の内部圧力が基準値と同じか又は高くなる場合、ベント部材230においてノッチ部231が優先的に破断することができ、破断したノッチ部231を介して内部空間Sのガスがバッテリセル10の外部に放出されることができる。
【0062】
ベント部材230は、ハウジング200の内側面に安着して結合されることができる。例えば、ベント部材230は、ハウジング200のベンティングホール240において、バッテリセル10の内部から外部に向かう方向に安着された後、レーザ溶接によってしっかりと結合されることができる。ただし、ベント部材230とハウジング200との間の結合には、溶接以外に様々な結合方式を適用することができる。例えば、ベント部材230とハウジング200は、接着剤などの接合物質を媒介として互いに結合されてもよい。あるいは、ベント部材230とハウジング200は、その間にシーリング部材が介在された状態で嵌合されてもよい。
【0063】
実施形態において、バッテリセル10は、ハウジング200とベント部材230を結合させるために設けられた継手部250をさらに含むことができる。例えば、ハウジング200のいずれか一側には、互いに分離可能な第1接合部251及び第2接合部252を含む継手部250が形成されてもよい。
【0064】
ハウジング200の本体部201は、継手部250が配置される第1面201b及びベント部材230が配置される第2面201aを含むことができる。ハウジングの第2面201aには、ベント部材230が安着されるようにベンティングホール(例えば、
図4の240)が開設されることができる。
【0065】
継手部250とベント部材230は、本体部201の互いに反対の側面に配置されることができる。すなわち、本体部201の第1面201bと第2面201aとは互いに反対の面であり得る。例えば、
図1~
図3を参照すると、ベント部材230はバッテリセル10の本体部201の上側面に配置され、継手部250は本体部201の下側面に配置されることができる。
【0066】
継手部250の第1接合部251と第2接合部252は、その端部が互いに対向して当接するように構成されることができる。
【0067】
第1接合部251と第2接合部252は、バッテリセル10の作製過程で互いに接合され、最終製品では相互結合された状態を有することができる。
【0068】
例えば、バッテリセル10の作製過程のうち、ベント部材230がハウジング200と結合される前の段階で、第1接合部251と第2接合部252は互いに接合されていない状態を有することができる。この場合、第1接合部251と第2接合部252は、互いに所定の間隔で離隔しているか、又は当接していても、しっかりと接合されていない状態である可能性がある。したがって、この段階で継手部250はハウジング200の内部空間を露出させることができる。また、継手部250の第1接合部251と第2接合部252とが互いに当接した状態である場合、使用者(又は作製者)は、第1接合部251と第2接合部252とを互いに離隔させて継手部250を開放することができる。
【0069】
ベント部材230がハウジング200に結合された後の段階で、第1接合部251と第2接合部252とは互いにしっかりと接合されることができる。例えば、第1接合部251と第2接合部252とは、溶接によって互いにしっかりと接合されることができる。ただし、第1接合部251と第2接合部252との接合には、溶接以外に様々な結合方式を適用することができる。第1接合部251と第2接合部252とが相互接合されることによって、継手部250は閉鎖された状態を有することになる。
【0070】
継手部250には、第1接合部251と第2接合部252とが互いに接合される領域である接合ラインCLが形成されることができる。言い換えれば、第1接合部251と第2接合部252は接合ラインCLに沿って接合されることができる。
【0071】
ベント部材230と接合ラインCLは、ハウジング200の互いに反対の側面に配置されることができる。
【0072】
接合ラインCLの少なくとも一部は、本体部201の長さ方向(Z軸方向)に形成されることができる。ハウジング200において、継手部250とベント部材230は互いに反対の面に配置されるため、接合ラインCLもベント部材230の反対側の面に配置されることができる。
【0073】
バッテリセル10は、正極端子部320a及び負極端子部320bが両側に配置される両端タブ構造を有することができる。この場合、本体部201の長さ方向(Z軸方向)の両端部にそれぞれ第1開口部210及び第2開口部220が配置されることができる。以下では、本体部201の長さ方向を「第1方向」とも記載する。一方、継手部250とベント部材230は、第1方向に垂直な第2方向(例えば、Y軸方向)に対向することができる。
【0074】
実施形態において、ハウジング200は、板状部材が少なくとも1回以上折り曲げられて作製されることができる。例えば、作製者は平板状部材を数回折り曲げて、
図3に示すように、両側が開放された箱形状のハウジング200を作製することができる。
【0075】
ハウジング200の本体部201は、少なくとも1回以上折り曲げられた板状部材からなることができる。この場合、ハウジング200の継手部250を構成する第1接合部251と第2接合部252は、それぞれ板状部材の両側縁のうち少なくとも一部に該当する部分であり得る。
【0076】
以下では、
図4~
図9を参照して、実施形態に係るベント部材230の結合について詳細に説明する。
【0077】
図4は、バッテリセル10のハウジング200とベント部材230の結合を説明するための例示図である。
図5は、ベント部材230がハウジング200の内部に結合された状態を示す。
図4及び
図5で説明するバッテリセル10は、
図1~
図3のバッテリセル10に対応するものであるため、重複説明は省略することができる。
【0078】
ベント部材230は、ハウジング200の内側面に安着して結合されることができる。例えば、ベント部材230は、ハウジング200に設けられたベンティングホール240において、ハウジング200の内側から外側に向かう方向(例えば、
図4においてY軸の正の方向)に安着された状態で、その縁が溶接などによる方式で接合されることができる。もちろん、前述の
図1~
図3で説明したように、ベント部材230とハウジング200との間の接合方式は溶接に限定されるものではない。
【0079】
ベント部材230は、ベンティングホール240の段差部241に安着され、ハウジング200の外部に脱落しないように支持されることができる。
【0080】
ベント部材230が安定的に安着されるように、ハウジング200のベンティングホール240の縁には段差部241が形成されることができる。例えば、
図4を参照すると、ベンティングホール240の段差部241は、ハウジング200の内壁に対して段差を有する構造に形成されてもよい。
【0081】
ベント部材230は、ベンティングホール240の段差部241に安着される安着部232を有することができる。例えば、
図4を参照すると、安着部232はベント部材230の縁に形成され、段差部241の形状に対応する段差形状を有するように構成されてもよい。
【0082】
ベント部材230がベンティングホール240に位置づけされることで、安着部232は段差部241とバッテリセル10の高さ方向(例えば、Y軸方向)に対向するように配置されることができる。ベント部材230は、ハウジング200の内側から外側に向かう方向に安着されるため、ベント部材230の安着部232は、ベンティングホール240の段差部241よりも内部空間S及び電極組立体(
図2の100)に近接して配置されることができる。
【0083】
この場合、ベンティングホール240において段差部241部分の直径は、ベント部材230の安着部232の幅より小さくてもよい。例えば、
図4を参照すると、ベンティングホール240の段差部241部分のX軸方向の幅は、ベント部材230の安着部232のX軸方向の幅より小さくてもよい。あるいは、ベンティングホール240の段差部241部分のY軸方向の幅は、ベント部材230の安着部232のY軸方向の幅より小さくてもよい。このような構造によれば、ベント部材230は、ハウジング200のベンティングホール240に安着された状態で安定的に支持され、バッテリセル10の内圧が持続的に加えられても、ハウジング200から簡単に脱落しないことができる。
【0084】
ベント部材230は、バッテリセル10の内圧によって破断可能なノッチ部231を含むことができる。例えば、ベント部材230の表面には、陰刻形状のノッチ部231が形成されてもよい。ノッチ部231は、ベント部材230の他の部分よりも厚さが薄いため、バッテリセル10の内圧が基準値と同じか又は高くなる場合、優先的に破断することができる。
【0085】
ノッチ部231は、ベント部材230においてバッテリセル10の外部に向かう面に形成されることができる。例えば、ベント部材230がハウジング200のベンティングホール240に結合された状態で、ベント部材230の一面が電極組立体(
図2の100)と対面するとき、ノッチ部231は、ベント部材230の一面と反対の他面に形成されることができる。
【0086】
ノッチ部231は、
図4に示すように「X」字形状に構成されてもよいが、その具体的な形状は図面に示したものに限定されない。
【0087】
図5を参照すると、ハウジング200の内側面には、ベント部材230の縁に沿って接合領域CAが形成されることができる。
【0088】
ベント部材230がベンティングホール240に溶接結合される場合、接合領域CAは、溶接レーザが照射される領域であり得る。すなわち、ベント部材230がベンティングホール240に安着された状態で、ハウジング200の内側の接合領域CAのうち少なくとも一部に溶接レーザが照射され、ベント部材230とハウジング200とが相互結合されることができる。
【0089】
特に、バッテリセル10のハウジング200は、ベンティングホール240と反対の面に開放可能な継手部250を有するため、上述した溶接レーザを接合領域CAに容易に照射することができる。
【0090】
以下では、
図6~
図9を参照して、バッテリセル10の継手部250及びそれを活用したベント部材230の接合について詳細に説明する。
【0091】
図6は、
図3のI-I’部分に沿ったハウジング200の断面図であり、
図7は、
図6のA部分の拡大図であり、
図8は、
図6のB部分の拡大図であり、
図9は、ハウジング200の継手部250が開放された状態を示す。
【0092】
図6~
図9で説明するバッテリセル10は、前述の
図1~
図5で説明したバッテリセル10に対応するものであるため、重複説明は省略することができる。
【0093】
バッテリセル10のハウジング200は、内部空間Sを挟んで互いに対向するように配置されるベンティングホール(
図4の240)と継手部250とを含むことができる。ベンティングホール(
図4の240)には、ベント部材230が安着して結合されることができる。
【0094】
ベント部材230は、陰刻構造のノッチ部231を有することができる。バッテリセル10内部の圧力が基準値以上である場合、ノッチ部231を有するベント部材230は、ハウジング200の他の部分よりも優先的に破断することができる。破断したベント部材230を介してハウジング200内部のガスが放出され、バッテリセル10の内圧が危険なレベルまで増加することを防止することができる。
【0095】
ベント部材230は、ハウジング200の内側から外側に向かう方向に、ハウジング200に結合されることができる。例えば、
図6及び
図7を参照すると、ベント部材230は、少なくとも一部がハウジング200の内側面に形成された段差部241において、ハウジング200の内側から外側に向かう方向に安着して結合されることができる。
【0096】
ハウジング200はベント部材230が安着される段差部241を有し、ベント部材230は段差部241に安着される安着部232を有することができる。ベント部材230がハウジング200に結合された状態で、ベント部材230の安着部232は、ハウジング200の段差部241よりもハウジング200の内側に配置されることができる。
【0097】
ベンティングホール240の段差部241の幅D2は、ベント部材230の安着部232の幅D1より小さくてもよい。これにより、バッテリセル10内部で発生したガスによって内圧が形成されても、ベント部材230はベンティングホール240の段差部241に支持され、ハウジング200の外側に離脱しないことができる。
【0098】
また、このような段差部241の構造により、ベント部材230はハウジング200のベンティングホール240に正確に安着することができる。
【0099】
ハウジング200は、ベント部材230の反対側に配置される継手部250をさらに含むことができる。継手部250は開放可能に構成されて、ベント部材230とハウジング200の接合工程が容易に行われるようにする。
【0100】
ハウジング200の継手部250は、互いに当接することができるように構成された第1接合部251と第2接合部252とを含むことができる。
【0101】
第1接合部251と第2接合部252とは互いに噛み合う構造を有することができる。例えば、
図8に示すように、第1接合部251の端部に形成された段差251a及び第2接合部252の端部に形成された段差252aは、互いに噛み合うように構成されてもよい。このような噛み合い構造により、第1接合部251と第2接合部252はより安定的に接合されることができる。また、第1接合部251と第2接合部252が接合された後にも、バッテリセル10の内圧によって継手部250が容易に破損しないことができる。
【0102】
第1接合部251と第2接合部252とが互いに離隔することによって、継手部250が開放されることができ、逆に、第1接合部251と第2接合部252とが互いに当接して接触すると、継手部250が閉鎖されることができる。
【0103】
バッテリセル10の製造過程において、ハウジング200にベント部材230が結合される前の段階で、継手部250は開放可能に構成されることができる。例えば、ハウジング200にベント部材230が結合される前の段階で、継手部250の第1接合部251と第2接合部252とは互いに離隔した状態を有するか、又は接合されていない状態を有するように構成されてもよい。この場合、
図9に示すように、外力によって継手部250が容易に開放されることができる。
【0104】
継手部250が開放されることで、ベント部材230が安着されたハウジング200の内側面が露出し、ベント部材230を接合するための作業が容易に行われることができる。例えば、ベント部材230をハウジング200に溶接して固定させる場合、開放された継手部250を介して溶接用レーザをハウジング200の内側面に安定的に照射することができる(例えば、
図9の破線は、レーザ出力ノズルが挿入される経路の一実施形態であり得る)。
【0105】
すなわち、実施形態に係るバッテリセル10は、ベント部材230の反対側に配置された開放可能な継手部250を有しているため、ハウジング200の内側面に安着されるベント部材230をハウジング200に安定的に結合させることができる。
【0106】
ベント部材230とハウジング200との噛み合い構造は、
図6及び
図7に示す段差構造に限定されるものではない。例えば、
図10に示すように、ベント部材230’及びそれと接触するハウジング200’の一部分は、傾斜面を有するように構成されてもよい。
【0107】
図10は、他の実施形態に係るハウジング200’の一部断面図である。
【0108】
図10を参照すると、ハウジング200’の一側にはベンティングホールが形成され、ベント部材230’はハウジング200’の本体部201に結合されてベンティングホールを閉鎖することができる。
【0109】
ベント部材230’は、ハウジング200’の段差部241’にハウジング200’の内側から外側に向かう方向に安着して結合されることができる。
【0110】
ハウジング200’においてベント部材230’が安着される段差部241’は、傾斜面として形成されることができる。この場合、ハウジング200’の段差部241’の傾斜面は、ベンティングホールの間隔がハウジング200’の外側に向かう方向に徐々に狭くなるように傾斜して構成されることができる。
【0111】
ハウジング200’の段差部241’の形状に対応して、ベント部材230’の縁も傾斜面として構成されることができる。例えば、ベント部材230’の縁は、ベント部材230’の幅がハウジング200’の外側に向かう方向に徐々に狭くなるように傾斜して構成されてもよい。
【0112】
このようなベント部材230’及びハウジング200’の傾斜面構造により、ベント部材230’をハウジング200’のベンティングホールに安着させる過程で、ベント部材230’の正確な安着位置がガイドされることができる。
【0113】
ベント部材230’の傾斜面の傾斜角度は様々に設定されることができる。あるいは、ベント部材230’において本体部201と当接する部分の一部は傾斜面として、他の一部はベント部材230’の上面と垂直な面として形成されることができる。必要に応じて、ベント部材230’において本体部201と当接する部分は、傾斜した部分がなくハウジングの高さ方向(例えば、Y軸方向)に水平な面として仕上げられてもよい。
【0114】
すなわち、
図10に示すベント部材の傾斜面は様々な実施形態の一部に過ぎず、ベント部材230’において本体部201と当接する部分の形状は、ベント部材230’が本体部201と接触を維持できる形状であれば、如何なる形状でも可能である。
【0115】
一方、
図10においてベント部材230’及びハウジング200’が当接する部分の構造を除く他の特徴は、いずれも
図1~
図9で述べられたベント部材230及びハウジング200の特徴と同じであるため、これに対する詳細な説明は
図1~
図9を参照することができる。
【0116】
以下では、
図11及び
図12を参照して、他の実施形態に係る継手部の形状について説明する。
【0117】
図11は、他の実施形態に係るハウジングの断面図であり、
図12は、他の実施形態に係るハウジングの断面図である。
【0118】
継手部250を構成する第1接合部251及び第2接合部252の端部は、様々な形状に設けられることができる。
【0119】
例えば、
図11を参照すると、第1接合部251において第2接合部252と当接する部分は、ハウジングの高さ方向(Y軸方向)に対して傾斜した傾斜面として構成されてもよい。これに対応して、第2接合部252において第1接合部251と当接する部分は、第1接合部251の傾斜面と密着できる傾斜面として構成されることができる。
【0120】
あるいは、
図12を参照すると、第1接合部251と第2接合部252とは、互いに当接する部分がハウジングの高さ方向(Y軸方向)に対して水平な面として構成されてもよい。
【0121】
図11及び
図12に示す形状以外にも、第1接合部251と第2接合部252の端部は、互いに当接することができるように構成された様々な形状を有することができる。
【0122】
一方、
図11及び
図12に示すハウジング200において、第1接合部251と第2接合部252とが互いに当接する部分の形状以外の他の特徴は、いずれも
図1~
図9で述べられたハウジング200の特徴と同じであるため、これに対する詳細な説明は
図1~
図9を参照することができる。
【0123】
以下では、
図13及び
図14を参照して、実施形態に係るバッテリセル10の製造方法について説明する。
【0124】
図13は、バッテリセルの製造方法を示すフローチャートであり、
図14は、ハウジング200とベント部材230の結合過程を説明するための例示図である。
【0125】
図13及び
図14で説明するバッテリセル及びその構成要素は、前述の
図1~
図12で説明したバッテリセル10及びその構成要素に対応するものであるため、重複説明は省略することができる。
【0126】
実施形態において、バッテリセルの製造方法は、バッテリセルのハウジングを準備する段階S101、S102、S103、ハウジングに電極組立体を収容する段階S104、及びキャップアセンブリとハウジングを結合する段階S105を含むことができる。
【0127】
ハウジングを準備する段階S101、S102、S103は、ハウジングの内側面にベント部材を安着される段階S101、ベント部材がハウジングと結合される段階S102、及びハウジングの継手部を閉鎖する段階S103を含むことができる。
【0128】
ハウジングの継手部を閉鎖する段階S103は、継手部の第1接合部及び第2接合部をハウジングの長さ方向に形成された接合ラインに沿って接合する段階をさらに含むことができる。
【0129】
図14を参照して、ハウジング200を準備する段階S101、S102、S103について詳細に説明する。
図13は、ハウジング200を準備する段階S101、S102、S103の少なくとも一部を例示的に示すものであり、左上端、右上端、左下端及び右下端の順にハウジング200が準備される様子を示す。
【0130】
図14の左上端は、ハウジング200の継手部250が開放された状態を示す。すなわち、継手部250の第1接合部251と第2接合部252とは互いに離隔した状態を有することができ、これにより、開放された継手部250を介してハウジング200の内側面が露出することができる。
【0131】
ハウジング200の継手部250の反対側には、ベンティングホール240が開設されることができる。このベンティングホール240は、以後の工程で結合されるベント部材230によって閉鎖されることができる。
【0132】
図14の右上端は、ベント部材230がハウジング200の内側に安着される様子を示す。ベント部材230は、ハウジング200の内側から外側に向かう方向にベンティングホール240に安着されることができる。このとき、ハウジング200の継手部250が開放されているため、ベント部材230の安着工程がより容易に行われることができる。
【0133】
図14の左下端は、ベント部材230がハウジング200に接合される様子を示す。ベント部材230とハウジング200の接合には、レーザ溶接方式を適用することができる。このとき、開放された継手部250の間にベント部材230とハウジング200の内側面が露出するため、溶接のためのレーザL1がベント部材230の接合領域(例えば、
図5のCA)に容易に到達することができる。
【0134】
特に、ベント部材230がハウジング200の内側から外側に向かう方向に安着される場合、ベント部材230の安定的な接合のためには、ハウジング200の内側面でレーザL1を照射する必要がある。ハウジング200は、ベント部材230の反対側に開放可能に構成された継手部250を有するため、開放された継手部250を介して接合のためのノズルがハウジング200の内部空間Sに容易に入ることができ、溶接のためのレーザL1を正確かつ安全に照射することができる。
【0135】
図14の右下端は、ベント部材230の接合が完了した後、継手部250を閉鎖する様子を示す。
【0136】
第1接合部251と第2接合部252の接合には、レーザ溶接方式を適用することができる。前の段階で離隔していた第1接合部251と第2接合部252とを互いに当接させ、溶接のためのレーザL2が接合ライン(例えば、
図2及び
図3のCL)に沿って、これらを相互接合させて継手部250を閉鎖することができる。
【0137】
このような工程を経て、ベント部材230が結合され、継手部250が閉鎖された状態のハウジング200が設けられることができる。
【0138】
ただし、前述の図面で説明したように、ベント部材230がハウジング200の接合及び第1接合部251と第2接合部252の接合方式は、レーザ溶接方式の他に、様々な接合方法を適用することができる。
【0139】
再び
図13を参照すると、ハウジングが準備された後、ハウジングに電極組立体を収容する段階S104、キャップアセンブリとハウジングとを結合する段階S105が行われることができる。
【0140】
ハウジングに電極組立体を収容する段階S104で、ハウジングの内部空間には電極組立体が挿入されて収容されることができる。この場合、電極組立体の少なくとも一側にはキャップアセンブリが電気的に連結された状態であってもよい。
【0141】
キャップアセンブリとハウジングとを結合する段階S105で、キャップアセンブリは、ハウジングの開放された両側に結合されてハウジングの内部空間を閉鎖することができる。電極組立体の両側には、それぞれ互いに異なる極性の端子部を有するキャップアセンブリが連結されることができ、これにより、正極端子及び負極端子を両端部に有するバッテリセルの外観が形成されることができる。
【0142】
ただし、バッテリセルの製造方法は、上述した手順に限定されるものではない。例えば、ハウジングに電極組立体を収容する段階S104、及びキャップアセンブリとハウジングとを結合する段階S105は、順次に行われてもよく、又は同時に行われてもよい。
【0143】
実施形態において、バッテリセル10は、ハウジング200の内側から外側に向かう方向に安着して接合されるベント部材230を含むことができる。このようにハウジング200の内側に安着及び接合されたベント部材230は、ハウジング200の内圧によって容易に脱離したり、接合部分が破損しないため、バッテリセル10の構造的安定性をより増大させることができる。
【0144】
また、実施形態に係るバッテリセル10は、キャップアセンブリ300のキャッププレート310よりもハウジング200の厚さが薄い場合にも、ベント部材230をハウジング200に安定的に結合させることができる。
【0145】
ベント部材230とハウジング200の接合のために、バッテリセル10のハウジング200は、ベント部材230の反対側に開放可能な継手部250を有することができる。開放された継手部250を介してベント部材230とハウジング200の内側面との間の接合領域CAが露出することができるため、ベント部材230の接合工程をより円滑に行うことができ、バッテリセル10の組立工程の効率性を増大させることができる。
【0146】
また、正極端子部320及び負極端子部320が両側に配置される両端タブのバッテリセル10において、ベント部材230をハウジング200の側面に容易に結合できるようになることで、バッテリセル10のベンティング方向を様々に設定できるという技術的利点を有する。
【0147】
以上のように、本発明の様々な実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは、当該技術分野における平均的な知識を有する者には自明である。また、前述した実施形態において、一部の構成要素を削除して実施することができ、各実施形態は互いに組み合わせて実施することもできる。
【符号の説明】
【0148】
10:バッテリセル
100:電極組立体
200:ハウジング
210:第1開口部
220:第2開口部
230:ベント部材
240:ベンティングホール
250:継手部
251:第1接合部
252:第2接合部
300:キャップアセンブリ
310:キャッププレート
320:端子部